(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】画素単位減衰因子を導き出すために色空間情報を用いる周囲光抑制
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20230131BHJP
G06T 1/00 20060101ALN20230131BHJP
【FI】
A61N5/10 K
G06T1/00 510
(21)【出願番号】P 2021040028
(22)【出願日】2021-03-12
(62)【分割の表示】P 2017564430の分割
【原出願日】2016-03-21
【審査請求日】2021-04-07
(32)【優先日】2015-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505172824
【氏名又は名称】アキュレイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】チャップロー ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン ペトロ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ジエン
(72)【発明者】
【氏名】シン サーブジット
(72)【発明者】
【氏名】レイン トレヴァー
(72)【発明者】
【氏名】マウラー カルヴィン
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-269098(JP,A)
【文献】特開昭59-197810(JP,A)
【文献】特開平01-146564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
G01B 11/24
G06T 7/13
G21K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
マルチリーフコリメータ(MLC)のハウジング内に配置された照明システムを用いて前記MLCのリーフを第1の光で照明するステップと、
前記MLCのアパーチュアを通って前記MLCの前記ハウジング内の周囲光を受け取るステップと、
前記MLCの前記ハウジング内に位置する光学素子を含む画像化システムを用いて前記第1の光および前記周囲光で照明された前記MCLの前記リーフの第1の画像を捕捉するステップと、
前記周囲光の1又は複数の特性及び前記第1の光の1又は複数の特性に基づいて、前記第1の画像中の前記周囲光を抑制して前記MLCの前記リーフの第2の画像を処理装置によって生成するステップと、
前記第2の画像中の前記MLCの前記リーフの特徴を検出するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記第2の画像中の前記検出された特徴を用いて前記MLCのリーフの位置を追跡するステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記周囲光を抑制して前記第2の画像を生成する前記ステップは、
前記第1の画像に関する減衰マップを生成するステップと、
前記減衰マップを用いて前記第2の画像を生成するステップとを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記周囲光を抑制して前記第2の画像を生成する前記ステップは、前記減衰マップの生成に先立って前記第1の画像に関する飽和マップを決定するステップを更に含み、前記減衰マップを生成する前記ステップは、一連の形態学的および非線形変換を前記飽和マップに適用するステップを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第2の画像を生成する前記ステップは、前記減衰マップを画素単位乗算により前記第1の画像に適用するステップを含む、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記周囲光を抑制する前記ステップは、
第1の画像を受け取るステップを含み、前記第1の画像は、第1の複数の画素値を対応して有する第1の複数の画素を含み、
前記第1の複数の画素値の各画素値に対して乗算処理を行うことによって第2の複数の画素値を生成するステップを含み、
飽和レベルに対してある特定の応答を達成するよう定められた係数を有する多項式関数を用いて第3の複数の画素値を生成するステップを含み、前記第3の複数の画素値は、前記第2の画像を構成する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記飽和マップは、前記第1の画像中に画素の色と基準色との間の色空間距離を有する、請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記飽和マップは、前記第1の画像中の各画素の彩度の表現であり、前記方法は、
前記第1の画像に対してホワイトバランシング処理を実施するステップを更に含む、請求項4記載の方法。
【請求項9】
前記ホワイトバランシング処理を実施する前記ステップは、
前記第1の画像と関連した関心のある領域を決定するステップと、
前記第1の画像中の前記関心のある領域と関連した複数の画素のうちの各々について平均赤緑青(RGB)画素値を計算するステップと、
前記平均RGB画素値に基づいて強度因子を計算するステップと、
前記平均RGB画素値および前記強度因子に基づいてホワイトバランスパラメータベクトルを計算するステップと、
前記ホワイトバランスパラメータベクトルを前記第1の画像中の複数の画素の類似した位置に対応する次の画像中の次の複数の画素に適用するステップとを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ホワイトバランスパラメータベクトルは、次の画像中の前記複数の画素を補正するために画素単位乗算によって適用される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記減衰マップを生成する前記ステップは、
前記第1の画像中の画素について減衰曲線を創成するステップを含み、前記減衰曲線は、周囲光に起因して高い飽和度値を有する画素を減衰させ、前記減衰曲線は、前記第1の画像中のコリメータリーフ存在場所を表す画素を減衰させない、請求項3記載の方法。
【請求項12】
前記減衰マップに対して形態学的処理を実施して前記減衰マップ中のノイズおよび高周波数アーチファクトを減少させるステップを更に含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記照明システムは、LED照明システムである、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記第1の光は、白色光である、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記第1の光は
、第1の一次波長を有し、前記周囲光は、第2の一次波長を有し、前記第1の一次波長は、前記第2の一次波長とは同じでないように選択される、請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線治療システムで用いられるマルチリーフコリメータ(multi-leaf collimator:MLC)のための光学カメラ搭載型追跡システム、特に光学カメラ搭載型追跡システムのMLCハウジングに入る周囲光の影響の抑制に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2015年6月12日に出願された米国特許仮出願第62/175,149号の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
コリメータは、治療ビームと呼ばれる高エネルギー粒子のビームをシェーピング(整形)するために放射線治療で用いられる場合が多い。放射線治療システムの中には、マルチリーフコリメータ(MLC)と呼ばれる可変アパーチュア型コリメータを用いるものがある。マルチリーフコリメータは、治療ビームの経路中に別個独立に入ったりこれから出たりすることができる個々のリーフの集まりで構成されたコリメータである。原体照射治療(conformal radiation treatment)に関し、MLCにより、治療ビームのコンフォーマルシェーピングが可能である。したがって、画像を利用したフィードバックを用いて個々のリーフの正確な配置を保証することができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、方法であって、
