(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-27
(45)【発行日】2023-02-06
(54)【発明の名称】環状ジヌクレオチド類似体、その医薬組成物及び使用
(51)【国際特許分類】
C07H 21/02 20060101AFI20230130BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20230130BHJP
A61K 31/7084 20060101ALI20230130BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230130BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230130BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230130BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230130BHJP
C07H 21/04 20060101ALI20230130BHJP
【FI】
C07H21/02 CSP
A61K39/39
A61K31/7084
A61P43/00 111
A61P37/06
A61P31/12
A61P35/00
A61P43/00 107
C07H21/04 B
(21)【出願番号】P 2021515621
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(86)【国際出願番号】 CN2019106425
(87)【国際公開番号】W WO2020057546
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】201811105973.6
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811276297.9
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910042984.2
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910287528.4
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517286124
【氏名又は名称】シャンハイ ドーァ ノボ ファーマテック カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トン ジャオロン
(72)【発明者】
【氏名】チン ピン
(72)【発明者】
【氏名】リウ フェンタオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジンルー
(72)【発明者】
【氏名】ドン シャオレイ
(72)【発明者】
【氏名】グオ ホンリー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ダーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ダーシン
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-522914(JP,A)
【文献】特表2016-538344(JP,A)
【文献】特表2019-509339(JP,A)
【文献】特表2017-518302(JP,A)
【文献】国際公開第2018/065360(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/119117(WO,A1)
【文献】Lioux, Thierry et al.,Design, Synthesis, and Biological Evaluation of Novel Cyclic Adenosine-Inosine Monophosphate (cAIMP) Analogs That Activate Stimulator of Interferon Genes (STING),Journal of Medicinal Chemistry,2016年,vol.59, no.22,pp.10253-10267
【文献】Zhang, Xu et al.,Cyclic GMP-AMP Containing Mixed Phosphodiester Linkages Is An Endogenous High-Affinity Ligand for STING ,Molecular Cell,2013年,vol.51, no.2,pp.226-235
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(VI)又は(VII)の化合物、その立体異性体、又は薬学的に許容される塩である、環状ジヌクレオチド類似体(I)、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩。
【化1】
(ここで
、B
1は
【化2】
であり;
B
2は
【化3】
であり
;
R
2
は水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アジド、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-6アルキル、ハロC
1-6アルキル、ハロC
1-6アルコキシ、ハロC
1-6アルキルチオ、C
1-6アルキルアミノ、OC(O)R
a又はOR
aであり;前記C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル又はC
1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド、シアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
R
21
は水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アジド、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-6アルキル、ハロC
1-6アルキル、ハロC
1-6アルコキシ、ハロC
1-6アルキルチオ、C
1-6アルキルアミノ、OC(O)R
a又はOR
aであり;前記C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル又はC
1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド、シアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり
;
YとY
1
はそれぞれ独立してCR
E又はNであり;
UはCHR
E’又はNR
D’であり
; V及びV
1
はそれぞれ独立してCR
E
’’又はNであり、V
2とV
3はそれぞれ独立し
てN又はCHであり;
WはO又はSであり;
W
1はN又はCHであり、W
2はCR
F’であり、W
3及びW
4はそれぞれ独立して
CHであり;
各R
A、R
B、R
C、R
E、R
E’、R
E’’
及びR
F
’はそれぞれ独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、-N
3、R
c、-SR
c、-OR
c、-OC(O)R
c、-OC(O)OR
c、-OC(O)NR
bR
c、-C(O)OR
c、-C(O)R
c、-C(O)NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
bC(O)R
c、-N(R
b)C(O)OR
c、-N(R
a)C(O)NR
bR
c、-NR
bS(O)
2R
c、-NR
bC(=NH)R
c、-NR
bC(=NR
c)NH
2、-S(O)
1-2R
c、-S(O)
2NR
bR
c又は-NR
aS(O)
2NR
bR
cであり;
R
D’
は独立してH又はR
cであり;
各R
a及びR
bはそれぞれ独立してH、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-10アルキル
又はハロC
1-6アルキ
ルであり;
各R
cは独立してH、置換又は無置換のC
1-10アルキル、置換又は無置換のC
2-8アルケニル、置換又は無置換のC
2-8アルキニル、置換又は無置換のC
3-10シクロアルキル、置換又は無置換のC
6-10アリール、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC
6-10アリールC
1-6アルキル、置換又は無置換のC
3-10シクロアルキルC
1-6アルキル、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルC
1-6アルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリールC
1-6アルキルであり;前記C
1-10アルキル、C
2-8アルケニル、C
2-8アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-10アリール、3~10員ヘテロシクロアルキル、5~10員ヘテロアリール、C
6-10アリールC
1-6アルキル、C
3-10シクロアルキルC
1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキルC
1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリールC
1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位で1個又は複数個のR
dで選択的に置換されたものであり;
各R
dは独立してハロゲン、ハロC
1-6アルキル、ハロC
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル、-CN、-N
3、-SR
e、-OR
e、-C(O)R
e、-NR
eR
e’、置換又は無置換のC
6-10アリール、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC
3-10シクロアルキル又は置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルであり;前記C
6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C
3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクロアルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C
1-4アルキル、ハロC
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4アルキルアミノ及びハロC
1-4アルコキシのうちの1個又は複数個の置換基で選択的に置換されたものであり;
各R
eとR
e’はそれぞれ独立してC
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-10アルキル
又はハロC
1-6アルキ
ルである。)
【請求項2】
B
1は以下の任意の構造:
【化4】
であり;
及び/又は、B
2は以下の任意の構造:
【化5】
である、請求項1に記載の環状ジヌクレオチド類似体(I)、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩。
【請求項3】
R
2
は独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はOR
aであり;
及び/又は
、R
21
は独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はOR
aであり;
及び/又は、各R
aはそれぞれ独立してC
1-4アルキル又はハロC
1-4アルキルである、請求項1に記載の環状ジヌクレオチド類似体(I)、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Z
1はOであり;
Z
2はOであり;
B
1は
【化6】
であり;
B
2は
【化7】
であり
;
R
2
は独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はOR
aであり;
R
21
は独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はOR
aであり;
各R
aはそれぞれ独立してC
1-4アルキル又はハロC
1-4アルキルである、請求項1に記載の環状ジヌクレオチド類似体(I)、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Z
1はOであり;
Z
2はOであり;
B
1は
【化8】
であり;
B
2は
【化9】
であり
;
R
2
は独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はOR
aであり;
R
21
は独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はOR
aであり;
各R
aはそれぞれ独立してC
1-4アルキル又はハロC
1-4アルキルである、請求項1に記載の環状ジヌクレオチド類似体(I)、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩。
【請求項6】
P立体配置は(Sp、Sp)、(Sp、Rp)、(Rp、Rp)又は(Rp、Sp)である、請求項
1に記載の環状ジヌクレオチド類似体(I)、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩。
【請求項7】
B
1は
【化10】
であり;
及び/又は、B
2は
【化11】
であり;
一般式VIにおいて、R
2は-OHであり;R
21は-OHであり;
一般式VIIにおいて、R
2は-OH又は-OCH
3であり;R
21は-OH又はFである、請求項
6に記載の環状ジヌクレオチド類似体(I)、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩。
【請求項8】
以下の任意の構造であ
る環状ジヌクレオチド類似体(I)、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩。
【化12】
【請求項9】
治療有効量の請求項1~
8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項10】
STINGモジュレーター又はワクチンアジュバントとして使用される
ため、STINGが介する関連疾患
の治療、緩和及び/又は予防
に使用されるため、T細胞又はその他の免疫細胞の増殖
の制御
に使用されるため、
或いは、悪性腫瘍
の治療及び/又は緩
和に使用される
ための請求項
9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記STINGモジュレーターはSTINGアゴニストである、請求項
10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記STINGが介する関連疾患は、ウイルス感染症又はその他の感染症、自己免疫疾患又は悪性腫瘍である、請求項
10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1~
8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、その
立体異性体
、又は薬学的に許容される塩、或いは請求項
9に記載の医薬組成物、及び、癌の治療のためのその他のタイプの治療
薬を含むことを特徴とする配合製剤。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は出願日が2018年9月21日である中国特許出願CN201811105973.6、出願日が2018年10月30である中国特許出願CN201811276297.9、出願日が2019年1月17である中国特許出願CN201910042984.2、出願日が2019年4月11である中国特許出願CN201910287528.4の優先権を要求する。本出願は、前記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、環状ジヌクレオチド類似体、その医薬組成物、並びにそのSTINGアゴニストとしての使用、及びSTING経路を活性化する使用に関する。
【0003】
[背景技術]
インターフェロン遺伝子刺激因子STING(Stimulator of Interferon Genes)はT1MEM173、MITA、MPYS及びERISとも呼ばれ、自然免疫シグナルの重要なシグナル分子であり、当該遺伝子によってコードされるタンパク質は、5つの膜貫通構造を含有し、ウイルス又は細菌による感染に関連する免疫応答プロセスにおいて重要な調節作用をする。STINGは、パターン認識受容体として、細胞質内の外因性核酸を検出・認識し、I型インターフェロン応答に関連するシグナル伝達経路を活性化できる。それ以外に、研究により、STINGは、II型主要組織適合遺伝子複合体(MHCII)と相互作用することにより、アポトーシスシグナルの調節に関与するこが示された。自発性T細胞浸潤を有するヒト腫瘍に関する研究により、CD8+T細胞浸潤がI型インターフェロンの転写特性と密接に関連していることが示された(Harlin et al、Cancer Res、2009;69(7):OF1)。マウスモデルに実施されたメカニズムの研究により、I型インターフェロンシグナル伝達が欠損している実験動物では、腫瘍関連抗原に対するT細胞活性化プロセスが異常であることが示された(Diamond et al、J.Exp.Med.、2011;208(10):1989;Fuerte et al、J.Exp.Med.、2011;208(10):2005)。生体内での自然免疫システムの腫瘍認識プロセス、及び当該プロセスにおいて腫瘍によって引き起こされ、抗原提示細胞(APC)によって媒介されるIFN発現などの関連シグナル経路に関するさらなる研究により、STINGシグナル経路が細胞質ゾルにおけるDNAによって活性化できることが明らかになり、これらの外因性核酸は、cyclic-GMP-AMPシンテターゼ(cGAS)によって認識され、例えばcyclic GMP-AMP(cGAMP)のような環状核酸物質の産生を促進し、これらの環状核酸物質は、内因性リガンドとしてSTINGを活性化することができる(Sun et al、Science、2013;339(15):786)。活性化されたSTINGは、TBK1キナーゼの自己リン酸化とインターフェロン調節因子3(IRF-3)のリン酸化を誘発でき、リン酸化されたIRF3は、I型インターフェロンの遺伝子転写プロセスをさらに活性化し、I型インターフェロンの合成と分泌を調節でき、更に免疫応答を引きおこす。以上に記載のように、既存の研究により、STINGシグナル伝達経路は、自然免疫系が関与する腫瘍認識プロセスにおいて非常に重要な役割を果たし、当該シグナル伝達経路が抗原提示細胞での活性化は、腫瘍関連抗原に対するT細胞の活性化プロセスに直接関係していることが示された。その腫瘍免疫認識における役割に基づいて、薬物又はその他の薬理学的方法によるSTINGシグナルの活性化は、IFNの発現を増強でき、腫瘍治療に積極的な効果を生み出すことが期待できる。従って、腫瘍性疾患の治療のためのSTINGシグナルアゴニストの開発は、研究のホットスポットになった。
【0004】
それ以外に、STINGシグナル経路の活性化を刺激することも抗ウイルス反応に有利であることが研究によって示された。細胞又は生物学的レベルでの機能的応答の喪失は、STINGがない場合、ウイルス量を制御できないことを証明している。STINGシグナル伝達経路の活性化は、免疫応答を引き起こせ、抗血管性及び炎症誘発性サイトカインをウイルスと対抗させ、自然免疫及び獲得免疫システムを動員する。従って、STINGシグナル伝達経路にアゴニスト作用を有する小分子化合物は、慢性ウイルス感染症を治療する潜在力があり、例えば、HBVの治療に使用できる。
【0005】
現在、多くのSTINGシグナル伝達経路にアゴニスト作用を有する環状ジヌクレオチド類似体が開示された(WO2014/093936、WO2014/189805、WO2014/189806、WO2016/120305、WO2016/145102、WO2017/027645、WO2017/075477、WO2017/093933、WO2017/123657、WO2017/123669、WO2017/161349、WO2017/186711、WO2018/009466、WO2018/009648、WO2018/009652、WO2018/045204、WO2018/060323、WO2018/065360、WO2018/098203、WO2018/100558)が、現在、医薬として市場に出たSTINGアゴニストはない。
【0006】
[発明の開示]
[発明が解決しようとする課題]
本発明の解決しようとする技術的課題は、新規な環状ジヌクレオチド類似体、その医薬組成物及び使用を提供することである。本発明の環状ジヌクレオチド類似体は優れたSTING調節作用を有し、免疫抑制によって引き起こされる、例えば、腫瘍、感染症、神経変性疾患、精神障害又は自己免疫疾患などの様々な関連疾患を有効に治療、緩和及び/又は予防することができる。
【0007】
本発明は環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩を提供し;
【0008】
【0009】
ここで、Z1、Z2はそれぞれ独立してO、S、SO2、CH2、CF2又はSeであり;
B1は
【0010】
【0011】
B2は
【0012】
【0013】
L及びL1はそれぞれ独立して連結結合又はCR1R2であり;
L’及びL1’はそれぞれ独立して連結結合又はCR11R21であり;
L2はO、S又はCR3R4であり;L2’はO、S又はCR31R41であり;
X1はO、S又はCR5R6であり;X11はO、S又はCR51R61であり;
X2はO、S又はCR7R8であり;及びX21はO、S又はCR71R81であり;
X3及びX31はそれぞれ独立してOH、SH又はBH3
-であり;
R及びR’はそれぞれ独立して水素、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド及びシアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
R1及びR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アジド、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキルチオ、C1-6アルキルアミノ、OC(O)Ra又はORaであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド及びシアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
R11及びR21はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アジド、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキルチオ、C1-6アルキルアミノ、OC(O)Ra又はORaであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド及びシアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
或いは、R1とR2は一緒にカルボニルを形成し;
或いは、R11とR21は一緒にカルボニルを形成;
或いは、Rは-CH2-であり、R1は-O-であり、RとR1はお互いに連結されてヘテロシクロアルキルを形成し;
或いは、R’は-CH2-であり、R11は-O-であり、R’とR11はお互いに連結されてヘテロシクロアルキルを形成し;
R3及びR4はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R31及びR41はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R5及びR6はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R51及びR61はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R7及びR8はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R71及びR81はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
Y及びY1はそれぞれ独立してCRE又はNであり;
UはCHRE’又はNRD’であり;
U1はCH又はNであり;
V、V1、V2及びV3はそれぞれ独立してCRE’’又はNであり;
WはO又はSであり;
W1、W2、W3及びW4はそれぞれ独立してN又はCRF’であり;
各RA、RB、RC、RE、RE’、RE’’、RF、RF’及びRGはそれぞれ独立してH、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、Rc、-SRc、-ORc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)NRbRc、-C(O)ORc、-C(O)Rc、-C(O)NRbRc、-NRbRc、-NRbC(O)Rc、-N(Rb)C(O)ORc、-N(Ra)C(O)NRbRc、-NRbS(O)2Rc、-NRbC(=NH)Rc、-NRbC(=NRc)NH2、-S(O)1-2Rc、-S(O)2NRbRc又は-NRaS(O)2NRbRcであり;
