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特許7219094アナログ電子時計、ステッピングモータ制御装置及びアナログ電子時計の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】アナログ電子時計、ステッピングモータ制御装置及びアナログ電子時計の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G04C 3/14 20060101AFI20230131BHJP
   H02P 8/02 20060101ALI20230131BHJP
   H02P 8/12 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
G04C3/14 T
H02P8/02
G04C3/14 W
H02P8/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019003668
(22)【出願日】2019-01-11
(65)【公開番号】P2020112446
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】奥村 朗人
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 3/14
H02P 8/02
H02P 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動用コイルに接続されたステータ内で2極に着磁されたロータが回転駆動されるステッピングモータと、
前記ロータを駆動するためのパルスである駆動パルスを前記駆動用コイルに印加する駆動回路と、
前記駆動回路による前記駆動パルスの印加を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ロータの回転により前記駆動用コイルに誘起された誘起電圧であり極性が前記駆動パルスの極性と逆極性である誘起電圧であり電圧が所定の電圧以上の誘起電圧の検出を行い、前記ロータの自由振動が収まる前であって前記誘起電圧の発生後であり極性が前記誘起電圧と逆である誘起電圧の発生前に前記駆動用コイルへ駆動パルスが印加されるように前記駆動回路を制御する、
アナログ電子時計。
【請求項2】
前記制御部は、前記制御部は、前記ロータの動作に応じて、前記パルスのパルス幅又はデューティ比を決定する、
請求項に記載のアナログ電子時計。
【請求項3】
前記制御部は、周囲の環境に応じて前記パルスのパルス幅又はデューティ比を決定する、
請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
【請求項4】
前記制御部は、前記ロータの回転により前記駆動用コイルに誘起された誘起電圧であり極性が前記駆動パルスの極性と逆極性である誘起電圧であり電圧が所定の電圧以上の誘起電圧前記駆動パルスの印加後に複数回生じた場合に、前記ロータの自由振動が収まる前であって前記誘起電圧の発生後であり極性が前記誘起電圧と逆である誘起電圧の発生前に前記駆動用コイルへ駆動パルスが印加されるように前記駆動回路を制御する、
請求項1からのいずれか一項に記載のアナログ電子時計。
【請求項5】
前記制御部は、前記駆動パルスの印加後から所定の時間が経過した後に、前記ロータの回転により前記駆動用コイルに誘起された誘起電圧であり極性が前記駆動パルスの極性と逆極性である誘起電圧であり電圧が所定の電圧以上の誘起電圧が生じた場合に、前記駆動用コイルへの駆動パルスの印加を、前記ロータの自由振動が収まる前であって前記誘起電圧の発生後であり極性が前記誘起電圧と逆である誘起電圧の発生前に前記駆動回路に行わせる、
請求項1からのいずれか一項に記載のアナログ電子時計。
【請求項6】
駆動用コイルに接続されたステータ内で2極に着磁されたロータが回転駆動されるステッピングモータが備える前記ロータを駆動するためのパルスである駆動パルスを前記駆動用コイルに印加する駆動回路と、
前記駆動回路による前記駆動パルスの印加を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ロータの回転により前記駆動用コイルに誘起された誘起電圧であり極性が前記駆動パルスの極性と逆極性である誘起電圧であり電圧が所定の電圧以上の誘起電圧の検出を行い、前記ロータの自由振動が収まる前であって前記誘起電圧の発生後であり極性が前記誘起電圧と逆である誘起電圧の発生前に前記駆動用コイルへ駆動パルスが印加されるように前記駆動回路を制御する、
ステッピングモータ制御装置。
【請求項7】
駆動用コイルに接続されたステータ内で2極に着磁されたロータが回転駆動されるステッピングモータが備える前記ロータを駆動するためのパルスである駆動パルスを前記駆動用コイルに印加する駆動回路と、前記駆動回路による前記駆動パルスの印加を制御する制御部とを備えるアナログ電子時計が行うアナログ電子時計の制御方法であって、
前記制御部が、前記ロータの回転により前記駆動用コイルに誘起された誘起電圧であり極性が前記駆動パルスの極性と逆極性である誘起電圧であり電圧が所定の電圧以上の誘起電圧の検出を行い、前記ロータの自由振動が収まる前であって前記誘起電圧の発生後であり極性が前記誘起電圧と逆である誘起電圧の発生前に前記駆動用コイルへ駆動パルスが印加されるように前記駆動回路を制御する制御ステップ
を有するアナログ電子時計の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ電子時計、ステッピングモータ制御装置及びアナログ電子時計の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からアナログ電子時計には、時針や分針、秒針等の指針を動作させるためのステッピングモータが使用されている(特許文献1及び特許文献2参照)。このようなアナログ電子時計は、時刻合わせの際などの早送りで運針する機能を有する場合がある。このような機能を有するアナログ電子時計は、早送りで運針するためにステッピングモータを通常運針時よりも高速で動かす。しかしながら、このようなアナログ電子時計は、脱調を防止するために指針を制動させる必要があるため、指針の制動に要する時間によって運針の高速化が制限されてしまうという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3239858号公報
【文献】特許第3757421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記事情に鑑み、本発明は、アナログ電子時計において、脱調の発生を抑制しつつ運針を高速化する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、駆動用コイルに接続されたステータ内で2極に着磁されたロータが回転駆動されるステッピングモータと、前記ロータを駆動するためのパルスである駆動パルスを前記駆動用コイルに印加する駆動回路と、前記駆動回路による前記駆動パルスの印加を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ロータの回転により前記駆動用コイルに誘起された誘起電圧が前記誘起電圧に関する所定の条件を満たす場合に、前記ロータの自由振動が収まる前に前記駆動用コイルへ駆動パルスが印加されるように前記駆動回路を制御する、アナログ電子時計である。
【0006】
