(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】ALK4:ActRIIBヘテロ多量体およびその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/62 20060101AFI20230201BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20230201BHJP
C07K 16/00 20060101ALI20230201BHJP
C07K 14/705 20060101ALI20230201BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230201BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20230201BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230201BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20230201BHJP
C12N 15/85 20060101ALI20230201BHJP
A61K 38/43 20060101ALI20230201BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20230201BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20230201BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20230201BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230201BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230201BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230201BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20230201BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20230201BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230201BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20230201BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20230201BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20230201BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20230201BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20230201BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20230201BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230201BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20230201BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230201BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/137 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/428 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/4152 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C07K19/00
C07K16/00
C07K14/705
C12N15/12
C12N15/13
C12N5/10
C12P21/02 C
C12N15/85 Z
A61K38/43
A61K38/17
A61K45/00
A61P21/04
A61P21/00
A61P35/00
A61P11/00
A61P11/06
A61P29/00
A61P13/12
A61P37/06
A61P17/00
A61P9/00
A61P1/16
A61P3/00
A61P7/00
A61P1/04
A61P1/18
A61P3/10
A61P3/04
A61P3/06
A61P9/12
A61P9/10
A61P9/10 101
A61P9/10 103
A61P9/04
A61P19/06
A61P15/00
A61P29/00 101
A61P19/02
A61P19/00
A61P13/02
A61P35/02
A61P31/04
A61K31/7088
A61K31/573
A61K31/137
A61K31/428
A61K31/4152
A61K31/496
(21)【出願番号】P 2019518299
(86)(22)【出願日】2017-10-05
(86)【国際出願番号】 US2017055426
(87)【国際公開番号】W WO2018067879
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-10-02
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509125475
【氏名又は名称】アクセルロン ファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】クマール, ラビンドラ
(72)【発明者】
【氏名】グリンバーグ, アシャ
(72)【発明者】
【氏名】サコ, ダイアン エス.
(72)【発明者】
【氏名】カストンギー, ロズリーヌ
【審査官】太田 雄三
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-518009(JP,A)
【文献】特開2016-037488(JP,A)
【文献】特表2015-500002(JP,A)
【文献】Caterina Bianco et al.,Cripto-1 Activates Nodal- and ALK4-Dependent and -Independent Signaling Pathways in Mammary Epithelial Cells,MOLECULAR AND CELLULAR BIOLOGY,2002年,Vol. 22、No.8,pp. 2586-2597
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C07K 16/00
C07K 14/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ALK4-Fc融合タンパク質とActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
(a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、
(1)配列番号9のアミノ酸34~101と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むALK4ドメインと、
(2)IgG1 FcドメインであるFcドメインと
を含み、前記IgG1 Fcドメインは、配列番号31の位置N162におけるアルギニン置換(N162R)および配列番号31の位置D179におけるアルギニン置換(D179R)を含み、前記アミノ酸置換が、前記ALK4-Fc融合タンパク質の等電点(pI)を変化させ、かつ
(b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、
(1)配列番号1のアミノ酸29~109と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むActRIIBドメインと、
(2)IgG1 FcドメインであるFcドメインと
を含み、前記IgG1 Fcドメインは、
配列番号31のK138位におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138DまたはK138E)、および/または配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217DまたはK217E)を含み、アミノ酸の前記置換が、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させ
る、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
【請求項2】
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31の位置K138におけるグルタミン酸置換(K138E)および配列番号31の位置K217におけるアスパラギン酸置換(K217D)を含む、請求項1に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
【請求項3】
アクチビンA、アクチビンB、GDF8、GDF11、BMP6、BMP10、およびGDF3からなる群から選択される1つまたは複数のリガンドによるシグナル伝達を阻害する、請求項1または2に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体、ALK4-Fc融合タンパク質、またはActRIIB-Fc融合タンパク質。
【請求項4】
BMP9のシグナル伝達を持続的に阻害しない、請求項1から3のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
【請求項5】
対応するActRIIBホモ多量体と比較して強いアクチビンBの阻害剤である、請求項1から4のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
【請求項6】
前記リガンドシグナル伝達が、細胞に基づくアッセイにおいて測定される、請求項3から5のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
【請求項7】
ヘテロ二量体である、請求項1から6のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
【請求項8】
前記1つまたは複数のアミノ酸修飾が、pIを少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.3、1.5、1.7、2.0、2.3、2.5、2.7、3.0、3.3、3.5、3.7、または少なくとも4.0変化させる、請求項1から7のいずれか一項に記載のヘテロ多量体またはFc融合タンパク質。
【請求項9】
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ALK4-Fc融合タンパク質と前記ActRIIB-Fc融合タンパク質との間の等電点の差異の増大が付与されるか、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質と前記ALK4-Fc融合タンパク質との間の等電点の差異の増大が付与されるか、または
c)前記ALK4-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ALK4-Fc融合タンパク質と前記ActRIIB-Fc融合タンパク質との間の等電点の差異の増大が付与され、かつ前記ActRIIB-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質と前記ALK4-Fc融合タンパク質との間の等電点の差異の増大が付与される、請求項1~8のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のヘテロ多量体と、薬学的に許容される担体とを含む医薬調製物。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載のALK4-Fc融合タンパク質のコード配列を含む、組換え核酸。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項に記載のActRIIB-Fc融合タンパク質のコード配列を含む、組換え核酸。
【請求項13】
1)請求項11に記載のALK4ポリペプチドのコード配列に作動可能に連結したプロモーター配列、および/または
2)請求項12に記載のActRIIBポリペプチドのコード配列に作動可能に連結したプロモーター配列
を含む、組換えポリヌクレオチド。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項15】
請求項11から13のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドまたは請求項14に記載のベクターによって形質転換された細胞。
【請求項16】
ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体を作製す
る方法であって、
1)ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で細胞を培養するステップであって、前記細胞が、請求項11に記載の組換えポリヌクレオチドおよび請求項12に記載の組換えポリヌクレオチドを含むか、もしくは前記細胞が、請求項13に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、ステップ、または
2)a)第1の細胞をALK4ポリペプチドの発現に適した条件下で培養するステップであって、前記第1の細胞が、請求項11に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、ステップと;
b)そのように発現したALK4ポリペプチドを回収するステップと;
c)第2の細胞をActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で培養するステップであって、前記第2の細胞が、請求項12に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、ステップと;
d)そのように発現したActRIIBポリペプチドを回収するステップと;
e)前記回収したALK4ポリペプチドと前記回収したActRIIBポリペプチドとをALK4:ActRIIBヘテロ多量体形成に適した条件下で組み合わせるステップと
を含む、方法。
【請求項17】
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
【請求項18】
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号76のアミノ酸配列を含み、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号72のアミノ酸配列を含む、請求項17に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
【請求項19】
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号38のリーダー配列を含むか、または前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号38のリーダー配列を含む、請求項17に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
【請求項20】
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
【請求項21】
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
【請求項22】
筋肉喪失または不十分な筋肉の成長に関連する障害の処置を必要とする患者において、筋肉喪失または不十分な筋肉の成長に関連する障害を有する患者を処置するための医薬の製造における、請求項1~9のいずれか一項に記載のヘテロ多量体の使用。
【請求項23】
前記患者が筋萎縮または筋ジストロフィーを有する、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記患者がデュシェンヌ型筋ジストロフィーまたは顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを有する、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
線維症または線維症に関連する障害もしくは状態の処置を必要する患者において、線維症または線維症に関連する障害もしくは状態を処置するための医薬の製造における請求項1~9のいずれか一項に記載のヘテロ多量体の使用。
【請求項26】
前記線維症に関連する障害または状態が、肺線維症、過敏性肺炎、特発性線維症、結核、肺炎、嚢胞性線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、腎(腎臓)線維症、腎(腎臓)不全、慢性腎(腎臓)疾患、骨線維症、骨髄線維症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、サルコイドーシス、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、ペイロニー病、肝線維症、ウィルソン病、グリコーゲン蓄積症(特に、III型、IV型、IX型、およびX型)、鉄過剰症、ゴーシェ病、ツェルウェーガー症候群、非アルコール性およびアルコール性の脂肪性肝炎、胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、バッド・キアリ症候群、手術関連線維症、クローン病、デュピュイトラン拘縮(Duputren’s contracture)、縦隔線維症、腎性線維症、後腹膜線維症、心房線維症、心内膜心筋線維症、膵線維症から選択される、請求項25に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互作用
本出願は、2016年10月5日に出願された米国仮出願第62/404,727号および2017年5月24日に出願された米国仮出願第62/510,417号からの優先権の利益を主張する。前記出願の明細書は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
形質転換増殖因子-ベータ(TGF-ベータ)スーパーファミリーは、共通の配列エレメントおよび構造モチーフを共有する種々の増殖因子を含有する。これらのタンパク質は、脊椎動物および無脊椎動物どちらにおいても多種多様な細胞型に対して生物学的効果を発揮することが公知である。当該スーパーファミリーのメンバーは、胚発生中にパターン形成および組織特定化において重要な機能を果たし、脂肪生成、筋形成、軟骨形成、心臓発生、造血、神経発生、および上皮細胞分化を含めた種々の分化プロセスに影響を及ぼし得る。当該ファミリーは、2つの一般的な系統学的クレード:TGF-ベータ、アクチビン、およびノーダルを含む、つい最近進化したスーパーファミリーのメンバー、ならびに、いくつものBMPおよびGDFを含む、当該スーパーファミリーの、関連性がより遠いタンパク質のクレードに分類される[Hinck(2012年)FEBS Letters、586巻:1860~1870頁]。TGF-ベータファミリーメンバーは、多様な、多くの場合に相補的である生物学的効果を有する。TGF-ベータファミリーのメンバーの活性を操作することにより、多くの場合、生物体において有意な生理的変化を引き起こすことが可能である。例えば、ピエモンテおよびベルジャンブルーウシ品種は、GDF8(ミオスタチンとも称される)遺伝子に、筋肉量の顕著な増加を引き起こす機能喪失型突然変異を有する[Grobetら(1997年)Nat Genet.、17巻(1号):71~4頁]。さらに、ヒトでは、GDF8の不活性対立遺伝子が筋肉量の増加、および報告によれば、例外的な強度に関連付けられている[Schuelkeら(2004年)N Engl J Med、350巻:2682~8頁]。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Hinck(2012年)FEBS Letters、586巻:1860~1870頁
【文献】Grobetら(1997年)Nat Genet.、17巻(1号):71~4頁
【文献】Schuelkeら(2004年)N Engl J Med、350巻:2682~8頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
線維症、筋肉、骨、脂肪、および他の組織における変化は、TGF-ベータファミリーのリガンドによって媒介される細胞内シグナル伝達(例えば、SMAD1、2、3、5、および/または8)を増強または阻害することによって実現することができる。したがって、TGF-ベータスーパーファミリーの種々のリガンドの活性を制御する作用剤が必要とされている。
本明細書に記載される通り、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体タンパク質は、TGF-ベータスーパーファミリーのリガンドの優れたアンタゴニストであり、対応するActRIIBおよびALK4のホモ二量体と比較して、異なるリガンド結合プロファイル/選択性を示すことが発見されている。特に、例示的なALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、いずれかのホモ二量体と比較してアクチビンBに対する増強された結合を示し、ActRIIBホモ二量体について観察されるように、アクチビンA、GDF8、およびGDF11に対する強力な結合を保持し、BMP9、BMP10、およびGDF3に対する実質的に減少した結合を示す。実際、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、BMP9に対する低いか、または観察不可能な親和性を示すが、このリガンドは、ActRIIBホモ二量体に強く結合する。
図4を参照されたい。したがって、これらの結果は、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体が、AcrRIIBホモ二量体と比較して、TGF-ベータスーパーファミリーの特定のリガンドのより選択的なアンタゴニスト(阻害剤)であることを示している。したがって、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、そのような選択的拮抗作用が有利である、ある特定の適用では、ActRIIBホモ二量体よりも有用である。例としては、アクチビン(例えば、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンAB、アクチビンAC)、GDF8、およびGDF11のうちの1つまたは複数を、BMP9、BMP10、およびGDF3のうちの1つまたは複数の拮抗作用を低下させて拮抗することが望ましい治療適用が挙げられる。
【0005】
さらに、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、2つの複合体の異なるリガンド選択性にもかかわらず、ActRIIBホモ二量体のものと著しく類似した特定の生物学的効果をもたらした。例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、ActRIIB-Fcホモ二量体のものと非常に類似する、骨格筋および骨に対する有益な同化効果、ならびに脂肪組織に対する異化効果を発揮する。しかしながら、ActRIIBホモ二量体と違って、ActRIIB:ALK4ヘテロ二量体は、BMP9およびBMP10に対する低親和性のみ、または一過的な結合を示し、したがって、血管新生などの、これらのリガンドによって媒介されるプロセスをほとんどまたは全く、同時に阻害しない。この新規の選択性は、例えば、筋肉および骨に対する刺激効果、ならびに/または脂肪に対する阻害効果を必要とするが、血管新生の変更を必要としない患者の処置において有用であり得る。さらに、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、腎臓疾患のマウスモデルにおいて、特に腎損傷、炎症、および線維症の処置または予防に対して、種々の有益な効果を及ぼした。したがって、特定の作用機序に拘束されることを望まないが、アクチビン(例えば、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンAB、およびアクチビンAC)、GDF8、および/またはGDF11の少なくとも1つまたは複数に結合/阻害するALK4:ActRIIBヘテロ多量体、およびそのバリアントが、骨格筋および骨に対する有益な同化効果、脂肪組織に対する異化効果、ならびに腎臓疾患に対する有益な効果を促進するための有用な薬剤となることが予想される。
【0006】
したがって、本開示は部分的に、少なくとも1つのALK4ポリペプチドおよび少なくとも1つのActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体複合体(ヘテロ多量体)(ALK4:ActRIIBヘテロ多量体)に関する。好ましくは、ALK4ポリペプチドは、ALK4受容体のリガンド結合ドメイン、例えばALK4細胞外ドメインの一部を含む。同様に、ActRIIBポリペプチドは、ActRIIB受容体のリガンド結合ドメイン、例えばActRIIB細胞外ドメインの一部を一般に含む。好ましくは、そのようなALK4およびActRIIBのポリペプチド、ならびにその結果得られるヘテロ多量体は可溶性である。好ましくは、そのようなALK4およびActRIIBのポリペプチド、ならびにその結果得られるヘテロ多量体は組換えタンパク質である。好ましくは、そのようなALK4およびActRIIBのポリペプチド、ならびにその結果得られるヘテロ多量体は単離されたタンパク質である。
【0007】
ある特定の態様では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号9のアミノ酸24~34のいずれか1つ(例えば、アミノ酸24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、および34)で始まり、配列番号9のアミノ酸101~126のいずれか1つ(例えば、アミノ酸101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、および126)で終わる、ポリペプチドと少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むALK4ドメインを含む。例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号9のアミノ酸34~101と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号9のアミノ酸24~126と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号10と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるALK4のアミノ酸配列を含み得る。
【0008】
他の態様では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号19のアミノ酸24~34のいずれか1つ(例えば、アミノ酸24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、および34)で始まり、配列番号19のアミノ酸101~126のいずれか1つ(例えば、アミノ酸101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、および126)で終わる、ポリペプチドと少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むALK4ドメインを含む。例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号19のアミノ酸34~101と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号19のアミノ酸24~126と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号20と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるALK4のアミノ酸配列を含み得る。
