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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】三次元計測システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
G01C15/00 103A
G01C15/00 102C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019195756
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021071288
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2021-05-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 土木学会全国大会委員会,令和元年度土木学会全国大会講演概要集,DVD-ROM,令和1年8月1日発行 令和1年8月15日掲載,https://confit.atlas.jp/guide/event/jsce2019/session/3V-325-32/category,土木学会全国大会委員会,令和元年度土木学会全国大会講演概要集
(73)【特許権者】
【識別番号】000208204
【氏名又は名称】大林道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517205734
【氏名又は名称】iシステムリサーチ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504300088
【氏名又は名称】国立大学法人北海道国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】100197848
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 良一
(72)【発明者】
【氏名】森石 一志
(72)【発明者】
【氏名】山口 雄希
(72)【発明者】
【氏名】西川 啓一
(72)【発明者】
【氏名】富山 和也
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/173573(WO,A1)
【文献】特開2005-070840(JP,A)
【文献】特開2019-045319(JP,A)
【文献】特開2002-310652(JP,A)
【文献】特開2008-139255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00
G01S 17/86
G01S 19/04
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測地点に設置される地上型レーザスキャナと、
前記地上型レーザスキャナの中心を挟んで該地上型レーザスキャナの両側にそれぞれ設けられるGNSSアンテナと、
前記GNSSアンテナに接続される移動局GNSS受信機と、
子基準点側と通信可能な基準局と、
前記移動局GNSS受信機と通信可能に接続されるとともに公衆無線通信回線を介して前記基準局と通信可能な移動局計測コントローラと、
前記地上型レーザスキャナ、前記移動局GNSS受信機及び前記移動局計測コントローラとデータの送受信が可能なPCと、を有し、
前記移動局計測コントローラは、
前記基準局から取得した位置補正情報に基づいて前記GNSSアンテナの位置座標を算出し、
前記PCは、
前記移動局計測コントローラが計算した前記GNSSアンテナの位置座標に基づいて前記地上型レーザスキャナの設置位置座標を算出するTLS位置座標算出手段と、
前記地上型レーザスキャナによって収集された点群データに、前記TLS位置座標算出手段により算出された前記地上型レーザスキャナの設置位置座標に基づいて座標位置情報を付与する座標位置情報付与手段と
算出された前記GNSSアンテナの位置座標に基づいて前記地上型レーザスキャナの真北からの角度を算出し、真北に対する該地上型レーザスキャナのズレ角度を北向きに補正する角度補正手段と、を備える
ことを特徴とする三次元計測システム。
【請求項2】
前記基準局は、
基準局GNSSアンテナと、
前記基準局GNSSアンテナに接続される基準局GNSS受信機と、
前記基準局GNSS受信機と通信可能に接続されるとともに公衆無線通信回線を介して前記移動局計測コントローラ及び前記電子基準点側と通信可能な基準局計測コントローラと、を有し、
前記基準局計測コントローラは、前記基準局GNSS受信機が受信したGNSS信号と前記電子基準点側から得たデータ情報に基づいて前記基準局GNSSアンテナの設置位置座標を算出し、前記位置補正情報を生成して前記移動局計測コントローラに送信する
請求項1に記載の三次元計測システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高精度かつ効率的に構造物等の位置情報を計測可能な三次元計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、舗装道路などに対して地上型レーザスキャナ(以下、「TLS」と記載することがある。)を使用した出来形計測が行われている。しかし、従来の計測方法は、舗装道路の施工延長が長くなると、TLSを移動しながら計測する必要があり、その際、現在TLSが設置されている地点と、次のTLSの移動先となる地点との間にターゲット(TG)を設置し、各TLSの設置地点から上記ターゲット(TG)を視準して、各TLSの設置箇所で取得した点群データの紐付けを行い、現地における計測実施後、データ整理の際にレジストレーション(合成処理)を行って各点群データに座標位置情報を付与する必要がある。
