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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】連袋姿勢変換装置、及び、箱詰め装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/56 20060101AFI20230201BHJP
   B65B 5/10 20060101ALI20230201BHJP
   B65B 63/02 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
B65B35/56
B65B5/10
B65B63/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018228876
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020090309
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】横田 祐嗣
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104843249(CN,A)
【文献】国際公開第2018/098557(WO,A1)
【文献】特開平07-329905(JP,A)
【文献】実開平01-106185(JP,U)
【文献】特開2012-245988(JP,A)
【文献】特開昭52-097889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/56
B65B 5/10
B65B 63/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の袋がシール部を介して第1方向に連なっている連袋を箱の中に入れる箱詰め装置であって、
前記連袋を搬送する搬送部と、
第1袋と、第1シール部を介して前記第1袋と繋がっている第2袋と、第2シール部を介して前記第2袋と繋がっている第3袋とを含む前記連袋の姿勢を、前記連袋の前記第1方向の長さが短くなるように変換する連袋姿勢変換装置と、
前記連袋姿勢変換装置を制御する制御部と、
を備え、
前記連袋姿勢変換装置は、上から又は下からの第2方向の力を前記シール部に付与する付与部を有し
前記付与部は、前記第1シール部及び前記第2シール部のいずれか一方のみに前記第2方向の力を付与し、
前記制御部は、前記第1方向の長さが短くなるように姿勢が変換された前記連袋を、前記連袋姿勢変換装置の前記付与部で保持しながら前記箱の中に入れる、
箱詰め装置
【請求項2】
前記連袋姿勢変換装置は、4つ以上の前記袋を含む前記連袋の少なくとも2個の前記シール部に前記第2方向の力を付与する複数の前記付与部を有する
請求項1に記載の箱詰め装置
【請求項3】
複数の前記付与部は、前記第1方向において、前記第2方向の力が付与される2個の前記シール部の間に、前記第2方向の力が付与されない奇数個の前記シール部が存在するように、前記シール部に前記第2方向の力を付与する、
請求項2に記載の箱詰め装置
【請求項4】
複数の前記付与部は、偶数個の前記袋を含む前記連袋において、前記連袋に含まれる前記袋の数の半分の数の前記シール部に前記第2方向の力を付与する、
請求項3に記載の箱詰め装置
【請求項5】
前記連袋姿勢変換装置は、複数の前記付与部が前記シール部に前記第2方向の力を付与している状態で、前記第1方向における前記付与部の間隔を短くする短縮部をさらに有する
請求項2から4のいずれか1項に記載の箱詰め装置
【請求項6】
前記第2方向は、前記シール部の長手方向を含む面内の方向であって、前記第1方向と交差する方向である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の箱詰め装置
【請求項7】
前記第2方向は、鉛直方向下向きの方向である、
請求項6に記載の箱詰め装置
【請求項8】
前記付与部は、
前記シール部と接触する接触部と、
前記第2方向に沿って前記接触部の位置を変更する変更部と、
を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の箱詰め装置
【請求項9】
前記搬送部によって搬送された前記連袋が載せられる載置台をさらに備え、
前記制御部は、前記載置台の位置をさらに制御し、前記載置台に載せられた前記連袋を前記付与部で保持し、保持されている前記連袋の鉛直方向下方の位置から前記載置台を移動させ、保持されている前記連袋の鉛直方向下方に位置する前記箱の中に前記連袋を入れる、
請求項1から8のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【請求項10】
前記載置台には、前記シール部の長手方向に沿って複数の前記連袋が載せられ、
前記制御部は、前記載置台に載せられた複数の前記連袋を前記付与部で保持しながら前記箱の中に入れる、
請求項に記載の箱詰め装置。
【請求項11】
押さえ部材をさらに備え、
前記制御部は、前記連袋を前記箱の中に入れた後、前記連袋を保持している前記付与部を前記連袋から離し、
前記押さえ部材は、前記付与部が前記連袋から離れる間、前記連袋の少なくとも一部を前記箱に向かって押さえつける、
請求項1から10のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の袋が連なっている連袋の姿勢を変換する連袋姿勢変換装置、及び、連袋姿勢変換装置を用いて連袋を箱の中に入れる箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の袋が連なっている連袋を箱の中に入れる箱詰め装置において、連袋が箱よりも長い場合、連袋を箱の中に入れる前に、連袋を折り畳んで短くする必要がある。例えば、特許文献1(特開2012-245988号公報)には、所定の位置で折り返して短くした連袋を箱の中に入れる箱詰め装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1(特開2012-245988号公報)に開示される箱詰め装置では、袋が最大でも2つ重なるように連袋が折り返されるので、折り返された連袋の長さは、折り返される前の連袋の長さの少なくとも半分である。そのため、この箱詰め装置は、折り返された連袋が箱よりも長いため、連袋を箱の中に入れることができない場合がある。
【0004】
