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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】添加剤集合体
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/02 20060101AFI20230127BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
A24D3/02
A24D3/04
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021526248
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 GB2019053186
(87)【国際公開番号】W WO2020099845
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】1818587.6
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン、ポール
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-523108(JP,A)
【文献】特表2014-528242(JP,A)
【文献】国際公開第2010/003899(WO,A1)
【文献】特表2014-513976(JP,A)
【文献】特表2012-523223(JP,A)
【文献】特表2014-516523(JP,A)
【文献】特表2018-514215(JP,A)
【文献】国際公開第2005/087026(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/02
A24D 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
添加剤を含む個別の部分からなる群が内部または上に配置されたウェブを供することと、
添加剤を含む個別の部分からなるチェーンをウェブに形成することとを含み、
前記群は添加剤を含む少なくとも2つの個別の部分からなる縦列をウェブの幅に亘って含み、チェーンは、
前記群の縦列の添加剤を含む隣接する個別の部分を接続する接続部と、
前記群のそれぞれの隣接する縦列の添加剤を含む個別の部分を接続するための非直線状に構成された接続部とを含むタバコ産業製品のフィルタートウに挿入するための添加剤集合体の調製方法。
【請求項2】
添加剤を含む個別の部分からなる群をウェブに形成することをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
添加剤を含む個別の部分からなる群をウェブに形成することは、
ポケットからなる群を含む第1シートを供することと、
ポケットに添加剤を導入することと、
第1シートの上に第2シートを導入し、ポケットをシールし、ウェブを形成することとを含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
第1シートにポケットからなる群を形成することをさらに含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
ポケットからなる群を形成することは第1シートを一対のエンボスローラーの間を通過させて第1シートにポケットをエンボスすることを含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
第1および第2のシートを重ねて一対のローラーの間を通過させ、その一対のローラーの少なくとも1つは加熱され、第1および第2のシートを融着させることを特徴とする請求項3乃至5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
チェーンを形成することはウェブ材を一対のローラーの間を通過させ、チェーンをウェブ材に切り込むことを含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
チェーンを形成することはレーザーを使用して添加剤を含む個別の部分の周囲のウェブを除去することを含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ウェブ材はポリマーを含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
