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▶ フラマ ソシエタ ペル アチオニの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】ペプチド誘導体およびその治療活性
(51)【国際特許分類】
   C07D 233/64 20060101AFI20230127BHJP
   A61K 31/417 20060101ALI20230127BHJP
   A61K 31/4172 20060101ALI20230127BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230127BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230127BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230127BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230127BHJP
   A61P 27/12 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
C07D233/64 105
C07D233/64 CSP
C07D233/64 106
A61K31/417
A61K31/4172
A61P25/28
A61P29/00
A61P9/00
A61P3/10
A61P27/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020535578
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 IB2018060332
(87)【国際公開番号】W WO2019130164
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】102017000149628
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】508375332
【氏名又は名称】フラマ ソシエタ ペル アチオニ
【氏名又は名称原語表記】FLAMMA S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ネグリソリ、 ジャンパオロ
(72)【発明者】
【氏名】ガグリアルディ、 ステファニア
(72)【発明者】
【氏名】シルノヴィク、アルミン
(72)【発明者】
【氏名】ダラノーチェ、 クレーリア
(72)【発明者】
【氏名】デ アミーチ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】カネボッティ、 レナート
【審査官】▲高▼岡 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-533259(JP,A)
【文献】特表平10-510511(JP,A)
【文献】特表平08-503213(JP,A)
【文献】特表2013-515753(JP,A)
【文献】特表2009-541295(JP,A)
【文献】Fink, Cynthia A.; et al.,New α-thiol dipeptide dual inhibitors of angiotensin-I-converting enzyme and neutral endopeptidase EC 3.4.24.11.,Journal of Medicinal Chemistry,1995年,38(26),,5023-30
【文献】Moffitt, Michael J.; Means, Gary E.,Subsite interactions in chymotrypsin as reflected by acyl enzyme stability.,Biochemical and Biophysical Research Communications,1978年,83(4),,1415-21
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの化合物、単離された形態または混合物の形態のいずれかのそれらの光学異性体およびジアステレオマー、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩:
【化1】
式中、
は、任意に1位もしくは3位の窒素原子がメチル、エチルまたはプロピルで置換されたイミダゾールであり;
は、CH -OH基、または、R が水素、メチルおよびエチルから選択されるCOOR 基であり;
は、一般式IIで示される基であるか、または、一般式IVで示される基であり
【化2】
式中、
およびR は、両方ともメチルまたはハロゲンであり、それらが結合している炭素原子と共に、シクロプロピル環を形成するように結合することができる;
およびR は、両方とも水素であるか、または、R およびR のいずれか一方が水素であり、もう一方が直鎖または分岐のC -C 10 アルコキシカルボニル基またはC -C シクロアルコキシカルボニル基であり;
nおよびqは、互いに独立して、0または1~4の範囲の整数を表す;
【化3】
式中、
mは、1~4の範囲の値であり;
、R、nおよびqは、上記のとおり定義される;
ここで、
一般式Iにおいて、下記波状結合は、NHおよびRで置換された炭素原子がRまたはS配置を有することができることを示す:
【化4】
一般式IIおよびIVにおいて、カルボニル基の炭素原子の自由原子価は、一般式Iの窒素原子と結合を形成する。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物:
式中、
は、任意に1位または3位の窒素原子がメチルで置換されたイミダゾールであり;
は、CH-OH基、または、Rが水素であるCOOR基であり;
は、一般式IIで示される基であり、式中、RおよびRは、両方ともメチルまたはフッ素であり、RおよびRは、両方とも水素であり、およびは、上記のとおり定義される。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物:
式中、
は、任意に1位または3位の窒素原子がメチルで置換されたイミダゾールであり;
は、CH-OH基、または、Rが水素であるCOOR基であり;
は、一般式IVで示される基であり、式中、R およびRは、両方とも水素であり、m、nおよびqは、上記のとおり定義される。
【請求項4】
以下より選択される、請求項1に記載の化合物:
(S)-2-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2-メチルプロパンアミド;
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパンアミド;
(S)-4-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルブタンアミド;
(S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
(S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロブタンカルボキサミド;
(S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロペンタンカルボキサミド;