本発明の一態様は、上記のアナログ電子時計であって、前記所定の条件は、前記誘起電圧の極性が前記駆動用コイルに印加された駆動パルスと逆特性であって、前記誘起電圧が所定の電圧以上である、という条件である。
【0007】
本発明の一態様は、上記のアナログ電子時計であって、前記制御部は、前記ロータの動作に応じて、前記パルスのパルス幅又はデューティ比を決定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記のアナログ電子時計であって、前記制御部は、周囲の環境に応じて前記パルスのパルス幅又はデューティ比を決定する。
【0009】
本発明の一態様は、上記のアナログ電子時計であって、前記駆動パルスの印加後に前記所定の条件を満たす誘起電圧が複数回生じた場合に、前記ロータの自由振動が収まる前に前記駆動用コイルへ駆動パルスが印加されるように前記駆動回路を制御する。
【0010】
本発明の一態様は、上記のアナログ電子時計であって、前記制御部は、前記駆動パルスの印加後から所定の時間が経過した後に、前記所定の条件を満たす誘起電圧が生じた場合に、前記駆動用コイルへの駆動パルスの印加を、前記ロータの自由振動が収まる前に前記駆動回路に行わせる。
【0011】
本発明の一態様は、駆動用コイルに接続されたステータ内で2極に着磁されたロータが回転駆動されるステッピングモータが備える前記ロータを駆動するためのパルスである駆動パルスを前記駆動用コイルに印加する駆動回路と、前記駆動回路による前記駆動パルスの印加を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ロータの回転により前記駆動用コイルに誘起された誘起電圧が前記誘起電圧に関する所定の条件を満たす場合に、前記ロータの自由振動が収まる前に前記駆動用コイルへ駆動パルスが印加されるように前記駆動回路を制御する、ステッピングモータ制御装置である。
【0012】
本発明の一態様は、駆動用コイルに接続されたステータ内で2極に着磁されたロータが回転駆動されるステッピングモータが備える前記ロータを駆動するためのパルスである駆動パルスを前記駆動用コイルに印加する駆動回路と、前記駆動回路による前記駆動パルスの印加を制御する制御部とを備えるアナログ電子時計が行うアナログ電子時計の制御方法であって、前記制御部が、前記ロータの回転により前記駆動用コイルに誘起された誘起電圧に基づいて、前記ロータの自由振動が収まる前に前記駆動用コイルへ駆動パルスが印加されるように前記駆動回路を制御する制御ステップを有するアナログ電子時計の制御方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、アナログ電子時計において、脱調の発生を抑制しつつ運針を高速化する技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態のアナログ電子時計1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】実施形態におけるステッピングモータ20の機能構成の一例を示す図である。
図3】実施形態におけるステッピングモータ制御回路106の回路構成の一例を示す図である。
図4】実施形態における第1回路状態であるステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
図5】実施形態における第2回路状態であるステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
図6】実施形態における第3回路状態であるステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
図7】実施形態における第4回路状態であるステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
図8】実施形態における第5回路状態であるステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
図9】実施形態における制御部105の機能構成の一例を示す図である。
図10】実施形態の早送り運針モードにおけるロータ202の動作を説明する説明図である。
図11】実施形態の早送り運針モードにおける制御部105の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】実施形態における電圧Vmと、ロータ202の回転の角速度と、ロータ202の回転角度と、を示す第1の実験結果である。
図13】実施形態における電圧Vmと、ロータ202の回転の角速度と、ロータ202の回転角度とを示す第2の実験結果である。
図14】実施形態における電圧Vmと、ロータ202の回転の角速度と、ロータ202の回転角度とを示す第3の実験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、実施形態のアナログ電子時計1のハードウェア構成の一例を示す図である。アナログ電子時計1は、時針や分針等の指針の向きによって時刻を示す。アナログ電子時計1は、ステッピングモータが備えるロータの回転によって指針を回転駆動する。
アナログ電子時計1は、通常運針モードと早送り運針モードとのうちいずれかひとつの動作モードで動作する。通常運針モードは、現在時刻を表示する動作モードである。早送り運針モードは通常運針モードにおける運針の速度よりも速い速度で運針する動作モードである。早送り運針モードは、例えば、時刻合わせをする動作モードである。アナログ電子時計1の動作モードは、ユーザが選択可能である。
【0016】
アナログ電子時計1は、ステッピングモータ制御装置10、ステッピングモータ20、輪列30及びアナログ表示部40を備える。
ステッピングモータ制御装置10は、発振回路101、分周回路102、入力部103、記憶部104、制御部105及びステッピングモータ制御回路106を備える。
【0017】
発振回路101は、水晶振動子と組み合わせることで第1の周波数で発振する発振器を実現する回路である。発振回路101は、生成した第1の周波数の信号を分周回路102に出力する。
分周回路102は、発振回路101で発生した信号を分周して第2の周波数の信号を発生する。分周回路102は、第2の周波数の信号を制御部105に出力する。
【0018】
入力部103は、動作モードの選択や、早送り運針モードが選択された場合の早送りの開始を実行する場合等に操作される。入力部103は、スタート/ストップボタンや、リセットボタンや、竜頭等のユーザの操作を受け付ける入力部品である。入力部103は、ユーザにより操作(例えば押圧操作や回転操作)された場合に、操作に応じた操作信号を制御部105に出力する。
【0019】
記憶部104は、例えば、RAM(Random Access Memory)や、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部104は、アナログ電子時計1の制御に関する情報(以下「時計制御情報」という。)を記憶する。時計制御情報は、ステッピングモータ制御装置10に所定の動作を実行させるプログラムを含む。時計制御情報は、動作モード情報、パルスランク情報及びパルス極性情報を含む。
動作モード情報は、アナログ電子時計1の動作モードを示す。
パルスランク情報は、ロータを回転させるためにステッピングモータに印加されるパルスである駆動パルスのパルスランクを示す。パルスランクは、駆動パルスの単位時間当たりの平均エネルギーの大きさの順位である。パルスランクは、単位時間当たりの平均エネルギーの大きさが大きいほど高い。駆動パルスの平均エネルギーは、パルス幅が長いほど大きく、デューティ比が高いほど大きい。
