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  • 特許-衣類乾燥機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】衣類乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/32 20200101AFI20230131BHJP
【FI】
D06F58/32
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018243158
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020103434
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】香月 淳吾
(72)【発明者】
【氏名】林田 太一
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-240839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0225838(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0056812(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 58/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口および排気口が設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記吸気口と前記排気口とをつなぐ風路と、
前記筐体外の空気を前記吸気口から前記風路内に取り込んで前記排気口から前記筐体外に排出する送風部と、
前記風路内に設けられ、衣類を収容する収容部と、
前記風路内において前記吸気口から前記収容部へ向かう空気を加熱する加熱部と、
前記風路内において前記収容部と前記排気口との間に配置される円筒状のフィルタであって、前記風路内の空気に含まれる異物を捕獲する外周面部を有するフィルタと、
前記フィルタを前記フィルタの中心軸線まわりに360度未満の角度ずつ定期的に回転させる駆動部とを含む、衣類乾燥機。
【請求項2】
前記フィルタの外周面部に対向する吸引口を有し、掃除機が接続可能な吸引ノズルをさらに含む、請求項1に記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
前記フィルタの一端に形成された開口を塞いでおり、前記フィルタと共に前記フィルタの中心軸線まわりに回転する閉塞部をさらに含む、請求項1または2に記載の衣類乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衣類乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のガス乾燥機は、吸気孔および排気孔が設けられた本体ケースと、本体ケース内に配置された回転ドラムと、本体ケース内の上部に設けられたガスバーナと、本体ケース内の下部に設けられたリントフィルタとを含む。衣類が回転ドラムに投入されてガスバーナが着火されると、吸気孔から吸い込まれた空気が、温風となって回転ドラム内に供給された後に、リントフィルタを介して排気孔から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-225995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のガス乾燥機では、本体ケース内において排気孔へ向かって流れる空気に含まれるリントなどの異物がリントフィルタによって捕獲される。多量の異物がリントフィルタに付着すると、リントフィルタの性能が低下するので、定期的に本体ケース内からリントフィルタを取り出して掃除する必要がある。特に、ガス乾燥機が業務用としてコインランドリに設置される場合には、ガス乾燥機の運転頻度が高いことから、すぐに異物がリントフィルタに溜まるので、コインランドリの管理者は、頻繁にリントフィルタを掃除しなければならない。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、フィルタに関するメンテナンス性の向上を図ることができる衣類乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、吸気口および排気口が設けられた筐体と、前記筐体内に設けられ、前記吸気口と前記排気口とをつなぐ風路と、前記筐体外の空気を前記吸気口から前記風路内に取り込んで前記排気口から前記筐体外に排出する送風部と、前記風路内に設けられ、衣類を収容する収容部と、前記風路内において前記吸気口から前記収容部へ向かう空気を加熱する加熱部と、前記風路内において前記収容部と前記排気口との間に配置される円筒状のフィルタであって、前記風路内の空気に含まれる異物を捕獲する外周面部を有するフィルタと、前記フィルタを回転させる駆動部とを含む、衣類乾燥機である。
