(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】非接触電気的パラメータ測定用可撓性ジョープローブ
(51)【国際特許分類】
G01R 15/20 20060101AFI20230201BHJP
G01R 15/18 20060101ALI20230201BHJP
G01R 1/22 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
G01R15/20 C
G01R15/18 A
G01R1/22 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019090861
(22)【出願日】2019-05-13
【審査請求日】2022-05-06
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
(74)【復代理人】
【識別番号】100216987
【氏名又は名称】穐吉 康平
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルディナンド ワイ ラウリーノ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ウォロンズ
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146143(JP,A)
【文献】特開2015-114245(JP,A)
【文献】特開2003-139801(JP,A)
【文献】特開2002-48834(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0371943(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
G01R 15/18
G01R 1/22
G01R 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁導体における電気的パラメータを、前記絶縁導体とのガルバニック接触を必要とせずに検出するように動作可能な電気的パラメータセンサプローブであって、
本体と、
前記本体に結合された可撓性アーム及び固定アームであって、前記可撓性アームが閉鎖位置と開放位置との間で変形可能であり、前記閉鎖位置において、前記可撓性アームの端部が、前記固定アームの端部に当接して前記絶縁導体を受容する測定領域を画定する閉鎖した測定ループを形成し、前記開放位置において、前記可撓性アームの前記端部が、前記固定アームの前記端部から離間して、前記絶縁導体が前記測定領域の中に及び前記測定領域の外に移動することを可能にする、可撓性アームと、
前記可撓性アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記可撓性アームを前記閉鎖位置と前記開放位置との間で選択的に変形させるよう構成された、アクチュエータと、
前記本体及び前記可撓性アームのうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの非接触センサであって、前記測定領域に近接して位置付けられ、前記絶縁導体が前記測定領域内に位置付けられたときに、前記絶縁導体における少なくとも1つの電気的パラメータを検知するように動作可能である、少なくとも1つの非接触センサと、を備える、電気的パラメータセンサプローブ。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記可撓性アームを前記閉鎖位置に付勢する、請求項1に記載の電気的パラメータセンサプローブ。
【請求項3】
前記可撓性アームが前記閉鎖位置にあるとき、前記可撓性アームが湾曲形状を有し、前記アクチュエータが、前記可撓性アームを前記湾曲形状から真っ直ぐにさせて前記開放位置にあるようにする、請求項1に記載の電気的パラメータセンサプローブ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの非接触センサが、非接触電圧センサ又は非接触電流センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電気的パラメータセンサプローブ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの非接触センサが前記可撓性アームに結合されている、請求項1に記載の電気的パラメータセンサプローブ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非接触センサが、前記可撓性アームに結合された少なくとも1つの非接触センサと、前記電気的パラメータセンサプローブの前記本体に結合された少なくとも1つの非接触センサと、を含む、請求項1に記載の電気的パラメータセンサプローブ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの非接触センサに動作可能に結合されたインターフェースコネクタであって、非接触電気的パラメータ測定装置の主本体の対応するインターフェースコネクタに取り外し可能に結合可能である、インターフェースコネクタを更に備える、請求項1に記載の電気的パラメータセンサプローブ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの非接触センサが、非接触電圧センサ、ホール効果センサ、フラックスゲートセンサ、ロゴスキーコイル、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、又は巨大磁気抵抗(GMR)センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電気的パラメータセンサプローブ。
