(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】串刺し装置
(51)【国際特許分類】
A23P 10/10 20160101AFI20230131BHJP
【FI】
A23P10/10
(21)【出願番号】P 2021555702
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(86)【国際出願番号】 JP2019044582
(87)【国際公開番号】W WO2021095172
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】319015636
【氏名又は名称】エスユウテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】的場 誠治
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-16190(JP,A)
【文献】特開昭56-64775(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1745549(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23P 10/10-30/40
A21C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
串打ち位置にあるトレーの側へ串を押出し位置から押し出して該トレーに載置された材料に串打ちする串押出し手段と、
供給位置に供給された串を上記押出し位置へ搬送する串搬送手段と、を備えた串刺し装置であって、
複数の上記押出し位置と、これら押出し位置の夫々に対応する上記串打ち位置を設定するとともに、上記供給位置と複数の上記押出し位置との夫々の間に、上記押出し位置にある串が押し出されるまで串を待機させる待機位置を設定し、
上記串搬送手段は、上記供給位置に供給された串を、上記待機位置を経由して上記押出し位置へ搬送する構成とし、
上記串搬送手段は、上記串打ち位置に隣接するとともに串打ち方向に直交する方向に沿って少なくとも上記供給位置から上記押出し位置に至るまで延び、且つ串搬送方向に沿って複数の串載置部が等ピッチで配設された串搬送レーンと、該串搬送レーンを上記待機位置から上記押出し位置に向けて上記串載置部の配設ピッチ相当分ずつ搬送する搬送用駆動源と、を備えており、
上記串搬送レーンに有する複数の上記串載置部のうち、所定の串載置部の位置を上記押出し位置に設定し、該押出し位置よりも上流側に有する複数の上記串載置部のうち、上記押出し位置に対して1ピッチ上流側から少なくとも1つの上記串載置部の位置を、上記待機位置に設定し、
上記串搬送レーンにおける、上記押出し位置と、対応する上記待機位置とを串送り領域に設定するとともに、上記串搬送レーンには、その搬送方向に沿って、上記串送り領域が複数設定されており、
上記串搬送レーンにおける、上記供給位置を、最も上流側の上記串送り領域よりも上流側の位置に設定し、
上記串搬送レーンにおける、上記供給位置の近傍に、該供給位置にある上記串載置部に対して串を1本ずつ供給する串供給手段を備え、
上記串搬送手段は、上記待機位置から、対応する上記押出し位置への串の搬送を複数の上記押出し位置で同時に行う構成とするとともに、上記串押出し手段は、複数の上記押出し位置から夫々に対応する上記串打ち位置への串の押出しを同時に行う構成とした
串刺し装置。
【請求項2】
上記串押出し手段は、1つの押出し用駆動源の駆動によって同時に押し出される複数の串押出し部を備えた
請求項1に記載の串刺し装置。
【請求項3】
上記串搬送手段は、上記串搬送レーンにおける、所定の上記串送り領域の上記串載置部に串が無い場合には、該串載置部に対して、上記所定の串送り領域よりも上流側の上記串送り領域を経由して上記供給位置から串を搬送する構成とした
請求項
1又は2に記載の串刺し装置。
【請求項4】
上記トレーは、複数の上記串打ち位置に跨る一つの部材で構成されるとともに、複数の上記串打ち位置に対応して、串打ちされる材料を載置する材料載置部が複数設けられた
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の串刺し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、鶏肉、野菜等の材料を串打ち(串刺し)する装置に関し、人の手により串打ちした際と同様に串打ちすることができる串刺し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の串刺し装置としては、鉄砲串整列搬送装置(本発明の串供給手段に相当)の搬出部(本発明の供給位置に相当)から供給された鉄砲串を1本ずつ食品の串刺し位置(本発明の押出し位置に相当)まで搬送する串ドラム(本発明の串搬送手段に相当)と、該串ドラムで搬送された鉄砲串を食品に串刺す串刺し手段(本発明の串押出し手段に相当)と、を具備する、特許文献1に例示するような食品成形串刺し装置が知られている(特許文献1の特に段落[0013][0041]~[0047]、
図6、
図7(A)(B)参照)。
【0003】
特許文献1の串刺し装置は、搬出部から串刺し位置まで串ドラムを用いて1本ずつ並べて搬送された鉄砲串を、串刺し位置において串刺し手段に備えた1つのプッシャ(230a)を用いて1本ずつ食品の側へ押出して食品の串打ちを行うものである。
【0004】
しかしながら、このような構成における串打ち作業効率は、串ドラムによる串の搬送速度や、串刺し手段に備えた1つのプッシャのピストン運動(押出しおよび退避動作)の速度に大きく依存するため、その作業効率を高めるには限界があった。
【0005】
なお、串打ち作業効率を高めるために1台の串刺し装置に串刺し手段や串ドラムを複数備えることも考えられる。しかしその場合には、1台の串刺し装置に串刺し手段や串ドラムを複数備えることに起因して搬出部(供給位置)から串刺し位置(押出し位置)までの串搬送経路は、複数の串ドラムに対応して複数設けられるとともに夫々の長さ、すなわち搬送距離が互いに異なるおそれが生じる。
【0006】
そうすると、複数備えた串刺し手段、すなわちプッシャの夫々により、夫々に対応する串刺し位置にある串を同時に押し出すためには、搬送距離が異なる複数の串搬送経路において、夫々の串刺し位置に対して串を供給するタイミングについて同期をとりつつ串を搬送(供給)する必要がある等、工夫を要するが特許文献1には、この点について何ら言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、串打ち作業の効率化を図ることができる串刺し装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、串打ち位置にあるトレーの側へ串を押出し位置から押し出して該トレーに載置された材料に串打ちする串押出し手段と、供給位置に供給された串を上記押出し位置へ搬送する串搬送手段と、を備えた串刺し装置であって、複数の上記押出し位置と、これら押出し位置の夫々に対応する上記串打ち位置を設定するとともに、上記供給位置と複数の上記押出し位置との夫々の間に、上記押出し位置にある串が押し出されるまで串を待機させる待機位置を設定し、上記串搬送手段は、上記供給位置に供給された串を、上記待機位置を経由して上記押出し位置へ搬送する構成とし、上記串搬送手段は、上記串打ち位置に隣接するとともに串打ち方向に直交する方向に沿って少なくとも上記供給位置から上記押出し位置に至るまで延び、且つ串搬送方向に沿って複数の串載置部が等ピッチで配設された串搬送レーンと、該串搬送レーンを上記待機位置から上記押出し位置に向けて上記串載置部の配設ピッチ相当分ずつ搬送する搬送用駆動源と、を備えており、上記串搬送レーンに有する複数の上記串載置部のうち、所定の串載置部の位置を上記押出し位置に設定し、該押出し位置よりも上流側に有する複数の上記串載置部のうち、上記押出し位置に対して1ピッチ上流側から少なくとも1つの上記串載置部の位置を、上記待機位置に設定し、上記串搬送レーンにおける、上記押出し位置と、対応する上記待機位置とを串送り領域に設定するとともに、上記串搬送レーンには、その搬送方向に沿って、上記串送り領域が複数設定されており、上記串搬送レーンにおける、上記供給位置を、最も上流側の上記串送り領域よりも上流側の位置に設定し、上記串搬送レーンにおける、上記供給位置の近傍に、該供給位置にある上記串載置部に対して串を1本ずつ供給する串供給手段を備え、
上記串搬送手段は、上記待機位置から、対応する上記押出し位置への串の搬送を複数の上記押出し位置で同時に行う構成とするとともに、上記串押出し手段は、複数の上記押出し位置から夫々に対応する上記串打ち位置への串の押出しを同時に行う構成としたものである。
【0010】
上記構成によれば、串搬送手段は、上記供給位置に供給された串を、上記待機位置を経由して押出し位置へ搬送するとともに、上記待機位置から上記押出し位置への串の搬送を、複数の押出し位置に対して夫々に対応する待機位置から同時に行うことができる。
【0011】
さらに、上記串押出し手段は、複数の上記押出し位置の夫々に供給された串を、複数の上記押出し位置の夫々に対応する上記串打ち位置へ同時に押し出すことができる。
【0012】
従って、複数の上記押出し位置から夫々に対応する上記串打ち位置へ串を間欠的かつ同時に押し出すことができるため、串打ち作業の効率化を図ることができる。
【0013】
また、上記構成によれば、串搬送手段によって串搬送レーンに備えた複数の串載置部を1ピッチずつ待機位置から押出し位置に向けて搬送することで、串搬送手段は、待機位置から押出し位置への串の送り(繰り出し)を複数の串送り領域でまとめて行うことができる。
【0014】
従って、串打ち作業の効率化をより一層図ることができる。
【0015】
