(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】施工管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20230131BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2019178197
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 剛
(72)【発明者】
【氏名】江川 栄治
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-235819(JP,A)
【文献】国際公開第2018/124144(WO,A1)
【文献】特開2001-163405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載物を運搬する運搬車両の位置情報を検出する運搬車両用位置検出装置と、
前記積載物を前記運搬車両に積み込む積込機械の位置情報を検出する積込機械用位置検出装置と、
前記積込機械が保持する前記積載物の重量情報を検出する重量検出装置と、
前記運搬車両の前記位置情報の時系列情報と前記積込機械の前記位置情報の時系列情報と前記重量情報の時系列情報とに基づいて前記運搬車両に積み込まれた前記積載物の積載重量を算出する情報管理コントローラと、
を備えることを特徴とする施工管理システム。
【請求項2】
前記情報管理コントローラは、前記運搬車両が運搬した前記積載物を放土する集積場の位置情報と、前記運搬車両の前記位置情報の前記時系列情報と、前記情報管理コントローラにより算出された前記積載重量とに基づいて、前記運搬車両が前記集積場に放土した前記積載物の重量積算値を算出することを特徴とする請求項1に記載の施工管理システム。
【請求項3】
前記情報管理コントローラは、前記運搬車両が運搬した前記積載物を放土する集積場の位置情報と、前記運搬車両の前記位置情報の前記時系列情報と、前記情報管理コントローラにより算出された前記積載重量とに基づいて、前記運搬車両に前記積載物を積み込んだ積込位置から前記集積場までの前記運搬車両の移動時間を算出することを特徴とする請求項1に記載の施工管理システム。
【請求項4】
前記情報管理コントローラは、前記運搬車両が運搬した前記積載物を放土する集積場の位置情報と、前記運搬車両の前記位置情報の前記時系列情報と、前記情報管理コントローラにより算出された前記積載重量とに基づいて、前記運搬車両に前記積載物を積み込んだ積込位置から前記集積場までの前記運搬車両の移動回数を算出することを特徴とする請求項1に記載の施工管理システム。
【請求項5】
前記情報管理コントローラは、前記運搬車両が運搬した前記積載物を放土する複数の集積場の位置情報と、前記運搬車両の前記位置情報の前記時系列情報と、前記情報管理コントローラにより算出された前記積載重量とに基づいて、各々の前記集積場の稼働時間、前記運搬車両に前記積載物を積み込んだ積込位置から各々の前記集積場への前記運搬車両の移動回数、および各々の前記集積場に放土された前記積載物の総重量を算出することを特徴とする請求項1に記載の施工管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施工管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から発信器、携帯端末、受信部、検出部、特定データ取得部、および作業管理部を備える施工管理システムが知られている(下記特許文献1、請求項1等を参照)。前記発信器は、運搬車両に配置され、その運搬車両の特定データを含む電波を発信する。前記携帯端末は、積込機械に配置される。前記受信部は、前記携帯端末に設けられ、前記発信器からの前記電波を受信する。
【0003】
前記検出部は、前記携帯端末に設けられ、前記受信部で受信した前記電波の強度を検出する。前記特定データ取得部は、前記携帯端末に設けられ、前記受信部で受信した前記電波から前記特定データを取得する。前記作業管理部は、前記検出部で検出された前記強度と前記特定データ取得部で取得された前記特定データとに基づいて、前記積込機械に前記運搬車両が接近したことを示す実績データを生成する。
【0004】
また、前記作業管理部は、前記受信部で受信した前記電波の前記強度が閾値以上の値のときに、前記積込機械により前記運搬車両に積荷を積み込む積込作業が実施されていると判定する(同文献、請求項3等を参照)。また、前記作業管理部は、前記受信部で受信した前記電波の前記強度が閾値以上の値から前記閾値よりも低い値に変化したとき、前記運搬車両により積荷を運搬する運搬作業が開始されたと判定する(同文献、請求項4等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の施工システムは、前記受信部で受信した電波の強度が前記発信器からの距離に応じて変化することを利用し、その電波の強度の閾値に基づいて、積込作業の実施の判定と、運搬作業の開始の判定を行っている(同文献、請求項3-4、第0022段落等を参照)。また、運搬車両の最大積載量データと、接近回数データおよび退去回数データの少なくとも一方とに基づいて、施工現場から運搬された積荷の総量が算出される(同文献、第0084等を参照)。しかし、積込機械と運搬車両とが接近して前記電波の強度が閾値以上になったとしても、実際には積込作業が実施されない場合もある。そのため、施工現場から運搬された積荷の総量を正確に把握できないという課題がある。
【0007】