【0003】
例えば、図5の模式平面図には、上記した従来型の計測方法による舗装道路の出来形計測の一例が図示されているが、TLSを道路延長に沿って所定の間隔(例えば、50m間隔など)で移動設置しながら計測を行う場合、少なくとも4個のターゲット(TG)を設置し、TLSを移動設置する都度、当該ターゲット(TG)を視準し、TLSの各設置点で得られた点群データの紐付けを行って、上記レジストレーション(合成処理)を行う必要がある。
【0004】
すなわち、特許文献1に記載の発明や当該文献の段落0003等にも記載されているように、原則としてTLSの設置位置を特定するためには既知点にターゲット(TG)を設置することが従来必須となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6120521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来型の計測方法では現地におけるターゲット(TG)の設置手間がかかり、TLSの設置位置を特定するにも手間や時間が必要となる。また、一般的に、上記レジストレーション(合成処理)の作業は、専用ソフトを使用するか、手作業で行うこととなる。したがって、ターゲットの視準精度や、レジストレーション(合成処理)の方法によって計測精度が異なるという問題がある。
【0007】
そこで、本願発明は、高精度で位置情報を取得することができるGNSSとTLSを組み合わせた三次元点群計測によって、ターゲットの設置手間を省略するとともに、レジストレーション(合成処理)の効率化を図って、点群データに対して精度の高い座標の付与が可能な、三次元計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)地上型レーザスキャナ(TLS11)と、前記地上型レーザスキャナ(TLS11)の両側にそれぞれ設けられるGNSSアンテナ(移動局GNSSアンテナ12)と、前記GNSSアンテナ(移動局GNSSアンテナ12)に接続される移動局GNSS受信機20と、前記移動局GNSS受信機20と通信可能に接続されるとともに公衆無線通信回線を介して基準局30と通信可能な移動局計測コントローラ21と、前記地上型レーザスキャナ(TLS11)、前記移動局GNSS受信機20及び前記移動局計測コントローラ21とデータの送受信が可能なPC22と、を有し、前記移動局計測コントローラ21は、前記基準局30から取得した位置補正情報に基づいて前記GNSSアンテナ(移動局GNSSアンテナ12)の位置座標を算出し、前記PCは、前記移動局計測コントローラ21が計算した前記GNSSアンテナ(移動局GNSSアンテナ12)の位置座標に基づいて前記地上型レーザスキャナ(TLS11)の設置位置座標を算出するTLS位置座標算出手段と、前記地上型レーザスキャナ(TLS11)によって収集された点群データに、前記TLS位置座標算出手段により算出された前記地上型レーザスキャナ(TLS11)の設置位置座標に基づいて座標位置情報を付与する座標位置情報付与手段と、を備えることを特徴とする三次元計測システムである。
【0009】
(2)前記PC22は、算出された前記GNSSアンテナ(移動局GNSSアンテナ12)の位置座標に基づいて前記地上型レーザスキャナ(TLS11)の真北からの角度を算出し、真北に対する該地上型レーザスキャナ(TLS11)のズレ角度を北向きに補正する角度補正手段を備える上記(1)に記載の三次元計測システムである。
【0010】
(3)前記基準局30は、基準局GNSSアンテナ32と、前記基準局GNSSアンテナ32に接続される基準局GNSS受信機40と、前記基準局GNSS受信機40と通信可能に接続されるとともに公衆無線通信回線を介して前記移動局計測コントローラ21及び電子基準点側と通信可能な基準局計測コントローラ41と、を有し、前記基準局計測コントローラ41は、前記基準局GNSS受信機40が受信したGNSS信号と前記電子基準点側から得たデータ情報に基づいて前記基準局GNSSアンテナ32の設置位置座標を算出し、前記位置補正情報を生成して前記移動局計測コントローラ21に送信する上記(1)又は(2)に記載の三次元計測システムである。
【0011】
上記(1)及び(3)の構成によれば、地上型レーザスキャナ(TLS11)の両側にそれぞれ設けられるGNSSアンテナ(移動局GNSSアンテナ12)の正確な位置座標から、精度の高い地上型レーザスキャナ(TLS11)の設置位置座標が算出されるので、これに基づいて地上型レーザスキャナ(TLS11)によって収集された点群データに精度の高い座標位置情報を付与することが可能となる。したがって、従来のようなターゲット(TG)を設置する手間や、レジストレーションにおける手間や誤差の発生を大幅に抑制することが可能となる。
【0012】
上記(2)の構成によれば、GNSSアンテナ(移動局GNSSアンテナ12)の位置座標に基づいて地上型レーザスキャナ(TLS11)のズレ角度を補正することができるので、さらに精度の高い点群データへの座標位置情報の付与が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態における、三次元計測システムのシステム構成を説明する構成図面である。