本発明の目的は、複数の袋が連なっている連袋を短くすることができる連袋姿勢変換装置、及び、それを用いる箱詰め装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る連袋姿勢変換装置は、複数の袋がシール部を介して第1方向に連なっている連袋の姿勢を、連袋の第1方向の長さが短くなるように変換する。連袋は、第1袋と、第1シール部を介して第1袋と繋がっている第2袋と、第2シール部を介して第2袋と繋がっている第3袋とを含む。連袋姿勢変換装置は、上から又は下からの第2方向の力をシール部に付与する付与部を備える。付与部は、第1シール部及び第2シール部のいずれか一方のみに第2方向の力を付与する。
【0006】
この連袋姿勢変換装置は、連袋の特定のシール部に第2方向の力を付与することで、連袋の袋を傾斜させて、連袋の第1方向の長さを短くすることができる。
【0007】
本発明の第2観点に係る連袋姿勢変換装置は、第1観点に係る連袋姿勢変換装置であって、4つ以上の袋を含む連袋の少なくとも2個のシール部に第2方向の力を付与する複数の付与部を備える。
【0008】
本発明の第3観点に係る連袋姿勢変換装置は、第2観点に係る連袋姿勢変換装置であって、第1方向において、第2方向の力が付与される2個のシール部の間に、第2方向の力が付与されない奇数個のシール部が存在するように、複数の付与部がシール部に第2方向の力を付与する。
【0009】
本発明の第4観点に係る連袋姿勢変換装置は、第3観点に係る連袋姿勢変換装置であって、複数の付与部が、偶数個の袋を含む連袋において、連袋に含まれる袋の数の半分の数のシール部に第2方向の力を付与する。
【0010】
本発明の第5観点に係る連袋姿勢変換装置は、第2乃至第4観点に係る連袋姿勢変換装置であって、複数の付与部がシール部に第2方向の力を付与している状態で、第1方向における付与部の間隔を短くする短縮部をさらに備える。
【0011】
この連袋姿勢変換装置は、姿勢が変換された連袋を保持することができる。
【0012】
本発明の第6観点に係る連袋姿勢変換装置は、第1乃至第5観点に係る連袋姿勢変換装置であって、第2方向は、シール部の長手方向を含む面内の方向であって、第1方向と交差する方向である。
【0013】
本発明の第7観点に係る連袋姿勢変換装置は、第6観点に係る連袋姿勢変換装置であって、第2方向は、鉛直方向下向きの方向である。
【0014】
本発明の第8観点に係る連袋姿勢変換装置は、第1乃至第7観点に係る連袋姿勢変換装置であって、付与部が、シール部と接触する接触部と、第2方向に沿って接触部の位置を変更する変更部とを有する。
【0015】
この連袋姿勢変換装置は、姿勢が変換された連袋を保持して移動させることができる。
【0016】
本発明の第9観点に係る箱詰め装置は、複数の袋がシール部を介して第1方向に連なっている連袋を箱の中に入れる。箱詰め装置は、搬送部と、第1乃至第8観点に係る連袋姿勢変換装置と、制御部とを備える。搬送部は、連袋を搬送する。連袋姿勢変換装置は、搬送部によって搬送された連袋の姿勢を、連袋の第1方向の長さが短くなるように変換する。制御部は、連袋姿勢変換装置を制御する。制御部は、第1方向の長さが短くなるように姿勢が変換された連袋を、連袋姿勢変換装置の付与部で保持しながら箱の中に入れる。
【0017】
この箱詰め装置は、連袋の第1方向の長さを短くする連袋姿勢変換装置を備え、箱よりも長い連袋を効率的に箱詰めすることができる。
【0018】
本発明の第10観点に係る箱詰め装置は、第9観点に係る箱詰め装置であって、搬送部によって搬送された連袋が載せられる載置台をさらに備える。制御部は、載置台の位置をさらに制御する。制御部は、載置台に載せられた連袋を付与部で保持し、保持されている連袋の鉛直方向下方の位置から載置台を移動させ、保持されている連袋の鉛直方向下方に位置する箱の中に連袋を入れる。
【0019】
本発明の第11観点に係る箱詰め装置は、第10観点に係る箱詰め装置であって、載置台には、シール部の長手方向に沿って複数の連袋が載せられる。制御部は、載置台に載せられた複数の連袋を付与部で保持しながら箱の中に入れる。
【0020】
この箱詰め装置は、複数の連袋を一度に箱詰めすることができる。
【0021】
本発明の第12観点に係る箱詰め装置は、第9乃至第11観点に係る箱詰め装置であって、押さえ部材をさらに備える。制御部は、連袋を箱の中に入れた後、連袋を保持している付与部を連袋から離す。押さえ部材は、付与部が連袋から離れる間、連袋の少なくとも一部を箱に向かって押さえつける。
【0022】
この箱詰め装置は、箱の中に入れられた連袋から付与部を離す際に、連袋が箱から抜け出してしまうことを抑制できる。
【0023】
本発明の第13観点に係る箱詰め装置は、第9乃至第12観点に係る箱詰め装置であって、制御部は、付与部をシール部に接触させる時、及び、箱の中に入れられた連袋を保持している付与部を連袋から離す時の少なくとも一方において、付与部を振動させる。
【0024】
この箱詰め装置は、箱の中に入れられた連袋から付与部を離す際に、連袋が箱から抜け出してしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る連袋姿勢変換装置は、複数の袋が連なっている連袋を短くすることができる。
【0026】
本発明に係る箱詰め装置は、箱よりも長い連袋を効率的に箱詰めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態である連袋姿勢変換装置30を備える箱詰め装置100の概略的な外観図である。
図2】箱詰め装置100のブロック構成図である。
図3】第1コンベア10によって搬送されている連袋90の側面図である。
図4】プッシャ50によって連袋90が押し出された状態の箱詰め装置100の概略的な外観図である。
図5】第1姿勢の3個の連袋90が配置されたシャッタ40の上面図である。
図6】第1姿勢の連袋90が載せられたシャッタ40の側面図である。
図7】第2姿勢の連袋90が載せられたシャッタ40の側面図である。
図8図7に示される状態から、5個の接触部32bの第1方向D1の間隔を短くした状態の側面図である。
図9図8の状態における、箱詰め装置100の概略的な外観図である。
図10】連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持した直後の状態を示す側面図である。
図11】連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持している状態で、連袋90の下方からシャッタ40が取り除かれた状態を示す側面図である。
図12】連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持している状態で、連袋90をダンボール箱Bの中に運び入れた直後の状態を示す側面図である。
図13】変形例Aにおける、第2姿勢の連袋90が載せられたシャッタ40の側面図である。
図14】変形例Bにおける、連袋姿勢変換装置30が、3個の袋91を有する連袋90を保持している状態を示す図である。
図15】変形例Cにおける、連袋姿勢変換装置30が、5個の袋91を有する連袋90を保持している状態を示す図である。
