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特許7219522電流検出器及び制御論理回路を用いるオープンドレイン通信システムのための中継器
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  • 特許-電流検出器及び制御論理回路を用いるオープンドレイン通信システムのための中継器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】電流検出器及び制御論理回路を用いるオープンドレイン通信システムのための中継器
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/24 20060101AFI20230201BHJP
   H04B 3/36 20060101ALI20230201BHJP
   H03K 19/0185 20060101ALN20230201BHJP
【FI】
H04L25/24
H04B3/36
H03K19/0185
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019560634
(86)(22)【出願日】2018-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 US2018030935
(87)【国際公開番号】W WO2018204682
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-05-05
(31)【優先権主張番号】62/612,018
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/875,573
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/500,818
(32)【優先日】2017-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ヴィナイ ヴィカス スマ
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 竜行
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ルイス クラフト
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-066951(JP,A)
【文献】特開平05-153099(JP,A)
【文献】特開平05-259876(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0001625(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101207378(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/24
H04B 3/36
H03K 19/0185
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1のポート
第2のポート
第1のトランジスタであって、前記第1のポートに結合される第1のトランジスタチャネル電極と、第1のトランジスタ制御電極とを含む、前記第1のトランジスタ
第2のトランジスタであって、第2のトランジスタ制御電極と、前記第2のポートに結合される第2のトランジスタチャネル電極とを含む、前記第2のトランジスタ
前記第1のポートに結合される電流源
電流検出器であって、前記第1のポート前記電流源前記第1のトランジスタチャネル電極に結合される電流検出器入力と、電流検出器出力とを含む、前記電流検出器
制御論理回路であって、前記電流検出器出力に結合される制御論理回路入力と、前記第2のトランジスタ制御電極に結合される制御論理回路出力とを含む、前記制御論理回路
前記第1のポートと前記電流検出器とに結合されるプリチャージ電流生成器と、
を含む、装置。
【請求項2】
装置であって、
第1のポート
第2のポート
電流検出器であって、前記第1のポートに結合される電流検出器入力と、電流検出器出力とを含む、前記電流検出器
トランジスタであって、前記第2のポートに結合されるトランジスタチャネル電極と、トランジスタ制御電極とを含む、前記トランジスタ
制御論理回路であって、前記電流検出器出力に結合される制御論理回路入力と、前記トランジスタ制御電極に結合される制御論理回路出力とを含む、前記制御論理回路
前記第1のポートと前記電流検出器とに結合されるプリチャージ電流生成器と、
を含む、装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置であって、
第1のトランジスタチャネル電極を含む第1のトランジスタを更に含み、
前記トランジスタが第2のトランジスタであり、
前記第1のポートが前記第1のトランジスタチャネル電極に更に結合される、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
電流源と、
前記電流に結合され、第1の電力供給電圧を有する第1の電力供給
前記トランジスタ制御電極と前記第2のポートとの間に結合され、第2の電力供給電圧を有する第2の電力供給
を更に含み、
