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特許7219091パーキンソン病に伴う非運動症状の治療薬
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】パーキンソン病に伴う非運動症状の治療薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/415 20060101AFI20230131BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230131BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230131BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
A61K31/415
A61P25/16
A61P43/00 114
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K45/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018561424
(86)(22)【出願日】2018-01-12
(86)【国際出願番号】 JP2018000568
(87)【国際公開番号】W WO2018131672
(87)【国際公開日】2018-07-19
【審査請求日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2017004498
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002912
【氏名又は名称】住友ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 太朗
(72)【発明者】
【氏名】清水 聡子
【審査官】佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/008528(WO,A1)
【文献】特表2006-504794(JP,A)
【文献】特表2008-546691(JP,A)
【文献】特表2010-505832(JP,A)
【文献】Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. 2000, Vol.361, pp.549-554
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33-33/44
A61K 45/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1):
【化1】
[式中、
およびR互いに独立して水素原子、メチル基または1~3個の重水素原子によって置換されたメチル基を表し、
は水素原子、重水素原子またはメチル基を表し、

水素原子または重水素原子を表し、
は置換されていてもよいC4-7アルキル基または-(CR-Eを表し、
およびRは互いに独立して水素原子、重水素原子またはフッ素原子を表し、
およびRは互いに独立して水素原子またはC 1-3 アルキル基を表し、
Aはハロゲン原子で置換されたフェニル基を表し、
rは1または2を表し、
Eは単環のC 3-6 シクロアルキル基を表し、
Lは酸素原子を表し、
nは1または2を表し
は水素原子またはハロゲン原子を表し
記置換されていてもよいC 4-7アルキル基における置換基は、フッ素原子;及びC 1-6アルキルオキシ基からなる群からそれぞれ独立して選択される1~2個の置換基である。]
で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩を含有する、パーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤であって、
パーキンソン病に伴う非運動症状が精神病症状である治療剤または再発予防剤。
【請求項2】
Xが水素原子である、請求項に記載の治療剤または再発予防剤。
【請求項3】
nが1である、請求項1または2に記載の治療剤または再発予防剤。
【請求項4】
、RおよびRが水素原子であり、Rがメチル基である、請求項1~のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【請求項5】
およびRが互いに独立して水素原子または重水素原子であり、RおよびRが水素原子である、請求項1~のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【請求項6】
Eがシクロペンチル基またはシクロヘキシル基である、請求項1~のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【請求項7】
rがである、請求項1~のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【請求項8】
イソブチル基、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル基、3-メトキシ-3-メチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、または2-エチルブチル基である、請求項1~のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【請求項9】
式(1)で表される化合物が、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩のいずれかである、請求項1に記載の治療剤または再発予防剤
-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;または
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン。
【請求項10】
式(1)で表される化合物が、以下の化合物である、請求項1に記載の治療剤または再発予防剤:
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン モノリン酸塩;
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン モノクエン酸塩;または
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン モノコハク酸塩。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のパーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤を製造するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有し、セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用、セロトニントランスポーター阻害作用およびセロトニン5-HT2C受容体拮抗作用を持つ、パーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤であって、
パーキンソン病に伴う非運動症状が精神病症状である治療剤または再発予防剤。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物またはその製薬学上許容される塩、および抗うつ薬、抗不安薬、統合失調症治療薬、ドパミン補充薬、ドパミン受容体作動薬、パーキンソン病治療薬、抗癲癇薬、抗痙攣薬、鎮痛薬、ホルモン製剤、偏頭痛治療薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、認知症治療薬、気分障害治療薬、制吐剤、睡眠導入剤および抗痙攣薬からなる群から選択される少なくとも一つの薬剤を有効成分とする、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病に伴う非運動症状の治療または再発予防のための合剤であって、
パーキンソン病に伴う非運動症状が精神病症状である合剤。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物またはその製薬学上許容される塩を含有する、抗うつ薬、抗不安薬、統合失調症治療薬、ドパミン補充薬、ドパミン受容体作動薬、パーキンソン病治療薬、抗癲癇薬、抗痙攣薬、鎮痛薬、ホルモン製剤、偏頭痛治療薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、認知症治療薬、気分障害治療薬、制吐剤、睡眠導入剤および抗痙攣薬からなる群から選択される少なくとも一つの薬剤との併用による、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤であって、
パーキンソン病に伴う非運動症状が精神病症状である治療剤または再発予防剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキンソン病(以下、「PD」ともいう)に伴う非運動症状の治療に関する。具体的には、後述の式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とするパーキンソン病に伴う精神病症状(以下、「サイコーシス」ともいう)およびその他の非運動症状の治療剤または再発予防剤、医薬および治療または再発予防方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経細胞変性を主体とする進行性神経変性疾患である。パーキンソン病の主症状は安静時振戦、筋強剛(筋固縮)、無動、寡動および姿勢反射障害といった運動障害であるが、これに加えて多彩な非運動症状も認められる。非運動症状には、睡眠-覚醒サイクル異常(睡眠障害)、認知機能障害、幻覚及び妄想などの精神病症状、うつ症状、不安症状、自律神経障害、疼痛、浮腫、嗅覚低下など種々の症状が含まれ、パーキンソン病の進行に伴って各症状の発現頻度が高まり、また重症化する。
【0003】
PD患者では約30%で精神病症状を呈し、本症状が生活の質(quality of life:QOL)に大きく影響することが知られている。本症状は長期入院や介護施設への入所の大きな要因となっており、介護者の負担増加にもつながっている(非特許文献1)。
【0004】
PD患者のサイコーシスは、運動症状の治療薬であるドパミン補充薬またはドパミン受容体作動薬によって誘発されることもある。そのため、本症状を呈した場合はまずドパミン補充薬またはドパミン受容体作動薬の投与量を低減もしくは中止するのが一般的である。しかし、この処置によって必ずしも本症状が改善されるとは限らず、また主症状である運動症状の悪化を伴うことが問題となっている。これまで、ドパミン補充薬またはドパミン受容体作動薬投与の低減または中止によって本症状の改善が認められない場合は、非定型抗精神病薬の投与が試みられてきた。しかし非定型抗精神病薬はドパミンD受容体拮抗作用を有するために運動症状の悪化を伴うリスクがあるうえに(非特許文献2、非特許文献3および非特許文献4)、これまでにランダム化比較試験でパーキンソン病における精神病症状に対して長期的な有効性を実証した非定型抗精神病薬はない。唯一、クロザピンの低用量ではランダム化比較試験で運動症状の悪化を伴わず精神病症状を改善したことが報告されているが(非特許文献5)、薬事上本症状は、クロザピンの適応症ではなく、また重篤な副作用である無顆粒球症の懸念があるため、適応外で使用する際も厳密な経過観察が求められている。
【0005】
特許文献1には、ピラゾール化合物がうつまたは不安に奏功することが記載されているが、パーキンソン病または認知機能障害を伴う種々の疾患における精神病症状及び睡眠障害などの他の非運動症状に対する具体的な効果については記載がない。
【0006】
長らくパーキンソン病に伴う精神病症状を適応とする承認薬がない状況が続いたが、2016年米国においてセロトニン5-HT2A受容体逆作動薬ピマバンセリンが初めて本症状の適応で承認された。本薬剤は既存抗精神病薬のように運動症状悪化の副作用は報告されていない(非特許文献6)。ピマバンセリンの主たる薬理作用はセロトニン5-HT2A受容体逆作動性であるが、セロトニン5-HT2C受容体逆作動性も有する(非特許文献7)。
【0007】
パーキンソン病患者では運動症状に加え複数の非運動症状を併発することが多く、うつ症状は約60%、不安症状は約50%、睡眠障害は約60%、認知機能障害は約50%の患者で併発していると報告されている(非特許文献8)。これらの非運動症状はパーキンソン病患者のQOLを著しく低下させるが(非特許文献9)、これまでにパーキンソン病に伴ううつ症状、不安症状、睡眠障害および認知機能障害を適応症とした承認薬はない。現在は対症療法として種々の抗うつ薬、抗不安薬、催眠薬、認知症治療薬などが適応外使用で用いられているが、種々の副作用(過鎮静、日中過眠、運動症状の悪化、振戦、循環器系副作用など)が問題となっている。また、いずれの症状に対しても大規模臨床試験でのエビデンスが乏しく、長期的な有効性が確認されている薬剤はない(非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12)。したがって、パーキンソン病に伴う非運動症状に対して広範な治療効果を示し、且つ副作用リスクの少ない治療薬の開発が望まれている。
【0008】
抗うつ薬であるセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI:主たる薬理作用はセロトニントランスポーター(SERT)阻害作用)は抗うつ作用や抗不安作用を示す(特許文献1)。さらに、近年、SSRIが睡眠-覚醒サイクルの調節に関与するという報告がされている(非特許文献13)。一方、セロトニン5-HT2A/2C受容体拮抗薬または逆作動薬は抗うつ作用、抗不安作用、睡眠障害改善作用に加えて認知機能改善作用も有することが示唆されている(非特許文献14、非特許文献15)。また、SERT阻害活性とセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を併せ持つ化合物は睡眠の質改善に適しているとの報告もなされている(非特許文献13)。
【0009】
SERT阻害作用とセロトニン5-HT2C受容体拮抗作用(逆作動作用を含む)を組み合わせると抗うつ作用や抗不安作用などの薬理作用が増強されることが知られている(特許文献1)。さらに、セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用(逆作動作用を含む)はSERT阻害作用と組み合わせることで、それぞれの薬理作用が増強されることが報告されている(非特許文献16)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】WO2012/008528
【非特許文献】
【0011】
【文献】J. M. Rabey著、Parkisonism and related disorder 155. 2009. S105-1110
【文献】A. Breier著、Biol. Psychiatry. 2002. 52(5).438-445
【文献】W. G. Ondo著、Mov. Disord. 2002. 17(5). 1031-1035
【文献】J. C. Gomez-Esteban著、Clin. Neuropharmacol. 2005. 28(7). 111-114
【文献】P. Pollak著、J. Neurol. Neurosurge. Psychiatry. 2004. 75(5). 689-695
【文献】J. Cummings著、Lancet 2014; 383: 533-40
【文献】K. E. Vanovar著、J. PHARMACOL. EXP. THERAPEUTICS: JPET 317:910-918, 2006
【文献】P. Martinez-Mertin著、Eur. J. Neurology. 2015. 22. 37-43
【文献】W. Duncun著、Movement Dsiorder. 2014. 29(2). 195-202
【文献】日本神経学会監修 パーキンソン病治療ガイドライン2011
【文献】D. Garcia-Borreguero著、Sleep Medicine Reviews, Vol. 7, No. 2, pp 115-129, 2003
【文献】M. Emre著、Lancet Neurology 2003; 2: 229-37
【文献】S. Oberndorfer著、Neuropsychobiology 2000; 42: 69-81
【文献】H. P. Landolt著、European Journal of Neuroscience, Vol. 29, pp. 1795-1809, 2009
【文献】B. Avlar 著、Behav Neurosci. 2015 129(5): 576-588
【文献】G. J. Marek著、Neuropsychopharmacology (2003) 28, 402-412
【文献】J. P. Reneric著、Behavioural Brain Research 136 (2002) 521-532
【文献】J. Andersen著、Acta Neural Scand. 1980. 62(4). 210-219
【文献】P. Vijayapandi著、薬学雑誌. 2005. 125(8). 653-657
【文献】H. A. Hanagasi著、Fundamental & Clinical Pharmacology. 2005. 19. 133-146
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、セロトニン神経系もしくはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病に伴う精神病症状およびその他の非運動症状の治療剤または再発予防剤および当該症状の治療または再発予防方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩(以下、「本発明化合物」と称することもある。)が、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病に伴う精神病症状およびその他の非運動症状に対する治療および/または再発予防効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、現在パーキンソン病に伴う精神病症状の治療に用いられるピマバンセリン(主たる薬理作用がセロトニン5-HT2A/2C受容体逆作動作用)、および種々の疾患に伴ううつ症状または不安症状の治療に用いられるセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI:主たる薬理作用がセロトニントランスポーター(SERT)阻害作用)の薬理プロファイルに着目し、本発明化合物が、セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用または逆作動作用、セロトニントランスポーター(SERT)阻害作用およびセロトニン5-HT2C受容体拮抗作用または逆作動作用をすべて併せ持つことにより、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病に伴う精神病症状およびその他の非運動症状に対する治療および/または再発予防効果を有することを見出した。
【0014】
すなわち、本発明は、以下の実施態様を含む。
[項1]
下記式(1):
【化1】
[式中、
およびRは互いに独立して水素原子、1~3個の重水素原子によって置換されていてもよいC1-6アルキル基、またはC3-8シクロアルキル基を表し、
およびRは互いに独立して水素原子、重水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
は置換されていてもよいC4-7アルキル基または-(CR-Eを表し、
およびRは互いに独立して水素原子、重水素原子、フッ素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基を表し、
およびRは互いに独立して水素原子、フッ素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基を表し、
Aは置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基を表し、
rは1、2、3または4を表し、
Eは置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、置換されていてもよいC4-8シクロアルケニル基、置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基(ここに、当該飽和ヘテロ環基は、環の構成原子として、酸素原子および硫黄原子からなる群より独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む。)、置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基を表し、
Lは酸素原子、硫黄原子または-NR10-を表し、
nは1、2または3を表し、
10は水素原子、C1-6アルキル基またはC3-8シクロアルキル基を表し、
Xは水素原子、フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基またはハロゲン原子を表し、
上記置換されていてもよいC6-10アリール基および置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基における置換基は、ハロゲン原子;フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基;フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基;水酸基;C1-6アルキルチオ基;C6-10アリールオキシ基;C6-10アリールチオ基;シアノ基;-CO11;-SO11;-NR10SO11;-OSO11;-COR12;-SONR1213;-CONR1213;-NR1213;-NR10CONR1213;-NR10COR12;-CR12=N(OR11);オキシム基;C3-8シクロアルキル基;C6-10アリール基;および5~10員のヘテロアリール基からなる群からそれぞれ独立して選択される1~2個の置換基(ここに、R10は上記と同義であり、R11はC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C6-10アリール基または5~10員のヘテロアリール基を表し、R12およびR13は互いに独立して水素原子、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C6-10アリール基または5~10員のヘテロアリール基を表す。R11、R12およびR13におけるC6-10アリール基および5~10員のヘテロアリール基はさらにハロゲン原子、C1-6アルキル基、水酸基、またはC1-6アルキルオキシ基で置換されていてもよい。)であり、
上記置換されていてもよいC1-6アルキル基および置換されていてもよいC4-7アルキル基における置換基は、フッ素原子;水酸基;およびフッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基からなる群からそれぞれ独立して選択される1~2個の置換基であり、
上記置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、置換されていてもよいC4-8シクロアルケニル基および置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基における置換基は、フッ素原子;フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基;水酸基;およびフッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基からなる群からそれぞれ独立して選択される1~2個の置換基である。]
で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩を含有する、パーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤。
【0015】
[項2]
およびRが互いに独立して水素原子、メチル基または1~3個の重水素原子によって置換されたメチル基であり、Rが水素原子、重水素原子またはメチル基であり、Rが水素原子または重水素原子である、項1に記載の治療剤または再発予防剤。
【0016】
[項3]
Aが置換されていてもよいC6-10アリール基である、項1または2に記載の治療剤または再発予防剤。
【0017】