パルス極性情報は、駆動パルスの極性を示す。
【0020】
制御部105は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部104に記憶された時計制御情報と、入力部103が出力した操作信号とに基づいて、制御信号を出力し、ステッピングモータ制御装置10が備える各構成要素を制御する。制御信号は、制御部105が出力する信号であって、制御対象に指示する制御の内容を示す信号である。制御部105の制御対象の1つはステッピングモータ制御回路106である。制御部105は、第2の周波数で動作する。
【0021】
ステッピングモータ制御回路106は、制御部105が出力する制御信号に基づいて、ステッピングモータ20の動作を制御する。
【0022】
ステッピングモータ20は、ステッピングモータ制御回路106が出力する駆動パルスによってロータが回転駆動されるステッピングモータである。
【0023】
輪列30は、アナログ電子時計1が備える指針を回転駆動する。輪列30は、ステッピングモータ20が備えるロータが回転することによって生じるトルクを指針に伝達することで指針を回転駆動する。
アナログ表示部40は、輪列30によって回転駆動される指針(分針401及び時針402)と時計ケース403とを備える。時計ケース403は、分針を内部に含む。なお、アナログ表示部40は、時刻の表示に係るものであればどのようなものを備えてもよい。アナログ表示部40は、分針401、時針402及び時計ケース403だけでなく、秒針や、日付を表示する表示部を備えてもよい。
【0024】
図2は、実施形態におけるステッピングモータ20の機能構成の一例を示す図である。
ステッピングモータ20は、ステータ201と、ロータ202と、ロータ収容用貫通孔203と、切り欠き部である内ノッチ204及び205と、切り欠き部である外ノッチ206及び207と、磁心208と、駆動用コイル209と、可飽和部210及び211とを備える。
【0025】
ステータ201は、磁性材料によって形成される。ステータ201は、ロータ202を収容するロータ収容用貫通孔203を有する。ロータ収容用貫通孔203は、内ノッチ204及び205を備える。
ステータ201は、外ノッチ206及び207を有する。ロータ収容用貫通孔203と外ノッチ206との間には、可飽和部210が位置する。ロータ収容用貫通孔203と外ノッチ207との間には、可飽和部211が位置する。
ロータ202は、2極(詳細には、S極およびN極)に着磁されている。また、ロータ202は、ステータ201に対して回転可能にロータ収容用貫通孔203内に位置する。内ノッチ204及び205は、ステータ201に対するロータ202の停止位置を決めるための位置決め部を構成する。
磁心208は、ステータ201に接合されている。磁心208およびステータ201は、地板(図示せず)に固定されている。駆動用コイル209は、磁心208に巻回されている。第1端子OUT1は、駆動用コイル209の一方の端子であり、第2端子OUT2は、駆動用コイル209の他方の端子である。
可飽和部210及び211は、ロータ202の磁束によっては磁気飽和せず、駆動用コイル209が励磁されたときに磁気飽和して磁気抵抗が大きくなるように構成されている。つまり、磁路は、ステータ201とロータ202との間に形成可能である。また、磁路は、駆動用コイル209によってステータ201に形成可能である。
【0026】
図3は、実施形態におけるステッピングモータ制御回路106の回路構成の一例を示す図である。
ステッピングモータ制御回路106は、トランジスタQ1~Q6と、第1検出用抵抗器601と、第2検出用抵抗器602とを備える。ステッピングモータ制御回路106は、駆動用コイル209に接続される。以下、トランジスタQ~Q6をそれぞれ区別しない場合、トランジスタQという。
【0027】
トランジスタQ1及びQ2は、nMOS(n-Channel Metal-Oxide Semiconductor)のトランジスタである。
トランジスタQ3、Q4、Q5及びQ6は、pMOS(p-Channel Metal-Oxide Semiconductor)のトランジスタである。
第1検出用抵抗器601は抵抗器である。第1検出用抵抗器601のインピーダンスは、トランジスタQ3のオン状態のインピーダンスと、オフ状態のインピーダンスと、トランジスタQ3の寄生ダイオード(不図示)のインピーダンスとのいずれよりも高い。第1検出用抵抗器601は、トランジスタQ5に直列に接続される。
なお、オン状態とは、トランジスタQの導通状態である。なお、オフ状態とは、トランジスタQの非導通状態である。
第2検出用抵抗器602は抵抗器である。第2検出用抵抗器602のインピーダンスは、トランジスタQ4がオン状態のインピーダンスとオフ状態のインピーダンスと、トランジスタQ4の寄生ダイオード(不図示)のインピーダンスとのいずれよりも高い。第2検出用抵抗器602は、トランジスタQ6に直列に接続される。
【0028】
ステッピングモータ制御回路106が備える各回路電子の接続関係について説明する。
駆動用コイル209の一端である第1端子OUT1は、トランジスタQ3のドレイン端子と、第1検出用抵抗器601の一端とに接続される。以下、トランジスタQ3のドレイン端子と第1検出用抵抗器601の一端と、第1端子OUT1との接続点をQ3ドレイン側接続点という。第1検出用抵抗器601の他端は、トランジスタQ5のドレイン端子に接続される。
トランジスタQ5のソース端子は、トランジスタQ3のソース端子と、トランジスタQ6のソース端子と、トランジスタQ4のソース端子と、電源電圧とに接続される。
駆動用コイル209の他端である第2端子OUT2は、トランジスタQ4のドレイン端子と、第2検出用抵抗器602の一端とに接続される。第2検出用抵抗器602の他端は、トランジスタQ6のドレイン端子に接続される。以下、トランジスタQ4のドレイン端子と第2検出用抵抗器602の一端と、第2端子OUT2との接続点をQ4ドレイン側接続点という。
トランジスタQ6のソース端子は、トランジスタQ4のソース端子と、トランジスタQ5のソース端子と、トランジスタQ3のソース端子と、電源電圧とに接続される。
トランジスタQ1のドレイン端子は、Q3ドレイン側接続点に接続される。トランジスタQ1のソース端子は、トランジスタQ2のソース端子に接続される。
トランジスタQ2のドレイン端子は、Q4ドレイン側接続点に接続される。トランジスタQ1のドレイン端子とトランジスタQ2のドレイン端子とは、接地される。
【0029】
各トランジスタQのゲート端子は、制御部105に接続される。
各トランジスタQのオン状態とオフ状態との切り替え(以下「オン/オフ」)という。)は、制御部105によって制御される。具体的には、各トランジスタQのゲートへ印加される電圧が制御部105によって制御されることで、各トランジスタQのオン/オフが制御部105によって制御される。
【0030】
図4図8によって、ステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する。以下、トランジスタQ1、Q2、Q3及びQ6がオフ状態であって、トランジスタQ4及びQ5がオン状態であるステッピングモータ制御回路106の状態を第1回路状態という。
以下、トランジスタQ1、Q2、Q4及びQ5がオフ状態であって、トランジスタQ3及びQ6がオン状態であるステッピングモータ制御回路106の状態を第2回路状態という。
以下、トランジスタQ1及びQ2がオフ状態であって、トランジスタQ3及びQ4がオン状態であるステッピングモータ制御回路106の状態を第3回路状態という。