(S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパンアミド;
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-3,3-ジメチルプロパンアミド;
(S)-3-アミノ-2,2-ジフルオロ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-プロパンアミド;
N-(2-アミノ-2-メチルプロパノイル)-L-ヒスチジン;
N-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノイル)-L-ヒスチジン;
N-(1-アミノメチル)-1-シクロプロピルカルボニル)-L-ヒスチジン;
N-(1-アミノメチル)-1-シクロブチルカルボニル)-L-ヒスチジン;
N-(1-アミノメチル)-1-シクロペンチルカルボニル)-L-ヒスチジン;
N-(1-アミノメチル)-1-シクロヘキシルカルボニル)-L-ヒスチジン;
N-(4-アミノ-2,2-ジメチルブタノイル)-L-ヒスチジン;
N-(3-アミノ-3,3-ジメチルプロパノイル)-L-ヒスチジン;
N-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノイル)-L-N-メチル-ヒスチジン;
N-(3-アミノ-2,2-ジフルオロプロパノイル)-L-ヒスチジン。
【請求項5】
薬剤として使用するための、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
神経変性疾患、慢性炎症性疾患および心血管疾患、ならびに糖尿病および白内障の合併症の治療または予防に使用するための、請求項に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の1つまたは複数の化合物の有効量を、適切な賦形剤と組み合わせて含有する医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボニル化合物に対する代謝消光活性を有する、鎖の炭素原子の少なくとも1つに二置換されたアミノアルカノイル基を含有するジペプチドまたは疑似ジペプチド誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
老化、炎症性疾患、糖尿病、心血管疾患および神経変性プロセスを含む、様々な生理的病理学的プロセスの誘発に対する酸化的損傷の影響は、長い間認識されてきた。ラジカル活性酸素種によって引き起こされるタンパク質、脂質および核酸に対する構造的損傷、ならびに細胞の酸化還元状態の変化などの酸化的損傷に関与する主な分子機構も周知である(Halliwell B, Gutteridge JM. Free Radicals in Biology and Medicine (2001) Oxford Science Publications, 3rd Ed.)。
【0003】
ケト/アルデヒド官能基によって特徴付けられる脂質酸化のいくつかの産物は、重要な細胞毒性酸化メディエーターとして作用し、生体分子の不可逆的な構造変化を引き起こして、細胞機能の改変をもたらすことも明らかにされている(Uchida K. Free Radic. Biol. Med. 2000; 28:1685-96.; Poli G. et al., IUBMB Life. 2000; 50:315-21)。
【0004】
研究されたカルボニル化合物には、4-ヒドロキシ-トランス-2-ノネナール(HNE)およびアクロレイン(ACR)のような、α,β-不飽和アルデヒドを含む多価不飽和脂肪酸の酸化生成物が含まれる(Esterbauer H. et al., Free Radic. Biol. Med. 1991; 11:81?128)。
【0005】
酸化に基づく種々の病理学的プロセスにおける不飽和アルデヒドの関与は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を用いて実証されている(Uchida K. Prog. Lipid Res. 2003; 42:318-43)。特に、HNEとアクロレインのタンパク質との付加物は、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、筋ジストロフィー、関節リウマチ、光線性弾性線維症、脳虚血およびアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患に罹患している患者の生検組織および剖検組織において確認されている(Uchida K. Prog. Lipid Res. 2003; 42:318-43.; Zarkovic N. Mol. Aspects Med. 2003; 24:293-303.; M. Carini et al., in 「Redox Proteomics: from Protein Modifications to Cellular Dysfunction and diseases」(Ed. I. Dalle-Donne, A. Scaloni, and A. Butterfield); Wiley InterScience Books from John Wiley & Sons (2005))。
【0006】
病原性因子としてのHNEの役割は、線維症(Chiarpotto E. et al., Biofactors. 2005;24(1-4):229-36)、糖尿病性腎症(Furfaro AL. et al., Biofactors. 2005;24(1-4):291-8)、アテローム性動脈硬化プロセス(Leonarduzzi G. et al., Mol Nutr Food Res. 2005 Nov;49(11):1044-9)、および神経変性疾患(Zarkovic K. Mol Aspects Med. 2003 Aug-Oct;24(4-5):293-303)などの様々な疾患において、分子レベルで実証されている。
【0007】
したがって、カルボニル生成物、特にHNEのような反応性カルボニル化合物が、カルボニル消光活性を有する新規の生物学的活性分子類の開発にとって重要な標的となることは明らかである。
【0008】
この関心は、カルボニル消光活性を有する化合物、特にカルノシンと相関し得るジペプチド化合物について記載した多数の論文および特許によって明確に示されている(Hipkisss A.R., J. Alzheimer's Dis. 2007, 11, 229?240; Guiotto A. et al., Curr. Med. Chem. 2005, 12, 2293?2315; Vistoli G. et al., Chem. Med. Chem. 2009, 4(6), 967?975)。
【0009】
カルノシンと構造的に相関可能なペプチド化合物およびそれらのカルボニル消光活性もまた、例えば、WO2008/001174に記載されており、一方、いくつかのアミノアルコール誘導体は、WO2011/080139に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際公開第2008/001174号
【文献】国際公開第2011/080139号
【発明の概要】
【0011】
発明の説明