前記第1の電力供給電圧が前記第2の電力供給電圧とは異なる電圧である、装置。
【請求項5】
請求項3に記載の装置であって、
前記第1のポート前記電流検出器入力に結合される電流源を更に含む、装置。
【請求項6】
請求項に記載の装置であって、
前記電流源が第1のノードにおいて前記第1のトランジスタに結合され、
前記電流検出器が、前記第1のポートと前記第1のノードとの間に形成される電流経路に結合される、装置。
【請求項7】
請求項に記載の装置であって、
前記電流源が可変電流源を含む、装置。
【請求項8】
請求項2に記載の装置であって、
前記制御論理回路が、前記電流検出器出力に部分的に基づいて前記トランジスタ制御電極を制御するように動作可能である、装置。
【請求項9】
請求項2に記載の装置であって、
前記制御論理回路が、制御論理回路第2入力を更に含み、
前記第1ポートが前記制御論理回路第2入力に更に結合され、
前記制御論理回路が、前記電流検出器出力と前記第1ポートにおける検出された電圧とに部分的に基づいて前記トランジスタ制御電極を制御するように動作可能である、装置。
【請求項10】
請求項2に記載の装置であって、
前記第1のポートが第1のデバイスに更に結合され、前記第2のポートが中継器に更に結合される、装置。
【請求項11】
請求項2に記載の装置であって、
前記制御論理回路がブール回路を含む、装置。
【請求項12】
請求項2に記載の装置であって、
前記第1のポートが100kHzを上回る周波数で通信を受信する、装置。
【請求項13】
方法であって、
第1のポートへの電流又は第1のポートからの電流を電流検出器によって検出すること
前記電流検出器によって検出された前記電流に部分的に基づいてトランジスタの制御電極を制御論理回路によって制御すること
供給電圧が不足電圧ロックアウトパラメータ未満であるときにプリチャージ電流生成器によって前記電流検出器へのプリチャージ電流を生成することと、
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記第1のポートにおける電圧を前記制御論理回路によって検出することを更に含み、
前記電流検出器によって検出された前記電流に部分的に基づいてトランジスタの制御電極を制御することが、前記電流検出器によって検出された前記電流と前記第1のポートにおける前記検出された電圧とに部分的に基づいて第2のトランジスタの制御電極を制御することを含む、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
電流源によって電流を供給すること更に含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記電流源が可変電流を含む、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、
前記第1のポートが100kHzを超える周波数の通信を受信する、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記電流検出器が、前記電流源と前記トランジスタとが互いに結合されるノードと前記第1のポートとの間に形成される電流経路上に流れる電流を検出する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して中継器(repeater)に関し、より詳細にはオープンドレインシステムのための中継器に関する。
【背景技術】
【0002】
中継器は、複数のデバイスが通信のための共通のバスを共有するシステムにおいて非常に一般的である。また、集積回路間(I2C)及びシステムマネジメントバス(SMBUS)プロトコルなどの規格は、オープンドレイン回線を介した通信を必要とする。しかしながら、デバイス間の通信の双方向性のために、どのデバイスがデータを送信/受信しているかを検出することは、中継器にとって困難である。
【0003】
オープンドレインシステムにおける中継器への従来のアプローチは、静的オフセットバッファ又は複雑な電力消費回路要素のいずれかに関与する。静的オフセットバッファはダウンストリームデバイスが適切な出力低レベルを見るのに問題となり得る静的オフセットを導入するので、静的オフセットバッファは、問題である。また、中継器の多くは、データの送信及び/又は受信を検出するためにプルアップ抵抗器を用いるが、これらのプルアップ抵抗器はサイズが大きくなり得、コストがかかる。これらの問題に加えて、中継器には、より高速の通信を処理することができないものがある。
【発明の概要】
【0004】
記載される例において、装置が、第1のポート、第2のポート、電流検出器、トランジスタ、及び制御論理回路を含む。電流検出器の電流検出器入力が、第1のポートに結合される。トランジスタのトランジスタチャネル電極が、第2のポートに結合される。制御論理回路の制御論理回路入力が、電流検出器出力に接続され、制御論理回路の制御論理回路出力が、トランジスタのトランジスタ制御電極に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】中継器のための例示的なビット-セルアーキテクチャである。
【0006】
図2】マスターデバイス及び複数のスレーブデバイスを有するシステム図である。
【0007】
図3】第1のスレーブデバイス、第1の中継器、第2のスレーブデバイス、第2の中継器、及びマスターデバイスの概略図である。
【0008】