以下、トランジスタQ1及びQ4がオン状態であって、トランジスタQ2及びQ3がオフ状態であるステッピングモータ制御回路106の状態を第4回路状態という。
以下、トランジスタQ2及びQ3がオン状態であって、トランジスタQ1及びQ4がオフ状態であるステッピングモータ制御回路106の状態を第5回路状態という。
【0031】
図4は、実施形態におけるステッピングモータ制御回路106が第1回路状態である場合に、ステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
第1回路状態において、トランジスタQ1、Q2及びQ3がオフ状態である。そのため、トランジスタQ1、Q2及びQ3を電流は流れることができない。一方、第1回路状態においてトランジスタQ4及びQ5はオン状態である。そのため、ステッピングモータ制御回路106には、駆動用コイル209と、第1検出用抵抗器601と、トランジスタQ5と、トランジスタQ4とで形成される閉回路(以下「第1閉回路」という。)を流れる電流が流れる。すなわち、第1回路状態においては、トランジスタQ4、Q5、第1検出用抵抗器601、駆動用コイル209によって第1閉回路が構成される。
【0032】
図5は、実施形態におけるステッピングモータ制御回路106が第2回路状態である場合に、ステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
第2回路状態において、トランジスタQ1、Q2及びQ4がオフ状態である。そのため、トランジスタQ1、Q2及びQ4を電流は流れることができない。一方、第2回路状態においてトランジスタQ3及びQ6はオン状態である。そのため、ステッピングモータ制御回路106には、駆動用コイル209と、第2検出用抵抗器602と、トランジスタQ6と、トランジスタQ3とで形成される閉回路(以下「第2閉回路」という。)を流れる電流が流れる。すなわち、第2回路状態においては、トランジスタQ3、Q4及び駆動用コイル209によって第2閉回路が構成される。また、第2回路状態においては、駆動用コイル209が短絡される。
【0033】
図6は、実施形態におけるステッピングモータ制御回路106が第3回路状態である場合に、ステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
第3回路状態において、トランジスタQ1及びQ2がオフ状態である。そのため、トランジスタQ1及びQ2を電流は流れることができない。一方、第1回路状態においてトランジスタQ3及びQ4はオン状態である。また、トランジスタQ3のインピーダンスと、トランジスタQ4のインピーダンスとは、トランジスタQ5がオン状態であるかオフ状態であるかにかかわらず、トランジスタQ5及び第1検出用抵抗器601の合成インピーダンスよりも低い。また、トランジスタQ3のインピーダンスと、トランジスタQ4のインピーダンスとは、トランジスタQ6がオン状態であるかオフ状態であるかにかかわらず、トランジスタQ6及び第2検出用抵抗器602の合成インピーダンスよりも低い。
そのため、第3回路状態において、ステッピングモータ制御回路106には、駆動用コイル209と、トランジスタQ3と、トランジスタQ4とで形成される閉回路(以下「第3閉回路」という。)を流れる電流が流れる。
【0034】
図7は、実施形態におけるステッピングモータ制御回路106が第4回路状態である場合に、ステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
第4回路状態において、トランジスタQ2及びQ3がオフ状態である。そのため、トランジスタQ2及びQ3を電流は流れることができない。一方、第4回路状態においてトランジスタQ1及びQ4はオン状態である。そのため、第4回路状態において、ステッピングモータ制御回路106には、電源電圧VDDから、トランジスタQ4と、駆動用コイル209とトランジスタQ1とを経由して接地先に流れ込む電流が流れる。
なお、第4回路状態においてトランジスタQ5がオン状態であったとしても、トランジスタQ5及び第1検出用抵抗器601の合成インピーダンスは、トランジスタQ4のインピーダンスよりも高い。また、第4回路状態においてトランジスタQ6がオン状態であったとしても、トランジスタQ6及び第2検出用抵抗器602の合成インピーダンスは、トランジスタQ4のインピーダンスよりも高い。そのため、第4回路状態においては、トランジスタQ5及びQ6には電流が流れない。
【0035】
図8は、実施形態におけるステッピングモータ制御回路106が第5回路状態である場合に、ステッピングモータ制御回路106に流れる電流の流れを説明する説明図である。
第5回路状態において、ステッピングモータ制御回路106には、電源電圧VDDから、トランジスタQ3と、駆動用コイル209と、トランジスタQ2とを経由して接地先VSSに流れ込む電流が流れる。
なお、第5回路状態においてトランジスタQ5がオン状態であったとしても、トランジスタQ5及び第1検出用抵抗器601の合成インピーダンスは、トランジスタQ3のインピーダンスよりも高い。また、第5回路状態においてトランジスタQ6がオン状態であったとしても、トランジスタQ6及び第2検出用抵抗器602の合成インピーダンスは、トランジスタQ3のインピーダンスよりも高い。そのため、第5回路状態においては、トランジスタQ5及びQ6には電流が流れない。
以下、第1検出用抵抗器601と第2検出用抵抗器602とを区別しない場合、検出用抵抗器という。
【0036】
図9は、実施形態における制御部105の機能構成の一例を示す図である。
制御部105は、操作信号取得部501、記録部502、検出部503、駆動パルス印加判定部504、パルスランク決定部505、駆動パルス制御信号生成部506及び終了判定部507を備える機能部として動作する。
操作信号取得部501は、入力部103に入力された操作信号を取得する。
記録部502は、操作信号が示す動作モードを示す情報を動作モード情報として記憶部104に記録する。また、記録部502は、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加する駆動パルスの極性を示す情報をパルス極性情報として記憶部104に記録する。以下、第1端子OUT1の電圧が第2端子OUT2の電圧よりも高い駆動パルスの極性を正極性という。以下、第2端子OUT2の電圧が第1端子OUT1の電圧よりも高い駆動パルスの極性を負極性という。
【0037】
検出部503は、ロータ202の回転によって駆動用コイル209に生じる誘起電圧VRsの大きさを検出する。検出部503は、どのように誘起電圧VRsの大きさを検出してもよい。検出部503は、例えば、ステッピングモータ制御回路106の状態を制御することで誘起電圧VRsを増幅し、増幅された誘起電圧VRsの大きさを、検出用抵抗器によって検出する。検出部503は、例えば、トランジスタQのオン/オフを制御することでステッピングモータ制御回路106の状態を制御する。
【0038】
検出部503は、例えば、第1切り替え条件が満たされた場合に、第1閉回路と第3閉回路とを所定の時間比で交互に切り替える。第1切り替え条件は、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に負極性の駆動パルスが印加されたという条件である。第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に負極性の駆動パルスが印加される回路の状態は、第4回路状態である。検出部503が、第1閉回路と第3閉回路とを所定の時間比で交互に切り替えることで、誘起電圧VRsが増幅される。第1閉回路と第3閉回路との切り替えによって、回路構成上、検出部503は、正極性の誘起電圧VRsを検出する。すなわち、検出部503は、第1閉回路と第3閉回路とを所定の時間比で交互に切り替えることで、増幅された正極性の誘起電圧VRsを検出する。
