(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】電子的応用例のためのグラフィックヘテロ層
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20230201BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20230201BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20230201BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20230201BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20230201BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20230201BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20230201BHJP
H01L 21/288 20060101ALI20230201BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20230201BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20230201BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20230201BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20230201BHJP
C23C 16/26 20060101ALI20230201BHJP
C23C 16/38 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
H01L21/88 M
H01L21/318 B
H01L29/58 G
H01L21/285 C
H01L21/288 M
H01L21/28 301Z
H01L27/04 L
H01L27/04 C
H01L29/78 617L
H01L29/78 617M
C23C16/26
C23C16/38
(21)【出願番号】P 2019566056
(86)(22)【出願日】2018-02-21
(86)【国際出願番号】 US2018019011
(87)【国際公開番号】W WO2018156622
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-02-22
(32)【優先日】2017-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】アルチャナ ヴェヌゴパル
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン スタッセン クック
(72)【発明者】
【氏名】ルイジ コロンボ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート レイド ドーリング
【審査官】早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0163298(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0045282(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0145332(US,A1)
【文献】特表2009-527127(JP,A)
【文献】特開2013-191275(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03037382(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205-21/3215
H01L 21/768
H01L 23/52
H01L 23/522-23/532
H01L 21/28-21/288
H01L 21/44-21/445
H01L 29/40-29/51
H01L 21/318
H01L 29/786
C23C 16/00-16/56
C01B 32/182-32/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスであって、
基板と、
基板の上に配置される導電体であって、グラフェンヘテロ層を含み、前記グラフェンヘテロ層が交互のグラフェンの層と障壁材料の層とを含み、前記グラフェンの層と前記障壁材料の層とがナノ粒子
内に配置され、前記グラフェンの各層がグラフェンの1~2原子層を有し、前記障壁材料の各層が、六方晶窒化ホウ素と立方晶窒化ホウ素とアルミニウム窒化物とから成るグループから選択される1~3層を有する、前記導電体と、