【0009】
ある特定の態様では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号1のアミノ酸20~29のいずれか1つ(例えば、アミノ酸20、21、22、23、24、25、26、27、28、および29)で始まり、配列番号1のアミノ酸109~134のいずれか1つ(109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、および134)で終わる、ポリペプチドと少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むActRIIBドメインを含む。例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号1のアミノ酸29~109と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号1のアミノ酸25~131と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号2と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるActRIIBのアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号3と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるActRIIBのアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号1のL79に対応する位置に酸性アミノ酸(例えば、天然に存在するアミノ酸EもしくはD、または人工の酸性アミノ酸)を含むActRIIBポリペプチドを含まない。
【0010】
他の態様では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号4のアミノ酸20~29のいずれか1つ(例えば、アミノ酸20、21、22、23、24、25、26、27、28、および29)で始まり、配列番号4のアミノ酸109~134のいずれか1つ(109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、および134)で終わる、ポリペプチドと少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むActRIIBドメインを含む。例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号4のアミノ酸29~109と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号4のアミノ酸25~131と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号5と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるActRIIBのアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号6と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるActRIIBのアミノ酸配列を含み得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、配列番号1のL79に対応する位置に酸性アミノ酸(例えば、天然に存在するアミノ酸EもしくはD、または人工の酸性アミノ酸)を含むActRIIBポリペプチドを含まない。
【0011】
本明細書に記載される通り、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の構造は、例えば、ヘテロ二量体、ヘテロ三量体、ヘテロ四量体、ヘテロ五量体、およびより高次のヘテロ多量体複合体を含む。例えば、
図6を参照されたい。ある特定の好ましい実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体はヘテロ二量体である。
【0012】
ある特定の態様では、ALK4および/またはActRIIBのポリペプチドは、融合タンパク質であり得る。例えば、一部の実施形態では、ALK4ポリペプチドは、ALK4ポリペプチドドメインおよび1つまたは複数の異種(非ALK4)ポリペプチドドメインを含む融合タンパク質(例えば、ALK4-Fc融合タンパク質)であり得る。同様に、一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、ActRIIBポリペプチドドメインおよび1つまたは複数の異種(非ActRIIB)ポリペプチドドメインを含む融合タンパク質(例えば、ActRIIB-Fc融合タンパク質)であり得る。
【0013】
一部の実施形態では、ALK4ポリペプチドは、免疫グロブリンのFcドメインを含む融合タンパク質である。同様に、一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、免疫グロブリンのFcドメインを含む融合タンパク質である。従来のFc融合タンパク質および抗体は無誘導相互作用対の例であり、一方で種々の工学的に作製されたFcドメインは非対称相互作用対として設計されている[Spiessら、(2015年)Molecular Immunology67巻(2A号):95~106頁]。したがって、本明細書に記載の相互作用対の第1のメンバーおよび/または第2のメンバーは、例えば免疫グロブリンのFc部分を含めた免疫グロブリンの定常ドメインを含み得る。例えば、相互作用対の第1のメンバーは、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)、IgA(IgA1またはIgA2)、IgE、またはIgMの免疫グロブリンのFcドメインに由来するアミノ酸配列を含み得る。そのような免疫グロブリンドメインは、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体形成を促進する、1つまたは複数のアミノ酸修飾(例えば、欠失、付加、および/または置換)を含み得る。同様に、相互作用対の第2のメンバーは、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)、IgA(IgA1またはIgA2)、IgE、またはIgMのFcドメインに由来するアミノ酸配列を含み得る。そのような免疫グロブリンドメインは、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾(例えば、欠失、付加、および/または置換)を含み得る。例えば、相互作用対の第2のメンバーは、配列番号23~37のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。一部の実施形態では、相互作用対の第1のメンバーおよび第2のメンバーは、同じ免疫グロブリンクラスおよびサブタイプに由来するFcドメインを含む。他の実施形態では、相互作用対の第1のメンバーおよび第2のメンバーは、異なる免疫グロブリンのクラスまたはサブタイプに由来するFcドメインを含む。
【0014】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含むALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、ALK4-Fc融合タンパク質が、ALK4-Fc融合タンパク質の等電点(pI)を変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾(例えば、アミノ酸置換、カチオン化、脱アミノ化、カルボキシル末端アミノ酸異種性、リン酸化、およびグリコシル化)を含み、かつ/またはActRIIB-Fc融合タンパク質が、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質における1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、ALK4-Fc融合タンパク質とActRIIB-Fc融合タンパク質との間のpIの差異の増大が付与される。他の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質における1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、ActRIIB-Fc融合タンパク質とALK4-Fc融合タンパク質との間のpIの差異の増大が付与される。さらに他の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質における1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、ALK4-Fc融合タンパク質とActRIIB-Fc融合タンパク質との間のpIの差異の増大が付与され、ActRIIB-Fc融合タンパク質における1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、ActRIIB-Fc融合タンパク質とALK4-Fc融合タンパク質との間のpIの差異の増大が付与される。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、pIを少なくとも0.1(例えば、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.3、1.5、1.7、2.0、2.3、2.5、2.7、3.0、3.3、3.5、3.7、または少なくとも4.0)変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、pIを少なくとも0.1(例えば、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.3、1.5、1.7、2.0、2.3、2.5、2.7、3.0、3.3、3.5、3.7、または少なくとも4.0)変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、pIを少なくとも0.1(例えば、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.3、1.5、1.7、2.0、2.3、2.5、2.7、3.0、3.3、3.5、3.7、または少なくとも4.0)変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含み、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、pIを少なくとも0.1(例えば、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.3、1.5、1.7、2.0、2.3、2.5、2.7、3.0、3.3、3.5、3.7、または少なくとも4.0)変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質とActRIIB-Fc融合タンパク質のpIの差異は少なくとも0.7である(例えば、pIの差異が少なくとも0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または少なくとも4.0であるまたはそれよりも大きい)。
【0015】
ある特定の態様では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを増大させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含むALK4-Fc融合タンパク質と、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを低下させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含むActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む。例えば、ALK4-Fc融合タンパク質を、1つまたは複数の中性または負荷電アミノ酸を1つまたは複数の正荷電アミノ酸[例えば、アルギニン(R)、リシン(K)、またはヒスチジン(H)]で置換することによって修飾することができる。同様に、ActRIIB-Fc融合タンパク質を、1つまたは複数の中性または正荷電アミノ酸を1つまたは複数の負荷電アミノ酸[例えば、アスパラギン酸(E)またはグルタミン酸(D)]で置換することによって修飾することができる。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG1 Fcドメインである。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号31のN162に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号31のD179に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N162R、N162K、またはN162H);b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D179R、D179K、またはD179H);ならびにc)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N162R、N162K、またはN162H)および配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D179R、D179K、またはD179H)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニンによる置換(N162R);b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニンによる置換(D179R);ならびにc)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニンによる置換(N162R)および配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニンによる置換(D179R)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG2 Fcドメインである。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、a)配列番号32のN160に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号32のD177に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号32のN160に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号32のD177に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、a)配列番号32のN160に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N160R、N160K、またはN160H);b)配列番号32のD177に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D177R、D177K、またはD177H);ならびにc)配列番号32のN160に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N160R、N160K、またはN160H)および配列番号32のD177に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D177R、D177K、またはD177H)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG3 Fcドメインである。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、a)配列番号33のS169に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号33のD186に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号33のS169に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号33のD186に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、a)配列番号33のS169に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(S169R、S169K、またはS169H);b)配列番号33のD186に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D186R、D186K、またはD186H);ならびにc)配列番号33のS169に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(S169R、S169K、またはS169H)および配列番号33のD186に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D186R、D186K、またはD186H)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG4 Fcドメインである。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、a)配列番号35のN166に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号35のD183に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号35のN166に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号35のD183に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、a)配列番号35のN166に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N166R、N166K、またはN166H);b)配列番号35のD183に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D183R、D183K、またはD183H);ならびにc)配列番号35のN166に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N166R、N166K、またはN166H)および配列番号32のD183に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D183R、D183K、またはD183H)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG1 Fcドメインである。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のK138に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号31のK138に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号31のK217に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のK138に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138EまたはK138D);b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217EまたはK217D);ならびにc)配列番号31のK138に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138EまたはK138D)および配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217EまたはK217D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のK138に対応する位置におけるグルタミン酸による置換(K138E);b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸による置換(K217D);ならびにc)配列番号31のK138に対応する位置におけるグルタミン酸による置換(K138E)および配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸による置換(K217D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG2 Fcドメインである。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2融合Fcドメインは、a)配列番号32のK136に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号32のK215に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号32のK136に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号32のK215に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、a)配列番号32のK136に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K136EまたはK136D);b
)配列番号32のK215に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K215EまたはK215D);ならびにc)配列番号32のK136に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K136EまたはK136D)および配列番号32のK215に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K215EまたはK215D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG3 Fcドメインである。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3融合Fcドメインは、a)配列番号33のK145に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号33のK224に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号33のK145に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号33のK224に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、修飾されたActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、a)配列番号33のK145に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K145EまたはK145D);b)配列番号33のK224に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K224EまたはK224D);ならびにc)配列番号33のK145に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K145EまたはK145D)および配列番号33のK224に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K224EまたはK224D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG4 Fcドメインである。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4融合Fcドメインは、a)配列番号35のK142に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号35のK221に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号35のK142に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号35のK221に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、a)配列番号35のK142に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K142EまたはK142D);b)配列番号35のK221に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K221EまたはK221D);ならびにc)配列番号35のK142に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K142EまたはK142D)および配列番号35のK221に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K221EまたはK221D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。
【0016】
