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特許7219703飲料を調製するためのシステム、装置、方法、カプセル、及びカプセルのキット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】飲料を調製するためのシステム、装置、方法、カプセル、及びカプセルのキット
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20230201BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20230201BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
A47J31/06 220
A47J31/06 323
A47J31/36 124
A47J31/36 122
A47J31/40 107
A47J31/40 105
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019505456
(86)(22)【出願日】2017-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 NL2017050515
(87)【国際公開番号】W WO2018026275
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】2017285
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】オジンク,ジューディス マーグリート ハネケ
(72)【発明者】
【氏名】コルネリッセン,マルヤン
(72)【発明者】
【氏名】リジスカンプ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】コーイケル,クラース
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-545412(JP,A)
【文献】特表2004-514488(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0342394(US,A1)
【文献】国際公開第2015/155145(WO,A1)
【文献】特表2015-533565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/06
A47J 31/36
A47J 31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費に好適な分量の飲料を調製するためのシステムであって、前記システムは、第1の交換可能なカプセル(4A)及び前記第1の交換可能なカプセル(4A)とは異なる第2の交換可能なカプセル(4B)と、ここで、前記第2の交換可能なカプセル(4B)が、第2の本体(6B)及び前記第2の本体に取り付けられた第2の出口面(12B)を有し、前記第1の交換可能なカプセル(4A)が、第1の本体(6A)及び前記第1の本体に取り付けられた第1の出口面(12A)を有し、前記第2の出口面(12B)が、前記第1の出口面(12A)より大きい直径を有する、
前記第1又は第2の交換可能なカプセル(4A、4B)のうちの1つを選択的に保持するための淹出チャンバ(21)を形成する第1の淹出チャンバ部(18)及び第2の淹出チャンバ部(20)、並びに圧力下で一定量の水などの流体を前記第1の淹出チャンバ部(18)に供給するための流体供給システムを含む装置と、を備え、
前記第1の淹出チャンバ部(18)が、前記第1及び第2の交換可能なカプセル(4A、4B)のうちの1つを選択的に保持するためのキャビティ(24)を有し、
前記第2の淹出チャンバ部(20)は、前記第1又は第2の出口面(12A、12B)に当接するための抽出プレート(30)を有し、前記抽出プレート(30)は、中央部分(32)及び周辺部分(34)を含み、前記第2の淹出チャンバ部(20)の前記抽出プレート(30)の前記中央部分(32)は、第1の淹出位置及び第2の淹出位置に移動可能であり、
前記第1の淹出チャンバ部(18)は、装填位置と淹出位置との間で移動可能であり、
前記装填位置における前記第1の淹出チャンバ部(18)は、前記第2の淹出チャンバ部(20)とともに、前記カプセル(4A、4B)を前記淹出チャンバ(21)内に挿入することができる開放位置を画定し、
前記淹出位置における前記第1の淹出チャンバ部(18)は、前記第1の淹出位置における前記第2の淹出チャンバ部(20)の前記抽出プレート(30)の前記中央部分とともに、前記第1の交換可能なカプセル(4A)が前記淹出チャンバ(21)内に適合する閉鎖位置を画定し、
前記淹出位置における前記第1の淹出チャンバ部(18)は、前記第2の淹出位置における前記第2の淹出チャンバ部(20)の前記抽出プレート(30)の前記中央部分とともに、前記第2の交換可能なカプセル(4B)が前記淹出チャンバ(21)内に適合する閉鎖位置を画定
前記キャビティ(24)が前記第1の交換可能なカプセル(4A)を保持しているときに、前記第1の交換可能なカプセルは、前記キャビティ(24)が前記第2の交換可能なカプセル(4B)を保持しているときの前記第2の交換可能なカプセル(4B)より更に、前記キャビティ(24)内に引っ込むように構成されている、システム。
【請求項2】
前記システムは、前記第2の淹出チャンバ部(20)の前記抽出プレート(30)の前記中央部分を前記第1の淹出位置又は前記第1の淹出位置付近に選択的にロックするように構成されたロック機構(86)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ロック機構(86)は、前記第2のカプセル(4B)が前記淹出チャンバ(21)内に装填されているときに、前記第2の淹出チャンバ部(20)の前記抽出プレート(30)の前記中央部分が前記第1の淹出位置又は前記第1の淹出位置付近にロックされることを選択的に防止するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ロック機構(86)は、前記第2のカプセル(4B)が前記淹出チャンバ(21)内に装填されているときに、前記第2の淹出チャンバ部(20)の前記抽出プレート(30)の前記中央部分が前記第2の淹出位置に移動されることを選択的に可能にするように構成されている、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ロック機構(86)は、前記第1のカプセル(4A)が前記淹出チャンバ(21)内に装填されているときに、前記第2の淹出チャンバ部(20)の前記抽出プレート(30)の前記中央部分が前記第2の淹出位置に移動されることを選択的に防止するように構成されている、請求項2から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2のカプセル(4B)の軸方向長さが、前記第1のカプセル(4)の軸方向長さより長い、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のカプセル(4B)の直径が、前記第1のカプセル(4)の直径より大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記中央部分(32)は、前記周辺部分(34)に対して前記第1の淹出位置及び前記第2の淹出位置に移動可能であり、前記ロック機構(86)は、前記淹出チャンバが前記第2の交換可能なカプセル(4B)を保持しているときに、前記中央部分(32)が前記第1の淹出位置にロックされることを防止するように構成されている、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ロック機構(86)は、前記ロック機構(86)またはロックプロセスを作動させるためのアクチュエータ(98)を含む、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記アクチュエータ(98)は、前記第1の淹出チャンバ部(18)の前面を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ロック機構(86)は、前記第1の淹出チャンバ部(18)を前記第2の淹出チャンバ部(20)に対して閉鎖している間に作動されるように構成されている、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記第1の淹出チャンバ部(18)を前記第2の淹出チャンバ部(20)に対して閉鎖されている間に前記キャビティ(24)が前記第2の交換可能なカプセル(4B)を保持している場合、前記中央部分(32)が、前記ロック機構(86)が前記第1の淹出チャンバ部(18)によって作動される前に、前記第2の交換可能なカプセル(4B)によって前記ロック機構(86)を越えて押圧されるように構成されている、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、前記第1の淹出チャンバ部(18)を前記第2の淹出チャンバ部(20)に対して閉鎖している間に、前記キャビティ(24)が前記第1の交換可能なカプセル(4A)を保持している場合、前記中央部分(32)が前記第1の交換可能なカプセル(4A)によって前記ロック機構(86)を越えて押圧される前に、前記ロック機構(86)が前記第1の淹出チャンバ部(18)によって作動されるように構成された、請求項2、または請求項に従属する場合の請求項3~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ロック機構(86)は、前記中央部分(32)を前記第1の淹出位置にロックするためのロッカー(88)を含み、前記ロッカー(88)は、前記アクチュエータ(98)によって作動される、請求項、または請求項に従属する場合の請求10~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ロック機構(86)は、可動プッシャー(92)を含み、前記可動プッシャー(92)は、前記中央部分(32)を前記第1の淹出位置にロックするために前記ロッカー(88)をロック解除位置からロック位置に並進させるように、前記第1の淹出チャンバ部の閉鎖中に前記アクチュエータ(98)によって移動されるように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ロッカー(88)が、ロック解除位置に付勢される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記可動プッシャー(92)が、前記アクチュエータ(98)に向かって延長した位置に付勢される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の淹出チャンバ部(20)の本体(94)において、前記可動プッシャー(92)は、摺動自在に案内され、及び/又は前記ロッカー(88)は、回動可能に配置されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記アクチュエータ(98)は、前記第2の淹出チャンバ部(20)に向かう方向で見て、
前記キャビティ(24)が前記第1の交換可能なカプセル(4A)を保持している場合、前記第1の交換可能なカプセル(4A)の最外部が前記アクチュエータ(98)に対して後方に配置され、かつ、
前記キャビティ(24)が前記第2の交換可能なカプセル(4B)を保持している場合、前記第2の交換可能なカプセル(4B)の最外部が前記アクチュエータ(98)に対して前方に配置されるように構成されており、これにより、それぞれ、
前記ロック機構(86)は、前記中央部分(32)が前記ロック機構(86)を越えて前記第1の交換可能なカプセル(4A)によって押圧される前に、前記第1の淹出チャンバ部(18)の前記アクチュエータ(98)によって作動され、又は、
前記ロック機構(86)は、前記中央部分(32)が前記ロック機構(86)を越えて前記第2の交換可能なカプセル(4B)によって押圧された後に、前記第1の淹出チャンバ部(18)によって作動される、請求項に記載のシステム。
【請求項20】
消費に好適な分量の飲料を調製するための装置であって、前記装置は、
第1及び第2の交換可能なカプセルのうちの1つを選択的に保持するための淹出チャンバを形成する第1の淹出チャンバ部及び第2の淹出チャンバ部、第1の交換可能なカプセル(4A)とは異なる第2の交換可能なカプセル(4B)と、ここで、前記第2の交換可能なカプセル(4B)が、第2の本体(6B)及び前記第2の本体に取り付けられた第2の出口面(12B)を有し、前記第1の交換可能なカプセル(4A)が、第1の本体(6A)及び前記第1の本体に取り付けられた第1の出口面(12A)を有し、前記第2の出口面(12B)が、前記第1の出口面(12A)より大きい直径を有する、並びに
圧力下で一定量の水などの流体を前記第1の淹出チャンバ部に供給するための流体供給システムを含み、
前記第1の淹出チャンバ部(18)が、前記第1及び第2の交換可能なカプセル(4A、4B)のうちの1つを選択的に保持するためのキャビティ(24)を有し、
前記第2の淹出チャンバ部(20)は、前記第1又は第2の出口面(12A、12B)に当接するための抽出プレート(30)を有し、前記抽出プレート(30)は、中央部分(32)及び周辺部分(34)を含み、前記第2の淹出チャンバ部の前記抽出プレート(30)の中央部分は、第1の淹出位置及び第2の淹出位置に移動可能であり、
前記第1の淹出チャンバ部は、装填位置と淹出位置との間で移動可能であり、
前記装填位置における前記第1の淹出チャンバ部は、前記第2の淹出チャンバ部とともに、前記カプセルを前記淹出チャンバ内に挿入することができる開放位置を画定し、
