(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】デジタル・ライセンス・プレートのための熱制御システム
(51)【国際特許分類】
B60R 13/10 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
B60R13/10
(21)【出願番号】P 2019536987
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(86)【国際出願番号】 US2018012634
(87)【国際公開番号】W WO2018129352
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-23
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519241082
【氏名又は名称】リバイバーエムエックス,インク.
【氏名又は名称原語表記】REVIVERMX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】バットン,ディーン
(72)【発明者】
【氏名】オデンハイマー,ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】コペルマン,アヴィ
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/023033(WO,A1)
【文献】特開2008-151989(JP,A)
【文献】特開2009-020285(JP,A)
【文献】特開2006-250992(JP,A)
【文献】特開2013-097174(JP,A)
【文献】特開2015-013560(JP,A)
【文献】特開2015-205602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
法的に要求される情報に加えて他の情報をも表示するように構成され、かつ、熱関連の表示パラメータを変更可能である
ように構成されたディスプレイ・システムと、
前記ディスプレイ・システムの温度を測定するように位置付けられた温度センサと、
前記温度センサに接続され、かつ
、臨界温度に近づくにつれて熱関連の表示パラメータを変更するように構成された温度制御モジュールと、
を備え、
前記ディスプレイ・システムは、臨界温度に近づくにつれて、前記法的に要求される情報を他の情報よりも優先させて表示する、デジタル・ライセンス・プレート。
【請求項2】
前記臨界温度は、摂氏0度未満、および摂氏50度超である、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項3】
前記変更可能な熱関連の表示パラメータは、明るさを含
み、前記温度制御モジュールは、前記ディスプレイ・システムに関連付けられた前記明るさを変更するように構成された明るさ設定を含む、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項4】
前記変更可能な熱関連の表示パラメータは、明るさを含み、明るさは、臨界低温度に近づくにつれて増加させられ、臨界高温度に近づくにつれて低減される、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項5】
前記変更可能な熱関連の表示パラメータは、反射率を変更するための設定を含み、前記ディスプレイ・システムは、臨界低温度に近づくにつれて熱吸収率を増加させ、かつ、臨界高温度に近づくにつれて熱吸収率を低下させるように、
変更及びプログラムさ
れる、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項6】
前記ディスプレイ・システムは、LCD
ディスプレイ及びOLEDディスプレイをさらに備える、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項7】
前記温度制御モジュールは複数の制御設定を含み、該複数の制御設定の各々は前記熱関連の表示パラメータのうちの1つに関連付けられており、前記温度制御モジュールは、臨界温度に近づくにつれて、少なくとも1つの制御設定を操作して前記関連付けられた熱関連の表示パラメータを変更する、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項8】
前記ディスプレイ・システムは、双安定ディスプレイをさらに備える、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項9】
前記ディスプレイ・システムは、加熱要素をさらに備える、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項10】
前記ディスプレイ・システムは、複数のサブ・ディスプレイをさらに備え、少なくとも1つのサブ・ディスプレイが双安定ディスプレイであり、かつ、少なくとも1つのサブ・ディスプレイがカラーLCDまたはOLEDディスプレイである、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項11】
デジタル・ライセンス・プレートを動作させる方法であって、
ディスプレイ・システムを用いて、法的に要求される情報に加えて他の情報をも表示するステップと、
熱関連の表示パラメータを変更可能である
前記ディスプレイ・システムの温度を測定するステップと、
臨界温度に近づくにつれて、熱関連の表示パラメータを変更するステップと、
臨界温度に近づくにつれて、
前記法的に要求される情報
を他の情報よりも優先させて表示するステップと、
を
含む、方法。
【請求項12】
前記臨界温度は、摂氏0度未満、および摂氏50度超である、請求項11に記載のデジタル・ライセンス・プレートを動作させる方法。
【請求項13】
前記変更可能な熱関連の表示パラメータは、明るさを含み、明るさは、臨界低温度に近づくにつれて増加させられ、臨界高温度に近づくにつれて低減される、請求項11に記載のデジタル・ライセンス・プレートを動作させる方法。
【請求項14】
前記変更可能な熱関連の表示パラメータは、反射率を変更するための設定を含み、前記
ディスプレイ・システムは、臨界低温度に近づくにつれて熱吸収率を増加さ
せ、かつ、臨界高温度に近づくにつれて熱吸収率を低下させるように変更される、請求項11に記載のデジタル・ライセンス・プレートを動作させる方法。
【請求項15】
熱関連の表示パラメータを変更する前記ステップは、臨界温度に近づくにつれて、各々が前記熱関連の表示パラメータのうちの1つに関連付けられた複数の制御設定のうちの少なくとも1つを操作することを含む、請求項11に記載のデジタル・ライセンス・プレートを動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,764号明細書、および2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,766号明細書の利益を主張する。以上の出願は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、車両に設置された外部ディスプレイに関し、より詳細には、広い温度範囲にわたって動作することができるデジタル・ライセンス・プレートに関する。
【背景技術】
【0003】
車両のための従来の刻印されたライセンス・プレートは、ライセンス番号を更新することの困難、およびプレートが窃盗または改変を受けやすいことにもかかわらず、長く使用されてきた。刻印されたライセンス・プレートの代わりに、車両識別情報および車両登録情報を提示する動的ディスプレイが、車両の外部に構成され得る。例えば、ReviverMXにともに譲渡された米国特許第9,007,193号明細書、および係属中の公開された米国特許出願第20130006775号明細書が、デジタル・ライセンス・プレートを使用することによって車両識別情報および車両登録情報の更新しやすさを向上させる動的ディスプレイについて説明する。
【0004】
しかし、環境に晒された動的ディスプレイを有するデジタル・システムは、極度に冷たい条件と極度に熱い条件の両方の下で動作することができなければならない。例えば、コンピュータ・ラップトップなどの従来の電子デバイスには、極端な温度による悪影響がある。ラップトップまたはスマートフォンの液晶ディスプレイ(LCD)は、凍結して、動作不能にされる可能性がある一方で、高い温度は、ディスプレイとプロセッサの両方、または他の電子構成要素の故障をもたらす可能性がある。ラップトップおよびスマートフォンは、しばしば、華氏50度から95度(摂氏10度~35度)までの、比較的狭い安全温度範囲内でのみ、通常、機能することができる。この範囲は、屋外環境の最適な使用温度と電子デバイスが使用前に普通、温められる温度の両方に言及している。そのような限られた温度範囲は、氷点を下回る温度、および摂氏40度を超える温度で動作することができなければならない、デジタル・ライセンス・プレートに関して十分ではない。
【0005】
温度の考慮に加えて、ディスプレイは、相当な量の振動、塵埃、または浴びせられる砂利を含む環境において動作することができなければならない。理想的には、ディスプレイは、最小の電力レベルで動作することが必要である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の限定的でなく、網羅的でもない実施形態が、以下の図を参照して説明され、同様の参照符号は、特に明記しない限り、様々な図のすべてにわたって同様の部分を参照する。
【0007】
【
図1】デジタル・ライセンス・プレート・システムの一実施形態を示す図である。
【
図2】デジタル・ライセンス・プレート・システムの様々なシステムを示す図である。
【
図3】デジタル・ライセンス・プレート・システムの動作を示す図である。
【
図6】ディスプレイの明るさを低減することのシステム温度に対する効果を例示する温度比較を示す図である。
【
図7】ディスプレイの明るさを低減することのシステム温度に対する効果を例示する表である。
【
図9】代替の温度管理方法を示すフローチャートである。
【
図10】双安定ディスプレイ構成要素を示す図である。
【
図11】車両上の複数のディスプレイの位置付けを示す図である。
【
図12】複数のサブ・ディスプレイを示す図である。
【
