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特許7219036整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230131BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20230131BHJP
   B60S 5/00 20060101ALN20230131BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06F3/0482
B60S5/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018184358
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020052950
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】510084297
【氏名又は名称】株式会社ブロードリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100111109
【氏名又は名称】城田 百合子
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】児玉 一成
(72)【発明者】
【氏名】山田 大地
(72)【発明者】
【氏名】榎田 まさみ
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-030354(JP,A)
【文献】特開2017-133859(JP,A)
【文献】中尾真二,ブロードリーフが小規模工場やスタートアップ事業者も支援...IAAE 2018,レスポンス(Response.jp) [ONLINE],2018年03月15日,p.1,2,https://response.jp/article/2018/03/15/307253.html,[検索日:2019/10/30], [URL:https://response.jp/article/2018/03/15/307253.html]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 3/0482
B60S 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両又は部品の整備業務を支援する整備業務支援装置において、
ユーザの属性に対応した管轄地域及び該管轄地域ごとの申請書類形式を記憶した第1記憶部と、
初期設定項目を含む設定画面を表示させる表示制御部と、
前記設定画面上での前記ユーザの入力動作を順次受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けた前記ユーザの入力動作に従って、前記ユーザの属性に対応した前記管轄地域を選択して前記ユーザごとに初期設定を行う初期設定部と、
複数のユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、
前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、
前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考価格として記憶する第2記憶部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記整備業務に関し、ユーザごとの工賃単価に関する設定価格を初期設定する初期設定項目と、前記工賃単価に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第1の設定画面と、
前記整備業務に関し、車両タイプごとに前記整備業務として行う作業価格を初期設定する初期設定項目と、前記作業価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第2の設定画面と、
前記整備業務に関し、前記部品の部品価格を初期設定する初期設定項目と、前記部品価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第3の設定画面と、を順次表示させ、
前記初期設定項目を反映させた伝票を作成可能とすることを特徴とする整備業務支援装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、所定の入力操作によって、前記整備業務に関する前記参考価格を、各設定画面における前記初期設定項目に対する設定価格として入力して表示することを特徴とする請求項1に記載の整備業務支援装置。
【請求項3】
サーバと、該サーバと通信可能に接続された情報端末と、により構成された両又は部品の整備業務を支援する整備業務支援システムにおいて、
前記サーバ又は前記情報端末が、
ユーザの属性に対応した管轄地域及び該管轄地域ごとの申請書類形式を記憶した第1記憶部と、
初期設定項目を含む設定画面を表示させる表示制御部と、
前記設定画面上での前記ユーザの入力動作を順次受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けた前記ユーザの入力動作に従って、前記ユーザの属性に対応した前記管轄地域を選択して前記ユーザごとに初期設定を行う初期設定部と、
複数のユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、