本開示は、施工現場の情報を従来よりも正確に把握することが可能な施工管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、積載物を運搬する運搬車両の位置情報を検出する運搬車両用位置検出装置と、前記積載物を前記運搬車両に積み込む積込機械の位置情報を検出する積込機械用位置検出装置と、前記積込機械が保持する前記積載物の重量情報を検出する重量検出装置と、前記運搬車両の前記位置情報の時系列情報と前記積込機械の前記位置情報の時系列情報と前記重量情報の時系列情報とに基づいて前記運搬車両に積み込まれた前記積載物の積載重量を算出する情報管理コントローラと、を備えることを特徴とする施工管理システムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、施工現場の情報を従来よりも正確に把握することが可能な施工管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の施工管理システムの一実施形態を示す概略的なブロック図。
【
図4】
図1の位置情報サーバおよび重量情報サーバの動作を示すタイムチャート。
【
図5】
図1の重量情報サーバの処理の流れを示すフローチャート。
【
図6】
図1の位置情報サーバの処理の流れを示すフローチャート。
【
図7】
図6の運搬車両の接近を判定する処理の詳細を示すフローチャート。
【
図8】
図1のユーザサーバによる運転日報の出力例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示に係る施工管理システムの実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本開示の施工管理システムの一実施形態を示す概略的なブロック図である。本実施形態の施工管理システム100は、たとえば、スマートフォンなどのモバイル端末を活用した施工現場のIoT(Internet of Things)施工ソリューションを構成するシステムである。本実施形態の施工管理システム100は、IoT化により機械と人がつながる現場を実現し、生産性や安全性の向上に貢献する。
【0013】
詳細については後述するが、本実施形態の施工管理システム100は、次の構成を主な特徴としている。施工管理システム100は、位置検出モジュール110と、重量検出装置120と、情報管理コントローラ130と、を備える。位置検出モジュール110は、積載物を運搬する運搬車両10の位置情報を検出する運搬車両用位置検出装置としての位置センサ16aと、積載物を運搬車両10に積み込む積込機械20の位置情報を検出する積込機械用位置検出装置としての位置センサ26とを含む。重量検出装置120は、積込機械20が保持する積載物の重量情報を検出する。情報管理コントローラ130は、運搬車両10の位置情報の時系列情報と、積込機械20の位置情報の時系列情報と、重量情報の時系列情報と、に基づいて運搬車両10に積み込まれた積載物の積載重量を算出する。以下、本実施形態の施工管理システム100の各部の構成を詳細に説明する。
【0014】
なお、
図1では、一例として、三台の運搬車両10と、一台の積込機械20とを示しているが、運搬車両10の台数および積込機械20の台数は、特に限定されない。すなわち、施工管理システム100は、一台または複数台の運搬車両10および一台または複数台の積込機械20の施工管理を実施することが可能である。
【0015】
図2は、
図1の運搬車両10の一例を示す側面図である。運搬車両10は、たとえばダンプトラックである。運搬車両10は、たとえば、車体フレーム11と、左右の前輪12Fと、左右の後輪12Rと、左右の前輪側サスペンション装置13Fと、左右の後輪側サスペンション装置13Rと、荷台14と、左右のホイストシリンダ15と、キャブ16と、走行駆動装置17と、建屋18と、を有している。積込機械20によって運搬車両10の荷台14に積み込まれる積載物は、特に限定はされないが、たとえば、土砂、砕石、鉱物資源などである。
【0016】
図1に示すように、各々の運搬車両10は、たとえば、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)など、各々の運搬車両10の位置を検出する位置センサ16aと、その位置センサ16aから出力された位置情報を情報管理コントローラ130へ送信する通信装置16bを備えてもよい。なお、位置センサ16aおよび通信装置16bは、必ずしも運搬車両10に設置されている必要はなく、たとえば運搬車両10のキャブ16に搭乗する運転手が携帯するスマートフォンなどのモバイル端末に搭載されていてもよい。
【0017】
図3は、
図1の積込機械20の一例を示す側面図である。積込機械20は、たとえば、油圧ショベルである。積込機械20は、たとえば、上部旋回体21と、下部走行体22と、作業機23と、その作業機23の姿勢を検出する姿勢センサ23sと、旋回機構24と、油圧シリンダ25a,25b,25cと、位置センサ26と、制御部27と、図示を省略する油圧装置と、を備えている。なお、積込機械20は、油圧ショベルに限定されず、たとえば、ホイールローダやクレーンなどの作業機械であってもよい
【0018】
作業機23は、たとえば、上部旋回体21の前部に設けられ、油圧シリンダ25a,25b,25cによって駆動され、掘削作業や積込作業などの作業を行う。作業機23は、たとえば、ブーム23aと、アーム23bと、バケット23cとを有する。ブーム23aは、ブームピンを介して上部旋回体21に回動可能に支持され、アーム23bは、アームピンを介してブーム23aに対して可動可能に支持され、バケット23cは、バケットピンを介してアーム23bに対して回動可能に支持されている。
【0019】
