(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-27
(45)【発行日】2023-02-06
(54)【発明の名称】画像表示装置、発注端末装置、画像表示方法、発注方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/20 20200101AFI20230130BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20230130BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20230130BHJP
G02C 13/00 20060101ALI20230130BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20230130BHJP
G06T 5/50 20060101ALI20230130BHJP
G06T 3/60 20060101ALI20230130BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20230130BHJP
【FI】
G06F30/20
G06F30/12
G06F30/10
G02C13/00
G06T1/00 315
G06T1/00 340A
G06T5/50
G06T3/60
G06T19/00 A
(21)【出願番号】P 2019092739
(22)【出願日】2019-05-16
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】300035870
【氏名又は名称】株式会社ニコン・エシロール
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】本間 幸男
【審査官】堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-206211(JP,A)
【文献】特開2003-295132(JP,A)
【文献】特開2005-121753(JP,A)
【文献】特開2002-014305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00-30/398
G02C 13/00
G06T 1/00
G06T 5/50
G06T 3/60
G06T 19/00
G06Q 30/0601
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得部と、
眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付部と、
前記選択操作受付部が受け付けた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得部と、
前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得部と、
前記顔画像取得部が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得部が取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成部と、
前記装用画像生成部が生成した前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御部と
、
前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計部と、
前記フレーム設計部が設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定部と、
を備え
、
前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、
前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、
前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、
前記装用画像生成部は、前記顔画像取得部が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得部が取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得部が取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、
前記フレーム判定部は、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、
前記フレーム判定部は、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、
(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御部に表示させる処理、
(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計部に再設計させるための処理、及び、
(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計部に前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、
を実行する
画像表示装置。
【請求項2】
前記顔画像、及び前記フレーム画像は、三次元描画によって生成された三次元画像である、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記眼鏡フレームとは、
複数種類のフレームの中から選択された眼鏡フレームである第1眼鏡フレーム、
複数種類のフレームパーツのなかから選択されたフレームパーツが組み合わされた眼鏡フレームである第2眼鏡フレーム、
及び前記第1眼鏡フレームまたは前記第2眼鏡フレームが変形された形状の眼鏡フレームである第3眼鏡フレーム
のいずれかである、
請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記装用画像についての評価を示す操作を受け付ける評価操作受付部と、
前記評価操作受付部が受け付けた前記操作が示す前記評価に基づいて、前記装用画像生成部が前記装用画像を生成するために用いる前記眼鏡フレームの大きさ、デザイン、材質、及びパーツのいずれか1つ以上を変更するフレーム変更部と
をさらに備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記フレーム判定部は、前記眼鏡フレームの安定性を判定
し、
前記フレーム判定部の
当該判定結果を表示する表示
部をさらに備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記フレーム判定部は、前記眼鏡フレームの全体または部分の重心に基づいて前記安定性を判定する
請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記レンズ画像は、前記眼鏡装用者の処方情報、前記眼鏡レンズの設計情報、及び前記フレーム画像のいずれか1つ以上に基づいて生成された画像である
請求項
6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記枠入れ装用画像についての評価を示す操作を受け付ける枠入れ評価操作受付部と、
前記枠入れ評価操作受付部が受け付けた前記操作が示す前記評価に基づいて、前記眼鏡レンズの屈折率、前記眼鏡レンズの左右いずれかの前面カーブ、前記眼鏡レンズの厚みのいずれか1つ以上を変更するレンズ変更部と
をさらに備える請求項
6または請求項
7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記眼鏡レンズ、または前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームのいずれか1つ以上の安定性を判定するレンズ判定部と、
前記レンズ判定部の判定結果を表示する表示部と
をさらに備える請求項
6から請求項
8のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記レンズ判定部は、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームの全体または部分の重心に基づいて、前記眼鏡レンズ、または前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームのいずれか1つ以上の安定性を判定する
請求項
9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得部と、
眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付部と、
前記選択操作受付部が受け付けた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得部と、
前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得部と、
前記顔画像取得部が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得部が取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成部と、
前記装用画像生成部が生成した前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御部と、
前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計部と、
前記フレーム設計部が設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定部と、
前記フレーム画像を送信する送信部と
を備え
、
前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、
前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、
前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、
前記装用画像生成部は、前記顔画像取得部が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得部が取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得部が取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、
前記フレーム判定部は、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、
前記フレーム判定部は、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、
(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御部に表示させる処理、
(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計部に再設計させるための処理、及び、
(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計部に前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、
を実行する
発注端末装置。
【請求項12】
眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得過程と、
眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付過程と、
前記選択操作受付過程において受け付けられた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得過程と、
前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得過程と、
前記顔画像取得過程において取得された前記顔画像と、前記フレーム画像取得過程が取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成過程と、
前記装用画像生成過程において生成された前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御過程と
、
前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計過程と、
前記フレーム設計過程が設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定過程と、
を有
し、
前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、
前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、
前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、
前記装用画像生成過程は、前記顔画像取得過程が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得過程が取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得過程が取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、
前記フレーム判定過程は、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、
前記フレーム判定過程は、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、
(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御過程に表示させる処理、
(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計過程に再設計させるための処理、及び、
(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計過程に前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、
を実行する
画像表示方法。
【請求項13】
眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得過程と、
眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付過程と、
前記選択操作受付過程において受け付けられた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得過程と、
前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得過程と、
前記顔画像取得過程において取得された前記顔画像と、前記フレーム画像取得過程が取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成過程と、
前記装用画像生成過程において生成された前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御過程と、
前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計過程と、
前記フレーム設計過程が設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定過程と、
前記フレーム画像を送信する送信過程と
、
を有
し、
前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、
前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、
前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、
前記装用画像生成過程は、前記顔画像取得過程が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得過程が取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得過程が取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、
前記フレーム判定過程は、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、
前記フレーム判定過程は、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、
(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御過程に表示させる処理、
(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計過程に再設計させるための処理、及び、
(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計過程に前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、
を実行する
発注方法。
【請求項14】
コンピュータに、
眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得ステップと、
眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付ステップと、
前記選択操作受付ステップにおいて受け付けられた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得ステップと、
前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得ステップと、
前記顔画像取得ステップにおいて取得された前記顔画像と、前記フレーム画像取得ステップが取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成ステップと、
前記装用画像生成ステップにおいて生成された前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御ステップと
、
前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計ステップと、
前記フレーム設計ステップが設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定ステップと、
を実行させる
プログラムであって、
前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、
前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、
前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、