非直線状に構成された接続部は湾曲していることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
タバコ産業製品のフィルタートウに挿入するためのチェーンであって、該チェーンは接続部によって連結された添加剤を含む個別の部分を含み、接続部の内の少なくとも1つが非直線状に構成されており、前記添加剤を含む個別の部分は添加剤が充填されたブリスターを含み、該ブリスターは平らな面を含み、該チェーンの少なくとも2つの隣接するブリスターの平らな面は平面に配向され、これら少なくとも2つの隣接するブリスターは非直線状に構成された少なくとも1つの接続部によって接続され、非直線状に構成された少なくとも1つの接続部は、非直線状に構成された少なくとも1つの接続部に矯正力を加えた後、前記平らな面が平面に配向されたままであるように構成された相補的な形状を含む、チェーン。
【請求項12】
相補的な形状は非直線状に構成された接続部にひだ付きセクションを含むことを特徴とする請求項11記載のチェーン。
【請求項13】
ひだ付きセクションは非直線状に構成された接続部にエンボスされているまたは刻み付けがされていることを特徴とする請求項12記載のチェーン。
【請求項14】
ひだ付きセクションは非直線状に構成された接続部の中立軸の半径方向外方の圧縮を和らげるように構成された第1の折り曲げ線と、中立軸の半径方向内方の緊張を和らげるように構成された第2の折り曲げ線とを含むことを特徴とする請求項13記載のチェーン。
【請求項15】
第1の折り曲げ線は中立軸に位置するポイントから非直線状に構成された接続部の外方縁部へと半径方向に延び、第2の折り曲げ線は中立軸の前記ポイントから非直線状に構成された接続部の内方縁部へと半径方向に延びていることを特徴とする請求項14記載のチェーン。
【請求項16】
第2の折り曲げ線によって範囲が定められた材料は非直線状に構成された接続部を中立軸と内方縁部の間でたるませるために予め伸ばされていることを特徴とする請求項15記載のチェーン。
【請求項17】
添加剤を含む個別の部分のチェーンをタバコ産業製品材内に引き込むことと、
タバコ産業製品材を連続したロッド物品に形成することと、
タバコ産業製品材を包装材で包むこととを含む請求項11乃至16いずれか1項記載のチェーンを使用してタバコ産業製品を調製する方法。
【請求項18】
請求項11乃至16いずれか1項記載のチェーンの1つの添加剤を含む個別の部分と1つの非直線状に構成された接続部とを有するフィルターを含み、該1つの添加剤を含む個別の部分は該1つの非直線状に構成された接続部に取り付けられている、タバコ産業製品。
【請求項19】
請求項11乃至16いずれか1項記載のチェーンの2つの添加剤を含む個別の部分と1つの非直線状に構成された接続部とが埋め込まれたフィルターを含み、該2つの添加剤を含む個別の部分は該1つの非直線状に構成された接続部よって互いに取り付けられているタバコ産業製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は添加剤集合体およびタバコ産業製品のフィルタートウに挿入するための添加剤集合体の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコなどの従来のタバコ産業製品は、フィルター材に埋め込まれた脆いカプセルを含み、これは壊されるまたは潰されると添加剤を放出するように構成されている。解決すべき課題は脆いカプセルと他の添加剤放出機構の紙巻きタバコの組み立て時のフィルター材内への埋め込み工程にある。具体的な課題は紙巻きタバコの満足のいく製造速度を供するために必要とされる高速のフィルター材処理量によって提示される。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの実施態様では、タバコ産業製品のフィルタートウに挿入するための添加剤集合体の調製方法が提供され、この方法は、
添加剤を含む個別の部分からなる群が内部または上に配置されたウェブを供することと、
添加剤を含む個別の部分からなるチェーンをウェブに形成することとを含み、
上記群は添加剤を含む少なくとも2つの個別の部分からなる縦列をウェブの幅に亘って含み、チェーンは、
上記群の縦列の添加剤を含む隣接する個別の部分を接続する第1接続部と、
上記群のそれぞれの隣接する縦列の添加剤を含む個別の部分を接続するための非直線状に構成された第2接続部とを含む。
【0004】
本発明の方法は添加剤を含む個別の部分からなる群をウェブに形成することをさらに含んでもよい。
【0005】
添加剤を含む個別の部分からなる群をウェブに形成することは、
ポケットからなる群を含む第1シートを供することと、
