(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】セラミック配線基板、および、セラミック配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/38 20060101AFI20230201BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20230201BHJP
H01L 23/13 20060101ALI20230201BHJP
H01L 23/15 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
H05K3/38 A
H05K1/03 610E
H01L23/12 C
H01L23/14 C
(21)【出願番号】P 2019092887
(22)【出願日】2019-05-16
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】西田 智弘
(72)【発明者】
【氏名】川角 秀保
(72)【発明者】
【氏名】服部 充
(72)【発明者】
【氏名】青山 惠哉
【審査官】柴垣 宙央
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-260220(JP,A)
【文献】特開2018-152433(JP,A)
【文献】特開2017-079286(JP,A)
【文献】特開2005-136042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/38
H05K 1/03
H01L 23/13
H01L 23/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック配線基板であって、
互いに対向する一対の主面のうち少なくとも一方の主面に開口する孔を有するセラミック基板と、
前記孔内に配置されるビア導体と、
前記セラミック基板の一方の主面および前記ビア導体上に形成される配線パターン部と、を備え、
前記配線パターン部のうち、前記ビア導体上に形成される前記配線パターン部の表面の算術平均高さSaは、0.05μm以上0.45μm以下である、
セラミック配線基板。
【請求項2】
請求項
1に記載のセラミック配線基板であって、
前記セラミック基板は、窒化アルミニウムから形成されており、
前記セラミック基板のうち、前記配線パターン部が形成されていない部分の表面に酸化膜が形成されている、
セラミック配線基板。
【請求項3】
セラミック配線基板の製造方法であって、
互いに対向する一対の主面のうち少なくとも一方の主面に開口する孔内にビア導体が配置されている窒化アルミニウムから形成されたセラミック基板を準備する準備工程と、
前記セラミック基板の表面の一部に、酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、
前記セラミック基板のうち前記酸化膜が形成されていない部分と前記ビア導体のそれぞれの表面をエッチングするエッチング工程と、
前記エッチング工程でエッチングされた、前記セラミック基板の部分及び前記ビア導体のそれぞれの表面に、配線パターン部を形成する配線形成工程と、を備え、
前記配線形成工程では、前記配線パターン部は、前記ビア導体上の表面の算術平均高さSaが、0.05μm以上0.45μm以下となるように形成される、
セラミック配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック配線基板、および、セラミック配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、チップなどの電子部品を搭載可能な配線パターン部が配置されているセラミック基板を備えるセラミック配線基板が知られている。セラミック配線基板には、一般的に、セラミック基板を挟んで隣り合う2つの配線パターン部を電気的に接続するビア導体が、セラミック基板を貫通する孔に設けられている。例えば、特許文献1には、ビア導体が設けられているセラミック基板上に、ビア導体に接続した配線パターン部が配置される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のセラミック配線基板では、ビア導体上の配線パターン部の表面は比較的平滑になっているため、電子部品と配線パターン部とを接合させたとき、はがれが生じるおそれがある。