を含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記グラフェンの層がベルナル二重層グラフェンを含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記グラフェンの層が、ホウ素とガリウムとインジウムとシリコンとゲルマニウムと窒素とリンと砒素とアンチモンと酸素とから成るグループから選択される要素でドープされている、マイクロ電子デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記グラフェンの層が、ハロゲンと貴金属と水酸基と有機分子とをから成るグループから選択される化学反応物で官能基化されている、マイクロ電子デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記導電体が前記マイクロ電子デバイスの相互接続を提供する、マイクロ電子デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記導電体が前記マイクロ電子デバイスの薄膜トランジスタのゲートを提供する、マイクロ電子デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記導電体が前記マイクロ電子デバイスのバンドギャップコンバータに接続されるアンテナを提供する、マイクロ電子デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記導電体が前記マイクロ電子デバイスのコンデンサのプレートを提供する、マイクロ電子デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記導電体が前記マイクロ電子デバイスのメタ材料構造のメタ原子を提供する、マイクロ電子デバイス。
【請求項10】
マイクロ電子デバイスを形成する方法であって、
基板を提供することと、
前記マイクロ電子デバイスの導電体の導電性ナノ粒子膜を形成することであって、前記導電性ナノ粒子膜が、本質的に有機バインダ材料なしにグラフェンヘテロ層を含むナノ粒子を含み、前記グラフェンヘテロ層が複数の交互のグラフェンの層と障壁材料の層とを含み、前記グラフェンの各層がグラフェンの1~2原子層を有し、前記障壁材料の各層が、六方晶窒化ホウ素と立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウムとから成るグループから選択される1~3層を有する、前記導電性ナノ粒子膜を形成することと、
を含み、
前記導電性ナノ粒子膜を形成することが付加的なプロセスを含み、前記付加的なプロセスが、
前記導電体のための領域にナノ粒子インク膜を形成するために前記ナノ粒子とキャリア流体とを含むナノ粒子インクを前記基板上にディスペンスすることと、
前記ナノ粒子インク膜から揮発性材料の少なくとも一部を除去するために前記ナノ粒子インク膜を加熱することと、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項
10に記載の方法であって、
前記付加的なプロセスが、ディスクリート液滴ディスペンスプロセスと連続的押出しプロセスと直接レーザートランスファプロセスと静電気堆積プロセス、及び電気化学的堆積プロセスとから成るグループから選択される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般にマイクロ電子デバイスに関し、より詳細にはマイクロ電子デバイスにおけるグラフェンヘテロ層に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子デバイスが、より高密度になり、より高速で動作するにつれて、ダマシン銅などの金属相互接続が、所望の狭線幅を達成しつつ低電気抵抗を提供することは難しい。線幅及び抵抗要件の低下は、より厚い金属相互接続を必要とし、これは、隣り合う相互接続間の静電容量を望ましくなく増加させる。
【発明の概要】
【0003】
記載される例において、マイクロ電子デバイスが、グラフェンヘテロ層を含む導電体を含む。グラフェンヘテロ層は、グラフェンと障壁材料との交互層を含む。グラフェンの各層は、グラフェンの1~2原子層を有する。障壁材料の各層は、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及び/又はアルミニウム窒化物の1~3層を有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】グラフェンヘテロ層を含む導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【0005】
【
図2A】グラフェンヘテロ層を含む導電体を形成する例示の方法の連続的段階の或る段階を示すマイクロ電子デバイスの断面である。
【
図2B】グラフェンヘテロ層を含む導電体を形成する例示の方法の連続的段階の或る段階を示すマイクロ電子デバイスの断面である。
【
図2C】グラフェンヘテロ層を含む導電体を形成する例示の方法の連続的段階の或る段階を示すマイクロ電子デバイスの断面である。
【0006】
【
図3A】グラフェンヘテロ層を含む導電体を含む別の例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【
図3B】グラフェンヘテロ層を含む導電体を含む別の例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【0007】
【
図4A】グラフェンヘテロ層を含む導電体を形成する別の例示の方法の連続的段階のある段階を示すマイクロ電子デバイスの断面である。
【
図4B】グラフェンヘテロ層を含む導電体を形成する別の例示の方法の連続的段階のある段階を示すマイクロ電子デバイスの断面である。
【0008】
【0009】
【