[項4]
Xが水素原子である、項1~3のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0018】
[項5]
Lが酸素原子である、項1~4のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0019】
[項6]
nが1である、項1~5のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0020】
[項7]
、RおよびRが水素原子であり、Rがメチル基である、項1~6のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0021】
[項8]
およびRが互いに独立して水素原子または重水素原子であり、RおよびRが水素原子である、項1~7のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0022】
[項9]
Eが置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基(ここに、当該飽和ヘテロ環基は環の構成原子として1~3個の酸素原子を含む。)または置換されていてもよいフェニル基である、項1~8のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0023】
[項10]
Eが置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基である、項1~9のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0024】
[項11]
rが1または2である、項1~10のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0025】
[項12]
が置換されていてもよいC4-7アルキル基である、項1~11のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0026】
[項13]
式(1)で表される化合物が、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩のいずれかである、項1に記載の治療剤または再発予防剤:
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例5
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例20
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(3-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例21
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例22
1-{5-[(2-クロロベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例23
1-{5-[(3-クロロベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例24
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例26
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(3-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例27
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,4-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例29
1-{5-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例30
【0027】
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例31
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例33
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例34
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2-フルオロ-5-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例35
1-{5-[(2-クロロ-5-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例37
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジクロロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例38
1-{5-[(2-クロロ-5-メチルベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例39
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例4
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例135
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(3-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例136
【0028】
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例137
1-{5-[(2-クロロベンジル)オキシ]-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例138
1-{5-[(3-クロロベンジル)オキシ]-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例139
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例141
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(3-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例142
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2,4-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例144
1-{5-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例145
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例146
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例147
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例148
【0029】
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2-フルオロ-5-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例149
1-{5-[(2-クロロ-5-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例150
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2,5-ジクロロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例151
1-{5-[(2-クロロ-5-メチルベンジル)オキシ]-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例152
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例264
1-{5-[(3-クロロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例265
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例266
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例267
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例268
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例269
【0030】
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例270
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3-メトキシ-3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例274
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(3-メトキシ-3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例275
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例280
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;
1-{1-(2-シクロペンチルエチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルエタンアミン;実施例315
N-メチル-1-{1-(3-メチルブチル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン;実施例283
1-{1-(3,3-ジメチルブチル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例284
1-{1-(4-フルオロベンジル)-5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例218
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(4-フルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例219
【0031】
1-{1-(4-フルオロベンジル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;
1-{5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(4-メチルベンジル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例228
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(4-メチルベンジル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例230
N-メチル-1-{1-(4-メチルベンジル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン;実施例286
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;
1-{1-(4-メトキシベンジル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例285
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロプロピルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例131
1-{5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1-(2-メチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例369
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(2-メチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例256
1-{1-(2,2-ジメチルプロピル)-5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例375
【0032】
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(2,2-ジメチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例258
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(2,2-ジメチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例259
1-{5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例381
1-{5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1-(3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例383
1-(5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1-{[1-(トリフルオロメチル)シクロペンチル]メチル}-1H-ピラゾール-3-イル)-N-メチルメタンアミン;実施例446
1-(5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-{[1-(トリフルオロメチル)シクロペンチル]メチル}-1H-ピラゾール-3-イル)-N-メチルメタンアミン;実施例447
1-(5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-{[1-(トリフルオロメチル)シクロペンチル]メチル}-1H-ピラゾール-3-イル)-N-メチルメタンアミン;実施例448
(-)-1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例474
(+)-1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例475
(-)-1-{1-(2-シクロペンチルエチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルエタンアミン;実施例476
【0033】
(+)-1-{1-(2-シクロペンチルエチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルエタンアミン;実施例477
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3-フルオロ-3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例481
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(3-フルオロ-3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例482
1-[1-ベンジル-5-(ベンジルオキシ)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例1
1-{5-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)オキシ]-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルメチル)-1H-ピラゾロ-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例108
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例115
1-{1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例117
1-{1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルメチル)-5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例118
1-{5-[(3-クロロベンジル)オキシ]-1-(2-オキサビシクロ[2.2.2]オクト-3-イルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例508
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-[(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)メチル]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例124
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-[(1-フルオロシクロヘキシル)メチル]-1H-ピラゾール-3-yl}-N-メチルメタンアミン;実施例127
2-[({1-(シクロペンチルメチル)-3-[(メチルアミノ)メチル]-1H-ピラゾール-5-イル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;実施例162
1-{1-(4-クロロベンジル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例224
1-{1-ブチル-5-[(2,5-ジフルオロベンジルジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例242
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(2-エチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例263
1-[5-(ベンンジルオキシ)-1-(1-シクロペンチルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例288
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(1-シクロペンチルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例291
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(1-シクロヘキシルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例292
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例293
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例295
1-{5-[(2-クロロベンジル)オキシ]-1-(1-シクロヘキシルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例296
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例298
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(3-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例299
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2,4-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例300
1-{5-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ]-1-(1-シクロヘキシルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例301
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例302
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例303
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(1-シクロヘキシルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例304
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2-フルオロ-5-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例305
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(1-シクロヘキシル-2-フルオロエチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例330
1-{5-(ベンジルオキシ)-1-[(1-メチルシクロヘキシル)メチル]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例331
1-{5-[(3-クロロベンジル)オキシ]-1-(3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例341
N-({1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メチル)シクロプロパンアミン;実施例342
N-({1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メチル)エタンアミン;実施例344
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン;実施例347
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[ジフルオロ(フェニル)メトキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例349
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチル()メタンアミン;実施例492
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-()メチル()メタンアミン;実施例493
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-()メチルメタンアミン;実施例494
1-[1-(シクロペンチルメチル)-5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例495
1-[5-{[(5-クロロ-2-フルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例496
1-[1-(シクロヘキシルメチル)-5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例497
1-[5-{[(5-クロロ-2-フルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例498または
1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチル()メタンアミン;実施例499。
【0034】
[項14]