図16】変形例Fにおける、押さえ部材36を備える連袋姿勢変換装置30の一例を示す図である。
図17】変形例Fにおける、押さえ部材36を備える連袋姿勢変換装置30の一例を示す図である。
図18】変形例Fにおける、押さえ部材36を上方から押さえつけるシリンダ機構37を備える連袋姿勢変換装置30の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0029】
(1)箱詰め装置100の全体構成
図1は、本発明の一実施形態である連袋姿勢変換装置30を備える箱詰め装置100の概略的な外観図である。図2は、箱詰め装置100のブロック構成図である。箱詰め装置100は、例えば、食品工場の生産ラインに設置され、物品を所定の数量ずつダンボール箱Bに箱詰めして、箱詰め後のダンボール箱Bを封緘する装置である。箱詰め装置100は、主として、第1コンベア10と、第2コンベア20と、連袋姿勢変換装置30と、シャッタ40と、プッシャ50と、制御部60とを備える。制御部60は、第1コンベア10、第2コンベア20、連袋姿勢変換装置30、シャッタ40及びプッシャ50の動作を制御するマイクロコンピュータである。
【0030】
本実施形態において、ダンボール箱Bに箱詰めされる物品は、複数の袋91が一列に繋がっている連袋90である。袋91は、例えば、ポテトチップス等の内容物が所定の重量ずつ袋詰めされた包装物である。1個の連袋90において、複数の袋91は、シール部92を介して第1方向D1に沿って連なっている。
【0031】
連袋90は、製袋包装機(図示せず)によって製造される。製袋包装機は、筒状に成形されたフィルムを下方に搬送しながら縦シールした後、フィルム搬送方向と交差する方向に横シールする。次に、製袋包装機は、筒状フィルムを搬送しながら、筒状フィルムの内部に内容物を上方から供給し、筒状フィルムを再度横シールする。この動作を繰り返すことで、製袋包装機は、筒状フィルムの搬送方向において所定の間隔ごとに形成された横シール部の間に内容物が充填された袋91を連続的に製造する。製袋包装機は、所定のタイミングで横シール部を切断することで、所定の個数の袋91からなる連袋90を筒状フィルムから切り離して排出する。製袋包装機から排出された連袋90は、コンベヤ及びシュート等を経由して、全ての袋91が寝た第1姿勢の状態になる。第1姿勢の状態では、袋91は互いに接触しておらず、袋91及びシール部92は第1方向D1に沿って交互に並んでいる。シール部92は、製袋包装機によって横シールされた部分であり、第1方向D1において2個の袋91の間にある部分である。
【0032】
箱詰め装置100が設置される食品工場の生産ラインでは、箱詰め装置100の上流側に設置される製袋包装機によって製造された連袋90は、第1姿勢の状態になった後、重量検査及び異物混入検査等を経て、箱詰め装置100の第1コンベア10に載せられる。第1コンベア10は、第1姿勢の連袋90を所定の方向に搬送するベルトコンベアである。図3は、第1コンベア10によって搬送されている連袋90の側面図である。図3において、連袋90は、第1姿勢の状態にある。内容物が充填された袋91は膨らんでいるので、図3に示されるように、シール部92は、第1コンベア10の搬送面10aから離れている。以下において、図3に示されるように、連袋90は、10個の袋91及び9個のシール部92を有するものとする。
【0033】
第1コンベア10は、第1姿勢の連袋90を1つずつ搬送する。第1コンベア10によって連袋90が搬送される方向は、連袋90の袋91が連なっている第1方向D1と略平行の方向である。第1コンベア10は、第1姿勢の連袋90を所定の押し出し位置まで搬送する。図1には、押し出し位置まで搬送された連袋90が示されている。
【0034】
シャッタ40は、押し出し位置において、第1コンベア10に隣接して設置されている板状部材である。シャッタ40の上面40aは、第1コンベア10の搬送面10aと同じ高さ位置にある。シャッタ40の上面40a、及び、第1コンベア10の搬送面10aは、水平面に平行である。
【0035】
プッシャ50は、第1コンベア10を挟んでシャッタ40の反対側に設置されている部材である。プッシャ50は、第1コンベア10上において押し出し位置にある連袋90をシャッタ40側に押し出す。プッシャ50に押し出された連袋90は、シャッタ40の上面40aに載せられる。連袋90が押し出される方向は、連袋90が搬送される方向と略直交し、かつ、水平面に平行な方向である。
【0036】
図4は、図1と同様の箱詰め装置100の概略的な外観図である。図4では、プッシャ50によって押し出されてシャッタ40の上面40aに載せられた連袋90が示されている。プッシャ50は、例えば、図1及び図4に示されるように、第1コンベア10からシャッタ40に向かって連袋90を押し出すための板状部材を有する。図1及び図4では、連袋90が搬送される方向が矢印Xで示され、連袋90が押し出される方向が矢印Yで示されている。連袋90が搬送される方向と、連袋90が押し出される方向とは、互いに略直交している。
【0037】
プッシャ50は、サーボ機構等を用いて、第1コンベア10によって押し出し位置まで搬送された連袋90を、シャッタ40に向かって所定の距離だけ押し出す動作を行う。プッシャ50は、1回の押し出し動作で1個の連袋90を押し出す。プッシャ50による2回目以降の押し出し動作では、プッシャ50によって押し出された連袋90によって、シャッタ40上に既に押し出された連袋90がさらに押し出される。プッシャ50の複数回の押し出し動作によって、シャッタ40の上面40aには、連袋90が押し出される方向に沿って、複数の第1姿勢の連袋90が並んで配置される。図5は、第1姿勢の3個の連袋90が載せられたシャッタ40の上面図である。図5では、第1方向D1において、3個の連袋90は同じ位置にある。言い換えると、それぞれの連袋90のシール部92は、第1方向D1において、同じ位置にある。プッシャ50の押し出し動作によってシャッタ40に載せられる連袋90の数は、ダンボール箱Bに箱詰めされる連袋90の数と同じである。以下において、箱詰め装置100によってダンボール箱Bの中には3個の連袋90が箱詰めされるものとする。ダンボール箱Bの中において、連袋90は、鉛直方向において互いに重ならないように箱詰めされる。
【0038】
第2コンベア20は、シャッタ40の下方に設置されている。第2コンベア20は、ダンボール箱Bを所定の方向に搬送するベルトコンベアである。第2コンベア20によってダンボール箱Bが搬送される方向は、第1コンベア10によって連袋90が搬送される方向と同じである。第2コンベア20によって搬送されるダンボール箱Bの上側のフラップFは直立している。そのため、ダンボール箱Bの上側の開口は開いている。第2コンベア20は、ダンボール箱Bを所定の箱詰め位置まで搬送する。図1及び図4には、箱詰め位置まで搬送されたダンボール箱Bが示されている。
