(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】発光表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20230131BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230131BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/00 346D
G09F9/00 348A
G09F9/30 308Z
(21)【出願番号】P 2019149497
(22)【出願日】2019-08-16
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】513249644
【氏名又は名称】株式会社電子技販
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北山 寛樹
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特許第6483308(JP,B1)
【文献】特表2016-527530(JP,A)
【文献】特表2008-535233(JP,A)
【文献】特開2017-058634(JP,A)
【文献】特開2011-034066(JP,A)
【文献】特開2017-032975(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109658828(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H01L25/00-25/07
25/10-25/11
25/16-25/18
27/32
33/00
33/48-33/64
51/50
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有
し、長手を有するフレキシブル配線基板であって
、第1の領域と、前記第1の領域とは異なる領域であって、
フレキシブル配線基板の長手方向に沿って前記第1の領域と並んだ第2の領域と、を有するフレキシブル配線基板と、
前記第1の領域の表面に実装され、二次元的に並んだ複数の発光素子と、
前記第2の領域の表面に実装され、前記複数の発光素子の点灯駆動のために用いられる駆動部品と、
前記第2の領域の裏面に重ねられて、前記第2の領域を補強する補強板と、
前記第2の領域の表面および前記駆動部品を覆うカバー体と、を含み、
前記補強板が、前記第1の領域の裏面を覆っておらず、かつ、前記カバー体が、前記第1の領域の表面を覆っていない、発光表示装置。
【請求項2】
前記補強板の、前記フレキシブル配線基板側と反対側の裏面は、全域に亘って平坦面をなしている、請求項
1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記駆動部品が、前記複数の発光素子の点灯のための電源として用いられる電池、前記複数の発光素子の点灯を制御する発光制御部を構成する電子部品、および前記複数の発光素子の点灯のための無線通信に用いられるアンテナのうちの少なくとも一つを含む、請求項1
または2に記載の発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の発光素子が二次元的に並べられた発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の発光素子が二次元的に並べられた電光表示装置が提案されている(特許文献1参照)。電光表示装置は、複数の発光素子を有する電光表示部と、電光表示部に含まれる複数の発光体を選択的に順次発光させる発光制御部と、を含む。
また、画像表示パネルとして、フレキシブル配線基板に複数の発光素子が実装された表示パネルが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-307549号公報
【文献】特開2018-151519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、特許文献1のような発光表示装置(電光表示装置)において、発光表示装置の形体を装着箇所の形状に合わせて変化させるべく、特許文献2のようなフレキシブル配線基板を配線基板として採用することを検討している。