前記淹出位置における前記第1の淹出チャンバ部は、前記第1の淹出位置における前記第2の淹出チャンバ部の前記抽出プレート(30)の前記中央部分とともに、前記第1の交換可能なカプセルが前記淹出チャンバ内に適合する閉鎖位置を画定し、
前記淹出位置における前記第1の淹出チャンバ部は、前記第2の淹出位置における前記第2の淹出チャンバ部の前記抽出プレート(30)の前記中央部分とともに、前記第2の交換可能なカプセルが前記淹出チャンバ内に適合する閉鎖位置を画定し、並びに
前記キャビティ(24)が前記第1の交換可能なカプセル(4A)を保持しているときに、前記第1の交換可能なカプセルは、前記キャビティ(24)が前記第2の交換可能なカプセル(4B)を保持しているときの前記第2の交換可能なカプセル(4B)より更に、前記キャビティ(24)内に引っ込むように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、飲料を調製するためのシステムに関する。ここで本発明はまた、飲料を調製するための装置及び方法に関する。更に、本発明は、飲料を調製するためのカプセル、カプセルのキット、及びカプセルの使用に関する。より具体的には、本発明は、カプセルを用いて飲料を調製するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術の状態から、特に挽いたコーヒー等の飲料調製製品を含むカプセルの使用によって、飲料を調製するための装置及びシステムが公知である。通常、カプセルは、対応する装置に適合されており、飲料調製用の流体をカプセルに導入することができるように、この装置の淹出チャンバ内に配置することができる。特定の淹出プロセスの後で、調製した飲料は、消費のために排出することができる。
【0003】
調製することができる飲料の範囲が限定されることが、そのようなシステムの欠点である。通常のコーヒー、アメリカーノコーヒー等を調製することが意図される場合に比べて、エスプレッソの調製のために異なる飲料調製製品及びプロセスが必要であることは、基本的な知識である。異なる種類の飲料調製製品、例えば、挽いたコーヒー、可溶性コーヒー粉末、ミルク粉末等を含む、当該技術分野から公知のカプセルが存在するが、調製されることになる異なる飲料の範囲は限られている。当該技術分野から公知のこれらのカプセルは、以下で「第1の交換可能なカプセル」と呼ばれる。
【0004】
この問題に対処し、選択的に装置に設けることができる異なるサイズのカプセル、すなわち第1の交換可能なカプセル、及び更に少なくとも第2の交換可能なカプセルの使用を可能にする、当該技術分野から公知のシステム及び装置等が存在する。
【0005】
例えば、国際公開第2015/004613(A1)号は、その目的のために異なるサイズを有するカプセルを導入することができる、そのような装置を開示している。この装置は、その容積を導入されるカプセルに適合することができる可変容積淹出チャンバを備える。その目的のために、淹出チャンバは、異なる種類のカプセルを内部に導入することができるように、淹出チャンバのキャビティの軸方向長さを増大及び減少することを可能にする可動区切底部を含む。しかし、この淹出チャンバの技術的構成は、非常に複雑であり、特に、淹出チャンバ内のカプセルの位置合わせは、特に、加圧条件下では、確実に保証することができない。更に、異なるサイズの淹出チャンバの適合は、間違いを起こしやすく、調製される飲料の品質の偏りをもたらす。
【0006】
上記の観点から、繰返し可能な変わらない飲料品質で信頼性の高い長期の飲料調製を提供する、異なるサイズのカプセルでの使用のために構成された飲料調製装置を提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
上記の目的は、独立請求項の内容によって解決される。
【0008】
詳細には、目的は、任意選択の第1の交換可能なカプセル及び第1の交換可能なカプセルとは異なる第2の交換可能なカプセルと、第1又は第2の交換可能なカプセルのうちの1つを選択的に保持するための淹出チャンバを形成する第1の淹出チャンバ部及び第2の淹出チャンバ部、並びに圧力下で一定量の水などの流体を第1の淹出チャンバ部に供給するための流体供給システムを含む装置と、を含む、消費に好適な分量の飲料を調製するためのシステムによって解決される。ここで、第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分が、第1の淹出位置及び第2の淹出位置に移動可能であり、第1の淹出チャンバ部は、装填位置と淹出位置との間で移動可能であり、装填位置における第1の淹出チャンバ部は、第2の淹出チャンバ部とともに、カプセルを淹出チャンバに挿入することができる開放位置を画定し、淹出位置における第1の淹出チャンバ部は、第1の淹出位置における第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分とともに、第1の交換可能なカプセルが淹出チャンバ内に適合する閉鎖位置を画定し、淹出位置における第1の淹出チャンバ部は、第2の淹出位置における第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分とともに、第2の交換可能なカプセルが淹出チャンバ内に適合する閉鎖位置を画定する。
【0009】
目的は、第1又は第2の交換可能なカプセルのうちの1つを選択的に保持するための淹出チャンバを形成する第1の淹出チャンバ部及び第2の淹出チャンバ部、並びに、圧力下で一定量の水などの流体を第1の淹出チャンバ部に供給するための流体供給システムを含む、消費に好適な分量の飲料を調製するための装置によって更に解決され、
第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分が、第1の淹出位置及び第2の淹出位置に移動可能であり、第1の淹出チャンバ部が、装填位置と淹出位置との間で移動可能であり、装填位置における第1の淹出チャンバ部が、第2の淹出チャンバ部とともに、カプセルを淹出チャンバに挿入することができる開放位置を画定し、淹出位置における第1の淹出チャンバ部が、第1の淹出位置における第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分とともに、第1の交換可能なカプセルが淹出チャンバ内に適合する閉鎖位置を画定し、淹出位置における第1の淹出チャンバ部が、第2の淹出位置における第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分とともに、第2の交換可能なカプセルが淹出チャンバ内に適合する閉鎖位置を画定する。
【0010】
また、目的は、本明細書に定義されるようなシステム及び/又は装置における消費に好適な分量の飲料を調製するための第2の交換可能なカプセルの使用によって解決される。この第2の交換可能なカプセルは、飲料調製製品を含み、かつ第2の本体及び第2の本体に取り付けられた第2の出口面を有し、第2の交換可能なカプセルの出口面の直径は、第1の交換可能なカプセルの出口面の直径より大きく、第1の交換可能なカプセルは、飲料調製製品を含み、かつ第1の本体及び第1の本体に取り付けられた第1の出口面を有し、第2の交換可能なカプセルは、少なくとも一部分、特に中央部分を準備位置から第2の淹出位置に移動するように構成されている。
【0011】
また、目的は、本明細書に定義されるようなシステムの第2の交換可能なカプセルによって解決される。この第2の交換可能なカプセルが、飲料調製製品を含み、かつ第2の本体及び第2の本体に取り付けられた第2の出口面を有し、第2の交換可能なカプセルの出口面の直径は、第1の交換可能なカプセルの出口面の直径より大きく、第1の交換可能なカプセルは、飲料調製製品を含み、かつ第1の本体及び第1の本体に取り付けられた第1の出口面を有し、第2の交換可能なカプセルは、少なくとも一部分、特に中央部分を準備位置から第2の淹出位置に移動するように構成されている。
【0012】
更に、目的は、本明細書に定義されるようなシステム及び/又は装置に使用されるための交換可能なカプセルのキットによって解決される。このキットは、飲料調製製品を含み、かつ第1の本体及び第1の本体に取り付けられた第1の出口面を有する少なくとも1つの第1の交換可能なカプセルと、第2の本体及び第2の本体に取り付けられた第2の出口面を有する少なくとも1つの第2の交換可能なカプセルとを含み、第2の出口面は、第1の出口面より大きい直径を有する。
【0013】
解決策はまた、第1の交換可能なカプセル若しくは第2の交換可能なカプセルのいずれかを本明細書に定義されるようなシステム又は装置に導入することと、第1の淹出チャンバ部を装填位置から淹出位置に移動することと、第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分、特に中央部分を、第1の交換可能なカプセルが淹出チャンバに導入されたときに第1の淹出位置に、第2の交換可能なカプセルが淹出チャンバに導入されたときに第2の淹出位置に、移動することと、飲料調製のために流体をカプセルに供給することと、調製された飲料をカプセルから排出することと、を含む、消費に好適な分量の飲料を調製する方法によって提供される。
【0014】
本明細書で、第1の淹出位置はまた、別途記載しない限り、第1の淹出位置付近の位置、又は第2の淹出位置より第1の淹出位置に近い位置を意味することがある。本明細書で、第1の位置でのロックはまた、別途記載しない限り、第1の淹出位置若しくはその付近、又は第2の位置より第1の位置に近い位置でのロックを意味することがある。同じことが第2の淹出位置にも該当し、ここでまた、第2の淹出位置に近い、又は第1の淹出位置より第2の淹出位置に近い位置を包含することがある。第2の淹出位置及び第1の淹出位置はまた、一般的に、それぞれ第1及び第2の淹出(brewing)若しくは抽出(extraction)位置として理解されることがある。カプセルは、当該技術分野で公知のような飲料調製製品を含むことができる、本体及び出口面を有する任意の種類の容積体とすることができる。好ましくは、カプセルは、剛性本体と、底部と、底部の反対側に配置された出口面とを有し、それによって飲料調製製品用の空間を囲むと理解されるべきである。カプセルはまた、パッド、バッグ等として提供することができる。カプセルは、装置への挿入の前に密閉することができる。密閉カプセルは、例えば、装置によって開放することができる。あるいは、密閉されていない又は再充填可能なカプセルも使用することができる。
【0015】
飲料調製製品は、例えば、焙煎コーヒー、挽いたコーヒー、粉末コーヒーとすることができる。飲料調製製品はまた、液体とすることができる。
【0016】
原則として、本発明は、第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分が、第1の淹出位置から第2の(淹出)位置に、かつ特に、どの種類のカプセル、すなわち、第1の交換可能なカプセル又は第2の交換可能なカプセルが淹出チャンバ内に配置されているかに依存して、移動可能であるように構成されるという概念に基づく。第1の淹出位置は、第1の交換可能なカプセルが淹出される位置とすることができる。第2の淹出位置は、飲料調製のために第2の交換可能なカプセルが淹出される位置とすることができる。上述したように、この位置はまた、対応する位置に近い、又は第2の淹出位置より第1の淹出位置に近い位置を包含し、それぞれその逆もまた同様である。そのような構成によって、飲料調製用の装置で少なくとも2つの異なる種類のカプセルを挿入して使用することができる。
【0017】
以下に更に説明するように、少なくとも一部分、特に中央部分は、準備位置から第1の淹出位置及び第2の淹出位置それぞれに選択的に移動可能であるように構成することができ、準備位置、特に装填位置にある第1の淹出チャンバ部との組合せでは、上記カプセルのうちの1つを、装置に導入することができる。準備位置は、第1の淹出位置とすることもできるが、第1及び/又は第2の淹出位置とは異なる位置とすることもできる。第2の淹出チャンバ部に対する第1の淹出チャンバ部の移動によって、淹出チャンバは、導入された対応するカプセルを囲んで画定される。この状況で、入ったカプセルは、淹出チャンバ内に保持され、特に、以下に更に定義されるように、第1の淹出チャンバ部のキャビティ内で、淹出チャンバ及びキャビティは、それぞれ、第2の淹出チャンバ部によって閉鎖される。任意選択的に、第1の淹出チャンバ部のキャビティは、第1又は第2のカプセルを受け入れるように構成される。第1の淹出チャンバ部のキャビティは、第1又は第2のカプセルを保持するように構成された所定のキャビティとすることができる。キャビティは、第1又は第2のカプセルを保持するための不変の形状を有することができる。第1の淹出チャンバ部は、第1の淹出チャンバ部の構成を変更することなく、第1又は第2のカプセルを保持するように構成することができる。第1の淹出チャンバ部は、一体構造の部分とすることができる。更に説明するように、調製された飲料を排出するためにカプセルをその出口面側上で開放するために、任意の種類の受動又は能動開放要素とすることできる解放要素を設けることができる。更に説明するように、飲料調製用の液体を導入するために、任意の種類の受動又は能動開放要素とすることできる穿孔要素を入口側に配置することができる。装置は、飲料調製のために液体をキャビティ内に保持されたカプセルに導入し、一定時間後に淹出チャンバから排出することができる飲料を製造することができるように構成することができる。
【0018】