ある特定の態様では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを増大させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含むActRIIB-Fc融合タンパク質と、ALK-Fc融合タンパク質のpIを低下させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含むALK4-Fc融合タンパク質とを含む。例えば、ActRIIB-Fc融合タンパク質を、1つまたは複数の中性または負荷電アミノ酸を1つまたは複数の正荷電アミノ酸[例えば、アルギニン(R)、リシン(K)、またはヒスチジン(H)]で置換することによって修飾することができる。同様に、ALK4-Fc融合タンパク質を、1つまたは複数の中性または正荷電アミノ酸を1つまたは複数の負荷電アミノ酸[例えば、アスパラギン酸(E)またはグルタミン酸(D)]で置換することによって修飾することができる。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG1 Fcドメインである。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号31のN162に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号31のD179に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N162R、N162K、またはN162H);b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D179R、D179K、またはD179H);ならびにc)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N162R、N162K、またはN162H)および配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D179R、D179K、またはD179H)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニンによる置換(N162R);b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニンによる置換(D179R);ならびにc)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニンによる置換(N162R)および配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニンによる置換(D179R)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG2 Fcドメインである。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、a)配列番号32のN160に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号32のD177に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号32のN160に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号32のD177に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、a)配列番号32のN160に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N160R、N160K、またはN160H);b)配列番号32のD177に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D177R、D177K、またはD177H);ならびにc)配列番号32のN160に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N160R、N160K、またはN160H)および配列番号32のD177に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D177R、D177K、またはD177H)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG3 Fcドメインである。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、a)配列番号33のS169に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号33のD186に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号33のS169に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号33のD186に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、修飾されたActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、a)配列番号33のS169に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(S169R、S169K、またはS169H);b)配列番号33のD186に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D186R、D186K、またはD186H);ならびにc)配列番号33のS169に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(S169R、S169K、またはS169H)および配列番号33のD186に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D186R、D186K、またはD186H)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG4 Fcドメインである。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、a)配列番号35のN166に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号35のD183に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号35のN166に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号35のD183位におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、a)配列番号35のN166に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N166R、N166K、またはN166H);b)配列番号35のD183に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D183R、D183K、またはD183H);ならびにc)配列番号35のN166に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N166R、N166K、またはN166H)および配列番号35のD183に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D183R、D183K、またはD183H)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG1 Fcドメインである。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1融合Fcドメインは、a)配列番号31のK138に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号31のK138に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号31のK217に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のK138に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138EまたはK138D);b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217EまたはK217D);ならびにc)配列番号31のK138に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138EまたはK138D)および配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217EまたはK217D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインは、a)配列番号31のK138に対応する位置におけるグルタミン酸による置換(K138E);b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸による置換(K217D);ならびにc)配列番号31のK138に対応する位置におけるグルタミン酸による置換(K138E)および配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸による置換(K217D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG2 Fcドメインである。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG2融合Fcドメインは、a)配列番号32のK136に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号32のK215に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号32のK136に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号32のK215に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインは、a)配列番号32のK136に対応する位置におけるアスパラギン酸また
はグルタミン酸による置換(K136EまたはK136D);b)配列番号32のK215に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K215EまたはK215D);ならびにc)配列番号32のK136に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K136EまたはK136D)および配列番号32のK215に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K215EまたはK215D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG3 Fcドメインである。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG31 Fcドメインは、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG3融合Fcドメインは、a)配列番号33のK145に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号33のK224に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号33のK145に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号33のK224に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインは、a)配列番号33のK145に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K145EまたはK145D);b)配列番号33のK224に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K224EまたはK224D);ならびにc)配列番号33のK145に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K145EまたはK145D)および配列番号33のK224に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K224EまたはK224D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、IgG4 Fcドメインである。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG4融合Fcドメインは、a)配列番号35のK142に対応する位置におけるアミノ酸置換;b)配列番号35のK221に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびにc)配列番号35のK142に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号35のK221に対応する位置におけるアミノ酸置換から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインは、a)配列番号35のK142に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K142EまたはK142D);b)配列番号35のK221に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K221EまたはK221D);ならびにc)配列番号35のK142に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K142EまたはK142D)および配列番号35のK221に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K221EまたはK221D)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。
【0017】
本明細書に記載される通り、ALK4-Fc融合タンパク質および/またはActRIIB-Fc融合タンパク質は、ヘテロ多量体形成(例えば、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体化)を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含み得る。同様に、ALK4-Fc融合タンパク質および/またはActRIIB-Fc融合タンパク質は、ホモ多量体形成(例えば、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体化)を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含み得る。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質および/またはActRIIB-Fc融合タンパク質は、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含み得、ホモ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含み得る。例えば、一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号31のS132位におけるシステインによる置換(S132C)および配列番号31のT144位におけるトリプトファンによる置換(T144W)を含むIgG1 Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質;ならびにb)配列番号31のY127位におけるシステインによる置換(Y127C)、配列番号31のT144位におけるセリンによる置換(T144S)、配列番号31のL146位におけるアラニンによる置換(L146A)、および配列番号31のY185位におけるバリンによる置換(Y185V)を含むIgG1 Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号31のS132位におけるシステインによる置換(S132C)および配列番号31のT144位におけるトリプトファンによる置換(T144W)を含むIgG1 Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質;ならびにb)配列番号31のY127位におけるシステインによる置換(Y127C)、配列番号31のT144位におけるセリンによる置換(T144S)、配列番号31のL146位におけるアラニンによる置換(L146A)、および配列番号31のY185位におけるバリンによる置換(Y185V)を含むIgG1 Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号32のS130位におけるシステインによる置換(S130C)および配列番号32のT142位におけるトリプトファンによる置換(T142W)を含むIgG2 Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質;ならびにb)配列番号32のY125位におけるシステインによる置換(Y125C)、配列番号32のT142位におけるセリンによる置換(T142S)、配列番号32のL144位におけるアラニンによる置換(L144A)、および配列番号32のY183位におけるバリンによる置換(Y183V)を含むIgG2 Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号32のS130位におけるシステインによる置換(S130C)および配列番号32のT142位におけるトリプトファンによる置換(T142W)を含むIgG2 Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質;ならびにb)配列番号32のY125位におけるシステインによる置換(Y125C)、配列番号32のT142位におけるセリンによる置換(T142S)、配列番号32のL144位におけるアラニンによる置換(L144A)、および配列番号32のY183位におけるバリンによる置換(Y183V)を含むIgG2 Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号33のS139位におけるシステインによる置換(S139C)および配列番号33のT151位におけるトリプトファンによる置換(T151W)を含むIgG3 Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質;ならびにb)配列番号33のY134位におけるシステインによる置換(Y134C)、配列番号33のT151位におけるセリンによる置換(T151S)、配列番号33のL153位におけるアラニンによる置換(L153A)、および配列番号33のY192位におけるバリンによる置換(Y192V)を含むIgG3 Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号33のS139位におけるシステインによる置換(S139C)および配列番号33のT151位におけるトリプトファンによる置換(T151W)を含むIgG3 Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質;ならびにb)配列番号33のY134位におけるシステインによる置換(Y134C)、配列番号33のT151位におけるセリンによる置換(T151S)、配列番号33のL153位におけるアラニンによる置換(L153A)、および配列番号33のY192位におけるバリンによる置換(Y192V)を含むIgG3 Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号35のS136位におけるシステインによる置換(S136C)および配列番号35のT148位におけるトリプトファンによる置換(T148W)を含むIgG4 Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質;ならびにb)配列番号35のY131位におけるシステインによる置換(Y131C)、配列番号35のT148位におけるセリンによる置換(T148S)、配列番号35のL150位におけるアラニンによる置換(L150A)、および配列番号35のY189位におけるバリンによる置換(Y189V)を含むIgG4 Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号35のS136位におけるシステインによる置換(S136C)および配列番号35のT148位におけるトリプトファンによる置換(T148W)を含むIgG4 Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質;ならびにb)配列番号35のY131位におけるシステインによる置換(Y131C)、配列番号35のT148位におけるセリンによる置換(T148S)、配列番号35のL150位におけるアラニンによる置換(L150A)、および配列番号35のY189位におけるバリンによる置換(Y189V)を含むIgG4 Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質を含む。
【0018】
ある特定の態様では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である、Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質;およびb)配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である、Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、a)配列番号66の138に対応する位置のグルタミン酸;b)配列番号66の217に対応する位置のアスパラギン酸;ならびにc)配列番号66の138に対応する位置のグルタミン酸および配列番号66の217に対応する位置のアスパラギン酸から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。任意選択で、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号66の132に対応する位置のシステインおよび配列番号66の144に対応する位置のトリプトファンをさらに含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、a)配列番号67の162に対応する位置のアルギニン;b)配列番号67の179に対応する位置のアルギニン;ならびにc)配列番号67の162に対応する位置のアルギニンおよび配列番号67の179に対応する位置のアルギニンから選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。任意選択で、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号67の127に対応する位置のシステイン、配列番号67の144に対応する位置のセリン、配列番号67の146に対応する位置のアラニン、および配列番号67の185に対応する位置のバリンをさらに含む。
【0019】
ある特定の態様では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、a)配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である、Fcドメインを有するActRIIB-Fc融合タンパク質;およびb)配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である、Fcドメインを有するALK4-Fc融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、a)配列番号66の138に対応する位置のグルタミン酸;b)配列番号66の217に対応する位置のアスパラギン酸;ならびにc)配列番号66の138に対応する位置のグルタミン酸および配列番号66の217に対応する位置のアスパラギン酸から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。任意選択で、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号66の132に対応する位置のシステインおよび配列番号66の144に対応する位置のトリプトファンをさらに含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、a)配列番号67の162に対応する位置のアルギニン;b)配列番号67の179に対応する位置のアルギニン;ならびにc)配列番号67の162に対応する位置のアルギニンおよび配列番号67の179に対応する位置のアルギニンから選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。任意選択で、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号67の127に対応する位置のシステイン、配列番号67の144に対応する位置のセリン、配列番号67の146に対応する位置のアラニン、および配列番号67の185に対応する位置のバリンをさらに含む。
【0020】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号31のS132に対応する位置にシステイン(S132C)、配列番号31のT144に対応する位置にトリプトファン(T144W)、および配列番号31のH213に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG1 Fcドメインを含み;b)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31のY127に対応する位置にシステイン(Y127C)、配列番号31のT144に対応する位置にセリン(T144S)、配列番号31のL146に対応する位置にアラニン(L146A)、および配列番号31のY185に対応する位置にバリン(Y185V)を含むIgG1 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号31のH213に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号31のH213に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0021】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31のS132に対応する位置にシステイン(S132C)、配列番号31のT144に対応する位置にトリプトファン(T144W)、および配列番号31のH213に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG1 Fcドメインを含み;b)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号31のY127に対応する位置にシステイン(Y127C)、配列番号31のT144に対応する位置にセリン(T144S)、配列番号31のL146に対応する位置にアラニン(L146A)、および配列番号31のY185に対応する位置にバリン(Y185V)を含むIgG1 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号31のH213に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号31のH213に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号31のS132に対応する位置にシステイン(S132C)、および配列番号31のT144に対応する位置にトリプトファン(T144W)を含むIgG1 Fcドメインを含み;b)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31のY127に対応する位置にシステイン(Y127C)、配列番号31のT144に対応する位置にセリン(T144S)、配列番号31のL146に対応する位置にアラニン(L146A)、配列番号31のY185に対応する位置にバリン(Y185V)、および配列番号31のH213に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG1 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号31のH213に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号31のH213に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31のS132に対応する位置にシステイン(S132C)、および配列番号31のT144に対応する位置にトリプトファン(T144W)を含むIgG1 Fcドメインを含み;b)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号31のY127に対応する位置にシステイン(Y127C)、配列番号31のT144に対応する位置にセリン(T144S)、配列番号31のL146に対応する位置にアラニン(L146A)、および配列番号31のY185に対応する位置にバリン(Y185V)、および配列番号31のH213に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG1 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号31のH213に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号31のH213に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0022】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号32のS130に対応する位置にシステイン(S130C)、配列番号32のT142に対応する位置にトリプトファン(T142W)、および配列番号32のH211に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG2 Fcドメインを含み;b)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号32のY125に対応する位置にシステイン(Y125C)、配列番号32のT142に対応する位置にセリン(T142S)、配列番号32のL144に対応する位置にアラニン(L144A)、および配列番号32のY183に対応する位置にバリン(Y183V)を含むIgG2 