本発明は、脂質酸化ストレスの副産物、特にマロンジアルデヒドおよび4-ヒドロキシ-トランス-2-ノネナール(HNE)のような不飽和アルデヒドの副産物を阻害する興味深い活性を示した、窒素複素環残基を含有するペプチドまたは疑似ペプチド誘導体に関し、これらは、神経変性疾患、慢性炎症性疾患、心血管疾患、ならびに糖尿病および白内障の合併症などの、かなりの数の慢性疾患の発症に寄与することが知られている。人体のいくつかの組織に存在する内因性L-カルノシンジペプチドの構造から研究されたこの新規な一連の化合物は、ベータアラニン鎖の炭素の1つに二重置換が存在すること、そして、L-カルノシンの末端カルボキシル基に任意に置換したヒドロキシメチル基が存在することを特徴とする。これらの化合物は、モデルカルボニル化合物の消光において、ジペプチドL-カルノシンおよび対応するアミノアルコールの驚くほど高い活性を示し、さらにL-カルノシンまたは構造的に相関する化合物と比較して、極めて高い代謝安定性を示した。これらの特徴は、それらを、反応性カルボニル化合物の存在と相関する全ての疾患における治療的使用に適したものにしている。
【0012】
本発明はまた、前記疾患の治療または予防に使用するための前記化合物に関する。
【0013】
本発明の目的を形成する化合物は、一般式Iを有する:
【0014】
【化1】
【0015】
式中、Rは、任意にベンゼン環に縮合した5~6員の複素環であり、任意にC-Cアルキル置換基を有する、1~3個の窒素原子を含む;
【0016】
は、
-CH-O-R基、ここで、Rは、水素、直鎖または分枝のC-C10アルキル基、C-Cシクロアルキル基、直鎖または分枝のC-Cアルキルカルボニル基、C-Cシクロアルキルカルボニル基;あるいは、Rは、Ar(CHC(=O)-基であり、式中、Arは、フェニルおよびナフチルから選択されるアリールであり、メチル、メトキシもしくはエチルからなる群より選択される1個または2個の基で置換されていてもよく、pは、0または1~3の範囲の整数である;
-COOR基、ここで、Rは、水素、直鎖または分枝のC-C10アルキル基、またはC-Cシクロアルキル基である;
【0017】
は、一般式IIで示される基である:
【0018】
【化2】
【0019】
式中、
nおよびqは、互いに独立して、0であるか、または1~4の整数を表す;
【0020】
およびRは、同一でも異なっていてもよく、以下を表す:
-水素;
-任意に1つ以上の二重結合を含む直鎖または分枝のC-C20アルキルカルボニル基またはC-Cシクロアルキルカルボニル基、あるいは、Ar(CHC(=O)-基、ここで、Arおよびnは、上記のとおり定義される;
-任意に1つ以上の二重結合を含む直鎖または分枝のC-C10アルコキシカルボニル基またはC-Cシクロアルコキシカルボニル基、あるいは、ArO(CHC(=O)-基、ここで、Arおよびnは、上記のとおり定義される;
-RおよびRのいずれか一方がアミノ基で、もう一方が水素である;
-RおよびRのいずれか一方が水素で、もう一方が式IIIで示される基である:
【0021】
【化3】
【0022】
式中、Mは、窒素、酸素または硫黄を表し、Aは、水素またはアミノ基を表し、炭素原子の自由原子価は、式IIで示される基の窒素原子と結合を形成する;
【0023】
およびRは、同一でも異なっていてもよく、以下を表す:
-直鎖または分枝のC-Cアルキル基、好ましくは、メチル;
-ハロゲン、好ましくはフッ素;
-それらが結合している炭素原子と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される3~6個の炭素原子を有する脂環式環を形成するように結合して、一般式IVに示すR基を形成することができる:
【0024】
【化4】
【0025】
式中、
mは、1~4の範囲の値であり;
、R、nおよびqは、上記の意味を有する。
【0026】
一般式Iにおいて、下記波状結合は、NHおよびRで置換された炭素原子がRまたはS配置を有することができることを示す。
【0027】
【化5】
【0028】
一般式IIおよびIVにおいて、カルボニル基の炭素原子の自由原子価は、式Iの窒素原子と結合を形成する。
【0029】
5~6員複素環の例は、イミダゾール、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾールおよびベンゾトリアゾールを含む。
【0030】
本発明の一実施形態では:
は、イミダゾール、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾールおよびベンゾトリアゾールから選択される複素環であり、好ましくは、イミダゾール、または1位もしくは3位の窒素原子がメチル、エチルまたはプロピルで置換されたイミダゾールであり;
およびRは、上記のとおり定義される。
【0031】
本発明の別の実施形態では:
は、任意に、1位もしくは3位の窒素原子がメチル、エチルまたはプロピルで置換されたイミダゾールであり;
は、CH-OH基、または、Rが水素、メチルおよびエチルから選択されるCOOR基である。
は、式IIで示される基であり、式中、RおよびRは、両方ともメチルまたはハロゲンであり、RおよびRは、両方とも水素であるか、またはRおよびRのいずれか一方が水素であり、もう一方が直鎖または分岐のC-C10アルコキシカルボニル基またはC-C環状基であり、nおよびqは、上記のとおり定義される。
【0032】
本発明の別の実施形態では:
は、任意に、1位もしくは3位の窒素原子がメチル、エチルまたはプロピルで置換されたイミダゾールであり;
は、CH-OH基、または、Rが水素、メチルおよびエチルから選択されるCOOR基である。
は、式IVで示される基であり、式中、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される3~6個の炭素原子を有する脂環式環を形成するように結合しており、RおよびRは、両方とも水素であるか、またはRおよびRのいずれか一方が水素であり、もう一方が直鎖または分岐のC-C10アルコキシカルボニル基またはC-C環状基であり、m、nおよびqは、上記のとおり定義される。
【0033】
好ましい実施形態では:
は、任意に1位または3位の窒素原子がメチルで置換されたイミダゾールであり;
は、CH-OH基、または、Rが水素であるCOOR基であり;
は、式IIで示される基であり、式中、RおよびRは、両方ともメチルまたはフッ素であり、RおよびRは、両方とも水素であり、nおよびqは、上記のとおり定義される。
【0034】
別の好ましい実施形態では:
は、任意に、1位または3位の窒素原子がメチルで置換されたイミダゾールであり;
は、CH-OH基、または、Rが水素であるCOOR基であり;
は、式IVで示される基であり、式中、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される3~6個の炭素原子を有する脂環式環を形成するように結合しており、RおよびRは、両方とも水素であり、m、nおよびqは、上記のとおり定義される。
【0035】
本発明に係る化合物の例を以下に示す:
(S)-2-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2-メチルプロパンアミド;
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパンアミド;
(S)-4-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルブタンアミド;
(S)-1-(アミノメチル-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
(S)-1-(アミノメチル-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロブタンカルボキサミド;
