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特許7219318固体ゲル発煙棒、その製造方法及びそれを含むタバコ
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  • 特許-固体ゲル発煙棒、その製造方法及びそれを含むタバコ 図1
  • 特許-固体ゲル発煙棒、その製造方法及びそれを含むタバコ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-30
(45)【発行日】2023-02-07
(54)【発明の名称】固体ゲル発煙棒、その製造方法及びそれを含むタバコ
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20230131BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021155868
(22)【出願日】2021-09-24
(65)【公開番号】P2022080266
(43)【公開日】2022-05-27
【審査請求日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】202011287158.3
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517283640
【氏名又は名称】雲南中煙工業有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】何沛
(72)【発明者】
【氏名】司暁喜
(72)【発明者】
【氏名】劉春波
(72)【発明者】
【氏名】楊晨
(72)【発明者】
【氏名】向能軍
(72)【発明者】
【氏名】唐石云
(72)【発明者】
【氏名】張鳳梅
(72)【発明者】
【氏名】李振杰
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-503204(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0104218(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁及びコア部を有する棒状構造であり、前記外壁がミツロウであり、前記コア部が発煙剤を含むゲルであることを特徴とする、固体ゲル発煙棒。
【請求項2】
前記ゲルは、香味物質をさらに含み、前記ミツロウの外壁の厚さが1~2mmであることを特徴とする請求項1に記載の固体ゲル発煙棒。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固体ゲル発煙棒を含むタバコ。
【請求項4】
前記タバコは、発煙部を備え、前記固体ゲル発煙棒が前記発煙部内に設けられることを特徴とする、請求項3に記載のタバコ。
【請求項5】
前記発煙部は、中空紙管部であり、その側壁が外層及び内層を備え、前記外層が紙層であり、前記内層が金属箔層であることを特徴とする、請求項4に記載のタバコ。
【請求項6】
前記中空紙管部の上流端部が封止又は開放され、下流端部が開放されていることを特徴とする、請求項に記載のタバコ。
【請求項7】
前記中空紙管部の下流に中空支持部が当接しており、前記中空支持部の内径が前記固体ゲル発煙棒の外径よりも小さいことを特徴とする、請求項に記載のタバコ。
【請求項8】
前記タバコの側壁に通気孔が設けられ、前記通気孔が前記固体ゲル発煙棒の下流に位置することを特徴とする、請求項に記載のタバコ。
【請求項9】
前記通気孔が前記中空支持部の側壁に設けられることを特徴とする、請求項に記載のタバコ。
【請求項10】
ミツロウを、一端が開口したバレル容器にするステップ(1)と、
前記ステップ(1)で得られた前記バレル容器内にゲルを注入するステップ(2)と、