マルチリーフコリメータ(MLC)のハウジング内に配置された照明システムを用いてMLCのリーフを第1の光で照明するステップと、
MLCのアパーチュアを通ってMLCのハウジング内の周囲光を受け取るステップと、
MLCのハウジング内に位置する光学素子を含む画像化システムを用いて第1の光および周囲光で照明されたMCLのリーフの第1の画像を捕捉するステップと、
第1の画像中の周囲光を抑制してMLCのリーフの第2の画像を処理装置によって生成するステップと、
第2の画像中のMLCのリーフの特徴を検出するステップとを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0005】
また、本発明によれば、放射線治療システムであって、
ハウジング内に配置されたマルチリーフコリメータ(MLC)と、
MLCのハウジング内に設けられていて、MLCのリーフを第1の光で照明する照明システムと、
第1の光および周囲光で照明されたMLCのリーフの第1の画像を捕捉する画像化システムと、
MLCのリーフの複数の画像を記憶するメモリと、
メモリに作動的に結合された処理装置とを含み、処理装置は、
MLCのリーフの第2の画像を処理装置によって生成するよう第1の画像中の周囲光を抑制し、そして、
第2の画像中のMLCのリーフの特徴を検出するよう構成されていることを特徴とする放射線治療システムが提供される。
【0006】
本発明は、添付の図面に含まれる図に例示的にかつ非限定的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明の実施形態に従って交換可能な可変アパーチュア型コリメータを備えたロボット利用LINACを含む放射線治療システムのコンポーネントの一実施形態を示す図である。
【
図1B】本発明の実施形態に従ってリーフの配置場所を確認するためにカメラフィードバックシステムを利用するMLCハウジングを示す図である。
【
図1C】本発明の実施形態に従って交換可能な可変アパーチュア型コリメータを備えたロボット利用LINACを含む放射線治療システムのコンポーネントの別の実施形態を示す図である。
【
図2A】本発明の実施形態に従って、周囲光がMLCのアパーチュアを通って入るMLCハウジングの内側からの図である。
【
図2B】本発明の実施形態に従って、周囲光がMLCのアパーチュアを通って入るMLCハウジングの内側からの図である。
【
図3】本発明の実施形態によるMLCアパーチュアのフィードバックカメラ画像を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に従って画像化システムにおいて周囲光を抑制する方法の流れ図である。
【
図5】本発明の実施形態に従って
図3に示されたフィードバックカメラ画像のために作られた最終の画像を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に従って放射線治療を実施する際に利用できるシステムの一実施形態を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態によるガントリ(回転照射機構)を利用した画像誘導式放射線治療システムを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態によるガントリ利用型画像誘導式治療システムを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態によるガントリ利用型強度変調放射線療法(IMRT)システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において、カメラ利用型追跡システムに対する周囲光の影響を抑制する方法が記載される。一実施形態では、放射線治療システムの線形加速器内におけるMLCリーフ位置の視覚的追跡および確認を可能にするため、コリメータハウジング内に配置されたカメラを含むカメラ利用型リーフ位置フィードバックシステムが具体化される。カメラ利用型リーフ追跡システムは、リーフ表面の画像上で視認できるリーフ特徴(例えば、切欠き、縁(エッジ)、突出部など)を検出することによって動作する。カメラが照明が最小限であるコリメータハウジング内に配置されているので、ハウジング内に配置されたLED照明システムは、リーフの表面を光で照明するために用いられる。外部光は、コリメータハウジングに入ってそしてアパーチュアの内側上のリーフの側部で反射する場合がある。これにより、アパーチュアを形作るリーフの前縁の近くに位置する照明を含むアパーチュア内の望ましくない照明が生じる。かかる照明により、リーフ位置の視覚的追跡および確認が困難になる場合がある。
【0009】
本発明の実施形態は、周囲光を抑制する技術に関し、この周囲光抑制技術は、ホワイトバランシング処理を含むのが良く、すなわち、色飽和度または彩度を決定するステップ、周囲光減衰マップを作成するステップおよび周囲光減衰マップを元の画像に適用するステップを含む。種々の実施形態は、アパーチュア全体、特にアパーチュアを形作るリーフの前縁の近くの望ましくない照明を減少させることによってリーフの配置場所の正確な視覚的確認を可能にする。加うるに、これら実施形態は、周囲光の影響を受ける他形式の画像化システムに利用できる。一実施形態では、カメラ利用型フィードバックシステムは、一次フィードバックシステムであるのが良い。別の実施形態では、カメラ利用型フィードバックシステムは、二次フィードバックシステムであるのが良い。
【0010】
注目されるべきこととして、白色光と関連してある特定の実施形態を本明細書において説明するが、本明細書において説明する方法は、特徴付けされた光源(原色の波長を知って)とともに使用することも可能である。色は、内部システムと周囲光との色分解を最大にするために動作環境に基づいて選択されるのが良い。色選択は、治療施設でまたは製造時点でLINAC101の設置時点で行われるのが良い。例えば、照明システムが治療室内にも設置される場合、所望の内部色は、設置のために選択されるのが良い。変形例として、LINAC101の設置時点において、MLC照明システム107がMLC内の周囲光の色を計測するためにターンオフされた状態でセンサがMLCアパーチュア(例えば、アパーチュア202によって示されている)内に保持されても良い。この実施形態では、計測された色に近すぎると見なされる色であればどんな色であっても(例えば、最も異なる色またはRGB/色度空間内のL2距離をコンピュータ計算するために国際照明委員会(CIE)によって用いられる測定基準例えばデルタ‐E測定基準を用いて)が周囲光であると見なされる。これは、一実施形態に従って実施できる以下に説明するホワイトバランシング処理(例えば、
図4の処理420)の必要性をなくすることができる。特定の一実施形態では、システム性能を最大にするため、MLCハウジングが用いられる放射線治療室の周囲照明条件は、種々の仕方で実施できる最も異なるMLC照明色(波長)を求めるために分析されるのが良い。一実施形態では、周囲光がRGB空間内のBLUE(青色)([0,0,1])である場合、例えば、最適内部光は、YELLOW(黄色)([1,1,0])であるのが良く、この色は、RED(赤色)とGREEN(緑色)の組み合わせであり、その結果、3つの独立した色軸線に沿って最も大きな分解が得られる。この分解を定量化するもう1つの仕方は、色相・彩度・明度(Hue, Saturation and Value:HSV)空間であり、このHSV空間では、第1のチャネルは、色相/クロマである。
図1Aおよび
図1Cは、交換可能なコリメータ100を備えたロボット利用型線形加速器(LINAC)101を含む放射線治療システムのコンポーネントの実施形態の互いに異なる図である。一実施形態では、放射線治療システム102は、ロボットアーム103に取り付けられたLINAC101を有する放射線放射ロボットを含む。コリメータハウジング100は、LINAC101に取り外し可能に取り付けることができる互いに異なるアパーチュアの種々の形式のコリメータ(例えば、虹彩コリメータ、MLCなど)のうちの任意の1つを収容するのが良い。互いに異なるコリメータは、コリメータ台104内に位置するのが良く、このコリメータ台の中において、放射線治療ロボットを動かしてコリメータ形式に基づいてコリメータをピックアップしたり降ろしたりすることができる。特定のアパーチュアは、放射線治療計画の詳細に合わせられている。以下に説明する実施形態では、コリメータハウジング100は、MLCを含むコリメータハウジングを表している。変形実施形態では、本明細書において説明する方法を他形式の可変アパーチュア型コリメータおよび他形式の放射線治療システム(例えば、ガントリ利用型LINAC治療システム)に利用することができる。