姿勢センサ23sは、たとえば、ブームピン、アームピン、およびバケットピンのそれぞれに設けられた角度センサである。姿勢センサ23sは、たとえば、上部旋回体21に対するブーム23aの回転角度と、ブーム23aに対するアーム23bの回転角度と、アーム23bに対するバケット23cに回転角度とを検出する。なお、姿勢センサ23sは、角度センサに限定されない。たとえば、加速度センサやジャイロセンサなど、作業機23の姿勢を検出ことができる他のセンサを姿勢センサ23sとして使用することもできる。
【0020】
また、
図3では図示を省略するが、油圧シリンダ25a,25b,25cは、シリンダチューブ内の油圧を測定する油圧センサ25s(
図1を参照)を備えている。なお、油圧センサ25sは、少なくとも、ブーム23aを上部旋回体21に対して駆動する油圧シリンダ25aに設けられていればよく、他の油圧シリンダ25b,25cに設けられていなくてもよい。油圧センサ25sは、たとえば、油圧シリンダ25a,25b,25cのシリンダチューブ内の油圧を測定し、測定した油圧に応じた油圧情報を制御部27へ出力する。
【0021】
位置センサ26は、たとえば、GNSSなどによって構成され、各々の積込機械20の位置を検出する。制御部27は、たとえば、積込機械20に設置されたマイクロコントローラやファームウェアによって構成され、CPUなどの処理装置27aと、RAMやハードディスクなどの記憶装置27bと、外部へ情報を送信する通信装置27cと、を備えている。なお、位置センサ26および制御部27は、必ずしも積込機械20に設置される必要はなく、たとえば積込機械20のキャブ21aに搭乗する運転手が携帯するスマートフォンなどのモバイル端末に搭載されていてもよい。
【0022】
処理装置27aには、位置センサ26から出力された積込機械20の位置情報が、無線通信回線または有線通信回線を介して入力される。また、処理装置27aには、姿勢センサ23sから出力された作業機23の姿勢情報、および油圧センサ25sから出力された油圧情報が、無線通信回線または有線通信回線を介して入力される。処理装置27aは、入力された情報を処理し、記憶装置27bへ所定の周期で記憶させる。
【0023】
記憶装置27bには、たとえば、処理装置27aから入力された情報の時系列情報、コンピュータプログラム、データ、その他の情報が記憶されている。通信装置27cは、たとえば、処理装置27aから入力された情報を、無線通信回線を介して情報管理コントローラ130へ送信する。
【0024】
また、処理装置27aは、たとえば、姿勢センサ23sによって測定された作業機23の姿勢と、油圧センサ25sによって測定された油圧に基づいて、作業機23が保持する積載物の重量を算出するように構成されていてもよい。より具体的には、たとえば、積込機械20によって運搬車両10の荷台14に積載物を積み込むには、油圧シリンダ25a,25b,25cによって作業機23を駆動させ、作業機23のバケット23cによって地表の積載物をすくい取る。
【0025】
このとき、処理装置27aは、たとえば、記憶装置27bに記憶されたコンピュータプログラムを実行し、姿勢センサ23sから入力された作業機23の姿勢情報と、油圧センサ25sから入力された油圧情報とに基づいて、作業機23のバケット23cに収容された積載物の重量を算出する。なお、積載物の重量の算出は、後述する情報管理コントローラ130によって行うことも可能である。
【0026】
位置検出モジュール110は、前述のように、積載物を運搬する運搬車両10の位置情報と、積載物を運搬車両10に積み込む積込機械20の位置情報とを検出する。位置検出モジュール110は、たとえば、運搬車両10に搭載される位置センサ16a(運搬車両用位置検出装置)および通信装置16bと、積込機械20に搭載される位置センサ26(積込機械用位置検出装置)および通信装置27cを含む。
【0027】
運搬車両10に搭載される位置センサ16aは、その運搬車両10の位置を所定の周期で検出し、その検出された位置とその位置が検出された時刻とを含む運搬車両10の位置情報を通信装置16bへ出力する。通信装置16bは、位置センサ16aから入力された位置情報を、たとえば無線通信回線を介して情報管理コントローラ130へ送信する。
【0028】
同様に、積込機械20に搭載される位置センサ26は、その積込機械20の位置を所定の周期で検出し、その検出された位置とその位置が検出された時刻とを含む積込機械20の位置情報を制御部27へ出力する。制御部27の通信装置27cは、処理装置27aを介して位置センサ26から入力された積込機械20の位置情報を、たとえば無線通信回線を介して情報管理コントローラ130へ送信する。
【0029】
重量検出装置120は、前述のように、積込機械20が保持する積載物の重量情報を検出する。重量検出装置120は、たとえば、積込機械20の油圧センサ25sおよび姿勢センサ23sならびに処理装置27aおよび通信装置27cを含む。
【0030】
積込機械20の油圧センサ25sは、たとえば、所定の周期で油圧シリンダ25aのシリンダチューブ内の油圧を検出して、その油圧とその油圧が検出された時刻を含む油圧情報を処理装置27aへ出力する。積込機械20の姿勢センサ23sは、たとえば、上部旋回体21に対するブーム23aの角度、ブーム23aに対するアーム23bの角度、およびアーム23bに対するバケット23cの角度など、作業機23の姿勢を所定の周期で検知して、その姿勢とその姿勢が検知された時刻を含む姿勢情報を処理装置27aへ出力する。
【0031】
処理装置27aは、油圧センサ25sおよび姿勢センサ23sから入力された油圧情報および姿勢情報に基づいて、作業機23が保持する積載物の重量を算出する。より具体的には、記憶装置27bには、たとえば、作業機23の各部の寸法情報と、作業機23の各部の寸法および姿勢ならびに油圧シリンダ25aの油圧に基づいて作業機23が保持する積載物の重量を演算するためのコンピュータプログラムが記憶されている。
【0032】