ポケットに添加剤を導入することと、
第1シートの上に第2シートを導入し、ポケットをシールし、ウェブを形成することとを含んでもよい。
【0006】
本発明の方法は第1シートにポケットからなる群を形成することをさらに含んでもよい。
【0007】
ポケットからなる群を形成することは第1シートを一対のエンボスローラーの間を通過させて第1シートにポケットをエンボスすることを含んでもよい。
【0008】
第1および第2シートは重なった状態で一対のローラーの間を通過し、その対のローラーの少なくとも1つが加熱され、第1および第2シートを融着させる。
【0009】
チェーンを形成することはウェブ材を一対の切断ローラーの間を通過させてチェーンをウェブ材に切断することを含んでもよい。
【0010】
チェーンを形成することはレーザーを使用して添加剤の個別の部分の周囲のウェブを除去することを含んでもよい。
【0011】
ウェブ材はポリマーを含んでもよい。
【0012】
非直線状に構成される接続部は湾曲させてもよい。
【0013】
また本発明のいくつかの実施態様ではタバコ産業製品のフィルタートウに挿入するためのチェーンが提供され、チェーンは接続部によって連結された添加剤を含む個別の部分を含み、接続部の少なくとも1つは非直線状になるように構成されている。
【0014】
添加剤を含む個別の部分は添加剤が充填されたブリスターを含んでもよく、ブリスターは平らな面を含み、チェーンの少なくとも2つの隣接するブリスターの平らな面は平面に配向され、これら少なくとも2つの隣接するブリスターは非直線状に構成された少なくとも1つの接続部によって接続され、非直線状に構成された少なくとも1つの接続部は、非直線状に構成された少なくとも1つの接続部に矯正力を加えた後、上記平らな面が平面に配向されるように構成された相補的な形状を含む。
【0015】
相補的な形状は非直線状に構成された接続部にひだ付きセクションを含んでもよい。
【0016】
ひだ付きセクションは非直線状に構成された接続部にエンボスされているまたは刻みが付けされてもよい。
【0017】
ひだ付きセクションは非直線状に構成された接続部の中立軸の半径方向外方の圧縮を和らげるように構成された第1の折り曲げ線と、中立軸の半径方向内方に材料の緊張を和らげるように構成された第2の折り曲げ線とを含んでもよい。
【0018】
第1の折り曲げ線は中立軸に位置するポイントから非直線状に構成された接続部の外方縁部へと半径方向に延びてもよい。
【0019】
第2の折り曲げ線は中立軸の前記ポイントから非直線状に構成された接続部の内方縁部へと半径方向に延びてもよい。
【0020】
第2の折り曲げ線によって範囲が定められた材料は非直線状に構成された接続部を中立軸と内方縁部の間でたるませるために予め伸ばされていてもよい。
【0021】
また本発明のいくつかの実施態様では、
添加剤を含む個別の部分からなるチェーンをタバコ産業製品材内に引き込むことと、
タバコ産業製品材を連続したロッド物品に形成することと、
タバコ産業製品材を包装材で包むこととを含む請求項11乃至17いずれか1項記載の添加剤チェーンを使用してタバコ産業製品を調製する方法が提供される。
【0022】
また本発明のいくつかの実施態様では、添加剤を含む個別の部分を有するフィルターを含み、添加剤を含む個別の部分は非直線状に構成された接続部に取り付けられるタバコ産業製品が提供される。
【0023】
また本発明のいくつかの実施態様では、添加剤を含む2つの個別の部分が埋め込まれたフィルターを含み、添加剤を含む個別の部分は非直線状に構成された接続部によって互いに取り付けられているタバコ産業製品が提供される。
【0024】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】フィルターロッド製造機の略図である。
図2】添加剤集合体製造機の略図である。
図3】添加剤集合体を示している。
図4】添加剤集合体の湾曲した接続部を示している。
図5】添加剤集合体のブリスターの断面を示している。
図6】相補的な形状を含む湾曲した接続部を示している。
図7】真っ直ぐにされた図6の湾曲した接続部を示している。
図8】相補的な形状を含む湾曲した接続部を示している。
図9】相補的な形状を含む湾曲した接続部を示している。
図10】相補的な形状を含む湾曲した接続部を示している。
図11】真っ直ぐにされた図10の湾曲した接続部を示している。
図12】添加剤集合体を示している。
図13】添加剤集合体を示している。