【0011】
図1Bは、MLCハウジング100の
図1Aの1B‐1B′線矢視断面側面図である。MLCハウジング100は、MLCハウジング100の内部を照明するために用いられる内部(例えば、LED)照明システム107を有し、この内部照明システムは、LED灯108およびディフューザ110を含む。カメラフィードバックシステムは、MLC列またはバンク(例えば、106)の個々のリーフ存在場所のライブ画像を捕捉するためにカメラ105を利用している。注目されるべきこととして、カメラ105は、放射線ビームによる影響を受けないようにビーム経路から離れて配置されたカメラ105と関連している光学素子および他のエレクトロニクスを含む画像イメージセンサを有するのが良い。カメラ105およびその関連のエレクトロニクスならびに照明システム107は、ディジタル処理システム670に連結されているカメラフィードバックシステムの一部であるのが良い。
図4と関連した処理の具体化に関して
図6を参照してディジタル処理システム670につき更に説明する。
【0012】
LINAC101の作動中、周囲光109がMLCハウジング100内のリーフの2つの列相互間のアパーチュアを通ってMLCハウジング100に入る(ベクトル119で表されている)。注目されるべきこととして、
図1Bは、MLCハウジング100の断面側面図であるので、リーフの列のうちの1つだけが図示されている。アパーチュアは、
図2Aおよび
図2Bに示されているようにLINAC101によって生じた放射線ビームを通過させることができるリーフの2つの列相互間の開口部である。周囲光109がMLC列106および対向した列111によって形成されたアパーチュアを通過しているとき、この周囲光は、アパーチュアの内部のリーフの側部で反射する。
【0013】
図2Aは、
図1のカメラ105によって捕捉されたままのMLCハウジング100の内側から見た図である。周囲光109がMLC列106および対向した列111によって形成ハウジング100に入ると、周囲光は、破線の楕円202によって示された全体的領域内のアパーチュアの内側に位置したMLC列106のリーフの側部で反射する。注目されるべきこととして、このアパーチュアは、MLC列106,111のリーフの中央前縁によって形成された領域であるのが良い。
図2Bは、MLC列106,111のリーフの中央前縁の近くに位置していて周囲光109によって引き起こされた望ましくない照明に204を示している。望ましくない照明204(この望ましくない照明の形状は、参照符号202によって全体的に示されたアパーチュアを表している)は、追跡可能なリーフ特徴(一実施形態では、これは、リーフに設けられた切欠きであるのが良いが、他形式の特徴、例えばリーフの縁であっても良い)として誤って識別される場合のあるアパーチュア中の視覚的パターンを形成することによってそして実際の追跡可能なリーフ特徴近くの画像の外観を変化させることによってMLC列106,111の個々のリーフの存在場所を求めて確認するカメラフィードバックシステムの能力に悪影響を及ぼす場合がある。
【0014】
図3は、光学画像化システムの斜視図からのMLCハウジング100の内面の画像300を示している。周囲光がアパーチュア202(このアパーチュアの参照符号の矢印は、MLC列106のリーフの前縁によって形成された中央領域に向いている)を通って入り、
図1のMLCハウジング100内に配置された金属表面を照明する。この場合、周囲光は、アパーチュア202の下方領域302をかなり照明するものとして示されている。
【0015】
図4は、画像化システム内の周囲光の影響を抑制するための方法400の流れ図である。方法400は、MLCハウジングに入ってMLCリーフ位置を追跡するために用いられる光学カメラ利用型画像化システムに悪影響を及ぼす周囲光の抑制に関して記載されている。しかしながら、理解されるべきこととして、方法400は、周囲光の影響を受ける他の画像化システム、特に、周囲光が一領域内に閉じ込められ、この領域が照明されるようにはなってはおらずまたは影響を受けた領域を暗くすることが望ましい場合に周囲光を抑制するためにも使用できる。方法400は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラム可能論理、マイクロコードなど)、ソフトウェア(例えば、ハードウェアシミュレーションを行うために処理装置上で実行される命令)、またはこれらの組み合わせを含む処理論理によって実施されるのが良い。
【0016】
ブロック410では、処理ロジックは、フィードバックシステムカメラ105を用いてMLC列表面およびアパーチュアの画像を捕捉する。ブロック420において、一実施形態では、カメラおよび内部照明システムは、結果として内部光だけが存在する状態でカメラから見てコリメータハウジング内の機械的表面(例えば、MLC列のリーフ)がグレースケール(ほぼ無色)に見えるようになっていない場合、オプションとしてのホワイトバランシング処理を実施するのが良い。カメラ105のレンズが変色して不透明になり、しかもカメラ105のイメージセンサの性能がカメラが動作する放射線環境に起因して変わるので、色の変化が起こる場合がある。ホワイトバランシング処理は、カメラシステム内のかかる放射線により引き起こされる変化を補償するために実施されるのが良い。
【0017】
一実施形態では、例えばMLCハウジング100の内部照明システムがほぼ灰色(グレー)ではなくまたは幾つかの処理によって灰色にマッピングされていない場合にホワイトバランシング処理を実施するのが良い。ホワイトバランシングを実施するため、関心領域(ROI)を選択し、ここでは、ROIは、内部照明システムによってのみ照明されたMLC列106,111の機械的表面である。例えば、ROIは、閉じられたアパーチュアを備えたMLC列106のリーフの可視表面領域として指示されるのが良い(例えば、周囲光がハウジングに入るのを阻止する場所にリーフが位置している場合)。ROIの選択に続き、平均RGB画素値vをROI内に位置する全ての画素について計算し、結果として、平均赤色画素値、平均緑色画素値および平均青色画素値が得られる。例えば、2つの画素のROIでは、画素Aは、[96;256;256]のRGB値を有し、画素Bは、[32;0;128]のRGB値を有する。結果としての平均RGB画素値は、[64;128;192]である。ここに提供されている画素の値は、本明細書において記載する説明を助けることだけを目的とする例示であるに過ぎないことは注目されるべきである。RGB空間を用いる実施形態を本明細書において説明するが、他の実施形態では、RGB色空間を必要としない場合のあるROIの平均色飽和度または彩度を最小限に抑えるという作用効果を達成するために使用できる。
【0018】
平均RGB画素値を用いて、スカラー強度因子sを計算する。一実施形態では、スカラー強度因子は、平均RGB画素値の3つの値の平均値を含む。平均RGB画素値が[64;128;192]の先の実施例を用いると、スカラー強度因子は、これらの3つの値の平均値であり、その結果、スカラー強度因子は、128である。平均RGB画素値の値vおよびスカラー強度因子sを用いると、ホワイトバランスパラメータベクトルgを計算するために用いられる場合がある。ホワイトバランスパラメータベクトルは、以下の方程式に示されているように平均RGB画素値の逆数にスカラー強度因子を乗算したものとして計算される。
g=s/v (1)
例えば、上述のように計算した値を用いると、この場合、s=128、v=[64;128;192]である場合、計算結果として、g=128/[64;128;192]または[2.0;1.0;0.667]のホワイトバランスパラメータベクトルが生じる。ホワイトバランスパラメータベクトルを画素単位乗算によって利用すると、次の画像中の画素を補正することができる(したがって、ホワイトバランシング処理420は、コンピュータ計算されたホワイトバランスを適用するステップだけから成るのが良く、このホワイトバランスは、システムハードウェアの変化を考慮に入れるためにそれほど頻繁にはコンピュータ計算されない場合がある)。注目されるべきこととして、単一の補正gが行われるが、これは、次の画像中の全ての画素に適用される。例えば、RGB値[64;128;192]の画素が所与の場合、補正された画素RGB値は、[64×2.0;128×1.0;192×0.667]=[128;128;128]である。その結果、補正された画素は、ゼロの飽和度または彩度(すなわち、赤色、緑色および青色について同一の値)および3つの色チャネルについての同一の平均強度を有する。これにより、ほぼグレースケールである(すなわち、コンピュータ計算された小さな色飽和度値を有する)MLCハウジング100内のリーフおよび他の金属表面の外観が与えられる。幾つかの実施形態では、ホワイトバランシング処理について異なるアルゴリズムを用いることができる。例示としては、画素強度のL2‐ノルムによる画素強度の標準化は、概念強度または平均RGB値以外の測定基準が挙げられるが、これらには限定されない。一変形実施形態では、測定基準は、例えばカメラ105がRGB以外の固有の色空間を有する場合、異なる色空間でコンピュータ計算されるのが良い。別の実施形態では、カメラハードウェアを利用したホワイトバランシング処理をセッティングが周囲光のないROIに基づいて得られる場合に使用するのが良い。