原則として、第1及び第2の交換可能なカプセルは、異なるサイズのものであり、好ましくは、軸方向長さを含み、第2の交換可能なカプセルの軸方向長さは、第1の交換可能なカプセルの軸方向長さより長くすることができる。直径に関して、第2の交換可能なカプセルの直径は、第1の交換可能なカプセルの直径より大きいことが該当し得る。この直径は、好ましくは、出口面のエリアで測定した直径である。カプセルは、フランジ又はフランジ状リムそれぞれを含むことができ、その場合、2つのカプセルの直径差は、好ましくは、このフランジ状リムの外径で測定することができる。この直径をこのフランジ状リムの内径で画定することも可能である。また、第2の交換可能なカプセルは、第2の本体及び第2の本体に取り付けられた第2の出口面を有することができ、第1の交換可能なカプセルは、第1の本体及び第1の本体に取り付けられた第1の出口面を有することができると考えることができる。これに関して特に、第2の出口面は、第1の出口面より大きい直径を有することができる。
【0019】
加えて、システムは、第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分を第1の淹出位置又はその付近に選択的にロックするように構成されたロック機構を含むと考えることができる。これは、とりわけ、飲料調製プロセス中に淹出チャンバ内に保持されたカプセルが正しい位置に配置されたままであることを保証する。
【0020】
更に詳細には、ロック機構は、第2のカプセルが淹出チャンバ内に装填されているときに、第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分が第1の淹出位置又はその付近にロックされることを選択的に防止するように構成されると考えることができる。これにより、装置に入れられたカプセルに依存した第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分の必要な淹出位置への移動が可能になる。また、ロック機構は、第2のカプセルが淹出チャンバ内に装填されているときに、第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分が第2の淹出位置に移動されることを選択的に可能にするように構成されると考えることができる。
【0021】
上記により、装置に入れられたカプセルに依存して、第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分をその必要な淹出位置に移動することができる、時限閉鎖プロセスとすることができる。
【0022】
特定の実施形態では、第1の淹出チャンバ部は、第1及び第2の交換可能なカプセルのうちの1つを選択的に保持するためのキャビティを有することができる。このキャビティは、適合可能でない形態、特に長さ及び/又は直径を有することができる。
【0023】
また、第2の淹出チャンバ部は、周辺部分を含むと考えることができ、第1の淹出位置及び第2の淹出位置に移動可能な第2の淹出チャンバ部の少なくとも一部分が、中央部分であり、中央部分が、周辺部分に対して特に軸方向に第1の淹出位置及び第2の淹出位置に移動可能である。特に、そのような構成では、ロック機構は、淹出チャンバ、特にキャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、中央部分が第1の淹出位置にロックされることを防止するように構成することができる。上述したように、また、ロック機構は、第2のカプセルが淹出チャンバ内に装填されているときに、中央部分が第2の淹出位置に移動されることを選択的に可能にするように構成されると考えることができる。
【0024】
第2の淹出チャンバ部は、淹出チャンバ内に保持された対応するカプセルの第1又は第2の出口面に当接するための抽出プレートを有し、抽出プレートは、中央部分及び周辺部分を含むと規定することができる。換言すれば、装置は、互いに対して移動可能な少なくとも2つの部分を有するマルチパート抽出プレートを含むことができる。これらの2つの部分によって、淹出チャンバは、飲料調製用に使用される対応する第1又は第2の交換可能なカプセルに適合することができる。
【0025】
ロック機構は、淹出チャンバ、特にキャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、少なくとも一部分、特に中央部分を第1の淹出位置にロックするように構成することができる。
【0026】
ロック機構は、第1の交換可能なカプセルがキャビティ内に保持されているとき、特に淹出プロセス中に対応する圧力がチャンバ内で増大するときに、抽出プレートの一部である少なくとも一部分、特に中央部分がその必要な位置に位置したままであるように、設けることができる。これを保証するために、ロック機構は、キャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、少なくとも一部分、特に中央部分を第1の淹出位置にロックするように構成することができる。特に、装置の抽出プレート上に配置された解放要素に対して加圧されたことにより開放する出口面を有するカプセルを使用する飲料調製装置で、このロック機構は、第1の交換可能なカプセルが淹出チャンバ内に保持されているときに、少なくとも一部分、特に中央部分をその必要な位置、例えば、第1の淹出位置に固定することで、出口面の確実な開放を保証する。この確実な位置決めにより、一定の品質を有する繰返し可能な飲料製造プロセスとなる。
【0027】
装置は、一般的に、好ましくはなんらの使用又は入力なしに、それらのサイズが異なる第1の交換可能なカプセル及び第2の交換可能なカプセルを使用し、それぞれの個々のカプセルに対してカプセルの正しい抽出及び位置が提供されるよう、飲料調製プロセス中に第1の淹出位置又は第2の淹出位置のいずれかが提供されるように、抽出プレートを構成する可能性を提供することができる。
【0028】
ロック機構は、第2の交換可能なカプセルがキャビティ内に保持されているときに、少なくとも一部分、特に中央部分が第1の淹出位置にロックされることを防止するだけでなく、第2の交換可能なカプセルがキャビティ内に保持されているとき、又は調製プロセスの後で第1の交換可能なカプセル若しくは第2の交換可能なカプセルがキャビティから放出されるときに、中央部分の第1の淹出位置へのロックを解除することができるように構成することができる。これは、第2の淹出位置へのロックにも該当し得る。
【0029】
また、少なくとも一部分、特に中央部分が第2の淹出位置に配置されているとき、特にキャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに少なくとも一部分、特に中央部分が第1の淹出位置に移動することをそれぞれ構成されたロック機構によって可能することができると規定することができる。
【0030】
ロック機構は、キャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、少なくとも一部分、特に中央部分を準備位置から第2の淹出位置に移動可能であるように構成することができる。上述したように、準備位置は、装置へのカプセルの導入が可能である位置である。好ましくは、この準備位置では、準備位置から第2の淹出位置への方向から見て、少なくとも一部分、特に中央部分は、第1の淹出位置の前に配置される。この場合では、中央部分が準備位置から第2の淹出位置に移動している間に、第1の淹出位置を通過する。
【0031】
少なくとも一部分、特に中央部分は、準備位置に付勢する、好ましくは第1の淹出位置に付勢する及び/又は第2の淹出位置に付勢する、かつ好ましくは弾性部材によって付勢することができる。少なくとも一部分、特に中央部分を、特に準備位置から第1の淹出位置及び/又は第2の淹出位置に移動している間に、したがって、付勢力を克服しなければならない。この付勢力を提供する付勢手段、特に弾性部材、例えば、少なくとも1つのばねが、好ましくは、少なくとも一部分、特に中央部分に配置される。
【0032】
好ましくは、そのような付勢手段は、特に少なくとも一部分をその対応する第1又は第2の淹出位置に移動するためにカプセルによって克服されることになる、結果として生じる付勢力が、カプセルの出口面が裂ける力より小さいように構成される(特に、解放要素が抽出プレート上に設けられる場合では)。少なくとも一部分の付勢を提供することにより、特にロックされているときに第1及び第2の淹出位置での正確な位置決めを保証し、更に、飲料調製プロセスの後で、淹出チャンバの開放、すなわち、第1の淹出チャンバ部を第2の淹出チャンバ部から離れて移動することをサポートする。
【0033】
淹出チャンバの開放プロセス中に(特に、淹出の後で、かつ使用されたカプセルの放出のために)ロックを解除し、第1の淹出チャンバ部の第2の淹出チャンバ部からの離脱をサポートするように、ロック機構を設けることができる。更に、好ましくは、付勢された部分、特に中央部分との組合せで、飲料調製プロセスの後で、別の飲料調製プロセスを開始するために少なくとも一部分がその準備位置に移動するように、ロック機構を構成することができる。
【0034】
ロック機構、及び好ましくは第1の淹出チャンバ部は、ロック機構、特にロックプロセスを作動させるためのアクチュエータを含むことができる。このアクチュエータは、第1の淹出チャンバ部の前面を含むことができる。このアクチュエータにより、ロックプロセス、特に、少なくとも一部分、特に中央部分の第1の淹出位置及び/又は第2の淹出位置へのロックを作動させることができる。また、意図により、ロック解除を作動させることができる。
【0035】
ロック機構は、第2の淹出チャンバ部に対して第1の淹出チャンバ部を閉鎖している間に作動させるように構成することができる。閉鎖プロセス中に、少なくとも一部分、特に中央部分は、キャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、特に準備位置から第1の淹出位置に移動することができる、及び/又はキャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、特に準備位置から第2の淹出位置に移動することができる。ロックプロセスは、特にユーザからの更なる入力なしに、淹出チャンバ部の相対移動によって制御することができる。原則として、ロック機構は、キャビティ内に配置されたカプセルに依存して、対応する第1又は第2の淹出位置が淹出プロセスのために提供されるように、自己検出機構を設けることができる。
【0036】
システム、特に第1の淹出チャンバ部は、キャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、カプセル、特にカプセルの第1の出口面が、キャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときの第2の交換可能なカプセル、特に第2の交換可能なカプセルの第2の出口面より更に、キャビティ内に引っ込むように構成することができる。これにより、どのカプセルがキャビティ内に挿入されたかに依存したロック機構のアクティブ化が可能になる。一般的に、装置は、第1及び第2の交換可能なカプセルだけでなく、異なるサイズ等を有する第3及び更なるカプセルもまた淹出チャンバ内に挿入することができるように構成することができ、本明細書で言及した全ての特徴をこの状況に適用することができることを言及しなければならない。
【0037】
第1及び第2の交換可能なカプセルを淹出チャンバ、特にキャビティ内に保持するために、第1の淹出チャンバ部は、キャビティ内の第1の実質的に環状の当接面、及び第2の実質的に環状の当接面を有することができ、第1の当接面は、キャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、第1の交換可能なカプセル、好ましくはカプセルの第1のフランジに当接するように構成され、第2の当接面は、キャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、第2の交換可能なカプセル、特に第2の交換可能なカプセルの第2のフランジに当接するように構成され、第1の実質的に環状の当接面は、第2の実質的に環状の当接面から、好ましくは第1の淹出チャンバ部の実際の方向に間隔を空けられる。原則として、第1及び第2の交換可能なカプセルに対するキャビティ内の又はキャビティの当接面は、対応するカプセルがキャビティ内に保持されているときに、異なる位置に、特に第1の交換可能なカプセルの出口面が第2の交換可能なカプセルの出口面とは異なる平面に向けられるように配置される。第1の環状当接面及び/又は第2の環状当接面は、連続的に環状とすることができる、又は、少なくとも1つの、任意選択的に環に沿った複数のセグメントを含むなどの途切れた環状とすることができる。当接面は、例えば、1つ以上の例えば、キャビティ内に突出するアーチ形の稜線の形状を有することができる。また、一般的にキャビティ内に保持されたカプセル用のベアリングを提供するために、対応するリング又はセグメント構成を設けることができる。環状形状の付近に、また、特に当接エリアのカプセルの外側形状に相補的に、実質的に環状形状又は任意の他の形状を設けることができる。これらの形状はまた、環状当接面の上記の定義によって包含される。第2の当接面は、キャビティの開放端部付近又は開放端部に配置することができる。第1の実質的環状当接面及び第2の実質的環状当接面は、互いに対して固定とすることができる。
【0038】
