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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-27
(45)【発行日】2023-02-06
(54)【発明の名称】管接続構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/133 20060101AFI20230130BHJP
   F16L 23/04 20060101ALI20230130BHJP
【FI】
F16L37/133
F16L23/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018243159
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020106055
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】508321823
【氏名又は名称】株式会社イノアック住環境
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】寺嶋 章人
(72)【発明者】
【氏名】進 一寛
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-002348(JP,A)
【文献】特開昭62-063293(JP,A)
【文献】特開2005-188682(JP,A)
【文献】特開2015-214996(JP,A)
【文献】特開2013-096428(JP,A)
【文献】特開平10-246387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/133
F16L 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌雄結合された樹脂管と金属管とにクイックファスナーが装着され、前記樹脂管に周設された樹脂フランジと前記金属管に周設された金属フランジとが重ね合わされた状態で前記クイックファスナーの挟持孔に挟まれることで、前記樹脂管と前記金属管とが接続される管接続構造において、
閉環状に形成されて、前記樹脂管に外嵌される金属リングを備え、
前記金属リングは、前記金属フランジと反対側から前記樹脂フランジに重ねられ、前記樹脂フランジと前記金属フランジと共に前記挟持孔に挿通されるリング本体と、
前記リング本体の外縁から金属管側に立設されて、前記樹脂フランジと前記金属フランジとを外側から包囲する包囲筒部と、を有する、管接続構造。
【請求項2】
前記樹脂管と前記金属管とは、前記樹脂管において前記樹脂フランジよりも前記金属管側に突出した雄筒部が前記金属管に内挿されることにより雌雄結合するように構成され、
前記雄筒部には、その外周面と前記樹脂フランジとを繋ぐ複数のリブが前記雄筒部の中心部に対して放射状に設けられ、
前記金属管の内周面には、前記樹脂管側を拡径して前記複数のリブを収容するリブ収容部が形成されている、請求項1に記載の管接続構造。
【請求項3】
前記包囲筒部の内周面には、前記樹脂フランジの外周面に食い込んで係止する係止爪が突設されている、請求項1又は2に記載の管接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、樹脂管と金属管とを接続する管接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の管接続構造として、樹脂管と金属管のそれぞれに周設されたフランジ同士が重ね合わされた状態でクイックファスナーの挟持孔に挿入されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-214996号公報(段落[0020]、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の管接続構造では、例えば施工時に金属管が引っ張られたり、使用時に水圧が掛かる等、金属管を樹脂管から離すような負荷がかかると、クイックファスナーの挟持孔の周辺部分に応力が集中し、金属フランジよりも強度が低い樹脂フランジが変形・損傷することがあった。このため、樹脂フランジの変形・損傷の抑制が可能な管接続構造の開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る管接続構造は、雌雄結合された樹脂管と金属管とにクイックファスナーが装着され、前記樹脂管に周設された樹脂フランジと前記金属管に周設された金属フランジとが重ね合わされた状態で前記クイックファスナーの挟持孔に挟まれることで、前記樹脂管と前記金属管とが接続される管接続構造において、閉環状に形成されて、前記樹脂管に外嵌される金属リングを備え、前記金属リングは、前記金属フランジと反対側から前記樹脂フランジに重ねられ、前記樹脂フランジと前記金属フランジと共に前記挟持孔に挿通されるリング本体と、前記リング本体の外縁から金属管側に立設されて、前記樹脂フランジと前記金属フランジとを外側から包囲する包囲筒部と、を有する、管接続構造である。