このため、電子部品は、配線パターン部のうちビア導体上の配線パターン部の表面を除く領域に配置する必要があり、配線パターン部の表面において、電子部品を搭載可能な領域が制限される。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、セラミック配線基板において、電子部品を搭載可能な領域を広げる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、セラミック配線基板が提供される。このセラミック基板は、互いに対向する一対の主面のうち少なくとも一方の主面に開口する孔を有するセラミック基板と、前記孔内に配置されるビア導体と、前記セラミック基板の一方の主面および前記ビア導体上に形成される配線パターン部と、を備え、前記配線パターン部のうち、前記ビア導体上に形成される前記配線パターン部の表面の算術平均高さSaは、0.05μm以上0.45μm以下である、
【0008】
この構成によれば、ビア導体上に形成される配線パターン部の表面は、算術平均高さSaが0.05μm以上0.45μm以下となっている。このように、ビア導体上の配線パターン部の表面が比較的荒れているため、電子部品をビア導体上の配線パターン部に接合させても電子部品が配線パターン部からはがれにくくなる。これにより、ビア導体上の配線パターン部の表面にも電子部品を搭載することができるため、電子部品を搭載可能な領域を広げることができる。また、セラミック配線基板からの電子部品の脱落などの不具合の発生を抑制することができる。
【0009】
(2)上記形態のセラミック配線基板において、前記セラミック基板は、窒化アルミニウムから形成されており、前記セラミック基板のうち、前記配線パターン部が形成されていない部分の表面に酸化膜が形成されていてもよい。この構成によれば、ビア導体が設けられているセラミック基板をエッチングしビア導体の表面を荒らす場合に、配線パターン部を形成しない予定のセラミック基板の表面に耐エッチング性が高い酸化膜を設ける。これにより、耐エッチング性が低い窒化アルミニウムから形成されているセラミック基板の、エッチングによる劣化を抑制することができる。
【0010】
(3)本発明の別の形態によれば、セラミック配線基板の製造方法が提供される。このセラミック配線基板の製造方法では、互いに対向する一対の主面のうち少なくとも一方の主面に開口する孔内にビア導体が配置されている窒化アルミニウムから形成されたセラミック基板を準備する準備工程と、前記セラミック基板の表面の一部に、酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、前記セラミック基板のうち前記酸化膜が形成されていない部分と前記ビア導体のそれぞれの表面をエッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程でエッチングされた、前記セラミック基板の部分及び前記ビア導体のそれぞれの表面に、配線パターン部を形成する配線形成工程と、を備え、前記配線形成工程では、前記配線パターン部は、前記ビア導体上の表面の算術平均高さSaが、0.05μm以上0.45μm以下となるように形成される。この構成によれば、エッチング工程においてビア導体上を適度に荒らすため、ビア導体上に形成される配線パターン部の表面は、ビア導体上の表面形状を受け継いだ形状となり、適度に荒れることとなる。これにより、電子部品をビア導体上の配線パターン部に接合させても電子部品が配線パターン部からはがれにくくなるため、電子部品を搭載可能な領域を広げることができる。また、セラミック配線基板からの電子部品の脱落などの不具合の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態のセラミック配線基板の断面図である。
【
図2】セラミック配線基板の製造方法のフローチャートである。
【
図3】セラミック配線基板の製造方法を説明する図である。
【
図4】セラミック配線基板の配線パターン部の表面写真である。
【
図5】比較例のセラミック配線基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のセラミック配線基板1の断面図である。本実施形態のセラミック配線基板1は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD:Laser Diode)などの発光素子やパワー半導体素子などの「電子部品」を搭載可能な配線基板である。セラミック配線基板1は、セラミック基板10と、ビア導体20と、配線パターン部30と、酸化膜40とを備える。
