(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】逆浸透圧ろ過モジュール及びこれを含む逆浸透圧フィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 61/08 20060101AFI20230131BHJP
B01D 63/10 20060101ALI20230131BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20230131BHJP
【FI】
B01D61/08
B01D63/10
C02F1/44 H
(21)【出願番号】P 2020520206
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(86)【国際出願番号】 KR2018011929
(87)【国際公開番号】W WO2019074281
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】10-2017-0132583
(32)【優先日】2017-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】504092127
【氏名又は名称】トーレ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TORAY ADVANCED MATERIALS KOREA INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】300,3gongdan 2-ro,Gumi-si,Gyeongsangbuk-do 39389 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ソンコン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ソンハン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヘソン
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】カン サンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ドゥウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ インタク
(72)【発明者】
【氏名】キム ギリャン
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム カンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンクァン
(72)【発明者】
【氏名】ムン ジェフン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒキョン
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-109020(JP,A)
【文献】特表2014-525348(JP,A)
【文献】特開平04-330921(JP,A)
【文献】実開昭55-126903(JP,U)
【文献】実開昭55-102902(JP,U)
【文献】特開2017-047417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 29/21、61/00-71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の側は開放され他方の側は閉塞された
縦方向の浄水排出路が内部に形成され、前記浄水排出路に連通する連通孔が外周に形成される筒状の浄水排出管と、
浄水流動空間が内部に形成された逆浸透圧ろ過部材が、前記浄水流動空間が前記連通孔に連通するように前記浄水排出管と結合し、前記浄水排出管に複数回巻き付けられて円筒状を形成し、互いに向き合う前記逆浸透圧ろ過部材の外部面の間に水が
横方向に流動する流路を形成する逆浸透圧ろ過部と、
前記逆浸透圧ろ過部の
縦方向の一方の側
を密封して前記逆浸透圧ろ過部の前記一方の側と結合し、前記逆浸透圧ろ過部の前記流路に原水が流入するように前記流路に連結される流入孔が
円周方向に形成される第1流路形成キャップと、
前記逆浸透圧ろ過部の
縦方向の他方の側
を密封して前記逆浸透圧ろ過部の前記他方の側と結合し、前記逆浸透圧ろ過部の前記流路から前記原水の中で逆浸透圧ろ過部材を通過できずにろ過できなかった残りの原水で構成される生活用水を排出するように前記流路に連結される排出孔が