【0006】
請求項2に係る管接続構造は、前記樹脂管と前記金属管とは、前記樹脂管において前記樹脂フランジよりも前記金属管側に突出した雄筒部が前記金属管に内挿されることにより雌雄結合するように構成され、前記雄筒部には、その外周面と前記樹脂フランジとを繋ぐ複数のリブが前記雄筒部の中心部に対して放射状に設けられ、前記金属管の内周面には、前記樹脂管側を拡径して前記複数のリブを収容するリブ収容部が形成されている、請求項1に記載の管接続構造である。
【0007】
請求項3に係る管接続構造は、前記包囲筒部の内周面には、前記樹脂フランジの外周面に食い込んで係止する係止爪が突設されている、請求項1又は2に記載の管接続構造である。
【発明の効果】
【0008】
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、樹脂管に外側から嵌合(以下、単に外嵌と言う)されている金属リングは、金属フランジと反対側から樹脂フランジに重ねられ、金属フランジ及び樹脂フランジと共にクイックファスナーの挟持孔に挿通されるリング本体を有している。これにより、金属管と樹脂管とが離れるような負荷が掛かったときに、クイックファスナーの挟持孔の接触部分周辺にかかる負荷を金属リングで受けることができ、樹脂フランジの変形・損傷を抑制することができる。また、金属リングが閉環状に形成されているので、Cリングのような切れ目を有する形状に形成される場合と比べて金属リングにおける剛性の低下を抑制することができる。さらに、金属リングは、樹脂フランジを外側から包囲する包囲筒部を有しているので、樹脂フランジに外側から掛かる負荷を金属リングで受けることができる。また、包囲筒部は、樹脂フランジだけでなく金属フランジまで覆う構成になっているので、樹脂フランジのみを覆う場合よりも、軸方向に長くすることができ、包囲筒部の強度アップを図ることができる。
【0009】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、雄筒部の中心部に対して放射状に形成された複数のリブによって、樹脂フランジを補強することができる。また、金属管にはリブ収容部が形成されているので、複数のリブとの干渉を防ぐことができる。
【0010】
[請求項3の発明]
請求項3の発明では、金属リングに設けられた係止爪が樹脂フランジの外周面に食い込んで係止する構成となっているので、樹脂フランジに金属リングを仮固定した状態で、樹脂管と金属管との接続作業をすることができ、作業性の向上が図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る管接続構造を用いた熱交換システムの概略図
図2】管接続構造を用いた熱交換システムの拡大概略図
図3】管接続構造の斜視図
図4】管接続構造の断面図
図5】(A)樹脂管の側面図(B)金属管の断面図
図6】(A)金属リングの斜視図(B)外装された金属リングと両フランジの状態を示す拡大断面図
図7】ヘッダーの製造方法を示す説明図
図8】ヘッダーの製造方法を示す説明図
図9】管接続構造による樹脂管と金属管の接続工程を示す説明図
図10】変形例に係る管接続構造の断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び図2に示されるように、本実施形態の管接続構造10は、地中熱を空調等に利用する地中熱交換システム100に使用される。地中熱交換システム100は、熱交換装置90と建物Bの地中Tに埋設されて熱媒を流通させる複数の熱交換用パイプ70とを有している。
【0013】
熱交換装置90には、複数の熱交換用パイプ70の一端と連通して熱媒を流出するための流出用パイプ85と、複数の熱交換用パイプ70の他端と連通して熱媒を流入する流入用パイプ86が接続されている。流出用パイプ85及び流入用パイプ86と、複数の熱交換用パイプ70はヘッダー80を介して接続されている。ヘッダー80は全体が樹脂材料から構成され、樹脂製の主管81と、主管81から分岐する複数の樹脂管20とを有し、各樹脂管20に熱交換用パイプ70と螺合する雄ねじ35を備えた金属管30が接続されている。この樹脂管20と、金属管30の接続構造が本実施形態の管接続構造10である。なお、複数の樹脂管20は熱溶着により主管81に接続されている。