しかしながら、フレキシブル配線基板に電池や電子部品(発光制御部を構成する電子部品)を実装する場合、強い力でフレキシブル配線基板が曲げられると、電池と配線との電気接続が外れたり、電子部品と配線の電気接続が外れたりするおそれがある。
【0005】
フレキシブル配線基板の素材や厚みを調整することによりフレキシブル配線基板を曲がり難くすれば、電池や電子部品と配線との接続の外れを抑制または防止することが可能である。しかしながら、この場合、フレキシブル配線基板の良好な撓みが実現できず、その結果、発光表示装置の形態を、装着箇所の形状に十分に合わせられない。
すなわち、フレキシブル配線基板を良好に撓ませ可能であることと、フレキシブル配線基板を撓ませたときの駆動部品(電池や電子部品)の外れの抑制または防止と、の二律背反する課題を解決する必要がある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、フレキシブル配線基板を良好に撓ませることができ、かつフレキシブル配線基板を撓ませたときの駆動部品の接続の外れを抑制または防止できる、発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、二次元的に並ぶ複数の発光素子と、前記複数の発光素子の点灯駆動のために用いられる駆動部品と、可撓性を有するフレキシブル配線基板であって、前記複数の発光素子が実装される第1の領域と、前記第1の領域とは異なる領域であって、前記駆動部品が実装される第2の領域と、を有するフレキシブル配線基板と、を含む発光表示装置を提供する。そして、前記複数の発光素子が、前記フレキシブル配線基板の前記第1の領域の表面に実装されており、前記駆動部品が、前記フレキシブル配線基板の前記第2の領域の表面に実装されている。そして、前記発光表示装置は、前記第2の領域の裏面に重ねられて、当該第2の領域を補強する補強板を、さらに含む。
【0008】
この発明の一実施形態では、前記フレキシブル配線基板が長手を有しており、前記第1の領域および前記第2の領域が、前記フレキシブル配線基板の長手方向に沿って並んでいる。
この発明の一実施形態では、前記補強板の、前記フレキシブル配線基板側と反対側の裏面は、全域に亘って平坦面をなしている。
【0009】
この発明の一実施形態では、前記フレキシブル配線基板の前記第2の領域の表面側に、前記駆動部品を覆うカバー体を、さらに含む。
この発明の一実施形態では、前記駆動部品が、前記複数の発光素子の点灯のための電源として用いられる電池、前記複数の発光素子の点灯を制御する発光制御部を構成する電子部品、および前記複数の発光素子の点灯のための無線通信に用いられるアンテナのうちの少なくとも一つを含む。
前記補強板が、前記第1の領域の裏面を覆っていなくてもよい。前記カバー体が、前記第1の領域の表面を覆っていなくてもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、フレキシブル配線基板の第1の領域の撓みを許容しながら、フレキシブル配線基板の第2の領域の撓みを阻止できる。第2の領域が撓まないので、フレキシブル配線基板を撓ませたときに駆動部品とプリント配線との機械的接続や電気的接続が外れることを抑制または防止できる。
ゆえに、フレキシブル配線基板を良好に撓ませることができ、かつフレキシブル配線基板を撓ませたときの駆動部品の接続の外れを抑制または防止できる、発光表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る発光表示装置の斜視図である。
【
図3】前記発光表示装置の平面図、背面図および左側面図である。
【
図4】前記発光表示装置のフレキシブル配線基板を撓ませた状態を示す斜視図である。
【
図5】前記発光表示装置が取り付けられるアームバンドの図である。
【
図6】前記発光表示装置が取り付けられるショルダーバッグの図である。
【
図7】前記発光表示装置が取り付けられるリュックサックの構成を示す図である。
【
図8】変形例に係る発光表示装置の要部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発光表示装置1の斜視図である。