【0039】
連袋姿勢変換装置30は、シャッタ40の上方に設置されている。連袋姿勢変換装置30は、シャッタ40に載せられた複数の連袋90の姿勢を変換して、複数の連袋90を保持することができる。連袋姿勢変換装置30が複数の連袋90を保持している状態において、シャッタ40は連袋90の下方から取り除かれる。このとき、連袋姿勢変換装置30によって保持されている連袋90の下方には、第2コンベア20によって箱詰め位置まで搬送されたダンボール箱Bが存在している。連袋姿勢変換装置30は、保持している連袋90を下方に移動させて、ダンボール箱Bの中に複数の連袋90を運び入れる。連袋姿勢変換装置30の構成及び動作の詳細については後述する。
【0040】
その後、箱詰め装置100は、複数の連袋90が運び込まれたダンボール箱Bの上側のフラップFを閉じて、ダンボール箱Bを封緘する。箱詰め装置100の下流側には、封緘後のダンボール箱Bの重量を検査する重量チェッカ(図示せず)等が設置されている。
【0041】
(2)連袋姿勢変換装置30の構成
連袋姿勢変換装置30は、主として、伸縮機構31と、複数の付与部32と、第1モータ33と、第2モータ34とを備える。第1モータ33及び第2モータ34は、伸縮機構31の位置を変更するために、制御部60によって制御されるサーボモータである。
【0042】
伸縮機構31は、複数のジョイント31a,31bを有するパンタグラフ型リンク機構である。パンタグラフ型リンク機構とは、複数のリンクが1個又は複数個の菱形を形成するように連結された機構である。ジョイント31a,31bは、2個のリンクが連結されている部分である。ジョイント31a,31bは、固定ジョイント31aと駆動ジョイント31bとからなる。伸縮機構31は、第1方向D1に沿って伸縮することで、駆動ジョイント31bの第1方向D1の位置を変化させることができる。固定ジョイント31aの第1方向D1の位置は、固定されている。
【0043】
本実施形態では、図1及び図4に示されるように、伸縮機構31は、1個の固定ジョイント31aと4個の駆動ジョイント31bとを有する。5個のジョイント31a,31bは、第1方向D1に沿って並んでいる。固定ジョイント31aは、5個のジョイント31a,31bの端に位置している。伸縮機構31の伸縮状態に関わらず、5個のジョイント31a,31bは、第1方向D1に沿って等間隔に並んでいる。制御部60は、第1モータ33を制御して、伸縮機構31の5個のジョイント31a,31bの第1方向D1の間隔を調節する。
【0044】
5個のジョイント31a,31bのそれぞれには、1個の付与部32が取り付けられている。すなわち、連袋姿勢変換装置30は、5個の付与部32を有する。それぞれの付与部32は、ジョイント31a,31bに取り付けられている基部32aと、基部32aに取り付けられている接触部32bとを有する。
【0045】
基部32aは、連袋90が押し出される方向に沿って延びている部材である。図1及び図4に示されるように、連袋姿勢変換装置30の5個の基部32aは、制限部材35によって支持されている。制限部材35は、伸縮機構31が伸縮して駆動ジョイント31bの第1方向D1の位置が変化する際に、駆動ジョイント31bが取り付けられている基部32aの移動方向を第1方向D1のみに制限する。制限部材35は、例えば、5個の基部32aの両端部を第1方向D1に貫通する一対の棒状部材である。この場合、例えば、基部32aは、制限部材35が通過する孔を有し、かつ、制限部材35は、両端部が固定されている。
【0046】
接触部32bは、基部32aから鉛直方向下方に垂れ下がっている板状部材である。接触部32bの厚みは、連袋90のシール部92の第1方向D1の寸法よりも短い。接触部32bの厚みは、例えば、3mm~5mmである。接触部32bの主表面は、シール部92の長手方向、及び、鉛直方向に平行である。シール部92の長手方向とは、水平面に平行であり、かつ、シャッタ40に載せられた複数の第1姿勢の連袋90のシール部92を通過する方向である。シール部92の長手方向の定義について例をあげて説明する。図5において、シャッタ40には3個の連袋90が載せられている。3個の連袋90は隣接しており、第1方向D1における連袋90のシール部92は同じ位置にある。そのため、3個のシール部92が実質的に隣接している。この場合、図5に示されるように、シール部92の隣接方向において、隣接している3個のシール部92の両端93a,93bが存在する。シール部92の長手方向は、図5の両端93a,93bを通過する任意の方向である。そのため、シール部92の長手方向は、特定の一方向には限定されない。以下において、シール部92の長手方向は、第1方向D1と直交する方向である。シール部92の長手方向において、接触部32bの下端の長さは、シャッタ40に載せられた複数の連袋90の長さの合計以上であることが好ましい。
【0047】
連袋姿勢変換装置30の5個の接触部32bの下端は、鉛直方向において常に同じ位置にある。制御部60は、第2モータ34を制御して、付与部32の鉛直方向の位置を変化させて、接触部32bの鉛直方向の位置を調節する。
【0048】
以上より、連袋姿勢変換装置30は、第1方向D1において常に等間隔に並んだ5個の接触部32bを有し、5個の接触部32bの第1方向D1の間隔、及び、5個の接触部32bの鉛直方向の位置は、制御部60によって制御可能である。
【0049】
(3)連袋姿勢変換装置30の動作
連袋姿勢変換装置30が、複数の連袋90の姿勢を変換して複数の連袋90を保持し、ダンボール箱Bの中に運び入れる動作について具体的に説明する。
【0050】
最初に、連袋姿勢変換装置30が、シャッタ40に載せられている3個の連袋90の姿勢を変換して、3個の連袋90を保持する動作について説明する。連袋90は、10個の袋91、及び、9個のシール部92を有する。制御部60は、連袋姿勢変換装置30の第1モータ33を制御して、連袋90のシール部92の第1方向D1の位置及び間隔に合わせて、伸縮機構31の5個のジョイント31a,31bの第1方向D1の位置及び間隔を予め調節する。
【0051】
プッシャ50によって連袋90が3回押し出されて、シャッタ40に3個の連袋90が載せられた時点では、連袋姿勢変換装置30の付与部32は、連袋90と接触していない。具体的には、付与部32の接触部32bの下端は、連袋90と接触していない。シャッタ40に3個の連袋90が載せられた後、制御部60は、第2モータ34を制御して、接触部32bの鉛直方向の位置を下げて、連袋90の一部のシール部92に接触部32bの下端を接触させる。制御部60は、引き続き、接触部32bの鉛直方向の位置を下げて、連袋90の一部のシール部92に力を付与する。これにより、連袋90の姿勢が第1姿勢から第2姿勢に変換される。
【0052】