図4】特定の実施例における制御論理回路における実装のための例示的なバイナリ論理表である。
【0009】
図5】中継器のA側から中継器のB側に信号を中継するための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示の実施例は、中継器の第1のポートから中継器の第2のポートへ信号を中継するための手法を含む。
【0011】
一実施例において、装置が、第1のポート、第2のポート、電流検出器、トランジスタ、及び制御論理回路を含む。電流検出器の電流検出器入力が、第1のポートに結合される。トランジスタのトランジスタチャネル電極が、第2のポートに結合される。制御論理回路の制御論理回路入力が、電流検出器出力に接続され、制御論理回路の制御論理回路出力が、トランジスタのトランジスタ制御電極に接続される。
【0012】
例示の実施例は幾つかの技術的利点を達成し得る。開示される中継器の技術的利点には、外部プルアップ抵抗器が排除され得るので、中継器のためのフットプリントがより小さくなりコストが低減されることが含まれ得る。開示される中継器の別の技術的利点は、静的電圧オフセットをなくすことによる、中継器の改善された性能を含み得る。開示される中継器のさらなる技術的利点は、中継器のための電力シーケンスの必要性をなくすことを含み得る。開示される中継器の別の技術的利点は、I2C標準速度(100kHz)、I2C高速モード(400kHz)、及びI2C高速モードプラス(1MHz)などの高周波数通信速度を中継器がサポートすることである。また、開示される中継器の更なる技術的利点は、改善されたシグナルインテグリティと、反復された信号のより短い立ち上がり時間とを含み得る。
【0013】
例示の実施例のその他の技術的利点も考えられる。種々の実施例は、本明細書に記載される利点の全て又は幾つかを含み得、又は全く含まなくてもよい。
【0014】
中継器は、システムの損失を克服するのに役立つように、又は電気的信号が劣化し、その質を失う可能性があるシステムの負荷効果を隠すのに役立つように用いられ得る。中継器はまた、バッファ及び/又はレベルシフタを含み得る。中継器は、自身の入力で信号を受信し、信号を或る遅延でバッファし、その後、その途中で信号を再送する能力を有する。中継器は、システムがケーブルの影響を克服し、適切な信号性能を維持するのを支援し得るので、信号が、大量のロスの影響を受けやすい長いケーブルを横断しなければならないときにとりわけ有効である。また、中継器は、低電圧と高電圧との間の双方向レベルシフト(アップ変換及びダウン変換)を提供し得る。
【0015】
例示の実施例の中継器はオープンドレインシステムに適用可能である。オープンドレインシステムの構成要素は、通信バスを低く駆動し得るか又は通信バスを開いたままにし得る。通常、デバイスがバスに能動的にプルダウンしていない場合、抵抗器(例えば、プルアップ抵抗器)が、通信バスを或る電圧までプルアップする。これは、2つ以上のマスターデバイスの同時オペレーション、又はスレーブが通信バスを抑制することによって通信を遅らせることができる通信バスの伸長のような特徴を可能にする。オープンドレインシステムは、集積回路ではオープンコレクタとして知られていることもある。
【0016】
例示的なオープンドレインプロトコルは、集積回路間(I2C)及びシステムマネジメントバス(SMBUS)である。I2Cは、複数デバイスが互いに通信できるようにする通信プロトコルである。I2Cは、マルチマスター、マルチスレーブシステムを支援し得、2つ以上のデバイスがバス上の全てのデバイスと通信することを可能にする。SMBusはI2Cプロトコルから引き出される。I2C及びSMBusは、2つの双方向オープンドレインライン、シリアルデータライン(SDA)及びシリアルクロックライン(SCL)、のみを用いる。SDAはデータ信号であり、SCLはクロック信号である。SCLは、通常、マスターデバイスによって生成される。I2Cシステムのデバイスは、他のデバイスと通信するためにSDA及びSCLを用いる。
【0017】
また、これらの通信は、特定された周波数で行うことができる。例えば、I2Cは、標準速度(100kHz)、高速モード(400kHz)、及び高速モードプラス(1MHz)を提供する。
【0018】
図1は、中継器100のための例示的なビットセルアーキテクチャである。中継器100は、第1のポート電圧供給104、第2のポート電圧供給108、第1のトランジスタ110、第2のトランジスタ112、電流源114、電流検出器116、制御論理回路118、プリチャージ電流生成器120、第1のシュミットトリガ124、及び第2のシュミットトリガ126を含む。中継器100はまた、外部デバイス(例えば、マスターデバイス、スレーブデバイス、又は追加の中継器)に接続され得る第1のポート102と、別の外部デバイス(例えば、マスターデバイス、スレーブデバイス、又は追加の中継器)に接続され得る第2のポート106とを含む。或る実施例において、第1のポート102をB側と呼び、第2のポート106をA側と呼ぶことができる。
【0019】
中継器は、第1のポート102及び第2のポート106を含み得る。或る実施例において、第1のポート102は、スレーブデバイス(例えば、周辺機器デバイス)に結合され、第2のポート106は、マスターデバイス(例えば、プロセッサ)に結合される。しかしながら、第1のポート102は、1つ又は複数のデバイスに結合され得、第2のポート106は、1つ又は複数のデバイスに結合され得る。
