IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハスクバーナ・アーベーの特許一覧

<>
  • 特許-散水スケジュール制御システム 図1
  • 特許-散水スケジュール制御システム 図2
  • 特許-散水スケジュール制御システム 図3
  • 特許-散水スケジュール制御システム 図4
  • 特許-散水スケジュール制御システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-27
(45)【発行日】2023-02-06
(54)【発明の名称】散水スケジュール制御システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 25/16 20060101AFI20230130BHJP
【FI】
A01G25/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022522589
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2020080128
(87)【国際公開番号】W WO2021115676
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】1951432-2
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511268591
【氏名又は名称】ハスクバーナ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブルガー、ヴィクトル
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-508041(JP,A)
【文献】特表2019-534701(JP,A)
【文献】特開2018-038329(JP,A)
【文献】特開2006-122746(JP,A)
【文献】米国特許第8321061(US,B2)
【文献】国際公開第2017/105695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 25/16
A01G 7/00
A01G 31/00-31/06
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
散水スケジュール制御システム(100)であって、
電源(106)と、
前記電源(106)の残りの電力を示す信号を生成する電力状態センサ(108)と、
貯水器(104)と、
前記貯水器(104)内の水位を示す水位信号を生成するよう構成された貯水位センサ(206)と、
前記電源(106)および前記電力状態センサ(108)に通信可能に接続されたコントローラ(204)と、を備え、
前記コントローラ(204)は、
前記電力状態センサ(108)から前記信号と、
前記貯水位センサ(206)から前記水位信号と、を受信するよう構成されており、
前記コントローラ(204)は、特定の実行時間および日数を含む散水スケジュールへのアクセスを有し、
前記コントローラ(204)は、受信した前記水位信号および前記電力状態センサ(108)からの前記信号に基づき前記散水スケジュールを変更することで電力を節約するようさらに構成されている、散水スケジュール制御システム(100)。
【請求項2】
今後の気象条件を示す気象信号を生成するよう構成された気象センサ(302)をさらに備え、
前記気象センサ(302)は、リモートサーバと通信することで気象データ予測を取得するようさらに構成されている、請求項1に記載の散水スケジュール制御システム(100)。
【請求項3】
前記コントローラ(204)は、
前記気象センサ(302)から前記気象信号を受信し、および
受信した前記気象信号に基づき前記散水スケジュールを変更するようさらに構成されている、請求項2に記載の散水スケジュール制御システム(100)。
【請求項4】
植物の健康状態を示す植物健康状態信号を生成するよう構成された植物健康状態モジュール(402)をさらに備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の散水スケジュール制御システム(100)。
【請求項5】
前記コントローラ(204)は、
前記植物健康状態モジュール(402)から前記植物健康状態信号を受信し、および
受信した前記植物健康状態信号に基づき前記散水スケジュールを変更するようさらに構成されている、請求項4に記載の散水スケジュール制御システム(100)。
【請求項6】
前記電源(106)は、太陽エネルギー源、バッテリ、および風力電源の少なくとも1つから選択される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の散水スケジュール制御システム(100)。
【請求項7】
前記コントローラ(204)は、
前記散水スケジュールに関するユーザの好みを示すユーザ入力を受信し、および
受信した前記ユーザ入力に基づき前記散水スケジュールを変更するようさらに構成されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の散水スケジュール制御システム(100)。
【請求項8】
