(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20230131BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/35 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20230131BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/86
A61K8/39
A61K8/34
A61K8/29
A61K8/35
A61K8/40
A61K8/49
A61K8/02
A61Q17/04
(21)【出願番号】P 2019521277
(86)(22)【出願日】2018-05-30
(86)【国際出願番号】 JP2018020802
(87)【国際公開番号】W WO2018221606
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2017108469
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100149294
【氏名又は名称】内田 直人
(72)【発明者】
【氏名】荒井 大輝
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】米澤 徹朗
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-222970(JP,A)
【文献】国際公開第2011/065439(WO,A1)
【文献】特表2001-521880(JP,A)
【文献】特開2017-057180(JP,A)
【文献】特開2016-020326(JP,A)
【文献】特開2016-124860(JP,A)
【文献】特開2017-007969(JP,A)
【文献】国際公開第2014/111571(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0027202(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体
およびアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス-25メタクリレートクロスポリマーから選択される1種以上、
(B)紫外線防御剤、
(C)
ポリオキシエチレン(10~50モル)ベヘニルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20~60モル)ソルビタン、ポリオキシエチレン(10~50モル)ポリオキシプロピレン(2~30モル)セチルエーテルおよびポリオキシエチレン(20~100モル)硬化ヒマシ油からなる群から選択される1種以上である、非イオン性界面活性剤
、
(D)高級アルコール
、および
(E)水を含有
し、
前記(C)非イオン性界面活性剤と前記(D)高級アルコールと前記(E)水とにより形成されるラメラ液晶構造を有する会合体を含むことを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
前記(A)成分が、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-25メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー、および、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス-25メタクリレートクロスポリマーから選択される、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記(B)成分が、少なくとも固形油溶性紫外線吸収剤を含む、請求項1
または2に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関する。より詳細には、独特のもっちりとした使用感触でありながらみずみずしい使用感を与え、なおかつ紫外線防御剤を安定に配合することができる水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料の中でも例えば日焼け止め化粧料の開発においては、UVA領域からUVB領域に渡る紫外線を有効に遮蔽するために、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤などの紫外線防御剤が適宜組み合わせて配合されるが、これら紫外線防御剤の多くは油相に配合されるため、日焼け止め効果が高く、なおかつ安定性に優れた乳化物として油中水型乳化化粧料が多く開発されている。
【0003】
しかしながら、油中水型乳化化粧料は通常の洗浄料や石鹸で簡単に洗い流すことが困難なものが多いことに加え、紫外線防御剤を多く含むので乾燥感が生じるといった、使用感に問題があるものがあった。そこで、容易に洗い流すことができる水中油型乳化物であり、使用感がさらに向上した化粧料が望まれている。
【0004】
一方、水中油型乳化化粧料では、モチモチとした感触があると同時にべたつきのない、肌へののびに優れた乳化化粧料を得るために、増粘剤としてアクリル系ポリマーが用いられている(特許文献1)。しかしながら、このアクリル系ポリマーを乳化剤として配合した系において紫外線防御剤を安定に配合させることは実現していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって本発明における課題は、独特のもっちりとした使用感触を有する化粧料であって、紫外線防御剤を安定に配合することができ、なおかつ使用感に優れた化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、紫外線防御剤を含む水中油型乳化物において乳化剤として(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体および/またはアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス-25メタクリレートクロスポリマーを配合するとともに、αゲル構造を導入することによって、独特のもっちりとした使用感触を有しながら、紫外線防御剤が安定に配合され、優れた日焼け止め効果を発揮する化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体およびアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス-25メタクリレートクロスポリマーから選択される1種以上、