さらに上述したように、上記串搬送レーンは、その搬送方向に沿って串送り領域が複数設定されたものであるため、複数の串送り領域間で串搬送レーンを共有することができる。
【0016】
従って、串打ち作業の効率化を図るにあたり、串搬送レーンを複数の串送り領域に対応して複数別々に備える場合と比してコストや設置スペースの増加を抑制することができる。
【0017】
この発明の態様として、上記押出し手段は、1つの押出し用駆動源の駆動によって同時に押し出される複数の串押出し部を備えたものである。
【0018】
上記構成によれば、串打ち作業の効率化を図るにあたり、複数の串押出し部に対応して押出し用駆動源を複数備える場合と比してコストや設置スペースの増加を抑制することができる。
【0019】
この発明の態様として、上記串搬送手段は、上記串搬送レーンにおける、所定の上記串送り領域の上記串載置部に串が無い場合には、該串載置部に対して、上記所定の串送り領域よりも上流側の上記串送り領域を経由して上記供給位置から串を搬送する構成としたものである。
【0020】
上記構成によれば、上記串供給手段によって供給位置を通過する串載置部に対して串を1本ずつ供給するとともに、上記串搬送手段によって串搬送レーンを串搬送方向下流側へ送ることで、所定の上記串送り領域や、そのさらに上流側の上記串送り領域を含めた複数の串送り領域に対して串を同時に供給(補充)することができ、結果として串打ち作業の効率化をより一層図ることができる。
【0021】
この発明の態様として、上記トレーは、複数の上記串打ち位置に跨る一つの部材で構成されるとともに、複数の上記串打ち位置に対応して、串打ちされる材料を載置する材料載置部が複数設けられたものである。
【0022】
上記構成によれば、上記トレーは、上記押出し位置から上記串打ち位置への串の押出しが同時に行われる数に対応した数の材料載置部を備えた構成とすることができる。
【0023】
これにより、上記押出し手段による、串打ち位置に対して上記トレーの搬入および搬出が自動で行われる構成において、その動作と、複数の串を同時に押出す動作とを行うタイミングを一致させることができるため、結果として串打ち作業の効率化をより一層図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、串打ち作業の効率化を図ることができる串刺し装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態の串刺し装置を前方かつ左斜め上方から視た斜視図。
【
図3】本実施形態の串刺し装置を後方かつ左斜め上方から視た要部拡大斜視図。
【
図6】串搬送路およびトレー搬送路を模式的に示した平面図。
【
図7】串刺し装置本体部およびその周辺の左側面図。
【
図12】
図4中のF-F線に沿った要部矢視断面図。
【
図13】串ホッパーの串均し構造が上昇位置(a)、降下位置(b)の夫々の場合における
図10の要部拡大図。
【
図15】トレー受け止め位置およびトレー押出し位置を平面視で示した、トレー方向転換構造の構成および作用説明図。
【
図16】トレーおよび材料押さえ部材を、上方から視た斜視図(a)および下方から視た斜視図(b)。
【
図17】トレーおよび材料押さえ部材を、装置左右方向の中央において装置前後方向に沿って切断した斜視断面図(a)、装置前後方向の中央において装置左右方向に沿って切断した縦断面図(b)。
【
図18】材料押さえ部材を下方から視た斜視図(a)、トレーを上方から視た斜視図(b)。
【
図19】他の実施形態の材料押さえ部材を下方から視た斜視図(a)、他の実施形態のトレーを上方から視た斜視図(b)。
【
図20】さらに他の実施形態の材料押さえ部材を下方から視た斜視図(a)、さらに他の実施形態のトレーを上方から視た斜視図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
【0027】
[串刺し装置全体構造]
図1に示すように、本実施形態の串刺し装置1は、串刺し装置本体部10および串ホッパー40と、トレー搬送構造20と、トレー排出構造30と、を備え、夫々架台91,92,93によって支持された状態で工場等に設置される。
なお、
図1中の符号2は、串刺し装置1の各種操作を行う操作ボックス(
図1のみ図示)であり、串刺し装置本体部10および串ホッパー40を支持する架台91の上面91auから立設された支柱2aによって支持されている。この操作ボックス2の内部には、装置全体を制御するマイコン等により構成される制御部(図示省略)が配置されている。また、
図2~
図5、
図7において串刺し装置本体部10を覆う筐体3(
図1参照)の図示は省略するものとする。
【0028】
串刺し装置本体部10を支持する架台91の上面91auには、串ホッパー40により串Sを1本ずつ供給される供給位置Pa(
図5、
図6、
図10、
図11、
図13(a)(b)参照)と、トレー100に載置した材料F(食材)(
図5参照)に串打ちする串打ち位置Pd(
図2、
図5、
図6、
図8参照)と、串打ち位置Pdへ向けて串Sを押し出す串押出し位置Pc(
図5、
図6、
図8、
図10~
図12、
図14参照)と、串打ち後の材料Fが載置されたトレー100をトレー排出構造30の側へ押し出すトレー押出し位置Pe(
図2、
図4、
図5、
図7、
図12、
図15参照)と、が設定されている。
【0029】
串刺し装置本体部10は、供給位置Paから串押出し位置Pcへ串Sを搬送する串搬送コンベア11(
図4、
図5、
図10、
図11参照)と、串押出し位置Pcに有する串Sを串打ち位置Pdへ押し出す串押出し部12(
図5、
図8、
図9、
図14参照)と、串打ち位置Pdにおいて、トレー100に載置された材料Fを押さえる材料押さえ部13(
図2、
図8、
図12参照)と、材料Fに串打ち(串刺し)する串Sをガイドする串押さえ部14(
図8参照)と、串打ちが完了した材料F、すなわち串刺し物としての焼き鳥を載置したトレー100をトレー排出構造30の側へと押し出すトレー押出し部15(
図5、
図7、
図10参照)と、を備えている。
これら串搬送コンベア11と串押出し部12と材料押さえ部13と串押さえ部14とトレー押出し部15の構成については後述する。
なお、以下の説明において図中、矢印Fは装置前方、矢印Uは装置上方、矢印Rは装置右方、矢印Lは装置左方を夫々示すものとする。
【0030】
[トレー搬送構造]
図1、
図2に示すように、トレー搬送構造20は、串刺し装置本体部10に対して右側から該串刺し装置本体部10に有するトレー押出し位置Peまで直線状に延びるトレー搬送路としてのトレー搬送レーン21と、トレー搬送レーン21に有するトレー100を搬送可能に駆動するトレー駆動構造24,25とを備えている。
【0031】
図1に示すように、トレー搬送レーン21は、串刺し装置本体部10を支持する左側(装置左右方向の左側)の架台91と、該架台91に対して右側に連設された右側の架台92とに跨って直線状に延びている。トレー搬送レーン21は、その長手方向に連続して形成されずに右側の架台92に支持される上流側トレー搬送レーン22と、左側の架台91に支持される下流側トレー搬送レーン23とに分断して形成されている。
【0032】
上流側トレー搬送レーン22は、無端ベルトによって形成され、上流側トレー搬送レーン22を支持する右側の架台92には、上流側トレー搬送レーン22用の駆動構造24として、架台の長手方向(左右方向)の両端に配設された一対のプーリー(図示省略)と、一対のプーリーのうち、主動プーリー(図示省略)を回転駆動する駆動源としてのモータ242とを備えている。すなわち、上流側のトレー搬送構造20は、モータ242の駆動力を、主動プーリーを介して上流側トレー搬送レーン22に伝達されることで上流側トレー搬送レーン22に載置されたトレー100を串刺し装置本体部10の側に向けて搬送するコンベアによって構成されている。
【0033】
図2、
図4、
図5に示すように、下流側トレー搬送レーン23は、串刺し装置本体部10を支持する架台91に備えた天板91aの上面91auの一部を成し、ガイドレール23aに沿って延びる平滑面で形成されている。
【0034】
具体的には、下流側トレー搬送レーン23は、天板の上面91auの前部における右端から、左隅に有するトレー押出し位置Peまでトレー100を案内可能に直線状に形成され、トレー押出し位置Peに対して右側で隣接する串打ち位置Pdを通過するように延びている。
【0035】
図12に示すように、架台91における下流側トレー搬送レーン23の下方には、下流側トレー搬送レーン23に載置されたトレー100を串打ち位置Pdの側へ搬送用の駆動構造25として、駆動源としてのモータ251と、駆動伝達手段253を介して装置左右方向にスライドする係止爪252(
図2、
図4、
図12参照)と、を備えている。
【0036】
図2、
図4に示すように、下流側トレー搬送レーン23の幅方向(装置前後方向)の中央部には、架台91に備えた天板91aを上下方向(厚み方向)に貫通する貫通溝23hが該下流側トレー搬送レーン23の長手方向(装置左右方向)に沿って形成されている。
【0037】
係止爪252は、先端(上端)が貫通溝23hを介して下流側トレー搬送レーン23(天板91aの上面91au)よりも上方に向けて突出するように略全体が下流側トレー搬送レーン23(天板91a)よりも下方に備えている。さらに係止爪252は、モータ251の駆動によって、貫通溝23hに沿って、すなわち下流側トレー搬送レーン23に沿ってスライド可能に構成されている。
【0038】
一方
図12、
図16(a)(b)、
図17(b)、
図18(b)に示すように、トレー100は、下流側トレー搬送レーン23に載置された状態において、左端の装置前後方向の中央位置には、トレー100の左面および下面に対して凹状の逃げ部108が形成されている。
【0039】
そして
図12に示すように、係止爪252は、下流側トレー搬送レーン23における該係止爪252の上方に載置されたトレー100の逃げ部108に先端が入り込み、該トレー100の一つ下流側のトレー100の右面を係止可能に配置される。