円周方向に形成される第2流路形成キャップと、
を含み、
前記第1及び第2流路形成キャップは、前記流路に流入した原水の一部が前記逆浸透圧ろ過部材を通過して前記浄水流動空間に流動しながら浄水になった後に前記浄水流動空間を流動し、前記逆浸透圧ろ過部材を通過できずにろ過できなかった残りの原水である前記生活用水が前記流路を流動しながら前記逆浸透圧ろ過部材をフラッシングするように構成され、
(1)前記流入孔が前記浄水排出管の中心軸から半径方向に前記逆浸透圧ろ過部の外側流路に前記原水を供給するように前記半径方向の外側において前記第1流路形成キャップに形成され、前記排出孔が前記半径方向に前記逆浸透圧ろ過部の内側流路から前記生活用水を排出するために前記流入孔の前記半径方向への位置と重畳しない前記半径方向の内側において前記第2流路形成キャップに形成される、又は、
(2)前記流入孔が前記浄水排出管の中心軸から半径方向に前記逆浸透圧ろ過部の内側流路に前記原水を供給するように前記半径方向の内側において前記第1流路形成キャップに形成され、前記排出孔が前記半径方向に前記逆浸透圧ろ過部の外側流路から前記生活用水を排出するために前記流入孔の前記半径方向への位置と重畳しない前記半径方向の外側において前記第2流路形成キャップに形成される
ことを特徴とする、逆浸透圧ろ過モジュール。
【請求項2】
前記第1流路形成キャップには、前記逆浸透圧ろ過部の
前記一方の側が挿入されて備えられ前記流入孔に連通する第1挿入部が形成され、
前記第2流路形成キャップには、前記逆浸透圧ろ過部の
前記他方の側が挿入されて備えられ前記排出孔に連通する第2挿入部が形成される、請求項1に記載の逆浸透圧ろ過モジュール。
【請求項3】
前記流入孔に連通しない前記第1挿入部の部分には、前記逆浸透圧ろ過部の
前記一方の側の対応する部分を密封する密封材が充填される第1密封空間が形成され、
前記排出孔に連通しない前記第2挿入部の部分には、前記逆浸透圧ろ過部の
前記他方の側の対応する部分を密封する密封材が充填される第2密封空間が形成される、請求項
2に記載の逆浸透圧ろ過モジュール。
【請求項4】
前記第1挿入部には、前記第1密封空間の少なくとも一部を仕切る第1仕切り壁が形成され、
前記第2挿入部には、前記第2密封空間の少なくとも一部を仕切る第2仕切り壁が形成される、請求項
3に記載の逆浸透圧ろ過モジュール。
【請求項5】
前記逆浸透圧ろ過部の
前記一方の側と
前記他方の側との少なくとも一部がそれぞれ前記第1及び第2の密封空間に挿入されて前記密封材が前記流入孔又は排出孔を介して漏れ出ることを防ぐように、前記逆浸透圧ろ過部の
前記一方の側と
前記他方の側とのうちの少なくとも一方に段付き部が形成される、請求項
4に記載の逆浸透圧ろ過モジュール。
【請求項6】
前記第1流路形成キャップと第2流路形成キャップとのうちの少なくとも一方には、前記浄水排出管が貫通する貫通孔が形成される、請求項1に記載の逆浸透圧ろ過モジュール。
【請求項7】
請求項1乃至請求項
6のうちのいずれか一項に記載の逆浸透圧ろ過モジュールと、
前記第1流路形成キャップの流入孔に連通する流入口、前記浄水排出管の浄水排出路の開放された一方の側に連通する浄水排出口、及び前記第2流路形成キャップの排出孔に連通する生活用水排出口、を備え、前記逆浸透圧ろ過モジュールが内部に備えられるハウジングと、
を含む逆浸透圧フィルタ。
【請求項8】
前記逆浸透圧ろ過モジュールには前記ハウジングとの隙間を密封する密封部材が備えられて、前記流入口に流入した原水が前記逆浸透圧ろ過モジュールと前記ハウジングとの隙間を介して前記浄水排出口又は前記生活用水排出口に排出されることを防ぐ、請求項
7に記載の逆浸透圧フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆浸透圧ろ過モジュール及びこれを含む逆浸透圧フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
逆浸透圧フィルタは、流入した原水をろ過して浄水を作る浄化フィルタのうちの一つであり、逆浸透圧フィルタに流入した原水の一部は逆浸透圧フィルタでろ過されて浄水として逆浸透圧フィルタから排出され、逆浸透圧フィルタでろ過できなかった残りの原水は生活用水として逆浸透圧フィルタから排出される。
【0003】
逆浸透圧フィルタは、逆浸透圧ろ過モジュールと、逆浸透圧ろ過モジュールが内部に備えられるハウジングとを含む。
【0004】