図2は、発光表示装置1の正面図である。
図3(a)は、発光表示装置1の平面図である。
図3(b)は、発光表示装置1の背面図である。
図3(c)は、発光表示装置1の左側面図である。
図2のみ、カバー体6の内部の状態を透過して示している。
【0013】
発光表示装置1は、可撓性を有するフレキシブル配線基板2と、二次元的に並ぶ複数(多数。
図1の例では、576個)の発光素子3を含むドット表示部4と、複数の発光素子3の点灯駆動のために用いられる駆動部品5と、駆動部品5を覆う箱状のカバー体6と、フレキシブル配線基板2を補強する補強板7(
図3参照)と、を含む。発光表示装置1は、正面視において大部分を占めるフレキシブル配線基板2が可撓性を有しているので、その形態を装着箇所の形状に合わせて変化させることができる。
【0014】
以下の説明では、ドット表示部4を構成する複数の発光素子3の光の放射方向を前方として説明する。
フレキシブル配線基板2は、プリント配線板である。フレキシブル配線基板2は、左右方向(長手方向L)に、長手を有する矩形状をなしている。フレキシブル配線基板2には、複数のプリント配線が設けられている。個々のプリント配線は、対応する発光素子3に対し、後述する電池8から電力供給するための配線である。複数のプリント配線は、フレキシブル配線基板2の前面である表面2aだけでなく、フレキシブル配線基板2の背面である裏面2bにも形成されている。個々の発光素子3には、表裏一対のプリント配線(アノード用の配線およびカソード用の配線)が対応している。互いに対応する表裏一対のプリント配線は、フレキシブル配線基板2を貫通するスルーホール(図示しない)を介して互いに電気的に接続されている。表裏のプリント配線は、絶縁用のインクを塗布して覆うことにより、それぞれ表面2aおよび裏面2bへの露出が阻止されている。
【0015】
フレキシブル配線基板2は、たとえばポリイミドを用いて形成されている。フレキシブル配線基板2は、複数の基板を積層するものではなく、単層の基板を用いて構成されている。フレキシブル配線基板2は、たとえば約0.1ミリメートルの厚みを有している。これらにより、フレキシブル配線基板2を、
図4に示すように、大きく撓ませることができる。なお、フレキシブル配線基板2の材質および厚みは一例であり、この例に限られない。
【0016】
フレキシブル配線基板2は、複数の発光素子3が実装される領域である第1の領域A1と、駆動部品5が実装される領域である第2の領域A2と、を含む。第1の領域A1および第2の領域A2は、互いに異なる領域である。
図1の例では、第1の領域A1および第2の領域A2は、それぞれ矩形の領域であり、フレキシブル配線基板2の長手方向Lに沿って並んでいる。第1の領域A1は、第2の領域A2よりも広い。
図1の例では、第1の領域A1と、第2の領域A2とは、フレキシブル配線基板2の長手方向Lに関し、互いに隣接して設けられている。第2の領域A2が、第1の領域A1に隣接配置されているので、発光表示装置1を長手方向Lに関して小型化することができる。換言すると、発光表示装置1のサイズに対して、第1の領域A1の大型化を図ることができる。
【0017】
個々の発光素子3は、たとえばLED(発光ダイオード)である。このLEDは、たとえば単色発光型のLEDである。そのため、個々のLEDが、プリント配線と一対一に対応している。複数の発光素子3は、
図1に示すように、格子状(行列状(
図1の例では、縦12個×横48個))に配列されている。
駆動部品5は、たとえば、複数の発光素子3の電源である電池8と、複数の発光素子3の点灯を制御する発光制御部9と、発光制御部9と外部送信機器(たとえばスマートフォン等の携帯通信端末)との無線通信に用いられるアンテナ10と、複数の発光素子3の発光のオンオフを切り換えるためのスイッチ素子11と、を含む。
【0018】
電池8は、充電式の電池である。電池8には、たとえばUSB端子からなる充電用端子12が接続されている。コンセントに他端が差し込まれた充電用ケーブル(図示しない)の一端を充電用端子12に挿し込むことにより、電池8が充電される。電池8は、フレキシブル配線基板2の第2の領域A2の表面2aに実装されている。電池8は、第2の領域A2の上部分に配置されており、半田付けにより表面2aに取り付けられている。この取り付け状態で、電池8が表面2aに機械的に結合されるとともに、フレキシブル配線基板2のプリント配線に電池8が電気的に接続される。