図6】薄膜トランジスタ内にグラフェンヘテロ層を含む導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【0010】
【
図7】バンドギャップ変換器のアンテナとしてグラフェンヘテロ層を含む導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【0011】
【
図8A】各々がグラフェンヘテロ層を含み、コンデンサを提供する、複数の導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【
図8B】各々がグラフェンヘテロ層を含み、コンデンサを提供する、複数の導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【0012】
【
図9A】メタ材料構造を提供するために、各々がグラフェンヘテロ層を含む、複数の導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【
図9B】メタ材料構造を提供するために、各々がグラフェンヘテロ層を含む、複数の導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面は一定の縮尺で描いてはいない。幾つかの行為又は事象が、異なる順で及び/又は他の行為又は事象と同時に起こり得るので、例示の実施例は行為又は事象の図示された順によって限定されない。また、例示の実施例の手法を実装するために、図示されたすべての動作又は事象が必要とされるわけではない。
【0014】
マイクロ電子デバイスが、グラフェンヘテロ層を含む導電体を含む。グラフェンヘテロ層は、グラフェンと障壁材料との複数の交互層を含む。グラフェンの各層は、グラフェンの1~2原子層を有する。障壁材料の各層は、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及び/又はアルミニウム窒化物の1~3層を有する。グラフェンヘテロ層は、導電体にわたって連続してもよく、又はナノ粒子膜内に配置されてもよい。
【0015】
障壁材料の層は、グラフェンの電子移動度が高くなるように、グラフェンの結晶構造に整合し得る。グラフェンの層と障壁材料の層を交互にすることにより、グラフェンの高移動度を備える導電体を形成し、マイクロ電子デバイスの材料と接することが可能になり、そうでなければ、これらの材料がグラフェンの平坦な表面と直接的に接した場合にグラフェンの移動度を低下させることになる。また、グラフェンの層と障壁材料の層を交互にすることにより、グラフェンヘテロ層におけるグラフェン層の各々が、グラフェンの単一原子層の移動度に近い電子移動度を有することが可能になり得る。電子移動度は、グラフェンの複数の原子層を積み重ねると低下する傾向がある。
【0016】
グラフェンは、所望の導電型及びシート抵抗を達成するためにドープされ得る。例えば、グラフェンは、ホウ素、ガリウム、インジウム、シリコン、ゲルマニウム、窒素、リン、砒素、アンチモン、及び/又は酸素でドープされ得る。グラフェンは、所望の物理的又は化学的感度を提供するために官能基化され(functionalize)得る。例えば、グラフェンは、ハロゲン、貴金属、水酸基、及び/又は有機分子などの化学反応物で官能基化され得る。導電体は、グラフェンヘテロ層に加えて他の導電性材料を含み得る。
【0017】
説明のため、マイクロ電子デバイスの「その時点の頂部表面(instant top surface)」という用語は、記載されている特定の工程において存在するマイクロ電子デバイスの頂部表面を指す。頂部表面は、マイクロ電子デバイスの形成において、工程毎に変化し得る。
【0018】
説明のため、「横方向」という用語は、マイクロ電子デバイスのその時点の頂部表面の平面に平行な方向を指し、「垂直」という用語は、マイクロ電子デバイスのその時点の頂部表面の平面に垂直な方向を指す。
【0019】
頂部、底部、前、後ろ、~の上、上方、~の下、及び下方などの用語が本記載において用いられ得る。これらの用語は、構造又は要素の位置又は方位を限定するものではなく、構造又は要素間の空間的な関係を提供する。
【0020】
図1は、グラフェンヘテロ層を含む導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。マイクロ電子デバイス100は、相互接続領域の誘電性材料を含み得る基板102を含む。誘電性材料は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)から形成される二酸化シリコンなどの二酸化シリコンベースの誘電性材料、メチルシルセスキオキサン(MSQ)又は水素シルセスキオキサン(HSQ)から形成される低k誘電体材料、オルガノシリケートガラス(OSG)、リンシリケートガラス(PSG)、ホウ素リン珪酸ガラス(BPSG)、又は同様のものの一つ又は複数のサブ層を含み得る。誘電性材料は、キャップ層及び/又はエッチストップ層として、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、シリコンカーバイド、シリコンカーバイド窒化物、又は同様のもの一つ又は複数のサブ層を更に含み得る。誘電性材料は、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)又は同様のものなどの有機誘電性材料の一つ又は複数のサブ層を含み得る。
【0021】