各RD及びRD’はそれぞれ独立してH又はRcであり;
各Ra及びRbはそれぞれ独立してH、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-10アルキル、ハロC1-6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリールC1-6アルキル、シクロアルキルC1-6アルキル又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキルであり;
各Rcは独立してH、置換又は無置換のC1-10アルキル、置換又は無置換のC2-8アルケニル、置換又は無置換のC2-8アルキニル、置換又は無置換のC3-10シクロアルキル、置換又は無置換のC6-10アリール、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC6-10アリールC1-6アルキル、置換又は無置換のC3-10シクロアルキルC1-6アルキル、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリールC1-6アルキルであり;前記C1-10アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクロアルキル、5~10員ヘテロアリール、C6-10アリールC1-6アルキル、C3-10シクロアルキルC1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリールC1-6アルキルは無置換であるか、又は任意の位置で1個又は複数個のRdで選択的に置換されたものであり;
各Rdは独立してハロゲン、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、C1-6アルキル、-CN、-N3、-SRe、-ORe、-C(O)Re、-NReRe’、置換又は無置換のC6-10アリール、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC3-10シクロアルキル又は置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルであり;前記C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクロアルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ及びハロC1-4アルコキシのうちの1個又は複数個の置換基で選択的に置換されたものであり;
各ReとRe’はそれぞれ独立してC2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-10アルキル、ハロC1-6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリールC1-6アルキル、シクロアルキルC1-6アルキル又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキルである。
【0014】
幾つかの実施の態様において、前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩の構造式は:
【0015】
【0016】
であり、
ここで、Z1、Z2はそれぞれ独立してO、S、SO2、CH2、CF2又はSeであり;
B1は
【0017】
【0018】
B2は
【0019】
【0020】
L及びL1はそれぞれ独立して連結結合又はCR1R2であり;
L’及びL1’はそれぞれ独立して連結結合又はCR11R21であり;
L2はO、S又はCR3R4であり;L2’はO、S又はCR31R41であり;
X1はO、S又はCR5R6であり;X11はO、S又はCR51R61であり;
X2はO、S又はCR7R8であり;及びX21はO、S又はCR71R81であり;
X3及びX31はそれぞれ独立してOH、SH又はBH3
-であり;
R及びR’はそれぞれ独立して水素、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド、シアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
R1及びR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アジド、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキルチオ、C1-6アルキルアミノ、OC(O)Ra又はORaであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド及びシアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
R11及びR21はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アジド、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキルチオ、C1-6アルキルアミノ、OC(O)Ra又はORaであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド及びシアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
或いは、R1とR2は一緒にカルボニル基を形成し;
或いは、R11とR21は一緒にカルボニル基を形成;
或いは、Rは-CH2-であり、R1は-O-であり、RとR1はお互いに連結されてヘテロシクロアルキルを形成し;
或いは、R’は-CH2-であり、R11は-O-であり、R’とR11はお互いに連結されてヘテロシクロアルキルを形成し;
R3及びR4はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R31及びR41はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R5及びR6はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R51及びR61はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R7及びR8はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R71及びR81はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
Y及びY1はそれぞれ独立してCRE又はNであり;
UはCHRE’又はNRD’であり;
U1はCH又はNであり;
V及びV1はそれぞれ独立してCRE’’又はNであり;
WはO又はSであり;
各RA、RB、RC、RE、RE’、RE’’、RF及びRGはそれぞれ独立してH、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、Rc、-SRc、-ORc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)NRbRc、-C(O)ORc、-C(O)Rc、-C(O)NRbRc、-NRbRc、-NRbC(O)Rc、-N(Rb)C(O)ORc、-N(Ra)C(O)NRbRc、-NRbS(O)2Rc、-NRbC(=NH)Rc、-NRbC(=NRc)NH2、-S(O)1-2Rc、-S(O)2NRbRc又は-NRaS(O)2NRbRcであり;
各RD及びRD’はそれぞれ独立してH又はRcであり;
各Ra及びRbはそれぞれ独立してH、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-10アルキル、ハロC1-6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリールC1-6アルキル、シクロアルキルC1-6アルキル又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキルであり;
各Rcは独立してH、置換又は無置換のC1-10アルキル、置換又は無置換のC2-8アルケニル、置換又は無置換のC2-8アルキニル、置換又は無置換のC3-10シクロアルキル、置換又は無置換のC6-10アリール、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC6-10アリールC1-6アルキル、置換又は無置換のC3-10シクロアルキルC1-6アルキル、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリールC1-6アルキルであり;前記C1-10アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクロアルキル、5~10員ヘテロアリール、C6-10アリールC1-6アルキル、C3-10シクロアルキルC1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリールC1-6アルキルは無置換であるか、又は任意の位置で1個又は複数個のRdで選択的に置換されたものであり;
各Rdは独立してハロゲン、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、C1-6アルキル、-CN、-N3、-SRe、-ORe、-C(O)Re、-NReRe’、置換又は無置換のC6-10アリール、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC3-10シクロアルキル又は置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルであり;前記C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクロアルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノとハロC1-4アルコキシのうちの1個又は複数個の置換基で選択的に置換されたものであり;
各Re及びRe’はそれぞれ独立してC2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-10アルキル、ハロC1-6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリールC1-6アルキル、シクロアルキルC1-6アルキル又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキルである。
【0021】
幾つかの実施の態様において、前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩の構造式は:
【0022】
【0023】
であり、
ここで、Z1、Z2はそれぞれ独立してO、S、SO2、CH2、CF2又はSeであり;
B1は
【0024】
【0025】
B2は
【0026】
【0027】
L及びL1はそれぞれ独立して連結結合又はCR1R2であり;
L’及びL1’はそれぞれ独立して連結結合又はCR11R21であり;
L2はO、S又はCR3R4であり;L2’はO、S又はCR31R41であり;
X1はO、S又はCR5R6であり;X11はO、S又はCR51R61であり;
X2はO、S又はCR7R8であり;及びX21はO、S又はCR71R81であり;
X3及びX31はそれぞれ独立してOH、SH又はBH3
-であり;
R及びR’はそれぞれ独立して水素、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド、シアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
R1及びR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アジド、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキルチオ、C1-6アルキルアミノ、OC(O)Ra又はORaであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド及びシアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
R11とR21はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アジド、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキルチオ、C1-6アルキルアミノ、OC(O)Ra又はORaであり;前記C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC1-6アルキルは無置換のもの又は任意の部位でハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド及びシアノのうちの1~3個の置換基で選択的に置換されたものであり;
或いは、R1とR2は一緒にカルボニル基を形成し;
或いは、R11とR21は一緒にカルボニル基を形成;
或いは、Rは-CH2-であり、R1は-O-であり、RとR1はお互いに連結されてヘテロシクロアルキルを形成し;
或いは、R’は-CH2-であり、R11は-O-であり、R’とR11はお互いに連結されてヘテロシクロアルキルを形成し;
R3及びR4はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R31及びR41はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R5及びR6はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R51及びR61はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R7及びR8はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
R71及びR81はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり;
Y及びY1はそれぞれ独立してCRE又はNであり;
UはCHRE’又はNRD’であり;
U1はCH又はNであり;
V及びV1はそれぞれ独立してCRE’’又はNであり;
WはO又はSであり;
各RA、RB、RC、RE、RE’、RE’’、RF及びRGはそれぞれ独立してH、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、Rc、-SRc、-ORc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)NRbRc、-C(O)ORc、-C(O)Rc、-C(O)NRbRc、-NRbRc、-NRbC(O)Rc、-N(Rb)C(O)ORc、-N(Ra)C(O)NRbRc、-NRbS(O)2Rc、-NRbC(=NH)Rc、-NRbC(=NRc)NH2、-S(O)1-2Rc、-S(O)2NRbRc又は-NRaS(O)2NRbRcであり;
各RDとRD’はそれぞれ独立してH又はRcであり;
各RaとRbはそれぞれ独立してH、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-10アルキル、ハロC1-6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリールC1-6アルキル、シクロアルキルC1-6アルキル又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキルであり;
各Rcは独立してH、置換又は無置換のC1-10アルキル、置換又は無置換のC2-8アルケニル、置換又は無置換のC2-8アルキニル、置換又は無置換のC3-10シクロアルキル、置換又は無置換のC6-10アリール、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC6-10アリールC1-6アルキル、置換又は無置換のC3-10シクロアルキルC1-6アルキル、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリールC1-6アルキルであり;前記C1-10アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクロアルキル、5~10員ヘテロアリール、C6-10アリールC1-6アルキル、C3-10シクロアルキルC1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリールC1-6アルキルは無置換であるか、又は任意の位置で1個又は複数個のRdで選択的に置換されたものであり;
各Rdは独立してハロゲン、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、C1-6アルキル、-CN、-N3、-SRe、-ORe、-C(O)Re、-NReRe’、置換又は無置換のC6-10アリール、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC3-10シクロアルキル又は置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルであり;前記C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクロアルキルは無置換であるか、又は任意の位置でハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノとハロC1-4アルコキシから選択される1個又は複数個の置換基で任意に置換され;
各ReとRe’はそれぞれ独立してC2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-10アルキル、ハロC1-6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリールC1-6アルキル、シクロアルキルC1-6アルキル又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキルである。
【0028】
幾つかの実施の態様において、各Rcは独立してH、置換又は無置換のC1-10アルキル、置換又は無置換のC3-10シクロアルキル、置換又は無置換のC6-10アリール、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は無置換のC6-10アリールC1-6アルキル、置換又は無置換のC3-10シクロアルキルC1-6アルキル、置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル、置換又は無置換の5~10員ヘテロアリールC1-6アルキルであり;前記C1-10アルキル、C3-10シクロアルキル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクロアルキル、5~10員ヘテロアリール、C6-10アリールC1-6アルキル、C3-10シクロアルキルC1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリールC1-6アルキルは無置換であるか、又は任意の位置で1個又は複数個のRdで選択的に置換されたものであり;Rdの定義は前記に記載の通りである。
【0029】
Rcにおいて、前記置換又は無置換のC1-10アルキルは、好ましくは、置換又は無置換のC1-6アルキルであり、例えば、置換又は無置換の以下の基:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、n-ブチルであり;
Rcにおいて、前記置換又は無置換のC3-10シクロアルキルは、好ましくは、置換又は無置換の以下の基:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イルであり;
Rcにおいて、前記置換又は無置換のC6-10アリールは、好ましくは、置換又は無置換のフェニルであり;
Rcにおいて、前記置換又は無置換の3~10員ヘテロシクロアルキルは、好ましくは、置換又は無置換の以下の基:テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イルであり;
Rcにおいて、前記置換又は無置換の5~10員ヘテロアリールは、好ましくは、置換又は無置換の5~6員ヘテロアリールである。
【0030】
幾つかの実施の態様において、各Rcは独立してH、C1-4アルキル又はハロC1-4アルキルである。
幾つかの実施の態様において、各Rbは独立してH又はC1-4アルキルである。
【0031】
幾つかの実施の態様において、前記Z1はOである。
幾つかの実施の態様において、前記Z2はOである。
幾つかの実施の態様において、前記B-4~B-16において、前記YはNである。
【0032】
幾つかの実施の態様において、前記B-4~B-16において、前記YはCREであり、REは、好ましくは、H、F、Cl、-CF3、-CH3、-CN、-NH2である。
幾つかの実施の態様において、前記B-4~B-16において、前記Y1はNである。
【0033】
幾つかの実施の態様において、前記B-4~B-16において、前記Y1はCREであり、REは、好ましくは、H、F、Cl、-CF3、-CH3、-CN又は-NH2である。
【0034】
幾つかの実施の態様において、前記B-6~B-9、B-13、B-16~B-17において、前記UはNRD’であり、RD’はH又は-CH3である。
幾つかの実施の態様において、前記B-1~B-5、B-10~B-13、B-15において、前記VはN又はCHである。
【0035】
幾つかの実施の態様において、前記B-1~B-12、B-17において、前記V1はN又はCHである。
幾つかの実施の態様において、前記B-1~B-3において、前記RAはH、ハロゲン、-ORc、-NRbRcであり;ここで、RbとRcの定義は前記に記載の通りである。
【0036】
幾つかの実施の態様において、前記B-4、B-5、B-10~B-12、B-15において、前記RBはH、ハロゲン、-ORc、-NRbRcであり;ここで、RbとRcの定義は前記に記載の通りである。
【0037】
幾つかの実施の態様において、前記B-1、B-2、B-4、B-6~B-8、B-10~B-13、B-17において、前記RCはH、F、Cl、-ORc、-SRc、-NRbRc又はRcであり;ここで、Rcの定義は前記に記載の通りである。
【0038】
幾つかの実施の態様において、前記B-15、B-16において、前記RGはHである。
幾つかの実施の態様において、前記B-15、B-16において、前記RFはHである。
【0039】
幾つかの実施の態様において、前記B-18~B-20において、前記V3はN又はCHである。
幾つかの実施の態様において、前記B-18~B-20において、前記V2はCHである。
【0040】
幾つかの実施の態様において、前記B-18~B-20において、前記W1はN又はCHである。
幾つかの実施の態様において、前記B-18~B-20において、前記W2はCRF’であり;ここで、RF’はH又は-NH2である。
【0041】
幾つかの実施の態様において、前記B-18~B-20において、前記W3はCHである。
幾つかの実施の態様において、前記B-18において、前記W4はCHである。
【0042】
幾つかの実施の態様において、前記B1は以下の任意の構造:
【0043】
【0044】
幾つかの実施の態様において、前記B1は
【0045】
【0046】
幾つかの実施の態様において、前記B1は
【0047】
【0048】
幾つかの実施の態様において、前記B1は以下の任意の構造:
【0049】
【0050】
幾つかの実施の態様において、前記B1は以下の任意の構造:
【0051】
【0052】
幾つかの実施の態様において、前記B1は以下の任意の構造:
【0053】
【0054】
幾つかの実施の態様において、前記B1は以下の任意の構造:
【0055】
【0056】
幾つかの実施の態様において、前記B1は以下の任意の構造:
【0057】
【0058】
幾つかの実施の態様において、前記B2は以下の任意の構造:
【0059】
【0060】
幾つかの実施の態様において、前記B2は:
【0061】
【0062】
幾つかの実施の態様において、前記B2は:
【0063】
【0064】
幾つかの実施の態様において、前記B2は:
【0065】
【0066】
幾つかの実施の態様において、前記Lが連結結合である場合、L1はCR1R2であり;R1とR2の定義は前記に記載の通りである。
幾つかの実施の態様において、前記LがCR1R2である場合、L1は連結結合であり;R1とR2の定義は前記に記載の通りである。
【0067】
幾つかの実施の態様において、前記L’が連結結合である場合、L1’はCR11R21であり;R11とR21の定義は前記に記載の通りである。
幾つかの実施の態様において、前記L’がCR11R21である場合、L1’は連結結合であり;R11とR21の定義は前記に記載の通りである。
【0068】
幾つかの実施の態様において、前記L2はCH2である。
幾つかの実施の態様において、前記L2’はCH2である。
幾つかの実施の態様において、X1はOである。
【0069】
幾つかの実施の態様において、X11はOである。
幾つかの実施の態様において、X2はOである。
幾つかの実施の態様において、X21はOである。