図14】添加剤集合体製造機の一部を略式に示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は紙巻きタバコなどのタバコ産業製品に使用するためのフィルターロッドを製造するための機械の略図である。本機械は連続する包装されたフィルターロッド4を形成するためにフィルタープラグ材2およびフィルターラッピング材3を収容するように構成されているガーニチャー1を含む。動作時、通常セルロースアセテートフィルタートウの形体のフィルター材2が供給源(図示せず)から引き出され、一組の延伸ローラー(図示せず)内で伸ばされ、スタッファージェット5内で圧縮される。スタッファージェット5は空気とフィルタートウ2を形成ガイド6内に送り、このガイドはトウが包装のためにガーニチャー1内を通過する前にトウを強制的にロッド形状にする。
【0027】
連続したガーニチャーベルト7がフィルターラッパー紙3をガーニチャー1内で搬送する。ガーニチャー1はベルト7およびフィルターラッパー紙3がトウ2を包むような形を有し、フィルターラッパー紙3はフィルター材ロッドの周囲に接着され、連続した包装されたフィルターロッド4を作製する。その後の例示しない作業中、連続したフィルターロッド物品4は個々のフィルターロッドの長さに切断され、紙巻きタバコなどのタバコ産業製品と組み合わされる。
【0028】
添加剤を含むブリスター9などの添加剤を含む個別の部分9を含む添加剤集合体8はフィルタートウ2に挿入されるように構成されている。添加剤集合体8のブリスター9間の間隔は、個々の長さのフィルターロッドが所定の軸方向の位置に1つのブリスター9を含むように予め設定されている。添加剤ブリスター9は、水または風味料、感覚刺激性物質または煙変性物質などの別の添加剤物質を含んでもよい。ブリスター9を含有するフィルターロッドを含むタバコ産業製品を使用する場合、成人ユーザーはフィルターロッドの外側に内圧がブリスター9を破裂させるまで圧力を加えてブリスター9を破壊することができる。
【0029】
添加剤集合体8は添加剤含有ブリスター9からなるチェーン22を含む。図1に示すようにブリスター9からなるチェーン22は、好ましくはフィルターロッド製造機に供給され、トウ2が案内ガイド7内でロッドの形に圧縮される際、トウはブリスター9の周囲で閉じ、チェーン22をガーニチャー1内に引っ張る。その結果ブリスター9は一定の間隔をおいて連続するフィルターロッド4に完全に埋め込まれる。
【0030】
図2は1つの実施態様による添加剤集合体8の調製を例示している。第1のシート材10がリール11から一組のエンボスローラー12を通って引き込まれる。エンボスローラー12はシート材10をリール11から引き離し、ポケット13の群を有するようにシート材10をエンボスする。ポケット13の特定のパターンがローラー12の1つの面を横断して一連の凸部としてそしてもう一方のローラー12を横断して対応する一連の凹部として形成されている。第1のシート材10がローラー12を通過すると、凸部と凹部がローラー12の間の接触面で対になり、その間でシート10を捕捉し、シート10を可塑的にポケット13の群にエンボスさせる。
【0031】
エンボスされたポケット13を備えた第1のシート材10は添加剤充填ステーション14へと移動し、ポケット13に添加剤が充填される。添加剤充填ステーション14は、ノズル群を含んでもよく、これは例えば充填ステーション14を通過するポケット13と合わせてノズルのそれぞれを作動させることによって添加剤をそれぞれのポケット13内に正確に供給することができる。これとは別にノズルはシート10に積もってポケット13を満たす添加剤のミストを生成してもよい。余剰な添加剤はシート10の表面からノズルの下流のスクイージー(図示せず)によって除去することができる。
【0032】
ポケット13が満たされると、シート10はシールステーション15へと移動し、ポケット13がシールされてブリスター9を形成する。このシール工程は第2シート17を第1シート10に重なるように連続的に導入し、添加剤が充填されたポケットを囲んで添加剤が充填されたブリスター9を形成する。第1および第2シート10、17は、例えば熱によって組み合わされてウェブ18のウェブを形成する。
【0033】
第2のシート17が一対の駆動ローラー20によって第2のリール19から引き込まれる。第1および第2のシート10、17は、駆動ローラー20を介して隣接して共に引き込まれる前に平行に位置合わせされて配置される。駆動ローラー20にはその表面に一連のポケットを設けてもよく、これらポケットはウェブ18に形成されたブリスター9のパターンに対応し、添加剤が充填されたブリスター9がこれらローラー20の間を通過できるようにする。
【0034】