図13】複数のタイプのディスプレイを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、車両識別および登録情報を提示し、かつ車両10の外部に配置され得る動的ディスプレイをサポートするデジタル・ライセンス・プレート・システム11の一実施形態を示す。システム10は、ディスプレイ110と、車両速度センサ120と、車両速度センサ120に結合されたプロセッサ130とを含む車両10の外部で使用するためのディスプレイ・システム100を含む。プロセッサ130は、車両10の速度および状態に基づいてディスプレイ・システム100の3つの動作モード、すなわち、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第1のコンテンツが、第1の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリング
(表示)される第1の動作モード、メッセージ、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第2のコンテンツが、ディスプレイ110上にレンダリングされる第2の動作モード、およびコンテンツが、第1の電力消費レベル未満の第2の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第3の動作モードのうちの1つを実施するように構成される。ディスプレイ・システム100は、好ましくは、コンテンツ(例えば、更新された識別情報、登録情報、および/またはメッセージ)がディスプレイ・システム100に転送されること、およびディスプレイ・システム100から転送されることを可能にする通信デバイス140も含む。ディスプレイ・システム100は、位置センサ160、例えば、全地球測位システム(GPS)デバイス、セルラ・タワー位置三角測量デバイス、またはディスプレイ110が配置された車両10の位置を特定する他の任意の適切な位置センサを含んでもよい。位置センサ160は、車両の実質的に大まかな位置をもたらしても、実質的に厳密な位置をもたらしてもよい。さらに、ディスプレイ・システム100は、コンテンツを記憶するように機能するストレージ・デバイス150を含んでよく、プロセッサ130は、ストレージ・デバイス150からコンテンツを取り出し、かつそのコンテンツをディスプレイ110上でレンダリングしてよい。ディスプレイ・システム100は、第2の車両に対する車両10の近接を特定するセンサをさらに備えてよい。
【0009】
デジタル・ライセンス・プレート・システム11は、好ましくは、個人用の自動車、トラック、オートバイ、レンタカー、企業所有の自動車、または他の任意の適切なタイプの車両などの登録された車両のために使用される。ディスプレイ・システム100は、車両管理局(DMV)などの、好ましくは、官公庁によって提供される車両10の識別情報および/または登録情報をレンダリングするように機能する。好ましくは、プロセッサ120は、表示される領域のサイズおよび大きさ、情報のコンテンツ、サイズ、および文字スタイル、ならびにディスプレイ110の視認性および反射率などの州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上に車両10の識別情報および/または登録情報をレンダリングする。好ましくは、プロセッサ120は、車両10が登録される州の州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングし、代替として、位置センサ(GPSデバイスなどの)を組み込む本発明の実施形態などにおいて、プロセッサ120は、車両が位置する州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングしてよい。ディスプレイ・システム100は、好ましくは、車
両識別情報および/または車両登録情報に加えて、メッセージを表示するように機能する。メッセージは、好ましくは、広告主によって、例えば、ユーザとは実質的に無関係である広告主によって提供される。広告主によって提供される広告の主題は、車両10の運転者および/または所有者と実質的に無関係であってよく、かつ広告は、車両10と実質的に無関係であってよい。代替として、広告は、車両10の運転者および/または所有者が属するデモグラフィックと関係してよく、または車両10の運転者および/または所有者の他の任意の適切な特徴と関係してよい。また、広告は、例えば、パーソナル・コンピュータ上でインターネットを介して、インターネット対応のモバイル電話上でインターネットを介して、または他の任意の適切な方法を介して、車両10の運転者および/または所有者によって選択可能であってもよい。また、広告は、車両10と実質的に関係してもよく、例えば、ポルシェに設置されたディスプレイ・システムが、ポルシェに対するブランド・アフィニティを有するデモグラフィックに的を絞った広告を表示してよい。広告は、車両10の位置と実質的に関係してよく、例えば、車両10が会場の付近内で移動している場合、その会場に関する広告が示されてよい。代替として、メッセージは、法執行機関によって提供されてよく、例えば、行方不明者に関する緊急ブロードキャスト(例えば、アンバ・アラートまたはエルダ・アラート)が提供されてよい。さらに、車両10が盗まれたと届出がされた場合、メッセージは、車両10が盗まれたことを示してよく、それゆえ、車両の外にいる人々が車両10をそのようなものとして識別することを可能にする。
【0010】
代替として、メッセージは、任意の適切なタイプのメッセージであってよく、かつ任意の適切な人々、例えば、公的機関(例えば、DMV)、車両10の運転者、車両10の所有者、車両10と無関係のサード・パーティ、または他の任意の適切な人々によって制御されてよい。第1の例において、メッセージは、車両10のモデル、車両10の排出ガス検査結果、車両10のメンテナンス問題を含め、車両10と関係するさらなる詳細、または車両10と関係する他の任意の適切なタイプの情報を含んでよい。第2の例において、メッセージは、運転者が支持する、もしくは所属する組織(例えば、ガール・スカウト、サンフランシスコ・ジャイアンツ野球チーム、もしくは政党)、運転者が支持する主義(例えば、動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)もしくはがん啓発)、運転者のデモグラフィックを含め、車両10の運転者と関係する詳細、または運転者と関係する他の任意の適切なタイプの情報を含んでよい。この第2の例において、メッセージは、運転者に関する公的な詳細を含んでもよく、例えば、メッセージは、運転者が医師または法執行官であることを示してよく、運転者のサービスが所望されるとき、車両10の外の人々が運転者に要求を向けることを可能にする。また、公的な詳細は、運転者の運転履歴と関係する詳細を含んでもよく、例えば、運転者が不完全な運転記録を有する場合、その車両の付近における他の人々に警告するためにディスプレイ上に通知がレンダリングされてよい。第3の例において、メッセージは、車両10の付近における運転者のための通知、例えば、交通情報または気象予報を含んでよい。第4の例において、メッセージは、車両の所有者に関する詳細を含んでよい。このことは、車両10が自動車隊、例えば、レンタカー代理店、引っ越しトラック・レンタル代理店、行政自動車隊、または他の任意の適切なタイプの自動車隊のメンバである場合、特に有用であり得る。第4の例のメッセージは、車両10がいずれの自動車隊に所属するかを示してよく、この情報は、車両を識別するのに、自動車隊に関して広告するのに(例えば、車両10がレンタカー代理店に所属する場合、メッセージは、広告、もしくはその特定のレンタカー代理店のためのメッセージを含んでよい)、または他の任意の適切な目的で使用されてよい。しかし、そのメッセージは、他の任意の適切なタイプのメッセージであってよい。
【0011】
ディスプレイ・システム100は、好ましくは、電源によって電力供給される。電源は、好ましくは、車両10のアクセサリ・バッテリ、車両10のエンジンなどの車両10の電源、または車両10の他の任意の適切な電源である。代替として、ディスプレイ・システム100は、車両10の電源とは実質的に独立である電源を含み、かつそのような電源
によって電力供給されてよい。ディスプレイ・システム100の電源は、好ましくは、バッテリであるが、代替として、太陽電池パネル、風力発電機、または他の任意の適切なタイプの電源もしくは電源の組合せであってよい。さらに代替として、ディスプレイ・システム100は、充電可能であり、かつ車両10が動作している間、および/または車両10のイグニッションがオンである間、車両10の電力を蓄える車両10の電源に結合された電源を含んでよい。この変形において、ディスプレイ・システム100の電源は、車両が動作している間に生成された電力が、ディスプレイ・システム100によって後の時点で使用されることを可能にする。しかし、ディスプレイ・システム100は、他の任意の適切な方法および/または構成を使用して電力供給されてよい。
【0012】
ディスプレイ110は、コンテンツを表示するように機能し、コンテンツは、車両10の識別情報、車両10の登録情報、およびメッセージのうちの少なくとも1つを含む。ディスプレイ110は、3つの動作モードのうちの1つでプロセッサ130によって動作させられる。ディスプレイ110は、好ましくは、LEDディスプレイ、LCDディスプレイ、電子インク・ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、干渉変調器ディスプレイ(iMoD)、電気泳動堆積(EPD)を使用するディスプレイ、コレステリック液晶ディスプレイ(ChLCD)などの実質的に低電力のディスプレイ、または他の任意の適切なディスプレイである。ディスプレイ110は、代替として、前述のディスプレイ・タイプの組合せであってよい。ディスプレイ110は、好ましくは、実質的に広い範囲の視野角も有する。また、ディスプレイ110は、好ましくは、実質的に薄くもあり、ディスプレイ110が、車両の後方外部および/または前方外部において既存のライセンス・プレートに取って代わることを可能にする。同様に、ディスプレイ110は、好ましくは、既存のライセンス・プレートと実質的に類似した幅、高さ、および/またはアスペクト比のものである。代替として、ディスプレイ110は、既存のライセンス・プレートとは実質的に異なってよい(例えば、欧州ライセンス・プレートの比較的狭い高さの事例において、ディスプレイ110は、実質的に異なる高さのものであってよい)。しかし、ディスプレイ110は、他の任意の適切な大きさのものであってよい。
