(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】岩質傾斜面崩壊災害の監視及び制御システム並びに方法
(51)【国際特許分類】
E02D 17/20 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
E02D17/20 106
E02D17/20 103A
(21)【出願番号】P 2022517397
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2021121843
(87)【国際公開番号】W WO2022042761
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-03-16
(31)【優先権主張番号】202011282022.3
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514248617
【氏名又は名称】中国▲鉱▼▲業▼大学(北京)
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】陶志▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】李▲夢▼楠
(72)【発明者】
【氏名】▲ぱん▼仕▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】郭▲愛▼▲鵬▼
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-503559(JP,A)
【文献】特表2021-503558(JP,A)
【文献】国際公開第2019/222944(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/222943(WO,A1)
【文献】特開2003-109167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 17/00-17/20
E02D 5/22-5/80
E21D 20/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
節理化岩体の表面に敷設され、砕石の飛散を防止するフレキシブルアンカーネットであって、前記フレキシブルアンカーネットは、NPR冷間圧延リブ付き鉄筋
に鍛造過程でNPR微小ユニット
が加えられ、
前記NPR微小ユニットの粒子が前記NPR冷間圧延リブ付き鉄筋内に分散した状態で加工して製造されたミクロNPR鋼撚線で編成され、前記NPR微小ユニットは
、二相2-5ナノメートルの粒子と基体とを有し、前記二相2-5ナノメートルの粒子
と前記基体
がコヒーレント
な状態であり、さらに
前記二相2-5ナノメートルの粒子における第二相のナノメートルの粒子が、FCC(Face Center Cubic/Face-Centered Cubic)面心立方構造を有
し、格子定数
が0.82ナノ
メートルであり、
前記コヒーレントな状態は、結晶内双結
晶コヒーレントと、粒界コヒーレント
と、を含む多重コヒーレント
状態である、前記フレキシブルアンカーネットと、
アンカーロッド体を含み、前記アンカーロッド体の一端が前記節理化岩体を貫通して安定岩体に固定され、前記アンカーロッド体の他端が前記フレキシブルアンカーネットに固定接続され
て前記節理化岩体に分布されるNPRアンカーロッドと、
前記アンカーロッド体に取り付けられ、前記アンカーロッド体の軸方向の力変化をリアルタイムに監視する監視ユニットと、
前記監視ユニットに通信接続され、前記監視ユニットに監視されたデータ情報を収集して送信する基地局と、
前記基地局に通信接続され、前記基地局から送信された
前記データ情報を受信し、且つ前記NPRアンカーロッドの軸方向の力変化状況を観察する監視センターと、を含む、
ことを特徴とする岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御システム。
【請求項2】
前記
フレキシブルアンカーネットの編成方式は、菱形編成方式である、
ことを特徴とする請求項1に記載の岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御システム。
【請求項3】
前記NPRアンカーロッ