【0014】
図3及び図4に示されるように、樹脂管20と金属管30とは、それぞれに周設された円環状の樹脂フランジ21と金属フランジ31とが重ね合わされた状態で、クイックファスナー50に形成された挟持孔51に挟まれることで固定されている。クイックファスナー50は、バネ性を有する金属の帯板材52を略C環状に折り曲げてなり、帯板材52の端部同士の間の隙間53を開いて樹脂管20及び金属管30に装着可能となっている。
【0015】
図4に示されるように、樹脂管20は円筒状をなし、金属管30に内挿される雄筒部25と主管81に熱融着される基端筒部27とを有し、雄筒部25と基端筒部27との間に樹脂フランジ21が形成されている。雄筒部25は、樹脂フランジ21よりも上方に延びる基端筒部27よりも外径が小さく形成され、雄筒部25が金属管30に内挿されて、樹脂管20と金属管30とが雌雄結合する構成になっている。
【0016】
また、図5(A)に示されるように、雄筒部25には、その外周面25Mと樹脂フランジ21を繋ぐ複数のリブ26が設けられている。複数のリブ26は、全て同じ形状で形成され、雄筒部25の中心部に対して放射状に等間隔に配置されている。本実施形態では、リブ26は12本設けられ、隣接するリブ26同士のなす角度が30度になっている。また、リブ26は、逆L字状に形成され、径方向に延び樹脂フランジ21を支えるフランジ補強部26Aと、フランジ補強部26Aのうち雄筒部25側の端部から雄筒部25に沿って軸方向に延び、樹脂フランジ21に負荷がかかった時に応力が大きくなりやすい樹脂フランジ21の付け根部分をさらに補強する支持部26Bとを有している。
【0017】
図5(B)に示されるように、金属管30は円筒状をなし、樹脂管20と雌雄結合する側の端部に外側に張り出す円環状の金属フランジ31が形成されている。また、金属管30のうち樹脂管20と雌雄結合する側と反対側の端部の外側面には、上述した雄ねじ35が設けられている。また、金属管30の内周面には環状溝37Aが形成され、環状溝37Aにはめ込まれたOリング37が挿通された樹脂管20の雄筒部25に密着して、樹脂管20と金属管30との密閉性アップを図っている。
【0018】
また、金属管30には、樹脂管20側の内径を拡径して複数のリブ26が収容できるリブ収容部36が形成されている。リブ収容部36は、リブ26に沿った形状で拡径する構成になっている。また、リブ収容部36は、リブ26との間に略一定のクリアランスを有する大きさに形成され、リブ26とリブ収容部36とが当接しないようになっている。
【0019】
ここで、図6(A)及び図6(B)に示されるように、樹脂管20には閉環状の金属リング40が外嵌されている。金属リング40は、断面が逆L字状をなし、樹脂フランジ21に対して金属フランジ31と反対側から重なるリング本体41と、リング本体41の外縁部から立設された包囲筒部42とを備えている。リング本体41は、樹脂フランジ21及び金属フランジ31と共にクイックファスナー50の挟持孔51に挿通される。また、包囲筒部42は、樹脂フランジ21と金属フランジ31を外側から包囲する。また、包囲筒部42の下面42Kは金属フランジ31の下面31Kと略面一に配置される。
【0020】
また、金属リング40には、包囲筒部42の内周面42Mから内側に突出する係止爪43が形成されている。係止爪43は、包囲筒部42のうちリング本体41寄り位置の内周面42Mから環状に張り出し、その断面はリング本体41側に向かうに従って張り出し量が大きくなる三角状に形成されている。そして、この係止爪43が樹脂フランジ21の外側面に食い込んで係止する構成になっている。
【0021】
次に、本実施形態のヘッダー80の樹脂管20と金属管30との接続工程について説明する。ここで、管接続構造10は、金属リング40が外嵌された樹脂管20を有するヘッダー80が用いられているので、まず、ヘッダー80の製造方法について説明する。
【0022】
図7(A)に示されるように、主管81に接続される前の樹脂管20と、金属リング40が準備される。なお、樹脂管20は、射出成形により成形される。
【0023】
次いで、図7(B)樹脂管20の基端筒部27側から金属リング40が挿通される。図7(C)に示されるように、金属リング40は、リング本体41の下面41Kが樹脂フランジ21の上面21Jに当接するようにしっかりと挿通される。このとき、金属リング40の包囲筒部42から突出した係止爪43が樹脂フランジ21に食い込む。これにより、金属リング40が樹脂フランジ21に仮固定される。なお、係止爪43は断面形状がリング本体41側に向かうに従って張り出し量が多くなる三角形状をなしているので、挿通するときには係止爪43の傾斜面によって深く嵌め込まれるようにガイドする一方、樹脂フランジ21から外そうとすると係止爪43の上面43Jが樹脂フランジ21に係止して抜けにくくなっている。
