(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-27
(45)【発行日】2023-02-06
(54)【発明の名称】ログハウスセトリングの調整構造
(51)【国際特許分類】
E04B 2/70 20060101AFI20230130BHJP
E04B 1/26 20060101ALI20230130BHJP
【FI】
E04B2/70
E04B1/26 A
(21)【出願番号】P 2021148149
(22)【出願日】2021-08-10
【審査請求日】2021-08-10
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】518100926
【氏名又は名称】ウッドリッチ有限会社
(72)【発明者】
【氏名】山口 俊則
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】実公昭53-029364(JP,Y2)
【文献】特開2001-173125(JP,A)
【文献】特開平03-021746(JP,A)
【文献】特開平06-173342(JP,A)
【文献】特公昭54-002978(JP,B2)
【文献】実開昭62-049520(JP,U)
【文献】特開平04-269227(JP,A)
【文献】特開2014-005587(JP,A)
【文献】特開2004-052478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/70
E04B 2/02
E04B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
前記長さ調整機構から伸びる前記壁材貫通の通しボルトが、その同軸の位置で配置されている基礎から伸びたアンカーボルトに、別の長さ調整機構で連結させていることを特徴とする請求項1記載の建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、横積みログハウスと在来工法に近いポスト&ビーム構法の共通の特性を持つピース・エン・ピースと呼ばれるログハウスの横積丸太ログの乾燥することで重ね接面にできる(以降 セトリング)の隙間メンテナンスの調整構造に関するものです。
【背景技術】
【0002】
従来から、柱のない横積ログハウスは、経年の、材料乾燥により収縮することで壁の高さが低くなる特性があり。それをメンテナンスするためにログ積みの下部に複数の横積ログを貫通する通しボルトのゆるみを増し締めする個所を設けるようになっている。
【発明の概要】
【課題】
【0003】
横積ログハウスは一般的に長い材料で作るために高価な建物が多いので、ログハウスの仲間であるポスト&ビーム工法に横積のログをポストと呼ぶ柱と柱の間に壁材として採用するピース・エン・ピースと呼ばれるものを建てるが、ピース・エン・ピース構法の建物は、柱があるため、柱に支えられる梁、桁などの横架材は下がらないので、壁材のセトリングによって発生する隙間は、壁の重量によりログ積みの上部に発生してボルトは下部で増し締め出来たにしても、梁や桁との間に隙間ができてメンテナンスも難易度が高い。
【解決手段】
【0004】
本発案は、横積のログの最下部の土台2をC型鋼や鋼管とすることで、セトリングメンテナンスのためのログ材最下部での操作部の通しボルト長さ調整機構(ナット)4は通しボルト3が土台2の空隙部まで貫通した位置にあることを特徴としたピース・エン・ピース構造建物。
【0005】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1を技術的前提とし、基礎7からの土台固定用アンカーボルト8と連結した、別の長さ調整機構(ねじ式小型ジャッキ)12が、土台空隙部の任意な位置で前記ログ用通しボルトとも連結していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、以上説明したように構成したので、木材乾燥によるログ積みの隙間は、基礎内内面から通常の居住性に支障なく、床下からの、簡単なねじ締め工具でメンテナンスのためにナットを増し締めできる。
【0007】
そして請求項2の発明によれば、ピース・エン・ピースは、ポストと呼ぶほぼ収縮しない柱11が主要構造材なので、その上に係合している梁や桁も木材乾燥によっても下がらないので、ログ積みの通しボルトが梁や桁の上部に貫通して締められていない場合で、ログ積み壁だけを一体に連結してある場合でも、セトリングによるメンテナンスのナットは締めることで、ログ積み上部に隙間が発生するが、通しボルトが、アンカーボルトとねじ式小型ジャッキと連結させているので、壁上部の隙間を無くすためにログ積みを上方に持ち上げることで下部に隙間を形成させるので、居住しながらのメンテナンスでも高所作業による隙間調整のわずらわしさが省略でき隙間風の影響が少ない。
【0008】
また請求項2のねじ式小型ジャッキを連結させる構造は、耐震性のために基礎から土台柱梁や桁の横架材をボルト等の組み合わせで1体に緊結させなくてはならない基準が国内であるが、必要な個所で通しボルトを梁や桁までをまとめて緊結させることで、後にジャッキを縮めることによりその緊結力を調整する機能が備わる。
【0009】
また請求項2に記載のねじ式小型ジャッキは、単独でログ積みの下部を上方に押し上げることにも利用可能となり上方隙間をなくす補助的機能を持たせることができる。
【0010】
また、ログ積みの通しボルトは、ログ材を任意の力で圧接積で連結することで、地震等で壁がせん断力を受けた際、ログ圧接部の摩擦によって制震ダンパー的な機能が生じるので、結果的に建物が揺れにくいという効果がある。その力を後でも調整できる便利さがある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】は、この発明の一実施例としての、斜視図である。
【
図2】は、この発明の鋼材上端部の穴と長さ調整機構(ナット)図である
【
図3】は、アンカーボルトと通しボルトを連結する別の長さ調整機構(ねじ式小型ジャッキ)の例の図である
【符号の説明】
【0012】
1 横積用ログ
2 鋼製土台の例
2-1 土台の上面貫通穴
2-2 土台の側面操作用穴
2-3 土台空間部
2-4 土台の下面貫通穴
3 通しボルト
4 長さ調整機構(ナット)
4-1 ログ押圧座金部
4-2 ガイド部
5 貫通通し穴
6 木栓の例
7 基礎
8 アンカーボルトまたはホールダウン用ボルト
9 土台固定用アンカーナット
10 基礎パッキン使用の例
11 柱 (通称 ポスト)
12 別の長さ調整機構(ねじ式小型ジャッキ)の例
13 外部左おねじで内部右めねじ長ナット
14 内部は小さい方が右めねじで、大きい方が左めねじのナット
15 周り止めナット
16 通称 長ナット
【要約】 (修正有)
【課題】横積みログハウスの横積丸太ログの重ね接面にできる隙間メンテナンスの調整構造を提供する。
【解決手段】本発案は、横積のログ1の最下部の土台2を鋼製のC型鋼や鋼管とすることで、セトリング(木材乾燥でできた隙間)メンテナンスのための壁材貫通した通しボルト3を長さ調整するために、長さ調整機構(ナット)4を、通しボルト3が土台2の空間部2-3まで貫通した位置に配置したことを特徴としたピース・エン・ピース構造建物の土台で、そして、セトリングのメンテ時のログ横積み下部を押圧する長さ調整機構4は、鋼製土台の上部の穴2-1に貫通した位置にあることを特徴とし、さらに基礎7からの土台固定用アンカーボルト8と連結させるための別の長さ調整機構(小型ねじ式ジャッキ)12が配置される場所では、土台空間部でさらに壁材貫通通しボルト3とも連結していることを特徴とする建物。
【選択図】
図1