【0013】
また、ディスプレイ110は、バックライトを含んでもよい。バックライトは、ディスプレイ110によって表示される情報の光強度を制御するように機能する。バックライトは、好ましくは、複数の度合の光強度を含む。プロセッサ130は、動作のモードに基づいて光強度の度合を選択してよい。また、プロセッサ130は、ディスプレイ110に近接した周囲光レベルに基づいて光強度の度合を選択してもよい。例えば、光強度の度合は、昼間により高くてよく、かつ夜間により低くてよい。この変形において、ディスプレイ・システム100は、周囲光のレベルを検出する光センサも含む。また、ディスプレイ・システム100の光強度の度合は、運転者、法執行官、または他の任意の適切な人々の選好に基づいて選択されてもよい。しかし、ディスプレイ・システム100の光強度の度合は、他の任意の適切な基準に基づいて選択されてよい。バックライトは、ディスプレイ110の実質的に外周部上に位置付けられ、かつディスプレイ110に向かうように向けられた照明のセットであってよい。代替として、バックライトは、ディスプレイ110の実質的に背後に位置付けられ、かつディスプレイ110の背後から光をもたらしてよい。しかし、バックライトは、他の任意の適切な構成のものであってよい。バックライトは、LEDなどの一連の低電力光源であってよいが、代替として、他の任意のタイプの光源であってよい。代替として、ディスプレイは、反射された光でディスプレイ110を照明するように機能する光反射表面を含んでよい。光反射表面は、鏡、または他の任意の適切なタイプの反射材であってよい。また、光反射表面は、光源の方向に光を反射させる再帰反射材のものであってもよい。また、光反射表面は、ディスプレイ110をより効率的に照明する光源と組み合わされてもよく、例えば、高速道路標識上で使用される半透過性の材料であってもよい。しかし、他の任意の適切な材料または方法が、ディスプレイを照明するのに使用されてよい。
【0014】
車両速度センサ120は、車両10の速度を検出するように機能する。車両速度センサ120は、好ましくは、車両10に結合された加速度計、または車両10のドライブトレインに結合され、かつ、車両10の速度を特定するために或る期間にわたって、ホイールなどのドライブトレイン構成要素の回転数を測定するタコメータなどの、車両10の実際の速度および/または加速度を測定するセンサである。第2の変形において、車両速度センサ120は、車両10の速度計、および/または車両10の搭載されたコンピュータに結合され、この構成において、速度センサ120は、車両速度を直接に測定するのではなく、速度計および/または搭載されたコンピュータによって収集された情報をプロセッサ130に伝送するように機能する。しかし、車両速度センサ120は、車両10の実際の速度および/または加速度を特定する他の任意の適切なタイプのセンサであってよい。代替として、車両速度センサ120は、車両の相対速度および/または加速度を測定するセンサ、例えば、別の物体を基準とした車両の速度を特定する超音波センサまたは赤外線センサであってよい。その別の物体は、道路の静止した部分、または近くの車両であってよい。しかし、車両速度センサ120は、他の任意の適切な方法またはセンサ・タイプを使用して車両10の速度を特定してよい。
【0015】
プロセッサ130は、ディスプレイ・システム100の動作モード、すなわち、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第1のコンテンツが、第1の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第1の動作モード、メッセージを含み、かつ、場合により、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第2のコンテンツが、ディスプレイ110上にレンダリングされる第2の動作モード、およびコンテンツが、第1の電力消費レベル未満の第2の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第3の動作モードに基づいて、ディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングするように機能する。好ましくは、第3の動作モードでレンダリングされるコンテンツは、車両10の識別情報および登録情報を含む。ディスプレイ・システム100の変形において、第3の動作モードでレンダリングされるコンテンツは、車両10の識別情報および/または登録情報に加えて、メッセージを含む。しかし、第3の動作モードでディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツは、他の任意の情報もしくはメッセージ、またはそのような情報もしくはメッセージの組合せを含んでよい。
【0016】
プロセッサ130は、好ましくは、車両速度センサ120に結合される。前述したとおり、車両速度センサ120によって特定される速度は、車両10の実際の速度であってよく、または、代替として、別の物体(例えば、近隣の車両)を基準とした車両10の速度であってよい。プロセッサ130は、好ましくは、車両10の速度および電力状態に基づいてディスプレイ・システム100の動作モードを選択する。しかし、車両10の搭載されたコンピュータ、法執行官、遠隔サーバに接続された第2のプロセッサなどの、プロセッサ以外のデバイス、または他の任意の適切なデバイスもしくは機関が、ディスプレイ・システム100の動作モードを選択してよい。プロセッサ130は、好ましくは、車両10がオンであるとき、第1の動作モードおよび第2の動作モードでディスプレイ110を動作させ、かつプロセッサは、好ましくは、車両10がオフであるとき、第3の動作モードでディスプレイ110を動作させる。車両10は、好ましくは、運転者が車両10のいずれかの部分をオンにしたとき、「オン」と見なされる。多くの自動車において、複数の「オン」状態、例えば、窓を開けることおよび閉めることなどの基本的な機能が許される第1の「オン」状態、換気システムまたはサウンド・システムなどの、より高度な機能および/またはより高電力の機能が許される第2の「オン」状態、ならびに車両が運転され得る(または、言い換えれば、イグニッションがオンである)第3の「オン」状態が存在する。車両10は、それ以外の場合、「オフ」と見なされてよい。「オフ」状態において、車両のいくつかの部分、例えば、セキュリティ・センサ、キー近接センサ(キーレス・エントリなどの)、または他の任意のタイプの実質的に低電力の機能は、依然として「オ
ン」であってよい。代替として、車両10は、車両が運転者に提供し得る他のいずれの機能にもかかわりなく、イグニッションがオンであるとき、「オン」と見なされてよく、イグニッションがオフであるとき、「オフ」と見なされてよい。さらに代替として、車両10は、車両内に人の存在が検出されるとき、「オン」と見なされてよく、車両内に誰もいないとき、「オフ」と見なされてよい。また、車両10は、イグニッションの状態、または車両10内の人の存在にかかわりなく、車両10の緊急ブレーキまたはトランスミッション・パーキング・ブレーキが係合されているとき、「オフ」と見なされてもよい。しかし、車両は、他の任意の適切な基準を使用して「オン」と見なされること、および「オン」と見なされることが可能である。プロセッサ130は、好ましくは、車両10が第1の速度にあるとき、第1の動作モードでディスプレイ110を動作させ、好ましくは、車両10が、第1の速度より低い第2の速度にあるとき、第2の動作モードでディスプレイ110を動作させる。第2の速度は、好ましくは、実質的にゼロ速度である、またはゼロ速度に実質的に近い。このことは、
図1に示されるとおり、車両10が動いている(第1の速度)間、車両10の識別情報および/または登録情報が実質的に視認できることを可能にする。このことは、車両10の外の任意の人々が、静的な(または刻印された)ライセンス・プレート上の情報に視覚的にアクセスするのと類似した様態で、ディスプレイ110上にレンダリングされた情報に視覚的にアクセスすることを可能にする。一変形において、プロセッサ130は、車両10がオンであり、かつ第2の速度にあるとき、第2の動作モードでディスプレイ110を動作させ、かつディスプレイ110上に第2のコンテンツをレンダリングし、第2の速度は、好ましくは、車両が交通渋滞のなかをゆっくりと動いている場合などの、ゼロ速度、または実質的に遅い速度である。第2のモードにおいて示されるメッセージは、ディスプレイの表示領域の一部分を占めるため、やはり示される識別情報および/または登録情報は、第1の動作モードと比べて、第2の動作モードにおいて表示領域のより小さい部分を消費することが可能である。識別情報および登録情報は、メッセージが車両10情報と同時に表示されるとき、ディスプレイ110上でより小さいサイズであるため、識別情報および登録情報の視認性は、第1の動作モードと比べて、第2の動作モードにおいてより低い可能性がある。代替として、第2の動作モードにおいてディスプレイ110上にレンダリングされる識別情報および/または登録情報は、第1のモードの場合と同一のフォーマット、または類似したフォーマット(例えば、サイズおよびレイアウト)であってよいが、メッセージは、識別情報および/または登録情報と重なり合うようにディスプレイ上にレンダリングされ得る。このこともまた、車両10の識別情報および/または登録情報のより低い視認性をもたらし得る。したがって、メッセージは、車両10が相当な速度で移動しているときに識別情報および/または登録情報の低下した視認性が生じないように、車両が停止されているとき、またはほぼ停止されているときなどの条件下においてのみ表示されてよいが、車両が第2の速度にあるときにメッセージを表示するさらなる機能は、依然として残る。さらに、メッセージは、車両10が動いている間、車両10の外の人々に望ましくない目障りなものとなる可能性があり、このため、車両が停止されている、またはほぼ停止されている間に限ってメッセージを表示することによって、目障りとなる可能性が、実質的に低減され得る。しかし、プロセッサ130は、代替として、他の任意の適切な速度構成において第1の動作モードおよび第2の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。このことの変形において、ディスプレイ・システム100は、ディスプレイ110が車両10の前方外部に設置されているとき、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを水平に鏡映させることによって車両10の外の人々にとっての情報の読みやすさを高めてよく、この変形において、ディスプレイ上にレンダリングされるコンテンツは、車両10の前方に位置する第2の車両のバックミラーまたはサイドミラーにおいてディスプレイ110を見る人々によって正しい向きで読まれることが可能である。しかし、プロセッサは、ディスプレイ110によってもたらされる目障りが低減され、かつ表示されるコンテンツの読みやすさが向上させられるように他の任意の手段または構成によってディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングしてよい。