【0007】
また、本発明は、前記衣類乾燥機が、前記フィルタの外周面部に対向する吸引口を有し、掃除機が接続可能な吸引ノズルをさらに含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記衣類乾燥機が、前記フィルタの外周面部に接触するブラシをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、衣類乾燥機では、筐体外の空気が、吸気口から風路内に取り込まれて排気口へ向かう途中に加熱部によって加熱されて熱風となり、収容部内の衣類を乾燥させる。風路内において収容部と排気口との間に配置される円筒状のフィルタが、風路内の空気に含まれる異物を外周面部において捕獲する。フィルタは、回転することによって、その外周面部において異物を捕獲する領域を変更することができる。これにより、フィルタの外周面部の全域に多量の異物が付着してフィルタの性能が低下するまでに時間がかかるので、フィルタを頻繁にメンテナンスせずに済む。これにより、フィルタに関するメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0010】
また、本発明によれば、掃除機を吸引ノズルに接続して作動させると、フィルタの外周面部に付着した異物が、吸引ノズルの吸引口から掃除機に吸い込まれる。さらに、フィルタを回転させると、フィルタの外周面部の全域が吸引口に対向するので、フィルタの外周面部の全域から異物を取り除くことができる。そのため、手作業によってフィルタを取り外してフィルタの外周面の全域を掃除しなくてもよい。これにより、フィルタに関するメンテナンス性の向上を一層図ることができる。
【0011】
また、本発明によれば、ブラシがフィルタの外周面部に接触した状態でフィルタを回転させると、フィルタの外周面部の異物をブラシに集めたり外周面部から掻き落としたりすることができる。そのため、手作業によってフィルタを取り外してフィルタの外周面部の全域を掃除しなくてもよい。これにより、フィルタに関するメンテナンス性の向上を一層図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る衣類乾燥機の内部の右側面図である。
図2図2は、衣類乾燥機の内部の正面図である。
図3図3は、この発明の別の実施形態に係る衣類乾燥機の内部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る衣類乾燥機1の内部の右側面図である。図1の紙面に直交する方向を衣類乾燥機1の左右方向Xといい、図1における左右方向を衣類乾燥機1の前後方向Yといい、図1における上下方向を衣類乾燥機1の上下方向Zという。左右方向Xのうち、図1の紙面における奥側を左側X1といい、図1の紙面における手前側を右側X2という。前後方向Yのうち、図1における左側を前側Y1といい、図1における右側を後側Y2という。上下方向Zのうち、上側を上側Z1といい、下側を下側Z2という。
【0014】
衣類乾燥機1は、この実施形態では業務用としてコインランドリなどの店舗に設置されるが、家庭用として一般住宅に設置されてもよい。衣類乾燥機1は、筐体2と、筐体2内に設けられた風路3と、筐体2内に配置されて衣類Lを収容する収容部4と、風路3内に空気の流れを発生させる送風部5と、風路3内の空気を加熱する熱源である加熱部6と、風路3内の空気に含まれるリントなどの異物を捕獲するフィルタ7とを含む。
【0015】
筐体2は、例えば縦長のボックス状に形成される。筐体2の前壁2Aおよび後壁2Bは、例えば垂直に延びる。前壁2Aにおいて上下方向Zにおける中央部には、衣類Lを収容部4に対して出し入れするための出入口2Cが形成される。前壁2Aには、出入口2Cを開閉する扉(図示せず)が設けられる。前壁2Aにおいて出入口2Cよりも下側Z2の部分は、筐体2内の下部にアクセスするために開閉されるメンテナンス扉2Dである。後壁2Bの上部には、筐体2外の空気を筐体2内に取り込むための吸気口2Eが設けられる。後壁2Bの下部には、筐体2内の空気を筐体2外に排出するための排気口2Fが設けられる。