式(1)で表される化合物が、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩のいずれかである、項1に記載の治療剤または再発予防剤:
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例5
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例20
1-{5-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例30
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例31
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例33
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例34
1-{5-[(2-クロロ-5-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例37
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジクロロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例38
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン実施例137
1-{5-[(2-クロロベンジル)オキシ]-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例138
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2,4-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例144
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例147
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例148
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例266
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例269
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(3-メトキシ-3-メチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例275
1-{1-(シクロペンチルメチル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例280
1-{1-(2-シクロペンチルエチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルエタンアミン;実施例315
N-メチル-1-{1-(3-メチルブチル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン;実施例283
1-{1-(3,3-ジメチルブチル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例284
1-{1-(4-フルオロベンジル)-5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例218
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(4-フルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例219
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(4-メチルベンジル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例230
N-メチル-1-{1-(4-メチルベンジル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン;実施例286
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(シクロプロピルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例131
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(2-メチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例256
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(2,2-ジメチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例258
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(2,2-ジメチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例259
1-[1-ベンジル-5-(ベンジルオキシ)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例1
1-{5-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)オキシ]-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルメチル)-1H-ピラゾロ-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例108
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例115
1-{1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例117
1-{1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルメチル)-5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例118
1-{5-[(3-クロロベンジル)オキシ]-1-(2-オキサビシクロ[2.2.2]オクト-3-イルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例508
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-[(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)メチル]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例124
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-[(1-フルオロシクロヘキシル)メチル]-1H-ピラゾール-3-yl}-N-メチルメタンアミン;実施例127
2-[({1-(シクロペンチルメチル)-3-[(メチルアミノ)メチル]-1H-ピラゾール-5-イル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;実施例162
1-{1-(4-クロロベンジル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例224
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(2-エチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例263
1-[5-(ベンンジルオキシ)-1-(1-シクロペンチルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例288
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(1-シクロペンチルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例291
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(1-シクロヘキシルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例292
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例293
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(4-フルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例295
1-{5-[(2-クロロベンジル)オキシ]-1-(1-シクロヘキシルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例296
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例298
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(3-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例299
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2,4-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例300
1-{5-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ]-1-(1-シクロヘキシルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例301
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例302
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例303
1-{5-[(5-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-1-(1-シクロヘキシルエチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例304
1-{1-(1-シクロヘキシルエチル)-5-[(2-フルオロ-5-メチルベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-yl}-N-メチルメタンアミン;実施例305
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(1-シクロヘキシル-2-フルオロエチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例330
1-{5-(ベンジルオキシ)-1-[(1-メチルシクロヘキシル)メチル]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例331
1-{5-[(3-クロロベンジル)オキシ]-1-(3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-2-イルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例341
N-({1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メチル)シクロプロパンアミン;実施例342
N-({1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メチル)エタンアミン;実施例344
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン;実施例347
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[ジフルオロ(フェニル)メトキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン;実施例349
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチル()メタンアミン;実施例492
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-()メチル()メタンアミン;実施例493
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-()メチルメタンアミン;実施例494
1-[1-(シクロペンチルメチル)-5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例495
1-[5-{[(5-クロロ-2-フルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例496
1-[1-(シクロヘキシルメチル)-5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例497
1-[5-{[(5-クロロ-2-フルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;実施例498または
1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチル()メタンアミン;実施例499。
【0035】
[項15]
パーキンソン病に伴う非運動症状が、精神病症状、うつ症状、不安症状、睡眠障害、認知機能障害及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項1~14のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0036】
[項16]
パーキンソン病に伴う非運動症状が、精神病症状、うつ症状、不安症状または認知機能障害である、項1~14のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0037】
[項17]
パーキンソン病に伴う非運動症状が、精神病症状、うつ症状、不安症状または睡眠障害である、項1~14のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0038】
[項18]
パーキンソン病に伴う非運動症状が、精神病症状、うつ症状または不安症状である、項1~14のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0039】
[項19]
パーキンソン病に伴う非運動症状が、精神病症状、睡眠障害または認知機能障害である、項1~14のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0040】
[項20]
パーキンソン病に伴う非運動症状が、精神病症状またはうつ症状である、項1~14のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0041】
[項21]
パーキンソン病に伴う非運動症状が、精神病症状または睡眠障害である、項1~14のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0042】
[項22]
パーキンソン病に伴う非運動症状が、精神病症状である、項1~14のいずれか一項に記載の治療剤または再発予防剤。
【0043】
[項23]
治療が必要な患者に、治療上有効量の項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を投与することを特徴とする、パーキンソン病に伴う非運動症状を治療するための方法または当該症状の再発を予防するための方法。
【0044】
[項24]
項1~14のいずれか一項に記載のパーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤を製造するための、項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
【0045】
[項25]
項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する、セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用、セロトニントランスポーター阻害作用およびセロトニン5-HT2C受容体拮抗作用を持つ剤。
【0046】
[項26]
項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有し、セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用、セロトニントランスポーター阻害作用およびセロトニン5-HT2C受容体拮抗作用を持つ、パーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤。
【0047】
[項27]
セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用、セロトニントランスポーター阻害作用およびセロトニン5-HT2C受容体拮抗作用を持つ化合物を有効成分として含有するパーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤。
【0048】
[項28]
項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物またはその製薬学上許容される塩を含有する、アルツハイマー病、レビー小体病、前頭側頭葉変性症、血管性疾患、外傷性脳損傷などの認知機能障害を呈する種々の疾患に伴う精神病症状、うつ症状、不安障害、焦燥性興奮症状または睡眠障害の治療剤または再発予防剤。
【0049】
[項29]
項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物またはその製薬学上許容される塩を含有する、アルツハイマー病に伴う精神病症状、うつ症状または焦燥性興奮症状の治療剤または再発予防剤。
【0050】
[項30]
項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物またはその製薬学上許容される塩を含有する、線維筋痛症、注意欠陥多動性障害などのセロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患の治療剤または再発予防剤。
【0051】
[項31]
項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物またはその製薬学上許容される塩、および抗うつ薬、抗不安薬、統合失調症治療薬、ドパミン補充薬、ドパミン受容体作動薬、パーキンソン病治療薬、抗癲癇薬、抗痙攣薬、鎮痛薬、ホルモン製剤、偏頭痛治療薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、認知症治療薬、気分障害治療薬、制吐剤、睡眠導入剤および抗痙攣薬からなる群から選択される少なくとも一つの薬剤を有効成分とする、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病に伴う非運動症状の治療または再発予防のための合剤。
【0052】
[項32]
項1~14のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物またはその製薬学上許容される塩を含有する、抗うつ薬、抗不安薬、統合失調症治療薬、ドパミン補充薬、ドパミン受容体作動薬、パーキンソン病治療薬、抗癲癇薬、抗痙攣薬、鎮痛薬、ホルモン製剤、偏頭痛治療薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、認知症治療薬、気分障害治療薬、制吐剤、睡眠導入剤および抗痙攣薬からなる群から選択される少なくとも一つの薬剤との併用による、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病に伴う非運動症状の治療剤または再発予防剤。
【発明の効果】
【0053】
本発明化合物は、セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用または逆作動性作用、セロトニン5-HT2C受容体拮抗作用または逆作動性作用およびSERT阻害作用を有し、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病における精神病症状およびその他の非運動症状の治療および/または再発予防に有効でありうる。本発明化合物は、これらの作用をそれぞれ単独で有する薬剤を単独投与した場合よりも、強い有効性を有しうる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】試験例3におけるラット強制水泳試験の結果である。縦軸は無動時間の平均値±標準偏差であり、**は対照群に対しp<0.01を示し、***は対照群に対しp<0.001を示す(両側パラメトリックDunnett型多重比較検定)。
図2】試験例3におけるラット強制水泳試験の結果である。縦軸は無動時間の平均値±標準偏差であり、*は対照群に対しp<0.05を示し、***は対照群に対しp<0.001を示す(両側パラメトリックDunnett型多重比較検定)。
図3】試験例4におけるラット社会相互作用評価の結果である。縦軸は社会相互作用時間の平均値±標準偏差であり、*は対照群に対しp<0.05を示し、**は対照群に対しp<0.01を示す(両側パラメトリックDunnett型多重比較検定)。
図4】試験例4におけるラット社会相互作用評価の結果である。縦軸は社会相互作用時間の平均値±標準偏差であり、*は対照群に対しp<0.05を示す(両側パラメトリックDunnett型多重比較検定)。
図5】試験例4におけるラット社会相互作用評価の結果である。縦軸は社会相互作用時間の平均値±標準偏差であり、*は対照群に対しp<0.05を示す(両側パラメトリックDunnett型多重比較検定)。
図6】試験例4におけるラット社会相互作用評価の結果である。縦軸は社会相互作用時間の平均値±標準偏差である(両側パラメトリックDunnett型多重比較検定)。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書において、「置換されていてもよい」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分又は置換基である場合にも該当する。
【0056】
本明細書において、例えば、C1-6とは炭素数が1~6であり、C1-4とは炭素数が1~4であり、Cとは炭素数が6であることを表す。他の数字の場合も同様である。
【0057】
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を挙げることができる。好ましいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。
【0058】
「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1~6の直鎖または分枝鎖の飽和の脂肪族炭化水素基を意味し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基などが挙げられる。好ましいC1-6アルキル基としては、C1-4アルキル基が挙げられ、より好ましくはC1-3アルキル基が挙げられる。
【0059】
「1~3個の重水素原子によって置換されていてもよいC1-6アルキル基」とは、上記C1-6アルキル基における水素原子のうち任意の1~3個が重水素原子(以下、「H」または「D」とも表記する)によって置換されていてもよいC1-6アルキル基を意味する。1~3個の重水素原子によって置換されたC1-6アルキル基としては、好ましくは()メチル基が挙げられる。
【0060】