【0017】
前述したとおり、プロセッサ130は、好ましくは、車両10がオフであるとき、第3の動作モードでディスプレイ110を動作させるように機能する。第3の動作モードは、好ましくは、第1の電力消費レベル未満の第2のより低い電力消費レベルで車両10の識別情報および登録情報を表示する。このことの変形において、車両10の識別情報および登録情報に加えて、メッセージがディスプレイ110上にレンダリングされ、ただし、第3の動作モードにあるとき、メッセージ、車両10の識別情報、および車両10の登録情報のうちのいずれか1つ、もしくは組合せ、または他の任意の情報がディスプレイ110上にレンダリングされてよい。車両10がオフであるとき、ディスプレイ・システム100が利用可能な電力は、車両がオンであるときと比べて、より少ない可能性がある。例えば、ディスプレイ・システム100が車両10の電源から電力を獲得する変形において、ディスプレイ・システム100は、車両がオンであった別の期間から蓄積されたエネルギーを利用している可能性がある。このため、電力の限られた供給が存在し、車両がオフである間、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードと比べて、より低い電力消費レベルで第3の動作モードにおいてディスプレイ110を動作させることによって、ディスプレイ110上にコンテンツがレンダリングされ得る時間の長さが、ディスプレイ・システム100が利用可能な所与の量のエネルギーに関して増加され得る。
【0018】
第3の動作モードにおけるディスプレイ110の動作は、様々な構成においてデジタル・システム100の電力消費を低減してよい。第1の変形において、ディスプレイ110は、第1の時点でオフにされ、かつ第2の時点でオンにされてよい。ディスプレイ110は、特定の時間間隔で、例えば、5分ごとにオンとオフを繰り返すようにタイミング調整されてよい。運転者、所有者、または他の任意の適切な人々が、それらの間隔を調整してよい。このことは、ディスプレイ110が、或る長さの時間にわたってオフにされ、かつ別の長さの時間にわたってオンにされることを可能にする。ディスプレイ110がオフにされる時間の長さは、好ましくは、ディスプレイ110がオンにされる時間の長さと比べて、実質的により長く、このことが、ディスプレイ110の電力消費を実質的に低減する。さらなる変形において、第3の動作モードにあるとき、コンテンツは、第1の動作モードで動作しているときと比べて、表示するのにより少ない電力を要求する色でディスプレイ110上にレンダリングされてよい。しかし、プロセッサは、第3の動作モードにあるとき、第1の動作モードと比べて、ディスプレイ110の電力消費を低減する他の任意の手段によってディスプレイ110を動作させてよい。さらに、プロセッサ130は、第3の動作モードにあるとき、例えば、クロック速度を低減すること、通信デバイス140にデータを送信すること、および/もしくは通信デバイス140からデータを受信することなどの補助機能をシャットダウンすること、またはプロセッサ130の電力消費を低減する他の任意の方法によって、プロセッサ130の電力消費レベルを低減してよい。プロセッサ130が第3の動作モードでディスプレイを動作させるとき、ディスプレイ110の光強度は、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードの光強度と実質的に同一であってよい。代替として、車両10は、オフであるとき、静止していると想定され(この想定の可能な例外は、車両10が牽引されているときである)、かつメッセージ、ならびに/または識別情報および/もしくは登録情報が示されるべき人々は、車両10に実質的に近接しているため、ディスプレイ110の光強度は、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードの場合と比べて、第3の動作モードにおいて実質的により低くてよい。しかし、他の任意の適切な光強度が、第3の動作モードにおいて使用されてよい。
【0019】
第2の変形において、ディスプレイは、第3の動作モードで動作しているとき、継続的にオンであってよいが、このことは、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードと比べて、実質的により低い光強度においてである。第1の例において、ディスプレイ110のバックライトは、第3の動作モードにおいて最低の光強度であってよい。第2の例において、電子インクであるディスプレイ110の変形において、ディスプレイ110の
バックライトは、オフにされてよく、双安定であり、維持するのにさらなる電力を要求することもない電子インクだけが、視認できることを可能にする。第3の動作モードにおいてディスプレイ110の電力消費を低減する方法および構成は、好ましくは、前述の2つの変形のうちの1つであるが、代替として、前述の変形の組合せ、または他の任意の適切な方法もしくは構成の組合せであってよい。
【0020】
プロセッサ130は、代替として、第4の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。第4のモードは、通信デバイス140を介した通信によって決定されてよい。第1の例において、通信デバイス140は、法執行機関と通信してよく、かつ車両10が窃盗にあっていることをプロセッサ130に示してよい。すると、プロセッサ130は、車両10が盗まれた車両であるという通知がディスプレイ110上にレンダリングされる第4の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。しかし、第4のモードは、代替として、他の任意の適切なタイプのものであってよく、かつ他の任意の適切な方法によって作動させられてよい。
【0021】
通信デバイス140は、コンテンツ、情報、および/またはデータがディスプレイ・システム100に転送されること、およびディスプレイ・システム100から転送されることを可能にするように機能する。通信は、公的組織(DMV事務所または法執行機関などの)、コンテンツ・データベース、車両のドライバ、車両の所有者、または他の任意の適切な人々を相手に行われてよい。通信デバイスは、車両識別情報および/または車両登録情報、車両メンテナンス情報、運転者情報、車両位置情報(例えば、GPS位置特定デバイスを含む、もしくはGPS位置特定サービスにアクセスするディスプレイ・システム100の変形において)、更新された広告に関する情報、または他の任意の適切なタイプの情報を送信してよく、かつ/または受信してよい。通信デバイス140は、好ましくは、無線通信タイプ、例えば、セルラ電話タワーと通信するタイプ、Wi-Fiハブ、または他の任意の適切なタイプの無線通信のものである。しかし、通信デバイス140は、有線通信デバイスであってよい。この変形において、更新された情報は、ディスプレイ・システム100が更新デバイス、例えば、メンテナンス施設における、DMV事務所における、もしくは他の任意の適切なロケーションにおけるコンピュータに、または無線通信能力を有する別の車両および/もしくはディスプレイ・デバイス100に「プラグ接続」されたとき、転送される。また、通信デバイス140は、ディスプレイ・システム100に対する通信および/またはディスプレイ・システム100からの通信を解釈するように機能する通信プロセッサを含んでもよい。通信プロセッサは、好ましくは、プロセッサ130とは別個であるが、代替として、プロセッサ130であってよい。通信プロセッサは、ディスプレイ・システム100に対する通信、および/またはディスプレイ・システム100からの通信を暗号化するように、かつ/または解読するように機能してよい。暗号化/解読は、様々な認証および暗号化スキーマのいずれか1つであってよい。例えば、ディフィ・ヘルマン鍵交換、ワイヤレス・トランスポート・レイヤ・セキュリティ(WTLS)などの暗号プロトコル、または他の任意の適切なタイプのプロトコル。また、通信プロセッサは、データ暗号化標準(DES)、トリプル・データ暗号化標準(3-DES)、またはアドバンスト暗号化標準(AES)などの暗号化標準にデータを暗号化するように機能してもよい。しかし、通信デバイス140は、他の任意の適切なタイプの通信を可能にしてよく、かつ他の任意の適切な構成のものであってよい。
【0022】
通信デバイス140は、コンテンツ・データベースからコンテンツ、情報、および/またはデータを受信してよい。好ましくは、コンテンツ・データベースは、プロセッサ130から実質的に遠隔に構成されてよい。また、コンテンツ・データベースは、好ましくは、機関、例えば、広告主、学校、レコード会社、またはスポーツ・チームもしくはスポーツ会場によって提供されるコンテンツを包含み、機関によって提供されるコンテンツは、好ましくは、広告を含む。代替として、コンテンツ・データベースは、車両10の運転者