前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、
前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考価格として記憶する第2記憶部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記整備業務に関し、ユーザごとの工賃単価に関する設定価格を初期設定する初期設定項目と、前記工賃単価に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第1の設定画面と、
前記整備業務に関し、車両タイプごとに前記整備業務として行う作業価格を初期設定する初期設定項目と、前記作業価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第2の設定画面と、
前記整備業務に関し、前記部品の部品価格を初期設定する初期設定項目と、前記部品価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第3の設定画面と、を順次表示させ、
前記初期設定項目を反映させた伝票を作成可能とすることを特徴とする整備業務支援システム。
【請求項4】
コンピュータによって両又は部品の整備業務を支援する整備業務支援方法において、
ユーザの属性に対応した管轄地域及び該管轄地域ごとの申請書類形式を記憶する記憶部を有する前記コンピュータが、
期設定項目を含む設定画面を表示させる表示制御ステップと、
前記設定画面上での前記ユーザの入力動作を順次受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けた前記ユーザの入力動作に従って、前記ユーザの属性に対応した前記管轄地域を選択して前記ユーザごとに初期設定を行う初期設定ステップと、
複数のユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集ステップと、
前記金額収集ステップにより収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計ステップと、
前記金額集計ステップにより集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考価格として記憶する記憶ステップと、を実行し、
前記表示制御ステップは、
前記整備業務に関し、ユーザごとの工賃単価に関する設定価格を初期設定する初期設定項目と、前記工賃単価に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第1の設定画面と、
前記整備業務に関し、車両タイプごとに前記整備業務として行う作業価格を初期設定する初期設定項目と、前記作業価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第2の設定画面と、
前記整備業務に関し、前記部品の部品価格を初期設定する初期設定項目と、前記部品価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第3の設定画面と、を順次表示させ、
前記初期設定項目を反映させた伝票を作成可能とすることを特徴とする整備業務支援方法。
【請求項5】
両又は部品の整備業務を支援する整備業務支援プログラムにおいて、
ユーザの属性に対応した管轄地域及び該管轄地域ごとの申請書類形式を記憶した第1記憶部を有するコンピュータを、
期設定項目を含む設定画面を表示させる表示制御部と、
前記設定画面上での前記ユーザの入力動作を順次受け付ける受付部と、
前記受付部により受付けた前記ユーザの入力動作に従って、前記ユーザの属性に対応した前記管轄地域を選択して前記ユーザごとに初期設定を行う初期設定部と、
複数のユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、
前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、
前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考価格として記憶する第2記憶部と、して機能させ、
前記表示制御部は、
前記整備業務に関し、ユーザごとの工賃単価に関する設定価格を初期設定する初期設定項目と、前記工賃単価に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第1の設定画面と、
前記整備業務に関し、車両タイプごとに前記整備業務として行う作業価格を初期設定する初期設定項目と、前記作業価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第2の設定画面と、
前記整備業務に関し、前記部品の部品価格を初期設定する初期設定項目と、前記部品価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第3の設定画面と、を順次表示させ、
前記初期設定項目を反映させた伝票を作成可能とすることを特徴とする整備業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラムに係り、特に、初期設定においてユーザ属性に応じて価格及びその他の各種条件を設定する整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の定期的な検査を義務化することで車両の安全な運行を確保するための車検制度がある。車検は、国土交通省が定めた保安基準に基づいて外観、安全面や公害面で問題がないことを検査するものであって、例えば自動車では2年に一度、運輸局や、運輸局から認可を受けた車検整備指定工場において自動車の状態を検査する必要がある。そして検査合格した自動車に対して2年間有効な車検証が発行又は更新されている。
