(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】無人飛行体
(51)【国際特許分類】
B64C 27/10 20230101AFI20230131BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20230131BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20230131BHJP
B64U 30/24 20230101ALI20230131BHJP
B64U 30/26 20230101ALI20230131BHJP
B64U 10/80 20230101ALI20230131BHJP
【FI】
B64C27/10
B64D47/08
B64U10/13
B64U30/24
B64U30/26
B64U10/80
(21)【出願番号】P 2019213371
(22)【出願日】2019-11-26
【審査請求日】2022-11-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514043908
【氏名又は名称】中西 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100143638
【氏名又は名称】長谷部 真久
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】中西 弘幸
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-18895(JP,A)
【文献】特開2008-94277(JP,A)
【文献】特開2018-133749(JP,A)
【文献】特開2017-169170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/10
B64C 39/02
B64D 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タブレット型の外形形状を有する無人飛行体であって、
機体と、
機体を飛行させる飛行手段と
を備え、
前記無人飛行体は、前記機体の高さ方向に沿って上下に配置された上下一対の回転翼と、二つの回転翼を駆動する少なくとも一つのモータとで構成された揚力/推力発生部を備え、
前記飛行手段は、
前記回転翼の回転速度を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記回転翼の回転軸周りの全周領域のうちの所定の角度範囲の第1の領域で前記回転速度が増大し、前記全周領域のうちの前記第1の領域以外の第2の領域で前記回転速度が低下するように、前記回転翼の1回転毎に前記回転翼の回転速度を制御する、無人飛行体。
【請求項2】
前記上下一対の回転翼において
上側の回転翼と下側の回転翼の回転方向は反対方向である、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項3】
前記上下一対の回転翼の少なくとも一方は、二つ以上の羽根体を含み、
前記二つ以上の羽根体は、前記回転翼の回転軸周りに不均等な間隔または非対称な位置で配置されている、請求項1または2に記載の無人飛行体
【請求項4】
前記機体の高さ方向と垂直な前記機体の幅方向における寸法が約10mm~約30mmであり、前記機体の高さ方向における寸法が約5mm~約10mmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の無人飛行体。
【請求項5】
前記上下一対の回転翼は、各々の回転軸が一致するように配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の無人飛行体。
【請求項6】
前記上側の回転翼の回転軸と前記下側の回転翼の回転軸とが所定距離離れて配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の無人飛行体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の無人飛行体を用いたタブレット型内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に設けた二つの回転翼により推力を発生する飛行手段により飛翔する小型無人飛行体に関するものであり、特に自律移動可能な内視鏡に適した小型の無人飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローンや無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)などの飛行体(以下、「飛行体」と総称する)を利用して、荷物の配送などを行う試みがなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ドローンなど無人航空機は、多くの機構部分を必要とし、重量を軽減することが難しく、小型化することが困難であった。そのため、人が行き交うビルや病院などの観察、偵察、人が立ち入れないような狭い場所におけるデータ収集などを行うことが可能な無人飛行体はなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の項目を提供する。
【0005】
(項目1)
タブレット型の外形形状を有する無人飛行体であって、
機体と、
機体を飛行させる飛行手段と
を備え、
前記無人飛行体は、前記機体の高さ方向に沿って上下に配置された上下一対の回転翼と、二つの回転翼を駆動する少なくとも一つのモータとで構成された揚力/推力発生部を備え、
前記飛行手段は、
前記回転翼の回転速度を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記回転翼の回転軸周りの全周領域のうちの所定の角度範囲の第1の領域で前記回転速度が増大し、前記全周領域のうちの前記第1の領域以外の第2の領域で前記回転速度が低下するように、前記回転翼の1回転毎に前記回転翼の回転速度を制御する、無人飛行体。
【0006】
(項目2)
前記上下一対の回転翼において
上側の回転翼と下側の回転翼の回転方向は反対方向である、項目1に記載の無人飛行体。
【0007】
(項目3)
前記上下一対の回転翼の少なくとも一方は、二つ以上の羽根体を含み、
前記二つ以上の羽根体は、前記回転翼の回転軸周りに不均等な間隔または非対称な位置で配置されている、項目1または2に記載の無人飛行体
(項目4)
前記機体の高さ方向と垂直な前記機体の幅方向における寸法が約10mm~約30mmであり、前記機体の高さ方向における寸法が約5mm~約10mmである、項目1~3のいずれか一項に記載の無人飛行体。
【0008】
(項目5)
前記上下一対の回転翼は、各々の回転軸が一致するように配置されている、項目1~4のいずれか一項に記載の無人飛行体。
【0009】
(項目6)
前記上側の回転翼の回転軸と前記下側の回転翼の回転軸とが所定距離離れて配置されている、項目1~4のいずれか一項に記載の無人飛行体。
【0010】
(項目7)
項目1~6のいずれか一項に記載の無人飛行体を用いたタブレット型内視鏡。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、軽量で小型化可能な無人飛行体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の無人飛行体100を説明するための図であり、