下側相互接続104が任意選択で基板102に配置され得る。下側相互接続104は、例えば、アルミニウム相互接続、ダマシン銅相互接続、又はめっき銅相互接続とし得る。アルミニウム下側相互接続104が、場合によってはチタンを含む接着層上に、及び場合によってはアルミニウム層上のチタン窒化物の反反射層を備えて、数パーセントのシリコン、チタン及び/又は銅を有するアルミニウム層を含み得る。ダマシン銅下側相互接続104が、誘電性材料のトレンチに配置される、タンタル及び/又は窒化タンタルを有する障壁層上の銅を含み得る。めっき銅下側相互接続104が、下側相互接続104の底部において接着層を含み得、下側相互接続104の側部上に配置される障壁層を有し得る。下側相互接続104のための他の構造及び金属も、この例の範囲内にある。
【0022】
グラフェンヘテロ層108を含む導電体106が、基板102の上に配置される。グラフェンヘテロ層108は、交互のグラフェン110の層と障壁材料112の層を含む。グラフェン110の各層は、グラフェンの1~2原子層を有する。障壁材料112の各層は、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及び/又はアルミニウム窒化物の1~3層を有する。グラフェンヘテロ層108の厚みは、交互のグラフェン110の層と障壁材料112の層を示すために
図1において誇張されている。グラフェン110の層及び障壁材料112の層は、
図1において示されるように、導電体106にわたって継続し得る。導電体106は、
図1において示されるように、下側相互接続104の上に配置され得る。
【0023】
下側ビア114が、グラフェンヘテロ層108を介して配置され得、下側相互接続104まで延在し得、従って、導電体106と下側相互接続104との間の電気的接続を提供し得る。グラフェンヘテロ層108を介して延在することによって、下側ビア114はグラフェン110の層との電気的接触を成す。下側ビア114は、チタン及びチタン窒化物のライナー、並びにタングステンの充填金属を含み得る。あるいは、下側ビア114は、タンタル又は窒化タンタルのライナー、及び銅の充填金属を含み得る。下側ビア金属114のための他の構造もこの例の範囲内にある。
【0024】
上側誘電体層116が、導電体106及び基板102の上に配置され得る。上側誘電体層116は、基板102について説明したものと同様のサブ層を含み得る。上側相互接続118が、導電体106上の上側誘電体層116に配置され得る。上側相互接続118は、下側相互接続104と同様の構造及び組成を有し得る。上側ビア120が、上側相互接続118からグラフェンヘテロ層108を介して配置され得、従って、上側ビア120と導電体106との間の電気的接続を提供する。グラフェンヘテロ層108を介して延在することによって、上側ビア120はグラフェン110の層との電気的接触を成す。上側ビア120は、下側ビア114と同様の構造及び組成を有し得る。
【0025】
グラフェン110の層の一つ又は複数が、所望の導電型及びシート抵抗を達成するためにドープされ得る。グラフェン110の層の一つ又は複数が、所望の物理的又は化学的感度を提供するために官能基化され得る。
【0026】
グラフェンヘテロ層108は、グラフェン110の層の高移動度に起因して、下側相互接続104及び/又は上側相互接続118において用いられる金属より低い抵抗を導電体106に対して提供し得る。導電体106は、マイクロ電子デバイス100の相互接続、インダクタ、アンテナ、電磁遮蔽などの構成要素、又はその他の機能を提供し得る。
【0027】
図2A~
図2Cは、グラフェンヘテロ層を含む導電体を形成する例示の方法の連続的段階を示すマイクロ電子デバイスの断面である。
図2Aを参照すると、マイクロ電子デバイス200は基板202を含む。基板202は、基板202の頂部表面222におけるマイクロ電子デバイス200の相互接続領域の誘電性材料を含み得る。
図2Aにおいて「ホウ素反応ガス」として示されるホウ素反応ガスが、頂部表面222の上に流される。ホウ素反応ガスは、例えば、ホウ素三塩化物ガスを含み得る。ホウ素反応ガスは、基板202の頂部表面222の上にホウ素含有層224を形成する。ホウ素含有層224は、例えば、実質的にホウ素含有分子の単層であり得る。ホウ素反応ガスの流れは、ホウ素含有層224が形成された後に停止される。
【0028】
図2Bを参照すると、
図2Bにおいて「窒素反応ガス」として示される窒素反応ガスが、
図2Aのホウ素含有層224の上に流される。窒素反応ガスは、例えば、アンモニアガスを含み得る。窒素反応ガスにおける窒素原子が、ホウ素含有層224におけるホウ素における原子と反応して、基板202の頂部表面222の上に、窒化ホウ素212の層を形成する。窒化ホウ素212の層は、六方晶窒化ホウ素及び/又は立方晶窒化ホウ素を含み得る。窒化ホウ素212の層は、例えば、実質的に1分子の厚みであり得る。窒素反応ガスの流れは、窒化ホウ素212の層が形成された後に停止される。
【0029】
図2A及び
図2Bを参照して説明する工程は、任意選択で、窒化ホウ素212の層を実質的に2分子の厚み、又は場合によっては3分子の厚みに増大させるために繰り返され得る。あるいは、マイクロ電子デバイス200の形成は、窒化ホウ素212の層が実質的に1分子の厚みである状態で継続され得る。
【0030】
図2Cを参照すると、基板202は、例えば200℃~400℃の温度まで加熱され得る。