【0013】
セラミック基板10は、例えば、窒化アルミニウムから形成されている平板状部材である。セラミック基板10は、互いに対向する一対の主面11、12に開口する孔13を有する。本実施形態では、セラミック基板10の一対の主面11、12のうち配線パターン部30が配置される主面11の一部11aは、
図1に示すように、凹凸形状を有する。
【0014】
ビア導体20は、セラミック基板10の孔13内に配置されている。ビア導体20は、導電性が高い材料、例えば、タングステンから形成されており、セラミック基板10の主面11に配置されている配線パターン部30と電気的に接続する。本実施形態では、ビア導体20の主面11側の表面21は、
図1に示すように、凹凸形状を有する。
【0015】
配線パターン部30は、金を主成分とする電気伝導性が比較的高い材料から形成されている。配線パターン部30は、
図1に示すように、セラミック基板10の主面11の一部11a上およびビア導体20の表面21上に形成される。本実施形態では、配線パターン部30のうち、ビア導体20上に形成される配線パターン部30aの表面31の算術平均高さSaは、0.05μm以上0.45μm以下となっている。この算術平均高さSaが、0.05μmより小さくなるとビア導体上に形成される配線パターン部の表面には膨れが発生し、0.45μmより大きくなると配線パターン部にボイドが発生する。本実施形態では、ビア導体20上の配線パターン部30aの表面31に隣接する、セラミック基板10の配線パターン部30の表面32の算術平均高さSaも、0.05μm以上0.45μm以下となっている。ここで、算術平均高さSaは、ISO25178にて規定される、三次元表面性状パラメータ(三次元の算術平均粗さ)である。
【0016】
また、配線パターン部30aの表面31の算術平均粗さRaは、0.05μm以上0.55μm以下となっている。この算術平均粗さRaが、0.05μmより小さくなるとビア導体上に形成される配線パターン部の表面には膨れが発生し、0.55μmより大きくなると配線パターン部にボイドが発生する。本実施形態では、配線パターン部30の表面32の算術平均粗さRaも、0.05μm以上0.55μm以下となっている。ここで、算術平均粗さRaは、JISB0601-2013にて規定される値である。なお、本実施形態の配線パターン部30aの表面31では、算術平均高さSaと算術平均粗さRaとが、それぞれが上述した数値範囲を満たすとしたが、算術平均高さSaおよび算術平均粗さRaの少なくとも一方でも上述した数値範囲を満たせばよい。
【0017】
酸化膜40は、例えば、酸化アルミニウムから形成され、
図1に示すように、セラミック基板10の表面のうち、配線パターン部30が形成されていない部分の表面に形成されている。本実施形態では、セラミック基板10上の酸化膜40の厚みは、例えば、1.0μm以下となっている。
【0018】
図2は、セラミック配線基板1の製造方法のフローチャートである。
図3は、セラミック配線基板1の製造方法を説明する図である。最初に、準備工程として、
図3(a)に示すように、孔13内にビア導体20が配置されているセラミック基板10を準備する(ステップS11)。次に、酸化膜形成工程として、例えば、セラミック基板10を所定の温度で熱処理することにより、
図3(b)に示すように、セラミック基板10の表面に酸化膜40を形成する(ステップS12)。このとき、酸化膜40は、後工程であるエッチング工程においてエッチングされる予定の主面11の一部の領域A11(
図3(b)参照)には、形成されない。領域A11には、ビア導体20の主面11側の端面が含まれている。
【0019】
酸化膜形成工程の次に、エッチング工程として、セラミック基板10の酸化膜40が形成されていない表面とビア導体20の端面、すなわち、領域A11をエッチングする(ステップS13)。これにより、酸化膜40が形成されていない領域A11の表面がエッチングされ、
図3(c)に示すように、ビア導体20の表面21と表面21の周辺のセラミック基板10の主面11の一部11aに凹凸形状が形成される。
【0020】
エッチング工程の次に、配線形成工程として、エッチング工程でエッチングされた、ビア導体20の表面21と表面21周辺のセラミック基板10の主面11の一部11aに、配線パターン部30を形成する(ステップS14)。配線形成工程では、例えば、めっきによって、配線パターン部30を形成する。このとき、配線パターン部30は、表面31の算術平均高さSaが0.05μm以上0.45μm以下であり、算術平均粗さRaが0.05μm以上0.55μm以下となるように、形成される。本実施形態では、めっきによって配線パターン部30を形成したが、めっきとスパッタリングとを組み合わせて、材料の異なる金属層から配線パターン部30を形成することができる。