1つの例では駆動ローラー20にはウェブ18を形成する第1および第2のシート10、17を融着させるために加熱面を設けてもよい。別の例では第1および第2のシート10、17は熱源21を通過してもよく、熱源21は第1および第2のシート10、17に熱を移動させる位置にある。熱源21は、第1および第2のシート10、17を照射して互いに融着させる赤外線ヒーターであってもよい。あるいは別の例では熱源21は局所的に空気を熱する対流ヒーターであってもよく、熱せられた空気が対流によって熱を第1および第2のシート10、17に伝える。
【0035】
熱源21からの熱は、第1および第2のシート10、17の少なくとも一部を部分的に溶かすことによって第1および第2のシート10、17を互いに融着させてもよい。第1および第2のシート10、17は、共通のポリマー材から作製して部分的に溶けた部分がそれが冷めて固体状態になったときに同質な部分を形成するようにしてもよい。これとは別に第1のシート10および/または第2のシート17に接着剤層またはコーティングを設けてもよい。接着剤層は上述のいずれかの方法で熱を加えた後に第1および第2のシート10、17が互いに接着するように熱活性接着剤であってもよい。
【0036】
第1および第2のシート10、17からウェブ18を形成した後、ウェブ18に形成されたブリスター9の群は、添加剤含有ブリスター9のチェーン22を形成するために切り抜かれる。チェーン22は、ブリスターチェーン駆動ローラー24によって残りの余分なウェブ23から引き離され、次にさらなる使用のために木箱に梱包されるあるいは上述のようにフィルタートウ2内に直接供給される。
【0037】
ブリスター9の処理量を増加させるためにポケット13の群は第1のシート10の幅に間隔が空けられた少なくとも2つのポケット13を含む。これはウェブ18の幅を横断して形成される少なくとも2つのブリスター9に対応し、その後第2のシート17によってポケット13をシールする。好ましくは複数のブリスター9が図3に示すようにウェブ18の幅Wを横断して設けられている。これにより比較的短期間で多くのブリスター9を製造することが可能になるが、ブリスター9の群をフィルタートウ2に供給できる個別のブリスター9に変換する際に問題が生じる。ウェブ18をブリスター9からなるチェーン22に切断することによってブリスター9を加速的にフィルタートウ2内に引き入れることができる。例えば、ブリスターチェーン22の駆動ローラー24はウェブ18を進める駆動ローラー20より速い接線速度で移動する。この速い速度によりチェーン22がウェブ18から切断される際にチェーン22がほどける。
【0038】
ブリスター9の群の正確な配置は様々であるが、好ましい例を図3に示す。この例ではウェブ18に切り込まれるブリスターチェーン22のパターンはウェブ18の幅を往復してくねって延びており、隣接するブリスター9を接続する接続部25、26を含む。ブリスターチェーンは真っ直ぐな接続部によって接続された縦列に配置されている。各縦列はウェブ18の幅Wを延びている。隣接する縦列の端部ブリスター9は湾曲した接続部26によって接続されている。
【0039】
「湾曲した接続部」なる用語は、湾曲した接続部がそれらがウェブ18に切り込まれた際に湾曲し、ウェブ18が重力または別の何らかの力によって曲げられたまたは変形した単なる結果として湾曲しないことを意味する。反対に湾曲した部分26はブリスターチェーンのパターンがウェブ18の幅を往復して延びるように湾曲している。従って、湾曲した接続部26は湾曲するように「構成」されていると言える。
【0040】
湾曲した接続部26は、以下により詳しく説明するようにフィルタートウ材2に供給するためにブリスターチェーン22がほどかれる際に引っ張られて真っ直ぐにならなければならない。
【0041】
1つの例ではブリスターチェーン20のパターンは、パターンをウェブ18に押しつぶして切り込む一対の協働切断ローラー27によってウェブ18に切り込まれる(図2参照)。ブリスターチェーンのパターンはブレード状の突起として2つの切断ローラー27の1つの面に亘って配置され、2つの切断ローラー27のもう一方は対応する凹みとして配置された同じパターンを含むあるいは2つの切断ローラー27のもう一方には滑らかな面を設けてもよい。ウェブ18が切断ローラー27を通過すると、ブレード状の突起が対応する凹みが存在する場合それと協働するか、または滑らかな面に対してウェブ18を捕捉するかのいずれかによって2つのローラー27のもう一方の面に対してウェブ18を切断する。
【0042】
