(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20230131BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20230131BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20230131BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20230131BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L21/56 R
H01L21/88 T
(21)【出願番号】P 2018247381
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】山下 航平
【審査官】平林 雅行
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213315(JP,A)
【文献】特開2007-103716(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225599(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/073763(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 59/00-59/72
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
H01L 21/312-21/3213
H01L 21/47-21/475
H01L 21/56
H01L 21/768
H01L 23/12-23/15
H01L 23/28-23/31
H01L 23/522
H01L 23/532
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空無機フィラーを含有しない無機フィラーと、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂組成物を準備する工程と、前記熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層をグラインドする工程と、前記絶縁層のグラインドされた面に、配線層を形成する工程と、を含み、中空無機フィラーを含有しない無機フィラーと、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂組成物を準備する前記工程が、無機フィラーから中空無機フィラーを除去する工程を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
無機フィラーから中空無機フィラーを除去する前記工程が、乾式分級法、または湿式分級法、あるいはこれらの組み合わせにより実施される、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記乾式分級法が、重量場分級法、慣性力場分級法、自由渦型遠心力場分級法、および強制渦型遠心力場分級法から選択される少なくとも1つである、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記湿式分級法が、重力場分級法、自由渦型遠心力場分級法、および強制渦型遠心力場分級法から選択される少なくとも1つである、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁層をプラズマ処理する工程をさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
絶縁層を形成する前記工程は、スピンコート法、または印刷法により実施される、請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、半導体装置の製造方法に関する。より詳細には、グラインド処理後の絶縁層上に再配線層を作製する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路などの半導体チップをパッケージングした集積回路パッケージでは、小型化及び薄型化に対する要求が高まっている。近年、特に薄型化を要求される分野の集積回路パッケージを中心に、半導体チップの表面にバンプと呼ばれる球状の外部接続端子を格子状に配置したCSP(チップ・サイズ・パッケージ)の開発が進められている。また、ウェハプロセスにより、半導体ウェハに複数個形成された半導体装置を含む構造体に対して、個片化工程を行うことにより得られるCSPは、WCSP(ウェハレベル・チップ・サイズ・パッケージ)と称されている。
【0003】
近年、WCSPにおいても、高集積化のために多層再配線構造が導入されている。この多層再配線構造のWCSPにあっては、さらなる高集積化のために、各層に対応するビア部が電極パッド上に重なって形成される「スタックド構造」が提案されている(特許文献1)。いわゆるスタックドビアである。例えば、特許文献1の
図2には、半導体ウェハ2上に、信号電極パッド4aに接続されるように第1絶縁層を介して第1金属層(再配線層)が形成され、さらにその上に第2絶縁層を介して第2金属層(再配線層)が形成された構造のWCSPが図示されている。
【0004】
このような半導体装置の製造方法において、絶縁層を形成するための材料として用いられる熱硬化性樹脂組成物には、物理的特性を向上するために、無機材料から構成される熱特性、機械的特性に優れた無機フィラー配合するのが一般的である。熱硬化性樹脂組成物に配合される無機フィラーは、その大きさにより、得られる絶縁層の性能に影響を与えるため、所定以上の粒径を有する粗大粒子の含有量を制限することが一般に行われている。たとえば、特許文献2では、半導体素子の再配置、絶縁層の形成、再配線層の形成、配線の形成、外部接続用端子の形成、および個片化等の工程を含む半導体装置の製造方法において、特定の粒径範囲の無機フィラーを含む熱硬化性樹脂組成物を用いて絶縁層を作製することにより、デスミア処理後の絶縁層表面を平滑にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-252310号公報