前記ステップ(2)で得られた、ゲルを注入した前記バレル容器をミツロウで封止し、冷却して、固体ゲル発煙棒を得るステップ(3)と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の固体ゲル発煙棒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非燃焼加熱式タバコの技術分野に属し、特に固体ゲル発煙棒、該固体ゲル発煙棒の製造方法及びそれを含むタバコに関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の向上に伴い、人々が自身の健康をますます重視するようになり、近年、喫煙による健康問題に大きな関心が寄せられている。国内外の各大手企業は、多様な消費ニーズを満たすために、従来の紙巻きタバコに代わる完全中空型タバコ製品の開発を盛んに行っている。これらの増加しつつある完全中空型タバコ製品のうち、電子タバコ及び非燃焼加熱式タバコはその主流である。
【0003】
電子タバコは、電子製品のタバコ業界における拡大使用として、香喫味の可変性が高く、リキッドの成分を調整することで煙の香喫味を任意に調整することができるという利点を有するが、煙が主に電子霧化器により生成されるため、その口当たり、特に温度は、加熱により煙を発生させる従来の紙巻きタバコとは依然としてある程度の差があるので、紙巻きタバコ喫煙者に受け入れられにくい。
【0004】
非燃焼加熱式タバコは、タバコの発煙部を加熱して煙を発生させ、発生させた煙の口当たりの受け入れ程度が高い。現在、市販されている非燃焼加熱式タバコの発煙部は、ランダムに充填された再構成タバコシートであり、タバコの吸引時に、煙量が不足するという問題が存在する。煙量が不足する原因は主に、(1)発煙部として使用される再構成タバコシートは、充填の際に所定の加工強度を必要とするので、再構成タバコシートに添加された香料及び発煙剤の量が少なくなる;(2)香料及び発煙剤が添加された再構成タバコシートは、複数回の高温処理工程を経る必要があるので、添加された香料及び発煙剤の揮発が多くなる;(3)再構成タバコシートは、発煙部に密に配置されているため、フィルター部から遠い発煙部の前端で発生した煙が、後端で大量に遮断されるからである。
【0005】
また、中央加熱式タバコは、中央加熱棒を挿入することを満たすために、タバコ刻みが規則的に配列される必要があるが、通常の周方向加熱式タバコが中央加熱式喫煙具に使用することができず、周方向加熱式タバコは、タバコ巻紙を直接加熱するため、煙中の紙の焦げ臭さが目立ってしまう。
【0006】
上記の問題点を解消するために、本発明を提出する。
【発明の内容】
【0007】
上記問題点のうち少なくとも1つを解消するために、本発明を提出する。
【0008】
本発明の第1態様は、外壁及びコア部を有する棒状構造であり、外壁がミツロウであり、コア部が発煙剤を含むゲルである固体ゲル発煙棒を提供する。
【0009】
好ましくは、ゲルは、香味物質をさらに含み、ミツロウの外壁の厚さが1~2mmである。
【0010】
好ましくは、発煙棒は円柱体である。
【0011】
発煙剤は、プロピレングリコール、グリセロールなどから選ばれてもよい。
【0012】
本発明の第2態様は、第1態様のいずれか一項に記載の固体ゲル発煙棒を含むタバコを提供する。
【0013】
好ましくは、タバコは、発煙部を備え、発煙棒が発煙部内に設けられる。
【0014】
発煙部は、中空円柱体構造であり、その内径が発煙棒の外径に等しいか又はそれよりもやや大きく、長さが発煙棒の長さに等しいか又はそれよりもやや長く、発煙棒を挿入して固定することができる。
【0015】
好ましくは、発煙部は、中空紙管部であり、その側壁が外層及び内層を備え、外層が紙層であり、内層が金属箔層である。
金属箔層がアルミニウム箔層又は錫箔層から選ばれてもよい。
【0016】
好ましくは、紙管部の上流端部が封止又は開放され、下流端部が開放されている。
紙管部の上流端部の封止層の外層が紙層であり、内層が金属箔層である。封止方式は、紙管部の材料を封止層として直接使用してもよい。
紙管部の上流端部が封止された場合に、その内部の固体ゲル発煙棒が加熱されて溶融しタバコから流出して喫煙具を汚染することを防止することができる。中央加熱式を使用する際、加熱シートが紙管部の上流端部の封止層及び発煙棒の外壁を突き破って発煙棒に挿入すればよい。