第2の交換可能なカプセルは、中央部分を第1の淹出位置から第2の淹出位置に移動するように構成することができる。この移動は、特に、第2の交換可能なカプセルの出口面を少なくとも一部分、特に中央部分に当接することにより作動させることができる。第1の淹出チャンバ部を移動している間に、キャビティ内に保持された第2の交換可能なカプセルは、その出口面で少なくとも一部分、特に中央部分を押して、それを準備位置及び/又は任意の他の位置から第1の淹出位置に、更に第2の淹出位置に移動することができる。同じことは、第1の交換可能なカプセルに対しても該当する。この第1の交換可能なカプセルは、少なくとも一部分、特に中央部分を第1の淹出位置に移動するように構成することができる。この移動は、特に、第1の交換可能なカプセルの出口面を少なくとも一部分、特に中央部分に当接することにより作動させることができる。第1の淹出チャンバ部を移動している間に、キャビティ内に保持された第1の交換可能なカプセルは、その出口面で少なくとも一部分、特に中央部分を押して、それを準備位置及び/又は任意の他の位置から第1の淹出位置に移動することができる。
【0039】
システムは、第1の淹出チャンバ部を第2の淹出チャンバ部に対して閉鎖することにより、キャビティが第2の交換可能なカプセルを保持している場合、少なくとも一部分、特に中央部分が、ロック機構が第1の淹出チャンバ部によって作動される前に、第2の交換可能なカプセルによってロック機構を越えて押圧されるように構成することができる。詳細にはこれにより、第2の交換可能なカプセルがキャビティ内に保持されているときに、特に準備位置及び/又は第1の淹出位置から第2の淹出位置への間の自動的遷移が実行されることを保証する。ロック機構は、これに関して特に、第1の交換可能なカプセルが淹出チャンバ内に保持されているときに、少なくとも一部分、特に中央部分を第1の淹出位置のみにロックし、第2の淹出位置にロックしないように設けることができる。
【0040】
システムは、第1の淹出チャンバ部を第2の淹出チャンバ部に対して閉鎖している間に、キャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、中央部分が第1の交換可能なカプセルによってロック機構を越えて押される前に、ロック機構が第1の淹出チャンバ部によって作動されるように構成することができる。これにより、ロックプロセスが確実に機能することを保証する。
【0041】
周辺部分は、第2の淹出チャンバ部に対して固定であるように構成することができる。
【0042】
周辺部分は、淹出している間にキャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、第2の出口面に当接するように構成することができる。これに関して特に、出口面を解放するために、周辺部分に解放要素を設けることが可能である。また、解放要素を有さないベアリング部分のみとして、特に、淹出している間にキャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、カプセルのフランジ又はフランジ状リムエリアが当接するように、周辺部分を提供することも可能である。
【0043】
周辺部分は、淹出している間にキャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、第1の淹出チャンバ部に当接するように構成することができる。詳細には、第1の交換可能なカプセルは、第1の淹出チャンバ部及び第2の淹出チャンバ部が閉鎖され、それによって淹出位置を画定しているときに、第1の交換可能なカプセルが周辺部分に当接しないようにキャビティ内に保持することができる。
【0044】
中央部分は、淹出している間にキャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、第2の出口面に当接するように構成することができる。解放要素は、淹出プロセス中にカプセルを開放するために、中央部分及び/又は周辺部分に配置することができる。特定の実施形態では、周辺部分は、淹出している間にキャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、第1の出口面に当接するように構成することができる。
【0045】
上記に関して特に、第2の淹出位置で、中央部分は、周辺部分の平面と実質的に同一平面上の平面を提供するように構成されるように規定することができ、この平面で、好ましくは、解放要素は、第2の交換可能なカプセルの出口面を開放するように構成される。既に述べたように、これらの解放要素は、カプセルを開放するための任意の種類の受動又は能動解放要素とすることができ、中央部分若しくは周辺部分上のみ、又は両方の部分上のいずれかに更に配置することができる。解放要素の配置に依存して、出口面は、飲料を特定の出口エリアに排出するために、開放されることになる。
【0046】
ロック機構は、少なくとも一部分、特に中央部分を特に第1の淹出位置にロックするためのロッカー、特に回動可能なフィンガを含むことができ、ロッカーは、好ましくは第1の淹出チャンバ部の移動中にアクティベータによって作動される。ロッカーは、アクティベータによって直接的又は間接的に作動させることができ、片側ロック又は両側ロックを更に提供することができる。これは、ロック機構によって、第1の淹出位置から第2の淹出位置への移動に対する少なくとも一部分、特に中央部分のロックを提供し、反対方向、例えば、第1及び/又は第2の淹出位置から準備位置への移動を可能にすること(片側ロック)ができることを意味する。しかし、また、例えば、第1の淹出位置から第2の淹出位置へ、及び第1の淹出位置から準備位置へなど、両方向の移動をロックすること(両側ロック)ができるようにロック機構を構成することも可能であり得る。ロック機構は、第2の又は必要な任意の他の位置での中央部分のロックも提供するように構成することができるため、これはまた、第2の淹出位置又は任意の他の位置のあり得るロックに関しても該当し得る。
【0047】
ロック機構は、少なくとも一部分、特に中央部分を所望の、特に第1の淹出位置にロックするために、ロッカーをロック解除位置からロック位置に並進させるように第1の淹出部の閉鎖中にアクチュエータによって移動されるように構成された可動プッシャーを含むことができる。この可動プッシャーは、例えば、アクチュエータによって移動されてロッカーを作動させるようにアクチュエータに直接又は間接的に接触する押し棒とすることができる。プッシャーはまた、押しリング又は押しセグメントとすることができる。ロッカーが回動可能なフィンガである場合、可動プッシャーは、例えば、回動可能なフィンガをロック解除位置からロック位置に押すことができる。
【0048】
ロッカーは、特に弾性部材、例えば、引っ張りばねによってロック解除位置に付勢することができる。そのような付勢されたロッカーは、アクティベータによって、特に可動プッシャーによって作動させて、ロック解除位置からロック位置に並進させることができる。可動プッシャーがロッカーと接触しなくなると、付勢されたロッカーが、ロック解除位置に押し戻されるように構成することができる。ロック機構はまた、ロック解除位置からロック位置への、及びその逆の遷移が可動プッシャーによって制御されるように可動プッシャーがロッカーに接続されるように構成することができる。プッシャーは、可動プッシャーが1つの方向に移動するときに、ロッカーがロック解除位置からロック位置に並進され、可動プッシャーが反対方向に移動するときに、ロッカーがロック位置からロック解除位置に移動されるように構成する、特にロッカーに接続することができる。
【0049】
プッシャーは、第1の淹出チャンバ部のアクチュエータに向かって延長した位置に付勢することができる。特に、そのような構成では、第1の淹出チャンバ部は、第1の淹出チャンバ部が第2の淹出チャンバ部の方向に移動するときに、アクチュエータがプッシャーに接触して、それ自体の移動中にプッシャーを移動し、それによってロッカーをロック解除位置からロック位置に並進させるように構成される。プッシャーの付勢は、弾性要素によって提供することができる。これに関して特に、プッシャーを付勢するための弾性要素が、中央部分を付勢する弾性要素より小さい付勢力を提供すると規定することができる。
【0050】
ロック機構は、少なくとも一部分、特に中央部分、特に中央部分の移動の軸に沿って延びる中央部分のシャフトとロックして相互作用するように構成することができる。特に、ロッカーは、少なくとも一部分、特に中央部分、特に中央部分の対応するシャフトとロック及び解除して相互作用するように構成される。ロッカーは、突出要素、特に、ロック位置で中央部分の移動経路内に突出して、それによって少なくとも一部分、特に中央部分の移動を第1の淹出位置にロックするサムを含むことができる。これはまた、少なくとも一部分、特に中央部分を第2の淹出位置にロックすることができるように構成することができる。突出要素は、特に第1の淹出位置から第2の淹出位置への更なる移動に対して少なくとも一部分、特に中央部分をロックするように少なくとも一部分、特に中央部分が当接することができるベアリングを提供するように設けることができる。少なくとも一部分、特に中央部分は、好ましくは、ロッカー、特にその突出要素が係合することができるカウンターロッカーを含む。このカウンターロッカーは、例えば、少なくとも片側ロックのためにロッカーをロックして取り付けることができる突出部又は類似の突出要素とすることができる。特に両側ロックのために、少なくとも一部分、特に中央部分、及びロッカーは、両側ロックのための対応する係合要素、例えば、目違い継ぎ(tongue-and-groove joint)構成などを含むことができる。
【0051】
プッシャーは、第2の淹出チャンバ部の本体内で摺動自在に案内することができ、特に本体は、プッシャーが特に1つの摺動軸に沿って反対の2つの方向に摺動可能であるように支持するための対応する案内手段を提供する。
【0052】
ロッカーは、第2の淹出チャンバ部の本体で回動可能に構成することができ、任意選択的に、同じ本体で、プッシャーは、案内され、特に、回動可能なフィンガとして設けることができる。回動可能に構成されたロッカーを提供することにより、ロック解除位置からロック位置へ、及びその逆の並進を、容易に実施することができる。
【0053】
アクチュエータは、第1又は第2のカプセルがキャビティ内に保持されているかに依存して、それぞれ、第1の交換可能なカプセルによって中央部分がロック機構を越えて押される前にロック機構が第1の淹出チャンバ部でアクチュエータによって作動される、又は、第2の交換可能なカプセルによって少なくとも一部分、特に中央部分がロック機構を越えて押された後でロック機構が第1の淹出チャンバ部のアクチュエータによって作動されるように、アクチュエータから第2の淹出チャンバ部に向かう方向で見て、キャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、第1の交換可能なカプセルの最外部がアクチュエータに対して後方に配置され、キャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、第2の交換可能なカプセルの最外部がアクチュエータに対して前方に配置されるように構成することができる。
【0054】
ロック機構は、ロッカー及びプッシャーを有するように説明されているが、複数のプッシャー及び/又はロッカーが提供されると規定することができる。プッシャー及びロッカーは、棒状の形状を有して提供することができる。しかし、環状形状又はセグメント形状などを含むように、これらの要素を提供することも可能である。
【0055】
ロッカーは、好ましくは、ロッカーをロック解除位置からロック位置に連続的に並進させるように、アクチュエータが摺動することができる斜面を備えることができる。この斜面の形状並びにプッシャー及びアクチュエータそれぞれに対する位置によって、閉鎖のタイミングを制御することができる。プッシャーは、好ましくは、プッシャーから延び、好ましくは直交し、ロッカーと協働し、好ましくは摺動してロッカーをロック解除位置からロック位置に並進させるような斜面を有する、リップ又は任意の種類の類似の突起部を含む。説明したように、ロッカーは、弾性要素又は任意の類似の要素によってロック解除位置に付勢され、プッシャーとロッカーとの間、例えば、リップと斜面との間の接続が解除されるや否やロック位置からロック解除位置へのロッカーの後退となるように設けることができる。そのような斜面は、ロックを作動させるように設けることができるが、ロックを解除するように設けることもできる。
【0056】
前述したように、本発明はまた、消費に好適な分量の飲料を調製する方法に関する。冗長のため、これらの方法の異なる実施形態は詳細に説明しないが、本明細書で説明する、特にシステム、装置、及びカプセルそれぞれに言及する全ての特徴が参照される。これらの特徴はまた、飲料製品のための方法により提供することができる、及びその逆も同様であることが明らかである。
【0057】
これはまた、前述の説明した装置、第2の交換可能なカプセルの使用、第2の交換可能なカプセル、及び交換可能なカプセルのキットにも該当する。冗長のため、これらの異なる実施形態は詳細に説明しないが、本明細書で説明する、特にシステムに言及する全ての特徴が参照される。これらの特徴はまた、装置、第2の交換可能なカプセルの使用、第2の交換可能なカプセル、及び交換可能なカプセルのキットそれぞれにより提供することができる、及びその逆も同様であることが明らかである。
【0058】
再度、システムの観点で説明した実施形態、態様、特徴、及びオプションの任意のものが、装置、カプセル、及び方法に等しく該当することが理解されるであろう。また、上記の実施形態、態様、特徴、及びオプションのうちの任意の1つ以上を組み合わせることができることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
本発明を、図面に表現された例示的な実施形態に基づいて更に説明する。これらの例示的な実施形態は、非限定的な例示として提示される。これらの図は、非限定的な実施例として提示される本発明の実施形態の単なる概略図であることが留意される。
【0060】
図面において:
図1a】開放位置で第1の交換可能なカプセルを保持している、本発明による装置及びシステムそれぞれの一実施形態の概略図を示す。