【0039】
また、検出部503は、例えば、第2切り替え条件が満たされた場合に、第2閉回路と第3閉回路とを所定の時間比で交互に切り替える。第2切り替え条件は、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に正極性の駆動パルスが印加されたという条件である。第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に正極性の駆動パルスが印加される回路の状態は、第5回路状態である。検出部503が、第2閉回路と第3閉回路とを所定の時間比で交互に切り替えることで、誘起電圧VRsが増幅される。第2閉回路と第3閉回路との切り替えによって、回路構成上、検出部503は、負極性の誘起電圧VRsを検出する。すなわち、検出部503は、第2閉回路と第3閉回路とを所定の時間比で交互に切り替えることで、増幅された負極性の誘起電圧VRsを検出する。
【0040】
以下、検出部503が第1閉回路と第3閉回路とを所定の時間比で交互に切り替える処理を第1誘起電圧増幅処理という。
以下、検出部503が第2閉回路と第3閉回路とを所定の時間比で交互に切り替える処理を第2誘起電圧増幅処理という。
以下、第1誘起電圧増幅処理と、第2誘起電圧増幅処理とをそれぞれ区別しない場合、誘起電圧増幅処理という。
【0041】
検出部503は、誘起電圧VRsを検出したタイミングが第1誘起電圧増幅処理中であるか第2誘起電圧増幅処理中であるかによって、誘起電圧VRsの極性を判定してもよい。
なお、第1誘起電圧増幅処理中には、第1検出用抵抗器601には誘起電圧VRsによる電圧が印加されるが、第2検出用抵抗器602には誘起電圧VRsによる電圧は印加されない。一方、第2誘起電圧増幅処理中には、第1検出用抵抗器601には誘起電圧VRsによる電圧が印加されないが、第2検出用抵抗器602には誘起電圧VRsによる電圧が印加される。
【0042】
なお、誘起電圧VRsの極性は、ロータ202の回転方向と、ロータ202の位置とに応じた極性である。より具体的には、誘起電圧VRsは、ロータ202の回転方向が同じ場合、ロータ202が水平磁極を超えた場合と超えていない場合とで、逆の極性を有する。また、誘起電圧VRsの大きさは、ロータの回転速度に応じた大きさである。
【0043】
駆動パルス印加判定部504は、検出部503が検出した誘起電圧VRsの極性及び大きさに基づいて、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に駆動パルスを印加するか否かを判定する。
駆動パルス印加判定部504は、具体的には、第1条件及び第2条件が満たされる場合に、駆動パルスを印加すると判定する。第1条件は、誘起電圧VRsの極性が、記憶部104に記憶されているパルス極性情報が示す極性と逆極性であるという条件である。第2条件は、誘起電圧VRsの大きさが電圧Vcomp以上であるという条件である。第1条件又は第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、駆動パルス印加判定部504は、駆動パルスを印加しないと判定する。
【0044】
駆動パルス印加判定部504が駆動パルスを印加すると判定した場合、記録部502は、現在極性と逆の極性を示す情報を新たなパルス極性情報として記憶部104に記録する。なお、現在極性とは、駆動パルス印加判定部504が駆動パルスを印加すると判定する以前に記憶部104に記憶されたパルス極性情報が示す極性である。
【0045】
なお、検出部503が誘起電圧増幅処理の実行によって誘起電圧VRsを検出する場合、検出部503が検出する誘起電圧VRsの極性はステッピングモータ制御回路106の状態に応じた極性である。このことは、検出部503が誘起電圧増幅処理の実行によって誘起電圧VRsを検出する場合には、駆動パルス印加判定部504による判定において第1条件は満たされていることを意味する。
【0046】
パルスランク決定部505は、検出部503が検出した誘起電圧VRsの大きさに基づいて、駆動パルスのパルスランクを決定する。パルスランク決定部505は、決定した駆動パルスのパルスランクをパルスランク情報が示すパルスランクとして記憶部104に記録する。
【0047】
駆動パルス制御信号生成部506は、駆動パルス制御信号を生成する。駆動パルス制御信号は、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に駆動パルスを印加させるようにトランジスタQのオン/オフを制御する信号であって、トランジスタQのゲート端子に印加される電圧の時間変化を波形とする信号である。駆動パルス制御信号生成部506は、ステッピングモータ制御回路106に、パルスランク情報が示すパルスランクの駆動パルスであってパルス極性情報が示す極性の駆動パルスを第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加させる。
【0048】
終了判定部507は、早送り動作モードによる動作を終了するか否かを判定する。具体的には、終了判定部507は、早送り動作モードの終了に関する条件(以下「終了条件」という。)が満たされた場合に早送り動作モードを終了すると判定し、終了条件が満たされない場合には終了しないと判定する。終了条件は、例えば、入力部103を介して、早送り動作モードの終了を示す操作信号が入力されるという条件であってもよい。終了条件は、例えば、アナログ表示部40が表示する時刻が所定の時刻である、という条件であってもよい。
【0049】
アナログ電子時計1の動作について説明する。
【0050】
<駆動パルスとロータ202の動作との関係>
まず、駆動パルスとロータ202の動作との関係を説明する。
駆動用コイル209が励磁されていない状態では、図2に示すように、内ノッチ204と内ノッチ205を結ぶ線分と、ロータ202の磁極軸Aとが直交するように、ロータ202は、ステータ201に対して安定的に停止する。以下、ロータ202が安定的に停止する位置を安定位置という。
【0051】
ステッピングモータ制御回路106が駆動パルスを駆動用コイル209の第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加し、図2に実線矢印で示す電流iが流れる場合、ステータ201には、図2に破線矢印で示す磁束が発生する。これにより、可飽和部210及び211が飽和して磁気抵抗が大きくなる。磁気抵抗が大きくなった後、ステータ201に生じる磁極とロータ202の磁極との相互作用によって、ロータ202は、図2の反時計回りに略180度回転し、安定的に停止する。この略180度の回転により、アナログ電子時計1の各指針は規定量のひと目盛り分を移動する。以下、このような規定量の動作を1ステップという。ロータ202の略180度の回転動作による指針の動きが1ステップの動作となるように、ロータ202と指針との間には適当な減速比を備える輪列30が位置する。
【0052】