【0024】
次いで、図8(A)に示されるように、金属リング40が装着された複数の樹脂管20と、各樹脂管20が挿通される複数の開口82を有する主管81が準備される。
【0025】
次いで、図8(B)に示されるように、樹脂管20の基端筒部27の一部が主管81の開口82に挿通されて、その挿通部分が熱溶着される。以上により、金属リング40が外嵌された樹脂管20を有するヘッダー80が形成される。
【0026】
次に、金属リング40が外嵌された樹脂管20を有するヘッダー80と金属管30との接続方法について説明する。
【0027】
まず、ヘッダー80と金属管30が準備される。そして、図9(A)に示されるように、金属管30の金属フランジ31と樹脂フランジ21とを対向させた状態で、樹脂管20の雄筒部25を金属管30に挿入し、樹脂管20と金属管30とを雌雄結合させる。このとき、図9(B)に示されるように、樹脂フランジ21の下面21Kと金属フランジ31の上面31Jとが突き当たるまでしっかりと挿入する。金属管30には、樹脂管20に形成されているリブ26を収容するリブ収容部36が形成されているので、リブ26と金属管30との干渉を抑制することができる。また、リブ収容部36は、リブ26よりも大きく形成されているので、樹脂フランジ21と金属フランジ31とが当接する前に、リブ26と、リブ収容部36とが干渉し、しっかりと挿通できなくなることを抑制することができる。また、金属管30が正しく結合されると、包囲筒部42で樹脂フランジ21及び金属フランジ31の外周面を側方から覆うとともに、包囲筒部42の下面42Kが金属フランジ31の下面31Kと略面一に配置される。
【0028】
次いで、図9(C)に示されるように、樹脂管20と金属管30にクイックファスナー50を装着して樹脂管20と金属管30とを接続する。具体的には、クイックファスナー50の隙間53を金属リング40に側方から宛がい、クイックファスナー50を金属リング40の中心側に向けてクイックファスナー50の隙間53が広がるように弾性変形させながら押し込む。これにより、樹脂フランジ21及び金属フランジ31と、樹脂フランジ21及び金属フランジ31を覆う金属リング40とがクイックファスナー50に設けられた挟持孔51に挿通された状態で、クイックファスナー50が、樹脂管20及び金属管30に装着される。以上により、樹脂管20と金属管30との接続作業が完了する。
【0029】
このように、本実施形態の管接続構造10は、樹脂管20に外嵌された金属リング40が、金属フランジ31と反対側から樹脂フランジ21に重ねられ、金属フランジ31及び樹脂フランジ21と共にクイックファスナー50の挟持孔51に挿通されるリング本体41を有している。これにより、施工時や使用時に掛かる水圧などに金属管30が引っ張られ、樹脂管20から離れるような負荷が掛かったときに、クイックファスナー50の挟持孔51の接触部分周辺にかかる負荷を金属リング40のリング本体41で受けることができ、樹脂フランジ21の変形・損傷を抑制することができる。
【0030】
特に、本実施形態のように、地中熱交換システム100における熱交換用パイプ70は、パイプの長さが数十メートルから数百メートルに及ぶため、施工時やメンテナンス等で大きな負荷がかかりやすく、金属リング40を有する管接続構造10の利用が特に有効である。
【0031】
また、金属リング40は閉環状に形成されているので、Cリングのような切れ目を有する形状に形成された場合と比べて、金属リング40における剛性の低下を抑制することができる。さらに、金属リング40の包囲筒部42は、樹脂フランジ21を外側から包囲するので、樹脂フランジ21に外側から掛かる負荷も金属リング40で受けることができる。また、包囲筒部42は、樹脂フランジ21だけでなく金属フランジ31まで覆う構成になっているので、樹脂フランジ21のみを覆う包囲筒部よりも、軸方向の長さを長くすることができ、包囲筒部42の軸方向における強度アップを図ることができる。また、樹脂フランジ21と金属フランジ31との連絡部分を外側から覆う構成となっているので、樹脂フランジ21と金属フランジ31との間にゴミや粉塵等が侵入することを抑制できる。
【0032】
さらに、樹脂管20は、雄筒部25の中心部に対して放射状に形成された複数のリブ26を有する構成になっているので、樹脂フランジ21を補強することができる。また、金属管30にはリブ収容部36が形成されているので、リブ26との干渉を防ぐことができる。