【請求項9】
絶縁導体における電気的パラメータを測定するための装置であって、
電気的パラメータセンサプローブであって、
本体と、
前記本体に結合された可撓性アーム及び固定アームであって、前記可撓性アームが閉鎖位置と開放位置との間で変形可能であり、前記閉鎖位置において、前記可撓性アームの端部が、前記固定アームの端部に当接して前記絶縁導体を受容する測定領域を画定する閉鎖した測定ループを形成し、前記開放位置において、前記可撓性アームの前記端部が、前記固定アームの前記端部から離間して、前記絶縁導体が前記測定領域の中に及び前記測定領域の外に移動することを可能にする、可撓性アームと、
前記可撓性アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記可撓性アームを前記閉鎖位置と前記開放位置との間で選択的に変形させるよう構成された、アクチュエータと、
前記本体及び前記可撓性アームのうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの非接触センサであって、前記測定領域に近接して位置付けられ、前記絶縁導体が前記測定領域内に位置付けられたときに、前記絶縁導体における少なくとも1つの電気的パラメータを検知するように動作可能である、少なくとも1つの非接触センサと、を含む、電気的パラメータセンサプローブと、
前記少なくとも1つの非接触センサに通信可能に結合可能な制御回路であって、動作時に、
前記少なくとも1つの非接触センサによって検出された信号を示すセンサデータを受信し、
前記センサデータを処理して、前記絶縁導体の少なくとも1つの電気的パラメータを決定する、制御回路と、を備える、装置。
【請求項10】
前記制御回路を含む主本体を更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記主本体が少なくとも1つのインターフェースコネクタを含み、前記電気的パラメータセンサプローブが、前記主本体の前記少なくとも1つのインターフェースコネクタに取り外し可能に接続可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記電気的パラメータセンサプローブと前記制御回路とを含む主本体を更に備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記制御回路が、動作時に、前記センサデータを処理して、前記絶縁導体における電圧を決定する、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記制御回路が、動作時に、前記センサデータを処理して、前記絶縁導体における電圧及び電流を決定する、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記制御回路に動作可能に結合された無線通信サブシステムを更に備え、動作時に、前記無線通信サブシステムが、前記電気的パラメータを外部システムに無線で送信する、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
動作時に、前記電気的パラメータを前記装置のユーザーに視覚的に提示するディスプレイを更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの非接触センサが、非接触電圧センサ、ホール効果センサ、フラックスゲートセンサ、ロゴスキーコイル、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、又は巨大磁気抵抗(GMR)センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項18】
絶縁導体における電気的パラメータを測定するための装置であって、
本体と、
前記本体に結合された可撓性アーム及び固定アームであって、前記可撓性アームが閉鎖位置と開放位置との間で変形可能であり、前記閉鎖位置において、前記可撓性アームの端部が、前記固定アームの端部に当接して前記絶縁導体を受容する測定領域を画定する閉鎖した測定ループを形成し、前記開放位置において、前記可撓性アームの前記端部が、前記固定アームの前記端部から離間して、前記絶縁導体が前記測定領域の中に及び前記測定領域の外に移動することを可能にする、可撓性アームと、
前記可撓性アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記可撓性アームを前記閉鎖位置と前記開放位置との間で選択的に変形させるよう構成された、アクチュエータと、
前記本体及び前記可撓性アームのうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの非接触センサであって、前記測定領域に近接して位置付けられ、前記絶縁導体が前記測定領域内に位置付けられたときに、前記絶縁導体における少なくとも1つの電気的パラメータを検知するように動作可能である、少なくとも1つの非接触センサと、
前記少なくとも1つの非接触センサに通信可能に結合可能な制御回路であって、動作時に、
前記少なくとも1つの非接触センサによって検出された信号を示すセンサデータを受信し、
前記センサデータを処理して、前記絶縁導体の少なくとも1つの電気的パラメータを決定し、
前記少なくとも1つの電気的パラメータをユーザー又は外部装置のうちの少なくとも1つに提供する、制御回路と、を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電気的パラメータ測定装置、より具体的には、電気的パラメータ測定装置のためのセンサプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
