(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】インデックスタブ形成システム
(51)【国際特許分類】
B26D 1/40 20060101AFI20230131BHJP
B26D 5/20 20060101ALI20230131BHJP
B26F 1/38 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
B26D1/40 502F
B26D1/40 504
B26D5/20 B
B26F1/38 A
(21)【出願番号】P 2021553881
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2019042033
(87)【国際公開番号】W WO2021079519
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000113403
【氏名又は名称】ホリゾン・インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】望月 潤
(72)【発明者】
【氏名】武次 靖夫
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特許第2943105(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/40
B26D 5/20
B26F 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシートに、順々にインデックスタブを形成するインデックスタブ形成システムであって、
シート状のインデックスタブ形成用刃型が装着されたダイカットローラと、前記ダイカットローラに、平行かつ所定の間隔を隔てて配置された受けローラと、を有するロータリーダイカッターと、
前記ダイカットローラの回転位置を検出する回転位置検出部と、
先頭の前記インデックスタブの前端の位置と、各前記インデックスタブ間のシフト幅と、前記インデックスタブ全体の数と、前記刃型のインデックスタブ部分の前端の位置と、を記憶している記憶部と、
シートスタックが載置されるシートスタック部と、
前記シートスタックから前記シートを1枚ずつ供給する給紙部と、
前記給紙部と前記ロータリーダイカッターとの間にのび、前記シートを搬送するコンベヤと、前記コンベヤの下流側に、前記シートの位置を検出するシート検出センサと、前記ダイカットローラに平行に配置され前記シートを搬送する搬送ローラ対と、を有し、前記給紙部から受けた前記シートを前記ロータリーダイカッターまで搬送する搬送部と、
前記搬送部が前記シートを前記ロータリーダイカッターに搬送した回数をカウントする搬送カウント部と、
前記ダイカットローラの回転位置と、前記シート検出センサがシート位置を検出したときの検出信号と、前記搬送部が前記シートを前記ロータリーダイカッターに搬送した回数と、各前記インデックスタブ間のシフト幅と、に基づいて、前記ダイカットローラの最下点で前記刃型のインデックスタブ部分の前端と前記シートに形成される前記インデックスタブの前端とを一致させる前記搬送ローラ対の回転速度を算出する回転速度算出部と、
前記回転速度算出部が算出した回転速度に基づいて、前記搬送ローラ対の回転速度を制御する搬送ローラ制御部と、を備え、
前記刃型は、搬送方向における前記シートのいずれの位置にも前記インデックスタブを形成することができるように、周方向の長さが前記シートの長さよりも十分に長い、ことを特徴とするインデックスタブ形成システム。
【請求項2】
前記搬送カウント部は、最後尾の前記インデックスタブが形成される前記シートが前記ロータリーダイカッターに搬送されるたびに、前記シートが前記ダイカットローラに搬送された回数のカウントをリセットする
ことを特徴とする請求項1に記載のインデックスタブ形成システム。
【請求項3】
前記給紙部の動作を制御する給紙制御部と、
前記給紙部が給紙した回数をカウントする給紙カウント部と、
前記先頭のインデックスタブが形成される前記シートの給紙タイミングを決定する給紙タイミング決定部と、
各前記インデックスタブ間のシフト幅と、前記給紙部が給紙した回数とに基づいて、前記シートの供給タイミングをシフトさせる時間を算出するシフト時間算出部と、をさらに備え、
