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特許7219246個別の商品の開封履歴を記録する方法、プログラム及びシステム
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】個別の商品の開封履歴を記録する方法、プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20230131BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20230131BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G06Q30/02 394
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020091051
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021189506
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】591115578
【氏名又は名称】カルビー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 渓介
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-115056(JP,A)
【文献】特開2016-162333(JP,A)
【文献】特開2007-122469(JP,A)
【文献】特開2007-219614(JP,A)
【文献】特開2010-184724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータによって実行され、個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する方法であって、
開封後の商品又はその一部の予め決められた形態において、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を含む商品ユニーク性コードが露出され、
開封後の商品又はその一部の形態と商品ユニーク性コードを一緒に撮影した写真の画像データを、端末からインターネットを介して受信する段階と、
商品の種類及び商品のユニーク性の情報を、受信した画像データの商品ユニーク性コードの部分から読取る段階と、
受信した画像データから認識される商品又はその一部の形態が前記予め決められた形態として認識される程度を、AI技術を利用して評価する段階と、
前記評価に基づいて、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当するか否かを決定する段階と、
受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当すると決定したとき、読取った商品の種類及び商品のユニーク性の情報によって特定される個別の商品の関封履歴が、前記コンピュータのデータベースに記録されているか否かを確認する段階と、
前記個別の商品の開封履歴が前記コンピュータのデータベースに記録されていないとき、前記個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する段階と、を含む方法。
【請求項2】
前記予め決められた形態は、包装袋又は包装箱を折畳んだ形態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予め決められた形態は、カップ形商品から取外した蓋の形態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に、読取った商品の種類に基づいて、特典内容を決定する段階と、
受信した画像データから認識される形態が、前記予め決められた形態に該当したことの情報及び前記特典内容を前記端末に送信する段階と、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1又は複数のコンピュータによって実行され、個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録するためのプログラムであって、
開封後の商品又はその一部の予め決められた形態において、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を含む商品ユニーク性コードが露出され、
開封後の商品又はその一部の形態と商品ユニーク性コードを一緒に撮影した写真の画像データを、端末からインターネットを介して受信する処理と、
商品の種類及び商品のユニーク性の情報を、受信した画像データの商品ユニーク性コードの部分から読取る処理と、
受信した画像データから認識される商品又はその一部の形態が前記予め決められた形態として認識される程度を、AI技術を利用して評価する処理と、
前記評価に基づいて、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当するか否かを決定する処理と、