【0020】
第1のポート102は、第1のトランジスタ110及び電流源114のチャネル電極(例えば、ドレイン)に結合され得る。電流源114は、安定した既知の電流源を提供し得(例えば、電流源114は、定電流源とし得る)、又は可変電流源を提供し得る。幾つかの例において、トランジスタ110のドレインは、如何なる介在構成要素なしに、又は場合によっては、少なくともトランジスタのドレインと第1のシュミットトリガ124との間に結合される抵抗器を介在させることなく、第1のシュミットトリガ124の入力部(又は別のタイプの電圧検出器の入力)に直接的に結合され得る。
【0021】
また、第2のポート106は、第2のトランジスタ112のチャネル電極(例えば、ドレイン)に結合され得る。或る実施例において、制御論理回路118は第2のシュミットトリガ126を組み込み、この実施例において、制御論理回路118は、第2のポート106における通信バスがプルダウンされたかどうかを決定し得る。第2のトランジスタ112の制御電極における電圧を調整することによって、第2のポート106が第2のトランジスタ112によってプルダウンされる。
【0022】
或る実施例において、データをバスから及び/又はバスへ送信及び/又は受信する各デバイス(例えば、第1のポート102に接続されたデバイス、及び第2のポート106に接続されたデバイス)は、データバスのラインに結合される入力/出力(例えば、第1のポート102及び/又は第2のポート106)を有し得る。第1のポート102及び第2のポート106は、第1のトランジスタ110及び第2のトランジスタ112などの能動プルダウントラジスタ(以下、トランジスタと呼ぶ)のチャネル電極(例えば、ドレイン又はコレクタ)に結合され得る。トランジスタは、接地された第2のチャネル電極(例えば、ソース又はエミッタ)と、デジタル制御信号に結合される制御電極とを有し得る。トランジスタは、デジタル制御信号からの受信された低状態と高状態とを区別するように、論理「低」と論理「高」電圧との間(例えば、中間)に閾値電圧を有し得る。
【0023】
第1のポート電圧供給104及び第2のポート電圧供給108は、中継器に接続される電力供給ピンであり得る。第1のポート電圧供給104及び第2のポート電圧供給108は、回路の1つ又は複数の電力レールに接続され得る。第1のポート電圧供給104は、第2のポート電圧供給108と同じ電力レールに接続され得、或いは、第1のポート電圧供給104は、第2のポート電圧供給108とは異なる電力レールに接続され得る。或る実施例において、第1のポート電圧供給104における電圧は、第2のポート電圧供給108における電圧とは異なっている。
【0024】
電流検出器116は、電流源114及び第1のポート102に結合され得る。或る実施例において、電流源114は、第1のノードにおいて第1のトランジスタ110のドレインに結合され、電流検出器116は、第1のポートと第1のノードとの間に形成される電流経路に結合される。プルアップ電流は、電流源114を介する既知の値であるので、電流検出器116は、どれだけの電流が第1のポート102を流れるかを決定し得る。電流検出器116は、第1のポート102を流れる電流、第1のノードポート102に流れる電流、第1のノード(即ち、第1のトランジスタ110のドレインと電流源114を接続するノード)に向かって流れる電流、いずれかの方向の電流の比較、電流なし、又は、所定の閾値に対する(一方向又は両方向の)電流の比較を検出し得る。第1のポート102と第1のノードとの間の電流を検出することによって、中継器は、第1のポート102及び/又は第2のポート106における任意のデバイスが通信バスの制御下にあり、情報を通信している可能性があるかどうかを決定し得る。或る実施例において、電流検出器116が、第1のポート102における任意のデバイスが通信バスの制御下にあるかどうかを決定するために、第1のポート102と第1のノードとの間にどれだけの電流が流れているかを決定する。
【0025】
例えば、第1のポート102及び第2のポート106におけるデバイスが、アクティブでないか、制御バスの制御下にない場合、第1のデバイス102及び第2の通信ポート106は、制御バスを開いたままにし得る(例えば、トランジスタ110及び112は、第1及び第2のポート102及び106を浮遊状態又は高インピーダンス状態で動作させるためにオフにされ得る)。
【0026】
図1の例示の実施例において、第2のシュミットトリガ126は、高論理状態から低論理状態に遷移する第2のポート106に応答して、第1のポート102における通信バスをプルダウンするように第1のトランジスタ110に強制し得る。また、電流検出器116は、第1のポート102からのデバイスが電流源114から電流をプルしていることを決定することによって、第1のポート102がアクティブであるかどうかを決定することもできる。その結果、制御論理回路118は、電流検出器116からの検出された電流を受け取ることができ、制御論理回路118の論理に基づいて、第2のトランジスタ112に、第2のポート106の通信バスをプルダウンさせ得、又は第2のポート106の通信バスを開いたままにし得る。
【0027】