図2Cにおいて「炭素反応ガス」として示される炭素含有反応ガスが窒化ホウ素212の層の上に流され、
図2Cにおいて「RF電力」として示される無線周波数(RF)電力が炭素含有反応ガスに印加されて、窒化ホウ素212の層の上に炭素ラジカルが生成される。炭素含有反応ガスは、メタン、エタン、プロパン及び/又はブタンなどの直鎖アルカン、エタノールなどのアルコール、及び/又は、シクロブタン又はベンゼンなどの環式炭化水素を含み得る。水素、アルゴン及び/又は酸素などの付加的なガスが窒化ホウ素212の層の上に流され得る。炭素含有反応ガスにおける幾つかの炭素含有分子が、RF電力によって解離され、炭素ラジカルを生成する。炭素ラジカルの一部が、窒化ホウ素212の層上にグラフェン210の層を形成する。グラフェン210の層は、1原子層の厚みであってもよく、又は2原子層の厚みであってもよい。RF電力及び炭素含有反応ガスの流れは、グラフェン210の層が形成された後に停止される。
【0031】
あるいは、グラフェン210の層は、グラフェンが、適切な基板上に形成され、その後マイクロ電子デバイス200に転送される、トランスファプロセスによって形成され得る。トランスファプロセスはグラフェンのためのより高い形成温度を可能にし、これは、欠陥を低減させ得る。
【0032】
窒化ホウ素212の層及びグラフェン210の層は、グラフェンヘテロ層208の一部であり、これはマイクロ電子デバイス200の導電体206の一部である。
図2A~
図2Cを参照して説明する工程は、付加的な交互の窒化ホウ素212の層及びグラフェン210の層を形成するために順次繰り返されて、グラフェンヘテロ層208を完成させる。この例の方法によって形成されるグラフェン210の層及び窒化ホウ素212の層は、グラフェンヘテロ層208を含む導電体にわたって連続的であり得る。
【0033】
窒化ホウ素212の層は、グラフェン210の層間の障壁材料を提供する。この例の代替のバージョンにおいて、障壁材料は、別の適切な材料、すなわち、実質的に非伝導性であるか又は4電子ボルトより大きいバンドギャップエネルギーを有し、グラフェンの格子間隔に近い間隔を有する材料、によって提供され得る。例えば、障壁材料は、アルミニウム窒化物によって提供され得る。
図2A及び
図2Bを参照して説明される方法は、原子層堆積(ALD)法と考えることができる。障壁材料の層を形成する他の方法もこの例の範囲内にある。
【0034】
グラフェンヘテロ層208は、続いて、例えば、マスク及びエッチングプロセスによって、又はその他の方法によって、パターニングされ得る。グラフェンヘテロ層208は、導電体206の実質的に全てを提供し得る。
【0035】
図3A及び
図3Bは、グラフェンヘテロ層を含む導電体を含む別の例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
図3Aを参照すると、マイクロ電子デバイス300は、例えば
図1を参照して説明されるように、基板302を含む。導電体306が基板302の上に配置される。上側誘電体層316が、導電体306及び基板302の上に配置され得る。導電体306はシールド導体であり得、シールドライン326が導電体306に近接して横方向に配置される。
【0036】
図3Bを参照すると、この例では、導電体306は、グラフェンヘテロ層を含むナノ粒子328を含む。グラフェンヘテロ層は、交互のグラフェンの層及び障壁材料の層を含む。グラフェンの各層は、グラフェンの1~2原子層を有する。障壁材料の各層は、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及び/又はアルミニウム窒化物の1~3層を有する。グラフェンヘテロ層の構造は、
図1に示されるものに類似する。ナノ粒子328は、1ミクロンより小さいサイズであり得る。導電体306は、ナノ粒子328間に有機バインダ材料が実質的にない。グラフェンヘテロ層は、類似する厚みの金属相互接続よりも低い電気的抵抗率を導電体306に対して提供し得る。
【0037】
遮蔽されたライン326は、導電体306の構造に類似する構造を有し得る。導電体306に類似する構造を備える付加的な導電性ラインを有することにより、マイクロ電子デバイス300に著しいトポグラフィを導入することなく、
図3Aに示す遮蔽されたラインなど、所望の回路要素を可能にし得る。
【0038】
図4A及び
図4Bは、グラフェンヘテロ層を含む導電体を形成する別の例示の方法の連続的段階を示すマイクロ電子デバイスの断面である。
図4Aを参照すると、マイクロ電子デバイス400は基板402を含む。基板402は、基板402の頂部表面422におけるマイクロ電子デバイス400の相互接続領域の誘電性材料を含み得る。ナノ粒子インク膜430が、アディティブプロセス434によってナノ粒子インク432をディスペンスすることによって、頂部表面422の上に形成される。この説明のため、アディティブプロセスが、ナノ粒子を所望のエリアに配置し、ナノ粒子を所望のエリア外に配置せず、その結果、ナノ粒子の最終的な所望の形状を生成するために、ディスペンスされたナノ粒子の一部を除去する必要がなくなる。アディティブプロセスは、フォトリソグラフィプロセス及び後続のエッチングプロセスなしに、所望のエリアにおいて膜を形成することを可能にし、従って、製造コスト及び複雑度を有利に低減し得る。ナノ粒子インク432は、ナノ粒子とキャリア流体とを含む。ナノ粒子は、