図1b】第2の交換可能なカプセルを保持している、図1aの実施形態の概略図を示す。
図2a図1aによる装置の概略斜視図を示す。
図2b図2aによるシステムの概略半透明側面図を示す。
図3a】第1の交換可能なカプセルを保持している、図1によるシステムの詳細な概略図を示す。
図3b】第1の交換可能なカプセルを保持している、図1によるシステムの詳細な概略図を示す。
図4a】第2の交換可能なカプセルを保持している、図1によるシステムの詳細な概略図を示す。
図4b】第2の交換可能なカプセルを保持している、図1によるシステムの詳細な概略図を示す。
図5a図1のシステム及び第2の淹出チャンバ部に対する第1の淹出チャンバ部のロックプロセスの概略図を示す。
図5b図1のシステム及び第2の淹出チャンバ部に対する第1の淹出チャンバ部のロックプロセスの概略図を示す。
図5c図1のシステム及び第2の淹出チャンバ部に対する第1の淹出チャンバ部のロックプロセスの概略図を示す。
図6a】第1の交換可能なカプセルを保持している、図1によるシステムの概略図を示す。
図6b】第2の交換可能なカプセルを保持している、図1によるシステムの概略図を示す。
図7a】第1の交換可能なカプセルの排出中の図1の実施形態の側面図の概略図を示す。
図7b】第2の交換可能なカプセルの排出中の図1の実施形態の側面図の概略図を示す。
図8a】第1の交換可能なカプセルを保持している、第1の淹出チャンバ部の側面図の概略図を示す。
図8b】第2の交換可能なカプセルを保持している、第1の淹出チャンバ部の側面図の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1A及び図1Bは、飲料を調製するためのシステム1の概略断面図を示す。システムは、装置2と、少なくとも1つの交換可能なカプセル、すなわち、第2の交換可能なカプセル4Bと、更に任意選択的に第1の交換可能なカプセル4Aとを含む。ここでシステム1は、第2の交換可能なカプセル4B及び任意選択的に第1の交換可能なカプセル4Aと協働するように構成される。図1A及び図1Bに示す装置2は、同一の装置である。装置2は、第1の交換可能なカプセル4A(図1Aを参照)又は第2の交換可能なカプセル4B(図1Bを参照)のいずれかと選択的に協働するように構成される。システム1は、装置2と、第2の交換可能なカプセル4Bと、また第1の交換可能なカプセル4Aとを含むことができることが理解されるであろう。
【0062】
第1及び第2の交換可能なカプセル4A、4Bは、異なる種類のものである。この実施例では、第2の交換可能なカプセル4Bは、第1の交換可能なカプセル4Aより大きい。第2の交換可能なカプセル4Bの軸方向長さLは、第1の交換可能なカプセル4Aの軸方向長さLより長くすることができる。第2の交換可能なカプセル4Bの直径Dは、第1の交換可能なカプセル4Aの直径Dより大きくすることができる。この差にもかかわらず、この実施例では、第1及び第2の交換可能なカプセル4A、4Bは、類似の視覚的印象を与えるように設計されている。第1及び第2の交換可能なカプセル4A、4Bは、同じ系統の外観及び感触を有するように設計されている。ここで、第1の交換可能なカプセル4Aの軸方向長さと直径との比L/Dは、第2の交換可能なカプセル4Bの軸方向長さと直径との比L/Dと実質的に同じである。好ましくは、第1及び第2の交換可能なカプセルの長さと直径との比は、20%以内で、好ましくは10%以内で同じ、例えば、同一である。
【0063】
2つのカプセル4A及び4Bは、装置1に使用されることになるカプセルのセットを提供することができる。
【0064】
類似性の観点で、両方のカプセル4A、4Bを、ここで同時に説明する。この実施例では、カプセル4A、4Bはともに、カップ形状の本体6A、6Bを含む。ここでカップ形状の本体6A、6Bは、底部8A、8B及び周囲壁10A、10Bを含む。底部8A、8B及び周囲壁10A、10Bは、一体構造の部分を形成することができる。カプセル4A、4Bはともに、特に本体に取り付けられた蓋を含む、出口面12A、12Bを含む。出口面12A、12Bは、カップ形状の本体6A、6Bの開放端部を閉鎖する。ここで蓋は、開放端部を閉鎖する。出口面12A、12Bは、後述するようにカプセルから飲料を排出することができる出口エリア13A、13Bを含む。この実施例では、出口面12A、12Bは、カプセル4A、4Bのフランジ状のリム14A、14Bを含む。ここでリム14A、14Bは、外向きに延びるリムである。底部8A、8B、周囲壁10A、10B、及びリム14A、14Bは、一体構造の部分を形成することができる。ここで出口エリア13A、13Bは、飲料が潜在的にカプセル4A、4Bを出ることができる、出口面12A、12Bのエリア、及びここではまた蓋のエリアそれぞれを画定する。したがって、リム14A、14Bに密封された出口面12A、12Bのエリアは、出口エリア13A、13Bの一部を構成しない。この実施例では、カプセル4A、4Bは、底部8A、8Bから出口面12A、12Bに延びる軸回りに実質的に回転対称である。カップ形状の本体6A、6B及び出口面12A、12Bは、カプセルの内部空間16A、16Bを囲む。内部空間16A、16Bは、抽出可能な物質又は可溶性物質などの飲料調製製品の分量を含む。飲料調製製品は、例えば、焙煎して挽いたコーヒー、紅茶などとすることができる。飲料調製製品は、粉末コーヒーとすることができる。飲料調製製品は、液体とすることができる。カプセル4A、4Bのサイズの差の観点で、第2の交換可能なカプセル4Bは、第1の交換可能なカプセル4Aより多くの分量の飲料調製製品を含むことができることが理解されるであろう。この実施例では、第2の交換可能なカプセル4Bの内部空間16Bは、第1の交換可能なカプセル4Aの内部空間16Aの約2倍である。例えば、第1の交換可能なカプセル4Aは、4~8グラム、例えば、約6グラムの挽いたコーヒーを含むことができる。例えば、第2の交換可能なカプセル4Bは、8~16グラム、例えば、約12グラムの挽いたコーヒーを含むことができる。
【0065】
カップ形状の本体6A、6Bは、アルミニウム箔などの金属箔、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのプラスチック材料、又はそれらの組合せから製造することができる。カップ形状の本体6A、6Bは、プレス加工、深絞り加工、真空成形、射出成形などにより製造することができる。出口面、特に蓋は、アルミニウム箔などの金属箔、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのプラスチック材料、又はそれらの組合せから製造することができる。この実施例では、カプセル4A、4Bは、いわゆる密閉カプセルである。これは、装置への挿入の前に密閉されたカプセルを示す。密閉カプセルは、後述するように装置によって開放することができる。あるいは、密閉されていない又は再充填可能なカプセルも使用することができる。
【0066】
装置は、第1の淹出チャンバ部18と、第2の淹出チャンバ部20とを含む。第1及び第2の淹出チャンバ部18、20は、互いに対して閉鎖して、淹出チャンバ22A、22B(図1A図1Bに示されていない、図5及び図6を参照のこと)を形成することができる。
【0067】
第1の淹出チャンバ部18は、キャビティ24を含むことができる。キャビティ24は、第1又は第2の交換可能なカプセル4A、4Bを受け入れるように構成される。ここで第1の淹出チャンバ部18のキャビティ24は、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するように構成された所定のキャビティ24である。ここでキャビティ24は、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するための不変の形状を有する。ここで第1の淹出チャンバ部18は、第1の淹出チャンバ部18の構成を変更することなく、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するように構成される。この実施例では、第1の淹出チャンバ部18は、一体構造の部分である。この実施例では、第1の淹出チャンバ部18は、第1の当接面26を含む。第1の当接面は、キャビティ24の内側に配置することができる。ここで第1の当接面26は、第1の概ね環状の当接面である。第1の概ね環状の当接面26は、連続的に環状とすることができる、又は、少なくとも1つの、任意選択的に環に沿った複数のセグメントを含むなどの途切れた環状とすることができる。第1の当接面26は、例えば、1つ以上の、例えばキャビティ24内に突出するアーチ形の、稜線の形状をとることができる。ここで第1の当接面26は、段差形状を有するキャビティ24を提供する。この実施例では、第1の淹出チャンバ部18は、第2の当接面28を含む。第2の当接面は、キャビティ24の開放端部付近に配置することができる。ここで第2の当接面28は、第2の概ね環状の当接面である。第2の概ね環状の当接面28は、連続的に環状とすることができる、又は、環に沿った複数のセグメントを含むなどの途切れた環状とすることができる。第2の当接面28は、例えば、1つ以上の、例えば、アーチ形の、稜線の形状をとることができる。第1の当接面26及び第2の当接面28は、特に第1の淹出チャンバ部18の軸方向に相互距離で間隔を空けることができることが理解されるであろう。第1の当接面26及び第2の当接面は、相対的に固定とすることができる固定間隔で配置することができる。第1の当接面26及び第2の当接面は、互いに対して固定とすることができる。ここで、第1の淹出チャンバ部18は、エジェクタ38を含む。この実施例では、エジェクタ38は、円錐形リング及び/又は弾性要素42、ここではコイルばねを含む。第1の淹出チャンバ部18は、カプセルの底部を穿孔するための穿孔手段44を含むことができる。ここで穿孔手段は、3つのナイフなどの複数のナイフを含む。
【0068】
第2の淹出チャンバ部20は、抽出プレート30を含むことができる。この実施例では、抽出プレート30は、中央部分32及び周辺部分34を含む。中央部分32は、周辺部分34に対して移動可能である。ここで中央部分32は、第2の淹出チャンバ部20の軸方向に移動可能である。
【0069】
ここまで説明したようなシステム1は、以下のように飲料を調製するために使用することができる。更に、システム1の特徴を途中で説明する。
【0070】
図1A及び図1Bの実施例では、装置2は、カプセルを受け入れるための準備ができた状態、すなわち、開放又は装填位置にある。図1A及び図1Bでは、カプセル4A、4Bは、第1の淹出チャンバ部18のキャビティ24内に挿入されたところである。ここで、第1の淹出チャンバ部18は、傾斜した位置にある。カプセルの導入が可能な任意の位置に設けることができる。キャビティ24の開放端部は、実質的に上向きに向くことができる。
【0071】
図1Aに示すように、第1の交換可能なカプセル4Aは、特に重力の影響下で、キャビティ24内に落ちることができる。本明細書で、第1の交換可能なカプセル4Aのリム14Aは、第1の淹出チャンバ部18の内面36によって案内される。第1の交換可能なカプセル4Aの底部8Aは、キャビティ24内に、ここではエジェクタ38に当接するまで下がる。ここで、第1の交換可能なカプセル4Aの底部8Aは、エジェクタ38上に中心を置く。第1の交換可能なカプセル4Aのリム14Aは、第1の当接面26と第2の当接面28との間に配置されることが理解されるであろう。第1の交換可能なカプセル4Aの底部8Aは、この状態でまだ穿孔されていない。
【0072】
図1Bに示すように、第2の交換可能なカプセル4Bもまた、特に重力の影響下で、キャビティ24内に落ちることができる。本明細書で、第2の交換可能なカプセル4Bの周囲壁10Bは、第1の淹出チャンバ部18の内面46によって案内される。第2の交換可能なカプセル4Bの底部8Bは、キャビティ24内に、ここではエジェクタ38に当接するまで下がる。ここで、第2の交換可能なカプセル4Bの底部8Bは、エジェクタ38上に中心を置く。第2の交換可能なカプセル4Bのリム14Bは、穿孔手段44から見たときに第2の当接面28を越えて配置されることが理解されるであろう。第2の交換可能なカプセル4Bの底部8Bは、この状態でまだ穿孔されていない。
【0073】
また、ここでリム又は類似の突起部を有するカプセルを本発明による装置及びシステムで使用することができることに言及しなければならない。
【0074】
図1A及び図1Bに示すようにカプセル4A、4Bがキャビティ24内に挿入されると、第1の淹出チャンバ部18を、カプセル4A、4Bの周囲の淹出チャンバを閉鎖するために、第2の淹出チャンバ部20に向かって移動することができる。第1の淹出チャンバ部18は、装置のフレーム48内に案内される。
【0075】
この実施例では、第1の淹出チャンバ部18は、図2A及び図2Bに示すように、第1のボス50及び第2のボス52を含む。第1のボス50は、フレーム48の第1の溝54内に案内される。第2のボス52は、フレーム48の第2の溝56内に案内される。ボス50、52及び溝54、56は、第1の淹出チャンバ部18がその移動中に従うことになる経路を決定することが理解されるであろう。ここで、第1の溝54及び第2の溝56は、フレーム48の側壁57内に設けられている。第1の溝54は、側壁57内に第1の深さに延びることができる。第2の溝56は、側壁内に第2の深さに延びることができる。第2の深さは、第1の深さより深くすることができる。第1のボス50は、第2のボス52より大きな直径を有することができる、又はその逆も同様である。第1の溝54は、第2の溝56より大きな幅を有することができる、又はその逆も同様である。第1の溝54の幅は、第1のボス50の直径に対応する。第2の溝56の幅は、第2のボス52の幅に対応する。第1の溝54は、第2の溝56とは異なる軌道に沿って延びることが理解されるであろう。溝の異なる幅及び/又は深さにより、第1及び第2のボス50、52が異なる軌道に従うことが可能になる。この構成により、第1及び第2のボス50、52を案内するための非常に小型の構成が可能になる。