【0040】
上記構成により、上流側トレー搬送レーン22に沿って一列に並べられた複数のトレー100は、上流側トレー搬送レーン22用のモータ242の駆動によって下流側トレー搬送レーン23の側へと順に搬送される。その過程で複数のトレー100に対して材料Fが順に載置されていく。
【0041】
さらに、上流側トレー搬送レーン22の上記搬送が継続されると、下流側トレー搬送レーン23には、上流側トレー搬送レーン22に有する複数のトレー100が、最も下流側のトレー100から順に該上流側トレー搬送レーン22の下流側から押し出されるように供給される。
【0042】
そして上流側トレー搬送レーン22から供給された、材料F(
図5参照)が載置されたトレー100は、下流側トレー搬送レーン23において、係止爪252によって係止された状態で下流側トレー搬送レーン23の下流側に有する串打ち位置Pdまで順に搬送される。
なお、
図1、
図8、
図12においてはトレー100に載置された材料Fの図示を省略している。
【0043】
[串ホッパー]
図1~
図5に示すように、串ホッパー40は、架台91における、串刺し装置本体部10に対して右側に隣接して設けられており、
図2に示すように、複数の串Sを収容する串収容容器41(
図2~
図5参照)と、
図13(a)に示すように、串収容容器41の最下部41dと供給位置Paとを繋ぐ串供給路42とを備えている。
【0044】
図2~
図5、
図10、
図11に示すように、串収容容器41は、装置左右方向に互いに離間した位置から装置前後方向に延びる右壁411および左壁412と、これら右壁411および左壁412を装置左右方向に連結するように延びる前壁413および後壁414と、これら壁411,412,413,414によって囲まれる空間(串収容空間)41sを下方から塞ぐように配された底板415とを有して内部に複数の串Sを積層した状態で収容可能な有底箱型形状に形成されている。
【0045】
串収容容器41の上部には、同一方向を向く倒位の姿勢(当例では先端が装置前方を向く姿勢)で串Sを串収容空間41sに投入される串投入口41iが開口形成されている。
【0046】
図10、
図11、
図13(a)(b)に示すように、底板415は、右壁411から左壁412に向けて徐々に降下するように傾斜状に形成されている。これにより串収容容器41の下部は角錐状に構成され、さらに左壁412と底板415とのコーナー部には串収容空間41sの最下部41d(
図13(a)(b)参照)が構成される。
【0047】
底板415は、装置左右方向において、串収容容器41の左壁412の位置からさらに供給位置Pa側まで直線状に延設されている。これにより、底板415の上面は、串収容容器41の底面と串供給路42の底面とを形成するように、串収容容器41から串供給路42に亘って連続する傾斜面で形成されている。
【0048】
図2、
図13(a)(b)に示すように、前壁413および後壁414は、底板415と同様に左壁412の位置からさらに供給位置Pa手前まで装置左側に直線状に延設されており、これら前壁413、後壁414、および底板415の各延設部分413a(
図2参照),414a,415a(
図13(a)(b)参照)と、上壁42u(同図参照)によって串供給路42が形成されている。串供給路42は、その左下端が供給位置Paに対して上方かつ右側手前に位置するまで直線状に延設されている。
【0049】
図13(a)(b)に示すように、左壁412は、串刺し装置本体部10の側寄りの位置で上述したように縦壁状に延びており、その下端412dが、下方に位置する底板415の上面に対して上方に離間するように配されている。
【0050】
具体的には、左壁412の下端412dと、該下端412dに対して下方に離間した位置に有する底板415の上面との間には、串収容空間41sから串供給路42へ串Sを導入可能とする串導入口43が形成されている。
【0051】
串導入口43は、串収容空間41sと串供給路42とを連通し、串Sの1本分の径よりも若干広い上下方向の間隔、すなわち串収容空間41sの最下部41dから串供給路42へ串Sを1本ずつ通過可能な間隔を有している。
【0052】
これにより、串収容空間41sにおいて最下部41dに有する串Sは、積層された状態で串導入口43から串供給路42の側へ導入される一方で、最下部41dに有する串Sに積層された串S(すなわち最下部41dの直上に有する串S)は、串導入口43の上縁に相当する、左壁412の下端412dに当接することによって、串供給路42を通じて供給位置Paへ進むことが規制される。
【0053】
さらに
図4、
図7、
図10、
図13(a)(b)に示すように、本実施形態の串ホッパー40は、串収容空間41sにおける最下部41dおよびその近傍に有する串S、すなわち串導入口43へ導入直前の串Sを均す串均し構造44と、串均し構造44によって串Sを均す間、供給位置Paへの串Sの供給を串供給路42において規制する串規制部材46とを備えている。
【0054】
図13(a)(b)に示すように、串均し構造44は、串収容空間41sにおける最下部41dおよびその近傍に有する串Sを押さえ付ける串押さえ付け部材441と、串押さえ付け部材441を下方へ付勢するコイルバネ442と、串押さえ付け部材441をコイルバネ442を介して支持する支持ブロック443とを備えている。
【0055】
ここで左壁412は、その装置前後方向の前後各側に分断して形成され(
図2~
図5参照)、左壁412の装置前後方向の中央部(分断された左壁412の前後各側を構成する一対の左壁構成部412A,412Aの間)には
図2、
図13(a)(b)に示すように、左壁412の上下方向全体に亘って串均し構造配置空間412sが形成されている。串均し構造配置空間412sによって、串収容空間41sは、串刺し装置本体部10側に向けて開口されている。
【0056】
図13(a)(b)に示すように、串均し構造配置空間412sは、串供給路42の串導入口43の直上に有し、串均し構造配置空間412sにおいて、支持ブロック443とコイルバネ442と串押さえ付け部材441は、上方から下方へこの順に配設されている。すなわち、串押さえ付け部材441は串均し構造配置空間412sにおいて、上下方向に伸縮するコイルバネ442を介して支持ブロック443に連結されている。
【0057】
串均し構造44のうち、支持ブロック443と串押さえ付け部材441は、夫々の右面が共に左右一対の左壁構成部412A,412Aの右面と略面一になるように配設されている。
【0058】
但し、串押さえ付け部材441の下部には、串収容空間41sに向けて(装置右方向へ)突出する突出部45が形成されている。この突出部45の下面は串押さえ付け部材441の下面441dの一部を形成する。これにより、串押さえ付け部材441は、串導入口43の上方に配された状態において、下面441dが串収容空間41sの最下部41dと串供給路42との双方を臨むように、これら最下部41dと串供給路42とに亘って配設されている。
【0059】
串押さえ付け部材441の下面441dは、平坦に形成されるとともに、右端(串収容空間41sの側)から装置左方向(供給位置Paの側)に向けて徐々に降下するように底板415の上面と同じ傾斜角度で傾斜して形成されている。
【0060】
また
図13(a)に示すように、串均し構造44は、串刺し装置本体部10に有する後述する上下可動板58(例えば
図2参照)の側から串ホッパー40に向けて延びる連結アーム64の右端に、串均し構造44の支持ブロック443が、串規制部材46を介して締結等により一体的に結合されている。これにより串均し構造44および串規制部材46は、上下可動板58が後述するとおり定常位置から降下するに伴って降下する。
【0061】
具体的には
図13(a)に示すように、上下可動板58が定常位置に有するとき、串押さえ付け部材441は、その下面441dにおける、串導入口43の直上部分が一対の左壁構成部412A,412Aの下端412dと同等の高さ、又は、より上方に配される。串押さえ付け部材441が、この位置(非押さえ付け位置)に有するとき、該串押さえ付け部材441による、下方に有する串Sの押さえ付けが解除される。
【0062】
一方
図13(b)に示すように、上下可動板58が降下位置に有するとき、串押さえ付け部材441は、その下面441dにおける串導入口43の直上部分が一対の左壁構成部412A,412Aの下端412dより下方に配される。換言すると、降下位置に有する串押さえ付け部材441は、下方に串Sが無い場合には、該串押さえ付け部材441の下面441dと、底板415の上面との上下方向の間隔が串Sの径と同等又はより小さくなるまで降下する。
【0063】
図13(b)に示すように、降下位置に有する串押さえ付け部材441は、下方に串Sがある場合には、該串押さえ付け部材441の下面441dが、その下方に有する串Sに対して上方から当接し、その反力によってコイルバネ442を圧縮させる。
【0064】
これにより、串押さえ付け部材441が降下位置に有する時は、コイルバネ442の付勢力を利用して串導入口43から串供給路42に導入されようとする串Sを底板415の側へ押さえ付けることができる。
【0065】
従って、底板415の上面に対して浮き上がった串Sを均し、最下部41dに有する串Sが串導入口43において詰まることなく、串導入口43から1本ずつ適切に串供給路42に導入することができる。
【0066】
特に串押さえ付け部材441の下部は上述したように、串収容空間41sに向けて突出する突出部45が形成されている。これにより、串押さえ付け部材441によって串導入口43から最下部41dにかけて串Sを隙間なく押さえ付けて均すことができ、結果として串導入口43における串Sの詰まりを確実に防ぐことができる。
【0067】
さらに、串押さえ付け部材441の下部に形成された上記突出部45は、串押さえ付け部材441が降下位置から定常位置まで上昇時に串収容空間41sにおける串導入口43の近傍で積層する串Sを掻き上げ可能に形成されている。
