(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】撮像装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 11/04 20210101AFI20230131BHJP
G03B 9/08 20210101ALI20230131BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20230131BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20230131BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20230131BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20230131BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230131BHJP
【FI】
G03B11/04 B
G03B9/08 Z
G03B17/02
G03B17/18
H04M1/02 C
H04N23/55
H04N23/60
(21)【出願番号】P 2018224360
(22)【出願日】2018-11-30
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】今井 謙三
(72)【発明者】
【氏名】渡部 伸昭
(72)【発明者】
【氏名】掛水 大介
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-122569(JP,A)
【文献】特開2001-326841(JP,A)
【文献】実開平06-050043(JP,U)
【文献】特開2005-049700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 11/04
G03B 9/08
G03B 17/02
G03B 17/18
H04M 1/02
H04N 23/55
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と、
前記撮像素子に照射される光の少なくとも一部を遮蔽する閉状態と、前記撮像素子に光が照射される開状態とを切り替えるよう作動する羽根部材と、
前記羽根部材を駆動する羽根駆動部と、
前記羽根部材の位置を検出する位置検出部と、
前記羽根駆動部を制御する
とともに、前記位置検出部による位置検出結果、または前記撮像素子で検出される光量に基づいて前記開状態及び前記閉状態を判断する羽根制御部と、を備え、
前記羽根制御部は、撮影を行わない非撮影モード時に、
所定時間毎に前記閉状態であることを確認し、前記開状態である場合には前記閉状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御するとともに、前記非撮影モード時には、前記開状態及び前記閉状態のどちらであっても、前記閉状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する、
撮像装置。
【請求項2】
前記羽根制御部は、前記非撮影モード時には前記閉状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記羽根制御部は、撮影を行う撮影モード時に前記開状態であることを確認し、前記閉状態である場合には前記開状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する、
請求項1
または請求項2のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記非撮影モードは、使用者を認証する認証部による認証に成功していないロック状態を含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記羽根制御部は、前記認証部による認証に成功しているロック解除状態時に前記開状態であることを確認し、前記閉状態である場合には前記開状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する、
請求項
4に記載の撮像装置。
をさらに備え、
【請求項6】
前記羽根部材の開閉状態を通知する通知部をさらに備える、
請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記通知部は、前記羽根部材が前記開状態になったときに音声を出力する音声出力部である、
請求項
6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記羽根部材が前記開状態になったときに発光状態が変化する発光部である、
請求項
6に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記通知部は、前記羽根部材が前記開状態になったときに外部から色彩の変化を視認可能な色彩変化部である、
請求項
6に記載の撮像装置。
【請求項10】
開口部を有し、前記羽根部材を移動自在に支持するベースと、
前記開状態のときと、前記閉状態のときとで異なる方向に前記羽根部材を付勢する付勢部材と、をさらに備え、
前記開口部は、前記閉状態において前記羽根部材と前記撮像素子との間に位置している、
請求項1から請求項
9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記羽根部材は、前記羽根駆動部による駆動に加え、手動により移動自在である、
請求項
10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記羽根部材は、操作可能な操作部を有する、
請求項
11に記載の撮像装置。
【請求項13】
請求項1から請求項
12のいずれか1項に記載の撮像装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、カメラなどの撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、タブレット機器、及びノート型PC(Personal Computer)などに撮像装置(カメラ)が搭載された機器が増加している。このような機器に搭載される撮像装置は、例えば特許文献1及び2などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-271989号公報
【文献】特開2001-356387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像装置が搭載された機器では、ユーザが意図しないタイミングで撮像が行われてしまうと、プライバシーが侵害されてしまったり、秘匿情報が漏洩してしまったりすることがある。そこで、ユーザが意図しないタイミングに撮像が行われないような機能が求められている。その機能を実現する一つの手段として、撮像装置の光路上に羽駆動装置を配置することが考えられている。ところが、撮影および撮像装置のレンズを保護するために設けられた従来の羽根駆動装置に対しては静音性が求められていることがある。このような羽根駆動装置を上記の機能を実現するために配置した場合、羽根部材が静音動作するため、羽根部材が開いたことをユーザが気付きづらい。そのため、外部からの不正アクセスまたは落下の衝撃や外部などで羽根駆動装置が開いた場合であっても、ユーザが気付かずにそのままになってしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の第1の手段は、
撮像素子(111)と、
前記撮像素子に照射される光の少なくとも一部を遮蔽する閉状態と、前記撮像素子に光が照射される開状態とを切り替えるよう作動する羽根部材(80)と、
前記羽根部材を駆動する羽根駆動部(106)と、
前記羽根駆動部を制御する羽根制御部(105)と、を備え、
前記羽根制御部は、撮影を行わない非撮影モード時に前記閉状態であることを確認し、前記開状態である場合には前記閉状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する、
撮像装置である。
【0007】