「C4-7アルキル基」とは、炭素数が4~7の直鎖または分枝鎖の飽和の脂肪族炭化水素基を意味し、具体的には、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1-メチル-1-エチルプロピル基、1,1-ジエチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2-エチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-メチル-2-エチルブチル基などが挙げられる。好ましいC4-7アルキル基としては、C4-6アルキル基が挙げられる。具体的には、イソブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-メチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基が挙げられる。
【0061】
「C6-10アリール基」とは、炭素数が6~10の単環または2環の芳香族炭化水素環基を意味し、好ましくはCまたはC10のアリール基が挙げられる。具体的には、フェニル基、1-または2-ナフチル基などが挙げられる。
【0062】
「5~10員のヘテロアリール基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~10員の単環または二環の芳香族複素環基を意味し(ここに、当該ヘテロアリール基の環上のヘテロ原子の位置および結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。)、具体的には、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、フラザニル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、イミダゾ[2,1-b][1,3]チアゾリル基、ベンゾフリル基、インドリジニル基、インダゾリル基などが挙げられる。好ましいヘテロアリール基としては、5もしくは6員の単環のヘテロアリール基または9もしくは10員の二環のヘテロアリール基が挙げられる。当該ヘテロアリール基上の窒素原子が酸化されたN-オキシド体も当該ヘテロアリール基に含まれる。
【0063】
また当該C6-10アリール基および当該5~10員のヘテロアリール基は、C3-8シクロアルキル、C4-8シクロアルケニルまたは5~10員の飽和ヘテロ環と縮合環を形成していてもよい。この場合の縮合C6-10アリール基の具体例としては、下記式:
【化2】
で表される基が挙げられる(式中、ベンゼン環上の結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。)。また縮合した5~10員のヘテロアリール基の具体例としては、下記式:
【化3】
で表される基が挙げられる(式中、ピリジン環上の結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない)。ここで縮合環は、当該縮合環を形成する各環の置換基として例示する後記の置換基を有しうる。
【0064】
「C3-8シクロアルキル基」とは、炭素数が3~8の単環または2環の飽和脂肪族炭化水素環基を意味し、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2,2,1]へプチル基(ノルボルニル基)、ビシクロ[3,2,0]へプチル基などが挙げられる。好ましいC3-8シクロアルキル基としては、単環のC3-6シクロアルキル基が挙げられる。
【0065】
「C4-8シクロアルケニル基」とは、1または2個の二重結合を有する炭素数が4~8の単環または2環の不飽和脂肪族炭化水素環基を意味し、具体的にはシクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基が挙げられる。環上の二重結合の位置は特に限定されない。好ましいC4-8シクロアルケニル基としては、CまたはCのシクロアルケニル基が挙げられる。
【0066】
「5~10員の飽和ヘテロ環基」とは、環の構成原子として酸素原子および硫黄原子からなる群より独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~10員の単環または2環の飽和脂肪族複素環基を意味する(ここに、当該環上のヘテロ原子の位置および結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。)。好ましい飽和ヘテロ環基としては、5~8員の飽和ヘテロ環基が挙げられ、更に好ましくは5または6員の飽和ヘテロ環基が挙げられる。5~10員の飽和ヘテロ環基の具体例としては、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロ-2H-ピラニル基、1,4-ジオキサニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロ-2H-チオピラニル、及び下記式:
【化4】
で表されるビシクロ環基が挙げられる(当該環上の結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。)。5~10員の飽和ヘテロ環基としては、環内に酸素原子を1または2個含む5~10員の飽和ヘテロ環基がより好ましく、例えば、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロ-2H-ピラニル基、1,4-ジオキサニル基、7-オキサビシクロ[2,2,1]ヘプチル基、2-オキサビシクロ[2,2,2]オクチル基が挙げられる。
【0067】
当該C3-8シクロアルキル基、当該C4-8シクロアルケニル基および当該5~10員の飽和ヘテロ環基は、C6-10アリールまたは5~10員のヘテロアリールと縮合環を形成してもよい。この場合の縮合環の具体例としては、下記式、
【化5】
で表される基が挙げられる(式中、C3-8シクロアルキル基、C4-8シクロアルケニル基および5~10員の飽和ヘテロ環基における、結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。)。ここで縮合環は、当該縮合環を形成する各環の置換基として例示する後記の置換基を有しうる。
【0068】
「置換されていてもよいC6-10アリール基」および「置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基」における置換基としては、例えば、ハロゲン原子;フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基;フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基;水酸基;C1-6アルキルチオ基;C6-10アリールオキシ基;C6-10アリールチオ基;シアノ基;-CO11;-SO11;-NR10SO11;-OSO11;-COR12;-SONR1213;-CONR1213;-NR1213;-NR10CONR1213;-NR10COR12;-CR12=N(OR11);オキシム基;C3-8シクロアルキル基;C6-10アリール基;5~10員のヘテロアリール基などが挙げられる(ここに、R10は前記[項1]に記載の定義と同義であり、R11はC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C6-10アリール基または5~10員のヘテロアリール基を表し、R12およびR13は互いに独立して水素原子、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C6-10アリール基または5~10員のヘテロアリール基を表す。R11、R12およびR13におけるC6-10アリール基および5~10員のヘテロアリール基はさらにハロゲン原子、C1-6アルキル基、水酸基またはC1-6アルキルオキシ基で置換されていてもよい。)。好ましい置換基としてはハロゲン原子、フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基、水酸基、C1-6アルキルチオ基、シアノ基が挙げられ、さらに好ましい置換基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、シアノ基が挙げられる。これらの置換基は、置換可能な任意の位置で1または同一もしくは異なって2個以上置換していてもよい。
【0069】
「置換されていてもよいC1-6アルキル基」および「置換されていてもよいC4-7アルキル基」における置換基としては、例えば、フッ素原子;水酸基;フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基が挙げられる。これらの置換基は、置換可能な任意の位置で1または同一もしくは異なって2個以上置換していてもよい。
【0070】
「置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基」、「置換されていてもよいC4-8シクロアルケニル基」および「置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基」における置換基としては、例えば、フッ素原子;フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基;水酸基;フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基が挙げられる。これらの置換基は、置換可能な任意の位置で1または同一もしくは異なって2個以上置換していてもよい。
【0071】
「C1-6アルキルオキシ基」とは、前記「C1-6アルキル基」で置換されたオキシ基を意味し、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、1-メチルエトキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、1-メチルプロポキシ基、2-メチルプロポキシ基、1,1-ジメチルエトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基が挙げられる。好ましいC1-6アルキルオキシ基としては、C1-4アルキルオキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。
【0072】
「C1-6アルキルチオ基」とは、前記「C1-6アルキル基」で置換されたチオ基を意味し、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、1-メチルエチルチオ基、ブチルチオ基、1-メチルプロピルチオ基、2-メチルプロピルチオ基、1,1-ジメチルエチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基が挙げられる。好ましいC1-6アルキルチオ基としては、C1-4アルキルチオ基が挙げられる。
【0073】
「C6-10アリールオキシ基」とは、前記「C6-10アリール基」で置換されたオキシ基を意味する。好ましいC6-10アリールオキシ基としては、Cアリールオキシ基またはC10アリールオキシ基が挙げられ、例えば、フェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基が挙げられる。
【0074】
「C6-10アリールチオ基」とは、前記「C6-10アリール基」で置換されたチオ基を意味する。好ましいC6-10アリールチオ基としては、Cアリールチオ基またはC10アリールチオ基が挙げられ、例えば、フェニルチオ基、1-ナフチルチオ基、2-ナフチルチオ基が挙げられる。
【0075】
「-CONR1213」としては、例えば、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、メチルエチルカルバモイル基が挙げられる。
【0076】
「-CO11」としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基が挙げられる。
【0077】
「-COR12」としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ペンタノイル基、イソペンタノイル基、ネオペンタノイル基、ヘキサノイル基が挙げられる。
【0078】
「-SO11」としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基が挙げられる。
【0079】
「-NR10SO11」としては、例えば、メチルスルホニルアミド基、エチルスルホニルアミド基、プロピルスルホニルアミド基、ブチルスルホニルアミド基、tert-ブチルスルホニルアミド基が挙げられる。
【0080】
「-NR10CONR1213」としては、例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、プロピルウレイド基が挙げられる。
【0081】
「-NR1213」としては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基が挙げられる。
【0082】
「-NR10COR12」としては、例えば、アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、イソプロピルカルボニルアミノ基、ブチルカルボニルアミノ基、イソブチルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、1-または2-ナフトイルアミノ基が挙げられる。
【0083】
「-OSO11」としては、例えば、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、ブチルスルホニルオキシ基、tert-ブチルスルホニルオキシ基が挙げられる。
【0084】
「-SONR1213」としては、例えば、メチルアミノスルホニル基、エチルアミノスルホニル基、プロピルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、tert-ブチルアミノスルホニル基が挙げられる。
【0085】
「-CR12=N(OR11)」としては、例えば、N-ヒドロキシイミノエチル基、N-ヒドロキシ-1-イミノプロピル基、N-メトキシイミノエチル基、N-メトキシ-1-イミノプロピル基、N-エトキシイミノエチル基、N-エトキシ-1-イミノプロピル基が挙げられる。
【0086】
式(1)で表される化合物における各置換基の具体的態様を以下に例示する。式(1)においてこれらの各置換基の具体的態様を任意に組み合わせた化合物も本発明に含まれる。
【0087】
およびRは、互いに独立して水素原子、重水素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基、またはC3-8シクロアルキル基であり、好ましくは互いに独立して水素原子、1~3個の重水素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例えばC1-3アルキル基)、またはC3-6シクロアルキル基であり、より好ましくはRおよびRのいずれか一方が水素原子であり、もう一方がC1-6アルキル基(例えばC1-3アルキル基)である。
【0088】
およびRの具体例としては、水素原子、メチル基、()メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基が挙げられ、RおよびRのいずれか一方が水素原子であり、他方がメチル基である場合が好ましい。
【0089】
およびRは、互いに独立して水素原子、重水素原子またはC1-6アルキル基であり、好ましくは互いに独立して水素原子、重水素原子またはC1-3アルキル基である。
およびRの具体例としては、水素原子、重水素原子、メチル基およびエチル基が挙げられ、RおよびRの両方が水素原子である場合が好ましい。RおよびRは互いに独立して水素原子またはメチル基であってもよい。
【0090】
は置換されていてもよいC4-7アルキル基または-(CR-Eを表す。
【0091】
におけるC4-7アルキル基の具体例としては、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1-メチル-1-エチルプロピル基、1,1-ジエチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2-エチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-メチル-2-エチルブチル基などが挙げられ、好ましくは、イソブチル基、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基が挙げられる。
【0092】
およびRは、互いに独立して水素原子、フッ素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基であり、好ましくは互いに独立して水素原子または同一もしくは異なる1~3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基であり、より好ましくは互いに独立して水素原子またはC1-3アルキル基であり、さらに好ましくはRおよびRの両方が水素原子である。RおよびRの具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基が挙げられる。
【0093】
rは1、2、3または4であり、好ましくは1、2または3であり、より好ましくは1または2であり、さらに好ましくは1である。
【0094】
Eは置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、置換されていてもよいC4-8シクロアルケニル基、置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基(ここに、当該飽和ヘテロ環基は、環の構成原子として、酸素原子および硫黄原子からなる群より独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む。)、置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基であり、好ましくは置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基(ここに、当該飽和ヘテロ環基は、環の構成原子として、酸素原子および硫黄原子からなる群より独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む。)、置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基であり、より好ましくは置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基(ここに、当該飽和ヘテロ環基は、環の構成原子として、酸素原子および硫黄原子からなる群より独立して選択される1~3個のヘテロ原子、好ましくは1~3個の酸素原子を含む。)または置換されていてもよいC6-10アリール基であり、さらに好ましくは置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基または置換されていてもよいC6-10アリール基であり、さらに好ましくは置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基である。
【0095】
Eにおける、置換されていてもよいC6-10アリール基および置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基の置換基としては、例えば、(i)フッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子、(ii)メチル基、エチル基、プロピル基などのC1-6アルキル基、(iii)メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのC1-6アルキルオキシ基、(iv)メチルチオ基、エチルチオ基などのC1-6アルキルチオ基、(v)シアノ基、(vi)トリフルオロメチル基、(vii)トリフルオロメトキシ基、(viii)水酸基、(ix)ジフルオロメトキシ基が挙げられ、好ましくはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子または塩素原子)、メチル基およびメトキシ基が挙げられる。これらの置換基は置換可能な任意の位置で1または同一もしくは異なって2個以上置換することができる。
【0096】
Eの具体例としては、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルキルオキシ基からなる群より選択される置換基によって置換されていてもよいフェニル基(例えば2位、3位または4位、好ましくは4位で置換されたフェニル基);1-ナフチル基:2-ナフチル基;シクロプロピル基;シクロブチル基;シクロペンチル基;シクロヘキシル基;シクロヘプチル基;テトラヒドロフリル基;テトラヒドロ-2H-ピラニル基;1,4-ジオキサニル基;テトラヒドロチエニル基;テトラヒドロ-2H-チオピラニル基;および下記式
【化6】
で表されるビシクロ環基が挙げられ(上記式中のビシクロ環上の結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。)、好ましくはフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-クロロフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基または下記式:
【化7】
(上記式中、*は結合位置を表す。)
で表される基である。
【0097】
およびRは、互いに独立して水素原子、重水素原子、フッ素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基であり、好ましくは互いに独立して水素原子、重水素原子またはフッ素原子であり、より好ましくは互いに独立して水素原子または重水素原子であり、さらに好ましくはRおよびRの両方が水素原子である。RおよびRの具体例としては、水素原子、重水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基が挙げられる。
【0098】
Aは置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基であり、好ましくは置換されていてもよいC6-10アリール基である。当該置換されていてもよいC6-10アリール基として好ましくは、置換されていてもよいCまたはC10アリール基であり、より好ましくは置換されていてもよいCアリール基(フェニル基)である。当該置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基として好ましくは、置換されていてもよい5もしくは6員の単環のまたは置換されていてもよい9もしくは10員の二環のヘテロアリール基であり、より好ましくは置換されていてもよい5または6員の単環のヘテロアリール基である。
【0099】
Aの好ましい具体例としては、置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよい1-または2-ナフチル基が挙げられ、より好ましくは置換されていてもよいフェニル基である。
【0100】
Aにおける、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基、置換されていてもよいフェニル基および置換されていてもよい1-または2-ナフチル基の置換基としては、例えば、(i)フッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子、(ii)メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基などのフッ素原子によって置換されていてもよいC1-6アルキル基、(iii)メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基などのフッ素原子によって置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基、(iv)メチルチオ基、エチルチオ基などのC1-6アルキルチオ基、(v)シアノ基、(vi)水酸基などが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、メチル基、メトキシ基またはシアノ基であり、より好ましくはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子または塩素原子)、メチル基またはシアノ基であり、さらに好ましくはフッ素原子および塩素原子が挙げられる。これらの置換基は置換可能な任意の位置で、1または同一もしくは異なって2個以上置換することができる。また当該C6-10アリール基および当該5~10員のヘテロアリール基は、C3-8シクロアルキル、C4-8シクロアルケニルまたは5~10員の飽和ヘテロ環と縮合環を形成してもよい。
【0101】
当該置換されていてもよいフェニル基としては、例えば、下記式:
【化8】