ドは、定抵抗スリーブと、定抵抗体と、トレイと、ナットと、をさらに含み、
前記定抵抗体は、中空円台形であり、且つ前記定抵抗体の横断面の垂直方向に沿って貫通孔が設けられ、前記定抵抗体は、前記定抵抗スリーブ内に取り付けられ、前記トレイは、環形とし且つ前記定抵抗スリーブの一端に取り付けられ、前記ナットは、前記トレイの一方に取り付けられ、前記アンカーロッド体の一端が前記トレイ及び前記定抵抗
体の貫通孔を貫通し、且つ前記安定岩体にアンカーされ、前記アンカーロッド体の他端が前記ナットに接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御システム。
【請求項4】
前記監視ユニットは、圧力センサを含み、
前記圧力センサは、前記アンカーロッド体の周方向に嵌設され、且つ前記トレイと前記ナットとの間に位置し、前記圧力センサは、前記節理化岩体及び前記安定岩体
から前記NPRアンカーロッドに作用する力の変化状況を監視する、
ことを特徴とする請求項3に記載の岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御システム。
【請求項5】
前記基地局は、記憶モジュール及び送信モジュールを含み、
前記記憶モジュールは、前記監視ユニットに電気的に接続され、前記監視ユニットに監視されたデータ情報を記憶し、
前記送信モジュールは、前記記憶モジュールに電気的に接続され、前記記憶モジュールに記憶されたデータ情報を
前記監視センターに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御システム。
【請求項6】
前記監視及び制御システムは、電力ユニットをさらに含み、
前記電力ユニットは、前記監視ユニット及び前記基地局に電気的に接続され、前記監視ユニット及び前記基地局への供電を行い、前記監視ユニット及び前記基地局が正常に動作することを確保する、
ことを特徴とする請求項1に記載の岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御システム。
【請求項7】
前記監視センターは、さらに、クライアント端末に通信接続され
、観測されたデータ情報をクライアント端末に送信す
る、
ことを特徴とする請求項1に記載の岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の岩質傾斜面崩壊災害
対策用のNPRアンカーロッドの監視及び制御システムを用いて、
岩質傾斜面に施工して
節理化岩体を貫通して安定岩体に伸びる穿孔を得
るステップ1と、
前記フレキシブルアンカーネット
が、節理化岩体の表面に敷設される、ステップ2と、
前記NPRアンカーロッドの一端が前記穿孔の底部に伸びて、前記NPRアンカーロッドの他端が前記フレキシブルアンカーネットに固定接続される
ように前記NPRアンカーロッドを取り付けるステップ3と、
前記監視ユニット
を、基地局に通信接続されるように前記NPRアンカーロッドに取り付けるステップ4と、
を含む、
ことを特徴とする岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御方法。
【請求項9】
前記ステップ3は
、
前記穿孔内
に取り付けられた前記NPRアンカーロッドに定抵抗スリーブを取り付ける、ステップ301と、
前記アンカーロッド体の一端
を前記穿孔の底部
にアンカーし、前記アンカーロッド体の他端
において前記定抵抗スリーブに中空円台形の定抵抗体を取り付ける、ステップ302と、
前記定抵抗スリーブ
の一端に、環状のトレイと、
前記監視ユニットと、ナットと、を
順次取り付けるステップ303と、を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の岩質傾斜面崩壊災