(B)紫外線防御剤、
(C)非イオン性界面活性剤、および
(D)高級アルコールを含有することを特徴とする、化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の化粧料は、紫外線防御剤を安定に配合することができ、広い波長領域に渡って高い紫外線防御能を発揮する。さらに、肌に塗布した際に、独特のもっちりとした使用感触があり、のびがよく、なおかつみずみずしい使用感を与えることができる。
【0010】
本明細書における「独特のもっちりとした使用感触」とは、ババロアのような触感があり、化粧料を手指などで皮膚に適用した際に急激に粘度低下してくずれるような塗布感の軽さがあり、肌へののびがよく、べたつきがなく、みずみずしい使用感を与えることを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の化粧料は、(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体およびアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス-25メタクリレートクロスポリマーから選択される1種以上(以下、単に「(A)成分」と称する場合がある)を含有する。
【0012】
本発明で用いる(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体とは、
(a1)アクリル酸またはメタクリル酸、
(a2)アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキル、
(a3)アクリル酸またはメタクリル酸と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステル、
の共重合体である。
【0013】
これらは、例えば、ICID(International Cosmetic Ingredient Dictionary)収載名で、アクリレーツ/セテス-20メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-25メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-50メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ベヘネス-25メタクリレートクロスポリマー等が挙げられ、水分散液(ポリマーエマルジョン)として市販されている。
【0014】
本発明の化粧料に用いる(A)成分としては、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマー(アキュリン22;ローム・アンド・ハース社)、アクリレーツ/ステアレス-25メタクリレートコポリマー(アキュリン28;ローム・アンド・ハース社)、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー(アキュリン88;ローム・アンド・ハース社)、および、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス-25メタクリレートクロスポリマー(アリストフレックスHMB;クラリアントプロダクションUK Ltd製)から選択されるのが好ましい。なかでも、アクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートコポリマーまたはアクリレーツ/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマーであることが特に好ましい。
【0015】
上記アクリル酸系ポリマーの水分散液は、必要に応じて水等で希釈し、アルカリ剤を添加して中和することにより増粘する。共重合体中和用のアルカリ剤としては、特に限定されず、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、トリエタノールアミンやイソプロパノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基を用いることができる。
【0016】
本発明の化粧料における(A)成分の配合量は、化粧料全量に対して、ポリマー実分として0.01~3.0質量%、好ましくは0.05~2.0質量%、より好ましくは0.1~1.4質量%、さらにより好ましくは0.3~1.0質量%である。配合量が0.01質量%未満では乳化安定性が得られず、3.0質量%を超えて配合すると塗布後に化粧くずれが生じるといった使用性が低下する場合がある。
【0017】
本発明の化粧料は、(B)紫外線防御剤(以下、単に「(B)成分」と称する場合がある)を含有する。(B)紫外線防御剤としては、紫外線吸収剤または紫外線散乱剤がそれぞれ単独に用いられても、紫外線防御剤と紫外線散乱剤とが組み合わされて用いられてもよい。
【0018】
本発明で用いる紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、一般に化粧料に用いられる紫外線吸収剤を広く挙げることができる。例えば、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイヒ酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、4,4-ジアリールブタジエン誘導体等が例示される。以下に具体例および商品名などを列挙するが、これらに限定されるものではない。