前記給紙制御部は、前記ダイカットローラの回転位置に基づいて、前記先頭のインデックスタブが形成される前記シートについては前記決定された給紙タイミングで供給し、他の前記インデックスタブが形成される前記シートについては、算出されたシフト時間だけ前記決定された給紙タイミングからシフトさせて供給するように前記給紙部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のインデックスタブ形成システム。
【請求項4】
前記給紙カウント部は、最後尾の前記インデックスタブが形成される前記シートが供給されるたびに、給紙回数のカウントをリセットする
ことを特徴とする請求項3に記載のインデックスタブ形成システム。
【請求項5】
前記シートに形成される前記先頭のインデックスタブの前端の位置の入力を受けるシートタブ位置入力部と、
各前記インデックスタブ間のシフト幅の入力を受けるシフト幅入力部と、
前記インデックスタブ全体の数の入力を受けるタブ数入力部と、
前記刃型のインデックスタブ部分の前端の位置の入力を受ける刃型タブ位置入力部と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のインデックスタブ形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートにインデックスタブを形成するインデックスタブ形成システムに関し、特に、ロータリーダイカッターを備えたインデックスタブ形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シートを搬送しながら所望の型を打ち抜くロータリーダイカッターシステムがある。例えば、特許文献1に開示のロータリーダイカッターシステムは、シートを供給するシート供給手段と、ロータリーダイカッターにシートを搬送する搬送部と、ダイカットローラとダイカットローラに平行に配置された受けローラとを有するロータリーダイカッターと、を備える。このロータリーダイカッターシステムは、ダイカットローラの回転位置を検出する検出手段をさらに備えており、検出されたダイカットローラの回転位置に基づいてシートを所定のタイミングでロータリーダイカッターに搬送する。このロータリーダイカッターシステムでは、ダイカットローラは、マグネットローラと、マグネットローラに着脱可能に巻装された刃型と、を有する。ロータリーダイカッターシステムは、所望の型抜き用の刃型をマグネットローラに巻装することにより所望の型を打ち抜くことができる。
【0003】
ところで、従来、このようなロータリーダイカッターで、シートにインデックスタブを形成するには、インデックスタブの位置に合わせて刃型をそれぞれ用意する必要があった。したがって、複数のインデックスタブを備えた冊子を加工するためには、インデックスタブの数だけ刃型を作成するコストがかかっていた。しかも、この場合、打ち抜くインデックスタブの位置を変えるために刃型を交換しなければならず、打ち抜かれたシートの丁合もしなければならない。したがって、上記冊子を作成するために、多大な労力と時間もかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、刃型を交換することなく、複数のシートにインデックスタブを順々に形成することができるインデックスタブ形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るインデックスタブ形成システムは、
複数のシートに、順々にインデックスタブを形成するインデックスタブ形成システムであって、
シート状のインデックスタブ形成用刃型が装着されたダイカットローラと、ダイカットローラに、平行かつ所定の間隔を隔てて配置された受けローラと、を有するロータリーダイカッターと、
ダイカットローラの回転位置を検出する回転位置検出部と、
先頭のインデックスタブの前端の位置と、各インデックスタブ間のシフト幅と、インデックスタブ全体の数と、刃型のインデックスタブ部分の前端の位置と、を記憶している記憶部と、
シートスタックが載置されるシートスタック部と、
シートスタックからシートを1枚ずつ供給する給紙部と、
給紙部とロータリーダイカッターとの間にのび、シートを搬送するコンベヤと、コンベヤの下流側に、シートの位置を検出するシート検出センサと、ダイカットローラに平行に配置されシートを搬送する搬送ローラ対と、を有し、給紙部から受けたシートをロータリーダイカッターまで搬送する搬送部と、
搬送部がシートをロータリーダイカッターに搬送した回数をカウントする搬送カウント部と、