害の監視及び制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地質災害制御の技術分野に属し、具体的には、岩質傾斜面崩壊災害の監視及び制御システム並びに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、崩壊災害に対する通常の管理方法は、普通のアンカーロッドでの補強支保及びワイヤアンカーネットでの補強支保などが一般的である。崩壊災害は、岩体の大変形の災害に属し、且つ脅威が大きい崩壊岩体の大部分は体積も大きく、災害になるプロセスでは、巨大なエネルギーを放出するため、慣用のアンカーロッドプラスアンカーネットの支保措置は、節理化した岩体を効果的に支保することが困難である。慣用のアンカーロッドは、小変形の材料に属する低炭素鋼を採用し、アンカーロッド全体の変形プロセスでは、岩体の変形を吸収する能力は極めて限られ、最終的にアンカーロッドが大変形を発生することによって破断し、最終的に効力を失う。普通のフレキシブルアンカーネットは大変形及び圧力を受ける時に破口が発生しやすく、崩壊災害が発生する時に、普通のアンカーネットの耐衝撃及びエネルギー吸収性能も比較的低い。アンカーロッドの固定及び連携作用を失った後、フレキシブルのアンカーネット支保も岩体の全体的な安定性を維持するためには不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
潜在的に崩壊災害のおそれがある体積が大きすぎる岩体に対し、単純に支保を強化することは理論的にも技術的にも実行できないものである。岩質崩壊による人民の生命財産安全への取り返しのない災害を回避するために、このような岩体に対する監視を強化し、且つ予報機能を実現する必要がある。しかし、現在広く応用されている監視警報手段は非接触式の監視であり、岩体の表面変位又は環境の変化を監視することが多い。このような種類の監視はより広い範囲の変形及び変位監視分析を実現することができるが、その監視警報の精度は岩質崩壊の短期の早期警報予報への需要を真に満たすことが困難である。その監視された内容は岩体崩壊の必要不十分条件に属するため、得られた早期警報結果は経験を基に判定された結果であり、岩体内部力の変化を正確に反映できず、岩体短期の運動傾向も反映しにくい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、岩質傾斜面崩壊災害の監視及び制御システム並びに方法を提供することであり、岩体が崩れても崩壊しなく、岩体崩壊による災害を効果的に回避することを制御することができるだけでなく、岩体の崩壊災害時間を効果的に制御して遅延させ、人員及び財産の退避へ多くの時間を提供する。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術案を提供する。
【0006】
岩質傾斜面崩壊災害の監視及び制御システムであって、監視及び制御システムは、節理化岩体(joint development rock mass)の表面に敷設され、砕石の飛散を防止するフレキシブルアンカーネットであって、フレキシブルアンカーネットは、NPR冷間圧延リブ付き鉄筋に鍛造過程でNPR微小ユニットが加えられ、NPR微小ユニットの粒子が前記NPR冷間圧延リブ付き鉄筋内に分散した状態で加工して製造されたミクロNPR鋼撚線で編成され、
具体的には、前記NPR微小ユニットは、まず球面収差電子顕微鏡の明視野及び暗視野によって二相2-5ナノメートルの粒子と基体とがコヒーレントな状態であることを確認して、さらにナノ電子回折によって二相2-5ナノメートルの粒子が、FCC(Face Center Cubic/Face-Centered Cubic)面心立方構造を有することを確認することで得られ、格子定数は0.82ナノメートルであり、添加剤及び製錬プロセスの設計により、介在物をナノ細粒化し、二相2-5ナノメートルの粒子と基体とのコヒーレントな状態を実現させるとともに、設計により、ナノ粒子をコヒーレントな状態とした上で、結晶内双結晶コヒーレントと、粒界コヒーレントの多重コヒーレント状態を実現し、コヒーレント界面の非コヒーレント界面に対する転位について、界面においてすべりが発生することで、NPR冷間圧延リブ付き鉄筋におけるコヒーレント界面密度を向上させるとともに、フレキシブルアンカーネットの強度及び靭性を向上させている、フレキシブルアンカーネットと、
アンカーロッド体を含み、アンカーロッド体の一端が前記節理化岩体を貫通して安定岩体に固定され、アンカーロッド体の他端がフレキシブルアンカーネットに固定接続されて節理化岩体に分布されるNPRアンカーロッドと、
アンカーロッド体に取り付けられ、アンカーロッド体の軸方向の力変化をリアルタイムに監視する監視ユニットと、
監視ユニットに通信接続され、監視ユニットに監視されたデータ情報を収集して送信する基地局と、
基地局に通信接続され、基地局から送信されたデータ情報を受信し、且つNPRアンカーロッドの軸方向の力変化状況を観察する監視センターと、を含む。
【0007】
岩質傾斜面崩壊災害の監視及び制御方法であって、監視及び制御方法は、