(式中、R14、R15およびR16は互いに独立してハロゲン原子、フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシ基、またはシアノ基を表し、*は結合位置を表す。)
で表される基が挙げられる。
【0102】
Lは、酸素原子、硫黄原子または-NR10-であり、好ましくは、酸素原子または硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0103】
10は水素原子、C1-6アルキル基またはC3-8シクロアルキル基であり、好ましくは水素原子またはC1-6アルキル基であり、より好ましくは水素原子またはC1-3アルキル基である。
【0104】
10の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基である。
【0105】
Xは水素原子、フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基またはハロゲン原子であり、例えば、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基が挙げられる。好ましくは水素原子またはハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子である。
【0106】
nは1、2または3であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。
【0107】
ある態様において、式(1)で表される化合物は、以下に例示される態様であってもよい:
およびRが互いに独立して水素原子、C1-6アルキル基または1~3個の重水素原子によって置換されたC1-6アルキル基であり、
およびRが互いに独立して水素原子、重水素原子またはメチル基であり、
が置換されていてもよいC4-7アルキル基または-(CR-Eであり、
およびRが互いに独立して水素原子または重水素原子であり、
およびRが互いに独立して水素原子、フッ素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基であり、
Aが置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基であり、
rが1または2であり、
Eが置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、置換されていてもよいC4-8シクロアルケニル基、置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基(ここに、当該飽和ヘテロ環基は、環の構成原子として、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を含む。)、置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール基であり、
Lが酸素原子または硫黄原子であり、
nが1であり、
Xが水素原子、フッ素原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基またはハロゲン原子である、式(1)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【0108】
別の態様において、RおよびRが互いに独立して水素原子、C1-6アルキル基または1~3個の重水素原子によって置換されたC1-6アルキル基であり、
およびRが互いに独立して水素原子または重水素原子であり、
が置換されていてもよいC4-7アルキル基または-(CR-Eであり、
およびRが互いに独立して水素原子または重水素原子であり、
およびRが互いに独立して水素原子、フッ素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基であり、
Aが置換されていてもよいC6-10アリール基であり、
rが1または2であり、
Eが置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、置換されていてもよい5~10員の飽和ヘテロ環基(ここに、当該飽和ヘテロ環基は、環の構成原子として、1~3個の酸素原子を含む。)または置換されていてもよいC6-10アリール基であり、
Lが酸素原子であり、
nが1であり、
Xが水素原子である、式(1)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0109】
さらに別の態様において、RおよびRのどちらか一方が水素原子であり、他方がC1-6アルキル基(例えばメチル基)であり、
が置換されていてもよいC4-7アルキル基(例えばイソブチル基、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基)または-CH-Eであり、
、R、R、およびRが水素原子であり、
Aが置換されていてもよいC6-10アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基)であり、
Eが置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)または置換されていてもよいC6-10アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基)であり、
Lが酸素原子であり、
nが1であり、
Xが水素原子である、式(1)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0110】
さらに別の態様において、RおよびRが互いに独立して水素原子、1~3個の重水素原子によって置換されていてもよいC1-6アルキル基、またはC3-6シクロアルキル基であり、
およびRが互いに独立して水素原子、重水素原子またはメチル基であり、
が置換されていてもよいC4-7アルキル基(例えばn-ブチル基、イソブチル基、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基)、または-(CR-Eであり、該C4-7アルキル基の置換基が、例えばハロゲン原子およびメトキシ基からなる群より独立して選択される1~3個の基であり、
およびRが互いに独立して水素原子、重水素原子またはフッ素原子であり、
およびRが互いに独立して水素原子、または同一もしくは異なる1~3個のハロゲン原子によって置換されていてもよいC1-6アルキル基であり、
Aが置換されていてもよいC6-10アリール基であり、該C6-10アリール基の置換基が、例えばハロゲン原子、メチル基およびシアノ基からなる群より独立して選択される1~3個の基であり、
rが1または2であり、
Eが置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基);環の構成原子として1~3個の酸素原子を含む5~10員の飽和ヘテロ環基(例えばテトラヒドロピラニル基、2-オキサビシクロ[2.2.2]オクチル基、以下の基:
【化9】
);または置換されていてもよいC6-10アリール基であり、該C3-8シクロアルキル基の置換基が、例えばハロゲン原子、メチル基およびトリフルオロメチル基からなる群より独立して選択される1~2個の基であり、該C6-10アリール基の置換基が、例えばハロゲン原子、メチル基およびメトキシ基からなる群より独立して選択される1~2個の基であり、
Lが酸素原子であり、
nが1であり、
Xが水素原子である、式(1)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0111】
式(1)で表される化合物の製薬学的に許容される塩は、慣用の無毒性塩であり、例えば、有機酸塩(例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、蟻酸塩、トルエンスルホン酸塩など)もしくは無機酸塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩など)のような酸付加塩、アミノ酸(例えばアルギニン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸など)との塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩など)もしくはアルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩など)などの金属塩、アンモニウム塩、または有機塩基塩(例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩など)が挙げられる。好ましい製薬学的に許容される塩は、塩酸塩、リン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩またはコハク酸塩である。
【0112】
本発明化合物はまた、その水和物などの溶媒和物の形態であってもよい。
【0113】
本発明化合物はヒトセロトニン5-HT2A受容体、セロトニン5-HT2C受容体およびセロトニントランスポーター(SERT)に対して高い結合親和性(拮抗作用または逆作動作用)を示しうる。このような結合親和性プロファイルから、本発明化合物は、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患、特にパーキンソン病に伴う非運動症状の治療薬および/または再発予防薬として有用であり得る。また、本発明化合物のうち、ドパミンD2L受容体に親和性を示さない化合物は、パーキンソン病における運動症状悪化の副作用の懸念がない点で有利であり得る。
【0114】
本明細書において、セロトニン神経系またはドパミン神経系が介在する疾患としては、国際疾病分類第10版(ICD-10)におけるF00-F09:症状性を含む器質性精神障害、F10-F19:精神作用物質使用による精神および行動の障害、F45:身体表現性障害、F84:広汎性発達障害、F90-F98:小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害、F99:特定不能の精神障害、G10:ハンチントン病、G20-G26:錐体外路障害及び異常運動、G30-G32:神経系のその他の変性疾患、M79:その他の軟部組織障害,他に分類されないものに含まれる、線維筋痛症、R45:情緒状態に関する症状及び徴候が挙げられる。さらに詳しくは、F00-F09:症状性を含む器質性精神障害には、例えばアルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン病における認知症、脳損傷などの疾患に伴う精神障害、脳機能不全または身体疾患による他の精神障害などが含まれる。F10-F19:精神作用物質使用による精神および行動の障害には、例えば種々の物質使用による振戦せん妄、精神病性障害、健忘症候群などが含まれる。F45:身体表現性障害には、例えば身体化障害、心気障害、身体表現性障害、持続性身体表現性疼痛障害などが含まれる。F84:広汎性発達障害には、例えば自閉症、精神遅滞または常同運動に関連した過動性障害などが含まれる。F90-F98:小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害には、例えば多動性障害、行為障害、行為および情緒の混合性障害などが含まれる。G20-G26:錐体外路障害及び異常運動には、例えばパーキンソン病、続発性パーキンソン症候群などが含まれる。G30-G32:神経系のその他の変性疾患には、例えばアルツハイマー病、前頭側頭葉型認知症、前頭側頭葉変性症、レビー小体型認知症、老人性脳変性などが含まれる。R45:情緒状態に関する症状及び徴候には、例えば神経過敏、情緒不安及び激越、落ち込み、情緒状態に関するその他の症状及び徴候などが含まれる。
本発明化合物は、これらの疾患、特にパーキンソン病に伴う種々の症状、例えば幻覚・妄想などの精神病症状、睡眠・覚醒サイクル異常(睡眠障害)、うつ症状、不安症状、認知機能障害、自律神経障害、疼痛、浮腫、嗅覚低下などの非運動症状の治療および/または再発予防に有用であり得る。また、アルツハイマー病に伴う種々の症状、例えば精神病症状、うつ症状、不安障害、焦燥性興奮症状または睡眠障害などの治療および/または再発予防に有用であり得る。
【0115】
本明細書において、「逆作動作用」とは、ある受容体を抑制するように刺激する作用である。一方、「拮抗作用」とは、ある受容体に結合して活性化を抑制する作用である。逆作動薬と拮抗薬はいずれも、当該受容体に対する抑制作用を示す。
【0116】
パーキンソン病におけるうつ症状および不安症状を模した動物モデルは存在しないが、試験例3および4に記載の薬効評価モデルを用いることで、パーキンソン病におけるうつ症状又は不安症状に対する有効性を評価することができると考えられる。本発明化合物は、下記の試験例3及び4において、顕著な抗うつ作用及び抗不安作用を示したことから、パーキンソン病におけるうつ症状および不安症状を含む、うつ病および不安障害全般の治療および/または再発予防に有用であると考えられる。
これらの評価モデルでは、試験例3および4で陽性対照として用いたイミプラミンやジアゼパム以外に、種々の疾患に伴ううつ症状の治療に用いられるSSRIを始め、ノルアドレナリン作動性および特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)、セロトニンおよびノルアドレナリン選択的再取り込み阻害薬など種々の抗うつ薬が薬効を示すことが報告されている(非特許文献17)。
【0117】
本発明化合物の用量は、患者の年齢および状態に応じて増減するが、一般には、ヒトに投与する場合、1日当り約0.1mg/個体ないし約1,000mg/個体、好ましくは1日当り約1mg/個体ないし約100mg/個体の量を投与することができる。1日の投与回数は、1回又は数回であってもよく、例えば各回1、2又は3用量を一度に投与してもよい。
【0118】
本発明化合物は、医薬組成物として、経口的または非経口的(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内、局所的、経直腸的、経皮的、経鼻的または経肺的)に投与することができる。経口投与のための投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤などの剤形が挙げられ、非経口投与のための投与形態としては、例えば、水性注射剤、非水性注射剤、坐剤、経鼻剤、経皮吸収剤[例えばローション剤、乳液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、ゲル剤、貼付剤(例えばテープ剤、経皮パッチ製剤、湿布剤等)、外用散剤等]等の形態の製剤が挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、製剤分野において通常使用される無毒性かつ不活性な製剤用担体を含有することができる。
【0119】
製剤用担体としては、製剤分野において通常使用され、かつ式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩と反応しない物質が用いられる。すなわち、式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、崩壊剤、緩衝剤、溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、界面活性剤、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤、粘度調節剤、ゲル化剤、無痛化剤、保存剤、可塑剤、経皮吸収促進剤、老化防止剤、保湿剤、防腐剤、香料等の製剤用担体を含有することができ、これらのうち2種以上の製剤用担体を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0120】
錠剤のような固体製剤は、有効成分である本発明化合物を、製剤用担体、例えば乳糖、ショ糖、トウモロコシ澱粉などの賦形剤;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;あるいは保存剤等と混合して調製することができる。
非経口投与のための投与形態では、有効成分を、水、生理食塩水、油、ブドウ糖水溶液などの生理的に許容し得る担体に溶解または懸濁し、補助剤として乳化剤、安定化剤、浸透圧調整用塩または緩衝剤を必要に応じて含有してもよい。
【0121】
医薬組成物は、通常の方法に従って製剤として調製することができる。例えば、本発明化合物を有効成分として、製剤中に治療上有効量、例えば0.05~99重量%、好ましくは0.05~80重量%、より好ましくは0.1~70%重量%、更に好ましくは0.1~50重量%含有しうる。これらの製剤はまた、治療上価値ある他の成分を含有していてもよい。
【0122】
本発明化合物を含有する製剤は、例えば錠剤の場合、実施例1の化合物20mg、乳糖100mg、結晶セルロース25mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを混合し、得られた混合物を打錠することにより製造できる。
【0123】
本発明化合物は、その作用の増強を目的として、抗うつ薬、抗不安薬、統合失調症治療薬、ドパミン補充薬、ドパミン受容体作動薬、パーキンソン病治療薬、抗癲癇薬、抗痙攣薬、鎮痛薬、ホルモン製剤、偏頭痛治療薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、認知症治療薬、気分障害治療薬などの薬剤と組み合わせて用いることができる。好ましくは、抗うつ薬、抗不安薬、統合失調症治療薬、ドパミン補充薬、ドパミン受容体作動薬、パーキンソン病治療薬、認知症治療薬、気分障害治療薬などの薬剤との組み合わせである。本発明化合物はまた、その副作用抑制を目的として、制吐剤、睡眠導入剤、抗痙攣薬などの薬剤と組み合わせて用いることができる。本発明化合物及び上記薬剤(以下、「併用薬剤」ともいう)の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に別々に投与してもよいし、時間差をおいて別々に投与してもよい。また、本発明化合物および併用薬剤を含有する単一の合剤として投与してもよい。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤との投与比および配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、これらの組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01~1000重量部用いればよい。
【実施例
【0124】
以下に本発明を、参考例、実施例及び試験例によりさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。尚、以下の参考例及び実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
本明細書において以下の略号を使用することがある。
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
Tol:トルエン
Ac:アセチル
Boc:tert-ブトキシカルボニル
Ms:メタンスルホニル
Ts:トルエンスルホニル
【0125】
製造例
以下の表に示される実施例化合物を特許文献1(WO2012/008528)に記載の方法に従い製造した。化合物の同定にはプロトン核磁気共鳴吸収スペクトル(H-NMRスペクトル)またはマススペクトル(LC-MS)を用い、光学活性体は比旋光度も測定した。LC-MS分析においては、エレクトロスプレーイオン法(ESI)によってプロトン化された分子のマススペクトルを観測した。
【0126】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【0127】
また、実施例492~507の化合物を以下に示す方法によって製造した。
【0128】
参考例1
エチル 5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート
【化10】

工程1
原料に(シクロヘキシルメチル)ヒドラジン・塩酸塩を用い、特許文献1に記載の参考例36、工程(i)の方法に準じて反応・処理しエチル 1-(シクロヘキシルメチル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(2.16g、57%)を固体として得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 0.90-1.06 (2H, m), 1.08-1.27 (3H, m), 1.29-1.42 (3H, m), 1.51-1.77 (5H, m), 1.77-1.98 (1H, m), 3.54 (0.7H, s), 3.61 (0.7H, d, J = 7.3 Hz), 3.87 (1.3H, d, J = 7.5 Hz), 4.30-4.43 (2H, m), 5.96 (0.6H, s).
工程2
原料にエチル 1-(シクロヘキシルメチル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート及びベンジルブロミドを用い特許文献1に記載の参考例36、工程(ii)の方法に準じて反応・処理し、表題化合物(1.23g、90%)を油状物として得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 0.85-1.03 (2H, m), 1.08-1.24 (3H, m), 1.38 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.48-1.74 (5H, m), 1.85-1.99 (1H, m), 3.87 (2H, d, J = 7.3 Hz), 4.38 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.10 (2H, s), 6.10 (1H, s), 7.32-7.45 (5H, m).
【0129】
参考例2
5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸
【化11】
参考例1の化合物(300mg、0.876mmol)にエタノール(4ml)を加えた後、6N水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加えた。室温で1時間25分撹拌後、エタノールを減圧留去後、2N塩酸(7ml)加え、pH1に調節した。得られた水層を酢酸エチルで抽出後、MgSOで乾燥し、濾過濃縮して目的物(255mg、93%)を得た。
1H-NMR (300MHz, DMSO-D6) δ: 0.78-1.01 (2H, m), 1.03-1.22 (3H, m), 1.38-1.53 (2H, m), 1.53-1.68 (3H, m), 1.69-1.83 (1H, m), 3.79 (2H, d, J = 7.2 Hz), 5.21 (2H, s), 6.17 (1H, s), 7.34-7.48 (5H, m), 12.55 (1H, brs).
【0130】
参考例3
5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-N-()メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシアミド
【化12】
参考例2の化合物(230mg、0.732mmol)にDMF(4ml)を加えた後、重水素化メチルアミン・塩酸塩(67.1mg、0.951mmol)、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(146mg、0.951mmol)、トリエチルアミン(408μl、2.93mmol)および1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド・塩酸塩(210mg、1.10mmol)を加えた。室温で終夜撹拌後、水(50ml)を加え、酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、溶媒を減圧留去した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒系:n-ヘキサン-酢酸エチル)で精製することで目的化合物(193mg,80%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 0.86-1.03 (2H, m), 1.09-1.30 (3H, m), 1.51-1.75 (5H, m), 1.76-1.92 (1H, m), 3.78 (2H, d, J = 7.3 Hz), 5.09 (2H, s), 6.10 (1H, s), 6.76 (1H, br s), 7.33-7.42 (5H, m).