電圧計は、電気回路内の電圧を測定するのに使用される器具である。1つを超える電気的特性を測定する器具は、マルチメータ又はデジタルマルチメータ(digital multimeter、DMM)と呼ばれ、サービス用途、トラブルシューティング用途、及びメンテナンス用途に一般に必要とされるいくつかのパラメータを測定するように動作する。そのようなパラメータとしては、典型的には交流(alternating current、AC)電圧及び電流、直流(direct current、DC)電圧及び電流、並びに抵抗又は継続性が挙げられる。電力特性、周波数、容量、及び温度など、他のパラメータも特定の用途の要件を満たすために測定することができる。
[発明が解決しようとする課題]
【0003】
AC電圧を測定する従来の電圧計又はマルチメータを使用するときは、少なくとも2つの測定電極又はプローブを導体とガルバニック接触させることが必要であり、多くの場合、絶縁電線の絶縁部分を切り離すこと、又はあらかじめ測定用端子を提供することが必要である。ガルバニック接触のために露出させた導線又は端子を必要とする他に、剥離した導線又は端子に電圧計プローブを当てる工程は、ショック又は感電死のリスクにより比較的危険である場合がある。非接触電圧測定装置は、回路とのガルバニック接触を必要とすることなく、交流(AC)電圧の存在を検出するために使用されることがある。電圧が検出されると、ユーザーは、光、ブザー、又は振動モーターなどの提示によって警告される。しかしながら、そのような非接触電圧検出器は、AC電圧の有無だけを提示し、AC電圧の実際の大きさ(例えば、RMS値)を提示しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許8330449号
【文献】米国特許5473244号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
絶縁導体とのガルバニック接触を必要とせずに絶縁導体における電気的パラメータを検出するように動作可能な電気的パラメータセンサプローブは、本体と本体に結合された可撓性アーム及び固定アームであって、可撓性アームが閉鎖位置と開放位置との間で変形可能あり、閉鎖位置において、可撓性アームの端部が、固定アームの端部に当接して絶縁導体を受容する測定領域を画定する閉鎖した測定ループを形成し、開放位置において、可撓性アームの端部が、固定アームの端部から離間して、絶縁導体が測定領域の中に及びその外に移動することを可能にする、可撓性アームと、可撓性アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、可撓性アームを閉鎖位置と開放位置との間で選択的に変形させるよう構成された、アクチュエータと、本体及び可撓性アームのうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの非接触センサであって、測定領域に近接して位置付けられ、絶縁導体が測定領域内に位置付けられたときに、絶縁導体における少なくとも1つの電気的パラメータを検知するように動作可能である、少なくとも1つの非接触センサと、を含むものとして要約され得る。アクチュエータは、可撓性アームを閉鎖位置に付勢することができる。可撓性アームは、閉鎖位置と開放位置との間で変形可能な一体構造を含み得る。可撓性アームは、互いに対して移動可能な複数の部分を含んでもよく、アクチュエータは、これらの部分を互いに対して移動させて、可撓性アームを閉鎖位置と開放位置との間で変形させるように動作可能であってもよい。複数の部分は、互いに対して移動可能なリンクを含んでもよい。可撓性アームは、可撓性アームが閉鎖位置にあるときに湾曲形状を有してもよく、アクチュエータは、可撓性アームを湾曲形状から真っ直ぐにさせて、開放位置にあるようにすることができる。少なくとも1つの非接触センサは、非接触電圧センサ又は非接触電流センサのうち少なくとも1つを含み得る。少なくとも1つの非接触センサは、可撓性アームに結合され得る。少なくとも1つの非接触センサは、可撓性アームに結合された少なくとも1つの非接触センサと、電気的パラメータセンサプローブの本体に結合された少なくとも1つの非接触センサとを含み得る。
【0006】
電気的パラメータセンサプローブは、少なくとも1つの非接触センサに動作可能に結合されたインターフェースコネクタを更に含んでもよく、このインターフェースコネクタは、非接触電気的パラメータ測定装置の主本体の対応するインターフェースコネクタに取り外し可能に結合可能である。少なくとも1つの非接触センサは、非接触電圧センサ、ホール効果センサ、フラックスゲートセンサ、ロゴスキーコイル、異方性磁気抵抗(anisotropic magnetoresistance、AMR)センサ、又は巨大磁気抵抗(giant magnetoresistance、GMR)センサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0007】
