IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ブルーオーシャンシステムの特許一覧

特許7218850記録管理システム,記録管理装置,文書承認装置および文書作成装置,ならびに同方法,同プログラムおよび同プログラムを記録した記録媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】記録管理システム,記録管理装置,文書承認装置および文書作成装置,ならびに同方法,同プログラムおよび同プログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230131BHJP
   G06F 40/166 20200101ALI20230131BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20230131BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20230131BHJP
   G16H 40/00 20180101ALI20230131BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
G06F40/166
G06Q50/22
G16H20/00
G16H40/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2017183824
(22)【出願日】2017-09-25
(65)【公開番号】P2019061355
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】511181577
【氏名又は名称】株式会社ブルーオーシャンシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】弁理士法人東京UIT国際特許
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 正人
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】中野 浩昌
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-207727(JP,A)
【文献】特開2003-186881(JP,A)
【文献】特開2015-219247(JP,A)
【文献】特開2008-108199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
G06F40/166
G16H20/00
G16H40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書承認装置と学習装置と文書作成装置とを含み,前記文書承認装置は,
承認欄を含む承認依頼文書を表示する承認依頼表示手段,および
承認入力手段を備え,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを,前記承認入力手段からの承認入力に応答して出力する承認手段を備え,
前記学習装置は,
前記承認手段から出力される学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習する学習手段を備え,
前記文書作成装置は,
画面上に文書を出力する文書作成手段,ならびに
前記文書作成手段から出力される文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを前記学習手段における学習結果に基づいて出力するガイダンス手段を備え,
前記文書作成手段は前記ガイダンス手段から出力されるアドバイスを文書出力画面上に表示する,
記録管理システム。
【請求項2】
承認欄を含む承認依頼文書を表示する承認依頼表示手段,
承認入力手段を備え,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを,前記承認入力手段からの承認入力に応答して出力する承認手段,
前記承認手段から出力される学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習する学習手段,
画面上に文書を出力する文書作成手段,ならびに
前記文書作成手段から出力される文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを前記学習手段における学習結果に基づいて出力するガイダンス手段を備え,
前記文書作成手段は前記ガイダンス手段から出力されるアドバイスを文書出力画面上に表示する,
記録管理システム。
【請求項3】
承認欄を含む承認依頼文書を表示する承認依頼表示手段,
承認入力手段を備え,表示される承認依頼文書に応じて入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書の文書内容と受入れたアドバイスを,前記承認入力手段からの承認入力に応答して出力する承認手段,
前記承認手段から出力される承認依頼文書に含まれるキーワードを抽出するキーワード抽出手段,
前記キーワード抽出手段によって抽出されたキーワードと前記承認手段から出力されるアドバイスとを含む学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習する学習手段,ならびに
画面上に表示される作成文書をガイダンス手段に出力するとともに,前記学習手段における学習結果に基づいて前記ガイダンス手段から出力される,該作成文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを画面上に表示する文書作成手段,
を備える記録管理システム。
【請求項4】
前記承認手段が,
承認欄に関連する一連の承認入力の第1の入力に応答してアドバイス入力画面を表示するアドバイス入力誘導手段,および
アドバイス入力画面上で入力されたアドバイスを受入れるとともに,一連の承認入力の第2の入力に応答して,表示された承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを前記学習手段に向けて出力する学習データ出力手段を備える,
請求項1または2に記載の記録管理システム。
【請求項5】
前記文書作成手段が,
作成文書を画面上に表示する作成文書表示手段,
画面上に表示された文書を前記ガイダンス手段に向けて出力する作成文書出力手段,および
前記学習手段における学習結果に基づいて前記ガイダンス手段から出力される,作成文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを画面上に表示するアドバイス表示手段を備える,
請求項1から3のいずれか一項に記載の記録管理システム。
【請求項6】
承認欄を含む承認依頼文書を表示する承認依頼表示手段,
表示される承認依頼文書について承認の旨を入力する承認入力手段,
前記承認入力手段からの承認入力に応答してアドバイス入力画面を表示するアドバイス入力誘導手段,
アドバイス入力画面上で入力されたアドバイスを受入れ,受入れたアドバイスを機械学習のための教師データとして出力する教師データ出力手段,
前記承認依頼表示手段に表示され,前記承認入力手段から承認の旨の入力のあった承認依頼文書に含まれるキーワードを抽出するキーワード抽出手段,および
前記教師データ出力手段から出力される教師データと前記キーワード抽出手段で抽出されたキーワードとを含む学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習する学習手段,