【0131】
参考例4
5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-N-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシアミド
【化13】
参考例1の化合物(2.28mg、6.67mmol)に43%メチルアミン-メタノール溶液(13ml)を加えた後、40℃で終夜撹拌後、溶媒を減圧留去した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒系:n-ヘキサン-酢酸エチル)で精製することで目的化合物(1.50g,69%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 0.86-1.02 (2H, m), 1.09-1.28 (3H, m), 1.53-1.61 (2H, m), 1.63-1.75 (3H, m), 1.77-1.89 (1H, m), 2.94 (3H, d, J = 5.1 Hz), 3.78 (2H, d, J = 7.2 Hz), 5.09 (2H, s), 6.10 (1H, s), 6.78 (1H, brs), 7.33-7.42 (5H, m).
【0132】
実施例492
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチル()メタンアミン
【化14】
重水素化アルミニウムリチウム(76.9mg、1.83mmol)にTHF(1.5ml)を加えた。参考例4の化合物(200mg、0.611mmol)を加えた後、還流した。4時間50分還流後、0℃で水(76μl)、15%水酸化ナトリウム水溶液(76μL)、水(228μl)を順次加え1時間撹拌後、セライト濾過し、次いで溶媒を減圧留去した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル→クロロホルム-メタノール、溶媒系)で精製することで目的化合物(102mg,53%)を油状物として得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 0.82-1.02 (2H, m), 1.08-1.30 (3H, m), 1.51-1.75 (5H, m), 1.77-1.90 (1H, m), 2.46 (3H, s), 3.75 (2H, d, J = 7.3 Hz), 5.05 (2H, s), 5.55 (1H, s), 7.31-7.43 (5H, m).
【0133】
実施例493
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-()メチル()メタンアミン
【化15】
参考例3の化合物(80mg、0.242mmol)にTHF(1.0ml)を加え、重水素化アルミニウムリチウム(30.5mg、0.726mmol)を加えた後、70℃に加熱した。70℃で終夜撹拌後、0℃で水(30.1μl)、15%水酸化ナトリウム水溶液(30.1μL)、水(90.4μl)を順次加え、室温で30分撹拌後、セライト濾過し、次いで溶媒を減圧留去した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル→クロロホルム-メタノール、溶媒系)で精製することで目的化合物(15.7mg,20%)を油状物として得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 0.76-1.02 (2H, m), 1.04-1.31 (3H, m), 1.51-1.75 (5H, m), 1.76-1.92 (1H, m), 3.75 (2H, d, J = 7.3 Hz), 5.06 (2H, s), 5.69 (1H, s), 7.31-7.44 (5H, m).
【0134】
実施例494
1-[5-(ベンジルオキシ)-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-()メチルメタンアミン
【化16】
参考例3の化合物(80mg、0.242mml)にTHF(1.0ml)を加え、水素化アルミニウムリチウム(27.6mg、0.726mml)を加えた後、70℃に加熱した。70℃で終夜撹拌後、0℃で水(54.5μl)、15%水酸化ナトリウム水溶液(54.4μL)、水(103μl)を順次加え、室温で30分撹拌後、セライト濾過し、次いで溶媒を減圧留去した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル→クロロホルム-メタノール、溶媒系)で精製することで目的化合物(17.9mg,23%)を油状物として得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.87-1.01 (2H, m), 1.08-1.28 (3H, m), 1.51-1.73 (5H, m), 1.77-1.90 (1H, m), 3.73 (2H, s), 3.75 (2H, d, J = 7.3 Hz), 5.06 (2H, s), 5.62 (1H, s), 7.32-7.42 (5H, m).
【0135】
実施例495
1-[1-(シクロペンチルメチル)-5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン 塩酸塩
【化17】
原料に特許文献1に記載の参考例1の化合物(tert-ブチル{[1-(シクロペンチルメチル)-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-3-イル]メチル}メチルカルバメート)及び(2,5-ジフルオロフェニル)()メチルクロリドを用い特許文献1に記載の実施例198、工程(iii)~(iv)の方法に準じて反応・処理し、標記化合物(87mg,72%)を得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.16-1.22 (2H, m), 1.44-1.55 (6H, m), 2.26-2.29 (1H, m), 2.50 (3H, brt), 3.78 (2H, d, J = 7.6 Hz), 3.95-3.96 (2H, m), 5.95 (1H, s), 7.28-7.46 (3H, m), 9.04 (2H, brs).
【0136】
実施例496~498:
原料に特許文献1に記載の参考例1の化合物(tert-ブチル{[1-(シクロペンチルメチル)-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-3-イル]メチル}メチルカルバメート)または参考例4の化合物(tert-ブチル{[1-(シクロヘキシルメチル)-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-3-イル]メチル}メチルカルバメート)および対応するベンジルクロライドを用いて、実施例495と同様の方法によって実施例496~498の化合物を製造した。
【0137】
実施例496
1-[5-{[(5-クロロ-2-フルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(シクロペンチルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン 塩酸塩
【化18】
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.17-1.20 (2H, m), 1.47-1.52 (6H, m), 2.24-2.27 (1H, m), 2.51 (3H, brs), 3.78 (2H, d, J = 7.6 Hz), 3.96 (2H, s), 5.94 (1H, s), 7.35 (1H, t, J = 9.3 Hz), 7.51-7.54 (1H, m), 7.65 (1H, dd, J = 6.1, 2.4 Hz), 8.99 (2H, s).
【0138】
実施例497
1-[1-(シクロヘキシルメチル)-5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン 塩酸塩
【化19】
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 0.86-0.91 (2H, m), 1.09-1.11 (3H, m), 1.43-1.73 (6H, m), 2.50 (3H, brt), 3.70 (2H, d, J = 7.1 Hz), 3.95 (2H, t, J = 4.9 Hz), 5.96 (1H, s), 7.27-7.45 (3H, m), 9.07 (2H, brs).
【0139】
実施例498
1-[5-{[(5-クロロ-2-フルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(シクロヘキシルメチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン 塩酸塩
【化20】
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 0.84-0.93 (2H, m), 1.07-1.12 (3H, m), 1.43-1.46 (2H, m), 1.57-1.73 (4H, m), 2.50 (3H, br), 3.70 (2H, d, J = 7.1 Hz), 3.94-3.96 (2H, m), 5.95 (1H, s), 7.35 (1H, t, J = 9.3 Hz), 7.51-7.53 (1H, m), 7.63-7.65 (1H, m), 9.05 (2H, s).
【0140】
実施例499
1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチル()メタンアミン クエン酸塩
【化21】
工程1
原料に(3,3-ジメチルブチル)ヒドラジン・リン酸塩を用い、特許文献1に記載の参考例87の方法に準じて反応・処理しエチル 1-(3,3-ジメチルブチル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(11.89g,71%)を合成した。
工程2
原料にエチル 1-(3,3-ジメチルブチル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート及び(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル4-メチルベンゼンスルフォネートを用い特許文献1に記載の実施例489、工程(i)の方法に準じて反応・処理し、エチル 5-{[2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(17.19g,95%)を合成した。
工程3
原料にエチル 5-{[2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレートを、還元剤に重水素化リチウムアルミニウムを用い特許文献1に記載の実施例489、工程(ii)の方法に準じて反応・処理し、[5-{[2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]()メタノール(9.99g,97%)を合成した。
工程4
原料に[5-{[2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]()メタノールを用い特許文献1に記載の実施例489、工程(iii)の方法に準じて反応・処理し、1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチル()メタンアミンを合成した後、特許文献1に記載の実施例491の方法に準じて反応・処理し、1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチル()メタンアミン・クエン酸塩(4.29g,50%)を合成した。
1H-NMR (CD3OD) δ: 0.92 (9H, s), 1.59-1.65 (2H, m), 2.68 (3H, s), 2.70-2.85 (4H, m), 3.96-4.02 (2H, m), 5.93 (1H, s), 7.13-7.31 (3H, m).
【0141】
実施例492~499に示す製造方法に準じ、対応する原料を用いることにより、以下の重水素化化合物を製造することができる。
1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-N-メチルメタンアミン;
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチル()メタンアミン;
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-()メチル()メタンアミン;および
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-()メチルメタンアミン。
【0142】
実施例500
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン モノリン酸塩
【化22】
特許文献1に記載の実施例266の化合物(1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン 塩酸塩)(0.99g,2.65mmol)にクロロホルム(60mL)を加えた後、0℃で5%炭酸カリウム水溶液(20mL)を加え、0℃で10分撹拌後、有機層を分離し、水層をクロロホルム(20mL)で抽出した。合わせた有機層を水洗(20ml)後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濾過した。得られたクロロホルム溶液にリン酸(75%,383mg,2.93mmol)の2-プロパノール(13mL)混合溶液を水浴下で加えた後、室温で30分撹拌後、溶媒を減圧留去した。残渣に2-プロパノール(11mL)を加え、75℃に加温後、65℃で60分間撹拌し、ゆっくり室温まで冷却した。室温で終夜撹拌後、0℃で2時間撹拌し、生じた析出物をろ取し、減圧乾燥することで標記化合物(998mg,86%)を固体として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 0.85 (9H, s), 1.49-1.53 (2H, m), 2.35 (3H, s), 3.68 (2H, s), 3.82-3.86 (2H, m), 5.18 (2H, s), 5.87 (1H, s), 7.26-7.45 (3H, m).
【0143】
実施例501
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン
【化23】
実施例500の化合物(5.0g,11.48mmol)にトルエン(80mL)を加えた後、室温で20%炭酸カリウム水溶液(40mL)を加え、室温で60分撹拌した。次いで、有機層を分離し、有機層を水洗後、溶媒を減圧留去し、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール溶媒系)で精製することで標記化合物(3.70g,95%)を油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 0.84 (9H, s), 1.49 (2H, t, J = 8.0 Hz), 2.21 (3H, s), 3.41 (2H, s), 3.80 (2H, t, J = 8.1 Hz), 5.15 (2H, s), 5.69 (1H, s), 7.23-7.44 (3H, m).
【0144】
実施例502
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン モノクエン酸塩
【化24】
実施例501の化合物(300mg,0.889mmol)に2-プロパノール(1.5mL)を加えた後、無水クエン酸(171mg,0.890mmol)を加え、85℃まで昇温させた。次いで、2-プロパノール(1.5mL)を加え、75℃で保温後、別途合成した種晶を加え、ゆっくり室温まで冷却し、析出物をろ取し、減圧乾燥することで標記化合物(439mg,93%)を固体として得た。
1H-NMR (CD3OD) δ: 0.92 (s, 9H), 1.60-1.65 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.77 (dd, J = 33.2, 15.4 Hz, 4H), 3.97-4.01 (m, 2H), 4.06 (s, 2H), 5.24 (s, 2H), 5.92 (s, 1H), 7.13-7.30 (m, 3H).
【0145】
実施例503
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン モノコハク酸塩
【化25】
実施例501の化合物(2.68g,6.89mmol)を2-プロパノール(20mL)に溶解後、コハク酸(814mg,6.89mmol)の2-プロパノール(20mL)に滴下し、溶媒を減圧留去した。残渣に2-プロパノール(21mL)を加え、30-35℃に加温後、別途合成した種晶を加えた。n-ヘキサン(11ml)を加え、30-35℃で60分保温後、ゆっくり室温まで冷却した。次いで、0℃で60分撹拌後、析出物をろ取し、減圧乾燥することで標記化合物(2.70g,86%)を固体として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 0.86 (9H, s), 1.49-1.53 (2H, m), 2.29 (4H, s), 2.40 (3H, s), 3.73 (2H, s), 3.83-3.87 (2H, m), 5.19 (2H, s), 5.81 (1H, s), 7.26-7.44 (3H, m).
【0146】
実施例504
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(2,2-ジメチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン モノリン酸塩 2水和物
【化26】
特許文献1に記載の実施例258の化合物(1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(2,2-ジメチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミン 塩酸塩)を実施例501の方法に準じて反応・処理し、1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(2,2-ジメチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミンを合成した後、実施例502の方法に準じて反応・処理し、標記化合物(170.80g,48%)を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.85 (9H, s), 2.37 (3H, s), 3.63 (2H, s), 3.76 (2H, s), 5.15 (2H, s), 5.98 (1H, s), 7.23-7.39 (2H, m), 7.39-7.50 (1H, m).