絶縁導体における電気的パラメータを測定するための装置は、電気的パラメータセンサプローブであって、本体と、本体に結合された可撓性アーム及び固定アームであって、可撓性アームが閉鎖位置と開放位置との間で変形可能あり、閉鎖位置において、可撓性アームの端部が、固定アームの端部に当接して絶縁導体を受容する測定領域を画定する閉鎖した測定ループを形成し、開放位置において、可撓性アームの端部が、固定アームの端部から離間して、絶縁導体が測定領域の中に及びその外に移動することを可能にする、可撓性アームと、可撓性アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、可撓性アームを閉鎖位置と開放位置との間で選択的に変形させるよう構成された、アクチュエータと、本体及び可撓性アームのうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの非接触センサであって、測定領域に近接して位置付けられ、絶縁導体が測定領域内に位置付けられたときに、絶縁導体における少なくとも1つの電気的パラメータを検知するように動作可能である、少なくとも1つの非接触センサと、を含む、電気的パラメータセンサプローブと、少なくとも1つの非接触センサに通信可能に結合可能な制御回路であって、動作時に、少なくとも1つの非接触センサによって検出された信号を示すセンサデータを受信し、センサデータを処理して、絶縁導体の少なくとも1つの電気的パラメータを決定する、制御回路と、を含むものとして要約され得る。
【0008】
装置は、制御回路を含む主本体を更に含んでもよい。主本体は、少なくとも1つのインターフェースコネクタを含んでもよく、電気的パラメータセンサプローブは、主本体の少なくとも1つのインターフェースコネクタに取り外し可能に接続可能であってもよい。
【0009】
装置は、電気的パラメータセンサプローブと制御回路とを含む主本体を更に含んでもよい。制御回路は、動作時に、センサデータを処理して、絶縁導体における電圧を決定することができる。制御回路は、動作時に、センサデータを処理して、絶縁導体における電圧及び電流を決定することができる。
【0010】
装置は、制御回路に動作可能に結合された無線通信サブシステムを更に含んでもよく、無線通信サブシステムは、動作時に、電気的パラメータを外部システムに無線で送信する。
【0011】
装置は、動作時に、電気的パラメータを装置のユーザーに視覚的に提示するディスプレイを更に含んでもよい。少なくとも1つの非接触センサは、非接触電圧センサ、ホール効果センサ、フラックスゲートセンサ、ロゴスキーコイル、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、又は巨大磁気抵抗(GMR)センサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0012】
絶縁導体における電気的パラメータを測定するための装置は、本体と、本体に結合された可撓性アーム及び固定アームであって、可撓性アームが閉鎖位置と開放位置との間で変形可能であり、閉鎖位置において、可撓性アームの端部が、固定アームの端部に当接して絶縁導体を受容する測定領域を画定する閉鎖した測定ループを形成し、開放位置において、可撓性アームの端部が、固定アームの端部から離間して、絶縁導体が測定領域の中に及びその外に移動することを可能にする、可撓性アームと、可撓性アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、可撓性アームを閉鎖位置と開放位置との間で選択的に変形させるよう構成された、アクチュエータと、本体及び可撓性アームのうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの非接触センサであって、測定領域に近接して位置付けられ、絶縁導体が測定領域内に位置付けられたときに、絶縁導体における少なくとも1つの電気的パラメータを検知するように動作可能である、少なくとも1つの非接触センサと、少なくとも1つの非接触センサに通信可能に結合可能な制御回路であって、動作時に、少なくとも1つの非接触センサによって検出された信号を示すセンサデータを受信し、センサデータを処理して、絶縁導体の少なくとも1つの電気的パラメータを決定し、少なくとも1つの電気的パラメータを、ユーザー又は外部装置のうちの少なくとも1つに提供する、制御回路と、を含むものとして要約され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面では、同一の参照番号により類似の要素又は作用が識別される。図面における要素の寸法及び相対位置は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。例えば、種々の要素及び角度の形状は必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではなく、これらの要素の一部は、図面の明瞭性を向上させるために任意に拡大されかつ位置付けられていてもよい。なお、図示されるような要素の特定の形状は、必ずしも特定の要素の実際の形状に関する任意の情報を伝えることが意図されているわけではなく、単に図面において認識しやすいように選択されていてもよい。
【0014】
【
図1】
図1は、非限定的な例示的一実施形態による、可撓性アームが、閉鎖した測定ループを形成するように移動可能である、可撓性アームと非接触センサとを含む電気的パラメータセンサプローブを含む電気的パラメータ測定装置の絵図であり、測定ループが開放されて、絶縁導体が測定のために測定領域内に受容され得る状態を示す。
【
図2】
図2は、非限定的な例示的一実施形態による、
図1の電気的パラメータ測定装置の絵図であり、測定ループが被試験絶縁導体の周りで閉じられて、上記導体が非接触センサに近接して位置付けられた状態を示す。
【
図3】
図3は、非限定的な例示的一実施形態による、閉鎖位置と開放位置との間で移動する可撓性アームを含む電気的パラメータ測定装置の絵図であり、可撓性アームが閉鎖位置にあり、被試験絶縁導体が測定領域の外側に位置付けられた状態を示す。
【
図4】
図4は、非限定的な例示的一実施形態による、