【0021】
次に、本実施形態のセラミック配線基板1の効果を説明するための評価試験結果について説明する。この評価試験では、上述した製造方法によって製造したセラミック配線基板(以下、「本実施形態のセラミック配線基板」という)と、比較例の製造方法によって製造したセラミック配線基板(以下、「比較例のセラミック配線基板」という)について、配線パターン部の表面写真と、算出平均高さSaと、算術平均粗さRaを比較した。ここで、比較例のセラミック配線基板は、上述した本実施形態のセラミック配線基板の製造方法をベースとして、準備工程と酸化膜形成工程の後、エッチング工程を行うことなく、配線形成工程において、配線パターン部を形成する方法によって製造されている。
【0022】
この評価試験で得られる算術平均高さSaは、オリンパス株式会社製レーザ顕微鏡(型式:LEXT OLS40-US)を用いて、ISO25178の規定にしたがって測定された。また、算出平均粗さRaは、株式会社キーエンス製レーザ顕微鏡(型式:VK-8710)を用いて、JISB0601-2013の規定にしたがって測定された。
【0023】
図4は、セラミック配線基板の配線パターン部の表面写真である。
図4(a)および
図4(b)は、比較例のセラミック配線基板が備える配線パターン部の表面写真である。
図4(c)および
図4(d)は、本実施形態のセラミック配線基板が備える配線パターン部の表面写真である。なお、
図4(a)~(d)には、ビア導体の位置を示す円形状の点線Cを示している。
【0024】
比較例のセラミック配線基板では、
図4(a)および
図4(b)に示すように、点線Cの内側の配線パターン部80aの表面が、セラミック基板上の配線パターン部80bの表面と大きく異なっていることがわかる。今回の試験結果から、比較例のセラミック配線基板では、配線パターン部80aの算術平均高さSaおよび算術平均粗さRaはいずれも、0.05μmより小さくなることが明らかとなった。また、比較例のセラミック配線基板では、配線パターン部80aには、膨れが発生していることが明らかとなった。これは、ビア導体の表面が比較的平滑な状態となっているために、配線パターン部80aがビア導体の表面からはがれやすくなっているためと考えられる。
【0025】
一方、本実施形態のセラミック配線基板では、
図4(c)および
図4(d)に示すように、点線Cの内側の配線パターン部90aの表面とセラミック基板上の配線パターン部90bの表面とには、大きな違いがないことがわかる。今回の試験結果から、本実施形態のセラミック配線基板では、配線パターン部90aの算術平均高さSaおよび算術平均粗さRaはいずれも、0.05μm以上となることが明らかとなった。また、本実施形態のセラミック配線基板では、配線パターン部90aには、膨れなどの不具合は発生しなかった。これは、比較例のセラミック配線基板の場合と異なり、ビア導体の表面が凹凸形状を有しているために、配線パターン部90aがビア導体の表面からはがれにくくなっているためと考えられる。
【0026】
図5は、比較例のセラミック配線基板2の断面図である。比較例のセラミック配線基板2では、セラミック基板10と、ビア導体50と、配線パターン部60と、を備える。比較例のセラミック配線基板2では、導電性が高い材料から形成されているビア導体50の端面51は、
図5に示すように、比較的平滑な形状をなしている。このため、端面51上に形成されている配線パターン部60aがビア導体50の端面51からはがれやすくなり、配線パターン部60aの表面61に配置された電子部品の脱落などの不具合につながるおそれがある。
【0027】
また、ビア導体上の配線パターン部の表面の算術平均高さSaが0.45μmより大きく、かつ、算術平均粗さRaが0.55μmより大きくなっているセラミック配線基板では、配線パターン部にボイドが形成されることがわかっている。このため、ビア導体上の配線パターン部に電子部品を配置しても、電子部品は、セラミック配線基板から脱落するおそれがある。
【0028】
以上、説明した本実施形態のセラミック配線基板1によれば、ビア導体20上に形成される配線パターン部30の表面31は、算術平均高さSaが0.05μm以上0.45m以下となっている。このように、ビア導体20上の配線パターン部30の表面31は、比較的荒れているため、電子部品をビア導体20上の配線パターン部30に接合させても、電子部品が配線パターン部30からはがれにくくなる。これにより、ビア導体20上の配線パターン部30の表面31にも電子部品を搭載することができるため、電子部品を搭載可能な領域を広げることができる。また、セラミック配線基板1からの電子部品の脱落などの不具合の発生を抑制することができる。