受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当すると決定したとき、読取った商品の種類及び商品のユニーク性の情報によって特定される個別の商品の関封履歴が、前記コンピュータのデータベースに記録されているか否かを確認する処理と、
前記個別の商品の開封履歴が前記コンピュータのデータベースに記録されていないとき、前記個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する処理と、を実行させるプログラム。
【請求項6】
前記予め決められた形態は、包装袋又は包装箱を折畳んだ形態、又は、カップ形商品から取外した蓋の形態を含む、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
更に、読取った商品の種類に基づいて、特典内容を決定する処理と、
受信した画像データから認識される形態が、前記予め決められた形態に該当したことの情報及び前記特典内容を前記端末に送信する処理と、を実行させる請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
1又は複数のコンピュータを備え、個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録するためのシステムであって、
開封後の商品又はその一部の予め決められた形態において、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を含む商品ユニーク性コードが露出され、
開封後の商品又はその一部の形態と商品ユニーク性コードを一緒に撮影した写真の画像データを、端末からインターネットを介して受信する処理と、
商品の種類及び商品のユニーク性の情報を、受信した画像データの商品ユニーク性コードの部分から読取る処理と、
受信した画像データから認識される商品又はその一部の形態が前記予め決められた形態として認識される程度を、AI技術を利用して評価する処理と、
前記評価に基づいて、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当するか否かを決定する処理と、
受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当すると決定したとき、読取った商品の種類及び商品のユニーク性の情報によって特定される個別の商品の関封履歴が、前記コンピュータのデータベースに記録されているか否かを確認する処理と、
前記個別の商品の開封履歴が前記コンピュータのデータベースに記録されていないとき、前記個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する処理と、を前記コンピュータによって実行するシステム。
【請求項9】
前記予め決められた形態は、包装袋又は包装箱を折畳んだ形態、又は、カップ形商品から取外した蓋の形態を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
更に、読取った商品の種類に基づいて、特典内容を決定する処理と、
受信した画像データから認識される形態が、前記予め決められた形態に該当したことの情報及び前記特典内容を前記端末に送信する処理と、を実行する請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別の商品の開封履歴を記録する方法、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品や飲料等の商品の種類及び商品のユニーク性の情報を含むコード(商品ユニーク性コード)を商品の包装材に表示しておき、商品の消費者が、商品ユニーク性コードを用いて、ポイントやキャンペーン等の特典に応募することが知られている。
【0003】
しかしながら、商品を実際に購入せずに、陳列されている商品の商品ユニーク性コードを不正に取得して、特典に応募するおそれがある。
【0004】
かかる不正を防止するために、商品の包装材を開封しなければ、商品ユニーク性コードを見ることができず、かくして、それを取得することができないようにした商品が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる仕方により取得した商品ユニーク性コードの情報に基づいて、個別の商品が開封されたことの情報(個別の商品の開封履歴)を、システムのコンピュータのデータベースに記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-178382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来と異なる仕方で、個別の商品の開封履歴をコンピュータのデータベースに記録する方法、プログラム及びシステムを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、従来と異なる仕方で、個別の商品が開封されたことを認識して、特典内容を決定する方