を備える文書承認装置。
【請求項7】
前記教師データ出力手段は,前記承認手段から承認の旨を入力する承認者の識別コードを教師データとともに出力する,請求項6に記載の文書承認装置。
【請求項8】
前記教師データ出力手段は,承認者の重み付けデータを教師データとともに出力する,請求項6に記載の文書承認装置。
【請求項9】
文書承認装置において承認が与えられた承認依頼文書に含まれるキーワードと,前記承認依頼文書の承認にあたって入力された教師データとしてのアドバイスとからなる学習用データセットに基づいて機械学習を行うことにより得られた,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を表わす学習済データを記憶する記憶手段,
作成文書を画面上に表示する作成文書表示手段,
画面上に表示された作成文書をガイダンス手段に向けて出力する作成文書出力手段,および
前記記憶手段に記憶された学習済データに基づいて,前記ガイダンス手段から出力される,作成文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを画面上に表示するアドバイス表示手段,
を備える文書作成装置。
【請求項10】
前記アドバイス表示手段は,アドバイスとともにガイダンス手段から出力される詳細情報を表示する,
請求項に記載の文書作成装置。
【請求項11】
文書承認装置の承認依頼表示手段が承認欄を含む承認依頼文書を表示し,
前記文書承認装置の承認手段が,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを承認入力手段からの承認入力に応答して出力し,
学習手段が,該承認手段から出力される学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習し,
文書作成装置の文書作成手段が,画面上に文書を出力し,
前記文書作成装置のガイダンス手段が,文書作成手段から出力される文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを該学習手段における学習結果に基づいて出力し,そして
前記文書作成手段は前記ガイダンス手段から出力されるアドバイスを文書出力画面上に表示する,
記録管理方法。
【請求項12】
承認依頼表示手段が,承認欄を含む承認依頼文書を表示し,
承認手段が,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを,承認入力手段からの承認入力に応答して出力し,
学習手段が,前記承認手段から出力される学習用データセットに基づいてキーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習し,
文書作成手段が,画面上に文書を出力し,
ガイダンス手段が,前記文書作成手段から出力される文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを前記学習手段における学習結果に基づいて出力し,そして
前記文書作成手段は前記ガイダンス手段から出力されるアドバイスを文書出力画面上に表示する,
記録管理方法。
【請求項13】
承認依頼表示手段が,承認欄を含む承認依頼文書を表示し,
承認手段が,表示される承認依頼文書に応じて入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書の文書内容と受入れたアドバイスを承認入力手段からの承認入力に応答して出力し,
キーワード抽出手段が前記承認手段から出力される承認依頼文書に含まれるキーワードを抽出し,
学習手段が,前記キーワード抽出手段によって抽出されたキーワードと前記承認手段から出力されるアドバイスとを含む学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習し,そして
文書作成手段が,画面上に表示される作成文書をガイダンス手段に出力するとともに,前記学習手段における学習結果に基づいて前記ガイダンス手段から出力される,該作成文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを文書表示画面上に表示する,
記録管理方法。
【請求項14】
承認依頼手段が承認欄を含む承認依頼文書を表示し,
アドバイス入力誘導手段が,承認入力手段からの承認入力に応答してアドバイス入力画面を表示し,
教師データ出力手段が,アドバイス入力画面上で入力されたアドバイスを受入れ,受入れたアドバイスを機械学習のための教師データとして出力し,
キーワード抽出手段が,前記承認依頼表示手段に表示され,前記承認入力手段から承認入力があった承認依頼文書に含まれるキーワードを抽出し,そして
学習手段が,前記教師データ出力手段から出力される教師データと前記キーワード抽出手段で抽出されたキーワードとを含む学習用データセットに基づいてキーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習する,
文書承認方法。
【請求項15】
記憶手段が,文書承認装置において承認が与えられた承認依頼文書に含まれるキーワードと,前記承認依頼文書の承認にあたって入力された教師データとしてのアドバイスとからなる学習用データセットに基づいて機械学習を行うことにより得られた,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を表わす学習済データを記憶し,
作成文書表示手段が,作成文書を画面上に表示し,
作成文書出力手段が,画面上に表示された作成文書をガイダンス手段に向けて出力し,そして
アドバイス表示手段が,前記記憶手段に記憶された学習済データに基づいて,ガイダンス手段から出力される,作成文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを文書作成用画面上に表示する,
文書作成方法。
【請求項16】
承認依頼表示手段が承認欄を含む承認依頼文書を表示し,そして
承認手段が,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを承認入力手段からの承認入力に応答して出力するように文書承認装置のコンピュータを制御する文書承認用プログラムと,
学習手段が,該承認手段から出力される学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習するように学習装置のコンピュータを制御する学習用プログラムと,
文書作成手段が,画面上に文書を出力し,
ガイダンス手段が,前記文書作成手段から出力される文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを前記学習手段における学習結果に基づいて出力し,そして
前記文書作成手段が前記ガイダンス手段から出力されるアドバイスを文書出力画面上に表示するように文書作成装置のコンピュータを制御する文書作成用プログラムと,
を備える記録管理プログラム。
【請求項17】
承認依頼表示手段が,承認欄を含む承認依頼文書を表示し,
承認手段が,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを,承認入力手段からの承認入力に応答して出力し,
学習手段が,前記承認手段から出力される学習用データセットに基づいてキーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習し,
文書作成手段が,画面上に文書を出力し,