【0017】
好ましくは、紙管部の下流に中空支持部が当接しており、中空支持部の内径が発煙棒の外径よりも小さく、中空支持部で発煙棒の位置を規制することにより、発煙棒の下流への移動を防止する。
【0018】
好ましくは、タバコの側壁に通気孔が設けられ、通気孔が発煙棒の下流に位置し、吸引時に、空気は、通気孔からタバコ内に入って、上流の発煙棒が加熱されて発生した煙と中空支持部で混合する。
【0019】
好ましくは、通気孔が中空支持部の側壁に設けられる。
【0020】
好ましくは、中空支持部は、長さが5~10mmであり、紙管部の下流端部から3~5mm離間するところに通気孔が設けられる。中空支持部の内径が紙管部の内径よりも2mm小さい。
【0021】
好ましくは、中空支持部の下流がフィルター部に当接しており、フィルター部は、通常の非燃焼加熱式タバコ用のフィルターを使用してもよいし、PLAトウであってもよいし、吸引抵抗の小さいセルロースアセテートトウであってもよい。
【0022】
本発明の第3態様は、
ミツロウを、一端が開口したバレル容器にするステップ(1)と、
ステップ(1)で得られたバレル容器内にゲルを注入するステップ(2)と、
ステップ(2)で得られた、ゲルを注入したバレル容器をミツロウで封止し、冷却して、固体ゲル発煙棒を得るステップ(3)と、を含む、第1態様のいずれか一項に記載の固体ゲル発煙棒の製造方法を提供する。
【0023】
本発明では、タバコ内の煙の流れ方向が上流から下流へと流れる。
【0024】
上記の技術的手段は、矛盾しないことを前提として自由に組み合わせてもよい。
【0025】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
1、従来の非燃焼加熱式タバコは、発煙部に再構成タバコシートを充填するのが一般的である。この外壁でゲルを取り囲んで形成された発煙棒を、非燃焼加熱式タバコの発煙部に充填するのは本発明が初めてである。固体ゲル発煙棒は、再構成タバコシートではないので、発煙部中の発煙剤、香料の添加量が制限を受けることなく、同一重量の場合、本発明の発煙部に添加された発煙剤及び香料の合計量が、再構成タバコシートの5~7倍であり、再構成タバコシートが加工強度に制限されるので、発煙剤及び香料の添加量が不足するという問題を完全に解消することができる。そして、本発明で製造された固体ゲル発煙棒は、タバコの製造に直接使用でき、複数回の高温処理工程を経る必要がないので、添加された香料及び発煙剤の揮発が多くなることを回避し、揮発性成分のロスが少ない。
2、本発明に係る固体ゲル発煙棒の製造方法は、溶融凝固法又はプレス成形法を採用し、製造時のロスが少なく、製造方法が簡単である。加熱後に、ゲルのコア部及び少なくとも一部のミツロウの外壁が溶融し気化して煙を生成し、中央の気流通路がスムーズであり、発煙部に煙を遮断するものがほとんどない。したがって、再構成タバコシートの発煙部に比べて、煙量が多くなる。ミツロウの外壁が所定の香味も提供する。
3、本発明の固体ゲル発煙棒を含むタバコは、吸引時に、キャリアガスとしての空気が霧化の後端、即ち発煙棒の後端から入り、前の加熱過程を経ることないので、外気による煙の冷却効果が優れる。
4、本発明に係る固体ゲル発煙棒における発煙剤及び香料は、ゲルの形態で存在し、従来技術において製造された再構成タバコシートに発煙剤及び香料を添加したものではなく、加香過程が簡単で均一であり、困難さを大幅に低減して、設計コストを削減することができる。さらに、再構成タバコシートに発煙剤及び香料を添加する場合の揮発による無駄を最大限に省くことができる。
5、本発明の固体ゲル発煙棒を含むタバコは、喫煙具に限定されることなく、中央加熱式及び周方向加熱式の両方でも吸引することができる。
6、本発明の発煙棒及び該発煙棒を含むタバコは、従来技術の非燃焼加熱式タバコに比べて、中央加熱式喫煙具に使用されても、周方向加熱式喫煙具に使用されても、煙量が著しく増加され、満足感が上昇し、煙の灼熱感が著しく低減され、香気量が著しく増加され、混在臭の発生がない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施例1の固体ゲル発煙棒を含むタバコの構造概略図である。