(S)-1-(アミノメチル-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロペンタンカルボキサミド;
(S)-1-(アミノメチル-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパンアミド;
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-3,3-ジメチルプロパンアミド;
(S)-3-アミノ-2,2-ジフルオロ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-プロパンアミド;
N-(2-アミノ-2-メチルプロパノイル)-L-ヒスチジン;
N-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノイル)-L-ヒスチジン;
N-(1-アミノメチル)-1-シクロプロピルカルボニル)-L-ヒスチジン;
N-(1-アミノメチル)-1-シクロブチルカルボニル)-L-ヒスチジン;
N-(1-アミノメチル)-1-シクロペンチルカルボニル)-L-ヒスチジン;
N-(1-アミノメチル)-1-シクロヘキシルカルボニル)-L-ヒスチジン;
N-(4-アミノ-2,2-ジメチルブタノイル)-L-ヒスチジン;
N-(3-アミノ-3,3-ジメチルプロパノイル)-L-ヒスチジン;
N-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノイル)-L-ヒスチジン;
N-(3-アミノ-2,2-ジフルオロプロパノイル)-L-ヒスチジン。
【0036】
式Iの化合物には、少なくとも1つのキラル中心が存在するため、問題の生成物の全ての光学異性体および任意の割合でのそれらの混合物、ならびに、個々にまたは任意の割合で混合された全ての可能なジアステレオ異性体は、本発明の不可欠な部分を構成すると考えられる。式Iの生成物の全ての薬理学的に許容される塩もまた、本発明の一部である。
【0037】
本発明に係る化合物は、例えば、Houben-Weilの「Synthesis of peptides and peptidomimetics」、vol. E22a-d、またはJ. Jonesの「Amino acid and peptide synthesis」に報告されている周知の固相または液相ペプチド合成法のいくつかを用いて合成された。合成に使用されるアミノ酸は、すでに保護された形態で入手できない場合には、例えば、T.W. Greene, P.G.M. Wutsの「Protective group in organic synthesis」、またはP.J. Kocienskiの「Protecting groups」のような文献に報告されている周知の方法を用いて、必要な保護基により適切に官能基化した。合成に使用されるアミノアルコールは、不活性溶媒中、適切な金属または有機金属水素化物を用いて、対応するアミノ酸の誘導体を還元することによって調製され、ジペプチドのアミノアシルアミノアルコール誘導体への還元において、同様の工程が用いられた。
【0038】
得られた最終生成物は、必要に応じて、例えば、結晶化、クロマトグラフィー精製、または所望の純度を有する化合物を得るために必要とされる任意の他の技術を使用して、当業者に公知の方法の1つを用いて精製された。
【0039】
例として、本発明による化合物は、合成スキーム1に従って調製することができる。RがC-Cアルキルである式VIに示す好適なアミノエステルと、R、R、nおよびqが上記で定義したとおりであり、R’が窒素原子の保護基である、式VIIに示す対応する保護されたアミノ酸と、を既知の方法の1つによりカップリングさせた後、得られた式VIIIに示す保護されたジペプチドエステルを、対応するアルコールIXに還元し、脱保護して、対応するアミノアルコールXを得ることができる。あるいは、式VIIIに示す保護されたジペプチドエステルを加水分解し、脱保護して、式XIのペプチドを得ることができる。
【0040】
【化6】
【0041】
本発明に係る化合物の薬理活性は、インビトロにて、多くの疾患に関与することが知られている4-ヒドロキシノネナール(HNE)に対するそれらのカルボニル消光活性を評価することにより、判定した。前記活性を、インビトロでカルボニル消光剤として知られているが、血清カルノシナーゼによって引き起こされる代謝安定性が限られている化合物であるL-カルノシンの活性と比較した。特に興味深い化合物の代謝安定性についても、1時間後および2時間後にヒト血清中で評価した。
【0042】
薬理試験の結果は、本発明に係る化合物のいくつかが、L-カルノシンのカルボニル消光活性よりもかなり大きいカルボニル消光活性を有すること、また、上記アルキル鎖上に置換基を有さない他の化合物よりも著しく大きいカルボニル消光活性を有することを明確に示している。この目的のために、本発明の目的を形成する化合物2-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2-メチルプロパンアミド(FLM-04-OLO)であって、L-カルノシンの3.1倍のカルボニル消光活性を示す化合物(表1参照)を、WO2011/080139で報告されている、非二置換誘導体3-アミノ-N-[(1S)-2-ヒドロキシ-1-(1H-イミダゾール-5-イル-メチル)エチル]プロパンアミドと比較することは興味深く、その活性はL-カルノシンの1.6倍であり、同じ試験で報告されている。
【0043】
所望の用途に応じ、式Iの化合物は、本発明のさらなる目的を構成する、経口、非経口、局所または経皮投与に適した従来の医薬組成物、化粧用組成物または栄養組成物に都合よく処方される。前記組成物の例には、カプセル剤、錠剤、シロップ剤、注射用液剤または懸濁剤、軟膏、坐剤、制御放出剤形など、そして水溶性造粒剤が含まれる。前記剤形は、製剤技術において使用される担体および賦形剤に加えて、補完的な活性を有するか、または問題の疾患の治療/予防に有用である、他の活性成分を任意に含有することもできる。本発明を、以下の実施例において詳細に説明する。
【実施例
【0044】
[手順1の一般例]
アルゴン下、無水媒体中で、構造VIIの酸(1当量)を無水CHCNに溶解し(5mL/mmol)、混合物を0℃に冷却する。HATU(1.05当量)を加え、DIPEA(2当量)を滴下する。反応混合物を磁気撹拌下、0℃で5分間放置し、次いで、化合物VI(1当量)およびDIPEA(2当量)の無水CHCN溶液(5mL/mmol)を滴下する。得られた混合物を室温で2~4時間撹拌しながら放置する。反応の終わりに(TLC分析[DCM/MeOH 7:3])、溶媒を低圧下で蒸発させる。残留物をEtOAcを用いて取り出し、NaCO飽和溶液およびNHCl飽和溶液で洗浄する。有機相を、無水NaSOにより乾燥させて、ろ過し、低圧下で濃縮する。粗生成物を、任意に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、一般構造式VIIIの化合物を得る。
【0045】
[手順2の一般例]
構造VIII(1当量)の化合物をTHFおよびMeOH(1:1)に溶解し(8mL/mmol)、混合物を氷浴で0℃に冷却する。NaBH(10当量)を、磁気攪拌下、ゆっくりと添加する。反応混合物を撹拌しながら0℃で2時間放置する。反応の終わりに、出発化合物の消失をTLC(EtOAc/MeOH 85:15)によって試験し、溶媒を低圧下で蒸発させる。粗生成物を、EtOAcを用いて取り出し、NHCl飽和溶液で洗浄する。有機相を、無水NaSOにより乾燥させて、ろ過し、低圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、一般構造IXの化合物を得る。