【0147】
実施例505
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン モノリン酸塩
【化27】
原料に{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}メタノールを用い、4mol/L塩化水素1,4-ジオキサン溶液の代わりにリン酸を用い、特許文献1に記載の実施例347の方法に準じて反応・処理し、表題化合物(273mg、18%)を合成した。
Obs MS[M+1]: 324.6
【0148】
実施例506
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン モノクエン酸塩
実施例501に示す製造方法に準じて反応・処理することで、表題化合物(5.55g、93%)を合成した。
1H-NMR (CD3OD) δ: 0.93 (s, 9H), 1.59-1.65 (m, 2H), 2.70-2.84 (m, 4H), 3.96-4.01 (m, 4H), 5.23 (s, 2H), 5.87 (s, 1H), 7.14-7.30 (m, 3H).
【0149】
実施例505~506に示す製造方法に準じ、対応する原料を用いることにより、以下の化合物を製造することができる。
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(2-メチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル}メタンアミン。
【0150】
実施例507
1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]()メタンアミン モノクエン酸塩
実施例499工程3で得られた化合物を特許文献1に記載の実施例485に示す製造方法に準じ、対応する原料を用いて反応・処理することにより、1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1-(3,3-ジメチルブチル)-1H-ピラゾール-3-イル]()メタンアミンを得た後、実施例502に準じて反応・処理することで表題化合物(6.04g、70%)を合成した。
1H-NMR (CD3OD) δ: 0.92 (s, 9H), 1.59-1.64 (m, 2H), 2.70-2.84 (m, 4H), 3.95-4.01 (m, 2H), 5.88 (s, 1H), 7.13-7.30 (m, 3H).
【0151】
実施例507に示す製造方法に準じ、対応する原料を用いることにより、以下の化合物を製造することができる。
1-[1-(シクロペンチルメチル)-5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1H-ピラゾール-3-イル]()メタンアミン モノクエン酸塩;
1-[1-(3-メチルブチル)-5-{[(2,4,5-トリフルオロフェニル)()メチル]オキシ}-1H-ピラゾール-3-イル]()メタンアミン モノクエン酸塩;
1-[5-{[(2,5-ジフルオロフェニル)(2H2)メチル]オキシ}-1-(2-メチルプロピル)-1H-ピラゾール-3-イル]()メタンアミン モノクエン酸塩。
【0152】
1-{1-(シクロヘキシルメチル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミンは、特許文献1に記載の実施例20~40と同様の製造方法により製造することができる。
1-{1-(4-フルオロベンジル)-5-[(2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ]-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミンは、特許文献1に記載の実施例198と同様の製造方法により製造することができる。
1-{5-[(2,5-ジフルオロベンジル)オキシ]-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-イル}-N-メチルメタンアミンは、特許文献1に記載の実施例198と同様の製造方法により製造することができる。
【0153】
試験例1:in vitro受容体親和性評価
<実験方法>
(1)ヒトセロトニン5-HT2A受容体結合試験
5-HT2A受容体結合実験を以下のように行い、[H]-ketanserinのヒト5-HT2A受容体結合活性を測定した。
50μLの[H]-ketanserin(最終濃度1nM)、2μLの試験化合物のDMSO溶液又は溶媒(DMSO)、及び148μLのヒト5-HT2A受容体発現CHO細胞膜標品を含む溶液を、50mmol/L Tris-HCl(pH=7.6)緩衝液中で反応させた後、37℃で15分間静置後、0.05% Brij 35でコーティングしたガラス繊維フィルタープレート(Multiscreen FB,ミリポア社製)上に速やかに添加し減圧濾過した。ガラス繊維フィルター上の濾過物を、200μLの氷冷50mmol/L Tris-HCl(pH=7.6)で2回洗浄、減圧濾過を繰り返した後、2mLのエコシンチA(National Diagnostics社製)を含むバイアルに移した。ガラス繊維フィルター上に残存した濾過物の放射活性を、液体シンチレーションカウンターで測定した。液体シンチレーションカウンターにて測定した放射活性値を受容体結合活性とし、全結合(total binding;TB)、非特異的結合(Non-specific binding;NSB)及び試験化合物の特異的結合(specific binding;SB)から次式により結合阻害率を算出した。
全結合(TB)=溶媒添加群における放射活性
非特異的結合(NSB)=MDL-100907溶液添加群における放射活性
特異的結合(SB)=試験化合物溶液添加群における放射活性-NSB
結合阻害率(%)=SB/(TB-NSB)×100
非特異的結合を10μmol/LのMDL-100907存在下に測定し、試験化合物の各評価濃度における[H]-ketanserin結合阻害率(%)を求めた。
算出した結合阻害率(%)をもとにHill解析(Hill A.V.,J.Physiol.,40,190-200(1910))によってIC50値を算出し、結合阻害定数(Ki)を次式によって算出した:
結合阻害定数(Ki)=IC50/(1+S/Kd)
ただし、Sは添加した[H]-ketanserin濃度を示す。また、Kd値は[H]-ketanserinの結合解離定数であり、別途同じ細胞膜標品を用いて実施した飽和結合実験より算出された値(0.63nmol/L)を用いた。5-HT2A結合阻害定数Ki値が小さいほど、ヒトセロトニン5-HT2A受容体阻害作用が強いことを意味する。結果を第1表に示す。
【0154】
(2)ヒトセロトニン5-HT2C受容体結合試験
H]-mesulergineのヒト5-HT2C受容体結合活性を以下のようにして測定した。
50mmol/L Tris-HCl(pH=7.4)で希釈した[H]-mesulergine(GEヘルスケア製)(最終濃度約2nM)50μL、h-5-HT2C/CHO細胞膜標品(蛋白量として20μg/well)149μL、およびDMSOに溶解した試験化合物溶液又は溶媒(DMSO)1μLを含む溶液を、37℃で30分間反応させた後、1%ウシ血清アルブミン水溶液でコーティングしたガラス繊維濾紙を用い速やかに低圧吸引ろ過した。ガラス繊維濾紙上の濾過物を50mmol/L Tris-HCl(pH=7.4)250μLで2回洗浄した後、ACS-II(Amersham製)4mL入りのガラスバイアルに移した。濾紙上に残存する濾過物の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。液体シンチレーションカウンターにて測定した放射活性値を受容体結合活性とし、全結合(total binding;TB)、非特異的結合(Non-specific binding;NSB)及び試験化合物の特異的結合(specific binding;SB)から次式により結合阻害率を算出した。
全結合(TB)=溶媒添加群における放射活性
非特異的結合(NSB)=SB206553溶液添加群における放射活性
特異的結合(SB)=試験化合物溶液添加群における放射活性-NSB
結合阻害率(%)=SB/(TB-NSB)×100
H]mesulergineの非特異的結合を10μmol/L SB206553(Sigma Aldrich製)存在下での結合量とし、試験化合物の各評価濃度における[H]-mesulergine結合阻害率(%)を求めた。
算出した結合阻害率(%)をもとにHill解析(Hill A.V.,J.Physiol.,40,190-200(1910))によってIC50値を算出し、結合阻害定数(Ki)を次式によって算出した:
結合阻害定数(Ki)=IC50/(1+S/Kd)
ただし、Sは添加した[H]-mesulergine濃度を示す。また、Kd値は[H]-mesulergineの結合解離定数であり、別途同じ細胞膜標品を用いて実施した飽和結合実験より算出された値(1.34nmol/L)を用いた。5-HT2C結合阻害定数Ki値が小さいほど、ヒトセロトニン5-HT2C受容体に対する親和性が高いことを意味する。結果を第1表に示す。
【0155】
(3)ヒトセロトニントランスポーター(SERT)結合試験
[H]-citalopramのSERT結合活性の測定を、Owensらの方法(Owens M.J.et al.,J.Pharm.Exp.Ther.,283,1305-1322(1997))に準じて行った。
すなわち、SERT緩衝液(120mmol/L NaClおよび5mmol/L KClを含む50mmol/L Tris-HCl(pH=7.4))で希釈した[H]-citalopram(GEヘルスケア製)(最終濃度約2nmol/L)50μL、h-SERT/CHO細胞膜標品(蛋白量として40μg/well)149μL、および試験化合物のDMSO溶液又は溶媒(DMSO)1μLを含む溶液を、室温で60分間反応させた後、0.05%ポリエチレンイミン水溶液でコーティングしたガラス繊維濾紙を用い速やかに低圧吸引ろ過した。ガラス繊維濾紙上の濾過物をSERT緩衝液250μLで2回洗浄した後、ACS-II(Amersham製)4mL入りのガラスバイアルに移し、濾紙上に残存する濾過物の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。液体シンチレーションカウンターにて測定した放射活性値を受容体結合活性とし、全結合(total binding;TB)、非特異的結合(Non-specific binding;NSB)及び試験化合物の特異的結合(specific binding;SB)から次式により結合阻害率を算出した。
全結合(TB)=溶媒添加群における放射活性
非特異的結合(NSB)=clomipramine溶液添加群における放射活性
特異的結合(SB)=試験化合物溶液添加群における放射活性-NSB
結合阻害率(%)=SB/(TB-NSB)×100
H]-citalopramの非特異的結合は1μmol/L clomipramine(Sigma Aldrich製)存在下での結合量とし、試験化合物の各評価濃度における[H]-citalopram結合阻害率(%)を求めた。
算出した結合阻害率(%)をもとにHill解析(Hill A.V.,J.Physiol.,40,190-200(1910))によってIC50値を算出し、結合阻害定数(Ki)の算出は次式によって算出した:
結合阻害定数(Ki)=IC50/(1+S/Kd)
ただし、Sは添加した[H]-citalopram濃度を示す。また、Kd値は[H]-citalopramの結合解離定数であり、別途同じ細胞膜標品を用いて実施した飽和結合実験より算出された値(2.83nmol/L)を用いた。h-SERT結合阻害定数Ki値が小さいほど、ヒトセロトニン再取り込み阻害作用が強いことを意味する。結果を第1表に示す。
【0156】
第1表
【表2-1】
【表2-2】
【0157】
上記試験化合物は、セロトニン5-HT2A受容体、セロトニン5-HT2C受容体およびセロトニントランスポーター(SERT)に対して高い結合親和性(拮抗作用または逆作動作用)を示した。
【0158】
(4)ドパミンD2L受容体結合試験
H]-spiperoneのヒトD2L受容体結合活性を以下のようにして測定した。
50μLの[H]-spiperone(最終濃度0.5nmol/L)、2μLの試験化合物DMSO溶液又は溶媒(DMSO)及び148μLのヒトD2L受容体発現CHO細胞膜標品を含む溶液を、50mmol/L Tris-HCl(pH=7.6)緩衝液中で反応させた後、室温で60分間静置後、0.3%polyehyleneimine(PEI)でコーティングしたガラス繊維フィルタープレート(Multiscreen FB,ミリポア社製)上に速やかに添加し減圧濾過した。ガラス繊維フィルター上の濾過物を、200μLの氷冷50mmol/L Tris-HCl(pH=7.6)で2回洗浄、減圧濾過を繰り返した後、2mLのエコシンチA(National Diagnostics社製)を含むバイアルに移した。ガラス繊維フィルター上に残存した濾過物の放射活性を、液体シンチレーションカウンターで測定した。液体シンチレーションカウンターにて測定した放射活性値を受容体結合活性とし、全結合(total binding;TB)、非特異的結合(Non-specific binding;NSB)及び被験薬の特異的結合(specific binding;SB)から次式により結合阻害率を算出した。
全結合(TB)=溶媒添加群における放射活性
非特異的結合(NSB)=spiperone溶液添加群における放射活性
特異的結合(SB)=試験化合物溶液添加群における放射活性-NSB
結合阻害率(%)=SB/(TB-NSB)×100
式中、非特異的結合を10μmol/Lのspiperone溶液存在下に測定し、被験薬10nmol/Lにおける[H]-spiperone結合阻害率(%)を求めた。
算出した結合阻害率(%)をもとにHill解析(Hill A.V.,J.Physiol.,40,190-200(1910))によってIC50値を算出した。試験化合物の最大評価濃度(1μmol/Lまたは10μmol/L)において結合阻害率が50%未満であった場合は、Hill解析でのIC50値算出が不可能であるため、IC50値>最大濃度とした。ヒトD2L受容体に対するIC50値が大きいほど、ヒトD2L受容体に対する結合親和性が弱いことを意味する。結果を第2表に示す。