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号32のH211に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号32のH211に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0023】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号32のS130に対応する位置にシステイン(S130C)、配列番号32のT142に対応する位置にトリプトファン(T142W)、および配列番号32のH211に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG2 Fcドメインを含み;b)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号32のY125に対応する位置にシステイン(Y125C)、配列番号32のT142に対応する位置にセリン(T142S)、配列番号32のL144に対応する位置にアラニン(L144A)、および配列番号32のY183に対応する位置にバリン(Y183V)を含むIgG2 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号32のH211に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号32のH211に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0024】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号32のS130に対応する位置にシステイン(S130C)、および配列番号32のT142に対応する位置にトリプトファン(T142W)を含むIgG2 Fcドメインを含み;b)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号32のY125に対応する位置にシステイン(Y125C)、配列番号32のT142に対応する位置にセリン(T142S)、配列番号32のL144に対応する位置にアラニン(L144A)、配列番号32のY183に対応する位置にバリン(Y183V)、および配列番号32のH211に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG2 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号32のH211に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号32のH211に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0025】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号32のS130に対応する位置にシステイン(S130C)、および配列番号32のT142に対応する位置にトリプトファン(T142W)を含むIgG2 Fcドメインを含み;b)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号32のY125に対応する位置にシステイン(Y125C)、配列番号32のT142に対応する位置にセリン(T142S)、配列番号32のL144に対応する位置にアラニン(L144A)、配列番号32のY183に対応する位置にバリン(Y183V)、および配列番号32のH211に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG2 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号32のH211に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号32のH211に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0026】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号35のS136に対応する位置にシステイン(S136C)、配列番号35のT148に対応する位置にトリプトファン(T148W)、および配列番号35のH217に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG4 Fcドメインを含み;b)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号35のY131に対応する位置にシステイン(Y131C)、配列番号35のT148に対応する位置にセリン(T148S)、配列番号35のL150に対応する位置にアラニン(L150A)、および配列番号35のY189に対応する位置にバリン(Y189V)を含むIgG4 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号35のH217に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号35のH217に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0027】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号35のS136に対応する位置にシステイン(S136C)、配列番号35のT148に対応する位置にトリプトファン(T148W)、および配列番号35のH217に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG4 Fcドメインを含み;b)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号35のY131に対応する位置にシステイン(Y131C)、配列番号35のT148に対応する位置にセリン(T148S)、配列番号35のL150に対応する位置にアラニン(L150A)、および配列番号35のY189に対応する位置にバリン(Y189V)を含むIgG4 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号35のH217に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号35のH217に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0028】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号35のS136に対応する位置にシステイン(S136C)、および配列番号35のT148に対応する位置にトリプトファン(T148W)を含むIgG4 Fcドメインを含み;b)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号35のY131に対応する位置にシステイン(Y131C)、配列番号35のT148に対応する位置にセリン(T148S)、配列番号35のL150に対応する位置にアラニン(L150A)、配列番号35のY189に対応する位置にバリン(Y189V)、および配列番号35のH217に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG4 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号35のH217に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号35のH217に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0029】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、a)ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号35のS136に対応する位置にシステイン(S136C)、および配列番号35のT148に対応する位置にトリプトファン(T148W)を含むIgG4 Fcドメインを含み;b)ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号35のY131に対応する位置にシステイン(Y131C)、配列番号35のT148に対応する位置にセリン(T148S)、配列番号35のL150に対応する位置にアラニン(L150A)、配列番号35のY189に対応する位置にバリン(Y189V)、および配列番号35のH217に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG4 Fcドメインを含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、配列番号35のH217に対応する位置の酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、配列番号35のH217に対応する位置の酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である。
【0030】
任意選択で、ALK4ポリペプチドは、1つもしくは複数の異種ドメインと直接接続(融合)している、またはリンカーなどの介在配列が、ALK4ポリペプチドのアミノ酸配列と1つもしくは複数の異種ドメイン(例えば、免疫グロブリンのFcドメイン)の間に位置していてよい。同様に、ActRIIBポリペプチドは、1つもしくは複数の異種ドメインと直接接続(融合)していてもよく、またはリンカーなどの介在配列が、ActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列と1つもしくは複数の異種ドメイン(例えば、免疫グロブリンのFcドメイン)の間に位置していてもよい。リンカーは、ActRIIBまたはALK4の細胞外ドメインのC末端(「尾部」)におけるおよそ15アミノ酸の構造化されていない領域に対応するものであってもよく、または二次構造が比較的自由な5アミノ酸から15アミノ酸、20アミノ酸、30アミノ酸、50アミノ酸、100アミノ酸もしくはそれよりも多くのアミノ酸の間の人工的な配列であってもよい。リンカーは、グリシン残基およびプロリン残基に富むものであってよく、例えば、トレオニン/セリンおよびグリシンの反復配列を含有するものであってよい。リンカーの例としては、これだけに限定されないが、配列TGGG(配列番号17)、SGGG(配列番号18)、TGGGG(配列番号15)、SGGGG(配列番号16)、GGGGS(配列番号58)、GGGG(配列番号14)、およびGGG(配列番号13)が挙げられる。
【0031】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含み、ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、a)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、および配列番号76の292に対応する位置のバリン;b)配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸;c)配列番号76のD286に対応する位置の正荷電アミノ酸;d)配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;e)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、配列番号76の292に対応する位置のバリン(Y292V)、および配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸;f)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、配列番号76の292位のバリン、および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;ならびにg)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、および配列番号76の292に対応する位置のバリン、配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸、および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、a)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、および配列番号72の262位のトリプトファン;b)配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸;c)配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;d)配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;e)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、および配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸;f)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;ならびにg)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸、および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、正荷電アミノ酸残基は、修飾されているか、または天然に存在する(例えば、R、K、もしくはH)アミノ酸である。一部の実施形態では、正荷電アミノ酸残基はRである。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基は、修飾されているか、または天然に存在する(例えば、DもしくはE)アミノ酸である。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基はDである。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基はEである。
【0032】
ある特定の態様では、本開示は、配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4-Fc融合タンパク質に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、a)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、および配列番号76の292に対応する位置のバリン;b)配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸;c)配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;d)配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;e)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、配列番号76の292位のバリン、および配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸;f)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、配列番号76の292に対応する位置のバリン、および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;ならびにg)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、および配列番号76の292に対応する位置のバリン、配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸、および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、正荷電アミノ酸残基は、修飾されているか、または天然に存在する(例えば、R、K、またはH)アミノ酸である。一部の実施形態では、正荷電アミノ酸残基はRである。
【0033】
ある特定の態様では、本開示は、配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えActRIIB-Fc融合タンパク質に関する。一部の実施形態では、融合タンパク質は、a)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、および配列番号72の262に対応する位置のトリプトファン;b)配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸;c)配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;d)配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;e)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、および配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸;f)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;ならびにg)配列番号7の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸、および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基は、修飾されているか、または天然に存在する(例えば、DまたはE)アミノ酸である。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基はDである。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基はEである。
【0034】
ある特定の態様では、本開示は、配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4-Fc融合タンパク質に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、a)配列番号74の258に対応する位置のシステイン、配列番号74の275に対応する位置のセリン、配列番号74の277に対応する位置のアラニン、および配列番号74の316位のバリン;b)配列番号74の293に対応する位置の正荷電アミノ酸;c)配列番号74の310に対応する位置の正荷電アミノ酸;d)配列番号74の293に対応する位置の正荷電アミノ酸および配列番号74の310に対応する位置の正荷電アミノ酸;e)配列番号74の258に対応する位置のシステイン、配列番号74の275に対応する位置のセリン、配列番号74の277に対応する位置のアラニン、配列番号74の316位のバリン、および配列番号74の293に対応する位置の正荷電アミノ酸;f)配列番号74の258に対応する位置のシステイン、配列番号74の275に対応する位置のセリン、配列番号74の277に対応する位置のアラニン、配列番号74の316に対応する位置のバリン、および配列番号74の310に対応する位置の正荷電アミノ酸;g)配列番号74の258に対応する位置のシステイン、配列番号74の275に対応する位置のセリン、配列番号74の277に対応する位置のアラニン、配列番号74の316に対応する位置のバリン、配列番号74の293に対応する位置の正荷電アミノ酸、および配列番号74の310に対応する位置の正荷電アミノ酸から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、正荷電アミノ酸残基は、修飾されているか、または天然に存在する(例えば、R、K、またはH)アミノ酸である。一部の実施形態では、正荷電アミノ酸残基はRである。
【0035】
ある特定の態様では、本開示は、配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えActRIIB-Fc融合タンパク質に関する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、a)配列番号70の275に対応する位置のシステイン、および配列番号70の287に対応する位置のトリプトファン;b)配列番号70の281に対応する位置の負荷電アミノ酸;c)配列番号70の360に対応する位置の負荷電アミノ酸;d)配列番号70の281に対応する位置の負荷電アミノ酸および配列番号70の360に対応する位置の負荷電アミノ酸;e)配列番号70の275に対応する位置のシステイン、配列番号70の287に対応する位置のトリプトファン、および配列番号70の281に対応する位置の負荷電アミノ酸;f)配列番号70の275に対応する位置のシステイン、配列番号70の287に対応する位置のトリプトファン、および配列番号70の360に対応する位置の負荷電アミノ酸;ならびにg)配列番号70の275に対応する位置のシステイン、配列番号70の287に対応する位置のトリプトファン、配列番号70の281に対応する位置の負荷電アミノ酸、および配列番号70の360に対応する位置の負荷電アミノ酸から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基は、修飾されているか、または天然に存在する(例えば、DまたはE)アミノ酸である。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基はDである。一部の実施形態では、負荷電アミノ酸残基はEである。
【0036】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含み、ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号80のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号48の234に対応する位置のシステイン、配列番号48の251に対応する位置のセリン、配列番号48の253に対応する位置のアラニン、および配列番号48の292位のバリンを含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号80の250に対応する位置のシステイン、配列番号80の262に対応する位置のトリプトファン、および配列番号80の331に対応する位置のアルギニンを含む。
【0037】
ある特定の態様では、本開示は、配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4-Fc融合タンパク質に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号48の234に対応する位置のシステイン、配列番号48の251に対応する位置のセリン、配列番号48の253に対応する位置のアラニン、および配列番号48の292位のバリンを含む。
【0038】
ある特定の態様では、本開示は、配列番号80のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えActRIIB-Fc融合タンパク質に関する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号80の250に対応する位置のシステイン、配列番号80の262に対応する位置のトリプトファン、配列番号80の331に対応する位置のアルギニンを含む。
【0039】
ある特定の態様では、本開示は、配列番号47のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4-Fc融合タンパク質に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号47の258に対応する位置のシステイン、配列番号47の275に対応する位置のセリン、配列番号47の277に対応する位置のアラニン、および配列番号47の316位のバリンを含む。
【0040】
ある特定の態様では、本開示は、配列番号78のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えActRIIB-Fc融合タンパク質に関する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、配列番号78の275に対応する位置のシステイン、配列番号78の287に対応する位置のトリプトファン、配列番号78の356に対応する位置のアルギニンを含む。
【0041】
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含み、ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含み、ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号76のアミノ酸配列を含み、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号72のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号38のリーダー配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号70のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号38のリーダー配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号74のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号74のアミノ酸配列を含み、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号70のアミノ酸配列を含む。
【0042】
任意選択で、ALK4および/またはActRIIBのポリペプチドは、グリコシル化アミノ酸、PEG化アミノ酸、ファルネシル化アミノ酸、アセチル化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸、脂質部分とコンジュゲートしたアミノ酸、および有機誘導体化剤とコンジュゲートしたアミノ酸から選択される1つまたは複数の修飾アミノ酸残基を含む。ALK4および/またはActRIIBのポリペプチドは、少なくとも1つのN連結糖を含み得、2つ、3つまたはそれよりも多いN連結糖を含み得る。そのようなポリペプチドはまた、O連結糖も含み得る。ALK4および/またはActRIIBのポリペプチドは、工学的に作製された昆虫または酵母の細胞、ならびにCOS細胞、CHO細胞、HEK細胞およびNSO細胞などの哺乳動物細胞を含む、患者の使用に適した方法でタンパク質をグリコシル化する種々の細胞系において産生し得る。一部の実施形態では、ALK4および/またはActRIIBのポリペプチドは、グリコシル化されており、チャイニーズハムスター卵巣細胞系から入手可能なグリコシル化パターンを有する。本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体複合体は、哺乳動物(例えば、マウスまたはヒト)において、少なくとも4時間、6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、または72時間の血清中半減期を示すことが好ましい。任意選択で、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、哺乳動物(例えば、マウスまたはヒト)において、少なくとも6日、8日、10日、12日、14日、20日、25日、または30日の血清中半減期を示し得る。
【0043】
