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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-27
(45)【発行日】2023-02-06
(54)【発明の名称】ヘッダプレートレス型熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/26 20060101AFI20230130BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20230130BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20230130BHJP
   F28F 9/00 20060101ALI20230130BHJP
   F28F 9/02 20060101ALI20230130BHJP
【FI】
F28F9/26
F28D7/16 D
F28F1/02 A
F28F9/00 331
F28F9/02 301J
F28F9/02 301Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020509386
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 JP2019014403
(87)【国際公開番号】W WO2019189924
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-16
(31)【優先権主張番号】P 2018069397
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
(72)【発明者】
【氏名】小室 朗
(72)【発明者】
【氏名】大友 聡
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/073779(WO,A1)
【文献】特開2001-289590(JP,A)
【文献】米国特許第5069277(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0276411(US,A1)
【文献】米国特許第5246066(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/26
F28D 7/16
F28F 1/02
F28F 9/00
F28F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部開口が厚み方向に膨出した膨出部(1)を有し、対向する一対の短辺部(2a)と、それに直交する一対の長辺部(2b)とで横断面方形に形成された偏平チューブ(2)と、
前記膨出部(1)で複数の偏平チューブ(2)が積層されてなるコア(3)と、
前記コア(3)の外周を被嵌する筒状のケーシング(5)と、
前記ケーシング(5)と接続されるタンク本体(8)と、を具備し、
各偏平チューブ(2)の入口(20)側の開口から出口(21)側の開口に第1流体(17)が流通し、偏平チューブ(2)の外面側に第2流体(18)が流通するヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記各偏平チューブ(2)の一対の前記長辺部(2b)は、前記短辺部(2a)の端から続く第1高縁部(2c)と、
その第1高縁部(2c)より前記出口(21)側に位置して、前記第1高縁部(2c)の長さより長く形成された第1低縁部(2d)と、
第1高縁部(2c)と第1低縁部(2d)と結ぶ第1中間部(2e)と、を具備し、
前記第1中間部(2e)は、前記第1高縁部(2c)の端から、前記出口(21)側に滑らかに凹陥する第1湾曲部(2g)を通り、その第1湾曲部(2g)の端で、前記出口(21)側に一旦凹陥して入口(20)側に立ち上がり、前記第1低縁部(2d)の端に滑らかに連続される第2湾曲部(2h)を通ることを特徴とするヘッダプレートレス型熱交換器。
【請求項2】
両端部開口が厚み方向に膨出した膨出部(1)を有し、対向する一対の短辺部(2a)とそれに直交する一対の長辺部(2b)とで横断面方形に形成された偏平チューブ(2)と、
前記膨出部(1)で複数の偏平チューブ(2)が積層されてなるコア(3)と、
前記コア(3)の外周を被嵌する筒状のケーシング(5)と、
前記ケーシング(5)と接続されるタンク本体(8)と、を具備し、
各偏平チューブ(2)の入口(20)側の開口から出口(21)側の開口に第1流体(17)が流入し、偏平チューブ(2)の外面側に第2流体(18)が流通するヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記各偏平チューブ(2)の一対の前記長辺部(2b)は、前記短辺部(2a)の端から続く第2高縁部(2j)と、
その第2高縁部(2j)より前記出口(21)側に位置して、前記第2高縁部(2j)の長さより長く形成された第2低縁部(2k)と、第2高縁部(2j)と第2低縁部(2k)と結ぶ第2中間部(2m)と、を具備し、
