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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】耐酸化性積層セパレータ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/454 20210101AFI20230131BHJP
   H01M 50/451 20210101ALI20230131BHJP
   H01M 50/414 20210101ALI20230131BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20230131BHJP
   H01M 50/429 20210101ALI20230131BHJP
   H01M 50/434 20210101ALI20230131BHJP
   H01M 50/437 20210101ALI20230131BHJP
   H01M 50/44 20210101ALI20230131BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20230131BHJP
【FI】
H01M50/454
H01M50/451
H01M50/414
H01M50/417
H01M50/429
H01M50/434
H01M50/437
H01M50/44
H01M50/489
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020081986
(22)【出願日】2020-05-07
(62)【分割の表示】P 2015561689の分割
【原出願日】2014-03-07
(65)【公開番号】P2020115490
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】61/774,144
(32)【優先日】2013-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505458359
【氏名又は名称】ダラミック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,エリック,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィアー,ジェイ.,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ティモンズ,ジョン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】チェインバース,ジェフリー,ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハウスヴァルト,ピエール,エイ.
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-503649(JP,A)
【文献】特開平05-089868(JP,A)
【文献】米国特許第06242127(US,B1)
【文献】特開2003-242953(JP,A)
【文献】特開2006-156060(JP,A)
【文献】特開2002-304977(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0091761(US,A1)
【文献】特開2006-164597(JP,A)
【文献】特開2011-238492(JP,A)
【文献】特開2008-226697(JP,A)
【文献】特開2006-100082(JP,A)
【文献】特開2009-245901(JP,A)
【文献】特開2005-100808(JP,A)
【文献】特開2002-198023(JP,A)
【文献】特開2001-102027(JP,A)
【文献】特開平10-040896(JP,A)
【文献】特開平02-066850(JP,A)
【文献】特開平01-294352(JP,A)
【文献】特開昭62-090847(JP,A)
【文献】特開昭61-245463(JP,A)
【文献】特開昭59-138058(JP,A)
【文献】特開昭58-212060(JP,A)
【文献】特開昭62-029059(JP,A)
【文献】特表2011-507191(JP,A)
【文献】特表平05-508049(JP,A)
【文献】実開平07-034555(JP,U)
【文献】実開昭58-179761(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0299462(US,A1)