また、車検を受ける前には自動車の定期点検整備が行われるものであって、一般に自動車整備工場や自動車販売店(ディーラー)で実施されている。その中には、車検整備指定工場の認可を受けた自動車整備工場等もあり、定期点検整備と車検とを一式で実施するような場合も多い。
【0003】
上記のような車検や定期点検整備においては、受付、入庫、引取、代車貸出、見積り、作業、書類作成、納車、代車回収等と自動車整備工場等の業務はとても煩雑となる。特に、作業内容は、例えば、24か月点検の場合は点検項目が56項目もあり、それぞれの項目について、実施の有無を正確に管理する必要があり、自動車整備工場等にとっては非常に面倒である。
そのため、従来から、これらの業務を支援し、自動車整備工場等の労力を削減するためのシステムが種々開発され、自動車整備工場等で広く利用されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、コンピュータ操作に不慣れであっても車両の整備等の情報の閲覧、管理が簡易かつ円滑に行えて、整備等の情報を充分活用することができ、整備に関する専門知識が豊富か否かに関わらず顧客に十分な情報を提示することができる車両整備情報管理システムが開示されている。
また、特許文献2には、車両に関する車番と、車両の所有者、使用者情報と各店舗における整備および中古車等の情報提供を含むサービス内容とを記憶し、記憶された情報を顧客に伝達し、また、各店舗における会計処理を簡素化するための車両整備情報管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-120564号公報
【文献】特開2018-092630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、指定整備記録簿に記載された点検項目及び検査項目は、国土交通省が定めた法規制に基づいて、自動車整備工場等の管轄エリア(運輸支局や自動車検査登録事務所)によらず共通の内容となっているが、一方で、点検項目及び検査項目に対する点検結果及び検査結果の記入様式については、国土交通省が定めた法規制に従った上で、管轄エリアごとに異なった独自の記入様式が採用されている。また、車検や定期点検整備にかかる金額(車検や定期点検整備の費用として自動車整備工場等から顧客に対して請求する金額)は、地域格差があり、時期によっては価格変動が生じることもあり得る。
したがって、特許文献1や特許文献2等のシステムを導入する際には、各自動車整備工場等において、その地域や時期に応じてそれぞれ初期設定をする必要があるが、設定項目は複雑且つ多岐にわたるうえ、中には入力が難しい項目もあるため、ユーザである自動車整備工場等が自ら各種条件を設定することは現実には困難であり、実際には、システム導入時にそのシステムの製造販売メーカー(以下、単にメーカー)のサービスマン(担当者)が各自動車整備工場等に直接赴いて初期設定をしているのが現状である。特に、金額には地域格差や価格変動があるが、各自動車整備工場等は、価格の相場等を把握できていないため、正確な金額設定をすることができない。そのため、メーカーとしては余計な手間や人件費が発生しており、その分がシステム自体の対価に上乗せさせることになるので、メーカー及び自動車整備工場等側の双方にとって不利益が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザ属性に応じた各種条件、地域格差や価格変動を反映させることができ、ユーザ自らが容易に初期設定を行うことが可能な整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明の整備業務支援装置によれば、両又は部品の整備業務を支援する整備業務支援装置において、ユーザの属性に対応した管轄地域及び該管轄地域ごとの申請書類形式を記憶した第1記憶部と、初期設定項目を含む設定画面を表示させる表示制御部と、前記設定画面上での前記ユーザの入力動作を順次受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けた前記ユーザの入力動作に従って、前記ユーザの属性に対応した前記管轄地域を選択して前記ユーザごとに初期設定を行う初期設定部と、複数のユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考価格として記憶する第2記憶部と、を備え、前記表示制御部は、前記整備業務に関し、ユーザごとの工賃単価に関する設定価格を初期設定する初期設定項目と、前記工賃単価に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第1の設定画面と、前記整備業務に関し、車両タイプごとに前記整備業務として行う作業価格を初期設定する初期設定項目と、前記作業価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第2の設定画面と、前記整備業務に関し、前記部品の部品価格を初期設定する初期設定項目と、前記部品価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第3の設定画面と、を順次表示させ、前記初期設定項目を反映させた伝票を作成可能とすること、により解決される。
【0009】