図6は、第1姿勢の連袋90が載せられたシャッタ40の側面図である。図7は、第2姿勢の連袋90が載せられたシャッタ40の側面図である。図6及び図7には、付与部32の接触部32bが示されている。第1姿勢は、第1コンベア10によって搬送されプッシャ50によってシャッタ40上に押し出された状態の姿勢である。第2姿勢は、第1姿勢の状態の連袋90の一部のシール部92に接触部32bが鉛直方向上方から接触して、第2方向D2の力がシール部92に付与されている状態の姿勢である。第2方向D2とは、シール部92の長手方向を含む面内の方向であって第1方向D1と交差する方向である。以下において、第2方向D2は、鉛直方向下向きと平行であるとする。図1及び図4では、第2方向D2が矢印Zで示されている。
【0053】
第2姿勢の状態において、付与部32によって第2方向D2の力が付与されるシール部92の数は、連袋90のシール部92の数より少ない。図7に示されるように、連袋90の9個のシール部92のうち、5個のシール部92のみに第2方向D2の力が付与され、残りの4個のシール部92には第2方向D2の力が付与されない。以下において、第2方向D2の力が付与されるシール部92を第1シール部92aと呼び、第2方向D2の力が付与されないシール部92を第2シール部92bと呼ぶ。
【0054】
図7に示されるように、1個の連袋90では、第1方向D1において、5個の第1シール部92a及び4個の第2シール部92bが交互に位置している。言い換えると、第1方向D1において隣り合う2個の第1シール部92aの間には、1個の第2シール部92bが位置している。袋91は、1個の第1シール部92aと1個の第2シール部92bとの間に位置している。第1方向D1において1個の連袋90の両側にある2個のシール部92は、第1シール部92aである。
【0055】
図6に示されるように、第1姿勢の状態にある連袋90では、全てのシール部92の鉛直方向の位置はほぼ同じである。そのため、第1姿勢の状態では、連袋90の袋91は、シャッタ40の上面40a(水平面)に対して実質的に傾斜していない。以下において、図6に示される第1姿勢の連袋90のシール部92の鉛直方向の位置を、基準位置と呼ぶ。図6には、第1姿勢の連袋90の第1方向D1の長さL1が示されている。図7には、第2姿勢の連袋90の第1方向D1の長さL2が示されている。
【0056】
図7に示されるように、第2姿勢の状態にある連袋90では、全てのシール部92の鉛直方向の位置は基準位置とは異なっている。連袋90の姿勢が第1姿勢から第2姿勢に変換される際、第1シール部92aは、シャッタ40の上面40aと接触するまで、付与部32の接触部32bによって押し下げられる。袋91は厚みを有するので、第1シール部92aが押し下げられることで、袋91が水平面に対して傾斜して第2シール部92bが押し上げられる。そのため、第2姿勢の状態にある連袋90では、第1シール部92aの鉛直方向の位置は、基準位置より下方にあり、第2シール部92bの鉛直方向の位置は、基準位置より上方にある。第1方向D1において隣り合う第1シール部92aと第2シール部92bとの間の袋91は、水平面に対して傾斜している。連袋90の両端の2個の袋91も、水平面に対して傾斜している。傾斜している袋91の第1方向D1の寸法は、傾斜していない袋91の第1方向D1の寸法よりも短い。そのため、第2姿勢の状態にある連袋90の第1方向D1の長さL2は、第1姿勢の状態にある連袋90の第1方向D1の長さL1よりも短い。
【0057】
なお、連袋90の姿勢が第1姿勢から第2姿勢に変換される過程において、連袋90の第1方向D1の長さは短くなり、第1方向D1における第1シール部92aの間隔も短くなる。そのため、図6及び図7に示されるように、連袋姿勢変換装置30は、連袋90の姿勢が第1姿勢から第2姿勢に変換される過程において、第1シール部92aに力を付与する接触部32bの第1方向D1における間隔が徐々に小さくなるように、伸縮機構31を伸縮させる。
【0058】
以上より、連袋姿勢変換装置30は、第1姿勢の連袋90の第1シール部92aに第2方向D2の力を付与することで、複数の連袋90の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変換して、連袋90の第1方向D1の長さを短くすることができる。
【0059】
また、連袋姿勢変換装置30は、複数の連袋90の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変換した状態において、5個の接触部32bの第1方向D1の間隔を短くすることで、複数の連袋90を保持することができる。図8は、図7に示される状態から、5個の接触部32bの第1方向D1の間隔を短くした状態の側面図である。図9は、図8の状態における、図1と同様の箱詰め装置100の概略的な外観図である。図9において、接触部32bは、太線で示されている。
【0060】
図8及び図9に示される状態では、第1方向D1において隣り合う2個の接触部32bの間の2個の袋91は、内容物が破損しない程度に圧縮され、内部の圧力が第1状態の時よりも高くなっている。そのため、図8及び図9に示されるように、それぞれの接触部32bは、袋91の内部の圧力により袋91から力を受けるので、2個の袋91によって挟まれている。これにより、5個の接触部32bのそれぞれが2個の袋91によって挟まれる力によって、連袋90は、連袋姿勢変換装置30の5個の付与部32によって保持されている。連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持している状態では、シャッタ40が連袋90の下方から取り除かれても、連袋90は下方に落下しない。
【0061】
次に、連袋姿勢変換装置30が、保持している複数の連袋90をダンボール箱Bの中に運び入れる動作について、図10~12を参照しながら説明する。図10~12は、図6~8と同様の側面図である。図10~12には、シール部92の長手方向に沿って3個の連袋90が箱詰めされるダンボール箱Bが示されている。ダンボール箱Bは、第2コンベア20によって箱詰め位置まで搬送されている。
【0062】
図10は、連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持した直後の状態を示す側面図である。図10において、5個の接触部32bによって保持されている連袋90の鉛直方向下方にはシャッタ40が配置されており、シャッタ40の鉛直方向下方にはダンボール箱Bが配置されている。
【0063】
図11は、連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持している状態で、連袋90の下方からシャッタ40が取り除かれた状態を示す側面図である。図11では、図10の状態から、シャッタ40が第1方向D1に沿って移動されている。シャッタ40の位置は、制御部60によって制御される。図11では、連袋90の鉛直方向下方には、ダンボール箱Bが配置されている。