前記第2中間部(2m)は、前記第2高縁部(2j)の端から、前記第2低縁部(2k)より前記出口(21)側に一旦滑らかに凹陥して入口(20)側に立ち上がり、その先端が前記第2低縁部(2k)に接続される第3湾曲部(2n)を有することを特徴とするヘッダプレートレス型熱交換器。
【請求項3】
前記コア(3)の端部外周を被嵌する短筒部(4a)およびその短筒部(4a)から横断面L字状に立ち上げ形成されるL字状部(4b)を有し、そのL字状部(4b)の端部開口縁(4c)が環状に形成されたOリングプレート(4)と、
前記Oリングプレート(4)を介して、コア(3)外周を被嵌する矩形筒状のケーシング(5)と、Oリング(6)を介して前記ケーシング(5)とOリングプレート(4)の間の環状溝(7)に、フランジ部(8a)の先端が圧入されるタンク本体(8)と、を具備することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のヘッダプレートレス型熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口端が厚み方向に膨出した膨出部を有する偏平チューブを、その膨出部で厚み方向に積層してコアが形成され、そのコアの外周をケーシングで被嵌したヘッダプレートレス型熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、開口端の両端に膨出部を有する偏平チューブを、厚み方向に積層し、コアを構成して、そのコアの外周にケーシングを被嵌したヘッダプレートレス型熱交換器が提案されている。この熱交換器は、偏平チューブの端部を厚み方向に膨出することにより、従来必要としていたヘッダプレートを不要とした、構造の簡単な熱交換器を提供している。
コアの両端部に配置された一方のタンクから他方のタンクに高温ガスが導かれ、その高温ガスと偏平チューブの外周に供給された冷却水との間に熱交換が行われるものである。
この熱交換器において、高温ガスの流入口近傍では、高温ガスによりコアを形成する各偏平チューブに熱応力が生じ、その耐久性に大きな影響を与えることが分かった。
図13は、上記の従来の熱交換器の要部斜視図及びその問題点を示す縦断面図である。この熱交換器は、開口の両端部に膨出部1を有する複数の偏平チューブ2を膨出部1において積層して、コア3を構成し、その端部をOリングプレート4により被蔽し、さらにOリングプレート4の外周にケーシング5を被嵌したものである。
そして、Oリングプレート4とケーシング5との間に形成された環状溝7に同図(C)のごとく、Oリング6を介してタンク本体8の端部開口を嵌入し、ケーシング5の外周に設けたカシメ22によって、タンク本体8をケーシング5に締結固定するものである。図において上方から高温ガスをコア3の各偏平チューブ2に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2017/073779A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この様な熱交換器において、永年使用により、コア3の各偏平チューブ2の入口側において、高温ガスの断続によるサーマルサイクルの影響により、偏平チューブ2の開口縁に亀裂19が生じることがあった。
そこで、本発明は、各偏平チューブの高温ガス流入口の近傍において、サーマルサイクルに対する耐久性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、両端部開口が厚み方向に膨出した膨出部1を有し、対向する一対の短辺部2a及び、それに直交する一対の長辺部2bとで横断面方形に形成された偏平チューブ2と、
前記膨出部1で複数の偏平チューブ2が積層されてなるコア3と、
前記コア3の外周を被嵌する筒状のケーシング5と、
前記ケーシング5と接続されるタンク本体8と、を具備し、
各偏平チューブ2の入口20側の開口から出口21側の開口に第1流体17が流通し、偏平チューブ2の外面側に第2流体18が流通するヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記各偏平チューブ2の一対の前記長辺部2bは、前記短辺部2aの端から続く第1高縁部2cと、
その第1高縁部2cより前記出口21側に位置して、前記第1高縁部2cの長さより長く形成された第1低縁部2dと、
第1高縁部2cと第1低縁部2dと結ぶ第1中間部2eと、を具備し、
前記第1中間部2eは、前記第1高縁部2cの端から、前記出口21側に滑らかに凹陥する第1湾曲部2gを通り、その第1湾曲部2gの端で、前記出口21側に一旦凹陥して入口20側に立ち上がり、前記第1低縁部2dの端に滑らかに連続される第2湾曲部2hを通ることを特徴とするヘッダプレートレス型熱交換器である。
請求項2に記載の発明は、両端部開口が厚み方向に膨出した膨出部1を有し、対向する一対の短辺部2aとそれに直交する一対の長辺部2bとで横断面方形に形成された偏平チューブ2と、
前記膨出部1で複数の偏平チューブ2が積層されてなるコア3と、
前記コア3の外周を被嵌する筒状のケーシング5と、
前記ケーシング5と接続されるタンク本体8と、を具備し、