【0076】
装置2は、レバー58を含むことができる。レバーは、特に、ユーザによって手動で作動させることができる。レバーは、レバー軸60回りにフレーム48に回動可能に接続される。第1の淹出チャンバ部18は、ひざ継手62を介してフレーム48に接続される。ひざ継手62は、プッシュロッド64及びクランク66を含むことができる。プッシュロッド64は、ひざ軸68でクランク66に回動可能に接続することができる。クランク66は、クランク軸70でフレーム48に回動可能に接続することができる。レバー58は、動作中に第1の淹出チャンバ部18を作動させるためにひざ継手62に接続することができる。ここで、レバー58は、レバーリンク74を介してひざ継手62に接続することができる。レバーリンク74は、レバーリンク軸76でレバー58に回動可能に接続することができる。レバーリンク74は、ひざリンク軸78でプッシュロッド74に回動可能に接続することができる。
【0077】
図5に示すように、第1の淹出チャンバ部18の周囲に、拘束リング80を配置することができる。拘束リング80は、第1の淹出チャンバ部18に対して軸方向に移動可能とすることができる。ここで拘束リング80は、第1の淹出チャンバ部18の外面によって案内される。拘束リングは、1つ以上の弾性要素82、ここではコイルばねを介して第1の淹出チャンバ部に接続することができる。ここで、プッシュロッドは、プッシュロッド軸72で拘束リング80に回動可能に接続される。したがって、ここでひざ継手62は、第1の淹出チャンバ部18に間接的に、すなわち拘束リング80及び1つ以上の弾性要素82を介して接続される。拘束リングの機能は、後述する。
【0078】
レバー58が下方向に移動されると、ここでひざ継手62は、第1の淹出チャンバ部18を第2の淹出チャンバ部20に向かって押すことになる。同時に、第1及び第2の溝54、56の形状に起因して、第1の淹出チャンバ部18は、上向きに傾斜した向きから、第1の淹出チャンバ部18の軸方向が第2の淹出チャンバ部20の軸方向と位置合わせされた位置合わせした向きに回転されることになる。
【0079】
上述したように、装置2は、第1の交換可能なカプセル4A又は第2の交換可能なカプセル4Bのいずれかと選択的に協働するように構成される。ここで、システム1は、第1又は第2の交換可能なカプセルが挿入されたかに依存して、淹出チャンバを自動的に調整するように構成される。これにより、第1又は第2の交換可能なカプセルの適切な取り扱いを選択するためにユーザ入力が必要とされないという利点を提供する。したがって、間違いのリスクが大幅に低減される。
【0080】
図3に示すように、装置は、第1及び第2の交換可能なカプセル4A、4Bのうちの1つを選択的に保持するための淹出チャンバ21を形成する第1の淹出チャンバ部18及び第2の淹出チャンバ部20を含む。装置は、圧力下で一定量の水などの流体を第1の淹出チャンバ部18に供給するための流体供給システムを更に含む。
【0081】
本発明によれば、第2の淹出チャンバ部20の少なくとも一部分32、ここでは例えば、中央部分32は、第1の淹出位置及び第2の淹出位置に移動可能である。
【0082】
詳細には、第1の淹出チャンバ部18は、装填位置と淹出位置との間で移動可能であり、装填位置における第1の淹出チャンバ部18は、第2の淹出チャンバ部20とともに、カプセル4A、4Bを淹出チャンバ21内に挿入することができる開放位置を画定する。更に、淹出位置における第1の淹出チャンバ部18は、第1の淹出位置における第2の淹出チャンバ部20の少なくとも一部分32、例えば、中央部分32とともに、第1の交換可能なカプセル4Aが淹出チャンバ21内に適合する閉鎖位置を画定し、淹出位置における第1の淹出チャンバ部18は、第2の淹出位置における第2の淹出チャンバ部20の少なくとも一部分32とともに、第2の交換可能なカプセル4Bが淹出チャンバ21内に適合する閉鎖位置を画定する。
【0083】
第2の淹出チャンバ部20は、中央部分32及び周辺部分34を有する抽出プレート30を含むことができる。ここで中央部分32は、特に第2の淹出チャンバ部20の軸方向に移動可能である。本明細書でこの中央部分に対して与えられる仕様はまた、第2の淹出チャンバ部の移動可能な少なくとも一部分に対しても適用することができ、中央部分は、単に、この少なくとも一部分32の特定の実施形態である。
【0084】
この実施例での中央部分32は、フレーム48に対して軸方向に摺動自在に移動可能なシャフト32’を含む。中央部分32は、弾性部材84、ここではコイルばねを介して、第2の淹出チャンバ部、特にフレーム48に接続することができる。弾性部材84は、中央部分を図1A及び図1Bの準備位置に付勢する。準備位置は、この実施例では延長した位置である。中央部分32は、第1の交換可能なカプセル4Aと協働するための第1の淹出位置に配置することができる。中央部分は、第2の交換可能なカプセル4Bと協働するための第2の淹出位置に配置することができる。中央部分32は、準備位置に付勢する、好ましくは第1の淹出位置に付勢する及び/又は第2の淹出位置に付勢することができる。説明したように、付勢する、すなわち、特にプレテンションのために、弾性部材又は類似の引っ張り要素を設けることができる。
【0085】
この実施例では、システム1は、キャビティ24が第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、少なくとも一部分、特に中央部分32を第1の淹出位置又はその付近に選択的にロックするように構成されたロック機構86を含む。ロック機構は、第2のカプセル4Bが淹出チャンバ21内に装填されているときに、第2の淹出チャンバ部20の少なくとも一部分32が第1の淹出位置又はその付近にロックされることを選択的に防止するように構成されると考える。また、ロック機構86は、第2のカプセル4Bが淹出チャンバ21内に装填されているときに、第2の淹出チャンバ部20の少なくとも一部分32が第2の淹出位置に移動されることを選択的に可能にするように構成することができる。また、ロック機構86は、第1のカプセル4Aが淹出チャンバ21内に装填されているときに、第2の淹出チャンバ部20の少なくとも一部分32が第2の淹出位置に移動されることを選択的に防止するように構成されると考える。
【0086】
また、中央部分の第2の淹出位置より第1の淹出位置に近い位置のロック及び/又は防止それぞれは、この定義によって包含することができる。この第1の淹出位置の画定に関して、上記の概要部も参照される。
【0087】
一般的に、かつ既に説明したように、システム、特に第2の交換可能なカプセル4Bは、中央部分32を第1の淹出位置から第2の淹出位置に移動するように構成することができる。また、システムは、第1の淹出チャンバ部18を第2の淹出チャンバ部20に対して閉鎖している間に、キャビティ24が第2の交換可能なカプセル4Bを保持している場合、中央部分32が、ロック機構86が第1の淹出チャンバ部18によって作動される前に、第2の交換可能なカプセル4Bによってロック機構86を越えて押圧されるように構成することが可能である。更に、システムは、第1の淹出チャンバ部18を第2の淹出チャンバ部20に対して閉鎖している間に、キャビティ24が第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、中央部分32が第1の交換可能なカプセル4Aによってロック機構を越えて押される前に、ロック機構86が第1の淹出チャンバ部18によって作動されるように構成することができると考える。
【0088】
カプセル4A、4Bの淹出位置に関して、周辺部分34は、淹出している間にキャビティ24が第2の交換可能なカプセル4Bを保持しているときに、第2の出口面12Bに当接するように構成されると考えることができる。また、周辺部分34は、淹出している間にキャビティが第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、第1の淹出チャンバ部18に当接するように構成することができる。更に、中央部分32を、淹出している間にキャビティ24が第2の交換可能なカプセル4Bを保持しているときに、第2の出口面12Bに当接するように構成する、及び/又は、淹出している間にキャビティが第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、第1の交換可能なカプセル4Aの第1の出口面12Aに当接するように構成することもできることが可能であり得る。
【0089】
ロック機構86は、ロッカー88を含むことができる。ここでロッカー88は、旋回軸90回りに回動可能な、回動可能なフィンガとして設計される。ロッカー88は、シャフト32’から離れて軸支された位置、特にロック解除位置に付勢することができる。ロッカーはまた、任意の他の好適な位置に付勢することができる。ロック機構86は、更に、プッシャー92を含むことができる。プッシャーは、第2の淹出部20の本体94内に摺動自在に案内することができる。プッシャー92は、弾性部材96、ここではコイルばねを介して本体94に接続することができる。弾性部材96は、プッシャーを延長した位置に、特に第1の淹出チャンバ部のアクチュエータに向かって付勢する。第1の淹出チャンバ部18は、そのようなアクチュエータ98を含むことができる。ここでアクチュエータは、第1の淹出チャンバ部18の前面によって形成される。アクチュエータ98は、それぞれ、第1の交換可能なカプセルによって中央部分32がロック機構86を越えて押される前にロック機構86が第1の淹出チャンバ部18によって作動される、又は、第2の交換可能なカプセルによって中央部分がロック機構を越えて押された後でロック機構86が第1の淹出チャンバ部18によって作動されるように、第2の淹出チャンバ部22に向かう方向で見て、キャビティ24が第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、第1の交換可能なカプセル4Aの最外部がアクチュエータ98に対して後方に配置され、キャビティ24が第2の交換可能なカプセル4Bを保持しているときに、第2の交換可能なカプセルの最外部がアクチュエータ98に対して後方に配置されるように構成することができる。
【0090】
任意選択的にロッカー、特に回動可能なフィンガを含むロック機構86は、中央部分を第1の淹出位置にロックするように構成され、ロッカーは、好ましくは第1の淹出チャンバ部の移動中にアクティベータによって作動させることができる。
【0091】
原則として、ロック機構は、キャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、中央部分を第1の淹出位置にロックするように構成することができる。更に、ロック機構は、キャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、中央部分が第1の淹出位置にロックされることを防止するように構成することができる。
【0092】
図3A及び図3Bは、キャビティ24が第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときのロック機構86の動作を示す。この実施例では、ここでは出口面12A、出口エリア13A、及び/又はリム14Aによって形成された第1の交換可能なカプセル4Aの最外部は、後方に、すなわち、アクチュエータ98に対してより穿孔手段44に向かって配置される。結果として、第1の交換可能なカプセル4Aを第2の淹出チャンバ部20に向かって前進させるときに、アクチュエータ98は、第1の交換可能なカプセル4Aの最外部が中央部分32に接触することになる前に、プッシャー92に接触することになる。プッシャーを、弾性部材96の付勢力に抗して押すことができる。プッシャー92のリップ100は、ロッカー88の傾斜面102に沿って摺動して、ロッカー88をロック位置に向かって、ここではシャフト32’に向かって並進させる、特に旋回させることができる。結果として、ロックが係合する、特にここでは、ロッカー88のサム104を、中央部分32の一部106の移動の経路内に配置することができる(図3Bを参照のこと)。第1の交換可能なカプセル4Aが第2の淹出チャンバ部20に向かって更に前進させられると、第1の交換可能なカプセル4Aは、中央部分32に当接することになる。これにより、中央部分を弾性部材84の付勢力に抗して押させることができる。特に軸支されたロッカー88は、一部106がサム104に当接する位置を越えた中央部分の移動を防止する。これは、本明細書で第1の(淹出)位置として画定される。したがって、第1の交換可能なカプセル4Aは、中央部分32を準備位置から第1の淹出位置に移動するように構成される。第1の交換可能なカプセル4Aは、淹出している間に第1の淹出チャンバ部18と第2の淹出チャンバ部20との間に保持され、中央部分32は、第1の淹出位置にある。これは、淹出位置であるとして画定される。
【0093】
図4A及び図4Bは、キャビティ24が第2の交換可能なカプセル4Bを保持しているときのロック機構86の動作を示す。この実施例では、ここでは出口面12B、出口エリア13B、及び/又はリム14Bによって形成された第2の交換可能なカプセル4Bの最外部は、前方に、すなわち、アクチュエータ98に対してより第2の淹出チャンバ部20に向かって配置される。装置、特にキャビティは、キャビティが第1の交換可能なカプセルを保持しているときに、第1の出口面が、キャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときの第2の出口面より更にキャビティ内に引っ込むように構成することができることを言及しなければならない。