この例において、制御論理回路118の第1の入力が、電流検出器116の出力に結合され得る。電流検出器116からの検出された電流を用いて、制御論理回路118が、第2のトランジスタ112の制御電極を制御し得る。例えば、制御論理回路118は、組み合わせ論理を実装するためのブール回路要素を含み得る。更なる例として、制御論理回路118は、第2のトランジスタ112の制御電極をどのように制御するかを決定するために、以下の論理表を実装し得る。
【0028】
或る実施例において、第1のポート102は更に、制御論理回路118の第2の入力に結合される。シュミットトリガ124を用いて、制御論理回路118は、第1のポートにおける電圧を検出するように動作可能であり得る。電流検出器116からの検出された電流と第1のポート102からの検出された電圧との両方に基づいて、制御論理回路は、第2のトランジスタ112の制御電極を制御し得る。例えば、制御論理回路118は、第2のトランジスタ112の制御電極をどのように制御するかを決定するために、図4において論理表を実装し得る。
【0029】
例示の実施例において、第1のポート102は、第1のシュミットトリガ124を介して制御論理回路118の第2の入力に結合され得る。同様に、第2のポート106は、第2のシュミットトリガ126を介して第1のトランジスタ110の制御電極に結合され得る。例示の実施例において、第2のシュミットトリガ126は反転シュミットトリガである。第1のシュミットトリガ124及び第2のシュミットトリガ126は、反転シュミットトリガ、非反転シュミットトリガ、CMOSバッファ、CMOSインバータ、又は、入力波形を変更し得る任意の他のデバイスであり得る。
【0030】
或る実施例において、中継器100が不足電圧ロックアウト信号122を受信し得る。不足電圧ロックアウト信号は、VCCA104が動作値未満に下がったことを示し得る。最小供給電圧未満であると、中継器の機能及び性能は、定義され得ず、システム挙動を予測することが困難になり得る。(不足電圧ロックアウト信号122によって示され得るように)不足電圧ロックアウトが生じる場合、プリチャージ生成器が、電流源114から来る電流の不足を補償するために電流を生成し得る。他の状況において、システムは、回路のために電力シーケンスを用い得る。或る実施例において、不足電圧ロックアウト信号122は、供給信号が不足電圧ロックアウトパラメータ未満であることを示す。
【0031】
通信バスを駆動しようとする第2のポート106に結合されるデバイス
例示の一実施例において、第2のポート106に接続されたデバイスが通信バスを駆動しようと試みており、第1のポート102に接続されたデバイスがアクティブでないとき、第2のポート106は低電圧である。第2のポート106が低電圧であるので、第2のシュミットトリガ126は、信号を第1のトランジスタ110の制御電極への高電圧に反転させ得る。その結果、第1のトランジスタ110は第1のポート102をプルダウンする。或る実施例において、電流検出器116も、第1のポート102に/から流れる電流がほとんどないか全くないことを検出することによって、第1のポート102が電流をプルしていないことを検出する。ポート102へ/から流れる電流の不足を検出することに応答して、制御論理回路118は、第2のトランジスタ112が第2のポート106のための通信バスをプルダウンしないように、第2のトランジスタ112のノードを制御する。第2のポート106のための通信バスが低であるので、この場合、第2のポート106は通信バスを制御する。
【0032】
通信バスを駆動しようとする第1のポート102に結合されるデバイス
別の例示の実施例において、第1のポート102に接続されたデバイスが通信バスを駆動しようとしており、第2のポート106に接続されたデバイスがアクティブでないとき、電流検出器116は、第1のポート102に接続された外部デバイスがそのバス上でプルダウンしていることを検出する。電流検出器116が、第1のポート102に接続されたデバイスがそのバス上でプルダウンしていることを検出するので、制御論理回路118は、第2のトランジスタ112が第2のポート106のための通信をプルダウンするように、第2のトランジスタ112を制御する。ここで、第2のトランジスタ112はアクティブであり、第1のポート106は低電圧である。反転シュミットトリガは、信号を高電圧に反転させ、それによって、第1のトランジスタ110に通信バスを更にプルダウンさせる。第1のポート102のための通信バスが低であるので、この場合、第1のポート102は通信バスを制御する。
【0033】
図2は、マスターデバイスと複数のスレーブデバイスとを有するシステム200である。I2C及びSMBUSのような通信プロトコル、並びに、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)はしばしば、図2に示されるシステムのような大型のシステムを動作させるために中継器及びバッファに依存する。図2のシステム図は、マスターデバイス210、第1の中継器220、第2の中継器230、第1のスレーブデバイス240、第2のスレーブデバイス250、第3のスレーブデバイス260、プルアップ抵抗器270a~f、及び電力供給Vcc280a~bで構成される。
【0034】