ハウジングには、原水が流入する流入口と、浄水が排出される浄水排出口と、生活用水が排出される生活用水排出口とが備えられる。逆浸透圧ろ過モジュールは、浄水排出管と、逆浸透圧ろ過部材とを含む。浄水排出管は、内部に一方の側が開放され、他方の側が閉塞された浄水排出路が形成され、外周に浄水排出路に連通する連通孔が形成される。逆浸透圧ろ過部材は、内部に浄水流動空間が形成され、浄水流動空間が浄水排出管の連通孔に連通するように浄水排出管に複数回巻き付けられる。このように、浄水排出管に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材の間には水が流動する流路が形成される。
【0005】
このような構成において、ハウジングの流入口を介して原水が流入すると、流入した原水は、浄水排出管に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材の間に形成された流路を流動しながら、その一部は、逆浸透圧ろ過部材を通過して浄水空間に流動しながら浄水になった後に浄水流動空間を流動する。浄水流動空間を流動した浄水は、浄水排出管の連通孔を介して浄水排出管の浄水排出路に流入して浄水排出路を流動した後、ハウジングの浄水排出口を介して外部に排出される。
【0006】
また、浄水排出管に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材の間に形成された流路を流動しながら、逆浸透圧ろ過部材を通過できなかったが故にろ過できなかった残りの原水である生活用水は、ハウジングの生活用水排出口を介して外部に排出される。
【0007】
従来、このような構成の逆浸透圧フィルタでは、逆浸透圧フィルタ、例えば逆浸透圧フィルタのハウジングの生活用水排出口にフラッシング用の水を別途に供給して逆浸透圧フィルタの逆浸透圧ろ過部材をフラッシングした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述のような従来から発生する要求又は問題の少なくともいずれか一つを認識してなされたものである。
【0009】
本発明の目的の一側面は、逆浸透圧フィルタの寿命を延長させることである。
【0010】
本発明の目的の他の側面は、フラッシング用の水を別途に供給しなくても逆浸透圧フィルタの逆浸透圧ろ過部材をフラッシングできるようにすることである。
【0011】
本発明の目的のまた他の側面は、浄水排出管に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材を含む逆浸透圧ろ過部の一方の側と他方の側とにそれぞれ第1及び第2の流路形成キャップを備えることにより、逆浸透圧ろ過部材の間に水が流動する所定の流路を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題の少なくとも一つの課題を実現するための一実施形態に係る逆浸透圧ろ過モジュール及びこれを含む逆浸透圧フィルタは、次のような特徴を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態による逆浸透圧ろ過モジュールは、一方の側は開放され他方の側は閉塞された浄水排出路が内部に形成され、前記浄水排出路に連通する連通孔が外周に形成される浄水排出管と、浄水流動空間が内部に形成された逆浸透圧ろ過部材が、前記浄水流動空間が前記連通孔に連通するように前記浄水排出管に複数回巻き付けられてなる逆浸透圧ろ過部と、前記浄水排出管に複数回巻き付けられた前記逆浸透圧ろ過部材の間に水が流動する所定の流路が形成されるように前記逆浸透圧ろ過部の一方の側と他方の側とにそれぞれ備えられる第1及び第2の流路形成キャップと、を含んでいてもよい。
【0014】
この場合には、前記第1及び第2の流路形成キャップは、前記流路に流入した原水の一部が、前記逆浸透圧ろ過部材を通過して前記浄水流動空間に流動しながら浄水になった後に前記浄水流動空間を流動し、前記逆浸透圧ろ過部材を通過できなかったためにろ過できなかった残りの原水である生活用水は、前記流路を流動しながら前記逆浸透圧ろ過部材をフラッシングするように構成されてもよい。
【0015】
また、前記第1流路形成キャップには、原水が流入するように前記流路に連絡される流入孔が形成され、前記第2流路形成キャップには、前記流路から生活用水が排出されるように前記流路に連絡される排出孔が形成されてもよい。
【0016】
そして、前記流入孔と排出孔とは、それぞれ前記第1流路形成キャップと第2流路形成キャップとにおいて円周方向に形成されてもよい。
【0017】
また、前記流入孔と排出孔とは、向かい合わずに互い違いに位置するように前記第1流路形成キャップと第2流路形成キャップとにおいてそれぞれ形成されてもよい。
【0018】