【0019】
方法400のブロック430では、処理論理は、ブロック410で捕捉された画像の彩度マップを決定する。一実施形態では、彩度マップは、画像中の各画素の色飽和度を表したものである。別の実施形態では、ホワイトバランシングステップを省いても良く、彩度マップは、各画素の色と基準色(すなわち、周囲光が存在しない場合にカメラによって捕捉される内部照明システムによって照明されたMLCリーフ表面の外観に関する十分に特定付けられた色)との間の色空間内における距離を表したものであるのが良い。
【0020】
方法400のブロック440では、一連の形態学的および非線形変換を彩度マップ(または基準色までの色空間内の距離のマップ)Sに適用して減衰マップAを生じさせ、それにより周囲光を抑制する。一実施形態では、彩度は、以下に示されている方程式2を用いて画素輝度によって調整され、Vは、強度(輝度)マップである。
S=S×(1+V) (2)
方程式2の結果を用いると、以下に示す方程式3を用いて鮮明な非線形減衰曲線を作る。所望の鮮明な非線形減衰曲線は、当初、高い勾配値を有するのが良く、勾配値は、指定された彩度値に達すると急減する。結果として、減衰曲線は、リーフ存在場所を表す画素を減衰させない状態で周囲光に起因した高い彩度値を備えた画素を極めて減衰させる減衰曲線が得られる。
A=1/(a×S3+b×S2+c×S+d) (3)
ブロック440で説明した方法の変形例は、減衰マップを1/(1+S)としてコンピュータ計算することである。変形例として、彩度マップを三次関数の入力として「直接」用いてブロック440の第1のステップ(S=S×(1+V))をスキップしても良い。
【0021】
三次係数(a,b,c,d)を実験により求めることができまたはある特定の形式の周囲光についてコンピュータ計算するのが良く(例えば、曲線を所望の応答に当てはめることによって、この場合、x軸は、彩度であり、y軸は、所望の減衰量の逆数である)ある特定の形式の周囲光に関する所望の減衰曲線または応答を得ることができる。このように、減衰の感度を彩度値のある特定の分布を有する周囲光に合わせるのが良い。別の実施形態では、任意形式の適当な伝達関数、例えば指数関数もしくは高次多項式または超越関数の組み合わせを用いるのが良い。形態学的処理(すなわち、減衰マップAのグレースケール開放または侵食)を実施して補正された画像中のノイズおよび高周波数アーチファクトを減少させる。形態学的処理の使用は、原画像が多量のノイズを有している場合または色チャネルのノイズが独立している場合に有用な場合がある。次に、周囲光減衰マップを画素単位乗算(V=V×A)により元の画像に適用する。ブロック450では、集光光が抑制された状態の最終画像を提供する。
【0022】
注目されるべきことして、上述の処理は、周囲光の影響を抑制する一方法であるに過ぎず、変形実施形態では、
図4の処理のうちのある特定の処理は、ある特定の処理は、オプションであって良くまたは例えばブロック440において非線形変換ではなく線形変換の使用によって単純な形態を取ることができる。
【0023】
図5は、
図3に示されている画像300についてブロック450で作られた最終の画像500を示しており、暗い領域は、最も低い減衰値を表す明るい領域に対して高い減衰値を表している。
図4のブロック440で決定された周囲光減衰マップを画素単位乗算(V=V・A)により)元の画像300全体に適用する。周囲光減衰マップは、リーフ存在場所を表す画素(これら画素は、ブロック420によりまたは他の技術によって適当にホワイトバランシングされたものである)を最小限に減衰させながら、周囲光によって生じた高い彩度値を有する画素を大幅に減衰させる。結果として得られた画像500は、例えば
図3の下方領域302と比較して下方領域502で顕著に見えるアパーチュア202を通ってMLCハウジング100に入った周囲光の抑制状態(幾何学的補正と一緒に)示している。周囲光が抑制された状態で、カメラ利用型フィードバックシステムは、MLC列106の個々のリーフの存在場所を確実に確認するとともに追跡することができる。
【0024】
図6は、放射線治療を実施する際に使用できるシステムの一実施形態を示している。これらシステムは、例えば上述の方法を実行するために使用できる。以下に説明するとともに
図6に示されているように、システム600は、診断画像化システム605、治療計画システム610、治療送出システム615および運動検出システム(図示せず)を含むのが良い。一実施形態では、診断画像化システム605および運動検出システムは、単一ユニットの状態に組み合わされる。
【0025】
診断画像化システム605は、次の医学的診断、治療計画、治療シミュレーションおよび/または治療送出のために使用できる患者の医学的診断画像を生じさせることができる任意のシステムであって良い。例えば、診断画像化システム605は、コンピュータ断層撮影(CT)システム、磁気共鳴映像(MRI)システム、ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)システムなどであるのが良い。説明を簡単にするために、診断画像化システム605をX線画像化モダリティと関連して時として以下において説明する場合がある。他の実施形態では、例えば上述したような他の画像化モダリティもまた用いることができる。
【0026】
一実施形態では、診断画像化システム605は、画像化ビーム(例えば、X線)を発生させる画像化源620および画像化源620によって生じたビームまたは画像化源(例えば、MRIまたはPETスキャンにおいて)からのビームによって刺激された二次ビームまたはエミッションを検出して受け取るための画像化検出器630を含む。
【0027】
一実施形態では、画像化源620および画像化検出器630は、画像化処理を制御するとともに画像データを処理するためにディジタル処理システム625に結合されるのが良い。一実施形態では、診断画像化システム605は、治療送出システム615からの画像化指令を受け取るのが良い。
【0028】
診断画像化システム605は、ディジタル処理システム625、画像化源620および画像化検出器630の間でデータおよび指令を移送するバスまたは他の手段680を含む。ディジタル処理システム625は、1つまたは2つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、特定目的プロセッサ、例えばディジタル信号プロセッサ(DSP)または他形式の装置、例えばコントローラまたはフィールドプロプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むのが良い。ディジタル処理システム625は、他のコンポーネント(図示せず)、例えばメモリ、記憶装置、ネットワークアダプタなどを更に含むのが良い。ディジタル処理システム625は、ディジタル診断画像を標準フォーマット、例えば、ディジタル・イメージング・アンド・コミュニケーションズ・イン・メディシン(Digital Imaging and Communications in Medicine:DICOM)フォーマットで発生させるよう構成されているのが良い。他の実施形態では、ディジタル処理システム625は、他の標準または非標準ディジタル画像フォーマットを発生させることができる。ディジタル処理システム625は、診断画像ファイル(例えば、上述のDICOMフォーマット化ファイル)をデータリンク683により治療送出システム615に伝送するのが良く、データリンク683は、例えばダイレクトリンク、ローカルエリアネットワーク(LAN)リンクまたはワイドエリアネットワーク(WAN)リンク、例えばインターネット(Internet)であるのが良い。加うるに、システム相互間で移送される情報は、例えば遠隔診断または治療計画形態においてシステムを互いに接続する通信媒体を介して引かれまたは押されるのが良い。遠隔診断または治療計画の際、ユーザは、本発明の実施形態を利用してシステムユーザと患者との間の物理的離隔状態が存在しているにもかかわらず診断しまたは治療することができる。