ガイダンス手段が,前記文書作成手段から出力される文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを前記学習手段における学習結果に基づいて出力し,そして
前記文書作成手段が前記ガイダンス手段から出力されるアドバイスを文書出力画面上に表示するようにコンピュータを制御する,
記録管理プログラム。
【請求項18】
承認依頼表示手段が,承認欄を含む承認依頼文書を表示し,
承認手段が,表示される承認依頼文書に応じて入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書の文書内容と受入れたアドバイスを承認入力手段からの承認入力に応答して出力し,
キーワード抽出手段が前記承認手段から出力される承認依頼文書に含まれるキーワードを抽出し,
前記学習手段が,前記キーワード抽出手段によって抽出されたキーワードと前記承認手段から出力されるアドバイスとを含む学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習し,そして
文書作成手段が,画面上に表示される作成文書をガイダンス手段に出力するとともに,前記学習手段における学習結果に基づいて,前記ガイダンス手段から出力される,作成文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを文書表示画面上に表示するようにコンピュータを制御する,
記録管理プログラム。
【請求項19】
承認依頼手段が承認欄を含む承認依頼文書を表示し,
アドバイス入力誘導手段が,承認入力手段からの承認入力に応答してアドバイス入力画面を表示し,
教師データ出力手段が,アドバイス入力画面上で入力されたアドバイスを受入れ,受入れたアドバイスを機械学習のための教師データとして出力し,
キーワード抽出手段が,前記承認依頼表示手段に表示され,前記承認入力手段から承認入力があった承認依頼文書に含まれるキーワードを抽出し,そして
学習手段が,前記教師データ出力手段から出力される教師データと前記キーワード抽出手段で抽出されたキーワードとを含む学習用データセットに基づいてキーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習するようにコンピュータを制御する,
文書承認プログラム。
【請求項20】
文書承認装置において承認が与えられた承認依頼文書に含まれるキーワードと,前記承認依頼文書の承認にあたって入力された教師データとしてのアドバイスからなる学習用データセットに基づいて機械学習を行うことにより得られた,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を表わす学習済データが記憶装置に記憶されており,
文書作成プログラムは,
作成文書表示手段が,作成文書を画面上に表示し,
作成文書出力手段が,画面上に表示された文書をガイダンス手段に向けて出力し,そして
アドバイス表示手段が,前記記憶装置に記憶された学習済データに基づいて,ガイダンス手段から出力される,作成文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを画面上に表示するようにコンピュータを制御する,
文書作成プログラム。
【請求項21】
請求項16から20のいずれか一項に記載のプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,記録管理システム,記録管理装置,文書承認装置および文書作成装置,ならびに記録管理方法,文書承認方法および文書作成方法,記録管理プログラム,文書承認プログラムおよび文書作成プログラム,およびこれらのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者,障がい者,児童などに介護,医療,保育等のサービスを提供する施設では常により良質で適切なサービスが求められる。特に対象者の異常な行動を事前に察知してそれに対処できることが好ましい。
【0003】
特許文献1に記載の介護システムでは,被介護者の異常状況を各種センサにより察知して,過去に実施されたデータベースに蓄積された介護情報を参照して介護者に適切な作業内容を報知するものである。特許文献2に記載のコンプライアンス評価支援システムは作業指示書,ケアプラン作成の段階で考えられうるリスクをあらかじめ評価しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-149825号公報
【文献】特開2012-175170号公報
【0005】
一方,上記のような施設では,一般に記録管理システムと呼ばれるコンピュータシステムを利用してケース記録,介護日誌,看護日誌,ケアプラン等のさまざまな記録がとられている。これらの記録は,膨大な数の事例を含み,適切なサービスのための生きた教材になりうる。特に経験が浅い介護者等にとっては,経験豊富な経験者から適切なアドバイスさえ与えられれば,これらの記録から多くを学ぶことができる。
【発明の概要】
【0006】
この発明は,記録管理システムで作成される介護日誌,看護日誌等の業務日誌,その他の報告書類等には,経験豊富なスタッフ(主任,課長等)が必ず承認を与える(電子的に押印する)仕組みになっていることに着目し,承認を入力する際には作成された書類(日誌等の記録)に必ず目を通すので,その書類に記載された記録内容(対象者の状態,環境等を表わす重要なまたは特定のキーワード)をみて,その対象者,環境等に起こりうる事態の可能性をアドバイスすることができるので,そのアドバイスを機械学習の教師データとして用いることをシステム化したものである。
【0007】
この発明による記録管理システムは,一つの形態では,承認欄を含む承認依頼文書を表示する承認依頼表示手段,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを承認入力に応答して出力する承認手段,該承認手段から出力される学習用データセットに基づいて,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習する学習手段,画面上に文書を出力する文書作成手段,ならびに文書作成手段から出力される文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを該学習手段における学習結果に基づいて出力するガイダンス手段を備え,該文書作成手段は該ガイダンス手段から出力されるアドバイス(ガイダンス)を文書出力画面上に表示するものである。
【0008】
この発明による記録管理システムは,他の形態では,承認欄を含む承認依頼文書を表示する承認依頼表示手段,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを,承認入力に応答して,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習する学習手段に向けて出力する承認手段,画面上に文書を出力する文書作成手段,ならびに文書作成手段から出力される文書に含まれるキーワードに適合するアドバイスを学習手段における学習結果に基づいて出力するガイダンス手段を備え,該文書作成手段は該ガイダンス手段から出力されるアドバイス(ガイダンス)を文書出力画面上に表示するものである。
【0009】