【0064】
図12は、連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持している状態で、連袋90をダンボール箱Bの中に運び入れた直後の状態を示す側面図である。図12では、図11の状態から、5個の接触部32bが鉛直方向下方に移動されている。制御部60は、5個の接触部32bを鉛直方向下方に移動させることで、連袋90をダンボール箱Bの中に運び入れる。保持されている連袋90の第1方向D1の寸法は、ダンボール箱Bの第1方向D1の寸法と同程度である。そのため、連袋姿勢変換装置30は、5個の接触部32bの鉛直方向の位置を下方に移動することで、保持している連袋90をダンボール箱Bの中に運び入れることができる。
【0065】
次に、連袋姿勢変換装置30は、図12の状態から、5個の接触部32bを鉛直方向上方に移動させることで、ダンボール箱Bの中に運び込まれた連袋90から接触部32bを離す。このとき、連袋姿勢変換装置30は、接触部32bを振動させる。例えば、連袋姿勢変換装置30は、5個の接触部32bの第1方向D1の間隔を所定の時間間隔で増減させることで、接触部32bを振動させてもよい。接触部32bを振動させることで、接触部32bと袋91との間に作用する摩擦力が低減する。そのため、連袋姿勢変換装置30が連袋90から接触部32bを離す際に、ダンボール箱Bの中から連袋90が接触部32bと共に抜け出してしまうことが抑制される。
【0066】
連袋姿勢変換装置30は、連袋90から接触部32bを離した後、接触部32bの鉛直方向の位置を上昇させて図10に示される位置まで戻す。その後、制御部60によって、シャッタ40は、図12に示される位置から図10に示される位置まで戻される。第2コンベア20は、複数の連袋90が運び込まれたダンボール箱Bを下流側に搬送し、空のダンボール箱Bを箱詰め位置まで搬送する。以上の動作の繰り返しによって、箱詰め装置100は、ダンボール箱Bに複数の連袋90を箱詰めする。
【0067】
(4)連袋姿勢変換装置30及び箱詰め装置100の特徴
(4-1)
箱詰め装置100は、連袋姿勢変換装置30によって第1姿勢から第2姿勢に姿勢が変換された連袋90をダンボール箱Bに箱詰めする。ダンボール箱Bよりも長い連袋90をダンボール箱Bに箱詰めする場合、連袋90をダンボール箱Bの中に入れる前に連袋90の長さを、ダンボール箱Bの長さよりも短くしておく必要がある。連袋姿勢変換装置30は、第1姿勢の連袋90の第1シール部92aに、付与部32(接触部32b)によって第2方向D2の力を付与することで、連袋90の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に短時間で変換することができる。その後、連袋姿勢変換装置30は、接触部32bの第1方向D1の間隔を短くすることで、連袋90の第1方向D1の長さを短時間で短くすることができる。
【0068】
このように、連袋姿勢変換装置30は、連袋90の長さを短くするために、連袋90の特定の袋91を吸着又は把持し、吸着又は把持した袋91を特定の位置まで移動させる複雑な機構を必要としない。そのため、連袋姿勢変換装置30は、付与部32を用いる簡易な機構によって連袋90の第1方向D1の長さを効率的に短くすることができる。
【0069】
従って、箱詰め装置100は、連袋姿勢変換装置30を用いることで、ダンボール箱Bよりも長い連袋90をダンボール箱Bの中に効率的に箱詰めすることができる。
【0070】
(4-2)
連袋姿勢変換装置30は、ダンボール箱Bに箱詰めされる連袋90の種類が変更されても、必要に応じて接触部32bの数及び寸法を調整するだけで、種類変更後の連袋90に対応することができる。
【0071】
例えば、種類変更後の連袋90に含まれる袋91の数が、種類変更前の連袋90に含まれる袋91の数と異なる場合、袋91の数に応じて接触部32bの数を調整する。これにより、連袋姿勢変換装置30は、種類変更後の連袋90に短時間で対応することができる。この場合、必要に応じて、伸縮機構31のジョイント31a,31bの数も調整する。
【0072】
同様に、シール部92の長手方向において、種類変更後の連袋90の寸法が、種類変更前の連袋90の寸法と異なる場合、現在使用中の接触部32bを、種類変更後の連袋90の寸法に対応した接触部32bと交換する。これにより、連袋姿勢変換装置30は、種類変更後の連袋90に短時間で対応することができる。
【0073】
従って、箱詰め装置100は、ダンボール箱Bに箱詰めされる連袋90の種類が変更されても、接触部32bの数を変更したり接触部32bを交換したりして、種類変更後の連袋90に短時間で対応することができる。
【0074】
(4-3)
連袋姿勢変換装置30は、複数の接触部32bによって複数の連袋90を保持してダンボール箱Bに一度に箱詰めすることができる。ダンボール箱Bに一度に箱詰めされる連袋90の数は、ダンボール箱Bの寸法(シール部92の長手方向の寸法)に依存する。連袋姿勢変換装置30は、ダンボール箱Bの種類が変更されても、必要に応じて接触部32bの寸法を調整するだけで、種類変更後のダンボール箱Bに対応することができる。
【0075】
例えば、種類変更後のダンボール箱Bの寸法が、種類変更前のダンボール箱Bの寸法と異なる場合、種類変更後のダンボール箱Bに箱詰めされる連袋90の数は、種類変更前のダンボール箱Bに箱詰めされる連袋90の数と異なることがある。この場合、必要に応じて、現在使用中の接触部32bを、種類変更後のダンボール箱Bの寸法に対応した接触部32bに交換することで、連袋姿勢変換装置30が保持できる連袋90の数を調整することができる。これにより、連袋姿勢変換装置30は、種類変更後のダンボール箱Bに短時間で対応することができる。
【0076】
従って、箱詰め装置100は、ダンボール箱Bの寸法、及び、ダンボール箱Bに箱詰めされる連袋90の数が変更されても、必要に応じて接触部32bを交換することで、種類変更後のダンボール箱Bに短時間で対応することができる。
【0077】
(4-4)
連袋姿勢変換装置30は、ダンボール箱Bの中に運び込まれた連袋90から接触部32bを離す際に、接触部32bを振動させる。これにより、接触部32bと袋91との間に作用する摩擦力が低減するので、連袋姿勢変換装置30が連袋90から接触部32bを離す際に、ダンボール箱Bの中から連袋90が接触部32bと共に抜け出してしまうことが抑制される。
【0078】
従って、箱詰め装置100は、ダンボール箱Bに連袋90が正常に箱詰めされない不具合の発生を抑制することができる。
【0079】
(5)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0080】
(5-1)変形例A