処理装置27aは、記憶装置27bに記憶されたプログラムを実行し、上記の寸法情報、姿勢情報、および油圧情報に基づいて、バケット23cに収容されて作業機23に保持されている積載物の重量を算出する。さらに処理装置27aは、算出した重量とその重量が検出された時刻とを含む重量情報を通信装置27cへ出力する。通信装置27cは、処理装置27aから入力された重量情報を、たとえば、無線通信回線を介して情報管理コントローラ130へ送信する。
【0033】
情報管理コントローラ130は、前述のように、運搬車両10の位置情報の時系列情報と、積込機械20の位置情報の時系列情報と、積込機械20の作業機23によって保持された積載物の重量情報の時系列情報と、に基づいて、運搬車両10の積載物の積載重量を算出する。情報管理コントローラ130は、たとえば、位置情報サーバ131と、重量情報サーバ132と、ユーザサーバ133とを含む。
【0034】
重量情報サーバ132は、たとえば、各々の積込機械20の通信装置27cから送信された重量情報を受信する。重量情報サーバ132は、たとえば、受信装置132aと、処理装置132bと、記憶装置132cと、送信装置132dと、を備える。
【0035】
受信装置132aは、たとえば、積込機械20の通信装置27cから送信された重量情報を受信して、処理装置132bへ出力する。処理装置132bは、たとえば、受信装置132aから入力された重量情報を時系列情報として記憶装置132cに記憶させる。また、処理装置132bは、たとえば、記憶装置132cに記憶された重量情報の時系列情報を読み出して、送信装置132dへ出力する。送信装置132dは、処理装置132bから入力された重量データの時系列情報を、たとえば無線通信回線または有線通信回線を介して位置情報サーバ131へ送信する。
【0036】
なお、各々の積込機械20に搭載される制御部27は、積込機械20の作業機23が保持する積載物の重量を算出しなくてもよい。この場合、各々の積込機械20に搭載された制御部27の処理装置27aは、姿勢センサ23sおよび油圧センサ25sからの入力である姿勢および油圧に基づく姿勢情報および油圧情報を、通信装置27cへ出力する。通信装置27cは、処理装置27aから入力された姿勢情報および油圧情報を、情報管理コントローラ130の重量情報サーバ132へ出力する。
【0037】
この場合、重量情報サーバ132は、たとえば、各々の積込機械20の通信装置27cから受信した姿勢情報および油圧情報に基づいて、各々の積込機械20の作業機23が保持する積載物の重量情報を検出するように構成することができる。具体的には、重量情報サーバ132の受信装置132aは、たとえば、積込機械20の通信装置27cから送信された姿勢情報および重量情報を受信して、処理装置132bへ出力する。
【0038】
処理装置132bは、受信装置132aから入力された姿勢情報および重量情報に基づいて、各々の積込機械20の作業機23が保持する積載物の重量を算出する。さらに、処理装置132bは、算出した重量とその重量が検出された時刻を含む重量情報を、時系列情報として記憶装置132cに記憶させる。また、処理装置132bは、記憶装置132cに記憶された重量情報の時系列情報を読み出して、送信装置132dへ出力する。送信装置132dは、処理装置132bから入力された重量情報の時系列情報を、位置情報サーバ131へ送信する。
【0039】
位置情報サーバ131は、位置検出モジュール110から運搬車両10の位置情報および積込機械20の位置情報を受信する。より具体的には、位置情報サーバ131は、たとえば、受信装置131aと、処理装置131bと、記憶装置131cと、送信装置131dとを含む。
【0040】
受信装置131aは、各々の運搬車両10の通信装置16bから送信された各々の運搬車両10の位置情報を受信するとともに、各々の積込機械20の通信装置27cから送信された各々の積込機械20の位置情報を受信する。また、受信装置131aは、たとえば、重量情報サーバ132から、各々の積込機械20の作業機23に保持された積載物の重量データを受信する。また、受信装置131aは、受信した情報を、処理装置131bへ出力する。
【0041】
処理装置131bは、処理装置131bから入力された情報を処理し、時系列情報として記憶装置131cに記憶させる。記憶装置131cには、たとえば、積込機械20が作業機23によって運搬車両10の荷台14に積載物を積み込むことが可能な、積込機械20と運搬車両10との距離のしきい値が記憶されている。また、処理装置131bは、たとえば、記憶装置131cに記憶された各々の運搬車両10の位置情報の時系列情報と、各々の積込機械20の位置情報の時系列情報と、各々の積込機械20が保持した積載物の重量情報の時系列情報とに基づいて、各々の運搬車両10に積み込まれた積載物の重量、すなわち運搬車両10の積載重量を算出する。
【0042】
さらに、処理装置131bは、算出した各々の運搬車両10の積載物の重量を、積載重量情報として記憶装置132cに記憶させる。また、処理装置131bは、記憶装置131cに記憶された各々の運搬車両10の位置情報および積載重量情報を読み出して、送信装置131dへ出力する。送信装置131dは、処理装置131bから入力された情報を、たとえばユーザサーバ133へ送信する。
【0043】
ユーザサーバ133は、たとえば、位置情報サーバ131から受信した情報に基づいて、運転日報を作成する。ユーザサーバ133は、たとえば、受信装置133aと、処理装置133bと、記憶装置133cと、出力装置133dとを備えている。
【0044】