図1(a)は、この無人飛行体100の外観形状を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す無人飛行体100の機体10に搭載されている飛行手段100aおよび観察ユニット10bの構成を概念的に示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態1による無人飛行体100を説明するための図であり、
図3(a)は、その外観を示す斜視図であり、
図3(b)は、
図3(a)に示す無人飛行体を矢印Aの方向から見た構造を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す無人飛行体100の内部の構造を説明するための図であり、
図4(a)は、
図3(a)に示す無人飛行体100の上蓋13を取り除いた状態を示す斜視図であり、
図4(b)は、
図4(a)に示す無人飛行体100を矢印Aの方向から見た構造を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す無人飛行体100を構成する部材を分解して示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図4(a)に示す回転翼110に含まれる羽根体の配置を説明するための平面図である。
【
図8】
図8は、
図3(a)に示す無人飛行体100をタブレット型内視鏡として用いた内視鏡検査を説明するための図であり、
図8(a)は、このタブレット型内視鏡100の使用状態を模式的に示す平面図であり、
図8(b)は、内視鏡検査を行う際のタブレット型内視鏡である無人飛行体100の経路の一例を示し、
図8(c)は、無人飛行体(タブレット型内視鏡)100が胃の内部で移動する様子を示す。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態2による無人飛行体200を説明するための図であり、
図9(a)は、その外観を示す斜視図であり、
図9(b)は、
図9(a)に示す無人飛行体200を矢印Aの方向から見た構造を示す平面図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す無人飛行体200の内部の構造を説明するための図であり、
図10(a)は、
図9(a)に示す無人飛行体200の上蓋を取り除いた状態を示す斜視図であり、
図10(b)は、
図10(a)に示す無人飛行体を矢印Aの方向からみた構造を示す平面図である。
【
図12】
図12は、
図11に示す無人飛行体200を構成する部材を分解して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0014】
本明細書において、「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
【0015】
本明細書における「タブレット」とは、平板状の錠剤のことを意味する。
【0016】
本発明は、軽量で小型化可能な無人飛行体を得ることを課題とし、
タブレット型の外形形状を有する無人飛行体であって、
機体と、
機体を飛行させる飛行手段と
を備え、
前記無人飛行体は、前記機体の高さ方向に沿って上下に配置された上下一対の回転翼と、二つの回転翼を駆動する少なくとも一つのモータとで構成された揚力/推力発生部(揚力/推力発生機構)を備え、
前記飛行手段は、
前記回転翼の回転速度を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記回転翼の回転軸周りの全周領域のうちの所定の角度範囲の第1の領域で前記回転速度が増大し、前記全周領域のうちの前記第1の領域以外の第2の領域で前記回転速度が低下するように、前記回転翼の1回転毎に前記回転翼の回転速度を制御することにより、上記課題を解決したものである。
【0017】
(飛行手段)
例えば、飛行手段は、揚力および推力を発生する機構(揚力/推力発生機構)としてデュオコプタ(2枚回転翼)を備えることが望ましい。
【0018】
本願明細書では、デュオコプタの揚力/推力発生機構は、二つの回転翼と、少なくとも一つのモータとで構成されたものとする。
【0019】
デュオコプタの揚力/推力発生機構は、二つの回転翼と少なくとも一つのモータとから構成されているので、構成部品が少なく重量も軽く、さらには、二つの回転翼を上下に重ねることで、タブレット型の筐体の外径の制約を受ける回転半径(回転翼の回転中心から遠ざかる方向における長さ)を長くすることができ、個々の回転翼で回転翼の回転軸に沿った方向に大きな揚力を発生させることができる。これにより、飛行するのに必要とされる揚力を低減させる一方で、揚力/推力発生機構で発生可能な揚力を高めることができ、その結果、飛行するのに十分な揚力を発生させることができる。
【0020】
また、上下に重ね合わせた上下一対の回転翼は、両者の回転軸が一致するように配置されていてもよいし、あるいは、両者の回転軸が所定距離離れて平行になるように配置されていてもよい。
【0021】
(回転翼の構造)
ここで、回転翼の構造は限定されるものではなく、任意の構造であり得る。
【0022】
一つの実施形態において、回転翼は、その回転により発生する推力が揚力として作用するように回転軸を高さ方向に向けて無人飛行体の機体に取り付けられる。このようにすることで回転翼を一定速度で回転させると、その回転により垂直方向に揚力が発生することとなり、機体を空中に静止した状態に容易にすることが可能となる。
【0023】
回転翼の数は任意であり得る。一つの実施形態において、二つの回転翼を有するものであるが、本発明はそれに限定されない。一つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0024】
好ましい実施形態において、回転翼は上下一対である。このようにすることでタブレット型の外径に合わせて回転翼の半径を大きくすることが可能であるため、揚力を大きくすることが可能となる。
【0025】
ただし、回転翼は、その回転により発生する推力が揚力として作用するように回転軸を高さ方向に向けて機体に取り付けられているものに限定されず、他の実施形態において、回転翼は、その回転軸を高さ方向に対して傾斜した方向に向けて機体に取り付けられているものであってもよい。その場合は、揚力/推力発生機構に複数の回転翼を設けることで、回転翼全体として略鉛直方向の推力(揚力)を発生させることで、機体を空中に静止した状態にすることが可能である。
【0026】
さらに、回転翼は、1つの羽根体で構成されていてもよいし、あるいは二つ以上の羽根体で構成されていてもよい。また、回転翼を複数設けた場合に、それぞれの回転翼によって羽根体の数を異ならせてもよい。
【0027】
ただし、二つ以上の羽根体で構成されている場合は、二つ以上の羽根体が回転翼の回転軸周りに不均等な間隔で配置されていることが好ましい。これは、回転翼が一回転する間に回転翼の回転速度(回転数)を変化させることで、回転軸周りで回転翼が発生する揚力を、回転軸周りの所定領域で他の領域とは異ならせることを可能にするためである。具体的には、回転翼の1つの羽根体に着目して回転翼をその回転軸の方向から見たときに、羽根体の先端が描く円周の左半分(左半周)の領域で、羽根体の回転速度が高く、羽根体の先端が描く円周の右半分(右半周)の領域で、羽根体の回転速度が低い場合、左半周の領域では右半周の領域と比べて大きな揚力が発生することとなる。この揚力の差を、機体を前後左右に移動させる推力として利用することができる。上側の羽根体の回転翼の回転方向と下側の羽根体の回転翼の回転方向とは異なる。