ダイカットローラの回転位置と、シート検出センサがシート位置を検出したときの検出信号と、搬送部がシートをロータリーダイカッターに搬送した回数と、各インデックスタブ間のシフト幅と、に基づいて、ダイカットローラの最下点で刃型のインデックスタブ部分の前端とシートに形成されるインデックスタブの前端とを一致させる搬送ローラ対の回転速度を算出する回転速度算出部と、
回転速度算出部が算出した回転速度に基づいて、搬送ローラ対の回転速度を制御する搬送ローラ制御部と、を備え、
刃型が、搬送方向におけるシートのいずれの位置にもインデックスタブを形成することができるように、周方向の長さがシートの長さよりも十分に長い、ことを特徴とする。
【0007】
上記インデックスタブ形成システムは、例えば、
搬送カウント部が、最後尾のインデックスタブが形成されるシートがロータリーダイカッターに搬送されるたびに、シートがダイカットローラに搬送された回数のカウントをリセットする。
【0008】
上記インデックスタブ形成システムは、好ましくは、
給紙部の動作を制御する給紙制御部と、
給紙部が給紙した回数をカウントする給紙カウント部と、
先頭のインデックスタブが形成されるシートの給紙タイミングを決定する給紙タイミング決定部と、
各インデックスタブ間のシフト幅と、給紙部が給紙した回数とに基づいて、シートの供給タイミングをシフトさせる時間を算出するシフト時間算出部と、をさらに備え、
給紙制御部が、ダイカットローラの回転位置に基づいて、先頭のインデックスタブが形成されるシートについては決定された給紙タイミングで供給し、他のインデックスタブが形成されるシートについては、算出されたシフト時間だけ決定された給紙タイミングからシフトさせて供給するように給紙部を制御する。
【0009】
上記インデックスタブ形成システムは、例えば、
給紙カウント部が、最後尾のインデックスタブが形成されるシートが供給されるたびに、給紙回数のカウントをリセットする。
【0010】
上記インデックスタブ形成システムは、好ましくは、
シートに形成される先頭のインデックスタブの前端の位置の入力を受けるシートタブ位置入力部と、
各インデックスタブ間のシフト幅の入力を受けるシフト幅入力部と、
インデックスタブ全体の数の入力を受けるタブ数入力部と、
刃型のインデックスタブ部分の前端の位置の入力を受ける刃型タブ位置入力部と、をさらに備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明のインデックスタブ形成システムは、刃型を交換することなく、複数のシートにインデックスタブを順々に形成することができる。これにより、本発明のインデックスタブ形成システムは、刃型のコストを削減するとともに、インデックスタブ形成後の丁合作業を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るインデックスタブ形成システム全体の概略図である。
【
図2】
図1に示したダイカットローラに装着された刃型と、インデックスタブが形成された各シートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るインデックスタブ形成システムについて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るインデックスタブ形成システム全体の概略図である。矢印Xは、シートSの搬送方向を示している。インデックスタブ形成システムは、シートスタック部1と、給紙部2と、搬送部3と、ロータリーダイカッター5と、入力部6と、記憶部7と、回転位置検出部8と、制御部9と、排出部10と、を備えている。
【0015】
シートスタック部1は、昇降可能に配置された水平なシート積載棚1aと、シート積載棚1aの前方に配置され、シートスタックPの各シートSの前端を揃える垂直なシート揃え板1bと、を有する。シートスタックPは、シート積載棚1aの上に載置される。
【0016】
給紙部2は、シートスタック部1の前側上方において、サクションベルトコンベヤ20と、吸引ダクト22と、給紙ローラ対24と、を有する。
【0017】
吸引ダクト22は、サクションベルトコンベヤ20の下側のベルトの上側に配置されており、シートスタックPの最上位のシートSを吸着する。サクションベルトコンベヤ20は吸着されたシートSを給紙ローラ対24に送り出す。給紙ローラ対24は、サクションベルトコンベヤ20からシートSを取り込む向きに回転しており、サクションベルトコンベヤ20は、シートSが給紙ローラ対24に取り込まれると動作を停止する。
【0018】
搬送部3は、サクションベルトコンベヤ30と、タイミングベルト32と、モータ34と、吸引ダクト35と、吸気ポンプ36と、搬送ローラ対37と、タイミングベルト38と、モータ39と、シート検出センサ40と、を有する。