および/または所有者によって提供されるコンテンツ、例えば、高校を卒業した子供に祝辞を述べる車両10の所有者によって作成されたメッセージを包含してよい。しかし、他の任意の適切な人々が、コンテンツ・データベースにコンテンツを提供してよく、かつコンテンツ・データベースは、1つまたは複数の機関からの広告と1名または複数名の個人からの個人的メッセージの組合せを含んでよい。第1の例において、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、通信デバイス140を介してプロセッサ130によってアクセスされ、かつストレージ・デバイス150上に記憶される。好ましくは、ストレージ・デバイス150は、車両10内、またはディスプレイ110を包含する筐体内などの、ディスプレイ110に実質的に近接して構成されるが、ストレージ・デバイス150は、遠隔サーバに接続されたハードドライブ上など、車両10から遠隔に位置付けられてよい。第2の例において、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、通信デバイス140を介してリアルタイムでアクセスされ、その後、ディスプレイ110上にレンダリングされ、その結果、ストレージ・デバイス150上にコンテンツを記憶することをとばす。しかし、遠隔メッセージ・データベースからのコンテンツは、他の任意の手段によってアクセスされてから、ディスプレイ110上にレンダリングされてよい。第3の例において、ストレージ・デバイスは、コンテンツ・データベースとしても機能し、前掲されるような少なくとも1つの機関または個人からのコンテンツが、ストレージ・デバイス上に記憶されてよく、かつディスプレイ110上にレンダリングされるように車両10の運転者および/または所有者によって選択されてもよい。この変形において、コンテンツ・データベースとしても機能する、ディスプレイ・システム100のストレージ・デバイス150は、第2の車両上に構成されたディスプレイ・システムなどの、ディスプレイ・システム100とは別個の第2のディスプレイ・システムによってアクセスされてよい。しかし、他の任意の適切な人々が、コンテンツ・データベースからディスプレイ110上にレンダリングされるべきコンテンツを選択してよい。さらに、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、インターフェースを介して、車両10の運転者および/もしくは所有者、または他の任意の適切な人々によって選択されること、アクセスされること、および/または変更されることが可能である。好ましくは、そのインターフェースは、インターネット・ベースであり、かつ、例えば、モバイル・スマート・フォン上、またはコンピュータ上のウェブ・ブラウザを介してアクセス可能である。第1の例において、車両10の運転者および/または所有者は、インターネット対応のモバイル電話を用いてインターフェースにアクセスし、その後、コンテンツ・データベースにログインして、運転者および/または所有者がディスプレイ110上にレンダリングされることを所望するコンテンツ(例えば、サンフランシスコ・ジャイアンツ野球バナー)を選択してよい。第2の例において、コンテンツ・データベースは、車両登録情報を記憶し、車両10の登録が更新されると、DMV代表者が、インターフェースを備えたコンピュータを介してコンテンツ・データベースにアクセスし、その後、コンテンツ・データベース上の車両10の登録情報を更新してよく、通信デバイス140が、次に、コンテンツ・データベースから更新された登録情報を取り出してよく、ディスプレイ110上にその後、レンダリングされる登録情報が、その更新を反映することが可能である。代替として、インターフェースは、ディスプレイ・システム100に直結された、または物理的に「プラグ接続」されたハンドヘルド・デバイスであってよい。この変形において、インターフェースは、ディスプレイ・システム100から取外し可能であっても、そうでなくてもよい。さらに、インターフェースは、通信デバイス140を介してコンテンツ・データベースに結合されなくてよく、代わりに、車両10の運転者および/もしくは所有者、または他の任意の適切な人々が、ディスプレイ110に実質的に近接して構成されたストレージ・デバイス150などの、ディスプレイ・システム100上に既に位置付けられたコンテンツにアクセスすることを可能にするだけでよい。例えば、法執行官が、交通違反に関して車両10の運転者を停車させると、車両10上に構成されたディスプレイ・システム100に、インターフェースを備えたデバイスをつないでよく、インターフェースは、車両10の現在の識別情報および/または登録情報へのアクセスを提供する。しかし、インターフェースは、ディスプレイ・システム1
10に結合された他の任意のデバイスに包含される任意のコンテンツに、かつ他の任意の手段によってアクセスを許してよい。
【0023】
通信デバイス140は、ディスプレイ110上の特定のコンテンツのレンダリングに関するデータを送信してよい。好ましくは、広告が、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツに含められ、かつ通信デバイス140が、ディスプレイ110の広告のレンダリングに関するデータを送信する。このデータは、例えば、広告がどれだけの時間、表示されたか、広告がいつ表示されたか、および広告がどこで表示されたかを含んでよい。代替として、このデータは、プロセッサ130によって収集され、かつ/または記憶されることも可能であり、ただし、このデータは、他の任意のデバイスまたは手段によって収集され、かつ記憶されることも可能である。好ましくは、この情報は、車両10の運転者および/または所有者に授与された報償の大きさまたはタイプを特定するのに使用される。第1の例において、所与のチームが出場する野球の試合のチケットに関する広告が、ディスプレイ110上にレンダリングされる場合、車両10の運転者および/または所有者は、その広告がディスプレイ110上にレンダリングされた時間の長さに見合った金銭的報償を受け取ってよく、代替として、車両10の所有者および/または運転者は、野球の試合の入場者数が比較的低い区域においてその広告を表示することの見返りとして、このチームが出場する野球の試合の1枚または複数枚のチケットを受け取ってよい。しかし、他の任意の方法が、ディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングすることの見返りとして車両10の運転者および/または所有者に他の任意のタイプの報償を授与するのに使用されてよい。
【0024】
第2の車両に対する車両10の近接を特定するためのセンサは、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを変更するようプロセッサ120に示すように機能する。プロセッサ120は、好ましくは、第2の車両が車両10に実質的に近接しているときディスプレイ110上に広告などのメッセージをレンダリングし(第2のモードなどで)、プロセッサ120は、好ましくは、センサが、車両10に実質的に近接している第2の車両を検出しないときディスプレイ110上に車両10の識別情報および登録情報をレンダリングする(第1のモードまたは第3のモードなどで)。センサは、RADAR検出器、LIDAR検出器、IR送信機-フォトレジスタ・ペア、カメラ、または第2の車両に対する車両10の近接を検出するように構成された他の任意の適切なデバイスであってよい。カメラであるセンサの実施形態において、カメラは、第2の車両の識別情報(第2の車両のライセンス・プレート番号などの)を検出するように構成されてよく、この情報は、第2の車両の所有者を特定するのに、かつ第2の車両の所有者と関係する情報を獲得するのに使用されてよい。次に、プロセッサ120が、第2の車両の所有者が少なくとも60才であると特定された場合、割引価格の処方薬に関する広告を表示することによって、第2の車両の所有者が女性であると特定された場合、女性のファッション店に関する広告を表示することによって、または第2の車両が法執行機関によって所有されている、もしくは使用されていると特定された場合、運転者情報を表示することによってなど、第2の車両の所有者のデモグラフィックに基づいてディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを変更してよい。この例において、第2の車両の識別情報が、車両識別情報のデータベースに送信されてよく、データベースは、年令、エスニシティ、または性別などの、第2の車両10の所有者についての情報を戻し、データベースは、DMVまたは米国自動車協会(AAA)などのエンティティによって維持管理されてよい。代替として、カメラは、第2の車両の運転者のデモグラフィックを(例えば、その運転者を、顔認識ソフトウェアによって特定のエスニシティと照合することによって)、またはディスプレイ120上にレンダリングされるメッセージに対する第2の車両の運転者の応答を直接に特定するように構成されてよい。後者の例において、第2の車両の運転者の応答は、初期の応答が否定的であった場合、より好意的な応答をもたらし得る代替のメッセージを選ぶのに使用されてよく、または最初の応答が肯定的であった場合、類似したメッセージを選択す
るのに使用されてよい。さらに、センサがカメラである実施形態において、カメラは、コンテンツが適切な光レベルでディスプレイ上にレンダリングされ得るように、車両10に実質的に近接した周囲光のレベルを測定するのに使用されてよく、例えば、ディスプレイの明るさは、カメラが、車両10の近くの高いレベルの太陽光を特定した場合、増加してよい。しかし、センサは、第2の車両と関係のある他の任意の情報を検出し、かつ他の任意の変数に基づいてディスプレイ上でレンダリングされるコンテンツを変更するようにプロセッサ120に示してよい。
【0025】
図2は、デジタル・ライセンス・プレート・システム200に組み込まれ得る様々なシステム、サブシステム、またはモジュールを、車両システム218、車両乗員、またはサード・パーティの人もしくは自動化されたシステム220などの潜在的な相互作用する動作主体とともに示す。この図において、デジタル・ライセンス・プレート202は、車両上に設置され得る。デジタル・ライセンス・プレート内のシステムは、電力システム204と、熱制御システム206と、センサ・システム208とを含み得るが、以上には限定されない。電子セキュリティ・システム210が、データ・ログ記録およびインターフェース・システム212を介してログ記録され、かつ配信されるデータ、または通信システム214を通じて受信される/送信される通信に対する許可のないアクセスを制限する。受信されるデータは、ディスプレイ216によって提示される情報を決定するのに、または更新するのに使用され得る。
【0026】