【0033】
また、金属リング40には、包囲筒部42の内周面42Mから突出する係止爪43を有し、この係止爪43が樹脂フランジ21に食い込んで係止する構成となっているので、樹脂フランジ21に金属リング40を仮固定した状態で、樹脂管20と金属管30との接続作業をすることができ、作業性の向上が図ることができる。
【0034】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態の熱交換用パイプ70の埋設方法として地下に略垂直に埋設するボアホール方式を開示したが、熱交換用パイプ70の埋設方法は、熱交換用パイプ70をスパイラルさせながら略垂直に地中Tに埋設する浅層埋設方式や、浅層の地中Tに熱交換用パイプ70をループさせながら水平に埋設する水平埋設方式など、敷地に合わせて適宜最適な埋設方法を選択することができる。
【0035】
(2)上記実施形態では、金属リング40は、係止爪43を有する構成であったが、係止爪43を有さない構成であってもよい。また、上記実施形態の係止爪43は、包囲筒部42の内周面42Mから環状に張り出す構成であったが、包囲筒部42の内周面42Mから包囲筒部42の中心に向かって複数の突片が張り出す構成であってもよい。
【0036】
(3)上記実施形態では、リブ26は、樹脂フランジ21の径方向に延びるフランジ補強部26Aと、雄筒部25に沿って軸方向に延びる支持部26Bとを有する構成であったが、支持部26Bを有さない構成であってもよいし、リブ26は雄筒部25側に向かうに従って窄まる三角形状であってもよい。また、リブ収容部36は適宜リブ26に合わせた形状に拡径する構成であればよい。
【0037】
(4)上記実施形態では、リブ26は、略均一な幅で形成されていたが、樹脂フランジ21側に向かうに従って幅広となるように形成されていてもよい。また、リブ26の径方向の少なくとも一方にリブ26を補強する補強部を形成してもよい。
【0038】
(5)上記実施形態では、リブ収容部36はリブ26に沿って拡径するように形成されていたが、リブ26が収容可能な形状であれば、例えば段付き状に拡径する構成であってもよい。
【0039】
(6)上記実施形態では、樹脂フランジ21の下面に金属フランジ31の上面が面当接する構成であったが、図10に示される管接続構造10Zでは、樹脂フランジ21の下面に金属管30Zの金属フランジ31Zが線当接する構成になっている。これにより、上記実施形態の金属管30と金属管30Zの外径が同じ場合であっても、リブ収容部36Zを上記実施形態に比べて、大きくすることができる。
【0040】
(7)上記実施形態では、複数のリブ26は、全てが同じ形状で形成され、雄筒部25の周方向で等間隔に配置されていたが、複数のリブ26は、その一部が異なる形状で形成されていたり、雄筒部25の周方向で不等間隔に配置されてもよい。
【0041】
(8)上記実施形態の管接続構造10は、主管81から複数の樹脂管20を分岐させ、分岐させた各樹脂管20と金属管30との接続構造として用いられていたが、単独の樹脂管20と金属管30との接続構造として用いてもよい。なお、管接続構造10は、地中熱交換システム100の配管の接続構造に限定されるものではなく、例えば、給水・給湯システム等の配管の接続構造として用いてもよい。
【0042】
(9)上記実施形態では、金属リング40における包囲筒部42の下面42Kが金属フランジ31の下面31Kと略面一に配置される構成であったが、包囲筒部42の下面42Kが金属フランジ31の下面31Kよりも樹脂フランジ21側に配置される構成であってもよい。その際、包囲筒部42の下面42Kが、樹脂フランジ21よりも金属フランジ31側に配置される構成であれば、樹脂フランジ21を金属リング40で保護することができる。また、包囲筒部42の一部に貫通穴や切欠等が設けられていてもよい。なお、貫通部及び切欠部は、樹脂フランジ21とかからない位置に形成されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0043】
10,10Z 管接続構造
20 樹脂管
21 樹脂フランジ
25 雄筒部
26 リブ
30,30Z 金属管
31,31Z 金属フランジ
35 雄ねじ
36,36Z リブ収容部
40 金属リング
41 リング本体
42 包囲筒部
43 係止爪
43J 上面
50 クイックファスナー
51 挟持孔
70 熱交換用パイプ
80 ヘッダー
81 開口
90 熱交換装置
100 地中熱交換システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10