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特許7219528シャロートレンチアイソレーションにおけるコーン形成を低減するための選択的エッチング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】シャロートレンチアイソレーションにおけるコーン形成を低減するための選択的エッチング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230201BHJP
   H01L 21/76 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/76 L
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020534915
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018065235
(87)【国際公開番号】W WO2019125867
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】15/852,171
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】カレン ハイデガード ラルストン キルムス
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン フィリップ デイビス
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-224109(JP,A)
【文献】特開2005-191331(JP,A)
【文献】特開2010-245101(JP,A)
【文献】特開2015-050440(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0334607(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
第1のシリコン選択比を含む第1のエッチングパラメータ基板の第1の領域に第1のシャロートレンチをエッチングすること
前記第1のエッチングパラメータとは異なる第2のエッチングパラメータで前記第1の領域の外の前記基板の第2の領域に第2のシャロートレンチをエッチングすることであって、前記第2のエッチングパラメータが前記第1のシリコン選択比よりも低い第2のシリコン選択比を含む、前記第2のシャロートレンチをエッチングすることと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、
前記第1のシリコン選択比が10より大きく、前記第2のシリコン選択比が5より小さい、方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、
前記第1のシリコン選択比が、酸化物材料窒化物材料炭化水素材料のうちの少なくとも1つを含むエッチング遅延剤を除去する間シリコン材料を除去する第1のレートを規定し、
前記第2のシリコン選択比が、前記酸化物材料前記窒化物材料前記炭化水素材料のうちの少なくとも1つを含む前記エッチング遅延剤を除去する間前記シリコン材料を除去する第2のレートを規定する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエッチングパラメータが第1のバイアス電力を更に含み、
前記第2のエッチングパラメータが前記第1のバイアス電力より高い第2のバイアス電力を更に含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエッチングパラメータが、前記第1のシャロートレンチの第1の特徴寸法と、前記第1の領域の第1のトレンチ密度とを更に含み、
前記第2のエッチングパラメータが、前記第2のシャロートレンチの第2の特徴寸法と、前記第2の領域の第2のトレンチ密度とを更に含み、前記第2の特徴寸法が前記第1の特徴寸法より大きく、前記第2のトレンチ密度が前記第1のトレンチ密度より小さい、方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、
前記第2のシャロートレンチが85度より大きいトレンチ勾配を有する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のシャロートレンチをエッチングすることが、第1のプラズマ時間エッチングを行うことを含み、
前記第2のシャロートレンチをエッチングすることが、前記第1のシャロートレンチをエッチングする前又は後に第2のプラズマ時間エッチングを行うことを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のシャロートレンチをエッチングすることの前に、前記第1の領域を部分的に露出させて前記第2の領域を覆うために前記基板の上に第1のマスクをパターニングすること
前記第1のシャロートレンチをエッチングすることの後に前記第1のマスクを除去すること
前記第2のシャロートレンチをエッチングすることの前に、前記第2の領域を部分的に露出させて前記第1の領域を覆うために前記基板の上に第2のマスクをパターニングすること
前記第2のシャロートレンチをエッチングすることの後に前記第2のマスクを除去すること
を更に含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のシャロートレンチエッチングすることと前記第2のシャロートレンチエッチングすることとの前に、前記第1の領域第2の領域の上誘電体層をエッチングすることを更に含み、
前記誘電体層が、シリコン酸化物層シリコン窒化物層炭化水素層のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項10】
方法であって、