岩質傾斜面に施工して節理化岩体を貫通して安定岩体に伸びる穿孔を得るステップ1と、
フレキシブルアンカーネットが、節理化岩体の表面に敷設される、ステップ2と、
NPRアンカーロッドの一端が前記穿孔の底部に伸びて、NPRアンカーロッドの他端がフレキシブルアンカーネットに固定接続されるようにNPRアンカーロッドを取り付けるステップ3と、
監視ユニットを、基地局に通信接続されるようにNPRアンカーロッドに取り付けるステップ4と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
有益な効果は以下のとおりである。
【0009】
本発明は岩質傾斜面崩壊災害対策用のNPRアンカーロッドの監視及び制御システム並びに方法を提供し、NPRアンカーロッド及びNPR鋼撚線に基づく岩質傾斜面崩壊災害の監視及び制御技術は、岩体に対する監視及び補強制御機能を兼ね備える。監視の視点では、岩体災害が発生する前に、高精度の圧力センサを利用してNPRアンカーロッドの軸方向の力変化をリアルタイムに監視し、且つ監視センターに伝送する。関連する実際の工事経験によって、地滑り及び崩壊などの災害が発生する前に、アンカーロッドの軸力が顕著に上昇し、この時作業者に現場調査を依頼し、岩体のクラック進展状況を調査し、且つ実際の調査状況に基づいて災害予報を行うことが必要である。制御の視点では、岩体が崩壊する時、岩体に大変形が発生して周囲の岩石変形エネルギーを放出するとともに、NPRアンカーロッドに構造の大変形が発生し、しかし、依然として高い一定の抵抗を維持し、このプロセスは大量のエネルギーを吸収し、ほぐれた砕石は高強度で高靭性なフレキシブルアンカーネットによって制御することができる。体積が比較的大きい岩質崩壊に対し、本発明は岩体の崩壊災害時間を効果的に制御して遅延させることができ、人員及び財産の退避により多くの時間を提供し、比較的小さい体積の岩質崩壊に対し、本発明は岩体が崩れても崩壊しないことを制御し、岩体崩壊による災害を効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】NPRアンカーロッドとフレキシブルアンカーネットとの組み合わせの概略図である。
【
図4】フレキシブルアンカーネットの取り付けの概略図である。
【
図6】(a)はNPRアンカーロッドの力受け及び変位変化の概略
図1である。(b)はNPRアンカーロッドの力受け及び変位変化の概略
図2である。(c)はNPRアンカーロッドの力受け及び変位変化の概略
図3である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
岩質崩壊は、しばしば、災害が発生する時間が短く、体積が大きく、常に退避が間に合わないため、被災者の生命及び財産に大きな損失を与え、
図5に示すように、本発明は岩質傾斜面崩壊災害
対策用のNPRアンカーロッドの監視及び制御システムを提供し、該当監視及び制御システムは、フレキシブルアンカーネットと、NPRアンカーロッド7と、監視ユニットと、基地局12と、監視センター14と、を含んでおり、フレキシブルアンカーネット10は、節理化岩体8の表面に敷設され、砕石の飛散を防止し、粉砕された小岩塊に対しては、フレキシブルアンカーネット10のフレキシブルを利用してそれに補助支保し、複数のNPRアンカーロッド7が設けられ、複数のNPRアンカーロッド7は節理化岩体8に分布され、NPRアンカーロッド7はアンカーロッド体1を含み、アンカーロッド体1の一端が節理化岩体8を貫通して安定岩体9に固定され、アンカーロッド体1の他端がフレキシブルアンカーネット10に固定接続され、監視ユニットは、アンカーロッド体1に取り付けられ、アンカーロッド体1の軸方向の力変化をリアルタイムに監視し、基地局12は、監視ユニットに通信接続され、監視ユニットに監視されたデータ情報を収集して送信し、基地局12は岩体の頂部に設置され、且つ
開けた場所に配置され、データ情報をタイムリーで効果的に伝送することを確保し、監視センター14は、基地局12と通信衛星13を介してリアルタイムに通信し、基地局12から送信されたデータ情報を受信し、且つNPRアンカーロッド7の変化状況を観察する。
なお、NPRとは、負のポアソン比(Negative Poisson’s ratio)を指し、ポアソン比をνとするとν<0を意味している。そして、NRPアンカーロッド7は、材料としてNPRを有する素材であるNPR微小ユニットが混入されたアンカーロッドを意味している。