【0068】
すなわち、串刺し装置本体部10の側に有する上下可動板58は、後述するように定常位置と降下位置との間において上下動(昇降)を繰り返す。これに伴って串押さえ付け部材441が上昇する度に、該串押さえ付け部材441に備えた突出部45によって、串収容空間41sに積層され、串導入口43の側へ押し寄せようとする串Sを掻き上げることができる。
【0069】
従って、串押さえ付け部材441は、突出部45により降下時に串Sを押さえ付けてさらに均し易くなり、結果として串Sによる串導入口43の詰まり防止降下を高めることができる。
【0070】
本実施形態においては
図13(a)(b)に示すように、突出部45の上面45aは、突出方向(装置左右方向)に沿った縦断面視において突出方向の先端と基端とに対して中間部が下方へ凹むように孤状に形成されている。
【0071】
これにより、串押さえ付け部材441が上昇時に、突出部45の直上に有する串Sを該突出部45の凹状の上面に留める(すなわち積層する)ことができるため、突出部45による串Sの掻き上げ効果を高めることができる。
【0072】
また
図13(a)(b)に示すように、串規制部材46は、串均し構造配置空間412sに有する串均し構造44に対して串刺し装置本体部10の側、換言すると供給位置Paの側に隣接して配置されている。
【0073】
串規制部材46は、上下方向および装置前後方向に延びる板状に形成されており(
図7参照)、
図13(a)(b)に示すように、該串規制部材46の上部は、連結アーム64の右端にボルト等により一体に結合されている。これにより、串規制部材46は、串刺し装置本体部10側に有する上下可動板58が上下動するに伴って一体に上下動する。
【0074】
串規制部材46の下部は、下方に向けて突状に形成されており、該突状の下部は、下方程右面が左面側に徐々に近接するように傾斜して形成されている。
【0075】
串規制部材46は、定常位置に有するとき、該串規制部材46の下端46dと、該下端46dの直下に有する底板415の上面との上下方向の間隔が串Sの径よりも大きくなるように配される。すなわち、串規制部材46は、
図13(a)に示すように、串均し構造44に備えた串押さえ付け部材441と同様に定常位置に有するとき、串供給路42に有する串Sが供給位置Paの側へ移動することを規制しない。
【0076】
串規制部材46は
図13(b)に示すように、降下位置に有するとき、該串規制部材46の下端46dと、該下端46dの直下に有する底板415の上面との上下方向の間隔が串Sの径と同等又はより小さくなるように配される。すなわち、串規制部材46は、降下位置に有するとき、串供給路42を途中で分断するように降下し、串供給路42における、降下した串規制部材46よりも串導入口43側に有する串Sが供給位置Pa側へ移動することを規制する。
【0077】
上記構成によれば、串規制部材46は、串押さえ付け部材441によって串Sを押さえ付け時に、例えば、串供給路42に有する串Sが供給位置Paの側へ強制的に押し出されようとした場合においても、該串Sが串供給路42に沿って供給位置Paの側へ移動することを規制する。これにより、複数本の串Sが、串供給路42を通じて供給位置Paの側へ、すなわち串搬送コンベア11の側へまとめて押し出されることを防ぐことができる。
【0078】
[串刺し装置本体部に備えた串搬送コンベア]
図5、
図7、
図10、
図11に示すように、串搬送コンベア11は、該串搬送コンベア11の左右両端および途中部に配設される複数のプーリー111(
図10、
図11参照)と、プーリー111に架け渡される無端状の串搬送ベルト112と、複数のプーリー111のうち、串搬送コンベア11の左端に備えた主動プーリー111aを駆動する駆動用のモータ113(同図参照)と、駆動用のモータ113から主動プーリー111aに駆動力を伝達する駆動伝達ベルト114(
図7、
図11参照)と、を備えている。
【0079】
串搬送コンベア11は、装置左右方向に延びる串搬送ベルト112の上面に沿って串搬送路11Rが形成されている。
【0080】
串搬送路11Rを形成する串搬送ベルト112の上面は、串ホッパー40と串刺し装置本体部10とに跨って装置左右方向に連続して延びており、串ホッパー40から串刺し装置本体部10へ移動するように形成している。
【0081】
なお
図10、
図11に示すように、串搬送路11Rは、主に串ホッパー40の下方に位置する上流側串搬送路11Ruと、主に串刺し装置本体部10の下方に位置する下流側串搬送路11Rdとに区分けされている。そして、上流側串搬送路11Ruは、下流側串搬送路11Rdとの区分け部分において、該下流側串搬送路11Rdに対して方向転換されている。具体的には、上流側串搬送路11Ruは、下流側に向けて位置が高くなるように傾斜して延び、下流側串搬送路11Rdは、架台91の上面91auと略同じ高さで略水平に延びるように方向転換している。
【0082】
また、串搬送ベルト112の外周面には、複数の串載置凹部115が、周方向に沿って等ピッチで配設されている。これら複数の串載置凹部115の夫々は、串搬送ベルト112の幅方向(装置前後方向)の全長に亘って溝状に形成されており、先端が装置前方向を向く姿勢で串Sが1本ずつ嵌め込まれた状態で載置される。
【0083】
図5に示すように、串搬送路11Rは、少なくとも供給位置Paから串押出し位置Pcにかけて延びており、串搬送路11Rにおける、供給位置Paと串押出し位置Pcとの間には、串押出し位置Pcに有する串Sが押し出されるまで串Sを待機させる待機位置Pbが設定されている。すなわち、串搬送コンベア11は、供給位置Paに供給された串Sを、待機位置Pbを経由して串押出し位置Pcへ搬送する構成としている。
【0084】
さらに
図5、
図14示すように、串搬送路11Rには、串押出し位置Pcが複数(当例では3つ)設定されており、これに対応して複数の串押出し位置Pcごとに少なくとも1つ(当例では3つ)の待機位置Pbが設定されている。
【0085】
そして、上述した供給位置Pa、串押出し位置Pcおよび待機位置Pbの夫々は、串搬送路11R上に配設されている複数の串載置凹部115の配設位置のうち、いずれかと一致する位置に設定されている。
【0086】
本実施形態においては、供給位置Paは、上流側串搬送路11Ruに有する複数の串載置凹部115の配設位置のうち、所定の串載置凹部115の配設位置に設定されるとともに、串押出し位置Pcおよび待機位置Pbは、下流側串搬送路11Rdに有する複数の串載置凹部115の配設位置のうち、所定の串載置凹部115の配設位置に設定されている。
【0087】
具体的には
図6に示すように、串搬送路11Rの下流側に有する所定の串載置凹部115の位置を、下流側串押出し位置Pcdに設定し、その下流側串押出し位置Pcdから3ピッチ分上流側に有する串載置凹部115の位置を、上流側から下流側へ順に下流側第1待機位置Pbd1、下流側第2待機位置Pbd2、下流側第3待機位置Pbd3に設定している。串搬送路11Rにおいて、これら下流側串押出し位置Pcdと、下流側第1~第3待機位置Pbd1,Pbd2,Pbd3とが属する領域を、下流側串送り領域Zdに設定する。
【0088】
さらに、下流側串送り領域Zdの最も上流側の串載置凹部115の位置に有する下流側第1待機位置Pbd1から1ピッチ上流側の串載置凹部115の位置を、中間串押出し位置Pcmに設定し、その中間串押出し位置Pcmから3ピッチ分上流側に有する串載置凹部115の位置を、上流側から下流側へ順に中間第1待機位置Pbm1、中間第2待機位置Pbm2、中間第3待機位置Pbm3に設定している。これら中間串押出し位置Pcmと、中間第1~第3待機位置Pbm1,Pbm2,Pbm3とが属する領域を、中間串送り領域Zmに設定する。
【0089】
さらにまた、中間串送り領域Zmの最も上流側の串載置凹部115の位置に有する中間第1待機位置Pbm1から1ピッチ上流側の串載置凹部115の位置を、上流側串押出し位置Pcuに設定し、その上流側串押出し位置Pcuから3ピッチ分上流側に有する串載置凹部115の位置を、上流側か下流側へ順に上流側第1待機位置Pbu1、上流側第2待機位置Pbu2、上流側第3待機位置Pbu3に設定している。これら上流側串押出し位置Pcuと、上流側第1~第3待機位置Pbu1,Pbu2,Pbu3とが属する領域を、上流側串送り領域Zuに設定する。
【0090】
このように串搬送路11Rには、串押出し位置Pcと、これに対応する、少なくとも1つ(当例では3つ)の待機位置Pbとを組み合わせて成る串送り領域Zd,Zm,Zuが、該串搬送路11Rに沿って互いに隙間なく設定されている。
【0091】
供給位置Paは、上流側串送り領域Zuよりもさらに上流側に有する所定の串載置凹部115の配設位置に設定されており、該供給位置Paを串載置凹部115が通過する度に、該串載置凹部115に対して串Sが1本ずつ串ホッパー40の串供給路42から供給される(
図13(a)参照)。
【0092】
また、串搬送コンベア11は、串載置凹部115を1ピッチごと下流側へ送る、或いは複数ピッチ分に亘って連続して(例えば略一定速度で)下流側へ送るなど、様々な搬送形態のうち、少なくとも1つの搬送形態で串搬送ベルト112を移動させることができる。
【0093】
串搬送ベルト112の移動速度、移動距離(移動ピッチ)、或いは移動のタイミング等に関する制御は、例えばシーケンス制御等に基づいて予め定められたコンピュータ制御(マイコン制御)によって自動的に行われる。
【0094】
上述により、串搬送コンベア11は、複数の串送り領域Zd,Zm,Zuの待機位置Pbに有する串載置凹部115に串Sを載置させておけば、例えば、串搬送ベルト112を、複数の串載置凹部115の配設ピッチに相当する1ピッチ分だけ下流側へ送ることで、待機位置Pbから対応する串押出し位置Pcへ、複数の上記串押出し位置Pcd,Pcm,Pcu、すなわち複数の串送り領域Zd,Zm,Zuにおいて串Sを同時に供給する構成としている。