【0028】
なお、1つの回転翼が二つ以上の羽根体で構成されている場合には、上記のように二つ以上の羽根体を回転翼の回転軸周りに不均等な間隔または非対称な位置で配置することに代えて、二つ以上の羽根体において、少なくとも1つの羽根体の長さが他の羽根体の長さと異なるようにしてもよい。要するに、回転翼は、これが一回転する間に回転翼の回転速度(回転数)を変化させることで、回転軸周りで回転翼が発生する揚力を、回転軸周りの所定領域と他の領域とで異ならせることが可能な構造であれば同様の効果が得られる。上側の回転翼の回転角度と下側の回転翼の回転角度とは、位相差(例えば、約180°)があってもよいし、なくてもよい。
【0029】
(無人飛行体の移動形態)
さらに、タブレット型無人飛行体の移動は、飛行による移動だけでなく、接地面や内壁に接触した状態での移動が可能であってもよい。これは特に無人飛行体をタブレット型内視鏡として用いる場合など非常に狭い領域を移動する場合に適用され得る。
【0030】
例えば、揚力/推力発生機構を制御する制御手段は、胃内では、タブレット型内視鏡が胃の内壁から離れて飛行しながら移動するように回転翼の回転を制御し、一方、十二指腸、小腸および大腸内の少なくとも一部では、タブレット型内視鏡が十二指腸、小腸および大腸の内壁に接した状態で移動するように回転翼の回転を制御してもよい。
【0031】
本発明の無人飛行体の大きさは、任意の大きさであり得るが、好ましくは、高さ方向と垂直な機体の幅方向における寸法が約10mm~約30mmであり、機体の高さ方向における寸法が約5~約10mmからなる小型形状であり得る。無人飛行体の大きさが上述の小型形状とすることで、ビルや病院などの監視、偵察、人が立ち入れないような狭い場所におけるデータ収集が容易に行うことが可能となる。なお、無人飛行体の大きさが、高さが約10mm、幅方向が約30mmを超えると、特に、人が飲み込むことが難しくなり内視鏡としての使用が困難となる。特に、好ましくは幅方向が約20mm以下とすることで、人が飲み込みやすく内視鏡としての使用に適している。
【0032】
以下、本発明の無人飛行体100を、図面を用いてより詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の無人飛行体100を説明するための図であり、
図1(a)は、この無人飛行体100の外観形状を示す斜視図であり、
図1(b)は、この無人飛行体100の使用状態を模式的に示す平面図である。
【0034】
本発明の無人飛行体100は、タブレット型の外形形状を有する無人飛行体である。この無人飛行体100は、
図1(a)に示すように、無人飛行体10と、機体10を飛行させる飛行手段100aとを備えている。機体10は、対象物を撮影する機能を有する観察ユニット10bと、観察ユニット10bおよび飛行手段100aを収容する筐体10aとを有する。
【0035】
ここで、無人飛行体100は、機体10の高さ方向における寸法Hb(
図1(a)参照)が約5mm~約10mmであり、高さ方向と垂直な機体10の幅方向における寸法Wb(
図1(a)参照)が約10mm~約30mmである。
【0036】
このような構成の無人飛行体100は、観察ユニット10bを備えた機体10と、機体10を飛行させる飛行手段100aとを有するので、例えば、
図8(b)に示すように、無人飛行体100をタブレット型内視鏡として被検者Pが飲み込むことが可能であり、無人飛行体100は、被検者Pの体内を飛行により移動しながら体内の撮影を行うことが可能である。本発明の無人飛行体100は、内視鏡として以外でも、細いパイプ内であったり、狭い領域内における対象物の観察や人が行き交うビルや病院などの観察にも対応可能である。
【0037】
上記のとおり、本発明の無人飛行体100は、観察ユニット10bおよび筐体10aを有する機体10と、機体10aを飛行させることができる飛行手段100aとを備え、機体10aの高さ方向の寸法および幅方向の寸法として上記の範囲の寸法を有するものであればその他の構成は限定されるものではなく、任意であり得る。
【0038】
ここで、飛行手段100aは、機体10が任意の場所に移動するように揚力(重力に逆らって機体10を鉛直方向に持ち上げる力)および推力(機体10を水平方向に加速する力)を発生させる手段をいう。以下、飛行手段100a、さらに、機体10を構成する内筐体10aおよび観察ユニット10bを詳しく説明する。
【0039】
〔飛行手段の構成例〕
図2は、
図1に示す無人飛行体100の機体10に搭載されている飛行手段100aおよび観察ユニット10bの構成を概念的に示す図である。
【0040】
飛行手段100aは、
図2に示すように、機体100aに揚力と推力とを発生させる揚力/推力発生機構(揚力/推力発生部)100bと、揚力/推力発生機構100bを駆動制御するフライト制御手段(制御部)150とを有する。
【0041】
(揚力/推力発生機構100b)
本発明の無人飛行体100では、揚力/推力発生機構100bの具体的な構成は、任意であり得る。例えば、水平方向に移動しなくても揚力を発生することができる飛行体であるデュオコプタ(2つの回転翼)の揚力/推力発生機構が、本発明の無人飛行体100に採用し得る。本明細書において、飛行手段の1つの実施形態としてデュオコプタとして説示するが、本発明はこれに限定されない。例えば、デュオコプタには、揚力および推力を発生する上下方向に二つの回転翼110、120と、二つの回転翼110、120に対応する二つのモータ130、140とで構成された揚力/推力発生機構100bが搭載されている。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、上下方向に3以上の回転翼を有するものであってもよい。
【0042】
(フライト制御手段150)
本発明の無人飛行体100では、フライト制御手段150の具体的な構成は、任意であり得る。例えば、フライト制御手段150は、操作リモコンなどからの操作信号を観察ユニット10bの通信手段103を介して受信し、操作信号に基づいて各回転翼110、120のモータ130、140を駆動制御するものである。なお、フライト制御手段150は、操作信号を観察ユニット10bの通信手段103を介して受信するものに限らず、観察ユニット10bの通信手段103とは独立した飛行手段専用の通信装置から操作信号を受信してもよい。また、各回転翼110、120のモータ130、140の駆動制御は、モータ130、140に印加する駆動電圧を調整してその回転速度をモータ130、140毎に個別に制御するものでもよいし、二つのモータ130、140を一括して制御してもよい。また、飛行手段100aは、観察ユニット10bの電源105からフライト制御手段150を介してモータ130、140に駆動電圧が印加されるようになっていてもよいし、観察ユニット10bの電源105からフライト制御手段150とは別の回路を介してモータ130、140に駆動電圧が印加されるようになっていてもよい。
【0043】
〔無人飛行体10を構成する筐体10aの構成例〕
本発明の機体10を構成する筐体10aは、任意の材質であり得る。例えば、金属、プラスチック、セラミックやスポンジなど様々な材質であってよい。また、1つの材質だけでなく、複数の材質を複合したものであってもよい。好ましくは、飛行手段100aで浮揚させることを考慮して硬質プラスチックなど軽い材料を用いるのが好ましい。また、タブレット型内視鏡として使用する場合は、生体適合性の良い材料(例えば、ポリスルフォン)や抗菌性を有する材料であることが好ましい。