また、本発明の整備業務支援システムによれば、サーバと、該サーバと通信可能に接続された情報端末と、により構成された両又は部品の整備業務を支援する整備業務支援システムにおいて、前記サーバ又は前記情報端末が、ユーザの属性に対応した管轄地域及び該管轄地域ごとの申請書類形式を記憶した第1記憶部と、初期設定項目を含む設定画面を表示させる表示制御部と、前記設定画面上での前記ユーザの入力動作を順次受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けた前記ユーザの入力動作に従って、前記ユーザの属性に対応した前記管轄地域を選択して前記ユーザごとに初期設定を行う初期設定部と、複数のユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考価格として記憶する第2記憶部と、を備え、前記表示制御部は、前記整備業務に関し、ユーザごとの工賃単価に関する設定価格を初期設定する初期設定項目と、前記工賃単価に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第1の設定画面と、前記整備業務に関し、車両タイプごとに前記整備業務として行う作業価格を初期設定する初期設定項目と、前記作業価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第2の設定画面と、前記整備業務に関し、前記部品の部品価格を初期設定する初期設定項目と、前記部品価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第3の設定画面と、を順次表示させ、前記初期設定項目を反映させた伝票を作成可能とすること、により解決される。
【0010】
また、本発明の整備業務支援方法によれば、コンピュータによって両又は部品の整備業務を支援する整備業務支援方法において、ユーザの属性に対応した管轄地域及び該管轄地域ごとの申請書類形式を記憶する記憶部を有する前記コンピュータが、期設定項目を含む設定画面を表示させる表示制御ステップと、前記設定画面上での前記ユーザの入力動作を順次受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けた前記ユーザの入力動作に従って、前記ユーザの属性に対応した前記管轄地域を選択して前記ユーザごとに初期設定を行う初期設定ステップと、複数のユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集ステップと、前記金額収集ステップにより収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計ステップと、前記金額集計ステップにより集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考価格として記憶する記憶ステップと、を実行し、前記表示制御ステップは、前記整備業務に関し、ユーザごとの工賃単価に関する設定価格を初期設定する初期設定項目と、前記工賃単価に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第1の設定画面と、前記整備業務に関し、車両タイプごとに前記整備業務として行う作業価格を初期設定する初期設定項目と、前記作業価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第2の設定画面と、前記整備業務に関し、前記部品の部品価格を初期設定する初期設定項目と、前記部品価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第3の設定画面と、を順次表示させ、前記初期設定項目を反映させた伝票を作成可能とすること、により解決される。
【0011】
また、本発明の整備業務支援プログラムによれば、両又は部品の整備業務を支援する整備業務支援プログラムにおいて、ユーザの属性に対応した管轄地域及び該管轄地域ごとの申請書類形式を記憶した第1記憶部を有するコンピュータを、期設定項目を含む設定画面を表示させる表示制御部と、前記設定画面上での前記ユーザの入力動作を順次受け付ける受付部と、前記受付部により受付けた前記ユーザの入力動作に従って、前記ユーザの属性に対応した前記管轄地域を選択して前記ユーザごとに初期設定を行う初期設定部と、複数のユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考価格として記憶する第2記憶部と、して機能させ、前記表示制御部は、前記整備業務に関し、ユーザごとの工賃単価に関する設定価格を初期設定する初期設定項目と、前記工賃単価に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第1の設定画面と、前記整備業務に関し、車両タイプごとに前記整備業務として行う作業価格を初期設定する初期設定項目と、前記作業価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第2の設定画面と、前記整備業務に関し、前記部品の部品価格を初期設定する初期設定項目と、前記部品価格に関する前記参考価格とをそれぞれ表示させた第3の設定画面と、を順次表示させ、前記初期設定項目を反映させた伝票を作成可能とすること、により解決される。
【0012】