前記装用画像生成ステップは、前記顔画像取得ステップが取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得ステップが取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得ステップが取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、
前記フレーム判定ステップは、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、
前記フレーム判定ステップは、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、
(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御ステップに表示させる処理、
(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計ステップに再設計させるための処理、及び、
(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計ステップに前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、
を実行する
プログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得ステップと、
眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付ステップと、
前記選択操作受付ステップにおいて受け付けられた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得ステップと、
前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得ステップと、
前記顔画像取得ステップにおいて取得された前記顔画像と、前記フレーム画像取得ステップが取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成ステップと、
前記装用画像生成ステップにおいて生成された前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御ステップと、
前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計ステップと、
前記フレーム設計ステップが設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定ステップと、
前記フレーム画像を送信する送信ステップと
を実行させる
プログラムであって、
前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、
前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、
前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、
前記装用画像生成ステップは、前記顔画像取得ステップが取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得ステップが取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得ステップが取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、
前記フレーム判定ステップは、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、
前記フレーム判定ステップは、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、
(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御ステップに表示させる処理、
(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計ステップに再設計させるための処理、及び、
(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計ステップに前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、
を実行する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、発注端末装置、画像表示方法、発注方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年三次元スキャン技術が発達し、複数の画像データから三次元形状が再現できるようになった。この三次元スキャン技術を利用して得られた眼鏡レンズの装用者の三次元顔画像に、装用者が眼鏡フレームを書き加えることができれば、装用者は自分の好みの眼鏡フレームの三次元画像データが作成できる。装用者は、作成した三次元画像データをフレーム/レンズメーカーに送り、そのままフレーム/レンズを発注することが可能になる。
三次元スキャン技術を用いて、眼鏡フレームが装用者の顔の形状にフィットするように調整する作業をシミュレートするシステムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様は、眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得部と、眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付部と、前記選択操作受付部が受け付けた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得部と、前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得部と、前記顔画像取得部が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得部が取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成部と、前記装用画像生成部が生成した前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御部と、前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計部と、前記フレーム設計部が設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定部と、を備え、前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、前記装用画像生成部は、前記顔画像取得部が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得部が取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得部が取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、前記フレーム判定部は、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、前記フレーム判定部は、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御部に表示させる処理、(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計部に再設計させるための処理、及び、(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計部に前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、を実行する画像表示装置である。
【0005】
本発明の一態様は、眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得部と、眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付部と、前記選択操作受付部が受け付けた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得部と、前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得部と、前記顔画像取得部が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得部が取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成部と、前記装用画像生成部が生成した前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御部と、前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計部と、前記フレーム設計部が設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定部と、前記フレーム画像を送信する送信部とを備え、前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、前記装用画像生成部は、前記顔画像取得部が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得部が取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得部が取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、前記フレーム判定部は、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、前記フレーム判定部は、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御部に表示させる処理、(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計部に再設計させるための処理、及び、(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計部に前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、を実行する発注端末装置である。
【0006】
本発明の一態様は、眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得過程と、眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付過程と、前記選択操作受付過程において受け付けられた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得過程と、前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得過程と、前記顔画像取得過程において取得された前記顔画像と、前記フレーム画像取得過程が取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成過程と、前記装用画像生成過程において生成された前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御過程と、前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計過程と、前記フレーム設計過程が設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定過程と、を有し、前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、前記装用画像生成過程は、前記顔画像取得過程が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得過程が取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得過程が取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、前記フレーム判定過程は、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、前記フレーム判定過程は、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御過程に表示させる処理、(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計過程に再設計させるための処理、及び、(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計過程に前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、を実行する画像表示方法である。
【0007】
本発明の一態様は、眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得過程と、眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付過程と、前記選択操作受付過程において受け付けられた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得過程と、前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得過程と、前記顔画像取得過程において取得された前記顔画像と、前記フレーム画像取得過程が取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成過程と、前記装用画像生成過程において生成された前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御過程と、前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計過程と、前記フレーム設計過程が設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定過程と、前記フレーム画像を送信する送信過程と、を有し、前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、前記装用画像生成過程は、前記顔画像取得過程が取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得過程が取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得過程が取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、前記フレーム判定過程は、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、前記フレーム判定過程は、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御過程に表示させる処理、(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計過程に再設計させるための処理、及び、(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計過程に前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、を実行する発注方法である。
【0008】
本発明の一態様は、コンピュータに、眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得ステップと、眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付ステップと、前記選択操作受付ステップにおいて受け付けられた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得ステップと、前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得ステップと、前記顔画像取得ステップにおいて取得された前記顔画像と、前記フレーム画像取得ステップが取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成ステップと、前記装用画像生成ステップにおいて生成された前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御ステップと、前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計ステップと、前記フレーム設計ステップが設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定ステップと、を実行させるプログラムであって、前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、前記装用画像生成ステップは、前記顔画像取得ステップが取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得ステップが取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得ステップが取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、前記フレーム判定ステップは、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、前記フレーム判定ステップは、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御ステップに表示させる処理、(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計ステップに再設計させるための処理、及び、(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計ステップに前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、を実行するプログラムである。
【0009】