図2】実施例1の固体ゲル発煙棒の構造概略図である。
図3】実施例1のタバコが加熱されるときの煙の流れを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、具体的な実施形態により本発明を詳細に説明する。
【0028】
実施例1
この実施例の固体ゲル発煙棒11は、円柱体構造であり、外壁4がミツロウであり、中間のコア部5が発煙剤、香料の混合物を混合したゲルであり、ミツロウの外壁の厚さが1mmである。
本実施例の固体ゲル発煙棒11の製造方法は、
溶融凝固法でミツロウを一端が開口したバレル容器にするステップ(1)と、
ステップ(1)で得られたミツロウのバレル容器内に、発煙剤、香料を配合したゲル混合物を注入するステップ(2)と、
ステップ(2)で得られた、ゲル混合物を注入したバレル容器をミツロウで封止し、冷却して、個別の固体ゲル発煙棒11を得るステップ(3)と、を含む。
上述した固体ゲル発煙棒11を含むタバコは、上流から下流にかけて順次当接している発煙部1、中空支持部2及びフィルター部3からなり、発煙棒11が発煙部1内に設けられる。
発煙部1は、中空円柱体構造であり、その内径が発煙棒11の外径に等しく、長さが発煙棒11の長さに等しく、発煙棒11を挿入して固定することができる。発煙部1は、中空紙管部であり、その側壁が外層及び内層を備え、外層が紙層であり、内層がアルミニウム箔層である。紙管部の上流端部が封止され、下流端部が開放されている。
中空支持部2の内径が発煙棒11の外径よりも小さく、中空支持部2で発煙棒11の位置を規制することにより、発煙棒11の下流への移動を防止する。
中空支持部2の側壁に2つの通気孔21が対称的に設けられ、吸引時に、空気は、通気孔21からタバコ内に入って、上流の発煙棒11が加熱されて発生した煙と中空支持部2で混合する。中空支持部2は、長さが5mmであり、紙管部の下流端部から3mm離間するところに通気孔21が設けられる。中空支持部2の内径が紙管部の内径よりも2mm小さい。
フィルター部3はセルロースアセテートトウを用いる。
上述した固体ゲル発煙棒11を含むタバコの製造方法は、
本実施例の固体ゲル発煙棒11を紙管部の下流端部から紙管部に挿入した後、紙管部、中空支持部2、フィルター部3を上流から下流にかけて順次当接させて巻き合わせた非燃焼加熱式タバコをタバコサンプル1とした。
図1は実施例1の固体ゲル発煙棒11を含むタバコの構造概略図である。図2は実施例1の固体ゲル発煙棒11の構造概略図である。図3は実施例1のタバコが加熱されるときの煙の流れを示す図である。タバコが加熱されると、固体ゲル発煙棒11の外壁4及びコア部5が溶融し気化してゲル霧化気流7を発生させ、喫煙者がタバコを吸引する際に、外部の空気流6が通気孔21からタバコに入り、中空支持部22で、外部の空気流6とゲル霧化気流7とが混合されて混合気流67を形成し、その後気流がフィルター部33に入ってさらに降温されてろ過され、最終煙気流8が形成して喫煙者に吸引される。
【0029】
実施例2
この実施例2の固体ゲル発煙棒11は、円柱体構造であり、外壁4がミツロウであり、中間には発煙剤、香料の混合物を混合したゲルがコア部5として収容され、ミツロウの外壁の厚さが2mmである。
本実施例の固体ゲル発煙棒11の製造方法は、
プレス成形法でミツロウを一端が開口したバレル容器にするステップ(1)と、
ステップ(1)で得られたミツロウのバレル容器内に、発煙剤、香料を配合したゲル混合物を注入するステップ(2)と、
ステップ(2)で得られた、ゲル混合物を注入したバレル容器をミツロウで封止し、冷却して、個別の固体ゲル発煙棒11を得るステップ(3)と、を含む。
実施例1のタバコの製造方法に従って、本実施例2の固体ゲル発煙棒11を紙管部、中空支持部2、及びフィルター部3と組み合わせて製造した非燃焼加熱式タバコをタバコサンプル2とした。
タバコサンプル2の紙管部の内層がアルミニウム箔層であり、中空支持部2は、長さが10mmであり、紙管部から5mm離間するところに2つの通気孔21が対称的に設けられ、中空支持部2の内径が紙管部の内径よりも2mm小さい。