【0012】
本発明は、岩体に対する監視及び補強制御機能を兼ね備え、岩体災害が発生する前に、監視ユニットを利用してNPRアンカーロッド7の軸力の変化をリアルタイムに監視し、且つリアルタイムに監視されたデータ情報を監視センター14に伝送し、関連する実際の工事経験によって、地滑り及び崩壊などの災害が発生する前に、NPRアンカーロッド7の軸力が顕著に上昇し、この時作業者に現場調査を委ね、岩体のクラック進展状況を調査し、且つ実際の調査状況に基づいて災害予報を行うことが必要であり、岩体が崩壊する時、岩体に大変形が発生して周囲の岩石変形を放出するとともに、NPRアンカーロッド7に構造の大変形が発生し、しかし、依然として高い一定の抵抗を維持し、このプロセスでは、NPRアンカーロッド7が大量のエネルギーを吸収し、ほぐれた砕石は高強度で高靭性なフレキシブルアンカーネットによって制御することができ、体積が比較的大きい岩質崩壊に対し、本発明は岩体の崩壊災害時間を効果的に制御して遅延させることができ、人員及び財産の退避により多くの時間を提供し、比較的小さい体積の岩質崩壊に対し、本発明は岩体が崩れても崩壊しないことを制御し、岩体崩壊による災害を効果的に回避することができる。
【0013】
さらに、
図4に示すように、本発明におけるフレキシブルアンカーネット10は、NPR冷間圧延リブ付き鉄筋
に鍛造過程でNPR微小ユニット
が加えられ、
前記NPR微小ユニットの粒子が前記NPR冷間圧延リブ付き鉄筋内に分散した状態で加工して製造されたミクロNPR鋼撚線で編成され
る。NPR微小ユニット
に対し、まず球面収差電子顕微鏡の明視野及び暗視野によって
二相2-5ナノメートルの粒子と基体とがコヒーレントな状態であることを確認して、さらにナノ電子回折によって
二相2-5ナノメートルの粒子における第二相
のナノ
メートルの粒子が、FCC(Face Center Cubic/Face-Centered Cubic)面心立方構造を有
し、格子定数は0.82ナノメートルであ
ることを確認する。そして、前記NPR微小ユニットについて、添加剤及び製錬プロセスの設計により、介在物をナノ細粒化し、
二相2-5ナノメートルの粒子と基体とのコヒーレント
な状態を実現
するとともに、設計により、ナノ
メートルの粒子
をコヒーレント
な状態とした上で、結晶内双結
晶コヒーレント
や粒界コヒーレント
等の多重コヒーレント
状態を実現する。コヒーレント界面
が非コヒーレント界面
に対して、界面において
すべりが発生することができるため、材料におけるコヒーレント界面密度を向上させる
とともに、フレキシブルアンカーネット10
の強度及び靭性を向上させることができ
る。フレキシブルアンカーネット10は高強度で高靭性であり、大変形に耐える特徴を有し、砕石の飛散を防止し、補助補強の役割を果た
す。本発明の実施例におけるフレキシブルアンカーネット10に用いられる鋼撚線の直径は不定であり、実際の状況に応じて適切な鋼撚線の直径を選択することができ、好まし
くは、フレキシブルアンカーネット10の編成方式が菱形編成方式であ
る。菱形編成方式は製造プロセスが簡単で、メッシュが比較的均一で、岩体崩壊から放出されたエネルギーを均一に受けることができ、且つ使い勝手が良
い。当然、菱形編成方式以外に、他の形式の編成方式(例えば方形等)も使用でき、本発明の実施例においてさらに限定していない。
【0014】
さらに、
図1及び
図3に示すように、本発明の実施例におけるNPRアンカーロッド7は、定抵抗スリーブ3と、定抵抗体4と、トレイ5と、ナット6と、をさらに含み、定抵抗体4は、中空円台形であり、且つ定抵抗体4の横断面の垂直方向に沿って貫通孔が設けられ、アンカーロッド体1は、貫通孔を貫通し、定抵抗体4は、定抵抗スリーブ3内に取り付けられ、トレイ5は、環形として且つ定抵抗スリーブ3の一端に取り付けられ、ナット6は、トレイ5の一方に取り付けられ、アンカーロッド体1の一端がトレイ5及び定抵抗体4を貫通し、且つ安定岩体9にアンカーされ、アンカーロッド体1の他端がナット6に接続され、NPRアンカーロッド7を安定岩体9に固定し、NPRアンカーロッド7が本来のアンカー効果を果たすことができ、且つ岩体が崩壊する時に、高い一定の抵抗を維持し、エネルギー吸収の効果を果たし、NPRアンカーロッド7を利用して岩体に対して全体的な補強を行い、節理化岩体8を深層の安定岩体9に固定し、NPRアンカーロッド7の並外れた力学的性能を十分に発揮し、群アンカーの方式で節理化岩体を結合して補強し、