植物の健康状態を示すフィードバックを前記コントローラ(204)に提供するよう構成された自己学習モジュール(502)をさらに備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の散水スケジュール制御システム(100)。
【請求項9】
前記コントローラ(204)は、前記自己学習モジュール(502)から受信した前記フィードバックに基づき前記散水スケジュールを変更するようさらに構成されている、請求項8に記載の散水スケジュール制御システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、散水システムに関する。具体的には、本開示は、改良された散水スケジュール制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の散水路を通る水の流れを制御するための灌漑制御システムが周知である。単純なタイプの灌漑制御装置では、ユーザは通常、複数の散水路に対して特定の実行時間と日数を含む散水スケジュールをそれぞれに設定して、制御装置は該スケジュールを実行する。複雑な灌漑制御装置は、たとえば蒸発散量、気象条件、土壌の種類、植物の種類等の他のパラメータを考慮することで、土地に散布する水の量を決定しかつ灌漑スケジュールを制御する。このようなシステムは通常、接続された複数のセンサを備えたコントローラを含み、各センサは制御パラメータに関するデータを提供できる。
【0003】
特許文献1(以下、文献061)は、灌漑制御システムの例を示す。文献061は、1つまたは複数の植物に水を供給するシステムおよび方法を開示する。このシステムは、植物に対する散水の必要性および土壌の水分量に関するデータを収集することで、指定された期間の散水間隔を計算する。システムはさらに、風力エネルギー、太陽エネルギー、送電網や蓄電池からの電力等の利用可能な各エネルギー源の運用に関連する利用可能性およびコストを計算する。システムは、運用のコストとシステムを運用する可能な代替案とを計算するためにのみ、電池の充電状態を考慮する。
【0004】
特許文献2(以下、文献590)は、灌漑制御システムの別の例を示す。文献590は、制御モジュールが電源とポンプの間に接続されることで、散水サイクルに従いタイミング信号を水供給のポンプに提供する園芸システムを開示する。電源は、ソーラーパネルで充電可能なバッテリを含む。制御モジュールは、気象条件に基づきバッテリを最適に充電および節約することが可能である。
【0005】
エネルギー源からの電力の利用可能性に基づき散水サイクルまたはタイミングを変更することも可能な、改良された灌漑制御装置が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8321061号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0271590号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を考慮して、本発明の目的は、上記で検討された欠点を解決するか、または少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
該目的は、改良された散水スケジュール制御システムによって少なくとも部分的に達成される。散水スケジュール制御システムは、電源と、電源の残りの電力を示す信号を生成する電力状態センサを含む。散水スケジュール制御システムは、電源および電力状態センサに通信可能に接続されているコントローラをさらに備える。コントローラは、散水スケジュールへのアクセスを有する。散水スケジュール制御システムにおいて、コントローラは、電力状態センサから信号を受信し、および受信した信号に基づき散水スケジュールを変更するよう適合されている。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、散水スケジュール制御システムは、今後の気象条件を示す気象信号を生成するよう適合された気象センサをさらに含む。気象センサは、今後の気象条件に基づき散水スケジュールを変更するために、今後の気象条件に関する入力をコントローラに提供してよい。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、気象センサは、リモートサーバと通信することで気象データ予測を取得するようさらに適合される。このような通信により、気象センサは今後の気象条件をより正確に予測可能になる。より正確な気象予測は、コントローラがより良く散水スケジュールを変更することを可能にし、これにより、コントローラがより良く散水活動を制御することが可能になる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、コントローラは、気象センサから気象信号を受信し、および受信した気象信号に基づき散水スケジュールを変更するよう適合されている。これにより、散水スケジュール制御システムは、植物に水をやるために利用可能なリソースをより適切に管理可能になる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、散水スケジュール制御システムは、貯水器と、貯水器内の水位を示す水位信号を生成するよう適合された貯水位センサと、を含む。