以上のように構成された本発明の整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラムでは、初期設定画面において、初期設定項目を対話形式(ウィザード形式)で表示し、ユーザに対して規定の順序で入力動作を指示する。そのため、点検項目及び検査項目に対する点検結果及び検査結果の記入様式については、管轄地域(運輸支局や自動車検査登録事務所)ごとに異なった独自の記入様式が採用されており、ユーザごとにそれぞれ設定する必要があるが、本発明では、複雑且つ多岐にわたる初期設定項目を、ユーザ自身が容易に入力して設定することができる。また、これにより、システム導入時に専門家が各自動車整備工場等に直接赴いて初期設定をする手間を省くことができる。
【0013】
また、前記課題は、本発明の整備業務支援装置によれば、前記ユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、をさらに備え、前記記憶部は、前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考金額として記憶し、前記表示制御部は、前記参考金額を前記設定画面上に表示すること、により解決される。
【0014】
また、本発明の整備業務支援システムによれば、前記サーバ又は前記情報端末が、前記ユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、をさらに備え、前記記憶部は、前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考金額として記憶し、前記表示制御部は、前記参考金額を前記設定画面上に表示すること、により解決される。
【0015】
また、本発明の整備業務支援方法によれば、前記コンピュータが、前記ユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集ステップと、前記金額収集ステップにより収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計ステップと、をさらに備え、前記記憶ステップは、前記金額集計ステップにより集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考金額として記憶し、前記表示制御ステップは、前記参考金額を前記設定画面上に表示すること、により解決される。
【0016】
また、本発明の整備業務支援プログラムによれば、前記コンピュータを、前記ユーザが前記整備業務の対価として顧客に対して提示した金額に関する情報を収集する金額収集部と、前記金額収集部により収集した前記金額に関する情報を前記管轄地域ごとに集計する金額集計部と、してさらに機能させ、前記記憶部は、前記金額集計部により集計した金額に関する情報を前記初期設定の際に適用する前記管轄地域ごとの参考金額として記憶し、前記表示制御部は、前記参考金額を前記設定画面上に表示すること、により解決される。
【0017】
以上のように構成された本発明の整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラムでは、他のユーザが整備業務の対価として顧客に対して提示した金額(見積金額や請求金額)に関する情報を収集し、その金額に関する情報を管轄地域ごとに平均化する等して集計した金額を参考金額として、初期設定画面において表示する。これにより、車検や定期点検整備等にかかる金額(車検や定期点検整備等の費用としてユーザから顧客に対して請求する金額)には地域格差や価格変動があり、ユーザがそれらの金額の相場を把握していない場合であっても、ユーザは、整備業務の対価として適正な料金を設定することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラムによれば、ユーザ属性に応じた各種条件、地域格差や価格変動を反映させることができ、ユーザ自らが容易に初期設定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】整備業務支援装置を含む整備業務支援システムの概要を示す構成図である。
図2】整備業務支援装置の構成を機能面から示した図である。
図3】整備業務支援処理の流れを示すフローチャートである。
図4】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図5】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図6】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図7】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図8】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図9】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図11】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図12】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図13】情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図14】地域平均価格設定の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態(以下「本実施形態」という。)について説明する。
ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0021】
<本実施形態に係る整備業務支援システムの概要>