各偏平チューブ2の入口20側の開口から出口21側の開口に第1流体17が流入し、偏平チューブ2の外面側に第2流体18が流通するヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記各偏平チューブ2の一対の前記長辺部2bは、前記短辺部2aの端から続く第2高縁部2jと、
その第2高縁部2jより前記出口21側に位置して、前記第2高縁部2jの長さより長く形成された第2低縁部2kと、第2高縁部2jと第2低縁部2kと結ぶ第2中間部2mと、を具備し、
前記第2中間部2mは、前記第2高縁部2jの端から、前記第2低縁部2kより前記出口21側に一旦滑らかに凹陥して入口20側に立ち上がり、その先端が前記第2低縁部2kに接続される第3湾曲部2nを有することを特徴とするヘッダプレートレス型熱交換器である。
請求項3に記載の発明は、前記コア3の端部外周を被嵌する短筒部4aおよびその短筒部4aから横断面L字状に立ち上げ形成されるL字状部4bを有し、そのL字状部4bの端部開口縁4cが環状に形成されたOリングプレート4と、
前記Oリングプレート4を介して、コア3外周を被嵌する矩形筒状のケーシング5と、Oリング6を介して前記ケーシング5とOリングプレート4の間の環状溝7に、フランジ部8aの先端が圧入されるタンク本体8と、を具備することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のヘッダプレートレス型熱交換器である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明においては、第1高縁部2cと前記第1低縁部2dとの間に形成された第1湾曲部2gと第2湾曲部2hとの、二つの滑らかな湾曲部の存在により、偏平チューブ2の入口側の端部に生じる熱応力が各部に分散され、また当該湾曲部が弾性変形し熱膨張差を吸収することにより、熱応力が緩和される。その結果、ヒートサイクルに対する耐久性が向上する。
請求項2に記載の発明においては、前記第2高縁部2jと、第3湾曲部2nと、第2低縁部2kとが滑らかな曲線で連続していることにより、偏平チューブ2の入口側の端部に生じる熱応力が各部に分散され、また第3湾曲部2nが弾性変形し熱膨張差を吸収することにより、熱応力が緩和される。その結果、ヒートサイクルに対する耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は本発明の熱交換器に用いられるコア3の第1実施形態の要部正面図。
図2は同コア3の要部斜視図。
図3は第1実施形態の偏平チューブ2の分解斜視図。
図4は本発明の第2実施形態のコア3の要部正面図。
図5は同コア3の要部斜視図。
図6は第2実施形態の偏平チューブ2の分解斜視図。
図7は同第2実施形態におけるコア3の要部分解斜視図及びその組み立て図。
図8は同熱交換器の分解斜視図。
図9は同熱交換器の分解斜視図。
図10は第3実施形態のヘッダプレートレス型熱交換器を示す要部正面図。
図11は同熱交換器の要部斜視図。
図12は同熱交換器の内部を示す正面図。
図13は従来型熱交換器における問題点を示す要部斜視図及び要部説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態の要部であって、第1流体17である高温ガスの入口20(図9参照)側におけるものである。熱交換器の構造は、図7図8図9の構造を適用することができる。また、図3は、その偏平チューブ2の分解斜視図である。
この熱交換器のコア3は、複数の偏平チューブ2をその開口部の両端において、厚み方向に積層したものであり、各偏平チューブ2は、その開口部の両端に膨出部1を有する。この例では、各偏平チューブ2は、対向する一対の短辺部2aとそれに直行する一対の長辺部2bとにより、横断面が方形に形成されている。
そのコア3の両端には、図2図7に示す如く、Oリングプレート4が被嵌される。そのOリングプレート4は、筒状の短筒部4aとその先端から横断面L字状に形成されたL字状部4bとからなる。そのL字状部4bの先端縁には、環状の端部開口縁4cが形成されている。
Oリングプレート4を介して、コア3の外周には、図2図8に示す、ケーシング5が被嵌されている。ケーシング5は、筒状に形成されている。そのケーシング5には、第2流体18である冷却水の出入口用のパイプ16が接続される。偏平チューブ2の外面側には第2流体流路24(図7)が形成されており、図8に示す、ケーシング5のパイプ16から、第2流体(冷却水)18が第2流体流路24に供給される。各部品の接触部間は互いにろう付固定されている。
次に、Oリングプレート4の外周に被嵌されたケーシング5とOリングプレート4のL字状部4bとの間に環状溝7(図2)が形成されており、その環状溝7に、図9に示す如く、Oリング6を介して、タンク本体8のフランジ部8aが圧入され、タンク本体8のフランジ部8aの外周がカシメによりケーシング5に締結固定されている。
この例では、ケーシング5の開口縁部にスリット11が形成され、そのスリット11の端縁側が湾曲されてカシメ爪22が形成される(図13参照)。図13のカシメ爪に限らず、ケーシングの開口縁に間欠的に図示しない爪部を突設し、その爪部をタンク本体8側にL字状に折り曲げるカシメ爪を用いてもよい。