第1のシリコン選択比で基板の第1の領域に第1のシャロートレンチをエッチングすること
第2のシリコン選択比で前記第1の領域の外の前記基板の第2の領域に第2のシャロートレンチをエッチングすることであって、前記第2のシャロートレンチが前記第1のシャロートレンチより大きな特徴寸法を有し、前記第2の領域が前記第1の領域より低いトレンチ密度を有し、前記第2のシリコン選択比が前記第1のシリコン選択比より低い、前記第2のシャロートレンチをエッチングすることと、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記第1のシリコン選択比が10より大きく、前記第2のシリコン選択比が5より小さい、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、
前記第1のシリコン選択比が、酸化物材料窒化物材料炭化水素材料のうちの少なくとも1つを含むエッチング遅延剤を除去する間シリコン材料を除去する第1のレートを規定し、
前記第2のシリコン選択比が、前記酸化物材料前記窒化物材料前記炭化水素材料のうちの少なくとも1つを含む前記エッチング遅延剤を除去する間前記シリコン材料を除去する第2のレートを規定する、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、
前記第2のシャロートレンチが85度より大きいトレンチ勾配を有する、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、
前記第1のシャロートレンチをエッチングすることが、第1のプラズマ時間エッチを行うことを含み、
前記第2のシャロートレンチをエッチングすることが、前記第1のシャロートレンチをエッチングする前又は後に第2のプラズマ時間エッチを行うことを含む、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、
前記第1のシャロートレンチをエッチングすることの前に、前記第1の領域を部分的に露出させて前記第2の領域を覆うため前記基板の上に第1のマスクをパターニングすること
前記第1のシャロートレンチをエッチングすることの後に前記第1のマスクを除去すること
第2のシャロートレンチをエッチングすることの前に、前記第2の領域を部分的に露出させて前記第1の領域を覆うため前記基板の上に第2のマスクをパターニングすること
前記第2のシャロートレンチをエッチングすることの後に前記第2のマスクを除去すること
を更に含む、方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法であって、
前記第1のシャロートレンチエッチングすることと前記第2のシャロートレンチエッチングすることとの前に、前記第1の領域第2の領域の上誘電体層をエッチングすることを更に含み、
前記誘電体層が、シリコン酸化物層シリコン窒化物層炭化水素層のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
シャロートレンチアイソレーション(STI)構造は、トランジスタ間の電気的絶縁を提供するために、しばしば半導体デバイスにおいて用いられる。STI構造の製造プロセスは、典型的にはSTI構造の電気的絶縁能力に影響しない、トレンチコーンなどの外観上の欠陥を生成し得る。近年の高電圧デバイスサージに対する要求として、STI構造が集積化されて高電圧デバイスを形成し、STI構造は、上側導電プレートと下側基板との間の高電圧障壁として適応され得る。特定の構成において、トレンチコーンはSTI構造の平均厚みを変更し得、それが、集積デバイスの高電圧性能に影響を与え得る。
【発明の概要】
【0002】
記載される手法は、シャトートレンチの形成の間のトレンチコーンの数を減らすか又は最小限にする、シャロートレンチアイソレーション構造を製作する。記載される手法は、小さな特徴寸法でシャロートレンチをエッチングするため、及び大きな特徴寸法でシャロートレンチをエッチングするための、個別のエッチング工程を導入する。一実装において、例えば、記載される手法は、第1のエッチングパラメータで基板の第1の領域において第1のシャロートレンチをエッチングすること、及び、第1のエッチングパラメータとは異なる第2のエッチングパラメータで基板の第2の領域において第2のシャロートレンチをエッチングすることを含む。エッチングパラメータは、コーン形成に寄与するエッチング遅延剤に対するシリコンのエッチング選択比を含み得る。また、エッチングパラメータは、それぞれのシャロートレンチの特徴寸法及びトレンチ密度を含み得る。また、エッチングパラメータは更に、プラズマ異方性エッチングを制御するために用いられるバイアス電力を含み得る。こうした個別のエッチング工程のため、記載される手法は、第1及び第2のシャロートレンチ間の側壁勾配を15度の偏位内に収めることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1A】例示の実施例の一態様に従った集積回路の上面図を示す。
【0004】
図1B】例示の実施例の一態様に従った集積回路の第1の領域の断面図を示す。
【0005】
図1C】例示の実施例の一態様に従った集積回路の第2の領域の断面図を示す。
【0006】
図2A】トレンチ形成プロセスの間の集積回路の部分的な断面図を示す。
図2B】トレンチ形成プロセスの間の集積回路の部分的な断面図を示す。
【0007】
図3】例示の実施例の一態様に従った、第1のシャロートレンチと第2のシャロートレンチを形成するために個別のエッチング工程を用いる方法のフローチャートを示す。
【0008】
図4A図3に示すような方法を実装する製造プロセスの間の集積回路の部分的断面図を示す。
図4B図3に示すような方法を実装する製造プロセスの間の集積回路の部分的断面図を示す。
図4C図3に示すような方法を実装する製造プロセスの間の集積回路の部分的断面図を示す。
図4D図3に示すような方法を実装する製造プロセスの間の集積回路の部分的断面図を示す。
