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  • 特許-設計支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】設計支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/12 20200101AFI20230127BHJP
   G06F 16/9038 20190101ALI20230127BHJP
【FI】
G06F30/12
G06F16/9038
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020052599
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021152720
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 利生
(72)【発明者】
【氏名】馬郡 義弘
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-265490(JP,A)
【文献】特開2011-085974(JP,A)
【文献】特開2016-057954(JP,A)
【文献】特開2019-057289(JP,A)
【文献】特開2004-094626(JP,A)
【文献】特開2003-228570(JP,A)
【文献】特開2006-190114(JP,A)
【文献】特開2001-216316(JP,A)
【文献】特開2017-068645(JP,A)
【文献】特開2006-271541(JP,A)
【文献】特開平05-046451(JP,A)
【文献】特開平01-292526(JP,A)
【文献】荻窪圭,ファイル管理の概念を根底から覆す Spotlight/スマートフォルダ,PC USER,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2005年07月01日,第12巻,第7号,pp.134-135
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/398
G06F 16/00 -16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器設計を支援するための設計支援システムであって、
機器の設計情報を記憶する設計情報データベースと、
前記設計情報データベースのデータの閲覧記録を記憶する記憶部と、
入力された検索キーワードについて、前記記憶部に記憶された閲覧記録に基づき、前記設計情報データベースからデータを検索する検索処理部と、
前記検索処理部による検索結果を出力する出力部と、
前記出力部によって出力されたデータを設計者が確認したかどうかを判断する確認部と、
機器設計を行うための機器設計部と、を備えており、
記録者が機器設計にあたり必要な設計情報を前記設計情報データベースで閲覧した記録を記憶部に記憶する記憶フェーズと、
設計者が、機器設計にあたり、記録者が閲覧した設計情報を確認の後、当該機器の設計を進める設計フェーズと、を備え、
前記確認部は、前記設計フェーズにおいて、前記出力部によって出力されたデータを設計者が確認したと判断した後、前記機器設計部を作動させる設計支援システム。
【請求項2】
前記検索処理部は、検索結果をデータの種類毎に分類し、データの種類順に表示されるよう検索結果を並べ替える、請求項1記載の設計支援システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記設計情報データベースのデータの種類毎に、最後に閲覧されたデータを記憶する、請求項1又は2に記載の設計支援システム。
【請求項4】
前記検索処理部は、前記設計情報データベースのデータの種類毎に、前記記憶部に記憶された閲覧時期の古いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替える、請求項1~3のいずれか1つに記載の設計支援システム。
【請求項5】
前記検索処理部は、前記設計情報データベースのデータの種類毎に、前記記憶部に記憶された閲覧回数の多いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替える、請求項1~3のいずれか1つに記載の設計支援システム。
【請求項6】