図6(a)、
図6(b)、
図6(c)に示すように、NPRアンカーロッド7は力を受ける時、まず弾性変形を発生し、NPRアンカーロッド7の該当段力変位曲線と該アンカーロッド体1の材料の静的引張曲線は完全に重なり、NPRアンカーロッド7の力受けが設計された一定の抵抗値P0に達する時、NPRアンカーロッド7に構造の大変形が発生し、且つP0の定抵抗を維持する。
【0015】
さらに、
図2に示すように、本発明の実施例における監視ユニットは、圧力センサ11を含み、圧力センサ11は、アンカーロッド体1に嵌設され、且つトレイ5とナット6との間に位置し、圧力センサ11は、節理化岩体8及び安定岩体9
からNRPアンカーロッド7に作用する力の変化状況を監視し、圧力センサ11は一定の時間間隔の毎に1回データを収集した後、データを基地局12に集約し、最後に基地局12でデータ情報を監視センターに送信し、圧力センサ11は、高精度の圧力センサであるのが好ましく、例えばDJWX-34型等であり、NPRアンカーロッド7に高精度の圧力センサ11を装着することにより、NPRスマートセンサシステムを形成し、アンカーロッド体1の受ける力を監視し、節理化岩体8と安定岩体9との間の力の変化状況を間接的に監視する。
【0016】
さらに、本発明の実施例における基地局12は、記憶モジュール及び送信モジュールを含み、記憶モジュールは、監視ユニットに電気的に接続され、具体的には、圧力センサ11に電気的に接続され、圧力センサ11に監視されたデータ情報を記憶し、記憶モジュールは圧力センサ11が収集した軸方向の力変化の電気信号をデジタル信号に変換し、送信モジュールは、記憶モジュールに電気的に接続され、記憶モジュールに記憶されたデータ情報を送信するためである。
【0017】
さらに、システムの正常動作を保証するために、本発明の実施例における監視及び制御システムは、電力ユニットを含み、電力ユニットは、監視ユニット及び基地局12に電気的に接続され、監視ユニット及び基地局12への供電を行い、監視ユニット及び基地局12が正常に動作することを確保し、電力ユニットは太陽エネルギーと商用電源が連携して供電するのが好ましく、二重供電の保証で、監視及び制御システムが絶え間なく動作し続けることを確保し、且つ岩体の変化情報をタイムリーに送信する。
さらに、本発明の実施例における監視センター14は、さらに、クライアント端末15に通信接続され、監視センター14は、観測されたデータ情報をクライアント端末15に送信することができ、クライアント端末15が岩質側斜面の変化状況をリアルタイムに把握することに役立ち、体積が比較的大きい岩質崩壊に対し、本監視及び制御システムは岩体の崩壊災害時間を効果的に制御して遅延させることができ、人員及び財産の退避により多くの時間を提供する。比較的小さい体積の岩質崩壊に対し、本監視及び制御システムは岩体が崩れても崩壊しないことを制御し、岩体崩壊による災害を効果的に回避することができる。
【0018】
本発明は岩質傾斜面崩壊災害の監視及び制御方法をさらに提供し、該当監視及び制御方法は、
岩質傾斜面に施工して節理化岩体を貫通して安定岩体に伸びる穿孔を得るステップ1と、
フレキシブルアンカーネット10が、節理化岩体の表面に敷設される、ステップ2と、
NPRアンカーロッド7を取り付けるステップ3であって、NPRアンカーロッド7の一端が穿孔の底部に伸びて、NPRアンカーロッド7の他端がフレキシブルアンカーネット10に固定接続され、具体的には、
穿孔内に取り付けられたNPRアンカーロッド7に定抵抗スリーブ3を取り付ける、ステップ301と、
アンカーロッド体1の一端を穿孔の底部にアンカーし、定抵抗体4は、定抵抗スリーブ3内に取り付けられ、アンカーロッド体1の他端が定抵抗体4を貫通する、ステップ302と、
穿孔には、トレイ5と、圧力センサ11と、ナット6と、を順次に取り付けるステップ303と、を含む、ステップ3と、
監視ユニットを、補強ユニットに電気的に接続し、且つ基地局12に通信接続されるように、NRPアンカーロッド7に取り付けるステップ4と、
を含む。
【符号の説明】
【0019】
1 アンカーロッド体
2 アンカー端
3 定抵抗スリーブ
4 定抵抗体
5 トレイ
6 ナット
7 NPRアンカーロッド
8 節理化岩体
9 安定岩体
10 フレキシブルアンカーネット
11 圧力センサ
12 基地局
13 通信衛星
14 監視センター
15 クライアント端末