本発明の一実施形態によれば、コントローラは、貯水位センサから水位信号を受信し、および受信した水位信号に基づき散水スケジュールを変更するよう適合されている。これにより、散水スケジュール制御システムは、水の利用可能性に基づき植物への散水を最適化することが可能になる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、散水スケジュール制御システムは、植物の健康状態を示す植物健康状態信号を生成するよう構成された植物健康状態センサを含む。健康状態信号は、植物の全般的な健康を示してよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、コントローラは、植物健康状態センサから植物健康状態信号を受信し、および受信した植物健康状態信号に基づき散水スケジュールを変更するよう適合されている。これにより、コントローラは、植物の散水スケジュールを変更する前に、植物の健康状態を判定可能になる。例えば、植物が不健康の兆候を示す場合、コントローラは、それに応じて散水量を増減することで植物の健康を回復してよい。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、電源は、太陽エネルギー源、バッテリ、および風力電源の少なくとも1つから選択される。
本発明の一実施形態によれば、コントローラは、散水スケジュールに関するユーザの好みを示すユーザ入力を受信し、および受信したユーザ入力に基づき散水スケジュールを変更するよう適合されている。システムは、植物への散水をスケジュールするユーザ入力を受信する。ユーザ入力は、予期しない状況に基づき必要となる即時的な動作に対応し得る手動操作を提供してよい。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、自己学習モジュールは、植物の健康状態を示すフィードバックをコントローラに提供するよう適合されている。自己学習モジュールは、個々の植物の健康状態の評価を同一植物について取得されたセンサのデータと相関させることに基づき訓練される。この手法を使用して、自己学習モジュールは、散水スケジュール制御システムに専門的な知識を継続的に提供することが可能である。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、コントローラは、自己学習モジュールから受信したフィードバックに基づき散水スケジュールを変更するよう構成されている。
本発明の他の特徴および態様は、以下の説明および添付の図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の様々な実施形態が実施され得る園芸環境の斜視図。
図2】本発明の実施形態による散水スケジュール制御システムのブロック図。
図3】本発明の別の実施形態による散水スケジュール制御システムのブロック図。
図4】本発明の別の実施形態による散水スケジュール制御システムのブロック図。
図5】本発明の別の実施形態による散水スケジュール制御システムのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
本発明は、添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。本発明の1つまたは複数の態様を組み込んだ本発明の例示的な実施形態が示される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができるので、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が網羅的かつ充分であるので、本発明の範囲が当業者に完全に伝わるように記載される。例えば、本発明の1つまたは複数の態様は、他の実施形態、さらには他の種類の構造および/または方法においても利用され得る。図面では、同じ数字は同じ要素を指す。
【0020】
特定の用語は、本明細書では利便性のためにのみ使用されており、本発明の限定として解釈されるべきではない。例えば、「上の」、「下の」、「前の」、「後の」、「側の」、「縦の」、「横の」、「横断の」、「上方の」、「下方の」、「前方の」、「後方の」、「側方の」、「左の」、「右の」、「水平の」、「垂直の」、「上方の」、「内側の」、「内側に」、「外側に」、「上部」、「底部」、「より高い」、「上方に」、「下方に」、「中央の」、「中部の」、「中間の」、「間の」、「端の」、「隣接の」、「近接の」、「近くの」、「遠位の」、「遠隔の」、「放射状の」、「円周の」等は、単に図に示されている構成を説明しているにすぎない。実際には、構成要素は任意に配向されてよいので、したがって特に明記しない限り、そのような変形を包含するものとして理解されるべきである。
【0021】
図面および明細書において、本発明の好ましい実施形態および例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定する目的ではなく、一般的かつ説明的な意味でのみ使用される。
【0022】
図1は、本発明の様々な態様が適用され得る園芸環境100を示す。園芸環境100の散水の必要性に応えるために、散水システム102が実施される。散水システム102は、園芸環境100における植物に水を供給する。散水システム102は、貯水器104を含む。貯水器104は、散水システム102に必要な水の保持および供給を行う。