ロータ202が図2の状態から略180度回転した状態であって、ステッピングモータ制御回路106が、図2の実線矢印で示す電流iを流す駆動パルスとは逆極性の駆動パルスを駆動用コイル209の第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に供給した場合について説明する。このような場合、電流iとは逆向きの電流が流れるため、ステータ201には、図2の破線矢印とは逆向きの磁束が発生する。これにより、可飽和部210及び211が先ず飽和する。その後、ステータ201に生じる磁極とロータ202の磁極との相互作用によって、ロータ202は、図2の反時計回りに略180度回転し、安定的に停止する。
このようにしてロータ202は、図2の反時計回りに略180度ずつ連続的に回転する。
以下、図2における反時計周りのロータ202の回転を正転という。以下、正転と逆回りの回転を逆転という。
【0053】
<早送り運針モードにおけるロータ202の動作の説明>
図10は、実施形態の早送り運針モードにおけるロータ202の動作を説明する説明図である。
ロータ202が1ステップで回転する回転方向は正転と逆転とがあるが、説明の簡単のため、以下ロータ202が1ステップにおける回転方向が正転であると仮定する。
【0054】
ロータ202が安定位置に位置する状態で、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に駆動パルスが印加されると、ロータ202は正転する方向(以下「正転方向」という。)に回転しはじめる。駆動パルスのパルスランクは、記憶部104に記憶されたパルスランク情報が示すパルスランクである。駆動パルスが印加される時、記憶部104に記憶されたパルス極性情報が示す極性は、ロータ202を正転させる極性である。
駆動パルスは、駆動パルス制御信号生成部506による制御によってステッピングモータ制御回路106の状態が第4回路状態である時に、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加される。
【0055】
駆動パルスが印加されたロータ202は、図10における点線矢印Ar1が表す方向に回転し、ロータ202を正転方向に回転させるトルク(以下「正転トルク」という。)を有したまま水平磁極を通過する。ロータ202が水平磁極を通過するとは、ロータ202の磁極が、外ノッチ206と207とを結ぶ線に垂直な線である水平磁極を通過することを意味する。
以下、安定位置に位置するロータ202に駆動パルスが印加された時点からロータ202が水平磁極を通過する時点までのアナログ電子時計1の動作を第1動作という。
以下、第1動作の開始時点においてロータ202が位置する安定位置を第1安定位置という。
以下、第1安定位置と対称な位置に位置する安定位置を第2安定位置という。
図10における点線矢印Ar1は、第1動作中のロータ202の回転の軌跡を表す。
【0056】
正転トルクを有して水平磁極を通過したロータ202は、駆動パルスが印加されなければ、正転トルクが0になる地点まで正転する。正転トルクが0になるのは、ロータ202が有する回転エネルギーが、磁気ポテンシャルの勾配が生じる力であってロータ202の回転方向と逆向きの力によってロータ202から失われるためである。
なお、正転トルクが0になる地点とは、ロータ202が逆方向に回転し始める地点である。
以下、ロータ202が水平磁極を通過した時点から正転トルクが0になる時点までのアナログ電子時計1の動作を第2動作という。
【0057】
駆動パルス印加判定部504が、第2動作中に駆動用コイル209に生じる誘起電圧VRsに基づいて、駆動パルスを印加すると判定すると、第2動作中に、第1動作中に印加された駆動パルスとは逆極性の駆動パルスが印加される。
第2動作中に印加される駆動パルスは、駆動パルス制御信号生成部506による制御によってステッピングモータ制御回路106の状態が第5回路状態である時に、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加される。
【0058】
第2動作中に駆動パルスが印加されると、ロータ202は正転トルクが0になることなく正転し続け、第2安定位置及び水平磁極を通過する。図10における点線矢印Ar2は、水平磁極を通過してから第2動作中に正転駆動パルスが印加されるまでのロータ202の回転の軌跡を表す。図10における点線矢印Ar3は、第2動作中に駆動パルスが印加された後のロータ202の回転の軌跡を表す。
【0059】
このように、アナログ電子時計1は、ロータ202の動作によって駆動用コイル209に生じる誘起電圧に基づいて、ロータ202のトルクが0になる前にロータ202をロータ202の回転方向に加速する駆動パルスを印加する。
そのため、このような動作をするアナログ電子時計1は、ロータ202が開始正転駆動パルスごとに安定位置を1つだけ通過するので、脱調の発生を抑制しつつ速い速度で運針することができる。
なお、ロータ202に駆動パルスを印加するのは、必ずしも、トルクが0になる前でなくてもよく、ロータ202の回転の自由振動が収まりロータ202が停止する前であればいつでもよい。しかしながら、自由振動中に駆動パルスを印加する場合、ロータ202の回転方向が逆転で無い方が、ロータ202を回転させるための消費エネルギーが少ない。
【0060】
<早送り運針モードにおける制御部105の動作の説明>
図11は、実施形態の早送り運針モードにおける制御部105の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図11のフローチャートにおいて、記憶部104には、ステップS101の処理以前に予めパルスランク情報及びパルス極性情報が記録されている。図4において、ステップS101の処理以前に予め記憶されたパルス極性情報は、負極性を示す。
【0061】
制御部105の操作信号取得部501が、入力部103に入力された早送り運針モードを示す操作信号を取得する(ステップS101)。制御部105の記録部502が、動作モード情報が示す動作モードとして、操作信号が示す動作モードである早送り運針モードを記憶部104に記録する(ステップS102)。
駆動パルス制御信号生成部506によるトランジスタQの制御によって、ステッピングモータ制御回路106の状態は、記憶部104に記憶されているパルス極性情報が示す極性の駆動パルスを印加可能な回路状態(すなわち第4回路状態)になる。ステッピングモータ制御回路106が第4回路状態になることで、パルス極性情報が示す極性(すなわち、負極性)の駆動パルスが第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加される(ステップS103)。ステップS103において印加される駆動パルスのパルスランクは、記憶部104に記録されているパルスランクである。
【0062】
終了判定部507が、終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS104)。終了条件が満たされた場合(ステップS104:YES)、アナログ電子時計1は早送り動作モードでの動作を終了する。
一方、終了条件が満たされない場合(ステップS104:NO)、駆動パルス印加判定部504が、検出部503が検出した誘起電圧VRsの極性及び大きさに基づいて、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に駆動パルスを印加するか否かを判定する(ステップS105)。
【0063】
ステップS105において、駆動パルス印加判定部504が駆動パルスを印加しないと判定した場合(ステップS105:NO)、ステップS105の処理に戻る。