この発明による記録管理システム(装置)は,さらに他の形態では,承認欄を含む承認依頼文書を表示する承認依頼表示手段,表示される承認依頼文書に含まれるキーワードに対応して入力されるアドバイスを受入れ,承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを,承認入力に応答して,キーワードに対応するアドバイスの適合の程度を学習する学習手段に向けて出力する承認手段,ならびに画面上に表示される文書をガイダンス手段に出力するとともに,学習手段における学習結果に基づいてガイダンス手段から出力される,該文書に含まれるキーワードに適合するアドバイス(ガイダンス)を画面上に表示する文書作成手段を備えるものである。
【0010】
いずれにしても,文書の作成者(スタッフ)は,日報,月報,報告書等の各種記録文書をコンピュータ上で作成(入力)する。この記録文書には,対象者(被介護者,障がい者,入院患者,児童等)の行動,ふるまい,状態,環境の問題等が文字(単語,文章)で記録される。そして,上司の承認(決裁)が必要な文書を作成した場合には,承認欄を作成し,システム上で上司に承認の依頼を行う(承認ワークフローが働く)(承認依頼表示手段)。上司は承認するときに承認すべき文書を読み,そこに記載されている内容をみて,対象者,環境(設備,組織,スタッフ個人)等について起こりうる可能性,スタッフが注意すべき事項等のアドバイスを入力し,承認を与える(決裁する)(承認手段)。上司による承認の入力に応答して,承認された文書と入力されたアドバイスとが学習手段(学習システム,学習サーバ)に送られる。アドバイスは学習の教師データと位置付けられる。承認された文書中の特定の用語(対象者の状態,ふるまい,行動,環境の問題等を表わすキーワード)と教師データであるアドバイスとが学習用データセットとして機械学習手段において,アドバイスの適合性の程度が学習される。学習結果は学習データベースに格納される。承認者が複数人いる場合には,すべての承認,または最高位の承認者が承認入力を与えたときに,文書とアドバイスが学習手段に送られることが好ましい。
【0011】
スタッフは日常的にコンピュータ画面上で各種文書を作成,または過去に作成した,もしくは他人が作成した文書を表示して閲覧している(文書作成手段,文書閲覧を含む)。文書を入力しているとき,閲覧しているとき,入力が終了したとき,ガイダンスボタンが押されたときなどに,スタッフによって作成等された文書はガイダンス手段に送られる。ガイダンス手段はスタッフが作成等した文書に含まれる特定の用語(キーワード)等に基づいて,そのキーワードに適合したアドバイスまたはガイダンスを学習手段(学習データベース)から取出し,スタッフが文書を入力しているコンピュータに送る(ガイダンス手段)。コンピュータ上には送信されたアドバイスまたはガイダンスが表示される。このようにしてスタッフは自分が入力している(入力した,閲覧した)文書について(文書に記録されている対象者,環境等について)適切なアドバイスを受けることが可能となる。承認を与える承認者(スタッフ)は経験と知識が豊富な熟練者である。熟練者が入力したアドバイスが教師データとして学習が行なわれる。そして,未熟なスタッフの場合であっても,そのスタッフが入力している,または入力した,閲覧した文書における対象者,環境等に関連するキーワードに関連して学習結果により適切なガイダンスないしはアドバイスが与えられることになる。
【0012】
このようにして,この発明による記録管理システムによると,承認を与えるタイミングで学習のための教師データを入力することが可能であり,しかも承認を与える者は熟練者であるから適切な教師データが入力されることになる。一方,他のスタッフ(承認者を含む)が文書を入力等しているときに,学習結果に基づく適切なアドバイス,ガイダンスが表示されるから,経験の浅いスタッフであっても,そのスタッフは文書入力において学び,または知識を身につけ,注意事項を考慮することができる。さらにスタッフは必要ならば関連するマニュアルなど詳細ガイダンス情報を入手することもできる。このようにして,経験と知識が豊富な者から経験の浅いスタッフへの知識,経験の伝達が可能となる。
【0013】
この発明による文書承認装置は,承認欄を含む承認依頼文書を表示する承認依頼表示手段,承認欄に関連する一連の承認入力の第1の入力に応答してアドバイス入力画面を表示するアドバイス入力誘導手段,およびアドバイス入力画面上で入力されたアドバイスを受入れるとともに,一連の承認入力の第2の入力に応答して,表示された承認依頼文書のキーワードを含む文書内容と受入れたアドバイスとを含む学習用データセットを学習手段に向けて出力する学習データ出力手段を備えるものである。この文書承認装置は,承認者が教師データとしてのアドバイスを入力するために用いることができる。
【0014】
この発明による文書作成装置は,作成文書を画面上に表示する作成文書表示手段,画面上に表示された文書をガイダンス手段に向けて出力する作成文書出力手段,および学習手段における学習結果に基づいてガイダンス手段から出力される,作成文書に含まれるキーワードに適合するアドバイス(ガイダンス)を画面上に表示するアドバイス表示手段を備えるものである。この文書作成装置(文書閲覧装置を含む)を用いるとスタッフは文書を入力しながら,閲覧しながら,または入力したときに適切なアドバイスまたはガイダンスを得ることができる。この発明は上記と同じ特徴をもつ記録管理方法,文書承認方法および文書作成方法,ならびに同プログラムおよび同プログラムを記録した記録媒体も提供している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】記録管理システム全体を示すブロック図である。
図2】記録管理クライアントにおける記録文書作成処理を示すフローチャートである。
図3】記録管理システム全体における決裁(承認)処理および学習処理の流れを示すフローチャートである。
図4】学習サーバにおける学習処理(処理1~3)の全体の流れを示すフローチャートである。
図5】学習サーバにおける学習処理1の詳細を示すフローチャートである。
図6】学習サーバにおける学習処理2の詳細を示すフローチャートである。
図7】学習サーバにおける学習処理3の詳細を示すフローチャートである。
図8】記録管理クライアントにおける文書作成画面の例を示す。
図9】記録管理クライアントにおける文書作成画面の例を示し,主任が承認した状態を示す。
図10】記録管理クライアントにおける文書作成画面の例を示し,課長が承認するにあたってコメント入力画面を表示させた状態を示す。
図11】記録管理クライアントにおける文書作成画面の例を示し,課長が承認するにあたってコメントを入力している状態を示す。
図12】記録管理クライアントにおける文書作成画面の例を示し,課長が承認した状態を示す。
図13】記録管理クライアントから学習ガイダンスサーバ(形態素解析サーバ)に送信されるデータの例を示す。
図14】学習サーバ(学習データーベース)におけるキーワードマスタの例を示す。
図15】学習サーバ(学習データーベース)におけるクラス分類マスタの例を示す。
図16】学習サーバ(学習データーベース)における学習データ群(テーブル)の例を示す。
図17】記録管理システム全体における文書作成(文書閲覧)処理およびそれに付随したガイダンス表示の流れを示すフローチャートである。
図18】ガイダンスサーバにおけるガイダンス作成処理の前半部分(処理4)を示すフローチャートである。
図19】ガイダンスサーバにおけるガイダンス作成処理の後半部分(処理5)を示すフローチャートである。
図20】記録管理クライアントにおける文書作成(閲覧)画面例を示す。
図21】記録管理クライアントにおける文書作成(閲覧)画面の例を示し,ガイダンスエリアにガイダンスが表示されている様子を示す。