【文献】国際公開第2013/008454(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/40-50/497
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微多孔質膜と、前記微多孔質膜に貼付される拡散マットと、を含み、
前記拡散マットは、1.280の比重を有する硫酸に浸漬して3時間の灯心試験により2.5cm~10.0cmの高さを有することにより定義される電解質灯心能力を有し、厚みが0.2mmを超え、および坪量が35gsmを超え、
前記微多孔質膜は、ゴムと共に充填された、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルクロライド樹脂、またはフェノール-ホルムアルデヒド樹脂の微多孔質シートを含み、
前記拡散マットは、ガラスマットを有する鉛蓄電池に比較して、前記電解質の灯心能力により電池電極のドライアウトを防ぎ、前記電解質灯心能力から得られる改良された拡散特性によって酸性層化を防止することにより鉛蓄電池特性を改良する、液式鉛蓄電池のセパレータ。
【請求項2】
前記拡散マットは、合成繊維、ガラス繊維、またはその組合せからなる請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記拡散マットはシリカを含む請求項1に記載のセパレータ。
【請求項4】
前記微多孔質膜はゴムを含む請求項1に記載のセパレータ。
【請求項5】
前記ゴムは前記セパレータ中に12重量%以下含まれる請求項4に記載のセパレータ。
【請求項6】
請求項1に記載のセパレータを有する電池。
【請求項7】
前記拡散マットは、12mΩcm2以上の電気抵抗を有する請求項1に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記拡散マットは0.5mm以下の厚さを有する請求項1に記載のセパレータ。
【請求項9】
鉛蓄電池用の液式電池セパレータであって、
ポリオレフィンの微孔性シートと、
前記微孔性シートに取り付けられた拡散マットであって、1280の比重を有する硫酸に浸漬して3時間の灯心試験により2.5cm~10.0cmの高さを有し、0.2mmを超える厚さを有し、及び/又は35gsmより大きい坪量を有する拡散マットと、を含み、
前記拡散マットは、ガラスマットを備えた同等のフラッド鉛蓄電池と比較した場合、電解質ウィッキングを通じてバッテリーの電極が乾燥するのを防ぎ、電解質ウィッキングから得られる拡散特性の向上により酸の成層化から保護することにより、フラッディング鉛蓄電池の性能を向上させる、液式電池セパレータ。
【請求項10】
前記拡散マットは、合成繊維、ガラス繊維、またはその組合せからなる請求項9に記載のセパレータ。
【請求項11】
前記拡散マットはシリカを含む請求項9に記載のセパレータ。
【請求項12】
前記微多孔質膜はゴムが充填されている請求項9に記載のセパレータ。
【請求項13】
前記ゴムは前記セパレータ中に12重量%以下含まれる請求項12に記載のセパレータ。
【請求項14】
請求項9に記載のセパレータを有する、液式電池。
【請求項15】
前記拡散マットは、12mΩcm2以上の電気抵抗を有する請求項9に記載のセパレータ。
【請求項16】
前記拡散マットは0.5mm以下の厚さを有する請求項9に記載のセパレータ。
【請求項17】
鉛蓄電池用の液式電池セパレータであって、
.280の比重を有する硫酸に浸漬して3時間の灯心試験により2.5cm~10.0cmの高さを有し、0.2mmを超える厚さを有し、及び/又は35gsmより大きい坪量を有する拡散マットを含み、
前記拡散マットは、ガラスマットを備えた同等のフラッド鉛蓄電池と比較した場合、電解質ウィッキングを通じてバッテリーの電極が乾燥するのを防ぎ、電解質ウィッキングから得られる拡散特性の向上により酸の成層化から保護することにより、フラッディング鉛蓄電池の性能を向上させる、液式電池セパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、本明細書に引用によって組み込まれる、2013年3月7日に出願された米国仮出願の出願番号61/774144の同時係属の利益を請求する。
【0002】
本発明は、微多孔質膜に貼付される拡散マットを有する鉛/酸蓄電池セパレータに関するものである。
【背景技術】
【0003】
