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特許72181812つの遠心圧縮機を含む圧縮列および2つの遠心圧縮機を含むLNGプラント
<図1>
  • 特許-2つの遠心圧縮機を含む圧縮列および2つの遠心圧縮機を含むLNGプラント 図1
  • 特許-2つの遠心圧縮機を含む圧縮列および2つの遠心圧縮機を含むLNGプラント 図2
  • 特許-2つの遠心圧縮機を含む圧縮列および2つの遠心圧縮機を含むLNGプラント 図3
  • 特許-2つの遠心圧縮機を含む圧縮列および2つの遠心圧縮機を含むLNGプラント 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-27
(45)【発行日】2023-02-06
(54)【発明の名称】2つの遠心圧縮機を含む圧縮列および2つの遠心圧縮機を含むLNGプラント
(51)【国際特許分類】
   F04D 17/12 20060101AFI20230130BHJP
【FI】
F04D17/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018563712
(86)(22)【出願日】2017-06-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2017063790
(87)【国際公開番号】W WO2017211871
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】102016000058269
(32)【優先日】2016-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペラゴッティ,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】リッツォ,エマニュエレ
(72)【発明者】
【氏名】ベケルッチ,ダビデ
【審査官】田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-503252(JP,A)
【文献】特表2015-518941(JP,A)
【文献】国際公開第2015/091436(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/015224(WO,A2)
【文献】特開平09-119394(JP,A)
【文献】特開2001-234885(JP,A)
【文献】特開2015-059493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(210)と、前記エンジン(210)によって駆動される第1の遠心圧縮機(220)と、前記エンジン(210)によって駆動される第2の遠心圧縮機(230)とを備えており、
前記第1の遠心圧縮機(220)は、1つのケースの内部に前記第1の遠心圧縮機(220)の全てのインペラを収容するように構成され、
前記第2の遠心圧縮機(230)は、1つのケースの内部に前記第2の遠心圧縮機(230)の全てのインペラを収容するように構成され、
前記第1の遠心圧縮機(220)は、40よりも大きい高分子量のガスの配管に連通した第1の入口を有し、
前記第2の遠心圧縮機(230)は、20~30の間の低分子量のガスの配管に連通した第2の入口を有し、
前記第2の遠心圧縮機(230)は、10:1よりも高い圧縮比をもたらすように構成された、第1組のインペラ(311、312)および第2組のインペラ(321、322、323)を備え、
前記第1組のインペラ(311、312)は、遠心式であり、シュラウドを有さず、
前記第2組のインペラ(321、322、323)は、遠心式であり、シュラウドを有し、
前記シュラウドを有するインペラと前記シュラウドを有さないインペラが交互に配置され、
前記第1組のインペラ(311、312)と前記第2組のインペラ(321、322、323)の全てのインペラが積み重ねられて一体的に固定されている圧縮列。
【請求項2】
前記高分子量のガスは、プロパンであり、
前記低分子量のガスは、混合冷媒ガスである、請求項に記載の圧縮列。
【請求項3】
前記エンジン(210)は、電気モータ、蒸気タービン、またはガスタービンである、請求項1または2に記載の圧縮列。
【請求項4】
前記エンジン(210)は、5000~9000RPMの最大回転速度を有する高速エンジンである、請求項に記載の圧縮列。
【請求項5】
前記第2の遠心圧縮機(230)は、2:1より高い伝達比を有するギアボックス(250)を介して前記第1の遠心圧縮機(220)に機械的に接続される、請求項1または2に記載の圧縮列。
【請求項6】
前記エンジン(210)は、電気モータ、蒸気タービン、またはガスタービンである、請求項に記載の圧縮列。
【請求項7】