上記構成の撮像装置によれば、ユーザの意図に反して非撮影モード時に羽根部材が開状態になってしまい、撮影可能な状態になったとしても、自動的に羽根部材を閉状態に戻すことが可能となる。これにより、例えば撮像装置がネットワークなどを介して外部機器と接続可能なものである場合、外部からの不正アクセスによって、閉状態になっているはずの羽根部材が開状態になってしまったとしても、元の閉状態に戻すことができる。また、撮像装置が携帯可能なものである場合は、落下などの衝撃によって羽根部材が開状態になったとしても、元の閉状態に戻すことができる。そのため、ユーザが意図しない画像を撮影したり、プライバシーが侵害されてしまったりすることを防止することが可能となる。
【0008】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根制御部(105)は、前記非撮影モード時に、所定時間毎に前記閉状態であることを確認し、前記開状態である場合には前記閉状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する。
【0009】
上記構成の撮像装置によれば、羽根部材が開状態になったとしても、所定時間後には閉状態に戻すことが可能となる。これにより、意図せず羽根部材が開状態になったままになることを効果的に防止することができる。
【0010】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根制御部は、前記非撮影モード時には前記閉状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する。
【0011】
上記構成の撮像装置によれば、非撮影モード時に羽根部材を開状態にする外力が与えられた場合であっても、閉状態のまま維持することが可能となる。たとえば、落下の衝撃などで羽根駆動部の駆動力よりも大きい外力が羽根部材に加わったとしても、羽根部材の閉状態が維持される。これにより、ユーザの意図に反して羽根部材が開状態になることを効果的に防止することができる。
【0012】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根制御部は、撮影を行う撮影モード時に前記開状態であることを確認し、前記閉状態である場合には前記開状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する。
【0013】
上記構成の撮像装置によれば、撮影モード時に、ユーザの意図に反して羽根部材が閉状態になってしまい、撮影できない状態になったとしても、自動的に羽根部材80を開状態にして撮影可能な状態にすることが可能となる。これにより、例えば落下の衝撃や、不正アクセスによって、開状態になっているはずの羽根部材80が閉状態になってしまった場合であっても開状態に戻すことができる。
【0014】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記非撮影モードは、使用者を認証する認証部による認証に成功していないロック状態を含む。
【0015】
上記構成の撮像装置によれば、ロック状態であるにもかかわらず、ユーザの意図に反して羽根部材が開状態になってしまい撮影可能な状態になったとしても、自動的に羽根部材を閉状態に戻すことが可能となる。
【0016】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根制御部は、前記認証部による認証に成功しているロック解除状態時に前記開状態であることを確認し、前記閉状態である場合には前記開状態となるように前記羽根部材を駆動するよう前記羽根駆動部を制御する。
【0017】
上記構成の撮像装置によれば、ユーザの意図に反して、ロック解除状態時に羽根部材が閉状態になってしまい、撮影できない状態になったとしても、自動的に羽根部材を開状態にして撮影可能な状態にすることが可能となる。これにより、例えば落下の衝撃や、不正アクセスによって、開状態になっているはずの羽根部材が閉状態になってしまった場合であっても開状態に戻すことができる。
【0018】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根制御部は、前記撮像素子の検出結果に基づいて前記開状態及び前記閉状態を判断する。
【0019】
上記構成の撮像装置によれば、羽根部材の開閉状態を確認する部材を追加することなく、羽根部材の開閉状態を確認可能な構成とすることができる。これにより、新たな構成の追加に伴う部品、コスト及び煩雑な処理を追加することなく、羽根部材の開閉状態に応じた処理が可能となる。
【0020】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根部材の位置を検出する位置検出部(20c、20d、31、35a、35b)をさらに備え、
前記羽根制御部は、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記開状態及び前記閉状態を判断する。
【0021】
上記構成の撮像装置によれば、周囲が暗い場面でも、適切に羽根部材の開閉状態を判断することが可能となる。
【0022】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根部材の開閉状態を通知する通知部をさらに備える。
【0023】
上記構成の撮像装置によれば、羽根部材の状態をユーザが確認可能な構成としているため、ユーザが意図せず羽根部材が開状態または閉状態になることを防止することができる。
【0024】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記通知部は、前記羽根部材が前記開状態になったときに音声を出力する音声出力部である。
【0025】
上記構成の撮像装置によれば、周囲が暗い場面などであっても、ユーザが聴覚で羽根部材の開状態を認識することが可能となる。これにより、ユーザがより確実に羽根部材の状態を認識可能な構成とすることができる。
【0026】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記通知部は、前記羽根部材が前記開状態になったときに発光状態が変化する発光部である。
【0027】
上記構成の撮像装置によれば、周囲の音が聞こえづらい場面、または周囲が暗い場面などであっても、ユーザが視覚で羽根部材の開状態を認識することが可能となる。これにより、ユーザがより確実に羽根部材の状態を認識可能な構成とすることができる。
【0028】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記通知部は、前記羽根部材が前記開状態になったときに外部から色彩の変化を視認可能な色彩変化部である。
【0029】
上記構成の撮像装置によれば、簡易な構成で、ユーザが視覚で羽根部材の開状態を認識することが可能となる。これにより、ユーザがより確実に羽根部材の状態を認識可能な構成とすることができる。
【0030】
上記撮像装置において、好ましくは、
開口部を有し、前記羽根部材を移動自在に支持するベース(10)と、
前記開状態のときと、前記閉状態のときとで異なる方向に前記羽根部材を付勢する付勢部材(60)と、をさらに備え、
前記開口部は、前記閉状態において前記羽根部材と前記撮像素子との間に位置している。
【0031】
上記構成の撮像装置によれば、羽根部材を開状態または閉状態に維持する構成とすることができるため、外力により羽根部材が不意に開状態または閉状態に変化することを防止することが可能となる。
【0032】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根部材は、前記羽根駆動部による駆動に加え、手動により移動自在である。
【0033】
上記構成の撮像装置によれば、例えば、不正アクセスなどにより羽根部材を閉じることができなくなったときにも、羽根部材を手動により移動させることが可能となる。これにより、セキュリティ性能を高めることなどができる。
【0034】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記羽根部材は、操作可能な操作部(80c)を有する。
【0035】
上記構成の撮像装置によれば、羽根部材を手動で操作しやすい構成にすることができる。
【0036】
本発明は、上記いずれかの撮像装置を備えた、スマートフォン、タブレット機器、及びPCなどの電子機器を含む。