【0019】
安息香酸誘導体としては、パラ-アミノ安息香酸(PABA)エチル、エチル-ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル-ジメチルPABA(例えば「エスカロール507」;ISP社)、グリセリルPABA、PEG-25-PABA(例えば「ユビナールP25」;BASF社)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(例えば「ユビナールAプラス」)などが例示される。
【0020】
サリチル酸誘導体としては、ホモサレート(「ユーソレックス(Eusolex)HMS」;ロナ/EMインダストリーズ社)、エチルヘキシルサリチレート(例えば「ネオ・ヘリオパン(NeoHeliopan)OS」;ハーマン・アンド・レイマー社)、ジプロピレングリコールサリチレート(例えば「ディピサル(Dipsal)」;スケル社)、TEAサリチラート(例えば「ネオ・ヘリオパンTS」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
【0021】
ケイヒ酸誘導体としては、オクチルメトキシシンナメートまたはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(例えば「パルソールMCX」;ホフマン-ラ・ロシュ社)、メトキシケイヒ酸イソプロピル、メトキシケイヒ酸イソアミル(例えば「ネオ・ヘリオパンE1000」;ハーマン・アンド・レイマー社)、シンノキセート、DEAメトキシシンナメート、メチルケイヒ酸ジイソプロピル、グリセリル-エチルヘキサノエート-ジメトキシシンナメート、ジ-(2-エチルヘキシル)-4’-メトキシベンザルマロネートなどが例示される。
【0022】
ジベンゾイルメタン誘導体としては、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(例えば「パルソール1789」)などが例示される。
【0023】
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体としては、オクトクリレン(例えば「ユビナールN539T」;BASF社)などが例示される。
【0024】
ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン-1(例えば「ユビナール400」;BASF社)、ベンゾフェノン-2(例えば「ユビナールD50」;BASF社)、ベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン(例えば「ユビナールM40」;BASF社)、ベンゾフェノン-4(例えば「ユビナールMS40」;BASF社)、ベンゾフェノン-5、ベンゾフェノン-6(例えば「ヘリソーブ(Helisorb)11」;ノルクアイ社)、ベンゾフェノン-8(例えば「スペクトラ-ソーブ(Spectra-Sorb)UV-24」;アメリカン・シアナミド社)、ベンゾフェノン-9(例えば「ユビナールDS-49」;BASF社)、ベンゾフェノン-12などが例示される。
【0025】
ベンジリデンショウノウ誘導体としては、3-ベンジリデンショウノウ(例えば「メギゾリル(Mexoryl)SD」;シメックス社)、4-メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸(例えば「メギゾリルSL」;シメックス社)、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム(例えば「メギゾリルSO」;シメックス社)、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸(例えば「メギゾリルSX」;シメックス社)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ(例えば「メギゾリルSW」;シメックス社)などが例示される。
【0026】
フェニルベンゾイミダゾール誘導体としては、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(例えば「ユーソレックス232」;メルク社)、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム(例えば「ネオ・ヘリオパンAP」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
【0027】
トリアジン誘導体としては、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(例えば「チノソーブ(Tinosorb)S」;チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、エチルヘキシルトリアゾン(例えば「ユビナールT150」;BASF社)、ジエチヘキシルブタミドトリアゾン(例えば「ユバソーブ(Uvasorb)HEB」;シグマ3 V社)、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4’-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジンなどが例示される。
【0028】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体としては、ドロメトリゾールトリシロキサン(例えば「シラトリゾール(Silatrizole)」;ローディア・シミー社)、メチレンビス(ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)(例えば「チノソーブM」(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社))などが例示される。