前記記憶部には、データの閲覧時において、記録者が注記した注記情報が記憶されており、前記検索処理部は、前記設計情報データベースのデータの種類毎に、前記記憶部に記憶された前記注記情報が多いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替える、請求項1~3のいずれか1つに記載の設計支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器設計を支援するための設計支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器設計を担当する担当者が初めての機器を設計する場合には、その機器に対する「仕様書」、「図面」、「BOM(部品表)」等の設計情報データベースを確認の上、設計を進めることとなる。しかし、そのような設計情報データベースをうまく検索できない場合には、一から設計を行うこととなり、設計に余分な時間がかかってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-110497号公報
【文献】特開2004-78331号公報
【文献】特開平4-42335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1には、設計に必要なデータベースを自動作成することが開示されているが、そのデータベースとは、設計者の質問に対する回答のデータベースであり、設計情報データベースをまとめたものではない。また、特許文献2に記載された特許文献3には、管理ファイルにアクセスすることによって異なるデータフォルダに保存されたデータベースを確認できることが開示されているが、機器設計に必要な設計情報データベース全体を確認できるものではない。
【0005】
そこで本発明では、機器設計に必要な設計情報データベース全体を容易に確認することができる、設計支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機器設計を支援するための設計支援システムであって、
機器の設計情報を記憶する設計情報データベースと、
前記設計情報データベースのデータの閲覧記録を記憶する記憶部と、
入力された検索キーワードについて、前記記憶部に記憶された閲覧記録に基づき、前記設計情報データベースからデータを検索する検索処理部と、
前記検索処理部による検索結果を出力する出力部と、を備える。
【0007】
前記構成によれば、設計情報データベースのデータの閲覧記録に基づき、検索処理部はデータを検索し、出力部が検索結果を出力するので、本設計支援システムを用いることで、記録者(熟練設計者)が機器設計を行った際に記憶部に記憶されたデータの閲覧記録を、同種の機器の設計を行う設計者(通常設計者)が自動的に閲覧することができ、設計の作業効率を向上させることができる。
【0008】
本発明は、さらに、次のような構成を備えるのが好ましい。
【0009】
(1)前記検索処理部は、検索結果をデータの種類毎に分類し、データの種類順に表示されるよう検索結果を並べ替える。
【0010】
(2)前記記憶部は、前記設計情報データベースのデータの種類毎に、最後に閲覧されたデータを記憶する。
【0011】
(3)前記検索処理部は、前記設計情報データベースのデータの種類毎に、前記記憶部に記憶された閲覧時期の古いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替える。
【0012】
(4)前記検索処理部は、前記設計情報データベースのデータの種類毎に、前記記憶部に記憶された閲覧回数の多いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替える。
【0013】
(5)前記記憶部には、データの閲覧時において、記録者が注記した注記情報が記憶されており、前記検索処理部は、前記設計情報データベースのデータの種類毎に、前記記憶部に記憶された前記注記情報が多いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替える。
【0014】
(6)前記出力部によって出力されたデータを設計者が確認したかどうかを判断する確認部と、
機器設計を行うための機器設計部と、をさらに備えており、
前記確認部は、前記出力部によって出力されたデータを設計者が確認したと判断した後、前記機器設計部を作動させる。
【0015】
前記構成(1)によれば、検索結果がデータの種類(仕様書、技術資料、図面、購入票等)毎に分類して出力されるので、設計者は、データの種類毎に容易にデータの確認を行うことができる。
【0016】
前記構成(2)によれば、データの種類毎に記録者が最後に閲覧したデータが設計に最も関係するデータと思われるため、そのデータを記憶することで、設計者が重要なデータを容易に確認することができる。
【0017】
前記構成(3)によれば、閲覧時期の古いデータから順に表示されるようにすることで、設計者は、設計の時系列に合わせたデータの確認を行うことができる。
【0018】
前記構成(4)によれば、閲覧回数の多いデータから順に表示されるようにすることで、設計者は、設計において重要なデータから順にデータの確認を行うことができる。
【0019】