【0070】
幾つかの実施の態様において、RaはC1-4アルキル又はハロC1-4アルキルである。
幾つかの実施の態様において、RaはC1-4アルキルである。
幾つかの実施の態様において、R1とR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;Raの定義は前記に記載の通りである。
【0071】
幾つかの実施の態様において、R11とR21はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;Raの定義は前記に記載の通りである。
幾つかの実施の態様において、R1は水素である。
【0072】
幾つかの実施の態様において、R2は水素、フッ素、ヒドロキシル又はメトキシである。
幾つかの実施の態様において、R11は水素である。
【0073】
幾つかの実施の態様において、R21は水素、フッ素、ヒドロキシル又はメトキシである。
幾つかの実施の態様において、Rは水素である。
【0074】
幾つかの実施の態様において、R’は水素である。
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩において、幾つかの基の定義は以下の通りであり、定義されていない基は前記の任意の方法に記載の通りであり:
Z1はOであり;
Z2はOであり;
B1は
【0075】
【0076】
B2は
【0077】
【0078】
LとL1はそれぞれ独立して連結結合又はCR1R2であり;
L’とL1’はそれぞれ独立して連結結合又はCR11R21であり;且つ、L、L1、L’とL1’は以下の組み合わせであり:
1)Lは連結結合であり、L1はCR1R2であり、L’はCR11R21であり、L1’は連結結合であり、又は
2)LはCR1R2であり、L1は連結結合であり、L’は連結結合であり、L1’はCR11R21であり;
L2はCH2であり;
L2’はCH2であり;
X1はOであり;
X11はOであり;
X2はOであり;
X21はOであり;
X3とX31はそれぞれ独立してOH又はSHであり;
RとR’はそれぞれ独立して水素であり;
R1とR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;
R11とR21はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;
各Raはそれぞれ独立してC1-4アルキル又はハロC1-4アルキルである。
【0079】
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩において、幾つかの基の定義は以下の通りであり、定義されていない基は前述の任意の方案に記載の通りであり:
Z1はOであり;
Z2はOであり;
B1は
【0080】
【0081】
B2は
【0082】
【0083】
LとL1はそれぞれ独立して連結結合又はCR1R2であり;
L’とL1’はそれぞれ独立して連結結合又はCR11R21であり;且つ、L、L1、L’とL1’は以下の組み合わせであり:
1)Lは連結結合であり、L1はCR1R2であり、L’はCR11R21であり、L1’は連結結合であり、又は
2)LはCR1R2であり、L1は連結結合であり、L’は連結結合であり、L1’はCR11R21であり;
L2はCH2であり;
L2’はCH2であり;
X1はOであり;
X11はOであり;
X2はOであり;
X21はOであり;
X3とX31はそれぞれ独立してOH又はSHであり;
RとR’はそれぞれ独立して水素であり;
R1とR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;
R11とR21はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;
各Raはそれぞれ独立してC1-4アルキル又はハロC1-4アルキルである。
【0084】
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩において、幾つかの基の定義は以下の通りであり、定義されていない基は前述の任意の方案に記載の通りであり:
Z1はOであり;
Z2はOであり;
B1は
【0085】
【0086】
B2は
【0087】
【0088】
LとL1はそれぞれ独立して連結結合又はCR1R2であり;
L’とL1’はそれぞれ独立して連結結合又はCR11R21であり;且つ、L、L1、L’とL1’は以下の組み合わせであり:
1)Lは連結結合であり、L1はCR1R2であり、L’はCR11R21であり、L1’は連結結合であり、又は
2)LはCR1R2であり、L1は連結結合であり、L’は連結結合であり、L1’はCR11R21であり;
L2はCH2であり;
L2’はCH2であり;
X1はOであり;
X11はOであり;
X2はOであり;
X21はOであり;
X3とX31はそれぞれ独立してSHであり;
RとR’はそれぞれ独立して水素であり;
R1は水素であり;
R2は水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;
R11は水素であり;
R21は水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;
各Raはそれぞれ独立してC1-4アルキルである。
【0089】
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩において、幾つかの基の定義は以下の通りであり、定義されていない基は前述の任意の方案に記載の通りであり:
Z1はOであり;
Z2はOであり;
B1は
【0090】
【0091】
B2は
【0092】
【0093】
LとL1はそれぞれ独立して連結結合又はCR1R2であり;
L’とL1’はそれぞれ独立して連結結合又はCR11R21であり;且つ、L、L1、L’とL1’は以下の組み合わせであり:
1)Lは連結結合であり、L1はCR1R2であり、L’はCR11R21であり、L1’は連結結合であり、又は
2)LはCR1R2であり、L1は連結結合であり、L’は連結結合であり、L1’はCR11R21であり;
L2はCH2であり;
L2’はCH2であり;
X1はOであり;
X11はOであり;
X2はOであり;
X21はOであり;
X3とX31はそれぞれ独立してSHであり;
RとR’はそれぞれ独立して水素であり;
R1は水素であり;
R2は水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;
R11は水素であり;
R21は水素、ハロゲン、ヒドロキシル又はORaであり;
各Raはそれぞれ独立してC1-4アルキルである。
【0094】
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩は、式II、III、IV又はVの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩であり:
【0095】
【0096】
ここで、B1、B2、Z1、Z2、R、R’、R1、R2、R11、R21、X3、X31、L2とL2’の定義は前記に記載の通りである。
式Iで表され、B1、B2、Z1、Z2、R、R’、R1、R2、R11、R21、X3、X31、L2とL2’の任意の実施形態を含む組み合わせは、いずれも、本発明の式II、III、IV又はVで表される構造式の範囲内に含まれる。
【0097】
以下に記載の式II、III、IV又はVで表されるすべての実施形態は、いずれも、本発明の式II、III、IV又はVで表される構造式の範囲内に含まれる。
式II、III、IV又はVで表される幾つかの実施の態様において、R1はHであり;R2は-OH、F、-N3、-SCF3又は-OCH3である。
【0098】
式II、III、IV又はVで表される幾つかの実施の態様において、R11はHであり;R21は-OH、F、-N3、-SCF3又は-OCH3である。
式II、III、IV又はVで表される幾つかの実施の態様において、Rは-CH2-であり、R1は-O-であり、RとR1はお互いに連結されてヘテロシクロアルキルを形成する。
【0099】
式II、III、IV又はVで表される幾つかの実施の態様において、R’は-CH2-であり、R11は-O-であり、R’とR11はお互いに連結されてヘテロシクロアルキルを形成する。
【0100】
式II、III、IV又はVで表される幾つかの実施の態様において、Z1はOであり;Z2はOである。
式II、III、IV又はVで表される幾つかの実施の態様において、L2は-CH2-であり;L2’は-CH2-である。
【0101】
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩は、好ましくは、式VI又はVIIの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩であり:
【0102】
【0103】
ここで、B1、B2、R2とR21の定義は前記に記載の通りである。
式Iで表され、B1、B2、R2とR21の任意の実施形態を含む組み合わせは、いずれも、本発明の式VI又はVIIで表される構造式の範囲内に含まれる。
【0104】
以下に記載の式VI又はVIIで表されるすべての実施形態は、いずれも、本発明の式VI又はVIIで表される構造式の範囲内に含まれる。
式VI又はVIIで表される幾つかの実施例において、R2は-OHである。
【0105】
式VI又はVIIで表される幾つかの実施例において、R2はFである。
式VI又はVIIで表される幾つかの実施例において、R21は-OHである。
式VI又はVIIで表される幾つかの実施例において、R21はFである。
【0106】
式VI又はVIIで表される幾つかの実施例において、B1は
【0107】
【0108】
式VI又はVIIで表される幾つかの実施例において、B2は
【0109】
【0110】
式VI又はVIIで表される幾つかの実施例において、立体配置は(Sp、Sp)、(Sp、Rp)、(Rp、Rp)又は(Rp、Sp)である。
式VIで表される幾つかの実施例において、R2は-OHであり;R21は-OHである。
【0111】
式VIIで表される幾つかの実施例において、R2は-OH又は-OCH3であり;R21は-OH又はFである。
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩は以下の構造である。
【0112】
【0113】
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩は以下の任意の構造である。
【0114】
【0115】
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩は以下の任意の構造である。
【0116】
【0117】
前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩は、最も好ましくは、以下の任意の構造である。
【0118】
【0119】
幾つかの実施の態様において、前記式Iの化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩は以下の任意の構造である。
【0120】
【0121】
前記式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩は一般的な化学的方法によって合成することができる。
一般に、塩の製造は、適切な溶媒又は溶媒組成物中で、遊離塩基又は酸を、化学量論的に同等又は過剰の酸(無機酸又は有機酸)又は塩基(無機塩基又は有機塩基)と反応させることにより実施することができる。
【0122】
本発明は、さらに、治療有効量の活性成分と薬学的に許容される助剤を含む医薬組成物を提供し;前記活性成分は環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体及び薬学的に許容される塩の一種又は複数種を含む。
【0123】
前記医薬組成物において、前記活性成分は、さらに、ウイルス感染又は他の感染症(例えば、HIV、HBV、HCV感染など)、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、エリテマトーデス、乾癬など)又は悪性腫瘍のための他の治療薬をも含むことができる。
【0124】
前記医薬組成物において、前記薬学的に許容される助剤は薬学的に許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含むことができる。
治療の目的に応じて、前記医薬組成物を、例えば、錠剤、丸剤、粉末、液体、懸濁液、乳濁液、顆粒、カプセル、坐剤及び注射剤(液剤及び懸濁剤)などの様々な種類の投与単位剤形に製剤化することができ、液体、懸濁液、乳液、坐剤及び注射液(液剤及び懸濁液)などが好ましい。
【0125】
錠剤の形態の医薬組成物を成形させるために、当分野で知られ広く使用されている任意の賦形剤を使用することができる。例えば、乳糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース及びケイ酸などの担体;水、エタノール、プロパノール、普通のシロップ、グルコース溶液、デンプン溶液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、シェラック、メチルセルロース及びリン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどのバインダー;乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天粉末及び昆布粉末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン及びラクトースなどの崩壊剤;白糖、グリセリルトリステアレート、ヤシ油及び水素化油などの崩壊抑制剤;第四級アンモニウム塩基及びラウリル硫酸ナトリウムなどの吸着促進剤;グリセリン、デンプンなどの湿潤剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト及びコロイドケイ酸などの吸着剤;並びに純粋なタルク、ステアリン酸塩、ホウ酸粉末、及びポリエチレングリコールなどの潤滑剤が挙げられる。必要に応じて、通常のコーティング材料を使用して、糖衣錠、ゼラチンフィルム錠、ケーシング錠、フィルムコーティング錠、二層フィルムコーティング錠及び多層フィルムコーティング錠に製造することも可能である。
【0126】
丸剤の形態の医薬組成物を成形するために、当分野で公知で広く使用されている任意の賦形剤を使用することができ、例えば、乳糖、デンプン、ヤシ油、硬化植物油、カオリン及びタルクなどの担体;アラビアガムパウダー、トラガカントガムパウダー、ゼラチン及びエタノールなどのバインダー;寒天及び昆布パウダーなどの崩壊剤が挙げられる。
【0127】
坐剤の形態の医薬組成物を成形するために、当分野で公知で広く使用されている任意の賦形剤を使用することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ヤシ油、高級アルコール、高級アルコールのエステル、ゼラチン及び半合成グリセリドなどが挙げられる。
【0128】
注射剤の形態の医薬組成物を製造するために、溶液又は懸濁液を滅菌した後に(好ましくは、適量の塩化ナトリウム、グルコース又はグリセリンなどを添加することにより)、血液の等張注射剤を製造することができる。注射剤を製造する際に、当分野で一般的に使用される任意の担体を使用することができる。例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシル化イソステアリルアルコール及びポリエチレンソルビタンの脂肪酸エステルなどが挙げられる。さらに、通常の可溶化剤、緩衝剤、鎮痛剤などを添加することができる。
【0129】
本発明において、前記医薬組成物における組成物の含有量は特に限定されなく、広い範囲から選択することができ、通常5~95質量%、好ましくは30~80質量%である。
【0130】
本発明において、前記医薬組成物の投与方法は特に限定されない。患者の年齢、性別、その他の状態及び症状に応じて、様々な剤形の製剤を選択して投与することができる。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤又はカプセル剤は経口投与されることができ;注射剤は単独で、又は注射液(例えば、グルコース溶液及びアミノ酸溶液)と組み合わせて静脈注射により投与されることができ;坐剤は直腸に投与される。
【0131】
本発明は、更に、インターフェロン遺伝子刺激因子STINGモジュレーターの製造における前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩、或いはその医薬組成物の使用を提供する。前記インターフェロン遺伝子刺激因子STINGモジュレーターは、インターフェロン遺伝子刺激因子STINGアゴニストであることが好ましい。前記STINGアゴニストは、STINGシグナルを活性化できる式(I)の化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは医薬組成物を指す。
【0132】
本発明は、更に、T細胞又は他の免疫細胞の増殖を調節する医薬の製造における、前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定的な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩、或いはその医薬組成物の使用を提供する。
【0133】
本発明は、更に、ワクチンアジュバントの製造における前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定的な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩、或いはその医薬組成物の使用を提供する。
【0134】
本発明は、更に、STINGが介する関連腫瘍疾患及び非腫瘍性疾患を治療及び/又は緩和する医薬の製造における前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定的な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩、或いはその医薬組成物の使用を提供する。前記STINGが介する関連疾患とは、STINGシグナルによって引き起こされる免疫抑制又は過剰活性化によって引き起こされる疾患を指す。前記関連疾患のタイプには、ウイルス感染症又はその他の感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍を含むが、これらに限定されない。
【0135】
本発明は、好ましくは、免疫抑制によって引き起こされる悪性腫瘍を治療及び/又は緩和する医薬の製造における前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定的な同位体誘導体、又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
【0136】
本発明は、更に、前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物でウイルス感染症、又はほかの感染症、悪性腫瘍、自己免疫性疾患を治療する方法であった、哺乳動物の治療に必要な投与量の式(I)の化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは医薬組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0137】
前記哺乳動物は、好ましくは、ヒトである。
本発明は、好ましくは、STINGが介する関連疾患を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、式(I)の化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供し;前記STINGが介する関連疾患とは、STINGが介する免疫抑制によって引き起こされる疾患を指し、前記疾患は:ウイルス感染症又はその他の感染症(例えば:HIV、HBV、HCV感染症など)、自己免疫疾患(例えば:関節リウマチ、紅斑性狼瘡、乾癬など)又は悪性腫瘍が含まれる。
【0138】
本発明は、更に、悪性腫瘍を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、式(I)の化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
【0139】
本発明は、更に、ウイルス又は他の感染症を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、前記式(I)の化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
【0140】
本発明は、更に、自己免疫疾患を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、前記式(I)の化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
【0141】
本発明は、更に、STINGが介する関連疾患の治療、緩和及び/又は予防するための医薬の製造における、前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物を1種又は複数種のほかの種類の治療剤及び/又は治療方法と併用する使用を提供する。前記STINGが介する関連疾患とは、STINGが介する免疫抑制によって引き起こされる疾患を指し、前記疾患は:ウイルス又はその他の感染症(例えば:HIV、HBV、HCV感染症など)、自己免疫疾患(例えば:関節リウマチ、紅斑性狼瘡、乾癬など)又は悪性腫瘍を含むことができる。
【0142】
本発明は、好ましくは、癌を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物を1種又は複数種のほかの種類の治療剤及び/又は治療方法と併用する使用である。
【0143】
本発明は、好ましくは、STINGが介する癌を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、前記環状ジヌクレオチド類似体(I)、その異性体、プロドラッグ、安定同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物を1種又は複数種のほかの種類の治療剤及び/又は治療方法と併用する使用である。
【0144】
本発明において、前記その他のタイプの治療薬(例えば:癌を治療するためのその他のタイプの治療薬)は、前記環状ジヌクレオチド類似体(I)と単回投与治療剤形にしてもよく、又はそれぞれ順次に投与する治療剤形にしてもよい。
【0145】
本発明は、さらに、式(I)の化合物、その異性体、プロドラッグ、安定な同位体誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物と他のタイプの癌を治療する治療剤及び/又は治療方法を組み合わせる配合製剤を提供する。
【0146】
本発明において、前記その他のタイプの癌を治療する治療剤は:チューブリン阻害剤、アルキル化剤、トポザイムI/II阻害剤、プラチナ系化合物、代謝拮抗剤、ホルモン及びホルモン類似体、シグナル伝達経路阻害剤、血管新生阻害剤、標的治療薬(例えば:特殊なキナーゼ阻害剤)、免疫治療剤、プロアポトーシス剤及び細胞周期シグナル経路阻害剤の1種又は複数種を含むが、これらに限定されない。
【0147】
本発明において、前記他のタイプの癌を治療する治療方法は:腫瘍免疫療法及び放射線療法の1種又は複数種を含むが、これらに限定されない。
本発明において、前記他のタイプの癌を治療する治療剤は、好ましくは、免疫治療剤である。
【0148】
本発明において、前記チューブリン阻害剤は:ビンブラスチン系(例:ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンデシン)、タキサン系(ドセタキセル、パクリタキセル)及びエリブリンメシル酸塩の1種又は複数種から選択されるが、これらに限定されない。
【0149】
本発明において、前記アルキル化剤は、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード-N-オキシド、クロラムブシル、ウラシルマスタード、シクロホスファミド、イソシクロホスファミド、チオテパ、カルボコン、トリイミンキノン、トシル酸インプロスルファン、マンノスルファン、トレオスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、プロカルバジン、ポリエチレンイミン誘導体、メタンスルホン酸塩系、ニトロソウレア、トリアゼン系の1種又は複数種から選択されるが、これらに限定されない。
【0150】
本発明において、前記トポテカンI/II阻害剤は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、エトポシド、テニポシド、アドリアマイシン、及びデクスラゾキサン、カンプトテシンの1種又は複数種から選択されるが、これらに限定されない。
【0151】
本発明において、前記白金化合物は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びネダプラチンの1種又は複数種から選択されるが、これらに限定されない。
本発明において、前記代謝拮抗剤は、葉酸拮抗薬、ピリミジン類似体、プリン類似体、例えば、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン及びゲムシタビンのようなアデノシンデアミナーゼ阻害剤の1種又は複数種から選択されるが、これらに限定されない。
【0152】