法、プログラム、及びシステムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、1又は複数のコンピュータによって実行され、個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する本発明による方法では、開封後の商品又はその一部の予め決められた形態において、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を含む商品ユニーク性コードが露出され、前記方法は、開封後の商品又はその一部の形態と商品ユニーク性コードを一緒に撮影した写真の画像データを、端末からインターネットを介して受信する段階と、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を、受信した画像データの商品ユニーク性コードの部分から読取る段階と、受信した画像データから認識される商品又はその一部の形態が前記予め決められた形態として認識される程度を、AI技術を利用して評価する段階と、前記評価に基づいて、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当するか否かを決定する段階と、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当すると決定したとき、読取った商品の種類及び商品のユニーク性の情報によって特定される個別の商品の関封履歴が、前記コンピュータのデータベースに記録されているか否かを確認する段階と、前記個別の商品の開封履歴が前記コンピュータのデータベースに記録されていないとき、前記個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する段階と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、1又は複数のコンピュータによって実行され、個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録するための本発明によるプログラムでは、開封後の商品又はその一部の予め決められた形態において、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を含む商品ユニーク性コードが露出され、前記プログラムは、開封後の商品又はその一部の形態と商品ユニーク性コードを一緒に撮影した写真の画像データを、端末からインターネットを介して受信する処理と、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を、受信した画像データの商品ユニーク性コードの部分から読取る処理と、受信した画像データから認識される商品又はその一部の形態が前記予め決められた形態として認識される程度を、AI技術を利用して評価する処理と、前記評価に基づいて、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当するか否かを決定する処理と、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当すると決定したとき、読取った商品の種類及び商品のユニーク性の情報によって特定される個別の商品の関封履歴が、前記コンピュータのデータベースに記録されているか否かを確認する処理と、前記個別の商品の開封履歴が前記コンピュータのデータベースに記録されていないとき、前記個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する処理と、を実行させることを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、1又は複数のコンピュータを備え、個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録するための本発明によるシステムでは、開封後の商品又はその一部の予め決められた形態において、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を含む商品ユニーク性コードが露出され、前記システムは、開封後の商品又はその一部の形態と商品ユニーク性コードを一緒に撮影した写真の画像データを、端末からインターネットを介して受信する処理と、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を、受信した画像データの商品ユニーク性コードの部分から読取る処理と、受信した画像データから認識される商品又はその一部の形態が前記予め決められた形態として認識される程度を、AI技術を利用して評価する処理と、前記評価に基づいて、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当するか否かを決定する処理と、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当すると決定したとき、読取った商品の種類及び商品のユニーク性の情報によって特定される個別の商品の関封履歴が、前記コンピュータのデータベースに記録されているか否かを確認する処理と、前記個別の商品の開封履歴が前記コンピュータのデータベースに記録されていないとき、前記個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する処理と、を前記コンピュータによって実行することを特徴とする。