【0019】
サクションベルトコンベヤ30は、給紙ローラ対24の下流に配置されており、モータ34によって駆動され、給紙部2から供給されたシートSをロータリーダイカッター5側へと搬送する。吸引ダクト35は、サクションベルトコンベヤ30の搬送面である上側のベルトの下側に配置されている。吸引ダクト35は、上面に吸気口を備えており、吸気ポンプ36に接続されている。
【0020】
搬送ローラ対37は、サクションベルトコンベヤ30の下流に配置されており、モータ39によって駆動され、サクションベルトコンベヤ30から搬送されてきたシートSをロータリーダイカッター5に搬送する。
【0021】
シート検出センサ40は、搬送ローラ対37の下流に配置されており、搬送されてきたシートSの所定の位置を検出するとともに、検出信号を制御部9(
図4参照)に送信する。具体的には、シート検出センサ40は、赤外線センサやシートSの所定の箇所に印刷されたマークを読み取る画像読み取り機などであって、シートSの前端またはマークなどを検出する。本実施形態では、シート検出センサ40は、赤外線センサであってシートSの前端を検出する。
【0022】
ロータリーダイカッター5は、ダイカットローラ50と、受けローラ52と、タイミングベルト54と、モータ55と、を有する。
【0023】
ダイカットローラ50は、マグネットローラ50aと、マグネットローラ50aに装着されたシート状のインデックスタブ形成用刃型50bとを有する。
【0024】
図2に示すように、刃型50bは、シートS1~S5に順々にインデックスタブTを形成することができるように、周方向の長さがシートSの長さよりも十分に長く形成されている。矢印Yは、シートSの加工順を示している。シートS1のインデックスタブT1が本発明の「先頭のインデックスタブ」に相当する。また、シートS1のインデックスタブT1の前端TFとシートS2のインデックスタブT2の前端TFと間の距離(シフト幅d2に相当)が本発明の「各インデックスタブ間のシフト幅」に相当する。シートS1~S5には、順々にそれぞれ異なる位置にインデックスタブTが形成される。このインデックスタブTの数(本実施形態では5つ)が本発明の「インデックスタブ全体の数」に相当する。
【0025】
図1に示すように、受けローラ52は、ダイカットローラ50に、平行かつ所定の間隔を隔てて配置されている。モータ55は、インダクションモータであるが単なる一例であって、これに限定されない。受けローラ52は、タイミングベルト54を介してモータ55に接続されており、モータ55によって駆動される。ダイカットローラ50は、ギア(図示略)を介して受けローラ52に連結されており、これにより、受けローラ52と同調して回転する。
【0026】
ダイカットローラ50および受けローラ52は、常時搬送ローラ対37からシートSが導入される向きに一定の速度で回転している。ロータリーダイカッター5は、シートSが搬送ローラ対37によってダイカットローラ50および受けローラ52間の間隙を通って搬送され、その間に刃型50bによってインデックスタブTが形成されるように構成されている。
【0027】
回転位置検出部8は、本実施形態では、ロータリーエンコーダであるが単なる一例であって、これに限定されない。回転位置検出部8は、タイミングベルト54の外側から当接し、タイミングベルト54の駆動に同調して回転するよう構成されている。これにより、回転位置検出部8は、受けローラ52の回転位置を検出し、受けローラ52と同調して回転しているダイカットローラ50の回転位置を検出し、その結果、刃型50bのインデックスタブ部分の前端CF(
図2参照)の回転位置を検出する。
【0028】
図3に示すように、入力部6は、タッチパネルであるが単なる一例であって、これに限定されない。入力部6は、シートS1の前端から形成されるインデックスタブ(以下、単に「インデックスタブ」という)T1の前端TF(
図2参照)までの距離の入力を受けるシートタブ位置入力部60と、インデックスタブT1の前端TFから次順のインデックスタブT2の前端TFまでの距離であるシフト幅(d2)の入力を受けるシフト幅入力部62と、インデックスタブTの全体の数の入力を受けるタブ数入力部64と、刃型50bのインデックスタブ部分の前端CFの位置の入力を受ける刃型タブ位置入力部66と、を有する。入力された値は、記憶部7にそれぞれ記憶される。
【0029】
図4に示すように、制御部9は、給紙タイミング決定部90と、給紙カウント部92と、シフト時間算出部93と、給紙制御部94と、回転速度算出部95と、搬送ローラ制御部96と、搬送カウント部97と、を有する。