【0095】
[串刺し装置本体部の各部の構造]
図5、
図14に示すように、串押出し部12は、3つの串押出し位置Pcの夫々に対して、串搬送路11Rの後背側に3つ備えており、夫々串押出し位置Pcに有する串載置凹部115に載置された串Sの基端面を、装置前方へ押し出し可能に該基端面に向けて後背側から突出形成されている(
図5、
図8参照)。3つの串押出し部12は、いずれも串押出し部材121の一部として形成されている。
【0096】
また
図5、
図7、
図9~
図12に示すように、トレー押出し部15は、トレー押出し位置Peの後背側に備えており、トレー押出し位置Peに有するトレー100に向けて該トレー押出し位置Peの後背側から装置前方へ突出形成されている。トレー押出し部15は、トレー押出し部材151に取付けられている(
図9、
図10参照)。
【0097】
図8、
図14に示すように、串押出し部材121、並びにトレー押出し部材151は、共に装置前方へ移動可能に構成された押出し部材ブラケット16(
図9~
図11参照)と一体に結合されている。
【0098】
これにより、串押出し部12とトレー押出し部15とは、共に退避位置と突出し位置との間で装置前後方向に一体にスライド可能に構成している。特に、3つの串押出し部12は、夫々に対応する串押出し位置Pcに有する串Sを同時に前方へ押し出し可能に構成している。
【0099】
また
図12に示すように、材料押さえ部13は、トレー搬送レーン21における、3つの串打ち位置Pdの上方に備えており、これら串打ち位置Pdに跨って形成されている。
【0100】
図5、
図8に示すように、串押出し位置Pcと串打ち位置Pdの間の位置には、串ガイド部141が設置され、該串ガイド部141の上方には
図8に示すように、串押さえ部14を備えている。串押さえ部14は、コイルバネ142を介して上下可動板58の下面に取付け固定された串押さえ部材支持板14aに連結されている。
【0101】
図5に示すように、串ガイド部141の上面には、3つの串押出し位置Pcから夫々に対応する串打ち位置Pdへ押し出される串Sをガイドするガイド溝141aが、3つの串押出し位置Pcの夫々に対応して上面から凹状に形成されている。串押さえ部14は、上方に開口するガイド溝141aを上方から塞ぐように降下する。このとき、串押さえ部14は、下面が串ガイド部141の上面に当接することでコイルバネ142が圧縮し、このコイルバネ142の復元力を利用して串ガイド部141の側へ付勢される。
【0102】
これにより、串ガイド部141と、降下した串押さえ部14との両者により、串Sをしっかりとガイドした状態でトレー100に載置された材料Fに対して突き刺すことができる。
【0103】
材料押さえ部13と串押さえ部14とは、共に定常位置と降下位置との間で上下方向に一体にスライド可能に構成している。
【0104】
本実施形態の串刺し装置本体部10は、串押出し部12とトレー押出し部15との装置前後方向の上記スライド動作と、材料押さえ部13と串ガイド部141と、上述した串規制部材46および串均し構造44との上下方向の上記スライド動作とを、1つのモータ51の駆動によって互いに連動させて行っている。
【0105】
具体的には
図1に示すように、串刺し装置本体部10は、下部を除く外周(上側、前側、後側、右側、左側)が筐体3(カバー)によって覆われている。この筐体3のうち、串刺し装置本体部10の上側を覆う天板3uは、
図2、
図3、
図5、
図7~
図12の特に
図8、
図10に示すように、架台91の天板3uの上面91auにおける、串刺し装置本体部10の平面視で4隅に相当する部位から立設された柱状の支軸69によって支持されている。
【0106】
図12に示すように、筐体3の天板3uの下面には、駆動源としてのモータ51と、駆動伝達部材52と、前後可動軸53と、前後可動板54と、前後方向ガイド軸55とを備えている。
【0107】
モータ51と駆動伝達部材52とは、共に角柱状に構成され、互に並列配置した状態で一体に構成されている。
【0108】
駆動伝達部材52は、モータ51の駆動力を前後可動軸53に伝達することで、該駆動伝達部材52の一端側(装置前後方向の後端側)から前後可動軸53が突出(伸長)又は該駆動伝達部材52の内部へ退避(収容)可能に構成している。
【0109】
図2~
図4、
図7~
図12に示すように、駆動伝達部材52は、他端側部分(装置前後方向の前側部分)が天板3uの前端から前方へ突き出す態様で、一端側部分(後側部分)を天板3uの下面における、装置左右方向の中央部に、ブラケット56を介して一体に取り付け支持されている。
【0110】
これにより、装置前後方向に延びる前後可動軸53は、先端(後端)が天板3uの下方において、該天板3uの前側部位と後側部位との間をスライド可能に構成している。
【0111】
前後可動軸53の後端には、前後可動板54が一体に取付けられている。前後可動板54は、前後可動軸53の後端との取り付け位置から左右各側に延びるとともに装置前後方向に厚みを有する板状の部材であり、前後可動軸53に対して平面視で垂直に取り付けられている。これにより、前後可動軸53と前後可動板54とは、平面視でT字形状を成すように一体化されている(
図4参照)。
【0112】
前後可動軸53に対して左右各側には、装置前後方向に延びる一対の前後方向ガイド軸55が、共に前後可動軸53と平行に配設されている。
【0113】
一対の前後方向ガイド軸55は、筐体3の天板3uの下面にガイド支持ブラケット57を介して一体に取付け支持されている。
【0114】
前後可動板54は、一対の前後方向ガイド軸55の配設位置よりも左右各側へ延びており、左右夫々において、対応する前後方向ガイド軸55が挿通されるとともに取付け固定された軸受け部54aを介して前後方向ガイド軸55に軸支されている。これにより、前後可動板54は、前後可動軸53と一体に装置前後方向にスライドする際に、一対の前後方向ガイド軸55によってガイドされる(
図2、
図4参照)。
【0115】
図8~
図11に示すように、前後可動板54の装置左右方向の中央かつ下部には、該前後可動板54から垂下する板状の押出し部材ブラケット16が取り付けられている。押出し部材ブラケット16は、前後可動軸53を最も後方まで伸長した状態において、串搬送路11R、すなわちトレー押出し位置Peおよび串押出し位置Pcよりも後方に配される。
【0116】
押出し部材ブラケット16の下部には、串押出し部材121およびトレー押出し部材151が一体に取付けられている。
【0117】
そして、串押出し部材121には、複数(当例では3つ)の串押出し位置Pcの夫々に対応する串押出し部12が、夫々に対応する串押出し位置Pcに向けて前方へ突出形成している。
【0118】
トレー押出し部材151には、トレー押出し位置Peに対応するトレー押出し部15が設けられ、トレー押出し部15は、トレー押出し位置Peへ向けて前方へ突出形成している。
【0119】
上述した構成により、3つの串押出し部12およびトレー押出し部15は上述したように、モータ51の駆動によって同時に、前後方向へ移動可能に構成している。
【0120】
また
図2~
図4、
図7~
図12に示すように、架台91の天板91aとカバーの天板3uとの上下方向の間には、上下可動板58が設けられている。
【0121】
上下可動板58は、その平面視で4隅において、夫々に対応する支軸69に軸受け部材59を介して上下方向にスライド可能に軸支されている。複数の支軸69の夫々には、上下可動板58と架台91の天板91aとの間に介在するコイルバネ50を、該支軸69と同軸に備えている。これらコイルバネ50によって上下可動板58を上方へ付勢している。
【0122】
図2~
図4、
図7、
図8に示すように、上下可動板58の前方には、材料押さえ部材110を下方から着脱可能に取り付ける押さえ部材取付け部材60が配設されている。この押さえ部材取付け部材60は、トレー搬送レーン21に沿って設定された3つの串打ち位置Pdの直上に配設されている。押さえ部材取付け部材60は、上下可動板58から前方へ延びる押さえ部材支持板61を介して上下可動板58に一体に取り付けられている。
【0123】
また
図8に示すように、上下可動板58の前部における装置左右方向の中央には、下面から串押さえ部材支持板14aが取り付けられており、該串押さえ部材支持板14aには、コイルバネ142を介して串押さえ部14が取り付けられている。
【0124】
また
図2、
図3、
図10、
図11に示すように、上下可動板58の上面91auの右端には、連結アーム取り付け部材63が立設されている。連結アーム取り付け部材63の上端には、連結アーム64が串ホッパー40に向けて延びるように取り付けられている。
【0125】
これにより、串ホッパー40に備えた串均し構造44および串規制部材46は、連結アーム64および連結アーム取り付け部材63を介して上下可動板58に一体に取り付けられている。
【0126】
図2~
図4、
図7、
図9~
図12に示すように、上下可動板58の上面における左右各側には、カム板65が取り付けられている。
カム板65は長尺状の平板部材であって、長手方向が前後方向に平行となるとともに左右方向に厚みを有する姿勢で上下可動板58の上面に立設されている。
図4、
図7に示すように、カム板65の前後方向に延びる上面にはガイド面66が形成され、ガイド面66の前部66aと後部66bとは共に、装置前後方向に沿って水平に形成されているが、
図7に示すように、ガイド面66の前部66aには、ガイド面66の後部66bよりも高い位置に形成されている。
【0127】
さらにガイド面66の前部66aと後部66bとの間には、ガイド面66の前部66aから後部66bに向けて徐々に低くなるように傾斜する傾斜面66cが形成されている。
【0128】
図4、
図7に示すように、前後可動板54の左右両端には、コロ支持部材67が下方に突出するように取り付けられており、コロ支持部材67の下部には、カム板65のガイド面66に当接するコロ68が左右方向に沿って延びる軸回りに回転自在に軸支されている。