【0011】
このように構成された方法、プログラム及びシステムにおいて、1又は複数のコンピュータは、開封後の商品又はその一部の形態とユニーク性コードを一緒に撮影した写真の画像データを、端末からインターネットを介して受信して、商品の種類及び商品のユニーク性の情報を、受信した画像データのユニーク性コードの部分から読取る。それにより、個別の商品を特定する。また、1又は複数のコンピュータは、受信した画像データから認識される形態が、予め定められた形態に該当すると決定したとき、商品が開封されたことを認識する。予め決められた形態は、商品を開封しなければ達成できない形態である。これらの結果に基づいて、個別の商品の開封履歴を前記コンピュータのデータベースに記録する。商品ユニーク性コードは、商品が未開封の状態で読取られてもよく、商品ユニーク性コードの情報だけでは、個別の商品の開封履歴がデータベースに記録されない。
【0012】
上記方法、プログラム及びシステムにおいて、予め決められた形態は、包装袋又は包装箱を折畳んだ形態を含んでいてもよいし、カップ形商品から取外した蓋の形態を含んでいてもよい。
【0013】
上記方法において上記第2の目的を達成するために、好ましくは、更に、読取った商品の種類に基づいて、特典内容を決定する段階と、受信した画像データから認識される形態が、前記予め決められた形態に該当したことの情報及び前記特典内容を前記端末に送信する段階と、を含む。
【0014】
上記プログラムにおいて上記第2の目的を達成するために、好ましくは、更に、読取った商品の種類に基づいて、特典内容を決定する処理と、受信した画像データから認識される形態が、前記予め決められた形態に該当したことの情報及び前記特典内容を前記端末に送信する処理と、を実行させる。
【0015】
上記システムにおいて上記第2の目的を達成するために、好ましくは、更に、読取った商品の種類に基づいて、特典内容を決定する処理と、受信した画像データから認識される形態が、前記予め決められた形態に該当したことの情報及び前記特典内容を前記端末に送信する処理と、を前記コンピュータによって実行する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による方法に用いられるシステムの一例の概略図である。
図2】本発明による方法の一例のフローチャートである。
図3】本発明による方法の一例のフローチャートである。
図4】本発明による方法の一例のフローチャートである。
図5】空の包装袋を折畳む手順を示す図である。
図6】空の包装袋を折畳む手順を示す図である。
図7】空の包装袋を折畳む手順を示す図である。
図8】空の包装袋を折畳む手順を示す図である。
図9】空の包装袋を折畳む手順を示す図である。
図10】空の包装袋を折畳む手順を示す図である。
図11】空の包装袋を折畳む手順を示す図である。
図12】空の包装袋を折畳む手順を示す図である。
図13】折畳まれた空の包装袋の基本形態を示す図である。
図14】折畳まれた空の包装袋の類似形態の一例を示す図である。
図15】カップ形商品から取外された蓋の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、個別の商品の開封履歴を記録する方法、プログラム及びシステムを説明し、更に、それに付随する(特典内容を送信する)方法、プログラム及びシステムを説明する。個別の商品は、例えば、包装袋Bに密封されたポテトチップス等の包装食品Gであり、以下、包装食品G(具体的には、包装袋B)の開封履歴を記録する方法等を説明する。包装袋Bには、包装食品Gの情報及び包装食品Gのユニーク性の情報を含む商品ユニーク性コード50が印刷されている(図7参照)。以下に説明する実施例では、商品ユニーク性コード50は、包装食品Gの種類の情報を含む2次元コード51と、包装食品Gのユニーク性の情報を含む文字コード52である。
【0018】
図1は、本発明による個別の包装食品Gの開封履歴を記録する方法に含まれる段階又は処理をプログラムによって実行させるシステムの一例の概略図である。システム1は、消費者の携帯情報端末等の端末10と、端末10にインストールされたアプリケーションを管理するアプリケーションサーバと20と、ポイント付与判定システム30と、ポイント管理システム40を有する。
【0019】
アプリケーションサーバ20、ポイント付与判定システム30、及びポイント管理システムは、それぞれ又はそれらを組合せて、1又は複数のコンピュータによって構成され、かかるコンピュータは、物理的サーバとして機能していてもよいし、仮想サーバとして機能していてもよい。本実施例では、かかるコンピュータは、仮想サーバである。また、仮想サーバは、それぞれ、CPUの機能、メモリ機能、通信機能、入出力機能等を発揮するハードウエア資源を有しているが、それらの詳しい説明を省略する。仮想サーバ(コンピュータ)は、それぞれのソフトウエア(プログラム)と協働して作動する。