【0030】
給紙タイミング決定部90は、インデックスタブT1が形成されるシートS1の給紙タイミングを決定する。この給紙タイミングの求め方について、
図5を参照して説明する。
図5における各記号と各記号に示されるものとの対応関係は次のとおりである。
T1(T2):インデックスタブが形成される部分
L1:シート積載棚1a上のシートSの前端からシート検出センサ40までの距離
L2:シート検出センサ40から点Qまでの距離
Q:ダイカットローラ50の最下点
v1:刃型50bの周速
v2:シートSの搬送速度
d1 シートSの前端からインデックスタブT1の前端TFまでの距離
d2 各インデックスタブTの前端TF間の距離(シフト幅)
x:ダイカットローラ50の円周に沿った、点Qから刃型50bのインデックスタブ部分の前端CFまでの距離
【0031】
図5に示すように、給紙部2の動作開始後(シートSの搬送開始後)、シートS1のインデックスタブT1の前端TFが点Qに到達するまでの時間t1は、v2が一定であれば、
t1=(L1+L2+d1)/v2
である。
したがって、刃型50bのインデックスタブ部分の前端CFの位置が、
x=v1×t1
となる回転位置にあるときに、給紙部2によるシートS1の供給が開始されれば、点QにおいてシートS1のインデックスタブT1の前端TFと刃型50bのインデックスタブ部分の前端CFとが一致し、正確な位置にインデックスタブT1が形成されることになる。このように、給紙タイミング決定部90は、刃型50bのインデックスタブ部分の前端CFがx=v1×t1となる回転位置に来ると、給紙部2によるシートS1の供給が開始されるように、給紙タイミングを決定する。
【0032】
給紙カウント部92は、給紙部2が給紙した回数n1をカウントする。
【0033】
シフト時間算出部93は、シフト幅入力部62に入力されたシフト幅d2と、給紙カウント部92がカウントしているシート給紙回数n1とに基づいて、シートS1以外のシートSのシート供給タイミングをシフトさせる時間を算出する。すなわち、シートS1以外のシートS2~S5については、インデックスタブT2~T5の位置に基づいて、シートS1が給紙部2によって供給されるタイミングよりも所定時間シフトさせて供給する必要があるので、シフト時間算出部93はそのシフトさせる時間stを算出する。
【0034】
図2に示すように、本実施形態の場合、シートS2~シートS5については、供給するタイミングをシフト幅d2にシート給紙回数n1を乗じた長さだけ一定時間早くシフトさせる必要がある。
【0035】
図5に示すように、例えば、シートS2が供給される場合、シートS2のインデックスタブT2の前端TFが点Qに到達するまでの時間t2は、v2が一定であれば、
t2=(L1+L2+d1+d2)/v2
である。すなわち、インデックスタブT2の前端TFが点Qに到達するまでの時間t2は、インデックスタブT1の前端TFが点Qに到達するまでの時間t1よりもd2/v2だけ遅くなる。したがって、シフト時間算出部93は、次式によって、インデックスタブT1が形成されるシートS1以外のシートS2~S5の供給タイミングをシフトさせる時間stを算出する。
st=d2×n1/v2
【0036】
給紙制御部94は、ダイカットローラ50の回転位置に基づいて、インデックスタブT1が形成されるシートS1を、給紙タイミング決定部90によって決定された給紙タイミングで供給するように給紙部2を制御する。また、給紙制御部94は、他のインデックスタブT2~T5が形成されるシートS2~S5を、シフト時間算出部93によって算出されたシフト時間stだけ早く給紙タイミングからシフトさせて供給するように給紙部2を制御する。給紙カウント部92は、最後尾のインデックスタブT5が形成されるシートS5が給紙部2によって給紙されるたびに、給紙回数n1のカウントをリセットしてもよい。これにより、給紙部2がシートS1~S5を給紙する動作が繰り返される。
【0037】
搬送カウント部97は、搬送部3がシートSをロータリーダイカッター5に搬送した回数n2をカウントする。
【0038】
回転速度算出部95は、ダイカットローラ50の回転位置と、シート検出センサ40がシートSの前端を検出したときの検出信号と、搬送部3がシートSをロータリーダイカッター5に搬送した回数n2と、各インデックスタブ間のシフト幅d2と、に基づいて、ダイカットローラ50の最下点で刃型50bのインデックスタブ部分の前端CFとシートSのインデックスタブTの前端TFとを一致させる搬送ローラ対37の回転速度を算出する。