本発明の一態様は、コンピュータに、眼鏡装用者の顔の三次元画像である顔画像を取得する顔画像取得ステップと、眼鏡フレームを選択する操作を受け付ける選択操作受付ステップと、前記選択操作受付ステップにおいて受け付けられた前記操作において選択された前記眼鏡フレームの三次元画像であるフレーム画像を取得するフレーム画像取得ステップと、前記眼鏡フレームに枠入れされる眼鏡レンズの三次元画像であるレンズ画像と、前記眼鏡レンズ上のレイアウトマークの三次元画像であるレイアウトマーク画像と、前記眼鏡レンズの性能に必要な範囲であるレンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像と、前記眼鏡レンズの物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚みにより算出される等高線の三次元画像である等高線データとを取得するレンズ画像取得ステップと、前記顔画像取得ステップにおいて取得された前記顔画像と、前記フレーム画像取得ステップが取得した前記フレーム画像とに基づいて、前記眼鏡装用者が前記眼鏡フレームを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する装用画像生成ステップと、前記装用画像生成ステップにおいて生成された前記装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う表示制御ステップと、前記フレーム画像に基づいて前記眼鏡フレームを設計するための処理と、前記眼鏡レンズを選択するための処理とを実行するフレーム設計ステップと、前記フレーム設計ステップが設計した前記眼鏡フレームに異常があるか否かを判定するフレーム判定ステップと、前記フレーム画像を送信する送信ステップとを実行させるプログラムであって、前記レイアウトマークには、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点のうち1以上が含まれ、前記レンズ性能領域には、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、及び近用明視領域中心円のうち1以上が含まれ、前記等高線データには、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち1以上が含まれ、前記装用画像生成ステップは、前記顔画像取得ステップが取得した前記顔画像と、前記フレーム画像取得ステップが取得した前記フレーム画像と、前記レンズ画像取得ステップが取得した前記レンズ画像、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データとに基づいて、前記眼鏡レンズが枠入れされた前記眼鏡フレームを前記眼鏡装用者が装用した状態の三次元画像であって、前記レイアウトマーク画像、前記レンズ性能領域画像、及び前記等高線データを含む三次元画像である枠入れ装用画像を生成し、前記フレーム判定ステップは、前記枠入れ装用画像に基づいて前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域が前記眼鏡フレーム内に収まっているか否かを判定し、前記フレーム判定ステップは、前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方が前記眼鏡フレーム内に収まっていないと判定する場合、(イ)前記レイアウトマーク、及び前記レンズ性能領域のうち少なくとも一方について、前記プリズム測定基準点またはボックス中心からの方向、及び前記眼鏡フレーム内に収まっていない長さを前記表示制御ステップに表示させる処理、(ロ)前記眼鏡フレームを再設計することを示す操作を受け付けた場合に、前記眼鏡フレームを前記フレーム設計ステップに再設計させるための処理、及び、(ハ)前記眼鏡レンズを再選択することを示す操作を受け付けた場合に、前記フレーム設計ステップに前記眼鏡レンズを再選択させるための処理、を実行するプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る発注システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る発注端末装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る頭部画像の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るフレーム支点、及びレンズ形状が描画された頭部画像の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る装用画像の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る三次元画像データサーバーの構成の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るレンズ画像に含まれる等高線データの一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る面屈折力等高線の一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る面非点収差等高線の一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る透過屈折力等高線データの算出方法の一例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るレンズ画像の外周の形状の一例を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係るレンズ画像の外周の径の一例を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るレンズ画像の外周の形状の一例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係るフィッティングパラメータが用いられて配置されるレンズ画像の一例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る眼鏡フレームが頭部に接触する部分の一例を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係るフレーム側面の一例を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態に係る重心の算出方法の一例を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に係る側面からみた場合の接触面の一例を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態に係る底面からみた場合の接触面の一例を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る眼鏡フレームが安定していないと判定される場合のシミュレーションの一例を示す図である。
【
図21】本発明の実施形態に係るフレーム前面の一例を示す図である。
【
図22】本発明の実施形態に係る頭部画像取得処理の一例を示す図である。
【
図23】本発明の実施形態に係るフレーム画像設計処理の一例を示す図である。
【
図24】本発明の実施形態に係る光学設計計算処理の一例を示す図である。
【
図25】本発明の実施形態に係るフレーム画像確認処理の一例を示す図である。
【
図26】本発明の実施形態に係るレンズの性能に必要な範囲の一例を示す図である。
【
図27】本発明の実施形態に係るレンズの性能に必要な範囲の一例を示す図である。
【
図28】本発明の実施形態に係るフレーム画像再設計処理の一例を示す図である。
【
図29】本発明の実施形態に係るレンズ画像設計処理の一例を示す図である。
【
図30】本発明の実施形態に係る眼鏡フレーム発注処理の一例を示す図である。
【
図31】本発明の実施形態に係る眼鏡フレーム製造処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る発注システムOSの構成の一例を示す図である。発注システムOSは、発注端末装置1と、三次元画像データサーバー2と、光学設計計算サーバー3と、発注サーバー4と、製造装置5とを備える。発注端末装置1と、三次元画像データサーバー2と、光学設計計算サーバー3と、発注サーバー4と、製造装置5とは、無線ネットワークを介して互いに通信を行う。
【0012】
発注端末装置1は、眼鏡フレームF、及び眼鏡レンズLを発注する端末装置である。発注端末装置1は、一例として、PC(Personal Computer)、タブレット端末装置、またはスマートフォンなどである。
【0013】
発注端末装置1は、眼鏡装用者Uの顔の三次元画像である顔画像FP、眼鏡フレームFの三次元画像であるフレーム画像RP、及び眼鏡フレームFに枠入れされる眼鏡レンズLの三次元画像であるレンズ画像LPを合成する。発注端末装置1は、合成した結果、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFを眼鏡装用者Uが装用した状態の三次元画像である枠入れ装用画像Wを表示する。眼鏡装用者Uは、発注端末装置1を用いて、枠入れ装用画像Wを任意の角度から確認でき、眼鏡フレームFあるいは眼鏡レンズLの良否を判定し、納得できない場合はフレームあるいはレンズを変更する。
【0014】
したがって、発注端末装置1は、三次元画像を編集する端末装置としても機能する。本実施形態では、一例として、眼鏡装用者Uと、発注端末装置1を用いて三次元画像を編集するユーザとが同一である場合について説明する。なお、眼鏡装用者Uと、発注端末装置1を用いて三次元画像を編集するユーザとは同一である必要はない。
【0015】
三次元画像データサーバー2は、発注端末装置1からの要求に応じて、頭部画像HP、フレーム画像RP、フレームテンプレート画像RT、レンズ設計情報DI、設計済みフレーム画像DRP、及び設計済みレンズ画像DLPを発注端末装置1に供給する。
【0016】
頭部画像HPは、顔画像FPを含む眼鏡装用者Uの頭部の三次元画像である。
レンズ設計情報DIは、レンズの設計において用いられる情報である。レンズ設計情報DIには、製品名称、単焦点レンズ/二重焦点レンズ/累進レンズの種別、インセット情報、累進帯長情報、加入度曲線情報、加入度比率情報(例えばフィッティングポイント上における加入度比率)、及び主子午線の位置情報のうちいずれか1つ以上の製品情報が含まれる。ここで主子午線は、遠用部と近用部との間にある累進部に含まれる線であって、眼鏡装用者が正面上方から正面下方にある物体を見た場合に視線が通過する線である。
【0017】
設計済み丸形状レンズ画像DRLは、光学設計計算サーバー3によって設計された丸形状のレンズの画像である。ここで設計済み丸形状レンズ画像DRLは、物体側の面形状、眼球側の面形状、厚み、面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データのうち少なくも1つ以上を含んで生成される。
設計済みレンズ画像DLPは、設計済み丸形状レンズ画像DRLに基づいて、発注端末装置1によって生成される玉型形状のレンズの画像である。
【0018】
また、三次元画像データサーバー2は、発注端末装置1から出力される頭部画像HP、フレーム画像RP、設計済みフレーム画像DRP、及び設計済みレンズ画像DLPを保存する。
【0019】
光学設計計算サーバー3は、発注端末装置1から供給されるレンズ情報LIに基づいて、眼鏡レンズLを設計する。レンズ情報LIは、レンズの設計において用いられるレンズ設計情報DIと、眼鏡装用者Uの処方を示す処方情報PIと、レンズを加工する際のオプションである加工オプションOPと、フィッティングパラメータFTとを含む。
光学設計計算サーバー3は、設計の結果、設計済み丸形状レンズ画像DRLを生成する。設計済み丸形状レンズ画像DRLは、眼鏡フレームの形状に合わせて加工される前の丸形状のレンズの画像である。
【0020】
ここで加工オプションOPには、一例として、プリズム処方、指定外径、指定中心厚、指定縁厚、フレーム上の指定縁厚、シニングプリズム、累進帯長指定、インセット指定、フレーム形状による薄肉化、ハード/ソフト設計、ハード/ソフト設計の度合いを示す数値、近用作業距離、及び利き目などがある。光学設計計算サーバー3は、設計した眼鏡レンズLを設計済み丸形状レンズ画像DRLとして発注端末装置1に供給する。
【0021】
フィッティングパラメータFTには、そり角、前傾角、及び角膜頂点距離が含まれる。そり角とは、眼鏡レンズが眼鏡フレームに枠入れされた場合の眼鏡レンズの水平方向の傾きである。前傾角とは、眼鏡レンズが眼鏡フレームに枠入れされた場合の眼鏡レンズの垂直方向の傾きである。角膜頂点距離とは、角膜から眼球側の面のプリズムリファレンスポイントまでの距離である。
【0022】
発注サーバー4は、発注端末装置1から供給されるフレーム画像RP、及び設計済みレンズ画像DLPに基づいて、眼鏡フレームF、及び眼鏡レンズLの発注を実行する。
製造装置5は、発注サーバー4から供給されるフレーム画像RP、及び設計済みレンズ画像DLPに基づいて、眼鏡フレームF、及び眼鏡レンズLを製造する。製造装置5は、一例として、3Dプリンタやレンズ加工装置を含む。
【0023】
(発注端末装置の構成)
ここで
図2を参照し、発注端末装置1の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る発注端末装置1の構成の一例を示す図である。
発注端末装置1は、画像表示部10と、発注部11と、表示部12と、操作部13と、撮像部14と、通信部15と、記憶部18とを備える。
【0024】
画像表示部10は、枠入れ装用画像Wを表示する。画像表示部10は、画像表示装置の一例である。本実施形態では、一例として、画像表示装置は、画像表示部10として発注端末装置1と一体となって備えられる。なお、画像表示装置と、発注端末装置1とは独立して備えられてもよい。
【0025】
発注部11は、発注サーバー4に、眼鏡フレームF、及び眼鏡レンズLの発注を行う。発注部11は、フレーム画像RP、及び設計済みレンズ画像DLPを、通信部15の送信部17に送信させることによって発注を行う。
【0026】
表示部12は、各種の画面を表示する。各種の画面には、一例として、三次元画像を編集する編集画面、及び発注画面などが含まれる。枠入れ装用画像Wなどの三次元画像は、編集画面において表示される。
表示部12は、一例として、タッチパネル、または液晶ディスプレイである。
【0027】
操作部13は、眼鏡装用者Uによる各種の操作を受け付ける。操作部13は、一例として、タッチパネル、マウス、またはキーボードである。なお、表示部12と、操作部13とは、タッチパネルとして一体として備えられてもよい。
【0028】
撮像部14は、眼鏡装用者Uの顔を含む頭部を撮像する。撮像部14は、一例として、カメラである。
通信部15は、無線ネットワークを介して外部のサーバーとの通信を行う。通信部15は、受信部16と、送信部17とを備える。通信部15は、無線ネットワークを介して通信を行うためのハードウェアである。
【0029】
記憶部18は、三次元画像や各種の情報を記憶する。記憶部18は、頭部画像HP、フレーム画像RP、設計済み丸形状レンズ画像DRL、レイアウトマーク画像MP、設計済みレンズ画像DLP、レンズ情報LI、及び異常情報EIを記憶する。
【0030】
画像表示部10の構成の詳細について説明する。
画像表示部10は、画像取得部101と、選択操作受付部105と、顔画像生成部106と、フレーム設計部107と、装用画像生成部111と、表示制御部112と、評価操作受付部113と、判定部114とを備える。
【0031】
画像取得部101は、三次元画像を取得する。画像取得部101は、顔画像取得部102と、フレーム画像取得部103と、レンズ画像取得部104とを備える。
顔画像取得部102は、眼鏡装用者Uの顔の三次元画像である顔画像FPを取得する。ここで顔画像取得部102は、顔画像FPを含む頭部画像HPを取得することによって顔画像FPを取得する。
【0032】
フレーム画像取得部103は、眼鏡フレームFの三次元画像であるフレーム画像RPを取得する。ここで眼鏡フレームFは、選択操作受付部105が受け付けた眼鏡フレームFを選択する操作において選択された眼鏡フレームである。また、フレーム画像取得部103は、眼鏡フレームのテンプレートとなる三次元画像であるフレームテンプレート画像RTを取得する。フレームテンプレート画像RTの具体例については後述する。
【0033】
レンズ画像取得部104は、眼鏡フレームFに枠入れされる眼鏡レンズLの三次元画像であるレンズ画像LPを取得する。このレンズ画像LPとは、3次元画像データサーバー2から供給される設計済みレンズ画像DLPである。また、レンズ画像取得部104は、レイアウトマークが選択されている場合、レイアウトマーク画像MPを取得する。
【0034】
選択操作受付部105は、眼鏡フレームFを選択する操作を受け付ける。ここで選択操作受付部105は、操作部13を介して眼鏡フレームFを選択する操作を受け付ける。
【0035】
顔画像生成部106は、撮像部14が撮像する二次元頭部画像に基づいて、顔画像FPを含む頭部画像HPを生成する。ここで二次元頭部画像は、眼鏡装用者Uの顔を含めた頭部を360度カバーする二次元画像である。顔画像生成部106は、三次元描画によって顔画像FPを含む頭部画像HPを生成する。つまり、顔画像FPは、三次元描画によって生成された三次元画像である。
【0036】
フレーム設計部107は、眼鏡装用者Uが選択したフレームテンプレート画像RTの合成や編集を行う。フレーム設計部107は、フレーム変更部108と、レンズ変更部109と、レンズ画像編集部110とを備える。
【0037】
フレーム変更部108は、フレーム画像RPにおいて、フレームテンプレート画像RT、パーツ画像PP、アクセサリ画像ACP、及び素材情報MIを編集することによって、眼鏡フレームFを設計する。フレームテンプレート画像RTは、眼鏡フレームFのテンプレートの三次元画像である。パーツ画像PPは、眼鏡フレームFのパーツの三次元画像である。アクセサリ画像ACPは、眼鏡フレームFに備えられるアクセサリの三次元画像である。素材情報MIは、眼鏡フレームFの素材を示す情報である。
【0038】
ここでフレーム変更部108による編集には、フレームテンプレート画像RTの一部をパーツ画像PPによって置換したり、フレームテンプレート画像RT、パーツ画像PP、及びアクセサリ画像ACPに模様や文字を描いたり、サイズや色を変えたりして形状を変更すること、素材情報MIを変更して眼鏡フレームFの素材を変更することなどが含まれる。
【0039】
上述したようにフレーム変更部108は、眼鏡フレームFの大きさ、デザイン、材質、及びパーツのいずれか1つ以上を変更する。フレーム変更部108は、フレーム判定部115が、評価操作受付部113が受け付けた枠入れ装用画像Wについての評価を示す操作が示す評価に基づいて、装用画像生成部111が枠入れ装用画像Wを生成するために用いる眼鏡フレームFの大きさ、デザイン、材質、及びパーツのいずれか1つ以上を変更する。
【0040】
レンズ変更部109は、眼鏡レンズLの屈折率、眼鏡レンズLの左右いずれかの前面カーブ、眼鏡レンズLの厚みのいずれか1つ以上を変更する。レンズ変更部109は、評価操作受付部113が受け付けた枠入れ装用画像Wについての評価を示す操作が示す評価に基づいて、眼鏡レンズLの屈折率、眼鏡レンズLの左右いずれかの前面カーブ、眼鏡レンズLの厚みのいずれか1つ以上を変更する。
【0041】
レンズ画像編集部110は、光学設計計算サーバー3によって設計された設計済み丸形状レンズ画像DRL、および設計済みフレーム画像DRPに基づいて、設計済みレンズ画像DLPを生成する。設計済みレンズ画像DLPは、眼鏡フレームFの形状に合わせて加工された玉型形状のレンズの画像である。
【0042】
なお、フレーム設計部107は、編集したフレーム画像RPを、新規のフレームテンプレート画像として、フレームデータベース21に保存してもよい。
【0043】
装用画像生成部111は、顔画像取得部102が取得した顔画像FPと、フレーム画像取得部103が取得したフレーム画像RPと、レンズ画像取得部104が取得した設計済みレンズ画像DLPとに基づいて、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFを眼鏡装用者Uが装用した状態の三次元画像である枠入れ装用画像Wを生成する。
【0044】