前記構成(5)によれば、注記情報の多いデータから順に表示されるようにすることで、設計者は、設計において注記情報、すなわちノウハウ等が多い順にデータの確認を行うことができる。
【0020】
前記構成(6)によれば、設計者が、出力されたデータを確認後に設計を始めるよう設定することができ、記録者によって記憶部に記憶された重要なデータを確認してから設計を進めることで、設計の作業効率、設計の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、機器設計に必要な設計情報データベース全体を容易に確認することができる、設計支援システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る設計支援システムの構成概略図である。
図2】設計支援システムの処理における記憶フェーズのフローチャートである。
図3A】設計支援システムの処理のおける設計フェーズのフローチャートである。
図3B】設計支援システムの処理のおける設計フェーズのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る設計支援システムの構成概略図である。図1に示されるように、設計支援システム10は、設計者に設計支援ツールを提供するシステムである。設計支援システム10は、設計情報データベース1、記憶部2、検索処理部3、検索結果データベース4、出力部5、機器設計部6、確認部7及び設計端末8を含んで構成されている。
【0024】
設計情報データベース1、記憶部2、検索処理部3、出力部5、機器設計部6、確認部7及び設計端末8は、インターネット又はLAN等の通信回線9を介して互いに通信可能に接続されている。なお、図1には、設計端末8は1つのみ示されているが、設計支援システム10は、通常、複数の設計者が使用する複数の設計端末8を含んでいる。
【0025】
設計情報データベース1は、設計者が機器の設計を行うための設計情報及び設計支援ツールを管理している。設計情報には、機器の仕様書、技術資料、図面、購入票等が含まれる。設計支援ツールとは、3DCAD等の機器の設計を行うソフトウェア等が含まれる。
【0026】
記憶部2は、設計支援システム10の記憶フェーズにおいて、設計端末8が設計情報データベース1にアクセスした閲覧記録を、通信回線9を介して記憶する。記憶フェーズの詳細については、設計支援システム10の処理の欄で説明する。
【0027】
検索処理部3は、設計支援システム10の設計フェーズにおいて、設計端末8において設計機器を入力すると、通信回線9を介して、記憶部2の閲覧記録に基づき、入力された設計機器の設計情報データベース1を検索する。設計フェーズの詳細については、設計支援システム10の処理の欄で説明する。
【0028】
検索結果データベース4は、検索処理部3による、入力された設計機器の設計情報データベース1の検索結果を記憶する。
【0029】
出力部5は、検索処理部3の検索結果として、検索結果データベース4に記憶されたデータを、通信回線9を介して設計端末8に出力する。
【0030】
確認部7は、出力部5によって設計端末8に出力されたデータを、設計端末8において設計者が確認したかどうかを確認する。確認部7は、設計者が確認したかどうか判断するために、設計端末8に入力画面を表示させるようになっている。
【0031】
設計者が入力画面に所定の内容を入力すると、確認部7は、設計者が確認したと判断する。なお、判断は、出力されたデータを最後まで閲覧したという入力をもって行われてもよく、また、設計端末8に確認したかどうかを判断するデータ(値を入力するようなもの)を表示し、設計者が正しい値を設計端末8に入力したことをもって行われてもよい。
【0032】
確認部7は、設計端末8において設計者が当該データを確認したと判断すると、機器設計部6を作動させる。
【0033】
機器設計部6は、設計端末8において機器を設計するために必要な設計支援ツールを設計情報データベース1から通信回線9を介して設計端末8に提供する。
【0034】
(設計支援システム10の処理)
図2は、設計支援システム10の処理における記憶フェーズのフローチャートであり、図3A及び図3Bは、設計支援システム10の処理のおける設計フェーズのフローチャートである。以下、図2図3A及び図3Bのフローチャートにしたがって、設計支援システム10の処理の流れを説明する。
【0035】
設計支援システム10の処理は、大きく2つに分類される。1つは、記憶フェーズであり、もう一つは、設計フェーズである。記憶フェーズは、記録者(熟練設計者)が、機器設計にあたり必要な設計情報を設計情報データベース1で閲覧した記録を記憶部2に記憶するフェーズである。設計フェーズは、設計者(通常設計者)が、機器設計にあたり、熟練設計者が閲覧した設計情報を確認の後、当該機器の設計を進めるフェーズである。
【0036】
(記憶フェーズ)