ある特定の態様では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーのリガンドに結合する。任意選択で、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、これらのリガンドの1つまたは複数に、10-8、10-9、10-10、10-11、または10-12M未満か、またはそれと同等のKDで結合する。例えば、一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンBに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンAに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンABに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンCに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンACに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンBCに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンBCに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンBEに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、GDF11に結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、GDF8に結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、BMP6に結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、GDF3に結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、BMP10に結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、BMP9に結合しないか、または実質的に結合しない(例えば、10-8または10-7より大きいか、またはそれと同等のKDで結合する)。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するActRIIBホモ多量体と比較して強い親和性でアクチビンBに結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でGDF3に結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でBMP10に結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でBMP9に結合する。
【0044】
一般に、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、少なくとも1つのTGF-ベータスーパーファミリーのリガンドの1つまたは複数の活性に拮抗し(を阻害し)、そのような活性の変更は、例えば、本明細書に記載の細胞に基づくアッセイを含めた、当技術分野で公知の種々のアッセイを使用して測定することができる。ある特定の態様では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、例えば、細胞に基づくアッセイにおいて、1つまたは複数のTGFβスーパーファミリーのリガンドによって媒介されるシグナル伝達(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達)を阻害するのに使用され得る。例えば、一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンAのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンBのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンABのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンCのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンACのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンBCのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンEのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンAEのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンCEのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、GDF11のシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、GDF8のシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、BMP6のシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、GDF3のシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、BMP10のシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、BMP9のシグナル伝達を阻害しないか、または実質的に阻害しない。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、アクチビンBのシグナル伝達のより強い阻害剤である。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、GDF3のシグナル伝達のより弱い阻害剤である。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、BMP10のシグナル伝達のより弱い阻害剤である。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、BMP9のシグナル伝達のより弱い阻害剤である。
【0045】
本明細書に記載されるALK4:ActRIIBヘテロ多量体のうちのいずれも、医薬調製物(組成物)として製剤化し得る。一部の実施形態では、医薬調製物は薬学的に許容される担体を含む。一部の実施形態では、医薬調製物は、パイロジェンフリーである(治療使用の製品の品質を管理する規制によって要求される範囲でパイロジェンフリーであることを意味する)。医薬調製物はまた、本明細書に記載される障害/状態を処置するのに使用される化合物のような1つまたは複数の追加の化合物を含み得る。一般に、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体医薬調製物は、ALK4および/またはActRIIBホモ多量体を実質的に含まない。例えば、一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体医薬調製物は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のALK4ホモ多量体を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体医薬調製物は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のActRIIBホモ多量体を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体医薬調製物は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のALK4ホモ多量体および約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のActRIIBホモ多量体を含む。
【0046】
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に記載されるActRIIBポリペプチドをコードする核酸を提供する。例えば、ActRIIB核酸は、配列番号7の73~396の配列と、少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である核酸を含み得るか、または、ストリンジェントな条件下で配列番号7のヌクレオチド73~396の相補体とハイブリダイズするものを含み得る。そのような核酸は、配列番号8の配列を含むものであり得る。一部の実施形態では、ActRIIB核酸は、配列番号71と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB核酸は、配列番号73と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB核酸は、配列番号79と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIB核酸は、配列番号81と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0047】
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に記載されるActRIIBポリペプチドをコードする核酸を提供する。例えば、ALK4核酸は、配列番号11の70~378の配列と、少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である核酸を含み得るか、それらから本質的になり得るか、もしくはそれらからなり得、または、ストリンジェントな条件下で配列番号11のヌクレオチド70~378の相補体とハイブリダイズするものを含み得るか、それらから本質的になり得るか、もしくはそれらからなり得る。一部の実施形態では、ALK4核酸は、配列番号75と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ALK4核酸は、配列番号77と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ALK4核酸は、配列番号82と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ALK4核酸は、配列番号83と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0048】
ある特定の態様では、本開示は、ALK4ポリペプチドのコード配列およびActRIIBポリペプチドのコード配列を含む核酸配列を提供する。例えば、一部の実施形態では、本開示の核酸は、a)配列番号71、73、79、および77のいずれか1つと、少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含み、b)配列番号75、77、82、および83のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。
【0049】
好ましくは、ALK4および/またはActRIIBの核酸は、単離されたおよび/または組換え核酸である。本明細書に開示される核酸は、発現のためのプロモーターに作動可能に連結され得る。本開示は、そのようなALK4および/またはActRIIBのポリヌクレオチドを含むベクター、ならびにそのようなALK4および/またはActRIIBのポリヌクレオチドならびにそのようなALK4および/またはActRIIBのポリヌクレオチドを含むベクターを含む細胞(例えば、CHO細胞)、好ましくはヒトまたは他の脊椎動物種から単離された細胞を、さらに提供する。
【0050】
ある特定の態様では、ALK4ポリペプチドおよび/またはActRIIBポリペプチドは、哺乳動物細胞系、任意選択でActRIIBまたはALK4タンパク質の適切な天然のグリコシル化を媒介して、患者(獣医学の患者の可能性を含む)における望ましくない免疫応答の可能性を減退する細胞系において発現し得る。ヒトおよびCHO細胞系が成功裏に使用されてきたが、他の一般的な哺乳動物発現ベクターも有用であろうことが予想される。したがって、本開示は、本明細書に開示される核酸のいずれかを含む培養細胞を提供する。そのような細胞は、CHO細胞、NSO細胞、HEK細胞、およびCOS細胞を含む哺乳動物細胞であり得る。意図した患者の種に応じて、他の細胞も選択し得る。他の細胞は本明細書に開示されている。培養細胞は、実験室または他の人工的な環境(例えば、凍結または培地中)において維持され、生存生物の一部ではない細胞を意味すると理解される。
【0051】
ある特定の態様において、本開示は、本明細書に記載されるALK4およびActRIIBのポリペプチドのいずれかならびにそのようなポリヌクレオチドを含むALK4:ActRIIBヘテロ多量体複合体を作製する方法を提供する。そのような方法は、本明細書に開示される核酸のいずれかを適切な細胞(例えば、CHO細胞またはCOS細胞)において発現させるステップを含み得る。例えば、一部の実施形態では、ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体を作製する方法は、ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下でALK4ポリヌクレオチドおよびActRIIBポリヌクレオチドを含む細胞を培養するステップと、任意選択でそのように発現したヘテロ多量体を回収するステップとを含む。代替的に、ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体を作製する方法は、a)ALK4ポリペプチドの発現に適した条件下でALK4ポリヌクレオチドを含む第1の細胞を培養するステップと;b)そのように発現したALK4ポリペプチドを回収するステップと;c)ActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下でActRIIBポリヌクレオチドを含む第2の細胞を培養するステップと;d)そのように発現したActRIIBポリペプチドを回収するステップと;e)回収したALK4ポリペプチドと回収したActRIIBポリペプチドとをALK4:ActRIIBヘテロ多量体形成に適した条件下で組み合わせるステップと;任意選択で、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を回収するステップとを含み得る。ある特定の実施形態では、ALK4および/またはActRIIBのポリペプチドは、TPAリーダー配列(例えば、配列番号38)を使用して発現する。ある特定の実施形態では、ALK4および/またはActRIIBのポリペプチドは、CHO細胞で発現する。本明細書に記載されるALK4およびActRIIBのポリペプチド、ならびにそのタンパク質複合体は、細胞培養物からタンパク質を得るための周知の技法のいずれかを使用し、粗製物、部分的に精製された画分、または高度に精製された画分として回収することができる。一般に、そのような方法は、ALK4および/またはActRIIBホモ多量体を実質的に含まないALK4:ActRIIBヘテロ多量体をもたらす。例えば、一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を産生する方法は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のALK4ホモ多量体をもたらす。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を産生する方法は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のActRIIBホモ多量体をもたらす。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を産生する方法は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のALK4ホモ多量体および約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のActRIIBホモ多量体をもたらす。
【0052】
本開示は、例えば、筋肉、骨、脂肪、赤血球、および他の組織に関連する種々のALK4:ActRIIBに関連する疾患および状態の処置または予防において使用するための方法およびALK4:ActRIIBヘテロ多量体をさらに提供する。そのような疾患および障害としては、これだけに限定されないが、筋肉喪失または不十分な筋肉の成長(例えば、筋萎縮;デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、および顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを含めた筋ジストロフィー;筋萎縮性側索硬化症;孤発性封入体筋炎、遺伝性封入体筋炎、および悪液質)に関連する障害、ならびに望ましくない体重増加に関連する障害(例えば、肥満症、2型糖尿病またはインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、心血管疾患、高血圧症、変形性関節症、脳卒中、呼吸障害、および胆嚢疾患)が挙げられる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を、それを必要とする対象において体脂肪含有量を減少させるまたは体脂肪含有量の増加率を低下させるために使用することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を、患者におけるコレステロールおよび/またはトリグリセリドレベルを低下させるために使用することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、線維症または線維症に関連する障害もしくは状態(例えば、腎不全、慢性腎疾患、嚢胞性線維症、および骨髄線維症)を処置または予防するのに使用され得る。
【0053】
本開示は、例えば、腎臓に関連する種々のALK4:ActRIIBに関連する疾患および状態の処置または予防における使用のための、方法およびALK4:ActRIIBヘテロ多量体をさらに提供する。そのような疾患または状態には、例えば、慢性腎臓疾患または腎臓不全、急性腎臓疾患または腎臓不全、ステージ1の腎臓疾患を有する患者、ステージ2の腎臓疾患を有する患者、ステージ3の腎臓疾患を有する患者、ステージ4の腎臓疾患を有する患者、ステージ5の腎臓疾患を有する患者、非糖尿病性腎臓疾患、糸球体腎炎、間質性腎炎、糖尿病性腎臓疾患、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、急速進行性糸球体腎炎、腎線維症、アルポート症候群、IDDM腎炎、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、半月体形成性糸球体腎炎、腎間質性線維症、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症、微小変化群、微量免疫型急速進行性糸球体腎炎、IgA腎症、多発性嚢胞腎臓疾患、デント病、腎シスチン蓄積症、ヘイマン腎炎、常染色体優性(成人)多発性嚢胞腎臓疾患、常染色体劣性(小児)多発性嚢胞腎臓疾患、急性腎臓障害、ネフローゼ症候群、腎虚血、有足細胞疾患または障害、タンパク尿、糸球体疾患、膜性糸球体腎炎、巣状分節性糸球体腎炎、子癇前症、子癇、腎臓病変、膠原病性脈管疾患、良性起立性(体位性)タンパク尿、IgM腎症、膜性腎症、サルコイドーシス、糖尿病、薬物による腎臓損傷、ファブリー病、アミノ酸尿症、ファンコニー症候群、高血圧性腎硬化症、間質性腎炎、鎌状赤血球症、ヘモグロビン尿症、ミオグロビン尿症、ウェゲナー肉芽腫症、1型グリコーゲン蓄積症、慢性腎臓疾患、慢性腎不全、低糸球体濾過量(GFR)、腎血管硬化症、ループス腎炎、ANCA陽性の微量免疫型半月体形成性糸球体腎炎、慢性同種移植腎症、腎毒性(nephrotoxicity)、腎毒性(renal toxicity)、腎臓壊死、腎臓損傷、糸球体および尿細管障害、腎臓機能障害、腎炎症候群、急性腎不全、慢性腎不全、近位尿細管機能不全、急性腎臓移植拒絶反応、慢性腎臓移植拒絶反応、非IgAメサンギウム増殖性糸球体腎炎、感染後の糸球体腎炎、任意の種類の腎臓病変を伴う血管炎、任意の遺伝性腎疾患、任意の間質性腎炎、腎移植不全、腎臓がん、他の状態(例えば、高血圧、糖尿病、および自己免疫疾患)に関連する腎臓疾患、デント病、腎シスチン蓄積症、ヘイマン腎炎、原発性腎臓疾患、虚脱性糸球体症、デンスデポジット病、クリオグロブリン血症に関連する糸球体腎炎、ヘノッホ・シェーンライン病、感染後の糸球体腎炎、細菌性心内膜炎、顕微鏡的多発血管炎、チャーグ・ストラウス症候群、抗GBM抗体媒介性糸球体腎炎、アミロイドーシス、単クローン性免疫グロブリン沈着症、繊維性糸球体腎炎、イムノタクトイド糸球体症、虚血性尿細管障害、薬物誘導性尿細管間質性腎炎、中毒性尿細管間質性腎炎、感染性尿細管間質性腎炎、細菌性腎盂腎炎、ポリオーマウイルス感染症またはHIV感染症に起因するウイルス性感染性尿細管間質性腎炎、代謝誘導性尿細管間質性疾患、混合性結合疾患、円柱腎症、尿酸塩、シュウ酸塩、または薬物誘導性の結晶沈着に起因し得る結晶性腎症、急性細胞性尿細管間質性同種移植片拒絶反応、リンパ腫または移植後リンパ増殖性疾患に起因する腫瘍浸潤性疾患、腎臓の閉塞性疾患、血管疾患、血栓性微小血管症、腎血管硬化症、アテローム塞栓疾患、混合性結合組織疾患、結節性多発動脈炎、カルシニューリン阻害剤誘導性血管疾患、急性細胞性血管同種移植片拒絶反応、急性体液性同種移植片拒絶反応、早期腎機能低下(ERFD)、末期腎疾患(ESRD)、腎静脈血栓症、急性尿細管壊死、腎閉塞、急性間質性腎炎、既往慢性腎臓疾患、腎動脈狭窄、虚血性腎症、尿毒症、薬物および毒素誘導性慢性尿細管間質性腎炎、逆流性腎症、腎臓結石、グッドパスチャー症候群、正球性正色素性貧血、腎性貧血、糖尿病性慢性腎臓疾患、IgG4関連疾患、フォンヒッペル・リンドウ症候群、結節性硬化症、ネフロン癆、髄質嚢胞性腎臓疾患、腎細胞癌、腺癌、腎芽細胞腫、リンパ腫、白血病、低シアル化障害、慢性シクロスポリン腎症、腎再灌流障害、腎異形成、高窒素血症、両側動脈閉塞、急性尿酸腎症、血液量減少症、急性両側閉塞性尿路疾患、高カルシウム血症性腎症、溶血性尿毒症症候群、急性尿閉、悪性腎硬化症、産後糸球体硬化症、強皮症、非グッドパスチャー病の抗GBM疾患、顕微鏡的結節性多発動脈炎、アレルギー性肉芽腫症、急性放射線腎炎、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、ワルデンストレームマクログロブリン血症、鎮痛薬腎症、動静脈瘻、動静脈グラフト、透析、異所性腎臓、海綿腎臓、腎性骨ジストロフィー、単腎症、水腎症、微量アルブミン尿、尿毒症、血尿、高脂血症、低アルブミン血症、脂質尿、アシドーシス、ならびに高カリウム血症が含まれる。一部の実施形態では、本開示は、ステージ1からステージ2の腎臓疾患への、ステージ2からステージ3の腎臓疾患への、ステージ3からステージ4の腎臓疾患への、またはステージ4からステージ5の腎臓疾患への進行を遅延させるかまたは防止するのに使用するための、方法およびALK4:ActRIIBアンタゴニストをさらに提供する。一部の実施形態では、本開示は、腎炎を予防または低減するのに使用するための方法およびALK4:ActRIIBヘテロ多量体をさらに提供する。一部の実施形態では、本開示は、腎損傷を予防または低減するのに使用するための方法およびALK4:ActRIIBヘテロ多量体をさらに提供する。一部の実施形態では、本開示は、腎臓線維症を予防または低減するのに使用するための方法およびALK4:ActRIIBヘテロ多量体をさらに提供する。
【0054】
ある特定の態様では、本開示は、それを必要とする患者に、有効量の本明細書に記載されるもののようなALK4:ActRIIBヘテロ多量体(例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体)を投与するステップを含む、肺動脈性肺高血圧症を処置する方法に関する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における心室肥大を減少させる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における心室肥大を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または少なくとも80%)減少させる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における平滑筋肥大を減少させる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における平滑筋肥大を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または少なくとも80%)減少させる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における肺細動脈の筋肉質を減少させる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における肺細動脈の筋肉質を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または少なくとも80%)減少させる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における肺血管抵抗を減少させる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における肺血管抵抗を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または少なくとも80%)減少させる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の投与は、患者における肺血管抵抗を少なくとも25~30%減少させる。一部の実施形態では、患者は肺動脈性肺高血圧症を有し、世界保健機関の肺高血圧症の機能分類システムに従って、機能クラスIIまたはクラスIIIの肺高血圧症を有する。一部の実施形態では、患者は、特発性または遺伝性の肺動脈性肺高血圧症、薬物誘導および/または毒素誘導の肺高血圧症、結合組織疾患に関連する肺高血圧症、ならびにシャント手術後少なくとも1年間の先天性の体-肺シャントに関連する肺高血圧症からなる群から選択される1つまたは複数のサブタイプとして分類される肺動脈性肺高血圧症を有する。一部の実施形態では、患者は1つまたは複数の血管拡張薬で処置されている。一部の実施形態では、患者は、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤、プロスタサイクリン受容体アゴニスト、およびエンドセリン受容体アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤で処置されている。一部の実施形態では、1つまたは複数の薬剤は、ボセンタン、シルデナフィル、ベラプロスト、マシテンタン、セレキシパグ、エポプロステノール、トレプロスチニル、イロプロスト、アンブリセンタン、およびタダラフィルからなる群から選択される。一部の実施形態では、方法は、1つまたは複数の血管拡張薬の投与をさらに含む。一部の実施形態では、方法は、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤、プロスタサイクリン受容体アゴニスト、およびエンドセリン受容体アンタゴニストからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤の投与をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の薬剤は、ボセンタン、シルデナフィル、ベラプロスト、マシテンタン、セレキシパグ、エポプロステノール、トレプロスチニル、イロプロスト、アンブリセンタン、およびタダラフィルからなる群から選択される。一部の実施形態では、患者は、150~400メートルの6分間歩行距離を有する。一部の実施形態では、方法は、患者の6分間歩行距離を少なくとも10メートル(例えば、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、250、300、または400メートルを超えて)増加させる。一部の実施形態では、患者は、8g/dlより大きく、15g/dl未満のヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、方法は肺動脈性肺高血圧症の臨床的悪化を遅延させる。一部の実施形態では、方法は、世界保健機関の肺高血圧症の機能分類システムに従って、肺高血圧症の臨床的悪化を遅延させる。一部の実施形態では、方法は、肺動脈性肺高血圧症に関連する1つまたは複数の合併症による入院のリスクを低減する。
【0055】