図3は、デジタル・ライセンス・プレート・システムの一実施形態を動作させるための方法を示す。デジタル・ライセンス・プレートを特定の車両に登録し、かつ結び付ける初期セットアップ302の後、デジタル・ライセンス・プレートは、車両始動時に(または、代替として、車両停止時に)初期設定304の準備ができていることが可能であり、デジタル・ライセンス・プレートに関するコンテキスト、位置、またはディスプレイ・プリセットを識別するのを助けるようにタイマまたはセンサを使用することが可能である。データ・アップロード/ダウンロードが開始されることが可能であり、かつ任意のファームウェア/ソフトウェア更新が完了されることが可能である。通常の動作において、ディスプレイに対する変更306は、感知されたデータ308に応答して、データ・ストレージもしくは解析システム310から、または外部通信およびデータ転送312の結果として行われ得る。同様に、内部トリガまたは外部から受信されたデータに基づいて、感知された、または記憶されたデータが、送信されること、または受信されることが可能であり、かつセンサが活性化されること、不活性化されること、またはセンサ・データが解析されることが可能である。車両が停止したとき、またはタイミング・トリガもしくは他の適切なトリガに応答して、データが、初期設定ステップ304に再び転送される(線314を介して)ことが可能である。
【0027】
図4は、冷却フィンを例示する、ベゼルの2つの
図400を示す。
図4の
図400は、デジタル・ディスプレイ110を囲むフレームとして機能するベゼル402を示す。404は、冷却フィン406のセットを示す、ベゼル402の代替の図である。冷却フィン406は、デジタル・ディスプレイ110から熱を放射するように機能して、その結果、デジタル・ディスプレイ110に関連する加熱率を低減するのを助ける。
【0028】
いくつかの実施形態において、熱導管がベゼル402の一部として含められてよく、熱導管は、熱を逃すべく回路基板構成要素と直接に接触し、かつ熱伝導を助ける何らかの種類の熱伝達化合物(場合により、ジェルまたはペーストの形態の)を含んでもよい。他の実施形態は、熱電冷却(例えば、ペルチェ素子)を使用してディスプレイ・システム110に能動冷却をもたらしてよい。
【0029】
また、
図2に関連して簡単に説明したような適切な熱制御システムも、或る範囲の条件
下で信頼できる動作を確実にするために有用である。
図1に関して前述したとおり、ディスプレイ・システム100は、車両の外部に設置されてよく、かつ或る範囲の温度に晒され得る。さらに、ディスプレイ・システム100は、ディスプレイ110などの関連付けられた構成要素におけるワット損により熱を発生させる。一部の条件において、ディスプレイ・システム100が過熱するのを防止することが重要であり得る。以下に提示されるのは、ディスプレイ・システム100における過熱効果がどのように低減され得るかについての説明である。発生する熱の量を調整する1つの戦略は、ディスプレイ・システム100に関連する検出される温度に応じてディスプレイ110の明るさを低減することである。
【0030】
温度調整のための制御ロジックは、デバイスの実験的なベンチ・テストから収集されたデータに基づいて作成される。デバイスを制限すべき温度上限を判定する制御ロジックのいくつかの重要な変数は、その限度に達したときに明るさを低減する量、明るさを増加させることを開始すべき下限温度、デバイスが安全な温度範囲に入った後、明るさを増加させるべき量、明るさおよび温度を調べるためのサンプリング・レート、ならびに周囲光レベルに依存して変わる最大明るさレベルである。
【0031】
デバイスの現在の最大許容可能温度は、システム・オン・マイクロプロセッサ(SOM)センサによって読み取られる、定義された温度に設定される。この温度に達しないことを確実にするのに、温度上限は、この温度よりいくらかの量、低い必要がある。明るさを低減することをいつ開始すべきかを判定するのに、
図5に示されるデータの以下のセットがベースラインとして使用される。
図5におけるグラフは、デバイスが、しばらくの間、実行された後、冷却する時間なしに再スタートされたテスト実行を示す。これは、SOM温度に関する最悪シナリオである。このデータ・セットにおいて、SOMは、60秒に8.5℃の急上昇をする。制御ロジックに関して60秒ごとにデータをサンプリングするものと想定して、プレートは、79.2℃の最大温度
よりも8.5℃
低い温度で停止されなければならない。この理由で、デバイスを制限する温度は、70.7℃に設定される。
【0032】
図6は、ディスプレイの明るさを低減することがシステム温度に与える効果を示す。
【0033】
図7は、温度低下が、ディスプレイの明るさにおける10%、15%、および20%のデクリメント・ステップとどのように互いに関係するかを示すテーブル700である。
【0034】
図8は、明るさ制御ロジックを実施する方法800の一実施形態を示すフローチャートを示す。
【0035】
802において、方法は、定義された時間間隔で(例えば、60秒ごとに)SOM温度およびディスプレイの明るさをサンプリングする。804において、方法は、温度が70.7℃以上であるかどうかを調べる。温度が70.7℃以上である場合、方法は、方法が、ディスプレイの明るさを15%低減する、806に進み、その後、方法は、802に戻る。804において、温度が70.7℃以上ではない場合、方法は、方法が、温度が67℃以下であるかどうかを調べる808に進む。温度が67℃以下でない場合、方法は、802に戻る。808において、温度が67℃未満である場合、方法は、方法が、定められたポイントに到達しているかどうかを調べる、810に進み、ここで、「定められたポイント」という用語は、所定の明るさ値を指すように使用される。定められたポイントに到達している場合、方法は、802に戻り、そうでない場合、方法は、方法が、ディスプレイの明るさを5%、または他の任意の事前設定された値だけ増加させる、812に進み、再び802に戻る。
【0036】
実際、そのポイントを下回ると画像の明るさが増加される、下方の温度閾値が設定され
る。ディスプレイ・システムが安全温度に達すると、明るさは、デバイスが、明るさを増加させることと、減少させることのループにはまり込まないように、定められたポイントにゆっくりと戻るように増加することを始めなければならない。明るさは、15%のインクリメントで下げられるので、明るさは、温度が定められた値を下回ると、5%のインクリメントで増加される。この組み込まれたヒステリシスは、デバイスが明るさを変更することのループにはまり込むことを防止する。一部の実施形態において、より高速なサンプリング・レートが、温度センサにおける雑音のために誤ったアクションが行われる危険を冒しながら、明るさのより細かい調整を可能にしてよい。明るさの定められたポイントは、起動時にデバイスにおける周囲光センサから生成されることが可能であり、かつその後、60秒ごとに再較正されることが可能である。
【0037】
図9は、プレート温度管理を例示するフローチャート900である。温度管理は、画面の明るさを変化させ、これにより、電力消費を変化させ、このことが、放熱および関連する周囲温度に直接に影響を及ぼすことによって実現される。902において、方法は、周囲光センサ読取り値に基づいてパラメータ、maxBrightnessの値を設定する。904において、方法は、温度値を読み取り、その値を変数、tempValueに割り当てる。次に、906において、方法は、tempValueを、変数、maxTempによって表される所定の最大温度と比較する。一部の実施形態において、maxTempの値は、75℃であってよい。906において、方法が、tempValueがmaxTempを超えていないと判定した場合、方法は、908に進み、方法は、tempValueを、変数、minTempによって表される、所定の最小温度値と比較する。一部の実施形態において、minTempの値は、45℃であってよい。908において、方法が、tempValueがminTemp未満ではないと判定した場合、方法は、910に進み、方法は、変数、targetBrightnessによって表される、目標明るさレベルを、変数、curBrightnessによって表される、現在の明るさ値に設定する。次に、方法は、914に進み、画面の明るさが、targetBrightnessの値に調整され、その後、方法は、902に戻る。
【0038】
906を再び参照すると、方法が、tempValueがmaxTempを超えていると判定した場合、方法は、916に進み、targetBrightnessが、現在の明るさの縮小されたバージョンとして計算され、現在の明るさは、変数、curBrightnessによって表される。一部の実施形態において、targetBrightnessには、0.92×curBrightnessの値が割り当てられてよい。次に、918において、方法は、targetBrightnessが、変数、minBrightnessによって表される、許容可能な最小の明るさ値未満であるかどうかを確かめる。targetBrightnessがminBrightness未満ではない場合、方法は、914に進み、画面の明るさが、targetBrightnessの値に調整され、その後、方法は、902に戻る。918において、targetBrightnessがminBrightness未満である場合、方法は、920に進み、targetBrightnessにminBrightnessの値が割り当てられる。次に、方法は、914に進み、画面の明るさがtargetBrightnessの値に調整され、その後、方法は、902に戻る。
【0039】
908に戻ると、方法が、tempValueがminTemp未満であると判定した場合、方法は、922に進み、targetBrightnessが、現在の明るさの拡大されたバージョンとして計算され、現在の明るさは、変数、curBrightnessによって表される。一部の実施形態において、targetBrightnessには、1.5×curBrightnessの値が割り当てられてよい。次に、924において、方法は、targetBrightnessが、変数、maxBrightnessによって表される、許容可能な最大の明るさ値を超えているかどうかを確かめる。tar
getBrightnessがmaxBrightnessを超えていない場合、方法は、914に進み、画面の明るさが、targetBrightnessの値に調整され、その後、方法は、902に戻る。924で、targetBrightnessがmaxBrightnessを超えている場合、方法は、926に進み、targetBrightnessにmaxBrightnessの値が割り当てられる。次に、方法は、914に進み、画面の明るさが、targetBrightnessの値に調整され、その後、方法は、902に戻る。
【0040】