前記エンジン(210)は、1500RPMの速度で回転する電気エンジン又は3000又は3600RPMで回転するガスタービンである低速エンジンである、請求項または6に記載の圧縮列。
【請求項8】
前記第2の遠心圧縮機(230)に直接的に接続される補助エンジン(240)をさらに備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧縮列。
【請求項9】
前記低分子量のガスは、プロパンと、エチレンまたはエタンと、メタンとの混合物である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧縮列。
【請求項10】
前記エンジン(210)は、航空転用ガスタービンである、請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧縮列。
【請求項11】
前記第1組のインペラ(311、312)と前記第2組のインペラ(321、322、323)の全てのインペラが積み重ねられて、継手(340A、340B、340C、340D)によって結合し、タイロッド(330)によって一体的に固定されている、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の圧縮列。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の圧縮列(200)を備えるLNGプラント(100)。
【請求項13】
2つの前記圧縮列(200、300)を備える請求項12に記載のLNGプラント(100)。
【請求項14】
前記第1の遠心圧縮機(220、320)と、前記第2の遠心圧縮機(230、330)とは、天然ガスの流れを液化させるべく協働する、請求項12または13に記載のLNGプラント(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は、2つの遠心圧縮機を含む圧縮列、および2つの遠心圧縮機を含むLNG(=液化天然ガス)プラントに対応する。
【背景技術】
【0002】
図1は、先行技術によるLNGプラント100、特にAPCIプロセス、すなわち1つの純冷媒を使用する第1のサイクルおよび1つの混合冷媒を使用する第2のサイクルによる周知の液化技術を実施するプラントの概略図を示している。
【0003】
プラント100は、第1の共通シャフトを有する遠心圧縮機130および遠心圧縮機160による第1の圧縮列と、第2の共通シャフトを有する遠心圧縮機140および遠心圧縮機150による第2の圧縮列とで構成される。圧縮機130は、プロパンを圧縮するために使用され、圧縮機130の入口131が、プロパンの配管に連通し、圧縮機130の出口132が、圧縮されたプロパンをもたらす。圧縮機140、150、および160は、混合冷媒ガスを圧縮するために使用され、圧縮機140の入口141が、混合冷媒の配管に連通し、圧縮機140の出口142が、圧縮機150の入口151に連通し、圧縮機150の出口152が、圧縮機160の入口161に連通し、圧縮機160の出口162が、圧縮された混合冷媒をもたらす。
【0004】
第1の圧縮列は、第1のエンジン110によって駆動され、第2の圧縮列は、第2のエンジン120によって駆動される。第1のエンジン110および第2のエンジン120は、低速エンジンであり、例えば1500RPMの速度で回転する電気エンジンや、例えば3000または3600RPMの速度で回転するガスタービンなどであってよい。
【0005】
圧縮機130、140、150、および160の各々は、別個のケースの内部に収容される。
【0006】
プロパンのための第1の圧縮設備と、いわゆる「混合冷媒」(すなわち、異なる分子量を有する炭化水素の混合物)のための第2の圧縮設備とが存在するLNGプラントが、国際公開第2008/015224号パンフレットから知られている。図2の典型的なプロセスによれば、混合冷媒は、18.5の圧縮を被る。国際公開第2008/015224号パンフレットの優先日において、混合冷媒の圧縮は、典型的には3つの別個のケースの内部の3つの圧縮機によって実行されており、これは、「The 4.5 MMTBA LNG Train-A Cost Effective Design」という題名のPerezによる論文(国際公開第2008/015224号パンフレットによって引用されている)の図2および図3に示されている技術的解決策を反映する国際公開第2008/015224号パンフレットの技術的解決策にも当てはまり、したがって、国際公開第2008/015224号パンフレットの図1および図2におけるブロック122が、3つのケース内の3つの圧縮機に対応することに、注意すべきである。さらに、国際公開第2008/015224号パンフレットによれば、第1の圧縮設備および第2の圧縮設備は、同じ速度で回転(すなわち、ギアボックスが設けられていない)する一方で、これらの圧縮設備の出力比は、自由に選択可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2013/182492号