本発明において、前記免疫療法剤は、免疫調節剤、腫瘍微小環境調節剤、及び抗血管新生因子の1種又は複数種から選択されるが、これらに限定されない。前記免疫調節剤には:1)T細胞活性を阻害するタンパク質アゴニスト(例:免疫チェックポイント阻害剤):CTLA4(例えば:ipilimumab、tremelimumab、abatacept、belatacept、BMS-986249、BMS-986218、AGEN-1884とKN-046の中の1種又は複数種)、PD-1(例えば:camrelizumab、toripalimab、sintilimab、cemiplimab、pembrolizumab、nivolumab、tislelizumab、spartalizumab、dostarlimab、genolimzumab、cetrelimab、HLX-10、BCD-100、AK-105、MEDI-0680、CS-1003、BAT-1306、HX-008、sasanlimab、AGEN-2034、BI-754091、GLS-010、MGA-012、AK-104とAK-103の中の1種又は複数種)、PD-L1(例えば:durvalumab、avelumab、atezolizumab、envafolimab、cosibelimab、CS1001、SHR-1316、lazertinib、bintrafuspalfa、TQB-2450、CA-170、CX-072、BGB-A333、BMS-936559、GEN-1046、KL-A167とIO-103の中の1種又は複数種)、LAG3とTIM3の1種又は複数種;2)T細胞活性を刺激するタンパク質アゴニスト:GITR、OX40、OX40L、4-1BB(CD137)、CD27及びCD40の中の一種又は複数種;3)TLR2アゴニスト、TLR4アゴニスト、TLR5アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト及びTLR9アゴニストの中の一種又は複数種;4)IDO阻害剤、CD73阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0153】
本発明において、前記シグナル伝達経路阻害剤(STI)は、BCR/ABLキナーゼ阻害剤、上皮成長因子受容体阻害剤、her-2/neu受容体阻害剤、AKTファミリーキナーゼ阻害剤、PI3Kシグナル伝達経路阻害剤と細胞周期チェックポイント阻害剤の1種又は複数種から選択されるが、これらに限定されない。
【0154】
本発明において、前記血管新生阻害剤は、VEGF/VEGFRシグナル伝達経路阻害剤、Srcファミリーキナーゼ阻害剤、Srcシグナル伝達経路阻害剤、及びc-Fesキナーゼ阻害剤の1種又は複数種から選択されるが、これらに限定されない。
【0155】
本発明において、前記標的治療薬は、エルロチニブ、イマチニブ、アパチニブ、ニロチニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、パゾールパニ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ベムラフェニブ、ボスチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、アキシチニブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、ニンテダニブ、レンバチニブ、マシチニブ、ミドスタウリン、ネラチニブ、ポナチニブ、ラドチニブ、トラメチニブ、ブリバニブアラニンエステル、セディラニブ、カルボチニブリンゴ酸塩、イブルチニブ、イコチニブ、Sipatinib、コビメチニブ、イデラリシブ、ポナチニブ、alisertib、dinaciclib、linsitinib、orantinib、rigosertib、tipifarnib、tivozanib、pimasertib、buparlisib、及びfedratinibから選択される1種又は複数種を含む。
【0156】
本発明において、前記腫瘍免疫療法は:抗腫瘍ワクチン(例えば、合成ペプチド、DNAワクチン及び組換えウイルス)、腫瘍溶解性ウイルス、サイトカイン療法(例えば、IL2及びGM-CSF)及びキメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T)のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。。
【0157】
本発明において、前記ウイルス及びその他の感染は:インフルエンザ、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ポリオウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス又はI型ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのウイルスによる感染を含むことができる。
【0158】
本発明において、前記悪性腫瘍は、転移性及び非転移性の癌を含み、ならびに家族性の遺伝性及び偶発的な癌も含み、固形腫瘍及び非固形腫瘍も含むこともできる。
本発明において、前記固形腫瘍の具体例には、目、骨、肺、胃、膵臓、乳房、前立腺、脳(膠芽腫及び髄芽腫を含む)、卵巣(上皮細胞から産生されるストローマ細胞、生殖細胞及び間質細胞を含む)、膀胱、精巣、脊髄、腎臓(腺癌、腎芽腫を含む)、口、唇、喉、口腔(扁平上皮癌を含む)、鼻腔、小腸、結腸、直腸、副甲状腺、胆嚢、胆管、子宮頸部、心臓、下咽頭腺、気管支、肝臓、尿管、膣、肛門、喉頭、甲状腺(甲状腺癌及び髄様癌を含む)、食道、鼻咽頭下垂体、唾液腺、副腎、頭頸部上皮内腫瘍様病変(Bowen病及びPaget病を含む)、肉腫(平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、骨肉腫を含む)、皮膚(黒色腫、カポジ肉腫、基底細胞癌(basocellular癌)及び扁平上皮癌を含む)などの関連腫瘍が含まれるが、これらに限定されない
本発明において、前記固形腫瘍は、ヒトの眼癌、骨癌、肺癌、胃癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、脳癌(悪性神経膠腫、髄芽腫を含むが、これらに限定されない)、卵巣癌、膀胱癌、子宮頸癌、精巣癌、腎臓癌(腺癌、腎芽腫を含むが、これらに限定されない)、口腔癌(扁平上皮癌を含む)、舌癌、喉頭癌、鼻咽頭癌、頭頸部癌、結腸癌、小腸癌、直腸癌、副甲状腺癌、甲状腺癌、食道癌、胆嚢癌、胆管癌、子宮頸癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌を含むが、これらに限定されない)、絨毛上皮癌、骨肉瘤、ユーイング腫瘍、軟部組織肉腫、及び皮膚癌のうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0159】
本発明において、前記非固形腫瘍(血液腫瘍を含む)の具体例には、リンパ球性白血病(急性リンパ球性白血病、リンパ腫、骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、T細胞慢性リンパ性白血病、B細胞慢性リンパ性白血病を含む)、骨髄関連白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病を含む)、及びAIDs関連白血病のうちの1種又は複数種が含まれるが、これらに限定されない。
【0160】
本発明において、前記の自己免疫性疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病(MCTD)、全身性強皮症(CREST症候群を含む)、皮膚筋炎、結節性脈管炎、腎臓病(グッドパスチャー症候群、急性糸球体腎炎、原発性膜性増殖性糸球体腎炎などを含む)、内分泌関連疾患(I型糖尿病、性腺機能不全、悪性貧血、甲状腺機能亢進などを含む)、肝臓病(原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性胆管炎、自己免疫性肝炎、原発性硬化性胆管炎などを含む)及び感染による自己免疫反応(例えば、エイズ、マラリアなど)のうちの1種又は複数種を含むが、これらに限定されない。
【0161】
特に説明しない限り、本発明の明細書及び請求の範囲で示される下記の用語は、下記の意味を指す。
用語「アルキル」とは、1~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を指す。1~10個の炭素原子が好ましく、1~8、1~6、1~4、又は1~3個の炭素原子がより好ましい。アルキルの代表的な実例は、:メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、4,4-ジメチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ウンデシル、ドデシル、及びそれらの様々な異性体などを含むが、これらに限定されない。
【0162】
用語「シクロアルキル」とは、3~20個の炭素原子を含む飽和又は部分不飽和(1個又は2個の二重結合を含む)の単環式又は多環式の基を指す。「単環式シクロアルキル」は、3~10員単環式シクロアルキルが好ましく、3~8員単環式シクロアルキルがより好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、シクロヘキセニルが挙げられる。「多環式シクロアルキル」は、「架橋環基」、「縮合シクロアルキル基」及び「スピロシクロアルキル」を含む。単環式シクロアルキル又は多環式シクロアルキルは、環における任意の1個又は2個の炭素原子を介して親分子に結合することができる。
【0163】
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、炭素原子と、窒素、酸素又は硫黄などから選択されるヘテロ原子からなる飽和又は部分不飽和(1又は2個の二重結合を含む)の非芳香族環式基を指し、当該環式基は、単環式又は多環式であってもよく、本発明において、ヘテロシクロアルキルにおけるヘテロ原子の数は、1、2、3又は4であることが好ましく、ヘテロシクロアルキルにおける窒素、酸素又は硫黄原子は任意に酸化されてもよく、窒素原子は、任意に他の基でさらに置換されて、第三級又は第四級アンモニウム塩を形成することができる。「単環式ヘテロシクロアルキル」は、3~10員単環式ヘテロシクロアルキルが好ましく、3~8員単環式ヘテロシクロアルキルがさらに好ましい。例えば、アジリジニル、テトラヒドロフラン-2-イル、モルホリン-4-イル、チオモルホリン-4-イル、チオモルホリン-S-オキシド-4-イル、ピペリジン-1-イル、N-アルキルピペリジン-4-イル、ピロリジン-1-イル、N-アルキルピロリジン-2-イル、ピペラジン-1-イル、4-アルキルピペラジン-1-イルなどが挙げられる。「多環式ヘテロシクロアルキル」は、「縮合ヘテロシクロアルキル」、「スピロヘテロシクリル」及び「架橋ヘテロシクロアルキル」を含む。単環式ヘテロシクロアルキル及び多環式ヘテロシクロアルキルは、環における任意の環原子を介して親分子に結合することができる。上記の環原子とは、特に、環骨格を構成する炭素原子及び/又は窒素原子を指す。
【0164】
用語「シクロアルキルアルキル」とは、シクロアルキルと母核構造との間にアルキルを介して結合することを指す。従って、「シクロアルキルアルキル」は上記アルキル及びシクロアルキルの定義を含む。
【0165】
用語「ヘテロシクロアルキルアルキル」とは、ヘテロシクロアルキルと、母核構造との間にアルキルを介して結合することを指す。従って、「ヘテロシクロアルキルアルキル」は上記アルキル及びヘテロシクロアルキルの定義を含む。
【0166】
用語「アルコキシ」とは、酸素ブリッジを介して結合した、前記炭素原子の数を有する環式又は非環式アルキル基を指し、アルキルオキシ、シクロアルキルオキシ及びヘテロシクロアルキルオキシを含む。従って、「アルコキシ」は上記アルキル、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルの定義を含む。
【0167】
用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖、分岐鎖又は環状の非芳香族炭化水素基を指す。アルケニルには、1~3個の炭素-炭素二重結合が存在することができ、1個の炭素~炭素二重結合が存在することが好ましい。用語「C2-4アルケニル」とは2~4個の炭素原子を有するアルケニルを指し、用語「C2-6アルケニル」とは、2~6個の炭素原子を有するアルケニルを指し、ビニル、プロペニル、ブテニル、2-メチルブテニル及びシクロヘキセニルを含む。前記アルケニルは、置換されてもよい。
【0168】
用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基を指す。アルキニルには、1~3個の炭素-炭素三重結合が存在することができ、1個の炭素-炭素三重結合が存在することが好ましい。用語「C2-6アルキニル」とは、2~6個の炭素原子を有するアルキニルを指し、エチニル、プロピニル、ブチニル、及び3-メチルブチニルを含む。
【0169】
用語「アリール」とは、任意の安定な6~20員単環式又は多環式芳香族基を指し、例えば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、2,3-ジヒドロインデニル、又はビフェニルなどがある。
【0170】
用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの環上の炭素原子を窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ原子で置換することにより形成される芳香環基を指し、5~7員単環式構造又は7~12員ニ環構造であってもよく、5~6員単環式ヘテロアリールであることが好ましい。本発明において、ヘテロ原子の数は、1、2又は3であることが好ましい。ヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジン-3(2H)-ケト、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、イソインダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニルなどを含む
用語「アリールアルキル」とは、アリールと、母核構造との間にアルキルを介して結合することを指す。従って、「アリールアルキル」は上記アルキル及びアリールの定義を含む。
【0171】
用語「ヘテロアリールアルキル」とは、ヘテロシクロアルキルと、母核構造との間にアルキルを介して結合することを指す。従って、「ヘテロアリールアルキル」は上記アルキル及びヘテロアリールの定義を含む。
【0172】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。
用語「ハロアルキル」とは、ハロゲンにより任意に置換されるアルキルを指す。従って、「ハロアルキル」は上記ハロゲン及びアルキルの定義を含む。
【0173】
用語「ハロアルコキシ」とは、ハロゲンにより任意に置換されるアルコキシを指す。従って、「ハロアルコキシ」は、上記ハロゲン及びアルコキシの定義を含む。
用語「アミノ」とは、-NH2を指し、用語「アルキルアミノ」とは、アミノ基における少なくとも1つの水素原子がアルキルに置換されたものを指し、-NHCH3、-N(CH3)2、-NHCH2CH3、-N(CH2CH3)2を含むが、これらに限定されない。
【0174】
用語「ニトロ」は、-NO2を指す。
用語「シアノ」は、-CNを指す。
用語「アジド」は、-N3を指す。
【0175】
本発明に記載の「室温」は、15~30℃を指す。
前記同位体置換誘導体は、式(I)における任意の水素原子が1~5個の重水素原子により置換された同位体置換誘導体、式(I)における任意の炭素原子が1~3個の炭素14原子により置換された同位体置換誘導体、又は式(I)における任意の酸素原子が1~3個の酸素18原子により置換された同位体置換誘導体を含む。
【0176】
前記「プロドラッグ」とは、体内での代謝後に化合物が元の活性化合物に変換されることを指す。典型的には、プロドラッグは不活性であるか、又は活性な親化合物よりも活性が低いが、便利な取り扱い、投与又は改善された代謝特性を提供できる。
【0177】
本発明に記載の「薬学的に許容される塩」は、Berge、et al.、“Pharmaceutically acceptable salts」、J.Pharm.Sci.、66、1~19(1977)で検討されており、製薬化学者にとって自明であり、前記塩は実質的に非毒性であり、所望の医薬動態特性、適口性、吸収、分布、代謝又は排泄などを提供できる。本発明の前記化合物は、酸性基、塩基性基又は両性基を有していてもよく、典型的な薬学的に許容される塩は、本発明の化合物を酸と反応させることにより得られる塩を含む。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、オクタン酸塩、ギ酸塩、アクリル酸塩、イソ酪酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、安息香酸塩、メチル安息香酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、(D、L)-酒石酸、クエン酸、マレイン酸、(D、L)-リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、コハク酸塩、乳酸塩、トリフレート、ナフタレン-1-スルホン酸塩、マンデル酸塩、ピルビン酸塩、ステアリン酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩がある。本発明の化合物が酸性基を含む場合、その薬学的に許容される塩は、リチウム、ナトリウム又はカリウム塩などのアルカリ金属塩;亜鉛、カルシウム又はマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニア、アルキルアミン系(メチルアミン、トリエチルアミンを含むが、これらに限定されない)、ヒドロキシアルキルアミン系、アミノ酸(リジン、アルギニンを含むが、これらに限定されない)、N-メチルグルカミンなどの有機塩基性塩をさらに含むことができる。
【0178】
本発明で使用される「異性体」とは、本発明の式(I)の化合物が不斉中心及びラセミ体、ラセミ混合物及び個々のジアステレオマーを有し得ることを指す。立体異性体及び幾何異性体を含むそのような異性体はすべて、本発明に含まれる。本発明において、式(I)の化合物及びその塩が立体異性体の形態(例えば、1個又は複数個の不斉炭素原子を含む)として存在する場合、単一の立体異性体(鏡像異性体及びジアステレオマー)及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明は、式(I)の化合物又は塩の個々の異性体、及び1個又は複数個のキラル中心が反転している異性体との混合物も含む。本発明の範囲は、立体異性体の混合物、及び精製されたエナンチオマー又はエナンチオマー/ジアステレオマーに富んだ混合物を含む。本発明は、すべてのエナンチオマー及びジアステレオマーのすべての可能な異なる組み合わせの立体異性体の混合物を含む。本発明は、上記で定義されたすべての具体的な基の立体異性体のすべての組み合わせ及びサブセットを含む。本発明も式(I)の化合物は、キラルP原子を含み、Rp又はSp配置を有するため、個々の立体配置が(Sp、Sp)、(Sp、Rp)、(Rp、Rp)又は(Rp、Sp)である化合物及びそれらの任意の混合物は、本発明の範囲に含まれる。
【0179】
前記好ましい条件は、当分野の通常の知識を違反しない限り、任意に組み合わせ、本発明の各々の好ましい実施例を得ることができる。
本発明で使用される試薬及び原料は市販品として入手できる。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【
図1】マウス結腸癌CT26皮下移植腫瘍モデルにおける化合物6-p3(1mg/kg、2mg/kg、i.t.)とRef.1(2mg/kg、i.t.)の腫瘍体積変化曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0181】
以下は、実施例に基づいて本発明をさらに説明するが、本発明をこれらの実施例の範囲に制限するものではない。以下の実施例に具体的な条件を指定しない実験方法は、従来の方法及び条件に従って、又は製品の説明書に従って選択される。
【0182】
本発明のすべての化合物の構造は、核磁気共鳴(1H NMR)及び/又は質量分析(MS)によって同定することができる。
1H NMR化学シフト(δ)はPPM(10-6)で記録される。NMRはBruker AVANCE-400分光計で実施される。適切な溶媒は、重水素化クロロホルム(CDCl3)、重水素化メタノール(CD3OD)、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)であり、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を使用する。
【0183】
液体クロマトグラフ質量分析(LCMS)は、Agilent 1200 HPLC/6120質量分析計によって測定され、Xtimate C18、3.0×50 mm、3μm、カラム温度は40℃であり;又はThermoUltiMate3000HPLC/MSQPLUS質量分析計で、クロマトグラフィーカラムXBridge C18、3.0×50mm、3.5μm、カラム温度は30℃を使用して測定した。Agilent勾配溶離条件1は:95~5%溶媒A1及び5~95%溶媒B1(0~2.0分)の後、95%溶媒B1及び5%溶媒A1(1.1分以上維持)で、百分率は全溶媒体積におけるある溶媒の体積百分率である。溶媒A1は0.01%トリフルオロ酢酸(TFA)の水溶液で、溶媒B1は0.01%トリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液で、百分率は溶液における溶質の体積百分率である。Thermo勾配溶離条件2は:95~5%の溶媒A2及び5~95%の溶媒B2(0~2分)、次に95%の溶媒B2及び5%の溶媒A2(1.8分以上維持)、百分率は、溶媒全体の体積に対する特定の溶媒の体積百分率である。溶媒A2は10nMの炭酸水素アンモニウム水溶液であり;溶媒B2はアセトニトリルである。
【0184】
本発明のすべての化合物は、高速液体クロマトグラフィー又はフラッシュカラムクロマトグラフィーによって分離することができる。
高速液体クロマトグラフィー(prep-HPLC)は、島津LC-20分取液体クロマトグラフィーを使用し、カラムがwaters xbridge Pre C18,10um,19mmx250mmである。第1の分離条件(酸性方法):移動相A:0.05%のトリフルオロ酢酸水溶液、移動相B:アセトニトリル;移動相Bは40%であり、溶出時間:20分である。第2の分離条件(塩基性方法):移動相A:10mmol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;勾配溶出移動相Bは10%から80%までであり、溶出時間:30分である。第3の分離条件(塩基性方法):移動相A:10mmol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;勾配溶出移動相Bは0%から15%までであり、溶出時間:30分である。第4の分離条件(塩基性方法):移動相A:10mmol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;勾配溶出移動相Bは0%から4%までであり、溶出時間:10分であり;勾配溶出移動相Bは4%から8%までであり、溶出時間:15分である。第5の分離条件(塩基性方法):移動相A:10mmol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;勾配溶出移動相Bは0%から5%までであり、溶出時間:10分であり;勾配溶出移動相Bは5%から10%までであり、溶出時間:15分である;第6の分離条件(塩基性方法):移動相A:10mmol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;勾配溶出移動相Bは10%から30%までであり、溶出時間:5分であり;勾配溶出移動相Bは30%から75%までであり、溶出時間:20分である;第7の分離条件(塩基性方法):移動相A:10mmol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;勾配溶出移動相Bは0%から10%までであり、溶出時間:7分であり;勾配溶出移動相Bは10%から40%までであり、溶出時間:18分である。検出波長:214nm&254nm;流速:15.0mL/分である。
【0185】
フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flashカラムクロマトグラフィー)(flash system / CheetahTM)はAgela Technologies MP200を使用し、セットとして使用した順相分離カラムはFlashcolumm Silica-CS(25g、40g、80g、120g、又は330g)、Tianjin Bonna-Agela Technologiesであり、溶出系は酢酸エチル/石油エーテル、又はジクロロメタン/メタノールであり;逆相分離カラムはC18逆相カラム(12g、20g又は40g)、Changzhou Santai Technologyであり、溶出系はアセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)である。
【0186】