一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、肺高血圧症を処置する方法に関する。ある特定の態様では、本開示は、それを必要とする患者に、有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、肺高血圧症を予防する方法に関する。ある特定の態様では、本開示は、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、肺高血圧症の進行速度を低減する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、間質性肺疾患を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、間質性肺疾患の1つまたは複数の合併症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法を提供する。一部の実施形態では、間質性肺疾患は特発性肺線維症である。ある特定の態様では、本開示は、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、肺高血圧症の重症度を低減する方法に関する。ある特定の態様では、本開示は、それを必要とする患者に、有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、肺高血圧症の1つまたは複数の合併症(例えば、肺動脈における平滑筋および/または内皮細胞の増殖、肺動脈における血管新生、呼吸困難、胸痛、肺血管リモデリング、右室肥大、および肺線維症)を処置する方法に関する。ある特定の態様では、本開示は、それを必要とする患者に、有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、肺高血圧症の1つまたは複数の合併症(例えば、肺動脈における平滑筋および/または内皮細胞の増殖、肺動脈における血管新生、呼吸困難、胸痛、肺血管リモデリング、右室肥大、および肺線維症)を予防する方法に関する。ある特定の態様では、本開示は、それを必要とする患者に、有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、肺高血圧症の1つまたは複数の合併症(例えば、肺動脈における平滑筋および/または内皮細胞の増殖、肺動脈における血管新生、呼吸困難、胸痛、肺血管リモデリング、右室肥大、および肺線維症)の進行速度を低減する方法に関する。ある特定の態様では、本開示は、それを必要とする患者に、有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、肺高血圧症の1つまたは複数の合併症(例えば、肺動脈における平滑筋および/または内皮細胞の増殖、肺動脈における血管新生、呼吸困難、胸痛、肺血管リモデリング、右室肥大、および肺線維症)の重症度を低減する方法に関する。ある特定の好ましい実施形態では、本明細書に記載される方法は、肺動脈性肺高血圧症を有する患者に関する。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、少なくとも25mmHg(例えば、少なくとも25、30、35、40、45、または50mmHg)の安静時肺動脈圧(PAP)を有する患者に関する。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、肺高血圧症を有する患者におけるPAPを低減する。例えば、方法は、肺高血圧症を有する患者において、PAPを少なくとも3mmHg(例えば、少なくとも3、5、7、10、12、15、20、または25mmHg)低減し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、肺高血圧症を有する患者における肺血管抵抗を低減する。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、肺高血圧症を有する患者における肺動脈楔入圧を増加させる。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、肺高血圧症を有する患者における左室拡張末期圧を増加させる。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、肺高血圧症を有する患者における運動能力(能力、耐性)を増加(向上)させる。例えば、方法は、肺高血圧症を有する患者における6分間歩行距離を増加させ得、任意選択で少なくとも10メートル(例えば、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれより多いメートル)、6分間歩行距離を増加させ得る。さらに、方法は、任意選択で6分間歩行試験の後に評定され得る、患者のボルグ呼吸困難指数(BDI)を低減し得る。一部の実施形態では、方法は、患者のボルグ呼吸困難指数(BDI)を、少なくとも0.5指数ポイント(例えば、少なくとも0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10指数ポイント)、低減する。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、世界保健機関によって認識されているクラスI、クラスII、クラスIII、またはクラスIVの肺高血圧症を有する患者に関する。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、肺高血圧症の臨床的進行(悪化)(例えば、世界保健機関の規格によって測定される進行)を遅延させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症のクラス進行を防止または遅延させる(例えば、世界保健機関によって認識されるような、クラスIからクラスII、クラスIIからクラスIII、またはクラスIIIからクラスIVへの肺高血圧症の進行を防止または遅延する)。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症のクラス後退を促進または増加させる(例えば、世界保健機関によって認識されるような、クラスIVからクラスIII、クラスIIIからクラスII、またはクラスIIからクラスIへの肺高血圧症の後退を促進または増加させる)。一部の実施形態では、患者には、1つまたは複数のGDF/BMPアンタゴニストに加えて、肺高血圧症を処置するための1つまたは複数の支持療法または活性剤がさらに投与される。例えば、患者にはまた、プロスタサイクリンおよびその誘導体(例えば、エポプロステノール、トレプロスチニル、およびイロプロスト);プロスタサイクリン受容体アゴニスト(例えば、セレキシパグ);エンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、テリン、アンブリセンタン、マシテンタン、およびボセンタン);カルシウムチャネル遮断薬(例えば、アムロジピン、ジルチアゼム、およびニフェジピン);抗凝固薬(例、ワルファリン);利尿薬;酸素療法;心房中隔切開術;肺血栓内膜摘除術;ホスホジエステラーゼ5型阻害剤(例えば、シルデナフィルおよびタダラフィル);可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化剤(例えば、シナシグアットおよびリオシグアット);ASK-1阻害剤(例えば、CIIA;SCH79797;GS-4997;MSC2032964A;3H-ナフト[1,2,3-デ]キニリン(quiniline)-2,7-ジオン、NQDI-1;2-チオキソ-チアゾリジン、5-ブロモ-3-(4-オキソ-2-チオキソ-チアゾリジン-5-イリデン)-1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン);NF-κBアンタゴニスト(例えば、dh404、CDDO-エポキシド;2,2-ジフルオロプロピオンアミド;C28イミダゾール(CDDO-Im);2-シアノ-3,12-ジオキソオレアン-1,9-ジエン-28-オイック酸(CDDO);3-アセチルオレアノール酸;3-トリフルオロアセチルオレアノール酸;28-メチル-3-アセチルオレアナン;28-メチル-3-トリフルオロアセチルオレアナン;28-メチルオキシオレアノール酸;SZC014;SCZ015;SZC017;オレアノール酸のPEG化誘導体;3-O-(ベータ-D-グルコピラノシル)オレアノール酸;3-O-[ベータ-D-グルコピラノシル-(1→3)-ベータ-D-グルコピラノシル]オレアノール酸;3-O-[ベータ-D-グルコピラノシル-(1→2)-ベータ-D-グルコピラノシル]オレアノール酸;3-O-[ベータ-D-グルコピラノシル-(1→3)-ベータ-D-グルコピラノシル]オレアノール酸28-O-ベータ-D-グルコピラノシルエステル;3-O-[ベータ-D-グルコピラノシル-(1→2)-ベータ-D-グルコピラノシル]オレアノール酸28-O-ベータ-D-グルコピラノシルエステル;3-O-[a-L-ラムノピラノシル-(1→3)-ベータ-D-グルクロノピラノシル]オレアノール酸;3-O-[アルファ-L-ラムノピラノシル-(1→3)-ベータ-D-グルクロノピラノシル]オレアノール酸28-O-ベータ-D-グルコピラノシルエステル;28-O-β-D-グルコピラノシルオレアノール酸;3-O-β-D-グルコピラノシル(1→3)-β-D-グルコピラノシドウロン酸(CS1);オレアノール酸3-O-β-D-グルコピラノシル(1→3)-β-D-グルコピラノシドウロン酸(CS2);メチル3,11-ジオキソオレアン-12-エン-28-オレート(DIOXOL);ZCVI4-2;ベンジル3-デヒドロ-オキシ-1,2,5-オキサジアゾロ[3’,4’:2,3]オレアノレート)、肺および/または心臓移植からなる群から選択される1つまたは複数の支持療法または活性剤がさらに投与され得る。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】
図1は、囲みで示されるリガンドと直接接触する、複数のActRIIBおよびActRIIA結晶構造の合成分析に基づく、本明細書で推定される残基を有するヒトActRIIA(配列番号49)とヒトActRIIB(配列番号2)との細胞外ドメインのアラインメントを示す。
【0057】
【
図2】
図2は、その細胞内ドメインを含まない様々な脊椎動物ActRIIB前駆体タンパク質(それぞれ、配列番号50~55)、その細胞内ドメインを含まないヒトActRIIA前駆体タンパク質(配列番号56)、およびコンセンサスActRII前駆体タンパク質(配列番号57)の複数の配列アラインメントを示す。
【0058】
【
図3】
図3は、Clustal 2.1を使用したヒトIgGアイソタイプに由来するFcドメインの複数の配列アラインメントを示す。ヒンジ領域は点線の下線で示される。二重下線は、非対称鎖対合を促進するためにIgG1 Fc中で工学的に作製された位置の例ならびに他のアイソタイプIgG2、IgG3およびIgG4に関する対応する位置を示す。
【0059】
【
図4】
図4は、ActRIIB-Fcホモ二量体およびALK4-Fcホモ二量体と比較した、比較ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体タンパク質複合体に関するリガンド結合データを示す。各タンパク質複合体について、リガンドは、リガンドシグナル伝達阻害と良好に相関する速度定数k
offによって順位付けられ、結合親和性の降順に列挙される(最も強固に結合したリガンドは上に列挙される)。左の黄色、赤色、緑色、および青色の線は、解離速度定数の規模を示す。黒色の実線は、ヘテロ二量体に対する結合がホモ二量体と比較して増強しているか、または変化していないリガンドを示すが、赤色の破線は、ホモ二量体と比較して実質的に減少した結合を示す。示されるように、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体は、いずれかのホモ二量体と比較してアクチビンBに対する増強された結合を示し、ActRIIB-Fcホモ二量体について観察されるようにアクチビンA、GDF8、およびGDF11に対する強力な結合を保持し、BMP9、BMP10、およびGDF3に対する実質的に減少した結合を示す。ActRIIB-Fcホモ二量体と同様、ヘテロ二量体は、BMP6に対する中間レベルの結合を保持する。
【0060】
【
図5】
図5は、様々な脊椎動物種に由来するALK4細胞外ドメインの複数の配列アラインメントを示す(配列番号59~65)。
【0061】
【
図6-1】
図6A~6Dは、ALK4ポリペプチドとActRIIBポリペプチドとを含むヘテロマータンパク質複合体の概略図例を示す。
【
図6-2】
図6A~6Dは、ALK4ポリペプチドとActRIIBポリペプチドとを含むヘテロマータンパク質複合体の概略図例を示す。
【
図6-3】
図6A~6Dは、ALK4ポリペプチドとActRIIBポリペプチドとを含むヘテロマータンパク質複合体の概略図例を示す。
【
図6-4】
図6A~6Dは、ALK4ポリペプチドとActRIIBポリペプチドとを含むヘテロマータンパク質複合体の概略図例を示す。
【0062】
例示された実施形態では、ALK4ポリペプチド(左から右へ)は、相互作用対の第1のメンバー(「C
1」)を含む融合ポリペプチドの一部であり、ActRIIBポリペプチドは、相互作用対の第2のメンバー(「C
2」)を含む融合ポリペプチドの一部である。好適な相互作用対は、例えば、重鎖および/または軽鎖免疫グロブリン相互作用対、短縮、および本明細書に記載されるものなどのそのバリアント[例えば、Spiessら(2015年)Molecular Immunology 67巻(2A号):95~106頁]を含んでいた。各融合ポリペプチドにおいて、リンカーは、ALK4またはActRIIBポリペプチドと、相互作用対の対応するメンバーとの間に配置することができる。相互作用対の第1および第2のメンバーは無誘導であってよく、これは、対のメンバーが互いに会合するか、または実質的な優先性なしに自己会合してよく、それらが同じまたは異なるアミノ酸配列を有してよいことを意味する。
図6Aを参照されたい。あるいは、相互作用対は、誘導(非対称)対であってよく、これは、対のメンバーが自己会合ではなく互いに優先的に会合することを意味する。
図6Bを参照されたい。より高次の複合体を想定することができる。
図6Cおよび6Dを参照されたい。
【0063】
【
図7】
図7は、本明細書に記載されるA-204 Reporter Gene Assayによって決定された、比較ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体/ActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体のIC
50データを示す。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体は、ActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体と同様、アクチビンA、アクチビンB、GDF8、およびGDF11シグナル伝達経路を阻害する。しかしながら、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体によるBMP9およびBMP10シグナル伝達経路の阻害は、ActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体と比較して大幅に低下している。これらのデータは、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体が、対応するActRIIB:ActRIIBホモ二量体と比較して、アクチビンA、アクチビンB、GDF8、およびGDF11のより選択的なアンタゴニストであることを示している。
【0064】
【
図8-1】
図8A~8Cは、片側尿管結紮(UUO)に供したマウス腎臓に由来する線維性遺伝子(Col1a1、フィブロネクチン、PAI-1、CTGF、およびa-SMA)、炎症性遺伝子(TNF-アルファ、およびMCP1)、サイトカイン遺伝子(TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、およびアクチビンA)、腎臓障害遺伝子(NGAL)、低酸素症誘導因子1-アルファ(HIF1a)、およびアクチビンA受容体(Acvr2A)の遺伝子発現プロファイルを示す。反対側の非手術腎臓に由来する試料を、対照(Ctrl)として使用した。遺伝子発現プロファイルを、術後17日で得た。マウスに、PBSまたはALK4-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体のいずれかを、術後3、7、10、および14日目に投与した。($)は、ALK7-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体を投与したマウスにおける17日目のUUO腎臓と比較した、PBSのみを投与したマウスにおける17日目のUUO腎臓間の統計的差異を示す。(@)は、転写物が検出されなかったことを示す。
【
図8-2】
図8A~8Cは、片側尿管結紮(UUO)に供したマウス腎臓に由来する線維性遺伝子(Col1a1、フィブロネクチン、PAI-1、CTGF、およびa-SMA)、炎症性遺伝子(TNF-アルファ、およびMCP1)、サイトカイン遺伝子(TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、およびアクチビンA)、腎臓障害遺伝子(NGAL)、低酸素症誘導因子1-アルファ(HIF1a)、およびアクチビンA受容体(Acvr2A)の遺伝子発現プロファイルを示す。反対側の非手術腎臓に由来する試料を、対照(Ctrl)として使用した。遺伝子発現プロファイルを、術後17日で得た。マウスに、PBSまたはALK4-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体のいずれかを、術後3、7、10、および14日目に投与した。($)は、ALK7-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体を投与したマウスにおける17日目のUUO腎臓と比較した、PBSのみを投与したマウスにおける17日目のUUO腎臓間の統計的差異を示す。(@)は、転写物が検出されなかったことを示す。
【
図8-3】
図8A~8Cは、片側尿管結紮(UUO)に供したマウス腎臓に由来する線維性遺伝子(Col1a1、フィブロネクチン、PAI-1、CTGF、およびa-SMA)、炎症性遺伝子(TNF-アルファ、およびMCP1)、サイトカイン遺伝子(TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、およびアクチビンA)、腎臓障害遺伝子(NGAL)、低酸素症誘導因子1-アルファ(HIF1a)、およびアクチビンA受容体(Acvr2A)の遺伝子発現プロファイルを示す。反対側の非手術腎臓に由来する試料を、対照(Ctrl)として使用した。遺伝子発現プロファイルを、術後17日で得た。マウスに、PBSまたはALK4-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体のいずれかを、術後3、7、10、および14日目に投与した。($)は、ALK7-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体を投与したマウスにおける17日目のUUO腎臓と比較した、PBSのみを投与したマウスにおける17日目のUUO腎臓間の統計的差異を示す。(@)は、転写物が検出されなかったことを示す。
【0065】
【
図9】
図9Aおよび9Bは、ビヒクル(Col4a3-VehおよびCol4a5-Veh)またはALK4-Fc:ActRIIB-Fc融合タンパク質(Col4a3-IIB/ALK4およびCol4a5-IIB/ALK4)で処置されたCol4a3およびCol4a5 Alportマウスにおけるタンパク尿レベルを示す。
図9Aは、ALK4-Fc:ActRIIB-Fc処置が、Col4a3 Alportマウスにおけるビヒクルと比較して、タンパク尿レベルを大幅に低下させたことを示す。
図9Bは、ALK4-Fc:ActRIIB-Fc処置が、Col4a5 Alportマウスにおけるビヒクルと比較して、タンパク尿レベルを大幅に低下させたことを示す。
【0066】
【
図10】
図10A~10Cは、ビヒクル(Col4a3-Veh)またはALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体(Col4a3-IIB/ALK4)で処置されたCol4a3-/-Alportマウスに由来する腎臓組織の組織学的分析を示す。
図10Aは、コラーゲン-I染色により明らかにされた組織線維化のパーセンテージを表す。コラーゲン-I染色は、ALK4-Fc:ActRIIB-Fc処置が、このAlportマウスモデルにおいて腎臓線維化を大幅に減少させたことを示す。
図10Bは、トリクロム染色により明らかにされた組織線維化のパーセンテージを表す。トリクロム染色は、ALK4-Fc:ActRIIB-Fc処置が、このAlportマウスモデルにおいて腎臓線維化を大幅に減少させたことを示す。
図10Cは、組織学的分析により明らかにされた硬化糸球体のパーセンテージを表す。データは、ALK4-Fc:ActRIIB-Fc処置が、このAlportマウスモデルにおいて硬化糸球体を大幅に減少させたことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
1.概要
部分的には、本開示は、TGFβスーパーファミリーI型受容体ポリペプチドおよびTGFβスーパーファミリーII型受容体ポリペプチドを含むヘテロ多量体、それらの使用、およびそのようなヘテロ多量体の作製方法に関する。例えば、
図6を参照されたい。ある特定の好ましい実施形態において、ヘテロ多量体は、TGFβスーパーファミリーI型受容体ポリペプチドの細胞外ドメインおよびTGFβスーパーファミリーII型受容体ポリペプチドの細胞外ドメインを含む。特に、本開示は、ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体を提供する。好ましくは、そのようなALK4ポリペプチドはALK4受容体のリガンド結合ドメインを含み、そのようなActRIIBポリペプチドは、ActRIIB受容体のリガンド結合ドメインを含む。ある特定の好ましい実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するホモ多量体の試料と比較して、変化したTGFβスーパーファミリーリガンド結合プロファイル/特異性を有する(例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体をActRIIB:ActRIIBホモ二量体またはALK4:ALK4ホモ二量体と比較して)。
【0068】
TGF-βスーパーファミリーは、TGF-ベータ、アクチビン、ノーダル、骨形成タンパク質(BMP)、増殖分化因子(GDF)、および抗ミュラー管ホルモン(AMH)を含めた、30種を超える分泌型因子で構成される[Weissら(2013年)Developmental Biology、2巻(1号):47~63頁]。脊椎動物および無脊椎動物の両方において見いだされるスーパーファミリーのメンバーは、多様な組織において遍在的に発現し、発生の最も早い段階から動物の一生を通じて機能する。実際に、TGF-βスーパーファミリータンパク質は、幹細胞自己再生、原腸形成、分化、器官の形態形成、および成体組織恒常性の重要なメディエーターである。この遍在する活性と一致して、異常なTGF-ベータスーパーファミリーシグナル伝達は、例えば、自己免疫疾患、心血管疾患、線維性疾患、およびがんを含めた広範囲のヒト病理に関連付けられる。
【0069】
TGF-ベータスーパーファミリーリガンドは、一方の単量体の中心3-1/2ターンへリックスが他方の単量体のベータ鎖によって形成された凹表面に対してパッケージングされた、同じ二量体構造を共有する。大多数のTGF-ベータファミリーメンバーは、分子間ジスルフィド結合によってさらに安定化される。このジスルフィド結合は、2つの他のジスルフィド結合により形成された環を横切り、「システインノット」モチーフと称されているものが生成される[Linら、(2006年)Reproduction、132巻:179~190頁およびHinckら(2012年)FEBS Letters、586巻:1860~1870頁]。
【0070】
TGF-ベータスーパーファミリーシグナル伝達は、リガンド刺激を受けると下流のSMADタンパク質(例えば、SMADタンパク質1、2、3、5、および8)をリン酸化し活性化するI型およびII型セリン/トレオニンキナーゼ受容体のヘテロマー複合体によって媒介される[Massague(2000年)Nat. Rev. Mol. Cell Biol.、1巻:169~178頁]。これらのI型受容体およびII型受容体は、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ特異性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。一般に、I型受容体は細胞内シグナル伝達を媒介し、一方、II型受容体は、TGF-ベータスーパーファミリーリガンドの結合に必要とされる。I型受容体とII型受容体は、リガンド結合後に安定な複合体を形成し、それにより、II型受容体によるI型受容体のリン酸化がもたらされる。
【0071】
TGF-ベータファミリーは、それらが結合するI型受容体およびそれらが活性化するSmadタンパク質に基づいて2つの系統学的枝に分けることができる。一方は、つい最近進化した枝であり、例えば、TGF-ベータ、アクチビン、GDF8、GDF9、GDF11、BMP3およびノーダルを含み、Smad2および3を活性化するI型受容体を通じてシグナル伝達を行う[Hinck(2012年)FEBS Letters、586巻:1860~1870頁]。他方の枝は、スーパーファミリーの、関連性がより遠いタンパク質を含み、それらとして、例えば、BMP2、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP9、BMP10、GDF1、GDF5、GDF6、およびGDF7が挙げられ、Smad1、5、および8を通じてシグナル伝達を行う。
【0072】
アクチビンは、TGF-ベータスーパーファミリーのメンバーであり、卵胞刺激ホルモンの分泌の制御因子として最初に発見されたが、その後、種々の生殖および非生殖に関する役割が特徴付けられている。2つの密接に関連するβサブユニットのホモ二量体/ヘテロ二量体(それぞれβAβA、βBβB、およびβAβB)である3つの主要なアクチビン形態(A、BおよびAB)が存在する。ヒトゲノムは、主に肝臓において発現するアクチビンCおよびアクチビンEもコードし、βCまたはβEを含有するヘテロ二量体形態も公知である。TGF-ベータスーパーファミリーでは、アクチビンは、独特であり、卵巣細胞および胎盤細胞におけるホルモンの産生を刺激することができ、神経細胞の生存を支持することができ、細胞型に応じて細胞周期の進行に正または負の影響を及ぼすことができ、また、少なくとも両生類の胚において中胚葉の分化を誘導することができる多機能性因子である[DePaoloら(1991年)Proc Soc Ep Biol Med.、198巻:500~512頁;Dysonら(1997年)Curr Biol.、7巻:81~84頁;ならびにWoodruff(1998年)Biochem Pharmacol.、55巻:953~963頁]。いくつかの組織では、アクチビンのシグナル伝達は、その関連ヘテロ二量体であるインヒビンにより拮抗される。例えば、下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌の制御では、アクチビンはFSH合成および分泌を促進するが、インヒビンはFSH合成および分泌を低減する。アクチビン生理活性を制御し、かつ/またはアクチビンに結合することができる他のタンパク質としては、フォリスタチン(FS)、フォリスタチン関連タンパク質(FSRP、FLRGまたはFSTL3としても公知)、およびα2-マクログロブリンが挙げられる。
【0073】
本明細書に記載の通り、「アクチビンA」に結合する作用剤は、単離されたβAサブユニットの状況であるか二量体複合体(例えば、βAβAホモ二量体またはβAβBヘテロ二量体)としてかにかかわらず、βAサブユニットに特異的に結合する作用剤である。ヘテロ二量体複合体(例えば、βAβBヘテロ二量体)の場合では、「アクチビンA」に結合する作用剤は、βAサブユニット内に存在するエピトープに対して特異的であり、複合体の非βAサブユニット(例えば、複合体のβBサブユニット)内に存在するエピトープには結合しない。同様に、「アクチビンA」に拮抗する(を阻害する)、本明細書に開示される作用剤は、単離されたβAサブユニットの状況であるか二量体複合体(例えば、βAβAホモ二量体またはβAβBヘテロ二量体)としてかにかかわらずβAサブユニットによって媒介される1つまたは複数の活性を阻害する作用剤である。βAβBヘテロ二量体の場合では、「アクチビンA」を阻害する作用剤は、βAサブユニットの1つまたは複数の活性を特異的に阻害し、複合体の非βAサブユニット(例えば、複合体のβBサブユニット)の活性は阻害しない作用剤である。この原則は、「アクチビンB」、「アクチビンC」、および「アクチビンE」に結合する作用剤および/またはそれを阻害する作用剤にも当てはまる。「アクチビンAB」に拮抗する、本明細書に開示される作用剤は、βAサブユニットによって媒介される1つまたは複数の活性およびβBサブユニットによって媒介される1つまたは複数の活性を阻害する作用剤である。同じ原則が、「アクチビンAC」、「アクチビンBC」、「アクチビンAE」、および「アクチビンBE」に結合する作用剤および/またはそれを阻害する作用剤にも当てはまる。
【0074】