【0044】
無人飛行体の重量は軽量であることが好ましく、機体の高さ方向における寸法が約5mm~約10mmであり、高さ方向と垂直な機体の幅方向における寸法が約10mm~約30mmであるタブレット形状において、約5g以下であることが好ましく、さらに好ましくは約3g以下である。一つの実施形態において、機体の材料はABS樹脂とセラミックの複合材料である。また、他の一つの実施形態において、機体の材料はポリスルフォン材料である。このような材料を用いることにより軽量でかつ剛性の高いものとすることが可能となる。なお、機体10を構成する筐体10aの立体形状がタブレット形状(すなわち、平板状の錠剤形状)であれば、機体10の高さ方向と垂直な面内での筐体10aの形状は、楕円形、円形、多角形、矩形であってもよい。なお、無人飛行体100の外径形状は、筐体10aの外径形状により規定されるものであり、無人飛行体100の外径形状は、筐体10aの外径形状に一致する。
【0045】
〔観察ユニット10bの構成例〕
また、本発明の観察ユニット10bは、
図2に示すように、対象物を照らす照明手段101と、対象物を撮影する撮像手段102と、機外の信号処理装置あるいは操作リモコン(図示せず)との間で通信を行うための通信手段103と、上記各手段を制御するユニット制御部104と、電源105とを備えている。
【0046】
観察ユニット10bの具体的な構成は、対象物を撮影し、撮影で得られた画像情報を機外の信号処理装置に送信できるものであれば、具体的な構成は任意であり得る。
【0047】
(照明手段101)
照明手段101は、任意の手段であり得る。照明手段101は、例えば、光源として小型化が可能な半導体発光素子を用いたものが望ましく、半導体発光素子には、LED(発光ダイオード)、有機EL素子、LD(レーザダイオード)などがある。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0048】
(撮像手段102)
撮像手段102は、対象物を撮影可能なものであればどのようなものでもよいが、照明手段101と同様、カメラとして小型化が可能な半導体撮像素子を用いたものが望ましく、このような半導体撮像素子には、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサがある。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0049】
(通信手段103)
通信手段103は、撮像手段102から出力される撮像信号を機外の信号処理装置(図示せず)に送信する送信部と、機外の操作リモコンなどからの操作信号を受信する受信部とを有するものであればどのようなものでもよい。
【0050】
例えば、送信部と受信部とがそれぞれ独立した送信機と受信機とで構成されたものでもよいし、送信部と受信部とが一体化されており、送信動作と受信動作とを切り替えるようにした送受信機でもよい。また、通信方式は1つの無線回線(チャンネル)で単一の情報信号を送る通信方式でもよいし、1つの無線回線(チャンネル)で複数の情報信号を送る多重通信方式でもよい。1つの実施形態において、例えば、通信方式として人間に対して無害なBluetooth方式(登録商標)を採用し得る。本発明の無人飛行体においては、撮像装置で得られた画像を通信手段で外部モニターに送信することが可能であって、それによりリアルタイムの観察が可能となる。なお、飛行手段100aに通信手段が含まれていない場合には、観察ユニット10bの通信手段103の受信部は、受信した操作信号をフライト制御手段150に出力するものとする。通信手段103による通信は、上述したとおり、基本的には無線通信であるが、有線通信の場合もあり得る。
【0051】
(ユニット制御手段104)
ユニット制御手段104は、無人飛行体100の外部からの撮像指令信号に基づいて照明手段101および撮像手段102を制御可能であれば任意の手段であり得る。
【0052】
なお、機体10のユニット制御部104と飛行手段100aのフライト制御部150とは、別々のマイクロプロセッサで構成された独立したものでもよいし、あるいは、1つのマイクロプロセッサで構成された一体化したものであってもよい。
【0053】
ただし、飛行手段としてデュオコプタを採用した場合、二つの回転翼の回転速度の制御のみで機体の安定化や自律航行制御などを行うために複雑な演算が必要となるため、内視鏡ユニット10bの制御を行うユニット制御部104とは別にフライト制御手段150として専用のフライトコントローラを設けてもよい。なお、自律航行制御は、例えば、操作者からの操作信号なしで定位置でのホバリングなどを行う場合に必要となる、モータ130、140を自動制御する機能である。
【0054】
(電源105)
電源105は、上記各手段、すなわち、飛行手段100a(フライト制御手段150)、照明手段101、撮像手段102、通信手段103、ユニット制御手段104に適切な電源電圧を供給可能なものであれば任意の電源であり得る。例えば、電源105は、バッテリと、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換する電源回路とを有している。ここで、バッテリは、リチウムイオン電池(例えば、リチウムイオンポリマー電池など)やニッケル水素電池などであるが、バッテリ105は、これらの二次電池に限定されるものではない。例えば、無線給電システム(無線で電力の供給を受ける受電手段を有するもの)であれば、無人飛行体から電源105の構成を削除し得る。
【0055】
また、デュオコプタなどの飛行体では、飛行手段100aのフライト制御手段150は、回転翼110、120のモータ130、140に供給されるモータ駆動電圧(例えば、約12V)に比べて低い回路動作電圧(例えば、約5V)で動作するように構成されるので、本発明のタブレット型内視鏡100では、飛行手段100aは、フライト制御手段150にはモータ駆動電圧Vmと回路動作電圧Vcとが電源105から供給され、モータ130、140にさらにユニット制御手段104からモータ駆動電圧Vmが供給されるように構成されていてもよい。
【0056】
また、観察ユニット10bの照明手段101、撮像手段102、通信手段103およびユニット制御手段104は、通常は、飛行手段100aのモータ130、140に供給されるモータ駆動電圧Vmより低い電圧(回路動作電圧)Vcで動作するので、内視鏡ユニット10bは、電源105からの回路動作電圧Vcが照明手段101、撮像手段102、通信手段103およびユニット制御手段104に供給されるようになっていてもよい。
【0057】
ただし、飛行手段100aのモータ130、140およびフライト制御手段150、さらに、観察ユニット10bの照明手段101、撮像手段102、通信手段103およびユニット制御手段104がどのような電圧で動作するかは任意であり、電源105から各手段に電圧を供給する形態は任意である。
【0058】
また、本発明の無人飛行体100では、飛行手段100aは、
図2に示すように、観察ユニット10bの電源105から電力の供給を受けてもよいが、この電源とは独立した電源から電力の供給を受けてもよい。
【0059】