【0037】
上記構成の電子機器によれば、不正アクセスによりプライバシーが侵害されたり秘匿情報が漏洩したりしやすい機器において、効果的にセキュリティ性能を高めた構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、実施形態1の撮像装置における可動羽根機構部分の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の撮像装置における可動羽根機構部分の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の撮像装置における駆動機構部分の斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態1の撮像装置における駆動機構部分をz軸+側から見た平面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の撮像装置において、駆動機構部分をy軸+側から見た平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が開状態のときの可動羽根機構部分をz軸+側から見た平面図である。
【
図7】
図7は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が開状態のときの可動羽根機構部分をz軸-側から見た平面図である。
【
図8】
図8は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が開状態のときの可動羽根機構部分をy軸+側から見た平面図である。
【
図9】
図9は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が開状態のときの可動羽根機構部分をy軸-側から見た平面図である。
【
図10】
図10は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が開状態のときの可動羽根機構部分をx軸+側から見た平面図である。
【
図11】
図11は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が開状態のときの可動羽根機構部分をx軸-側から見た平面図である。
【
図12】
図12は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が開状態のときの可動羽根機構部分をz軸+側から見た透過平面図である。
【
図13】
図13は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が開状態のときの駆動機構部分をy軸+側から見た平面図である。
【
図14】
図14は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの可動羽根機構部分をz軸+側から見た平面図である。
【
図15】
図15は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの可動羽根機構部分をz軸-側から見た平面図である。
【
図16】
図16は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの可動羽根機構部分をy軸+側から見た平面図である。
【
図17】
図17は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの可動羽根機構部分をy軸-側から見た平面図である。
【
図18】
図18は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの可動羽根機構部分をx軸+側から見た平面図である。
【
図19】
図19は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの可動羽根機構部分をx軸-側から見た平面図である。
【
図20】
図20は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの可動羽根機構部分をz軸+側から見た透過平面図である。
【
図21】
図21は、実施形態1の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの駆動機構部分をy軸+側から見た平面図である。
【
図22】
図22は、実施形態1の撮像装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図23】
図23は、実施形態1の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【
図24】
図24は、実施形態1の変形例1の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、実施形態1の変形例2の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は、実施形態1の変形例3の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【
図27】
図27は、実施形態1の変形例4の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの構成を示す図である。
【
図28】
図28は、実施形態1の変形例4の撮像装置において羽根部材が開状態のときの構成を示す図である。
【
図29】
図29は、実施形態1の変形例5の撮像装置において羽根部材が閉状態のときの構成を示す図である。
【
図30】
図30は、実施形態1の変形例5の撮像装置において羽根部材が開状態のときの構成を示す図である。
【
図31】
図31は、実施形態2の撮像装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図32】
図32は、実施形態2の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【
図33】
図33は、実施形態2の変形例1の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【
図34】
図34は、実施形態2の変形例2の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【
図35】
図35は、実施形態2の変形例3の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の撮像装置は、撮像素子に対する光の照射を遮蔽する羽根部材が、ユーザに意図に反して開状態になってしまうことを防止する構成になっている点を特徴のひとつとする。
【0040】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態1
(1)実施形態1の撮像装置の可動羽根機構部分の構成
(2)実施形態1の撮像装置の機能的構成
(3)実施形態1の撮像装置の作動
(4)変形例1
(5)変形例2
(6)変形例3
(7)変形例4
(8)変形例5
2.実施形態2
(1)実施形態2の撮像装置の機能的構成
(2)実施形態2の撮像装置の作動
(3)変形例1
(4)変形例2
(5)変形例3
3.本発明の特徴
4.補足事項
【0041】
<1.実施形態1>
<(1)実施形態1の撮像装置の可動羽根機構部分の構成>
まず、本発明の実施形態1について、
図1~
図23を参照しながら具体的に説明する。説明は、撮像装置の可動羽根機構部分の構造、撮像装置の機能的構成、撮像装置の作動の順に行う。
【0042】
各図には、互いに直交するx軸、y軸、及びz軸を記載している。図中のx軸、y軸、及びz軸は、矢印方向を+側、矢印方向とは逆方向を-側と呼ぶことがある。また、z軸-側は、撮像素子に対して被写体が位置する側であるため、「被写体側」ということがある。逆に、z軸+側は、被写体に対して撮像素子が位置する側であるため「撮像素子側」ということがある。
【0043】
図1~
図21は、本実施形態の撮像装置(カメラ)の構成を示す図である。
図1及び
図2は、それぞれ異なる方向から見た撮像装置の可動羽根機構部分の分解斜視図である。
図3~
図5はモータ70から羽根部材80まで連結された駆動機構部分の構成を抜き出した図であって、
図3は斜視図、