まず、整備業務支援装置(以下、サーバ1)を含む整備業務支援システムSの概略構成について説明する。
図1は、サーバ1を含む整備業務支援システムSの概要を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態の整備業務支援システムSは、サーバ1と、情報端末2と、から主に構成されており、それらが通信網である通信回線を介して互いに接続されている。
【0022】
サーバ1は、この図1に示す整備業務支援システムSに組み込まれており、例えば、顧客に対して自動車の車両や部品等の点検・検査等を含む整備業務をサービスとして提供する自動車整備工場や自動車販売店等の整備事業者(以下、ユーザという。)、及び、整備業務支援システムSの保守、管理、運用等を行ない、整備業務支援システムSに基づくサービス(以下、整備業務支援サービスという。)をユーザに提供する管理者等によって利用される。
【0023】
サーバ1は、整備業務支援サービスを提供する業者である管理者等が保有又は管理するサーバコンピュータにより構成される。そして、ユーザは、通信回線を介して、サーバ1が提供する機能やサービスを享受することが可能となる。すなわち、ユーザは、それぞれの情報端末2を操作することによりサーバ1と通信して、サーバ1の機能を利用する。また、サーバ1は、一のサーバ装置によって構築されたものに限られず、複数台のサーバ装置を用いて構築されたものであってもよい。
なお、サーバ1の詳細については、後述する。
【0024】
情報端末2は、ユーザが所持して操作するコンピュータにより構成される。情報端末2には、データの送受信を可能にするためのデータ送信部及び受信部、それらのデータを表示するためのディスプレイ等の表示部、ユーザによる入力(複数の選択肢の中から選択する場合を含む。)を受付ける入力部とが備えられており、これによりサーバ1と情報端末2とは通信回線を介してデータの送受信が可能である。
なお、情報端末2は、少なくとも、データ等の入力、作成、変更等を行うための入力機能、データの送受信を可能にするためのデータ送信部及び受信部、並びに受信したデータ等を表示する表示部等を備えているものであれば、特に限定されるものではなく、スマートフォン、タブレット端末、ディスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯電話及びゲーム機等が利用可能である。
【0025】
通信回線は、例えば、インターネットや3G、4G、LTE等のモバイルネットワークからなり、サーバ1、情報端末2、その他の外部サービスや外部データベースを相互に通信可能に接続している。
なお、情報端末2は、図1中では一台のみ接続されている構成であるが、実際にはユーザの数に応じて複数台接続されている状態が想定される。また、その他のサーバや情報端末が接続されている構成としてもよい。
【0026】
<整備業務支援装置(サーバ)の詳細構成>
次に、サーバ1の詳細構成について説明する。
サーバ1は、少なくとも、制御やデータの計算・加工を行う演算部としてのCPU、読み出し専用の記憶装置としてのROM、メインメモリ(主記憶装置)としてのRAM、通信回線を通じて通信可能な外部の機器等とデータの送受信を行う通信用インタフェース、及び、補助記憶装置としてのハードディスクドライブ等を構成要素として有する。
【0027】
本実施形態のサーバ1は、クラウドサービスの方式を利用しており、ウェブ上において、仮想サーバ、処理サーバ、管理サーバ、各種データベースサーバ等、役割が分散された各サーバ等が互いに通信可能に接続されることにより、構成されている。
【0028】
また、サーバ1には、その機能を発揮させるためのプログラム(以下、整備業務支援プログラムという。)が予めインストールされている。この整備業務支援プログラムがCPUに読み取られて実行されることにより、整備業務支援装置としての機能が発揮される。
ここで、サーバ1の機能は、ユーザ及び管理者等によって享受されることになるが、当該機能のユーザ等への提供方式としては、例えば、ASPサービス等の方式であってもよい。また、データベースサーバは別体として構成してもよい。また、システムバックアップ、データベースバックアップを適宜行うことが好ましい。
【0029】
サーバ1のハードウェア構成については上述の通りであるが、サーバ1の構成を機能面から改めて説明する。
図2は、整備業務支援装置の構成を機能面から示した図である。
図2に示すように、サーバ1は、記憶部11と、表示制御部12と、受付部13と、初期設定部14と、金額収集部15と、金額集計部16と、を主な構成要素として有している。
【0030】
記憶部11は、ハードディスクドライブ(又は外部のデータベースサーバであってもよい。)により構成されている。
記憶部11には、ユーザの名称、住所、連絡先等の基本的な情報の他、工場区分、運輸局認証番号、運輸局指定番号、自動車検査登録事務所、締日や期首月等の会計に関する情報、休日に関する情報を含む事業者情報が記憶されている。
また、管轄地域(運輸支局や自動車検査登録事務所)の名称、住所、連絡先等の基本的な情報や管轄地域ごとに規定されている申請書類の形式等の情報を含む管轄地域情報が記憶されている。また、複数ユーザが整備業務の対価として顧客に対して提示した金額(見積金額や請求金額)に関する情報を収集し、それらの金額に関する情報を管轄地域ごとに平均化する等して集計した金額、すなわち、参考金額に相当する地域平均価格情報等がサービス内容や部品等の項目別に記憶されている。
【0031】
表示制御部12は、情報端末2のディスプレイ等の表示部に初期設定項目を含む初期設定画面を対話形式(ウィザード形式)で表示させるものである。