ここで装用画像生成部111は、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFを眼鏡装用者Uが装用した状態の三次元画像である枠入れ装用画像Wを生成してもよいし、眼鏡レンズLが枠入れされていない眼鏡フレームFを眼鏡装用者Uが装用した状態の三次元画像である装用画像を生成してもよい。つまり、装用画像生成部111は、顔画像取得部102が取得した顔画像FPと、フレーム画像取得部103が取得したフレーム画像RPとに基づいて、眼鏡装用者Uが眼鏡フレームFを装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する。
【0045】
表示制御部112は、表示部12に三次元画像を表示させる制御を行う。ここで表示制御部112は、装用画像生成部111が生成した枠入れ装用画像Wを任意の角度に回転させて表示する制御を行う。つまり、表示制御部112は、装用画像生成部111が生成した装用画像を任意の角度に回転させて表示する制御を行う。
【0046】
また、表示制御部112は、頭部画像HP、フレーム画像RP、レンズ画像LP、レイアウトマーク画像MP、レンズ性能領域画像AP、及び等高線データCのいずれか1つ以上を表示部12に表示させる。表示制御部112は、頭部画像HP、フレーム画像RP、レンズ画像LP、レイアウトマーク画像MP、レンズ性能領域画像AP、及び等高線データCのそれぞれを、表示部12に表示させるか、表示させないかについての切り替えの制御を行う。
【0047】
また、表示制御部112は、フレーム判定部115の判定結果を表示部12に表示させる制御を行う。つまり、表示部12は、フレーム判定部115の判定結果を表示する。
また、表示制御部112は、レンズ判定部116の判定結果を表示部12に表示させる制御を行う。つまり、表示部12は、レンズ判定部116の判定結果を表示する。
【0048】
評価操作受付部113は、操作部13を介して枠入れ装用画像Wについての評価を示す操作を受け付ける。枠入れ装用画像Wについての評価とは、眼鏡装用者Uが枠入れ装用画像Wを確認してなされる眼鏡フレームF、眼鏡レンズL、あるいは全体の外観の良否についての評価である。評価操作受付部113は、枠入れ評価操作受付部の一例である。
【0049】
なお、装用画像生成部111が、眼鏡レンズLが枠入れされていない眼鏡フレームFを眼鏡装用者Uが装用した状態の三次元画像である装用画像を生成する場合、評価操作受付部113は、操作部13を介して装用画像についての評価を示す操作を受け付ける。
【0050】
判定部114は、フレーム画像RPやレンズ画像LPの安定性を判定する。判定部114は、フレーム判定部115と、レンズ判定部116とを備える。
フレーム判定部115は、眼鏡フレームFの安定性を判定する。フレーム判定部115は、眼鏡フレームFに異常があると判定する場合、メッセージまたは警告を表示部12に表示させる。
【0051】
フレーム判定部115は、後述するフィッティングシミュレーションによって眼鏡フレームFの安定性を判定する。フィッティングシミュレーションとは、眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基づいて眼鏡フレームFの安定性を評価するシミュレーションである。つまり、フレーム判定部115は、眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基づいて、眼鏡フレームFの安定性を判定する。
【0052】
レンズ判定部116は、眼鏡レンズL、または眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFのいずれか1つ以上の安定性を判定する。ここでレンズ判定部116は、上述したフィッティングシミュレーションに基づいて判定を行う。
【0053】
つまり、レンズ判定部116は、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基づいて、眼鏡レンズL、または眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFのいずれか1つ以上の安定性を判定する。
【0054】
レンズ判定部116は、眼鏡レンズL、または眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFのいずれか1つ以上に異常があると判定する場合、メッセージまたは警告を表示部12に表示させる。
【0055】
(頭部画像及び装用画像)
ここで
図3から
図5を参照し、画像表示部10が表示部12に表示させる三次元画像について説明する。
図3は、本実施形態に係る頭部画像HP1の一例を示す図である。頭部画像HP1は、眼鏡装用者Uの顔の三次元画像である顔画像FP1を含む。
頭部画像HP1は、一例として、眼鏡装用者Uが発注端末装置1の撮像部14によって、顔を含めた頭部を360度カバーして撮像して得られる二次元頭部画像から顔画像生成部106によって生成される。
【0056】
図4は、本実施形態に係るフレーム支点、及びレンズ形状が描画された頭部画像HP1の一例を示す図である。装用画像生成部111は、頭部画像HP1に眼鏡フレームFを支える点や、点群のパターンを描画する。装用画像生成部111は、頭部画像HP1に所望の眼鏡レンズLを眼鏡装用者Uが装用するのに必要な眼鏡フレームの最小の形状を描画する。ここで装用画像生成部111は、最小の形状を、眼鏡フレームFの縦径、横径、累進帯長、遠用部、近用部、及び後述するフィッティングパラメータFTに基づいて算出する。
【0057】
装用画像生成部111は、眼鏡フレームFを支える点や、点群のパターン、もしくは、眼鏡フレームの最小の形状において、通る必要のある点を通り、囲う必要のある形状を囲う形状を描画する。
図4では、頭部画像HP1に、レンズ形状DR1、レンズ形状DR2、フレーム支点DR3が描画されている。
【0058】
図5は、本実施形態に係る装用画像の一例を示す図である。装用画像W1では、
図4で示したレンズ形状DR1、レンズ形状DR2、フレーム支点DR3に基づいて、頭部画像HP1にフレーム画像RP1が描画されている。
装用画像生成部111は、フレーム画像RPに蝶番部、智部、及びパッドを描画してもよい。
【0059】
(三次元画像データサーバーの構成)
次に
図6を参照し、三次元画像データサーバー2の構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る三次元画像データサーバー2の構成の一例を示す図である。
三次元画像データサーバー2は、頭部データベース20と、フレームデータベース21と、レンズデータベース22とを備える。
頭部データベース20は、発注端末装置1から出力される頭部画像HPを保存、及び管理する。
【0060】
フレームデータベース21は、フレームテンプレート画像RTと、設計済みフレーム画像DRPとを保存、及び管理する。フレームテンプレート画像RTは、既存の眼鏡フレーム、予め作成された眼鏡フレーム、及び予め作成された眼鏡フレームのパーツの三次元画像である。ここでフレームテンプレート画像RT、及びフレームテンプレート画像RTは、三次元描画によって生成された三次元画像である。つまり、フレーム画像RPは三次元描画によって生成された三次元画像である。
【0061】
既存の眼鏡フレーム、及び予め作成された眼鏡フレームの種類には、スクエア、オーバル、ウェリントン、ボストン、ブロー、リムレス、ハーフリム、フォックス、及びラウンドなどがある。
予め作成された眼鏡フレームのパーツには、蝶番部、智部、パッド、クリングス、ヨロイ、テンプル、及びモダン毎のパーツがある。
フレームテンプレート画像RTには、蝶番部、智部、及びパッドがない眼鏡フレームの三次元画像が含まれてもよい。
【0062】
フレームテンプレート画像RTは、変更されずにフレーム画像RPとして選択されてよい。フレームテンプレート画像RTが示す眼鏡フレームFは、第1眼鏡フレームの一例である。ここで第1眼鏡フレームは、既存の複数種類のフレームの中から選択された眼鏡フレームである。
また、眼鏡フレームFは、複数種類のフレームパーツのなかから選択されたフレームパーツが組み合わされた眼鏡フレームである第2眼鏡フレームであってもよい。
【0063】
また、眼鏡フレームFは、第1眼鏡フレームまたは第2眼鏡フレームが変形された形状の第3眼鏡フレームであってもよい。
第3眼鏡フレームでは、眼鏡フレームの形状やデザインを、眼鏡装用者Uの嗜好に応じて自由に変更することが可能である。第3眼鏡フレームでは、フレームの材質は限定されるものの、オーダーメードの眼鏡装用者U独自の眼鏡フレームを作成することが可能となる。
第3眼鏡フレームは、後述するように、プラスチックの板材から切り出しで作成されるか、または3Dプリント技術により作成される。
【0064】
また、上述したように、発注端末装置1は、フレーム変更部108によってフレーム画像RPを編集する。フレームテンプレート画像RTは、フレームサイズが調整されたり、フレーム形状が変形、修正されたり、アクセサリが追加されてもよい。
また、眼鏡フレームのパーツは、予め作成された三次元画像を用いる代わりに、フレーム変更部108によって描画されて生成されてもよい。
【0065】
フレームデータベース21は、フレームテンプレート画像RT、及びフレーム画像RPと合わせて、フィッティングパラメータFTを管理する。
【0066】
なお、フィッティングパラメータFTは、光学設計計算サーバー3において、眼鏡装用者Uの処方を示す処方情報PIとともに眼鏡レンズLの設計計算で使用され、且つ後述のフィッティングシミュレーションでも使用される。
なお、フレームテンプレート画像RTは、発注端末装置1の記憶部18に保存、及び管理されてもよい。
【0067】
レンズデータベース22は、レンズ画像LP、及びレイアウトマーク画像MPを保存、及び管理する。レンズ画像LPは、レンズ形状、パワー、アス、及び厚みによって指定される眼鏡レンズLの物理形状を示す三次元画像である。
レンズ画像LPは、実際の眼鏡レンズLの厚みを算出するのと同様に算出された厚みを持つ三次元画像であり、設計済み丸形状レンズ画像DRLおよび設計済みレンズ画像DLPを含む。ここで実際の眼鏡レンズLの形状、種類について説明する。
【0068】
眼鏡レンズには、単焦点レンズ、2重焦点レンズ(バイフォーカルレンズ)、及び累進レンズがある。単焦点レンズとは、1枚に1つの補正機能を持つレンズであり、近視、遠視、乱視、及び手元専用などがある。2重焦点レンズ(バイフォーカルレンズ)とは、遠用レンズに近用の小玉レンズが付いたレンズで、遠用と近用との境界がはっきり分かれた遠近両用レンズである。累進レンズとは、遠用領域と、近用領域とを有するレンズで遠用と近用との境界がない遠近両用レンズである。
【0069】
また、累進レンズには外面累進レンズ、内面累進レンズ、及び両面累進レンズがある。外面累進レンズは、物体側の面が累進面に設計されたレンズである。内面累進レンズは、眼球側の面が累進面に設計されたレンズである。両面累進レンズは、物体側の面と眼球側の面との両面に累進面が累進面に設計されたレンズである。
【0070】
乱視処方の眼鏡装用者に対する眼鏡レンズには、いずれの累進レンズの場合についても、眼球側の球面もしくは累進面に円柱面もしくはトーリック面を足し合わせた面とすることにより乱視矯正の機能を持たせる。
【0071】
上述したような眼鏡レンズは、一般的にセミフィニッシュレンズを使って製造される。セミフィニッシュレンズの面は、例えば内面累進レンズの場合、物体側の球面は所定の度数範囲(ベースカーブ区分)においては固定された一定のカーブ値をもつ面である。また外面累進レンズ、あるいは両面累進レンズの場合、レンズの面は、物体側の面は所定の度数範囲において、一定のカーブ値の球面と一定の加入度の累進面とを足し合わせた面である。いずれの場合も、物体側の面は、加工されない基準面である。
【0072】
上述したセミフィニッシュレンズの物体側の面を基準として眼鏡装用者Uの処方(遠用度数、近用度数、乱視度数、加入度数、及びプリズム)及びフィッティングパラメータ(フレームそり角、前傾角、及び角膜頂点距離)から加工すべき眼球側の面が計算され、眼鏡レンズが加工される。
加工される眼球側の面は単に球面、もしくはトーリック面、累進面と球面との足し合わせや、累進面とトーリック面との足し合わせのみならず、非点収差の抑制などの補正が考慮されて計算された自由曲面である。
【0073】
眼鏡レンズについて、上述したいずれの複雑な面であっても自由曲面加工技術の進歩のために現在では加工可能となっている。また稀ではあるが物体側の面についても自由曲面加工技術により基準面から更に加工を行い、所望するカーブ値、または所望するカーブ値と所望する加入度の累進面を足し合わせた面、上記のように考慮されるレンズ情報LIを足し合わせた面を製造することも可能である。
【0074】
レンズ画像LPは、上述した実際の眼鏡レンズLと同様に物体側の面、眼球側の面、更に処方情報PI、フィッティングパラメータFT、レンズ強度、及び加工オプションOPに基づいて算出された厚みを持つ三次元画像である。
レンズ画像LPは、上述したように眼鏡レンズLの物理形状を示す三次元画像であり、眼鏡レンズLが眼鏡フレームFの設計時に問題なく枠入れできるフレームか否か、左右レンズの縁厚バランスは問題ないか否かを、発注端末装置1が判定するのに用いられる。
【0075】
眼鏡レンズLが眼鏡フレームFの設計時に問題なく枠入れできる眼鏡フレームか否かについては、例えば眼鏡フレームFのリムに設計されたヤゲンもしくは溝から、眼鏡レンズLの周縁に設計されたヤゲンもしくは溝が、外れないか、保持できるか、または見栄えが悪くないかが判断される。
【0076】
また、ナイロールフレームについては、レンズに設けられている溝部をバンド(ナイロン糸)で保持できるか否かが判断される。
左右レンズの縁厚バランスは、レンズ画像LPの物理形状を眼鏡装用者Uが目視によって確認してもよいし、縁厚の値が発注端末装置1の表示部12に表示されてもよい。
【0077】
ここでレンズ画像LPは、等高線データCを含んでよい。等高線データCには、上述した物体側の面、眼球側の面、厚みにより算出される面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データがある。レンズ画像LPはこれらの等高線データCのうちいずれか1つ以上を含んでよい。
【0078】
面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データ等の等高線データは、一例として、微小物体のサイズ(例えば外径3mm)や、微小物体の位置(例えば無限遠、観察者の目から30cmの位置)が指定されて作成されてよい。また、これらの等高線データは、眼鏡レンズLの製品毎に設定されてもよい。
【0079】
(等高線データ)
ここで
図7から
図10を参照し、レンズ画像LPに含まれる等高線データについて説明する。
図7は、本実施形態に係るレンズ画像LPに含まれる等高線データの一例を示す図である。
図7に示す枠入れ装用画像W2は、頭部画像HP2と、レンズ画像LP2が枠入れされたフレーム画像RP2とを含む。レンズ画像LP2には、一例として、レンズ画像LP2に含まれる面屈折力等高線データに基づいて面屈折力等高線が示されている。
【0080】
図8は、本実施形態に係る面屈折力等高線C1の一例を示す図である。面屈折力等高線C1は、下記の式(1)に基づいて算出された平均屈折力、もしくは式(2)に基づいて算出された最大屈折力のデータ、もしくはそれらを等高線にしたデータに基づいて描かれている。
【0081】
【0082】
【0083】
Rmaxは、眼鏡レンズLの曲率半径の最大値である。Rminは、眼鏡レンズLの曲率半径の最小値である。nは、眼鏡レンズLの材料の屈折率である。ここで平均屈折力、最大屈折力は、物体側の面、もしくは眼球側の面の任意の座標点におけるRmax、Rmin、及びnに対して算出される。
【0084】
図9は、本実施形態に係る面非点収差等高線C2の一例を示す図である。面非点収差等高線C2は、式(3)に基づいて算出された面非点収差に基づいて描かれている。
【0085】
【0086】
図10は、本実施形態に係る透過屈折力等高線データの算出方法の一例を示す図である。眼球中心ECからレンズL1の物体側の面LS2上の任意座標点CPに向けて光線LRを射出させる。光線LRは、レンズL1の眼球側の面LS1においてスネルの法則、波動光学、及び波面光学にしたがって屈折する。さらに光線LRは、レンズL1を通過し、物体側の面LS2の任意座標点CPにおいて、スネルの法則、波動光学、及び波面光学にしたがって屈折する。物体側の面LS2の任意座標点CPにおいて屈折した光線LRの方向を示すベクトルを算出する。
【0087】
次に光線LRの方向を示すベクトルの逆ベクトルを考える。この逆ベクトルは、任意座標点CPに応じた任意の径をもつ光線束を示す。その光線束の中心が物体側の面LS2の任意座標点CPを通過するように光線束を入射させる。スネルの法則、波動光学、及び波面光学にしたがって屈折した光線束がレンズL1を通過し、眼球側の面LS1において光線LRは、スネルの法則、波動光学、波面光学にしたがって屈折した光線束を算出する。
【0088】
その光線束の外周上の光線について、光線束の中心からある角度ステップ位置と180度反対の位置にあるものを選択する。ここでレンズL1を通過した光線束の径と、非点収差によってレンズL1を通過する前の光線束の径とは一般には異なる。選択されたそれぞれの角度ステップについて焦点距離を算出し、最長となる焦点距離と、最短となる焦点距離とを算出する。算出した最短となる焦点距離の値の逆数を求め最大屈折力とし、算出した最長となる焦点距離の値の逆数を求め最小屈折力とする。
【0089】
なお、最大屈折力、及び最小屈折力を計算する際に、最長焦点距離、及び最短焦点距離からそれぞれ眼球側の面LS1の中心(光学中心)から網膜までの距離を加算してもよい。もしくは眼球側の面LS1の中心(光学中心)から眼球中心ECまでの距離を加算してもよい。
なお、眼球中心ECから眼球側の面LS1の任意座標点に向けて光線を射出してもよい。
透過屈折力等高線データは、上述した平均屈折力データ、及び最大屈折力データを等高線にしたデータである。
【0090】
透過非点収差等高線データについては、上述した透過屈折力等高線データを算出するのと同じ方法によって最大屈折力、及び最小屈折力を算出し、上述した面非点収差等高線データを算出するのと同じ式(3)を用いて、透過非点収差を算出する。透過非点収差等高線データは、算出した透過非点収差のデータを等高線にしたデータである。
【0091】
なお、上述した面屈折力等高線データ、面非点収差等高線データ、透過屈折力等高線データ、透過加入度等高線データ、及び透過非点収差等高線データは、二次元の画像として表示されてもよいし、三次元の画像として表示されてもよい。これらの等高線データは、三次元の画像として表示された方が、眼鏡装用者Uは、等高線データが示すデータを二次元の画像として表示される場合に比べてより精度高く確認できる。
【0092】
(レンズ形状)
次に
図11から
図13を参照し、レンズ画像LPが示す眼鏡レンズLの形状について説明する。
図11は、本実施形態に係るレンズ画像LPの外周の形状の一例を示す図である。
図11では、レンズ画像LPの一例として、レンズ画像LP1が示されている。レンズ画像LP1の外周LC1は、セミフィニッシュレンズと同様に丸形状となっている。
レンズ画像LP1のように、レンズ画像LPの外周は丸形状であってよい。
【0093】
図12は、本実施形態に係るレンズ画像LPの外周の径の一例を示す図である。
図12では、レンズ画像LPの一例として、レンズ画像LP2が示されている。レンズ画像LP2の外周の径は、厚みを薄くするためにフレーム形状に近接する径である必要最小径R1とされている。なお、レンズ画像L2Pの外周の径は、フレーム形状から一定の余白を含めた形状を囲む径である必要最小径R2であってもよい。
レンズ画像LP2のように、レンズ画像LPの外周の径は、フレーム形状に近接する径であってもよいし、フレーム形状から一定の余白を含めた形状を囲む径であってもよい。
