IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社セブン&アイ・ホールディングスの特許一覧 ▶ 株式会社セブン−イレブン・ジャパンの特許一覧

特許7217831商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラム
<>
  • 特許-商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラム 図1
  • 特許-商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラム 図2
  • 特許-商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラム 図3
  • 特許-商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230127BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022129041
(22)【出願日】2022-08-12
【審査請求日】2022-08-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508342998
【氏名又は名称】株式会社セブン&アイ・ホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】591156788
【氏名又は名称】株式会社セブン-イレブン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 信行
(72)【発明者】
【氏名】我妻 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】三好 利昇
(72)【発明者】
【氏名】三好 大悟
(72)【発明者】
【氏名】荒蒔 勲
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 宏明
(72)【発明者】
【氏名】新居 義典
(72)【発明者】
【氏名】石津 直樹
(72)【発明者】
【氏名】長尾 大志
(72)【発明者】
【氏名】安孫子 幸平
(72)【発明者】
【氏名】石川 桃子
(72)【発明者】
【氏名】小田 尚史
(72)【発明者】
【氏名】落合 剛弘
【審査官】西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0104713(KR,A)
【文献】特開2019-016375(JP,A)
【文献】特開2022-077423(JP,A)
【文献】特開2022-025257(JP,A)
【文献】国際公開第2018/193466(WO,A1)
【文献】特開2008-287450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより操作されるユーザ端末からの指示に従って動作可能なアバターが移動する三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗で前記ユーザにより注文され商品の発注先となる発注先店舗の候補を、取り扱う商品がそれぞれ異なる複数の実店舗の中から前記ユーザごとに特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記発注先店舗の候補で取り扱っている商品を、前記仮想店舗で注文可能な商品として前記ユーザに提供する商品提供部と、
前記ユーザによる注文に対応する発注情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記発注情報を、前記特定部により特定された前記発注先店舗の候補のいずれかに送信する送信部と、
を備える商品提供装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記ユーザの所在地を特定し、当該特定した前記所在地に最も近い実店舗を前記発注先店舗の候補として特定する、
請求項1記載の商品提供装置。
【請求項3】
地図上にある実店舗の位置を指定した店舗指定指示を受け付ける受付部をさらに備え、
前記特定部は、前記受付部により受け付けられた前記店舗指定指示に対応する実店舗を前記発注先店舗の候補として特定する、
請求項1記載の商品提供装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記ユーザの所在地を特定し、当該特定した前記所在地から所定範囲にある一つ以上の実店舗を、前記発注先店舗の候補として特定する、
請求項1記載の商品提供装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記ユーザにより指定された商品の配送時間内に配送可能な一つ以上の実店舗を、前記発注先店舗の候補として特定する、
請求項1記載の商品提供装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記発注先店舗の候補が複数ある場合に、前記注文の対象として追加される前記商品の在庫状況に基づいて、前記発注先店舗の候補を絞り込む、
請求項4又は5記載の商品提供装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記発注先店舗の候補が複数ある場合に、前記ユーザにより選択された商品の配送手段に基づいて、前記発注先店舗の候補を絞り込む、