図22】記録管理クライアントにおける文書作成(閲覧)画面の例を示し,ウィンドウにマニュアルが表示されている様子を示す。
図23】記録管理クライアントから形態素解析サーバに送信されるデータの例を示す。
図24】ガイダンスサーバから記録管理クライアントに送信されるデータ(メッセージ)の例を示す。
【実施例
【0016】
図1は記録管理システム全体の構成を示すものである。
【0017】
一般的には複数台(一台でもよい)の記録管理クライアント(コンピュータ)(システム)11が記録管理システム10に設けられている。これらの記録管理クライアント11は記録管理サーバ12と相互に通信可能である。記録管理サーバ12は記録管理データベース13を備えている。
【0018】
記録管理クライアント11は承認依頼表示手段,承認手段(アドバイス入力誘導手段,学習データ出力手段),文書作成手段(文書作成画面表示手段,作成文書出力手段,アドバイス表示手段)等として機能する。また,記録管理クライアント11は,文書承認装置,文書作成装置とも呼ばれる。記録管理クライアント11は単独で,または記録管理サーバ12および記録管理データベース13とともに,記録管理システムまたは記録管理装置と観念することもできる。記録管理サーバ12は承認手段(学習データ出力手段)の一部を構成する場合もあるし,文書作成手段(作成文書出力手段)の一部を構成することもある。
【0019】
記録管理システム10の全体には,形態素解析サーバ14,学習サーバ(学習手段)15およびガイダンスサーバ(ガイダンス手段)17が含まれ,学習サーバ15には学習データベース16が付随し,ガイダンスサーバ17にはマニュアルデータベース18が付属している。学習データベース16は学習サーバ15およびガイダンスサーバ17からアクセス可能である。ガイダンスサーバ17はマニュアルデータベース18にアクセスすることができる。これらのサーバ14,15,17およびデータベース16,18の集合を学習ガイダンスサーバ(システム)19と呼ぶことがある。
【0020】
一実施態様では,学習ガイダンスサーバ19はクラウドと呼ばれるインターネット上のサーバ群(クラウドコンピューティング)を利用して実現することができる。記録管理サーバ12および記録管理データベース13もクラウドコンピューティングを利用して実現することができる。この場合には,各サーバが実行する後述する処理プログラムがクラウドにアップロードされる。形態素解析サーバ14および学習サーバ15は既存の形態素解析サーバおよび学習サーバをそれぞれ利用してこの記録管理システムを構築することもできる。
【0021】
記録管理システム10を構成する各サーバにインストールされたプログラムを実行することにより達成される機能または動作の詳細について以下に詳述する。
【0022】
まず記録文書作成処理について図2を参照して説明する。
【0023】
記録文書作成は介護施設,病院,保育園等において,記録管理クライアント11を用いてスタッフ(介護者等の担当者)により日常的に行なわれる処理(操作)である。作成される記録文書の例が図8に示されている。図8も参照して,スタッフは記録管理クライアント11において記録編集画面を立上げ,その画面の右欄の帳票メニューの中からケアマネージャーへの報告書(ケアマネ報告書)を選択する。スタッフは対象者(たとえば被介護者)の名前(利用者:静岡太郎),自分の名前(報告者:田中一郎),日付等を画面上のプルダウンリストからマウスを用いて選択またはキーボード等から入力し,さらに「特記事項」の文章(テキストデータ)を入力する(図2,S11)。特記事項が報告事項の内容(文書内容)である。なお,この記録編集画面の下部には,追加,保存,複製,削除等のボックス(ボタン)も表示されている。
【0024】
スタッフが作成する文書には上司(管理責任者等)による承認が必要な文書と必要でない文書とがある。承認が必要な文書には,承認欄(決裁欄)Aが記録編集画面に表示される。承認が必要な文書には各種業務日誌,各種報告書等がある。承認の必要のない文書には承認欄は表示されない。承認欄は承認欄コントロール(プログラム)によって以下に述べるように制御される。
【0025】
承認欄Aに表示される承認者の数は文書の種類に応じて異なる。ここでは簡単のために,2名の承認者を指定できるボックスが設けられている。スタッフは承認者として,主任の佐藤と課長の鈴木を入力する(図2,S12)(承認依頼文書の作成,表示)。このように承認者の氏(名)を入力して指定することにより,記録編集画面上の文書は承認依頼文書となる。複数の承認者がある場合には承認の順序(承認順)が定められる。図8の例では,主任(佐藤),課長(鈴木)の順である。この承認順で承認ワークフローが働く。
【0026】
承認ワークフローそれ自体は公知の技術である。たとえば,承認依頼文書が記録管理サーバ12に送られ,承認者と承認順序のデータが保存される。承認依頼文書は記録管理データベース13に格納される。そして,承認者が記録管理クライアント11からログインすると,記録管理サーバ12からその記録管理クライアント11に,特定の文書について承認者として指定された旨の通知が送られる。承認者は記録管理クライアント11において承認状況ビューワーで自分が承認すべき文書の有無を確認する。承認者は記録エディターを起動して,承認が必要な文書を記録管理クライアント11に表示する。スタッフ,承認者のそれぞれが専用の記録管理クライアントを有し,これらの記録管理クライアントがネットワークで接続されている場合には,承認者として指定された旨の通知を承認依頼文書を作成したスタッフのクライアント11から承認者のクライアント11に直接送信するようにしてもよい。
【0027】
続いて図3を参照して,記録管理クライアント11およびサーバ12における承認処理ならびに形態素解析サーバ14および学習サーバ15による形態素解析処理を含む機械学習処理について説明する。
【0028】
承認者,佐藤主任が記録管理クライアント11において承認欄Aのボックス(印鑑欄)a1をクリックし,かつ承認を確定すると,図9に示すように,ボックスa1に佐藤の承認印が表示される。これにより佐藤主任による承認(決裁)が終了する(図3,S21,S22)。後述するところから分るように,佐藤主任は特記事項(文書内容)の文章をみて「認知症のリスク」というタグ付け(アドバイスの入力)を行ったものとする。
【0029】
承認の順序は佐藤主任,鈴木課長の順であるから,佐藤主任の承認が終了すると,鈴木課長の記録管理クライアント11に承認すべき文書があることが通知される。鈴木課長は記録管理クライアント11の表示画面上に承認すべき文書を表示させる(図3,S21)(承認依頼文書の表示)。そして鈴木課長は承認欄Aの自分の名前の下のボックス(印鑑欄)a2をクリックする。すると,図10に示すようにコメント(アドバイス)入力画面Bが表示される(アドバイス入力誘導(手段))。
【0030】
このコメント入力画面には,承認状態のプルダウンリスト・ボックスb1,承認者名の表示ボックスb2,承認日ボックスb3,タグのプルダウンリスト・ボックスb4,追加ボタンb5,確定ボタンb6,取消ボタンb7等が表示される。承認者鈴木課長は承認状態ボックスb1で承認を選択する。当然承認者はケアマネージャーへの報告書の特記事項(報告内容,文書内容)を読んで,アドバイスすべきことを考える。この例では「痰がらみ」,「むせる」という用語(後述するようにキーワードと呼ばれる)に着目し,タグのプルダウンリストから「嚥下障害のリスク」(図11参照)を選択する。このように承認者は報告内容を読んで適切なコメント(アドバイス)となる1または複数のタグ(アドバイス)を選択すると,この選択されたタグはクライアント11に機械学習の教師データとして受入れられる。タグリストに適切なコメント(アドバイス)となる用語が存在しない場合には追加ボタンb5を押してコメントを追加することができる。追加されたコメントもまた教師データとして受入れられる。承認者が確定ボタンb6を押すとケアマネージャーへの報告書を承認(決裁)したことになる(図3,S22)。アドバイスには,承認依頼文書の内容に応じて対象者(被介護者等)のみならず,さまざまな環境(設備,組織,スタッフ個人)等に関するものも含まれる。