【0094】
図13は、本実施形態に係るレンズ画像LPの外周の形状の一例を示す図である。
図13では、レンズ画像LPの一例として、レンズ画像LP31と、レンズ画像LP32とが示されている。レンズ画像LP31は、円形のレンズの三次元画像である。レンズ画像LP31の外周の縁E1は、ナイフエッジの形状である。一方、レンズ画像LP32は、楕円の形状のレンズの三次元画像である。レンズ画像LP32の外周の縁E2は、ナイフエッジになることを避けた形状である。
【0095】
レンズ画像LP32のように、レンズ画像LPの外周の形状は、縁がナイフエッジになることを避けた楕円であってもよい。また、レンズ画像LPの外周の形状は、縁がナイフエッジになることを避けた楕円以外の任意の形状であってもよい。
【0096】
なお、眼鏡フレームの形状を決定後、より薄いレンズが設計できる可能性がある。そのためレンズ形状、光学性能の再計算がインターネットを介して光学設計計算サーバー3によって実施されてもよい。
【0097】
発注端末装置1は、レンズ画像LPを、フィッティングパラメータFTが示すそり角、前傾角、及び角膜頂点距離に合わせて配置してもよい。発注端末装置1は、配置したレンズ画像LPを、頭部画像HP、フレーム画像RP、及び後述するレイアウトマーク画像MPと合わせて表示する。
【0098】
ここで
図14を参照し、レンズ画像LPが角膜頂点距離に合わせて配置される場合について説明する。
図14は、本実施形態に係るフィッティングパラメータFTが用いられて配置されるレンズ画像LPの一例を示す図である。
図14では、レンズ画像LPの一例として、レンズ画像LP4が示されている。
レンズ画像LP4は、フレーム画像RP4に枠入れさて表示された状態において、角膜頂点距離VRに合わせて配置されて表示されている。
【0099】
ここでレイアウトマーク画像MPについて説明する。
実際の眼鏡レンズ上には、レイアウトマークが刻印されている。レイアウトマークには、アライメント基準マーク、加入屈折力またはその略号、製造業者名もしくは供給者の商標、またはそれらの略号がある。また、レイアウトマークの他の例として、フィッティングポイント、水平基準点、水平基準線、遠用部測定位置、近用部測定位置、及びプリズム測定基準点がある。
【0100】
レイアウトマークは玉型加工した後は不要になるため、アルコール等の有機溶剤で簡単に除去できるインクで印刷されているものがある。また、レイアウトマークには、レーザーによりレンズ上に刻印されるものがある。
【0101】
レイアウトマーク画像MPは、レイアウトマークの三次元画像である。
レイアウトマークがレンズに刻印される際に、レイアウトマークとレンズとは座標位置が一致している必要がある。同様に、発注端末装置1が、レイアウトマーク画像MPとレンズ画像LPとを表示する際に、レイアウトマーク画像MPとレンズ画像LPとは座標位置が一致している必要がある。
【0102】
また、レンズデータベース22において、レイアウトマーク画像MPとレンズ画像LPとは、一体の三次元画像として管理、保存されてもよい。この場合、発注端末装置1は、レイアウトマーク画像MPとレンズ画像LPとが一体となった三次元画像を、フレーム画像RPに枠入れするレンズ画像として用いる。
【0103】
また、レンズは、眼鏡装用者Uが所望するレンズ性能を有する領域、あるいはレンズメーカーが指定するレンズ性能を有する領域であるレンズ性能領域を有する場合がある。レンズ性能領域とは、一例として、遠用部、近用部、遠用部から近用部まで累進帯部、フィッティングポイント、及びプリズムリファレンスポイントなどである。
【0104】
また、レンズデータベース22において、レンズ性能領域が三次元画像として管理、保存されてもよい。発注端末装置1は、レンズ性能領域の三次元画像であるレンズ性能領域画像APを、レイアウトマーク画像MPと同様に用いて表示してもよい。
レンズ性能領域画像APは、レンズデータベース22において、管理、保存されてよい。発注端末装置1は、レンズ性能領域画像APをレンズ画像LPやレイアウトマーク画像MPとともに取得し、フレーム画像RPに枠入れするレンズ画像の一部として用いる。
【0105】
発注端末装置1の表示部12に表示されない場合であっても、レンズ判定部116がレイアウトマークを含まないレンズ形状になるか否かを判定してよい。レイアウトマークを含まないレンズ形状になる場合には、レンズ判定部116は、表示部12に警告を表示させてよい。
【0106】
発注端末装置1のフレーム判定部115またはレンズ判定部116は、フレーム画像RPが、後述のレイアウトマーク画像MPもしくは後述のレンズ性能領域画像APもしくはその両方を有していない場合、メッセージもしくは警告を表示部12に表示させてもよい。例えば近用領域についてメーカーが保証する領域がフレーム形状によりフレーム内に収まらない場合、フレーム判定部115またはレンズ判定部116は、プリズムリファレンスポイントもしくはボックス中心からの方向、収まらない長さを表示部12に表示させ、眼鏡装用者Uに注意を促す。
【0107】
(三次元画像)
三次元画像を作成するための三次元データには、形状の点と稜線データとから構成されるワイヤフレーム、曲線の集合で構成される面データであるサーフェス、体積や質量のデータのソリッド、線で構成した多角形の集合で形状を作るデータであるポリゴンなどがある。三次元描画においては、上記三次元データの1つ以上を使用し、眼鏡レンズL、眼鏡フレームF、及び眼鏡装用者Uの顔を含む頭部を、三次元画像としてデータ化する。
【0108】
フレーム画像RP、レンズ画像LP、及び頭部画像HPは、一例として、STL(Stereolithography)データである。三次元CADソフトで作成した三次元データは、それぞれの三次元CADソフトが採用する三次元データ形式で保存される。三次元CADソフトで作成した三次元データを、一般的な三次元プリンタで扱うためにはSTL形式という三次元データ形式にする必要がある。
【0109】
STLデータは立体をポリゴンで表現するという非常に単純なデータ形式である。そのためSTLデータは、汎用性が高い一方、立体形状として物理的に整合性が取れていないデータも生成される可能性があり、その場合は三次元プリンタで正しく立体物を造形することができない。
このためSTLデータの整合性を事前にチェックするソフトウェアがある。チェックでエラーが判明した場合は、自動で補正、修復するツールを使用したり、STLデータを修正したり、三次元CADソフトで三次元データを修正する必要がある。
【0110】
画像表示部10において、例えば、顔画像生成部106、フレーム設計部107、及び装用画像生成部111が、STLデータであるフレーム画像RP、レンズ画像LP、及び頭部画像HPなどの三次元画像の整合性をチェックし、エラーが判明した場合はそれら三次元画像の補正、修復を行う。
なお、フレーム画像RP、レンズ画像LP、及び頭部画像HPは、STLデータと同様の機能を持った三次元データでもよい。
【0111】
(安定性の評価)
図15から
図21を参照し、眼鏡フレームFの安定性を評価するシミュレーションであるフィッティングシミュレーションについて説明する。フィッティングシミュレーションでは、眼鏡フレームFが眼鏡装用者Uの頭部に接触するか、接触する面において眼鏡フレームFが安定して支えられるか否かについて計算が行われる。
【0112】
図15は、本実施形態に係る眼鏡フレームFが頭部に接触する部分の一例を示す図である。
図15では、またフレーム画像RP5が眼鏡装用者Uの頭部画像HP5にフィッティングされ合成された装用画像W5が示されている。フレーム画像RP5は、接触面A1、接触面A2、接触面A3、及び接触面A4において頭部画像HP5に接触している。
【0113】
発注端末装置1のフレーム判定部115は、接触面A1、接触面A2、接触面A3、及び接触面A4のような接触面Aについて、眼鏡フレームFを支えることができるか否かのフィッティングシミュレーションを実行する。
ここでフレーム画像RPやレンズ画像LPの三次元画像を構成する三次元データ毎に、眼鏡フレームFや眼鏡レンズLのそれぞれの素材の質量を対応させて、フレーム画像RPやレンズ画像LPの部分または全体に重量のデータが割り当てられる。フレーム判定部115は、フレーム画像RPやレンズ画像LPの部分または全体に割り当てた重量のデータに基づいて、接触面Aについて眼鏡フレームFの安定性を評価するフィッティングシミュレーションを実行する。
【0114】
眼鏡フレームFの安定性を評価するフィッティングシミュレーションでは、フレーム側面Sと、フレーム前面FRとの部分に分けて安定性が評価される。本実施形態では、一例として、フレーム側面S、フレーム前面FRの順に安定性が評価される。
【0115】
まず、フレーム側面Sの安定性を評価するフィッティングシミュレーションについて説明する。
図16は、本実施形態に係るフレーム側面S5の一例を示す図である。
図16では、フレーム側面Sの一例として、フレーム画像RP5のフレーム側面S5が示されている。フレーム側面S5は、眼鏡装用者Uからみて眼鏡フレームFを左側の側面を示す。
【0116】
フレーム判定部115は、フレーム側面Sにおいて素材や密度が変わる箇所について重心、及び重量を算出する。一例として、フレーム判定部115は、ヒンジ部、テンプル部、及びモダン部それぞれについて重心、及び重量を算出する。
【0117】
図16では、フレーム側面S5のヒンジ部S5aについて、重心Ga、及び重量Waが算出される。ここで重心Gaはベクトル(Xa,Ya,Za)によって表される。また、フレーム側面S5のテンプル部S5bについて、重心Gb、及び重量Wbが算出される。ここで重心Gbはベクトル(Xb,Yb,Zb)によって表される。
【0118】
ここで
図17を参照し、重心の算出方法について説明する。
図17は、本実施形態に係る重心の算出方法の一例を示す図である。物体M内の1点である点rのまわりに体積dVの微小領域M1を考える。その点rのまわりの体密度をρ(r)とした場合、微小領域M1の質量はρ(r)dVで表せる。
重心は物体の中心且つその点で全体を支えることができる点であるため、重心座標r
Gは式(4)で表せる。
【0119】
【0120】
フレーム判定部115は、一例として、式(4)に基づいて、重心座標rGを重心として算出する。なお、重心は上述した方法以外の方法によって算出されてもよい。
【0121】
フレーム判定部115は、フレーム側面Sの部分毎に分けて重心、及び重量を算出する。フレーム判定部115は、算出したフレーム側面Sの部分の部分毎の重心、及び重量を合成して、フレーム側面S全体の重心、及び重量を算出する。
【0122】
フレーム判定部115は、フレーム側面S全体の重心が耳の接触面上に位置する場合、もしくはフレーム側面S全体の重心を通る鉛直方向(Z軸の負の向き)の直線が耳の接触面と交わる場合、眼鏡フレームFが安定していると判断する。
【0123】
次に
図18を参照し、接触面Aについて説明する。
図18は、本実施形態に係る側面からみた場合の接触面Aの一例を示す図である。
図18では、接触面Aの一例として、フレーム画像RP5のフレーム側面S5における接触面A5が示されている。
【0124】
接触面Aは、三次元空間における曲面の三次元画像である。接触面Aは、二次元の基準面においてフレーム側面Sをみて生成される。この基準面には、例えば、XY面、YZ面、及びZX面がある。
図18では、基準面としてYZ面が選択されている。
【0125】
フレーム側面Sは、基準面における一方向について、接触面Aに含めると判定される範囲と、接触面Aに含めないと判定される範囲とに分けられる。
図18では、Y方向について範囲S51、範囲S52、範囲S53、範囲S54、及び範囲S55が示されている。
【0126】
ここで、接触面Aに含めるか否かの判定において、許容範囲、及び無視範囲が設定されてよい。許容範囲が設定される場合、ある範囲の両側が、接触面Aに含めると判定される範囲に接している場合に、このある範囲が耳に接触していない場合であっても、ある範囲の長さが所定の長さ以下である場合には、接触面Aに含めると判定される。許容範囲とは、この判定において用いられる所定の長さである。つまり、許容範囲は、耳に接触している範囲同士の間に、耳に接触していない短い範囲があった場合に、耳に接触している範囲同士の間を補間する場合に用いられる長さである。
【0127】
耳に接触している範囲の間に接触していない範囲があり、且つ接触していない範囲の長さが許容範囲以下である場合は、スプライン等の線分にて補間して、耳に接触している範囲同士を繋げて1つの曲面を生成する。
【0128】
ここで接触開始位置SPは、耳に接触している範囲の境界のうち、接触面Aの判定の対象としている部分の両端のうちのいずれかの端に最も近い境界の位置である。
また、無視範囲が設定される場合、ある範囲が耳に接触している場合であっても、ある範囲の長さが、接触開始位置SPから所定の長さ以下である場合には、接触面Aに含めないと判定される。無視範囲とは、この判定において用いられる所定の長さである。
【0129】
許容範囲、及び無視範囲が設定されることによって、実際の装用状態において接触されるか否かについての評価の精度が高くなる。
図18では、許容範囲、及び無視範囲が設定される場合について説明する。なお、許容範囲、及び無視範囲が設定されずに、ある範囲が耳に接触している場合には接触面Aに含めると判定され、接触していない場合には接触面Aに含めないと判定されてもよい。
【0130】
範囲S51は、耳に接触しているが、長さが接触開始位置SP1からの無視範囲に入るため接触面Aに含めないと判定される。
範囲S52は、接触面Aに含めると判定される。範囲S52に対応して、接触面A52とされる。
範囲S53は、耳に接触していないが長さが許容範囲に入るため、接触面Aに含めると判定される。範囲S53は、一例として、範囲S52と範囲S54との間がスプライン等の線分によって補間された曲面である。範囲S53は、接触面A53とされる。
範囲S54は、接触面Aに含めると判定される。範囲S54は、接触面A54とされる。
範囲S55は、耳に接触しているが接触開始位置SP2からの無視範囲に入るため接触面Aに含めないと判定される。
【0131】
接触面A52、接触面A53、及び接触面A54が合わされて、曲面の三次元画像である接触面A5が形成される。
【0132】
図19は、本実施形態に係る底面からみた場合の接触面Aの一例を示す図である。
図19では、接触面Aの一例として、フレーム画像RP5のフレーム底面B5における接触面A5が示されている。
図19では、基準面としてZX面が選択されている。
範囲B51は、耳に接触しているが、長さが接触開始位置SP3からの無視範囲に入るため接触面Aに含めないと判定される。
範囲S52は、耳に接触していないが長さが許容範囲に入るため、接触面Aに含めると判定される。
範囲S53は、耳に接触していないが長さが許容範囲に入るため、接触面Aに含めると判定される。
範囲B54は、耳に接触しているが、長さが接触開始位置SP4からの無視範囲に入るため接触面Aに含めないと判定される。
【0133】
次に
図20を参照し、眼鏡フレームFが安定していないと判定される場合のシミュレーションについて説明する。
図20は、本実施形態に係る眼鏡フレームFが安定していないと判定される場合のシミュレーションの一例を示す図である。
図20では、フレーム側面Sの一例としてフレーム側面S5が示され、フレーム前面FRの一例としてフレーム前面FR5が示されている。
【0134】
安定していないと判断される場合、フレーム判定部115は、フレーム前面FR方向から少しずつフレーム側面Sの重心、及び重量の算出には含めない部分は増やしてゆく。フレーム側面Sの重心が耳の接触面A上に位置するか否か、もしくは重心を通る鉛直方向(Z軸の負の向き)の直線が耳の接触面Aと交わるか否かを確認する。
【0135】
フレーム判定部115は、フレーム側面Sの重心が耳の接触面A上に位置しないか、もしくは重心を通る鉛直方向(Z軸の負の向き)の直線が耳の接触面Aと交わらない場合は、表示部12に警告を表示させ、眼鏡装用者Uに眼鏡フレームFの設計の修正を促す。
一方、フレーム側面Sの重心が耳の接触面A上に位置するか、もしくは重心を通る鉛直方向(Z軸の負の向き)の直線が耳の接触面Aと交わる場合は、フレーム判定部115は、フレーム側面Sの重心、及び重量の算出に含めない部分は、フレーム前面FRの重心、及び重量の算出に含める。
【0136】
範囲C51は、フレーム前面FRの重心、及び重量の算出に含められる。
範囲C52は、フレーム側面Sの重心、及び重量の算出に含められる。
範囲C53は、耳に接触している範囲であり、接触面Aとなる。
【0137】
次に、フレーム前面FRの安定性を評価するフィッティングシミュレーションについて説明する。
図21は、本実施形態に係るフレーム前面FRの一例を示す図である。
図21では、フレーム前面FRの一例として、フレーム画像RP5のフレーム前面FR5が示されている。
【0138】
フレーム判定部115は、フレーム前面FRにおいて素材や密度が変わる箇所について重心、及び重量を算出する。一例として、フレーム判定部115は、ヨロイ部、玉型部、ワタリ部、ブリッジ部、クリングス部、パッド部、及びリム部それぞれについて重心、及び重量を算出する。また玉型部にはレンズも含めた重心、及び重量が算出されてもよい。
【0139】
フレーム判定部115は、フレーム前面FRの部分毎に分けて重心、及び重量を算出する。フレーム判定部115は、算出したフレーム前面FRの部分の部分毎の重心、及び重量を合成して、フレーム前面FR全体の重心、及び重量を算出する。ここでフレーム判定部115は、フレーム前面FR全体の重心、及び重量を算出する際に、フレーム側面Sにおけるシミュレーションにおいて、フレーム前面FRにおけるシミュレーションにおいて算出する部分として除いた部分を計算に含める。
【0140】
フレーム判定部115は、フレーム前面FR全体の重心が、両鼻パッドが鼻に接触する部分もしくはその間の部分に位置するか、もしくは重心を通る鉛直方向(Z軸の負の向き)の直線が、両鼻パッドが鼻に接触する部分の面もしくはその間の部分面と交わる場合、眼鏡フレームFが安定していると判定する。
【0141】
なお、フレーム前面FRについてのシミュレーションにおいても、フレーム側面Sについてのシミュレーションと同様に、接触面Aには許容領域、及び無視範囲が設定されてよい。許容範囲、及び無視範囲が設定されることによって、実際の装用状態において接触されるか否かについての評価の精度が高くなる。
【0142】
なお、本実施形態では、眼鏡フレームFの安定性のフィッティングシミュレーションにおいて、眼鏡フレームFが眼鏡装用者Uの頭部に正常に装用される場合の一例について説明したが、これに限らない。また、眼鏡フレームFが正常な状態からいずれかの方向に僅かにずれた場合や、眼鏡フレームFが正常な状態から傾いた場合について、シミュレーションによって眼鏡フレームFの安定性が評価されてもよい。
【0143】
(三次元画像編集及び発注処理)
眼鏡装用者Uがレンズ画像LPを予め所有していない、またはレンズ画像LPを所有していても簡易的な計算で厚み精度が悪い場合がある。そのような場合であっても、発注端末装置1を用いて発注を行うために最低限事前に準備しなければならないものは、処方、及び頭部画像HPを生成するために必要な眼鏡装用者Uの顔を含めた頭部を360度カバーする二次元頭部画像である。二次元頭部画像は、一例として、デジタルカメラで撮像することによって作成される。
【0144】
眼鏡装用者Uは、発注端末装置1に表示される発注画面から処方情報PI、及び二次元頭部画像を入力する。発注端末装置1は、入力された処方情報PI、及び二次元頭部画像を、メーカー側のサーバーである光学設計計算サーバー3へ送信する。発注端末装置1は、処方情報PI、及び二次元頭部画像とともに、所望するレンズのレンズ設計情報DIやフレーム画像RPを合わせて送信してよい。発注端末装置1は、処方情報PI、及び二次元頭部画像とは別に、レンズ設計情報DIを送信してもよい。