一部の実施形態において、デジタル・ディスプレイ110は、双安定ディスプレイであってよい。低い動作温度の下で、双安定ディスプレイは、双安定ディスプレイが正しく遷移するのに外部から加熱される必要があり得る。高い動作温度の下で、双安定ディスプレイが、定義された温度未満に維持されるのでない限り、または少なくとも一時的に冷却されない限り、切り換わることに困難が生じ得る。双安定ディスプレイとLCDの動作温度の違いのため、温度制御は、双安定ディスプレイ対LCDで異なるようにプログラミングされることが可能である。
【0041】
図10は、白と黒の色素材料を包含する電気泳動ディスプレイにおける有色素の微小球の詳細な下絵1000である。そのような双安定ディスプレイが、E Ink Corporationから一般に入手可能であり、
図10に示されるとおり、透明な油と、正電荷の白の色素1012と、負電荷の黒の色素1014とを包含する微小球1010を含む。微小球1010配向の双安定切換えは、透明電極1020およびアドレス指定可能なピクセル電極1022によって可能にされる。
【0042】
単一の色素材料および着色された油だけを使用する代替の実施形態も可能である。それらの実施形態において、電気泳動分散は、1つのタイプの荷電着色粒子を対比色の油または油性混合物の中で分散させる。透明電極1020とピクセル電極1022の間で電圧差が生じさせられたとき、色素粒子は、色素粒子の極性と反対の極性の電力に泳動する。透明電極1020において示される色は、溶剤の色または色素粒子の色であり得る。電極極性の逆転は、粒子に、反対のピクセル電極1022に戻るように泳動させ、その結果、色を逆転させる。
【0043】
そのような双安定ディスプレイのパフォーマンスは、本明細書において説明されるようなデジタル・ライセンス・プレートに関して向上させられ得る。例えば、信頼性を向上させるのに、白の色素粒子が、赤外線を反射する材料から形成されること、またはそのような材料に関連付けられることが可能である。このことは、赤外線感度の高いカメラ・システムを使用して読み取りやすさを向上させる。別の実施形態において、向上した薄明りまたは微光における読み取りやすさのために、白の色素粒子は、蛍光性またはリン光性である材料から形成されること、またはそのような材料に関連付けられることが可能である。さらに他の実施形態において、白の色素粒子は、デジタル・ライセンス・プレートの双安定ディスプレイを動作温度限度内に維持するのを助けるように温度を低減する、または増加させる熱除去材料または熱吸収材料から形成されること、またはそのような材料に関連付けられることが可能である。
【0044】
低い動作温度の下で、双安定ディスプレイは、双安定ディスプレイが正しく遷移するように外部から加熱される必要があり得る。低い温度において、電子インクは、その動作温度範囲の下限がLCDと比べて、より高いので、遷移することができるために、外部熱源を必要とする可能性がある。取り付けられた加熱要素、加熱パイプ、バッテリもしくは車両によって電力供給される加熱要素がすべて、双安定ディスプレイが、切換えが要求されるときに最低限のディスプレイ切換え温度より上に保たれること、またはそのような温度を一時的に超えるようにされることを確実にするのに使用され得る。加熱要素の使用は、
例えば、ヒータの活性化が、ディスプレイに最低限のディスプレイ切換え温度を超えさせること、および、その後、ヒータの不活性化、およびその結果としての、最低限のディスプレイ切換え温度を下回る温度低下を可能にする。双安定ディスプレイ以外の、加熱されることが可能な他の構成要素は、任意の関連する回路基板、およびバッテリ・システムを含み得る。
【0045】
関連付けられたヒータを有さない(またはヒータが、冷たい温度を補償するのに十分な熱を発生させないときの)実施形態に関して、双安定ディスプレイの動作は、補償されるように調整され得る。例えば、一実施形態において、温度が、下方の動作温度限度近くに低下するにつれ、デジタル・ライセンス・プレートは、法的に要求される情報だけを表示するように設定され得る。法的に要求される情報の表示の妨げとなり得る広告、または部分的に、もしくは冷たい温度のために完全に切り換わることができない可能性がある動的表示は、許されない。実際、例えば、加熱された車庫に保たれた車両は、デジタル・ライセンス・プレートにおいて可能な完全な範囲の視覚的効果を表示することができる。車両が、0℃を下回る温度を有する環境に入った場合、温度センサが、低温度条件の警報データを提供することが可能であり、デジタル・ライセンス・プレートは、法的に要求される情報、または法的に要求される情報を見ることの妨げとならない情報だけの表示に切り換わる。同様に、能動冷却システムまたは受動冷却システムを有する実施形態が、デジタル・ライセンス・プレートが、温度が最大限の表示切換え温度に達する前に、法的に要求される情報、または法的に要求される情報を見ることの妨げとならない情報だけの表示に切り換わることを確実にする方法をサポートすることができる。
【0046】
臨界温度は、ディスプレイの材料およびタイプにより異なる。例えば、電子インク双安定ディスプレイは、摂氏0度を上回り、摂氏50度を下回る通常の動作温度範囲を有し得る。低温度条件または高温度条件を補償するアクションは、臨界温度に達する前に始まることが可能である。例えば、反射率に影響を与える表示パターンが、感知される温度が摂氏40度を超えると、反射率を増加させるように調整され得る。温度が増加しつづける場合、オプションの冷却要素が活性化されることが可能であり、温度が上昇しつづけた場合、デジタル・ライセンス・プレートが、法的に要求される情報、または法的に要求される情報を見ることの妨げとならない情報だけを表示するように動作して、表示は、切り換わらない状態にロックされることが可能である。同様に、低い温度において、表示パターン(反射率)は、感知される温度が摂氏10度を下回って低下するにつれ、反射率を低減する(すなわち、吸収率を増加させる)ように調整され得る。温度が低下しつづける場合、オプションの加熱要素が活性化されることが可能であり、温度が下降しつづけた場合、デジタル・ライセンス・プレートが、法的に要求される情報、または法的に要求される情報を見ることの妨げとならない情報だけを表示するように動作して、表示は、切り換わらない状態にロックされることが可能である。通常、高い熱条件または低い熱条件を補償するように行われるアクションは、臨界温度から摂氏15度、10度、または5度の範囲内で始まり、相当な量の電力を要求する、またはディスプレイ・メッセージングに大きい影響を与えるアクションが実施される前に、電力をほとんど、もしくはまったく要求しない、または低い視覚的影響を有するアクションが実施されるように順序付けられることが可能である。
【0047】
理解されるとおり、ディスプレイの温度は、直接に測定されることも、間接的に測定されることも可能である。温度制御モジュールに関連付けられた電子温度計が、ディスプレイに取り付けること、ディスプレイ近くに、もしくはディスプレイの付近に取り付けられること、または車両上のどこかに取り付けられることが可能である。周囲温度が測定されることが可能であり、かつ見込まれるディスプレイ温度の間接的な判定が行われることが可能である。いくつかの実施形態において、予測される温度が使用され得る。例えば、デジタル・ライセンス・プレートが、予測される、または計算される終夜の温度情報を受け
取る場合、車両が昼間の終わり近くに駐車されるとき、保護対策が即時にとられることが可能である。ディスプレイ温度の直接の測定ほど正確ではないが、周囲温度測定または他の間接的な温度測定は、臨界温度に近づくにつれて必要とされるとき、保護対策をとるのに十分に正確であり得る。
【0048】
一実施形態において、変更可能な熱関連の表示パラメータをサポートするディスプレイ・システムが、ディスプレイ・システムの温度を測定すべく位置付けられた温度センサを含む。温度制御モジュールが、温度センサに接続され、かつ臨界温度に近づくにつれ熱関連の表示パラメータを変更するように構成されることが可能である。変更可能な熱関連の表示パラメータは、明るさを含み、明るさは、臨界低温度に近づくにつれて増加され、臨界高温度に近づくにつれて減少させられる。別の実施形態において、変更可能な熱関連の表示パラメータは、反射率を変更させる表示パターンを含み、表示パターンは、臨界低温度に近づくにつれて熱吸収率を増加させるように変更され、臨界高温度に近づくにつれて熱吸収率を低下させるように変更される。
【0049】
ディスプレイ・システムの応用例は、車両ライセンス・プレートだけに限定されない。例えば、ディスプレイは、複数の同質のタイル、はめ込まれたタイルを有する大型の不均質なディスプレイ(例えば、LEDディスプレイ・セクションを有する双安定または電気泳動ディスプレイ)から成ること、または別々の色セクションおよび双安定セクションを有することが可能である。さらに、ディスプレイ・システムは、車両の内部または外部に位置付けられたさらなる複数のディスプレイを制御することができる。例えば、
図11に示されるとおり、そのようなディスプレイは、タイル型にされ、かつバスの側面上に配置されてよい。ディスプレイをタイル型にすることは、意図される観客にメディアを提示するのに利用可能なオプションの数を増加させ得る。
図4に示される例は、バスの側面上に配置されたディスプレイ1100を示し、タイル型にされたディスプレイの類似したセットが、バスの後部上に同様に実装されてもよい。本明細書において説明されるシステムおよび方法はすべて、
図11に示されるディスプレイ集合体を含むように拡張され得る。
【0050】
一部の実施形態は、一部分がプレート画像を示すことができる一方で、残りの部分は、静的メッセージングのために使用され得る、大型ディスプレイ(例えば、16インチ×16インチの)を含む。このようにして、メッセージとプレート画像が同時に表示され得る。
【0051】
図12は、複数のサブ・ディスプレイから成るディスプレイ1200を示す図である。一部の実施形態において、ディスプレイは、一緒にタイル型にされた類似した種類の、または異なる種類のサブ・ディスプレイから成ってよい。