【0023】
貯水器104は、当業者によって容易に理解されるような、水に対する十分な容量を有する雨水槽、貯水槽、または他の貯水容器でよい。貯水器104は、直結給水から必要な水の量を取得することを制限しつつ、園芸環境100で利用可能な任意の水を再利用することができる、雨水収集器または任意の他の水源へのアクセスを有してよい。他の実装では、貯水器104に供給する複数の雨水源を有してよい。さらに別の実装では、貯水器104の水源は、深刻な混入物(トイレやおむつからの)を含まない家庭用廃水(流しや風呂からの)等の中水道であってよい。さらに別の実装では、水は、大気中の空気から水蒸気を凝縮することで得られてよい。
【0024】
当業者はまた、散水システム102が、給水栓等の給水へ直接的に接続され得ることを理解するであろう。直結給水が利用可能な場合、ホースまたは他の供給ラインを使用することで、貯水器104を給水に接続してよい。これは、貯水器104を手動で補充するための代替方法を提供するために行われてよく、またはより複雑な構成で使用されて、自己補充システムを可能にしてよい。
【0025】
散水システム102は、散水システム102にエネルギーを供給するよう適合された電源106を含む。電源106は、蓄電池、電力系統、またはガソリンエンジンなどによって駆動される発電機などの従来の電源を含み得ることが理解されるべきである。しかしながら、有用な実施形態では、電源106は、太陽エネルギー収集装置、または風車もしくは他の風力エネルギー源によって駆動される発電機などの、地域的に収集されるエネルギー源を含んでもよい。電源106は、電源106に関連付けられた電力状態センサ108をさらに含む。電力状態センサ108は、電源106の残りの電力を示す信号を生成するよう適合されている。
【0026】
散水システム102は、散水システム102の散水スケジュールを制御するための散水スケジュール制御システム200を含む。図2に示されるように、散水スケジュール制御システム200は、電源106を含む。散水スケジュール制御システム200は、電力状態センサ108をさらに含む。電力状態センサ108は、電源106に通信可能に接続されている。電力状態センサ108は、電源106の残りの電力の状態を判定するよう構成される。残りの電力の状態は、電源106の種類に基づき様々な方法で提供されてよい。例えば、電源106が電池の場合、電池の充電状態が提供されてよい。電源106が太陽エネルギー収集装置である場合、残りの電力の状態は、今後のタイムラインにおける太陽光の予測とともに、利用可能な電力の現在の状態を含んでよい。本開示は、電源106の種類では特に制限されないことが考慮されるべきである。
【0027】
散水スケジュール制御システム200は、コントローラ204をさらに含む。コントローラ204は、複数の異なる方法で実施され得る。例えば、コントローラ204は、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の処理要素、コプロセッサ、または例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などの集積回路を含む様々な他のコンピューティングまたは処理装置などの様々な処理手段として実施され得る。例示的な実施形態では、コントローラ204は、メモリに記憶された、または別の方法でコントローラ204がアクセス可能な命令を実行するよう構成され得る。
【0028】
したがって、ハードウェアによって構成されていても、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成されていても、コントローラ204は、そのように構成されながら、本発明の実施形態による動作を実行することができるもの(例えば、処理回路の形状で回路において物理的に実施される)を表し得る。したがって、例えば、コントローラ204がASIC、FPGA等として実施される場合、コントローラ204は、本明細書に記載の動作を実行するために特別に構成されたハードウェアを有し得る。あるいは別の例では、コントローラ204がソフトウェア命令を実行するものとして実施される場合、命令は、本明細書に記載の動作を実行するようコントローラ204を具体的に構成し得る。
【0029】
図2を参照すると、コントローラ204は、電源106および電力状態センサ108に通信可能に接続されている。本発明の一実施形態では、コントローラ204は、散水スケジュールへのアクセスを有する。実装では、散水スケジュールは、コントローラ204のメモリに記憶されてよい。さらに別の実装では、散水スケジュールは、集中型サーバーまたはクラウドシステムからの無線によって、コントローラ204によって取得されてよい。
【0030】
コントローラ204は、電力状態センサ108から信号を受信し、および受信した信号に基づき散水スケジュールを変更するよう適合されている。コントローラ204は、少なくとも散水の一部が毎日確実にされるように、散水スケジュールを変更するよう事前プログラムされてよい。散水スケジュールを変更することにより電源106の電力を節約し、次のサイクルでの散水に節約した電力を使用することにより、散水しない状況を回避することが好ましい。
【0031】