【発明の概要】
【0008】
先行技術の技術的解決策と比べて圧縮機ケースの数を減らしたLNGプラントを提供することが望ましいと考えられ、これは、設置面積の観点からも有利である。
【0009】
一般に、LNGプラントの効率、利用可能性、およびモジュール性を高め、LNGプラントのCAPEXを低減することが有利である。
【0010】
上述の目的および利点は、特にAPCIプロセスを実施するLNGプラントに当てはまる。
【0011】
本明細書において開示される主題の第1の実施形態は、圧縮列に関する。
【0012】
このような第1の実施形態によれば、圧縮列は、エンジンと、エンジンによって駆動される第1の遠心圧縮機と、エンジンによって駆動される第2の遠心圧縮機とを備え、第1の遠心圧縮機は、1つのケースの内部に収容され、第2の遠心圧縮機は、1つのケースの内部に収容され、第1の遠心圧縮機は、特に40よりも大きい高分子量のガスの配管に連通した第1の入口を有し、第2の遠心圧縮機は、特に20~30の間の低分子量のガスの配管に連通した第2の入口を有し、第2の遠心圧縮機は、10:1よりも高く、好ましくは15:1よりも高い圧縮比をもたらすように構成される。
【0013】
本明細書において開示される主題の第2の実施形態は、LNGプラントに関する。
【0014】
このような第2の実施形態によれば、LNGプラントは、圧縮列を備え、圧縮列は、エンジンと、エンジンによって駆動される第1の遠心圧縮機と、エンジンによって駆動される第2の遠心圧縮機とを備え、第1の遠心圧縮機は1つのケースの内部に収容され、第2の遠心圧縮機は1つのケースの内部に収容され、第1の遠心圧縮機は、高分子量ガスのライン、特に40より高いラインに流体的に接続された第1の入口と、第2の遠心圧縮機は、低分子量ガスのライン、特に20と30との間に流体的に接続された第2の入口と、第2の遠心圧縮機は、10:1より高い、好ましくは15:1より高い圧縮比を提供するように構成される。
【0015】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一体の一部分を構成する添付の図面は、本発明の典型的な実施形態を示し、詳細な説明と併せて、これらの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】先行技術によるLNGプラントの概略図を示している。
図2】圧縮列の実施形態の概略図を示している。
図3図2の圧縮列の構成要素であってよい圧縮機の実施形態の概略図を示している。
図4】LNGプラントの実施形態の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の典型的な実施形態の説明は、添付の図面を参照する。
【0018】
以下の説明は、本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0019】
本明細書の全体を通して、「或る実施形態」または「一実施形態」への言及は、一実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本開示の主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体のさまざまな場所における「或る実施形態において」または「一実施形態において」という表現の出現は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性を、1つ以上の実施形態において、任意の適切なやり方で組み合わせることが可能である。
【0020】
以下で(その数学的な意味に従って)、用語「組」は、1つ以上のアイテムからなる群を意味する。
【0021】
図2の圧縮列200は、エンジン210と、エンジン210によって駆動される第1の遠心(すなわち、遠心流)圧縮機220と、エンジン210によって駆動される第2の遠心(すなわち、遠心流)圧縮機230とを備える。第1の遠心圧縮機220は、1つのケースの内部に収容されており、第2の遠心圧縮機230は、1つのケースの内部に収容されている。第1の遠心圧縮機220は、特に40よりも大きい高分子量のガスの配管に連通した第1の入口を有し、第2の遠心圧縮機230は、特に20~30の間の低分子量のガスの配管に連通した第2の入口を有する。したがって、圧縮機220によって処理された後に第1の出口222にもたらされるガスは、圧縮機230によって処理された後に第2の出口232にもたらされるガスと、異なる。
【0022】
第2の遠心圧縮機230は、高圧縮比の圧縮機であり、特に10:1よりも高く、好ましくは15:1よりも高い圧縮比をもたらすように構成される。
【0023】