そして、前記第1流路形成キャップには、前記逆浸透圧ろ過部の一方の側が挿入されて備えられ、前記流入孔に連通する第1挿入部が形成され、前記第2流路形成キャップには、前記逆浸透圧ろ過部の他方の側が挿入されて備えられ、前記排出孔に連通する第2挿入部が形成されてもよい。
【0019】
また、前記流入孔に連通しない前記第1挿入部の部分には、前記逆浸透圧ろ過部の一方の側の対応する部分を密封する密封材が充填される第1密封空間が形成され、前記排出孔に連通しない前記第2挿入部の部分には、前記逆浸透圧ろ過部の他方の側の対応する部分を密封する密封材が充填される第2密封空間が形成されてもよい。
【0020】
そして、前記第1挿入部には、前記第1密封空間の少なくとも一部を仕切る第1仕切り壁が形成され、前記第2挿入部には、前記第2密封空間の少なくとも一部を仕切る第2仕切り壁が形成されてもよい。
【0021】
また、前記逆浸透圧ろ過部の一方の側と他方の側との少なくとも一部がそれぞれ前記第1及び第2の密封空間に挿入されて前記密封材が前記流入孔又は排出孔を介して漏れ出ることを防ぐように、前記逆浸透圧ろ過部の一方の側と他方の側とのうちの少なくとも一方に段付き部が形成されてもよい。
【0022】
そして、前記第1流路形成キャップと第2流路形成キャップとのうちの少なくとも一方には、前記浄水排出管が貫通する貫通孔が形成されてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態による逆浸透圧フィルタは、前述した逆浸透圧ろ過モジュールと、前記第1流路形成キャップの流入孔に連通する流入口、前記浄水排出管の浄水排出路の開放された一方の側に連通する浄水排出口、及び前記第2流路形成キャップの排出孔に連通する生活用水排出口を備え、前記逆浸透圧ろ過モジュールが内部に備えられるハウジングと、を含んでいてもよい。
【0024】
この場合には、前記逆浸透圧ろ過モジュールには前記ハウジングとの隙間を密封する密封部材が備えられて、前記流入口に流入した原水が前記逆浸透圧ろ過モジュールと前記ハウジングとの隙間を介して前記浄水排出口又は生活用水排出口に排出されることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明の実施例によれば、浄水排出管に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材を含む逆浸透圧ろ過部の一方の側と他方の側とにそれぞれ第1及び第2の流路形成キャップを備えることにより、逆浸透圧ろ過部材の間に水が流動する所定の流路を形成することができる。
【0026】
また、本発明の実施例によれば、フラッシング用の水を別途に供給しなくても逆浸透圧フィルタの逆浸透圧ろ過部材をフラッシングすることができる。
【0027】
さらにまた、本発明の実施例によれば、逆浸透圧フィルタの寿命を延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの一実施例を示す斜視図である。
【
図2】本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの一実施例の分解斜視図である。
【
図4】本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの浄水排出管から逆浸透圧ろ過部材を展開した状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの一実施例の第1流路形成キャップと第2流路形成キャップの平面図、及び第1流路形成キャップと第2流路形成キャップにより逆浸透圧ろ過部の逆浸透圧ろ過部材の間に形成された所定の流路を水が流動しながらろ過されるか、または逆浸透圧ろ過部材をフラッシングすることを示す概念図である。
【
図6】本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの他の実施例の第1流路形成キャップと第2流路形成キャップの平面図、及び第1流路形成キャップと第2流路形成キャップにより逆浸透圧ろ過部の逆浸透圧ろ過部材の間に形成された所定の流路を水が流動しながらろ過されるか、または逆浸透圧ろ過部材をフラッシングすることを示す概念図である。
【
図7】
本発明による逆浸透圧フィルタの一実施例を示す斜視図である。
【
図8】
本発明による逆浸透圧フィルタの一実施例の分解斜視図である。
【
図9】
図7のII-II’線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、上記のような本発明の特徴に対する理解を助けるために、本発明の実施例に係る逆浸透圧ろ過モジュール及びこれを含む逆浸透圧フィルタについてより詳細に説明する。