一実施形態では、散水スケジュール制御システム200は、貯水器104を含んでもよい。散水スケジュール制御システム200はさらに、貯水位センサ206を含んでもよい。貯水位センサ206は、コントローラ204に通信可能に接続されている。貯水位センサ206は、貯水器104内の水位を示す水位信号を生成するよう構成される。コントローラ204は、水位信号を受信し、受信した水位信号に基づき散水スケジュールを変更する。コントローラ204は、貯水器104の水の利用可能性を判定して、かつそれに応じて水を節約するよう散水スケジュールを変更することで、散水のない日を確実に回避してよい。
【0032】
図3を参照すると、散水スケジュール制御システム200は、電源106、電力状態センサ108、コントローラ204、貯水器104、および貯水位センサ206を含む。図3に示す実施形態における散水スケジュール制御システム200は、気象センサ302をさらに含んでよい。気象センサ302は、今後の気象条件を示す気象信号を生成するよう構成される。一実施形態では、気象センサ302は、リモートサーバと通信することで気象データ予測を取得するようさらに構成されている。気象センサは、内蔵されたセンサとして実施されるか、またはコントローラ204に組み込まれてよい。コントローラ204は、気象データ予測を決定するためにリモートサーバと通信してよい。
【0033】
気象予測を決定した後、コントローラ204は、利用可能なリソースに対する判断が改善し得る。例えば、日照が予想され、電源が太陽光発電に基づく種類の電源106である場合、コントローラ204は、散水スケジュールを順守するために必要な充分な電力を提供し得る。しかしながら、少ない日照が予想される場合、コントローラ204は、翌日にも散水が可能であることを確実にするために、一部の電力をとっておいてよい。日照は、本開示における単なる例示的なパラメータであると考えられるべきである。気象データには、湿度予測、降雨または降水量予測、風予測などのパラメータを含み得るが、これに限定されない。コントローラ204は、そのようなパラメータの一部または全てを考慮に入れ、適用要件に従って散水スケジュールを変更してよい。
【0034】
図4を参照すると、さらに別の実施形態では、散水スケジュール制御システム200は、電源106、電力状態センサ108、コントローラ204、貯水器104、貯水位センサ206、および気象センサ302を含む。散水スケジュール制御システム200は、植物健康状態モジュール402をさらに含んでよい。植物健康状態モジュール402は、植物の健康状態を示す植物健康状態信号を生成するよう構成される。
【0035】
植物の健康状態は、植物がどのように光を反射するかを測定することによって判定されてよい。例えば、葉が健康な葉緑素レベルである植物は、可視光を少なく近赤外線を多く反射する。吸水率の健康的なレベルは、植物の葉の短波赤外線の反射率によって判定可能である。可視波長と赤外線波長における植物の吸収と反射のスペクトルの分析は、植物の健康状態に関するデータを提供するのに非常に有効である。植物の種類ごとに、反射率に関して固有のパターンと範囲、およびこのパターンにおける健康的な変化を有する。外気の温度と葉の温度との差は、植物のストレスの指標である。このようなパラメータに関連するデータは、コントローラ204に事前に記憶されてよく、その後に、植物の健康状態を評価するために使用されてよい。本明細書で検討されている例は単なる例示であり、任意の他の同様の適切なパラメータもまた、植物の健康状態を分析するために使用され得ることが考えられるべきである。
【0036】
図5を参照すると、散水スケジュール制御システム200は、電源106、電力状態センサ108、コントローラ204、貯水器104、貯水位センサ206、気象センサ302、および植物健康状態モジュール402を含む。この例示的な実施形態では、散水スケジュール制御システム200は、自己学習モジュール502をさらに含む。自己学習モジュール502は、コントローラ204に通信可能に接続されてよい。自己学習モジュールは、散水パターン、スケジュール、時間の経過に伴い現在の散水スケジュールに実行される変更、提供されるユーザ入力、年間の気象パターン等の、しかしこれらに限定されないパラメータを分析し得る。自己学習モジュール502は、散水スケジュールで実行される変更に関してコントローラ204に示唆的な入力を提供し得る。
【0037】
さらに、自己学習モジュール502はまた、電力状態センサ108、貯水位センサ206、および気象センサ302に通信可能に接続されてよい。自己学習モジュール502はまた、直接的にまたはコントローラ204を介して、電力状態センサ108、貯水位センサ206、および気象センサ204に接続されてよい。
【0038】
図面および明細書において、本発明の好ましい実施形態および例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定する目的ではなく、一般的かつ説明的な意味でのみ使用される。
【符号の説明】
【0040】
100 園芸環境
102 散水システム
104 貯水器
106 電源
108 電力状態センサ
200 散水スケジュール制御システム
204 コントローラ
206 貯水位センサ
302 気象センサ
402 植物健康状態モジュール
502 自己学習モジュール
図1
図2
図3
図4
図5