図2に示した圧縮列と同一または同様の列は、APCIプロセスを実施するために圧縮されたプロパンおよび圧縮された混合冷媒の両方をもたらすように構成される場合に、特に好都合である。この場合、
上述の高分子量のガスは、プロパンであり、
上述の低分子量のガスは、混合冷媒ガスであり、特にプロパンと、エチレンまたはエタンと、メタンとの混合物である。
【0024】
図2の列は、遠心圧縮機を2つだけしか備えていない。
【0025】
図2は、2組の実施形態を示している。第1組によれば、シャフトが1つ存在し、第2の圧縮機230が第1の圧縮機220に直接機械的に接続される。第2組によれば、2つのシャフトが存在し、第2の圧縮機230がギアボックス250を介して第1の圧縮機220に間接的に機械的に接続される。図2において、ギアボックスは、随意であるため破線で描かれている。
【0026】
以下は、第1組の実施形態に当てはまる。
【0027】
圧縮列は、ただ1つのシャフトを有する。
【0028】
エンジン210は、電気モータあるいは蒸気タービンまたはガスタービンであってよく、特に航空転用ガスタービンであってよい。
【0029】
エンジン210は、好ましくは5000~9000RPMの範囲内の最大回転速度、より好ましくは6000~9000RPMの範囲内の最大回転速度を有する高速エンジンである。
【0030】
以下は、第2組の実施形態に当てはまる。
【0031】
圧縮列は、2つのシャフトを有する。
【0032】
第2の遠心圧縮機230は、好ましくは2:1より高い伝達比を有するギアボックス250を介して第1の遠心圧縮機220に機械的に接続される。
【0033】
エンジン210は、電気モータあるいは蒸気タービンまたはガスタービンであり、特に航空転用ガスタービンである。
【0034】
エンジン210は、好ましくは1500~5000RPMの範囲内の最大回転速度、より好ましくは1500~4000RPMの範囲内の最大回転速度を有する低速エンジンである。
【0035】
以下は、両方の組の実施形態に当てはまる。
【0036】
トレインは、図2におけるエンジン240などの補助エンジン、好ましくは電気モータを、さらに含むことができる。図2において、エンジン240は、例えば第2の圧縮機230に直接接続されている。
【0037】
補助エンジンを、トレインの始動時に使用することができ、さらには/あるいは圧縮機によって吸収される出力が特定のしきい値を超えるときに主エンジンを補助するために使用できることに注意すべきであり、そのような補助エンジンは、「ヘルパー」と呼ばれることがある。
【0038】
図3の実施形態によれば、高圧縮比の圧縮機230は、高圧縮比の遠心(すなわち、遠心流)圧縮機であり、第1組のインペラ(すなわち、1つ以上のインペラ)と、第1組のインペラの下流または上流(好ましくは、下流)に配置された第2組のインペラ(すなわち、1つ以上のインペラ)とを含む。
【0039】
図3に示されるとおり、第1組は、2つのインペラ311および312を含むが、1から例えば20までの任意の数のインペラが適切である。この実施形態によれば、第2組は、3つのインペラ321、322、および323を含むが、1から例えば20までの任意の数のインペラが適切である。第1組のインペラ311および312は、遠心式であり、シュラウドを有していない。図3に示されるように、第2組のインペラ321、322、および323は、遠心式であり、シュラウドを有する。第1組および第2組の少なくともインペラ311、312、321、322、および323は、1つのケース300の内部に収容される。第1組および第2組のインペラ311、312、321、322、および323は、機械的な接続によって互いに結合している。
【0040】
別の実施形態によれば、すべてのインペラが、遠心式であり、シュラウドを有する。
【0041】
軸流圧縮段の組は、例えば3つまたは4つなど、2つより多くてよい。
【0042】
1つ以上の補助入口が存在してもよい。
【0043】
1つ以上の補助出口が存在してもよい。
【0044】
好都合には、図3の実施形態のように、前記高圧縮比の遠心圧縮機のインペラの少なくともいくつかが、互いに積み重ねられ、Hirth継手によって機械的に結合させられる。積み重ねられて結合したインペラは、タイロッドによって一体に締め付けられ、このようにして、きわめて安定かつ信頼できる機械的接続が達成される。各々のインペラは、例えばそれぞれの回転軸に貫通孔を有し、タイロッドを通すことができるように構成される。ロータは、インペラが積み重ねられて一体に締め付けられたときに実現される。
【0045】
図3の実施形態においては、2組のすべてのインペラ311、312、321、322、323が、積み重ねられ、Hirth継手340A、340B、340C、340Dによって結合し、タイロッド330によって一体に締め付けられている。
【0046】