【0039】
これを、再び
図5を参照して説明すると、シートSのインデックスタブTの前端TFがシート検出センサ40によって検出されたとき、刃型50bのインデックスタブ部分の前端CFが点Qから距離xだけ離れた回転位置にあるとすると、刃型50bが点Qに到達するまでの時間tは、
t=x/v1
であるから、この間に、インデックスタブTの前端TFが点Qに到達するためには、シートSは、
v={L2+d1+(d2×n2)}/t
なる速度で搬送されなければならない。したがって、回転速度算出部95は、この搬送速度vを得ることができる搬送ローラ対37の回転速度を算出する。
【0040】
次いで、搬送ローラ制御部96は、回転速度算出部95が算出した回転速度に基づいて、搬送ローラ対37の回転を制御する。これにより、ロータリーダイカッター5に導入されるシートSのタイミングが補正され、シートSの適切な位置にインデックスタブTが形成される。
【0041】
搬送カウント部97は、最後尾のインデックスタブT5が形成されるシートS5が搬送部3によってロータリーダイカッター5に搬送されるたびに、搬送回数n2のカウントをリセットしてもよい。これにより、搬送部3がシートS1~S5を搬送する動作が繰り返される。すなわち、給紙カウント部92および搬送カウント部97によるカウントが所定のタイミングでリセットされることにより、インデックスタブ形成システムにおけるインデックスタブT1~T5が形成される動作が繰り返される。
【0042】
また、搬送ローラ制御部96は、点QにおいてシートSのインデックスタブTの前端TFと刃型50bのインデックスタブ部分の前端CFとが一致してからシートS5が刃型50bから離れるまでの間は、シートSの搬送速度vが刃型50bの周速v1に一致するように搬送ローラ対37の回転速度を制御する。
【0043】
排出部10は、ダイカットローラ50および受けローラ52の出口からインデックスタブ形成システムの排出口に向かってのびるコンベヤベルト100と、コンベヤベルト100の下流端の近傍において、配置された搬送ローラ101と、を有する。排出部10は、インデックスタブTを形成されたシートSをコンベヤベルト100および搬送ローラ101によって搬送し、インデックスタブ形成システムの排出口から排出する。
【0044】
以上のように、インデックスタブ形成システムは、刃型50bを交換することなく、複数のシートS1~S5にインデックスタブT1~T5を順々に形成することができる。しかも、インデックスタブ形成システムは、搬送ローラ対37によってロータリーダイカッター5に導入されるシートSのタイミングを補正することにより、シートSの適切な位置にインデックスタブTを形成することができる。さらに、インデックスタブ形成システムは、形成されるインデックスタブTの位置に合わせて給紙タイミングをシフトさせながらシートSを供給するので、ロータリーダイカッター5の手前でシートSの搬送を一時停止させたり、サクションベルトコンベヤ30の駆動速度を通常の駆動速度よりも遅くしたりすることなく、シートSをロータリーダイカッター5に搬送することができる。
【0045】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。本願の特許請求の範囲に記載した構成の範囲内において上記実施形態の構成が変形されてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 シートスタック部
1a シート積載棚
1b シート揃え板
2 給紙部
20 サクションベルトコンベヤ
22 吸引ダクト
24 給紙ローラ対
3 搬送部
30 サクションベルトコンベヤ
32 タイミングベルト
34 モータ
35 吸引ダクト
36 吸気ポンプ
37 搬送ローラ対
38 タイミングベルト
39 モータ
40 シート検出センサ
5 ロータリーダイカッター
50 ダイカットローラ
50a マグネットローラ
50b 刃型
52 受けローラ
54 タイミングベルト
55 モータ
6 入力部
60 シートタブ位置入力部
62 シフト幅入力部
64 タブ数入力部
66 刃型タブ位置入力部
7 記憶部
8 回転位置検出部
9 制御部
90 給紙タイミング決定部
92 給紙カウント部
93 シフト時間算出部
94 給紙制御部
95 回転速度算出部
96 搬送ローラ制御部
97 搬送カウント部
10 排出部
100 コンベヤベルト
101 搬送ローラ
P シートスタック
S シート
T インデックスタブ
TF インデックスタブの前端