【0030】
実施例3
この実施例3の固体ゲル発煙棒11は、円柱体構造であり、外壁4がミツロウであり、中間には発煙剤、香料混合物を混合したゲルがコア部5として収容され、ミツロウの外壁の厚さが1.5mmである。
本実施例の固体ゲル発煙棒11の製造方法は、
溶融凝固法でミツロウを一端が開口したバレル容器にするステップ(1)と、
ステップ(1)で得られたミツロウのバレル容器内に、発煙剤、香料を配合したゲル混合物を注入するステップ(2)と、
ステップ(2)で得られた、ゲル混合物を注入したバレル容器をミツロウで封止し、冷却して、個別の固体ゲル発煙棒11を得るステップ(3)と、を含む。
本実施例の固体ゲル発煙棒11を紙管部、中空支持部2、及びフィルター部3と組み合わせて製造した非燃焼加熱式タバコをタバコサンプル3とした。
紙管部の内層が錫箔層であり、中空支持部2は、長さが7mmであり、紙管部から4mm離間するところに2つの通気孔21が対称的に設けられ、中空支持部2の内径が紙管部の内径よりも2mm小さい。
【0031】
実施例4
この実施例4の固体ゲル発煙棒11は、円柱体構造であり、外壁4がミツロウであり、中間には発煙剤、香料混合物を混合したゲルがコア部5として収容され、ミツロウの外壁の厚さが1.7mmである。
本実施例の固体ゲル発煙棒11の製造方法は、
プレス成形法でミツロウを一端が開口したバレル容器にするステップ(1)と、
ステップ(1)で得られたミツロウのバレル容器内に、発煙剤、香料を配合したゲル混合物を注入するステップ(2)と、
ステップ(2)で得られた、ゲル混合物を注入したバレル容器をミツロウで封止し、冷却して、個別の固体ゲル発煙棒11を得るステップ(3)と、を含む。
本実施例4の固体ゲル発煙棒11を紙管部、中空支持部2、及びフィルター部3と組み合わせて製造した非燃焼加熱式タバコをタバコサンプル4とした。
紙管部の内層が錫箔層であり、中空支持部2は、長さが8mmであり、紙管部から3.5mm離間するところに2つの通気孔21が対称的に設けられ、中空支持部2の内径が紙管部の内径よりも2mm小さい。
【0032】
以上のタバコサンプル1、タバコサンプル2、タバコサンプル3及びタバコサンプル4は、明記した相違点以外、その他の条件及びパラメータが同じである。
タバコサンプル1、タバコサンプル2、タバコサンプル3及びタバコサンプル4と同じ寸法の従来の非燃焼加熱式タバコを比較サンプルとし、比較サンプルの発煙部1に再構成タバコシートが充填されている。
【0033】
【0034】
【0035】
比較サンプル、タバコサンプル1、タバコサンプル2、タバコサンプル3、タバコサンプル4をそれぞれ、寸法が合致した中央加熱式喫煙具及び周方向加熱式喫煙具に挿入して吸引した。『官能技術要求』(GB5606.4-2005)国家標準に基づいて、複数名の官能評価者は、主にタバコの煙量、煙の灼熱感、混在臭及び香気量の4つの指標についてタバコを官能評価し、煙量、煙の灼熱感及び香気量の評価は採点により行われ、それぞれが、煙量:0~10点、煙の灼熱感:0~10点、香気量:0~10点であり、点数が高いほど、吸引時の該評価指標の感覚が強くなることを示し、混在臭は記述により評価された。5つの異なるタバコサンプルの官能評価結果は表1及び表2に示した。
【0036】
表1及び表2からわかるように、本発明の発煙棒11及び該発煙棒11を含むタバコは、従来技術の非燃焼加熱式タバコに比べて、中央加熱式喫煙具に使用されても、周方向加熱式喫煙具に使用されても、煙量が著しく増加され、満足感が上昇し、煙の灼熱感が著しく低減され、香気量が著しく増加され、混在臭の発生がない。
【0037】
以上は、本発明の具体的な実施形態のみであるが、本発明の保護範囲はこれらに限定されるものではなく、当業者が本発明に開示された技術的範囲内で容易に想到できる任意の変更又は置換は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0038】
1:発煙部
11:発煙棒
2:中空支持部
21:通気孔
3:フィルター部
4:外壁
5:コア部
6:空気流
7:ゲル霧化気流
67:混合気流
8:最終煙気流
図1
図2
図3