【0129】
上述により、前後可動板54が前方へスライドするに伴ってコロ68はガイド面66を転がりながら前方へ進むが、ガイド面66の傾斜面66cおよび前部66aを転がる際に、カム板65が一体に取り付けられた上下可動板58は、コロ68から下方へ押圧されることでコイルバネ50の付勢力に抗して降下する。
【0130】
上述により、材料押さえ部13、串押さえ部14、串均し構造44および串規制部材46は、モータ51の駆動によって、前後方向の動作と連動して上述したように上下方向へ移動可能に構成している。
【0131】
[トレー排出構造]
図1~
図3に示すように、トレー排出構造30は、左側から右側へ向けて徐々に降下するように配設された複数のローラー31を備えている。複数のローラー31は夫々、トレー排出構造30の支持用の架台93の上部に、前後方向に沿って延びる軸回りに回転自在に軸支されている。これにより
図2、
図3に示すように、トレー排出構造30には、複数のローラー31に沿ってトレー100を左側から右側へ排出するトレー排出路31Rが構成されている。
【0132】
トレー排出路31Rにおける、トレー押出し位置Peの前方位置を、該トレー押出し位置Peから押し出されたトレー100を受け止めるトレー受け止め位置Pfに設定する。トレー受け止め位置Pfは、トレー押出し位置Peよりも低い位置に設定されている(
図2、
図3参照)。
【0133】
図1~
図3、
図7、
図15に示すように、トレー排出構造30の左側(すなわちトレー排出路31Rのトレー受け止め位置Pfおよび、その左側)には、トレー方向転換構造35を備えている。
【0134】
図2、
図3、
図5、
図7、
図15に示すように、トレー方向転換構造35は、トレー100がトレー押出し位置Peからトレー受け止め位置Pfの側へ押し出される過程において、平面視で反時計回りに180度方向転換するものであって、トレー排出構造30の左端に設けられたバー取付け部36と、バー取付け部36に取り付けられ、バー取付け部36からトレー受け止め位置Pfに向けて直線状かつ片持ち状に突出する複数(当例では2本)の方向転換バー37a,37bと、を備えている。
【0135】
バー取付け部36は、2本の方向転換バー37a,37bの夫々のトレー受け止め位置Pfへの突出方向、突出長さ、および、取り付け位置を調整する調整機能を備えている。
【0136】
具体的には
図15に示すように、2本の方向転換バー37a,37bのうち、後方に位置する第1方向転換バー37aは、前方に位置する第2方向転換バー37bよりもトレー受け止め位置Pfへの突出長さが短くなるように設定されている。
【0137】
さらに、第1方向転換バー37aは、装置左右方向に対して先端(右端)が若干前方を向く方向に突出するとともに、第2方向転換バー37bは、装置左右方向に対して先端(右端)が若干後方を向く方向に突出するように設定されている。
【0138】
上述したトレー方向転換構造35を用いたトレー100の方向転換方法について
図15を用いて説明する。
ここで、
図15中破線で示したトレー100のように、トレー100は、トレー押出し位置Peに有する状態において、該トレー100の後方に位置する後壁面から、材料Fに突き刺した串Sの基部が後方へ突出している。このため、トレー100における後壁面を串突出側壁面100aに設定する。
【0139】
さらに、トレー100は、トレー押出し位置Peに有する状態においてトレー100の前方に位置する前壁面を、第1当接面100bに設定するとともに、右方に位置する右壁面を、第2当接面100cに設定する。
【0140】
トレー押出し位置Peから押し出されたトレー100は、トレー受け止め位置Pfへ向けて落下しながら第1当接面100bの左側部分が第1方向転換バー37aの先端に当接する(
図15中の矢印D1および一点鎖線で示したトレー100参照)。これにより、トレー100は、第1方向転換バー37aの先端を支点として平面視で反時計回りに略90度回転する(
図15中の矢印D2参照)。なお、トレー100が、この姿勢をとる時、串突出側壁面100aが右方を臨むように配置される。
【0141】
これによりトレー100は、平面視で反時計回りに略90度回転した姿勢で第2当接面100cの左側部分が第2方向転換バー37bの先端に当接する(
図15中の二点鎖線で示したトレー100参照)。さらに、トレー100は、第2方向転換バー37bの先端を支点として平面視で反時計回りに略90度回転し(
図15中の矢印D3参照)、トレー排出路31Rのトレー受け止め位置Pfに受け止められる(
図15中の実線で示したトレー100参照)。
【0142】
このようにして、トレー100は、トレー押出し位置Peに有する姿勢に対して平面視で反時計回りに180度方向転換した姿勢でトレー受け止め位置Pfにおいて受け止められる。すなわち、トレー100は、トレー排出路31Rのトレー受け止め位置Pfに有する時、串突出側壁面100aすなわち、トレー100に載置された串刺し物の材料Fに串刺しされた串Sの基部が前方を臨む姿勢で配置される。これにより、トレー排出路31Rに沿ってトレー100を搬送する過程で、トレー100に載置された串刺し物としての焼き鳥を、作業者がトレー排出路31Rに対して前方側から容易に把持して取り出すことができる。
【0143】
[トレーおよび材料押さえ部材]
トレー100および材料押さえ部材110の構成について
図16(a)(b)、
図17(a)(b)、
図18(a)(b)を用いて説明する。なお、
図16(a)(b)~
図18(a)(b)は、トレー100をトレー搬送レーン21に載置した姿勢を基準にして図示している。
【0144】
トレー100は、平面視矩形に形成されており、その上面には、複数の材料Fが同一線上に並べて載置される凹状の材料載置部101が、装置左右方向に沿って3列で並設されている(
図18(b)参照)。
【0145】
図17(b)に示すように、材料載置部101の底面102は、材料載置部101の長手方向(材料Fが同一線上に並べて載置される方向)に対して直交断面視でV字形状に形成されている。換言すると、材料載置部101の底面102は、上記直交断面視で中央に位置する最深部102bと、該最深部102bに対して両外側において外側程徐々に高くなるように傾斜する傾斜部102aとで形成されている。
【0146】
図16(a)(b)、
図17(a)、
図18(b)に示すように、トレー100の材料載置部101の長手方向の両外側には、串ガイド溝103が上面から凹状に形成されている。串ガイド溝103は、材料載置部101に載置された材料Fの中心に対して串打ちされる串Sを串打ち方向にガイドする。
【0147】
材料載置部101には、該材料載置部101の長手方向に沿って載置した複数の材料Fを互いに仕切る仕切り板104を少なくとも1つ(当例では2つ)備えている。これにより当例では、材料載置部101は、仕切り板104によって材料Fを載置するための3つのスペースに区分けされている。
【0148】
仕切り板104は、材料載置部101の長手方向に沿ってスライド可能に備えている(
図17(b)、
図18(b)参照)。
【0149】
具体的には、仕切り板104は、仕切り板本体部105と、該仕切り板本体部105の幅方向の両側から幅方向外側へ突出する係合突起106を備えている。一方、トレー100における材料載置部101の幅方向の両側の内壁面には、仕切り板104の係合突起106を係合する係合溝107が該材料載置部101の長手方向の全長に亘って形成されている。
【0150】
これにより、仕切り板104を、係合溝107に係合した状態で材料載置部101の長手方向に沿ってスライドさせることで、材料載置部101の仕切り板104によって仕切られたスペースを、該スペースに載置された材料Fの大きさに適した大きさに調整することができる。
すなわち、材料載置部101に載置する複数の材料Fが異なる大きさである場合においても、串打ちする複数の材料F間に隙間が空くことがなく適切に串打ちすることができる。
なお、仕切り板本体部105の幅方向中央部には、上端から下方へ延びる串ガイド溝105aが、上記串ガイド溝103に対応して形成されている。
【0151】
また
図16(a)(b)、
図17(a)、
図18(a)(b)に示すように、材料押さえ部材110は、トレー100に対応して平面視でトレー100と略同じサイズの矩形に形成され、基部119と、該基部119の下方に配設された複数の材料押さえ部13と、基部119と複数の材料押さえ部13の夫々との間に介在するコイルバネ118とを備えている。
【0152】
図17(b)、
図18(a)に示すように、材料押さえ部13は、トレー100の上面に配設した3列の材料載置部101に対応するとともに、各材料載置部101における仕切り板104ごとに仕切られた材料Fの載置スペースごとに対応させて基部119の下面に複数配設されている。材料押さえ部13の下面13aは、底面視で材料載置部101の長手方向の直交断面視で逆V字形状に形成されている。
【0153】
またこのように、材料押さえ部13の下面13a(材料Fの押圧面)は材料載置部101の長手方向の直交断面視で逆V字形状に形成されるとともに、上述したように、材料載置部101の底面102は、材料載置部101の長手方向の直交断面視でV字形状に形成されている。
【0154】
これにより、トレー100に載置した材料Fを材料押さえ部13によって押さえ付け時には、材料載置部101のV字形状の底面102と、材料押さえ部13の逆V字形状の下面13aとで、材料Fを幅方向(装置左右方向)および上下方向の中央部へ寄せるようにして挟み込むことができる。そして、この状態で串打ち位置Pdにおいて材料Fの中央に対して串刺しすることで材料Fに対してしっかりと串刺しすることができる。
【0155】