第2表
【表3】
上記試験化合物は、ドパミンD受容体に対して結合親和性を示さなかった。
【0159】
試験例2:in vivoにおけるセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を評価するためのラットトリプタミン誘発前肢間代性痙攣モデル
生体内においてセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を確認する方法の一つとして知られている、げっ歯類を用いたトリプタミン誘発前肢間代性痙攣モデルによる評価を行った。当該評価はセロトニン5-HT2A受容体作動作用によって誘発した痙攣を抑制することで、試験化合物がセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を示すことを明らかにするものである。
<実験方法>
7週齢のSD系雄性ラットを使用した。試験化合物の投与液調製には溶媒として0.5%メチルセルロース溶液または生理食塩水を用いた。試験化合物は0.5%メチルセルロース溶液にて混濁(経口投与時)または生理食塩水に溶解(皮下投与時)して得られた投与液として使用した。また、間代性痙攣惹起物質としてトリプタミンを生理食塩水に溶解して使用した。
実験開始時に試験化合物の投与液または溶媒のみをラットに経口投与または皮下投与し、投与60分後にトリプタミン25mg/kgを含む生理食塩水溶液をラットに静脈内投与した。トリプタミン投与直後にラットを観察用ケージに移し、前肢間代性痙攣を3分間評価した。前肢間代性痙攣の評価は第3表のスコアに従って実施した。
【0160】
第3表:前肢間代性痙攣評価スコア
【表4】
【0161】
次式によって算出した各個体の抑制率を平均した数値を各投与群における抑制率とした。
各個体の抑制率=(溶媒投与群のスコア平均値-各個体のスコア)/溶媒投与群のスコア平均値×100
試験結果の統計解析はStat Preclinica(株式会社匠インフォメーションテクノロジー)を用いて以下の手順で実施した:
1)前肢間代性痙攣スコアを指標として、溶媒投与群と被験物質投与群においてJonckheere-Terpstra検定を行った。手法オプションは近似検定とし、有意水準は両側5%とした。有意差が認められた場合は用量依存性があると判断し2)の解析を実施した。
2)前肢間代性痙攣スコアを指標として、溶媒投与群と被験物質投与群の間でノンパラメトリックDunnett型多重比較(ジョイントランキング法)-計量値を行った。有意水準は両側5%とした。被験物質投与群のいずれかの用量で有意なスコアの低下が認められた場合、その被験物質は5-HT2A受容体拮抗作用を有すると判断した。結果を第4表に示す。
【0162】
第4表
【表5】
【0163】
試験例2において、試験化合物は、精神病症状の治療に用いられるピマバンセリンと同様に生体内においても5-HT2A受容体拮抗作用を示すことが確認された。
【0164】
試験例3:抗うつ作用を評価するためのラット強制水泳試験
抗うつ作用評価系の一つとして汎用されている、ラット強制水泳試験を行った。当該試験において、パーキンソン病におけるうつ症状の改善が確認された三環系抗うつ薬ノルトリプチリンが抗うつ作用を示すことが報告されている(非特許文献18および非特許文献19)。
<実験方法>
8週齢のWistar系雄性ラットを使用した。試験化合物および陽性対照化合物イミプラミンの投与液調製には溶媒として0.5%メチルセルロース溶液を用い、混濁して使用した。
強制水泳試験は、水温25℃の水道水5.8Lを満たした透明プラスチック製水槽を利用し、以下のように実施した。
すなわち、実験初日において水泳訓練として、前述の水槽に動物を入れて15分間泳がせた。水泳訓練終了後、速やかに動物に付着している水滴を拭い取ってホームケージにもどし、訓練終了15分後に投与液(溶媒のみ、陽性対照化合物または試験化合物)を経口投与した。訓練翌日および翌々日には一日一回の経口投与のみ実施し、4日目に水泳試験を実施した。水泳試験は、試験開始1時間前に投与液を経口投与し、前述の水槽にて5分間水泳させて実施した。各個体の水泳行動を水槽の側面からビデオ撮影し、無動時間をストップウォッチで計測した。なお、無動とは、動物が水槽中で前肢および胴体を動かさずに浮遊している状態とし、動物が浮遊姿勢を保つために必要とする僅かな動作も無動に含むものと判定した。無動を示した時間の累積値を、その個体の無動時間とした。
試験結果の解析は以下の通り実施した。
すなわち、試験化合物投与群と溶媒投与群において、パラメトリックDunnett型多重比較(有意水準:両側5%)を行った。試験化合物投与群が、溶媒投与群と比較して有意な無動時間の減少を示した場合、当該試験化合物は抗うつ作用を有すると判断した。対照物質についても同様にパラメトリックDunnett型多重比較(有意水準:両側5%)を行い、溶媒投与群と比較して有意な無動時間の減少を示した場合、抗うつ作用を有すると判断した。結果を図1および図2に示す。
【0165】
試験例4:抗不安作用を評価するためのラット社会相互作用評価
抗不安作用評価系として汎用されている行動薬理試験の一つである、ラット社会相互作用評価を行った。当該評価において、パーキンソン病における不安症状の治療に用いられるベンゾジアゼピン系抗不安薬ベンゾジアゼピンが有効性を示したことが報告されている(非特許文献20)。
<実験方法>
7週齢のSD系雄性ラットを使用した。試験化合物および陽性対照化合物ジアゼパムの投与液調製には溶媒として0.5%メチルセルロース溶液を用い、混濁して使用した。
ラット社会相互作用評価は、新奇環境下における不安状態を観察箱(アクリル製。側面に黒い紙を巻いて遮蔽したものを使用)を用いて評価した。試験は以下の通り実施した。
すなわち、試験前日に各個体の体重を測定し、ケージ毎の平均体重を指標として統計解析ソフト(Stat Preclinica:株式会社匠インフォメーションテクノロジー)の「単変数によるブロック化割り付け」を用いて各投与群への割り付けを実施した。
試験実施日に、試験開始1時間前に投与液(溶媒のみ、ジアゼパムまたは試験化合物)を投与群に経口投与後、同じ投与群に属するペアの2つのケージから1匹ずつ動物を取り出して照度200lxに調整した観察箱に投入した。観察箱での各動物の行動を10分間ビデオ撮影し、社会相互作用行動をストップウォッチで測定した。なお、社会相互作用行動とは、相手に対する臭い嗅ぎ(sniffing partner)、相手に対する身繕い行動(mutual grooming)、相手の下に潜り込んだり上によじ登ったりする行動(crawling under and climbing over partner)、追尾行動(following and walking around partner)、ならびに尻の臭い嗅ぎ行動(genital investigation)を指し、これらの行動を示した時間の累積値を、その個体の社会相互作用時間とする。
試験結果の解析はパラメトリックDunnett型多重比較(有意水準:両側5%)にて行った。試験化合物投与群が、溶媒投与群と比較して有意な社会相互作用時間の増加を示した場合、当該試験化合物は抗不安作用を有すると判断した。結果を図3図6に示す
【0166】
試験例3および4において、試験化合物は、抗うつ作用および抗不安作用の評価系として汎用される強制水泳試験および社会相互作用評価においても既存の抗うつ薬または抗不安薬と同様の作用を示すことを確認した。
【0167】
試験例5:パーキンソン病における精神病症状およびうつ症状の臨床試験評価
以下の臨床試験により、本発明化合物が、パーキンソン病における精神病症状又はうつ症状に有用であることが確認できる。例として精神病症状およびうつ症状の臨床評価について示すが、同様の手法によって、他の非運動症状の評価も可能である。
(1)症状評価尺度又は画像診断的指標に基づく精神病症状の評価
パーキンソン病と診断され、精神病症状(幻覚、妄想など)を有する患者を対象に行う。被験者に被験化合物を単回または複数回投与する(一日あたりの投与回数は問わない)。投与開始前後に適切な症状評価尺度によって精神病症状の評価を行い、投与前と比較してスコアが低下することをもって本発明化合物のパーキンソン病における精神病症状に対する有用性が判断できる。また、本化合物の有用性は、プラセボや類似薬効薬等との比較対照試験によって上記評価尺度の変化量が比較対照薬よりも大きいことをもって判断することも可能である。
パーキンソン病における精神病症状の症状評価尺度とは、例えば臨床全般印象度(CGI)やその関連指標、陽性症状評価尺度パーキンソン病スケール(SAPS-PD)又は陽性症状評価尺度(SAPS)、Neuropsychiatric Inventory(NPI)全体又はその一部(例えば精神病スコア(Delusions [Domain A]+Hallucinations [Domain B]))である。さらに評価指標として、光トポグラフィー(近赤外分光法、NIRS)や機能的磁気共鳴画像法(fMRI)等画像診断的指標により興味領域(ROI)における画像上の変化をもって有用性を判断することも可能である。
(2)症状評価尺度又は画像診断的評価指標に基づくうつ症状の評価
パーキンソン病と診断され、うつ症状を有する患者を対象に行う。被験者に被験化合物を単回または複数回投与する(一日あたりの投与回数は問わない)。投与開始前後に適切な症状評価尺度によってうつ症状の評価を行い、投与前と比較してスコアが低下することをもって本発明化合物のパーキンソン病におけるうつ症状に対する有用性が判断できる。また、本化合物の有用性は、プラセボや類似薬効薬等との比較対照試験等によって上記評価尺度の変化量が比較対照薬よりも大きいことをもって判断することも可能である。
パーキンソン病におけるうつ症状の症状評価尺度とは、例えばCGIやその関連指標、モンゴメリー・アズバーグうつ病評価尺度(MADRS)又はハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、NPI全体又はその一部(例えばうつスコア)である。さらに評価指標として、NIRSやfMRI等画像診断的指標によりROIにおける画像上の変化をもって有用性を判断することも可能である。
【0168】
試験例6:アルツハイマー病における精神病症状、うつ症状および焦燥性興奮症状の臨床試験評価
以下の臨床試験により、本発明化合物が、アルツハイマー病における精神病症状、うつ症状または焦燥性興奮症状に有用であることが確認できる。例として精神病症状、うつ症状および焦燥性興奮症状の臨床評価について示すが、同様の手法によって、他の非運動症状の評価も可能である。
(1)症状評価尺度又は画像診断的指標に基づく精神病症状の評価
アルツハイマー病と診断され、精神病症状を有する患者を対象に行う。被験者に被験化合物を単回または複数回投与する(一日あたりの投与回数は問わない)。投与開始前後に適切な症状評価尺度によって精神病症状の評価を行い、投与前と比較してスコアが低下することをもって本発明化合物のアルツハイマー病における精神病症状に対する有用性が判断できる。また、本化合物の有用性は、プラセボや類似薬効薬等との比較対照試験等によって上記評価尺度の変化量が比較対照薬よりも大きいことをもって判断することも可能である。
アルツハイマー病における精神病症状の症状評価尺度とは、例えばCGIやその関連指標、NPI全体又はその一部(例えば精神病スコア(Delusions [Domain A]+Hallucinations [Domain B]))である。また、患者の状態によってはSAPS、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、簡易精神症状評価尺度(BPRS)等を用いることができる。さらに評価指標として、NIRSやfMRI等画像診断的指標によりROIにおける画像上の変化をもって有用性を判断することも可能である。
(2)症状評価尺度又は画像診断的指標に基づくうつ症状の評価
アルツハイマー病と診断され、うつ症状を有する患者を対象に行う。被験者に被験化合物を単回または複数回投与する(一日あたりの投与回数は問わない)。投与開始前後に適切な症状評価尺度によってうつ症状の評価を行い、投与前と比較してスコアが低下することをもって本発明化合物のアルツハイマー病におけるうつ症状に対する有用性が判断できる。また、本化合物の有用性は、プラセボや類似薬効薬等との比較対照試験等によって上記評価尺度の変化量が比較対照薬よりも大きいことをもって判断することも可能である。
アルツハイマー病におけるうつ症状の症状評価尺度とは、例えばCGIやその関連指標、Cornell Scale for Depression in Dementia(CSDD)、NPI全体又はその一部(うつスコア)である。また、患者の状態によってはMADRS、HAM-D等を用いることができる。さらに評価指標として、NIRSやfMRI等画像診断的指標によりROIにおける画像上の変化をもって有用性を判断することも可能である。
(3)症状評価尺度又は画像診断的指標に基づく焦燥性興奮症状の評価
アルツハイマー病と診断され、焦燥性興奮症状を有する患者を対象に行う。被験者に被験化合物を単回または複数回投与する(一日あたりの投与回数は問わない)。投与開始前後に適切な症状評価尺度によって焦燥性興奮症状の評価を行い、投与前と比較してスコアが低下することをもって本発明化合物のアルツハイマー病における焦燥性興奮症状に対する有用性が判断できる。また、本化合物の有用性は、プラセボや類似薬効薬等との比較対照試験等によって上記評価尺度の変化量が比較対照薬よりも大きいことをもって判断することも可能である。
アルツハイマー病における焦燥性興奮症状の症状評価尺度とは、例えばCGIやその関連指標、Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)、NPI全体又はその一部である。さらに評価指標として、NIRSやfMRI等画像診断的指標によりROIにおける画像上の変化をもって有用性を判断することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明化合物は、パーキンソン病における精神病症状およびその他の非運動症状に高い有効性を発揮し、パーキンソン病患者の生活の質の改善および介護者負担の軽減を図ることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6