【0020】
端末10は、例えば、スマートフォンによって構成され、消費者によって操作される。端末10は、カメラ機能(図示せず)を有し、端末10にインストールされたスマートフォンアプリケーションに従って作動する。端末10は、インターネットを介して、アプリケーションサーバ20、ポイント付与判定システム30、及びポイント管理システムと通信可能である。スマートフォンアプリケーションは、写真を撮影して、撮影した写真の画像データをポイント付与システム30にインターネットを介して送信する処理を実行させることが可能である。
【0021】
アプリケーションサーバ20は、スマートフォンアプリケーションを管理するサーバであり、端末10とポイント管理システム40の間に介在している。
【0022】
ポイント付与判定システム30は、第1~第6のサーバ31~36を有する。
【0023】
第1のサーバ31は、ポイント付与判定アプリケーションに従って作動する仮想サーバである。第1のサーバ31は、端末10、アプリケーションサーバ20、及び第2~第6のサーバ32~36と通信可能である。
【0024】
第2のサーバ32は、2次元コードリーダの機能を有するSaaSである。第2のサーバ32に、2次元コード51を含む画像データを入力すると、第2のサーバ32は、2次元コードを読み取り、その情報を出力することが可能である。本実施例では、2次元コード51は、DataMatrixであり、2次元コード51の情報は、商品コードである。第2のサーバ32として、例えば、一般的に利用可能な2次元コードリーダ用SaaSを利用することが可能である。
【0025】
第3のサーバ33は、OCRの機能を有するSaaSである。第3のサーバ33に、文字コードを含む画像データを入力し、そのおおまかな位置と向きを指示すると、第3のサーバ33は、文字コードを読み取り、その情報を出力することが可能である。本実施例では、文字コード52は、英数字であり、文字コード52の情報は、例えば、製造所固有番号、及びシリアルコードである。第3のサーバ33として、例えば、一般的に利用可能なOCR用SaaSを利用することが可能である。
【0026】
第4のサーバ34は、AI技術を利用した形態認識機能を有するSaaSである。第4のサーバ34は、予め決められた形態に該当する様々な形態を撮影した多数の写真の画像データを機械学習によってモデル化した教師データを有し、第4のサーバ34に、判断すべき画像データを入力すると、第4のサーバ34は、画像データから認識される形態が、予め決められた形態として認識される程度を評価し、その評価の値を出力することが可能である。かかる評価の値は、例えば、パーセント表示である。第4のサーバ34として、例えば、Microsoft(登録商標)Azure(登録商標)のCognitive Serviceに含まれるCustom Visionを利用することが可能である。
【0027】
第5のサーバ35は、シリアルコードデータベースの機能を有する仮想サーバである。第5のサーバ35に、商品のシリアルコードを入力すると、第5のサーバ35は、シリアルコード及びそれに対応する商品(包装容器G)の開封履歴が記録されたテーブルを参照し、かかる商品の開封履歴が記録されているか否かを出力することが可能である。
【0028】
第6のサーバ36は、商品データベースの機能を有する仮想サーバである。第6のサーバに、商品の種類の情報を入力すると、第6のサーバは、商品(包装容器G)の種類及びそれに対応する特典内容(例えば、ポイント数、ポイント種別、ポイント期間)が記録されたテーブルを参照し、かかる特典内容の情報を出力することが可能である。
【0029】
ポイント管理システム40は、第7のサーバ41及び第8のサーバ42を有する。
【0030】
第7のサーバ41は、ポイント管理アプリケーションに従って作動する仮想サーバであり、第8のサーバ42は、顧客/ポイントデータベース42として機能する仮想サーバである。第7のサーバ41に、端末10からアプリケーションサーバ20を介して消費者の個人識別情報や特典内容の情報が入力されると、第7のサーバ41は、第8のサーバ42にアクセスし、個人識別情報によって特定される消費者(顧客)の情報やそれに属する特典内容を第8のサーバ42のデータベースに記録したりそれから読出したりすることが可能である。
【0031】
次に、本発明による個別の商品の開封履歴を記録する方法の一例を説明する。図2図4は、個別の包装食品Gの開封履歴を記録する本発明による方法が用いられるフローチャートの一例である。
【0032】
図2に示す段階S10は、本発明による方法を実施するための準備段階を示す。
【0033】
S11において、消費者が包装食品Gを正当に入手する。例えば、消費者が包装食品Gを購入したり、包装食品Gが消費者に無償で配布されたりすることにより、消費者が包装食品Gを入手する。消費者は、包装食品G(具体的には、包装袋B)を開封して、ポテトチップス等の食品を食べたり、食品を皿に出したりする。
【0034】