また、コイルバネ118は、材料押さえ部13により材料Fを押さえ付け時に軸方向(上下方向)に圧縮することで材料押さえ部13を材料Fの側へ付勢する。これにより、材料押さえ部13は、トレー100に載置した複数の材料Fの大きさや硬さの違いの影響を緩和して複数の材料Fの夫々を材料押さえ部13によって適切な押し付け力で押し付けることができる。
【0156】
上述したトレー100や材料押さえ部材110は、材料Fとして鶏肉の各種部位の中でも、もも肉用に形成したものを例に採り説明したが、これに限らず、例えば
図19(a),(b)に示すように鶏皮用や、
図20(a),(b)に示すようにズリ(砂肝)用に形成したものを採用してもよく、串刺しする材料Fによって複数備えてもよい。
【0157】
例えば、トレー100や材料押さえ部材110を鶏皮用に形成する場合は、薄い鶏皮に対応してトレー100Aは
図19(b)に示すように材料載置部101の底面102に、材料押さえ部材110Aは
図19(a)に示すように材料押さえ部13の下面13aに、夫々複数の凹凸を有して形成することが好ましい。
【0158】
また、材料載置部101の底面102は、上述したように断面V字形状(詳しくは、材料載置部101の長手方向に対する直交断面視でV字形状)に形成されているが(
図17(b)参照)、上述したトレー100を、材料Fとして、鶏肉の各種部位の中でも例えば、臀部の肉(所謂「ぼんじり」「サンカク」とも称される)用に形成したものを採用する場合には、
図17(b)中に仮想線で示すように、トレー100における材料載置部101の底面102cを、凹部102cdを有する凹部付きV字形状で形成することが好ましい。
【0159】
この凹部付きV字形状の底面102cは、材料載置部101の上記直交断面視で中央部分に、両外側部分に対して段状に低くなる凹部102cdを設けるとともに凹部102cdの両外側部分に、外側程徐々に高くなるように傾斜する傾斜部102caを設けたものである。
【0160】
この凹部102cdは、該凹部102cdの底面102cbが水平面状にとなるように形成されている。さらに当例では、凹部102cdは、該材料載置部101の長手方向の全長に亘って形成されているが、材料載置部101の長手方向の一部又は複数の部位に形成してもよい。
【0161】
上記構成によれば、トレー100の材料載置部101の底面102cに載置した材料Fとしての鶏の臀部の肉を、材料押さえ部13の逆V字形状の下面13aによって押さえ付け時に、該臀部の肉が底面102cの上記直交断面視で両外側に有する傾斜面102caに沿って中央の凹部102cdに入り込むように案内され、該臀部の中でも尾骨周辺の硬い部分の肉が凹部102cdに入り込むことで、臀部の肉を、底面102cにおける中央部にしっかりと幅寄せした状態で安定して載置させることができる。
【0162】
このような凹部付きV字形状に形成された底面102cは、鶏肉の部位の中でも、比較的硬い部位(尾骨周辺部位)を有する上述した臀部の肉のような材料Fを載置する場合に適用することが好ましい。但し、凹部付きV字形状に形成された底面102cは、臀部の肉に適用するに限らず、上述したもも肉、鶏皮或いはズリ用に採用する、又は上述した以外の他の部位に適用してもよい。
【0163】
また本実施形態の串刺し装置1においては、上述したように、材料載置部101の底面102を凹部付きV字形状に形成するに限らず、材料押さえ部13の下面13aを凹部付き逆V字形状に形成してもよい。
なお、本実施形態の串刺し装置1において扱う材料Fは、鶏肉以外にも加工肉(ソーセージ等)を含む肉や、肉以外の食材に適用してもよいことは言うまでもない。
【0164】
[本実施形態の串搬送コンベアの作用]
次に上述した串搬送コンベア11(
図5、
図6、
図10、
図11参照)を用いた串Sの搬送方法について
図21(a)~(h)を用いて説明する。
なお、
図21中、串搬送路11Rに沿って配設された複数の矩形状の枠は串載置凹部115を示し、これら枠のうち、内部にハッチングを付した枠は串載置凹部115に串Sが載置されていることを示し、内部にハッチングを付していない枠は串載置凹部115に串Sが載置されていないことを示す。また、トレー搬送レーン21に沿って配設された矩形状の枠は、串打ち位置Pdを示すとともに、串搬送路11Rにおける矩形状の枠と同様にハッチングの有無は串Sの有無を示す。
【0165】
図21(a)は、供給位置Paから串搬送路11Rの串載置凹部115に串Sを1本ずつ供給することで、串搬送路11Rにおける、供給位置Paから下流側串送り領域Zdの下流側串押出し位置Pcdまでに配設される複数の串載置凹部115の全てに串Sが載置された状態を示している。
【0166】
図21(b)に示すように、
図21(a)に示す状態において、3つの串送り領域Zd,Zm,Zuの各串押出し位置Pcd,Pcm,Pcuから串Sを夫々に対応する串打ち位置Pdに串押出し部材121(
図5、
図14参照)によって押し出す。これにより、串押出し位置Pcから串打ち位置Pdへ3本の串Sを同時に押し出すことができる。
なお、上述したように、串押出し位置Pcからの串Sの押出しと同時に、串打ち位置Pdにおいて材料押さえ部材110(
図8参照)が降下し、その状態でトレー100に載置された材料Fに対して串刺しされる。
【0167】
続いて
図21(c)に示すように、
図21(b)に示す状態において、串搬送路11Rを、串載置凹部115の1ピッチ分下流側へ移動させる。これにより、3つの串送り領域Zd,Zm,Zuの夫々に有する3つの待機位置Pbのうち、最も下流側の第3待機位置Pbd3,Pbm3,Pbu3に有する串Sは、夫々に対応する(1ピッチ下流側の)串押出し位置Pcd,Pcm,Pcuへ供給される。すなわち、3つの串送り領域Zd,Zm,Zuにおいて待機位置Pbから串押出し位置Pcへ串Sを同時に供給することができる。
それと同時に、第3待機位置Pbd3,Pbm3,Pbu3以外の待機位置Pb(第1待機位置Pbd1,Pbm1,Pbu1および第2待機位置Pbd2,Pbm2,Pbu2)に有する串Sが1ピッチ下流側の待機位置Pb(第2待機位置Pbd2,Pbm2,Pbu2、第3待機位置Pbd3,Pbm3,Pbu3)へ夫々供給される。
【0168】
なお、串搬送路11Rを、串載置凹部115の1ピッチ分下流側へ移動させると同時に、トレー排出路31Rにおいて、串刺し後の材料Fが載置されたトレー100が、串打ち位置Pdからトレー押出し位置Pe(
図5参照)へと搬送されるとともに、串刺し前の材料Fが載置された上流側のトレー100が串打ち位置Pdに供給される。
【0169】
続いて
図21(d)に示すように、
図21(c)に示す状態において、
図21(b)の場合と同じ要領で3つの串送り領域Zd,Zm,Zuの各串押出し位置Pcd,Pcm,Pcuから串Sを夫々に対応する串打ち位置Pdに串押出し部材121によって押し出す。これにより、串押出し位置Pcから串打ち位置Pdへ3本の串Sを同時に押し出すことができる。
【0170】
続いて
図21(e)に示すように、
図21(d)に示す状態において、
図21(c)の場合と同じ要領で、串搬送路11Rを、串載置凹部115の1ピッチ分下流側へ移動させる。これにより、3つの串送り領域Zd,Zm,Zuの夫々に有する3つの待機位置Pbのうち、最も下流側の第3待機位置Pbd3,Pbm3,Pbu3に有する串Sが、夫々に対応する(1ピッチ下流側の)串押出し位置Pcd,Pcm,Pcuへ供給される。さらに、それ以外の待機位置Pb、すなわち第2待機位置Pbd2,Pbm2,Pbu2にある串は、1ピッチ下流側の待機位置Pb(第3待機位置Pbd3,Pbm3,Pbu3)へ供給される。
【0171】
続いて
図21(f)に示すように、
図21(e)に示す状態において、
図21(b)の場合と同じ要領で串押出し位置Pcd,Pcm,Pcuから夫々に対応する串打ち位置Pdへ3本の串Sを同時に押し出すことができる。
続いて
図21(g)に示すように、
図21(f)に示す状態において、
図21(e)の場合と同じ要領で、串搬送路11Rを串載置凹部115の1ピッチ分下流側へ移動させる。これにより、3つの串送り領域Zd,Zm,Zuにおいて同時に待機位置Pbから串押出し位置Pcへ串Sを供給する。
【0172】
続いて
図21(h)に示すように、
図21(g)に示す状態において、
図21(b)の場合と同じ要領で串押出し位置Pcd,Pcm,Pcuから夫々に対応する串打ち位置Pdへ3本の串Sを同時に押し出すことができる。
ここで
図21(h)は、
図21(a)に示す状態、すなわち3つの串送り領域Zd,Zm,Zuの全ての串載置凹部115に載置された串S(当例では12本の串S)が、串打ち位置Pdへ押し出された状態を示す。
【0173】
この状態において、供給位置Paから串搬送路11Rの串載置凹部115に串Sを1本ずつ供給すするとともに、串搬送路11Rの下流側への移動を継続することで、3つの串送り領域Zd,Zm,Zuの夫々に有する、串押出し位置Pcおよび待機位置Pbに対して串Sを供給することができる。すなわち、
図21(h)に示す状態から再度
図21(a)に示すような状態とすることができ、串打ち作業を継続することができる。
【0174】
[本実施形態の串刺し装置の作用、効果]
上述した本実施形態の串刺し装置1は、串打ち位置Pdに有するトレー100の側へ串Sを串押出し位置Pcから押し出して該トレー100に載置された材料Fに串打ちする串押出し手段としての串押出し部材121(
図5、
図8~
図11、
図14参照)と、供給位置Paに供給された串Sを串押出し位置Pcへ搬送する串搬送手段としての串搬送コンベア11(
図5~
図11、
図14参照)と、を備えた串刺し装置1であって、
図5、
図6、
図8に示すように、複数の串押出し位置Pcと、これら串押出し位置Pcの夫々に対応する串打ち位置Pdを設定するとともに、供給位置Paと複数の串押出し位置Pcとの夫々の間に、串押出し位置Pcに有する串Sが押し出されるまで串Sを待機させる待機位置Pbを設定し(
図5、
図6、
図14参照)、
図5、