【0029】
アントラニル誘導体としては、アントラニル酸メンチル(例えば「ネオ・ヘリオパンMA」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
【0030】
イミダゾリン誘導体としては、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナートなどが例示される。
【0031】
ベンザルマロナート誘導体としては、ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン(例えば、ポリシリコーン-15;「パルソールSLX」;DSMニュートリション ジャパン社)などが例示される。
【0032】
4,4-ジアリールブタジエン誘導体としては、1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエンなどが例示される。
【0033】
本発明に用いる紫外線吸収剤は、1種でも2種以上を組み合わせて配合してもよい。本発明においては、紫外線防御能をさらに高めるために、少なくとも固形油溶性紫外線吸収剤を組み合わせて配合するのが好ましい。固形油溶性紫外線吸収剤としては、例えばジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン等が挙げられる。
通常、固形油溶性紫外線吸収剤は高極性であるため、乳化化粧料に配合すると安定性を悪くするが、本発明の系においては、固形油溶性紫外線吸収剤を安定に配合することが可能となる。
【0034】
本発明で用いる紫外線散乱剤としては、特に限定されないが、酸化亜鉛または酸化チタンの粉末が挙げられる。
本発明で用いる酸化亜鉛及び酸化チタンとしては、紫外線散乱剤として化粧料に通常配合可能なものであればよい。例えば、一次粒子の平均粒子径が0.005μm以上の酸化亜鉛または酸化チタンが好ましく用いられる。本明細書における平均粒子径は、最終製剤における紫外線散乱剤の一次粒子(各粒子が単独で分散されている場合は当該粒子、塊状の凝集粒子として存在する場合は当該凝集粒子)の平均粒子径を意味する。この平均粒子径は、好ましくは0.01μm~10μm、さらに好ましくは0.02μm~1μm、最も好ましくは0.02μm~0.1μmの範囲である。例えば、平均粒子径が0.02~0.06μmの微粒子や平均粒子径が0.1~1μmの顔料級の紫外線散乱剤が好適である。
【0035】
また、酸化亜鉛または酸化チタン等の基材表面を疎水化処理した疎水性表面を有する紫外線散乱剤が用いられてもよい。
表面疎水化処理の方法としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N-アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;レシチン処理;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸処理;パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン処理、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン処理、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル処理、シリカ処理等が挙げられる。
【0036】
本発明の化粧料における(B)成分の配合量は、化粧料全量に対して、1.0~30質量%、好ましくは3.0~25質量%、より好ましくは5.0~20質量%である。配合量が1.0質量%未満では十分な紫外線防御効果が得られず、30.0質量%を超えて配合すると乳化安定性および使用性が低下する場合がある。
【0037】
本発明の化粧料は、(C)非イオン性界面活性剤(以下、単に「(C)成分」と称する場合がある)を含有する。
【0038】
本発明の化粧料に用いる(C)非イオン性界面活性剤は、特に限定されるものではない。具体例としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレンべへニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、マルチトールヒドロキシ脂肪族アルキルエーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油グリセリル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、テトラポリオキシエチレン・テトラポリオキシプロピレン-エチレンジアミン縮合物、ポリオキシエチレン-ミツロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド、ポリオキシエチレン-プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン-アルキルアミン、ポリオキシエチレン-脂肪酸アミド、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸などが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、1種または2種以上を用いることができる。本発明の(C)非イオン性界面活性剤としては、HLBが8以上の親水性の非イオン性界面活性剤、例えば、ベヘネス-20等のポリオキシエチレン(10~50モル)べへニルエーテル、ポリソルベート60等のモノステアリン酸ポリオキシエチレン(20~60モル)ソルビタン、イソステアリン酸PEG-60グリセリル等のポリオキシエチレン(10~80モル)脂肪酸グリセリル、PPG-8セテス-20等のポリオキシエチレン(10~50モル)ポリオキシプロピレン(2~30モル)セチルエーテル、PEG-60水添ヒマシ油等のポリオキシエチレン(20~100モル)硬化ヒマシ油、ステアリン酸PEG-40等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレン(10~50モル)べへニルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20~60モル)ソルビタン、ポリオキシエチレン(10~50モル)ポリオキシプロピレン(2~30モル)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20~100モル)硬化ヒマシ油から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。さらに、本発明の化粧料では、ポリオキシエチレンべへニルエーテルが好ましく、酸化エチレンの平均付加モル数が20~40であるポリオキシエチレンべへニルエーテルがより好ましく、ベヘネス-20がさらに好ましく用いられる。