請求項4又は5記載の商品提供装置。
【請求項8】
プロッセサにより実行される方法であって、
ユーザにより操作されるユーザ端末からの指示に従って動作可能なアバターが移動する三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗で前記ユーザにより注文され商品の発注先となる発注先店舗の候補を、取り扱う商品がそれぞれ異なる複数の実店舗の中から前記ユーザごとに特定するステップと、
特定された前記発注先店舗の候補で取り扱っている商品を、前記仮想店舗で注文可能な商品として前記ユーザに提供するステップと、
前記ユーザによる注文に対応する発注情報を生成するステップと、
生成された前記発注情報を、特定された前記発注先店舗の候補のいずれかに送信するステップと、
を含む商品提供方法。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザにより操作されるユーザ端末からの指示に従って動作可能なアバターが移動する三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗で前記ユーザにより注文され商品の発注先となる発注先店舗の候補を、取り扱う商品がそれぞれ異なる複数の実店舗の中から前記ユーザごとに特定する特定部、
前記特定部により特定された前記発注先店舗の候補で取り扱っている商品を、前記仮想店舗で注文可能な商品として前記ユーザに提供する商品提供部、
前記ユーザによる注文に対応する発注情報を生成する生成部、
前記生成部により生成された前記発注情報を、前記特定部により特定された前記発注先店舗の候補のいずれかに送信する送信部、
として機能させる商品提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、三次元の仮想空間上で、ユーザの分身であるアバターを操作して、仮想店舗での買い物を体験できるようにした仮想空間配信装置が開示されている。この仮想空間配信装置では、ユーザが、アバターを通じて、仮想店舗内に展示された商品を選択して購入することができ、さらに、商品を購入する際に、仮想店舗内の仮想レジで商品を購入するのか、外部のECサイトで商品を購入するのかを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-36689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記仮想空間配信装置では、仮想店舗上に表現された商品を購入できるようになっているが、それらの商品は、実店舗の商品と連携して管理されるものではない。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、実店舗の商品と連携させた商品を仮想店舗で注文させることができる商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る商品提供装置は、ユーザにより操作されるユーザ端末からの指示に従って動作可能なアバターが移動する三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗でユーザにより注文された商品の発注先となる発注先店舗を、実店舗の中から特定する特定部と、特定部により特定された発注先店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供する商品提供部と、ユーザによる注文に対応する発注情報を生成する生成部と、生成部により生成された発注情報を、特定部により特定された発注先店舗に送信する送信部と、を備える。
【0007】
この態様によれば、三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗で注文された商品の発注先を実店舗の中から特定し、その特定した実店舗で取り扱っている商品を仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供し、上記特定した実店舗に対して発注情報を送信することが可能となる。
【0008】
上記態様において、特定部は、ユーザの所在地を特定し、当該特定した所在地に最も近い実店舗を発注先店舗として特定してもよい。
【0009】
この態様によれば、ユーザが仮想店舗で注文した商品を、ユーザの所在地に最も近い実店舗に発注して配送することが可能となる。
【0010】
上記態様において、地図上にある実店舗の位置を指定した店舗指定指示を受け付ける受付部をさらに備え、特定部は、受付部により受け付けられた店舗指定指示に対応する実店舗を発注先店舗として特定してもよい。
【0011】
この態様によれば、ユーザが仮想店舗で注文した商品を、ユーザが地図上で指定した実店舗に発注して配送することが可能となる。
【0012】
上記態様において、特定部は、ユーザの所在地を特定し、当該特定した所在地から所定範囲にある一つ以上の実店舗を、発注先店舗の候補として特定してもよい。
【0013】
この態様によれば、ユーザが仮想店舗で注文した商品を、ユーザの所在地から所定範囲にある実店舗に発注して配送することが可能となる。
【0014】
上記態様において、特定部は、ユーザにより指定された商品の配送時間内に配送可能な一つ以上の実店舗を、発注先店舗の候補として特定してもよい。
【0015】