図4E図3に示すような方法を実装する製造プロセスの間の集積回路の部分的断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な図面において、同様の符号は同様の要素を示す。図面は一定の縮尺で描いてはいない。
【0010】
図1Aは、例示の実施例の一態様に従った集積回路(IC)100の上面図を示す。IC100は、異なるタイプのシャロートレンチを形成するために、第1の領域102と第2の領域104に分割され得る。図1Bは第1の領域102の断面図を示し、図1Cは、第2の領域104の断面図を示す。図1B及び図1Cの各々に示されるように、IC100は半導体基板110を含み、半導体基板110は、バルクシリコン基板、SOI(silicon-on-insulator)基板、及び/又は、その上につくられるエピタキシャル層を備えるシリコン基板であり得る。
【0011】
また、半導体基板110は、第1の領域102と第2の領域104に分割され得る。図1A図1Cは、第1の領域102が第2の領域104から区別され、離れていることを示しているが、これらの2つの領域102及び104は互いに絡み合って(intertwined)いてもよい。一般に、第1の隔離構造120は第1の領域102内に配置され、第2の隔離構造140は第2の領域104内に配置される。第1の領域102は、第2の領域104より高い構成要素密度(例えば、ミクロン平方当たりの能動及び受動構成要素の数)を有し得る。
【0012】
図1Bに示されるように、第1の隔離構造120は、半導体基板110の頂部表面に沿って配置される。第1の隔離構造120の各々は、第1のトレンチ誘電体124で充填された第1のシャロートレンチ122を含む。第1のトレンチ誘電体124は、二酸化シリコン又はその他の適切な誘電性材料を含み得る。第1のトレンチ誘電体124は、半導体基板110の頂部上の誘電体層130と共に又は誘電体層130とは別に堆積され得る。
【0013】
第1の隔離構造120は、トランジスタ構造間で横方向の隔離を提供するために用いられ得る。そのため、隣り合う第1の隔離構造120間に種々のタイプのトランジスタが形成され得る。一構成において、例えば、2つの隣り合う第1の隔離構造120間にCMOSトランジスタが形成され得る。別の構成において、例えば、2つの隣り合う第1の隔離構造120間にバイポーラ接合トランジスタが形成され得る。更に別の構成において、例えば、2つの隣り合う第1の隔離構造120間にメモリセルトランジスタが形成され得る。
【0014】
横方向隔離の機能を行うために、第1の隔離構造120の各々は、第1のトレンチ幅126及び第1のトレンチ間隔(ITS)128を含み得る1つ又はそれ以上の特徴寸法仕様を有する。第1のトレンチ幅126及び第1のITS128は共に、第1の隔離構造120の第1のトレンチ密度を定義し、これは、単位面積(例えば、図1Bに示されるような断面エリア)あたりの第1のシャロートレンチ122の数として理解され得る。
【0015】
図1Cに示されるように、第2の隔離構造140は、半導体基板110の頂部表面に沿って配置される。図1Cは単一の隔離構造140のみを示しているが、第2の隔離構造140の複数インスタンスが第2の領域104内に形成され得る。第2の隔離構造140は、第2のトレンチ誘電体144で充填される第2のシャロートレンチ142を含む。第2のトレンチ誘電体144は、二酸化シリコン又はその他の適切な誘電性材料を含み得る。第2のトレンチ誘電体144は、半導体基板110の頂部上の誘電体層130と共に又は誘電体層130とは別に堆積され得る。
【0016】
第2の隔離構造140は、高電圧デバイスを形成するための高電圧障壁として用いられ得る。特に、第2の隔離構造140は、IC100の垂直方向に沿って回路構成要素150と統合され得る。回路構成要素150は、高電圧(例えば、15Vより大きい)を受け取るように構成される構造であり、ドープされたポリシリコン、金属、及び/又は合金などの導電性材料を含み得る。一構成において、例えば、回路構成要素150は、横方向拡散MOSトランジスタのゲート構造とすることができる。別の実装において、例えば、回路構成要素150は、抵抗器ストリップとすることができる。更に別の実装において、例えば、回路構成要素150は、インダクタコイルの一部とし得る。更に別の実装において、例えば、回路構成要素150はコンデンサの電極とし得る。
【0017】
高電圧障壁の機能を行うために、第2の隔離構造140は、第2のトレンチ幅146及び第2のトレンチ間隔(ITS)148を含み得る、1つ又はそれ以上の特徴寸法仕様を有する。第2のトレンチ幅146及び第2のITS148は共に、第2の隔離構造140の第2のトレンチ密度を定義し、これは、単位面積(例えば、図1Cに示すような断面面積)あたりの第2のシャロートレンチ142の数として理解され得る。
【0018】
一般に、第2の隔離構造140の特徴寸法は、第1の隔離構造120の特徴寸法より大きい。一実装では、例えば、第2のトレンチ幅146は第1のトレンチ幅126よりも少なくとも2倍大きくし得る。別の実装において、例えば、第2のITS148は、第1のITS128よりも少なくとも2倍大きくし得る。
【0019】
特徴寸法の差は、第1の隔離構造120及び第2の隔離構造140によって成される様々な機能に起因する。一方において、第1の領域102(その内部に第1の隔離構造120が配置される)は、典型的には高電圧オペレーションを扱わない、コンパクトな回路要素に対して指定される。このようにして、第1の領域102は、より小さな特徴寸法及びより高いトレンチ密度を有する隔離構造から利点を得ることができる。他方において、第2の領域104(その内部に第2の隔離構造140が配置される)は、回路構成要素150と基板110との間に高電界を課す可能性が高い高電圧オペレーションに対して指定される。このようにして、第2の領域104は、より大きな特徴寸法及びより低いトレンチ密度を有する隔離構造から利点を得ることができる。