図4はz軸+側から見た平面図、
図5はy軸+側から見た平面図である。
【0044】
【0045】
図6は、可動羽根機構部分をz軸+側から見た平面図である。
図7は、可動羽根機構部分をz軸-側から見た平面図である。
図8は、可動羽根機構部分をy軸+側から見た平面図である。
図9は、可動羽根機構部分をy軸-側から見た平面図である。
図10は、可動羽根機構部分をx軸+側から見た平面図である。
図11は、可動羽根機構部分をx軸-側から見た平面図である。
図12は、可動羽根機構部分をz軸+側から見た平面図である。
図13は、羽根部材の駆動機構部分をy軸+側から見た平面図である。
【0046】
図14は、可動羽根機構部分をz軸+側から見た平面図である。
図15は、可動羽根機構部分をz軸-側から見た平面図である。
図16は、可動羽根機構部分をy軸+側から見た平面図である。
図17は、可動羽根機構部分をy軸-側から見た平面図である。
図18は、可動羽根機構部分をx軸+側から見た平面図である。
図19は、可動羽根機構部分をx軸-側から見た平面図である。
図20は、可動羽根機構部分をz軸+側から見た平面図である。
図21は、駆動羽根機構の駆動機構部分をy軸+側から見た平面図である。
【0047】
<可動羽根機構部分の構成概略>
本実施形態の撮像装置の可動羽根機構部分は、ベース10、カバー20、スライドギア30、第1ギア41、第2ギア42、押え部材50、ばね60、モータ70、及び羽根部材80を含んで構成される。
【0048】
<ベース10>
ベース10は、可動羽根機構部分の被写体側の筐体となる板状部材である。ベース10は、z軸方向に貫通する円状の貫通孔である開口部10aを有する。開口部10aのx軸-側には、z軸方向に貫通し、x軸-側に直線状に延びるガイド10b及び10cが形成される。ガイド10b及び10cには、羽根部材80の被ガイド80a及び80bがそれぞれ挿通される。
【0049】
図2などに示されるように、ベース10は、z軸+側の面に、z軸+側に向かって突出する軸部10d、10e、及び10fを有する。軸部10dには、ばね60の第2腕部60bが掛止られる。軸部10eには、第1ギア41が挿入される。軸部10fには、第2ギア42が挿入される。ベース10は、位置センサ20c及び20dが配置される切欠部10g及び10hを有する。
【0050】
<カバー20>
カバー20は、z軸+側からベース10に対向するよう取り付けられる。ベース10及びカバー20によって、スライドギア30、第1ギア41、第2ギア42、押え部材50、及びばね60を収容する収容空間が形成される。カバー20は、軸部10e及び10fがそれぞれ挿入される、孔部20a及び20bを有する。
【0051】
カバー20には、位置センサ20c及び20dが配置される。位置センサ20c及び20dは、遮光部材31と組になって、遮光部材31が、位置センサ20c及び20dのどちら側に位置しているかを検出する。位置センサ20c及び20dは、例えば、フォトインタラプタである。すなわち、位置センサ20c及び20dは、それぞれ発光部及び受光部を有しており、発光部と受光部との間に、遮光部材31が位置することで光が遮蔽され、遮光部材31の位置を検出することができる。遮光部材31は、羽根部材80に連結されたスライドギア30に連結されているため、位置センサ20c、20d、及び遮光部材31により、羽根部材80が開状態なのか閉状態なのかを検出することができる。後述するように、位置センサ20c、20d、及び遮光部材31は、位置検出部121として機能する。
【0052】
なお、これらの位置センサ20c、20d、は、フォトインタプリタに限定されるものではなく、フォトリフレクタなどであってもよい。また、磁力で位置を検出するホール素子を用いた位置検出部であってもよい。また、他のセンサが用いられる場合、用いられた他のセンサに合わせて、遮光部材31は反射部材やマグネットに置き換えられる。
【0053】
<スライドギア30>
スライドギア30は、羽根部材80に連結され、ベース10に対してx軸方向に往復移動自在に配置される。スライドギア30は、x軸方向に延びるラックギア30aを有する。ラックギア30aは、第1ギア41の小ギア41aに噛み合う。第1ギア41が回動することで、ラックギア30aを介してx軸方向に移動する。
【0054】
スライドギア30は、z軸方向に貫通し、x軸方向に延びるガイド30b及び30cを有する。ガイド30b及び30cには、羽根部材80の被ガイド80a及び80bがそれぞれ挿通される。スライドギア30は、z軸+側に延びる軸部30dを有する。軸部30dには、ばね60の第1腕部60aが掛止られる。スライドギア30は、ねじ孔30e及び30fを有する。ねじ孔30e及び30fには、それぞれねじ51a及び51bがそれぞれ挿入され、これによって押え部材50がスライドギア30に対して固定される。
【0055】
スライドギア30には、遮光部材31が連結される。遮光部材31は、既に説明したように、カバー20に連結された位置センサ20c及び20dと組になり、羽根部材80の位置を検出し、これによって羽根部材80が開状態か閉状態かを判定可能となる。
【0056】
<第1ギア41>
第1ギア41は、小ギア41aと、小ギア41aより大きな径を有する大ギア41bを有する。小ギア41aと大ギア41bとは同軸で、互いに連動して回動する。小ギア41aは、スライドギア30のラックギア30aと噛み合う。大ギア41bは、第2ギア42の小ギア42bと噛み合う。
【0057】
<第2ギア42>
第2ギア42は、小ギア42bと、小ギア42bより大きな径を有する大ギア42aを有する。小ギア42bと大ギア42aとは同軸で、互いに連動して回動する。小ギア42bは、上述のように、第1ギア41の大ギア41bと噛み合う。大ギア42aは、モータ70の出力ギア70aと噛み合う。
【0058】
<モータ70>
モータ70は、後述する羽根駆動部106から与えられる電力により回動する。モータ70は、x軸+側に向かって突出する出力軸を有し、出力軸の先端部には出力ギア70aが配置される。モータ70の出力軸は、座金21の貫通孔及びカバー20の貫通孔20eに挿通される。出力ギア70aには、上述のように第2ギア42の大ギア42aが噛み合う。
【0059】
<押え部材50>
押え部材50は、スライドギア30とばね60との間に配置される。押え部材50は、貫通孔であるねじ孔50a及び50bに挿通されたねじ51a及び51bによって、スライドギア30に連結される。
【0060】
<ばね60>
ばね60は、第1腕部60a及び第2腕部60bを有するトーションばねであって、回転方向に付勢力を与える。ばね60の第1腕部60aはスライドギア30の軸部30dに掛止られる。ばね60の第2腕部60bはベース10の軸部10dに掛止られる。これによって、ばね60は、ベース10を基準として、スライドギア30に対して付勢力を与えることとなる。羽根部材80が閉状態にあるときは、ばね60はスライドギア30に対してx軸+側に向かう付勢力を与える。一方、羽根部材80が開状態にあるときは、ばね60はスライドギア30に対してx軸-側に向かう付勢力を与える。つまり、ばね60はスライドギア30に対して、羽根部材80が開状態のときは開状態を維持する方向に付勢力を与え、羽根部材80が閉状態のときは閉状態を維持する方向に付勢力を与える。ばね60は、羽根部材80の移動領域の中央位置で、その付勢方向が変化するよう配置されている。ばね60は、本発明の「付勢部材」の一構成例である。なお、ばね60に代えて、トーションばね以外のばねや、他の付勢部材を用いてもよい。
【0061】
<羽根部材80>
羽根部材80は、開口部10aを開放または閉鎖するよう、ガイド10b、10c、30b及び30cに沿ってx軸方向に往復移動自在に、ベース10により支持される。羽根部材80は遮光部材で形成される。羽根部材80は、開口部10aを閉鎖する閉状態のときには、撮像素子111に照射される光を遮蔽する。羽根部材80は、開口部10aを開放する開状態のときには、撮像素子111に被写体側からの光が照射される状態となる。
【0062】
なお、本実施形態の撮像装置は、遮光部材として機能する羽根部材80とは別に、図示しないシャッタ装置を含む構成としてもよい。この場合、羽根部材80が開状態のときは、このシャッタ装置の作動により撮像素子111への露光(光の照射)が制御される。
【0063】