受信装置133aは、位置情報サーバ131の送信装置131dから送信された情報を受信して、処理装置133bへ出力する。処理装置133bは、受信装置133aから入力された情報を、記憶装置133cに記憶させる。なお、処理装置133bは、たとえば、記憶装置133cに記憶された運搬車両10の位置情報の時系列情報と積込機械20の位置情報の時系列情報と重量情報の時系列情報とに基づいて、各々の運搬車両10に積み込まれた積載物の積載重量を算出し、記憶装置133cへ記憶させてもよい。また、処理装置133bは、記憶装置133cに記憶された情報に基づき、運転日報データを算出して出力装置133dへ出力する。
【0045】
より具体的には、記憶装置133cには、たとえば、運搬車両10が運搬した積載物を降ろすまたは放土する集積場の位置情報が記憶されている。処理装置133bは、たとえば、集積場の位置情報と、各々の運搬車両10の位置情報の時系列情報と積載重量情報とに基づいて、各々の運搬車両10が集積場に降ろした積載物の重量積算値を、運転日報データとして算出する。また、処理装置133bは、たとえば、集積場の位置情報と、各々の運搬車両10の位置情報の時系列情報と積載重量情報とに基づいて、各々の運搬車両10に積載物を積み込んだ積込位置から集積場までの運搬車両10の移動時間を、運転日報データとして算出する。
【0046】
また、処理装置133bは、たとえば、集積場の位置情報と、各々の運搬車両10の位置情報の時系列情報と積載重量とに基づいて、各々の運搬車両10に積載物を積み込んだ積込位置から集積場までの運搬車両10の移動回数を、運転日報データとして算出する。また、処理装置133bは、たとえば、各々の集積場の位置情報と、各々の運搬車両10の位置情報の時系列情報と積載重量情報とに基づいて、各々の集積場の稼働時間、各々の運搬車両10に積載物を積み込んだ積込位置から各々の集積場への運搬車両10の移動回数、および各々の集積場に降ろされた積載物の総重量を、運転日報データとして算出する。
【0047】
処理装置133bは、算出した運転日報データを、記憶装置133cへ記憶させるとともに、出力装置133dへ出力する。出力装置133dは、たとえば、表示装置、ソフトウェアまたはプリンターを含み、処理装置133bから入力された運転日報データに基づく運転日報を、表示装置により画像として出力し、ソフトウェアにより電子ファイルとして出力し、またはプリンターにより紙に印刷して出力する。
【0048】
以下、
図4から
図8を参照して、本実施形態の施工管理システム100の動作を説明する。
図4は、
図1の施工管理システム100の動作の一例を示すタイムチャートである。
図5は、
図1の施工管理システム100に含まれる重量検出装置120の処理の流れを示すフロー図である。
【0049】
図4では、一台の積込機械20および三台の運搬車両10の間の距離の時間的な推移を直線間の間隔で表している。たとえば、時刻t1において、積込機械20と、積込機械20に最も近い運搬車両10との間の距離はD1である。また、時刻t1において、積込機械20に最も近い運搬車両10と、二番目に積込機械20に近い運搬車両10との間の距離はD2である。また、二番目に積込機械20に近い運搬車両10と三番目に積込機械20に近い運搬車両10との間の距離はD3である。
【0050】
さらに、
図4では、積込機械20が作業機23によって運搬車両10の荷台14に積載物を積み込むことが可能な、積込機械20と運搬車両10との間の距離のしきい値DSを示している。また、
図4では、情報管理コントローラ130の位置情報サーバ131と重量情報サーバ132とが動作するタイミングを示している。
【0051】
図4に示す例では、時刻t1において、一台の積込機械20と三台の運搬車両10との間の距離(D1,D1+D2,D1+D2+D3)は、しきい値DSよりも離れている。このような場合、施工管理システム100は、たとえば、少なくとも一台の積込機械20と、少なくとも一台の運搬車両10との間の距離がしきい値DS以下になるまで、
図5に示す処理を開始しない。たとえば、時刻t2において、一台の積込機械20と一台の運搬車両10との間の距離がしきい値DS以下になると、施工管理システム100は、
図5に示す処理を開始する。
【0052】
図5に示すように、施工管理システム100は、まず、センサ情報を取得する処理P11を実行する。処理P11において、施工管理システム100は、たとえば、前述の位置検出モジュール110により、各々の運搬車両10の位置情報と、各々の積込機械20の位置情報とを検出して取得する。また、施工管理システム100は、前述の重量検出装置120により、各々の積込機械20が保持する積載物の重量情報を検出して取得する。
【0053】
より詳細には、処理P11において、位置検出モジュール110は、運搬車両用位置検出装置である位置センサ16aにより運搬車両10の位置情報を検出するとともに、積込機械用位置検出装置である位置センサ26により、積込機械20の位置情報を検出する。さらに、位置センサ16aおよび位置センサ26により検出された運搬車両10の位置情報および積込機械20の位置情報を、通信装置27cによって情報管理コントローラ130へ送信する。
【0054】
また、処理P11において、重量検出装置120は、積込機械20の油圧センサ25sにより作業機23を駆動する油圧シリンダ25aの油圧を測定するとともに、積込機械20の姿勢センサ23sにより作業機23の姿勢を検出する。なお、作業機23が保持する積載物の重量を情報管理コントローラ130によって算出する場合には、油圧センサ25sおよび姿勢センサ23sにより検出された油圧および姿勢の情報、すなわち油圧情報および姿勢情報を、通信装置27cにより情報管理コントローラ130に送信する。処理P11の終了後、施工管理システム100は、積込機械20の作業機23が保持する積載物の重量を算出する処理P12を実行する。
【0055】