本発明のすべての化合物は、高速液体クロマトグラフで分析することができ、高速液体クロマトグラフ(HPLC)は、Waters e2695、2498 UV/VIS Detectorを使用し、クロマトグラフィーカラムは:Waters Xselect CHS C18(4.6*150mm)5μmであり、移動相Aは:アセトニトリル、移動相Bは:10mmの酢酸トリエチルアミン緩衝液を酢酸でpH値を5.0に調整したものである。勾配溶出移動相Bは95%から15%までであり、溶出時間:30分である。検出波長は:214nm&254nmであり;カラム温度は:35℃である。
【0187】
実施例1:中間体1~8の合成
【0188】
【0189】
工程1:アデノシン(50g、187mmol)を酢酸/酢酸ナトリウム(pH=4.0、0.5M、1L)の緩衝液に懸濁し、ゆっくりと液体臭素(60g、374mmol)を滴下し、系の温度を10℃未満に維持させ、添加完了後、反応系を室温で48時間撹拌した。反応溶液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、過剰の臭素を除去した後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを中性に調整し、氷水浴で冷却させ、2時間撹拌した。固体を析出し、濾過し、固体を収集し、真空乾燥させた後、中間体1-1(29g)を得た。m/z:[M+H]+346.0/348.0。
【0190】
工程2:中間体1-1(10g、28.9mmol)をメタノール(100mL)に懸濁し、ナトリウムメトキシド(9.36g、173mmol)を添加し、反応系を5時間還流しながら撹拌し、減圧濃縮してメタノールを除去し、残留物をメタノール/ジクロロメタン(1/10)の混合溶媒に溶解させ、ブフナー漏斗に一層のシリカゲルを添加し、濾過し、濾液を減圧濃縮して、中間体1-2(3.8g)を得た。m/z:[M+H]+298.2。
【0191】
工程3:窒素ガスの保護、0℃下で、トリメチルクロロシラン(16mL、121mmol)を中間体1-2(10g、336mmol)のピリジン(40mL)溶液に添加し、次に反応系を室温で2時間撹拌した後、塩化ベンゾイル(9.4mL、80.7mmol)を前記反応系にゆっくりと添加し、得られた反応溶液を室温化で一晩撹拌した。次に、アンモニア水(25~28%)を添加し、30分間攪拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して、中間体1-3(7.3g)を得、白色固体であった。m/z:[M+H]+402.2。
【0192】
工程4:窒素ガスの保護、0℃下で、4,4’-ジメトキシトリフェニルクロロメタン(DMTrCl、5.9g、17.4mmol)をバッチに中間体1-3(7g、17.4mmol)の乾燥ピリジン(7g、17.4mmol)溶液に添加し、反応系を室温で3時間攪拌した後、水(1mL)を添加して反応をクエンチングさせ、減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して中間体1-4(7.4g)を得、黄色の固体であった。m/z:[M+H]+704.2。
【0193】
工程5:窒素ガスの保護、0℃下で、tert-ブチルジメチルクロロシラン(TBSCl、0.31g、2.05mmol)とイミダゾール(0.29g、4.30mmol)を中間体1-4(1.2g、1.70mmol)のピリジン(5mL)溶液に添加し、反応系を室温下で16時間撹拌した。次に、反応系を氷水浴で冷却させ、水(10mL)と酢酸エチル(50mL)を添加して希釈し、有機相を飽和食塩水(50mL×2)で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~60%の酢酸エチル/石油エーテル)で精製して、中間体1-5(低極性、276mg、白色固体)と1-6(高極性、670mg、オフホワイトの固体)を得た。中間体1-5:m/z:[M+H]+818.3;TLCRf=0.42(DCM/MeOH=15/1);1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ11.00(s、1H)、8.48(s、1H)、8.02(d、J=7.8Hz、2H)、7.62(t、J=7.4Hz、1H)、7.53(t、J=7.6Hz、2H)、7.39(d、J=7.8Hz、2H)、7.29~7.16(m、7H)、6.83(d、J=8.6Hz、4H)、5.90(d、J=5.8Hz、1H)、5.13(d、J=6.0Hz、1H)、5.08(t、J=5.5Hz、1H)、4.27(dd、J=9.6、5.2Hz、1H)、4.07(d、J=4.0Hz、1H)、4.00(s、3H)、3.71(s、6H)、3.27~2.23(m、1H)、3.14~3.10(m、1H)、0.74(s、9H)、0.10(d、J=6.6Hz、6H)。中間体1-6:m/z:[M+H]+818.3;TLCRf=0.23(DCM/MeOH=10/1);1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ11.00(s、1H)、8.50(s、1H)、8.01(d、J=7.6Hz、2H)、7.62(m、1H)、7.52(m、2H)、7.32(d、J=7.5Hz、2H)、7.26~7.16(m、7H)、6.82(dd、J=8.8、2.3Hz、4H)、5.83(d、J=5.2Hz、1H)、5.40(d、J=6.1Hz、1H)、5.06(m、1H)、4.59(t、J=4.5Hz、1H)、4.06(s、3H)、3.71(s、6H)、3.35~3.33(m、1H)、3.31~3.26(m、1H)、3.09~3.01(m、1H)、0.85(s、9H)、0.08(d、J=7.8Hz、6H)。
【0194】
工程6:亜リン酸ジフェニル(460mg、1.92mmol)を中間体1-6(400mg、0.48mmol)のピリジン(4mL)溶液に添加し、室温で30分間撹拌し、次にトリエチルアミン(0.4mL)と水(0.4mL)をそれぞれ反応溶液に添加し、30分間撹拌した。その後、ジクロロメタン(5mL)と炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL、5%)をそれぞれ前記反応溶液に添加し、有機相を水で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して中間体1-7(トリエチルアミン塩、600mg)を得、白色固体であった。m/z:[M+H]+882.3。
【0195】
工程7:0℃下で、ジクロロ酢酸(DCA)のジクロロメタン(0.6M、23.7mL)溶液を、中間体1-7(2.8g、2.85mmol)のジクロロメタン(20mL)と水(0.3mL)の混合溶液に添加し、室温で1時間撹拌した後、反応溶液にピリジン(20mL)を添加し、得られた混合物を室温下で続いて10分間撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去し、中間体1-8(ピリジン塩、粗生成物)を得た。m/z:[M+H]+580.1。
【0196】
実施例2:化合物1-p1、1-p2、1-p3と1-p4の合成
【0197】
【0198】
工程1:中間体1-8(2.85mmol)を乾燥のアセトニトリル(15mL)に溶解させ、減圧濃縮して溶媒を除去し、前記作業を2回繰り返し、最後に10mLのアセトニトリルが残り、No.4モレキュラーシーブ(0.8g)を添加した。化合物1-9(CASNo:104992-55-4、3.3g、3.42mmol)を乾燥アセトニトリル(15mL)に溶解させ、次に減圧濃縮して溶媒を除去し、上記の作業を2回繰り返し、最後に5mLのアセトニトリルが残った。0℃下で、化合物1-9のアセトニトリル溶液をゆっくりと化合物1-8のアセトニトリル溶液に滴下し、得られた反応系を室温下で0.5時間撹拌し、次にN,N-ジメチル-N’-(3-チオ-3H-1,2,4-ジチアゾール-5-イル)ホルムアミジン(DDTT、697mg、3.42mmol)を反応溶液に添加し、40分間撹拌した後、モレキュラーシーブを濾過して除去し、濾液を減圧濃縮して、化合物1-10(7.5g)を得た。m/z:[M+H]+1499.3。
【0199】
工程2:化合物1-10(3.7g、2.35mmol)をジクロロメタン(35mL)と水(0.7mL)に溶解させ、室温でDCAのジクロロメタン溶液(0.6M、31mL、18.8mmol)を滴下した。次に、反応系を室温で2時間撹拌した。トリエチルシラン(20mL)を滴下した後、反応溶液を室温で1時間撹拌した。ピリジン(10mL)を滴下した後、反応溶液を減圧濃縮し、残留物を分取HPLCで精製して、化合物1-11(400mg)を得、白色固体であった。m/z:[M+H]+1196.2。
【0200】
工程3&4:-40℃下で、ジフェニルクロロホスフェート(DPCP、1g、3.8mmol)をゆっくりとピリジン(5mL)に滴下し、化合物1-11(230mg、0.19mmol)を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解させ、-40℃下でゆっくりと前記反応溶液に添加し、次に、当該温度下で30分間撹拌して、化合物1-12を含有する反応溶液を得た。3H-1,2-ベンゾジスルホフェノール-3-オン(64mg、0.38mmol)を直接的に化合物1-12の反応溶液に添加し、室温で1時間撹拌し、水(68mg、3.8mmol)を添加して1時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈した後、炭酸水素ナトリウム水溶液(2.7%、30mL)で洗浄し、有機相を分離し、有機相を濃縮して化合物1-13を得た。化合物1-13を分取HPLC(分離条件2)で分離して3つの異性体を得:1-13-p1(60mg)は黄色の固体であって、1-13-p2(30mg)は白色の固体であって、1-13-p3(40mg)は白色の固体であった。
【0201】
工程5:化合物1-13-p1(80mg、0.066mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液にtert-ブチルアミン(2mL)を添加し、反応系を室温下で0.5時間撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去した。残留物をメタノール(4mL)に溶解させ、塩酸メタノール溶液(2M、4mL)を添加し、反応溶液を45℃下で1時間撹拌し、次に減圧濃縮して溶媒を除去し、化合物1-14-p1(100mg)を得、黄色の固体であった。m/z:[M+H]+1143.1。
【0202】
工程6:化合物1-14-p1(100mg)のメタノール(6mL)溶液にアンモニア水(6mL)を添加し、反応系を45℃下で一晩撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去し、残りの液体を凍結乾燥させた後、化合物1-15-p1(100mg、粗生成物)を得、黄色の固体であった。m/z:[M+H]+935.2。
【0203】
工程7:化合物1-15-p1(45mg)を乾燥ピリジン溶液(10mL)の中で3回共沸乾燥させた後、ピリジン(2mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下でトリエチルアミン(0.66mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(387mg)を添加し、得られた反応溶液を45℃下で3時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を分取HPLC(分離条件3)で精製して、化合物1-p1(0.34mg、m/z:[M+H]+706.8、HPLC-RT:8.584min)と1-p2(0.30mg、m/z:[M+H]+706.8、HPLC-RT:8.662min)を得、いずれも白色の固体であった。
【0204】
化合物1-p3の合成:
同じ方法で、化合物1-13-p2(50mg、0.041mmol)のアセトニトリル(2.0mL)溶液にtert-ブチルアミン(2mL)を添加し、室温下で0.5時間撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去した。残留物をメタノール(1mL)に溶解させ、塩酸メタノール溶液(2mL、2M)を添加し、反応溶液を40℃下で4時間撹拌した後、減圧濃縮して溶媒を除去した。残留物をメタノール(1mL)に溶解させ、アンモニア水(1mL)を添加し、50℃下で16時間撹拌し、反応溶液に窒素を吹き込んでほとんどのアンモニアを除去し、減圧濃縮して溶媒を除去した。残りの液体を凍結乾燥させ、得られた粗生成物を乾燥ピリジン(10mL)溶液に溶解させ、3回共沸乾燥させた後、ピリジン(2mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下でトリエチルアミン(0.66mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.36mL)を添加し、得られた反応溶液を50℃下で2時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を分取HPLC(分離条件3)で精製して、化合物1-p3(0.40mg、m/z:[M+H]+706.8、HPLC-RT:9.789分)を得、オフホワイトの固体であった。
【0205】
化合物1-p4の合成:
化合物1-p3の合成方法を利用して、化合物1-13-p3(40mg、0.033mmol)を反応させて、化合物1-p4(2.4mg、m/z:[M+H]+706.8、HPLC-RT:9.960min)を得、白色の固体であった。lH NMR(400MHz、DMSO-d6+D2O):δ8.37(s、1H)、8.16(s、1H)、7.97(s、1H)、5.93(d、J=7.8Hz、1H)、5.74(d、J=8.0、1H)、5.35(m、1H)、5.14(m、1H)、4.70(m、1H)、4.59(s、1H)、4.18(s、1H)、4.15(m、1H)、3.85(m、2H)、3.53(m、1H)、3.06(m、1H);31P NMR(161MHz、DMSO-d6+D2O):δ58.47、46.58。
【0206】
実施例3:中間体2-8と2-9の合成
【0207】
【0208】
工程1:窒素ガスの保護下で、N,O-ビストリメチルシリルアセトアミド(BSA、13.6g、116mmol)を7-アミノチアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(合成方法はJ.Med.Chem.1990、33、407~415の化合物28を参照)(6.5g、38.7mmol)とテトラアセチルリボース(11g、46.4mmol)のアセトニトリル(120mL)溶液に添加し、1時間還流させた。反応溶液が室温まで冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf、17.2g、77.4mmol)を前記反応溶液に添加し、続いて48時間還流しながら攪拌した。反応溶液が室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を前記反応溶液にゆっくりと添加し、酢酸エチル(150mL×3)で抽出し、有機相を合わせて水で洗浄し、有機相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=3/4)で精製して、中間体2-1(4.3g)を得、淡黄色の固体であった。m/z:[M+H]+427.0。
【0209】
工程2:窒素ガスの保護、0℃下で、トリメチルクロロシラン(0.07mL、0.58mmol)を中間体2-1(0.5g、1.17mmol)のピリジン(5mL)溶液に添加し、5分間撹拌した後、塩化ベンゾイル(0.32mL、2.81mmol)を前記反応溶液に添加し、反応系を室温で一晩撹拌した。反応溶液に水(50mL)を添加して反応をクエンチングさせ、水相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、水で洗浄し、有機相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=9/10)で精製して、中間体2-2(0.45g)を得、淡黄色の固体であった。m/z:[M+H]+634.8。
【0210】
工程3:水酸化リチウム水溶液(47mL、1M)を中間体2-2(3g、4.7mmol)のアセトニトリル(150mL)溶液に添加し、反応系を室温で15分間撹拌した後、塩酸(2M)で反応溶液をpH=6に中和し、反応溶液を総容積の1/3に濃縮し、固体が析出し、濾過し、ケーキを水で3回洗浄し、真空で乾燥させた後中間体2-3(1g)を得、黄色の固体であった。m/z:[M+H]+405.0。
【0211】
工程4:窒素ガスの保護下で、DMTrCl(9.5g、28.5mmol)を中間体2-3(7.6g、18.8mmol)のピリジン(95mL)溶液に添加し、反応系を室温下で一晩撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去した後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/25)で精製して、中間体2-4(8.3g)を得、オフホワイトの固体であった。m/z:[M+H]+706.8。
【0212】
工程5:窒素ガスの保護、0℃下で、TBSCl(2.1g、14mmol)を中間体2-4(8.3g、11.7mmol)とイミダゾール(2g、29.3mmol)のピリジン(60mL)溶液に添加し、反応系を室温で一晩攪拌した。水(200mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を添加して反応をクエンチングさせ、酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機相を合わせて水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/50~1/20)で精製して中間体2-5(4g、オフホワイトの固体、LCMS-RT(Thermo):2.813min)と2-6(2g、オフホワイトの固体、LCMS-RT(Thermo):2.763min)を得た。中間体2-5:m/z:[M+H]+821.1;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ11.71(s、1H)、8.66(s、1H)、8.05~8.03(m、2H)、7.68~7.64(m、1H)、7.56~7.52(m、2H)、7.43~7.32(m、2H)、7.27~7.17(m、7H)、6.84~6.82(m、4H)、6.05~6.04(m、1H)、5.29~5.28(m、1H)、4.88~4.84(m、1H)、4.53~4.50(m、1H)、4.05~3.98(m、1H)、3.71(s、6H)、3.35~3.27(m、1H)、3.08~3.04(m、1H)、0.82(s、9H)、0.05(s、3H)、0.01(s、3H);中間体2-6:m/z:[M+H]+821.1;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ11.73(s、1H)、8.62(s、1H)、8.06~8.04(m、2H)、7.68~7.65(m、1H)、7.57~7.53(m、2H)、7.41~7.36(m、2H)、7.27~7.17(m、7H)、6.85~6.82(m、4H)、6.09~6.08(m、1H)、5.00~4.95(m、2H)、4.31~4.27(m、1H)、4.05~4.03(m、1H)、3.72(s、6H)、3.23~3.16(m、2H)、0.95(s、9H)、0.05(s、6H)。
【0213】
工程6:窒素ガスの保護、0℃下で、亜リン酸ジフェニル(0.57g、1.43mmol)を中間体2-5(0.5g、0.61mmol)のピリジン(5mL)溶液に添加し、反応系を1時間撹拌した後、トリエチルアミン(0.6mL)と水(0.6mL)を添加した。得られた混合物を室温で5分間撹拌し、水(50mL)で希釈し、水相をジクロロメタンで抽出し(30mL×2)、有機相を合わせて水で洗浄し、有機相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/10)で精製して、中間体2-7(0.6g、トリエチルアミン塩)を得、オフホワイトの固体であった。m/z:[M+H]+884.5。
【0214】
工程7:窒素ガスの保護下で、DCAのジクロロメタン溶液(0.6M、9.1mL)を中間体2-7(0.6g、0.61mmol)のジクロロメタン(10mL)と水(1mL)の混合溶液に添加した。反応系を0.5時間撹拌した後、ピリジン(1mL)を添加し、減圧濃縮して、中間体2-8(粗生成物、ピリジン塩)を得た。m/z:[M+H]+582.9。
【0215】
化合物2-9の合成:中間体2-8の合成工程を使用し、中間体2-6を利用して反応させ、中間体2-9(ピリジン塩)を得た。m/z:[M+H]+583.0。
実施例4:化合物2-p1、2-p2、2-p3と2-p4の合成
【0216】
【0217】
工程1:中間体2-8(0.68mmol)と1-9(0.81g、0.82mmol)をそれぞれアセトニトリル(10mL)と共沸濃縮し、2回繰り返し、次に、それぞれをアセトニトリル(5mL)に溶解させ、準備し;窒素ガスの保護、0℃下で、中間体1-9のアセトニトリル溶液をNo.4モレキュラーシーブを含有する化合物2-8のアセトニトリル溶液に添加し、得られた混合物を1時間撹拌した後、DDTT(0.16g、0.79mmol)を前記反応系に添加し、続いて1時間撹拌した後、濾過してモレキュラーシーブを除去し、濾液を減圧濃縮して、化合物2-9(1g)を得た。m/z:[M+H]+1501.5。
【0218】
工程2:窒素ガスの保護下で、DCAのジクロロメタン溶液(0.6M、2.93mL)を化合物2-9(0.33g、0.22mmol)のジクロロメタン(3mL)と水(0.3mL)の混合溶液に添加した。反応系を0.5時間撹拌した。ピリジン(1mL)を添加し、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素ナトリウム水溶液(10mmol/L)=60%)で精製して化合物2-10(0.25g、ピリジン塩)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+1199.6。
【0219】
工程3&4:化合物2-10(250mg、0.21mmol)とピリジン(1mL)を共沸濃縮し、3回繰り返した後、ピリジン(2mL)とジクロロメタン(2mL)の混合溶媒に溶解さで、2-クロロ-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン2-オキシド(DMOCP)(775mg、4.2mmol)を前記反応系に添加し、混合物を室温で10分間撹拌し、化合物2-11を含有する反応溶液を得た;水(756mg、42mmol)と3H-1,2-ベンゾジスルホフェノール-3-オン(71mg、0.42mmol)を直接的に前記2-11の反応溶液に添加し、室温で20分間撹拌し、次に炭酸水素ナトリウム水溶液(2.7%、50mL)を添加し、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)=10~80%)で精製して、化合物2-12-p1(30mg、LCMS-RT(Thermo):2.147min)、2-12-p2(35mg、LCMS-RT(Thermo):2.247分)、2-12-p3(50mg、LCMS-RT(Thermo):2.327分)を得、いずれも白色の固体であった。
【0220】
工程5:化合物2-12-p1(30mg、0.01mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、tert-ブチルアミン(2mL)を添加し、反応系を室温下で0.5時間撹拌し、直接的に濃縮して化合物2-13-p1(30mg、粗生成物)を得た。m/z:[M+H]+1159.9。
【0221】
工程6:化合物2-13-p1(30mg、粗生成物)のメタノール(2mL)溶液にアンモニア水(2mL)を添加し、反応系を密閉管内で45℃で一晩撹拌し、次に反応溶液を直接的に減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン(2mL)に溶解させ、3回共沸乾燥させた。次にピリジン(2mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下でトリエチルアミン(0.35g、3.5mmol)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.28g、1.75mmol)を前記反応系に添加し、得られた混合物を45℃下で6時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を炭酸水素アンモニウム水溶液(1M)でpH=8に調整した後、直接的に分取HPLC(分離条件3)で精製して、化合物2-p1(二アンモニウム塩、2mg、m/z:[M+H]+723.8、HPLC-RT:8.116min)と2-p2(二アンモニウム塩、2mg、m/z:[M+H]+723.8、HPLC-RT:10.121min)を得、いずれも白色の固体であった。
【0222】
化合物2-p3の合成:
化合物2-12-p2(30mg、0.01mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、tert-ブチルアミン(2mL)を添加し、反応系を室温下で0.5時間撹拌し、直接的に濃縮して化合物2-13-p2を得た。化合物2-13-p2のメタノール(2mL)溶液にアンモニア水(2mL)を添加し、反応系を密閉管内で45℃で一晩撹拌し、次に反応溶液を直接的に減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン(2mL)に溶解させ、3回共沸乾燥させた。次にピリジン(2mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下でトリエチルアミン(0.35g、3.5mmol)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.28g、1.75mmol)を前記反応系に添加し、得られた混合物を45℃下で6時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を炭酸水素アンモニウム水溶液(1M)でpH=8に調整した後、分取HPLC(分離条件3)で精製して、化合物2-p3(二アンモニウム塩、0.3mg、m/z:[M+H]+723.7、HPLC-RT:10.121min)を得、白色の固体であった。
【0223】
化合物2-p4の合成:
化合物2-p3の合成方法を利用し、化合物2-12-p3(17mg、0.01mmol)を使用して反応させて、化合物2-p4(二アンモニウム塩、0.4mg、m/z:[M+H]+723.7、HPLC-RT:9.632min)を得、白色の固体であった。
【0224】
実施例5:化合物3-p1、3-p1/3-p2と3-p3の合成
【0225】
【0226】
工程1:化合物3-1(CASNo.:129451-95-8)(2.36g、2.4mmol)と中間体2-9(1.05g、2mmol)をそれぞれアセトニトリル(10mL)と共沸濃縮し、2回繰り返した後、それぞれアセトニトリル(5mL)に溶解させ、準備した;窒素ガスの保護、0℃下で、化合物3-1のアセトニトリル溶液をゆっくりとNo.4モレキュラーシーブを含有する化合物2-9のアセトニトリル溶液に添加し、得られた混合物を1時間撹拌した後、DDTT(0.49g、2.4mmol)を前記反応系添加し、続いて1時間撹拌した後、濾過してモレキュラーシーブを除去し、濾液を減圧濃縮して、化合物3-3(1.3g)を得た。m/z:[M+H]+1501.5。
【0227】
工程2:窒素ガスの保護下で、DCAのジクロロメタン溶液(0.6M、10mL)を化合物3-3(1g、0.66mmol)のジクロロメタン(3mL)と水(0.3mL)の混合溶液に添加した。反応系を0.5時間撹拌した。ピリジン(3mL)を添加し、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)=60%)で精製して、化合物3-4(390mg、ピリジン塩)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+1199.6。
【0228】
工程3&4:化合物3-4(250mg、0.21mmol)とピリジン(1mL)を共沸濃縮し、3回繰り返した後、ピリジン(2mL)とジクロロメタン(2mL)の混合溶媒に溶解させ、DMOCP(775mg、4.2mmol)を前記反応系に添加し、混合物を室温で10分間撹拌して、化合物3-5を含有する反応物を得た;水(756mg、42mmol)と3H-1,2-ベンゾジスルホフェノール-3-オン(71mg、0.42mmol)を直接的に前記3-5の反応溶液に添加し、室温で20分間撹拌し、次に炭酸水素ナトリウム水溶液(2.7%、50mL)を添加し、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)=10~80%)で精製して、化合物3-6-p1(50mg、LCMS-RT(Thermo):2.143min)、3-6-p2(15mg、LCMS-RT(Thermo):2.230min)、3-6-p3(18mg、LCMS-RT(Thermo):2.320min)を得、いずれも白色の固体であった。
【0229】
工程5:化合物3-6-p1(20mg、0.02mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液にtert-ブチルアミン(2mL)を添加し、反応系を室温下で0.5時間撹拌し、次に直接的に濃縮して化合物3-7-p1(25mg、粗生成物)を得た。m/z:[M+H]+1159.9。
【0230】
工程6:化合物3-7-p1(25mg、粗生成物)のメタノール(2mL)溶液にアンモニア水(2mL)を添加し、反応系を密閉管内で45℃で一晩撹拌し、次に反応溶液を直接的に減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン(2mL)に溶解させ、3回共沸乾燥させた。次にピリジン(2mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下で、トリエチルアミン(0.35g、3.5mmol)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.28g、1.75mmol)を前記反応系に添加し、得られた混合物を50℃下で6時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を炭酸水素アンモニウム水溶液(1M)でpH=8に調整し、直接的に分取HPLC(分離条件3)で精製して、化合物3-p1(二アンモニウム塩、0.7mg、m/z:[M+H]+723.8、HPLC-RT:9.726min)と3-p1/3-p2の混合物(二アンモニウム塩、1.1mg、m/z:[M+H]+723.8、HPLC-RT:9.726分及び11.161min)を得た。
【0231】
化合物3-p3の合成:
化合物3-6-p3(50mg、0.04mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、tert-ブチルアミン(2mL)を添加し、反応系を室温下で0.5時間撹拌し、直接的に濃縮して化合物3-7-p3を得た。化合物3-7-p3のメタノール(2mL)溶液にアンモニア水(2mL)を添加し、反応系を密閉管内で45℃で一晩撹拌し、次に反応溶液を直接的に減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン(2mL)に溶解させ、3回共沸乾燥させた。次にピリジン(2mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下で、トリエチルアミン(0.35g、3.5mmol)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.28g、1.75mmol)を前記反応系に添加し、得られた混合物を45℃下で6時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を炭酸水素アンモニウム水溶液(1M)でpH=8に調整した後、分取HPLC(分離条件3)で精製して、化合物3-p3(二アンモニウム塩、2.2mg、m/z:[M+H]+723.7、HPLC-RT:11.76min)を得、白色の固体であった。
【0232】
実施例6:中間体4-3の合成
【0233】
【0234】
工程1:窒素ガスの保護、0℃下で、トリメチルクロロシラン(23.5g、216mmol)を2’-フルオロ-2’-デオキシアデノシン(CASNo.:64183-27-3)(9.7g、36.0mmol)のピリジン(110mL)溶液に添加し、2時間撹拌した後、塩化ベンゾイル(7.6g、54mmol)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応溶液に水(40mL)を添加し、1時間攪拌した後、アンモニア水(40mL)を添加して、更に2時間攪拌した。再び水(500mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(500mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に1/5の容量に濃縮し、濾過し、ケーキを真空乾燥させ、中間体4-1(10g)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+374.0。
【0235】
工程2:窒素ガスの保護下で、DMTrCl(1.6g、4.8mmol)を中間体4-1(1.2g、3.2mmol)のピリジン(15mL)溶液に添加し、室温で一晩撹拌した。反応溶液に水(50mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して、中間体4-2(1.9g)を得、淡黄色の固体であった。m/z:[M+H]+676.0。
【0236】
工程3:窒素ガスの保護、0℃下で、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.1mL、6mmol)と2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(947mg、4mmol)を中間体4-2(1.35g、2mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応溶液に水(50mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して中間体4-3(1.2g)を得、黄色の固体であった。m/z:[M+H]+876.1。
【0237】
実施例7:化合物4-p1、4-p2と4-p3の合成
【0238】
【0239】
工程1:中間体4-4(実施例4の工程1-4の合成方法を利用し、中間体4-3と2-8を出発原材料として使用して立体異性体の混合物4-4を得た)(50mg、0.05mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、tert-ブチルアミン(2mL)を添加し、得られた混合物を室温下で0.5時間撹拌し、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)=10~80%)で精製して化合物4-5(15mg)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+1047.8。
【0240】
工程2:化合物4-5(30mg、0.03mmol)のメタノール(2mL)溶液にアンモニア水(2mL)を添加し、反応溶液を密閉管内で45℃で一晩撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を乾燥ピリジン(2mL)溶液で3回共沸乾燥させた。次にピリジン(1mL)溶液を添加し、窒素ガスの保護下でトリエチルアミン(0.91g、9mmol)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.58g、3.6mmol)を添加し、得られた混合物を50℃下で6時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をアンモニア水で中和してpH=8に調整した後、直接的に分取HPLC(分離条件3)で精製して、化合物4-p1(二アンモニウム塩、0.76mg、m/z:[M+H]+725.8、HPLC-RT:9.04min)、4-p2(二アンモニウム塩、m/z:[M+H]+725.8、HPLC-RT:10.45min)と化合物4-p3(二アンモニウム塩、m/z:[M+H]+725.8、HPLC-RT:10.35分)を得、いずれも白色の固体であった。
【0241】
実施例8:化合物5-p1、5-p2、5-p3と5-p4の合成
【0242】
【0243】
工程1:化合物5-1-p1(実施例4の工程の1~4の合成方法を利用し、中間体3-2と3’-TBDMS-IBU-RGホスホルアミダイトモノマー(CASNo:1445905-51-0)を出発原材料として使用して、5-p1、5-2-p2と5-3-p3を得、対応するLCMS-RT(Thermo)保持時間は:2.11分、2.14分、2.31分であった)(30mg、0.03mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、tert-ブチルアミン(2mL)を添加し、得られた混合物を室温下で0.5時間撹拌し、減圧濃縮して、化合物5-2-p1(30mg、粗生成物)を得た。m/z:[M+H]+1141.6。
【0244】
工程2:化合物5-2-p1(30mg、粗生成物)のメタノール(2mL)溶液にアンモニア水(2mL)を添加し、反応溶液を密閉管内で45℃で一晩撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を乾燥ピリジン(2mL)に溶液の中で、3回共沸乾燥させた。次にピリジン(1mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下でトリエチルアミン(0.35g、3.5mmol)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.28g、1.75mmol)を添加し、得られた混合物を50℃下で6時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をアンモニア水で中和してpH=8に調整した後、直接的に分取HPLC(分離条件3)で精製して、化合物5-p1(二アンモニウム塩、0.89mg、m/z:[M+H]+739.8,HPLC-RT:6.495min)を得、白色の固体であった。
【0245】
化合物5-p2と5-p3の合成:
化合物5-p1合成方法を利用し、化合物5-p2(76.5mg、粗生成物)を使用して反応させて化合物5-p2(二アンモニウム塩、13mg、m/z:[M+H]+739.8、HPLC-RT:10.666min、1H NMR(400MHz、DMSO-d6+D2O):δ8.22(s、1H)、8.10(s、1H)、5.99(d、J=7.7Hz、1H)、5.85(d、J=8.5Hz、1H)、5.34~5.28(m、1H)、5.21~5.25(m、1H)、5.12~5.16(m、1H)、4.43~4.31(m、1H)、4.16~4.12(m、1H)、4.08~4.06(m、1H)、4.01~3.97(m、2H)、3.66(d、J=11.8Hz、1H)、3.59~3.55(m、1H);31P NMR(162MHz、DMSO-d6):δ59.36、57.52)と5-p3(二アンモニウム塩、0.7mg、m/z:[M+H]+739.9、HPLC-RT:10.663min)を得、いずれも白色の固体であった。
【0246】
化合物5-p4の合成:
化合物5-p1の合成方法を利用し、化合物5-p3(100mg、粗生成物)を使用して反応させて化合物5-p4(二アンモニウム塩、1.41mg、m/z:[M+H]+739.9,HPLC-RT:11.973min)を得、白色の固体であった。
【0247】
実施例9:中間体6-14の合成
【0248】
【0249】
工程1:テトラアセチルリボース(150g、472mmol)をアセトン(1L)に溶解させ、0℃下でゆっくりとヨウ素(11.9g、47.2mmol)添加し、添加完了後、反応系を室温下で12時間撹拌した。反応溶液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、過剰のヨウ素を除去した後、酢酸エチル(500mL×3)で抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~60%の酢酸エチル/石油エーテル)で精製して、中間体6-1(100g)を得、黄色の油状物であった。m/z:[M+H]+275.0。
【0250】
工程2:中間体6-1(100g、365mmol)をメタノール(100mL)に懸濁し、炭酸カリウム(150g、1.09mol)を添加し、反応系を室温で12時間撹拌し、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して、中間体6-2(60.3g)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+191.0。
【0251】
工程3:窒素ガスの保護、0℃下で、DMTrCl(128g、379mmol)をバッチで中間体6-2(60g、316mmol)の乾燥ピリジン(300mL)溶液に添加し、反応系を室温で12時間撹拌した後、水(100mL)を添加して反応をクエンチングさせ、減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~50%の石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、中間体6-3(150.3g)を得、白色の固体であった。
【0252】
工程4:窒素ガスの保護、0℃下で、水素化ナトリウム(18.3g、458mmol、60%)を中間体6-3(150g、305mmol)のDMF(500mL)溶液に添加し、反応系を0℃下で0.5時間撹拌した。次に、ヨウ化メチル(56.3g、396mmol)を前記反応系に添加し、室温で3時間撹拌した後0℃下でゆっくりと水(100mL)と酢酸エチル(300×3mL)を添加して希釈し、有機相を飽和食塩水(50mL×2)で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、有機相を減圧濃縮して、中間体6-4(150g)得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+507.1。
【0253】
工程5:0℃下で、DCA(344g、2.67mol)を、中間体6-4(150g、296mmol)のジクロロメタン(500mL)溶液に添加し、反応系を0℃下で3時間撹拌した。次に、反応溶液を飽和炭酸ナトリウム水溶液でクエンチングさせ、水相をジクロロメタン(300mL×3)で抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水(150mL×2)で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、有機相を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して、中間体6-5(50.2g)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+205.0。
【0254】
工程6:0℃下で、塩化ベンゾイル(41.2g、294mmol)を、中間体6-5(50g、245mmol)のジクロロメタン(500mL)溶液に添加し、反応系を室温下で12時間撹拌した。次に水を添加して反応をクエンチングさせ、水相をジクロロメタン(150mL×3)で抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水(150mL×2)で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~70%の石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、中間体6-6(65.3g)を得、黄色の固体であった。m/z:[M+H]+309.0。
【0255】
工程7:0℃下で、中間体6-6(65g、211mmol)をトリフルオロ酢酸水溶液(150mL、80%)に溶解させ、反応系を室温下で5時間撹拌した。減圧濃縮して大部分の溶媒を除去し、次に反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水相をジクロロメタン(100mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(150mL×3)で洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、有機相を減圧濃縮して、中間体6-7(50.2g)を得、オフホワイトの固体であった。
【0256】
工程8:中間体6-7(50g、187mmol)のピリジン(150mL)溶液にゆっくりと無水酢酸(114g、1.11mol)を添加し、反応系を室温下で12時間撹拌した。減圧濃縮して大部分の溶媒を除去し、次に反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水相を酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水(100mL×2)で洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、有機相を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~70%の石油エーテル/酢酸エチル)で精製して中間体6-8(60.2g)を得、オフホワイトの固体であった。
【0257】
工程9:窒素ガスの保護下で、BSA(13.6g、116mmol)を7-アミノチアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(6.5g、38.7mmol)と中間体6-8(16.3g、46.4mmol)のアセトニトリル(120mL)溶液に添加し、反応系を1時間還流しながら撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、TMSOTf(17.2g、77.4mmol)を前記反応溶液に添加し、続いて72時間還流しながら攪拌した。反応溶液を室温に冷却させ、炭酸水素ナトリウム水溶液をゆっくりと前記反応溶液に添加し、水相を酢酸エチル(150mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、水で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=3/4)で精製して、中間体6-9(5g)を得、淡黄色の固体であった。m/z:[M+H]+461.0。
【0258】
工程10:0℃下で、塩化ベンゾイル(5.3g、38mmol)を、中間体6-9(5g、10.9mmol)のピリジン(5mL)溶液に添加し、反応系を室温で一晩撹拌した。反応溶液に水(50mL)を添加して反応をクエンチングさせ、水相を酢酸エチル(150mL×3)で抽出し、有機相を合わせて水で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/1)で精製して、中間体6-10(6.8g)を得、淡黄色の固体であった。m/z:[M+H]+669.1。
【0259】
工程11:0℃下で、水酸化リチウム水溶液(36mL、1M)を中間体6-10(6.8g、10.1mmol)のテトラヒドロフラン/メタノール(60/20mL)の混合溶液に添加し、反応系を0℃下で2時間攪拌した。酢酸で反応溶液をpH=6に中和し、反応溶液を総容積の1/3に濃縮し、固形物が析出し、濾過し、ケーキを水で3回洗浄し、真空で乾燥させて中間体6-11(3.8g)を得、黄色の固体であった。m/z:[M+H]+419.0。
【0260】
工程12:窒素ガスの保護下で、DMTrCl(3.6g、10.9mmol)をバッチで中間体6-11(3.8g、9.09mmol)のピリジン(60mL)溶液に添加し、反応系を室温下で一晩撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去した後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製して、中間体6-12(6g)を得、淡黄色の固体であった。
【0261】
工程13:亜リン酸ジフェニル(4.9g、20.8mmol)を中間体6-12(5g、6.94mmol)のピリジン(5mL)溶液に添加し、反応溶液を室温で1時間撹拌した後、トリエチルアミン(2mL)と水(2mL)を添加し、反応溶液を室温で5分間撹拌し、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタン(60mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、炭酸水素ナトリウム水溶液(5%)で洗浄し、有機相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/10)で精製して、中間体6-13(5.1g、トリエチルアミン塩)を得、オフホワイトの固体であった。m/z:[M+H]+886.3。
【0262】
工程14:0℃下で、DCAのジクロロメタン溶液(0.6M、50mL)を中間体6-13(3g、3.39mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に添加し、室温で1時間撹拌した後、反応溶液にトリエチルシラン(1mL)とピリジン(3mL)を添加し、得られた混合物を室温で続いて10分間撹拌した後、減圧濃縮して溶媒を除去し、中間体6-14(2.5g、ピリジン塩)を得た。
【0263】
実施例10:化合物6-p1、6-p2、6-p3と6-p4の合成
【0264】
【0265】
工程1:化合物6-15(実施例4の工程1~4の合成方法を利用し、中間体6-14と4-3を出発原材料として使用し、立体異性体の混合物である6-15を得た)(50mg、0.05mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、tert-ブチルアミン(2mL)を添加し、得られた混合物を室温下で0.5時間撹拌し、減圧濃縮して、化合物6-16(40mg)を得た。m/z:[M+H]+948.0。
【0266】