【0030】
以下に説明する実施例は、本発明の技術的な特徴を理解させるのに最も適した実施例に基づいて説明し、説明する実施例により本発明の技術的な特徴が制限されるのではなく、説明する実施例のように本発明を具現することができるということを例示するものである。したがって、本発明は以下に説明する実施例を通じて本発明の技術範囲内で様々な変形実施が可能であり、このような変形実施例も本発明の技術範囲内に属するといえる。また、以下に説明する実施例の理解を助けるために、添付の図面に記載の符号において、各実施例において同じ作用をする構成要素のうち関連する構成要素は、同一または延長線上の数字で表記した。
【0031】
逆浸透圧ろ過モジュール
【0032】
以下、
図1~図
6を参照して本発明による逆浸透圧ろ過モジュールについて説明する。
【0033】
図1は、本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの一実施例を示す斜視図であり、
図2は、本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの一実施例の分解斜視図であり、
図3は、
図1のI-I’線に沿う断面図である。
【0034】
また、
図4は、本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの浄水排出管から逆浸透圧ろ過部材を展開した状態を示す斜視図である。
【0035】
そして、
図5は、本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの一実施例の第1流路形成キャップと第2流路形成キャップの平面図、及び第1流路形成キャップと第2流路形成キャップにより逆浸透圧ろ過部の逆浸透圧ろ過部材の間に形成された所定の流路を水が流動しながらろ過されるか、または逆浸透圧ろ過部材をフラッシングすることを示す概念図である。
【0036】
また、図6は、本発明による逆浸透圧ろ過モジュールの他の実施例の第1流路形成キャップと第2流路形成キャップとの平面図、及び第1流路形成キャップと第2流路形成キャップとにより逆浸透圧ろ過部の逆浸透圧ろ過部材の間に形成された所定の流路を水が流動しながらろ過されるか、または逆浸透圧ろ過部材をフラッシングすることを示す概念図である。
【0037】
本発明による逆浸透圧ろ過モジュール100は、浄水排出管200と、逆浸透圧ろ過部300と、第1及び第2の流路形成キャップ400,500とを含んでいてもよい。
【0038】
浄水排出管200は、内部に浄水排出路210が形成されてもよい。
図3に示すように、浄水排出路210の一方の側は開放され、他方の側は閉塞されてもよい。
【0039】
浄水排出管200の外周には、浄水排出路210に連通する連通孔220が形成されてもよい。連通孔220は、
図2に示すように、浄水排出管200の外周に浄水排出管200の長さに沿って複数個が複数列で形成されてもよい。しかし、浄水排出管200の外周に形成される連通孔220の配置構成と数は特に限定されるものではなく、浄水排出路210に連通する配置構成と数であれば、いずれの配置構成と数でも採用可能である。
【0040】
逆浸透圧ろ過部300は、
図4に示すように、内部に浄水流動空間311が形成された逆浸透圧ろ過部材310が、浄水流動空間311が浄水排出管200の連通孔220に連通するように浄水排出管200に複数回巻き付けられてなっていてもよい。
【0041】
このため、
図2に示すように、逆浸透圧ろ過部300は円筒形であってもよい。
【0042】
逆浸透圧ろ過部300の一方の側と他方の側とのうちの少なくとも一方には段付き部STが形成されてもよい。
【0043】
逆浸透圧ろ過部300の一方の側と他方の側とは、第1及び第2の流路形成キャップ400,500に形成される後述の第1及び第2の挿入部420,520にそれぞれ挿入されて備えられてもよい。また、第1及び第2の流路形成キャップ400,500には、後述するようにそれぞれ流入孔410と排出孔510が形成され、第1及び第2の挿入部420,520は、後述するように流入孔410と排出孔510とにそれぞれ連通してもよい。そして、流入孔410や排出孔510に連通しない第1挿入部420と第2挿入部520との部分には、後述するように、密封材SLが充填される第1及び第2の密封空間SS1、SS2がそれぞれ形成されてもよい。
【0044】