マスターデバイス210は、1つ又は複数のマスターデバイス、1つ又は複数のスレーブデバイス、及び/又は1つ又は複数の中継器と通信し得る、任意のタイプのデバイスである。単一のマスターデバイスとして示されているが、このシステム図は、複数のマスターデバイス210を含み得る。或る実施例において、マスターデバイス210はプロセッサである。例示の実施例において、マスターデバイス210は1MHzのプロセッサである。マスターデバイス210は、入力/出力エキスパンダ、様々なセンサ、EEPROM、ADC/DACなど、システムにおける様々な要素を制御し得る。マスターデバイス210はVCC280a上で動作し得る。システムが複数のマスターデバイスを含み得る或る実施例において、第1のマスターデバイスが、第2のマスターデバイス又はスレーブデバイスとは異なる電力供給電圧で動作し得る。
【0035】
マスターデバイス210などの各マスターデバイスは、1つ又は複数のシリアルデータライン(SDA)212及び/又はシリアルクロックライン(SCL)214を有し得る。通常、マスターデバイス210はSCLを駆動する。SDA212及びSCL214は、それぞれ、プルアップ抵抗器270a及び270bを介してVcc280aに接続される。プルアップ抵抗器のサイズは、バスライン上の静電容量の大きさによって決定され得る。或る実施例において、SDAとSCLの両方が高である場合、バスはアイドルと見なされる。また、SDA及びSCLは「オープンドレイン」ドライバである。「オープンドレイン」ドライバは、デバイスがその出力を低に駆動し得るが、そのデバイスがその出力を高に駆動し得ないことである。
【0036】
マスターデバイス210は、1つ又は複数のプロトコル(例えば、I2C又はSMBUS)を用いて、通信バスを介して第1の中継器220と通信し得る。第1の中継器220は、マスターデバイス210、第1のスレーブデバイス240、第2のスレーブデバイス250、及び/又は第3のスレーブデバイス260を支援し得る。第1中継器220は、とりわけ、より大きい又はより長いシステム200において有利であり得る。第1中継器220は、バスアービトレーションを支援し得る。例えば、システム200は、複数のマスターデバイスが同じ時間にコマンドを開始するときにバスアービトレーションを用い得る。また、第1中継器220は、多方向性であってもよく、外部方向制御を必要としなくてもよい。また、第1の中継器220は、バッファ機能性を提供し得、長距離シグナリング及びマルチポイント応用例を支援し得る。
【0037】
第1の中継器220は、A側シリアルデータライン(SDAA)222、A側シリアルクロックライン(SCLA)224、B側シリアルデータライン(SDAB)226、及びB側シリアルクロックライン(SCLB)228を有し得る。SDAA222及びSCLA224は、マスターデバイス210、スレーブデバイス、中継器、又は、SDA及び/又はSCLの入力又は出力を有する任意の他のデバイスなどのデバイスのSDA及びSCLに接続され得る。同様に、SDAB226及びSCLB228は、マスターデバイス210、スレーブデバイス、中継器、又は、SDA及び/又はSCLの入力又は出力を有する任意の他のデバイスなどのデバイスのSDA及びSCLに接続され得る。例示の実施例において、SDAA222及びSCLA224は、マスターデバイス210のSDA及びSCLに接続され、SDAB226及びSCLB228は、第2の中継器230のSDAA232及びSCLA234に接続される。
【0038】
第1のスレーブデバイス240は、1つ又は複数のマスターデバイス、1つ又は複数のスレーブデバイス、及び/又は1つ又は複数の中継器と通信する、任意のデバイスとし得る。通常、スレーブデバイス240はマスターデバイス210に応答する。各スレーブデバイス(例えば、第1のスレーブデバイス240、第2のスレーブデバイス250、又は第3のスレーブデバイス26)は、システム200における他のデバイスを区別するために特定のデバイスアドレスを有し得る。或る実施例において、各スレーブデバイスが、デバイスの挙動を設定するためにスタートアップ時に或る構成を用い得る。また、各スレーブデバイスは、データを記憶、書込み、及び/又は読み出しするための1つ又は複数のレジスタを有し得る。マスターデバイス210と同様に、各スレーブデバイスは、SDA242及び/又はSCL244を有し得る。SDA244及び/又はSCL244は、1つ又は複数のプルアップ抵抗器270a~fを介してVcc280a及び/又はVcc280bに接続され得る。各スレーブデバイスは、独立した電力供給又は類似の電力供給で動作し得、電力供給電圧は、各スレーブデバイス及び/又はマスターデバイス間で異なり得る。
【0039】
プルアップ抵抗器270a~fは、各SDA及び/又はSCLをVcc280a~bに接続する抵抗器を表し得る。プルアップ抵抗器270a~fは、デバイスがバスを駆動していないときに通信バスを高にプルするのを支援し得る。
【0040】
電力供給Vcc280a~bは、1つ又は複数の電力レールを表し得る。プルアップ抵抗器270a~fと組み合わせた電力供給Vcc280a~bは、デバイスがバスを駆動していないときに通信バスを高にプルするのを支援し得る。
【0041】
図3は、第1のスレーブデバイス310、第1の中継器320、第2のスレーブデバイス330、第2の中継器360、及びマスターデバイス370の概略図である。第1のスレーブデバイス310は第1の中継器320に結合され、第1の中継器320は、第2の中継器360及び第2のスレーブデバイス330に結合され、第2の中継器360はマスターデバイス370に結合される。
【0042】