このように本発明の無人飛行体100は、機体10の高さ方向における寸法が約5mm~約10mmであり、高さ方向と垂直な内視鏡機体10の幅方向における寸法が約10mm~約30mmであれば、その他の構成は、特に限定されるものではないが、以下の実施形態では、無人飛行体の一例として、その飛行手段がデュオコプタにおける揚力/推力発生機構を備え、さらに、揚力/推力発生機構が、機体の高さ方向に沿って上下に配置された上下一対の回転翼とこれらを回転させる二つのモータとで構成され、個々の回転翼が3つの羽根体を有するものを挙げる。
【0060】
また、実施形態1では、無人飛行体として、上下一対の回転翼が、その上側の回転翼の回転軸とその下側の回転翼の回転軸とが一致するように配置されているものを説明し、実施形態2では、無人飛行体として、上下一対の回転翼が、その上側の回転翼の回転軸とその下側の回転翼の回転軸とが所定距離離れて平行になるように配置されているものを説明する。
【0061】
さらに、実施形態1の無人飛行体100は、撮像手段102としてCCDイメージセンサを用いたカメラモジュールを有し、照明手段101としてLEDモジュールを有するものとする。また、通信手段103は、送信部と受信部とが一体化された送受信機とする。電源105は、リチウムイオン電池と、その出力電圧を降圧する電源回路とを有するものとする。
【0062】
ただし、本発明の無人飛行体100は、以下の実施形態の構成に限定されるものでないことは上述の説明から明らかである。
【0063】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0064】
(実施形態1)
図3~
図6は、本発明の実施形態1による無人飛行体100を説明するための図である。
図3(a)は、その外観を示す斜視図であり、
図3(b)は、
図3(a)に示す無人飛行体を矢印Aの方向から見た構造を示す平面図である。
【0065】
本発明の実施形態1による無人飛行体100は、機体10の高さ方向における寸法が約5mm~約10mm、高さ方向と垂直な機体10の幅方向における寸法が約10~約30mm、重量約3g~約5gのタブレット型の外形形状を有する無人飛行体である。この無人飛行体100は、
図3(a)および
図3(b)に示すように、機体10と、機体10を飛行させる飛行手段100aとを備えている。
【0066】
機体10は、筐体10aと、筐体10a内に設けられた観察ユニット10bとを有し、筐体10aには飛行手段100aが収容されている。
【0067】
図4(a)は、
図3(a)に示す無人飛行体100の上蓋13を取り除いた状態を示す斜視図であり、
図4(b)は、
図4(a)に示す無人飛行体100を矢印Aの方向から見た構造を示す平面図である。
【0068】
(筐体10a)
ここで、筐体10aは、
図3および
図4に示すように、筒状体で構成された筐体本体11と、筐体本体11の下面開口を覆う下蓋12と、筐体本体11の上面開口を覆う上蓋13とを有する。筐体本体11を構成する筒状体は、外径の寸法に対する高さ寸法が小さいタブレット形状を有し、筐体10aは、筐体本体11の上下の開口に下蓋12および上蓋13を取り付けた状態で、外径の寸法に対する高さ寸法の比率が1/2~1/6となるタブレット形状を有している。具体的には、外径の寸法(機体10の幅方向の寸法)は、約10mm~約30mmの範囲であり、高さ寸法(機体10の高さ方向の寸法)は、約5mm~約10mmの範囲の寸法である(
図1(a)参照)。典型的には、筐体10aは外径の寸法は約20mmであり、高さ寸法は約6mmの円筒体であって重量は約0.8gである。また、モータは1個約0.65gを2個、回転翼が約0.2g、カメラが約0.16g、制御部が約0.2g、電池が約1.5g~約2g、無人飛行体100の総重量は約3g~5gである。
【0069】
筐体本体11を構成する筒状体の内部には、飛行手段100aが収容され、筐体本体11を構成する筒状体の側面には、観察ユニット10bが取り付けられている。ここで、筐体本体11を構成する筒状体の内側には、ほぼ直交するように二つの支持フレーム、つまり、第1支持フレーム14および第2支持フレーム15が取り付けられており、飛行手段100aは、これらの二つの支持フレーム14、15により筐体本体11に支持されている。
【0070】
(飛行手段100a)
具体的には、飛行手段100aは、機体10に揚力および推力を発生させる揚力/推力発生機構(揚力/推力発生部)100bと、揚力/推力発生機構100bを制御するフライト制御手段(制御部)150とを有しており、揚力/推力発生機構100bにはデュオコプタの揚力/推力発生機構が用いられている。すなわち、揚力/推力発生機構100bは、二つの回転翼110、120と、これらを回転させる二つのモータ130、140とで構成されている。ここでは、回転翼110を回転させるモータ130と、回転翼120を回転させるモータ140とは個別に設けられている。なお、モータ130は、モータ筐体131と、モータ筐体131に回転自在に支持された回転軸部132とを有し、モータ140も同様に、モータ筐体141と回転軸部142とを有している。回転翼110、120の直径は、それぞれ約15mmである。揚力は、以下の式で計算される。
【0071】
F=D3×P×N2×k
ここで、Fは静止揚力(gf)、Dは回転翼の直径(mm)、Pはプロペラピッチ(inch)、Nは回転数(rpm)、kはプロペラ係数を示す。なお、回転翼係数は回転翼固有の係数であって、翼の形状などによって変化するものである。すなわち、推力は回転翼の直径の3乗に比例する。従来のドローンのように平面上で4つの回転翼を用いる場合には、外径約20mmのタブレット形状の場合には、回転翼の外径は約10mm以下となる。それに対して、上下一対の回転翼(デュオコプタ)の場合には、約18mm程度の回転翼を上下にそれぞれ採用することが可能となり、ドローンに比べて格段に高い揚力を達成することが可能となる。本発明で使用する回転翼の回転数は約5万rpmであることから、揚力は約5.2gf得ることができる。その結果、無人飛行体の幅方向が約10mm~約30mm、高さ寸法が約5mm~約10mmで約3~5gの機体を十分に浮遊させる力を得ることが可能となる。
【0072】
上述のように、本発明の無人飛行体は上下一対の回転翼(デュオコプタ)を採用することにより、従来のドローンなどに比べて機体の大きさに対して回転翼の大きさを大きくとることが可能であるため、高い揚力を得ることが可能となるため、小型化することが可能となる。
【0073】
飛行手段100aは、フライト制御手段150が外部からの操作信号に基づいて二つのモータ130、140の回転速度を制御することにより、機体10に揚力および推力を発生させるように構成されている。ただし、飛行手段100aの揚力/推力発生機構110bは、デュオコプタの揚力/推力発生機構を用いたものに限定されず、マルチコプタ(ドローン)やヘリコプタの揚力/推力発生機構を用いたものでもよい。飛行手段100aの揚力/推力発生機構110bは、要するに、機体10を飛行させることができるものであれば任意の機構であり得る。
【0074】
図5は、
図3(b)のV-V線断面図であり、
図6は、
図5に示す無人飛行体100を構成する部材を分解して示す断面図である。
【0075】
ここでは、回転翼110、120はそれぞれ回転軸Ra1、Ra2を有し、回転軸Ra1、Ra2を回転中心とする回転により回転軸Ra1、Ra2に沿った方向に推力を発生するものである。これらの回転翼110、120は、回転翼110、120の回転により発生する推力が揚力(重力と反対向きの力)として作用するように回転軸Ra1、Ra2を高さ方向に向けて機体10aに取り付けられ、さらに、機体10aの高さ方向に沿って上下に重ねて、回転翼110、120の回転軸Ra1、Ra2が一致するように配置されている。