過酷な熱環境の用途(例えば、高い交通密度、熱帯または砂漠地方、蓄電以外の用途などを有する過密な地域)において、電池(例えば鉛蓄電池、特に、液式鉛蓄電池(FLA)は、電解質損失の傾向がある。電解質は、水および酸(例えば硫酸)の混合物でもよい。電解質の損失によって、電極は電池ヘッド空間内に含まれるガスの環境にさらされ、最終的に電極板のドライアウトを導く熱は、次いで、尚早の電池故障に至る電極の腐食を加速する。
【0004】
また、電池(例えば鉛蓄電池)の充電の間、電解質中の酸は、層化され得る。酸性の層化は、電池の性能および寿命に悪影響を与える。電池(例えば鉛蓄電池)の酸性層化の問題の従来の解決手段としては、セパレータに貼付される「ガラスマット」の使用が挙げられる。しかしながら、これらのガラスマットはセパレータのコストを著しく上げ、大きな孔を有して、場合によっては高速製造法(例えば「ポケット」の形成およびセパレータへの貼付)の役に立たない。
【0005】
世界(例えばアジア)のいくつかの地域において、鉛/酸蓄電池は、「乾燥充電」電池として販売される。これらの乾燥充電電池は水/酸を含まれずに購入される。乾燥充電電池は、より長い貯蔵寿命を有する。しかしながら、ユーザは、電池を汚れていない水/酸で満たすように注意しないかもしれない。汚染された水/酸は、セパレータの酸化をもたらし、最終的に電池故障に至る。水/酸の汚染物質は、水/酸容器、例えばスティール・ドラムから供給されることができる。
【0006】
また、セパレータ、例えば、鉛/酸蓄電池用のセパレータの酸化は、電池のサイクル寿命を減らす可能性があり、これにより電池の有効な寿命を減らす可能性がある。この酸化は、「乾燥充電」電池に加えられる水または酸の汚染物質に起因するものである。酸化によって、電池の部分的または完全な故障に至る可能性があるセパレータの脆化(例えば、伸長%の損失で測定される)が生じる。
【0007】
通常、汚染物質は、電池に加えられる水および/または硫酸から、並びに、電極板に含まれる合金および活物質中の不純物から生じ、この種の汚染物質は酸化を引き起こし得る。例えば、この種の汚染物質は、通常、クロミウム(Cr)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、銅(Cu)などの周期表の遷移金属を含む。約2.0ppm(2.0mg/L)を超える汚染物質濃度(Cr、Mnおよび/またはTi)は、推奨されない。26ppm(26mg/L)を超えるCu汚染物質濃度は、推奨されない。
【0008】
特許文献1(米国特許5221587号明細書)には、鉛/酸蓄電池のアンチモン(Sb)中毒を防止するセパレータにおけるラテックスの使用について開示されている。アンチモンは、電池の鉛のプレート(電極)から供給される。アンチモンが、プレートの製造および電池のサイクル寿命を改良するために鉛の合金化元素として用いられる。当業者は、前述のセパレータの酸化問題の解決に達する際に米国特許5221587号明細書の教示を考慮しないであろう。
【0009】
特許文献2(米国特許6242127号明細書)には、セパレータの電気化学的特性(アンチモン抑制)を改善する従来のポリオレフィン・セパレータにおける硬化した、多孔性ゴムの使用について開示されている。
前述の酸性層化および酸化の問題を解決する新規なセパレータ(例えば、鉛/酸蓄電池のために)の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許5221587号明細書
【文献】米国特許6242127号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
鉛蓄電池用の電池セパレータには、汚染物質に起因する酸性層化および/またはセパレータの酸化の問題を解決する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示のセパレータは、微多孔質膜およびこれに付着される拡散性マットを含む。拡散性マットは、「3時間灯心試験」で少なくとも約2.5cmの灯心応力を有する。拡散性マットは、合成繊維、ガラス繊維、天然繊維およびそれらの組み合わせでできていてもよい。拡散性マットは、二酸化ケイ素を含むことができる。セパレータは、ゴムを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明を例示するために、好ましい形態が図面に示される。しかしながら、本発明は例示される詳細な取扱いおよび手段に限定されない。
図1図1は、発明のセパレータ(拡散性マット)と従来のガラスマットを有するセパレータの比較のグラフである。
図2図2は、発明のセパレータ(拡散性マット)と従来のガラスマットを有するセパレータの比較のグラフである。
図3図3は、発明のセパレータ(拡散性マット)と従来のガラスマットを有するセパレータの比較のグラフである。