圧縮機230は、主入口301(図2においては231と標記されている)、主出口302(図2においては232と標記されている)、ならびに主入口301から主出口302への流路に沿った中間位置に位置する少なくとも1つの補助入口および/または少なくとも1つの補助出口を有し、図3は、いくつかの実施形態においては補助入口(上向きの矢印を参照)であり、いくつかの実施形態においては補助出口(下向きの矢印を参照)である1つの中間タップ303の一般的な場合を示している。
【0047】
好都合には、図3の実施形態のように、第2組のインペラ(321、322、および323)は、第1組のインペラ(311および312)の下流にあり、第2組のインペラ(321、322、および323)は、第1組のインペラ(311および312)よりも小さい直径を有することができる。
【0048】
図3の実施形態によれば、第1組のインペラ(311および312)のインペラは、シュラウドを有しておらず、第2組のインペラ(321、322、および323)のインペラよりも大きい直径を有する。
【0049】
シュラウドを有さないインペラは、シュラウドがないため、シュラウドを有するインペラよりも速く回転することができ、実際に、インペラが回転すると、シュラウドはシュラウドに作用する遠心力によって外側に引っ張られ、特定の回転速度においてシュラウドがインペラを引き抜く危険性がある。
【0050】
上記で定めた高圧縮比の遠心圧縮機のロータの構成により、圧縮機は、従来の遠心圧縮機よりも高速で回転することができ、したがってより大きい圧縮比を達成することができる。
【0051】
シュラウドを有さないインペラおよびシュラウドを有するインペラが、互いに交互に配置されてもよく、これが、特に1つ以上の補助入口および/または出口が存在する場合に生じることに、注意すべきである。
【0052】
図3に示した遠心圧縮機と同一または同様の遠心圧縮機は、きわめて速く回転することができ、したがって、きわめて高い圧縮比に達することができる。したがって、単一(かつ小型)のケース内の単一の革新的な遠心圧縮機が、別個のケース内の2つまたは3つ以上の従来の遠心圧縮機を置き換えることができる。
【0053】
さらに、インペラの高い回転速度により、高い流量係数を得ることができる。
【0054】
図2に示した圧縮列と同一または同様の列(特に、図3に示した圧縮機と同一または同様の圧縮器を有する)を用いることにより、より小さな空間および/またはより小さな設置面積ならびにより少数の機械で、高いLNG生産を得ることができる。
【0055】
2つ以上のケースではなく、ただ1つのケースを有することが、多数の観点から有利であることに注意すべきである。
-設置および保守が簡単になる。
-保守の時間が短縮される。
-信頼性が向上する(構成要素が少なく、故障の可能性が少ない)。
-機械の設置面積および重量が低減される。
-ガスの漏れが低減される。
-潤滑油システムの複雑さおよびサイズが低減される。
【0056】
図2に示した圧縮列と同一または同様の列は、主としてLNGプラントにおいて使用されるように設計される。
【0057】
図4が、2つのそのような列を含むLNGプラントの実施形態の概略図を示しており、ギアボックスは、図示されていないが、存在してもよい。
【0058】
このような実施形態において、両方の列は、好都合には同一である。
【0059】
このような実施形態において、両方の列は、APCIプロセスを実施する。
【0060】
このような実施形態において、両方の列は、図3に示した圧縮機と同一または同様の圧縮器を備える。
【0061】
図4に示したプラントなどのプラントは、図1のプラントに実質的に等しい出力を有することができる。いずれにせよ、図1のプラントに対する図4のプラントの利点の1つは、プラントの1つの構成要素が故障した場合に、図1のプラントはLNGを生産することができないが、図4のプラントは定格の生産量の50%を生産できることである。
【符号の説明】
【0062】
100 LNGプラント
110 第1のエンジン
120 第2のエンジン
122 ブロック
130 遠心圧縮機
131 (遠心圧縮機130の)入口
132 (遠心圧縮機130の)出口
140 遠心圧縮機
141 (遠心圧縮機140の)入口
142 (遠心圧縮機140の)出口
150 遠心圧縮機
151 (遠心圧縮機150の)入口
152 (遠心圧縮機150の)出口
160 遠心圧縮機
161 (遠心圧縮機160の)入口
162 (遠心圧縮機160の)出口
200 圧縮列
210 エンジン
220 第1の遠心圧縮機
222 第1の出口
230 第2の遠心圧縮機
232 第2の出口
240 補助エンジン
250 ギアボックス
300 ケース
301 主入口
302 主出口
303 中間タップ
311 インペラ
312 インペラ
321 インペラ
322 インペラ
323 インペラ
330 タイロッド
340A Hirth継手
340B Hirth継手
340C Hirth継手
340D Hirth継手
図1
図2
図3
図4