前述したように、逆浸透圧ろ過部300の一方の側と他方の側のうちの少なくとも一方に段付け部STが形成されると、逆浸透圧ろ過部300の一方の側と他方の側がそれぞれ第1及び第2の挿入部420,520に挿入されて備えられるときに、逆浸透圧ろ過部300の一方の側と他方の側との少なくとも一部がそれぞれ第1及び第2の密封空間SS1、SS2に挿入されてもよい。
【0045】
これにより、第1及び第2の密封空間SS1、SS2に充填される密封材SLが、第1及び第2の流路形成キャップ400,500の流入孔410または排出孔510を介して漏れ出ることを防ぐことができる。その結果、逆浸透圧ろ過モジュール100の製作が容易にできる。
【0046】
第1及び第2の流路形成キャップ400,500を、逆浸透圧ろ過部300の一方の側と他方の側とにそれぞれ具備して、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部300の逆浸透圧ろ過部材310の間に、
図5及び図
6に示すように水が流動する所定の流路RTを形成することができる。
【0047】
このように、本発明による逆浸透圧ろ過モジュール100は、第1及び第2の流路形成キャップ400,500を用いて、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部300の逆浸透圧ろ過部材310の間に水が流動する所定の流路RTを形成することができる。
【0048】
したがって、本発明による逆浸透圧ろ過モジュール100を別途に製作することなく、既存の製品である、浄水排出管200及び逆浸透圧ろ過部300のみを含む逆浸透圧ろ過モジュール100に、第1及び第2の流路形成キャップ400,500をさらに備えて本発明による逆浸透圧ろ過モジュール100を製作することができる。
【0049】
結果として、本発明による逆浸透圧ろ過モジュール100を容易に製作することができる。
【0050】
第1及び第2の流路形成キャップ400,500は、
図5及び図
6に示すように、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTに流入した原水の一部が、逆浸透圧ろ過部材310を通過して浄水流動空間311に流動しながら浄水になった後に浄水流動空間311を流動するように構成されてもよい。
【0051】
逆浸透圧ろ過部材310の浄水流動空間311を流動した浄水は、
図5及び図
6に示すように、浄水排出管200の連通孔220を介して浄水排出管200の浄水排出路210に流入して、浄水排出路210を介して外部に排出されてもよい。
【0052】
また、第1及び第2の流路形成キャップ400,500は、
図5及び図
6に示すように、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTを流動しながら逆浸透圧ろ過部材310を通過できなかったためにろ過できなかった残りの原水である生活用水が、流路RTを流動しながら逆浸透圧ろ過部材310をフラッシングするように構成されてもよい。
【0053】
これにより、フラッシング用の水を別途に供給しなくても逆浸透圧ろ過部材310をフラッシングすることができ、逆浸透圧ろ過モジュール100の寿命と、逆浸透圧ろ過モジュール100を含む後述の逆浸透圧フィルタ10の寿命とを延長させることができる。
【0054】
逆浸透圧ろ過部材310をフラッシングした生活用水は、第2流路形成キャップ500の排出孔510を介して外部に排出されてもよい。
【0055】
第1流路形成キャップ400には、
図3、図5及び図
6に示すように流入孔410が形成されてもよい。流入孔410は、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTに連結されてもよい。そして、流入孔410を介して、原水が、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTに流入してもよい。
【0056】
第2流路形成キャップ500には、
図1~
図3、図5及び図
6に示すように排出孔510が形成されてもよい。排出孔510は、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTに連結されてもよい。そして、排出孔510を介して、生活用水が、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTから外部に排出されてもよい。
【0057】
流入孔410と排出孔510とは、それぞれ第1流路形成キャップ400と第2流路形成キャップ500とに円周方向に沿って形成されてもよい。例えば、
図5及び図
6に示すように、流入孔410と排出孔510とは、それぞれ第1流路形成キャップ400と第2流路形成キャップ500とにおいて、円周方向に沿って複数個が1つの列で形成されてもよい。