図2に示されるように、記憶フェーズでは、まず、熟練設計者が設計を行う機器の機器名(検索キーワード)を設計端末8から入力する(S11)。記憶部2は、設計機器名を記憶する(S12)。
【0037】
次に、熟練設計者は、当該機器の設計を行うために、設計情報データベース1を閲覧する(S13)。設計情報データベース1には、機器の仕様書、技術資料、図面、購入票等が含まれており、記憶部2は、仕様書、技術資料、図面、購入票等、データの種類毎に閲覧したデータの日時、回数、時間、保存箇所等を記憶する(S14)。また、熟練設計者は、データの閲覧時において、必要に応じて閲覧したデータに注記情報を注記することができる。その場合、記憶部2は、データと合わせて注記情報も記憶する。なお、注記情報は、文字情報、動画情報、及び/又は音声情報を含む。
【0038】
最後に、熟練設計者は、当該機器の設計を行うために必要なすべてのデータを確認したと判断すると、当該機器について閲覧を終了することを設計端末8に入力する(S15)。閲覧終了の入力を受けると、記憶部2は、当該機器についてデータの記憶を終了させ、記憶フェーズは終了する(S16)。
【0039】
(設計フェーズ)
図3A及び図3Bに示されるように、設計フェーズでは、まず、通常設計者が設計を行う機器の機器名(検索キーワード)を設計端末8から入力する(S21)。
【0040】
検索処理部3は、設計端末8から入力された機器名から、記憶部2に記憶された、当該機器において熟練設計者が設計情報データベース1において閲覧したデータの閲覧記録に基づき、設計情報データベース1を検索する(S22)。
【0041】
検索処理部3は、設計情報データベース1の検索結果を、仕様書、技術資料、図面、購入票等、データの種類毎に、閲覧したデータの日時、回数、時間等に基づいて、検索結果データベース4に整理し、データの種類毎に最終閲覧データを決定する(S23)。
【0042】
出力部5は、検索処理部3によって検索され、検索結果データベース4に整理された検索結果(最終閲覧データ)を、通信回線9を介して設計端末8に出力する(S24)。記憶フェーズにおいて、データに注記情報が注記されている場合、データと合わせて注記情報も設計端末8に出力する。
【0043】
通常設計者は、設計端末8に出力されたデータを確認する。確認部7は、通常設計者が出力されたデータを確認したかどうか判断する(S25)。確認部7は、出力部5によって出力されたデータを通常設計者が確認したかどうか判断するために、設計端末8に入力画面を表示させるようになっており、通常設計者が入力画面に所定の内容を入力すると、設計者が確認したと判断する。判断は、出力されたデータを最後まで閲覧したという入力をもって行われてもよく、また、設計端末8に確認したかどうかを判断する質問(値を入力するようなもの)を表示し、通常設計者が正しい値を設計端末8に入力したことをもって行われてもよい。
【0044】
通常設計者が出力されたデータを確認していない場合、確認部7は、通常設計者が出力されたデータを確認したかどうか判断するステップを繰り返す。
【0045】
通常設計者が出力されたデータを確認したと確認部7が判断すると、確認部7は通常設計者(設計端末8)から追加要求があるかどうか確認する(S26)。
【0046】
通常設計者は、設計端末8を介し、最終閲覧データ以外に追加データが必要な場合、その追加データを要求し、さらに、その追加データの並べ方を要求する(S27)。追加データの並べ方としては、例えば、1(閲覧回数順)、2(時系列)、3(注記情報の多い順)等が挙げられる。
【0047】
検索処理部3は、記憶部2に記憶された、設計情報データベース1において閲覧したデータの閲覧記録に基づき、設計情報データベース1を検索する(S28)。そして、検索処理部3は、その検索結果を、仕様書、技術資料、図面、購入票等、データの種類毎に、設計端末8から入力された追加データの並べ方(1(閲覧回数順)、2(時系列)、3(注記情報の多い順))に基づき、検索結果データベース4においてデータを並べ替える(S29)。
【0048】
出力部5は、検索処理部3によって検索され、検索結果データベース4に整理された検索結果を、通信回線9を介して設計端末8に出力する(S30)。記憶フェーズにおいて、データに注記情報が注記されている場合、データと合わせて注記情報も設計端末8に出力する。
【0049】
通常設計者は、設計端末8に出力された追加データを確認する。確認部7は、通常設計者が出力された追加データを確認したかどうか判断する(S25)。
【0050】
通常設計者が出力された追加データを確認していない場合、確認部7は、通常設計者が出力された追加データを確認したかどうか判断するステップを繰り返す。
【0051】
通常設計者が出力された追加データを確認したと確認部7が判断すると、確認部7は通常設計者(設計端末8)からさらに追加要求があるかどうか確認する(S26)。
【0052】