図12に見られるとおり、ディスプレイ1200は、外枠ディスプレイ1202と、内側サブ・ディスプレイ1204と、内側サブ・ディスプレイ1206と、内側サブ・ディスプレイ1208と、内側サブ・ディスプレイ1210とを有してよい。外枠ディスプレイ1202と内側サブ・ディスプレイ1204~1210は、異なるメディア・コンテンツを表示するように構成されてよい。例えば、外枠ディスプレイ1202が、車両ライセンス情報および車両登録情報を表示するように構成されてよい一方で、サブ・ディスプレイ1204~1210が、様々な広告メッセージおよび/またはプロモーション・メッセージを表示してよい。一実施形態において、サブ・ディスプレイ1206は、例えば、色つきの年間登録ステッカのレプリカを正確に表示することができるカラーOLEDディスプレイであることも可能である。他の実施形態において、外枠ディスプレイ1202とサブ・ディスプレイ1204~1210は、異なるディスプレイ種類から成ってよい。例えば、外枠ディスプレイ1202は、双安定ディスプレイであってよく、サブ・ディスプレイ1204は、OLEDディスプレイであってよく、サブ・ディスプレイ1206は、LCDディスプレイであってよく、かつサブ・ディスプレイ1208~1210はそれぞれ、双安定ディスプレイであってよい
。
【0052】
ディスプレイ・システムが、道路上の破片または類似した危険から損傷を受けるのを防止する対策は、例えば、プレキシガラスまたはサファイア結晶で作られた物理的保護カバーを含んでよい。水などの液体に晒されることによる損傷から保護すべく疎水性コーティングが、ディスプレイ・システムの外面に施されてもよい。他の実施形態において、ナノ結晶二酸化チタン・コーティング、プラズマ化学粗化、光触媒クリーニング構造、成形されたポリマ層、または他の適切な疎水性システムもしくは親水性システムを使用するセルフ・クリーニング・ガラスが使用されることが可能である。熱保護は、IRカット・コーティングによって提供され得る。ディスプレイ・システムは、車両構造自体に組み込まれてもよい。例えば、湾曲したディスプレイまたは柔軟性のあるディスプレイが、車両設計に美的に合うように使用されてよい。ディスプレイ・システム100の実施形態が、例えば、車両のバンパに適合するように組み込まれてよい。
【0053】
図13は、ディスプレイ通信プロトコルを示すブロック
図1300である。一部の実施形態において、低電圧差動信号(LVDS)通信インターフェースが、マイクロコントローラ1302とディスプレイ1 1304の間に実装されてよい。他の実施形態において、ゲート/ソース・インターフェースが、マイクロコントローラ13013とディスプレイ2 1308の間に実装されてよい。さらに他の実施形態において、低電圧差動信号またはシリアル・ペリフェラル・インターフェース(LVDS/SPI)通信インターフェースが、マイクロコントローラ1310とディスプレイ3 1312の間に実装されてよい。一部の実施形態において、HDMIなどの他のディスプレイ通信技術が、処理デバイスとディスプレイ・デバイスの間で通信リンクを実装するのに使用されてよく、処理デバイスは、マイクロコントローラ1302のようなマイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイなどの他の任意の適切な処理デバイスであってよい。
【0054】
ディスプレイ1 1304、ディスプレイ2 1308、およびディスプレイ3 1312は、LCDディスプレイ、LEDバックライトを有するTFT LCDディスプレイ、フロントLEDライトを有する双安定ディスプレイ、または他の任意の適切なディスプレイのいずれかであってよい。LVDS、SPI、パラレル・ポート・インターフェース、シリアル・ポート・インターフェース、RS232などを含む、シグナリング方法の任意の組合せが、マイクロコントローラとディスプレイの間で通信するのに使用されてよい。いくつかの実施形態において、前述のシグナリング方法およびシグナリング・プロトコルによって制御される1つまたは複数のディスプレイが、車両内に、または車両の外部に、デジタル・ライセンス・プレートから離れて位置付けられることが可能である。
【0055】
前段の説明において、説明の一部を形成し、かつ本開示が実施され得る特定の例示的な実施形態が例として示される添付の図面が参照されている。これらの実施形態は、当業者が、本明細書において開示される概念を実施するのに十分な詳細で説明されており、本開示の範囲を逸脱することなく、開示される様々な実施形態に対する変形が行われてよく、かつ他の実施形態が利用されてよいことを理解されたい。したがって、前段の詳細な説明は、限定する意図で解釈されるべきではない。
【0056】
本明細書全体にわたって「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」について述べていることは、その実施形態または例に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、または特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体にわたる様々な箇所において「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」という句の出現は、必ずしも、すべてが同一の実施形態または例を参照しているわけではない。さらに、特定のフィーチャ、構造、データベ
ース、または特徴は、1つまたは複数の実施形態または例において任意の適切な組合せおよび/または部分的組合せにおいて組み合わされてよい。さらに、本明細書で提供される図は、当業者に説明することを目的とすること、および図面は、必ずしも一律の縮尺に従って描かれてはいないことを認識されたい。
【0057】
本開示による実施形態は、装置、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として実施されてよい。したがって、本開示は、完全にハードウェアから成る実施形態の形態をとっても、完全にソフトウェアから成る実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロ・コード、その他を含む)をとっても、あるいは、すべて本明細書で「回路」、「モジュール」、または「システム」と一般に呼ばれ得るソフトウェア態様とハードウェア態様を組み合わせる実施形態の形態をとってもよい。さらに、本開示の実施形態は、媒体として実現されたコンピュータ使用可能プログラム・コードを有する表現の任意の有形の媒体として実現されたコンピュータ・プログラム製品の形態をとってよい。
【0058】
1つまたは複数のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用されてよい。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイス、読取り専用メモリ(ROM)デバイス、消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュ・メモリ)デバイス、ポータブル・コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CDROM)、光ストレージ・デバイス、および磁気ストレージ・デバイスのうちの1つまたは複数を含んでよい。本開示の動作を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれてよい。そのようなコードは、ソース・コードから、そのコードが実行されるデバイスまたはコンピュータに適切なコンピュータ可読のアセンブリ言語または機械コードにコンパイルされてよい。
【0059】
また、実施形態は、クラウド・コンピューティング環境において実施されてもよい。本説明および添付の特許請求の範囲において、「クラウド・コンピューティング」は、仮想化を介して迅速にプロビジョニングされ、かつ最小限の管理労力またはサービス・プロバイダ対話でリリースされること、およびその後、適宜、拡大縮小されることが可能である共有されるプールの構成可能なコンピューティング・リソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)にユビキタスで、便利な、オンデマンドのネットワーク・アクセスを可能にするためのモデルとして定義され得る。クラウド・モデルは、様々な特徴(例えば、オンデマンド・セルフサービス、広いネットワーク・アクセス、リソース・プーリング、迅速な順応性、計測されるサービス)、サービス・モデル(例えば、Software as a Service(「SaaS」)、Platform as a Service(「PaaS」)、およびInfrastructure as a Service(「IaaS」))、および展開モデル(例えば、プライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、パブリック・クラウド、およびハイブリッド・クラウド)から成ることが可能である。
【0060】
添付の図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施形態のアーキテクチャ、機能、および動作を例示する。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定される論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を備える、コードのモジュール、セグメント、または部分を表すことが可能である。また、ブロック図および/またはフローチャートの各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組合せは、指定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェア・ベースのシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実施され得ることにも留意されたい。これらのコンピュータ・プ
ログラム命令は、特定の様態で機能するようにコンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置を導くことができるコンピュータ可読媒体に記憶されて、そのコンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能/動作を実施する命令手段を含む製品をもたらすようにしてもよい。本発明の多くの変形形態および他の実施形態が、前段の説明、および関連する図面において提示される教示を利用する当業者には想起されよう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されないこと、ならびに変形形態および実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとされることを理解されたい。また、本発明の他の実施形態が、本明細書において特に開示されない要素/ステップなしに実施されてよいことも理解されたい。