実施形態では、図7に示されるように、1個の連袋90では、第1方向D1において5個の第1シール部92aと4個の第2シール部92bとが交互に位置している。すなわち、第1方向D1において隣り合う2個の第1シール部92aの間に、1個の第2シール部92bが存在するように、第1シール部92aの位置が設定されている。
【0081】
しかし、第1方向D1において隣り合う2個の第1シール部92aの間に、1より大きい奇数個の第2シール部92bが存在するように、第1シール部92aの位置が設定されていてもよい。例えば、第1方向D1において隣り合う2個の第1シール部92aの間に、3個の第2シール部92bが存在するように、第1シール部92aの位置が設定されていてもよい。
【0082】
図13は、図7と同様の側面図であって、第2姿勢の連袋90が載せられたシャッタ40の側面図である。図13では、第1方向D1において隣り合う2個の第1シール部92aの間に、3個の第2シール部92bが存在している。この場合においても、連袋姿勢変換装置30の接触部32bが第1シール部92aに第2方向D2の力を付与することで、連袋90の袋91は水平面に対して傾斜するので、連袋90の第1方向D1の長さが短くなる。従って、連袋姿勢変換装置30は、図13に示されるように、第1シール部92aに第2方向D2の力を付与することで、連袋90の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変換することができる。また、連袋姿勢変換装置30は、第2姿勢の状態において、第1方向D1における接触部32bの間隔を短くすることで、連袋90を保持することができる。
【0083】
(5-2)変形例B
実施形態では、1個の連袋90は、10個の袋91を有する。しかし、連袋姿勢変換装置30が連袋90の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変換して、連袋90を保持するためには、1個の連袋90が有する袋91の数は、少なくとも3個あればよい。
【0084】
図14は、図8と同様の側面図であって、連袋姿勢変換装置30が、3個の袋91を有する連袋90を保持している状態を示す図である。連袋90は、1個の第1シール部92aと、1個の第2シール部92bとを有する。連袋姿勢変換装置30は、2個の接触部32bによって連袋90を挟み込んで保持している。2個の接触部32bの一方は、連袋90の第1シール部92aに第2方向D2の力を付与し、他方は、連袋90の端の袋91と接触している。連袋90の端の袋91と接触している接触部32bがない場合、連袋姿勢変換装置30は、連袋90を保持することができない。
【0085】
(5-3)変形例C
実施形態では、1個の連袋90は、10個の袋91を有し、連袋姿勢変換装置30は、5個の接触部32bを有する。このように、1個の連袋90が有する袋91の数が偶数である場合、連袋姿勢変換装置30が有する接触部32bの数は、1個の連袋90が有する袋91の数の半分で十分である。「変形例A」で説明したように、接触部32bの数は、袋91の数の半分より少なくてもよい。連袋姿勢変換装置30が有する接触部32bの数が、1個の連袋90が有する袋91の数の半分である場合、図6~8に示されるように、第1シール部92aと第2シール部92bとが、第1方向D1において交互に配置され、かつ、連袋90の両端のシール部92は、第1シール部92aである。
【0086】
また、1個の連袋90が有する連袋90の袋91の数が奇数である場合、連袋姿勢変換装置30が有する接触部32bの数は、1個の連袋90が有する袋91の数より1多い数の半分で十分である。例えば、「変形例B」で説明したように、袋91の数が3である場合、連袋90を保持するためには少なくとも2個の接触部32bを必要とする。同様に、例えば、袋91の数が5である場合、連袋90を保持するためには少なくとも3個の接触部32bを必要とする。
【0087】
図15は、図8と同様の側面図であって、連袋姿勢変換装置30が、5個の袋91を有する連袋90を保持している状態を示す図である。連袋90は、2個の第1シール部92aと、2個の第2シール部92bとを有する。第1シール部92a及び第2シール部92bは、第1方向D1において交互に配置されている。連袋姿勢変換装置30は、3個の接触部32bによって連袋90を挟み込んで保持している。3個の接触部32bのうちの2個は、連袋90の第1シール部92aに第2方向D2の力を付与し、残りの1個は、連袋90の端の袋91と接触している。連袋90の端の袋91と接触している接触部32bがない場合、連袋90の端の第2シール部92bを折り曲げる力が付与されない。そのため、連袋90の端の袋91がダンボール箱Bに引っかかって、ダンボール箱Bの中に連袋90を正常に運び入れることができないおそれがある。
【0088】
(5-4)変形例D
実施形態では、連袋姿勢変換装置30の付与部32は、基部32aと接触部32bとを有し、接触部32bは、基部32aから鉛直方向下方に垂れ下がっている板状部材である。接触部32bは、第1姿勢の連袋90の第1シール部92aと接触して、第1シール部92aに第2方向D2の力を付与する。
【0089】
しかし、接触部32bは、第1シール部92aと接触して、第1シール部92aに第2方向D2の力を付与することができれば、板状部材でなくてもよい。具体的には、接触部32bは、連袋90の第1シール部92aと接触する部材であって、基部32aに連結されている任意の部材であってもよい。例えば、接触部32bは、第1シール部92aと接触し、シール部92の長手方向に沿って延びる棒状部材であってもよい。
【0090】
(5-5)変形例E
実施形態では、連袋姿勢変換装置30は、ダンボール箱Bの中に運び込まれた連袋90から接触部32bを離す際に、接触部32bを振動させる。例えば、連袋姿勢変換装置30は、5個の接触部32bの第1方向D1の間隔を所定の時間間隔で増減させることで、接触部32bを第1方向D1に沿って振動させる。しかし、接触部32bの振動の方向は、第1方向D1に限られない。例えば、連袋姿勢変換装置30は、サーボ機構等を用いて、シール部92の長手方向に沿って接触部32bを振動させてもよい。
【0091】
(5-6)変形例F
実施形態では、連袋姿勢変換装置30は、ダンボール箱Bの中に運び込まれた連袋90から接触部32bを離す際に、接触部32bを振動させる。これにより、連袋姿勢変換装置30が連袋90から接触部32bを離す際に、ダンボール箱Bの中から連袋90が接触部32bと共に抜け出してしまうことが抑制される。
【0092】
しかし、連袋姿勢変換装置30は、連袋90から接触部32bを離す際に、ダンボール箱Bの中から連袋90が接触部32bと共に抜け出してしまうことを抑制するための他の機構を有してもよい。例えば、連袋姿勢変換装置30は、接触部32bを上昇させて連袋90から接触部32bを離す際に、ダンボール箱Bの中の連袋90を上方から押さえつける押さえ部材36を備えてもよい。