【0020】
図2A及び図2Bは、トレンチ形成プロセスの間の集積回路(IC)200の部分断面図を示す。IC200は、IC200が、図1A~1Cの説明に適合する方式で第1の領域202と第2の領域204とに分割された半導体基板210を含むという点で、IC100と同様のトポロジーを有する。図2Aを参照すると、トレンチ形成プロセスの前に、誘電性材料の1つ又はそれ以上の層が基板210の直接上に堆積され得る。一実装において、例えば、パッド酸化物層(例えば、シリコン酸化物)212が、基板210の頂部表面の直接上に堆積され、キャップ窒化物層(例えば、シリコン窒化物)214が、パッド酸化物層212の直接上に堆積され、底部反射防止コーティング(BARC)層(例えば、炭化水素材料を有する層)216が、キャップ窒化物層214の直接上に堆積される。パッド酸化物層212は、マスク層として機能する後続のキャップ窒化物層214の基板210への接着を高めるために堆積される。キャップ窒化物層214は、化学機械研磨(CMP)などの後の工程の間、基板を保護するために用いられるマスク層である。BARC層216は、レジストパターニングプロセスの間のウェハ表面からの不要な反射を制限するために堆積される。
【0021】
フォトレジストマスク220が、形成され、基板210の上にパターニングされて、それぞれ、第1の領域202及び第2の領域204におけるシャロートレンチの位置を画定する。例えば、フォトレジストマスク220は、第1の領域202におけるシャロートレンチをエッチングするために第1の開口222を備えてパターニングされ、また、第2の領域204におけるより広いシャロートレンチをエッチングするために第2の開口224を備えてパターニングされる。簡潔にするため、図2Aは、フォトレジストマスク220が第2の領域204の上の1つの開口224のみを備えてパターニングされていることを示している。しかし実際には、フォトレジストマスク220は、第2の領域204の上に複数の開口224を備えてパターニングされ得る。
【0022】
フォトレジストマスク220がパターニングされた後、トレンチ形成プロセスは、誘電体層212、214、及び216の組成に応じて、1つ又はそれ以上のエッチング工程を経ることがある。図2Bを参照すると、エッチング工程230は、第1の領域202及び第2の領域204両方に共通して適用される。エッチング工程230は各々、反応性ドライイオンエッチングの形態であるプラズマ異方性エッチングを含み得る。第1のプラズマエッチングが、塩素(Cl/O)エッチャント、臭化水素(HBr/O)エッチャント、四フッ化炭素(CF/O)エッチャント、及び/又は酸素(O/N)エッチャントを用いて、BARC層216を除去することができる。第2のプラズマエッチングが、四フッ化炭素(CF/CHF/Ar)エッチャント、フルオロフォーム(CHF/Ar)エッチャント、及び/又は(CHF/SF)エッチャントを用いて、窒化物層214及び酸化物層212を除去することができる。第3のプラズマエッチングが、基板210の頂部部分、ならびに第1及び第2のプラズマエッチングから残されたポリマー副産物を除去するためのブレークスルーエッチングとして働き得る。第3のプラズマエッチングは、四フッ化炭素(CF/Ar)エッチャント、CHF3/SF6、及び/又はアルゴン(Ar)エッチャントを適用し得る。第4のプラズマエッチングが、シリコン基板110内へエッチングするために用いられる。第4のプラズマエッチングは、Cl/O/N、HBr/O、Cl/HBr/O、Cl/HBr/CF4、及び/又はCl/O/SFエッチャントを適用し得る。第1のシャロートレンチ242及び第2のシャロートレンチ252は、後述するように第4のプラズマエッチングの後に形成される。
【0023】
第3のプラズマエッチングは、第1及び第2のプラズマエッチングから、エッチングポリマー、粒子、及び/又は、残留窒化物/酸化物を除去するために時間調整される。第3のプラズマエッチングの持続時間が短すぎるか又は選択性が高すぎる場合、基板210は、コーン形成に寄与する、かなりの量の汚染ポリマー、残留窒化物、又は酸化物粒子によって覆われ得る。第3のプラズマエッチングは、より速いフォトレジストエッチレートを有し得、これは、より小さな特徴寸法の臨界寸法(CD)制御に影響を与え得る。実際には、これは、第1のシャロートレンチ242に対して許容されるエッチング時間を制限し得る。これに対し、第2のシャロートレンチエッチングのより大きな特徴は、CD変動に対する感度が低く、より大きな特徴サイズは、第1のシャロートレンチエッチングよりも、厚いフォトレジスト及び/又は非晶質炭素マスク層を可能にし得る。低減されたCD感度及びより厚いマスク層は、ポリマー及びエッチング遅延剤をより多く除去すると共に、より長い第3のプラズマエッチングを可能にする。第1及び第2のシリコンエッチングを類似の深さに保つことが望まれる場合、第4のプラズマエッチング時間は、第2のトレンチエッチングのために調節され得る。
【0024】
第4のプラズマエッチングは、第1のシャロートレンチ242をエッチングするために精密調整される或る選択性プロファイルを有する。第4のプラズマエッチングの選択性プロファイルは、第1のシャロートレンチ242と第2のシャロートレンチ252との間に性能トレードオフを生じさせ得る。一方、第1のシャロートレンチ242のより小さな特徴寸法を達成することは、より高い選択性プロファイルに依存する。参考までに、トレンチ(例えば、242及び/又は252)をシリコン基板(例えば、210)内にエッチするための選択性プロファイルは、シリコン材料以外の1つ又は複数のエッチング遅延材料を除去する際にシリコン材料を除去するレートであり得る、シリコン選択比によって表すことができる。これらのエッチング遅延剤は、製造副産物及び/又はプロセス副産物とし得る。例えば、これらのエッチング遅延剤は、汚染エッチング副産物ポリマー、酸化物材料、窒化物材料、汚染粒子、及び/又は、第1及び第2のプラズマエッチングから残存する炭化水素材料を含み得る。