消費者は、空になった包装袋Bを平らにつぶして、折畳むことができる。S12において、消費者は、包装袋Bの外面や特定のウェブサイトや端末10にインストールされたアプリケーションにおいて指定された折り方に従って、包装袋Bを折畳んで、開封後の包装食品G(具体的には、包装袋B)を予め決められた形態にする。予め決められた形態は、商品(包装食品G)を開封しなければ達成できない形態である。
【0035】
かかる折り方の一例を、図5図13を参照して説明する。最初、平らにつぶされた包装袋Bを上方に2つ折りにし(図5及び図6参照)、更に、下方に2つ折りにする(図6及び図7参照)。包装袋Bは、図7に示す状態で、商品ユニーク性コード50(2次元コード51及び文字コード52)が、左端に現れるように作られている。
【0036】
次いで、折畳んだ包装袋Bを左右に反転させ(図7及び図8参照)、図8の山折り線に沿って、左端を裏側に且つ上方に折返す(図8及び図9参照)。次いで、図9の谷折り線に沿って、上向きの裏側の折返し部分B1と並ぶように、右端を表側(手前側)に且つ上方に折返す(図9及び図10参照)。それにより、商品ユニーク性コード50(2次元コード51及び文字コード52)が再び現れる。
【0037】
次いで、図10の谷折り線に沿って、上向きの表側の折返し部分B2を、横向きに折返すと共に、上向きの裏側の折返し部分B1の下に滑り込ませる(図10図12参照)。次いで、全体を裏返すことによって、商品ユニーク性コード50(2次元コード51及び文字コード52)が再び現れ、開封後の包装食品Gの予め決められた形態である5角形になる(図12及び図13参照)。すなわち、開封後の包装食品Gの予め決められた形態において、包装食品G及び包装食品Gのユニーク性の情報を含む商品ユニーク性コード50が露出される。
【0038】
なお、上述した折り方に従って包装袋Bを折畳んでも、図13に示すような5角形の形態(基準形態)にならないことがある。例えば、図9に示す段階で、裏側の折返し部分B1の長さが長いと、図14に示すような5角形でない形態(類似形態)になることがある。しかしながら、基準形態も類似形態も、包装袋Bを開封しなければ達成することができない形態であり、予め決められた形態の範囲内にある。
【0039】
次いで、S13において、消費者は、端末10にインストールされたアプリケーションを作動させる。次いで、消費者は、アプリケーションの指示に従って、端末10のカメラ(図示せず)で、折畳んだ包装袋Bの形態と商品ユニーク性コード50を一緒に、写真を撮影して、撮影した写真の画像データをポイント付与システム30にインターネットを介して送信する。この時、端末10の個人識別情報も一緒に送信する。
【0040】
図3に示す段階S20は、ポイント付与判定システム30によって、個別の包装食品Gの開封履歴を記録する段階及び特典内容を決定して端末10に送信する段階である。
【0041】
S21において、第1のサーバ31によって、開封後の包装食品G(具体的には、包装袋B)の形態と商品ユニーク性コード50を一緒に撮影した写真の画像データを、端末10からインターネットを介して受信する。
【0042】
次いで、S22において、第1のサーバ31によって、包装食品Gの種類及び包装食品Gのユニーク性の情報を、受信した画像データの商品ユニーク性コード50の部分から読取る。
【0043】
具体的には、画像データを、第1のサーバ31によって、第2のサーバ32(2次元コードリーダの機能を有するSaaS)に送信する。本実施例では(図7参照)、包装食品Gの種類の情報は、2次元コード51によって表されている。第2のサーバ32は、2次元コード51を読取り、包装食品Gの種類の情報を第1のサーバ31に送信する。
【0044】
それと並行して、画像データを、第1のサーバ31によって、第3のサーバ33(OCRの機能を有するSaaS)に送信する。本実施例では(図7参照)、包装食品Gのユニーク性の情報は、文字コード52によって表されている。文字コード52の情報を、第3のサーバ33によって読取る。本実施例では、文字コード52は、英数字であり、文字コード52の情報は、例えば、製造所固有番号、及びシリアルコードである。文字コード52の位置及び向きは、例えば、2次元コード51の位置及び向きに基づいて認識される。第3のサーバ32は、文字コード52を読取り、文字コードの情報を第1のサーバ31に送信する。
【0045】
S22と並行して、S23において、画像データを、第1のサーバ31によって、第4のサーバ34(AI技術を利用した形態認識機能を有するSaaS)に送信する。第4のサーバ34は、受信した画像データから認識される包装食品Gの形態が前記予め決められた形態として認識される程度を、教師データに基づくAI技術を利用して評価する。
【0046】
次いで、S24において、第1のサーバ31によって、前記評価に基づいて、受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当するか(YES)否か(NO)を決定する。例えば、評価の値が所定のパーセント以上であれば、認識される形態が予め決められた形態に該当することを決定する。
【0047】