一方、ステップS105において、駆動パルス印加判定部504が駆動パルスを印加すると判定した場合(ステップS105:YES)、記録部502によって、現在極性(すなわち、負極性)と逆の極性を示す情報が新たなパルス極性情報として記憶部104に記録される。また、パルスランク決定部505が、検出部503が検出した誘起電圧VRsの大きさに基づいてパルスランクを決定する(ステップS106)。パルスランク決定部505が決定したパルスランクが、記録部502によってパルスランク情報として記憶部104に記録される。
【0064】
例えば、パルスランク決定部505は、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に駆動パルスが印加されてから誘起電圧VRsが検出されるまでの時間が所定の時間以上である場合に、パルスランクのランクアップを決定する。ランクアップとは、パルスランクがあがることを意味する。
例えば、パルスランク決定部505は、連続検出が起きた場合にパルスランクのランクダウンを決定する。連続検出とは、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に駆動パルスが印加されて以降の所定の時間内に検出部503によって誘起電圧VRsが検出されること、が所定の回数以上連続することである。ランクダウンとは、パルスランクが下がることを意味する。
【0065】
記録部502による記録の後、パルス極性情報が示す極性の駆動パルス(すなわち、ステップS103において印加された駆動パルスと逆極性の駆動パルス)が第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加される(ステップS107)。
より具体的には、駆動パルス制御信号生成部506によるトランジスタQの制御によって、ステッピングモータ制御回路の状態は第5回路状態になり、正極性の駆動パルスが第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加される。
ステップS107において印加される駆動パルスのパルスランクは、ステップS106において記憶部104に記録されたパルスランクである。
【0066】
ステップS107の次に、終了判定部507が、終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS108)。終了条件が満たされた場合(ステップS108:YES)、アナログ電子時計1は早送り動作モードでの動作を終了する。
一方、終了条件が満たされない場合(ステップS108:NO)、駆動パルス印加判定部504が、検出部503が検出した誘起電圧VRsに基づいて、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に駆動パルスを印加するか否かを判定する(ステップS109)。
【0067】
ステップS109において、駆動パルス印加判定部504が駆動パルスを印加しないと判定した場合(ステップS109:NO)、ステップS109の処理に戻る。
一方、ステップS109において、駆動パルス印加判定部504が駆動パルスを印加すると判定した場合(ステップS109:YES)、記録部502によって、現在極性(すなわち、正極性)と逆の極性を示す情報が新たなパルス極性情報として記憶部104に記録される。
また、パルスランク決定部505が、検出部503が検出した誘起電圧VRsに基づいてパルスランクを決定する。パルスランク決定部505が決定したパルスランクが、記録部502によってパルスランク情報として記憶部104に記録される(ステップS110)。記録部502による記録の後、ステップS103の処理に戻る。
【0068】
<早送り運針モードにおけるアナログ電子時計1の動作の実験結果>
図12は、実施形態における駆動用コイル209に印加される電圧Vmと、ロータ202の回転の角速度と、ロータ202の回転角度と、を示す実験結果である。
図12は、早送り運針モードにおける実験結果である。
図12(A)は、駆動用コイル209に印加される電圧Vmの時間変化を表す。図12(B)は、ロータ202の回転角度の時間変化を表す。図12(C)は、ロータ202の回転角度の時間変化を表す。
図12(A)、(B)及び(C)の横軸はロータ202が安定位置に静止している状態である時を時間原点として時間原点からの経過時間を表す。図12(A)の縦軸は駆動用コイル209に印加される電圧Vmを表す。図12(B)の縦軸はロータ202の回転の角速度を表す。図12(C)の縦軸はロータ202の回転角度を表す。回転角度は、時間原点におけるロータ202の2極境界の位置を基準として、ロータ202の2極境界が回転した角度である。なお、2極境界とは、ロータ202の2極の境界である。
【0069】
図12(A)における時間原点から時刻t1の電圧は、開始正転駆動パルスの電圧を示す。駆動パルスが印加されている間、ロータ202の角速度は単調増加する。図12(B)は、時間原点から時刻t1においてロータ202の角速度が単調増加することを示す。
図12(B)における時刻t1から時刻t2のグラフは、内ノッチ204又は205によってロータ202の角速度が減速することを示す。図12において時刻t2は、磁気ポテンシャルが最も高い位置にロータ202が到達した時刻である。内ノッチ204又は205は磁気ポテンシャルが高いため、時刻t1から時刻t2までの間、ロータ202の角速度は減速する。図12(A)における時刻t1から時刻t2の電圧は、角速度の変化によって駆動用コイル209に誘起される誘起電圧を表す。
【0070】
図12(B)における時刻t2から時刻t3のグラフは、第1動作中のロータ202の角速度の大きさが内ノッチ204又は205によって増大することを示す。図12において時刻t3は、ロータ202が水平磁極を通過した時刻である。時刻t2から時刻t3の間、ロータ202は内ノッチ204又は205が有する磁気ポテンシャルによって加速される。図12(A)における時刻t2から時刻t3の電圧は、角速度の変化によって駆動用コイル209に誘起される誘起電圧を表す。
図12において時刻t4は、ロータ202が第2動作中の時刻であって、ロータ202の角速度の大きさが内ノッチ204又は205が有する磁気ポテンシャルによって減少し始める時刻である。
【0071】
図12(A)は、時刻t4において、ロータ202の角速度の変化によって駆動用コイル209に誘起される誘起電圧VRsを表す。時刻t4において駆動用コイル209に誘起される誘起電圧VRsは、時刻t4より前の時刻に駆動用コイル209に誘起される誘起電圧とは極性が反転した電圧が誘起される。
図12(A)の時刻t4において、誘起電圧VRsの大きさが所定の電圧Vcomp以上である。そのため、時刻t4において駆動パルス印加判定部504は、駆動パルスを印加すると判定する。駆動パルス印加判定部504が駆動パルスを印加すると判定すると、ステッピングモータ制御回路106の動作が駆動パルス制御信号生成部506によって制御され、時刻t5において駆動パルスの印加が開始される。
図12(A)における時刻t5から時刻t6の間に印加されている電圧が駆動パルスの電圧である。
図12(C)は、時間経過とともに回転角度が増大することを示す。
【0072】
図13は、実施形態における駆動用コイル209に印加される電圧Vmと、ロータ202の回転の角速度と、ロータ202の回転角度との長時間の観測結果を示す図である。
図13は、早送り運針モードにおける実験結果である。
図13(A)は、駆動用コイル209に印加される電圧Vmの時間変化を表す。図13(B)は、ロータ202の回転角度の時間変化を表す。図13(C)は、ロータ202の回転角度の時間変化を表す。