図3の電気的パラメータ測定装置の絵図であり、可撓性アームが開放位置にあって、被試験導体を電気的パラメータ測定装置の測定領域内に移動することが可能な状態を示す。
【
図5】
図5は、非限定的な例示的一実施形態による、
図3の電気的パラメータ測定装置の絵図であり、可撓性アームが閉鎖位置にあって、絶縁導体が、測定領域内で非接触センサに近接して位置付けられた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の1つ以上の実施形態は、導体と電気的パラメータセンサプローブとの間のガルバニック接続を必要とせずに、絶縁又は裸の非絶縁導体(例えば、絶縁導線)における電気的パラメータ(例えば、電圧、電流、電力)を測定するためのシステム及び方法に関する。一般に、絶縁導体における1つ以上の電気的パラメータを測定する、非ガルバニック接触(又は「非接触」)電気的パラメータ測定システム又は装置が提供される。ガルバニック接続を必要としないそのようなシステムを本明細書では「非接触」という。本明細書で使用するとき、「電気的に結合された」は、特記のない限り、直接及び間接の両方の電気的結合を含む。
【0016】
少なくともいくつかの実施形態では、被試験絶縁導体における電流及び電圧のうちの少なくとも1つを正確に測定するように動作可能な非接触電気的パラメータセンサプローブが提供される。センサ又はジョープローブは、様々な形状及びサイズを有する導体における電気的パラメータを測定するために使用され得る。センサプローブは、本体と、被試験導体をセンサプローブの測定領域の中に及びその外に移動させることを可能にする開放位置と、1つ以上の測定値が得られるように測定領域内に絶縁導体を固定する閉鎖位置との間を移動可能である、本体に結合された可撓性アーム又はストラップと、を含む。電気的パラメータセンサプローブは、本体又は可撓性アームのうちの少なくとも1つに結合された1つ以上の非接触センサを含み得る。動作時に、ユーザーは可撓性アームを、通常は閉鎖されている位置から開放位置へ移動させるアクチュエータ(例えば、スライドスイッチ)に力を加えることができる。次いで、ユーザーは、導体がセンサプローブの測定領域内に位置付けられるように、電気的パラメータセンサプローブを被試験絶縁導体に近接して位置付けることができる。次いで、ユーザーは、力を解放するか、又は(例えば、反対方向の)異なる力をアクチュエータに加えて、可撓性アームを閉鎖位置に戻し、それにより、導体をセンサプローブの測定領域内に固定することができる。測定値が得られたら、ユーザーは、絶縁導体を測定領域から除去することができるように、可撓性アームを開放位置へ再び移動させることができる。本開示の実施形態の特定の特徴が、図面を参照して以下に詳細に検討される。
【0017】
以下の説明では、種々の開示の実施形態の完全な理解が得られるように、特定の具体的な詳細について記載する。しかし、実施形態がこれらの具体的な詳細のうちの1つ以上を伴わない、又は他の方法、構成要素、材料などを伴って実践されてよいことを、当業者は理解するであろう。その他の場合では、コンピュータシステム、サーバコンピュータ、及び/又は通信ネットワークに関係する周知の構造は、実施形態の説明を必要以上に不明瞭にすることを避けるためにも、詳細には示されていないか又は記載されていない。
【0018】
文脈上その他の意味に解すべき場合を除き、以下の明細書及び特許請求の範囲を通して、用語「備える(comprising)」とは用語「含む(including)」と同義であり、包括的であり、つまり限定的ではない(即ち、更なる記載されていない要素又は方法の行為を除外しない)。
【0019】
本明細書全体の「一実施形態(one implementation)」又は「実施形態(an implementation)」を参照することは、実施形態に関して記述された特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本明細書全体の種々の場所での語句「一実施形態では(in one implementation)」又は「実施形態では(in an implementation)」は、必ずしも全て同じ実施形態について言及するものではない。なお、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態では任意の好適な方法で組み合わせられてもよい。
【0020】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する際に、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。用語「又は」は、文脈上、別段の明確な指示がない限り、その意味において「及び/又は」を含んで一般的に用いられる、という点にも留意すべきである。
【0021】
本明細書で提供される見出し及び要約書は、便宜のためだけであり、実施形態の範囲又は意味を説明するものではない。
【0022】
図1及び
図2は、非限定的な例示的一実施形態による、電気的パラメータ測定装置100の絵図である。電気的パラメータ測定装置100は、主本体又はハウジング102と、電気的パラメータセンサプローブ104とを含む。センサプローブ104は、ケーブル110を介してインターフェースコネクタ108に結合された本体134を備える。主本体102は、センサプローブ104の対応するインターフェースコネクタ108と取り外し可能に結合するインターフェースコネクタ106を含む。
【0023】