【0029】
一実施形態では、治療計画に一致して処方された放射線量を標的体積に投与する治療送出システム615は、治療および/または外科的放射線源660を含む。治療送出システム615は、コンピュータ断層撮影(CT)、例えばコーンビームCTを実施するための画像化システム665を更に含むのが良く、画像化システム665によって生じた画像は、二次元(2D)または三次元(3D)であるのが良い。
【0030】
治療送出システム615は、放射線源660を制御し、診断画像化605および/または治療計画システム610からのデータを受け取って処理し、そして患者支持装置、例えば治療台675を制御するためにディジタル処理システム670を更に含むのが良い。ディジタル処理システム670は、上述したカメラフィードバックシステムに連結されその一部であるのが良く、このディジタル処理装置は、
図1のカメラ105によって捕捉された画像に対して作動する。ディジタル処理システム670は、診断画像化システム605、2つまたは3つ以上の立体投影像から受け取った2DX線画像を診断画像化システム605のディジタル処理システム625によって生じたディジタル再構成X線像(DRR)および/または治療計画システム610の処理装置640によって生じたDRRに位置合わせするよう構成されているのが良い。ディジタル処理システム670は、1つまたは2つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、特定目的プロセッサ、例えばディジタル信号プロセッサ(DSP)または他形式の装置、例えばコントローラまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むのが良い。ディジタル処理システム670の処理装置は、治療送出処理、例えば
図4と関連して上述した方法400を実施するための命令を実行するよう構成されているのが良い。
【0031】
一実施形態では、ディジタル処理システム670は、処理装置に結合されていて情報および処理装置によって実行されるべき命令を記憶する読み取り書き込み記憶装置(RAM)または他の動的記憶装置を有するのが良いシステムメモリを含む。システムメモリはまた、処理装置による命令の実行中、一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用できる。システムメモリは、読み取り専用記憶装置(ROM)および/または静的情報および処理装置のための命令を記憶する他の静的記憶装置を更に含むのが良い。
【0032】
ディジタル処理装置システム670は、情報および命令を記憶する1つまたは2つ以上の記憶装置(例えば、磁気ディスク駆動機構または光学ディスク駆動機構)を表す記憶装置を更に含むのが良い。記憶装置は、本明細書において説明する治療送出ステップを実施するための命令を記憶するために使用されるのが良い。ディジタル処理システム670は、バス692または他形式の制御および通信インターフェースによって放射線源660および治療台675に結合されるのが良い。
【0033】
ディジタル処理システム670は、放射線源660によって送り出された放射線治療ビームと標的の位置合わせ状態を維持するために診断X線画像化のタイミングを管理する方法を実行するのが良い。
【0034】
一実施形態では、治療送出システム615は、バス692を経てディジタル処理システム670に接続された入力装置678およびディスプレイ677を含む。ディスプレイ677は、標的移動速度(例えば、治療下にある標的体積の移動速度)を識別するトレンドデータを示すことができる。ディスプレイはまた、患者の現在の放射線被曝量および患者のための投影済み放射線被曝量を示すことができる。入力装置678により、医師は、治療中、治療送出計画のパラメータを調節することができる。
【0035】
治療計画システム610は、治療計画および/またはシミュレーション計画を立案したり変更したりするために処理装置640を含む。処理装置640は、1つまたは2つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、特定目的プロセッサ、例えばディジタル信号プロセッサ(DSP)または他形式の装置、例えばコントローラまたはフィールドプロプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むのが良い。処理装置640は、本明細書において説明するシミュレーション生成操作および/または治療計画操作を実施する命令を実行するよう構成されているのが良い。
【0036】
治療計画システム610は、バス686によって処理装置640に結合されていて処理装置640によって実行されるべき命令を記憶する読み取り書き込み記憶装置(RAM)または他の動的記憶装置を有するのが良いシステムメモリ635を更に含む。システムメモリ635はまた、処理装置640による命令の実行中、一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用できる。システムメモリ635は、読み取り専用記憶装置(ROM)および/またはバス686に結合されていて処理装置640のための静的情報および命令を記憶する他の静的記憶装置を更に含むのが良い。
【0037】
治療計画システム610は、バス686に結合されていて情報および命令を記憶する1つまたは2つ以上の記憶装置(例えば、磁気ディスク駆動機構または光学ディスク駆動機構)を表す記憶装置645を更に含むのが良い。記憶装置645は、本明細書において説明した治療計画ステップを実施するための命令を記憶するために使用できる。
【0038】
処理装置640はまた、情報(例えば、VOIの2Dまたは3D表示)をユーザに表示するディスプレイ装置650、例えば陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)に結合されるのが良い。入力装置655、例えばキーボードが情報および/または指令選択を処理装置640に伝えるために処理装置640に結合されるのが良い。1つまたは2つ以上の他のユーザ入力装置(例えば、マウス、トラックボールまたはカーソル方向器)もまた、指向性情報を伝え、処理装置640のための指令を選択し、そしてディスプレイ650上でのカーソルの動きを制御するために使用されるのが良い。
【0039】
治療計画システム610は、治療送出システム、例えば治療送出システム615とそのデータベース(例えば、記憶装置645内に記憶されているデータ)を共有することができ、その結果、治療送出に先立って治療計画システムからエクスポートする必要ではないようにすることができる。治療計画システム610は、データリンク690を経由して治療送出システム615にリンクされるのが良く、データリンク690は、一実施形態では、ダイレクトリンク、LANリンクまたはWANリンクであるのが良い。
【0040】
注目されるべきこととして、データリンク683,686,690がLANまたはWAN接続部として具体化されると、診断画像化システム605、治療計画システム610、および/または治療送出システム615のうちの任意のものは、非集中型分散化場所に位置するのが良く、その結果、システムは、互いに物理的に遠くに位置するのが良い。変形例として、診断画像化システム605、治療計画システム610、および/または治療送出システム615のうちの任意のものを1つまたは2つ以上のシステム内で互いに一体化されても良い。
【0041】
図7および
図8は、本発明の実施形態としての画像誘導式放射線治療システム700,800の形態を示している。図示の実施形態では、放射線治療システム700,800は、放射線治療源として作用する直線加速器(LINAC)701、およびMLCハウジング100を含む。一実施形態では、LINAC701およびMLCハウジング100は、LINAC701およびMLCハウジング100を位置決めして病理解剖学的構造(例えば、標的720)を患者の周りの手術ボリューム内の多数の平面内における多数の角度から送り出されたビームで照射するために、多数の(例えば、5つまたは6つ以上の)自由度を備えたロボットアーム端部702の端部に取り付けられている。治療は、単一のアイソセンタ、多アイソセンタを含むビーム経路または非アイソセントリック方式のビーム経路を必要とするのが良い。変形例として、他形式の画像誘導式放射線治療(IGRT)システムを用いても良い。一変形実施形態では、LINAC701およびMLCハウジング100は、アイソセントリックビーム経路を提供するようガントリ利用型システムに取り付けられるのが良い。特定の一実施形態では、IGRTシステムは、ベロSBRTシステム(日本国においてTM200と呼ばれている)、剛性Oリング利用ガントリを利用した日本国東京所在の三菱重工業株式会社と独国のブレインラブ・エーゲー(BrainLAB AG)の共同製品である。