図2】本発明の実施形態における、TLS側の装置を説明する正面図である。
図3】本発明の実施形態における、TLS側のGNSSアンテナ設置治具の上面図(a)と、その背面図(b)である。
図4】本発明の実施形態における、基準局側の装置を説明する正面図である。
図5】本発明の実施形態における、計測態様の一例を示す平面図である。
図6】本発明の実施形態における、TLSのズレ角度の補正態様を模式的に示した上面図である。
図7】従来技術における、計測態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の三次元計測システムにおける一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
(システム構成)
本発明は、地上型レーザスキャナ(以下、「TLS」と称することがある。)を必須の構成要素とする三次元計測システムの発明であり、図1には、本発明の一実施形態における三次元計測システムのシステム構成が図示されている。
【0016】
本実施形態では、TLS側(移動局10側)の装置と、基準局30側の装置とが、LTE(Long Term Evolution)などからなる公衆無線通信回線を介して通信可能に構成されており、基準局30側からTLS側へGNSSデータがRTCM(Radio Technical Commission For Maritime Services)フォーマットで送受信されるように構成されている。
【0017】
基準局30の装置構成は、図1及び図4に示されるように、計測地点近傍に基準局三脚34によって基準局GNSSアンテナ32が設置され、基準局GNSS受信機40に接続されている。さらに、基準局GNSS受信機40は、USBケーブルによって基準局計測コントローラ41に接続されている。なお、本実施形態の基準局計測コントローラ41はLTEの通信装置やバッテリ電源等を内蔵しており、LTEを介して移動局10側やインターネット回線に接続可能に構成されている。
【0018】
次に、TLS側である移動局10の装置構成を、図1及び図2の記載に基づいて説明する。当該移動局10の装置構成は、計測地点に設置されるTLS三脚14と、当該TLS三脚14に載置されるTLS11及び2つの移動局GNSSアンテナ12と、移動局GNSS受信機20、移動局計測コントローラ21、PC22から構成されている。
【0019】
本実施形態の移動局10では、移動局GNSS受信機20と移動局計測コントローラ21がUSBケーブルによって接続され、RTCMフォーマットのデータの他、GNSSが出力するNMEA(National Marine Electronics Association)信号を移動局計測コントローラ21へ出力するように構成されている。
【0020】
さらに、移動局計測コントローラ21はUSBケーブルによってPC22に接続され、当該PC22には、NMEA信号が入力されるように構成されている。なお、本実施形態の移動局計測コントローラ21はLTEの通信装置やバッテリ電源等を内蔵しており、基準局30側やインターネット回線に接続可能に構成されている。
【0021】
(移動局GNSSアンテナ設置治具)
図3には、TLS側の装置における移動局GNSSアンテナ設置治具の上面図(a)と、その背面図(b)が示されている。本実施形態における移動局GNSSアンテナ設置治具13は、TLS三脚14の上部に設けられる金属製のプレートから成り、円形載置部材13Bと移動局GNSS載置部材13Aとから構成されている。
【0022】
円形載置部材13Bは、図3(a)の上面図に示されるように、中心部周辺にTLS11の底部の形状に応じた円形凹部が形成され、その中心部にTLS11を固定するため固定貫通穴135Bが設けられている。また、円形載置部材13Bの外周部には当該円形載置部材13Bを下部の移動局GNSS載置部材13Aに固定するための4つの連結固定穴134Bが設けられている。
【0023】
移動局GNSS載置部材13Aは、図3(b)の背面図に示されるように、その中心部にTLS11を固定するためのTLS三脚14の固定部材が挿通される固定挿通穴135Aが設けられ、その周囲には、前述の円形載置部材13Bをボルト固定するための4つのボルト固定穴134Aが設けられている。
【0024】
また、移動局GNSS載置部材13Aの左右端部近傍には、移動局GNSSアンテナ12を固定するとともに信号ケーブルを挿通可能に構成するアンテナ固定部133Aが設けられている。加えて、本実施形態の移動局GNSS載置部材13Aは、軽量化を図るために図示着色部分に対応する箇所を薄肉にして形成されている。
【0025】
(システムの動作態様)
本実施形態における三次元計測システムは、最初に基準局30側において自身の座標の計測が行われる。既知点に設置された基準局30の基準局計測コントローラ41は、国土地理院が設置している電子基準点からデータを取得し、基準局GNSS受信機40で受信したGNSS信号(RTCM)と合わせて解析して基準局30の基準局座標を計算する。次に、当該基準局座標に基づいて座標位置情報の補正データ(位相差)を生成し、LTEを介して移動局10の移動局計測コントローラ21に送信される。すなわち、既知点に設置した基準局30における衛星測位との誤差情報を基に移動局10の座標誤差を補正しようとするものである。
【0026】