【0076】
また、下側の羽根体110を回転させるモータ130は、
図5および
図6に示すように、第1支持フレーム14および第2支持フレーム15の下側に位置し、これらのフレーム14、15に跨って取り付けられている。また、上側の羽根体120を回転させるモータ140は、
図5および
図6に示すように、第1支持フレーム14および第2支持フレーム15の上側に位置し、これらのフレーム14、15に跨って取り付けられている。なお、第1支持フレーム14および第2支持フレーム15はいずれも両端が筐体本体11の内面に固定されている。
【0077】
さらに、下蓋12は、
図5および
図6に示すように、リング状の蓋枠12aと蓋枠12aに取り付けられたメッシュ部材12bとを有している。上蓋13も下蓋12と同様に、リング状の蓋枠13aと蓋枠13aに取り付けられたメッシュ部材13bとを有している。
【0078】
ここで、筐体10aを構成する筐体本体11、下蓋12、および上蓋13の材質は、任意の材質であり得る。例えば、金属、プラスチック、セラミックやスポンジなど様々な材質であってよい。また、1つの材質だけでなく、複数の材質を複合したものであってもよい。好ましくは、飛行手段100aで浮揚させることを考慮してプラスチックなど軽い材料を用いるのが好ましい。また、無人飛行体を内視鏡として用いる際には、生体適合性のよい材料が好ましい。一つの実施形態において、機体の材料は生体適合性のよいポリスルフォンであり得る。また別の実施形態において、機体の材料はABS樹脂とセラミックの複合材料であり得る。このような材料を用いることにより軽量でかつ剛性の高いものとすることが可能となる。
【0079】
次に回転翼110、120の構造を説明する。
【0080】
図7は、
図4(a)に示される回転翼110および120の構造を説明するための図であり、
図7(a)は、
図4(a)のA方向から見た回転翼110における羽根体の配置を示し、
図7(b)は、
図4(a)のA方向から見た回転翼120における羽根体の配置を示す。
【0081】
筐体10a内で上下に重ねて配置されている二つの回転翼110、120のうちの下側の回転翼110は、回転軸Ra1に沿った方向から見たときの形状として、
図7(a)に示すように略Y字型形状を有している。
【0082】
すなわち、下側の回転翼110は、3つの羽根体111~113と、これらの羽根体111~113の根元部分を支持するハブ部114とを有し、ハブ部114の中心には、モータ130の回転軸部132に嵌合する軸部固定孔114aが形成されている。そして、各羽根体111~113の伸びる方向L11~L13を各羽根体の回転軸周りの基準位置として、1つの羽根体111に対してその他の二つの羽根体112および113のうちの1つの羽根体112は、回転翼110の回転方向X1に約150度離れて位置しており、1つの羽根体111に対して他の二つの羽根体112および113のうちのもう1つの羽根体113は、回転翼110の回転方向X1と逆方向に約150度離れて位置しており、他の二つの羽根体112および113は約60度離れて位置している。その結果、下側の回転翼110は、回転軸に沿った方向から見たときの形状として、
図7(a)に示すように略Y字型形状を有することとなり、3つの羽根体111~113は、回転翼110の回転軸Ra1の周りに不均等な間隔または非対称な位置で配置されている。
【0083】
3つの羽根体111~113は、同じ形状を有しているが、上記のように、3つの羽根体111~113を回転翼110の回転軸Ra1の周りに不均等な間隔または非対称な位置で配置することで、回転翼110を回転方向X1に
図7(a)に示す状態から半回転させたとき、紙面上側の半周(羽根体111が通過した半周)側より、紙面下側の半周(羽根体112および113が通過した半周)側でより大きな揚力が生ずることとなる。すなわち、近くに位置する二つの羽根体112および113が通過する半周側で生ずる揚力が支配的となる。その結果、例えば、回転翼110を一回転のうちの半周で速度を速め、残りの半周で速度を落とすことで、近くに位置する二つの羽根体112および113が速く回転する半周側(高速側半周)では、近くに位置する二つの羽根体112および113が遅く回転する半周側(低速側半周)よりも大きな揚力が生ずることとなる。この揚力の差が水平方向の推力を生むこととなる。つまり、飛行手段100aは、二つの羽根体112および113の高速側半周側からその低速側半周側に向かう推力を発生することとなる。
【0084】
上側の回転翼120は、下側の回転翼110とは回転方向が反対方向であるだけで、下側の回転翼110と同じ構造を有している。しかし、本発明はこれに限定されない。上側の回転翼と下側の回転翼を異なる構成にしてもよい。
【0085】
すなわち、上側の回転翼120は、3つの羽根体121~123と、これらの羽根体121~123の根元部分を支持するハブ部124とを有し、ハブ部124の中心には、モータ140の回転軸部142に嵌合する軸部固定孔124aが形成されている。これらの3つの羽根体121~123は、同じ形状を有しているが、上記のように、3つの羽根体121~123を回転翼120の回転軸Ra2の周りに不均等な間隔または非対称な位置で配置されている。各羽根体121~123の伸びる方向L21~L23を各羽根体の回転軸周りの基準位置として、1つの羽根体121に対してその他の二つの羽根体122および123のうちの1つの羽根体122は、回転翼120の回転方向X2に約150度離れて位置しており、1つの羽根体121に対して他の二つの羽根体122および123のうちのもう1つの羽根体123は、回転翼120の回転方向X2と逆方向に約150度離れて位置している。
【0086】
(観察ユニット10b)
次に観察ユニット10bを説明する。
【0087】
この実施形態1の無人飛行体100に搭載されている観察ユニット10bは、
図2に示すように、対象物を照らす照明手段101と、対象物を撮影する撮像手段102と、機外の信号処理装置あるいは操作リモコン(図示せず)との間で通信を行うための通信手段103と、上記各手段を制御するユニット制御手段104と、各手段の動作電圧を発生する電源105とを備え、上記各手段には、電源105で発生された動作電圧(電力)が供給されるように構成されている。ただし、観察ユニット10bは、撮影で得られた画像情報を機外の信号処理装置に送信できるものであれば、その具体的な構成は任意であり得る。
【0088】
ここでは、照明手段101としてはLEDモジュールが用いられている。
【0089】
撮像手段102としては、CCDイメージセンサを用いたカメラモジュールが用いられている。ただし、撮像手段102は、CCDイメージセンサに代えてCMOSイメージセンサを用いたカメラモジュールでもよい。
【0090】
通信手段103には、送信部と受信部とが一体化された送受信機が用いられている。ただし、通信手段103は、送信部と受信部とがそれぞれ独立した送信機と受信機とで構成されたものでもよい。要するに、通信手段103は、撮像手段102から出力される撮像信号を機外の信号処理装置(図示せず)に送信する送信部と、体外の操作リモコンなどからの操作信号を受信する受信部とを有するものであればどのようなものでもよい。
【0091】
ユニット制御手段104は、無人飛行体100の外部からの撮像指令信号に基づいて照明手段101および撮像手段102を制御可能であれば任意の手段であり得る。