偏平チューブ2の内部には、インナーフィンが挿入されることが好ましい。そして、各偏平チューブ2の内面側に第1流体流路25(図7)が形成され、第1流体(高温ガス)17が第1流体流路25に流入し、外面側に第2流体(冷却水)18が流通する。そして、偏平チューブ2の内面側の第1流体(高温ガス)17と、外面側の第2流体(冷却水)18との間に熱交換が行われる。
すなわち、図9において、第2流体18である冷却水が入口側のパイプ16から各偏平チューブ2の外面側に供給され、出口側のパイプ16に導かれる。そして、タンク本体8の入口側の入口20から第1流体17である高温ガスが流入し、出口側のタンク本体8の出口21から、それが流出する。
ここにおいて本発明の特徴は、熱交換器のコアを構成する各偏平チューブ2であって、その第1流体17(図9参照)の入口20側の開口の形状にある。即ち、本発明の偏平チューブ2が従来型の偏平チューブと異なる点は、横断面方形に形成された偏平チューブ2の一対の長辺部2bの両短辺部2a側に、熱応力の分散部が形成されている点である。
偏平チューブ2の開口の具体的構造について説明する。一対の長辺部2bの短辺部2a側の端から続く山形の第1高縁部2cが、角状に突設されている。長辺部2bの第1高縁部2cより出口21(図9)側に位置して、第1高縁部2cより長さが長く形成された第1低縁部2dが形成されている。そして、第1低縁部2dと第1高縁部2cとの間が第1中間部2eにより接続されている。
その第1中間部2eには、第1高縁部2cの端から出口21側に滑らかに凹陥する第1湾曲部2gが形成されている。
そして、第1湾曲部2gと第1低縁部2dとの間に、第2湾曲部2hが形成されている。この第2湾曲部2hは、第1湾曲部2gの端から出口21側に一旦凹陥して入口20側に立ち上がり、第1低縁部2dの端に滑らかに連続している。
図3において、高温ガスの入口20側の長辺部2bの短辺部2a側に第1高縁部2c、第1湾曲部2g、第2湾曲部2hが形成され、それらが第1低縁部2dの両端に連続する。山形に突出する第1高縁部2cの長さは、Oリングプレート4のL字状部4bの幅よりも狭くしておくことが好ましい。
このように、偏平チューブ2の一対の長辺部2bの入口側の端部を形成することにより、従来、長辺部2bの端部に生じる亀裂(図13の亀裂19参照)を防止できることが分かった。
各偏平チューブ2の出口21側では、図3に示すように、膨出部1の開口を直線状に形成することができる。これは第1流体17である高温ガスがこの出口21側では、第2流体18である冷却水により、冷却されて比較的低温となるため、熱応力が入口20側ほど生じないからである。
次に、図4及び図5は、本発明の熱交換器の第2実施形態の要部正面図及び斜視図であり、図6は偏平チューブ2の分解斜視図である。この例が前記図1及び図2の実施形態と異なる点は、偏平チューブ2の入口20側における長辺部2bの長手方向の両端部の形状である。
この例では、一対の長辺部2bの短辺部2a側の縁から続く第2高縁部2jが形成されている。その第2高縁部2jより高温ガスの出口21側に位置するように、第2低縁部2kが第2高縁部2jの長さより長く形成されている。そして、第2高縁部2jと第2低縁部2kは、第2中間部2mにより滑らかに連続している。
その第2中間部2mは、第2高縁部2jの端から、第2低縁部2kより出口21側に一旦滑らかに凹陥して入口20側に立ち上がり、その先端が第2低縁部2kに接続される第3湾曲部2nを有している。
このように形成することにより、前記第1実施形態と同様、各部における熱応力の分散を均等に行い、熱応力により生じる偏平チューブ2の長辺部2bの端部の亀裂を効果的に防止することができる。
第1実施形態及び第2実施形態は、タンク本体8とケーシング5を、Oリング6を介してカシメ固定している構造である。
図10図12は、本発明の熱交換器の第3実施形態を示すものである。
この第3実施形態のように、タンク本体8にケーシング5をろう付固定、又は溶接固定することができる。この例では、第2実施形態の偏平チューブ2を用いているが、第1実施形態の偏平チューブ2を用いることもできる。
この場合、好ましくは、図10図11に示す如く、偏平チューブ2の第2高縁部2jに当接するビード5aをケーシング5の短辺部2a側の側壁に設けておくと良い。図12に示す如く、タンク本体8の端部もこのビード5aに当接する。この状態で、ろう付又は溶接を行う。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明は、チャージエアクーラ、排気ガス再循環装置(EGRクーラ)等、各種高温ガスが内部を流通する熱交換器に利用できる。
【符号の説明】
【0010】
1 膨出部
2 偏平チューブ
2a 短辺部
2b 長辺部
2c 第1高縁部
2d 第1低縁部
2e 第1中間部
2g 第1湾曲部
2h 第2湾曲部
2j 第2高縁部
2k 第2低縁部
2m 第2中間部
2n 第3湾曲部
3 コア
4 Oリングプレート
4a 短筒部
4b L字状部
4c 端部開口縁
5 ケーシング
5a ビード
6 Oリング
7 環状溝
8 タンク本体
8a フランジ部
11 スリット
16 パイプ
17 第1流体(高温ガス)
18 第2流体(冷却水)
19 亀裂
20 入口
21 出口
22 カシメ爪
24 第2流体流路
25 第1流体流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13