羽根部材80のz軸-側(被写体側)の面には、z軸-側に突出する、ユーザが操作可能なつまみ80cが形成されている。ユーザは、つまみ80cを操作することで、羽根部材80の位置を維持しようとする力に抗して、羽根部材80を移動させることができる。つまみ80cは、本発明の「突部」の一構成例である。
【0064】
羽根部材80は、遮光部材ではなく、光の一部を遮蔽するフィルタなどであっても、一定の効果が得られる。また、羽根部材80は、格子状などの構成で光の一部を遮蔽する構成を採用してもよい。羽根部材80は、シャッタ用の羽根などとして用いられる。
【0065】
<(2)実施形態1の撮像装置の機能的構成>
次に、撮像装置の機能的構成について説明する。各構成のより具体的な動作は、後述のフローチャートで説明することがある。
図22は、本実施形態の撮像装置の機能的構成を示すブロック図である。
図22に示されるように、本実施形態の撮像装置は、カメラ制御部100、カメラモジュール110、可動羽根機構120、外部信号受信部131、音声検知部132、操作検出部133、及び信号処理部134を含んで構成される。
【0066】
<カメラ制御部100>
カメラ制御部100は、撮像素子制御部101、状態検出部102、光量検出部103、開閉判定部104、羽根制御部105、及び羽根駆動部106を含む。
【0067】
<撮像素子制御部101>
撮像素子制御部101は、撮像素子111の作動を制御して撮像を実行する。撮像素子制御部101は、撮像素子111のオン、オフ状態を切り替える。
【0068】
<状態検出部102>
状態検出部102は、撮像装置の状態を検出する。本実施形態では特に、状態検出部102は、撮像装置のオン、オフ状態を検出する。
【0069】
<光量検出部103>
光量検出部103は、撮像素子111に照射される光量(光の明るさの度合い)を検出する。
【0070】
<開閉判定部104>
開閉判定部104は、可動羽根機構120の位置検出部121による位置検出結果、または光量検出部103で検出される光量に基づいて、可動羽根機構120の羽根部材80の開閉状態を判定する。
【0071】
<羽根制御部105>
羽根制御部105は、信号処理部134及び状態検出部102からの入力に基づいて羽根駆動部106を駆動し、可動羽根機構120の作動を制御する。
【0072】
羽根制御部105は、撮影を行わない非撮影モード時に、羽根部材80が閉状態となるよう、常にx軸+側にスライドギア30に対して力を与える構成としてもよい。
【0073】
<羽根駆動部106>
羽根駆動部106は、羽根制御部105の制御に応じて所定の電圧及び電流をアクチュエータ122に与えることで、可動羽根機構120を駆動する。
【0074】
<カメラモジュール110>
カメラモジュール110は、撮像素子111、及びレンズユニット112を含む。
【0075】
<撮像素子111>
撮像素子111は、照射された光を電気信号に変換する光電変換素子である。撮像素子111は、例えばC-MOSセンサやCCDなどであるが、これらに限定されるものではない。撮像素子111は、被写体側からレンズユニット112を透過した光を受光して、電気信号に変換して出力する。
【0076】
<レンズユニット112>
レンズユニット112は、被写体からの光を、撮像素子111に集光させるよう屈折させながら透過させる。レンズユニット112は、1以上のレンズを含み、レンズ以外のフィルタなどの光学部材を含んでもよい。
【0077】
<可動羽根機構120>
可動羽根機構120は、位置検出部121、アクチュエータ122、及び羽根部材80を含む。羽根部材80の構成及び機能は、既に説明したとおりである。
【0078】
<アクチュエータ122>
アクチュエータ122は、モータ70、第1ギア41、第2ギア42、及びスライドギア30を含む。アクチュエータ122は、外部から与えられた電力により、羽根部材80をx軸方向に作動させて、開口部10aを開閉する。
【0079】
<位置検出部121>
位置検出部121は、位置センサ20c、20d、及び遮光部材31を含む。位置検出部121は、既に説明したように、例えばフォトインタプリタなどの光学センサであって、羽根部材80の位置を検出し、これによって羽根部材80の開閉状態を検出する。
【0080】
<外部信号受信部131>
外部信号受信部131は、外部から入力される信号を有線通信または無線通信で受信して信号処理部134へと出力する。
【0081】
<音声検知部132>
音声検知部132は、検知した音声に対応した処理を可能にするため、ユーザが発する声などの音声を検知する。
【0082】
<操作検出部133>
操作検出部133は、撮像装置に対してユーザなどから入力された操作情報を検出する。つまり、操作検出部133は、キーボード入力、マウス入力、タッチパネル入力、または音声入力などの入力信号を検出する。なお、操作検出部133は、これら以外のユーザによる入力を検出するものであってもよい。
【0083】
<信号処理部134>
信号処理部134は、外部信号受信部131、音声検知部132、及び操作検出部133の検出等の結果に基づいて、撮像装置の所定の構成に、所定の作動を行わせるよう制御する。
【0084】
<(3)実施形態1の撮像装置の作動>
次に、本実施形態の撮像装置における羽根部材の開閉作動について、
図23のフローチャートを参照しながら説明する。
【0085】
<S100>
本実施形態における羽根部材80の開閉作動は、カメラ撮影を行わない非撮影モード時における処理に特徴があるため、当該処理について説明する(S100)。なお、それ以外の撮像処理等は、従来と同様の方法で行われる。
【0086】
<S101>
まず、開閉判定部104は、光量検出部103によって検出される撮像素子111の光量が、一定以上であるかどうかを確認する(S101)。光量が一定以上であるかどうかの判定は、予め定められた閾値よりも、検出される光量が高いか否かによって行われる。つまり、撮像素子111を介して、羽根部材80が開状態のときの光量か、または閉状態のときの光量かを確認する。なお、S101が最初に実行されたときに、撮像素子111の電源がONとなる。ただし、他の実施の形態では、S100で当該処理が開始されたときに、撮像素子111の電源がONにされてもよい。
【0087】
<S102>
開閉判定部104が、光量が一定以上であると判定すると(S101でYES)、開閉判定部140は光量が一定以上であると判定された回数をカウントする(S102)。
【0088】
<S110でNO~S111>
ここで、光量が一定以上であると判定された回数が、自然数N未満であった場合には(S110でNO)、羽根制御部105は、羽根駆動部106を介してアクチュエータ122を駆動し、羽根部材80が閉状態になるよう制御する(S111)。このカウントの値は、本フローチャートの処理を開始する際にリセットされる。
【0089】
<S110でYES~S120>
一方、光量が一定以上であると判定された回数が自然数N以上であった場合には(S110でYES)、羽根部材80を閉状態にするよう繰り返し制御しても羽根部材80が閉状態にならないことを示しているため、ユーザに対して警告メッセージを発する(S120)。例えば、撮像装置はユーザに対して、音声または画像出力によって、「羽根部材80を閉じることができません」というようなメッセージを発する。その後、S121の処理に移行する。
【0090】
<S101でNO~S103>
開閉判定部104が、光量が一定未満であると判定すると(S101でNO)、羽根制御部105は、羽根駆動部106を介してアクチュエータ122を駆動し、羽根部材80が閉状態になるよう制御する(S103)。これは、開閉判定部104が、周囲が暗すぎて羽根部材80が開状態であるにもかかわらず閉状態であると誤検出した場合を考慮した処理である。
【0091】
<S121~S130>
上記S103の処理の後、またはS120の処理の後、撮像素子制御部101は、撮像素子111の作動を停止させ(S121)、処理を終了する(S130)。なお、既に撮像素子111の作動が停止されていた場合には、ここでは特段の処理は行われない。
なお、上述した処理は、カメラ撮影がオフ、すなわち非撮影モードの時に一定時間ごとに実行される。ただし、他の実施形態では、カメラ機能を終了したときなど、様々なタイミングで実行されてもよい。
【0092】
<(4)変形例1>
次に、本実施形態の変形例1について、