主本体102は、測定結果及び他の情報を提示するディスプレイ112と、測定命令又は他の情報などの情報を入力するための入力ユーザーインターフェース114と、を更に含む。ディスプレイ112は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は電子インクディスプレイなどの任意の好適なタイプのディスプレイであってもよい。主本体102は、1つ以上のスピーカ、ブザー、振動装置などの1つ以上の音声又は触覚出力(図示せず)を含んでもよい。この例示的な実施形態では、入力ユーザーインターフェース114は複数のボタンを含むが、他の実施形態では、ユーザーインターフェースは、タッチパッド、タッチスクリーン、ホイール、ノブ、ダイヤル、マイクロフォンなどの1つ以上の他のタイプの入力装置を追加的又は代替的に含んでもよい。
【0024】
主本体102はまた、主本体及びセンサプローブ104の様々な構成要素に電力を供給するための電池又は電池パックなどの電源を含んでもよい。主本体102はまた、センサプローブ104からの信号の受信、被試験絶縁導体115の1つ以上の電気的パラメータの決定、及び(例えば、ディスプレイ112への)測定データの出力などの、電気的パラメータ測定装置100の様々な動作を制御する制御回路116を含む。制御回路116は、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA)、1つ以上のタイプのメモリ(例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリ、他の非一時的な記憶媒体)、及び/又は1つ以上の他のタイプの処理若しくは制御関連構成要素を含み得る。
【0025】
少なくともいくつかの実施形態では、主本体102は、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、ZIGBEE(登録商標)モジュール、近距離無線通信(near field communication、NFC)モジュールなどのうちの1つ以上を含み得る無線通信サブシステム118を含んでもよい。主本体102は、測定結果を外部システムに送信するために、又は外部システムから命令信号若しくは入力情報を受信するために、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末などの外部受信システムと無線通信サブシステム118を介して無線通信するように動作可能であってもよい。主本体102は、追加的又は代替的に、USBインターフェースなどの有線通信サブシステムを含んでもよい。
【0026】
1つのセンサプローブ104のみが説明目的のために示されているが、少なくともいくつかの実施形態では、複数の異なるセンサプローブが、電気的パラメータ測定装置100の主本体102に取り外し可能に結合可能であり得る。複数のセンサプローブは、例えば、電気的パラメータ測定装置100のための様々な機能性を提供するために、形状、構造、又は機能のうちの少なくとも1つが異なっていてもよい。
【0027】
センサプローブ104は、本体134に結合された可撓性アーム138を含む。可撓性アーム138は、閉鎖位置(
図2に示される)と開放位置(
図1に示される)との間で移動可能である。
図2に示される閉鎖位置では、可撓性アーム138の端部140が、本体134の固定アーム又は部分136の端部142に当接して、絶縁導体115を受容する測定領域160(
図2)を画定する閉鎖した測定ループを形成する。
図1に示される開放位置では、可撓性アーム138は、可撓性アーム138の端部140を固定アーム136の端部142から分離することによって測定ループの少なくとも一部分を開放して、絶縁導体115が測定領域160の中に及びその外に移動することを可能にする。
【0028】
センサプローブ104はまた、可撓性アーム138に動作可能に結合されたアクチュエータ150を含む。アクチュエータ150は、ユーザーによって移動可能なスライドスイッチ132又は他の機構を含んでもよい。動作時に、ユーザーによる作動に応じて、アクチュエータ150が、可撓性アーム138を閉鎖位置から開放位置へ移動させる。
【0029】
少なくともいくつかの実施形態では、アクチュエータ150は、
図2に示される閉鎖位置に可撓性アーム138を付勢する。例えば、アクチュエータ150は、可撓性アーム138を閉鎖位置に付勢し、スライドスイッチ132を
図2に示す上方位置に付勢する付勢要素(例えば、ばね)を含んでもよい。そのような場合、ユーザーは、スライドスイッチ132を(示されたように)下方に移動させることによって、可撓性アーム138を閉鎖位置から開放位置へ移動させることができる。ユーザーが、スライドスイッチ132を付勢力に抗して下方位置に維持している間、ユーザーは、絶縁導体115を測定領域160内に挿入することができる。次いで、ユーザーは、アクチュエータ150の付勢力が可撓性アーム138を閉鎖位置に戻し、それにより絶縁導体115を測定領域160内に固定して、測定値を得ることができるように、スライドスイッチ132を解放することができる。測定値(複数可)が得られたら、ユーザーは、可撓性アーム138を再び開放位置に移動させて、導体115をセンサプローブ104の測定領域160から解放することができる。
【0030】
少なくともいくつかの実施形態では、可撓性アーム138は、閉鎖位置と開放位置との間で変形可能な一体構造から形成される。例えば、可撓性アーム138の少なくとも一部分は、端部140及び142が互いに当接する閉鎖位置と、絶縁導体115が測定領域160内に移動されるのに十分な距離だけ、端部140及び142が離間している開放位置との間を弾性的に変形するエラストマ又は他の材料から形成されてもよい。他の実施形態では、可撓性アーム138は、互いに対して移動可能な複数の部分(例えば、「リンク」)を含んでもよい。このような実施形態では、アクチュエータ150は、複数の部分を互いに対して選択的に移動させて、可撓性アーム138を閉鎖位置と開放位置との間を移動させるように動作可能であってもよい。