処理P12において、重量検出装置120は、たとえば積込機械20に搭載された制御部27の処理装置27aにより、油圧センサ25sおよび姿勢センサ23sによって検出された油圧および姿勢の情報、すなわち油圧情報および姿勢情報に基づいて、作業機23が保持する積載物の重量を算出する。処理P12の終了後、施工管理システム100は、算出した重量の情報、すなわち重量情報を送信する処理P13を実行する。
【0056】
処理P13において、積込機械20に搭載された制御部27の通信装置27cは、たとえば、処理装置27aによって算出された重量情報を、情報管理コントローラ130へ送信する。次に、情報管理コントローラ130の重量情報サーバ132は、受信装置132aによって重量情報を受信する処理P14を実行する。次に、重量情報サーバ132は、処理装置132bによって重量情報を記憶装置132cに記録する処理P15を実行する。
【0057】
なお、作業機23が保持する積載物の重量を算出する処理P12は、たとえば、重量情報サーバ132の処理装置132bによって行ってもよい。この場合、重量情報サーバ132の処理装置132bは、積込機械20の通信装置27cから送信されて受信装置132aによって受信された油圧情報および姿勢情報に基づいて、作業機23が保持する積載物の重量を算出する。この場合、重量情報を送信する処理P13と重量情報を受信する処理P14を省略し、処理P12で処理装置132bによって算出された重量情報を記憶装置132cに記録する処理P15を実行する。
【0058】
次に、重量情報サーバ132は、たとえば、積込機械20と、その積込機械20に最も近い運搬車両10との間の距離が、しきい値DSより離れたか否かを判定する処理P16を実行する。処理P16において、重量情報サーバ132は、たとえば受信装置132aを介して受信した運搬車両10の位置情報と積込機械20の位置情報とに基づいて、処理装置132bにより、積込機械20と、その積込機械20に最も近い運搬車両10との間の距離を算出する。
【0059】
さらに、処理P16において、処理装置132bは、算出した距離としきい値DSとを比較し、算出した距離がしきい値DSよりも離れている場合(YES)、施工管理システム100は、
図5に示す処理を終了する。一方、算出した距離がしきい値DS以下である場合(NO)、施工管理システム100は、処理P11から処理P16までを所定の周期で繰り返し実行して、積込機械20によって保持した積載物の重量情報を所定の周期で重量情報サーバ132の記憶装置132cに記録する。
【0060】
図4に示す例において、積込機械20は、たとえば、時刻t3までの間に作業機23のバケット23cによって積載物をすくい取り、作業機23によって積載物を保持した状態になっている。時刻t3の経過後、積込機械20は、運搬車両10へ向けて移動して、積込機械20の運搬車両10との間の距離が最接近している。そして、時刻t3と時刻t4との間に、積込機械20は、たとえば、作業機23のバケット23cに入った積載物を、最接近した運搬車両10の荷台14にダンプして、運搬車両10に積み込んでいる。
【0061】
さらに、時刻t4と時刻t5との間に、積込機械20は、運搬車両10から少し離れて作業機23のバケット23cによって積載物をすくい取り、運搬車両10に再接近して作業機23に入った積載物を運搬車両10の荷台14に積み込む作業を、複数回にわたって繰り返し行っている。このとき、施工管理システム100は、前述の処理P11から処理P16までを繰り返し実行し、積込機械20から重量情報サーバ132へ作業機23によって保持した積載物の重量情報が送信され、記憶装置132cに重量情報の時系列情報が記憶されている。
【0062】
その後、時刻t6において、積載物が積み込まれた運搬車両10が積込機械20から離れ、積込機械20と運搬車両10との距離がしきい値DSよりも離れている。すると、時刻t6後の時刻t7において、施工管理システム100は、
図6に示す処理を実行する。
【0063】
図6は、
図1の施工管理システム100に含まれる情報管理コントローラ130の位置情報サーバ131の処理の流れを示すフロー図である。処理P21において、位置情報サーバ131は、たとえば、重量情報サーバ132の送信装置132dから送信された重量情報を、受信装置131aによって受信する。次に、施工管理システム100は、たとえば、位置情報サーバ131の処理装置131bにより、積込機械20ごとに情報を記録する処理P22を実行する。
【0064】
処理P22において、位置情報サーバ131の処理装置131bは、たとえば、受信装置131aから入力された重量情報を、積込機械20のユーザ名などの識別情報(ID)および重量が計測された時刻とともに、各々の積込機械20の重量情報の時系列情報として、記憶装置131cに記憶させる。処理P22の終了後、施工管理システム100は、重量情報のデータ処理ループP23を実行する。
【0065】
データ処理ループP23において、処理装置131bは、まず終了条件として、記憶装置131cに記憶されたすべての積込機械20の重量情報の処理が完了したか否かを判定する。記憶装置131cに記憶されたすべての積込機械20の重量情報の処理が完了していれば、処理装置131bは、
図6に示す処理を終了する。記憶装置131cに記憶された重量情報に処理が完了していないものがある場合、処理装置131bは、記憶装置131cに記憶された積込機械20の位置情報を検索する処理P24を実行する。
【0066】
処理P24において、処理装置131bは、記憶装置131cに記憶された積込機械20の位置情報を検索する。処理P24における検索の結果、所定の時間の範囲内に積込機械20の位置情報がなければ(NO)、処理装置131bは、再度、重量情報のデータ処理ループP23を実行する。一方、処理P24における検索の結果、所定の時間の間に積込機械20の位置情報があった場合、積込機械20による運搬車両10への積み込みの判定処理P25を実行する。