【0016】
風路3は、吸気口2Eと排気口2Fとをつなぐように筐体2内に区画される。風路3の内部空間は、吸気口2Eにつながった上流領域3Aと、排気口2Fにつながった下流領域3Bと、上流領域3Aと下流領域3Bとつなぐ中間領域3Cとを有する。上流領域3Aは、筐体2内の上部に位置し、下流領域3Bは、筐体2内の下部に位置し、中間領域3Cは、上下方向Zにおける上流領域3Aと下流領域3Bとの間に位置する。
【0017】
収容部4は、多数の貫通穴4Aが形成された円周壁4Bと、開口4Cと、円周壁4Bにおいて開口4C側とは反対側の端部に接続された円形状の底壁4Dとを有する円筒状のドラムである。収容部4は、開口4Cが前側Y1を向いて筐体2の出入口2Cに対向するように、横向きの姿勢で風路3の中間領域3Cに配置される。衣類Lは、出入口2Cおよび開口4Cを通って、収容部4内に対して出し入れされる。筐体2の後壁2Bには、メインモータ8が取り付けられ、メインモータ8の出力軸8Aは、前側Y1へ突出して中間領域3C内に配置され、底壁4Dの中央部に固定される。メインモータ8が駆動力を発生すると、出力軸8Aが回転する。これにより、収容部4は、出力軸8Aと一致する中心軸線Jまわりに、出力軸8Aと一緒に回転する。
【0018】
送風部5は、いわゆるファンであり、風路3の下流領域3Bにおいて排気口2Fに隣接して配置された回転羽根9と、下流領域3Bに配置されて回転羽根9を回転可能に支持する支持部10と、支持部10に固定されて回転羽根9を回転させるファンモータ11とを含む。支持部10は、回転羽根9よりも前側Y1に配置されて左右方向Xおよび上下方向Zに延びる仕切り板10Aを含む(衣類乾燥機1の内部の正面図である図2も参照)。仕切り板10Aによって、下流領域3Bは、仕切り板10Aよりも前側Y1の下流前領域3BAと、仕切り板10Aよりも後側Y2の下流後領域3BBとに仕切られる。下流後領域3BBには、回転羽根9が配置される。仕切り板10Aには、下流前領域3BAと下流後領域3BBとを連通させる連通穴10Bと、連通穴10Bを縁取りつつ下流前領域3BA側へ突出した円環状のリブ10Cとが設けられる。
【0019】
回転羽根9が回転すると、吸気口2Eの周辺における筐体2外の空気が、複数の黒抜き矢印で示すように、吸気口2Eから風路3の上流領域3Aに取り込まれ、風路3の中間領域3Cおよび下流領域3Bをこの順に通過した後に排気口2Fから筐体2外に排出される。そのため、風路3内における空気の流れ方向において、上流領域3A側が上流側であり、下流領域3B側が下流側である。中間領域3Cを流れる空気は、収容部4の円周壁4Bにおける貫通穴4Aを通って収容部4内の衣類Lに浴びせられる。下流領域3B内の空気は、仕切り板10Aの連通穴10Bを通って下流前領域3BAから下流後領域3BBへ流れた後に、排気口2Fから排出される。
【0020】
加熱部6として、この実施形態ではガスバーナが用いられるが、電熱器を用いてもよい。加熱部6は、風路3の上流領域3Aに配置される。加熱部6は、着火されることによって作動すると高温になる。そのため、風路3内において吸気口2Eから収容部4へ向かう空気は、上流領域3Aにおいて加熱部6の周囲を通過する際に加熱されて熱風になる。
【0021】
フィルタ7は、いわゆるリントフィルタであって、風路3の下流領域3Bに配置される。下流領域3Bは、風路3内において収容部4と排気口2Fとの間の領域である。厳密には、フィルタ7は、下流領域3Bにおいて送風部5の回転羽根9よりも収容部4に近い上流側の下流前領域3BAに配置される。
【0022】
フィルタ7は、円筒状であって、その中心軸線Kが前後方向Yに延びるように、横向きの姿勢で配置される。フィルタ7は、その外郭をなす外周面部7Aを有する。外周面部7Aの全域は、メッシュまたは格子によって構成される。外周面部7Aの後端部は、前述した支持部10の仕切り板10Aのリブ10Cによって非接触で取り囲まれる。フィルタ7の内部空間は、後側Y2へ開放されて、仕切り板10Aの連通穴10Bに対向する。
【0023】