【0019】
発光制御部9は、抵抗器、ダイオード、コンデンサ、スイッチング素子等、複数の電子部品13を含む。複数の電子部品13は、フレキシブル配線基板2の第2の領域A2の表面2aに実装されている。複数の電子部品13は、第2の領域A2の下部分に配置されており、半田付けにより表面2aに取り付けられている。この取り付け状態で、複数の電子部品13が表面2aに機械的に結合されるとともに、フレキシブル配線基板2のプリント配線に複数の電子部品13が電気的に接続される。発光制御部9とプリント配線とによって、発光素子3を発光制御するための回路が構成される。
【0020】
アンテナ10は、無線通信用のアンテナであり、たとえば、ブルートゥース(登録商標)用送受信モジュールが採用されている。アンテナ10は、チップアンテナであってもよいし、パターンアンテナであってもよい。
スイッチ素子11は、フレキシブル配線基板2の第2の領域A2の表面2aに実装されている。スイッチ素子11は、第2の領域A2の下部分に配置されており、半田付けにより表面2aに取り付けられている。この取り付け状態で、スイッチ素子11が表面2aに機械的に結合されるとともに、フレキシブル配線基板2のプリント配線にスイッチ素子11が電気的に接続される。
【0021】
図3(a)~
図3(c)に示すように、補強板7は、フレキシブル配線基板2の第2の領域A2の背面形状に整合する矩形状をなしている。補強板7は、たとえば板金であり、鋼を用いて形成されている。補強板7は、フレキシブル配線基板2の第2の領域A2の裏面2bに重ねられて、当該第2の領域A2を補強する。補強板7は、第2の領域A2に整合する矩形状をなしている。補強板7は、第2の領域A2の裏面2bの全域を覆う。補強板7の裏面7aは、そのほぼ全域が平坦面をなしている。補強板7は、接着剤を用いて第2の領域A2の裏面2bへの接合が図られている。
【0022】
カバー体6は、合成樹脂を用いて形成されており、第2の領域A2の正面(前面)形状に整合する矩形状をなしている。カバー体6は、たとえば透明材料を用いて構成されていてもよい。カバー体6は、電池8、複数の電子部品13、アンテナ10、スイッチ素子11の正面側を覆う。カバー体6の前面6aは、そのほぼ全域が平坦面をなしている。
カバー体6の前面6aには切り欠き15が形成されている。切り欠き15によって前面6aが切り欠かれることにより、スイッチ素子11のオンオフ動作を操作するための操作片16が構成されている。ユーザーの操作片16の操作により、スイッチ素子11のオンオフ動作が行われ、これにより、発光表示装置1のオンオフが切り換えられる。
【0023】
ドット表示部4には、文字、数字、絵柄等が表示される。外部送信機器(図示しない)のアプリケーションソフトウェアを用いて、外部送信機器において表示内容が作成される。そして、その表示内容についての入力信号が、外部送信機器からアンテナ10を介して発光制御部9に付与されると、発光制御部9は、表示内容に対応する発光素子3を点灯させることにより、入力された表示内容に対応する表示をドット表示部4に行わせる。ドット表示部4の表示は、静止表示であってもよいし、スクロール表示のような動表示であってもよい。
【0024】
図4は、発光表示装置1のフレキシブル配線基板2を撓ませた状態を示す斜視図である。フレキシブル配線基板2を撓ませた状態で、ドット表示部4に、文字、数字、絵柄等を表示することが可能である。
駆動部品5が実装される第2の領域A2が、駆動部品5の実装側とは反対側から補強板7によって補強されている。第1の領域A1および第2の領域A2が、フレキシブル配線基板2が可撓方向(すなわち、長手方向L)に沿って並んでいるため、補強板7がないと、第1の領域A1だけでなく第2の領域A2も大きく撓んでしまう。この場合、電池8や電子部品13、スイッチ素子11と、プリント配線と、の機械的接続や電気的接続が外れるおそれがある。
【0025】
第2の領域A2が補強板7によって補強されているので、第1の領域A1が撓んだ時でも、第2の領域A2は撓まない。そのため、フレキシブル配線基板2を撓ませたときに電池8や電子部品13、スイッチ素子11と、プリント配線と、の機械的接続や電気的接続が外れることがない。