図13(A)、(B)及び(C)の横軸はロータ202が安定位置に静止している状態である時を時間原点として時間原点からの経過時間を表す。図13(A)の縦軸は駆動用コイル209に印加される電圧Vmを表す。図13(B)の縦軸はロータ202の回転の角速度を表す。図13(C)の縦軸はロータ202の回転角度を表す。
【0073】
図13(A)は、時間の経過とともに誘起電圧の大きさが大きくなることを示す。また、図13(A)は、ロータ202の回転の周波数が300Hzであることを示す。
図13(B)は、時間が経過すると、角速度が一定の周期で変化するようになることを示す。
図13(A)の結果は、角速度の変化が一定の周期になるためである。
図13(C)は、時間経過とともに回転角度が増大することを示す。
図13において、駆動パルスの印加後であって、次の駆動パルスが印加される以前までには駆動パルスと逆特性の2つのピークが表れているが、1つ目のピーク(早い時間に生じるピーク)は、スパイクノイズであり、二つ目のピーク(1つ目のピークの後に生じるピーク)は誘起電圧VRsである。
【0074】
なお、図13(A)は、時刻t7に駆動パルスの印加が終了して以降、初めて検出部503が駆動パルスの逆特性のピークを検出するのが時刻t8であることを示す。時刻t7から時刻t8までの時間が所定の時間以上である場合に、パルスランク決定部505は、パルスランクのランクアップを決定する。
なお、図13(A)は、時刻t9以降、連続検出が起きることを示す。このような場合、パルスランク決定部505は、パルスランクのランクダウンを決定する。
【0075】
<パルスランク決定部505の奏する効果>
アナログ電子時計1においては、輪列30の油の凝固等によりロータ202の回転が妨げられ、ロータ202の回転に必要なトルクが増大することがある。このような場合に、アナログ電子時計1は、パルスランクを変えることでロータ202が回転するのに十分なトルクをロータ202に与える。
具体的には、パルスランク決定部505は、検出電圧に基づいて、パルスランクを決定する。パルスランク決定部505が決定したパルスランクのパルスが、駆動パルス制御信号生成部506の制御によって、第1端子OUT1と第2端子OUT2との間に印加される。
このように、アナログ電子時計1はパルスランク決定部505を備えるため、パルスランク決定部505がパルスランクを決定することができ、ロータ202が安定して回転することができる。安定して回転するとは、ロータ202の回転の周波数が略一定であることを意味する。
【0076】
<まとめ>
このように構成された実施形態のアナログ電子時計1は、駆動用コイル209に誘起される誘起電圧に基づいて、ロータ202の回転が停止する前に追加の駆動用パルスを印加する。そのため、このように構成されたアナログ電子時計1は、脱調の発生を抑制しつつ運針を高速化することができる。
また、このように構成されたアナログ電子時計1は、駆動用コイル209に誘起される誘起電圧に基づいて、ロータ202の回転が停止する前に追加の駆動用パルスを印加するため、検出用のコイルを用いることなく、脱調の発生を抑制しつつ運針を高速化することができる。
【0077】
(変形例)
なお、パルスランク情報が示すパルスランクは、入力部103への操作によってユーザが変更してもよい。
ユーザは、例えば、パルスランクの変更によって、ロータ202の回転の周波数を図13に示す300Hzよりも低い周波数にすることができる。
【0078】
図14は、実施形態におけるロータ202の回転の周波数が低い場合における駆動用コイル209に印加される電圧Vmと、ロータ202の回転の角速度と、ロータ202の回転角度との長時間の観測結果を示す図である。
【0079】
図14(A)は、駆動用コイル209に印加される電圧Vmの時間変化を表す。図14(B)は、ロータ202の回転角度の時間変化を表す。図14(C)は、ロータ202の回転角度の時間変化を表す。
図14(A)、(B)及び(C)の横軸はロータ202が安定位置に静止している状態である時を時間原点として時間原点からの経過時間を表す。図14(A)の縦軸は駆動用コイル209に印加される電圧Vmを表す。図14(B)の縦軸はロータ202の回転の角速度を表す。図14(C)の縦軸はロータ202の回転角度を表す。
図14(A)は、駆動パルス間の時間が図13における駆動パルス間の時間と比較して長いため、ロータ202の回転の周波数が図13における周波数よりも低いことを示す。図14(A)が示すロータ202の回転の周波数は150Hzである。
図14(B)は、角速度の大きさが周波数300Hzで時間変化することを示す。
図14(C)は、時間経過とともに回転角度が増大することを示す。
このように、パルスランクによって、ロータ202の回転の周波数が制御される。
【0080】
なお、駆動パルス印加判定部504は、駆動パルスの印加後にVcomp以上の電圧が複数回生じた場合には、駆動パルスを印加すると判定してもよい。また、駆動パルス印加判定部504は、駆動パルスの印加後に所定の時間経過するまでは判定を行わず、所定の時間経過後に電圧Vcomp以上の電圧を検出した場合に、駆動パルスを印加すると判定してもよい。
このような駆動パルス印加判定部504を備えるアナログ電子時計1は、図13に示すような駆動パルスの印加後に生じるスパイクノイズによって、駆動パルス印加判定部504が駆動パルスを印加すると判定してしまうことを防止することができる。
【0081】
なお、アナログ電子時計1が温度等のアナログ電子時計1の周囲の環境の情報を取得するセンサを備える場合には、パルスランク決定部505は、センサが取得した値に基づいてパルスランクを決定してもよい。
【0082】
なお、パルスランク決定部505は、通常運針モードにおけるパルスランクに基づいて、動作モードが早送り運針モードに切り替わった直後の駆動パルスのパルスランクを決定してもよい。
【0083】
ここまで、アナログ電子時計1の早送り運針モードは、ロータ202が正転する早送り運針モードについて説明してきた。アナログ電子時計1は、必ずしも、ロータ202が正転する早送りの動作モードで動作する必要はなく、ロータ202が逆転する早送りの動作モードで動作してもよい。
【0084】
なお、制御部105の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0085】
なお、ステッピングモータ制御装置は、制御装置の一例である。なお、ステッピングモータ制御回路は、駆動回路の一例である。
【0086】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1…アナログ電子時計、 10…ステッピングモータ制御装置、 101…発振回路、 102…分周回路、 103…入力部、 104…記憶部、 105…制御部、 106…ステッピングモータ制御回路、 20…ステッピングモータ、 30…輪列、 40…アナログ表示部、 401…分針、 402…時針、 403…時計ケース、 501…操作信号取得部、 502…記録部、 503…検出部、 504…駆動パルス印加判定部、 505…パルスランク決定部、 506…駆動パルス制御信号生成部、 507…終了判定部、 601…第1検出用抵抗器、 602…第2検出用抵抗器、 201…ステータ、 202…ロータ、 203…ロータ収容用貫通孔、 204…内ノッチ、 205…内ノッチ、 206…外ノッチ、 207…外ノッチ、 208…磁心、 209…駆動用コイル、 210…可飽和部
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