【0031】
これにより,コメント入力画面Bは消え,図12に示すように,承認欄Aの承認者鈴木の名前の下の印鑑欄a2に鈴木の印影が表示される。承認欄Aに承認者として表示された全員が承認の入力を行ったので(図3,S23でYES ),記録編集画面に表示されている文書(ケアマネージャーへの報告書)は承認(決裁)済文書となる。
【0032】
記録管理クライアント11は,最後の(すべての)承認者の承認入力に応答して,承認済文書と入力されたタグを記録管理サーバ12に送信する(図3,S24)(承認手段,学習データ出力手段)。これを受けて記録管理サーバ12は決裁済みの文書と入力されたタグ(これらは学習用データセットを構成する)を形態素解析サーバ14(学習ガイダンスサーバ19)に送信する(承認手段,学習データ出力手段)(図3,S25)。
【0033】
記録管理サーバ12から形態素解析サーバ14(学習ガイダンスサーバ19)へ送信される送信データの例が図13に示されている。この送信データは,送信先,文書種別(ケアマネ報告書=ケアマネージャーへの報告書),今までに返信した記録文書の全件数(一例として3000件,したがって図13の文書(記録)が3001件目となる),報告書の内容(「特記事項」,文書内容),および承認者(決裁者)の氏名,役職とその承認者が入力したタグ(コメント)とその承認者の重み付け値を含む。先の例では,鈴木課長がアドバイス(コメント)(タグ)「嚥下障害のリスク」を入力し,佐藤主任が「認知症のリスク」を入力している。重み付け値は,承認者の重みであり,鈴木課長が入力した「嚥下障害のリスク」の重みが0.7,佐藤主任が入力した「認証のリスク」の重みが0.3であり,後述する機械学習で用いられる。重み付けは承認者の入力するアドバイスの確からしさを表わし,その経験,知識等を考慮してあらかじめ定められ,記録管理クライアント11またはサーバ12に承認者ごとに記憶されている。
【0034】
承認済文書としてケアマネージャーへの報告書が挙げられているが,他に,インテークシート(問診票),フェイスシート(詳細な個人情報),ケアプラン票,日報,月報等の業務日誌などがある。
【0035】
形態素解析サーバ14は,記録管理サーバ12から送信される承認済文書中の文書内容(図13の文書内容,すなわち図8等の特記事項)の文章を形態素に分解し,その品詞等を判別する処理を行うサーバである。図13の文書内容を例にすると動詞と名詞(必要ならば,これらの合成語)が抽出される。たとえば,バイタル測定,頻脈あり,血圧安定,参加され(参加し),痰がらみ,むせる,完食,紙パンツ,排泄失敗等の用語である。これらの用語をキーワードという(以下,キーワードの例として,簡単のために,図13の文書からは痰がらみ,むせる,頻脈あり,排泄失敗が抽出されたものとする)。形態素解析サーバ14はこの記録管理システムが置かれた施設に関係する分野(介護,医療,園児教育等)においてよく用いられる用語を集めた辞書を備え,この辞書を参照して該当する分野のキーワードのみを抽出するものであってもよい。また,動詞と名詞およびこれらの結合語,合成語は同じ意味を持つ場合があるので(たとえば,痰がらみと痰がからむ)同じ意味の言葉を名刺または動詞のいずれか一方に統一する処理機能を持たせてもよい。
【0036】
上記のキーワードを含む文書内容とそれに対して承認時に入力されたタグ(コメント,アドバイス)(教師データ)とが学習用データセットを構成するが,文書内容のキーワード群とそれに対応して入力されたタグ(コメント,アドバイス)の集合を学習用データセットと呼んでもよい。これらの学習用データセットは学習サーバ15に送信される(図3,S26)。
【0037】
学習サーバ15は教師データ有の機械学習を行うものである。ここでは,一例として,ベイズの定理を利用し,最もその分類が発生する確率が高いもの(キーワードに対応するタグ(アドバイス)の適合性(適合の程度)が最も高いもの,または所定の閾値を超えるもの)を予測する。
【0038】
ベイズの定理は次式で表わされる。
【0039】
P(A)>0の場合は,
P(B|A)=P(A|B)×P(B)/P(A) ‥‥式(1)
【0040】
ここで,
P(A) :事象Aが起こる確率
P(B) :事象Bが起こる確率
P(A|B) :事象Bが起こった後に事象Aが起こる確率
P(B|A) :事象Aが起こった後に事象Bが起こる確率
である。
【0041】
このベイズの定理を,キーワードAとアドバイスBとを含む学習データセットにあてはまると次のようになる。
【0042】
P(A) :全体の中のAというキーワード(単語)の割合
P(B) :全体の中のBというタグ(アドバイス)の割合
P(A|B) :Bというタグ(アドバイス)があてはまる場合にAというキーワードが含まれる確率
P(B|A) :Aというキーワードが含まれる場合にBというタグ(アドバイス)があてはまる(適切な)確率
【0043】
ここで全体とは承認済(決裁済)文書(記録)の全体(の数)をいう。
【0044】
一例として,「むせる」という単語が含まれる場合は「嚥下障害のリスクに関する記録(文書)」である確率P(B|A)は,以下の計算で求めることができる。
【0045】
「嚥下障害のリスクに関する記録」の中に「むせる」という単語が含まれる確率P(A|B)×全ての記録の中の「嚥下障害のリスクに関する記録」の割合P(B)÷全ての記録の中で「むせる」という単語が含まれる割合P(A)
【0046】
図14から図16は学習データベース16に格納されるキーワードマスタ(図14),クラス分類マスタ(図15)および学習データ群(テーブル)(図16)を示している。これらのマスタ,データ群に記述された各割合を表わす数値は過去の3000件の記録(文書)を用いて計算された値である。記録とは決裁(承認)された文書の意味であり記録の数は文書の数である。
【0047】
図14を参照してキーワードマスタは,キーワードに対応して,そのキーワードが含まれる決裁済み(承認済み)記録(文書)の割合P(A)を格納するものである。
【0048】
図15を参照して,クラス分類マスタは,クラス分類ごとにタグ付けされた決裁済み(承認済み)記録(文書)の割合P(B) を格納するものである。タグ(アドバイス,コメント)をここではクラス分類といい,それぞれにクラス分類コードが付けられている。介護施設の場合には,被介護者の典型的または代表的な(管理の対象となる)行動または状態に応じて区分に分けられ,各区分に区分コードが付けられている。そして,各区分の中に複数のクラス分類が存在する。さらに,クラス分類マスタには,各クラス分類について,スタッフに提供すべき有利な情報(行動方針,注意事項等)を記載したマニュアルが保存されているサイトのURLが記述されている。
【0049】
図16は機械学習中の,または学習によって得られたデータ群を示すものである。区分コード,クラス分類コード,タグ付けされた決裁済み記録の割合P(B) は図15に示すものと同じである。クラス分類に対応して,各キーワード(A) ,キーワードが含まれる決裁済み記録の割合P(A) ,クラス分類(B)がタグ付けされた決裁済み記録の中にキーワード(A)が含まれる割合P(A|B) およびキーワード(A)が含まれる場合はクラス分類(B)がタグ付けされる割合P(B|A)が格納されている。