フィルタ7には、その内部空間を前側Y1から塞ぐ円板状の閉塞部12と、中心軸線Kを通って前後方向Yに延びてフィルタ7および閉塞部12を貫通する回転軸13とが設けられる。閉塞部12および回転軸13をフィルタ7の一部とみなしてもよい。回転軸13の後端部は、支持部10によって回転可能に支持される。筐体2には、下流前領域3BAにおいて閉塞部12よりも前側Y1に配置されたブラケット14が固定される。ブラケット14には、例えばモータによって構成された駆動部15が取り付けられる。駆動部15には、回転軸13の前端部が連結される。駆動部15が作動すると、フィルタ7、閉塞部12および回転軸13が、中心軸線Kまわりに回転する。フィルタ7は、中心軸線Kまわりの両方向に回転してもよいし、中心軸線Kまわりの一方向だけに回転してもよい。この実施形態では、フィルタ7は、正面視における時計回りの方向に回転する。
【0024】
衣類乾燥機1は、その動作を制御する制御部16を含む(図2参照)。制御部16は、CPUと、ROMやRAMなどのメモリ部とを含むマイクロコンピュータであって、例えば筐体2内の上部において風路3から隔離された空間に配置される。制御部16には、加熱部6、メインモータ8、ファンモータ11および駆動部15のそれぞれが電気的に接続される。
【0025】
制御部16は、加熱部6、メインモータ8およびファンモータ11を制御することによって、乾燥運転を実行する。具体的には、制御部16は、メインモータ8を作動させることによって収容部4を回転させた状態において、加熱部6およびファンモータ11を作動させることによって、前述した熱風を発生させる。この熱風は、収容部4内の衣類Lに浴びせられる。衣類Lには、回転する収容部4によって撹拌された状態で熱風が浴びせられるので、衣類Lの乾燥が促進される。ファンモータ11の作動に伴い、収容部4内の空気は、各図の黒抜き矢印で示すように、収容部4の貫通穴4Aを通って収容部4内から流出し、風路3の下流前領域3BAに上側Z1から流入する。下流前領域3BAに流入する空気の先には、フィルタ7の外周面部7Aの上部が位置する。
【0026】
そのため、下流前領域3BAに流入した空気は、フィルタ7の外周面部7Aの上部を通過してフィルタ7内に流入し、フィルタ7の内部を後側Y2へ流れる。フィルタ7の内部を後側Y2へ流れた空気は、仕切り板10Aの連通穴10Bを通過して下流後領域3BBに流入し、排気口2Fから筐体2外に排出される。なお、外周面部7Aの後端部は、前述したように仕切り板10Aのリブ10Cによって取り囲まれるので、フィルタ7内の空気を漏れなく連通穴10Bに送り込むことができる。
【0027】
衣類Lの乾燥が進むと、埃や糸屑が発生する。埃や糸屑は、前述した異物となって風路3内の空気に乗って下流側へ流れ、フィルタ7の外周面部7Aの上部を通過する際にフィルタ7によって捕獲され、外周面部7Aの上部に付着する。そのため、外周面部7Aでは、当該上部が、異物を捕獲する捕獲領域である。制御部16は、駆動部15を定期的に作動させることによって、フィルタ7を少しずつ回転させる。例えば、制御部16は、所定時間が経過する度にフィルタ7を4分の1回転させる。これにより、フィルタ7の外周面部7Aにおいて異物の付着が少ない領域が、外周面部7Aの上部に位置して、前述した捕獲領域となる。なお、制御部16は、フィルタ7を定期的に回転させるのでなく、極低速度でフィルタ7を連続回転させてもよい。
【0028】
このように、フィルタ7は、回転することによって、その外周面部7Aにおいて異物を捕獲する捕獲領域を変更することができる。これにより、フィルタ7の外周面部7Aの全域に多量の異物が付着してフィルタ7の性能が低下するまでに時間がかかるので、フィルタ7を頻繁にメンテナンスせずに済む。これにより、フィルタ7に関するメンテナンス性の向上を図ることができる。また、フィルタ7は、異物を外周面部7Aの全域に満遍なく付着させるように捕獲するので、フィルタ7の性能の急激な低下を抑制できる。
【0029】
外周面部7Aに異物が付着したフィルタ7をメンテナンスするために、衣類乾燥機1は、吸引ノズル17をさらに含む。吸引ノズル17の先端部17Aには、前後方向Yに長手の吸引口17Bが形成される。前後方向Yにおける吸引口17Bの寸法は、前後方向Yにおける外周面部7Aの寸法と同じか、外周面部7Aの寸法よりも大きい。吸引口17Bは、フィルタ7の径方向における外側から外周面部7Aに対向する。吸引ノズル17が外周面部7Aに非接触で接近する程度に、外周面部7Aとの吸引口17Bと間には、僅かな隙間が確保される。
【0030】
図2に示すように、吸引ノズル17の根元部17Cは、筐体2の例えば右壁2Gの下端部から筐体2外に露出される。フィルタ7のメンテナンス時には、公知の掃除機18が準備され、衣類乾燥機1の近傍に配置される。吸引ノズル17の根元部17Cには、掃除機18に設けられた吸引ホース19が接続される。