【文献】特開2017-10991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、絶縁層形成用の熱硬化性樹脂組成物に許容範囲内の粒径の無機フィラーを用いた場合であっても、その無機フィラー中に中空フィラーが存在することを知見した。このような中空フィラーを含む熱硬化性樹脂組成物を用いて絶縁層を作製した場合、再配線層を形成するために絶縁層をグラインドする際にその粒子の一部が欠失してグラインド面に凹部が生じる場合がある。またこのような絶縁層上に再配線層を形成すると、再配線層に段切れが生じ、得られる半導体装置の電気的信頼性が損なわれる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、優れた電気的信頼性を有する半導体装置を製造する方法を提供する。
【0008】
本発明によれば、中空無機フィラーを含有しない無機フィラーと、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂組成物を準備する工程と、前記熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層をグラインドする工程と、前記絶縁層のグラインドされた面に、配線層を形成する工程と、を含み、
中空無機フィラーを含有しない無機フィラーと、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂組成物を準備する前記工程が、無機フィラーから中空無機フィラーを除去する工程を含む、半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、優れた電気的信頼性を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、
中空無機フィラーを含有しない無機フィラーと、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂組成物を準備する工程と、
前記熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層をグラインドする工程と、前記絶縁層のグラインドされた面に、配線層を形成する工程と、を含む。
本実施形態において、中空無機フィラーを含有しない無機フィラーと、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂組成物を準備する工程は、無機フィラーから中空無機フィラーを除去する工程を含む。
【0012】
本発明者の検討によれば、中空無機フィラーを含む絶縁層をグラインドすると、中空無機フィラーの一部が破壊、欠失して、凹型の残存部が絶縁層中に残ることにより、または中空無機フィラーが粒子ごと欠失することにより、絶縁層のグラインド面に凹部が生じる。その理由としては、中空無機フィラーは、中実無機フィラーに比べて、強度において劣るためと考えられる。そこで、本発明者は、上記事情に鑑みて鋭意検討した結果、中空無機フィラーを実質的に含まない熱硬化性樹脂組成物を用いて絶縁層を作製することにより、絶縁層のグラインド面を平滑にすることができ、その結果、グラインド面上に形成される再配線層の段切れが生じず、電気的信頼性に優れた半導体装置が得られることを見出した。
【0013】
本実施形態における半導体装置の製造方法に用いられる絶縁層は、中空無機フィラーを実質的に含有しない無機フィラーと、熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される。本実施形態において、中空無機フィラーを実質的に含有しない無機フィラーは、無機フィラーを準備する工程と、当該無機フィラーから中空無機フィラーを除去する工程により得られる。
【0014】
無機フィラーは、当該分野で一般的に用いられる市販の無機フィラーを使用することができ、たとえば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などが挙げられる。無機フィラーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
本実施形態において、用いられる無機フィラーの最大粒径は、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下、さらにより好ましくは1μm以下である。また、無機フィラーの平均粒径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1μm以下、さらにより好ましくは300nm以下、特に好ましくは100nm以下である。
【0016】
上記範囲の最大粒径および平均粒径を有する無機フィラーを用いることにより、これを含む絶縁層をグラインドした後の表面を平滑にすることができる。
【0017】
無機フィラーの最大粒径及び平均粒径は、小さいものほど好ましいが、生産性及び入手容易性の観点から、最大粒径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、平均粒径は、好ましくは2nm以上、より好ましくは10nm以上である。
【0018】
熱硬化性樹脂組成物中の無機フィラーの含有量は、得られる半導体装置の熱膨張係数を小さくし、反りを抑制する観点から、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0質量部より多く90質量部以下、より好ましくは20質量部以上90質量部以下、さらに好ましくは40質量部以上90質量部以下である。
【0019】
無機フィラーは、一次粒径のまま凝集することなく樹脂成分中に分散させる観点から、表面処理剤により表面処理されていてもよい。
【0020】
無機フィラーには、その中に空隙を有する無機フィラー(本明細書において「中空無機フィラー」という)が混在する場合がある。本実施形態において、「中空無機フィラー」は、内部に0.5μm3以上(直径1μmの球の体積に相当)の中空部分を有する無機フィラーを指す。
【0021】