【0050】
図3に示すS27の学習サーバ15における処理の詳細が図4から図7に示されている。図4におけるS31の処理1の詳細が図5に示され,S32における処理2の詳細が図6に示され,S33における処理3の詳細が図7に示されている。
【0051】
図4の処理1(S31)は図14のキーワードマスタを更新する処理である。図5を参照して形態素解析サーバ14の解析結果として得られるキーワードリストから1つずつキーワードを取得してS42~S45の処理を繰返す(S41)。キーワードリストには,上述したように,痰がらみ,むせる等のキーワードが含まれている。取得したキーワードがキーワードマスタ(図14)にあるかどうかをみて(S42,S43),該当するキーワードがあれば,そのキーワードが含まれる記録の割合P(A) を取出し,その値を更新する。たとえば,キーワード「むせる」のP(A) は0.0020であり,これは全記録数3000件までの値である。すなわち,3000件の記録においてキーワード「むせる」が現われている件数は3000件に0.0020を乗算して6件となる。今回,キーワード「むせる」を含む記録(文書)があったのであるから,新たに,P(A) は,
P(A)=(6+1)件÷3001件=0.0023 ‥‥式(2)
となる。
【0052】
キーワードマスタにおいて,キーワード「むせる」のP(A) を0.0020から0.0023に更新する(S45)。
【0053】
該当するキーワードがキーワードマスタになかった場合(未登録の場合)には,そのキーワードをキーワードマスタに追加し,含まれる記録の割合P(A) を計算して,キーワードマスタに書込む(S44)。
【0054】
形態素解析の結果,たとえば「頻脈あり」というキーワードが抽出されたとすると,そのキーワードは図14のキーワードマスタには登録されていないので,その割合P(A)を
P(A)=1件÷3001件=0.0003 ‥‥式(3)
として算出し,「頻脈あり」というキーワードとともに,この割合0.0003をキーワードマスタに登録する。
【0055】
図4の処理2(S32)は図15のクラス分類マスタを更新する処理である。図6を参照して,記録管理サーバ12から送信されたデータに含まれるすべてのクラス分類(コメント,アドバイス)を取得し,それぞれについて以下のS52~S55の処理を繰返す。受信したクラス分類は次の通りである。
【0056】
嚥下障害のリスク 鈴木課長 重み付け値0.7
認知症のリスク 佐藤主任 重み付け値0.3
【0057】
上記のクラス分類のうち「嚥下障害のリスク」についてはクラス分類マスタに存在する。すなわち,「嚥下障害のリスク,0.1222」である(S52,S53)。まず嚥下障害のリスクの件数を,3000件×0.1222=366.6件として求める。次に新たな割合P(B)を次のようにして求める。このとき,重み付け値0.7を使う。
【0058】
P(B)=(366.6件+1件×0.7)÷3001件=0.1224 ‥‥式(4)
【0059】
クラス分類マスタにおける嚥下障害のリスク0.1222を新たに算出した値0.1224で更新する(S55)。
【0060】
認知症のリスクについてはクラス分類マスタには登録されていないので,これについてP(B)を次のように算出する。重み付け値0.3を使用する。
【0061】
認知症のリスクの割合
P(B)=1件×0.3÷3001件=0.0001 ‥‥式(5)
【0062】
クラス分類マスタに新たに認知症のリスクを追加し,その割合P(B)=0.0001 を登録する(S54)。
【0063】
図4の処理3(S33)は,図16の学習データ群を更新する処理である。図7を参照して,記録管理サーバ12から受信したタグ付けされたすべてのクラス分類(コメント,アドバイス)と形態素解析サーバ14での解析により得られたすべてのキーワードとのすべての組合せについて,S62からS65の処理を繰返す。
【0064】
上記のクラス分類とキーワードのすべての組合せのレコードを学習データ群(図16)から抽出する(S62)。この例ではすべてのレコードは次の通りである。
【0065】
嚥下障害のリスク+むせる P(A|B)=0.0151
嚥下障害のリスク+頻脈あり レコードなし
嚥下障害のリスク+排泄失敗 レコードなし
‥‥‥‥ ‥‥ ‥‥
認知症のリスク+むせる レコードなし
‥‥‥‥ ‥‥ ‥‥
【0066】
第1番目の組合せは存在するので,その組合せについて次のように新たな割合P(B|A) を算出する(S65)。
【0067】
すなわち,嚥下のリスク+「むせる」についてはP(A|B)=0.0151 ,全記録数3000件,重み付け0.7(鈴木課長)である。
【0068】
過去の嚥下障害のリスクがタグ付けされた記録件数=3000件×0.1222=366.6件
新たな嚥下障害のリスクがタグ付けされた記録件数=(366.6件+(1件×0.7))=367.3件
新たな嚥下障害のリスクがタグ付けされた記録に「むせる」が含まれる記録件数=366.6件×0.0151=5.5357件
したがってP(A|B)=(5.5357件+1件)÷367.3件)=0.0178
ベイズの定理よりP(B|A)=P(A|B)×P(B)÷P(A)であるから,P(A)=0.0023(式(2)参照),P(B)=0.1224(式(4)参照)を用いてP(A|B)=0.0178×0.1224÷0.0023=0.9473 ‥‥式(7)
【0069】
学習データ群(図16)において,嚥下障害のリスクとむせるの組合せについて,式(6) および式(7)によって表わされる値を用いてこれらのデータが更新される(S65)。
【0070】
クラス分類とキーワードの組合せのレコードが図16の学習データ群に存在しない場合には,P(A|B)とP(B|A)を計算し,学習データ群に加える(S64)。
【0071】
たとえば,嚥下障害のリスク+「頻脈あり」についてはP(A|B)=0,全記録件数3000 件,重み付け0.7(鈴木課長)である。
【0072】
過去の嚥下障害のリスクがタグ付けされた記録件数=3000件×0.1222=366.6件
新たな嚥下障害のリスクがタグ付けされた記録件数=(366.6件+(1件×0.7))=367.3件
新たな嚥下障害のリスクがタグ付けされた記録に「頻脈あり」が含まれる記録件数=366.6件×0=0件
したがってP(A|B)=(0件+1件)÷367.3件)=0.0027 ‥‥式(8)
【0073】
また,P(B|A) については,P(A),P(B)がP(A)=0.0003,P(B)=0.0001と算出されていたとすると,
P(B|A)=P(A|B)×P(B)÷P(A)=0.0027×0.0003÷0.0001=0.0009 ‥‥式(9)
【0074】
学習データ群(図16)において,嚥下障害のリスク+頻脈ありのレコードが新たに設けられ,式(8),(9)で算出された値がそれぞれ登録される。
【0075】
ベイズの定理を活用した機械学習について詳述したが,他の機械学習,たとえばファジィ推論により教師データあり機械学習を行ってもよい。
【0076】
次に,上述した機械学習の結果に基づいて,スタッフが記録管理クライアントシステム11において文書を入力するとき,しているとき,入力し終ったときなどに,入力した(しつつある)内容について介護,看護,保育等に関するアドバイス(ガイダンス)を行う仕組みについて述べる。
【0077】