【0039】
本発明の化粧料における(C)成分の配合量は、化粧料全量に対して、0.1~10質量%が好ましく、より好ましくは0.2~5.0質量%、さらに好ましくは0.3~2.0質量%である。配合量が0.1質量%未満または10質量%を超えると十分な乳化安定性が得られない場合がある。
【0040】
本発明の化粧料は、(D)高級アルコール(以下、単に「(D)成分」と称する場合がある)を含有する。
【0041】
本発明の化粧料に用いる(D)高級アルコールとしては、化粧品、医薬品、医薬部外品等の分野において使用できる炭素数6以上の高級アルコールであれば特に限定されず、飽和直鎖一価アルコール及び不飽和一価アルコール等を包含する。
【0042】
飽和直鎖一価アルコールとしては、ドデカノール(ラウリルアルコール)、トリドデカノール、テトラドデカノール(ミリスチルアルコール)、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、ノナデカノール、イコサノール(アラキルアルコール)、ヘンイコサノール、ドコサノール(ベヘニルアルコール)、トリコサノール、テトラコサノール(カルナービルアルコール)、ペンタコサノール、ヘキサコサノール(セリルアルコール)等が挙げられる。
【0043】
不飽和一価アルコールとしては、エライジルアルコール等が挙げられる。本発明では経時安定性の点から飽和直鎖一価アルコールが好ましい。
【0044】
本発明における高級アルコールは、上記の1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。本発明では炭素数16~22の一価脂肪族アルコールを用いることが好ましい。なお、本発明においては、複数の高級アルコールを用いる場合にはその混合物の融点が60℃以上となるような組み合わせの混合物が安定性の点で特に好ましい。
【0045】
本発明の化粧料における(D)成分の配合量は、化粧料全量に対して、0.1~10質量%が好ましく、より好ましくは0.2~5.0質量%、さらに好ましくは0.2~3.0質量%である。配合量が0.1質量%未満または10質量%を超えると十分な乳化安定性が得られない場合がある。
【0046】
本発明の化粧料は水中油型乳化物であり、外相に水を含む。本発明では、前記(D)高級アルコールは、前記(C)非イオン性界面活性剤および(E)水とともにラメラ液晶構造を有する会合体(「αゲル」ともいう)を形成する。
【0047】
本発明においては、乳化安定性をさらに高めるために、(C)非イオン性界面活性剤と(D)高級アルコールとの配合比((C)/(D))を、モル比にして0.1~0.5とするのが好ましい。また、同じく乳化安定性をさらに高めるために、(A)(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体と(C)非イオン性界面活性剤と(D)高級アルコールとの配合比((A)/{(C)+(D)})を、質量%にして0.01~2.0とするのが好ましい。
【0048】
本発明の化粧料は、上記(A)~(D)に加えて、(F)高級アルコール以外の油分をさらに含有してもよい。
【0049】
(F)高級アルコール以外の油分としては、一般に化粧品に用いられているものの中から安定性を損なわない範囲で選ぶことができる。望ましい油分としては、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、エステル油、シリコーン油などが挙げられる。油分は、25℃で全体として液状であることが好適である。
【0050】
液体油脂としては、例えば、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0051】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0052】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0053】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、水添ポリデセン等が挙げられる。
【0054】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0055】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0056】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0057】
本発明に用いる(F)高級アルコール以外の油分は、上記の1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明では、炭化水素油、エステル油およびシリコーン油から選択される2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0058】
本発明に(F)高級アルコール以外の油分が配合される場合には、その配合量は、化粧料全量に対して、1.0~20質量%が好ましく、より好ましくは5.0~15質量%である。配合量が1.0質量%未満では紫外線吸収剤の析出や油分の相溶性の悪化がみられ、20質量%を超えて配合すると乳化安定性および使用性が低下する場合がある。