工程2:化合物6-16(40mg、粗生成物)のメタノール(1mL)溶液にアンモニア水(1mL)を添加し、密閉管内で50℃下で5時間撹拌し、反応溶液を室温に冷却させた後、酢酸で反応をクエンチングさせ、直接的に凍結乾燥させ、残留物を分取HPLC(分離条件4)で精製して、化合物6-p1(二アンモニウム塩、3.6mg、m/z:[M+H]+740.0,HPLC-RT:10.814min)、6-p2(二アンモニウム塩、3.2mg、m/z:[M+H]+740.0、HPLC-RT:11.380min)、6-p3(二アンモニウム塩、3.9mg、m/z:[M+H]+740.0;HPLC-RT:10.370min;1H NMR(400MHz、D2O):δ8.36(s、2H)、8.12(s、1H)、6.61(s、1H)、6.11(s、1H)、5.79(s、1H)、5.39(d、J=51.6Hz、1H)、4.93~5.02(m、1H)、4.36~4.48(m、3H)、3.84~4.03(m、4H)、3.51(s、3H);31P NMR(162MHz、D2O):δ56.49、51.13;19F NMR(162MHz、D2O):δ-202.92.)と6-p4(二アンモニウム塩、2.3mg、m/z:[M+H]+740.0、HPLC-RT:11.650min)を得、いずれも白色の固体であった。
【0267】
実施例11:中間体7-1の合成
【0268】
【0269】
実施例3の中間体2-8の合成方法を利用し、テトラアセチルリボースと5-アミノチアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2,7(3H、6H)-ジオン(合成法は、J.Med.Chem.1990、33、407~415の化合物4を参照)を反応させて、中間体7-1を得、黄色の固体であった。m/z:[M+H]+599.1。
【0270】
実施例12:化合物7-p1、7-p2、7-p3と7-p4の合成
【0271】
【0272】
工程1:化合物7-2(実施例4の工程1~4の合成方法を利用し、中間体7-1と4-3を出発原材料として使用して、立体異性体の混合物である7-2を得た)(330mg、0.3mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、tert-ブチルアミン(2mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)=0~60%)で精製して化合物7-3(100mg)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+1063.8。
【0273】
工程2:化合物7-3(100mg、94μmol)のメタノール(2mL)溶液にアンモニア水(2mL)を添加し、反応溶液を密閉管内で55℃で5時間撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去した。残留物を乾燥ピリジン(2mL)溶液に溶解させ、3回共沸乾燥させた後、ピリジン(1mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下でトリエチルアミン(1mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.5mL)を添加し、得られた混合物50℃下で3時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をアンモニア水でpHを中性に調整した後、直接的に分取HPLC(分離条件5)で精製して化合物7-p1(二アンモニウム塩、1.29mg、m/z:[M+H]+741.3、HPLC-RT:9.058min)、7-p2(二アンモニウム塩、4.41mg、m/z:[M+H]+741.3、HPLC-RT:9.590min)、7-p3(二アンモニウム塩、2.3mg、m/z:[M+H]+741.3、HPLC-RT:10.438min)と化合物7-p4(二アンモニウム塩、24mg、m/z:[M+H]+741.7、HPLC-RT:10.929min)を得、いずれも白色の固体であった。
【0274】
実施例13:化合物8-p1、8-p2、8-p3と8-p4の合成
【0275】
【0276】
工程1:化合物8-1(実施例4の工程1~4の合成方法を利用し、中間体2-9と4-3を出発原材料として使用して、立体異性体の混合物である8-1を得た)(618mg、0.61mmol)のアセトニトリル(3mL)溶液に、tert-ブチルアミン(3mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)=10~80%)で精製して化合物8-2-p1(67mg)、8-2-p2(40mg)、8-2-p3(40mg)、8-2-p4(87mg)を得、いずれも白色の固体であった。m/z:[M+H]+1047.7。
【0277】
工程2:化合物8-2-p1(50mg、52μmol)のメタノール(1mL)溶液にアンモニア水(1mL)を添加し、反応溶液を密閉管内で50℃で4時間撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を乾燥ピリジン(1mL)溶液で3回共沸乾燥させた後、ピリジン(1mL)を添加して溶解させ、窒素ガスの保護下で、トリエチルアミン(1mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.5mL)を添加し、得られた混合物を55℃下で4時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をアンモニア水でpHを中性に調整し、直接的に分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物8-p1(二アンモニウム塩、7mg、m/z:[M+H]+725.5、HPLC-RT:11.702min)を得、白色の固体であった。
【0278】
化合物8-p2の合成:
化合物8-p1の合成方法を利用し、化合物8-2-p2(40mg、0.04mmol)を使用して反応させて、化合物8-p2(二アンモニウム塩、1.98mg、m/z:[M+H]+725.6、HPLC-RT:10.602min)を得、白色の固体であった。
【0279】
化合物8-p3の合成:
化合物8-p1の合成方法を利用し、化合物8-2-p3(40mg、0.04mmol)を使用して反応させて、化合物8-p3(二アンモニウム塩、1.1mg、m/z:[M+H]+726.1、HPLC-RT:10.556min)を得、白色の固体であった。
【0280】
化合物8-p4の合成:
化合物8-p1の合成方法を利用し、化合物8-2-p4(80mg、0.08mmol)を使用して反応させて、化合物8-p4(二アンモニウム塩、7.5mg、m/z:[M+H]+725.6、HPLC-RT:12.102min)を得、白色の固体であった。
【0281】
実施例14:中間体9-4と9-5の合成
【0282】
【0283】
工程1:窒素ガスの保護下で、1-ヒドロキシイソキノリン(25g、172mmol)、テトラアセチルリボース(137g、431mmol)とBSA(105g、517mmol)を無水アセトニトリル(200mL)溶液に添加し、1時間還流させた。反応溶液を室温まで冷却させ、TMSOTf(62mL、344mmol)を前記反応溶液に添加し、続いて5時間還流しながら攪拌した。反応溶液を0℃に冷却された後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を前記反応溶液にゆっくりと添加し、pHを約7に調整し、水相を酢酸エチル(150mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、水で洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)で精製して、中間体9-1(41.1g)を得、オレンジ色の油状物であった。m/z:[M+H]+404.0。
【0284】
工程2:0℃下で、水酸化リチウム水溶液(510mL、1M)を中間体9-1(41.1g、102mmol)のアセトニトリル(300mL)溶液に添加し、反応系を室温で1.5時間撹拌した。大量の白色固体が析出し、濾過し、ケーキを水で3回洗浄し、真空乾燥させて中間体9-2(18.5g)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+278.0。
【0285】
工程3:窒素ガスの保護下で、中間体9-2(17.5g、63.1mmol)をピリジンと3回共沸乾燥させた後無水ピリジン(100mL)に溶解させた。0℃下で、DMTrClのピリジン(22.5g、66.3mmol、50mL)溶液を前記溶液に添加し、当該温度下で3時間撹拌した。水(50mL)を添加して反応をクエンチングさせ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製して中間体9-3(32.6g)を得、オフホワイトの固体であった。m/z:[M+Na]+602.0。
【0286】
工程4:窒素ガスの保護下で、化合物9-3(12g、20.7mmol)とイミダゾール(4.9g、72.5mmol)をピリジンと3回共沸乾燥させた後、無水ピリジン(50mL)に溶解させた。0℃下で、TBSCl(3.4g、22.8mmol)を前記溶液に添加し、反応系を室温で一晩撹拌した。水(50mL)を添加し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機相を合わせて水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1~6/1)で精製して、化合物9-4(4.3g、オフホワイトの固体、低極性)と9-5(3.5g、オフホワイトの固体、高極性)を得た。9-4:m/z:[M+Na]+716.0;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.28(d、J=8.4Hz、1H)、7.71(t、J=8.0Hz、2H)、7.65(d、J=8.0Hz、1H)、7.53~7.45(m、3H)、7.36~7.32(m、6H)、7.26(t、J=8.0Hz、1H)、6.93(d、J=8.4Hz、4H)、6.46(d、J=8.0Hz、1H)、6.29(d、J=4.0Hz、1H)、5.14(d、J=6.0Hz、1H)、4.28~4.26(m、1H)、4.20~4.16(m、1H)、4.14~4.20(m、1H)、4.05~4.00(m、1H)、3.74(s、6H)、3.37~3.35(m、1H)、0.82(m、9H)、0.03(s、3H)、0.01(s、3H);9~5:m/z:[M+Na]+716.0;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.27(d、J=8.0Hz、1H)、7.75~7.70(m、2H)、7.66~7.64(m、1H)、7.52(t、J=8.0Hz、1H)、7.45~7.43(m、2H)、7.35~7.25(m、7H)、6.92(d、J=8.4Hz、4H)、6.50(d、J=7.6Hz、1H)、6.27(d、J=3.6Hz、1H)、5.39(d、J=6.0Hz、1H)、4.28~4.26(m、1H)、4.05~4.00(m、2H)、3.74(s、6H)、3.46~3.44(m、1H)、3.22~3.18(m、1H)、0.78(m、9H)、0.03(s、3H)、0.01(s、3H)。
【0287】
実施例15:化合物9-p1、9-p2と9-p3の合成
【0288】
【0289】
工程1:窒素ガスの保護、0℃下で、亜リン酸ジフェニル(3.1g、13.4mmol)を化合物9-5(3.1g、4.47mmol)のピリジン(20mL)溶液に添加し、反応系を0.5時間撹拌した後、トリエチルアミン(3mL)と水(3mL)を添加し、得られた混合物を室温で5分間撹拌し、水(50mL)で希釈し、イソプロパノール/クロロホルムで抽出し(30mL×2)、有機相を合わせて水で洗浄し、有機相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=100/5/1)で精製して、化合物9-6(4.5g、トリエチルアミン塩)を得、オフホワイトの固体であった。m/z:[M-H]-756.0。
【0290】
工程2:室温下で、DCAのジクロロメタン溶液(0.6M、46.5mL)を化合物9-6(3g、3.49mmol)のジクロロメタン(28mL)と水(1mL)の混合溶液に添加し、室温で30分間撹拌し、次に反応溶液にトリエチルシラン(28mL)を添加して続いて1時間撹拌し、反応溶液の色が褐色から無色に変化した後、ピリジン(28mL)を添加し、減圧濃縮して溶媒を除去して化合物9-7(3gピリジン塩、粗生成物)を得た。m/z:[M+H]+445.0。
【0291】
工程3&4:化合物9-7(3g、粗生成物)を乾燥アセトニトリル(15mL)に溶解させ、減圧濃縮し、当該操作を3回繰り返した後、アセトニトリル(50mL)を添加して溶解させ、次に4Aモレキュラーシーブ(1g)を添加した。3’-TBDMS-ibu-rGホスホルアミダイトモノマー(CASNo.:1445905-51-0、3.4g、3.49mmol)を乾燥アセトニトリル(15mL)に溶解させ、減圧濃縮し、当該操作を3回繰り返した後、アセトニトリル(20mL)を添加して溶解させ、再び4Aモレキュラーシーブ(2g)を添加した。0℃下で、3’-TBDMS-ibu-rGホスホルアミダイトモノマーのアセトニトリル溶液を、ゆっくりと化合物9-7のアセトニトリル溶液に滴下し、得られた混合物を室温下で0.5時間撹拌した後、DDTT(0.72g、3.49mmol)を前記反応溶液に添加し、室温で3時間攪拌した後濾過し、モレキュラーシーブを除去し、次に反応混合物に水(1mL)を添加し、ゆっくりとDCA(3.6g、27.9mmol)を滴下し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応系にトリエチルシラン(28mL)を滴下し、続いて1時間撹拌し、ピリジン(28mL)を添加した後、反応溶液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)=50%)で精製して、化合物9-10(680mg)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+1053.9。
【0292】
工程5:DMOCP(0.7g、3.8mmol)を一回にかけて化合物9-10(200mg、0.19mmol)の無水ピリジン(8mL)溶液に添加し、反応混合物を室温下で0.5時間撹拌した。3H-1,2-ベンゾジスルホンフェノール-3-オン(38mg、0.23mmol)を直接的に前記反応溶液に添加し、室温で0.5時間攪拌し、炭酸水素ナトリウム水溶液(2.7%)を添加して反応をクエンチングさせた。反応混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残留物を分取HPLC(分離条件5)で精製して化合物9-11-p1(13.5mg、LCMS-RT(Thermo):2.023min)、9-11-p2(30.2mg、LCMS-RT(Thermo):2.157min)と9-11-p3(38.0mg、LCMS-RT(Thermo):2.300min)を得、いずれも白色の固体であった。m/z:[M+H]+1067.9。
【0293】
工程6:化合物9-11-p1(10mg、0.094mmol)をメチルアミンエタノール溶液(1mL、30%)に溶解させ、室温で1時間撹拌した後直接的に減圧濃縮し、残留物をピリジン(0.5mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.5mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.25mL)を添加し、反応系を50℃下で5時間撹拌した後、減圧濃縮し、残留物をメタノールで希釈し、ゆっくりと濃アンモニア水を滴下してpHを8~9に調整した。得られた混合物を分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物9-p1(4.07mg、HPLC-RT:11.311min;m/z:[M+H]+716.8;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.26(d、J=6.0Hz、1H)、8.19(s、1H)、7.73(t、J=7.6Hz、1H)、7.68(d、J=8.0Hz、1H)、7.53(t、J=8.0Hz、1H)、7.42(d、J=7.6Hz、1H)、6.69(d、J=7.6Hz、1H)、6.51~6.47(m、2H)、6.22(d、J=4.0Hz、1H)、5.90~5.82(m、2H)、5.52~5.51(m、1H)、5.08~5.06(m、1H)、4.95~4.90(m、1H)、4.88~4.86(m、1H)、4.65~4.61(m、1H)、4.57~4.55(m、1H)、4.40~4.36(m、2H)、4.25~4.19(m、2H)、4.10~3.99(m、2H)、3.94~3.87(m、2H);31P NMR(162MHz、DMSO-d6):δ56.49、54.10。)を得、白色の固体であった。
【0294】
化合物9-p2の合成:
化合物9-p1の合成方法を利用し、化合物9-11-p2を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物9-p2(4.45mg、HPLC-RT:11.389min;m/z:[M+H]+706.8;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.26(d、J=8.0Hz、1H)、8.02(s、1H)、7.74(t、J=7.2Hz、1H)、7.67(d、J=7.6Hz、1H)、7.53(t、J=7.6Hz、1H)、7.37(d、J=7.6Hz、1H)、6.91~6.34(m、4H)、5.87~5.85(m、1H)、5.37~5.19(m、2H)、4.38~4.37(m、1H)、4.21~4.19(m、1H)、4.11~4.05(m、2H)、3.74~3.70(m、1H)、3.01~2.99(m、8H);31P NMR(162MHz、DMSO-d6):δ59.18、56.65、54.32、47.74。)を得、白色の固体であった。
【0295】
化合物9-p3的合成:
化合物9-p1の合成方法を利用し、化合物9-11-p3を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物9-p3(7.0mg、HPLC-RT:10.912min;m/z:[M+H]+716.8;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.26(d、J=8.0Hz、1H)、7.97(s、1H)、7.73(t、J=7.6Hz、1H)、7.65(d、J=7.6Hz、1H)、7.53(t、J=7.6Hz、1H)、7.44(d、J=7.6Hz、1H)、6.62(d、J=8.0Hz、1H)、6.56~6.52(m、1H)、6.33(d、J=6.8Hz、1H)、5.86(d、J=8.4Hz、1H)、5.27~5.23(m、1H)、5.06~5.04(m、2H)、4.46~4.40(m、2H)、4.22~4.18(m、1H)、4.12~4.08(m、2H)、3.96~3.92(m、2H)、3.78~3.75(m、1H)、3.01~2.95(m、4H);31P NMR(162MHz、DMSO-d6):δ57.77、50.27。)を得、白色の固体であった。
【0296】
実施例16:化合物10-p1、10-p2と10-p3の合成
中間体10-4と10-5の合成:
【0297】
【0298】
化合物9-4と9-5の合成方法を利用し、キナゾリン-4(3H)-オンを出発原材料として使用して反応させ、化合物10-4(2.0g、高極性)と10-5(3.4g、低極性)を得、いずれも白色の固体であった。m/z:[M+H]+695.0;10-4:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.50(s、1H)、8.16(d、J=8.0Hz,2H)、7.86~7.82(m、1H)、7.67(d、J=8.0Hz、2H)、7.58~7.54(m、1H)、7.40(d、J=8.0Hz、2H)、7.31~7.22(m、7H)、6.89~6.87(m、4H)、6.09(d、J=4.0Hz、1H)、5.10(d、J=8.0Hz、1H)、4.38~4.36(m、1H)、4.13~4.09(m、2H)、3.72(s、6H)、0.81(s、9H)、0.01~0.00(s、6H);10~5:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.53(s、1H)、8.15(d、J=8.0Hz,1H)、7.86~7.82(m、1H)、7.67(d、J=8.0Hz、1H)、7.58~7.54(m、1H)、7.41~7.39(m、2H)、7.30~7.19(m、7H)、6.85(d、J=8.0Hz、4H)、6.06~6.05(m、1H)、5.36(d、J=8.0Hz、1H)、4.31~4.26(m、2H)、4.02~4.00(m、1H)、3.71(s、6H)、0.79(s、9H)、0.02~0.00(s、6H)。
【0299】
【0300】
化合物10-11-p1、10-11-p2と10-11-p3の合成:実施例15の工程1~5の合成方法を利用し、化合物10-5を出発原材料として使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件6)で精製して、化合物10-11-p1(7.0mg、LCMS-RT(Thermo):2.020min)、10-11-p2(26mg、LCMS-RT(Thermo):2.170min)と10-11-p3(19mg、LCMS-RT(Thermo):2.350min)を得、いずれも白色の固体であった。m/z:[M+H]+1068.9。
【0301】
化合物10-p1の合成:
化合物10-11-p1(7.0mg、0.006mmol)にメチルアミンエタノール溶液(1mL、30%)を添加し、反応系を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン溶液(0.5mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で、トリエチルアミン(0.5mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.25mL)を添加し、得られた反応溶液を50℃下で1時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をメタノールで希釈し、ゆっくりと濃アンモニア水を滴下してpHを8~9に調整した。次に、分取HPLC(分離条件4)で精製して、化合物10-p1(0.73mg、HPLC-RT:10.671min、m/z:[M+H]+717.8)を得、白色の固体であった。
【0302】
化合物10-p2の合成:
化合物10-p1の合成方法を利用し、化合物10-11-p2を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して化合物10-p2(7.10mg、HPLC-RT:10.826min;m/z:[M+H]+717.8;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.41(s、1H)、8.25~8.20(m、1H)、8.03(s、1H)、7.89~7.85(m、1H)、7.72~6.69(m、1H)、7.61~7.57(m、1H)、7.61~7.57(m、1H)、6.52~6.48(m、2H)、6.07~6.00(m、1H)、5.91~5.79(m、1H)、0.56(s、1H)、5.34~5.30(m、1H)、5.20~5.19(m、1H)、5.09~5.01(m、1H)、4.70~4.64(m、1H)、4.36~4.33(m、1H)、4.27~4.18(m、1H)、4.14~4.05(m、2H)、3.95~3.70(m、3H)、1.24(s、2H)。)を得、白色の固体であった。
【0303】
化合物10-p3の合成:
化合物10-p1の合成方法を利用し、化合物10-11-p3を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して化合物10-p3(5.46mg、HPLC-RT:10.925min;m/z:[M+H]+717.8;1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.44(s、1H)、8.22~8.20(m、1H)、7.99(s、1H)、7.89~7.85(m、1H)、7.68(d、J=8.0Hz、1H)、7.61~7.57(m、1H)、6.56(s、2H)、6.09(d、J=4.0Hz、2H)、5.83(d、J=8.0Hz、1H)、5.34~5.32(m、1H)、5.26(s、1H)、5.08(m、1H)、4.71~4.68(m、1H)、4.46~4.45(m、1H)、4.25(m、1H)、4.14~3.95(m、5H)、3.79~3.76(m、1H)、1.24(s、2H)。)を得、白色の固体であった。
【0304】
実施例17:化合物11-p1、11-p2、11-p3と11-p4の合成
中間体11-4と11-5の合成:
【0305】
【0306】
化合物9-4と9-5の合成方法を利用し、ピリミド[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オンを出発原材料として使用して、化合物11-4(650mg、高極性)と11-5(610mg、低極性)を得、いずれも白色の固体であった。m/z:[M+H]+696.0;11-4:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.97(d、J=4.0Hz、1H)、8.74(s、1H)、8.56(d、J=8.0Hz、1H)、7.60~7.57(m、1H)、7.42(d、J=8.0Hz、2H)、7.31~7.20(m、1H)、6.88(d、J=12.0Hz、4H)、6.02(s、1H)、5.40(d、J=4.0Hz、1H)、4.30~4.29(m、2H)、4.01~3.98(m、1H)、3.71(s、6H)、3.40~3.37(m、1H)、3.21~3.18(m、1H)、0.74(s、9H)、0.00(s、6H);11-5:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.94(d、J=4.0Hz、1H)、8.67(s、1H)、8.55(d、J=8.0Hz、1H)、7.56~7.53(m、1H)、7.41(d、J=8.0Hz、2H)、7.29~7.25(m、1H)、6.86(d、J=8.0Hz、4H)、6.00(s、1H)、5.13(d、J=4.0Hz、1H)、4.13~4.08(m、2H)、4.00~3.98(m、1H)、3.39(s、6H)、3.36~3.32(m、1H)、3.27~3.25(m、1H)、0.79(s、9H)、0.00(s、6H)。