【0094】
結果として、第2の交換可能なカプセル4Bを第2の淹出チャンバ部20に向かって前進させているときに、第2の交換可能なカプセル4Bの最外部は、アクチュエータ98がプッシャー92に接触することになる前に中央部分32に当接することができる。ロッカー88が依然ロック解除位置にある、特にシャフト32’から離れて軸支されている間に、中央部分32を弾性部材84の付勢力に抗して押すことができる。結果として、一部106は、サム104の下を通過した。一部106がサム104を通過した後でのみ、アクチュエータ98によってプッシャーが弾性部材96の付勢力に抗して押される。プッシャー92のリップ100は、ロッカー88の傾斜面102に沿って依然摺動して、ロッカー88をシャフト32’に向かって旋回させることになる。しかし、一部106は、その時点で既にサム104を通過している。この実施例では、第2の交換可能なカプセル4Bは、本体94との当接で中央部分32を押す。これは、本明細書で第2の淹出位置として画定される。したがって、第2の交換可能なカプセル4Bは、中央部分32を準備位置から第2の淹出位置に移動するように構成される。第2の交換可能なカプセル4Bは、淹出している間に第1の淹出チャンバ部18と第2の淹出チャンバ部20との間に保持され、中央部分32は、第2の淹出位置にある。
【0095】
したがって、ロック機構86は、第2の交換可能なカプセル4Bが淹出チャンバに含まれているときに、少なくとも一部分、特に中央部分32が第1の淹出位置又はその付近にロックされることを防止するように構成される。
【0096】
ロックは、片側とすることができる、すなわち、ロック機構は、キャビティ24が第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、中央部分32が第1の淹出位置を越えて移動されることを防止することができることが留意される。しかし、中央部分32の第1の淹出位置から準備位置への移動は、防止されなくてもよい。
【0097】
ロック機構86は、キャビティ24が第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、少なくとも一部分、特に中央部分32を第1の淹出位置にロックするように構成することができる。ロック機構86は、第2の交換可能なカプセルが淹出チャンバに含まれているときに、中央部分32が第2の淹出位置に移動されることを可能にするように構成することができる。
【0098】
図3A及び図4Aを比較すると、第1の淹出チャンバ部18を第2の淹出チャンバ部20に向かって前進させている間に、ここで第1の交換可能なカプセル4Aは、第2の交換可能なカプセル4Bより第1の淹出チャンバ部内に更に引っ込んでいることが理解されるであろう。この場合、第1の出口面12A、出口エリア13A、及び/又はリム14Bは、第2の出口面12B、出口エリア13B、及び/又はリム14Bより第1の淹出チャンバ部18内に更に引っ込んでいる。
【0099】
図3B及び図4Bを比較すると、淹出チャンバが第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、ここで中央部分32は、キャビティ24内に延びることが理解されるであろう。特に、中央部分32は、第2の交換可能なカプセルが第1の淹出チャンバ部18に含まれていた場合に第2の交換可能なカプセル4Bの出口面12B、出口エリア13B、及び/又はリム14Bがあったであろう位置を越えて、第1の淹出チャンバ部18内に延びる。
【0100】
上記の観点から、ロック機構86は、キャビティ24が第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、中央部分32が第1の淹出位置にロックされることを防止するように構成することができると言うことができる。更に、ロック機構は、キャビティが第2の交換可能なカプセルを保持しているときに、中央部分24が第2の淹出位置に移動されることを可能にするように構成することができる。特にこれに関して、中央部分32は、キャビティ24が第2の交換可能なカプセル4Bを保持しているときに、準備位置から第2の淹出位置に移動可能とすることができる、並びに/又は、キャビティ24が第2の交換可能なカプセル4B及び/若しくは第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、準備位置から第1の淹出位置に移動可能とすることができる。
【0101】
上述したように、ひざ継手62は、第1の淹出チャンバ部18に間接的に、すなわち拘束リング80及び1つ以上の弾性要素82を介して接続することができる。図5A図5Cは、任意選択的に本明細書で説明するシステム及び装置それぞれに設けることができる、拘束リング80の動作を示す。原則として、この拘束リング80の概念は、飲料製品を淹出するためのカプセルを囲む淹出チャンバを提供するために、第2の淹出チャンバ部に対して移動可能な第1の淹出チャンバ部を有する、任意の種類の飲料調製装置で使用することができる。
【0102】
図5Aで、第1の交換可能なカプセル4Aは、中央部分が第1の淹出位置の状態で中央部分32に当接する。拘束リング80は、依然後方位置にある。レバー58は、まだその端部位置に到達していないであろうことが理解されるであろう。第1の淹出チャンバ部18は、突起部108を含むことができる。ここで突起部108は、実質的に環状の突起部である。突起部108は、外向きに延びることができる。ここで突起部108は、第1の淹出チャンバ部18の最外縁部を形成する。第2の淹出チャンバ部20は、保持器110を含むことができる。ここで保持器110は、保持器リップの周囲リングとして設計される。保持器110は、本体94に回動可能に接続することができる。ここで保持器110は、本体94に弾性的に回動可能に接続される。保持器110は、歯112を含むことができる。ここで歯は、第1の傾斜面114及び第2の傾斜面116を有する。
【0103】
移動している、特にここでレバー58を下げているときに、拘束リング80は、第2の淹出チャンバ部20に向かって前進させられることになる。第1の淹出チャンバ部18は、特に1つ以上の弾性要素82によって、拘束リング80の前に、第1の淹出チャンバ部が第2の淹出チャンバ部20に当接するまで、例えば、カプセル4A、4Bが2つの部分によって囲まれ、特に間に固定された状態で、押されることになる。この移動中に、突起部108は、第1の傾斜面114に対して前進することができる。これにより、保持器110を外向きに旋回させる(図5Aを参照)。更なる前進により、突起部108を第2の傾斜面116を越えて通過させ、保持器110を内向きに旋回させる(図5Bを参照)。更なる移動、特にレバー58を下げることにより、第1の淹出チャンバ部が第2の淹出チャンバ部20に当接している間に、1つ以上の弾性要素82を圧縮させることになる。結果として、拘束リング80は、第2の淹出チャンバ部20に向かって前進することになる。レバー58を完全に下げることにより、保持器110とロックリング118との間に拘束リング80を介在させることになる(図5Cを参照)。保持器110の周囲の拘束リング80は、保持器110が外向きに旋回するのを防止する。したがって、第1の淹出チャンバ部は、第2の淹出チャンバ部20に対してロックされる。第1の淹出チャンバ部は、第2の淹出チャンバ部20上にロックされる。
【0104】
装置は、圧力下で温水などの流体、例えば、液体を第1の淹出チャンバ部18に供給するための流体供給システムを含むことができる。淹出チャンバが飲料を淹出するための流体で加圧されると、第1及び第2の淹出チャンバ部18、20は、流体圧力によって互いから離れて押されることになる。保持器110及び拘束リング80、及び任意選択的にロックリング118は、流体圧力によって作用する力の全て又は一部を支えることになる。保持器110とロックリング118との間に介在する拘束リング80は、機械的安定性を増大する。拘束リング80は、ロックリング118に当接して、保持器110によって拘束リングに作用する力の少なくとも一部をロックリング118に伝達することができるため、この力の全てを支える必要はない。ロックリング118は、固定とすることができ、したがって、容易に強化することができる。第1の淹出チャンバ部が第2の淹出チャンバ部20上にロックされるため、フレーム48、及び作動機構、例えば、ひざ継手は、この力、又はその少なくともより小さな部分を支える必要はない。したがって、フレーム及び/又は作動機構は、より弱く及び/又はより安価に設計することができる。
【0105】
第1の交換可能なカプセル4Aに関して、拘束リング80の動作を図5A図5Cに示したが、拘束リング80は、第2の交換可能なカプセル4Bに関して全く同様に機能することができることが理解されるであろう。図6Aは、抽出中の淹出チャンバ内の第1の交換可能なカプセル4Aを示す。図6Bは、抽出中の淹出チャンバ内の第2の交換可能なカプセル4Bを示す。
【0106】
穿孔部材44は、カプセル4A、4Bの底部8A、8Bを穿孔するように構成することができる。図5A図5Cで見ることができるように、この実施例では、穿孔部材44は、カプセル4A、4Bの出口面12A、12Bが中央部分32に第1又は第2の淹出位置で当接するまで、底部8A、8Bを穿孔しない。それに加えて、弾性要素42及び弾性部材84の剛性を選択することができる。この実施例では、弾性要素42の剛性は、弾性部材84の剛性より大きいように選択される。しかし、弾性要素42の剛性が弾性部材84の剛性と等しい、又は弾性要素42の剛性が弾性部材の剛性より小さいことも可能であることが理解されるであろう。
【0107】
カプセル4A、4Bが淹出チャンバに含まれ、かつ底部8A、8Bが穿孔されると、流体、この実施例では圧力下の温水を、淹出チャンバに供給することができる。したがって、淹出チャンバは、漏れないことが望まれる。それに加えて、中央部分32は、第1の密封部材120を備えることができる。周辺部分34は、第2の密封部材122を備えることができる。飲料調製装置2は、第1の交換可能なカプセル4A又は第2の交換可能なカプセル4Bのいずれかを用いて消費に好適な分量の飲料を調製するように構成される。分量は、所定の分量とすることができる。分量はまた、ユーザが選択可能な、ユーザが設定可能な、又はユーザがプログラム可能な分量とすることができる。
【0108】
図3Bを参照して、第1の交換可能なカプセル4Aの観点での密封を説明する。第1の密封部材120は、第1の交換可能なカプセル4Aを保持するための淹出チャンバを形成するときの、中央部分32と第1の淹出チャンバ部18との間の流体密封係合を提供するように構成することができる。この実施例では、第1の密封部材120は、第1の交換可能なカプセル4Aが淹出チャンバに含まれているときに第1の淹出チャンバ部18に当接する。これにより、水がカプセル4Aの外側のキャビティ24内に存在するための密封を提供する。このように、淹出チャンバ22Aに注入された淹出流体は、カプセル4Aの外側の周りに迂回することを防止される。図3Bの実施例では、第1の密封部材120は、弾性リップ121を含むことができる。弾性リップ121は、淹出チャンバ内の流体圧力の影響下で中央部分32と第1の淹出チャンバ部18との間の自己強化密封係合を提供するように構成することができる。この実施例では、第1の密封部材120は、第1の交換可能なカプセル4Aのリム14Aに当接する。リム14Aは、第1の当接面26によって第1の密封部材120に対して加圧される。これにより、出口エリア13Aを介してカプセル4Aを出る飲料に対して中央部分32とカプセル4Aとの間の密封係合を提供することができる。ここで、リムを蓋によって、例えば、箔によって覆うことができる又はできない、カップ形状の本体6Aから離れて向いたリム14Aの面は、第2の淹出チャンバ部20に対して密封されることが理解されるであろう。あるいは、又は加えて、カップ形状の本体6Aに向かって向いたリム14Aの面は、第1の淹出チャンバ部18に対して密封することができる。それに加えて、第1の淹出チャンバ部18上、例えば、第1の当接面26上、及び/又はカプセル4A上、例えば、リム14A上に、追加の密封を提供することができる。カプセル上の密封は、第1の淹出チャンバ部18と第2の淹出チャンバ部20との間の密封に追加とすることができることが明らかであろう。これにより、第1の密封部材120による密封効果を低減することができる。
【0109】
図4Bを参照して、第2の交換可能なカプセル4Bの観点での密閉を説明する。第2の密封部材122は、第2の交換可能なカプセル4Bを保持するための淹出チャンバを形成するときの、周辺部分34と第1の淹出チャンバ部18との間の流体密封係合を提供するように構成することができる。この実施例では、第2の密封部材122は、第2の交換可能なカプセル4Bが淹出チャンバに含まれているときに第1の淹出チャンバ部18に当接する。これにより、水がカプセル4Bの外側のキャビティ24内に存在するための密封を提供する。図3Bの実施例では、第2の密封部材122は、弾性リップ123を含む。弾性リップ123は、淹出チャンバ内の流体圧力の影響下で周辺部分34と第1の淹出チャンバ部18との間の自己強化密封係合を提供するように構成することができる。この実施例では、第2の密封部材122は、第2の交換可能なカプセル4Bのリム14Bに当接する。リム14Bは、第2の当接面28によって第2の密封部材122に対して加圧される。これにより、出口エリア13Bを介してカプセル4Bを出る飲料に対して周辺部分34とカプセル4Bとの間の密封係合を提供することができる。
【0110】