例として、マスターデバイス370は、SDAを用いて第2の中継器360と通信し得る。第2の中継器360は、SDA上の信号を第2のスレーブデバイス330及び第1の中継器320に中継し得る。第1の中継器320は更に、SDA上のオリジナルの信号を第1のスレーブデバイス310に中継し得る。
【0043】
或る実施例において、Vcc2 362が第2の中継器360の不足電圧閾値未満であり得る。Vcc2 362が第2の中継器360の不足電圧閾値未満である場合、第2の中継器360のための内部電流生成器がもはや機能しなくなることがある。このため、第1の中継器320によってA側地点340で検出された電圧のために、第2の中継器360から第1の中継器への誤った信号伝搬が生じる可能性がある。また、第2の中継器360から第1の中継器320への信号の誤った伝搬は、システム300において電力逐次要件を実施し得る。電力逐次要件は、システムにおける別の構成要素に供給される電力を制御する一連の要件であり、通常、過剰な電流がスタートアップの間に引きだされるのを防止するのに役立つ。
【0044】
この問題のある状況を回避するのを助けるため、第2の中継器360は、プリチャージ生成器120bを含み得る。プリチャージ生成器120bは、Vcc2 362が第2の中継器360の不足電圧閾値未満であるときにプリチャージ電流を生成する。或る実施例において、不足電圧(UV)信号122bは、Vcc2 362が第2の中継器360の不足電圧閾値未満であることをプリチャージ生成器120bに通知する。このプリチャージ電流は、定義された入力電圧340を第1中継器320に与えるB側地点350における電圧を定義する。
【0045】
プリチャージ生成器120aは同様に、Vcc1 322が第2中継器320の不足電圧閾値未満であるときにプリチャージ電流を生成する。或る実施例において、UV信号122aが、Vcc1 322が第1の中継器320の不足電圧閾値未満であることをプリチャージ生成器120aに通知する。
【0046】
図面において、接続するラインの一方又は両方の端部における矢印は、電流フロー、データフロー、論理フローなどの概略的な方向を示すが、矢印は、反対方向のフローを排除しない。
【0047】
図4は、或る実施例における制御論理回路118内の実装のための例示的なバイナリ論理表400である。バイナリ論理表400は、A側のプルダウン及び/又はB側のプルダウンを可能にするかどうかを決定するために、第1の入力104の論理レベルを登録するなどの条件を含み得る。また、制御論理回路118によって組み込まれるような或る実施例のバイナリ論理表400が、A側のプルダウン及び/又はB側のプルダウンを可能にするかどうかを決定するために、電流検出器116による電流検出を組み込んでもよい。或る実施例において、制御論理回路118が、第2のポート106の論理レベル及び/又はトランジスタ110のプルダウン(即ち、B側)を登録するために、第2のシュミットトリガ126を組み込んでもよい。或る実施例において第2のポート106の論理レベル及び/又はトランジスタ110のプルダウン(即ち、B側)の検出は、制御論理回路118の外部の回路要素によって成され、B側ポート列420、電流検出出力B側列430、及び、イネーブルA側プルダウントランジスタ列440の論理レベルのみが、制御論理回路118において実装される。
【0048】
バイナリ論理表400は、A側ポート列410の論理レベル、B側ポート列420の論理レベル、電流検出出力B側列430、イネーブルA側プルダウントランジスタ列440、イネーブルB側プルダウントランジスタ列450を含み得る。或る実施例において、A側ポート列410の論理レベル、B側ポート列420の論理レベル、及び電流検出出力B側列430は、制御論理回路118へのバイナリ入力を表す。
【0049】
この実施例において、(A側プルダウントランジスタ列440の値によって制御される)A側トランジスタイネーブル信号は、(B側ポート列420の論理レベルの値によって示されるような)第1のシュミットトリガ124、及び(電流検出出力B側列430の値によって示されるような)B側電流検出の機能である。また、B側トランジスタイネーブル信号(これは、技術的に図1における制御論理118の一部ではない)は、第2のシュミットトリガ126の機能である。
【0050】
A側ポート列410の論理レベルは、第2のポート106における論理レベルを表す。或る実施例において、制御論理回路118は、第2のシュミットトリガ126を組み込み得、第2のポート106における電圧をバイナリ数に変換し得る。例えば、第2のポート106における電圧が低である場合、制御論理回路118は、A側ポート列410の論理レベルにおける値を「0」(又はFALSE)に設定し得る。同様に、B側ポート列420の論理レベルは、第1のポート102における論理レベルを表す。或る実施例において、制御論理回路118は、第1のシュミットトリガ124の出力に基づいて、第1のポート102における論理レベルを決定することができ得る。制御論理回路118は、第1のシュミットトリガ124からの電圧を、第1のポート102における論理レベルを表すバイナリ数に変換し得る。例えば、第1のシュミットトリガ124からの電圧が低である場合、制御論理回路118は、B側ポート列420の論理レベルにおける値を「0」(又はFALSE)に設定し得る。
【0051】