図20は,記録管理クライアントシステム11に表示される画面の例を示している(文書作成,文書作成手段)。スタッフが帳票メニューで,たとえば朝食を選択すると,食事記録入力(編集)画面(ウィンドウ)Cが現われ,スタッフは朝食について食事量,食事の様子,口腔ケアについて,数字,文章,チェック等により入力していく。画面の下には,削除,複製,保存,追加等の通常のボタンに加えて,ガイダンス表示ボタンDが設けられている。入力しているスタッフ(記録者)は特許一郎,施設の利用者(被介護者)は静岡五郎と表示されている。
【0078】
記録者(スタッフ)がガイダンス表示ボタンDまたは保存ボタンDを押すと,後述するように入力された記録内容が記録管理クライアント11から(記録管理サーバ12を介してもよい)形態素解析サーバ14に送られる(作成文書出力,作成文書出力手段)。形態素解析サーバ14は記録内容から介護(看護,保育)等に関連性の高いキーワード(名詞,動詞)を抽出する。たとえば図20の入力(記録)画面(ウィンドウC)の例では,「傾眠あり」,「ふらつきあり」,「むせる」等が抽出され,これらのキーワードはガイダンスサーバ17に送られる。
【0079】
ガイダンスサーバ17は形態素解析サーバ14から送られたキーワードについて,学習データベース16内の学習データ群(図16)を参照して,これらのキーワードに関連性の強い(高い)アドバイスを抽出しガイダンスを作成して,記録管理クライアント11に送信する。クライアント11では図21に示すように,ガイダンスサーバから送信されたガイダンスがガイダンスエリアEに表示される(アドバイス表示,アドバイス表示手段)。
【0080】
図21に示す例では,ガイダンスエリアEには,ガイダンスサーバ17で選択された睡眠障害のリスクと嚥下障害のリスクが表示され,各リスクについて,その詳細,ケアマニュアル,予防マニュアル等の文字(詳細ガイダンス項目)が表示される。スタッフ(記録者)がいずれかの詳細ガイダンス項目を選択(クリック)するとその詳細の内容がクライアント11の画面に表示される。図22においては,「誤嚥防止マニュアル」が選択された結果,誤嚥防止マニュアルがウィンドウFに表示される。このマニュアルにおいて,スタッフはさらに詳細(誤嚥を防ぐポイント,食事の姿勢,食事の内容,口腔ケア)を選択して,表示される解説を読み,誤嚥について勉強し,理解を深めて(介護等の)業務に役立たせることができる。
【0081】
スタッフのクライアント11における操作(入力)に応じて,図20から図22に示すような表示を生じさせるクライアント11,形態素解析サーバ14,ガイダンスサーバ17のプログラムに従う処理について図17から図19を参照して以下に詳述する。
【0082】
スタッフ(主任,課長等の管理者を含む)がクライアント11の画面上で帳票の種類を選択して,それに応じた記録を入力する。または,スタッフが記録管理サーバ12(記録管理データベース13)から所定の文書(帳票)(他のスタッフが作成した文書を含む)を引き出してクライアント11画面上に表示して閲覧する(図17,S71)。
【0083】
クライアント11は,表示されている記録文書を形態素解析サーバ14に送信する(S72)。クライアント11が文書を送信するタイミングは,上述したようにガイダンス表示ボタンDが押下されたとき,保存ボタンが押下されたとき,その他任意のとき(たとえば,入力が開始されてから一定時間ごと,一定時間入力がないときなど)でよい。記録管理クライアント11から形態素解析サーバ14に送信されるメッセージ(データ)の一例が図23に示されている。送信先は学習ガイダンスサーバ(システム)でなく,形態素解析サーバでもよい。文書の種類は朝食記録,文書内容はウィンドウCに入力され,表示された文章等である。
【0084】
形態素解析サーバ14は受信した文書内容の形態素解析を行い,必要な専門用語辞書(介護,看護,医療,保育等の辞書)を参照して,その分野(施設)に特有のキーワード(名詞,動詞)を抽出する。上記の例では,傾眠あり,ふらつき(ふらつきあり),むせる等が抽出される。抽出されたキーワードは形態素解析サーバ14からガイダンスサーバ17に送られる(S73)。
【0085】
ガイダンスサーバ17は,キーワードを受信すると,処理4(S74),処理5(S75)を行う。処理4,処理5の詳細が図18図19にそれぞれ示されている。
【0086】
処理4は,形態素解析サーバ14から送信されたすべてのキーワードを用いて学習データベース16の学習データ群をサーチし,一致するキーワードに対応するクラス分類(アドバイス)のうち,確率の高いクラス分類を抽出する(図17,S74)。すなわち,図18を参照して,まず学習データ群(図16)において,受信したキーワードと一致するキーワードを持つレコードを抽出する(図18,S81)。図16の例では,むせる,傾眠あり,ふらつきというキーワードを持つレコードが抽出される。次に,抽出したキーワードのレコードのうち,所定の閾値(たとえば0.5とする)以上のP(B|A)を持つレコードを抽出する(図18,S82)。図16の学習データ群では,キーワード「むせる」のP(B|A) の値は0.9226,キーワード「傾眠あり」のP(B|A)の値は0.6452,キーワード「ふらつき」のP(B|A)は0.3047であるから,閾値以上のP(B|A) を持つキーワードは「むせる」と「傾眠あり」である。閾値は適切なガイダンスが得られるように試行錯誤により定められよう。
【0087】
このように抽出されたキーワードを持つレコードの中には,クラス分類が重複するものもあるので,重複するクラス分類を除いて,抽出されたキーワードのレコードに含まれるクラス分類のリストを作成する(図18,S83)。上記の例ではキーワードとして「むせる」と「傾眠あり」が抽出されたが,これらのキーワードのレコードに含まれるクラス分類は嚥下障害のリスクと,睡眠障害のリスクであるから,重複はなく,これら2つのクラス分類のリストが作成される。
【0088】
処理5では,ガイダンスサーバ17はこのようにして作成されたクラス分類のリスト中のすべてのクラス分類について,クラス分類マスタ(図15)を参照して有用なマニュアルを紐づけて記録管理クライアント11に送信する(図17,S75)(ガイダンス,ガイダンス手段)。すなわち図19において,クラス分類マスタ(図15)を参照して図18,S83で選択されたクラス分類に対応する各種マニュアル(すべてのマニュアルまたは特定の条件下で選択されたマニュアル)を取得して,応答メッセージ(レスポンスデータ)中に格納し,HTML形式に編集し(図19,S91,S92),記録管理クライアント11に送信する(図19,S93)。ガイダンスサーバ17から記録管理クライアント11に送信されるメッセージの例が図24に示されている。クラス分類と対応するマニュアルのURL等が表示用HTML形式で編集されて含まれている。
【0089】
図17に戻って,ガイダンスサーバ17からの返信を受信した記録管理クライアント11は,クラス分類と有用なマニュアルのメニューを表示画面中のガイダンスエリアEに表示し(S76),表示されているクラス分類またはその中の詳細ガイダンス項目がクリックされると,該当するマニュアルをそのURLを用いてウェブサイトから取寄せ,ガイダンスウィンドウFを作成してその内部に表示する(S77)。
【符号の説明】
【0090】
10 記録管理システム
11 記録管理クライアント(システム)
12 記録管理サーバ
13 記録管理データベース
14 形態素解析サーバ
15 学習サーバ
16 学習データベース
17 ガイダンスサーバ
18 マニュアルデータベース
19 学習ガイダンスサーバ(システム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24