この態様によれば、ユーザが仮想店舗で注文した商品を、ユーザが指定した配送時間内に配送可能な実店舗に発注して配送することが可能となる。
【0016】
上記態様において、特定部は、注文に対応する商品の在庫状況に基づいて、発注先店舗の候補をさらに絞り込んでもよい。
【0017】
この態様によれば、ユーザが仮想店舗で注文した商品を、その商品の在庫がある実店舗に発注して配送することが可能となる。
【0018】
上記態様において、特定部は、ユーザにより選択された商品の配送手段に基づいて、発注先店舗の候補をさらに絞り込んでもよい。
【0019】
この態様によれば、ユーザが仮想店舗で注文した商品を、ユーザが所望する配送手段で配送可能な実店舗に発注して配送することが可能となる。
【0020】
本発明の他の態様に係る商品提供方法は、プロッセサにより実行される方法であって、ユーザにより操作されるユーザ端末からの指示に従って動作可能なアバターが移動する三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗でユーザにより注文された商品の発注先となる発注先店舗を、実店舗の中から特定するステップと、特定された発注先店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供する商品提供部と、ユーザによる注文に対応する発注情報を生成するステップと、生成された発注情報を、特定された発注先店舗に送信するステップと、を含む。
【0021】
この態様によれば、三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗で注文された商品の発注先を実店舗の中から特定し、その特定した実店舗で取り扱っている商品を仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供し、上記特定した実店舗に対して発注情報を送信することが可能となる。
【0022】
本発明の他の態様に係る商品提供プログラムは、コンピュータを、ユーザにより操作されるユーザ端末からの指示に従って動作可能なアバターが移動する三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗でユーザにより注文された商品の発注先となる発注先店舗を、実店舗の中から特定する特定部、特定部により特定された発注先店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供する商品提供部、ユーザによる注文に対応する発注情報を生成する生成部、生成部により生成された発注情報を、特定部により特定された発注先店舗に送信する送信部、として機能させる。
【0023】
この態様によれば、三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗で注文された商品の発注先を実店舗の中から特定し、その特定した実店舗で取り扱っている商品を仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供し、上記特定した実店舗に対して発注情報を送信することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、実店舗の商品と連携させた商品を仮想店舗で注文させることができる商品提供装置、商品提供方法及び商品提供プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態に係る商品提供装置を含む情報処理システムの構成を例示する図である。
図2図1に示す商品提供装置の物理的な構成を例示する図である。
図3図1に示す商品提供装置の機能的な構成を例示する図である。
図4図1に示す商品提供装置において仮想店舗で注文を受けた商品をいずれかの実店舗に発注する際の手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
[情報処理システムの概要]
図1を参照して、実施形態に係る商品提供装置1を含む情報処理システムの構成について説明する。情報処理システムは、商品提供装置1と、メタバース提供装置2と、ユーザ端末4と、店舗システム5と、を備える。商品提供装置1とメタバース提供装置2とで、メタバース提供システム3を構成する。
【0028】
ここで、メタバースは、インターネット上に構築される三次元の仮想空間(以下、「仮想空間」ともいう。)のことである。ユーザ端末4を操作するユーザは、自分の分身であるアバターを操作して仮想空間内を移動させ、他のユーザと交流することができる。
【0029】
メタバース提供装置2は、例えば、各種の仮想空間に移動可能なポータルサイト的な仮想空間(以下、「ポータル空間」ともいう。)を提供するサーバ装置である。商品提供装置1は、例えば、仮想的なコンビニエンスストアの店舗(以下、「仮想店舗」ともいう。)の空間を提供するサーバ装置である。ユーザは、アバターを操作して、ポータル空間と、仮想店舗の空間とを自在に行き来することができる。なお、仮想店舗は、仮想的なコンビニエンスストアの店舗であることに限定されず、商品を販売する仮想的な店舗であってよい。
【0030】
なお、本実施形態では、例示的に、商品提供装置1とメタバース提供装置2とでメタバース提供システム3を構成する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、メタバース提供装置2の機能の一部又は全部を商品提供装置1に組み込むこととしてもよいし、後述する商品提供装置1の機能の一部又は全部を、メタバース提供装置2に組み込むこととしてもよい。