フレキシブル配線基板2に人為的に大きな力が加えられるケースも排除できないが、このようなケースであっても、電池8や電子部品13、スイッチ素子11と、プリント配線と、の機械的接続や電気的接続が外れることを抑制または防止できる。
【0026】
図5は、発光表示装置1が取り付けられるアームバンド20の図である。
図5(a)は、アームバンド20の正面図である。
図5(b)は、アームバンド20の背面図である。アームバンド20には、発光表示装置1を収容するための収容部21と、収容部の前面に設けられた窓部22と、アームバンド20の長手方向の一端部に設けられた出入口穴23と、アームバンド20の長手方向の表面20aの他端部に設けられた結合部24と、を含む。出入口穴23は、収容部21内と連通している。結合部24は、たとえば面ファスナーであり、アームバンド20が利用者の腕に巻かれた状態で、アームバンド20の裏面20bの一端部に結合可能である。窓部22は、開口のみで形成されていてもよいし、透明板によって構成されていてもよい。アームバンド20の収容部21に発光表示装置1が収容された状態において、ドット表示部4(
図1等参照)が窓部22を介して視認可能である。
【0027】
図6は、発光表示装置1が取り付けられるショルダーバッグ30の図である。
図7は、発光表示装置1が取り付けられるリュックサック40の構成を示す図である。発光表示装置1は、ショルダーバッグ30に設けられる収容部31に収納可能であり、収容部31に収納された発光表示装置1は窓部32を介して視認可能である。窓部32は、開口のみで形成されていてもよいし、透明板によって構成されていてもよい。また、発光表示装置1は、リュックサック40に設けられる収容部41に収納可能であり、収容部41に収納された発光表示装置1は窓部42を介して視認可能である。窓部42は、開口のみで形成されていてもよいし、透明板によって構成されていてもよい。
【0028】
以上によりこの実施形態によれば、補強板7を配置する領域が、複数の発光素子3が配置される第1の領域A1と異なっている。そのため、複数の発光素子3が実装される第1の領域A1を撓ませることが可能である。しかも、補強板7は、駆動部品5が実装される第2の領域A2に対して、駆動部品5の実装側とは反対側から重なることにより、第2の領域A2を補強している。そのため、第2の領域A2が撓むことを確実に防止できる。
【0029】
これにより、第1の領域A1の撓みを許容しながら、第2の領域A2の撓みを阻止できる。第2の領域A2が撓まないので、フレキシブル配線基板2を撓ませたときに駆動部品5とプリント配線との機械的接続や電気的接続が外れることを抑制または防止できる。
ゆえに、フレキシブル配線基板2を良好に撓ませることができ、かつフレキシブル配線基板2を撓ませたときの駆動部品5の接続の外れを抑制または防止できる、発光表示装置1を提供できる。
【0030】
また、補強板7の裏面7aは、全域に亘って平坦面をなしている。発光表示装置1の裏面は、補強板7の裏面7aと、フレキシブル配線基板2の第1の領域A1の裏面2b(
図3(b)参照)とによって構成されている。そのため、
図3(a)に示すように、第1の領域A1の裏面2bに何も設けない場合には、発光表示装置1の裏面を、平坦面だけ(すなわち、補強板7の裏面7aと第1の領域A1の裏面2bとだけ)で構成することも可能である。この場合、発光表示装置1の裏面を収容部21,31,41に干渉することなく、収容部21,31,41内に対してスムーズに出し入れできる。
【0031】
さらに、駆動部品5がカバー体6によって覆われているので、発光表示装置1の収容部21内への挿脱時に、駆動部品5が収容部21,31,41に干渉することを防止できる。これにより、発光表示装置1を、収容部21,31,41内に対してスムーズに出し入れできる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
【0032】
たとえば、
図8に示すように、第2の領域A2の全域を補強板が覆う態様でなく、第2の領域A2の一部のみを補強板が覆う態様でもよい。
図8の例において、補強板7に代えて用いられる補強板107は、矩形の4つの隅部のうち1つの隅部(