S22において、読取った情報によって個別の包装食品Gが特定されると共に、S24において、受信した画像データから認識される形態が予め決められた形態に該当すると決定されることにより、個別の包装食品Gが開封されたことを認識することができる。
【0048】
次いで、S24でYESであるとき(受信した画像データから認識される形態が前記予め決められた形態に該当すると決定したとき)、好ましくは、S25において、第1のサーバ31によって、読取った商品の種類及び商品のユニーク性の情報によって特定される個別の商品の関封履歴が、第5のサーバ35(シリアルコードデータベース)に記録されているか(YES)否か(NO)を確認する。これにより、二重応募であるか否かを確認することができる。具体的には、第1のサーバ31は、第4のサーバ34にアクセスして、S22において特定された個別の包装食品Gのシリアルコードに対応する開封履歴がシリアルコードデータベース記録されているか(YES)否か(NO)を確認する。
【0049】
S25においてNOであれば(個別の包装食品Gのシリアルコードに対応する開封履歴がコンピュータのデータベースに記録されていないとき)、S26において、第1のサーバ31によって、個別の包装食品Gの開封履歴を第5サーバ35のシリアルコードデータベースに新しく記録する。
【0050】
また、好ましくは、S27において、第1のサーバ31によって、S22において特定された個別の包装食品Gの種類に対応する特典内容(例えば、ポイント数、ポイント種別、ポイント期間)を決定する。
【0051】
次いで、S28において、第1のサーバ31によって、個別の包装食品Gの開封履歴が記録されたこと(又は、受信した画像データから認識される形態が予め決められた形態に該当したこと)の情報、及び、特典内容の情報を端末10に送信する。
【0052】
また、S24においてNOであるとき(受信した画像データから認識される形態が予め決められた形態に該当しないと決定したとき(画像が不鮮明であるときを含む))、及び、S25においてYESであるとき(個別の包装食品Gのシリアルコードに対応する開封履歴がコンピュータのデータベースに記録されていたとき)、S29において、第1のサーバ31によって、特典が付与できない状態であることを決定して、そのこととその理由を端末10に送信する。
【0053】
図4を示す段階S30は、特典内容を決定した後の管理段階である。
【0054】
S31において、端末10が特典内容の情報を受信したら、S32において、端末10にインストールされているアプリケーションによって、個人識別情報と特典内容の情報を、アプリケーションサーバ20を介して、ポイント管理システム40の第7のサーバ41に送信する。アプリケーションサーバ20を介するのは、セキュリティを担保するためである。第7のサーバ41は、第8のサーバ42にアクセスして、個人識別情報によって特定される消費者(顧客)の特典内容の情報の記録を更新する。
【0055】
本実施例では、商品ユニーク性コード50と開封後の包装食品G(具体的には、包装袋B)の予め決められた形態を一緒に撮影した写真の画像データを使用するので、商品ユニーク性コード50を包装袋の表面に、即ち、隠すことなしに表示することができる。
【0056】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、以上の実施例態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0057】
上記実施例では、予め決められた形態は、5角形を基本形態とすると形態であったが(図13参照)、図4に示した形態を裏返して商品ユニーク性コードが現れるようにした折畳み形態や、図5に示した形態を、予め決められた形態としてもよい。予め決められた形態は、商品(包装食品G)を開封しなければ達成できない形態であれば、任意である。
【0058】
上記実施例では、開封後の包装食品G(具体的には、包装袋B)全体を予め決められた形態にしたが、包装袋B以外の包装箱等の包装材の形態を予め決められた形態にしてもよいし、開封後の包装食品Gの一部分を予め決められた形態にしてもよい。例えば、カップ形包装食品から取外した蓋だけを、予め決められた形態にしてもよい(図15参照)。上記実施例では、商品は包装食品であったが、それ以外の商品であってもよい。
【0059】
商品ユニーク性コード50は、2次元コード51や文字コード52に限られず、バーコード等の1次元コードであってもよい。また、上記実施例では、2次元コード51と文字コード52の両方を使用したが、大きいサイズの2次元コードだけを使用してもよい。2次元コードは、QRコード(登録商標)等であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 端末
31 第1のサーバ
32 第2のサーバ(2次元コードリーダ機能)
33 第3のサーバ(OCR機能)
34 第4のサーバ(形態認識機能)
35 第5のサーバ(シリアルコードデータベース)
36 第6のサーバ(商品データベース)
50 商品ユニーク性コード
B 包装袋(商品)
G 包装食品(商品)
図1
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