受付部13は、情報端末2に表示された初期設定画面上でユーザにより入力された指示信号を、通信回線を介して受信するものである。
初期設定部14は、受付部13により受信した指示信号に従ってユーザごとに管轄地域を特定して、特定した管轄地域に該当する管轄地域情報を記憶部11から抽出し、そのユーザを示す事業者情報に設定するものである。
金額収集部15は、ユーザごとに整備業務の対価として顧客に対して見積や請求等により提示した金額に関する情報を、複数のユーザから収集するものである。
金額集計部16は、金額収集部15により収集した金額に関する情報を、管轄地域ごとに平均化する等して集計して参考金額を算出するものである。
これらの機能部は、サーバ1が実行する各種処理を担うものであり、サーバ1を構成する上述のハードウェア構成機器と上述の整備業務支援プログラムとが協働することによって構成されている。
【0032】
<整備業務支援方法>
次に、本実施形態に係る整備業務支援方法について説明する。
本実施形態に係る整備業務支援方法は、コンピュータとして機能するサーバ1を用いることで実現される。換言すると、サーバ1が実行する整備業務支援処理では、本実施形態に係る整備業務支援方法が適用されている。
【0033】
整備業務支援システムSにて実行される整備業務支援処理(初期設定処理)の流れについて説明する。
図3は、整備業務支援システムSにおいて実行される整備業務支援処理の流れを示すフローチャートである。図4から図13は、整備業務支援処理の各工程において情報端末2に表示される画面の一例を示す図である。
【0034】
整備業務支援処理は、図3に示すような流れで進行し、サーバ1は、情報端末2に対して会社情報設定画面を表示させ(S101)、情報端末2に対して会計情報設定画面を表示させ(S102)、情報端末2に対して休日情報設定画面を表示させる(S103)。そして、情報端末2に対して自社情報設定画面を表示させ(S104)、情報端末2に対して振込口座情報設定画面を表示させる(S105)。さらに、情報端末2に対してレイバーレート設定画面を表示させ(S106)、情報端末2に対して作業価格設定画面を表示させ(S107)、情報端末2に対して部品価格設定画面を表示させて(S108)、処理を終了する。
以下、上記の各工程について、情報端末2に表示される画面を参照しつつ、具体的に説明する。
【0035】
図4に示すように、S101に該当する会社情報設定画面では、ユーザは、まず、自社の工場区分を指定工場、認証工場、その他の中から選択する。また、ユーザは、運輸局認証番号と運輸局指定番号を入力する。一方、自動車検査登録事務所(運輸支局含む。)は、システム契約時等、ユーザが事前に登録した住所を元に自動的に選択される。ここで設定した情報は車両登録時または申請書類発行時の初期選択値となり、入力の手間を省くことができる。
なお、入力が終了すると、「次へ」のボタンを押すことにより次の画面へ遷移する(以下、図5から図12までの設定画面についても同じ。)。
【0036】
図5に示すように、S102に該当する会計情報設定画面では、ユーザは、自社の締日、自社の期首月、消費税端数処理の方法について、選択又は入力する。このように、ここでは、ユーザは自社の会計に関する必要最低限の設定を行う。ここで事前に設定しておくことにより、マスタメンテナンスで設定を行う必要なく業務を開始することができる。
【0037】
図6に示すように、S103に該当する休日設定画面では、ユーザは、定期的に繰り返す休日(毎週、毎月)に関する情報を選択又は入力する。また、日にちごとの休日を追加することもできる。このように、ここでは、ユーザは、自社の休日を設定する。ここで設定した情報を元に専用のカレンダーが作成され、受付画面に表示される。
【0038】
ここまでで基本的な情報の入力を終了すると、次に、図7に示すように、伝票作成(印刷)に使用する内容の登録を設定するための画面に遷移する。
【0039】
図8に示すように、S104に該当する自社情報設定画面では、ユーザは、自社PR文、自社名、自社名備考、自社住所、連絡先(電話番号、FAX番号)、URL等の伝票作成のときに、自社情報として伝票に印字される各種情報を選択又は入力して登録する。なお、自社名や自社住所等の一部の情報は、システム契約時等にユーザが事前に登録した内容が反映されて初期表示される。
【0040】
図9に示すように、S105に該当する振込口座情報設定画面では、ユーザは、銀行名、預金種類、口座番号、口座名義、振込案内文等の口座情報を選択又は入力して登録する。ここで設定した情報が振込先口座情報として伝票に印字される。
【0041】
図10に示すように、S106に該当するレイバーレート設定画面では、ユーザは、レイバーレート(工賃単価)を事前に設定することができ、具体的には、車検レイバーレート、一般整備レイバーレートを選択又は入力する。ここでは、参考価格として、左列部分に自社の住所に応じた地域に対応するレイバーレートの相場、すなわち、「地域平均価格」が表示される。ユーザは、一般的な料金表を参照するようなイメージで、その「地域平均価格」を参照して、右列部分に自社のレイバーレートを設定することができる。すなわち、その地域での平均価格を意識した値付けを簡単に行うことができる。また、「おまかせ入力」ボタンを押すことにより、「地域平均価格」を「設定価格」に転記することもできる。ここで設定した価格は、技術料の算出のために使用され、伝票作成時に自動的に反映される。
【0042】