図4図4は、発明のセパレータ(拡散性マット)と従来のガラスマットを有するセパレータの比較のグラフである。
図5図5は、発明のセパレータ(拡散性マット)と従来のガラスマットを有するセパレータの比較のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
鉛/酸蓄電池、例えば、Lindenの電池ハンドブック、マグロウヒル社、ニューヨークNY(1995)および/またはBesenhardの電池材料ハンドブック、ワイリー、VCH Verlag社、Weinheim、ドイツ(1999)がよく知られているが、共に本明細書に引用によって組み込まれる。セパレータは、いずれの鉛/酸蓄電池に使用することができる。一実施形態において、鉛/酸蓄電池は、液体鉛/酸蓄電池(FLA)であり、例えばインバータ電池、強化された液体電池(EFB)、ISS電池、すえおき電池、ゴルフ・カート電池などに使用される。
【0015】
本発明の第1の態様において、拡散性マット(DM)は、微多孔質膜と共に含まれ、例えば、酸性層化を遅延させる優れた拡散特性を与え、アンチモンの毒性を減らし、酸化耐性を高め、微細短絡保護(樹枝状結晶成長に起因する)を改善することによって電池性能を高める。DMの積層体および微多孔質膜も電極が電解質の灯心現象(毛細管現象)で乾燥しないようにすることによって水損失から守る。これによって、ドライアオウト現象を解決し、改良された拡散特性によって酸性層化から保護する。
【0016】
拡散性マット(DM)は、従来のガラスマットではない。従来のガラスマットは、受動的で、拡散性または灯心能力を有しない。DMは、従来の湿質または乾燥ガラスマットより芯25x以上の灯心能力を有する。灯心速度は、酸性層化に反比例する。従来のガラスマットは「3時間灯心試験」で0.6cm以下の灯心能力を有する。その一方で、DMは「3時間灯心試験」で少なくとも約2.5cmの灯心能力を有する。あるいは、DMは「3時間灯心試験」で少なくとも約2.5cm、または少なくとも約3.0cm、または少なくとも約4.0cm、または、約2.5~約10.0cmの範囲、または、約4.0~約10.0cmの範囲またはこれらの組み合わせの灯心能力を有することができる。
【0017】
「3時間灯心試験」は、材料の標準サイズの試片を液体(1.280の比重を有する硫酸)に浸漬して、3時間待って、毛細管現象により材料の上方への液体の移動の高さを測定することによって行われる。「標準サイズの試片」は、意味がある比較ができるように、同じ幅および長さを意味するが、厚みは試験されている材料の自然の厚みによって変化し得る。「3時間灯心試験」のために、試料は、1インチの幅および少なくとも40cmの長さを有する。試料は、試料の垂直軸上にセンチメートル毎にマークされる。試料は液体より上にクランプにおいて保たれ、2cmの深さまで液体に浸漬される。1、5、10および15分における試料上の傾斜から、また、3時間後の試料上の最大灯心高さのために灯心高さが測定される。DMは、粒状充填剤、例えば二酸化ケイ素を更に含むことができる。
【0018】
DMは、いずれの方法で微多孔質膜上に積層してもよい。DMは、融着または接着剤によって微多孔質膜に貼付されることができる。DMは、「S」ラップのポケット、スリーブ、リーフに形成することができる。DMは、不織布または繊維からなり織られるか編まれた織物でもよい。DMは、ガラス繊維、合成繊維、天然繊維またはそれらの組み合わせでできていてもよい。一実施形態において、DMは、ガラス繊維および合成繊維からなってもよい。DMは、正極活物質(PAM)保持マットとして機能するために充分な物理的一体性を有して、PAMの脱落を防ぐ。DMは、セパレータを強い酸化剤(例えば、Cr、Mn、Ti)から保護する。従来のガラスマット(従来技術)に対する比較とともに、適切なDM(INV)のいくつかの実施例は、下記の表1に記載される。
【0019】
電池の使用中に、DMに対向しまたは電池の陽極(または板)と接触するようにセパレータが電池内に配置される。一実施形態において、セパレータは負極および/または正極板を包むようにしてもよい。他の実施形態では、セパレータは負極板を包むようにしてもよい。
【0020】
【表1】
【0021】