【0046】
[手順3の一般例]
トリフルオロ酢酸(10当量)を、構造IXで示されるN-保護アミノアルコールのジクロロメタン溶液(10mL/mmol)にゆっくりと滴下し、磁気撹拌下で0℃に予冷する。反応混合物を撹拌下、室温で1.5時間放置する。反応が完了したら(TLC分析[EtOAc/MeOH 8:2])、溶媒を低圧下で除去する。残渣を、2N HClで希釈し、Dowex50WX2(登録商標)イオン交換樹脂カラムに装填する。精製は、脱イオン水で洗浄し、10%NH水溶液を用いて構造Xのアミノアルコールを溶出することによって行われる。
【0047】
[手順4の一般例]
中間体VIIIのDCM溶液(10mL/mmol)を氷浴で0℃に冷却する。TFA(10当量)を滴下し、得られた混合物を撹拌下、室温で2時間放置する。出発生成物が消失したら(TLC分析[EtOAc/MeOH 8:2])、溶媒および過剰のTFAを低圧下で除去する。残渣をTHFに溶解し、混合物を0℃に冷却する。2N LiOH水溶液を、塩基性pHに達するまで、磁気撹拌下でゆっくり滴下し、反応混合物を、反応が完了するまで(TLC分析[EtOAc/MeOH/NH10%水溶液])、室温で撹拌しながら放置する。反応混合物を低圧下で濃縮し、2N HClで酸性化し、Dowex50WX2(登録商標)イオン交換樹脂カラムに装填する。脱イオン水で洗浄した後、10%NH水溶液を用いて化合物XIを樹脂から取り出す。
【0048】
以下の化合物を、上記の一般手順で得た。
【0049】
[例1](S)-2-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2-メチルプロパンアミド(コード:FLM-05-OLO)
(S)-メチル-2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-メチルプロパンアミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(手順1)
H-NMR(300MHz、CDCl) δ:7.52(s,1H)、6.76(s,1H)、5.24(brs,1H)、4.70(dd,J=11.2,4.8Hz,1H)、3.70(s,3H)、3.33-3.18(m,1H)、3.11(dd,J=15.0,5.2Hz,1H)、1.49(s,6H)、1.42(s,9H).
【0050】
(S)-tert-ブチル(1-((1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(手順2、収率46%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.61(s,1H)、6.87(s,1H)、4.20-4.00(m,1H)、3.58-3.45(m,2H)、2.88(dd,J=14.9,6.0Hz,1H)、2.77(dd,J=14.9,7.9Hz,1H)、1.42(s,9H)、1.36(s,3H)、1.32(s,3H).
【0051】
(S)-2-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2-メチルプロパンアミド(手順3、収率79%)
H-NMR(300MHz,CDOD) δ:7.57(s,1H)、6.85(s,1H)、4.15-3.99(m,1H)、3.55(d,J=5.1Hz,2H)、2.89(dd,J=14.8,6.0Hz,1H)、2.78(dd,J=14.8,8.0Hz,1H)、1.26(s,3H)、1.23(s,3H).
【0052】
[例2](S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(コード:FLM-04-OLO)
(S)-メチル-2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2,2-ジメチルプロパンアミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(手順1)
H-NMR(300MHz、CDCl) δ:7.59(s,1H)、7.54(brs,1H)、6.80(s,1H)、5.68(brs,1H)、4.74(dd,J=11.9,4.9Hz,1H)、3.70(s,3H)、3.35-3.03(m,4H)、1.42(s,9H)、1.22(s,3H)、1.20(s,3H).
【0053】
(S)-tert-ブチル(3-((1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)アミノ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメート(手順2、収率80%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.61(s,1H)、6.86(s,1H)、4.19-4.10(m,1H)、3.55(d,J=5.5Hz,2H)、3.23-3.06(m,2H)、2.88(dd,J=14.9,5.9Hz,1H)、2.77(dd,J=14.9,8.2Hz,1H)、1.43(s,9H)、1.10(s,3H)、1.07(s,3H).
【0054】
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(手順3、収率92%)
H-NMR(300MHz,CDOD) δ:7.56(s,1H)、6.84(s,1H)、4.22-4.12(m,1H)、3.55(d,J=5.5Hz,2H)、2.88(dd,J=14.8,5.7Hz,1H)、2.77(dd,J=14.8,8.4Hz,1H)、2.65(s,2H)、1.11(s,3H)、1.09(s,3H).
【0055】
[例3](S)-4-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルブタンアミド(コード:FLM-13-OLO)
(S)-メチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2,2-ジメチルブタンアミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(手順1)
H-NMR(300MHz、acetone) δ:7.99(d,J=6.4Hz,1H)、7.70(s,1H)、6.98(s,1H)、6.05(brs,1H)、4.71-4.65(m,1H)、3.62(s,3H)、3.20-2.86(m,4H)、1.72(dd,J=9.1,5.6Hz,2H)、1.39(s,9H)、1.18(s,6H).
【0056】
(S)-tert-ブチル 4(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イルアミノ)-3,3-ジメチル-4-オキソブチルカルバメート(手順2、収率68%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.73(s,1H)、6.91(s,1H)、4.27-4.07(m,1H)、3.63-3.49(m,2H)、2.96-2.86(m,3H)、2.81(dd,J=14.9,8.6Hz,1H)、1.69-1.61(m,2H)、1.42(s,9H)、1.12(s,3H)、1.11(s,3H).