本実施形態において、無機フィラーからこれに含まれる中空無機フィラーを除去するために、乾式分級法または湿式分級法、あるいはこれらの組み合わせを用いる。乾式分級法としては、重量場分級法、慣性力場分級法、自由渦型遠心力場分級法、および強制渦型遠心力場分級法が挙げられる。湿式分級法としては、重力場分級法、自由渦型遠心力場分級法、および強制渦型遠心力場分級法が挙げられる。用いる分級方法は、無機フィラーの種類により適宜選択することができる。
【0022】
作業の容易性の観点から、乾式分級法のいずれかを用いることが好ましい。また、粒径分布の制御と中空無機フィラーの除去を両立する観点から、重量場分級法、慣性力場分級法、自由渦型遠心力場分級法、および強制渦型遠心力場分級法のいずれかを組み合わせて用いることが好ましい。これらの分級法は、市販の装置を用いて実施される。
【0023】
分級後の無機フィラーは、中空無機フィラーを実質的に含まず、実質的に中実無機フィラーからなり、無機フィラー中の中空無機フィラーの含有量は、1.0質量%以下、好ましくは、0.5質量%以下である。
【0024】
無機フィラー中の中空無機フィラーの存在は、例えば、フロー式画像解析法により確認することができる。フロー式画像解析法は、市販のフロー式画像解析粒子径・形状測定装置を用いて実施することができる。
【0025】
本実施形態において、得られた中空無機フィラーを実質的に含まない無機フィラーは、絶縁層形成用の熱硬化性樹脂組成物の材料として用いられる。本実施形態で用いられる熱硬化性樹脂組成物は、無機フィラーに加え、熱硬化性樹脂を含み、熱硬化性樹脂を含む。
【0026】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂または熱硬化性ポリイミド樹脂を使用することができる。熱硬化性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0027】
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’-(1,4-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
エポキシ樹脂の中でも、得られる絶縁層の耐熱性および絶縁性を向上できる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、アラルキル型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂およびナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。
【0029】
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤を配合してもよい。使用できる硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネート樹脂、活性エステル樹脂などを用いることができる。中でも、フェノール樹脂を用いることが好ましい。
【0030】
フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂などの多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などの変性フェノール樹脂;フェニレン骨格および/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂などのアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物などが挙げられる。フェノール樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、上記成分に加え、必要に応じてさらに、硬化促進剤、着色剤、カップリング剤、レベリング剤等を配合してもよい。
【0032】
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上述した各成分を、例えば、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、または自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することによりワニス状の組成物として調製することができる。
【0033】
溶媒としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN-メチルピロリドンなどが挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
上述の熱硬化性樹脂組成物を絶縁層形成用の材料として用いることにより、電気的信頼性に優れた半導体装置を作製することができる。具体的には、半導体装置は、上記熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層を形成する工程、当該絶縁層をグラインドする工程、および配線層を形成する工程により作製される。
【0035】
基板上に絶縁層を形成する工程は、スピンコート法や印刷法などにより上記熱硬化性樹脂組成物を塗布、成膜する工程を含む。絶縁層の膜厚は、0.1~30μmであり得る。
【0036】
絶縁層をグラインドする工程は、たとえば、高速回転する砥石を用いるグラインディング法により実施される。本実施形態において、絶縁層は中空無機フィラーが含まれていないため、グラインドによる中空無機フィラーの欠失がなく、その結果、平滑なグラインド面が得られる。グラインド工程の前に、必要に応じて、絶縁層をプラズマ処理法により表面処理してもよい。絶縁層のグラインド面の、レーザー顕微鏡で倍率50倍で測定した場合の粗度Raは、0.3以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下とすることができる。
【0037】
再配線層は、真空蒸着法、スパッタリング法、電解めっき法、無電解めっき法等を用いて金属膜を形成することにより得られる。
【0038】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、さらに外部接続端子の形成および個片化などの工程含む。
【0039】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。