図6に示すように、串搬送コンベア11は、供給位置Paに供給された串Sを、待機位置Pbを経由して串押出し位置Pcへ搬送する構成とし、串搬送コンベア11は、待機位置Pbから対応する串押出し位置Pcへの串Sの搬送を複数の串押出し位置Pcで同時に行う構成とするとともに(
図5、
図6、
図21(c)(e)(g)参照)、串押出し部材121は、複数の串押出し位置Pcから夫々に対応する串打ち位置Pdへの串Sの押出しを同時に行う構成としたものである(
図5、
図6、
図14、
図21(b)(d)(f)(h)参照)。
【0175】
上記構成によれば、串押出し部材121は、複数の串押出し位置Pcの夫々に供給された串Sを夫々に対応する串打ち位置Pdへ同時に押し出すことができる。
【0176】
さらに、串搬送コンベア11は、供給位置Paに供給された串Sを、待機位置Pbを経由して串押出し位置Pcへ搬送するとともに、待機位置Pbから串押出し位置Pcへの串Sの搬送を、複数の串押出し位置Pcに対して、夫々に対応する待機位置Pbから同時に行う構成を採用したものである。
【0177】
このため、串搬送コンベア11は、供給位置Paからダイレクトに複数の串押出し位置Pcへ串Sを供給するのではなく、複数の串押出し位置Pcの夫々に対して、供給位置Paよりも近い位置に有する待機位置Pbに串Sを待機(ストック)させておき、該待機位置Pbから串押出し位置Pcへ串Sを、短い搬送距離(モータ113の回転数)で搬送することができる。すなわち、串搬送コンベア11は、複数の串押出し位置Pcに対しても、夫々に対応する待機位置Pbから串Sを即座に供給することができる。
【0178】
従って、上述したように、串押出し部材121によって複数の串押出し位置Pcの夫々から串Sを同時に押し出すことができるとともに、その際に、全ての串押出し位置Pcに串Sが供給されるまで串押出し部材121が待機することなく串Sを間欠的に串打ち位置Pdへ押し出すことができ、結果として、串打ち作業の効率化を図ることができる。
【0179】
この発明の態様として、串押出し部材121は、1つの押出し用駆動源としてのモータ51(
図2~
図4、
図7、
図8参照)の駆動によって同時に押し出される複数の串押出し部12(
図9~
図11、
図14参照)を備えたものである。
【0180】
上記構成によれば、串打ち作業の効率化を図るにあたり、複数の串押出し部12を1つのモータ51によって同時に押し出す構成を採用したため、複数の串押出し部12に対応してモータ51を複数備える場合と比してコストや設置スペースの増加を抑制することができる。
【0181】
さらに、上記構成によれば、串打ち作業の効率化を図るにあたり、複数の串押出し部12ごとにモータ51を備える場合と比して串押出し部12の配設ピッチを狭小化することができる。
【0182】
従って、供給位置Paから複数の串押出し位置Pcの夫々に至るまでの串搬送路11Rの距離を極力短くすることができ、結果として串打ち作業の効率化をより一層図ることができる。
【0183】
この発明の態様として、
図5、
図7~
図11に示すように、串搬送手段としての串搬送コンベア11は、串打ち位置Pdに隣接するとともに串打ち方向(装置前方向)に直交する方向(装置左右方向)に沿って少なくとも供給位置Paから串押出し位置Pcに至るまで延び、且つ串搬送方向に沿って複数の串載置部としての串載置凹部115が等ピッチで配設された串搬送レーン(串搬送路11R)としての串搬送ベルト112と、該串搬送ベルト112を待機位置Pbから串押出し位置Pcに向けて串載置凹部115の配設ピッチ相当分ずつ搬送する搬送用駆動源としてのモータ113と、を備えており(
図7、
図10、
図11参照)、
図5、
図6、
図14に示すように、串搬送ベルト112に有する複数の串載置凹部115のうち、所定の串載置凹部115の位置を串押出し位置Pcに設定し、該串押出し位置Pcよりも上流側に有する複数の串載置凹部115のうち、串押出し位置Pcに対して1ピッチ上流側から少なくとも1つの串載置凹部115の位置を、待機位置Pbに設定し、串搬送ベルト112における、串押出し位置Pcと、対応する待機位置Pbとを串送り領域Zd,Zm,Zuに設定するとともに、串搬送ベルト112には、その搬送方向に沿って、串送り領域Zd,Zm,Zuが複数設定されており、
図6に示すように、串搬送ベルト112における、供給位置Paを、最も上流側の串送り領域Zu(上流側串送り領域Zu)よりも上流側の位置に設定し、上記串搬送レーンにおける、供給位置Paの近傍に、該供給位置Paにある串載置凹部115に対して串Sを1本ずつ供給する串供給手段としての串ホッパー40を備えものである。
【0184】
上記構成によれば、串搬送コンベア11は、串搬送ベルト112を、串載置凹部115の配設ピッチ相当分ずつ待機位置Pbから串押出し位置Pcに向けて搬送することで、待機位置Pbから串押出し位置Pcへの串Sの送り(繰り出し)を複数の串送り領域Zd,Zm,Zuでまとめて行うことができる(
図21中の(c)、(e)、(g)の串Sの送り動作参照)。
【0185】
従って、串打ち作業の効率化をより一層図ることができる。
【0186】
さらに上述したように、串搬送ベルト112は、その串搬送方向に沿って串送り領域Zd,Zm,Zuが複数設定されたものであるため、複数の串送り領域Zd,Zm,Zu間で串搬送ベルト112を共通化することができる。
【0187】
従って、串打ち作業の効率化を図るにあたり、串搬送ベルト112を複数の串送り領域Zd,Zm,Zuに対応して別々に備える場合と比してコストや設置スペースの増加を抑制することができる。
【0188】
この発明の態様として、串搬送コンベア11は、串搬送ベルト112における、所定の串送り領域としての例えば、下流側串送り領域Zdの串載置凹部115に串Sが無い場合には、該串載置凹部115に対して、下流側串送り領域Zdよりも上流側の中間串送り領域Zmおよび上流側串送り領域Zuの夫々に属する串押出し位置Pcおよび待機位置Pbを経由して供給位置Paから串Sを搬送する構成としたものである(
図5、
図6、
図21中の(h)から(a)の串Sの送り動作参照)。
【0189】
同様に、串搬送コンベア11は、串搬送ベルト112における、所定の串送り領域としての例えば、中間串送り領域Zmの串載置凹部115に串Sが無い場合には、該串載置凹部115に対して、中間串送り領域Zmよりも上流側の上流側串送り領域Zuに属する串押出し位置Pcおよび待機位置Pbを経由して供給位置Paから串Sを搬送する構成としたものである(同図参照)。
【0190】
上記構成によれば、串ホッパー40によって供給位置Paを通過する串載置凹部115に対して串Sを1本ずつ供給するとともに、串搬送コンベア11によって串搬送ベルト112を串搬送方向下流側へ搬送することで、所定の串送り領域(Zd又はZm)や、そのさらに上流側の串送り領域(Zm,Zu又はZu)を含めた複数の串送り領域Zd,Zm,Zuに対して串Sを同時に供給(補充)することができ、結果として串打ち作業の効率化をより一層図ることができる。
【0191】
この発明の態様として、トレー100は、複数の串打ち位置Pdに跨る一つの部材で構成されるとともに(
図5、
図12参照)、複数の串打ち位置Pdに対応して、串打ちされる材料Fを載置する材料載置部101が複数設けられたものである(
図5、
図12、
図16(a)(b)、
図17(a)、
図18(a)(b)、
図19(a)、
図20(a)(b)参照)。
【0192】
上記構成によれば、トレー100は、串押出し位置Pcから串打ち位置Pdへの串Sの押出しが同時に行われる数に対応した数の材料載置部101を備えた構成とすることができる。
【0193】
これにより、串押出し部材121(
図5、
図14参照)により、複数の串Sを同時に押出す動作と、係止爪252(
図2、
図3、
図12参照)により、串打ち位置Pdに対するトレー100の搬入および搬出の動作とを行うタイミングとを一致させることができるため、結果として串打ち作業の効率化をより一層図ることができる。
【0194】
さらに、両者の動作のタイミングを一致させることで、串押出し部材121による串Sの押出し動作と、トレー100に載置された材料Fの、材料押さえ部材110(
図7、
図8、
図12参照)による押さえ付け動作とを、連動して行い易くなるため、結果として装置のコンパクト化を図ることができる。
【0195】
この発明は、上述した実施形態の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、上述した実施形態におけるトレー搬送構造20に備えた上流側トレー搬送レーン22(
図1参照)を形成する無端ベルトや、串搬送コンベア11に備えた串搬送ベルト112(
図10参照)を、無端チェーンに変更し、トレー搬送構造20に備えたプーリー(図示省略)や、串搬送コンベア11に備えたプーリー111(
図10参照)を、スプロケットに変更してもよい。
【0196】
また待機位置Pbは、串送り領域Zd,Zm,Zuごとに3つずつ設定したが(
図5、
図6、
図14参照)、少なくとも1つ設定した構成であれば、その数は特に限定しない。また、串送り領域Zd,Zm,Zuや、串押出し位置Pcは共に、串搬送路11Rに沿って3つ設定したが、少なくとも2つ設定した構成であれば、その数は特に限定しない。
【符号の説明】
【0197】
1…串刺し装置
11…串搬送コンベア(串搬送手段)
12…複数の串押出し部(串押出し手段)
40…串ホッパー(串供給手段)
51…モータ(押出し用駆動源)
100…トレー
101…材料載置部
112…串搬送ベルト(串搬送レーン)
113…モータ(搬送用駆動源)
115…串載置凹部(串載置部)
121…串押出し部材(串押出し手段)
Pa…供給位置
Pb…待機位置
Pc…串押出し位置(押出し位置)
Pd…串打ち位置
F…材料
Zd,Zm,Zu…串送り領域
Zd…下流側串送り領域(所定の串送り領域)
Zm…中間串送り領域(所定の串送り領域、所定の串送り領域よりも上流側の串送り領域)
Zu…上流側串送り領域(最も上流側の串送り領域、所定の串送り領域よりも上流側の串送り領域)