【0058】
流入孔410と排出孔510とは、
図3、図5及び図
6に示すように、第1流路形成キャップ400と第2流路形成キャップ500とにおいて、向かい合わずに互い違いに位置するようにそれぞれ形成されてもよい。
【0059】
これにより、
図5及び図
6に示すように、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に、一方の側と他方の側とがそれぞれ流入孔410と排出孔510とに連絡される比較的長い所定の流路RTが形成されてもよい。
【0060】
そして、これにより、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTを流動しながら逆浸透圧ろ過部材310を通過できなかったためにろ過できなかった生活用水が、長い流路RTを流動しながら逆浸透圧ろ過部材310を十分にフラッシングすることができる。
【0061】
第1流路形成キャップ400には、
図2に示すように第1挿入部420が形成されてもよい。第1挿入部420には、
図3に示すように逆浸透圧ろ過部300の一方の側が挿入されて備えられてもよい。また、第1挿入部420は流入孔410に連通されてもよい。
【0062】
流入孔410に連通しない第1挿入部420の部分には、第1密封空間SS1が形成されてもよい。例えば、
図2に示すように、第1挿入部420に、第1密封空間SS1の少なくとも一部を仕切る第1仕切り壁421を形成することにより、第1挿入部420に第1密封空間SS1を形成することができる。
【0063】
第1密封空間SS1には密封材SLが充填されてもよい。これにより、逆浸透圧ろ過部300の一方の側が第1挿入部420に挿入されて備えられるとき、第1密封空間SS1に対応する逆浸透圧ろ過部300の一方の側の部分が密封される。その結果、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に水が流動する所定の流路RTが形成される。
【0064】
第2流路形成キャップ500には、
図2に示すように第2挿入部520が形成されてもよい。第2挿入部520には、
図3に示すように逆浸透圧ろ過部300の他方の側が挿入されて備えられてもよい。また、第2挿入部520は排出孔510に連通されてもよい。
【0065】
排出孔510に連通しない第2挿入部520の部分には、第2密封空間SS2が形成されてもよい。例えば、
図2に示すように、第2挿入部520に、第2密封空間SS2の少なくとも一部を仕切る第2仕切り壁521を形成することにより、第2挿入部520に第2密封空間SS2を形成することができる。
【0066】
第2密封空間SS2には密封材SLが充填されてもよい。これにより、逆浸透圧ろ過部300の他方の側が第2挿入部520に挿入されて備えられるとき、第2密封空間SS2に対応する逆浸透圧ろ過部300の他方の側の部分が密封される。その結果、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に水が流動する所定の流路RTが形成される。
【0067】
一方、第1流路形成キャップ400と第2流路形成キャップ500のうちの少なくとも一方には、浄水排出管200が貫通する貫通孔530が形成されてもよい。例えば、貫通孔530は、
図2及び
図3に示すように、第2流路形成キャップ500に形成されてもよい。しかしながら、貫通孔530は、第1流路形成キャップ400に形成されてもよく、第1流路形成キャップ400と第2流路形成キャップ500との両方に形成されてよい。
【0068】
逆浸透圧フィルタ
【0069】
以下、図7~図9を参照して、本発明による逆浸透圧フィルタについて説明する。
【0070】
図7は、本発明による逆浸透圧フィルタの一実施例を示す斜視図であり、図8は、本発明による逆浸透圧フィルタの一実施例の分解斜視図であり、図9は、図7のII-II’に沿う断面図である。
【0071】
本発明による逆浸透圧フィルタ10は、逆浸透圧ろ過モジュール100と、ハウジング20とを含んでいてもよい。
【0072】
逆浸透圧ろ過モジュール100については前述したので、以下では、これについての説明は省略する。
【0073】
ハウジング20には、内部に逆浸透圧ろ過モジュール100が備えられてもよい。
【0074】
例えば、ハウジング20は、図7~図9に示すように、第1ハウジング部材21と、第2ハウジング部材22とを含んでいてもよい。そして、逆浸透圧ろ過モジュール100が、第1ハウジング部材21と第2ハウジング部材22とのうちのいずれか一方に挿入された状態で、第1ハウジング部材21と第2ハウジング部材22とを互いに連絡することにより、ハウジング20の内部に逆浸透圧ろ過モジュール100を備えてもよい。