別の例ではブリスターチェーンのパターンはレーザーカッター(図示せず)によって作製される。レーザーカッターはウェブ18の真上または真下に配置されたレーザー放射ヘッドを含む。レーザー放射ヘッドはブリスターチェーンのパターンが通過する際にウェブ18の面を往復してスキャンすることによってブリスターチェーンのパターンを描出する。
【0043】
ブリスターチェーン22をほどく際の1つの具体的な問題は、湾曲した接続部26の両側の隣接するブリスター9が互いに対して回転するということである。これは湾曲した接続部26にストレスが不均一に配分されることによって生じる。湾曲した接続部26の一例の中立軸N-Nを図4に示す。その結果として真っ直ぐにする際に湾曲した接続部26の中立軸N-Nの半径方向外方の材料は、圧縮され、中立軸N-Nの半径方向内方の材料は張力がかけられる。この不釣り合いな張力と圧縮が真っ直ぐにする際の隣接するブリスター9を回転させる面外方向力であることは明白である。
【0044】
隣接するブリスター9のこの回転は、ブリスターがトウ2に供給される際にブリスター9の配向を制御するという目的に相反する。この目的の1つの理由は断面が全体的に丸くないブリスター9をフィルターラッパー紙3の可視表示によって確実に回転位置において位置合わせすることである。図5を参照すると、ブリスター9は断面が半円形の外観を有していることがわかり、図5に示すように円形部分は第1のシート10のポケット13によって画定され、第2のシート17はポケットをシールする平坦な面17を画定している。
【0045】
ブリスター9が完全な円形でないということはどのブリスター9も破裂させる強度が使用時にブリスター9のどこに圧力が加えられるかによって変わることを意味する。従って、中に含まれているブリスター9を破裂させるためにどこに圧力を加えればよいかをユーザーに知らせるためにフィルターラッパー紙3に可視表示を設けることが好ましい。ブリスター9に加えられる圧力のための最適な位置にそのような可視表示を確実に位置合わせするためにブリスター9の配向をそれらがフィルタートウ材2に供給される際に制御することが必要である。言い換えれば、各ブリスター9の各平坦な面17はブリスターチェーン22をほどく際に平面配向のままであることが意図されている。従って、ブリスター9のチェーン22の湾曲した接続部26にはブリスター9にかかる回転力の影響を受けずに湾曲した接続部26を真っ直ぐにするための相補的な形状が設けられている。
【0046】
図6に示す一例では相補的な形状は湾曲した接続部26のひだ付けされたセクション28を含む。ひだ付けされたセクション28は駆動ローラー20によってまたは別の一対のひだ付けエンボスローラー(図示せず)によってウェブ18にエンボスされてもよい。いずれの場合でもひだ付けされたセクション28の特定のパターンは、一連の凸部として一方のローラーの面にそして一連の対応する凹部としてもう一方のローラーに描写されている。ウェブ18がローラーの間を通過する際、凸部と凹部がローラーの接触面で一致し、ウェブ18を間で捕捉し、エンボスして可塑的にひだ付けされたセクション28を形成する。エンボスローラーはブリスター9をそれらがローラーの間を通過する際に収容するために表面にポケットを含むのが望ましい。
【0047】
これとは別にひだ付けされたセクション28はウェブ18にレーザーエンボスされてもよい。これはエンボスされる領域にレーザー(図示せず)で照射することを伴う。照射された領域は部分的に溶け、延び、これは上述のエンボスローラーを使用してエンボスされた領域を有するのとほとんど同じ効果を有する。延伸の度合いはレーザーのパワーによって調節可能である。レーザーはウェブ18の表面を部分的に除去して折り曲げ線またはそれに類するものを形成するためにも使用し、これにより折り曲げ線とエンボス加工された領域のパターンを単独のレーザー装置で形成できる。レーザーはウェブ18の真上または真下に配置されたレーザーヘッド(図示せず)を含み、これはウェブが通過する際にウェブ18の表面を往復してスキャンすることによってエンボスパターンを描出する。レーザーによるエンボスはウェブ18の第1および第2のシート10、17がポリマー材で作製されている場合に特に良好である。
【0048】
当然のことながらウェブにひだ付けセクション28をエンボスする工程は、ひだ付けされたセクション28が図6に示すように湾曲された接続部26の周囲に確実に形成されるようにブリスターチェーン22の切断工程と合わされなければならない。
【0049】
まだ図6を参照するとひだ付けされたセクション28は、湾曲した接続部26の中立軸N-Nの半径方向外方に材料の圧縮を和らげるように構成された第1の折り曲げ線構造29と中立軸N-Nの半径方向内方に材料の緊張を和らげるように構成された第2の折り曲げ線構造30を含んでもよい。