【0025】
第2のシャロートレンチ252は第1のシャロートレンチ242より大きい幅を有するので、第2のシャロートレンチ252のエッチングされた表面は、第4のプラズマエッチングの間、より多くのエッチング副産物を受け取り易い。第2のシャロートレンチ252のエッチングされた側壁上に残される場合、これらのポリマー副産物は、下にあるシリコン材料のエッチングを遅らせるので、側壁のエッチレートを遅らせ得る。その結果、第2のシャロートレンチ252は、第1のシャロートレンチ242より小さい側壁勾配を有し得る。
【0026】
しかしながら、第2のシャロートレンチ252の底部エッチングされた表面上に残されると、ポリマー副産物は高度に選択的なプロファイルのために、下にあるシリコン材料のエッチングを阻止し得る。その結果、第2のシャロートレンチ254の底部にトレンチコーン254、256、258が形成される。これらのトレンチコーン254、256、及び258は、トレンチ誘電体層の厚み分布(例えば、144)を乱し、これは、トレンチ誘電体層の或る部分にわたって電界障壁を下げ得る。このようにして、トレンチコーン形成が、第2のシャロートレンチ252を横切って高電界で動作する高電圧デバイスの性能に影響を与え得る。
【0027】
例示の実施例は、高電圧オペレーションをサポートするシャロートレンチの第2のグループにおける高性能とともに、小さな特徴寸法を有するシャロートレンチの第1のグループにおける高精度を達成する解決策を提供する。記載される解決策は、シャロートレンチの第1のグループ(すなわち、高精度トレンチ)の形成をシャロートレンチの第2のグループ(すなわち、高性能トレンチ)の形成から分離するための2パスのエッチングプロセスを導入する。記載される解決策は、2経路エッチングプロセス(例えば、図3、4A-4E)の高精度で高性能の利点で、1経路エッチングプロセス(例えば、図2A-2B)の低コストで過度に簡素化されたアプローチをトレードオフする。
【0028】
図3に示されるように、例えば、2パスのエッチングプロセスの方法300は、第1のトレンチ形成プロセス310及び第2のトレンチ形成プロセス320によって実装され得る。第1のトレンチ形成プロセス310は、小さな特徴寸法の高精度に関連する第1のセットのエッチングパラメータで、シャロートレンチの第1のグループをエッチングするためのものである。第2のトレンチ形成プロセス320は、コーンの形成がほとんどないかまったくない高性能障壁に関連する第2のセットのエッチングパラメータで、シャロートレンチの第2のグループをエッチングするためのものである。一実装では、第1のトレンチ形成プロセス310は、第2のトレンチ形成プロセス320よりも前に行われ得る。このような実装の利点は、ウェハ表面が依然として平面である一方で、より小さな特徴をパターニングする容易さを含む。あるいは、第1のトレンチ形成プロセス310は、第2のトレンチ形成プロセス320の後に行われ得る。代替の実装は、有利にも、第1のトレンチ形成が第2のトレンチ形成よりプロセス欠陥を蓄積する可能性を低くすることを可能にする。
【0029】
一態様に従って、第1及び第2のエッチングパラメータはシリコン選択比を含み得、シリコン選択比は、各々、1つ又は複数の製造工程及び/又はプロセス工程からエッチング遅延剤を取り除く際のシリコン材料を除去するレートとして理解され得る。例えば、エッチング遅延剤は、シリコン基板の上の誘電体層の除去から残された残留物又は汚染ポリマー、誘電体層からの残留酸化物又は窒化物、粒子汚染、又は、シリコンエッチングからのポリマー副産物を含み得る。より具体的には、エッチング遅延剤は、酸化物材料、窒化物材料、炭化水素材料、及びそれらの組み合わせから成り得る。
【0030】
シャロートレンチの第1のグループに対して高精度エッチングを達成するために、第1のシリコン選択比は比較的高くなる。一実装では、例えば、第1のシリコン選択比は10より大きくし得る。これに対し、第2のシリコン選択比は、シャロートレンチの第2のグループのエッチングの間、コーン形成を低減又は最小限にするように、比較的低くなる。一実装では、例えば、第2のシリコン選択比は5未満とし得る。
【0031】
別の態様に従って、第1及び第2のエッチングパラメータは、各々、プラズマ異方性エッチングを制御するためのバイアス電力を含み得る。一般に、バイアス電力のレベルは、エッチングされる表面上へのイオン衝撃の量に対応する。大量のイオン衝撃は、比較的低シリコン選択比でエッチングされるシャロートレンチに対して、より大きな(すなわち、より垂直である)側壁勾配を生成するとともに、副産物及びトレンチコーンを除去するための物理的スパッタリングを提供し得る。
【0032】
シャロートレンチの第1のグループに対して高精度エッチングを達成するために、第1のバイアス電力は比較的低い。これに対し、第2のバイアス電力はシャロートレンチの第2のグループのエッチングの間、コーン形成を低減又は最小限にするように比較的高い。一実装において、例えば、第2のバイアス電力は第1のバイアス電力より1.3~2倍高くし得る。
【0033】
更に別の態様に従って、第1及び第2のエッチングパラメータは、各々、それぞれのシャロートレンチの特徴寸法と、それぞれのシャロートレンチが位置する領域のトレンチ密度とを含み得る。上述の説明に適合して、シャロートレンチの第2のグループは、シャロートレンチの第1のグループより大きな特徴寸法を有し、一方、第1の領域は、第2の領域より大きなトレンチ密度を有する。
【0034】
更に別の態様に従って、第1及び第2のエッチングパラメータは、各々、異なったエッチング時間を有するプロセス工程を含み得る。シャロートレンチの第1のグループをエッチングするための第1のパラメータエッチング時間は、シャロートレンチの第2のグループについての第2のパラメータエッチング時間と同じにすることができる。しかしながら、コーン形成を低減するために用いられる一層低い選択性工程のための第1のパラメータエッチング時間は、シャロートレンチの第1のグループにおけるプロファイル変化を回避し、シャロートレンチの第2のグループにおけるトレンチコーンを除去するための充分な時間を提供するために、第2のトレンチエッチングのための一層低い選択性工程のための第2のパラメータエッチング時間より小さくし得る。第4又は他のプロセス工程のためのエッチング時間は、第1及び第2のエッチングパラメータのための所望の深さを達成するように調整され得る。