【0031】
ユーザ端末4は、例えば、ユーザが使用するスマートフォンであり、ネットワークNを介して商品提供装置1やメタバース提供装置2と通信できるように構成される。なお、ユーザ端末4は、スマートフォンに限定されず、例えば、PC(Personal Computer)端末、ノートPC、タブレット端末、VR(Virtual Reality)デバイス、その他の端末装置であってもよい。
【0032】
店舗システム5は、例えばコンビニエンスストアの店舗(実店舗)にそれぞれ装備されるシステムであり、ネットワークNを介して商品提供装置1と通信できるように構成される。店舗システム5は、例えば、PC端末等の店舗装置、タブレット端末やスマートフォン等の店舗端末、及びPOS(Point Of Sales)レジ等を含み、商品情報、在庫情報及び配送情報等をリアルタイムに管理する。店舗システム5の構成は、店舗の運用に合わせて適宜必要な装置を備えることができる。商品提供装置1は、各店舗の商品情報、在庫情報及び配送情報等を各店舗システム5から随時取得することができる。
【0033】
なお、各店舗システム5で管理されている商品情報、在庫情報及び配送情報等を統括して管理する商品管理システムをさらに設けることとしてもよい。この商品管理システムは、例えば、商品提供装置1及び店舗システム5とネットワークNを介して通信できるように構成してもよいし、この商品管理システムの機能の一部又は全部を、商品提供装置1に組み込むこととしてもよい。
【0034】
ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0035】
[商品提供装置1の物理的な構成]
図2に示すように、商品提供装置1は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ11と、通信部12と、記憶装置13とを備える。
【0036】
プロセッサ11は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット及び各種レジスタから構成される。このプロセッサ11は、記憶装置13に格納されているプログラム131を実行することで、後述する各種機能を実現する制御部として機能する。
【0037】
通信部12は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の装置と通信するハードウェアモジュールである。
【0038】
記憶装置13は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。この記憶装置13は、例えば、プログラム131や、データベース132、そのデータベース132に登録される各種データ等を記憶する記憶部として機能する。
【0039】
プログラム131は、所定の処理を行うためのコンピュータプログラムであり、商品提供装置1のメインプログラムや、そのメインプログラムの動作中に適宜呼び出されて実行される複数のソフトウェアモジュールを有する。ソフトウェアモジュールは、それぞれ特定の処理を実行するためにモジュール化されたサブプログラムであり、例えば、プロシージャ、サブルーチン、メソッド、関数及びデータ構造等を用いて作成される。
【0040】
[商品提供装置1の機能的な構成]
図3を参照して、商品提供装置1のプログラム131を実行することで実現される機能について説明する。商品提供装置1は、機能的な構成として、例えば、仮想空間制御部111と、受付部112と、特定部113と、商品提供部114と、生成部115と、送信部116とを有する。各部について、以下に説明する。
【0041】
仮想空間制御部111は、ユーザが操作するユーザ端末4からの指示に従って、ユーザの分身であるアバターを仮想空間内で動作させる。
【0042】
例えば、仮想空間制御部111は、ポータル空間内に設けられた空間移動用の領域にアバターが移動すると、その空間移動用の領域に対応する所定の仮想空間にアバターを移動させる。所定の仮想空間には、仮想店舗の空間が含まれる。
【0043】
受付部112は、ユーザが操作するユーザ端末4から送信される各種指示を受け付ける。各種指示には、例えば、商品注文指示、店舗指定指示、配送手段選択指示、配送時間指定指示などが含まれる。それぞれの指示について、以下に順に説明する。
【0044】
商品注文指示は、仮想店舗で取り扱う商品の中から、ユーザが購入を所望する商品を注文する際にユーザ端末4から送信される指示である。商品注文指示を受け付ける手法として、例えば、ショッピングカートを用いることができる。この場合、例えば、ショッピングカートに商品が登録されたときや、ショッピングカートに登録された商品の注文が確定されたときに、商品注文指示を送信することにしてもよい。
【0045】
店舗指定指示は、ユーザ端末4に表示される地図上でユーザが実店舗の位置を指定したときにユーザ端末4から送信される指示である。
【0046】
配送手段選択指示は、ユーザが商品の配送手段を選択したときにユーザ端末4から送信される指示である。配送手段として、例えば、ロボット、ドローン、自動車、自動二輪車、自転車、徒歩などを用いることができる。
【0047】