【0050】
折り曲げ線29、30は、湾曲した接続部26上に位置するポイント、好ましくは図に示すように湾曲した接続部の中立軸N-N上のポイントから半径方向に延びている。
【0051】
第1の折り曲げ線構造29はあるポイントから半径方向にそれぞれの湾曲した接続部の外方縁部31の方へ延びている。第1の折り曲げ線構造のそれぞれは少なくとも2つの折り曲げ線を含むが、好ましくは少なくとも3つの折り曲げ線を含む。湾曲した接続部26が真っ直ぐにされると、折り曲げ線によって範囲が定められた材料は関連する湾曲した接続部26の湾曲面から外れて折りたたまれ、小さな錐体形状の隆起32を形成し、中立軸の外方から材料にかかる圧縮力を緩和する。このことは真っ直ぐにされた湾曲した接続部26を示している図7で最も明確に示されている。
【0052】
第2の折り曲げ線構造30はあるポイントから半径方向に対応する湾曲した接続部の内方縁部33の方へ延びている。第2の折り曲げ線構造30によって範囲が定められた材料の領域は、湾曲した接続部26に中立軸N-Nの半径方向内方にたるみを供するためにエンボス工程によって延伸される。湾曲した接続部26が真っ直ぐにされると、たるみが取られ、延伸しなければならない材料の量を減少させ、中立軸N-Nの半径方向内方への張力を緩和する。
【0053】
真っ直ぐにする際に湾曲した接続部26にかかる張力と圧縮力を緩和することによってどの湾曲した接続部26でもその両側のブリスター9がねじれにくくなる。
【0054】
湾曲した接続部26のそれぞれが中立軸N-Nの対向側部に亘って延びる折り曲げ線からなる第1および第2の構造29、30の両方を含むのが好ましいが、別の例では湾曲した接続部26は第1または第2の折り曲げ線構造29、30の一方だけを含む。第1の折り曲げ線構造29だけが設けられるそのような例では折り曲げ線29が放射状に広がり始めるポイントは中立軸N-N上に位置するのが好ましい。しかしながら、それらは図8の例に示すように湾曲した接続部の内方縁部33上などの他の所に配置してもよい。
【0055】
第2の折り曲げ線構造30だけが設けられているそのような例でも折り曲げ線が放射状に広がり始めるポイントは中立軸N-N上に位置するのが好ましい。しかしながら、それらは図9の例に示すように湾曲した接続部の外方縁部31上などの中立軸の外方に設けてもよい。
【0056】
当然のことながら湾曲した接続部26の中立軸N-Nは外方縁部31より内方縁部33の近くに位置する。中立軸の正確な位置は曲がり梁曲げ理論によって決められ、当業者には自明である。
【0057】
図10に示す相補的な形状の別例は2つの折り曲げ線34を含み、それぞれ湾曲した接続部26の端部に隣接して位置している。折り曲げ線34は湾曲した接続部26をブリスター9に対してねじれるように構成されており、一方、ブリスター9は図11に示すように互いに回転位置において位置合わせされたままである。好ましくは折り曲げ線34は対応する直交する線35に対して90度に配置される。各直交する線は湾曲した接続部26の中心点Pから延び、図示のように互いに直行している。
【0058】
相補的な形状の別の例を図12に示す。この例では湾曲した接続部26は半円形を形成しはないが、各接続部26が小さな弧を介して回転するように小さなセグメントを形成する。これにより湾曲された接続部26がそれらが真っ直ぐにされる際の曲がりが少なくなり、湾曲した接続部の両側のブリスターをねじれにくくする。しかしながら、この例は無駄になる材料が多くなる。
【0059】
当然のことながら上述の添加剤集合体のさらなる利点はそれらがフィルタートウ2に供給されるブリスター9の均一な間隔を維持するということであり、ブリスター9間の間隔は接続部25、26の長さによって設定される。このことはガーニチャー1で形成される連続したフィルターロッド4が上述のように切断工程で個別のフィルターロッドに切断される際に重要である。切断工程は各個別のフィルターロッドが長さに沿った所定の位置に1つのブリスター9を確実に含むようにブリスター9に合わせ続けられなければならない。
【0060】
湾曲した接続部26は、真っ直ぐにされた際に真っ直ぐな接続部25として接続工程と上手く合わさるためのブリスター9の正確な位置をより簡単に決めやすくするために同じ長さであることが好ましい。しかしながら、例えば異なる長さの接続部25、26が必要とされる場合、接続部25、26長さの違いを調整するように切断工程を構成することも可能である。添加剤集合体の別の例を図13に示す。この例では湾曲した接続部26は図に示すようにブリスター9がモザイク式に嵌まるように真っ直ぐな接続部25より短い。これによりどんなウェブ18であっても形成されるブリスター9の数を多くすることができ、無駄が少なくなる。