【0035】
2パスのエッチングプロセスの方法300は工程312で開始され、これは、第1のマスクを基板の上にパターニングして、第1の領域を部分的に露出させ、第1の領域の外側の第2の領域を覆うことを含む。図4Aに関して、例えば、第1のフォトレジストマスク420が、図2Aに示され説明されたものと実質的に同じトポロジーで、誘電体層のスタック上に堆積される。特に、誘電体層のスタックは、シリコン基板410上の酸化物層412と、酸化物層412上の窒化物層414と、窒化物層414上のBARC層416とを含み得る。基板410及び誘電体層412、414、416の材料組成は、それぞれ、基板210及び誘電体層212、214、216と実質的に同じである。第1のフォトレジストマスク420は、第1のシャロートレンチをエッチングするための幾つかのエッチングサイトを画定するために、第1の領域402を部分的に露出させる開口422を備えてパターニングされる。第1のフォトレジストマスク420は、第2の領域404がエッチングされるのを防止するように、第2の領域404を完全に覆う。
【0036】
工程312が行われた後、方法300は工程314に進み、これは、第1のマスクによって露出された第1の領域の上の誘電体層をエッチングすることを含む。そして、工程314が行われた後、方法300は工程316に進み、これは、第1のマスクによって露出された基板の第1の領域における及び第1のエッチングパラメータを用いる第1のシャロートレンチのエッチングが含まれる。図4Bを参照すると、例えば、第1の選択性エッチング430を行って、まず誘電体層412、414、416を除去し、次いで、第1のシャロートレンチ442を形成する。第1の選択性エッチング430は、図2Bに関して説明したのと実質的に同じエッチング工程を用いるプラズマ異方性エッチングとし得る。
【0037】
例示の実施例と一貫して、第1のエッチングパラメータは、第1のシリコン選択比、プラズマエッチングを制御するための第1のバイアス電力、第1の特徴寸法、第1のトレンチ密度、第1のエッチング時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。第1のシリコン選択比は、第1のシャロートレンチ442の第1の特徴寸法における閾値精度を達成するために、10より大きくし得る。また、第1のシリコン選択比は、第1のシャロートレンチ442の第1の特徴寸法の高精度を達成するために20より大きくし得る。アプライドマテリアルのDPSIIエッチャーを用いる例として、Cl:0:N:SF気体比を変化させることによって、シリコン、窒化物フィルム、酸化物フィルム間の選択比、又は、エッチポリマー副産物を変化させるようにエッチングプロセスが調整され得る。600~900Wの範囲のソース電力、100~200ワットの範囲のバイアス電力、30~90mTの範囲の圧力を有するエッチングプロセスレジームでは、10より大きいシリコン対窒化物及び/又は酸化物エッチングレート比が1:X:0.28:YのCl:0:N:SF気体流量比を用いて達成され得、ここで、Xは0~0.1とし得、Yは0~0.05とし得る。20のシリコン対窒化物又は/酸化物エッチングレート比を達成するために、Xは0.05~0.2であり得、Yは0であり得る。
【0038】
第1の特徴寸法は、第1のトレンチ幅と、第1のトレンチ間隔とを含み得る。一構成では例えば、第1のトレンチ幅は0.1μmから3μmの範囲とし得、第1のトレンチ間隔は0.1μmの最小値を有し得る。第1の特徴寸法が比較的小さいため、第1のトレンチ密度は比較的大きく、1トレンチ/μm~50トレンチ/μmの範囲とし得る。
【0039】
第3のプラズマエッチング工程の第1のエッチング時間は、第1のシャロートレンチ442の第1の特徴寸法における閾値精度を達成するために、20秒未満とし得る。また、第1のエッチング時間は、第1のシャロートレンチ442の第1の特徴寸法の高精度を達成するために、10秒か又はそれより短くし得る(例えば、アプライドマテリアルのDPSIIエッチャーを用いるエッチングプロセスの実行は、300~500Wのソース電力、50~150Wのバイアス電力、4~20mTの圧力、及びCF/Arのプロセスケミストリについて1:1の気体流量比で調節され得る)。第1のエッチングパラメータの工程4のための第1のバイアス電力は、第1のシャロートレンチ442の第1の特徴寸法における閾値精度を達成するために250W未満とし得る。また、第1のバイアス電力は、第1のシャロートレンチ442について、工程4の第1の特徴寸法における高精度を達成するために200Wか又はそれより小さくし得る(例えば、アプライドマテリアルのDPSIIエッチャーを用いる第4のエッチングプロセス工程の実行は、600~900Wのソース電力、30~90mTの圧力、及び、Cl:0:Nプロセスケミストリーについて1:0.15:0.30の気体流量比で調節され得る)。
【0040】
第1のシャロートレンチ442は各々第1の側壁勾配Qを有し得る。第1の特徴寸法が比較的小さいため、第1のシャロートレンチ442のエッチングプロファイルは、比較的高い第1のシリコン選択比にもかかわらず、比較的垂直である。このように、第1側壁勾配Qは比較的大きい。一実装において、例えば、第1の側壁勾配Qは75度~95度とし得る。
【0041】