【0145】
光学設計計算サーバー3は、受信した二次元頭部画像、レンズ設計情報DI、処方情報PI、フレーム画像RPに基づいて、物体側の面形状、眼球側の面形状、及び厚み等のレンズの形状をレンズ設計計算にて算出し、レンズ画像LPを生成する。ここで、光学設計計算サーバー3は、レンズ画像LPに加えて上述した等高線データを算出してよい。ここでレンズの形状は三次元画像として算出される。
【0146】
上述したように、レンズ画像LPは、眼鏡装用者Uの処方情報、眼鏡レンズLの設計情報、及びフレーム画像RPのいずれか1つ以上に基づいて生成された画像である。
【0147】
また発注端末装置1は、レイアウトマーク画像MPが格納されているデータベースより、レンズの情報が示すレンズに該当するレイアウトマークのレイアウトマーク画像MPを取得する。
【0148】
三次元画像編集において用いられる三次元画像は発注端末装置1に送信される。発注端末装置1は、三次元画像を受信すると、三次元画像編集画面を表示部12に表示させる。三次元画像編集画面では、指定された、三次元画像が表示され、眼鏡装用者Uがフレーム画像RPを編集することによって、フレーム形状を編集できるように待機する。
【0149】
なお、三次元画像はサーバーにおいて管理され、発注端末装置1において表示される三次元画像が発注端末装置1に送信されてもよい。この場合、発注端末装置1の操作部13が受け付ける編集の操作を示す情報が発注端末装置1からサーバーに送信され、三次元画像編集の処理はサーバー側で実行されてもよい。
三次元画像編集の処理がサーバー側で実行される場合の方が、三次元画像編集において用いられる三次元画像を発注端末装置1に送信されて三次元画像編集の処理が発注端末装置1側で実行される場合に比べて、ネットワークを使用したデータ送受信量が少なく場合がある。
【0150】
発注端末装置1は、三次元画像編集が完了し、フィッティングシミュレーションの結果で安定性に問題ないと判定すると、発注可能であることを示すメッセージを表示部12に表示させる。
【0151】
以下、本実施形態に係る各種の処理の流れについて説明する。
(頭部画像取得処理)
図22は、本実施形態に係る頭部画像取得処理の一例を示す図である。
ステップS10:顔画像取得部102は、頭部画像HPを頭部データベース20から取得するか否かを判定する。顔画像取得部102は、一例として、頭部データベース20から頭部画像HPを取得する操作を操作部13が受け付けた場合に、頭部画像HPを頭部データベース20から取得すると判定する。
【0152】
顔画像取得部102が頭部画像HPを頭部データベース20から取得すると判定する場合(ステップS10;YES)、発注端末装置1は、ステップS20の処理を実行する。一方、発注端末装置1は、顔画像取得部102が頭部画像HPを頭部データベース20から取得しないと判定する場合(ステップS10;NO)、ステップS80の処理を実行する。
【0153】
ステップS20:撮像部14は、眼鏡装用者Uの顔を含めた頭部を360度カバーする二次元頭部画像を複数撮像する。撮像部14は、撮像した二次元頭部画像を顔画像生成部106に供給する。
【0154】
ステップS30:顔画像生成部106は、撮像部14から供給される二次元頭部画像から三次元の頭部画像HPを生成する。ここで顔画像生成部106は、三次元描画によって三次元の頭部画像HPを生成する。
【0155】
ステップS40:顔画像取得部102は、顔画像生成部106が生成した頭部画像HPを取得する。
【0156】
ステップS50:顔画像取得部102は、頭部データベース20に頭部画像HPを保存するか否かを判定する。顔画像取得部102は、一例として、頭部データベース20に頭部画像HPを保存する操作を操作部13が受け付けた場合、頭部データベース20に頭部画像HPを保存すると判定する。
【0157】
顔画像取得部102は、頭部データベース20に頭部画像HPを保存すると判定する場合(ステップS50;YES)、ステップS60の処理を実行する。一方、顔画像取得部102が頭部データベース20に頭部画像HPを保存しないと判定する場合(ステップS50;NO)、発注端末装置1は頭部画像取得処理を終了する。
【0158】
ステップS60:顔画像取得部102は、頭部データベース20へのアクセスを開始する。ここで顔画像取得部102は、通信部15に発注端末装置1と頭部データベース20とを通信可能な状態にさせる。
【0159】
ステップS70:顔画像取得部102は、取得した頭部画像HPを頭部データベース20に保存する。ここで顔画像取得部102は、送信部17に頭部画像HPを頭部データベース20へ送信させて、頭部画像HPを頭部データベース20に保存する。
【0160】
ステップS80:顔画像取得部102は、頭部データベース20へのアクセスを開始する。ここで顔画像取得部102は、通信部15に発注端末装置1と頭部データベース20とを通信可能な状態にさせる。
【0161】
ステップS90:顔画像取得部102は、頭部データベース20から頭部画像HPを取得する。ここで顔画像取得部102は、受信部16に頭部画像HPを頭部データベース20から受信させて、頭部データベース20から頭部画像HPを取得する。
その後、発注端末装置1は頭部画像取得処理を終了する。
【0162】
(フレーム画像設計処理)
図23は、本実施形態に係るフレーム画像設計処理の一例を示す図である。
図23に示すフレーム画像設計処理は、発注端末装置1が、電源がオンになり起動した場合に開始される。
【0163】
ステップS110:顔画像取得部102は、頭部画像取得処理を実行する。頭部画像取得処理の詳細は、
図22において説明したのと同様であるため省略する。
【0164】
ステップS120:フレーム画像取得部103は、フレームデータベース21へのアクセスを開始する。ここでフレーム画像取得部103は、通信部15に発注端末装置1とフレームデータベース21とを通信可能な状態にさせる。
【0165】
ステップS130:フレーム画像取得部103は、フレームデータベース21からフレームテンプレート、パーツ、アクセサリ、及び素材を選択し、フレームテンプレート画像RT、パーツ画像PP、アクセサリ画像ACP、及び素材情報MIを取得する。
ここでフレーム画像取得部103は、選択操作受付部105が操作部13を介して受け付けたフレームテンプレート、パーツ、アクセサリ、及び素材を選択する操作に基づいて、フレームテンプレート、パーツ、アクセサリ、及び素材を選択する。フレーム画像取得部103は、受信部16にフレームテンプレート画像RT、パーツ画像PP、アクセサリ画像ACP、及び素材情報MIをフレームデータベース21から受信させて、フレームデータベース21からフレームテンプレート画像RT、パーツ画像PP、アクセサリ画像ACP、及び素材情報MIを取得する。
【0166】
ステップS140:フレーム設計部107は、フレーム画像RPにおいて、フレームテンプレート画像RT、パーツ画像PP、アクセサリ画像ACP、及び素材情報MIを編集することによって、眼鏡フレームFを設計する。ここでフレーム設計部107は、フレーム変更部108にフレームテンプレート画像RT、パーツ画像PP、アクセサリ画像ACP、及び素材情報MIを編集させる。
【0167】
ステップS150:フレーム設計部107は、フレーム設計が完了したか否かを判定する。ここで眼鏡装用者Uは、表示部12に表示される枠入れ装用画像Wを確認し、眼鏡フレームFあるいは眼鏡レンズLの良否を判定する。眼鏡装用者Uは、良否の判定結果を示す評価を操作部13から入力する。評価操作受付部113は、操作部13を介して枠入れ装用画像Wについての評価を示す操作を受け付ける。
【0168】
フレーム設計部107は、評価操作受付部113が受け付けた操作が示す評価が「良」である場合、フレーム設計が完了したと判定する。一方、フレーム設計部107は、評価操作受付部113が受け付けた操作が示す評価が「否」である場合、フレーム設計が完了していないと判定する。
【0169】
フレーム設計部107は、フレーム設計が完了したと判定する場合(ステップS150;YES)、発注端末装置1は、ステップS160の処理を実行する。一方、フレーム設計部107は、フレーム設計が完了していないと判定する場合(ステップS150;YES)、フレーム画像取得部103はステップS130の処理を再度実行する。
【0170】
ステップS160:フレーム設計部107は、フィッティングシミュレーションを実行するか否かを判定する。ここでフレーム設計部107は、眼鏡フレームFの安定性を評価するフィッティングシミュレーションを実行する操作を選択操作受付部105が受け付けた場合に、フィッティングシミュレーションを実行すると判定する。
【0171】
フレーム設計部107がフィッティングシミュレーションを実行すると判定する場合(ステップS160;YES)、フレーム判定部115はステップS1100の処理を実行する。一方、フレーム設計部107は、フィッティングシミュレーションを実行しないと判定する場合(ステップS160;NO)、ステップS170の処理を実行する。
【0172】
ステップS170:フレーム設計部107は、設計した眼鏡フレームFの三次元画像であるフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存するか否かを判定する。ここでフレーム設計部107は、フレーム画像RPをフレームデータベース21に保存する操作を操作部13が受け付けた場合にフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存すると判定する。
【0173】
フレーム設計部107は、フレーム画像RPをフレームデータベース21に保存すると判定する場合(ステップS170;YES)、ステップS180の処理を実行する。一方、フレーム設計部107は、フレーム画像RPをフレームデータベース21に保存しないと判定する場合(ステップS170;NO)、フレーム画像設計処理を終了する。
【0174】
ステップS180:フレーム設計部107は、フレームデータベース21へのアクセスを開始する。ここでフレーム設計部107は、通信部15に発注端末装置1とフレームデータベース21とを通信可能な状態にさせる。
【0175】
ステップS190:フレーム設計部107は、設計した眼鏡フレームFの三次元画像であるフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存する。ここでフレーム設計部107は、フレーム画像RPを送信部17にフレームデータベース21に送信させて、フレーム画像RPをフレームデータベース21に保存する。
その後、フレーム設計部107はフレーム画像設計処理を終了する。
【0176】
ステップS1100:フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFについて、頭部接触、安定性に問題はないか否かを判定する。ここでフレーム判定部115は、フィッティングシミュレーションを実行することによって眼鏡フレームFについて、頭部接触、安定性に問題はないか否かを判定する。
【0177】
フレーム判定部115は、頭部接触、安定性に問題はないと判定する場合(ステップS1100;YES)、ステップS170の処理を実行する。一方、フレーム判定部115は、頭部接触、安定性に問題があると判定する場合(ステップS1100;NO)、ステップS140の処理を再度実行する。
【0178】
(光学設計計算処理)
図24は、本実施形態に係る光学設計計算処理の一例を示す図である。
図24に示す光学設計計算処理は、フレーム設計部107によって光学設計計算処理が実行されて開始される。
【0179】
ステップS200:顔画像取得部102は、頭部画像取得処理を実行する。頭部画像取得処理の詳細は、
図22において説明したのと同様であるため省略する。
【0180】
ステップS210:フレーム設計部107は、眼鏡フレームFを設計中、もしくは設計済みフレーム画像DRPを取得したか否かを判定する。フレーム設計部107は、眼鏡フレームFを設計中、もしくは設計済みフレーム画像DRPを取得したと判定する場合(ステップS210;YES)、ステップS220の処理を実行する。一方、フレーム設計部107は、眼鏡フレームFを設計中でない、もしくは設計済みフレーム画像DRPを取得していないと判定する場合(ステップS210;NO)、ステップS280の処理を実行する。
【0181】
ステップS220:レンズ画像取得部104は、フレーム設計部107が設計に用いる眼鏡レンズLが新規か否かを判定する。ここでレンズ画像取得部104は、設計に用いる眼鏡レンズLが新規であることを示す操作を操作部13が受け付けた場合、設計に用いる眼鏡レンズLが新規であると判定する。
【0182】
レンズ画像取得部104は、フレーム設計部107が設計に用いる眼鏡レンズLが新規であると判定する場合(ステップS220;YES)、ステップS230の処理を実行する。一方、レンズ画像取得部104は、フレーム設計部107が設計に用いる眼鏡レンズLが新規でないと判定する場合(ステップS220;NO)、ステップS2100の処理を実行する。
【0183】
ステップS230:レンズ画像取得部104は、レンズデータベース22へのアクセスを開始する。ここでレンズ画像取得部104は、通信部15に発注端末装置1とレンズデータベース22とを通信可能な状態にさせる。
【0184】
ステップS240:レンズ画像取得部104は、レンズデータベース22から眼鏡レンズLを選択する。レンズ画像取得部104は、選択した眼鏡レンズLに対応するレンズ設計情報DIを取得する。ここでレンズ画像取得部104は、選択操作受付部105が操作部13を介して受け付けた眼鏡レンズLを選択する操作に基づいて眼鏡レンズLを選択する。ここで眼鏡レンズLを選択する操作は、一例として、製品名称、単焦点レンズ/二重焦点レンズ/累進レンズの種別、インセット情報、累進帯長情報、加入度曲線情報、加入度比率情報、及び主子午線の位置情報などをそれぞれ選択する操作である。
レンズ画像取得部104は、受信部16にレンズ設計情報DIをレンズデータベース22から受信させて、レンズデータベース22からレンズ設計情報DIを取得する。
【0185】
ステップS250:レンズ画像取得部104は、レンズ情報LIが入力済みであるか否かを判定する。レンズ画像取得部104が、レンズ情報LIが入力済みであると判定する場合(ステップS250;YES)、発注端末装置1は、ステップS260の処理を実行する。一方、レンズ画像取得部104は、レンズ情報LIが入力済みでないと判定する場合(ステップS250;NO)、ステップS2120の処理を実行する。
【0186】
ステップS260:フレーム設計部107は、フレーム画像RP、及びレンズ情報LIを光学設計計算サーバー3に送信する。ここでフレーム設計部107は、送信部17にフレーム画像RP、及びレンズ情報LIを光学設計計算サーバー3に送信させる。
【0187】
ステップS270:レンズ画像取得部104は、設計済み丸形状レンズ画像DRLを光学設計計算サーバー3から受信する。ここでレンズ画像取得部104は、受信部16に設計済み丸形状レンズ画像DRLを光学設計計算サーバー3から受信させる。
なお、ステップS2110においてレンズ画像取得部104がレイアウトマークを選択している場合、レンズ画像取得部104は、設計済み丸形状レンズ画像DRLに加えて、レイアウトマーク画像MPを光学設計計算サーバー3から受信する。
【0188】
ステップS275:レンズ画像編集部110は、光学設計計算サーバー3によって設計された設計済み丸形状レンズ画像DRLに基づいて、玉型形状のレンズの画像である設計済みレンズ画像DLPを生成する。
その後、フレーム設計部107は、光学設計計算処理を終了する。
【0189】
ここでレンズ画像編集部110は、以下に説明するように、設計済みフレーム画像DRPと、設計済み丸形状レンズ画像DRLとの合成によって玉型形状のレンズの画像を生成する。
レンズ画像編集部110は、レンズ設計情報DI、フィッティングパラメータFT、及びフレーム情報に基づいて、設計済み丸形状レンズ画像DRLの設計済みフレーム画像DRPに対する位置合わせを行う。ここでフレーム情報は、設計済みフレーム画像DRPから抽出されるフレーム中心間距離などを示す情報である。レンズ画像編集部110は、位置合わせを行った後、設計済み丸形状レンズ画像DRLの部分のうち、設計済みフレーム画像DRPが示す眼鏡フレームFの内径に含まれる部分以外の部分を消去する画像処理を行う。レンズ画像編集部110は、この画像処理によって残った部分を、玉型形状のレンズの画像である設計済みレンズ画像DLPとする。
【0190】
レンズ画像編集部110が、設計済みレンズ画像DLPを生成する処理は、上述した処理に限らない。レンズ画像編集部110は、まず、上述した位置合わせと同様にして、設計済み丸形状レンズ画像DRLの設計済みフレーム画像DRPに対する位置合わせを行う。次に、レンズ画像編集部110は、設計済みフレーム画像DRPが示す眼鏡フレームFの枠内に3次元の座標を設定し、フレームの内径の3次元の形状を示す3次元情報を求める。この3次元情報は、設定された3次元の座標(r,θ,z)によって示される。レンズ画像編集部110は、この3次元情報に基づき、設計済み丸形状レンズ画像DRLを加工し、玉型形状のレンズの画像である設計済みレンズ画像DLPを生成する。
【0191】
ステップS280:フレーム画像取得部103は、フレームデータベース21へのアクセスを開始する。ここでフレーム画像取得部103は、通信部15に発注端末装置1とフレームデータベース21とを通信可能な状態にさせる。
【0192】
ステップS290:フレーム画像取得部103は、設計済みの眼鏡フレームFを選択し、フレームデータベース21から設計済みフレーム画像DRPを取得する。
ここでフレーム画像取得部103は、選択操作受付部105が操作部13を介して受け付けた設計済みの眼鏡フレームFを選択する操作に基づいて、眼鏡フレームFを選択する。フレーム画像取得部103は、受信部16に設計済みフレーム画像DRPをフレームデータベース21から受信させて、設計済みフレーム画像DRPを取得する。
その後、レンズ画像取得部104は、ステップS220の処理を実行する。
【0193】
ステップS2100:レンズ画像取得部104は、レンズデータベース22へのアクセスを開始する。ここでレンズ画像取得部104は、通信部15に発注端末装置1とレンズデータベース22とを通信可能な状態にさせる。
【0194】
ステップS2110:レンズ画像取得部104は、設計済みの眼鏡レンズLを選択し、レンズデータベース22から設計済みレンズ画像DLPを取得する。レンズ画像取得部104は、設計済みの眼鏡レンズLに加えて、レイアウトマークを選択してもよい。レンズ画像取得部104がレイアウトマークを選択する場合、レンズ画像取得部104は、レンズデータベース22から設計済みレンズ画像DLPに加えて、レイアウトマーク画像MPを取得する。
その後、レンズ画像取得部104は、ステップS250の処理を実行する。
【0195】
ここでレンズ画像取得部104は、選択操作受付部105が操作部13を介して受け付けた設計済みレンズ画像DLPを選択する操作に基づいて、設計済みの眼鏡レンズLを選択する。レンズ画像取得部104は、受信部16に設計済みレンズ画像DLPをレンズデータベース22から受信させて、設計済みレンズ画像DLPを取得する。
レンズ画像取得部104は、取得した設計済みレンズ画像DLP、及びレイアウトマーク画像MPをフレーム設計部107に供給する。
【0196】
ステップS2120:操作部13は、レンズ情報LIを入力する操作を受け付ける。レンズ画像取得部104は、操作部13を介してレンズ情報LIを取得し、取得したレンズ情報LIをフレーム設計部107に供給する。
その後、フレーム設計部107は、ステップS260の処理を実行する。
【0197】
(フレーム画像確認処理)