図24のフローチャートを参照しながら説明する。本変形例は、実施形態1と比較して、非撮影モード時の処理が一部異なっており、その他の構成及び処理等は同様であるため、実施形態1と比較した相違点についてのみ説明し、共通部分の説明を省略する。
【0093】
<S101a>
本変形例では、開閉判定部104は、光量検出部103によってではなく、可動羽根機構120の位置検出部121によって、羽根部材80が開状態か閉状態かを判定する。羽根部材80が開状態であると判定された場合には、S102以降の処理を進める。羽根部材80が閉状態であると判定された場合には、S103以降の処理を進める。
【0094】
<(5)変形例2>
次に、本実施形態の変形例2について、
図25のフローチャートを参照しながら説明する。本変形例は、実施形態1と比較して、カメラ撮影を行う撮影モード時における処理が異なっており、その他の構成及び処理等は同様であるため、実施形態1と比較した相違点についてのみ説明し、共通部分の説明を省略する。
【0095】
<S200>
本変形例における羽根部材80の開閉作動は、カメラ撮影を行う撮影モード時における処理に特徴があるため、当該処理について説明する(S200)。なお、それ以外の撮像処理等は、従来と同様の方法で行われる。
【0096】
<S201>
まず、開閉判定部104は、光量検出部103によって検出される撮像素子111の光量が、一定以上であるかどうかを確認する(S201)。光量が一定以上であるかどうかの判定は、予め定められた閾値よりも、検出される光量が高いか否かによって行われる。つまり、撮像素子111を介して、羽根部材80が開状態のときの光量か、または閉状態のときの光量かを確認する。
【0097】
<S202>
開閉判定部104が、光量が一定未満であると判定すると(S201でNO)、開閉判定部140は光量が一定未満であると判定された回数をカウントする(S202)。このカウントの値は、本フローチャートの処理を開始する際にリセットされる。
【0098】
<S210でNO~S211>
ここで、光量が一定未満であると判定された回数が、自然数N未満であった場合には(S210でNO)、羽根制御部105は、羽根駆動部106を介してアクチュエータ122を駆動し、羽根部材80が開状態になるよう制御する(S211)。
【0099】
<S210でYES~S220>
一方、光量が一定未満であると判定された回数が自然数N以上であった場合には(S110でYES)、羽根部材80を開状態にするよう繰り返し制御しても羽根部材80が開状態にならないことを示しているため、ユーザに対して警告メッセージを発する(S220)。例えば、撮像装置はユーザに対して、音声または画像出力によって、「羽根部材80を開くことができません」というようなメッセージを発する。
【0100】
<S201でNO~S203>
開閉判定部104が、光量が一定以上であると判定すると(S201でYES)、羽根制御部105は、羽根駆動部106を介してアクチュエータ122を駆動し、羽根部材80が開状態になるよう制御する(S203)。これは、開閉判定部104が、周囲が明るすぎて羽根部材80が開状態であるにもかかわらず閉状態であると誤検出した場合を考慮した処理である。
【0101】
<S230>
上記S203の処理、またはS220の処理が終了したら、当該羽根部材の開閉処理を終了する(S230)。なお、既に撮像素子111の作動が停止されていた場合には、ここでは特段の処理は行われない。
【0102】
なお、当該処理は、所定時間毎、撮像装置の起動時、撮像装置を含んで構成される電子機器の起動時、または加速度センサもしくは角速度センサが振動を検出したとき、などに実行される。
【0103】
<(6)変形例3>
次に、本実施形態の変形例3について、
図26のフローチャートを参照しながら説明する。本変形例は、変形例2と比較して、撮影モード時の処理が一部異なっており、その他の構成及び処理等は同様であるため、実施形態2と比較した相違点についてのみ説明し、共通部分の説明を省略する。
【0104】
<S201a>
本変形例では、開閉判定部104は、光量検出部103によってではなく、可動羽根機構120の位置検出部121によって、羽根部材80が開状態か閉状態かを判定する。羽根部材80が閉状態であると判定された場合には、S202以降の処理を進める。羽根部材80が開状態であると判定された場合には、当該処理を終了する(S230)。
【0105】
<(7)変形例4>
次に、本実施形態の変形例4について、
図27及び
図28の概念図を参照しながら説明する。以下の説明では、本変形例が実施形態1と異なる点のみについて説明し、共通部分についての説明を省略する。
【0106】
図27及び
図28は、本変形例の撮像装置の可動羽根機構部分の構成を示す概念図であって、
図27は羽根部材80が閉状態のとき、
図28は羽根部材80が開状態のときを示している。
【0107】
本変形例の撮像装置は、羽根部材80、モータ70、モータ出力70b、スライドギア32、突出部33a及び33b、並びに音部材34を含んで構成される。
【0108】
羽根部材80及びモータ70は、実施形態1の構成及び機能と同様である。モータ出力70bは、モータ70の出力軸に連結され、突出部33a及び33b、並びにスライドギア32を介して、羽根部材80を往復運動させる。つまり、モータ出力70bは、突出部33a及び33b、並びにスライドギア32を軸方向に変位させる。
【0109】
図27及び
図28に示すように、羽根部材80が閉状態のときは突出部33aが、羽根部材80が開状態のときは突出部33bが、音部材34に接している。音部材34は、機械音を発生するベルであって、突出部33aまたは33bが衝突することで音を発する。つまり、羽根部材80が閉状態から開状態へ変化したとき、及び開状態から閉状態に変化したときに、音部材34が機械音を発する。そのため、ユーザは羽根部材80の開閉状態が変化したことを認識することとなる。
【0110】
なお、本変形例では音部材34はベルのような機械音を出す部材であると説明しているが、これに限定されるものではない。つまり、羽根部材80の開閉状態が変化した際に機械音または電子音を出す構成であれば、他の構成を採用してもよい。音部材34は、本発明の「音声出力部」の一構成例である。
【0111】
<(8)変形例5>
次に、本実施形態の変形例5について、
図29及び
図30の概念図を参照しながら説明する。
図29及び
図30は、本変形例の撮像装置の可動羽根機構部分の構成を示す概念図であって、
図29は羽根部材80が閉状態のとき、
図30は羽根部材80が開状態のときを示している。
【0112】
本変形例の撮像装置は、変形例4の構成と比較して、位置検出部35a及び35bを有する構成となっている点で相違している。また、音部材34に代え、図示しない音声出力部を有する構成としている。ここでは、変形例4と異なる点についてのみ説明し、変形例4と同様の内容については説明を省略する。
【0113】
本変形例の撮像装置は、羽根部材80、モータ70、モータ出力70b、スライドギア32、突出部33a及び33b、並びに位置検出部35a及び35bを含んで構成される。本変形例の撮像装置では、位置検出部35a及び35bが位置検出部121として機能しうる。また、本変形例の撮像装置は、図示しない音声出力部を有する。
【0114】
図29及び
図30に示すように、羽根部材80が閉状態のときは突出部33aと対向する位置に位置検出部35aが位置し、羽根部材80が開状態のときは突出部33bと対向する位置に位置検出部35bが位置している。位置検出部35a及び35bは、それぞれ対向する位置に突出部33aまたは33bが位置しているかを検出しているため、位置検出部35a及び35bの出力に基づいて、羽根部材80の開閉状態を判定することができる。
【0115】
本変形例の撮像装置では、羽根部材80が閉状態から開状態に変化した際に、信号処理部134が音声出力部(図示せず)から音声を出力して、羽根部材80が開状態へと変化したことをユーザに通知する。この音声出力部は、本発明の「通知部」の一構成例である。
【0116】
なお、羽根部材80が閉状態から開状態に変化した際でなく、開状態から閉状態に変化した際に、音声を出力する構成としてもよい。ただし、プライバシー保護とセキュリティの観点から、意図せず羽根部材80が開状態になることの方がリスクが高いため、開状態から閉状態に変化した際にユーザに通知する構成とする方が好ましい。
【0117】