図3Bを参照して説明されるように、グラフェンヘテロ層を含む。ナノ粒子インク432は、例えば、インク、スラリー、又はゾルゲルであり得る。ナノ粒子インク432は、後に形成される導電体のためのエリアにおいてマイクロ電子デバイス400上にディスペンスされ、基板402のその時点の頂部表面全体にわたってディスペンスされない。
【0039】
アディティブプロセス434は、例えば、連続ディスペンス装置436を用いる連続的押出しプロセスを含み得る。連続ディスペンス装置436は、ナノ粒子インク膜430に対して所望のディスペンスパターンを提供するために、マイクロ電子デバイス400及び連続ディスペンス装置436が互いに対して横方向に移動され得るように構成され得る。個別の連続ディスペンス装置436は、アディティブプロセス434のための所望のスループットを提供するために並列に独立して活性化され得る複数のディスペンスポートを有し得る。この例の代替のバージョンにおいて、アディティブプロセス434は、個別の液滴プロセス(インクジェットプロセスと呼ばれることもある)、ダイレクトレーザートランスファプロセス、静電堆積プロセス、又は電解堆積プロセスを含み得る。
【0040】
図4Bを参照すると、
図4Aのナノ粒子インク膜430は、加熱プロセス438によって加熱され、ナノ粒子インク膜430から揮発性材料の少なくとも一部を除去して、導電性であるナノ粒子膜440が形成される。加熱プロセス438は、例えば、白熱光源を用いるブランケット放射加熱工程、ナノ粒子インク膜430に赤外線放射を印加し、マイクロ電子デバイス400の他のエリアには印加しないようにプログラムされ得る赤外線発光ダイオード(IR LED)を用いる選択的放射工程、ホットプレート加熱工程、及び/又は強制対流加熱工程を含み得る。加熱プロセス438は、ナノ粒子膜440の構造的完全性を低下させることなく、より多くの揮発性材料を除去するために、低電力から高電力にランプされ得る。ナノ粒子膜440は、フラッシュ加熱工程又はスパイク加熱工程によって更に加熱され得、これはナノ粒子膜440の導電率を更に改善し得る。ナノ粒子膜440は、
図4Bに示すように、導電体406の全体を提供し得る。あるいは、導電体406を提供するために、他の導電性の層がナノ粒子膜440上に形成され得る。
【0041】
図5はベルナル二重層グラフェンの斜視図である。ベルナル二重層グラフェンは、グラフェンの2原子層を有する。本願において説明される実施例におけるグラフェンの層は、ベルナル二重層グラフェンを含み得る。
図5において第1の原子層と示されるグラフェンの第1の原子層は、六角形の構成の、
図5において炭素原子と示される炭素原子を含む。
図5において第2の原子層と示されるグラフェンの第2の原子層も、六角形の構成の炭素原子を含む。第1の原子層内の炭素原子の半分は、第2の原子層内の炭素原子の真上に位置する。グラフェンヘテロ層のグラフェン層にベルナル二重層グラフェンを含めることは、他の構成を有するグラフェンの二重層と比較して、グラフェンヘテロ層の導電率を有利に改善し得る。
【0042】
図6は、薄膜トランジスタ内にグラフェンヘテロ層を含む導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。マイクロ電子デバイス600は、例えば
図1を参照して説明されるような基板602を含む。半導体層642が基板602の上に形成される。半導体層642は、例えば、多結晶シリコンを含み得る。半導体層642は、ボディ領域644と、ボディ領域644に横方向に隣接する第1のソース/ドレイン領域646と、ボディ領域644に横方向に隣接し、第1のソース/ドレイン領域646に対向する、第2のソース/ドレイン領域648とを含む。グラフェンヘテロ層608を含む導電体606が、半導体層642のボディ領域644の上に形成される。グラフェンヘテロ層608は、
図1を参照して説明されるように、交互のグラフェン610の層と障壁材料612の層を含む。グラフェンヘテロ層608は、ボディ領域644の上に延在するが、第1のソース/ドレイン領域646又は第2のソース/ドレイン領域648の上には延在しない。ボディ領域644、第1のソース/ドレイン領域646、第2のソース/ドレイン領域648、及びボディ領域644の上のグラフェンヘテロ層608は、薄膜トランジスタ650を提供する。ボディ領域644の上のグラフェンヘテロ層608は、薄膜トランジスタ650のゲートを提供する。この例で説明したように薄膜トランジスタ650を形成することにより、製造コスト及び複雑度を著しく増大させることなく、マイクロ電子デバイス600の相互接続領域におけるトランジスタ機能性を可能にし得る。
【0043】
図7は、バンドギャップ変換器のアンテナとしてグラフェンヘテロ層を含む導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。マイクロ電子デバイス700は、頂部表面754を有する半導体層752を含む基板702を含む。半導体層752は、所望のバンドギャップを有する一つ又は複数の半導体材料を含む。例えば、半導体材料は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、及び/又はシリコンカーバイドなどのタイプIV半導体を含み得る。半導体材料は、ガリウム窒化物及び/又はガリウムアルミニウム窒化物などのタイプIII‐V半導体を含み得る。他の半導体材料もこの例の範囲内にある。半導体層752は、
図7に示されるようにp型であり得る下側半導体領域756を含む。半導体752にカソードウェル758が形成され、この例では、カソードウェル758は、1×10