図25は、本実施形態に係るフレーム画像確認処理の一例を示す図である。なお、ステップS310、ステップS380、ステップS390、ステップS3100、及びステップS3110の各処理は、
図24のステップS210、ステップS280、ステップS290、ステップS2100、及びステップS2110の各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0198】
ステップS320:フレーム設計部107は、眼鏡レンズLを設計中、もしくは設計済みレンズ画像DLPを取得したか否かを判定する。フレーム設計部107は、眼鏡レンズLを設計中、もしくは設計済みレンズ画像DLPを取得したと判定する場合(ステップS320;YES)、ステップS330の処理を実行する。一方、フレーム設計部107は、眼鏡レンズLを設計中でない、もしくは設計済みレンズ画像DLPを取得していないと判定する場合(ステップS320;NO)、ステップS3100の処理を実行する。
【0199】
ステップS330:レンズ判定部116は、光学設計及び計算でエラーがないか否かを判定する。ここでレンズ判定部116は、光学設計計算サーバー3の光学設計及び計算の結果に基づいて光学設計及び計算でエラーがないか否かを判定する。
レンズ判定部116が光学設計及び計算でエラーがないと判定する場合(ステップS3330;YES)、フレーム判定部115はステップS340の処理を実行する。一方、レンズ判定部116は、光学設計及び計算でエラーがあると判定する場合(ステップS330;NO)、ステップS3120の処理を実行する。
【0200】
ステップS340:フレーム判定部115は、レイアウトに必要な範囲、及び眼鏡レンズLの性能に必要な範囲が眼鏡フレームF内に収まっているか否かを判定する。ここでフレーム判定部115は、一例として、頭部画像HP、フレーム画像RP、レンズ画像LP、レイアウトマーク画像MP、レンズ性能領域画像APに基づいて判定を行う。
【0201】
フレーム判定部115は、レイアウトに必要な範囲、及び眼鏡レンズLの性能に必要な範囲が眼鏡フレームF内に収まっていると判定する場合(ステップS340;YES)、ステップS350の処理を実行する。一方、フレーム判定部115は、レイアウトに必要な範囲、及び眼鏡レンズLの性能に必要な範囲が眼鏡フレームF内に収まっていないと判定する場合(ステップS340;NO)、ステップS3130の処理を実行する。
【0202】
ステップS350:フレーム判定部115は、眼鏡フレームFの厚み、及び縁厚バランスに異常がないか否かを判定する。ここでフレーム判定部115は、フレーム画像RPに基づいて判定を行う。
フレーム判定部115は、眼鏡フレームFの厚み、及び縁厚バランスに異常がないと判定する場合(ステップS350;YES)、ステップS360の処理を実行する。一方、フレーム判定部115は、眼鏡フレームFの厚み、及び縁厚バランスに異常があると判定する場合(ステップS350;NO)、ステップS3140の処理を実行する。
【0203】
ステップS360:フレーム判定部115は、フレーム枠入れに異常がないか否かを判定する。ここでフレーム判定部115は、フレーム画像RP、及びレンズ画像LPに基づいて、眼鏡レンズLが眼鏡フレームFに枠入れできると判定する場合、フレーム枠入れに異常がないと判定する。
【0204】
フレーム判定部115は、フレーム枠入れに異常がないと判定する場合(ステップS360;YES)、ステップS370の処理を実行する。一方、フレーム判定部115は、フレーム枠入れに異常があると判定する場合(ステップS360;NO)、ステップS3150の処理を実行する。
【0205】
ステップS370:フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常がないか否かを判定する。ここでフレーム判定部115は、記憶部18から異常情報EIを読み出し、読み出した異常情報EIに異常が示されている場合、異常があると判定する。
フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常があると判定する場合(ステップS370;YES)、フレーム画像確認処理を終了する。一方、フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常がないと判定する場合(ステップS370;NO)、ステップS3160の処理を実行する。
【0206】
ステップS3120:レンズ判定部116は、光学設計及び計算でエラーがあることを示す異常情報EIを記憶部18に保存する。その後、フレーム判定部115は、ステップS340の処理を実行する。
【0207】
ステップS3130:フレーム判定部115は、レイアウトに必要な範囲、及び眼鏡レンズLの性能に必要な範囲が眼鏡フレームF内に収まっていないことを示す異常情報EIを記憶部18に保存する。その後、フレーム判定部115は、ステップS350の処理を実行する。
【0208】
ここで眼鏡レンズLの性能に必要な範囲とは、一例として、遠用明視領域、遠用明視領域中心円、近用明視領域、近用明視領域中心円のうち少なくとも1つ以上である。これらの眼鏡レンズLの性能に必要な範囲は、レンズメーカーから供給されるか、もしくは光学設計計算サーバー3から眼鏡レンズLの設計結果として供給される。
【0209】
なお、上述した
図25のフレーム画像確認処理において、ステップS330、ステップS340、ステップS350、ステップS360、及びステップS370の各処理はそれぞれ省略されてもよい。これらの各処理が省略されるか否かは、
図25のフレーム画像確認処理が開始される前に、眼鏡装用者Uによって予め設定されてよい。
眼鏡装用者Uは、例えば、枠入れ装用画像Wを確認した後、ステップS330、ステップS340、ステップS350、ステップS360、及びステップS370の各処理のうち、眼鏡フレームF及び眼鏡レンズLの安定性の評価に必要な処理を選択する。眼鏡装用者Uによって選択された安定性の評価に必要な処理が実行されるように設定してよい。
【0210】
ここで
図26及び
図27を参照し、眼鏡レンズLの性能に必要な範囲について説明する。
図26は、本実施形態に係る眼鏡レンズLの性能に必要な範囲の一例を示す図である。
図26では、丸形状レンズ画像RLP5において、眼鏡レンズLの性能に必要な範囲の一例として、遠用明視領域R51、遠用明視領域中心円CR51、近用明視領域R52、及び近用明視領域中心円CR52が示されている。
【0211】
また、
図26では、丸形状レンズ画像RLP5において、眼鏡フレームFの形状を示すフレーム領域R53が示されている。眼鏡レンズLの性能に必要な範囲が、眼鏡フレームF内に収まっているとは、眼鏡レンズLの性能に必要な範囲がフレーム領域に含まれていることである。
【0212】
明視領域については、十分に眼鏡フレーム内に収まっている方が好ましい。また、明視領域中心円については、眼鏡フレーム内に収まっていなければレンズメーカーとしてはレンズの性能が十分に保障できないと言える。
【0213】
丸形状レンズ画像RLP5では、遠用明視領域中心円CR51は、フレーム領域R53内に収まっており、遠用明視領域R51は、十分にフレーム領域R53内に収まっている。一方、丸形状レンズ画像RLP5では、近用明視領域中心円CR52は、フレーム領域R53内に収まっていない。丸形状レンズ画像RLP5では、近用明視領域R52は一部しかフレーム領域R53に含まれておらず、つまり近用明視領域R52は十分にフレーム領域R53内に収まっていない。
したがって、
図26のフレーム領域R53が示すフレームでは、遠用部の性能は確保できているが、近用部の性能が確保できていない。
【0214】
図27は、本実施形態に係る眼鏡レンズLの性能に必要な範囲の一例を示す図である。
図27では、丸形状レンズ画像RLP6において、眼鏡レンズLの性能に必要な範囲の一例として、遠用明視領域R61、遠用明視領域中心円CR61、近用明視領域R62、及び近用明視領域中心円CR62が示されている。
【0215】
丸形状レンズ画像RLP6では、遠用明視領域中心円CR61は、フレーム領域R63内に収まっており、遠用明視領域R61は、十分にフレーム領域R63内に収まっている。近用明視領域中心円CR62は、フレーム領域R63内に収まっており、近用明視領域R62は、十分にフレーム領域R63内に収まっている。
したがって、
図27のフレーム領域R63が示すフレームでは、遠用部及び近用部の性能がともに確保できている。
【0216】
図25に戻ってフレーム画像確認処理の説明を続ける。
ステップS3140:フレーム判定部115は、眼鏡フレームFの厚み、及び縁厚バランスに異常があることを示す異常情報EIを記憶部18に保存する。その後、フレーム判定部115は、ステップS360の処理を実行する。
【0217】
ステップS3150:フレーム判定部115は、フレーム枠入れに異常があることを示す異常情報EIを記憶部18に保存する。その後、フレーム判定部115は、ステップS370の処理を実行する。
【0218】
ステップS3160:フレーム判定部115は、異常情報EIを表示部12に表示させる。表示部12は、異常情報EIに応じて、異常の内容を示すテキストを表示する。
【0219】
(フレーム画像再設計処理)
図28は、本実施形態に係るフレーム画像再設計処理の一例を示す図である。
ステップS400:顔画像取得部102は、頭部画像取得処理を実行する。頭部画像取得処理の詳細は、
図22において説明したのと同様であるため省略する。
【0220】
ステップS410:画像取得部101は、フレーム画像取得処理、及びレンズ画像取得処理を実行する。フレーム画像取得処理は、
図24のステップS210、ステップS280、及びステップS290の一連の処理と同様である。レンズ画像取得処理は、
図25のステップS320、ステップS3100、及びステップS3110の一連の処理と同様である。
【0221】
ステップS420:フレーム設計部107は、フレーム画像RPにおいて、フレームテンプレート画像RT、パーツ画像PP、アクセサリ画像ACP、及び素材情報MIを編集する。
【0222】
ステップS430:フレーム判定部115は、フィッティングシミュレーションを実行する。
【0223】
ステップS440:フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFについて、頭部接触、安定性に問題はないか否かを判定する。ここでフレーム判定部115は、ステップS430のフィッティングシミュレーションの結果に基づいて判定を行う。
【0224】
フレーム判定部115は、頭部接触、安定性に問題はないと判定する場合(ステップS440;YES)、ステップS450の処理を実行する。一方、フレーム判定部115は、頭部接触、安定性に問題があると判定する場合(ステップS440;NO)、ステップS420の処理を再度実行する。
【0225】
ステップS450:レンズ判定部116は、光学設計及び計算を再実行するか否かを判定する。
レンズ判定部116が、光学設計及び計算を再実行すると判定する場合(ステップS450;YES)、フレーム判定部115はステップS4110の処理を実行する。一方、レンズ判定部116が、光学設計及び計算を再実行しないと判定する場合(ステップS450;NO)、フレーム設計部107はステップS460の処理を実行する。
【0226】
ステップS460:フレーム設計部107は、フレーム画像確認処理を実行する。フレーム画像確認処理の詳細は、
図25において説明したのと同様であるため省略する。
【0227】
ステップS470:フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常があるか否かを判定する。ここでフレーム判定部115は、記憶部18から異常情報EIを読み出し、読み出した異常情報EIに異常が示されている場合、異常があると判定する。
【0228】
フレーム判定部115が、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常があると判定する場合(ステップS470;YES)、フレーム設計部107はステップS420の処理を再度実行する。一方、フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常がないと判定する場合(ステップS440;NO)、フレーム設計部107はステップS480の処理を実行する。
【0229】
ステップS480:フレーム設計部107は、編集した眼鏡フレームFの三次元画像であるフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存するか否かを判定する。ここでフレーム設計部107は、編集したフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存する操作を操作部13が受け付けた場合にフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存すると判定する。
【0230】
フレーム設計部107は、編集したフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存すると判定する場合(ステップS480;YES)、ステップS490の処理を実行する。一方、フレーム設計部107は、編集したフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存しないと判定する場合(ステップS480;NO)、フレーム画像再設計処理を終了する。
【0231】
ステップS490:フレーム設計部107は、フレームデータベース21へのアクセスを開始する。ここでフレーム設計部107は、通信部15に発注端末装置1とフレームデータベース21とを通信可能な状態にさせる。
【0232】
ステップS4100:フレーム設計部107は、編集した眼鏡フレームFの三次元画像であるフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存する。ここでフレーム設計部107は、編集したフレーム画像RPを送信部17にフレームデータベース21に送信させて、編集したフレーム画像RPをフレームデータベース21に保存する。
その後、フレーム設計部107はフレーム画像再設計処理を終了する。
【0233】
ステップS4110:フレーム設計部107は、光学設計計算処理を再度実行する。光学設計計算処理の詳細は、
図24において説明したのと同様であるため省略する。
【0234】
(レンズ画像設計処理)
図29は、本実施形態に係るレンズ画像設計処理の一例を示す図である。
図29に示すレンズ画像設計処理は、発注端末装置1が、電源がオンになり起動した場合に開始される。
【0235】
ステップS500:フレーム設計部107は、光学設計計算処理を実行する。光学設計計算処理の詳細は、
図24において説明したのと同様であるため省略する。
【0236】
ステップS510:フレーム設計部107は、フレーム画像確認処理を実行する。フレーム画像確認処理の詳細は、
図25において説明したのと同様であるため省略する。
【0237】
ステップS520:フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常があるか否かを判定する。ここでフレーム判定部115は、記憶部18から異常情報EIを読み出し、読み出した異常情報EIに異常が示されている場合、異常があると判定する。
【0238】
フレーム判定部115が、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常があると判定する場合(ステップS520;YES)、フレーム設計部107はステップS560の処理を再度実行する。一方、フレーム判定部115は、フレーム設計部107が設計した眼鏡フレームFに異常がないと判定する場合(ステップS520;NO)、フレーム設計部107はステップS530の処理を実行する。
【0239】
ステップS530:フレーム設計部107は、設計したレンズ画像LPをレンズデータベース22に保存するか否かを判定する。ここでフレーム設計部107は、レンズ画像LPをレンズデータベース22に保存する操作を操作部13が受け付けた場合にレンズ画像LPをレンズデータベース22に保存すると判定する。
【0240】
フレーム設計部107は、レンズ画像LPをレンズデータベース22に保存すると判定する場合(ステップS530;YES)、ステップS540の処理を実行する。一方、フレーム設計部107は、レンズ画像LPをレンズデータベース22に保存しないと判定する場合(ステップS530;NO)、レンズ画像設計処理を終了する。
【0241】
ステップS540:フレーム設計部107は、レンズデータベース22へのアクセスを開始する。ここでフレーム設計部107は、通信部15に発注端末装置1とレンズデータベース22とを通信可能な状態にさせる。
【0242】
ステップS550:フレーム設計部107は、設計したレンズ画像LP、及びレイアウトマーク画像MPをレンズデータベース22に保存する。ここでフレーム設計部107は、レンズ画像LP、及びレイアウトマーク画像MPを送信部17にレンズデータベース22に送信させて、レンズ画像LP、及びレイアウトマーク画像MPをレンズデータベース22に保存する。
その後、フレーム設計部107は、レンズ画像設計処理を終了する。
【0243】
ステップS560:フレーム設計部107は、フレーム画像RPを再設計するか否かを判定する。ここでフレーム設計部107は、フレーム画像RPを再設計することを示す操作を操作部13が受け付けた場合に、フレーム画像RPを再設計すると判定する。
【0244】
フレーム設計部107は、フレーム画像RPを再設計すると判定する場合(ステップS560;YES)、ステップS570の処理を実行する。一方、フレーム設計部107は、フレーム画像RPを再設計しないと判定する場合(ステップS560;NO)、ステップS580の処理を実行する。
【0245】
ステップS570:フレーム設計部107は、フレーム画像再設計処理を実行する。フレーム画像再設計処理の詳細は、
図28において説明したのと同様であるため省略する。
【0246】
ステップS580:フレーム設計部107は、眼鏡レンズLを再選択するか否かを判定する。ここでフレーム設計部107は、眼鏡レンズLを再選択することを示す操作を操作部13が受け付けた場合に、眼鏡レンズLを再選択すると判定する。
フレーム設計部107は、眼鏡レンズLを再選択すると判定する場合(ステップS580;YES)、ステップS500の処理を再度実行する。一方、フレーム設計部107は、眼鏡レンズLを再選択しないと判定する場合(ステップS580;NO)、ステップS530の処理を実行する。
【0247】
(眼鏡フレーム発注処理)
図30は、本実施形態に係る眼鏡フレーム発注処理の一例を示す図である。
図30に示す眼鏡フレーム発注処理は、発注端末装置1が、電源がオンになり起動した場合に開始される。
【0248】
ステップS600:発注部11は、眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLも発注するか否かを判定する。発注部11は、眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLも発注することを示す操作を操作部13が受け付けた場合、眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLも発注すると判定する。
【0249】
発注部11が、眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLも発注すると判定する場合(ステップS600;YES)、レンズ画像取得部104は、ステップS640の処理を実行する。一方、発注部11が眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLも発注しないと判定する場合(ステップS600;NO)、フレーム画像取得部103は、ステップS610の処理を実行する。