工程316が行われた後、方法300は工程318に進み、この工程は、第1のシャロートレンチ(例えば、第1のシャロートレンチ442)をエッチングした後に第1のマスク(例えば、フォトレジストマスク420)を除去する工程に関与する。除去工程は、酸素プラズマと、場合によってはそれに続く酸性/アルカリ性洗浄とに関与するアッシングプロセスによって実装され得る。第1のマスクを除去すると、第1の領域(例えば、402)の第1のシャロートレンチ(例えば、442)が露光され、第2の領域(例えば、404)は誘電体層(例えば、412、414、416)によって覆われたままである。
【0042】
工程318が行われた後、方法300は工程322に進み、この工程は、基板の上に第2のマスクをパターニングして、第2の領域を部分的に露出させ、第1の領域を覆うことに関与する。図4Cに関して、例えば、第2のフォトレジストマスク425が、エッチングされていない誘電体層のスタック上に堆積される。第2のフォトレジストマスク425は、第2のシャロートレンチをエッチングするためのエッチングサイトを画定するために、第2の領域404を部分的に露出する開口426を備えてパターニングされる。図4Cは1つの開口426のみを示すが、第2のフォトレジストマスク425は複数の開口426も備えてパターニングされ得る。第2のフォトレジストマスク425は、第1の領域402並びにその中に配置される第1のシャロートレンチ442が更にエッチングされるのを防止するように、第1の領域402を完全に覆う。
【0043】
工程322が行われた後、方法300は工程324に進み、この工程は、第2のマスクによって露出された第2の領域の上の誘電体層をエッチングする工程に関与する。そして、工程224が行われた後、方法300は工程326に進み、この工程は、第2のマスクによって露出された基板の第2の領域の第2のシャロートレンチを、第1のエッチングパラメータとは異なる第2のエッチングパラメータを用いてエッチングすることに関与する。図4Dを参照すると、例えば、第2の選択性エッチング435を行って、誘電体層412、414、416を除去し、第2のシャロートレンチ452を形成する。第2の選択性エッチング435は、図2Bに関して説明したものと実質的に同じエッチング工程を用いるプラズマ異方性エッチングとし得る。
【0044】
例示の実施例に適合して、第2のエッチングパラメータは、第2のシリコン選択比、プラズマエッチングを制御するための第2のバイアス電力、第2の特徴寸法、第2のトレンチ密度、第2のエッチング時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。第2のシリコン選択比は、第2のシャロートレンチ452におけるトレンチコーン形成を低減又は最小限にすることによって閾値性能を達成するために、5未満とし得る。また、第2のシリコン選択比は、第2のシャロートレンチ452におけるトレンチコーン形成を低減又は最小限にすることによって高性能を達成するために、3未満とし得る。例えば、アプライドマテリアルのDPSIIエッチャーを用いると、Cl:HBr:CF気体比を変化させることによって、シリコン、窒化物フィルム、酸化物フィルム、フォトレジスト又は非晶質炭素又はエッチングポリマー副産物間の選択比を変化させるようにエッチングプロセスが調整され得る。600~900W範囲のソース電力、100~200ワット範囲のバイアス電力、l5~50mT範囲の圧力を用いるエッチングプロセスレジームに対して、5未満のシリコン対窒化物及び/又は酸化物エッチングレート比が、l:4:XのCl:HBr:CF気体流量比を用いて達成され得、ここで、Xは0.0~0.1とし得る。3未満のシリコン対窒化物又は/酸化物エッチングレート比を達成するために、Xは0.1~0.8とし得る。
【0045】
第2の特徴寸法は、第2のトレンチ幅と第2のトレンチ間隔を含み得る。一構成では、例えば、第2のトレンチ幅は3μmから開始し得、第2のトレンチ間隔は、0.5μmから開始し得る。比較的大きな第2の特徴寸法のため、第2のトレンチ密度は比較的低く、これは0.001トレンチ/μm~1トレンチ/μmの範囲とし得る。
【0046】
第3のプラズマエッチング工程のための第2のパラメータエッチング時間は、第2のシャロートレンチ452におけるトレンチコーン形成を低減又は最小限にすることによって閾値性能を達成するために、10秒以上とし得る。また、第3のプラズマエッチング工程のための第2のエッチングパラメータ時間は、第2のシャロートレンチ452におけるトレンチコーン形成を低減又は最小限にすることによって高性能を達成するために、20秒より長くし得る(例えば、300~500Wのソース電力、50~150Wのバイアス電力、4~20mTの圧力、及びCF/Arプロセスケミストリーについて1:1の気体流量比で、アプライドマテリアルのDPSIIエッチャーを用いるエッチングプロセスを実行)。第2のエッチングパラメータの工程4のバイアス電力は、第2のシャロートレンチ452におけるトレンチコーン形成を低減又は最小限にすることによって閾値性能を達成するために、250W以上とし得る。また、第2のバイアス電力は、第2のシャロートレンチ452におけるトレンチコーン形成を低減又は最小限にすることによって高性能を達成するために、第4のエッチング工程において300Wより大きくし得る(例えば、アプライドマテリアルのDPSIIエッチャーを用いる第4のエッチングプロセス工程の実行は、600~900Wのソース電力、30~90mTの圧力、及びCl/0/Nプロセスケミストリーについて1:0.15:0.30の気体流量比で調節され得る)。
【0047】
第2のシャロートレンチ442は、各々、第2の側壁勾配φを有し得る。シリコン選択比が比較的低いため、第2のシャロートレンチ452のエッチングプロファイルは、比較的大きな第2の特徴寸法にもかかわらず、比較的垂直である。このように、第2側壁勾配φは比較的大きい。副産物除去のスケールとの相関に関して、大きな第2の側壁勾配φは、第2のシャトートレンチ452の底部表面がトレンチコーンを実質的に含まないこと(すなわち、実質的にコーンのない表面)を示す。1つの指標として、例えば、第2の側壁勾配φは85度より大きくし得る。別の指標として、例えば、第2の側壁勾配φは90度より大きくし得る。更に別の指標として、例えば、第2の側壁勾配φは第1の側壁勾配Qから15度のずれ(例えば、プラス又はマイナス)内とし得る。