【0067】
図7は、
図6の積込判定処理P25の詳細を示すフロー図である。まず、処理P251において、処理装置131bは、記憶装置131cから積込機械20の位置情報の時系列情報と運搬車両10の位置情報の時系列情報とを読み込む。次に、処理P252において、所定の時間の範囲内の運搬車両10の位置情報を検索する。処理P252において、運搬車両10の位置情報がなければ(NO)、処理装置131bは、処理P25を終了するとともに、
図6に示すデータ処理ループP23の終了判定に戻る。一方、処理P252において、運搬車両10の位置情報があれば(YES)、処理装置131bは、処理P253を実行する。
【0068】
処理P253において、処理装置131bは、積込機械20の位置情報の時系列情報と、運搬車両10の位置情報の時系列情報とに基づいて、各時刻における積込機械20と運搬車両10との距離を算出する。さらに、処理装置131bは、算出した距離が、設定距離、たとえば、距離のしきい値DS以下であるか否かを判定する。この判定の結果、算出した距離が設定距離よりも遠ければ(NO)、処理装置131bは、処理P25を終了するとともに、
図6に示すデータ処理ループP23の終了判定に戻る。一方、上記の判定の結果、算出した距離が設定距離以下であれば(YES)、処理装置131bは、処理P254を実行する。
【0069】
処理P254において、処理装置131bは、積込機械20との間の距離が設定距離であるしきい値DS以下の運搬車両10を、その積込機械20の位置情報に積込対象の運搬車両10として関連付け、処理P25を終了させ、
図6に示す処理P26を実行する。
【0070】
処理P26において、処理装置131bは、処理P25の結果、複数の運搬車両10が積込機械20の積込対象の運搬車両10として関連付けられているか否かを判定する。判定の結果、複数の運搬車両10が一の積込機械20の積み込み対象として関連付けられている場合(YES)、その積込機械20に最も近い運搬車両10を積込対象とし、それ以外の運搬車両10を積込対象外として、記憶装置131cに記録する処理P27を実行する。処理P27の終了後、処理装置131bは、処理P28を実行する。一方、処理P26の判定の結果、一の運搬車両10が一の積込機械20の積み込み対象として関連付けられている場合(NO)、処理装置131bは、処理P28を実行する。
【0071】
ここで、
図4を参照すると、時刻t2から時刻t6までは、一の積込機械20に対して一の運搬車両10がしきい値DS以下の距離に接近している。そのため、時刻t7における位置情報サーバ131の処理では、処理装置131bは、処理P26での否定的な判定結果(NO)に基づいて、処理P28へ移行する。一方、時刻t8から時刻t10までの間は、時刻t9以降に2台の運搬車両10がしきい値DS以下の距離に接近している。そのため、時刻t11における位置情報サーバ131の処理では、処理装置131bは、処理P26での肯定的な判定結果(YES)に基づいて処理P27へ移行し、最も近い一の運搬車両10を積込機械20の積込対象として関連付け、処理P28へ移行する。
【0072】
処理P28において、処理装置131bは、積込機械20の積込対象として関連付けられた運搬車両10を、積込機械20の重量情報に関連付けて記憶装置131cに記録する。その後、処理装置131bは、記憶装置131cに記憶されたすべての重量情報のデータ処理が終了するまで、データ処理ループP23を繰り返し実行する。記憶装置131cに記憶されたすべての重量情報のデータ処理が終了すると、処理装置131bは、
図6に示す処理を終了する。
【0073】
図8は、
図1に示すユーザサーバ133によって出力される運転日報の一例である。位置情報サーバ131において積込対象の運搬車両10と関連付けられた積込機械20の重量情報は、
図1に示すように、送信装置131dを介してユーザサーバ133へ送信され、ユーザサーバ133の受信装置133aによって受信される。受信装置133aは、受信した情報を処理装置131bへ出力する。処理装置131bは、受信装置133aから入力された情報と、記憶装置133cに記憶された情報に基づいて運転日報データを算出して出力装置133dへ出力する。出力装置133dは、処理装置133bから入力された運転日報データに基づいて、
図8に示すような運転日報を出力する。
【0074】
以上のように、本実施形態の施工管理システム100は、運搬車両用位置検出装置としての位置センサ16aと、積込機械用位置検出装置としての位置センサ26と、重量検出装置120と、情報管理コントローラ130と、を備えている。位置センサ16aは、積載物を運搬する運搬車両10の位置情報を検出する。位置センサ26は、積載物を運搬車両10に積み込む積込機械20の位置情報を検出する。重量検出装置120は、積込機械20が保持する積載物の重量情報を検出する。情報管理コントローラ130は、運搬車両10の位置情報の時系列情報と積込機械20の位置情報の時系列情報と重量情報の時系列情報とに基づいて、運搬車両10に積み込まれた積載物の積載重量を算出する。
【0075】
この構成により、施工管理システム100は、施工現場の情報を従来よりも正確に把握することが可能になる。具体的には、特許文献1に記載された従来の施工システムは、積込機械と運搬車両とが接近しても、実際には積込作業が実施されない場合もあるため、施工現場から運搬された積荷の総量を正確に把握できない。
【0076】
これに対し、本実施形態の施工管理システム100は、運搬車両10に対する積載物の積込時に積込機械20が保持する積載物の重量情報を検出する。さらに、本実施形態の施工管理システム100は、運搬車両10の位置情報の時系列情報と積込機械20の位置情報の時系列情報と重量情報の時系列情報とに基づいて、運搬車両10に積み込まれた積載物の積載重量を算出する。したがって、運搬車両10と積込機械20とが接近したが、積込作業が実施されなかった場合でも、その事実を正確に把握し、運搬車両10によって施工現場から運搬された積荷の総量をより正確に把握することができる。