【0092】
電源105は、バッテリと、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換する電源回路とを有している。ここで、バッテリには、リチウムイオン電池(例えば、リチウムイオンポリマー電池など)が用いられている。ただし、バッテリはリチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池でもよい。さらに、電源105は、二次電池に限定されるものではない。例えば、無線給電システム(無線で電力の供給を受ける受電手段を有するもの)を採用してもよい。その場合は、無人飛行体100から電源105の構成を削除し得る。要するに、電源105は、上記各手段、すなわち、飛行手段100a(フライト制御手段150)、照明手段101、撮像手段102、通信手段103、ユニット制御手段104に適切な電源電圧を供給可能なものであれば任意の電源であり得る。ただし、この実施形態1の無人飛行体100では、電源105では、電源回路は、飛行手段100a(フライト制御手段150)にはモータ駆動電圧Vm(例えば、12Vの電源電圧)を供給し、照明手段101、撮像手段102、通信手段103、ユニット制御手段104には、回路動作電圧Vc(例えば、5Vの電源電圧)を提供するように構成されている。
【0093】
次に、実施形態1のタブレット型内視鏡100を用いて被検者Pを検査する方法を説明する。
【0094】
図8は、
図3(a)に示す無人飛行体100を用いたタブレット内視鏡として用いて内視鏡検査を説明するための図であり、
図8(a)は、このタブレット型内視鏡100の使用状態を模式的に示す平面図であり、
図8(b)は、内視鏡検査を行う際の無人飛行体(タブレット型内視鏡)100の経路の一例を示し、
図8(c)は、無人飛行体(タブレット型内視鏡100)が胃の内部で可能な動きを示す。
【0095】
まず、
図8(a)に示すように、被検者Pが検査台S上でタブレット型内視鏡100を飲み込むと、操作者(図示せず)は、タブレット型内視鏡100に対して検査開始を指令する開始指令信号をタブレット型内視鏡100の外部の操作リモコン(図示せず)から送信する。ただし、開始指令信号の送信は、被検者Pがタブレット型内視鏡100を飲み込む前に行ってもよい。なお、タブレット型内視鏡100では、タブレット型内視鏡100を患者が飲み込む前に電源スイッチ(図示せず)がオンされ、電源105から内視鏡ユニット10bの各手段および飛行手段100aのフライト制御手段150には適切な電圧が印加されているものとする。
【0096】
タブレット型内視鏡100では、内視鏡ユニット10bの通信手段103が開始指令信号を受信してユニット制御手段104およびフライト制御手段150に出力すると、ユニット制御手段104は、照明手段101および撮像手段102が動作を開始するようにこれらの手段を制御する。これにより、照明手段101としてのLEDモジュールが点灯し、患者の内臓の内部が照明される。また、撮像手段102としてのCCDイメージセンサが撮像動作を開始し、患者の内臓の表面が撮像される。CCDイメージセンサの撮像動作により得られた画像データは、ユニット制御手段104を介して通信手段103に送られ、さらに通信手段103によりタブレット型内視鏡100の外部の検査装置(図示せず)に送信される。これにより、検査装置では、タブレット型内視鏡100からの画像データを表示画面に表示したり、記憶装置に記憶したりすることができる。
【0097】
なお、フライト制御手段150は操作開始信号に対しては動作しないように構成されている。
【0098】
被検者Pが飲み込んだタブレット型内視鏡100は、
図8(b)に示すように蠕動運動により食道を通過すると、広い空間を有する胃の内部に到達する。
【0099】
胃の検査を行う場合は、予め胃を発泡剤などで膨らませてタブレット型内視鏡100が自由に飛行可能な領域が胃の内部に確保された状態となっているため、操作者は、操作リモコン(図示せず)からの操作信号に基づいてタブレット型内視鏡100を飛行させながら撮像手段102で胃の内壁を撮影することで胃内部を観察し検査することが可能である。
【0100】
例えば、操作者は、操作リモコンの操作によりタブレット型内視鏡100を飛行手段100aにより前後左右にかつ上下に移動させることができ、さらには、タブレット型内視鏡100を所定位置に浮かべた状態でタブレット型内視鏡100を回転させることができる。
【0101】
タブレット型内視鏡100では、内視鏡ユニット10bの通信手段103が操作リモコンから送信された飛行操作信号を受信すると、通信手段103は、ユニット制御手段104および飛行手段100aのフライト制御手段150に受信した飛行操作信号を送信する。
【0102】
このとき、ユニット制御手段104は、飛行操作信号に対しては動作しないが、フライト制御手段150は、飛行操作信号に基づいて、電源105からモータ130、140に供給されるモータ駆動電圧Vmを制御する。これによりモータ130、140の回転数が変化して、タブレット型内視鏡100は、
図8(c)に示すように飛行操作信号に応じた動きをする。
【0103】
例えば、操作者がタブレット型内視鏡100を胃の内部の中空に静止させたいときは、操作者は操作リモコンの操作によりモータ130、140の回転数を調整することにより、タブレット型内視鏡100の飛行手段100aが発生する揚力を、タブレット型内視鏡100の自重と釣り合わせる。
【0104】
また、前進させたい場合(A1方向への移動)は、前進操作信号を操作リモコンからタブレット型内視鏡100に送信する。フライト制御手段150がタブレット型内視鏡100の内視鏡ユニット10bの通信手段103を介して前進操作信号を受信すると、フライト制御手段150は、内視鏡筐体10aのユニット制御手段104が設けられている位置をタブレット型内視鏡100の前方位置として、回転翼110、120の回転領域の前方側の半周領域で、回転翼110における近くに位置する二つの羽根体112および113、および回転翼120における近くに位置する二つの羽根体122および123の回転速度が減少し、回転領域のうちの前方側とは反対側(後方側)の半周領域でこれらの羽根体112、113および羽根体122、123の回転速度が増大するように回転翼110、120の回転数を制御する。
【0105】
これにより、タブレット型内視鏡100の前方側で発生する揚力が、その後方側で発生する揚力より小さくなって回転翼110、120の回転軸が前方に傾斜する。これにより発生する揚力も鉛直方向に対して斜め後方に向くこととなり、タブレット型内視鏡100には前方に向いた推力が発生する。
【0106】
タブレット型内視鏡100を後退させたい場合(A2方向への移動)、右方向に移動させたい場合(B1方向への移動)、左方向に移動させたい場合(B2方向への移動)も、前方に移動させたい場合と同様に、操作信号を操作リモコンから送信することで、タブレット型内視鏡100を意図する方向に移動させることができる。
【0107】
また、タブレット型内視鏡100の回転(D1方向あるいはD2方向の回転)は、反対方向に回転する上下の回転翼110、120の回転速度を異ならせることで、タブレット型内視鏡100の向きを変えることができる。
【0108】