【0250】
ステップS610:フレーム画像取得部103は、フレームデータベース21へのアクセスを開始する。ここでフレーム画像取得部103は、通信部15に発注端末装置1とフレームデータベース21とを通信可能な状態にさせる。
【0251】
ステップS620:フレーム画像取得部103は、フレームデータベース21から発注対象である設計済みフレーム画像DRPを取得する。ここでフレーム画像取得部103は、受信部16に設計済みフレーム画像DRPをフレームデータベース21から受信させて、フレームデータベース21から設計済みフレーム画像DRPを取得する。フレーム画像取得部103は、取得した設計済みフレーム画像DRPを発注部11に供給する。
【0252】
ステップS630:発注部11は、フレーム画像取得部103が取得した設計済みフレーム画像DRPを、発注対象のフレーム画像RPとして発注サーバー4に送信する。また、発注部11は、ステップS600において眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLも発注すると判定した場合、設計済みフレーム画像DRPに加えて、レンズ画像取得部104が取得した設計済みレンズ画像DLPを、発注対象のレンズ画像LPとして発注サーバー4に送信する。
その後、発注部11は、眼鏡フレーム発注処理を終了する。
【0253】
ここで発注部11は、発注対象のフレーム画像RPを、送信部17に送信させる。つまり、送信部17は、フレーム画像RPを送信する。
【0254】
ステップS640:レンズ画像取得部104は、レンズデータベース22へのアクセスを開始する。ここでレンズ画像取得部104は、通信部15に発注端末装置1とレンズデータベース22とを通信可能な状態にさせる。
【0255】
ステップS650:レンズ画像取得部104は、レンズデータベース22から発注対象の設計済みレンズ画像DLP、及びレイアウトマーク画像MPを取得する。レンズ画像取得部104は、取得した設計済みレンズ画像DLP、及びレイアウトマーク画像MPを発注部11に供給する。
その後、フレーム画像取得部103は、ステップS610の処理を実行する。
【0256】
(眼鏡フレーム製造処理)
眼鏡フレームFとして、既存の複数種類のフレームの中から選択された眼鏡フレームである第1眼鏡フレームが選択されている場合、発注サーバー4は、既存、あるいは市販の眼鏡フレームを取り寄せる。第1眼鏡フレームが選択されている場合、眼鏡フレームFを製造する処理である眼鏡フレーム製造処理は不要である。
【0257】
眼鏡フレームFとして、複数種類のフレームパーツのなかから選択されたフレームパーツが組み合わされた眼鏡フレームである第2眼鏡フレームが選択されている場合、製造装置5は、選択されたフレームパーツを組み立てることによって眼鏡フレームFを製造する。
【0258】
眼鏡フレームFとして、第1眼鏡フレームまたは第2眼鏡フレームが変形された形状の眼鏡フレームである第3眼鏡フレームが選択されている場合、製造装置5は、眼鏡フレーム製造処理を実行する。
図31は、本実施形態に係る眼鏡フレーム製造処理の一例を示す図である。
【0259】
ステップS700:製造装置5は、製造する眼鏡フレームFのフレーム画像RPを発注サーバー4から取得する。ここで製造装置5は、眼鏡フレームFに加えて、製造する眼鏡レンズLのレンズ画像LPを発注サーバー4から取得してもよい。
【0260】
ステップS710:製造装置5は、眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLを製造するか、もしくは眼鏡レンズLを枠入れしながら3Dプリントを実行するか否かを判定する。製造装置5は、一例として、ステップS700においてフレーム画像RPに加えてレンズ画像LPを取得した場合に、眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLを製造するか、もしくは眼鏡レンズLを枠入れしながら3Dプリントを実行すると判定する。
【0261】
製造装置5は、眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLを製造するか、もしくは眼鏡レンズLを枠入れしながら3Dプリントを実行すると判定する場合(ステップS710;YES)、ステップS740の処理を実行する。一方、製造装置5は、眼鏡フレームFに加えて眼鏡レンズLを製造しないか、もしくは眼鏡レンズLを枠入れしながら3Dプリントを実行しないと判定する場合(ステップS710;NO)、ステップS720の処理を実行する。
【0262】
ステップS720:製造装置5は、三次元画像を3Dプリンタで扱えるデータ形式に変換する。ここで上述したように本実施形態では、三次元画像であるフレーム画像RP、及びレンズ画像LPはSTLデータである。製造装置5は、STLデータを実際に3Dプリンタが出力制御するためのデータである造形ツールパスデータ(Gコード)に変換する。
【0263】
3Dプリンタには様々な出力方式があるが、例えば材料押出堆積法(FDM方式)では、材料である樹脂を少しずつ熱で溶かしながら、一筆書きの要領で1層1層プリンタヘッドを動かしながら材料を積み上げていくことで造形を行う。このように3Dデータを1層1層スライスして、3Dプリンタのプリンタヘッドを動作させるための造形ツールパスデータ(Gコード)に変換する必要がある。
【0264】
ステップS730:製造装置5は、3Dプリントによって眼鏡フレームFを製造する。その後、製造装置5は、眼鏡フレーム製造処理を終了する。
ステップS740:製造装置5は、眼鏡フレームFに枠入れする眼鏡レンズLを製造する。その後、製造装置5は、ステップS720の処理を実行する。
【0265】
なお、製造装置5は、ステップS740において眼鏡レンズLが製造されている場合、製造された眼鏡レンズLをステップS730における3Dプリント途中の眼鏡フレームFに載せ、3Dプリントを実行してもよい。この場合、製造装置5は、眼鏡フレームFにおいて眼鏡レンズLを枠入れする部分の下側もしくは下側と横側が3Dプリントで生成された段階で、眼鏡レンズLをその眼鏡フレームFに載せ、上側もしくは上側と横側を3Dプリントで生成し、眼鏡レンズLと眼鏡フレームFが一体となった製品を製造してもよい。
【0266】
製造装置5は、予め製造された眼鏡レンズLがない場合、サポート材を眼鏡レンズLの代わりに使用してもよい。サポート材は、フレーム形状を保持し造形後に取り除かれる。
なお、3Dプリンタで作成した眼鏡フレームFの表面には積層による縞及び凹凸等の段差が見られるが、表面研磨を行ったり、塗装を行ったりすることによって、眼鏡フレームFの表面をなめらかにしてもよい。
また、製造装置5は、眼鏡フレームFの形状として、蝶番部、智部、及びパッドなどの可動部や、別取り付け部を除いた形状を3Dプリントで作成してもよい。
【0267】
また、本実施形態では、製造装置5が3Dプリントによって眼鏡フレームFを製造する場合の一例について説明したが、これに限らない。製造装置5は、例えば、プラスチック板を、眼鏡フレームFの形状に切り出すことによって眼鏡フレームFを製造してもよい。この場合、このプラスチック板の色や模様は、設計済みフレーム画像DRPが示す色や模様に基づいて選択される。
【0268】
(まとめ)
以上に説明したように、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)は、顔画像取得部102と、選択操作受付部105と、フレーム画像取得部103と、装用画像生成部111と、表示制御部112とを備える。
顔画像取得部102は、眼鏡装用者Uの顔の三次元画像である顔画像FPを取得する。
選択操作受付部105は、眼鏡フレームFを選択する操作を受け付ける。
フレーム画像取得部103は、選択操作受付部105が受け付けた操作において選択された眼鏡フレームFの三次元画像であるフレーム画像RPを取得する。
装用画像生成部111は、顔画像取得部102が取得した顔画像FPと、フレーム画像取得部103が取得したフレーム画像RPとに基づいて、眼鏡装用者Uが眼鏡フレームFを装用した状態の三次元画像である装用画像Wを生成する。
表示制御部112は、装用画像生成部111が生成した装用画像Wを任意の角度に回転させて表示する制御を行う。
【0269】
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡装用者Uが眼鏡フレームFを装用した状態の三次元画像である装用画像Wを任意の角度に回転させて表示できるため、眼鏡装用者Uが眼鏡フレームFを装着した状態を確認できる。ここで眼鏡装用者Uは、眼鏡装用者Uが眼鏡フレームFを装着した状態を、例えば、安定性や、外観についての嗜好性などの観点から確認できる。
【0270】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、顔画像FP、及びフレーム画像RPは、三次元描画によって生成された三次元画像である。
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、三次元描画によって生成された顔画像FP、及びフレーム画像RPに基づいて、装用画像Wを任意の角度に回転させて表示できるため、顔画像FP、及びフレーム画像RPの三次元画像が三次元描画によって生成されていない場合に比べて、三次元画像を制御しやすい。
【0271】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡フレームFとは、複数種類のフレームの中から選択された眼鏡フレームである第1眼鏡フレーム、複数種類のフレームパーツのなかから選択されたフレームパーツが組み合わされた眼鏡フレームである第2眼鏡フレーム、及び第1眼鏡フレームまたは第2眼鏡フレームが変形された形状の眼鏡フレームである第3眼鏡フレームのいずれかである。
【0272】
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡フレームFの設計に予め用意されたフレームや、予め用意されたフレームパーツを用いることができるため、眼鏡フレームFの設計を予め用意されたフレームや、予め用意されたフレームパーツを用いない場合に比べて容易にできる。
【0273】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)は、フレーム判定部115と、表示部12とをさらに備える。フレーム判定部115は、眼鏡フレームFの安定性を判定する。表示部12は、フレーム判定部115の判定結果を表示する。
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡フレームFの安定性を判定できるため、眼鏡装用者Uは眼鏡フレームFの安定性を確認できる。
【0274】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、フレーム判定部115は、眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基づいて、眼鏡フレームFの安定性を判定する。
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基づいて眼鏡フレームFの安定性を判定できるため、眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基つかない場合に比べて、眼鏡フレームFの安定性の判定精度を高めることができる。
【0275】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)は、評価操作受付部113と、フレーム変更部108とをさらに備える。評価操作受付部113は、装用画像Wについての評価を示す操作を受け付ける。フレーム変更部108は、評価操作受付部113が受け付けた操作が示す評価に基づいて、装用画像生成部111が装用画像Wを生成するために用いる眼鏡フレームFの大きさ、デザイン、材質、及びパーツのいずれか1つ以上を変更する。
【0276】
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、設計した眼鏡フレームFの良否に問題がある場合であっても眼鏡フレームFを変更できるため、眼鏡装用者Uは自らの評価を反映させて眼鏡フレームFを変更できる。
【0277】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)は、レンズ画像取得部104をさらに備える。レンズ画像取得部104は、眼鏡フレームFに枠入れされる眼鏡レンズLの三次元画像であるレンズ画像(この一例において、設計済みレンズ画像DLP)を取得する。装用画像生成部111は、顔画像取得部102が取得した顔画像FPと、フレーム画像取得部103が取得したフレーム画像RPと、レンズ画像取得部104が取得したレンズ画像LPとに基づいて、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFを眼鏡装用者Uが装用した状態の三次元画像である枠入れ装用画像Wを生成する。
【0278】
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡装用者Uが眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFを装用した状態の三次元画像である枠入れ装用画像Wを任意の角度に回転させて確認することができるため、眼鏡装用者Uが眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFを装着した状態を確認できる。
【0279】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、レンズ画像LPは、眼鏡装用者Uの処方情報、眼鏡レンズLの設計情報、及びフレーム画像RPのいずれか1つ以上に基づいて生成された画像である。
【0280】
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡レンズLの設計に、眼鏡装用者Uの処方情報、眼鏡レンズLの設計情報、及びフレーム画像RPのいずれか1つ以上を用いることができるため、眼鏡装用者Uの処方情報、眼鏡レンズLの設計情報、及びフレーム画像RPのいずれか1つ以上を用いない場合に比べて眼鏡レンズLの質を向上させることができる。ここで眼鏡レンズLの質とは、一例として、眼鏡フレームFに枠入れできるか否かや、眼鏡フレームFに枠入れた際の安定性などである。
【0281】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)は、レンズ判定部116と、表示部12とをさらに備える。レンズ判定部116は、眼鏡レンズL、または眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFのいずれか1つ以上の安定性を判定する。表示部12は、レンズ判定部116の判定結果を表示する。
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡レンズLの安定性を判定できるため、眼鏡装用者Uは眼鏡レンズLの安定性を確認できる。
【0282】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、レンズ判定部116は、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基づいて、眼鏡レンズL、または眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFのいずれか1つ以上の安定性を判定する。
【0283】
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基づいて眼鏡レンズL、または眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFのいずれか1つ以上の安定性を判定できるため、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFの全体または部分の重心に基つかない場合に比べて、眼鏡レンズL、または眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFのいずれか1つ以上の安定性の判定精度を高めることができる。
【0284】
また、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、枠入れ評価操作受付部(この一例において、評価操作受付部113)と、レンズ変更部109とをさらに備える。枠入れ評価操作受付部(この一例において、評価操作受付部113)は、枠入れ装用画像Wについての評価を示す操作を受け付ける。レンズ変更部109は、枠入れ評価操作受付部(この一例において、評価操作受付部113)が受け付けた操作が示す評価に基づいて、眼鏡レンズLの屈折率、眼鏡レンズLの左右いずれかの前面カーブ、眼鏡レンズLの厚みのいずれか1つ以上を変更する。
【0285】
この構成により、本実施形態に係る画像表示装置(この一例において、画像表示部10)では、眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFの良否に問題がある場合であっても眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFを変更できるため、眼鏡装用者Uは自らの評価を反映させて眼鏡レンズLが枠入れされた眼鏡フレームFを変更できる。
【0286】
また、本実施形態に係る発注端末装置1は、顔画像取得部102と、選択操作受付部105と、フレーム画像取得部103と、装用画像生成部111と、表示制御部112と、送信部17とを備える。送信部17は、フレーム画像RPを送信する。
【0287】
この構成により、本実施形態に係る発注端末装置1では、眼鏡装用者Uが眼鏡フレームFを装用した状態の三次元画像である装用画像Wを任意の角度に回転させて表示できるため、眼鏡装用者Uが眼鏡フレームFを装着した状態を確認して眼鏡フレームFを発注できる。
【0288】
なお、上述した実施形態における発注端末装置1及び画像表示装置(この一例において、画像表示部10)の一部、例えば、顔画像取得部102、選択操作受付部105、フレーム画像取得部103、装用画像生成部111、表示制御部112、フレーム判定部115、評価操作受付部113、フレーム変更部108、レンズ画像取得部104、レンズ判定部116、及びレンズ変更部109をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、発注端末装置1及び画像表示装置(この一例において、画像表示部10)に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における発注端末装置1及び画像表示装置(この一例において、画像表示部10)の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。発注端末装置1及び画像表示装置(この一例において、画像表示部10)の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0289】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0290】
1…発注端末装置、10…画像表示部、102…顔画像取得部、105…選択操作受付部、103…フレーム画像取得部、111…装用画像生成部、112…表示制御部、FP…顔画像、F…眼鏡フレーム、RP…フレーム画像、W…装用画像