【0029】
また、本実施形態のセラミック配線基板1によれば、セラミック基板10は、窒化アルミニウムから形成されており、セラミック基板10のうち、配線パターン部30が形成されていない部分の表面に酸化膜40が形成されている。本実施形態のセラミック配線基板1では、ビア導体20が設けられているセラミック基板10をエッチングしビア導体20の表面21を適度に荒らすとき、配線パターン部30を形成しない予定のセラミック基板10の表面に、耐エッチング性が高い酸化膜40を設ける。これにより、耐エッチング性が低い窒化アルミニウムから形成されているセラミック基板10の劣化を抑制することができる。
【0030】
また、本実施形態のセラミック配線基板1の製造方法によれば、酸化膜を形成したのち、セラミック基板10の酸化膜40が形成されていない表面とビア導体20の端面、すなわち、領域A11をエッチングする。エッチング工程の後、エッチングされたセラミック基板10の部分及びビア導体20のそれぞれの表面に、配線パターン部30を形成する。このとき、配線パターン部30は、ビア導体20上の表面の算術平均高さSaが、0.05μm以上0.45μm以下となるように形成される。これにより、エッチング工程においてビア導体20上を荒らすため、ビア導体20上に形成される配線パターン部30の表面31は、ビア導体20上の表面21の形状を受け継いだ形状となり、適度に荒れることとなる。したがって、電子部品をビア導体20上の配線パターン部30に接合させても、電子部品が配線パターン部30からがれにくくなるため、電子部品を搭載可能な領域を広げることができる。また、セラミック配線基板1からの電子部品の脱落などの不具合の発生を抑制することができる。
【0031】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0032】
[変形例1]
上述の実施形態では、セラミック基板10は、互いに対向する一対の主面11、12に開口する孔13を有するとした。しかしながら、孔13は、一対の主面11、12のうち少なくとも一方の主面に開口する孔13であればよい。
【0033】
[変形例2]
上述の実施形態では、配線パターン部30aの表面31の算術平均高さSaが、0.05μm以上0.45μm以下であり、かつ、算術平均粗さRaは、0.05μm以上0.55μm以下となっているとした。しかしながら、配線パターン部30aの表面31は、算術平均高さSaまたは算術平均粗さRaの少なくとも一方が、上述した数値範囲を満たさない場合であっても、ビア導体上の配線パターン部の表面にも電子部品を搭載することができるため、電子部品を搭載可能な領域を広げることができる。
【0034】
[変形例3]
上述の実施形態では、セラミック基板10の表面のうち、配線パターン部30が形成されていない部分の表面に、耐エッチング性が比較的高い酸化膜40が形成されているとした。しかしながら、酸化膜はなくてもよい。セラミック配線基板の製造時に、セラミック基板およびビア導体をエッチングするときに、配線パターン部を形成する場所のみをエッチングしてもよい。これにより、セラミック基板の劣化を抑制することができる。
【0035】
[変形例4]
上述の実施形態では、セラミック配線基板1は、発光ダイオードや半導体レーザなどの発光素子やパワー半導体素子などの「電子部品」を搭載可能な配線基板であるとした。しかしながら、「電子部品」はこれに限定されない。配線パターン部30に接合されるはんだバンプを有するチップなどであってもよい。
【0036】
[変形例5]
上述の実施形態では、セラミック配線基板の製造方法では、配線パターン部を形成する前に、配線パターン部を形成する位置をエッチングによって凹凸形状を形成するとした。しかしながら、凹凸形状を形成する方法は、これに限定されない。例えば、スパッタなどによって、配線パターン部を形成する位置に凹凸形状を形成してもよい。
【0037】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0038】
1…セラミック配線基板
10…セラミック基板
11…主面
11a…一部
13…孔
20…ビア導体
21…表面
30、30a…配線パターン部
31…表面
40…酸化膜
A11…領域