図8の右上の隅部)を切り欠く切り欠き107Bを備えている他は、補強板7と同等の構成である。
図8の例では、アンテナ10に代えて用いられるアンテナ110が、第2の領域A2の表面2aではなく、第2の領域A2の裏面2bに配置(実装)されている。より具体的には、アンテナ110は、第2の領域A2の裏面2bのうち、補強板7によって覆われていない領域に配置(実装)されている。この場合、アンテナ110は、第2の領域A2の表面2aに実装される駆動部品5には含まれない。
アンテナ110は、無線通信用のアンテナであり、たとえば、ブルートゥース(登録商標)用送受信モジュールが採用されている。アンテナ110は、
図8の例では、パターンアンテナである。アンテナ110は、蛇行線状のアンテナ回路111を含む。アンテナ110(アンテナ回路111)は、絶縁用のインクによって覆われている。そのため、アンテナ110(アンテナ回路111)は、フレキシブル配線基板2の裏面2bには露出していない。
【0033】
また、フレキシブル配線基板2の表面2aに振動子を設けるようにしてもよい。この場合、振動子は、第2の領域A2に設けられてもよい。より具体的には、第2の領域A2の表面2aとカバー体6との間の空間(カバー体6によって覆われた空間)に振動子が収容されていてもよい。この場合、外部送信機器(図示しない)からの振動信号がアンテナ10を介して発光制御部9に付与されると、発光制御部9は、振動子を振動させる。これにより、第2の領域A2を振動させることができる。
【0034】
また、前述の実施形態において、フレキシブル配線基板2を、複数の基板層を積層して構成してもよい。この場合、2層の基板層、または3層の基板層を重ねてフレキシブル配線基板2を構成する。個々の層同士の接合は、熱溶着および高圧溶着のうち少なくとも一つにより実現できる。個々の層の表面および裏面には、プリント配線が形成されている。個々の層の表裏一対のプリント配線は、当該層を貫通するスルーホール(図示しない)を介して互いに電気的に接続されている。表裏のプリント配線は、絶縁用のインクを塗布して覆うことにより、個々の層の表面および裏面への露出が阻止されている。このように、フレキシブル配線基板2を、複数の基板層を積層して構成することにより、複数の発光素子3の実装領域(第1の領域A1)の面積によらずに、多くの発光素子3に電力供給できる。これにより、より多くの発光素子3をフレキシブル配線基板2に実装できる。
【0035】
また、前述の実施形態において、個々の発光素子3として採用されるLEDを多色発光型のLED(RGB)としてもよい。すなわち、個々のLED(RGB)に含まれる素子数が3つになる。この場合、全ての発光素子3(LED(RGB))に対して良好に電力供給するために、フレキシブル配線基板2として、複数の基板層を積層した積層タイプのものを採用することが望ましい。
【0036】
また、前述の実施形態において、駆動部品5として、電池8、電子部品13、アンテナ10およびスイッチ素子11を含むものを説明したが、駆動部品5は必ずしもこれらの全てを含む必要はなく、電池8等の電源供給部や、発光制御部9を少なくとも備えていればよい。
また、前述の実施形態では、発光表示装置1を、その長手方向Lが左右に沿った状態で使用する場合を想定したが、発光表示装置1を、その長手方向Lが上下に沿った状態や斜め方向に沿った状態で使用してもよい。
【0037】
また、前述の実施形態において、ドット表示部4は、発光素子3を格子状に並べた構成でなくても、発光素子3が2次元的に並んでいて、文字、数字、絵等を表示可能な構成であればよい。
また、前述の実施形態において、第1の領域A1と第2の領域A2とが、フレキシブル配線基板2の長手方向Lに関し、離間して設けられていてもよい。
【0038】
また、前述の実施形態では、駆動部品5の前面をカバー体6で覆う構成を例に挙げたが、カバー体6を省略しても悪影響がなければ、カバー体6を省略することも可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
【符号の説明】
【0039】
1 :発光表示装置
2 :フレキシブル配線基板
2a :表面
2b :裏面
3 :発光素子
4 :ドット表示部
5 :駆動部品
6 :カバー体
7 :補強板
13 :電子部品
A1 :第1の領域
A2 :第2の領域
L :長手方向