配送時間指定指示は、例えば、ユーザが配送時間を指定したときにユーザ端末4から送信される指示である。配送時間の指定は、分単位であってもよいし、時間単位であってもよいし、日数単位であってもよい。
【0048】
特定部113は、ユーザにより注文される商品の発注先となる実店舗(以下、「発注先店舗」ともいう。)を特定する。発注先店舗を特定する際の手順については、後述する。
【0049】
商品提供部114は、その時点で特定部113により特定されている発注先店舗で取り扱っている商品に関する情報をユーザ端末4のユーザに提供する。商品に関する情報の提供は、例えば、商品の一覧をユーザ端末4に表示させることで行う。商品の一覧を表示させる際に、各商品の在庫状況や入荷予定状況などを表示してもよいし、在庫のある商品のみを表示させてもよい。
【0050】
生成部115は、ユーザの注文に対応する発注情報を生成する。発注情報には、例えば、ユーザを特定するユーザID、発注先店舗を特定する店舗ID、ユーザが注文した商品を特定する商品ID、その商品の単価、その商品を注文した数量、配送先情報、配送料金、及び代金の合計などを含むことができる。
【0051】
送信部116は、生成部115により生成された発注情報を、特定部113により特定された発注先店舗の店舗システム5に送信する。
【0052】
[商品提供装置1で発注先店舗を特定する手順]
商品提供装置1で発注先店舗を特定する手順として、例えば、以下(1)~(5)に記載の手順がある。
【0053】
(1)ユーザの所在地に最も近い店舗を発注先店舗にする手順
【0054】
特定部113が、ユーザ端末4を操作するユーザの所在地を特定し、その特定した所在地に最も近い実店舗を発注先店舗として特定する。特定するユーザの所在地は、例えば、ユーザ情報に登録されている居住地、ユーザの現在位置、又はユーザが地図上で指定した位置などにより特定する。
【0055】
この手順では、商品提供部114が、特定部113により特定された実店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザ端末4のユーザに提供することが好ましい。これにより、ユーザは、最寄りの実店舗で取り扱っている商品の中から注文できるため、注文した商品を迅速かつ確実に受け取ることが可能となる。
【0056】
(2)地図上で指定された実店舗を発注先店舗にする手順
【0057】
(2-1):最初に、受付部112が、ユーザ端末4から送信される店舗指定指示を受け付ける。
【0058】
(2-2):続いて、特定部113が、受付部112により受け付けられた店舗指定指示に対応する実店舗を発注先店舗として特定する。
【0059】
この手順では、商品提供部114が、特定部113により特定された実店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザ端末4のユーザに提供することが好ましい。これにより、ユーザは、地図上で指定した実店舗で取り扱っている商品の中から注文できるため、所望する商品を確実に受け取ることが可能となる。
【0060】
(3)ユーザの所在地から所定範囲にある店舗の在庫状況に基づいて発注先店舗を特定する手順
【0061】
(3-1):最初に、特定部113が、ユーザ端末4を操作するユーザの所在地を特定し、その特定した所在地から所定範囲にある一つ以上の実店舗を、発注先店舗の候補として特定する。ユーザの所在地は、上記(1)と同様にして特定できる。
【0062】
(3-2):続いて、特定部113が、受付部112により受け付けられた商品注文指示に対応する商品の在庫状況に基づいて、発注先店舗の候補を絞り込む。
【0063】
発注先店舗の候補を絞り込んだ結果、候補が全て無くなった場合には、上記(3-1)の所定範囲を拡大しながら、発注先店舗の候補が見つかるまで探索を繰り返してもよい。
【0064】
他方、絞り込みの結果、複数の候補が残った場合には、例えば、上記(1)の所在地に基づく特定処理をさらに実行して複数の候補の中から最も近い店舗に絞り込んでもよいし、上記(2)の店舗指定指示に基づく特定処理をさらに実行して複数の候補の中から地図上で指定された店舗に絞り込んでもよい。
【0065】
この手順では、商品提供部114が、特定部113により候補として特定された一つ以上の実店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザ端末4のユーザに提供することが好ましい。また、注文する商品がショッピングカートに追加されるたびに、特定部113が、その商品の在庫状況に基づいて、発注先店舗の候補を絞り込むことが好ましい。これにより、注文する商品が追加されるたびに、その商品の各店舗での取り扱い状況や在庫状況に基づいて発注先店舗の候補を絞り込むことが可能となり、その結果、注文された全ての商品を発送可能な一つの実店舗に発注することが可能になる。
【0066】
(4)ユーザの所在地から所定範囲にある店舗の配送手段に基づいて発注先店舗を特定する手順
【0067】
(4-1):最初に、特定部113が、ユーザ端末4を操作するユーザの所在地を特定し、その特定した所在地から所定範囲にある一つ以上の実店舗を、発注先店舗の候補として特定する。ユーザの所在地は、上記(1)と同様にして特定できる。
【0068】
(4-2):続いて、特定部113が、受付部112により受け付けられた配送手段選択指示に対応する配送手段に基づいて、発注先店舗の候補を絞り込む。
【0069】
発注先店舗の候補を絞り込んだ結果、候補が全て無くなった場合には、上記(4-1)の所定範囲を拡大しながら、発注先店舗の候補が見つかるまで探索を繰り返してもよい。