【0061】
当然のことながら本発明は、ポケット13が第1のシート10にエンボスされ、添加剤が充填され、第2のシート17によって閉じられる上述のブリスター9の形成技術に限定されるものではない。本発明の重要な側面は添加剤9の個別の部分からなる列がウェブ材18に形成され、添加剤9の処理量を上げるということである。これはチェーン22がフィルタートウ2内に引っ張り込まれる際にほどかれる湾曲した接続分26を有するウェブ18から添加剤部分9からなるチェーンを切断することを必要とする。
【0062】
例えば、図14に示す例では球形の添加剤含有カプセル36がホッパー37に供される。ホッパー37は複数の溝(図示せず)を含み、各溝はウェブ材38の上に配置される個別の開口部を有する。開口部はウェブ材38の幅に亘って少なくとも2つのカプセル36である群になるようにウェブ38上にカプセル36を供給するように構成されている。ウェブ38はターンテーブル39の外方円筒状面によって支持される。この面はカプセル36がウェブ38に供給される際のカプセルの群に対応したポケット40の群を含む。ウェブ38は真空によってポケット40内に引き込まれ、接着剤がウェブ38に塗布される。カプセル36はカプセルはウェブの一列に並べられたポケット40内に供給され、そこでカプセルはウェブ38がターンテーブル39を離れた後接着剤によりポケットに留まる。
【0063】
カプセル36の列を含むウェブ38は、次に上述のように切断ローラー27を通過して湾曲した接続部26を含む添加剤含有カプセルのチェーンを供する。
【0064】
上述の実施態様では湾曲した接続部26はほぼ滑らかな曲線として説明されているが、当業者は滑らかな曲線は本発明に重要ではなく、湾曲した接続部26を構成する際の最も考慮すべきことはそれが非直線状であるということを理解するはずである。例えば、図15に示した実施態様では湾曲した接続部26は5つのU字状を描く5つの直線状セクション41を含む。しかしながら、2つ以上のあらゆる数の直線状セクション41も使用可能である。この実施態様では相補的な形状は真っ直ぐにする力が加えられた際に蛇腹にたたまれるように構成された直線状セクション41の間に設けられたひだ付きセクション42を含む。
【0065】
本明細書中で使用する「タバコ産業製品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプ用または手巻き紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係なく)などの燃焼性喫煙品、電子タバコなどの電子喫煙品、タバコ加熱製品などの燃焼させずに基材から化合物を放出する加熱装置および例えば液体または固体基材を含むハイブリッドシステムのような基材を組あわせたものからエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムを含む喫煙品を包含すると理解されるべきである。
【0066】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は紙巻きタバコ、シガリロおよびシガーからなる群から選択される燃焼喫煙品である。
【0067】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は非燃焼性喫煙品である。
【0068】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は基材を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する加熱装置である。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では加熱装置はタバコ加熱装置である。
【0069】
別の実施態様ではタバコ産業製品は基材を組あわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコとを含んでもよい。
【0070】
本発明の実施態様はタバコ産業製品、例えば紙巻きタバコを参照して説明した。しかしながら、当然のことながら本発明のパッケージはこれとは別に非タバコ産業関連製品に使用してもよい。
【0071】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたタバコ産業製品用パッケージを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15