【0031】
少なくともいくつかの実施形態では、センサプローブ104の本体134は、被試験絶縁導体115における1つ以上の電気的パラメータを検知するように動作可能である、本体に結合された1つ以上の非接触センサ146(例えば、非接触電圧センサ)を含む。追加的又は代替的に、1つ以上の非接触センサ146は、可撓性アーム138に結合されてもよい。非接触センサ146は、センサからの信号が処理のために主本体102に送られるように、信号ケーブル110に電気的に接続されてもよい。非接触センサは、非接触電圧センサ、ホール効果素子、変流器、フラックスゲートセンサ、ロゴスキーコイル、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、巨大磁気抵抗(GMR)センサ、ガルバニック接触を必要とせずに導体115の電気的パラメータを検知するように動作可能な他のタイプのセンサ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。非接触センサの様々な非限定的な例が、米国特許仮出願第62/421,124号(2016年11月11日出願)、米国特許出願第15/345,256号(2016年11月7日出願)、米国特許出願第15/413,025号(2017年1月23日出願)、米国特許出願第15/412,891号(2017年1月23日出願)、米国特許出願第15/604,320号(2017年5月24日出願)、及び米国特許出願第15/625,745号(2017年6月16日出願)に開示され、それら全体が、本明細書に参考として組み込まれる。
【0032】
センサプローブ104はまた、1つ以上のセンサ146から受信されたセンサ信号を処理するように動作可能で、そのようなセンサ信号を示すセンサデータを、処理のために主本体102の制御回路116に送信するように動作可能なである、1つ以上のセンサ146に動作可能に結合された処理又は制御回路120を含んでもよい。制御回路120は、追加的又は代替的に、アナログ形式(例えば、0~1V)又はデジタル形式(例えば、8ビット、16ビット、64ビット)などの、主本体102によって受信可能な形式に信号を調整又は変換するように動作可能な調整又は変換回路を含んでもよい。
【0033】
少なくともいくつかの実施形態では、動作時に、センサプローブ104の制御回路120が、測定データをセンサ(複数可)146から電気的パラメータ測定装置100の主本体102に送信し、制御回路116が、受信された測定データに基づいて、導体115における1つ以上の電気的パラメータを決定する。例えば、制御回路116は、1つ以上の数式、ルックアップテーブル、較正係数などを利用して、1つ以上の電気的パラメータを決定することができる。更に、電力又は位相角などのいくつかの電気的パラメータは、電流及び電圧などの他の決定された電気的パラメータから導出され得る。
【0034】
上述したように、インターフェースコネクタ108は、例えば、異なるセンサプローブが主本体102に結合され得るように、電気的パラメータ測定装置100の主本体102上の対応するインターフェースコネクタ106と取り外し可能に結合されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、センサプローブ104のインターフェースコネクタ108は、プラグ及びソケットのうちの1つとして構成されてもよく、主本体102のインターフェースコネクタ106は、プラグ及びソケットのうちの他方として構成されてもよい。他の実施形態では、インターフェースコネクタ106及び108は、互いに取り外し可能に結合されるように動作可能な異なるタイプのコネクタとして構成されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、センサプローブ104は、ケーブル110によって主本体102に固定的に接続されてもよい。
【0035】
図3~
図5は、本開示による電気的パラメータ測定装置200の別の実施形態を示す。電気的パラメータ測定装置200は、先に論じた電気的パラメータ測定装置100と多くの点で類似又は全く同じであり得る。したがって、上記の説明は、電気的パラメータ測定装置200に適用され得る。また、電気的パラメータ測定装置100の対応する構成要素と類似又は同一である、電気的パラメータ測定装置200の構成要素は、同一の参照番号で指定され、そのような構成要素の説明は、簡潔にするために、本明細書では繰り返さない。
【0036】
ケーブル110を介して主本体102に接続可能なセンサプローブ104を含む電気的パラメータ測定装置100とは異なり、電気的パラメータ測定装置200では、センサプローブ部分及び主本体部分が、単一のハウジング134内に収容されている。
図3は、絶縁導体115を測定領域160内に挿入する前に可撓性アーム138が閉鎖位置にあるときの電気的パラメータ測定装置200を示す。
図4は、ユーザーがスライドスイッチ132を(示されたように)押し下げて、アクチュエータ150に可撓性アーム138を開放位置に移動させ、導体115が測定領域160内に位置付けられ得るときの電気的パラメータ測定装置200を示す。
図5は、ユーザーがスライドスイッチ132を解放して、又はスライドスイッチが上方に付勢されていない場合にスライドスイッチを上方に移動させて、アクチュエータ150に可撓性アーム138を閉鎖位置に戻させ、それにより導体115を測定領域内に固定したときの電気的パラメータ測定装置200を示す。
【0037】