【0057】
(S)-4-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルブタンアミド(67mg、0.27mmol)(手順3、収率83%)
H-NMR(300MHz,DO) δ:7.66(s,1H)、6.92(s,1H)、4.33-4.18(m,1H)、3.71-3.56(m,2H)、2.89(dd,J=14.9,4.7Hz,1H)、2.79-2.67(m,1H)、2.45-2.27(m,2H)、1.69-1.50(m,2H)、1.09(s,3H)、1.07(s,3H).
【0058】
[例4](S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(コード:FLM-9-OLO)
(S)-メチル 2-(1-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(手順1)
H-NMR(300MHz、acetone-d) δ:8.08(brs,1H)、7.64(s,1H)、6.99(s,1H)、6.68(brs,1H)、4.59(dd,J=12.7,6.8Hz,1H)、3.61(s,3H)、3.44(dd,J=15.0,7.0Hz,1H)、3.29(dd,J=15.0,5.5Hz,1H)、3.07-2.95(m,2H)、1.43(s,9H)、1.10-0.99(m,2H)、0.85-0.75(m,2H).
【0059】
(S)-tert-ブチル ((1-((1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバモイル)シクロプロピル)メチル)カルバメート(手順2、収率93%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.61(s,1H)、6.87(s,1H)、4.17-4.08(m,1H)、3.53(d,J=5.4Hz,2H)、3.27(s,2H)、2.90(dd,J=14.8,6.0Hz,1H)、2.75(dd,J=14.8,8.1Hz,1H)、1.44(s,9H)、1.09-1.01(m,2H)、0.75-0.72(m,2H).
【0060】
(S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(手順3、収率86%)
H-NMR(300MHz,CDOD) δ:7.57(s,1H)、6.84(s,1H)、4.19-4.08(m,1H)、3.55(d,J=5.3Hz,2H)、2.92-2.71(m,4H)、1.09-0.97(m,2H)、0.74-0.63(m,2H).
【0061】
[例5](S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロブタンカルボキサミド(コード:FLM-10-OLO)
(S)-メチル 2-(1-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)シクロブタンカルボキサミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(手順1)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.61(s,1H)、6.89(s,1H)、4.67(dd,J=8.3,5.3Hz,1H)、3.71(s,3H)、3.48-3.33(m,2H)、3.16(dd,J=14.8,5.2Hz,1H)、3.06(dd,J=14.8,8.4Hz,1H)、2.32-2.13(m,2H)、2.04-1.85(m,3H)、1.84-1.67(m,1H)、1.43(s,9H).
【0062】
(S)-tert-ブチル ((1-((1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバモイル)シクロブチル)メチル)カルバメート(手順2、収率73%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.60(s,1H)、6.87(s,1H)、4.20-4.12(m,1H)、3.61-3.51(m,2H)、3.45-3.31(m,2H)、2.87(dd,J=14.8,6.0Hz,1H)、2.78(dd,J=14.8,8.2Hz,1H)、2.31-2.09(m,2H)、2.01-1.80(m,3H)、1.80-1.60(m,1H)、1.41(s,9H).
【0063】
(S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-シクロブタンカルボキサミド(手順3、収率96%)
H-NMR(300MHz,CDOD) δ:7.57(s,1H)、6.86(s,1H)、4.26-4.13(m,1H)、3.66-3.48(m,2H)、2.97-2.83(m,3H)、2.76(dd,J=14.8,8.7Hz,1H)、2.37-2.17(m,2H)、2.00-1.67(m,4H).
【0064】
[例6](S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロペンタンカルボキサミド(コード:FLM-11-OLO)
(S)-メチル 2-(1-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)シクロペンタンカルボキサミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(手順1)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.59(s,1H)、6.87(s,1H)、4.64(dd,J=8.3,5.3Hz,1H)、3.71(s,3H)、3.24(d,J=6.1Hz,2H)、3.15(dd,J=14.7,5.1Hz,1H)、3.06(dd,J=14.8,8.4Hz,1H)、1.97-1.78(m,2H)、1.73-1.51(m,6H)、1.43(s,9H).
【0065】
(S)-tert-ブチル ((1-((1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバモイル)シクロペンチル)メチル)カルバメート(手順2、収率92%)
H-NMR(300MHz、acetone-d) δ:7.69(s,1H)、7.17(d,J=7.4Hz,1H)、6.94(s,1H)、6.44(brs,1H)、6.06(brs,2H)、4.16-4.03(m,1H)、3.58-3.41(m,2H)、3.31(dd,J=13.8,6.7Hz,1H)、3.22(dd,J=13.7,6.1Hz,1H)、2.93-2.78(m,2H)、2.02-1.82(m,2H)、1.71-1.50(m,6H)、1.40(s,9H).
【0066】
(S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-シクロペンタンカルボキサミド(手順3、収率78%)
H-NMR(300MHz,CDOD) δ:7.56(s,1H)、6.84(s,1H)、4.25-4.14(m,1H)、3.62-3.49(m,2H)、2.88(dd,J=14.8,5.6Hz,1H)、2.77(dd,J=14.9,8.7Hz,1H)、2.71(s,2H),2.03-1.86(m,2H)、1.68-1.44(m,6H).
【0067】
[例7](S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド(コード:FLM-14-OLO)
(S)-メチル 2-(1-((tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(手順3)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.62(s,1H)、6.89(s,1H)、4.69(dd,J=8.5,5.2Hz,1H)、3.73(s,3H)、3.23-3.04(m,4H)、2.03-1.89(m,2H)、1.61-1.48(m,3H)、1.43(s,9H)、1.37-1.16(m,5H).