微多孔質膜は、次のものからなることができる。すなわち、ポリオレフィンの板(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)およびそれらの組み合わせ)、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノール―ホルムアルデヒド樹脂(例えば、フェノール―ホルムアルデヒド樹脂が含浸されるセルロース誘導体および/または合成繊維を含む)、架橋ゴムまたは不織布(例えば、セルロース繊維またはガラス繊維を含む不燃性繊維)である。一実施形態において、微多孔質膜は、ポリエチレン、UHWMPEまたは両方の組合せからなることができ、周知のように、粒状充填剤を含むことができる。微多孔質膜は、リブを有する外形を有することができる。リブは従来のものでよく、正電極側の上を縦方向(MD)に通過する(例えば、他の部品において、セパレータを陽極から離隔することや、充電状態を通じてガスが逃げることが、混合することを促進するガス溝を形成すること)が、しかし、リブは(酸性の層化を遅延させるために)負電極側の上を縦方向と交差する方向(CMD)に伸びることもできる。
【0022】
本発明の他の態様では、ゴムは、汚染物質に起因する酸化問題を解決するために、セパレータに加えられることができる。ここで使用されるゴムとは、ゴムラテックス、タイヤくずおよびそれらの組み合わせを意味する。一実施形態において、ゴムは、未架橋または未硬化ゴムでもよい。他の実施形態では、ゴムラテックスは、天然であるか合成ゴムラテックスでもよい。他の実施形態では、ゴムは、天然ゴムラテックスでもよい。さらに別の実施形態では、ゴムは、タイヤくずでもよい。天然ゴムは、例えば、いかなる等級(例えばラテックス等級)でもよく、例えば、リブのあるスモーク・シート、白いおよび薄い色のクレープ、純粋な包括的なクレープまたはリ-ミル、濃い茶色のクレープまたは琥珀、および平坦な樹皮クレープが挙げられる。天然ゴムは、へベアゴムを含むことができる。合成ゴムとしては、例えば、メチル・ゴム、ポリブタジエン、クロロペン・ゴムおよび共重合体ゴムを挙げることができる。共重合体ゴムとしては、例えば、スチレン/ブタジエン・ゴム、アクリロニトリル/ブタジエン・ゴム、エチレン/プロピレン・ゴム(ELMおよびPERM)およびエチレン/酢酸ビニル・ゴムを挙げることができる。他のゴムとしては、例えば、ブチルゴム、ブロモ・ブチル・ゴム、ポリウレタン・ゴム、エピ・クロル・ヒドリン・ゴム、ポリ硫化物ゴム、クロロスルフォニルポリエチレン、ポリノルボレンゴム、アクリレートゴム、フッ化ゴム、イソプレンゴムおよびシリコーンゴムを挙げることができる。これらのゴムは、単独でまたはさまざまな組み合わせで用いられることができる。
【0023】
一実施形態において、ゴムは、微多孔質膜に充填することができる。本明細書において充填とは、ゴムがセパレータの本体に組み込まれて、セパレータ上へ形成される層でないことを意味する。そこで、ゴムは、セパレータを形成するために使用される一つ以上の材料に混合または配合される。ゴム、例えば、ラテックスは、押出の後においても化学的に活性である(すなわち、硬化されていないおよび/または未架橋)。このように、ゴムはセパレータの中に一緒に組み込まれるか、分散されるか、または、全体に一様に混合されるか、またはセパレータの材料中に混合される構成要素である。
【0024】
ゴムは、上記の通り、微多孔質膜中いかなる配分で含まれることができる。一実施形態おいて、配合物中に加えられるとき微多孔質の重量により(すなわち、押出の前の原料の重量によって)、約12重量%以下含まれることができる。他の実施形態では、ゴムは、微多孔質膜の約1~12重量%含まれることができる。他の実施形態において、ゴムは、微多孔質膜の約1.2~6重量%含まれることができる。さらに別の実施形態では、ゴムは、微多孔質膜の約2~4重量%含まれることができる。さらに他の実施形態では、ゴムは、微多孔質膜の約2.5~3.5重量%含まれることができる。他の実施形態では、ゴムは、微多孔質膜の約3重量%含まれることができる。
微多孔質膜は、従来のいずれの方法によっても製造されることができる。例えば、PE微多孔質膜で、ゴムと処理油を混合してもよくて、押出の間にPEを混合してもよい。
【0025】
(実施例)
図(グラフ)1~5は従来のガラスマットを有するセパレータと拡散性マット(DM)を有する本発明のセパレータと比較である。セパレータは同じであるが、1つのセパレータはDMを有し、他のセパレータは従来のガラスマットを有する。これらのグラフに示される情報は、包囲された陽極板(図1~2)または包囲された陰極板(図3~5)を有する12V150Ah電池(≒放電の深度100%、DoD)を使用し、従来のインバータ電池シミュレーションation使用して、10.50V、43Aで1時間54分間放電し、続いて13.80V、15Aで10時間6分間再充電出して、作成された。
本発明は、本発明の趣旨およびその基本的属性から逸脱しない限り、明細書の記載ではなく、本発明の範囲に示されるように、他の形態で実施し得る。
図1
図2
図3
図4
図5