測定領域160内にあるとき、電気的パラメータ測定装置200は、非接触センサ146を利用して、絶縁導体115の1つ以上の電気的パラメータ(例えば、電圧、電流、電力、位相角)を測定することができる。例示的な実施形態では、電気的パラメータ測定装置200は、4つの非接触センサ146を含む。具体的には、電気的パラメータ測定装置200は、可撓性アーム138上に位置付けられた2つの非接触センサ146と、本体134の固定アーム136上の1つの非接触センサと、測定領域160の底部に近接する、本体の一部分上の1つの非接触センサとを含む。動作時に、電気的パラメータ測定装置200は、非接触センサ146のうちの1つ、いくつか、又は全てを利用して、絶縁導体の1つ以上の電気的パラメータを決定することができる。更に、4つの非接触センサ146が示されているが、他の実施形態では、所望の機能性を提供するために、より少ない又はより多くの非接触センサが使用され得ることを理解されたい。更に、非接触センサ146は、導体が測定領域160内に位置付けられたときに、絶縁導体115における電気的パラメータを検出又は測定することができる限り、異なる位置に配置されてもよい。上述したように、非接触センサは、非接触電圧センサ、ホール効果素子、変流器、フラックスゲートセンサ、ロゴスキーコイル、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、巨大磁気抵抗(GMR)センサ、ガルバニック接触を必要とせずに導体115の電気的パラメータを検知するように動作する他のタイプのセンサ、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。
【0038】
前述の詳細な説明では、ブロック図、概略図、及び実施例を使用して、装置及び/又はプロセスの種々の実施形態を説明してきた。このようなブロック図、系統図、及び実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、このようなブロック図、フロー図、又は実施例内のそれぞれの機能及び/又は動作は、広範囲にわたるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの実質的に任意の組み合わせにより、個別にかつ/又は集合的に実装することができることが、当業者には理解されるであろう。一実施形態では、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)を介して、本発明の主題を実施してよい。しかし、本明細書で開示する実施形態が、全部、又は一部を問わず、1つ以上のコンピュータ上で実行される1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上のコンピュータシステム上で実行される1つ以上のプログラムとして)、1つ以上の制御装置(例えば、マイクロコントローラ)上で実行される1つ以上のプログラムとして、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)上で実行される1つ以上のプログラムとして、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして標準的な集積回路内で同等に実装することができ、ソフトウェア及び/又はファームウェアについての回路設計及び/又はコード書き込みであれば、十分に、本開示に照らして当該技術分野における当業者の知識の範囲内になることを当業者は認識するであろう。
【0039】
当業者は、本明細書に記載する方法又はアルゴリズムの多くが付加的な行為を採用することができ、一部の行為を省略することができ、かつ/又は行為を指定された順番と異なる順番で実行することができることを、理解するであろう。
【0040】
更に、当業者は、本明細書で教示する機構が、種々の形態でプログラム製品として流通可能であり、代表的な実施形態が、流通を実際に実行するために使用される特定の形式の信号担持媒体に関係なく等しく適用されることを、認識するであろう。信号担持媒体の例としては、以下のもの、即ち、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、CD-ROM、デジタルテープ、及びコンピュータメモリなどの記録可能な形式の媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
上述した種々の実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供してもよい。本明細書中の特定の教示及び定義と矛盾しない限りにおいて、米国特許仮出願番号第62/421,124号(2016年11月11日出願)、米国特許出願第15/345,256号(2016年11月7日出願)、米国特許出願第15/413,025号(2017年1月23日出願)、米国特許出願第15/412,891号(2017年1月23日出願)、米国特許出願第15/604,320号(2017年5月24日出願)、及び米国特許出願第15/625,745号(2017年6月16日出願)が開示され、それら全体が、本明細書に参考として組み込まれる。実施形態の態様は、種々の特許、出願及び公報のシステム、回路、及び概念を用いて、尚更なる実施形態を提供するように必要に応じて修正することができる。
【0042】
上記の説明を考慮すれば、実施形態へのこれらの変更及びその他の変更を行うことができる。通常、以下の請求項において使用する用語は、明細書及び請求項に開示された特定の実施形態に対する請求項を限定するものと解釈すべきではないが、こうした請求項に権利を与えた等価物の全範囲と共に全ての考えられる実施形態を含むものと解釈すべきである。したがって、請求項は、開示によって制限されるものではない。