通常設計者は、設計端末8を介し、さらに追加データが必要な場合、その追加データを要求し、さらに、当該追加データの並べ方を要求する(S27)。そして、上記追加データの検索、並べ替え、出力ステップを繰り返す。追加データの要求がない場合、確認部7は機器設計部6を作動させる(S31)。
【0053】
機器設計部6は、通信回線9を介して、設計情報データベース1から当該機器を設計するための設計支援ツールを設計端末8に提供する。
【0054】
通常設計者は、提供された設計支援ツールを用いて、設計端末8において当該機器の設計を行う(S32)。
【0055】
前記構成の設計支援システム10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0056】
(1)設計情報データベース1のデータの閲覧記録に基づき、検索処理部3はデータを検索し、出力部5が検索結果を出力するので、設計支援システム10を用いることで、熟練設計者が機器設計を行った際に記憶部2に記憶されたデータの閲覧記録を、同種の機器の設計を行う通常設計者が自動的に閲覧することができ、設計の作業効率を向上させることができる。また、熟練設計者は、設計チェックリストを作成することなく、通常設計者に抜けなく技術伝承を行うことができる。
【0057】
(2)検索処理部3は、検索結果をデータの種類毎に分類し、データの種類順に表示されるよう検索結果を並べ替えるので、検索結果がデータの種類(仕様書、技術資料、図面、購入票等)毎に分類して出力され、通常設計者は、データの種類毎に容易にデータの確認を行うことができる。なお、データは、設計の進め方に合わせて、仕様書、技術資料、図面、購入票毎にこの順で表示されることが好ましい。
【0058】
(3)データの種類毎に記録者が最後に閲覧したデータが設計に最も関係するデータと思われるため、記憶部2が、設計情報データベース1のデータの種類毎に、最後に閲覧されたデータを記憶することで、設計者が重要なデータを容易に確認することができる。
【0059】
(4)検索処理部3は、設計情報データベース1のデータの種類毎に、記憶部2に記憶された閲覧時期の古いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替え、閲覧時期の古いデータから順に表示されるようにすることで、通常設計者は、設計の時系列に合わせたデータの確認を行うことができる。
【0060】
(5)検索処理部3は、設計情報データベース1のデータの種類毎に、記憶部2に記憶された閲覧回数の多いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替え、閲覧回数の多いデータから順に表示されるようにすることで、通常設計者は、設計において重要なデータから順にデータの確認を行うことができる。
【0061】
(6)記憶部2には、データの閲覧時において、熟練設計者が注記した注記情報が記憶されており、検索処理部3は、設計情報データベース1のデータの種類毎に、記憶部2に記憶された注記情報が多いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替え、注記情報の多いデータから順に表示されるようにすることで、通常設計者は、設計において注記情報、すなわちノウハウ等が多い順にデータの確認を行うことができる。
【0062】
(7)確認部7は、出力部5によって出力されたデータを通常設計者が確認したと判断した後、機器設計部6を作動させるので、通常設計者が、出力されたデータを確認後に設計を始めるよう設定することができ、熟練設計者によって記憶部2に記憶された重要なデータを確認してから設計を進めることで、設計の作業効率、設計の精度を向上させることができる。
【0063】
上記実施形態では、検索処理部3は、設計情報データベース1のデータの種類毎に、記憶部2に記憶された閲覧回数順、時系列又は注記情報の多いデータから順に表示されるよう検索結果を並べ替えるようになっているが、検索処理部3は、所定の閲覧回数以上、所定の日時以降、所定の注記情報以上のものについて検索し、並べ替えるようになっていてもよい。
【0064】
上記実施形態では、検索結果データベース4は、設計情報データベース1とは別に設けられているが、設計情報データベース1内に設けられていてもよい。
【0065】
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明では、機器設計に必要な設計情報データベース全体を容易に確認することができる、設計支援システムを提供できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0067】
1 設計情報データベース
2 記憶部
3 検索処理部
4 検索結果データベース
5 出力部
6 機器設計部
7 確認部
8 設計端末
9 通信回線
10 設計支援システム
図1
図2
図3A
図3B