タブレット型内視鏡100の昇降(C1方向あるいはC2方向への移動)は、反対方向に回転する上下の回転翼110、120の回転速度を異ならせることで、これら二つの回転翼110、120のうちの回転数の高い回転翼の回転方向と逆方向にタブレット型内視鏡100を回転させてタブレット型内視鏡100の向きを変えることができる。
【0109】
このように、フライト制御手段150は、胃内では、タブレット型内視鏡100が飛行しながら移動するように回転翼110、120の回転を制御するが、フライト制御手段150は、十二指腸、小腸および大腸内の少なくとも一部では、タブレット型内視鏡100が十二指腸、小腸および大腸の内壁に着地した状態で移動するように回転翼110、120の回転を制御する。これらの臓器では内部の空間が狭いため、臓器の内壁に接触した状態で飛行することとなる。また、極端に内部空間が狭い場所では臓器の蠕動運動の助けを借りて移動する場合もある。
【0110】
このように、本実施形態1によれば、タブレット型の外形形状を有するタブレット型内視鏡100において、機体10と、機体を飛行させる飛行手段100aとを備え、タブレット型内視鏡100は機体10の高さ方向における寸法Hbとして約5mm~約10mmの範囲の寸法を有し、高さ方向と垂直な機体10aの幅方向における寸法Wbとして約10mm~約30mmの範囲の寸法を有するので、カプセル型内視鏡に飛行手段を設ける場合に比べて、回転翼の回転半径を大きくすることが可能となり、その結果、機体を飛行させるのに十分な揚力を発生させることができるタブレット型内視鏡を得ることができる。
【0111】
なお、上述した実施形態1では、タブレット型内視鏡100の飛行手段100aとして、上下一対の回転翼が、その上側の回転翼の回転軸とその下側の回転翼の回転軸とが一致するように配置されているものを示したが、上下一対の回転翼は、その上側の回転翼の回転軸とその下側の回転翼の回転軸とが所定距離離れて平行になるように配置されているものでもよく、以下このような飛行手段200aを有する無人飛行体を本発明の実施形態2の無人飛行体200として説明する。
【0112】
(実施形態2)
図9~
図12は、本発明の実施形態2による無人飛行体200を説明するための図であり、
図9(a)は、その外観を示す斜視図であり、
図9(b)は、
図9(a)に示す無人飛行体200を矢印Aの方向から見た構造を示す平面図である。なお、図中、
図3における符号と同じ符号は、実施形態1におけるものと同じものを示す。
【0113】
本発明の実施形態2による無人飛行体200は、実施形態1の無人飛行体100と同様、タブレット型の外形形状を有する内視鏡である。この無人飛行体200は、
図9(a)および
図9(b)に示すように、機体10と、機体20を飛行させる飛行手段200aとを備えている。ここで、機体10は、実施形態1の無人飛行体100における機体10と同じものである。
【0114】
従って、この実施形態2の無人飛行体200は、実施形態1の無人飛行体100における飛行手段100aをこの飛行手段100aとは構成が異なる別の飛行手段200aに置き換えたものであり、以下この飛行手段200aを説明する。
【0115】
図10(a)は、
図9(a)に示す無人飛行体200の上蓋13を取り除いた状態を示す斜視図であり、
図10(b)は、
図10(a)に示す無人飛行体を矢印Aの方向から見た構造を示す平面図である。
【0116】
(飛行手段200a)
具体的には、飛行手段200aは、機体10に揚力および推力を発生させる揚力/推力発生機構200bと、揚力/推力発生機構200bを制御するフライト制御手段250とを有しており、揚力/推力発生機構200bにはデュオコプタの揚力/推力発生機構が用いられている。すなわち、揚力/推力発生機構200bは、二つの回転翼210、220と、これらを回転させる二つのモータ230、240とで構成されている。ここでは、回転翼210を回転させる第1モータ230と、回転翼220を回転させるモータ240とが個別に設けられている。なお、フライト制御手段250は実施形態1の無人飛行体100におけるフライト制御手段150と同一のものである。
【0117】
飛行手段200aは、フライト制御手段250が外部からの操作信号に基づいて二つのモータ230、240の回転速度を制御することにより、機体10に揚力および推力を発生させるように構成されている。このように二つのモータ230、240をフライト制御手段250が制御する構成は、実施形態1の無人飛行体100と同じであるが、この実施形態2の無人飛行体200では、二つのモータ230、240の配置が実施形態1の無人飛行体100のものとは異なっており、以下、具体的に説明する。
【0118】
図11は、
図9(b)のXI-XI線断面図であり、
図12は、
図11に示す無人飛行体200を構成する部材を分解して示す断面図である。
【0119】
ここでは、回転翼210、220はそれぞれ回転軸Rb1、Rb2を有し、回転軸Rb1、Rb2を回転中心とする回転により回転軸Rb1、Rb2に沿った方向に推力を発生するものであり、機体10aの高さ方向に沿って上下に重ねて、回転翼210、220の回転軸Rb1、Rb2が所定距離離れて平行になるように配置されている。
【0120】
また、下側の羽根体210を回転させるモータ230は、
図10~
図12に示すように、第1支持フレーム24a、第2支持フレーム24b、および第3支持フレーム24cの下側に位置し、これらのフレーム24a~24cに跨って取り付けられている。また、上側の羽根体220を回転させるモータ240は、
図10~
図12に示すように、第1支持フレーム25a、第2支持フレーム25b、および第3支持フレーム25cの上側に位置し、これらのフレーム25a~25cに跨って取り付けられている。
【0121】
ここで、モータ230を支持する第1支持フレーム24a、第2支持フレーム24b、および第3支持フレーム24cはいずれも、一端が筐体本体11の内面に固定され、他端がモータ230のモータ本体231に固定されたものである。これらのフレーム24a~24cは、モータ230の回転軸部232を中心として回転軸部232の周りに等間隔で配置されている。同様に、モータ240を支持する第1支持フレーム25a、第2支持フレーム25b、および第3支持フレーム25cはいずれも、一端が筐体本体11の内面に固定され、他端がモータ240のモータ本体241に固定されたものである。同様にこれらのフレーム25a~25cは、モータ240の回転軸部242を中心として回転軸部242の周りに等間隔で配置されている。
【0122】
この実施形態2の無人飛行体におけるその他の構成は、実施形態1の無人飛行体100におけるものと同一である。
【0123】
このような構成の実施形態2の無人飛行体鏡200では、回転翼210、220が離れることにより、半周毎の回転速度の違いによる揚力の差が大きくなり、細やかな体制制御が可能となる。さらに、モータ230、240を並列して配置することが可能となり、無人飛行体200の高さ(厚み)をさらに薄くすることが可能である。そのため、非常に狭い体内やパイプなどの中を観察するのに適しているという効果が得られる。
【0124】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、軽量で小型化可能な無人飛行体を得ることができるものとして有用である。
【符号の説明】
【0126】
10 機体
10a 筐体
10b 観察ユニット
100、200 無人飛行体(タブレット型内視鏡)
100a、200a 飛行手段
110、120 回転翼
111~113、121~123 羽根体
130、140、230、240 モータ
150、250 フライト制御手段