【0048】
特徴寸法の精度は第2のシャロートレンチ452をエッチングする際のより少ない懸念であるため、第2のフォトレジストマスク425は、第1のフォトレジストマスク420の第1の厚み424より大きい第2の厚み428を有し得る。より大きな第2の厚み428は、第1のエッチングされたエリアの完全なレジスト被覆を可能にし得る。代替的に、第2の厚み428は、よりシンプルで均一なプロセスフローのために、第1の厚み422と実質的に同じとし得る。
【0049】
工程326が行われた後、方法300は工程328に進み、この工程は、第2のシャロートレンチ(例えば、452)をエッチングした後に第2のマスク(例えば、第2のフォトレジストマスク425)を除去する工程に関与する。除去工程は、酸素プラズマ及び場合によってはそれに続く酸性/アルカリ性洗浄に関与する、アッシングプロセスによって実装され得る。第2のマスクを除去すると、第1の領域(例えば、402)における第1のシャロートレンチ(例えば、442)、並びに第2の領域(例えば、404)における第2のシャロートレンチ(例えば、452)が、さらなるプロセスのために露出される。
【0050】
図4Eの集積回路400に示すように、例えば、誘電体層(例えば、412、414、416)は、第2のフォトレジストマスク425を取り除いた後に剥離される。第1のシャロートレンチ442は、シリコン酸化物材料又は他の適切な誘電性材料を含み得る、第1のトレンチ誘電体462で充填される。同様に、第2のシャロートレンチ452は、二酸化シリコン材料又は他の適切な誘電性材料を含み得る、第2のトレンチ誘電体462で充填される。幾つかのレベル間誘電体層が、第1のシャロートレンチ442及び第2のシャロートレンチ464と同様に、基板410の上に形成される。一実装において、例えば、ILD層は、第1のILD層472、第2のILD層474、及び第3のILD層476を含み得る。ILD層472、474、及び476の各々は、シリコン酸化物材料又は他の適切な誘電性材料を含み得る。
【0051】
第2のトレンチ誘電体層464上に導電層482が形成される。導電層482は、ドープされたポリシリコン材料、金属性材料、又は合金を含み得る。導電層482は高電圧を受け取るように構成され、第2の隔離構造(すなわち、トレンチ452及びトレンチ誘電体464)と垂直に統合して高電圧デバイスを形成するための回路構成要素150として機能する。導電層482は、第2のILD層472内に存在し得、導電ビア484を介してより高い金属層486に結合され得る。より高い金属層486は、第3のILD層476内に存在し得る。
【0052】
例示の実施例に適合して、「構成される」という用語は、1つ又は複数の有形の非一時的構成要素の構造的及び機能的特性を記述する。例えば、「構成される」という用語は、特定の機能を行うために設計され又は専用とされる特定の構成を有すると理解することができる。この理解の範囲内で、或るデバイスが、その特定の機能を行うためにイネーブルされ、活性化され、又は電力供給され得る有形の非一時的構成要素を含む場合、そのようなデバイスは、特定の機能を行うように「構成される」。「~するように構成される」という用語は構成可能であることを包含し得るが、この用語はそのような狭い定義に限定されない。したがって、或るデバイスを記述するために用いられる場合、「~するように構成される」という用語は、記述されたデバイスが必ずしも任意の時点で構成可能である必要はない。
【0053】
特に、上述の構成要素(例えば、要素、リソースなど)によって行われる種々の機能に関して、そのような構成要素を記述するために用いられる用語は、特に指示がない限り、記述された構造と構造的に同等ではないにもかかわらず、記述された構成要素の特定された機能を行う(例えば、機能的に同等である)任意の構成要素に対応することが意図される。また、本明細書の特定の特徴が幾つかの実装のうちの1つだけに関して説明されているが、そのような特徴は任意の所与の又は特定の応用例に望ましくかつ有利となり得るように、他の実装の1つ又は複数の他の特徴と組み合わせることができる。
【0054】
個別の実施例の文脈で本明細書に記載される幾つかの特徴は、単一の実施例において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施例の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施例で個別に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。また、特徴は、特定の組み合わせにおいて作用するものとして上述され得るが、組み合わせからの1つ又はそれ以上の特徴が、幾つかの場合において、組み合わせから切り離すこともでき、組み合わせが、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形とされ得る。
【0055】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は示されている特定の順で、又は連続的な順で行われる必要はなく、幾つかの示された動作は、所望の結果を達成するために任意選択とし得る。状況によっては、マルチタスキング及び並列処理が好都合な場合もある。また、上述の実施例における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施例においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではない。
【0056】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の配置が可能である。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E