【0070】
他方、絞り込みの結果、複数の候補が残った場合には、例えば、上記(1)の所在地に基づく特定処理をさらに実行して複数の候補の中から最も近い店舗に絞り込んでもよいし、上記(2)の店舗指定指示に基づく特定処理をさらに実行して複数の候補の中から地図上で指定された店舗に絞り込んでもよい。
【0071】
この手順では、商品提供部114が、特定部113により候補として特定された一つ以上の実店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザ端末4のユーザに提供することが好ましい。また、注文する商品がショッピングカートに追加されるたびに、特定部113が、その商品を取り扱っている店舗で採用する配送手段に基づいて、発注先店舗の候補を絞り込むことが好ましい。これにより、注文する商品が追加されるたびに、その商品の各店舗での取り扱い状況や配送手段に基づいて発注先店舗の候補を絞り込むことが可能となり、その結果、注文された全ての商品を所望の配送手段で発送可能な一つの実店舗に発注することが可能になる。
【0072】
(5)ユーザに指定された配送時間に基づいて発注先店舗を特定する手順
【0073】
(5-1):最初に、特定部113が、受付部112により受け付けられた配送時間指定指示に対応する配送時間内に配送可能な一つ以上の実店舗を、発注先店舗の候補として特定する。
【0074】
(5-2):続いて、上記(3)の在庫状況に基づく絞り込み処理や、上記(4)の配送手段に基づく絞り込み処理を実行する。
【0075】
この手順では、商品提供部114が、特定部113により候補として特定された一つ以上の実店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザ端末4のユーザに提供することが好ましい。また、注文する商品がショッピングカートに追加されるたびに、特定部113が、その商品の在庫状況や、その商品を取り扱っている店舗で採用する配送手段に基づいて、発注先店舗の候補を絞り込むことが好ましい。これにより、注文する商品が追加されるたびに、その商品の各店舗での取り扱い状況や、在庫状況、配送手段に基づいて発注先店舗の候補を絞り込むことが可能となり、その結果、注文された全ての商品を発送可能な一つの実店舗に発注することが可能になる。
【0076】
[商品提供装置1の動作]
図4を参照し、商品提供装置1において仮想店舗で注文を受けた商品をいずれかの実店舗に発注する際の手順の一例について説明する。
【0077】
最初に、商品提供装置1の特定部113は、仮想店舗でユーザにより注文される商品の発注先となる発注先店舗を、実店舗の中から特定する(ステップS101)。発注先店舗を特定する手順は、上記(1)~(5)に記載のいずれかの手順に従うことが好ましい。
【0078】
続いて、商品提供装置1の商品提供部114は、上記ステップS101で特定された発注先店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供する(ステップS102)。
【0079】
続いて、商品提供装置1の生成部115は、ユーザの注文に対応する発注情報を生成する(ステップS103)。
【0080】
続いて、商品提供装置1の送信部116は、上記ステップS103で生成された発注情報を、上記ステップS101で特定された発注先店舗の店舗システム5に送信する(ステップS104)。
【0081】
上述したように、実施形態に係る商品提供装置1によれば、三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗で注文された商品の発注先を実店舗の中から特定し、その特定した実店舗で取り扱っている商品を仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供し、その実店舗に対して発注情報を送信することができる。
【0082】
それゆえ、実施形態に係る商品提供装置1によれば、実店舗の商品と連携させた商品を仮想店舗で注文させることができる。
【0083】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…商品提供装置、2…メタバース提供装置、3…メタバース提供システム、4…ユーザ端末、5…店舗システム、11…プロセッサ、12…通信部、13…記憶装置、111…仮想空間制御部、112…受付部、113…特定部、114…商品提供部、115…生成部、116…送信部、131…プログラム、132…データベース
【要約】
【課題】実店舗の商品と連携させた商品を仮想店舗で注文させることができる商品提供装置を提供する。
【解決手段】商品提供装置1は、ユーザにより操作されるユーザ端末からの指示に従って動作可能なアバターが移動する三次元の仮想空間に設けられた仮想店舗でユーザにより注文された商品の発注先となる発注先店舗を、実店舗の中から特定する特定部113と、特定部113により特定された発注先店舗で取り扱っている商品を、仮想店舗で注文可能な商品としてユーザに提供する商品提供部114と、ユーザによる注文に対応する発注情報を生成する生成部115と、生成部115により生成された発注情報を、特定部113により特定された発注先店舗に送信する送信部116と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4