電流検出出力B側列430は、電流検出器116によって検出された電流を表す。或る実施例において、電流検出器116は、バイナリ出力を制御論理回路118に通信し得る。例えば、バイナリ出力は、第1のポート102と第1のノードとの間を流れる電流(即ち、第1のトランジスタ110のドレインと電流源114との間のノード)と所定の閾値との間の比較を表し得る。或いは、電流検出器116は、第1のポート102を介して流れる電流、第1のポート102に流れる電流を検出し得、バイナリ出力は、電流が第1のノード(即ち、電流源114を第1のトランジスタ110のドレインと接続するノード)に向かって流れているかどうか、両方向の電流の比較、電流が流れていないかどうか、又は、所定の閾値に対する(一方向又は両方向の)電流の比較を表し得る。特定の実施例において、制御論理回路118は、電流検出器116からの電圧を、電流検出器116によってB側の出力で検出された電流を表すバイナリ値に変換し得る。或る実施例において、電流検出器116が制御論理回路118に組み込まれ得る。
【0052】
説明される実施例において、電流検出器116は、B側(例えば、第2のポート106)に/から流れる電流を検出する。しかしながら、電流検出器116は、A側(例えば、第1のポート102)に/から流れる電流も検出し得る。
【0053】
イネーブルA側プルダウントランジスタ列440は、第2のトランジスタ112が第2のポート106(即ち、A側)をプルダウンするようにイネーブルされているかどうかをバイナリ形式で示す。同様に、イネーブルB側プルダウントランジスタ列450は、第1のポート102(即ち、B側)をプルダウンするように制御論理回路118が第1のトランジスタ110をイネーブルするかどうかをバイナリ形式で示す。例えば、イネーブルA側プルダウントランジスタ列440に対する「1」又はONの値が、第2トランジスタ112の制御電極に高電圧を出力するように制御論理回路118に命令し得、それによって第2トランジスタ112をオンにし、それに応じて第2ポート106をプルダウンする。別の例として、及び、制御論理回路118が第2のシュミットトリガ126を組み込んでいる実施例に対応して、イネーブルB側プルダウントランジスタ列450に対する「1」又はONの値が、制御論理回路118内の第2のシュミットトリガ126に、第1のトランジスタ110の制御電極に高電圧を出力するように命令し得、それによって第1のトランジスタ110をオンにし、それに応じて第1のポート102をプルダウンする。
【0054】
バイナリ論理表400によって示されるように、A側ポート列410の論理レベル、B側ポート列420の論理レベル、及び/又は、電流検出出力B側列430からのバイナリ入力の組み合わせの結果、イネーブルA側プルダウントランジスタ列440によって示されるようにA側のためのプルダウントランジスタをイネーブルし、かつ/又は、イネーブルB側プルダウントランジスタ列450によって示されるようにB側のためのプルダウントランジスタをイネーブルするように、様々なバイナリ出力制御論理118となり得る。
【0055】
図5は、或る中継器のA側からその中継器のB側に信号を中継するための例示の方法を図示する。
【0056】
この方法は、電流検出器116が第1のポート102から電流を検出する工程510で開始し得る。或る実施例において、電流検出器116は、どれだけの電流が第1のポート102から流れているかを判定することができる。電流検出器116は、第1のポート102を介して流れる電流、第1のポート102に流れる電流、第1のノード(即ち、第1のトランジスタ110のドレインと電流源114を接続するノード)に向かって流れる電流、両方向の電流の比較、電流なし、又は、所定の閾値に対する(一方向又は両方向の)電流の比較を検出し得る。第1のポート102と第1のノードとの間の電流を検出することによって、中継器は、第1のポート102又は第2のポート106における任意のデバイスが、通信バスの制御下にあり、情報を通信している可能性があるかを判定し得る。
【0057】
工程520において、制御論理回路118は、第1のポート102における電圧を検出する。或る実施例において、制御論理回路118は、第1のシュミットトリガ124を介して第1のポート102における電圧を検出する。
【0058】
工程530において、制御論理回路118は、第1のポート102からの検出された電圧及び検出された電流に部分的に基づいて、第2のトランジスタ112の制御電極を制御する。例えば、制御論理回路118は、第2のトランジスタ112の制御電極をどのように制御するかを決定するために、図4の論理表を実装し得る。
【0059】
特定の実施例は、必要に応じて、図5の方法の1つ以上の工程を反復し得る。例示の実施例は、任意の適切な順で成される図5の方法の任意の適切な工程を含む。また、例示の実施例は、或る中継器のA側からその中継器のB側への信号を反復するための任意の適切な方法を含み、必要に応じて、図5の方法の工程の全て又は幾つかを含み得、又は全く含まなくてもよい。また、例示の実施例は、図5の方法の任意の適切な工程を実施する、任意の適切な構成要素、デバイス、又はシステムの任意の適切な組み合わせを含む。
【0060】
本記載において、「A又はB」は、特に特に断らない限り或いは文脈によってその他の指示がない限り、「Aのみ、Bのみ、又はAとBの両方」を意味する。また、本記載において、「A及びB」は、特に断らない限り或いは文脈によってその他の指示がない限り、「A及びBの両方、Aのみ、又はBのみ」を意味する。
【0061】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5