【0068】
(S)-tert-ブチル (1-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イルカルバモイル)-シクロヘキシル)メチルカルバメート(手順2、収率88%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.59(s,1H)、6.87(s,1H)、4.28-4.15(m,1H)、3.63-3.50(m,2H)、3.23-3.12(m,1H)、3.10-2.99(m,1H)、2.93-2.74(m,2H)、2.03-1.86(m,2H)、1.59-1.46(m,3H)、1.42(s,9H)、1.36-1.08(m,5H).
【0069】
(S)-1-(アミノメチル)-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド(手順3、収率92%)
H-NMR(300MHz,CDOD) δ:7.56(s,1H)、6.86(s,1H)、4.36-4.19(m,1H)、3.65-3.50(m,2H)、2.88(dd,J=14.9,5.4Hz,1H)、2.78(dd,J=14.9,9.0Hz,1H)、2.58(s,2H)、2.06-1.94(m,2H)、1.60-1.44(m,3H)、1.36-1.11(m,5H).
【0070】
[例8](S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(FLM-12-OLO)
(S)-メチル 2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2,2-ジメチルプロパンアミド)-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)プロパノエート(手順1)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.54(s,1H)、6.75(s,1H)、4.68(dd,J=9.7,5.4Hz,1H)、3.74(s,3H)、3.66(s,3H)、3.23(dd,J=15.5,5.4Hz,1H)、3.15(s,2H)、3.08(dd,J=15.5,9.8Hz,1H)、1.43(s,9H)、1.11(s,3H)、1.08(s,3H).
【0071】
(S)-tert-ブチル (3-((1-ヒドロキシ-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)プロパン-2-イル)アミノ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメート(手順2、収率91%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.55(s,1H)、6.75(s,1H)、4.22-4.10(m,1H)、3.69(s,3H)、3.58(d,J=5.4Hz,2H)、3.21-3.05(m,2H)、2.91(dd,J=15.4,5.7Hz,1H)、2.75(dd,J=15.3,9.2Hz,1H)、1.43(s,9H)、1.09(s,3H)、1.05(s,3H).
【0072】
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)プロパン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(手順3、収率73%)
H-NMR(300MHz,CDOD) δ:7.51(s,1H)、6.74(s,1H)、4.25-4.15(m,1H)、3.68(s,3H)、3.59(d,J=5.4Hz,2H)、2.90(dd,J=15.3,5.6Hz,1H)、2.76(dd,J=15.3,9.4Hz,1H)、2.64(s,2H)、1.11(s,3H)、1.07(s,3H).
【0073】
[例9](S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-3,3-ジメチルプロパンアミド(FLM-02-OLO)
(S)-メチル-2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルプロパンアミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパノエート(手順1)
H-NMR(300MHz、CDCl) δ:7.60(s,1H)、7.15(d,J=7.3Hz,1H)、6.83(s,1H)、5.39(s,1H)、4.88-4.74(m,1H)、3.70(s,3H)、3.12(d,J=5.3Hz,2H)、2.56(q,J=13.7Hz,2H)、1.41(s,9H)、1.38(s,3H)、1.37(s,3H).
【0074】
(S)-tert-ブチル(3-((1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)アミノ)-3,3-ジメチル-3-オキソプロピル)カルバメート(手順2、収率81%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.64(s,1H)、6.89(s,1H)、4.20-4.05(m,1H)、3.53(d,J=5.2Hz,2H)、2.89(dd,J=14.9,6.0Hz,1H)、2.74(dd,J=14.9,8.2Hz,1H)、2.45(s,2H)、1.42(s,9H)、1.29(s,3H)、1.26(s,3H).
【0075】
(S)-3-アミノ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-3,3-ジメチルプロパンアミド(手順3、収率90%)
H-NMR(300MHz,CDOD) δ:7.56(s,1H)、6.85(s,1H)、4.22-4.10(m,1H)、3.61-3.48(m,2H)、2.88(dd,J=14.9,5.7Hz,1H)、2.73(dd,J=14.9,8.5Hz,2H)、2.22(s,2H)、1.11(s,3H)、1.09(s,3H).
【0076】
[例10](S)-3-アミノ-2,2-ジフルオロ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)-プロパンアミド(FLM-07-OLO)
この化合物は、(S)-2-アミノ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアセテートと、Fmoc-3-アミノ-2,2-ジフルオロ-プロピオニルクロリドとをカップリングすることにより、わずかに異なる手順で調製された。
次いで、得られた化合物(S)-2-(3-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-2,2-ジフルオロプロパンアミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアセテートを脱保護して、最終的なアミノアルコールを得た。
【0077】
(S)-2-(3-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-2,2-ジフルオロプロパンアミド)-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアセテート(収率70%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.79(d,J=7.5Hz,2H)、7.64(d,J=7.5Hz,2H)、7.58(s,1H)、7.38(t,J=7.3Hz,2H)、7.30(t,J=7.3Hz,2H)、6.87(s,1H)、4.44-4.32(m,3H)、4.25-4.15(m,2H)、4.07-3.99(m,1H)、3.70(t,J=14.5Hz,2H)、2.93-2.77(m,2H)、2.01(s,3H).
【0078】
(S)-3-アミノ-2,2-ジフルオロ-N-(1-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)プロパンアミド(収率99%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:7.73(s,1H)、6.97(s,1H)、4.38-4.22(m,1H)、3.79(dd,J=11.7,4.6Hz,1H)、3.66(dd,J=11.8,7.4Hz,1H)、3.05(t,J=15.3Hz,2H)、2.95(dd,J=14.9,4.9Hz,1H)、2.77(dd,J=14.9,10.0Hz,1H).
【0079】
[例11]N-(2-アミノ-2-メチルプロパノイル)-L-ヒスチジン(FLM-05-ACI)
(手順4、収率80%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:7.75(s,1H)、6.93(s,1H)、4.45(dd,J=9.0,4.9Hz,1H)、3.16(dd,J=15.0,4.8Hz,1H)、2.98(dd,J=15.0,9.0Hz,1H)、1.49(s,3H)、1.37(s,3H).