図11に示すように、S107に該当する作業価格設定画面では、ユーザは、代表的な作業価格を車両のタイプ別に事前に設定でき、例えば、車種(軽、1t、1.5t、2t、2t超)ごとに車検基本料金、代行手数料、下廻り洗浄、下廻り塗装、総合検査料、6ヶ月点検、12カ月点検等の価格を選択又は入力する。ここでは、参考価格として、左列部分に自社の住所に応じた地域に対応する各作業価格の相場、すなわち、「地域平均価格」が表示される。ユーザは、一般的な料金表を参照するようなイメージで、その「地域平均価格」を参照して、右列部分に自社の各作業価格を設定することができる。また、「おまかせ入力」ボタンを押すことにより、「地域平均価格」を「設定価格」に転記することもできる。ここで設定した価格は、技術料の算出のために使用され、伝票作成時に自動的に反映される。
【0043】
図12に示すように、S108に該当する部品価格設定画面では、ユーザは、代表的な部品価格を事前に設定でき、例えば、エンジンオイル、ブレーキオイル、ATF、LLC、ギアオイル、デファレンシャルオイル、パワステオイル等の油脂類1リットルあたりの価格を選択又は入力する。ここでは、参考価格として、左列部分に自社の住所に応じた地域に対応する各部品価格の相場、すなわち、「地域平均価格」が表示される。ユーザは、一般的な料金表を参照するようなイメージで、その「地域平均価格」を参照して、右列部分に自社の各部品価格を設定することができる。また、「おまかせ入力」ボタンを押すことにより、「地域平均価格」を「設定価格」に転記することもできる。ここで設定した価格は、伝票作成時に自動的に反映される。
【0044】
以上、初期設定項目について全ての入力を終了すると、最後に、図13に示すように、設定完了を示す画面に遷移して処理を終了する。なお、各画面で入力した内容は、後からいつでも修正、変更等をすることも可能である。
【0045】
上記の各画面においては、初期設定が現在どの段階まで進行しているかが一目でわかるように、画面上部に進捗状況を示すバーを表示している。
なお、上記の各画面においては、ナビゲータ役のキャラクター(不図示)が登場し、ユーザに対して、文字や音声等により初期設定項目への入力を促すようにしてもよい。また、不明点について質問すれば、そのキャラクターがユーザに対して回答する構成としてもよい。
【0046】
次に、参考金額となる地域平均価格の設定について説明する。
図14は、地域平均価格設定の流れを説明する図である。
図14に示すように、地域平均価格は、ユーザごとに整備業務の対価として顧客に対して見積や請求等により提示した金額を、複数のユーザから収集し、それらの情報を管轄地域ごとに平均化する等して集計して算出する。そして、事業者情報に応じた地域の作業価格や部品価格の地域平均価格を該当ユーザに提供する。なお、ここで参考とするデータは、ユーザの個人情報を除いた形で収集し、車別や地域単位ごとに集計する。また、この地域平均価格は、一定の周期で再集計することとしてもよいし、リアルタイムで更新して常に最新の情報を参照できるようにしてもよい。
【0047】
以上説明したとおり、本実施形態の整備業務支援システムSでは、初期設定画面において、初期設定項目を対話形式(ウィザード形式)で表示する点、及び、地域平均価格を参照して金額設定ができる点において特徴を有する。
前者の点においては、システム購入後、ウィザードで聞かれる内容に答えると、そのユーザに最適な質問内容だけに答えることで設定が完了し、システムが利用できる状況になる。そのため、例えば、工場の種別や対象業務、購入したオプションなどにより質問を選別する等、質疑形式で対象のユーザに必要な質問事項だけに絞り込み短い時間で設定を行うことができる。また、質疑形式で入力された内容を加工し業務を開始するために必要な設定を行うことができる。また、契約時に登録した住所を元に運輸支局などが初期選択され、ユーザの入力の手間を省くことができる。さらに、申請書類新規作成時、車両のナンバープレートを元に運輸支局などを初期表示することもできる。
後者の点においては、ユーザが日々の業務で使用する、商品(作業、部品)の地域平均値が提供されているため、地域平均、すなわち、競合を意識した商品(作業、部品)の値付けを行うことができる。特に、初期設定画面で自社の住所を元に地域平均価格を表示でき、その地域平均価格を元に商品(作業、部品)を設定することにより、売上伝票作成時に設定した価格が自動反映さて、業務が効率化される。また、原油価格等に伴って上下する変動性のある価格についても、適時見直すことができる。
【0048】
<その他>
以上までに本発明に係る整備業務支援装置、整備業務支援システム、整備業務支援方法及び整備業務支援プログラムの一例について説明してきたが、上記の実施形態は、本発明の具体的構成の一つに過ぎず、他の構成例や適用例も考えられる。
例えば、本実施形態では、管轄地域(運輸支局や自動車検査登録事務所)は、事前に登録したユーザの住所等の情報を元に自動的に選択される構成としたが、車両のナンバー等の情報から自動的に選択される構成としてもよい。
また、参考金額は、管轄地域ごとの地域平均価格に限定せず、関東地方や九州地方等のより広い地域の平均値でもよいし、さらには全国平均値等を参照できるようにしてもよい。また、単純な平均値に限らず、分散状況をグラフ化して表示する等してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 サーバ(整備業務支援装置)
2 情報端末
11 記憶部
12 表示制御部
13 受付部
14 初期設定部
15 金額収集部
16 金額集計部
S 整備業務支援システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14