【0042】
一実施形態では、LINAC701およびMLCハウジング100は、ロボットアーム735を移動させることによって治療中、多数の互いに異なるノード(ロボットが停止するとともに放射線を送り出すことができる既定の位置)のところに位置決めされるのが良い。ノードのところで、LINAC701は、1本または2本以上の放射線治療ビームを標的に送り出すことができる。ノードは、患者の周りにほぼ球形の分布状態をなして配置されるのが良い。ノードの特定の数および各ノードのところで適用される治療ビームの数は、治療されるべき病理解剖学的構造の場所および種類の関数として様々な場合がある。例えば、ノードの個数は、50から300まで、より好ましくは15から100まで様々な場合があり、ビームの本数は、700から3200まで、またはより好ましくは50から300まで様々な場合がある。
【0043】
図7を参照すると、本発明の一実施形態としての放射線治療システム700がX線源703A,703Bおよび固定X線検出器704A,704Bに接続されたプロセッサ730を搭載した画像化システム665を含む。変形例として、X線源703A,703Bおよび/またはX線検出器704A,704Bは、移動可能であるのが良く、この場合、これらは、標的720との整列状態を維持するよう再位置決め可能でありまたは変形例として互いに異なる向きから標的を画像化しもしくは多くのX線画像を吸収して三次元(3D)コーンビームCTを再構成するよう再位置決め可能である。一実施形態では、X線源は、点源ではなく、これとは異なり、当業者には理解されるようにX線源アレイである。一実施形態では、LINAC701は、画像化源(ガントリ取り付け型であるにせよロボット取り付け型であるにせよいずれにせよ)としての役目を果たし、この場合、LINAC出力レベルを画像化のための許容可能なレベルに減少させる。
【0044】
画像化システム665は、コンピュータ断層撮影法(CT)、例えばコーンビームCTを実施することができ、画像化システム665によって生じた画像は、二次元(2D)または三次元(3D)であるのが良い。2つのX線源703a,703bを手術室の天井の固定された位置に取り付けるのが良く、そしてこれらのX線源を整列させて2つの互いに異なる角度位置(例えば、90°だけ離されている)からX線画像化ビームを投射して機械アイソセンタ(本明細書では治療センタといい、これは、治療の際、患者の治療台706上に位置決めするための基準点となる)のところで交差させるとともに患者を通過したあと、それぞれの検出器704a,704bの画像化平面を照射する。一実施形態では、画像化システム665は、標的720および周りの関心ボリューム(VOI)の立体画像化を可能にする。他の実施形態では、画像化システム665は、3つ以上または1つ以下のX線源および3つ以上または1つ以下の検出器を含むのが良く、検出器のどれもが固定されているのではなく可動であるのが良い。さらに別の実施形態では、X線源および検出器の位置は、相互に交換可能である。検出器704a,704bは、X線を可視光に変換する発光物質(例えば、非晶質シリコン)で作られるのが良く、非晶質シリコンおよび当業者には周知であるようにディジタル画像の座標系を基準画像の座標系に変換する画像位置合わせ(イメージレジストレーション)プロセス中、基準画像と比較することができるディジタル画像に光を変換するCMOS(相補型金属酸化膜半導体)またはCCD(電荷結合素子)画像化セルのアレイで作られるのが良い。基準画像は、例えば、ディジタル合成X線像(DRR)であるのが良く、これは、光線をCT画像中に向けることによってX線画像形成プロセスのシミュレートに基づいて3D・CT画像から作られた仮想X線画像である。
【0045】
図8を参照すると、変形実施形態では、画像化システム810は、標的運動を算定する運動検出装置812、検出場840を有する運動検出装置814を含む。運動検出装置814は、画像化場850内で起こる外部患者運動(例えば、呼吸中の胸部運動)を検出することができる。運動検出装置814は、標的運動を識別することができる任意のセンサまたは他の装置であるのが良い。運動検出装置814は、例えば、光学センサ、例えばカメラ、圧力センサ、電磁センサ、またはイオン化放射線をユーザに送ることなく運動検出を行うことができる他の何らかのセンサ(例えば、X線画像化システム以外のセンサ)であるのが良い。一実施形態では、運動検出装置814は、標的運動を表す測定データをリアルタイムで収集する。変形例として、達成できる周波数またはX線画像化で望ましい周波数(患者に各X線画像とともに送り出されるイオン化放射線に起因して)よりも高い(潜在的に実質的に高い)周波数で測定データを収集しても良い。一実施形態では、運動検出装置814は、高い絶対位置精度を提供することはない。これとは異なり、運動検出装置814は、患者の運動および標的の運動を検出するのに十分な相対的位置精度を提供することができる。
【0046】
一実施形態では、運動検出装置814は、光学システム、例えばカメラである。光学システムは、患者725上に位置する発光ダイオード(LED)の位置を追跡するのが良い。変形例として、光学システムは、患者上に位置するLEDの追跡から識別される患者725の表面領域を直接追跡しても良い。標的の運動とLEDおよび/または患者725の表面領域の運動との間に相関が存在する場合がある。LEDおよび/または表面領域の運動が検出されたとき、補正に基づいて、標的720が標的の存在場所を正確に突き止めるために別の診断X線画像を必要とするほど十分に動いたことが判定できる。
【0047】
図9は、ガントリ利用型(アイソセントリック)強度変調X線像(IMRT)システム900の一実施形態を示している。ガントリ利用型システム900では、ヘッド組立体901を備えた放射線源(LINAC)902およびMLCハウジング100は、これらが患者の軸方向スライスに対応した平面内で回転するようガントリに取り付けられている。次に、放射線を円形回転表面上の幾つかの位置から送り出す。IMRTでは、放射線ビームの形状は、ビームを部分的に遮断することができるマルチリーフコリメータ(MLC)によって定められ、その結果、患者に入射する残りのビームは、既定の形状を有するようになる。結果としてのシステムは、線量分布を標的に送り出すためにアイソセンタのところで互いに交差する恣意的な形状の放射線ビームを発生させる。一実施形態では、ガントリ利用型システム900は、C字形アーム利用システムであるのが良い。
【0048】
上述の説明から、本発明の諸観点を少なくとも部分的にソフトウェアで具体化できることは明らかであろう。すなわち、かかる技術を例えばメモリに入っている命令のシーケンスを実行するコンピュータシステムまたはそのプロセッサに応答する他のデータ処理システム、例えばディジタル処理システム670で実施できる。種々の実施形態では、ハードウェア回路をソフトウェア命令と組み合わせて使用でき、それにより本発明を具体化できる。かくして、かかる技術は、ハードウェア回路とソフトウェア回路の任意特定の組み合わせまたはデータ処理システムによって実行される命令の任意適当な源には限定されない。加うるに、本明細書全体を通じ、種々の機能および処理を説明を簡単にするためにソフトウェアコードによって実施されるものとしてまたは引き起こされるものとして説明することができる。しかしながら、当業者であれば認識されるように、かかる表現は、機能がプロセッサまたは制御装置、例えばディジタル処理システム670によるコードの実行の結果として得られることを意味している。
【0049】
機械可読媒体を用いると、ソフトウェアおよびデータを記憶することができ、かかるソフトウェアおよびデータは、汎用または特定目的データ処理システムによって実行されると、システムは、本発明の種々の方法を実施するようになる。この実施可能なソフトウェアおよびデータを種々の場所に記憶させることができ、かかる場所としては、例えば、システムメモリおよび記憶装置またはソフトウェアプログラムおよび/またはデータを記憶することができる任意他の装置が挙げられる。かくして、機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワーク装置、携帯情報端末、製造ツール、1組の1つまたは2つ以上のプロセッサを備えた任意の装置など)によってアクセス可能な形態で情報を提供する(すなわち、記憶する)任意の機構を含む。例えば、機械可読媒体としては、記録可能/記録不能媒体、例えば読み取り専用記憶装置(ROM)、読み取り書き込み記憶装置(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなどが挙げられる。