【0307】
【0308】
化合物11-11-p1、11-11-p2、11-11-p3と11-11-p4の合成:実施例15の工程1~5の合成方法を利用し、化合物11-5を出発原材料として反応させた後、分取HPLC(分離条件6)で精製して、化合物11-11-p1(27mg)、11-11-p2(15mg)、11-11-p3(19mg)と11-11-p4(36mg)を得、いずれも白色の固体であった。
【0309】
化合物11-p1の合成:
化合物11-11-p1(20mg、0.019mmol)にメチルアミンエタノール溶液(2mL、30%)を添加し、反応系を室温下で10時間撹拌し、減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン溶液(0.5mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で、トリエチルアミン(0.5mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.25mL)を添加し、得られた反応溶液を50℃下で1時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をメタノールで希釈し、ゆっくりと濃アンモニア水を滴下してpHを8~9に調整した。次に、分取HPLC(分離条件7)で精製して、化合物11-p1(2.45mg、HPLC-RT:8.963分、m/z:[M+H]+718.8)を得、白色の固体であった。
【0310】
化合物11-p2の合成:
化合物11-p1の合成方法を利用し、化合物11-11-p2を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物11-p2(3.07mg、HPLC-RT:8.527min、m/z:[M+H]+718.7)を得、白色の固体であった。
【0311】
化合物11-p3の合成:
化合物11-p1の合成方法を利用し、化合物11-11-p3を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物11-p3(1.28mg、HPLC-RT:9.103min、m/z:[M+H]+719.1)を得、白色の固体であった。
【0312】
化合物11-p4の合成:
化合物11-p1の合成方法を利用し、化合物11-11-p4を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物11-p4(3.03mg、HPLC-RT:9.403min、m/z:[M+H]+718.6)を得、白色の固体であった。
【0313】
実施例18:中間体12-1の合成
【0314】
【0315】
工程1:2,6-ジクロロニコチノニトリル(25g、145mmol)とアンモニア水(250mL)を密閉管に添加した。反応系を120℃下で密閉して48時間撹拌した後、10℃に冷却させ、得られた固体を濾過し、冷水で洗浄し、ケーキを真空乾燥させた後、2,6-ジアミノニコチノニトリル(12.5g)を得、淡黄色の固体であった。m/z:[M+H]+135.0。
【0316】
工程2:2,6-ジアミノニコチノニトリル(12.5g、93.2mmol)の酢酸(120mL)溶液にゆっくりと濃硫酸(3mL)を添加し、反応系を9時間還流しながら撹拌した後、室温に冷却させ、減圧濃縮した。残留物に濃アンモニア水を添加してスラリー化し、得られた固体を濾過し、ケーキを冷水で洗浄し、ケーキを真空乾燥させた後、7-アミノピリド[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(15.1g)を得、淡黄色の固体であった。m/z:[M+H]+163.0。
【0317】
工程3:7-アミノピリド[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン(15.1g、93.1mmol)をピリジン(1.5L)に溶解させた。反応にゆっくりと塩化イソブチリル(29.7g、279mmol)を添加し、反応系を室温下で18時間撹拌した後、水(1.5L)を添加した。反応溶液をクロロホルム/イソプロパノール(1.5L)で抽出し、有機相を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~6.2%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して、化合物12-1(11.9g)を得、白色の固体であった。m/z:[M+H]+233.1。
【0318】
実施例19:化合物12-p1、12-p2、12-p3と12-p4の合成
中間体12-4と12-5の合成:
【0319】
【0320】
中間体9-4と9-5の合成方法を利用し、化合物12-1を出発原材料として使用して反応させ、中間体12-4(1.73g、高極性)と12-5(1.1g、低極性)を得、いずれも白色の固体あった。m/z:[M+H]+781.0;12-4:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ11.15(s、1H)、8.70(s、1H)、8.52(d、J=8.8Hz、1H)、8.33(d、J=8.8Hz、1H)、7.43(d、J=7.6Hz、2H)、7.32(d、J=7.6Hz、2H)、7.29(d、J=8.4Hz、4H)、6.89(d、J=8.4Hz、4H)、6.03(d、J=2.8Hz、1H)、5.40(d、J=6.0Hz、1H)、4.30(t、J=3.2Hz、1H)、4.05~4.02(m、2H)、3.73(s、6H)、3.40~3.36(m、1H)、3.25~3.22(m、1H)、2.83~2.79(m、1H)、1.12(s、3H)、1.11(s、3H)、0.77(s、9H)、0.03(s、3H)、~0.04(s、3H);12~5:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ11.13(s、1H)、8.67(s、1H)、8.54(d、J=8.8Hz、1H)、8.31(d、J=8.8Hz、1H)、7.45(d、J=7.6Hz、2H)、7.33(d、J=7.6Hz、2H)、7.31(d、J=8.4Hz、4H)、6.90(d、J=8.4Hz、4H)、6.04(d、J=2.8Hz、1H)、5.16(d、J=6.0Hz、1H)、4.40(t、J=3.2Hz、1H)、4.17~4.12(m、2H)、3.74(s、6H)、3.43~3.40(m、1H)、3.30~3.27(m、1H)、2.82~2.79(m、1H)、1.13(s、3H)、1.11(s、3H)、0.85(s、9H)、0.05(s、6H)。
【0321】
【0322】
化合物12-11-p1、12-11-p2、12-11-p3と12-11-p4の合成:実験例15の工程1~5の合成方法を利用し、中間体12-5を出発原材料として反応させた後、化合物を分取HPLC(分離条件6)で精製し、化合物12-11-p1(25mg)、12-11-p2(7mg)、12-11-p3(40mg)と12-11-p4(32mg)を得、いずれも白色の固体であった。
【0323】
化合物12-p1の合成:
化合物12-11-p1(25mg、19μmol)にメチルアミンエタノール溶液(2mL、30%)を添加し、反応系を室温下で3時間撹拌し、減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン(0.5mL)溶液に溶解させ、窒素ガスの保護下で、トリエチルアミン(0.5mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.25mL)を添加し、得られた反応溶液を50℃下で1時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をメタノールで希釈し、ゆっくりと濃アンモニア水を滴下してpHを8~9に調整した。次に、分取HPLC(分離条件4)で精製して、化合物12-p1(0.9mg、HPLC-RT:8.891min、m/z:[M+H]+733.7)を得、白色の固体であった。
【0324】
化合物12-p2の合成:
化合物12-p1の合成方法を利用し、化合物12-11-p2を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して化合物12-p2(0.5mg、HPLC-RT:8.571分、m/z:[M+H]+733.7)を得、白色の固体であった。
【0325】
化合物12-p3の合成:
化合物12-p1の合成方法を利用し、化合物12-11-p3を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して化合物12-p3(1.5mg、HPLC-RT:10.020min、m/z:[M+H]+733.8)を得、白色の固体であった。
【0326】
化合物12-p4の合成:
化合物12-p1の合成方法を利用し、化合物12-11-p4を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して化合物12-p4(3.07mg、HPLC-RT:9.468min、m/z:[M+H]+733.8)を得、白色の固体であった。
【0327】
実施例20:中間体13-4と13-5の合成
【0328】
【0329】
イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5(6H)-オンの合成:4-アミノピリミジン-2(1H)-オン(18g、0.16mol)、クロロアセトアルデヒド水溶液(63.6g、0.32mol、40%)と酢酸ナトリウム(32.8g、0.40mol)を水(180mL)に懸濁した。反応系を80℃下で3時間撹拌し、次に10℃に冷却させ、得られた固体を濾過し、冷水で洗浄し、ケーキを真空で乾燥させた後、イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5(6H)-オンを得、褐色の固体であった。m/z:[M+H]+136.0。
【0330】
工程1:イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5(6H)-オン(17.8g、0.13mol)、テトラアセチルリボース(46.1g、0.14mol)とBSA(39.7g、0.19mol)をアセトニトリル(200mL)に懸濁し、0℃下でゆっくりとTMSOTf(43.3g、0.19mol)を滴下した。反応系を60℃下で3時間撹拌し、減圧濃縮した後、化合物13-1(100g、粗生成物)を得、褐色の油状物であった。m/z:[M+H]+394.0。
【0331】
工程2:化合物13-1(45g、粗生成物)をメタノール(100mL)に溶解させ、ゆっくりとアンモニアのメタノール溶液(81.7mL、7M)を添加した。反応系を室温で一晩撹拌し、得られた固体を濾過し、ケーキをメタノールで洗浄し、ケーキを真空で乾燥させて、化合物13-2(8g)を得、褐色の固体であった。m/z:[M+H]+268.0。
【0332】
工程3:化合物13-2(12.5g、5.76mmol)を乾燥ピリジン(20mL)溶液に溶解させ、3回共沸乾燥させた後、再びピリジン(100mL)溶液に溶解させ、窒素ガスの保護、0~5℃下で、DMTrCl(19.52g、5.76mmol)をバッチで前記反応に添加した。当該系を室温で一晩撹拌した後、減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をクロロホルム(100mL)で希釈し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL×2)で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0~3%)で精製して、化合物13-3(16.65g)を得、褐色の固体であった。m/z:[M+H]+570.0。
【0333】
工程4:化合物13-3(5.38g、9.44mmol)を乾燥ピリジン(20mL)溶液に溶解させ、共沸乾燥させ、当該作業を3回繰り返した後、再びピリジン(60mL)溶液に溶解させ、窒素ガスの保護、0℃下でTBSCl(2.13g、14.2mmol)とイミダゾール(2.25g、33.1mmol)を順次に前記反応溶液に添加した。当該反応系を室温で一晩撹拌し、減圧濃縮して溶媒を除去し、クロロホルム(100mL)で希釈し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL×2)で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~3%のメタノール/ジクロロメタン)で精製して、化合物13-4(1.32g、低極性)と化合物13-5(3.68g、高極性)を得、いずれも白色の泡状固体であった。m/z:[M+H]+684.0;13-4:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ7.88(d、J=5.6Hz、1H)、7.82(s、1H)、7.76(s、1H)、7.40~7.26(m、9H)、6.92~6.90(m、4H)、6.68(d、J=6.0Hz、1H)、5.90(d、J=9.2Hz、1H)、5.33(d、J=4.8Hz、1H)、4.50(t、J=4.4Hz、1H)、4.15~4.14(m、2H)、3.74(s、6H)、3.28~3.26(m、2H)、0.77(s、9H)、0.02(s、3H)、~0.12(s、3H)。13-5:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ7.92(d、J=6.0Hz、1H)、7.78(s、2H)、7.36~7.21(m、9H)、6.88~6.86(m、4H)、6.68(d、J=8.8Hz、1H)、5.81(d、J=4.8Hz、1H)、5.63(d、J=6.0Hz、1H)、4.40~4.35(m、2H)、4.27(t、J=4.8Hz、1H)、4.06~4.04(m、1H)、3.74(s、6H)、3.20~3.16(m、1H)、0.80(s、9H)、0.06(s、3H)、~0.01(s、3H)。
【0334】
実施例21:化合物13-p1、13-p2、13-p3と13-p4の合成
【0335】
【0336】
化合物13-11-p1、13-11-p2と13-11-p3の合成:実施例15の工程1~5の合成方法を利用し、化合物13-5を出発原材料として使用して反応させた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/炭酸水素アンモニウム水溶液(10mmol/L)=40%)で精製して、化合物13-11-p1(55mg、LCMS-RT(Thermo):1.874、1.944min)、13-11-p2(25mg、LCMS-RT(Thermo):2.030min)と13-11-p3(11mg、LCMS-RT(Thermo):2.170min)を得た。m/z:[M+H]+1057.9。
【0337】
化合物13-p1と13-p2の合成:
化合物13-11-p1(43mg、0.04mmol)をメチルアミンエタノール溶液(3mL、30%)に溶解させ、室温で3時間撹拌した後減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン溶液(0.5mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.5mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.25mL)を添加し、反応系を50℃下で3時間撹拌した後、減圧濃縮し、メタノールで希釈し、ゆっくりと濃アンモニア水を滴下し、pHを8~9に調整した。得られた混合物を分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物13-p1(2.28mg、HPLC-RT:6.048min、m/z:[M+H]+706.8)と13-p2(0.68mg、HPLC-RT:7.781min、m/z:[M+H]+706.8)を得、いずれも白色の固体であった。
【0338】
化合物13-p3の合成:
化合物13-p1/13-p2の合成方法を利用し、化合物13-11-p2を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して、化合物13-p3(33.82mg、HPLC-RT:6.445min、m/z:[M+H]+706.8)を得、白色の固体であった。
【0339】
化合物13-p4の合成:
化合物13-p1/13-p2の合成方法を利用し、化合物13-11-p3を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物13-p4(4.03mg、HPLC-RT:10.395min、m/z:[M+H]+706.8)を得、白色の固体であった。
【0340】
実施例22:化合物14-p1、14-p2、14-p3と14-p4の合成
中間体14-4と14-5の合成:
【0341】
【0342】
化合物13-4と13-5の合成方法を利用し、イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン(CASNo.:865444-76-4)を出発原材料として使用して反応させ、化合物14-4(1.3g、高極性)と14-5(0.56g、低極性)を得、いずれも白色の固体であった。m/z:[M+H]+685.0。
【0343】
【0344】
化合物14-11-p1、14-11-p2、14-11-p3と14-11-p4の合成:実施例15の工程1~5の合成方法を利用し、化合物14-5を出発原材料として反応させた後、分取HPLC(分離条件7)で精製して、化合物14-11-p1(5mg、LCMS-RT(Thermo):1.850min)、14-11-p2(17mg、LCMS-RT(Thermo):1.880min)、14-11-p3(22mg、LCMS-RT(Thermo):2.020min)と14-11-p4(18mg,LCMS-RT(Thermo):2.140min)を得、いずれも白色の固体であった。m/z:[M+H]+1059.0。
【0345】
化合物14-p1の合成:
化合物14-11-p1(5.0mg、0.05mmol)にメチルアミンエタノール溶液(3.0mL、30%)を添加し、反応系を室温下で3時間撹拌し、減圧濃縮し、残留物を乾燥ピリジン溶液(0.5mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で、トリエチルアミン(0.5mL)とトリエチルアミン三フッ化水素(0.3mL)を添加し、得られた反応溶液を50℃下で2時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物をメタノールで希釈し、ゆっくりと濃アンモニア水を滴下してpHを8~9に調整した。次に、分取HPLC(分離条件5)で精製して、化合物14-p1(3.65mg、HPLC-RT:1.914min、m/z:[M+H]+707.5)を得、白色の固体であった。
【0346】
化合物14-p2の合成:
化合物14-p1の合成方法を利用し、化合物14-11-p2を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して、化合物14-p2(17.5mg、HPLC-RT:3.123min、m/z:[M+H]+707.5)を得、白色の固体であった。
【0347】
化合物14-p3の合成:
化合物14-p1の合成方法を利用し、化合物14-11-p3を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して、化合物14-p3(1.04mg、HPLC-RT:3.193min、m/z:[M+H]+707.5)を得、白色の固体であった。
【0348】
化合物14-p4の合成:
化合物14-p1の合成方法を利用し、化合物14-11-p4を使用して反応させた後、分取HPLC(分離条件4)で精製して、化合物14-p4(1.04mg、HPLC-RT:6.036min、m/z:[M+H]+707.5)を得、白色の固体であった。
【0349】
生物試験実施例
実施例1:I型インターフェロンの活性化レベル試験
THP-1 dual細胞(Invivogenから購入)を100000細胞/ウェルで96ウェルプレートに播種し、最終濃度が30ng/mlであるホルボール12-ミリスタート13-アセタート(phorbol 12-myristate 13-acetate、PMA)を添加し、24時間誘導させた。24時間後、上澄みを捨て、細胞を新鮮な培地で2回すすいだ後、細胞にPB緩衝液(50mMのHEPES、100mMのKCl、3mMのMgCl2、0.1mMのDTT、85mMのsucrose、1mMのATP、0.1mMのGTP、0.2%のbovineserumalbuminと5ug/mlのdigitonin)で製造され、3倍濃度で勾配希釈した試験化合物を添加し、ここで、化合物の最高の最終濃度は10μMであり、最低の最終濃度は0.0015μMであった。細胞をインキュベーターに戻せ、30分間インキュベーショした後、上澄みを捨て、細胞を再び新鮮な培地で2回すすい、新鮮な培地を添加し、インキュベーターに戻せて、続いて24時間インキュベーショした。24時間後、各ウェルから10ulの上澄みを新しい96ウェルプレートに取り、50ul/ウェルのQUANTI-Luc試薬(Invivogenから購入)を添加し、直ちにTECANM1000でルシフェラーゼの読み取り値を読み取った。I型インターフェロンの活性化レベルは、検出されたルシフェリンの強度と正の相関があった。Graphpad Prismソフトウェアを使用して、用量反応曲線を描き、試験化合物のEC50を分析した。
【0350】
【0351】
実施例2:STINGインターフェロンβの分泌試験
THP-1細胞(ATCCから購入)を16000細胞/ウェルで96ウェルプレート(corningから購入、カタログ番号は3596である)に播種し、容積は40ulであった。細胞に、緩衝液(RPMI1640+2mMのL-glutamine+1xnon-essential amino acids+1mMのsodium pyruvate+0.5%のFetal bovine serum)で製造され、3倍濃度で勾配希釈した試験化合物を添加し、ここで、化合物の最高の最終濃度は100μMであり、最低の最終濃度は1.23μMであった。細胞をインキュベーターに戻せ、5時間インキュベーショした後、各ウェルから2ulの上澄みを新しい384ウェルプレート(Greinerから購入、カタログ番号は784075である)に移し、AllphaLISAIFN-β検出キット(PerkinElmerから購入、カタログ番号はAL577Cである)で、10x緩衝液を使用して1x緩衝液を製造し、384ウェルプレートに1x緩衝液を使用して製造した20μg/mのLAnti-pIFNβAlphaLISA受容体ビーズ4ulを添加し、室温で30分間インキュベーショした後、再び4ulの1x緩衝液を使用して製造した2nMのbiotinylated Anti-pIFNβ抗体を添加し、4℃で一晩インキュベーシした後、1x緩衝液で製造した40ug/mlのStreptavidin(SA)受容体ビーズを添加し、室温で30分間インキュベーシした後、TECANを使用して読み取った。IFN-βの活性化レベルは、検出されたルシフェリンの強度と正の相関があった。Graphpad Prismソフトウェアを使用して、用量反応曲線を描き、試験化合物のEC50を分析した。
【0352】
【0353】
実施例3:マウス結腸癌CT26皮下移植腫瘍モデルの生体内薬力学的実験
細胞の培養:マウス結腸癌CT26細胞(ATCCから購入)を、10%のウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地で、5%のCO2を含有する37℃の恒温インキュベーター内で単層を維持させた。トリプシン-EDTAで処理した後、週2回で継代培養した。接種のために指数増殖期の細胞を収集してカウントした。
実験動物:BALB/cヌードマウス、6~8週、19~22g、北京Charles Riverから購入した。
【0354】
下記の表を通り、四つの実験群を設置した:
【0355】
【0356】
実験方法:CT26細胞株(1.5×105細胞/マウス)を実験マウスの右背部に皮下接種し、各マウスの接種量は0.1mLであって、腫瘍の成長を定期的に観察し、腫瘍が約150mm3に成長した時、腫瘍のサイズとマウスの体重に従ってランダムに群を分け、投与スケジュールに従って投与し、実験全過程で、マウスの体重と腫瘍サイズを週2~3回測定した。
【0357】
腫瘍サイズの計算式:腫瘍体積(mm
3)=0.5×(腫瘍の長径×腫瘍の短径
2)。
4つの実験群の腫瘍体積変化曲線は
図1に示す通りであり、結果は:陽性対照Ref.1と比較して、本発明の化合物が、マウス結腸癌のCT26皮下移植腫瘍モデルにおいてより良好な効力を示すことができることを示した。
【0358】
注:生物実施例1と3において、Ref.1はMLRR-CDA(ammonia salt)、CASNo.:1638750-96-5であり、合成方法はPCT特許出願WO2014/189805A1の化合物22を参照できる。