【0093】
図16及び図17は、図1と同様の箱詰め装置100の概略的な外観図である。図16及び図17には、一対の押さえ部材36を備える連袋姿勢変換装置30の一例が示されている。図16は、接触部32bが、連袋90の第1シール部92aに第2方向D2の力を付与する前の状態を示す。図17は、接触部32bが、連袋90の第1シール部92aに第2方向D2の力を付与した後の状態を示す。図17は、図9と同様に、接触部32bの間隔が短くなり、連袋90の姿勢が第1姿勢から第2姿勢に変換された状態を示す。図17では、連袋90は省略されている。しかし、図17では、図9と同じ位置に第2姿勢の連袋90が位置している。
【0094】
押さえ部材36は、連袋90から接触部32bが離れる間、連袋90の少なくとも一部をダンボール箱Bに向かって押さえつける棒状部材である。押さえ部材36は、連袋90が搬送される方向(搬送方向)に沿って延びている。搬送方向において、押さえ部材36の寸法は、ダンボール箱Bの寸法と同程度であり、かつ、ダンボール箱Bの寸法より短い。
【0095】
押さえ部材36は、連袋姿勢変換装置30の接触部32bに形成された通過孔32cを通っている。通過孔32cは、鉛直方向に延びている孔である。接触部32bは、2個の通過孔32cを有している。押さえ部材36は、少なくとも1つの通過孔32cを通過している状態で、鉛直方向において移動可能である。押さえ部材36の搬送方向の位置が変化しないように、押さえ部材36は、最も下流側の接触部32bに支持されている。
【0096】
図16の状態では、押さえ部材36は、搬送方向の下流側の3個の通過孔32cを通過している。図16の状態から、接触部32bが、連袋90の第1シール部92aに第2方向D2の力を付与すると、連袋90によって押さえ部材36が押し上げられる。その後、接触部32bの間隔が短くなって図17の状態に移行すると、連袋90の姿勢は第1姿勢から第2姿勢に変換され、連袋90によって押さえ部材36がさらに押し上げられる。接触部32bの間隔が短くなる過程で、押さえ部材36は、搬送方向の上流側の2個の通過孔32cを通過する。その結果、図17に示されるように、押さえ部材36は、全ての接触部32bの通過孔32cを通過する。
【0097】
連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持している間、押さえ部材36は、連袋90によって押し上げられている。連袋姿勢変換装置30が連袋90から接触部32bを離している間、押さえ部材36は、自身の重量によって、ダンボール箱Bの中の連袋90を押さえつけている。これにより、ダンボール箱Bの中から連袋90が接触部32bと共に抜け出してしまうことが抑制される。
【0098】
本変形例において、押さえ部材36及び通過孔32cの数及び形状は、図16に示されているものに限られない。例えば、連袋姿勢変換装置30は、押さえ部材36を備える代わりに、サーボ機構等を用いて、ダンボール箱Bの中の連袋90に対して、連袋90を上方から押さえつける力を付与してもよい。
【0099】
本変形例において、押さえ部材36は、駆動機構によって下方に押されることで、ダンボール箱Bの中の連袋90を下方に押さえつけてもよい。駆動機構は、例えば、エアシリンダ等のシリンダ機構である。図18は、押さえ部材36の駆動機構であるエアシリンダ37を備える連袋姿勢変換装置30の側面図である。図18は、図12と同様に、連袋姿勢変換装置30が連袋90を保持している状態で、連袋90をダンボール箱Bの中に運び入れた直後の状態を示す。エアシリンダ37は、押さえ部材36に鉛直方向下方の力を付与して、押さえ部材36を押し下げる機能を有する。図18に示されるように、連袋姿勢変換装置30が接触部32bを引き上げて連袋90から接触部32bを離す際に、エアシリンダ37は、押さえ部材36を押し下げる力を、押さえ部材36に付与する。図18には、エアシリンダ37が押さえ部材36に付与する力の方向が矢印で示されている。これにより、連袋90は押さえ部材36によって下方に押さえつけられるので、接触部32bを引き上げる際に、連袋90から接触部32を強制的に離すことができる。そのため、ダンボール箱Bの中から連袋90が接触部32bと共に抜け出してしまうことが抑制される。
【0100】
本変形例において、押さえ部材36は、連袋90が搬送される方向に沿って伸縮可能な構造を有していてもよい。例えば、図16において、押さえ部材36の長さは、全ての接触部32bに形成された通過孔32cを通過する程度の長さであってもよい。この場合、図16の状態から図17の状態に移行する際に、接触部32bの間隔が短くなるにつれて、押さえ部材36の長さが、図17に示される程度まで短くなる。反対に、接触部32bの間隔が長くなるにつれて、押さえ部材36が長くなる。
【0101】
本変形例において、押さえ部材36を用いる代わりに、ダンボール箱Bの中の連袋90を下方に押さえつける駆動機構を有してもよい。例えば、連袋姿勢変換装置30は、連袋90から接触部32bを離す際に、図18に示されるようなエアシリンダ37を用いて、ダンボール箱Bの中の連袋90を下方に押さえつけてもよい。
【0102】
(5-7)変形例G
実施形態では、連袋姿勢変換装置30は、接触部32bによって、第1シール部92aに第2方向D2の力を付与する。第2方向D2は、鉛直方向下方に向かう方向である。しかし、第2方向D2は、シール部92の長手方向を含む面内の方向であって第1方向D1と交差する方向であれば、鉛直方向下方に向かう方向でなくてもよい。
【0103】
例えば、第1シール部92aに付与される第2方向D2の力は、第1シール部92aを上方から下方に向かって押す力であればよい。また、第1シール部92aに第2方向D2の力を付与することで、連袋90の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変換することができれば、第1シール部92aに付与される第2方向D2の力は、第1シール部92aを下方から上方に向かって押す力であってもよい。
【符号の説明】
【0104】
30 連袋姿勢変換装置
32 付与部
32b 接触部
33 第1モータ(短縮部)
34 第2モータ(変更部)
36 押さえ部材
40 シャッタ(載置台)
60 制御部
90 連袋
91 袋(第1袋、第2袋、第3袋)
92 シール部(第1シール部、第2シール部)
92a 第1シール部
92b 第2シール部
100 箱詰め装置
B ダンボール箱(箱)
D1 第1方向
D2 第2方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0105】
【文献】特開2012-245988号公報
図1
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