【0075】
しかし、逆浸透圧ろ過モジュール100が内部に備えられるハウジング20の構成は、特に限定されず、逆浸透圧ろ過モジュール100が内部に備えられる構成であれば、周知のいずれの構成であってもよい。
【0076】
ハウジング20には、逆浸透圧ろ過モジュール100の第1流路形成キャップ400の流入孔410に連通する流入口21aと、逆浸透圧ろ過モジュール100の浄水排出管200の浄水排出路210の開放された一方の側に連通する浄水排出口22aと、第2流路形成キャップ500の排出孔510に連通する生活用水排出口22bとが備えられてもよい。
【0077】
例えば、図7~図9に示すように、流入口21aは第1ハウジング部材21に備えられ、浄水排出口22a及び生活用水排出口22bは第2ハウジング部材22に備えられてもよい。
【0078】
ハウジング20の流入口21aに流入した原水は、逆浸透圧ろ過モジュール100の第1流路形成キャップ400の流入孔410を介して、逆浸透圧ろ過モジュール100の浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTに流入して流動することができる。
【0079】
逆浸透圧ろ過モジュール100の浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTに流入した原水の一部は、逆浸透圧ろ過部材310を通過して逆浸透圧ろ過部材310の浄水流動空間311に流動しながら浄水になった後に浄水流動空間311を流動することができる。
【0080】
逆浸透圧ろ過部材310の浄水流動空間311を流動した浄水は、浄水排出管200の連通孔220を介して浄水排出管200の浄水排出路210に流入して浄水排出路210を流動した後、ハウジング20の浄水排出口22aを介して外部に排出されてもよい。
【0081】
一方、浄水排出管200に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材310の間に形成された所定の流路RTを流動しながら逆浸透圧ろ過部材310を通過できなかったためにろ過できなかった残りの原水である生活用水は、流路RTを流動しながら逆浸透圧ろ過部材310をフラッシングすることができる。
【0082】
逆浸透圧ろ過部材310をフラッシングした生活用水は、逆浸透圧ろ過部材310の第2流路形成キャップ500の排出孔510及びハウジング20の生活用水排出口22bを介して外部に排出されてもよい。
【0083】
逆浸透圧ろ過モジュール100には、ハウジング20との隙間を密封する密封部材OLが備えられてもよい。これにより、ハウジング20の流入口21aに流入した原水が、逆浸透圧ろ過モジュール100とハウジング20との隙間を介してハウジング20の浄水排出口22a又は生活用水排出口22bに排出されることを防ぐことができる。
【0084】
このように、密封部材OLだけで逆浸透圧ろ過モジュール100とハウジング20との隙間を密封できるので、逆浸透圧ろ過モジュール100とハウジング20との間の空きスペースを最小限に抑えることができる。従来の逆浸透圧フィルタ10では、逆浸透圧ろ過モジュール100とハウジング20との間の空きスペースが比較的大きいため、逆浸透圧ろ過モジュール100とハウジング20との隙間を密封するために密封部材OLに加えて他の構成要素を必要とした。しかし、本発明の逆浸透圧フィルタ10では、前述したように逆浸透圧ろ過モジュール100とハウジング20との間の空きスペースを最小限に抑えることができるので、ハウジング20の内部により大きな逆浸透圧ろ過モジュール100を備えることができる。
【0085】
以上のように、本発明による逆浸透圧ろ過モジュール及びこれを含む逆浸透圧フィルタによれば、浄水排出管に複数回巻き付けられた逆浸透圧ろ過部材を含む逆浸透圧ろ過部の一方の側と他方の側とにそれぞれ第1及び第2の流路形成キャップを備えることにより、逆浸透圧ろ過部材の間に水が流動する所定の流路を形成することができ、且つ、フラッシング用の水を別途に供給しなくても逆浸透圧フィルタの逆浸透圧ろ過部材をフラッシングすることができ、しかも、逆浸透圧フィルタの寿命を延長させることができる。
【0086】
以上のように説明した逆浸透圧ろ過モジュール及びこれを含む逆浸透圧フィルタは、上述した実施例の構成が限定的に適用されるものではなく、上記実施例の様々な変形が可能になるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成することもできる。