15cm
-3~1×10
18cm
-3の平均ドーパント密度を有するn型であり得る。カソードウェル758は、半導体層752の頂部表面754より下に500ナノメートル~5ミクロン延在し得る。カソードウェル758よりも10~1000倍高い平均ドーパント密度を有し得る任意選択のn型ウェルコンタクト領域760が、カソードウェル758と接し、半導体層752の頂部表面754まで延在して、半導体層752内に形成され得る。p型アノード762が、カソードウェル758と接し、半導体層752の頂部表面754まで延在して、半導体層752内に形成される。アノード762は、l×10
15cm
-3~l×10
20cm
-3の平均ドーパント密度を有し得る。アノード762は、頂部表面754に形成されるフィールド酸化物などの隔離酸化物764によってウェルコンタクト領域760から横方向に隔離される。隔離酸化物764は、例えば、シャロートレンチアイソレーション(STI)プロセス、又はシリコンの局所酸化(LOCOS)プロセスによって形成され得る。アノード762及びカソードウェル758は、マイクロ電子デバイス700のバンドギャップコンバータ766を提供する。
【0044】
相互接続領域768が半導体層752の上に形成される。相互接続領域768は、レベル間誘電体(ILD)サブ層及び金属内誘電体(IMD)サブ層を提供するために二酸化シリコンベースの誘電性材料の一つ又は複数のサブ層を含み得る誘電体層スタック770を含む。誘電体層スタック770は、キャップ層及び/又はエッチストップ層としての他の誘電性材料の一つ又は複数のサブ層を更に含み得る。
【0045】
半導体層752に配置されるマイクロ電子デバイス700の構成要素への電気的接続を提供するために、誘電体層スタック770内に複数のコンタクトが形成される。コンタクトは、バンドギャップコンバータ766のアノード762への電気的接続を成すアノードコンタクト772を含む。コンタクトは更に、ウェルコンタクト領域760を介してバンドギャップコンバータ766のカソードウェル758への電気的接続を成すカソードコンタクト774を含む。
【0046】
誘電体層スタック770には、コンタクトへの電気的接続を成す複数の相互接続が形成される。相互接続は、アノードコンタクト772上のアノード相互接続776と、カソードコンタクト774上のカソード相互接続778とを含む。
【0047】
バンドギャップコンバータ766のためのアンテナ780を提供するため、導電体706が誘電体層スタック770上に形成される。導電体706は、交互のグラフェン710の層と障壁材料712の層を有するグラフェンヘテロ層708を含む。グラフェンヘテロ層708は、本願において説明した例のいずれかに従って形成され得る。アンテナ780がアノード762に電気的に結合されるように、アノード相互接続776への電気的接続を成すため、ビア782が、グラフェンヘテロ層708を介し、誘電体層スタック770の一部を介して形成される。マイクロ電子デバイス700のオペレーションの間、電磁波が、ビア782、アノード相互接続776、及びアノードコンタクト772によってバンドギャップ766に結合されるアンテナ780によって発振電気信号に変換され得、その後、バンドギャップコンバータが、発振電気信号を整流された電気信号に変換し、これは、マイクロ電子デバイス700の他の回路によって処理され得る。
【0048】
図8A及び
図8Bは、各々がグラフェンヘテロ層を含み、コンデンサを提供する複数の導電体を含む、例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
図8Aを参照すると、マイクロ電子デバイス800は基板802を含む。基板802は、能動構成要素を有する半導体層を含み得る。基板802は、基板802の頂部表面822まで延在する誘電性材料884を含む。誘電性材料884は、フィールド酸化物などの隔離酸化物を含み得、又はマイクロ電子デバイス800の相互接続領域の誘電体層スタックの一つ又は複数の誘電体サブ層を含み得る。コンデンサ886を提供するために複数の導電体806が基板802上に形成される。
【0049】
導電体806の構造は、
図8Bに更に詳細に示されている。各導電体806は、グラフェンヘテロ層808を含む。各グラフェンヘテロ層808は、複数の交互のグラフェン810の層と障壁材料812の層を含む。グラフェン810の各層は、グラフェンの1~2原子層を有する。障壁材料812の各層は、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及び/又はアルミニウム窒化物の1~3層を有する。グラフェンヘテロ層808は、
図8Bに示すように、連続的であり得、又は、ナノ粒子膜内に配置され得る。グラフェンヘテロ層808は、本願において説明される例のいずれかに従って形成され得る。グラフェンヘテロ層808の第1のサブセット888が、コンデンサ886のプレートの第1のセットを提供し、グラフェンヘテロ層808の第2のサブセット890が、コンデンサのプレートの第2のセットを提供する。
【0050】
再び