【0080】
[例12]N-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノイル)-L-ヒスチジン(FLM-04-ACI)
(手順4、収率65%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:7.73(s,1H)、6.95(s,1H)、4.46(dd,J=8.7,4.8Hz,1H)、3.18(dd,J=15.0,4.9Hz,1H)、3.11-2.95(m,3H)、1.29(s,3H)、1.16(s,3H).
【0081】
[例13]N-(1-アミノメチル)-1-シクロプロピルカルボニル)-L-ヒスチジン(FLM-09-ACI)
(手順4、収率99%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:7.64(s,1H)、6.89(s,1H)、4.42(dd,J=8.7,4.8Hz,1H)、3.16-2.82(m,4H)、1.22-1.07(m,1H)、1.05-0.83(m,3H).
【0082】
[例14]N-(1-アミノメチル)-1-シクロブチルカルボニル)-L-ヒスチジン(FLM-10-ACI)
(手順4、収率93%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:7.77(s,1H)、7.01(s,1H)、4.52(dd,J=9.1,4.7Hz,1H)、3.42-3.29(m,2H)、3.24(dd,J=15.0,4.6Hz,1H)、3.04(dd,J=15.0,9.1Hz,1H)、2.43-2.19(m,2H)、2.18-1.93(m,3H)、1.92-1.78(m,1H).
【0083】
[例15]N-(1-アミノメチル)-1-シクロペンチルカルボニル)-L-ヒスチジン(FLM-11-ACI)
(手順4、収率99%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.56(s,1H)、6.83(s,1H)、4.45(dd,J=8.1,4.3Hz,1H)、3.23(dd,J=14.9,4.3Hz,1H)、3.10-2.93(m,3H)、2.18-1.95(m,2H)、1.75-1.47(m,6H).
【0084】
[例16]N-(1-アミノメチル)-1-シクロヘキシルカルボニル)-L-ヒスチジン(FLM-14-ACI)
(手順4、収率100%)
H-NMR(300MHz、CDOD) δ:7.56(s,1H)、6.84(s,1H)、4.48(dd,J=8.6,4.3Hz,1H)、3.26(dd,J=15.0,4.5Hz,1H)、3.05(dd,J=15.0,8.7Hz,1H)、2.98-2.79(m,2H)、2.10(d,J=12.2Hz,2H)、1.64-1.45(m,3H)、1.45-1.12(m,5H).
【0085】
[例17]N-(4-アミノ-2,2-ジメチルブタノイル)-L-ヒスチジン(FLM-13-ACI)
(手順4、収率100%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:7.59(s,1H)、6.86(s,1H)、4.40(dd,J=9.1,4.7Hz,1H)、3.08(dd,J=14.9,4.7Hz,1H)、2.90(dd,J=14.9,9.1Hz,1H)、2.58-2.38(m,2H)、1.67-1.56(m,2H)、1.07(s,3H)、1.04(s,3H).
【0086】
[例18]N-(3-アミノ-3,3-ジメチルプロパノイル)-L-ヒスチジン(FLM-02-ACI)
(手順4、収率100%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:7.65(s,1H)、6.93(s,1H)、4.49(dd,J=9.8,4.4Hz,1H)、3.15(dd,J=15.0,4.4Hz,1H)、2.92(dd,J=14.9,9.9Hz,1H)、2.37(s,J=14.1Hz,2H)、1.13(s,3H)、1.08(s,3H).
【0087】
[例19]N-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノイル)-L-ヒスチジン(FLM-12-ACI)
(手順4、収率90%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:7.69(s,1H)、6.86(s,1H)、4.53(dd,J=10.0,4.8Hz,1H)、3.70(s,3H)、3.26(dd,J=15.5,4.7Hz,1H)、3.13-2.96(m,3H)、1.32(s,3H)、1.17(s,3H).
【0088】
[例20]N-(3-アミノ-2,2-ジフルオロプロパノイル)-L-ヒスチジン(FLM-07-ACI)
(手順4、収率95%)
H-NMR(300MHz、DO) δ:8.16(s,1H)、7.11(s,1H)、4.53(dd,J=9.1,4.8Hz,1H)、3.34-3.23(m,3H)、3.07(dd,J=15.2,9.2Hz,1H).
H-NMR(300MHz、DO) δ:8.16(s,1H)、7.11(s,1H)、4.53(dd,J=9.1,4.8Hz,1H)、3.34-3.23(m,3H)、3.07(dd,J=15.2,9.2Hz,1H).
【0089】
[薬理試験]
本発明に係る選択された一連の化合物のカルボニル消光活性は、HNE(50μM)を、研究対象の分子(1mM)と共に、リン酸緩衝液(10mM)中、37℃、pH7.4下でインキュベートすることによって、インビトロにて実証された。活性は、Aldini G.らによる、[Biochem Biophys Res Commun. 2002 Nov 15;298(5):699?706]に以前に記載されているように、インキュベーションの1時間後および3時間後に、逆相クロマトグラフィーを用いて残留HNE含量を測定することによって評価した。カルボニル消光活性は、試験される分子の非存在下におけるHNE含量と比較した、反応したHNEの割合に基づいて評価される。
【0090】
前述の試験で最も活性のある化合物のヒト血清中における安定性も、37℃でのインキュベーションおよびその後の0分、15分、30分、1時間および2時間におけるサンプリングによって評価した。それぞれのマトリックスから採取したサンプルを適切に処理し、HPLC-MSによって分析し、1時間後および2時間後に回収した。
【0091】
結果を以下の表に要約する:
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】