【0077】
また、本実施形態の施工管理システム100において、情報管理コントローラ130は、運搬車両10が運搬した積載物を降ろすまたは放土する集積場の位置情報と、運搬車両10の位置情報の時系列情報と、積載重量とに基づいて、運搬車両10が集積場に降ろした積載物の重量積算値を算出する。この構成により、運搬車両10が集積場に降ろした積載物の重量積算値を含む運転日報の作成を容易にすることができ、ユーザの負担を軽減することができる。
【0078】
また、本実施形態の施工管理システム100において、情報管理コントローラ130は、運搬車両10が運搬した積載物を降ろすまたは放土する集積場の位置情報と、運搬車両10の位置情報の時系列情報と、積載重量とに基づいて、運搬車両10に積載物を積み込んだ積込位置から集積場までの運搬車両10の移動時間を算出する。この構成により、運搬車両10に積載物を積み込んだ積込位置から集積場までの運搬車両10の移動時間を含む運転日報の作成を容易にすることができ、ユーザの負担を軽減することができる。
【0079】
また、本実施形態の施工管理システム100において、情報管理コントローラ130は、運搬車両10が運搬した積載物を降ろすまたは放土する集積場の位置情報と、運搬車両10の位置情報の時系列情報と、積載重量とに基づいて、運搬車両10に積載物を積み込んだ積込位置から集積場までの運搬車両10の移動回数を算出する。この構成により、運搬車両10に積載物を積み込んだ積込位置から集積場までの運搬車両10の移動回数を含む運転日報の作成を容易にすることができ、ユーザの負担を軽減することができる。
【0080】
また、本実施形態の施工管理システム100において、情報管理コントローラ130は、運搬車両10が運搬した積載物を降ろすまたは放土する複数の集積場の位置情報と、運搬車両10の位置情報の時系列情報と、積載重量とに基づいて、各々の集積場の稼働時間、運搬車両に積載物を積み込んだ積込位置から各々の集積場への運搬車両の移動回数、および各々の集積場に降ろされた積載物の総重量を算出する。この構成により、各々の集積場の稼働時間、運搬車両に積載物を積み込んだ積込位置から各々の集積場への運搬車両の移動回数、および各々の集積場に降ろされた積載物の総重量を含む運転日報の作成を容易にすることができ、ユーザの負担を軽減することができる。
【0081】
また、本実施形態の施工管理システム100において、位置検出モジュール110は、運搬車両用位置検出装置としての位置センサ16aと、積込機械用位置検出装置としての位置センサ26と、通信装置16bおよび通信装置27cと、を有する。位置センサ16aは、運搬車両10の位置情報を検出し、位置センサ26は、積込機械20の位置情報を検出する。通信装置16bは、位置センサ16aによって検出された運搬車両10の位置情報を情報管理コントローラ130へ送信する。通信装置27cは、位置センサ26によって検出された積込機械20の位置情報を情報管理コントローラ130へ送信する。この構成により、情報管理コントローラ130は、各々の運搬車両10の位置情報の時系列情報と各々の積込機械20の位置情報の時系列情報を取得することができる。
【0082】
また、本実施形態の施工管理システム100において、重量検出装置120は、油圧センサ25sと、姿勢センサ23sと、処理装置27aと、通信装置27cと、を有する。油圧センサ25sは、積込機械20の作業機23を駆動する油圧シリンダ25aの油圧を測定する。姿勢センサ23sは、作業機23の姿勢を検出する。処理装置27aは、油圧センサ25sおよび姿勢センサ23sによって検出された油圧および姿勢に基づいて作業機23が保持する積載物の重量を算出する。通信装置27cは、処理装置27aによって算出された重量の情報である重量情報を情報管理コントローラ130へ送信する。この構成により、情報管理コントローラ130は、各々の積込機械20から重量情報を受信して、各々の積込機械20の重量情報の時系列情報を取得することができる。
【0083】
また、本実施形態の施工管理システム100において、情報管理コントローラ130は、位置情報サーバ131と、重量情報サーバ132と、記憶装置131cと、処理装置133bと、を有する。位置情報サーバ131は、位置検出モジュール110から運搬車両10の位置情報および運搬車両10の位置情報を受信する。重量情報サーバ132は、重量検出装置120から重量情報を受信する。記憶装置131cは、運搬車両10の位置情報および積込機械20の位置情報ならびに重量情報を記憶する。処理装置133bは、運搬車両10の積載重量を算出する。この構成により、施工管理システム100は、施工現場の情報を従来よりも正確に把握することが可能になる。
【0084】
以上説明したように、本実施形態によれば、施工現場の情報を従来よりも正確に把握することが可能な施工管理システム100を提供することができる。
【0085】
以上、図面を用いて本開示に係る施工管理システムの実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
10 運搬車両、16a 位置センサ(運搬車両用位置検出装置)、16b 通信装置、
20 積込機械、23 作業機、23s 姿勢センサ、25a 油圧シリンダ、
25s 油圧センサ、26 位置センサ(積込機械用位置検出装置)、27a 処理装置、
27c 通信装置、100 施工管理システム、120 重量検出装置、
130 情報管理コントローラ、131 位置情報サーバ、131c 記憶装置、
132 重量情報サーバ、133b 処理装置。