【0050】
上述の説明から明らかなように別段の指定がなければ、原文明細書において用いられる例えば“processing”(訳文では「処理する」としている場合が多い)、“computing”(訳文では「コンピュータ計算する」)、“generating”(訳文では「発生させる」または「生成する」)、“comparing”(訳文では「比較する」)、“determining”(訳文では「決定する」または「判定する」)、“calculating”(訳文では「計算する」)、“performing”(訳文では「実行する」または「実施する」)、“identifying”(訳文では「識別する」)などという用語は、コンピュータシステムまたはコンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理的(例えば、電子)量として表されたデータを処理してかかるデータをコンピュータシステムメモリもしくはレジスタまたは他のかかる情報記憶もしくは表示装置内の物理量として同様に表された他のデータに変換する類似の電子コンピュータ計算処理を意味することは理解されよう。本明細書において説明する方法および実施形態は、コンピュータソフトウェアを用いて具体化できる。認識された規格に適合するプログラミング言語で書かれた場合、方法を実施するよう設計された命令のシーケンスを種々のハードウェアプラットホーム上での実行可能にかつ種々のオペレーティングシステムに対してインターフェース可能にコンパイルすることができる。加うるに、本発明の実施形態は、任意特定のプログラミング言語に関して説明されてはいない。種々のプログラミング言語を用いて本発明の実施形態を実施することができることは理解されよう。
【0051】
本明細書において説明した方法および装置は、医学的診断画像化および治療にのみ使用が限定されるわけではないということは注目されるべきである。変形実施形態では、本明細書において説明した方法および装置は、医学的技術分野の他の用途、例えば工業用画像化および材料の非破壊検査において使用することができる。かかる用途では、「治療」は、一般に、治療計画システムにより制御される処理の実施、例えばビーム(例えば、放射線、音波など)の適用を意味する場合があり、「標的」は、非解剖学的構造対象物または領域を意味する場合がある。
【0052】
上述の説明において、本発明をその特定の例示の実施形態に関して説明した。しかしながら、特許請求の範囲に記載された本発明の広い精神および範囲から逸脱することなくかかる実施形態に対して種々の改造および変更を行うことができることは明らかであろう。したがって、明細書および図面は、本発明を限定するのではなく例示として見なされるべきである。
【0053】
本発明の実施形態は、以下の実施態様項を考慮して説明できる。
〔実施態様項1〕 方法であって、
マルチリーフコリメータ(MLC)のハウジング内に配置された照明システムを用いて上記MLCのリーフを第1の光で照明するステップと、
上記MLCのアパーチュアを通って上記MLCの上記ハウジング内の周囲光を受け取るステップと、
上記MLCの上記ハウジング内に位置する光学素子を含む画像化システムを用いて上記第1の光および上記周囲光で照明された上記MCLの上記リーフの第1の画像を捕捉するステップと、
上記第1の画像中の上記周囲光を抑制して上記MLCの上記リーフの第2の画像を処理装置によって生成するステップと、
上記第2の画像中の上記MLCの上記リーフの特徴を検出するステップとを含む、方法。
〔実施態様項2〕 上記第1の画像中の周囲光を抑制する上記ステップは、上記MLCの上記アパーチュアを形作る上記リーフの前縁近くの周囲光を抑制するステップを含む、実施態様項1記載の方法。
〔実施態様項3〕 上記第2の画像中の上記検出された特徴を用いて上記MLCのリーフの位置を追跡するステップを更に含む、実施態様項1記載の方法。
〔実施態様項4〕 上記周囲光を抑制して上記第2の画像を生成する上記ステップは、
上記第1の画像に関する減衰マップを生成するステップと、
上記減衰マップを用いて上記第2の画像を生成するステップとを含む、実施態様項1記載の方法。
〔実施態様項5〕 上記周囲光を抑制して上記第2の画像を生成する上記ステップは、上記減衰マップの生成に先立って上記第1の画像に関する彩度マップを決定するステップを更に含み、上記減衰マップを生成する上記ステップは、一連の形態学的および非線形変換を上記彩度マップに適用するステップを含む、実施態様項4記載の方法。
〔実施態様項6〕 上記第2の画像を生成する上記ステップは、上記減衰マップを画素単位乗算により上記第1の画像に適用するステップを含む、実施態様項4記載の方法。
〔実施態様項7〕 上記周囲光を抑制する上記ステップは、
第1の画像を受け取るステップを含み、上記第1の画像は、第1の複数の画素値を対応して有する第1の複数の画素を含み、
上記第1の複数の画素値の各画素値に対して乗算処理を行うことによって第2の複数の画素値を生成するステップを含み、
彩度レベルに対してある特定の応答を達成するよう定められた係数を有する多項式関数を用いて第3の複数の画素値を生成するステップを含み、上記第3の複数の画素値は、上記第2の画像を構成する、実施態様項1記載の方法。
〔実施態様項8〕 上記彩度マップは、上記第1の画像中に画素の色と基準色との間の色空間距離を有する、実施態様項4記載の方法。
〔実施態様項9〕 上記彩度マップは、上記第1の画像中の各画素の彩度の表現であり、上記方法は、
上記第1の画像に対してホワイトバランシング処理を実施するステップを更に含む、実施態様項4記載の方法。
〔実施態様項10〕 上記ホワイトバランシング処理を実施する上記ステップは、
上記第1の画像と関連した関心のある領域を決定するステップと、
上記第1の画像中の上記関心のある領域と関連した複数の画素のうちの各々について平均赤緑青(RGB)画素値を計算するステップと、
上記平均RGB画素値に基づいて強度因子を計算するステップと、
上記平均RGB画素値および上記強度因子に基づいてホワイトバランスパラメータベクトルを計算するステップと、
上記ホワイトバランスパラメータベクトルを上記第1の画像中の複数の画素の類似した位置に対応する次の画像中の次の複数の画素に適用するステップとを含む、実施態様項9記載の方法。
〔実施態様項11〕 上記ホワイトバランスパラメータベクトルは、次の画像中の上記複数の画素を補正するために画素単位乗算によって適用される、実施態様項10記載の方法。
〔実施態様項12〕 上記減衰マップを生成する上記ステップは、
上記第1の画像中の画素について減衰曲線を創成するステップを含み、上記減衰曲線は、周囲光に起因して高い飽和度値を有する画素を減衰させ、上記減衰曲線は、上記第1の画像中のコリメータリーフ存在場所を表す画素を減衰させない、実施態様項4記載の方法。
〔実施態様項13〕 上記減衰マップに対して形態学的処理を実施して上記減衰マップ中のノイズおよび高周波数アーチファクトを減少させるステップを更に含む、実施態様項12記載の方法。
〔実施態様項14〕 上記照明システムは、LED照明システムである、実施態様項1記載の方法。
〔実施態様項15〕 上記第1の光は、白色光である、実施態様項1記載の方法。
〔実施態様項16〕 上記第1の光は、上記第1の一次波長を有し、上記周囲光は、第2の一次波長を有し、上記第1の一次波長は、上記第2の一次波長とは同じでないように選択される、実施態様項1記載の方法。
〔実施態様項17〕 放射線治療システムであって、
ハウジング内に配置されたマルチリーフコリメータ(MLC)と、
上記MLCの上記ハウジング内に設けられていて、上記MLCのリーフを第1の光で照明する照明システムと、
上記第1の光および周囲光で照明された上記MLCの上記リーフの第1の画像を捕捉する画像化システムと、
上記MLCのリーフの複数の画像を記憶するメモリと、
上記メモリに作動的に結合された処理装置とを含み、上記処理装置は、
上記MLCの上記リーフの上記第2の画像を上記処理装置によって生成するよう上記第1の画像中の上記周囲光を抑制し、そして、
上記第2の画像中の上記MLCの上記リーフの特徴を検出するよう構成されている、放射線治療システム。