図4Bでは、第1の密封部材120は、第2の交換可能なカプセル4Bを保持するための淹出チャンバを形成するときの、中央部分32と周辺部分34との間の密封係合を提供する。中央部分32と周辺部分34との間のこの密封係合は、自己強化とすることができる。それに加えて、周辺部分34と第2のカプセル4Bとの間の係合は、淹出流体が第1の密封部材120に通ることを可能にすることができる。したがって、第1の密封部材120は、出口エリア13Bを介してカプセル4Bを出る飲料に対して中央部分32とカプセル4Bとの間の密封係合を提供する。ここで、リムを蓋によって、例えば、箔によって覆うことができる又はできない、カップ形状の本体6Bから離れて向いたリム14Bの面は、第2の淹出チャンバ部20に対して密封されることが理解されるであろう。あるいは、又は加えて、カップ形状の本体6Bに向かって向いたリム14Bの面は、第1の淹出チャンバ部18に対して密封することができる。それに加えて、第1の淹出チャンバ部18上、例えば、第2の当接面28上、及び/又はカプセル4B上、例えば、リム14B上に、追加の密封を提供することができる。カプセル上の密封は、第1の淹出チャンバ部18と第2の淹出チャンバ部20との間の密封に追加とすることができることが明らかであろう。これにより、第2の密封部材122による密封効果を低減することができる。
【0111】
圧力下の流体が淹出チャンバ内のカプセル4A、4Bに供給されると、出口エリア13A、13Bは、抽出プレート30に対して開放することができる。この実施例の抽出プレート30は、複数の解放要素124を含む。ここで解放要素124は、角錐台である。カプセル4A、4B内部の圧力の上昇により、出口エリア13A、13Bを解放要素に対して裂けさせて、飲料がカプセル4A、4Bを出ることを可能にすることができる。
【0112】
飲料は、抽出プレート内の開口部を介して抽出プレート30を通過することができる。次に、飲料は、放出口126に流れることができる。放出口126から、飲料は、カップなどの容器内に流れることができる。
【0113】
飲料が淹出されたら、レバー58を、上向きに移動することができる。これにより、拘束リング80を保持器110から離れて移動させる。次に、第1の淹出チャンバ部18は、後方に移動されることになる。保持器110の第2の傾斜面116は、保持器が突起部108を通過することを可能にすることができる。第1の淹出チャンバ部18は、第2の淹出チャンバ部20から離れて移動することになる。中央部分32は、準備位置に戻ることになる。ボス50、52及び溝54、56は、第1の淹出チャンバ部18が従うことになる経路を決定する。
【0114】
図7A及び図7Bに示すように、第1の淹出チャンバ部は、下方に旋回することになる。これにより、重力の影響下で、使用されたカプセル4A、4Bのキャビティ24からの排出を促進する。エジェクタ38は、カプセル4A、4Bを穿孔部材44から外し、かつキャビティ24の外に押すことを助成することができる。使用されたカプセル4A、4Bは、装置2の廃棄物バスケット内に落ちることができる。
【0115】
この実施例では、第1及び第2の交換可能なカプセル4A、4Bは、類似の視覚的印象を与えるように設計されている。
【0116】
図8Aは、第1の淹出チャンバ部18及び第2の淹出チャンバ部20によって形成された淹出チャンバ22A内に挿入された第1の交換可能なカプセル4Aの一実施例を示す。周囲壁10Aは、その位置でキャビティ24より細いことが理解されるであろう。結果として、キャビティ24内部に第1の交換可能なカプセル4Aの周囲の第1の容積126が存在する。
【0117】
図8Bは、第1の淹出チャンバ部18及び第2の淹出チャンバ部20によって形成された淹出チャンバ22B内に挿入された第2の交換可能なカプセル4Bの一実施例を示す。周囲壁10Bの一部128は、その位置でキャビティ24より細いことが理解されるであろう。この一部128は、第1の当接面26を越えて延びる周囲壁10Bの一部によって形成される。結果として、キャビティ24内部に第2の交換可能なカプセル4Bの周囲の第2の容積130が存在する。
【0118】
第1の容積126は、淹出チャンバが第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、第1の交換可能なカプセル4Aによって占有されないことが留意される。しかし、この第1の容積126は、淹出チャンバが第2の交換可能なカプセル4Bを保持しているときに、第2の交換可能なカプセル4Bの一部によって占有される。第2の容積130は、淹出チャンバが第2の交換可能なカプセル4Bを保持しているときに、第2の交換可能なカプセル4Bによって占有されない。この第2の容積130は、淹出チャンバが第1の交換可能なカプセル4Aを保持しているときに、抽出プレート30の中央部分32を受け入れる。
【0119】
第1の交換可能なカプセル4Aを使用して飲料を淹出しているときに、第1の容積126は、水などの流体で充填されることになり、この流体は、飲料を淹出するために使用されない。この流体は、淹出した後で廃棄物バスケットに排出することができる。第2の交換可能なカプセル4Bを使用して飲料を淹出しているときに、第2の容積130は、水などの流体で充填されることになり、この流体は、飲料を淹出するために使用されない。この流体は、淹出した後で容器、例えば、廃棄物バスケットに排出することができる。この実施例では、第1の容積126は、第2の容積130に実質的に等しい。したがって、廃棄物バスケットに向けられる流体の体積は、第1の交換可能なカプセル4Aを使用して飲料を淹出するときと、第2の交換可能なカプセル4Bを使用して飲料を淹出するときとで実質的に等しい。
【0120】
本明細書では、本発明は、本発明の実施形態の特定の実施例を参照して説明されている。しかしながら、本発明の本質から逸脱することなしに、様々な修正及び変更を行うことができることは明白であろう。明瞭性及び簡潔な説明のために、本明細書では、特徴は、同じ又は別個の実施形態の一部として説明されているが、これらの別個の実施形態で説明した特徴の全て又は一部の組合せを有する代替の実施形態もまた、想定されている。
【0121】
実施例では、抽出プレートの中央部分は、複数の解放要素を含む。周辺部分は、解放要素を含まない。しかし、周辺部分も解放要素を含むことができることが理解されるであろう。抽出プレート及び第2の出口エリアは、互いに、開放されたときの第2の出口エリアの流動抵抗が、開放されたときの第1の出口エリアの流動抵抗より小さい、又はその逆のように適合することができる。抽出プレート及び第2の出口エリアは、互いに、第2の出口エリアが、第1の出口エリアより大きな表面積にわたって抽出プレート上で裂ける、又はその逆のように適合することができる。抽出プレート及び第2の出口エリアは、互いに、第2の出口エリアが、第1の出口エリアより多くの位置で抽出プレート上で裂けるように適合することができる。これはまた、第1の出口エリアに関しても該当する。外側の解放要素は、第1及び第2の出口エリアの両方を裂くように設計することができ、第2の出口エリアは、第1の出口エリアより大きな表面積にわたって外側の解放要素上で裂ける。抽出プレートは、第1の種類の解放要素、及び第2の種類の少なくとも1つの解放要素を含むことができ、第1の種類の解放要素は、第1の出口エリアに対応するエリア内に配置され、第2の種類の少なくとも1つの解放要素は、第2の出口エリアに対応するエリア内、及び第1の出口エリアに対応するエリアの外側に配置される。第2の種類の解放要素は、第1の種類の解放要素より鋭いエッジを有することができる。第2の出口エリアは、弱くなった区域を含むことができる。弱くなった区域は、第2の出口エリアの周辺エリアに配置することができる。
【0122】
実施例では、第1及び第2の交換可能なカプセルは、実質的に同じ形状を有する。異なる形状を有する第3のカプセルを提供することも可能である。第3のカプセルは、例えば、中央部分が第1の淹出位置にあるときに淹出チャンバを実質的に満たすように成形することができる。異なる形状などを有する第4のカプセルを提供することも可能である。第4のカプセルは、例えば、中央部分が第2の淹出位置にあるときに淹出チャンバを実質的に満たすように成形することができる。
【0123】
実施例では、第1の交換可能なカプセルは、外向きに延びるフランジ状のリムを有する。第1の交換可能なカプセルは、外向きに延びるリムを含まないことが可能であることが理解されるであろう。実施例では、第2の交換可能なカプセルは、外向きに延びるフランジ状のリムを有する。第2の交換可能なカプセルは、外向きに延びるリムを含まないことが可能であることが理解されるであろう。
【0124】
実施例では、カプセル本体、及び出口面、特に蓋は、アルミニウム箔、出口面の本体への容易な溶着を可能にするための好ましいポリマーコーティングしたアルミニウム箔で製造される。カプセル本体及び/又は出口面は、当業者によって好適と考えられ、かつ、押出し成形、共押出し成形、射出成形、ブロー成形、真空成形などの当該技術分野で従来公知の技術を用いてシート、フィルム、又は箔に加工することができる、多様な材料で製造することができることが理解されるであろう。カプセル本体及び/又は出口面用の好適な材料としては、プラスチック材料、特に熱可塑性材料、例えば、ポリオレフィンポリマー、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン、PVC、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウムなどの金属箔、ステンレス鋼、金属合金等、又は、紙、ポリエステルなどの織った若しくは不織の若しくは別の方法で加工した繊維性材料のシート、又はそれらの組合せ、例えば、多層が挙げられるが、これらに限定されない。カプセル用の材料は、生分解性ポリマー又は別の生分解性材料とすることができる。当業者は、食品材料との想定される使用及びカプセルの使用中のあらゆる他の関連状況を考慮して、適切な材料を選択することができるであろう。シート又は箔の厚さは、形状が安定したカプセルが提供されるように選択することができる。シート又は箔の厚さは、材料の性質により異なることができる。
【0125】
実施例では、カプセルは、密閉カプセルである。開放カプセルを有するシステムを提供することも可能である。開放カプセルは、装置に挿入される前に開放している。開放カプセルは、予め穿孔することができる。開放カプセルは、開放カプセルを装置に挿入する前に除去しなければならない密封した包装容器に包装することができる。実施例では、カプセルは、穿孔手段によって穿孔される。穿孔手段によって穿孔されないカプセルを有するシステムを提供することも可能である。そのようなカプセルは、例えば、入口フィルタを含むことができる。実施例では、カプセルは、抽出プレートに対して開放する。抽出プレートに対して開放しないカプセルを有するシステムを提供することも可能である。そのようなカプセルは、例えば、出口フィルタを含むことができる。
【0126】
実施例では、カプセル自体は、密封部材を含まない。密封部材、例えば、弾性の及び/又は塑性変形する密封部材を有するカプセルを提供することが可能であることが理解されるであろう。密封部材は、例えば、リム上、例えば、カップ形状の本体に向かって向いた面上、又はカップ形状の本体から離れて向いた面上に配置することができる。あるいは、又は加えて、密封部材は、周囲壁上、及び/又は底部上に設けることができる。
【0127】
実施例では、拘束リング及び保持器は、実質的に第1及び第2の淹出チャンバ部の周囲全体に沿って延びる。これにより、2つの淹出チャンバ部の互いへの特に良好なロックを提供する。しかし、拘束リング及び保持器は、周囲に沿った1つ以上の別個の位置、例えば、2つ、3つ、4つ、6つ、又は8つの位置に拘束手段及び保持手段を含むことも可能であることが理解されるであろう。
【0128】
第1の交換可能なカプセルを使用して飲料を淹出するが、第2の交換可能なカプセルを使用して飲料を淹出することができないように構成された第1の装置を提供することも可能であることが理解されるであろう。そのような第1の装置は、図に関連して説明したような装置と、第1の交換可能なカプセルと、任意選択的に第2の交換可能なカプセルとを有するシステムに含めることができる。
【0129】
第2の交換可能なカプセルを使用して飲料を淹出するが、第1の交換可能なカプセルを使用して飲料を淹出することができないように構成された第2の装置を提供することも可能であることが理解されるであろう。そのような第2の装置は、図に関連して説明したような装置と、第2の交換可能なカプセルと、任意選択的に第1の交換可能なカプセルとを有するシステムに含めることができる。
【0130】
しかし、他の修正形態、変形形態、及び代替形態もまた、可能である。したがって、仕様、図面、及び実施例は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられるべきである。
【0131】
明瞭性及び簡潔な説明のために、本明細書では、特徴は、同じ又は別個の実施形態の一部として説明されているが、本発明の範囲は、説明した特徴の全て又は一部の組合せを有する実施形態を含むことができることが理解されるであろう。
【0132】
特許請求の範囲において、括弧の間に配置されたあらゆる参照符号は、特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきではない。語句「含む/備える(comprising)」は、特許請求の範囲に列挙されたもの以外の他の特徴又はステップの存在を除外しない。更に、語句「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、「1つだけの(only one)」に限定されると解釈されるべきではなく、代わりに「少なくとも1つの(at least one)」を意味するために使用され、複数を除外しない。特定の手段が互いに異なる請求項で列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B