また、ユーザへの通知は必ずしも音声出力部を介した音声である必要はなく、例えば、画像または振動などでユーザに通知してもよい。具体的には、LEDなどの発光部材を採用してもよい。または、ユーザが直接視認可能になるよう、羽根部材80の被写体側に、筐体と異なり注意を引く色の塗装などを行ってもよい。すなわち、通知部は音声のみでなく、五感を通じてユーザに通知できる構成を採用可能である。
【0118】
<2.実施形態2>
<(1)実施形態2の撮像装置の機能的構成>
次に、本発明の実施形態2について、
図31及び
図32を参照しながら具体的に説明する。本実施形態は、可動羽根機構部分の構成要素は実施形態1の構成と同様であるが、機能的構成と作動が異なる。ここでは、実施形態1と比較した相違点についてのみ説明し、実施形態1と同様の内容についてはその説明を省略する。
【0119】
図31は、本実施形態の撮像装置システムの機能的構成を示すブロック図である。本構成は、実施形態1の構成と比較すると、認証機器141及び認証処理部142が追加されている。これらの認証機器141及び認証処理部142は、撮像装置に対して外部に接続された、ユーザを認証する認証専用の機器である。これらの認証機器141及び認証処理部142は、本発明の「認証部」の一構成例である。
【0120】
<認証機器141>
認証機器141は、例えば、ユーザの指紋、顔、虹彩、または静脈等を用いて、登録された正規のユーザであるか否かを認証するための読み取り機能部分である。認証機器141では、例えば、画像または赤外線などを用いた周知の方法でユーザ認証が行われる。
【0121】
<認証処理部142>
認証処理部142は、認証機器141での認証結果に基づいて種々の処理を行う。認証処理部142は、例えば、撮像装置の状態検出部102及び羽根制御部105に、認証結果を通知して、所定の作動を行わせる。
【0122】
<(2)実施形態2の撮像装置の作動>
次に、本実施形態の撮像装置における羽根部材の開閉作動について、
図32のフローチャートを参照しながら説明する。ただし、本実施形態の羽根部材の開閉作動は、実施形態1と比較して、処理を行う場面が異なるだけであって処理内容は同様である。よって、実施形態1と同様の内容についてはその説明を省略する。なお、本実施形態では、認証に成功していない状態を「ロック状態」といい、認証に成功した状態を「ロック解除状態」という。なお、ロック状態は、撮影を行わない非撮影モードの一例である。
【0123】
<S100a>
本実施形態における羽根部材80の開閉作動は、実施形態1のような非撮影モード時ではなく、認証に成功していないロック状態時に行われるものである(S100a)。本変形例における各処理の内容は、実施形態1の非撮影モード時の処理と同様である。
【0124】
すなわち、非撮影モード時に羽根部材80を閉状態にするよう処理したのと同様、ロック状態において羽根部材80を閉状態にするための各種処理が行われることとなる。
【0125】
<(3)変形例1>
次に、本実施形態の変形例1について、
図33のフローチャートを参照しながら説明する。本変形例は、実施形態1の変形例1と比較して、処理を行う場面が異なるだけであって処理内容は同様である。よって、実施形態1の変形例1と同様の内容についてはその説明を省略する。
【0126】
<S101a>
本実施形態における羽根部材80の開閉作動は、実施形態1及びその変形例1のような非撮影モード時ではなく、認証に成功していないロック状態時に行われるものである(S101a)。本変形例における各処理の内容は、実施形態1の変形例1の非撮影モード時の処理と同様である。
【0127】
<(4)変形例2>
次に、本実施形態の変形例2について、
図34のフローチャートを参照しながら説明する。本変形例は、実施形態1の変形例2と比較して、処理を行う場面が異なるだけであって処理内容は同様である。よって、実施形態1の変形例2と同様の内容についてはその説明を省略する。
【0128】
<S201>
本実施形態における羽根部材80の開閉作動は、実施形態1の変形例2のような撮影モード時ではなく、認証に成功したロック解除状態時に行われるものである(S201a)。すなわち、認証機器141によって指紋等を読み取らせ、認証処理部142が正規のユーザであると認証した場合に、当該処理が実行される。
【0129】
<(5)変形例3>
次に、本実施形態の変形例3について、
図35のフローチャートを参照しながら説明する。本変形例は、実施形態1の変形例3と比較して、処理を行う場面が異なるだけであって処理内容は同様である。よって、実施形態1の変形例3と同様の内容についてはその説明を省略する。
【0130】
<S201a>
本実施形態における羽根部材80の開閉作動は、実施形態1の変形例3のような撮影モード時ではなく、認証に成功したロック解除状態時に行われるものである(S201a)。すなわち、認証機器141によって指紋等を読み取らせ、認証処理部142が正規のユーザであると認証した場合に、当該処理が実行される。
【0131】
<3.本発明の特徴>
上記で実施形態1及び実施形態2、並びにそれぞれの変形例としてとして具体例を説明した本発明は、以下のような特徴を有する。なお、上記で説明した実施形態1及び実施形態2、並びにそれぞれの変形例は、互いに部分的または全体的に組み合わせた構成とすることができる。
【0132】
本発明の撮像装置では、羽根制御部105が、撮影を行わない非撮影モード時に羽根部材80が閉状態であることを確認し、開状態である場合には閉状態とするように羽根部材80を駆動するよう、羽根駆動部106を駆動する構成としている。この構成により、ユーザの意図に反して非撮影モード時に羽根部材80が開状態になってしまい、撮影可能な状態になったとしても、自動的に羽根部材80を閉状態に戻すことが可能となる。これにより、例えば落下の衝撃や、不正アクセスによって、閉状態になっているはずの羽根部材80が開状態になってしまった場合であっても、元の閉状態に戻すことができる。そのため、ユーザが意図しない画像を撮影したり、プライバシーが侵害されてしまったりすることを防止することが可能となる。
【0133】
また、本発明の撮像装置では、羽根制御部105が、非撮影モード時に、所定時間毎に閉状態であることを確認し、開状態である場合には閉状態となるように羽根部材80を駆動するよう、羽根駆動部106を制御する構成としている。この構成により、羽根部材80が開状態になったとしても、所定時間後には閉状態に戻すことが可能となる。これにより、意図せず羽根部材80が開状態になったままになることを効果的に防止することができる。
【0134】
また、本発明の撮像装置では、羽根制御部105が、非撮影モード時には閉状態となるように羽根部材80を駆動するよう羽根駆動部106を制御する構成としてよい。この構成により、非撮影モード時に羽根部材80を開状態にする外力が与えられた場合であっても、閉状態のまま維持することが可能となる。これにより、ユーザの意図に反して羽根部材80が開状態になることを効果的に防止することができる。
【0135】
また、本発明の撮像装置では、羽根制御部105は、撮影モード時に開状態であることを確認し、閉状態である場合には開状態となるように羽根部材80を駆動するよう羽根駆動部106を制御する構成としている。この構成により、ユーザの意図に反して、撮影モード時に羽根部材80が閉状態になってしまい、撮影できない状態になったとしても、自動的に羽根部材を開状態にして撮影可能な状態にすることが可能となる。これにより、例えば落下の衝撃や、不正アクセスによって、開状態になっているはずの羽根部材が閉状態になってしまった場合であっても開状態に戻すことができる。
【0136】
また、本発明の撮像装置では、羽根制御部105が、使用者を認証する認証部による認証に成功していないロック状態時に羽根部材80が閉状態であることを確認し、開状態である場合には閉状態となるように羽根部材80を駆動するよう羽根駆動部106を制御するよう構成されている。そのため、ロック状態であるにもかかわらず、ユーザの意図に反して羽根部材80が開状態になってしまい撮影可能な状態になったとしても、自動的に羽根部材80を閉状態に戻すことが可能となる。これにより、例えば落下の衝撃や、不正アクセスによって、閉状態になっているはずの羽根部材80が開状態になってしまった場合であっても、元の閉状態に戻すことができる。そのため、ユーザが意図しない画像を撮影したり、プライバシーが侵害されてしまったりすることを防止することが可能となる。
【0137】