図8Aを参照すると、上側誘電体層スタック816がコンデンサ886上に形成される。コンデンサ886への電気的接続が、ビアによって提供され得る。例えば、第1のビア892が、グラフェンヘテロ層808の第1のサブセット888を介して形成され得、基板802内に形成される第1の相互接続894まで下方に延在し得、第2のビア896が、グラフェンヘテロ層808の第2のサブセット890を介して形成され得、上側誘電体層スタック816内に形成される第2の相互接続898まで上方に延在し得る。第1のサブセット888内のグラフェンヘテロ層808を介して延在するように第1のビア892を形成することは、有利にも、各グラフェン層810への電気的接続を提供し得、第2のビア896についても同様であり、そのため、コンデンサ886について所望の総静電容量を提供し得る。コンデンサ886への電気的接続を成すための他の構造もこの例の範囲内にある。
【0051】
図9A及び
図9Bは、メタ材料構造を提供するために、各々がグラフェンヘテロ層を含む複数の導電体を含む例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
図9Aを参照すると、マイクロ電子デバイス900は、基板902の頂部表面922まで延在する誘電性材料を含み得る基板902を含む。頂部表面922の上にメタ材料構造1000が形成される。スプリット・リング共振器1002の第1のレベルが、頂部表面922の上に形成される。各スプリット・リング共振器1002は、グラフェンヘテロ層を有する導電体906である。各グラフェンヘテロ層は、交互のグラフェンの層及び障壁材料の層を含む。グラフェンの各層は、グラフェンの1~2原子層を有する。障壁材料の各層は、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及び/又はアルミニウム窒化物の1~3層を有する。スプリット・リング共振器1002は、メタ原子と呼ばれ得る。
【0052】
第1の誘電体隔離層1004が、スプリット・リング共振器1002及び基板902の第1のレベルの上に形成される。第1の誘電体隔離層1004は、二酸化シリコンベースの材料などの無機材料を含み得、及び/又は、ポリイミド又はBCBなどの有機材料を含み得る。第1の誘電体隔離層1004は、実質的に平坦な層を生成するためにスピンコートプロセスを用いて形成され得、又はコンフォーマル堆積プロセスを用いて形成され、その後、例えば化学機械研磨(CMP)プロセスを用いて平坦化され得る。
【0053】
スプリット・リング共振器1006の第2のレベルが、第1の誘電体隔離層1004の上及びスプリット・リング共振器1002の第1のレベルの上に形成される。各スプリット・リング共振器1006は、グラフェンヘテロ層を有する導電体906である。各グラフェンヘテロ層は、交互のグラフェンの層及び障壁材料の層を含む。グラフェンの層及び障壁材料の層は、スプリット・リング共振器1002の第1のレベルについて説明した特性を有する。
【0054】
第2の誘電体隔離層1008が、スプリット・リング共振器1006の第2のレベル及び第1の誘電体隔離層1004の上に形成される。第2の誘電体隔離層1008は、第1の誘電体隔離層1004と同様のプロセスで構成され得、同様の組成と同様の構造を有し得る。
【0055】
スプリット・リング共振器1010の第3のレベルが、第2の誘電体隔離層1008の上及びスプリット・リング共振器1006の第2のレベルの上に形成される。各スプリット・リング共振器1010は、グラフェンヘテロ層を有する導電体906である。各グラフェンヘテロ層は、交互のグラフェンの層及び障壁材料の層を含む。グラフェンの層及び障壁材料の層は、スプリット・リング共振器1002の第1のレベルについて説明した特性を有する。
【0056】
スプリット・リング共振器の付加的な誘電体隔離層及び付加的なレベルが、スプリット・リング共振器1010の第3のレベルの上に形成され得る。スプリット・リング共振器のレベルは、メタ材料構造1000を提供する。メタ材料構造1000は、所望の帯域の波長において電磁放射を吸収し得、又は、負の屈折などの電磁放射に対して所望の応答を示し得る。他のタイプのメタ原子が、メタ材料構造1000の所望の特性を達成するために、スプリット・リング共振器1002、1006、及び1010に加えて、メタ材料構造1000において用いられ得る。
【0057】
スプリット・リング共振器1006の第3のレベルの1つの断面である
図9Bを参照すると、導電体906は、グラフェンヘテロ層を含むナノ粒子928を含む。グラフェンヘテロ層は、交互のグラフェンの層及び障壁材料の層を含む。グラフェンの各層は、グラフェンの1~2原子層を有する。障壁材料の各層は、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及び/又はアルミニウム窒化物の1~3層を有する。グラフェンヘテロ層の構造は、
図1に示されるものに類似する。ナノ粒子928は、1ミクロンより小さいサイズであり得る。導電体906には、ナノ粒子928間に有機バインダ材料が実質的にない。
【0058】
第1のレベルのスプリット・リング共振器1002、第2のスプリット・リング共振器1006、第3のスプリット・リング共振器1010、及び後続のレベルのスプリット・リング共振器は、
図4A及び
図4Bを参照して説明されるようにアディティブプロセスによって形成され得る。スプリット・リング共振器の複数のレベルを形成するためにアディティブプロセスを用いることは、各レベルに対してフォトリソグラフィプロセス及びエッチングを用いることと比較して、マイクロ電子デバイス900の製造コスト及び複雑度を著しく低減し得る。
【0059】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。