基準局30側から送信された上記補正データ(位相差)は、移動局計測コントローラ21で受信され、当該移動局計測コントローラ21では2つの移動局GNSSアンテナ12で受信したGNSS信号(RTCM、NMEA)と合わせて解析が行われて、2つの移動局GNSSアンテナ12のそれぞれの座標位置情報が算出される。
【0027】
上記のようにして算出された2つの移動局GNSSアンテナ12それぞれの座標位置情報は、ミリ単位の精度で算出されている。したがって、精度の高い2つの移動局GNSSアンテナ12それぞれの座標位置情報に基づいて、2つの移動局GNSSアンテナ12の距離及び方向も算出することが可能となり、移動局計測コントローラ21で算出された2つの移動局GNSSアンテナ12の位置座標に基づいて、PC22ではTLS11の精密な中心位置座標及びTLS11の正確な向きを求めることが可能である。
【0028】
(計測方法)
続いて、本実施形態における計測方法について、図5の道路(計測対象)での計測態様を示した平面図に基づいて説明する。まず、TLS11を含む移動局10の各種装置を任意の計測対象エリアの起点に設置する。設置後、前述したシステム動作が正常に行われたことを確認してTLS11によるスキャニングを実行する。スキャニングによる点群データの収集が完了すると、次の設置箇所に移動してTLS11を含む移動局10の各種装置を再び設置してスキャニングを実行する。
【0029】
そして、上記のTLS11の設置からスキャニングを道路の終点に向かって繰り返して点群データを収集することが可能となる。すなわち、本発明の最大のメリットは、精度の高いTLS11の中心位置座標や向きが、TLS11の設置箇所ごとに算出されるため、従来の計測方法のようにターゲット(TG)を移動する度に設置、視準する必要が全くない。したがって、ターゲット(TG)の設置手間を削減して計測作業を大幅に効率化することが可能である。
【0030】
(レジストレーション方法)
続いて、前述の計測方法によって収集した計測対象における点群データのレジストレーション方法について説明する。より詳細には、下記の(1)から(6)の手順によって各TLS11の設置位置で収集した点群データを合成するとともに、各点群に精度の高い座標位置情報を付与している。

(1)2つの移動局GNSSアンテナ12のそれぞれの位置座標からTLS11の中心位置座標を算出する。

(2)TLS11の中心位置座標から、収集した各点群に座標位置情報を付与する。

(3)2つの移動局GNSSアンテナ12のそれぞれの位置座標から、TLS11の方向角度を算出する。

(4)図6に示されるように、北(真北)に対するTLS11の向きのズレ角度を算出する。

(5)算出したズレ角度分を北向きに回転させてTLS11を真北に補正する。(このようなTLS11の角度補正は、TLS11を移動設置する度に行われる。したがって、各設置位置において任意の方向に向いて設置されたTLS11により計測された点群データに対し、整合する座標位置情報を付与することが可能となる。)

(6)各TLS11の設置位置で収集した点群データに対して、上記(1)~(5)の処理を実行し、PC22では計測対象エリアの各点群を合成して座標位置情報を付与する。
【0031】
上記した本発明の三次元計測システムによれば、GNSSを利用することにより、TLS11によって計測した時点で即座に計測対象構造物の座標位置情報を得ることがかのうとなり、レジストレーション時にTLS11の向きのズレが補正されるので、従来のターゲット(TG)を設置する方法と同等以上の精度で計測が可能である。
【0032】
加えて、従来の計測方法のようにターゲット(TG)を設置する手間や、それを視準する手間が不要となり、効率的、経済的に三次元計測が可能となる。また、得られた精度の高い道路構造物の座標位置情報は、供用後のMMS(Mobile Mapping System)を使用した維持管理においても有効に利用することが可能である。
【0033】
(他の実施形態)
本発明に係る三次元計測システムの実施形態については上記したとおりであるが、本発明の実施形態は必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。
【0034】
例えば、上記した実施例では、移動局GNSSアンテナ設置治具13の一実施形態について図3の記載に基づいて説明したが、必ずしもこのような形状、寸法に限られるものではなく、TLS11の中心を挟んでその両側に2つの移動局GNSSアンテナ12を設置できるような形状の治具であれば適宜変更が可能である。
【0035】
例えば、上記実施例では道路構造物の計測態様を例に説明したが、本発明は道路構造物に限定されるものではなく、空港の滑走路のほか、港湾施設、駐車場等、幅広い分野において適用することが可能である。
【0036】
以上、本発明の様々な実施形態について図面にもとづいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施例に記載された具体的な入力情報等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 移動局
11 TLS(地上型レーザスキャナ)
12 移動局GNSSアンテナ
13 移動局GNSSアンテナ設置治具
20 移動局GNSS受信機
21 移動局計測コントローラ
22 PC
30 基準局
32 基準局GNSSアンテナ
40 基準局GNSS受信機
41 基準局計測コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7