また、本発明の撮像装置では、羽根制御部105が、ロック状態時に、所定時間毎に閉状態であることを確認し、開状態である場合には閉状態となるように羽根部材80を駆動するよう羽根駆動部106を制御する構成としてよい。この構成により、認証に成功していないロック状態では、羽根部材80が開状態になったとしても、所定時間後には閉状態に戻すことが可能となる。これにより、意図せず羽根部材が開状態になったままとなることを効果的に防止することができる。
【0138】
また、本発明の撮像装置では、羽根制御部105は、ロック状態時には常に閉状態となるように羽根部材80を駆動するよう羽根駆動部106を制御する構成としてよい。この構成により、ロック状態時に羽根部材80を開状態にする外力が与えられた場合であっても、閉状態のまま維持することが可能となる。これにより、ユーザの意図に反して羽根部材80が開状態になったままとなることを効果的に防止することができる。
【0139】
また、本発明の撮像装置では、羽根制御部105は、ロック解除状態時に開状態であることを確認し、閉状態である場合には開状態となるように羽根部材80を駆動するよう羽根駆動部106を制御するよう構成されている。この構成により、ユーザの意図に反して、ロック解除状態時に羽根部材80が閉状態になってしまい、撮影できない状態になったとしても、自動的に羽根部材80を開状態にして撮影可能な状態にすることが可能となる。これにより、例えば落下の衝撃や、不正アクセスによって、開状態になっているはずの羽根部材80が閉状態になってしまった場合であっても開状態に戻すことができる。
【0140】
また、本発明の撮像装置では、羽根制御部105は、撮像素子111の検出結果に基づいて開状態及び閉状態を判断する構成としてよい。この構成によれば、羽根部材80の開閉状態を確認する部材を追加することなく、羽根部材80の開閉状態を確認可能な構成とすることができる。これにより、新たな構成の追加に伴う部品、コスト及び煩雑な処理を追加することなく、羽根部材80の開閉状態に応じた処理が可能となる。
【0141】
また、本発明の撮像装置では、位置検出部121として機能する位置センサ20c、20d、及び遮光部材31、または位置検出部35a及び35bを備え、羽根制御部105が、位置検出部121の検出結果に基づいて開状態と閉状態との判断を行う構成としてよい。この構成により、周囲が暗い場面でも、適切に羽根部材80の開閉状態を判断することが可能となる。
【0142】
また、本発明の撮像装置では、羽根部材80の開閉状態を通知する通知部をさらに備える。この構成により、羽根部材80の状態をユーザが確認可能な構成としているため、ユーザが意図せず羽根部材80が開状態または閉状態になることを防止することができる。
【0143】
また、本発明の撮像装置では、通知部は、羽根部材が開状態になったときに音声を出力する音声出力部である。この構成により、周囲が暗い場面などであっても、ユーザが聴覚で羽根部材80の開状態を認識することが可能となる。これにより、ユーザがより確実に羽根部材80の状態を認識可能な構成とすることができる。
【0144】
また、本発明の撮像装置では、通知部は、羽根部材が開状態になったときに発光状態が変化する発光部としてよい。この構成では、周囲の音が聞こえづらい場面、または周囲が暗い場面などであっても、ユーザが視覚で羽根部材80の開状態を認識することが可能となる。これにより、ユーザがより確実に羽根部材80の状態を認識可能な構成とすることができる。
【0145】
また、本発明の撮像装置では、通知部は、羽根部材80が開状態になったときに外部からの色彩の変化を視認可能な色彩変化部としてよい。この構成では、簡易な構成で、ユーザが視覚で羽根部材80の開状態を認識することが可能となる。これにより、ユーザがより確実に羽根部材80の状態を認識可能な構成とすることができる。
【0146】
また、本発明の撮像装置では、ベース10及びばね60を備え、ベース10の開口部10aが、閉状態に置いて羽根部材80と撮像素子111との間に位置した構成としている。この構成では、ばね60により羽根部材80を開状態または閉状態に維持する構成とすることができるため、外力により羽根部材が不意に開状態または閉状態に変化することを防止することが可能となる。
【0147】
また、本発明の撮像装置では、羽根部材80が、羽根駆動部106による駆動に加え、つまみ80cなどによって手動により移動自在な構成としてよい。この構成により、例えば、不正アクセスなどにより羽根部材80を閉じることができなくなったときにも、羽根部材80を手動により移動させることが可能となる。これにより、セキュリティ性能を高めることなどができる。
【0148】
また、本発明の撮像装置では、羽根部材80が、被写体側に突出する突部(つまみ80c)を有する構成としてよい。この構成では、羽根部材80を手動で操作しやすい構成にすることができる。
【0149】
また、本発明の撮像装置は、スマートフォン、タブレット機器、及びPCなどの電子機器に採用されうる。本発明の撮像装置を搭載した電子機器では、不正アクセスによりプライバシーが侵害されたり秘匿情報が漏洩したりしやすい機器において、効果的にセキュリティ性能を高めた構成とすることができる。
【0150】
<4.補足事項>
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一具体例としての説明であって、本発明の範囲はこの実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0151】
例えば、実施形態では、羽根部材80はx軸方向に直線的に往復移動する構成としていたが、円弧状に移動する構成としてもよい。
【0152】
また、実施形態では、モータ70と羽根部材80との間に、第1ギア41、第2ギア42、及びスライドギア30が動力伝達部材として介在しているが、これらの構成は任意に変更可能である。例えば、第1ギア41及び第2ギア42の減速比が異なる構成としてもよいし、第1ギア41及び第2ギア42を有さない構成としてもよい。
【0153】
また、実施形態では、モータ70が、第1ギア41、第2ギア42、及びスライドギア30を介して羽根部材80を駆動する構成であったが、モータ70に代わる他のアクチュエータ等により羽根部材80が駆動される構成としてもよい。
【0154】
また、モータ70の出力軸の延びる方向、及びモータ70から出力される動力の回転方向は、任意に変更することができる。
【0155】
また、本実施例のベース10は、撮像装置の外部から視認される筐体(外装)の一部となることもある。この場合、羽根部材は、撮像装置の外部に露出した状態となることもある。
【0156】
また、実施形態において説明した機能的構成は一構成例に過ぎず、一部の構成を有さない構成としてもよいし、さらに別の構成を含んでもよい。
【0157】
また、実施形態及び変形例で説明した羽根部材80の開閉作動のフローチャートは、あくまで一作動例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は、ノートパソコン、AIスピーカ、スマートフォン、ホームセキュリティカメラなどの電子機器用の撮像装置などとして好適に適用される。
【符号の説明】
【0159】
10…ベース
10a…開口部
10b、10c…ガイド
10d、10e、10f…軸部
10g、10h…切欠部
20…カバー
20a、20b…孔部
20c、20d…位置センサ
20e…貫通孔
21…座金
30…スライドギア
30a…ラックギア
30b、30c…ガイド
30d…軸部
30e、30f…ねじ孔
31…遮光部材
32…スライドギア
33a、33b…突出部
34…音部材
35a、35b…位置検出部
41…第1ギア
41a…小ギア
41b…大ギア
42…第2ギア
42a…大ギア
42b…小ギア
50…押え部材
50a、50b…ねじ孔
60…ばね70…モータ
70a…出力ギア
70b…モータ出力
80…羽根部材
80a、80b…被ガイド
80c…つまみ
100…カメラ制御部
101…撮像素子制御部
102…状態検出部
103…光量検出部
104…開閉判定部
105…羽根制御部
106…羽根駆動部
110…カメラモジュール
111…撮像素子
112…レンズユニット
120…可動羽根機構
121…位置検出部
122…アクチュエータ
131…外部信号受信部
132…音声検知部
133…操作検出部
134…信号処理部
140…開閉判定部
141…認証機器
142…認証処理部