【0031】
コインランドリの管理者が掃除機18を吸引ノズル17に接続して作動させると、フィルタ7の外周面部7Aに付着した異物が、吸引ノズル17の吸引口17Bから掃除機18に吸い込まれる。さらに、管理者が衣類乾燥機1の操作部(図示せず)を操作して制御部16にメンテナンス運転を指示すると、制御部16は、フィルタ7を回転させる。フィルタ7の回転に応じて、フィルタ7の外周面部7Aの全域が吸引口17Bに対向するので、フィルタ7の外周面部7Aの全域から異物を取り除くことができる。
【0032】
そのため、管理者は、手作業によってフィルタ7を取り外してフィルタ7の外周面7Aの全域を掃除しなくてもよい。これにより、フィルタ7の掃除が容易になるので、フィルタ7に関するメンテナンス性の向上を一層図ることができる。なお、メンテナンス運転は、乾燥運転後に実行されるだけでなく、乾燥運転中に並行して実行されてもよい。
【0033】
例えば、吸引ノズル17の根元部17Cは、コインランドリにおいて店内から隔離された管理者用のバックヤードに臨むように配置されて、掃除機18もバックヤードに設置されてもよい。この場合、バックヤードにいる管理者は、店内にいる客の邪魔をせずに、掃除機18の吸引ホース19を根元部17Cに接続して作動させることによってフィルタ7をメンテナンスすることができる。
【0034】
この場合、複数の衣類乾燥機1の根元部17Cがバックヤードに臨むように配置されて、吸引ホース19が分岐して各根元部17Cに接続されてもよい。これにより、1台の掃除機18によって複数の衣類乾燥機1のフィルタ7の異物をまとめて回収することができる。つまり、複数の衣類乾燥機1のフィルタ7を一括メンテナンスすることができる。
【0035】
さらに、吸引ノズル17に掃除機18が常に接続された状態にあって、フィルタ7のメンテナンス時には、フィルタ7の回転に連動して、掃除機18が制御部16の指示などによって作動してもよい。これにより、フィルタ7の自動メンテナンスを達成できるので、フィルタ7のメンテナンスのための管理者による手作業は実質的になくなり、管理者は、掃除機18に回収された異物をたまに廃棄すればよい。
【0036】
図3は、この発明の別の実施形態に係る衣類乾燥機1の内部の正面図である。なお、図3において、図1および図2と重複する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。コインランドリでは、コスト上の理由などによって、掃除機18を用意できない場合がある。その場合の簡易バージョンとして、衣類乾燥機1は、フィルタ7をメンテナンスするために、吸引ノズル17の代わりに、図3に示すブラシ21を含んでもよい。ブラシ21は、筐体2の例えば右壁2Gに固定された根元部22Aを有するロッド22と、ロッド22の先端部22Bに植え付けられた多数の毛23とを有する。毛23は、フィルタ7の外周面部7Aに接触した状態にある。
【0037】
この場合に、前述したメンテナンス運転として、制御部16がフィルタ7を回転させると、フィルタ7の外周面部7Aの異物をブラシ21の毛23に集めたり外周面部7Aから掻き落としたりすることができる。そのため、管理者は、手作業によりフィルタ7を取り外してフィルタ7の外周面部7Aの全域を掃除しなくてもよい。これにより、フィルタ7に関するメンテナンス性の向上を一層図ることができる。なお、管理者は、筐体2のメンテナンス扉2Dを開いて(図1において点線で示したメンテナンス扉2Dを参照)、風路3の下流前領域3BAにアクセスし、ブラシ21の毛23に付着した異物や、フィルタ7から掻き落とされて筐体2の底壁2H上に溜まった異物をまとめて回収する。
【0038】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0039】
例えば、前述した実施形態における衣類乾燥機1では、中心軸線Jが水平方向に対して傾斜するように収容部4が斜めに配置されてもよいし、中心軸線Jが上下方向Zに延びたりするように収容部4が縦に配置されてもよい。
【0040】
衣類乾燥機1は、衣類を洗濯する機能も備えた洗濯乾燥機であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 衣類乾燥機
2 筐体
2E 吸気口
2F 排気口
3 風路
4 収容部
5 送風部
6 加熱部
7 フィルタ
7A 外周面部
15 駆動部
17 吸引ノズル
17B 吸引口
18 掃除機
21 ブラシ
L 衣類
図1
図2
図3