〔実施態様項18〕 上記第1の画像中の上記周囲光を抑制するため、上記処理装置は更に、上記MLCのアパーチュアを形作る上記リーフの前縁の近くの周囲光を抑制するよう構成されている、実施態様項17記載の放射線治療システム。
〔実施態様項19〕 上記処理装置は更に、上記第2の画像を含む上記検出された特徴を用いて上記MLCのリーフの位置を追跡するよう構成されている、実施態様項17記載の放射線治療システム。
〔実施態様項20〕 上記第1の画像は、第1の複数の画素値を対応関係をなして有する第1の複数の画素を有し、上記周囲光を抑制するため、上記処理装置は更に、
上記第1の複数の画像値のうちの各画素値に対して乗算処理を実施することによって第2の複数の画素値を生成し、そして、
上記周囲光のある特定の形式についての応答を得るために決定された係数を有する多項式関数を用いて第3の複数の画素値を生成するよう構成され、上記第3の複数の画素は、上記第2の画像を構成する、実施態様項19記載の放射線治療システム。
〔実施態様項21〕 上記画像化システムは、上記MLCの上記ハウジング内に位置する光学素子を含む、実施態様項17記載の放射線治療システム。
〔実施態様項22〕 上記周囲光を抑制するため、上記処理装置は更に、
上記第1の画像化について減衰マップを生成し、そして、
上記減衰マップを用いて上記第2の画像を生成するよう構成されている、実施態様項17記載の放射線治療システム。
〔実施態様項23〕 非一過性機械可読記憶媒体であって、処理装置によってアクセスされると、上記処理装置は、
第1の光および周囲光で照明されたマルチリーフコリメータ(MLC)のリーフの第1の画像を受け取り、
上記処理装置によって上記MLCの上記リーフの第2の画像を生成するよう上記第1の画像中の上記周囲光を抑制し、そして、
上記処理装置によって上記第2の画像中の上記MLCの上記リーフの特徴を検出するようにさせる命令を含むことを特徴とする非一過性機械可読記憶媒体。
〔実施態様項24〕 上記周囲光を抑制して上記第2の画像を生成するため、上記処理装置は更に、
上記第1の画像について減衰マップを生成し、そして、
上記減衰マップを用いて上記第2の画像を生成するよう構成されていることを特徴とする実施態様項23記載の非一過性機械可読記憶媒体。
さらに、好ましい構成態様として、本発明を次のように構成することもできる。
1. 方法であって、
マルチリーフコリメータ(MLC)のハウジング内に配置された照明システムを用いて前記MLCのリーフを第1の光で照明するステップと、
前記MLCのアパーチュアを通って前記MLCの前記ハウジング内の周囲光を受け取るステップと、
前記MLCの前記ハウジング内に位置する光学素子を含む画像化システムを用いて前記第1の光および前記周囲光で照明された前記MCLの前記リーフの第1の画像を捕捉するステップと、
前記第1の画像中の前記周囲光を抑制して前記MLCの前記リーフの第2の画像を処理装置によって生成するステップと、
前記第2の画像中の前記MLCの前記リーフの特徴を検出するステップとを含む、方法。
2. 前記第1の画像中の周囲光を抑制する前記ステップは、前記MLCの前記アパーチュアを形作る前記リーフの前縁近くの周囲光を抑制するステップを含む、上記1記載の方法。
3. 前記第2の画像中の前記検出された特徴を用いて前記MLCのリーフの位置を追跡するステップを更に含む、上記1記載の方法。
4. 前記周囲光を抑制して前記第2の画像を生成する前記ステップは、
前記第1の画像に関する減衰マップを生成するステップと、
前記減衰マップを用いて前記第2の画像を生成するステップとを含む、上記1記載の方法。
5. 前記周囲光を抑制して前記第2の画像を生成する前記ステップは、前記減衰マップの生成に先立って前記第1の画像に関する飽和マップを決定するステップを更に含み、前記減衰マップを生成する前記ステップは、一連の形態学的および非線形変換を前記飽和マップに適用するステップを含む、上記4記載の方法。
6. 前記第2の画像を生成する前記ステップは、前記減衰マップを画素単位乗算により前記第1の画像に適用するステップを含む、上記4記載の方法。
7. 前記周囲光を抑制する前記ステップは、
第1の画像を受け取るステップを含み、前記第1の画像は、第1の複数の画素値を対応して有する第1の複数の画素を含み、
前記第1の複数の画素値の各画素値に対して乗算処理を行うことによって第2の複数の画素値を生成するステップを含み、
飽和レベルに対してある特定の応答を達成するよう定められた係数を有する多項式関数を用いて第3の複数の画素値を生成するステップを含み、前記第3の複数の画素値は、前記第2の画像を構成する、上記1記載の方法。
8. 前記飽和マップは、前記第1の画像中に画素の色と基準色との間の色空間距離を有する、上記4記載の方法。
9. 前記飽和マップは、前記第1の画像中の各画素の彩度の表現であり、前記方法は、
前記第1の画像に対してホワイトバランシング処理を実施するステップを更に含む、上記4記載の方法。
10. 前記ホワイトバランシング処理を実施する前記ステップは、
前記第1の画像と関連した関心のある領域を決定するステップと、
前記第1の画像中の前記関心のある領域と関連した複数の画素のうちの各々について平均赤緑青(RGB)画素値を計算するステップと、
前記平均RGB画素値に基づいて強度因子を計算するステップと、
前記平均RGB画素値および前記強度因子に基づいてホワイトバランスパラメータベクトルを計算するステップと、
前記ホワイトバランスパラメータベクトルを前記第1の画像中の複数の画素の類似した位置に対応する次の画像中の次の複数の画素に適用するステップとを含む、上記9記載の方法。
11. 前記ホワイトバランスパラメータベクトルは、次の画像中の前記複数の画素を補正するために画素単位乗算によって適用される、上記10記載の方法。
12. 前記減衰マップを生成する前記ステップは、
前記第1の画像中の画素について減衰曲線を創成するステップを含み、前記減衰曲線は、周囲光に起因して高い飽和度値を有する画素を減衰させ、前記減衰曲線は、前記第1の画像中のコリメータリーフ存在場所を表す画素を減衰させない、上記4記載の方法。
13. 前記減衰マップに対して形態学的処理を実施して前記減衰マップ中のノイズおよび高周波数アーチファクトを減少させるステップを更に含む、上記12記載の方法。
14. 前記照明システムは、LED照明システムである、上記1記載の方法。
15. 前記第1の光は、白色光である、上記1記載の方法。
16. 前記第1の光は、前記第1の一次波長を有し、前記周囲光は、第2の一次波長を有し、前記第1の一次波長は、前記第2の一次波長とは同じでないように選択される、上記1記載の方法。
17. 放射線治療システムであって、
ハウジング内に配置されたマルチリーフコリメータ(MLC)と、
前記MLCの前記ハウジング内に設けられていて、前記MLCのリーフを第1の光で照明する照明システムと、
前記第1の光および周囲光で照明された前記MLCの前記リーフの第1の画像を捕捉する画像化システムと、
前記MLCのリーフの複数の画像を記憶するメモリと、
前記メモリに作動的に結合された処理装置とを含み、前記処理装置は、
前記MLCの前記リーフの前記第2の画像を前記処理装置によって生成するよう前記第1の画像中の前記周囲光を抑制し、そして、
前記第2の画像中の前記MLCの前記リーフの特徴を検出するよう構成されている、放射線治療システム。
18. 前記第1の画像中の前記周囲光を抑制するため、前記処理装置は更に、前記MLCのアパーチュアを形作る前記リーフの前縁の近くの周囲光を抑制するよう構成されている、上記17記載の放射線治療システム。
19. 前記処理装置は更に、前記第2の画像を含む前記検出された特徴を用いて前記MLCのリーフの位置を追跡するよう構成されている、上記17記載の放射線治療システム。
20. 前記第1の画像は、第1の複数の画素値を対応関係をなして有する第1の複数の画素を有し、前記周囲光を抑制するため、前記処理装置は更に、
前記第1の複数の画像値のうちの各画素値に対して乗算処理を実施することによって第2の複数の画素値を生成し、そして、
前記周囲光のある特定の形式についての応答を得るために決定された係数を有する多項式関数を用いて第3の複数の画素値を生成するよう構成され、前記第3の複数の画素は、前記第2の画像を構成する、上記19記載の放射線治療システム。
21. 前記画像化システムは、前記MLCの前記ハウジング内に位置する光学素子を含む、上記17記載の放射線治療システム。
22. 前記周囲光を抑制するため、前記処理装置は更に、
前記第1の画像化について減衰マップを生成し、そして、
前記減衰マップを用いて前記第2の画像を生成するよう構成されている、上記17記載の放射線治療システム。