【0059】
本発明の乳化化粧料は、通常の化粧料や医薬部外品に配合可能な他の任意成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。他の任意成分としては、限定するものではないが、例えば、紫外線散乱剤以外の粉末成分、色剤、保湿剤、水性増粘剤、分散剤、防腐剤、香料、各種薬剤等が挙げられる。
【0060】
紫外線散乱剤以外の粉末成分としては、タルク、マイカ、カオリン等の体質顔料、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ナイロン粉末等のポリマー粉末等が挙げられる。
【0061】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール、トレハロース、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子等が挙げられる。
【0062】
水性増粘剤としては、例えば、サクシノグリカン、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、セルロースガム、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー等が挙げられる。
【0063】
本発明の化粧料は、例えば、油相を構成する成分と水相を構成する成分とを別々に混合し、水相に油相を加えて乳化するなどといった、水中油型乳化化粧料の常法に従って製造することができる。
【0064】
本発明の化粧料は、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、ババロア状等のさまざまな剤型の化粧料として提供されうるが、ババロア状であることが特に好ましい。
本願発明の化粧料は、スキンケア化粧料、日焼け止め化粧料、色剤を配合した化粧料、ファンデーション、化粧下地、BBクリームとして提供することができる。
【0065】
本発明の乳化化粧料は、水中油型乳化物に特有のみずみずしい使用感触があり、更に(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸POEモノアルキルエーテルエステル共重合体およびアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス-25メタクリレートクロスポリマーから選択される1種以上の配合により独特のもっちりとした使用感触が得られる。しかも、αゲル構造の導入により油相中に紫外線防御剤を安定に配合できるので、UVAからUVB領域に渡る広い波長領域で優れた紫外線防御効果を発揮する。
【実施例】
【0066】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される組成物全量に対する質量%で示す。
【0067】
以下の表1に掲げた処方で水中油型乳化化粧料を調製した。各例の化粧料(試料)について、安定性、触感、形状およびくずれ感を下記の方法および基準に従って評価した。
【0068】
(1)安定性
調製後、各試料を室温および50℃に1週間放置し、乳化物の状態を評価した。
評価基準:
A:室温および50℃のいずれの場合にも均一に乳化していた。
B:室温では均一であったが、50℃に放置した場合にわずかに分離が見られた。
C:室温および50℃のいずれの場合にも分離がみられた。
【0069】
(2)触感
調製後、化粧料の感触の評価を行った。
評価基準:
A:もっちりとしたババロアのような弾力のある触感があった。
B:わずかに弾力のある触感があった。
C:一般的なクリーム・乳液の感触であった。
【0070】
(3)形状
調製後、化粧料の形状の評価を行った。
評価基準:
A:傾けても流れ落ちず、また、変形した後は液面が平坦になる。
B:傾けるとわずかに流れる。もしくは変形した後、液面がわずかに平坦に戻る。
C:傾けると流れ落ちる。
【0071】
(4)くずれ感
調製後、動的粘弾性測定法による損失正接(tanδ)により、くずれ感を評価した。装置はアントンパール社のレオメータPhysica MCR301を用い、測定治具はコーンプレートを使用した。測定条件はひずみ振り角γを0.05~5,000%(対数増加)、周波数f=1Hz、測定点数60、測定間隔は1sとした。損失正接(tanδ)は動的損失(G”)/貯蔵弾性率(G’)で表される。tanδの変化量(傾き)が大きいほど、弾性体から粘性体への変化量(くずれ感)が大きくなり、その結果塗布感が軽くなる。各点のtanδの傾きを求め、その最大値を以下の基準により判定し、崩れ感を評価した。
評価基準:
A:tanδの傾きの最大値が1.5以上
B:tanδの傾きの最大値が1~1.5未満
C:tanδの傾きの最大値が1.0未満
【0072】
【0073】
本発明の(C)非イオン性界面活性剤および(D)高級アルコールを含まない場合(比較例1)には、化粧料がババロア状の形状を有さず、安定性、触感およびくずれ感のいずれもが劣っていた。また、本発明の(A)成分を含まない場合(比較例2)には、ババロア状の形状を十分に保つことができず、もっちりとした触感や十分なくずれ感が得られなかった。これら比較例に比して、本発明の化粧料(実施例1~3)は、ババロア状の形態を有し、安定性、触感およびくずれ感がともに優れていた。
【0074】
さらに、以下の表2に掲げた処方で水中油型乳化化粧料を調製し、同様に、安定性、触感、形状およびくずれ感について評価した。
【0075】
【0076】
上記実施例4~11の化粧料はいずれも、紫外線防御剤を安定に配合することができ、ババロア状の形態を有し、触感および使用感に優れていた。なお、実施例11の化粧料については塗布感が重く感じられる傾向にあったが、実用性には問題ないレベルであった。
【0077】
以下に、本発明による化粧料の別の処方例を挙げる。いずれの処方も、乳化安定性に優れ、独特のもっちりとした使用感触があり、肌への伸びやみずみずしい使用感を有していた。
【表3】