BMPおよびGDFは、TGF-ベータスーパーファミリーの特徴的なフォールディングを共有するシステインノットサイトカインのファミリーを一緒に形成する[Riderら(2010年)Biochem J.、429巻(1号):1~12頁]。このファミリーは、例えば、BMP2、BMP4、BMP6、BMP7、BMP2a、BMP3、BMP3b(GDF10としても公知)、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8、BMP8a、BMP8b、BMP9(GDF2としても公知)、BMP10、BMP11(GDF11としても公知)、BMP12(GDF7としても公知)、BMP13(GDF6としても公知)、BMP14(GDF5としても公知)、BMP15、GDF1、GDF3(VGR2としても公知)、GDF8(ミオスタチンとしても公知)、GDF9、GDF15、およびデカペンタプレジックを含む。BMPにその名称を与えた、骨形成を誘導する能力に加えて、BMP/GDFは、広範囲の組織の発生において形態形成活性を示す。BMP/GDFホモ二量体およびヘテロ二量体は、I型受容体およびII型受容体二量体の組合せと相互作用して多数の可能性のあるシグナル伝達複合体を生じさせ、それにより、2つの競合するSMAD転写因子のセットのうちの1つが活性化される。BMP/GDFは、高度に特異的かつ局在する機能を有する。これらは、BMP/GDF発現の発生的制限を含めたいくつものやり方で、およびサイトカインに高い親和性で結合するいくつかの特異的なBMPアンタゴニストタンパク質の分泌を通じて制御される。不思議なことに、いくつものこれらのアンタゴニストは、TGF-ベータスーパーファミリーリガンドに似ている。
【0075】
増殖分化因子8(GDF8)は、ミオスタチンとしても公知である。GDF8は、骨格筋量の負の制御因子であり、発達中の骨格筋および成人の骨格筋において高度に発現する。トランスジェニックマウスにおけるGDF8ヌル突然変異は、骨格筋の顕著な肥大および過形成を特徴とする[McPherronら、Nature(1997年)387巻:83~90頁]。ウシにおいて、および著しく、ヒトにおいて、GDF8の天然に存在する突然変異に関して骨格筋量の同様の増加が明らかである[Ashmoreら(1974年)Growth、38巻:501~507頁;SwatlandおよびKieffer、J. Anim. Sci.(1994年)38巻:752~757頁;McPherronおよびLee、Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1997年)94巻:12457~12461頁;Kambadurら、Genome Res.(1997年)7巻:910~915頁;ならびにSchuelkeら(2004年)N Engl J Med、350巻:2682~8頁]。試験により、ヒトにおけるHIV感染に関連する筋消耗がGDF8タンパク質発現の増大を伴うことも示された[Gonzalez-Cadavidら、PNAS(1998年)95巻:14938~43頁]。さらに、GDF8は、筋肉に特異的な酵素(例えば、クレアチンキナーゼ)の産生をモジュレートすることができ、筋芽細胞の細胞増殖をモジュレートすることができる[国際特許出願公開第WO00/43781号]。GDF8プロペプチドは、成熟GDF8ドメイン二量体に非共有結合し、それにより、その生物活性を不活化することができる[Miyazonoら(1988年)J. Biol. Chem.、263巻:6407~6415頁;Wakefieldら(1988年)J. Biol. Chem.、263巻:7646~7654頁;ならびにBrownら(1990年)Growth Factors、3巻:35~43頁]。GDF8または構造的に関連するタンパク質に結合し、それらの生物活性を阻害する他のタンパク質としては、フォリスタチン、および潜在的に、フォリスタチン関連タンパク質が挙げられる[Gamerら(1999年)Dev. Biol.、208巻:222~232頁]。
【0076】
GDF11は、BMP11としても公知であり、マウスの発達中に尾芽、肢芽、上顎弓および下顎弓、ならびに後根神経節において発現する分泌型タンパク質である[McPherronら(1999年)Nat. Genet.、22巻:260~264頁;ならびにNakashimaら(1999年)Mech. Dev.、80巻:185~189頁]。GDF11は、中胚葉組織および神経組織の両方のパターン形成において独特の役割を果たす[Gamerら(1999年)Dev Biol.、208巻:222~32頁を]。GDF11は、発達中のニワトリの肢における軟骨形成および筋形成の負の制御因子であることが示された[Gamerら(2001年)Dev Biol.、229巻:407~20頁]。筋肉におけるGDF11の発現からも、GDF8と同様に、筋肉の成長の制御におけるその役割が示唆される。さらに、脳におけるGDF11の発現により、GDF11が神経系の機能に関わる活性も有する可能性があることが示唆される。興味深いことに、GDF11が嗅上皮における神経発生を阻害することが見いだされた[Wuら(2003年)Neuron.、37巻:197~207頁]。したがって、GDF11には、筋疾患および神経変性疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症)などの疾患の処置においてin vitroおよびin vivoでの適用があり得る。
【0077】
本明細書に記載される通り、比較結合データは、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体が、対応するActRIIBまたはALK4ホモ二量体のいずれかと比較して変更された結合プロファイル(リガンド選択性)を有することを示している。特に、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、いずれかのホモ二量体と比較してアクチビンBに対する増強された結合を示し、ActRIIBホモ二量体について観察されるように、アクチビンA、GDF8、およびGDF11に対する強力な結合を保持する。しかしながら、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、ActRIIBホモ二量体と比較して、BMP9、BMP10、およびGDF3に対する実質的に減少した結合を示す。特に、BMP9はALK4:ActRIIBヘテロ二量体に対する低いか、または観察不可能な親和性を示すが、このリガンドは、ActRIIBホモ二量体に強く結合する。
【0078】
したがって、これらの結果は、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体が、ActRIIBホモ二量体と比較して、アクチビンA、アクチビンB、GDF8、およびGDF11のより選択的なアンタゴニストであることを示している。したがって、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、そのような選択的拮抗作用が有利である、ある特定の適用では、ActRIIBホモ二量体よりも有用である。例としては、アクチビン(例えば、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンAC、アクチビンAB)、GDF8、およびGDF11のうちの1つまたは複数の拮抗作用を保持するが、BMP9、BMP10、およびBMP6のうちの1つまたは複数の拮抗作用を最小化することが望ましい治療適用が挙げられる。
【0079】
さらに、本明細書に記載される通り、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体は、ActRIIBホモ二量体のものと非常に類似する、骨格筋および骨に対する有益な同化効果、ならびに脂肪組織に対する異化効果を発揮する。しかしながら、ActRIIBホモ二量体と違って、ActRIIB:ALK4ヘテロ二量体は、BMP9およびBMP10に対する低親和性のみ、または一過的な結合を示し、したがって、血管新生などの、これらのリガンドによって媒介されるプロセスをほとんどまたは全く、同時に阻害しない。この新規の選択性は、例えば、筋肉および骨に対する刺激効果、ならびに脂肪に対する阻害効果を必要とするが、血管新生の変更を必要としない患者を処置において有用である。
【0080】
本明細書で使用される用語は、本開示の文脈の中で、および各用語が使用される特定の文脈において、概して、当技術分野におけるそれらの通常の意味を有する。特定の用語を、本開示の組成物および方法およびそれらの作製および使用の仕方の記載に関して実践者に追加的な手引きを提供するために以下または本明細書の他の箇所で考察する。用語の任意の使用の範囲または意味は、それが使用される特定の文脈から明らかになるであろう。
【0081】
「ヘテロマー」または「ヘテロ多量体」という用語は、少なくとも第1のポリペプチド鎖と第2のポリペプチド鎖を含む複合体であり、第2のポリペプチド鎖は第1のポリペプチド鎖とはアミノ酸配列が少なくとも1つのアミノ酸残基により異なる。ヘテロマーは、第1のポリペプチド鎖と第2のポリペプチド鎖によって形成される「ヘテロ二量体」を含む場合もあり、第1のポリペプチド鎖と第2のポリペプチド鎖に加えて1つまたは複数のポリペプチド鎖が存在する高次構造を形成する場合もある。ヘテロ多量体の例示的な構造としては、ヘテロ二量体、ヘテロ三量体、ヘテロ四量体およびさらなるオリゴマー構造が挙げられる。ヘテロ二量体は、本明細書では、X:Yまたは同等にX-Yと称され、Xは第1のポリペプチド鎖を示し、Yは第2のポリペプチド鎖を示す。より高次のヘテロマーおよびオリゴマー構造は、対応する様式で本明細書中に示される。ある特定の実施形態では、ヘテロ多量体は、組換え体(例えば、1つまたは複数のポリペプチド成分が組換えタンパク質であってよい)であり、単離され、および/または精製される。
【0082】
「相同」とは、その文法形式および綴りの変形全てが、同一種の生物体のスーパーファミリーに由来するタンパク質、ならびに異なる種の生物体に由来する相同タンパク質を含めた、「共通の進化的起源」を有する2つのタンパク質間の関連性を指す。そのようなタンパク質(およびそれらをコードする核酸)は、パーセント同一性の観点からであるか特定の残基またはモチーフおよび保存された位置の存在によるものかにかかわらずそれらの配列類似性に反映される配列相同性を有する。しかし、一般的な使用において、および本出願において、「相同」という用語は、「高度に」などの副詞で修飾されている場合、配列類似性を指す場合があり、また、共通の進化的起源に関係する場合もあり、関係しない場合もある。
【0083】
「配列類似性」という用語は、その文法形式全てが、共通の進化的起源を共有する場合もありしない場合もある核酸配列間またはアミノ酸配列間の同一性または一致の程度を指す。
【0084】
「パーセント(%)配列同一性」とは、参照ポリペプチド(またはヌクレオチド)配列に関しては、配列をアラインメントし、必要であれば最大のパーセント配列同一性を実現するためにギャップを導入した後、いかなる保存的置換も配列同一性の一部とみなさずに、参照ポリペプチド(ヌクレオチド)配列内のアミノ酸残基(または核酸)と同一である候補配列内のアミノ酸残基(または核酸)の百分率と定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、当技術分野の技術の範囲内に入る種々のやり方で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して実現することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを実現するために必要な任意のアルゴリズムを含め、配列をアラインメントするための妥当なパラメーターを決定することができる。しかし、本発明の目的に関しては、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用して%アミノ酸(核酸)配列同一性値を生成する。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムの作者はGenentech,Inc.であり、ソースコードはU.S. Copyright Office、Washington D.C.、20559においてユーザー文書にファイルされており、そこでU.S.Copyright Registration No.TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2プログラムは、Genentech,Inc.、South San Francisco、Calif.から公的に入手可能である、またはソースコードからコンパイルすることができる。ALIGN-2プログラムは、デジタルUNIX(登録商標) V4.0Dを含めたUNIX(登録商標)オペレーティングシステムで使用するためにコンパイルすべきである。配列比較パラメーターは全てALIGN-2プログラムにより設定され、変動しない。
【0085】
「作動させる」とは、その文法形式全てが、タンパク質および/もしくは遺伝子を活性化する(例えば、そのタンパク質の遺伝子発現を活性化もしくは増幅することによって、もしくは不活性タンパク質を活性な状態になるように誘導することによって)、またはタンパク質活性および/もしくは遺伝子の活性を増大させるプロセスを指す。
【0086】
「拮抗する」とは、その文法形式全てが、タンパク質および/もしくは遺伝子を阻害する(例えば、そのタンパク質の遺伝子発現を阻害するもしくは低減させることによって、もしくは活性なタンパク質を不活性な状態になるように誘導することによって)、またはタンパク質の活性および/もしくは遺伝子の活性を低減させるプロセスを指す。
【0087】
「約(about)」および「およそ(approximately)」という用語は、本明細書および特許請求の範囲全体を通して、数値に関連して使用される場合、当業者によく知られており、許容される正確度の区間を示す。一般に、そのような正確度の区間は、±10%である。その代わりに、特に生物システムにおいては、「約(about)」および「およそ(approximately)」という用語は、所与の値から1桁分以内、好ましくは5倍以下、より好ましくは2倍以下の値を意味し得る。
【0088】
本明細書に開示される数値範囲には、範囲を規定する数が含まれる。
【0089】
「1つの(a)」および「1つの(an)」という用語は、この用語が使用される文脈によりそうでないことが明白に示される場合を除き、複数の指示対象を包含する。「1つの(a)」(または「1つの(an)」)という用語、ならびに「1つまたは複数の(one or more)」、および「少なくとも1つの(at least one)」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。さらに、「および/または(and/or)」とは、本明細書で使用される場合、2つまたはそれよりも多くの指定の特徴または成分のそれぞれを、他方を伴うまたは伴わないとして具体的に開示するものとみなされるべきである。したがって、「および/または」という用語は、本明細書において「Aおよび/またはB」などの句で使用される場合、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(のみ)、および「B」(のみ)を含むものとする。同様に、「および/または」という用語は、「A、B、および/またはC」などの句で使用される場合、以下の態様:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(のみ);B(のみ);ならびにC(のみ)のそれぞれを包含するものとする。
2.ALK4:ActRIIBヘテロ多量体
【0090】
ある特定の態様では、本開示は、1つまたは複数のALK4受容体ポリペプチド(例えば、配列番号9、10、19、20、42、44、47、48、74および76)と1つまたは複数のActRIIB受容体ポリペプチド(例えば、配列番号1、2、3、4、5、6、39、41、45、46、70、72、78および80)とを含むヘテロ多量体であって、本明細書では、「ALK4:ActRIIBヘテロ多量体複合体」または「ALK4:ActRIIBヘテロ多量体」と一般に称されるヘテロ多量体に関する。好ましくは、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、可溶性であり、例えば、ヘテロ多量体は、ALK4受容体の可溶性部分(ドメイン)およびActRIIB受容体の可溶性部分(ドメイン)を含み得る。一般に、ALK4およびActRIIBの細胞外ドメインが、これらの受容体の可溶性部分に対応する。したがって、一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、ALK4受容体の細胞外ドメインおよびActRIIB受容体の細胞外ドメインを含む。ALK4およびActRIIB受容体の細胞外ドメインの例は、本明細書中で開示され、そのような配列はもちろん、それらの断片、機能的バリアントおよび修飾形態も、本開示の発明(例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体組成物およびそれらの使用)に従って使用され得る。本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、例えば、ヘテロ二量体、ヘテロ三量体、ヘテロ四量体、およびより高次のオリゴマー構造を含む。例えば、
図6を参照されたい。ある特定の好ましい実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体である。
【0091】
好ましくは、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビン(例えば、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAC、アクチビンAB、アクチビンBC、アクチビンAE、およびアクチビンBE)、GDF8、GDF11、BMP6、GDF3、およびBMP10のうちの1つまたは複数と結合し得る。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンAと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンBと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンCと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンEと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンABと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンACと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンAEと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンBCと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、アクチビンBEと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、GDF11と結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、GDF8と結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、BMP6と結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、GDF3と結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、BMP10と結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、BMP9(例えば、BMP9とALK4:ActRIIBヘテロ多量体の間の相互作用の一時的性質のため画定できないKaまたはKdを有する)と結合しないか、または実質的に結合しない。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するActRIIBホモ多量体と比較して強い親和性でアクチビンBと結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でGDF3と結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でBMP9と結合する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でBMP10と結合する。任意選択で、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、さらに、BMP2、BMP2/7、BMP3、BMP4、BMP4/7、BMP5、BMP7、BMP8a、BMP8b、GDF5、GDF6/BMP13、GDF7、GDF9b/BMP15、GDF15/MIC1、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、ノダル、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アルテミン、パーセフィン、MISおよびレフティーのうちの1つまたは複数と結合することができる。
【0092】
一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、1つまたは複数のTGFβスーパーファミリーリガンドにより媒介されるシグナル伝達(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達)を阻害する(そのようなシグナル伝達に拮抗する)ために使用され得る。詳細には、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を使用して、例えば、本明細書に記載されるものなどの、細胞に基づくアッセイで、1つまたは複数のTGFβスーパーファミリーリガンドによる細胞内シグナル伝達を阻害することができる。例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイで、アクチビン(例えば、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAC、アクチビンAB、アクチビンBC、アクチビンAE、およびアクチビンBE)、GDF8、GDF11、BMP6、GDF3、およびBMP10のうちの1つまたは複数により媒介されるシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンAシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンBシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンCシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンDシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンEシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンABシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンACシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンBCシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンAEシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでアクチビンBEシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでGDF11シグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでGDF8シグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでBMP6シグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでGDF3シグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでBMP9シグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイでBMP9シグナル伝達を阻害しないか、または実質的に阻害しない。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイで、対応するActRIIBホモ多量体と比較して、アクチビンBシグナル伝達の強い阻害剤である。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイで、対応するActRIIBホモ多量体と比較して、BMP10シグナル伝達の弱い阻害剤である。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイで、対応するActRIIBホモ多量体と比較して、GDF3シグナル伝達の強い阻害剤である。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイで、対応するActRIIBホモ多量体と比較して、BMP9シグナル伝達の強い阻害剤である。任意選択で、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、さらに、BMP2、BMP2/7、BMP3、BMP4、BMP4/7、BMP5、BMP7、BMP8a、BMP8b、GDF5、GDF6/BMP13、GDF7、GDF9b/BMP15、GDF15/MIC1、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、ノダル、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アルテミン、パーセフィン、MISおよびレフティーのうちの1つまたは複数による細胞内シグナル伝達を阻害することができる。
【0093】
本明細書で使用される場合、「ActRIIB」という用語は、任意の種からの活性受容体IIB型(ActRIIB)タンパク質のファミリー、およびそのようなActRIIBタンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのActRIIBへの言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ActRIIBファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を含むリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
【0094】
「ActRIIBポリペプチド」という用語は、ActRIIBファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。そのようなバリアントActRIIBポリペプチドの例は、本開示の至る所で、ならびに国際特許出願公開番号WO2006/012627、WO2008/097541、およびWO2010/151426に提供されており、これらの文献は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべてのActRIIB関連ポリペプチドについてのアミノ酸の番号付けは、特に別段の指定がない限り、下記で提供されるヒトActRIIB前駆体タンパク質配列(配列番号1)の番号付けに基づいている。
ヒトActRIIB前駆体タンパク質配列は、次の通りである:
【化1】
【0095】
シグナルペプチドは、一重下線で示され;細胞外ドメインは、太字フォントで示され;可能性のある内在性N連結グリコシル化部位は、二重下線で示されている。
プロセシングされた細胞外ActRIIBポリペプチド配列は、次の通りである:
【化2】
【0096】
一部の実施形態では、N末端に「SGR...」配列を有するタンパク質が、産生され得る。細胞外ドメインのC末端「尾部」は、一重下線により示されている。「尾部」が欠失している配列(Δ15配列)は、次の通りである:
【化3】
【0097】
配列番号1の64位にアラニン(A64)を有するActRIIBの形態も、文献で報告されている。例えば、Hildenら(1994年)Blood、83巻(8号):2163~2170頁を参照されたい。出願人は、A64置換を有するActRIIBの細胞外ドメインを含むActRIIB-Fc融合タンパク質が、アクチビンおよびGDF11に対して相対的に低い親和性を有することを突き止めた。対照的に、64位にアルギニン(R64)を有する同じActRIIB-Fc融合タンパク質は、アクチビンおよびGDF11に対して低ナノモルから高ピコモルの範囲の親和性を有する。したがって、R64を有する配列は、本開示でのヒトActRIIBの「野生型」参照配列として使用される。
64位にアラニンを有するActRIIBの形態は、次の通りである:
【化4】
【0098】
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントにより示されている。
代替A64形態のプロセシングされた細胞外ActRIIBポリペプチド配列は、次の通りである:
【化5】
【0099】
一部の実施形態では、N末端に「SGR...」配列を有するタンパク質が、産生され得る。細胞外ドメインのC末端「尾部」は、一重下線により示されている。「尾部」が欠失している配列(Δ15配列)は、次の通りである:
【化6】
【0100】
ヒトActRIIB前駆体タンパク質をコードする核酸配列は、下記(配列番号7)で示され、これは、ActRIIB前駆体のアミノ酸1~513をコードする、Genbank参照配列NM_001106.3のヌクレオチド25~1560を表す。示される配列は、64位にアルギニンを備えており、その代わりにアラニンを備えるように配列を修飾してもよい。シグナル配列は、下線付きである。
【化7】
【0101】
プロセシングされた細胞外ヒトActRIIBポリペプチドをコードする核酸配列は、次の通り(配列番号8)である。示される配列は、64位にアルギニンを備えており、その代わりにアラニンを備えるように配列を修飾してもよい。
【化8】
【0102】
ヒトActRIIB細胞外ドメインのアミノ酸配列とヒトActRIIA細胞外ドメインのアミノ酸配列のアラインメントは、
図1に示されている。このアラインメントは、ActRIIリガンドと直接接触すると考えられる両方の受容体中のアミノ酸残基を示す。例えば、複合ActRII構造は、ActRIIB-リガンド結合ポケットが、一部は、残基Y31、N33、N35、L38~T41、E47、E50、Q53~K55、L57、H58、Y60、S62、K74、W78~N83、Y85、R87、A92、およびE94~F101により規定されることを示した。これらの位置では、保存的突然変異が許容されると予想される。
【0103】
加えて、ActRIIBは、脊椎動物間でよく保存され、細胞外ドメインの大きい伸長が完全に保存される。例えば、
図2は、様々なActRIIBオルソログと比較したヒトActRIIB細胞外ドメインの多配列アラインメントを描示する。ActRIIBと結合するリガンドの多くもまた高度に保存される。したがって、これらのアラインメントから、正常なActRIIB-リガンド結合活性に重要である、リガンド結合ドメイン内の肝要なアミノ酸位置を予測すること、ならびに正常なActRIIB-リガンド結合活性を有意に変化させることなく置換を許容する可能性が高いアミノ酸位置を予測することが可能である。したがって、今般開示される方法に従って有用な、活性、ヒトActRIIBバリアントポリペプチドは、別の脊椎動物ActRIIBの配列からの対応する位置における1つもしくは複数のアミノ酸を含むこともあり、またはヒトもしくは他の脊椎動物の配列におけるものと同様である残基を含むこともある。限定する意図はないが、以下の例は、活性ActRIIBバリアントを定義するためのこの手法の説明に役立つ。ヒト細胞外ドメイン(配列番号53)におけるL46は、Xenopus ActRIIB(配列番号55)ではバリンであり、そのためこの位置を変更してもよく、任意選択で、V、IもしくはFなどの別の疎水性残基、またはAなどの非極性残基に変更してもよい。ヒト細胞外ドメインにおけるE52は、XenopusではKであり、これは、この部位が、多種多様な変化に対して許容性でありえ、したがって、E、D、K、R、H、S、T、P、G、Yおよび高い確実性でAなどの、極性残基を含み得ることを示す。ヒト細胞外ドメインにおけるT93は、XenopusではKであり、これは、幅広い構造的なバリエーションがこの位置では許容されることを示し、S、K、R、E、D、H、G、P、GおよびYなどの、極性残基が好適である。ヒト細胞外ドメインにおけるF108は、XenopusではYであり、したがって、Yまたは他の疎水性基、例えばI、VもしくはLが許容されるはずである。ヒト細胞外ドメインのE111は、XenopusではKであり、これは、D、R、KおよびHを含む荷電残基はもちろん、QおよびNも、この位置において許容されるであろうことを示す。ヒト細胞外ドメインのR112は、XenopusではKであり、これは、RおよびHを含む塩基性残基が、この位置において許容されることを示す。ヒト細胞外ドメインにおける119位におけるAは、相対的に保存されにくく、齧歯類ではPおよびXenopusではVとして現れ、したがって、本質的にあらゆるアミノ酸が、この位置において許容されるはずである。
【0104】
さらに、ActRIIタンパク質は、構造的および機能的特性の点で、特に、リガンド結合に関して、当技術分野において特徴付けられている[Attisanoら(1992年)Cell 68巻(1号):97~108頁;Greenwaldら(1999年)Nature Structural Biology 6巻(1号):18~22頁;Allendorphら(2006年)PNAS 103巻(20号:7643~7648頁;Thompsonら(2003年)The EMBO Journal 22巻(7号):1555~1566頁;ならびに米国特許第7,709,605号、同第7,612,041号および同第7,842,663号]。本明細書での教示に加えて、これらの参考文献は、1つまたは複数の正常な活性(例えば、リガンド結合活性)を保持するActRIIBバリアントを生成する方法についてのガイダンスを十分に提供している。
【0105】
例えば、3フィンガー毒素フォールドとして公知の決定的構造モチーフは、I型およびII型受容体によるリガンド結合に重要であり、各単量体受容体の細胞外ドメイン内の様々な位置に位置する保存システイン残基により形成される[Greenwaldら(1999年)Nat Struct Biol 6巻:18~22頁;およびHinck(2012年)FEBS Lett 586巻:1860~1870頁]。したがって、これらの保存システインの最外部により画定されるような、ヒトActRIIBのコアリガンド結合ドメインは、配列番号1(ActRIIB前駆体)の29~109位に対応する。したがって、これらのシステイン画定コア配列に隣接する構造的規則性の低いアミノ酸は、リガンド結合を必ずしも変更することなく、N末端で残基約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27もしくは28個分、および/またはC末端で残基約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24もしくは25個分、短縮することができる。N末端および/またはC末端短縮についての例示的なActRIIB細胞外ドメインは、配列番号2、3、5および6を含む。
【0106】
Attisanoらは、ActRIIBの細胞外ドメインのC末端におけるプロリンノットの欠失がアクチビンに対する受容体の親和性を低下させることを明らかにした。本配列番号1のアミノ酸20~119を含有するActRIIB-Fc融合タンパク質である「ActRIIB(20~119)-Fc」は、プロリンノット領域および完全膜近傍ドメインを含むActRIIB(20~134)-Fc(例えば、米国特許第7,842,663号を参照されたい)と比較して、GDF11およびアクチビンへの結合が低減されている。しかし、ActRIIB(20~129)-Fcタンパク質は、プロリンノット領域が破壊されているにもかかわらず、野生型と比較して、幾分低減されてはいるが同様の活性を保持する。
【0107】
したがって、アミノ酸134、133、132、131、130および129(配列番号1に関して)で終止するActRIIB細胞外ドメインは、すべて、活性であると予想されるが、134または133で終止する構築物が最も活性が高いだろう。同様に、残基129~134(配列番号1に関して)のいずれかにおける突然変異は、リガンド結合親和性を大幅に変化させないと予想される。この裏付けとして、P129およびP130(配列番号1に関して)の突然変異がリガンド結合を実質的に減少させないことは、当技術分野において公知である。したがって、本開示のActRIIBポリペプチドは、早くもアミノ酸109(最後のシステイン)で終わることもあるが、109および119で、またはこれらの間(例えば、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118もしくは119)で終わる形態は、リガンド結合が低減されていると予想される。アミノ酸119(配列番号1に関して)は、保存されにくく、そのため容易に変更または短縮される。128(配列番号1に関して)またはそれ以降で終わるActRIIBポリペプチドは、リガンド結合活性を保持するはずである。配列番号1に関して、119および127でまたはこれらの間(例えば、119、120、121、122、123、124、125、126もしくは127)で終わるActRIIBポリペプチドは、中等度の結合能力を有することになる。これらの形態のいずれかを、臨床状況または実験状況に依存して使用することが望ましいだろう。
【0108】
ActRIIBのN末端において、アミノ酸29(配列番号1に関して)またはそれより前で始まるタンパク質は、リガンド結合活性を保持すると予想される。アミノ酸29は、最初のシステインに相当する。24位(配列番号1に関して)におけるアラニンからアスパラギンへの突然変異は、リガンド結合に実質的に影響を与えることなくN連結グリコシル化配列を導入する[米国特許第7,842,663号]。これは、アミノ酸20~29に対応する、シグナル切断ペプチドとシステイン架橋領域との間の領域における突然変異が、十分に許容されることを確証する。特に、20、21、22、23および24位(配列番号1に関して)で始まるActRIIBポリペプチドは、全般的リガンド結合活性を保持するはずであり、25、26、27、28および29位(配列番号1に関して)で始まるActRIIBポリペプチドも、リガンド結合活性を保持すると予想される。驚くべきことに、22、23、24または25で始まるActRIIB構築物が最も高い活性を有することになることが実証された、例えば、米国特許第7,842,663号。
【0109】
総合すると、ActRIIBの活性部分(例えば、リガンド結合部分)の一般式は、配列番号1のアミノ酸29~109を含む。したがって、ActRIIBポリペプチドは、例えば、配列番号1のアミノ酸20~29のいずれか1つに対応する残基で始まり(例えば、アミノ酸20、21、22、23、24、25、26、27、28もしくは29のいずれか1つで始まり)、配列番号1のアミノ酸109~134のいずれか1つに対応する位置で終わる(例えば、アミノ酸109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133もしくは134のいずれか1つで終わる)ActRIIBの部分と、少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である、アミノ酸配列を含み得るか、そのようなアミノ酸配列から本質的になり得るか、またはそのようなアミノ酸配列からなり得る。他の例は、配列番号1の20~29位(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28もしくは29位のいずれか1つ)または21~29位(例えば、21、22、23、24、25、26、27、28もしくは29位のいずれか1つ)で始まり、配列番号1の119~134位(例えば、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133もしくは134位のいずれか1つ)、119~133位(例えば、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132もしくは133位のいずれか1つ)、129~134位(例えば、129、130、131、132、133もしくは134位のいずれか1つ)、または129~133位(例えば、129、130、131、132もしくは133位のいずれか1つ)で終わるポリペプチドを含む。他の例は、配列番号1の20~24位(例えば、20、21、22、23もしくは24位のいずれか1つ)、21~24位(例えば、21、22、23もしくは24位のいずれか1つ)、または22~25位(例えば、22、22、23もしくは25位のいずれか1つ)で始まり、配列番号1の109~134位(例えば、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133もしくは134位のいずれか1つ)、119~134位(例えば、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133もしくは134位のいずれか1つ)または129~134位(例えば、129、130、131、132、133もしくは134位のいずれか1つ)で終わる構築物を含む。これらの範囲内のバリアント、特に、配列番号1の対応する部分に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するものも企図される。
【0110】
本明細書に記載される変形形態を、様々な方法で組み合わせることができる。一部の実施形態では、ActRIIBバリアントは、リガンド結合ポケットに1、2、5、6、7、8、9、10または15以下の保存的アミノ酸変化を含み、かつリガンド結合ポケットの40、53、55、74、79および/または82位に0、1つまたは複数の非保存的変更を含む。可変性が特によく許容され得る結合ポケット外の部位は、細胞外ドメインのアミノおよびカルボキシ末端(上述の通り)、ならびに42~46および65~73位(配列番号1に関して)を含む。65位のアスパラギンのアラニンへの変更(N65A)は、A64バックグラウンドにおけるリガンド結合を実際に向上させるため、R64バックグラウンドにおけるリガンド結合に対して有害作用を及ぼさないと予想される[米国特許第7,842,663号]。この変化は、A64バックグラウンドにおけるN65のグリコシル化をおそらく消失させ、したがって、これは、この領域での有意な変化が許容される可能性が高いことを裏付ける。R64A変化は、許容されにくいが、R64Kは、よく許容されるため、64位ではHなどの別の塩基性残基が許容され得る[米国特許第7,842,663号]。加えて、当技術分野において記載されている突然変異誘発プログラムの結果は、保存するのに有益であることが多いアミノ酸位置がActRIIB中にあることを示す。配列番号1に関して、これらは、80位(酸性または疎水性アミノ酸)、78位(疎水性、および特にトリプトファン)、37位(酸性、および特に、アスパラギン酸またはグルタミン酸)、56位(塩基性アミノ酸)、60位(疎水性アミノ酸、特に、フェニルアラニンまたはチロシン)を含む。したがって、本開示は、ActRIIBポリペプチドにおいて保存され得るアミノ酸のフレームワークを提供する。保存することが望ましい可能性がある他の位置は、次の通りである:すべて配列1に関して、52位(酸性アミノ酸)、55位(塩基性アミノ酸)、81位(酸性)、98位(極性または荷電、特に、E、D、RまたはK)。
【0111】
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、該ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明に従って使用するためのActRIIBポリペプチドは、可溶性(例えば、ActRIIBの細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示に従って使用するためのActRIIBポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-βスーパーファミリーリガンドと結合する。したがって、一部の実施形態では、本開示に従って使用するためのActRIIBポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドの活性(例えば、Smadシグナル伝達の阻害)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号1のアミノ酸20~29に対応する残基で始まり(例えば、アミノ酸20、21、22、23、24、25、26、27、28もしくは29で始まり)、配列番号1のアミノ酸109~134に対応する位置で終わる(例えば、アミノ酸109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133もしくは134のいずれか1つで終わる)ActRIIBの部分と、少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列から本質的になるか、またはそのようなアミノ酸配列からなる、少なくとも1つのActRIIBポリペプチドを含む。ある特定の好ましい実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号1のアミノ酸29~109と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列からなるか、またはそのようなアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも1つのActRIIBポリペプチドを含む。他の好ましい実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号1のアミノ酸25~131と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列からなるか、またはそのようなアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも1つのActRIIBポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号1、2、3、4、5、6、39、41、45もしくは46のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である、少なくとも1つのActRIIBポリペプチドを含む。ある特定の好ましい実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号1のL79に対応する位置が、酸性アミノ酸である(すなわち、天然に存在するDもしくはEアミノ酸残基でも、人工酸性アミノ酸でもない)、ActRIIBポリペプチドを含まない。
【0112】
ある特定の態様では、本開示は、ALK4ポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「ALK4」という用語は、任意の種からのアクチビン受容体様キナーゼ-4タンパク質のファミリー、およびそのようなALK4タンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのALK4への言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ALK4ファミリーのメンバーは、一般に、高システイン領域を有するリガンド結合細胞外ドメインと、膜貫通ドメインと、予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインとで構成されている膜貫通タンパク質である。
【0113】
「ALK4ポリペプチド」という用語は、ALK4ファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含むポリペプチドを含む。本明細書に記載されるすべてのALK4関連ポリペプチドについてのアミノ酸の番号付けは、特に別段の指定がない限り、下記で提供されるヒトALK4前駆体タンパク質配列(配列番号9)の番号付けに基づいている。
ヒトALK4前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_004293)は、次の通りである:
【化9】
【0114】
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ヒトALK4ポリペプチド配列は、次の通りである:
【化10】
【0115】
ALK4前駆体タンパク質をコードする核酸配列は、下記(配列番号11)で示され、これは、Genbank参照配列NM_004302.4のヌクレオチド78~1592に対応する。シグナル配列は、下線付きであり、細胞外ドメインは、太字フォントで示される。
【0116】
【化11】
【化12】
細胞外ALK4ポリペプチドをコードする核酸配列は、次の通りである:
【0117】
【化13】
ヒトALK4前駆体タンパク質配列の代替アイソフォームであるアイソフォームC(NCBI参照配列NP_064733.3)は、次の通りである:
【化14】
【0118】
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ALK4ポリペプチド配列(アイソフォームC)は、次の通りである:
【化15】
【0119】
ALK4前駆体タンパク質(アイソフォームC)をコードする核酸配列は、下記(配列番号21)で示され、これは、Genbank参照配列NM_020328.3のヌクレオチド78~1715に対応する。シグナル配列は、下線付きであり、細胞外ドメインは、太字フォントで示される。
【0120】
【化16】
細胞外ALK4ポリペプチド(アイソフォームC)をコードする核酸配列は、次の通りである:
【0121】
【0122】
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK4ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、該ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ALK4ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのALK4ポリペプチドは、可溶性(例えば、ALK4の細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのALK4ポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドと結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smadシグナル伝達)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号9、10、19、20、42、44、47、48、74および76のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%、98%または99%同一である、少なくとも1つのALK4ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号9、10、19、20、42、44、47、48、74および76のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%、98%もしくは99%同一である、少なくとも1つのALK4ポリペプチドからなるか、またはそのようなALK4ポリペプチドから本質的になる。
【0123】
ALK4は、脊椎動物間でよく保存され、細胞外ドメインの大きい伸長が完全に保存される。例えば、
図5は、様々なALK4オルソログと比較したヒトALK4細胞外ドメインの多配列アラインメントを描示する。ALK4と結合するリガンドの多くもまた高度に保存される。したがって、これらのアラインメントから、正常なALK4-リガンド結合活性に重要である、リガンド結合ドメイン内の肝要なアミノ酸位置を予測すること、ならびに正常なALK4-リガンド結合活性を有意に変化させることなく置換を許容する可能性が高いアミノ酸位置を予測することが可能である。したがって、今般開示される方法に従って有用な、活性、ヒトALK4バリアントポリペプチドは、別の脊椎動物ALK4の配列からの対応する位置における1つもしくは複数のアミノ酸を含むこともあり、またはヒトもしくは他の脊椎動物の配列におけるものと同様である残基を含むこともある。限定する意図はないが、以下の例は、活性ALK4バリアントを定義するためのこの手法の説明に役立つ。ヒトALK4細胞外ドメイン(配列番号59)におけるV6は、Mus muculus ALK4(配列番号63)ではイソロイシンであり、そのためこの位置を変更してもよく、任意選択で、Gallus gallus ALK4(配列場号62)に見られるように、L、IもしくはFなどの別の疎水性残基、またはAなどの非極性残基に変更してもよい。ヒト細胞外ドメインにおけるE40は、Gallus gallus ALK4ではKであり、これは、この部位が、多種多様な変化に対して許容性でありえ、したがって、E、D、K、R、H、S、T、P、G、Yなどの極性残基、および高い確実性でAなどの非極性残基を含み得ることを示す。ヒト細胞外ドメインにおけるS15は、Gallus gallus ALK4ではDであり、これは、幅広い構造的なバリエーションがこの位置では許容されることを示し、S、T、R、E、K、H、G、P、GおよびYなどの、極性残基が好適である。ヒト細胞外ドメインにおけるE40は、Gallus gallus ALK4ではKであり、これは、D、R、K、Hはもちろん、QおよびNを含む荷電残基が、この位置において許容されるであろうことを示す。ヒト細胞外ドメインにおけるR80は、Condylura cristata ALK4(配列番号60)ではKであり、これは、R、KおよびHを含む塩基性残基が、この位置において許容されることを示す。ヒト細胞外ドメインにおけるY77は、Sus scrofa ALK4(配列番号64)ではFであり、これは、F、WおよびYを含む芳香族残基が、この位置において許容されることを示す。ヒト細胞外ドメインにおけるP93は、相対的に保存されにくく、Erinaceus europaeus ALK4(配列番号61)ではSおよびGallus gallus ALK4ではNとして現れ、したがって、本質的にあらゆるアミノ酸が、この位置において許容されるはずである。
【0124】
さらに、ALK4タンパク質は、構造的および機能的特性の点で、特に、リガンド結合に関して、当技術分野において特徴付けられている[例えば、Harrisonら(2003年)J Biol Chem 278巻(23号):21129~21135頁;Romanoら(2012年)J Mol Model 18巻(8号):3617~3625頁;およびCalvaneseら(2009年)15巻(3号):175~183頁]。本明細書での教示に加えて、これらの参考文献は、1つまたは複数の正常な活性(例えば、リガンド結合活性)を保持するALK4バリアントを生成する方法についてのガイダンスを十分に提供している。
【0125】
例えば、3フィンガー毒素フォールドとして公知の決定的構造モチーフは、I型およびII型受容体によるリガンド結合に重要であり、各単量体受容体の細胞外ドメイン内の様々な位置に位置する保存システイン残基により形成される[Greenwaldら(1999年)Nat Struct Biol 6巻:18~22頁;およびHinck(2012年)FEBS Lett 586巻:1860~1870頁]。したがって、これらの保存システインの最外部により画定されるような、ヒトALK4のコアリガンド結合ドメインは、配列番号9(ALK4前駆体)の34~101位に対応する。したがって、これらのシステイン画定コア配列に隣接する構造的規則性の低いアミノ酸は、リガンド結合を必ずしも変更することなく、N末端で残基1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個分、またはC末端で残基1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25もしくは26個分、短縮することができる。N末端および/またはC末端短縮についての例示的なALK4細胞外ドメインは、配列番号10および20を含む。
【0126】
したがって、ALK4の活性部分(例えば、リガンド結合部分)の一般式は、アミノ酸34~101を含む。したがって、ALK4ポリペプチドは、例えば、配列番号1のアミノ酸24~34のいずれか1つに対応する残基で始まり(例えば、アミノ酸24、25、26、27、28、29、30、31、32、33もしくは34のいずれか1つで始まり)、配列番号9のアミノ酸101~126のいずれか1つに対応する位置で終わる(例えば、アミノ酸101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125もしくは126のいずれか1つで終わる)ALK4の部分と、少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である、アミノ酸配列を含み得るか、そのようなアミノ酸配列から本質的になり得るか、またはそのようなアミノ酸配列からなり得る。他の例は、配列番号9の24~34位(例えば、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33もしくは34位のいずれか1つ)、25~34位(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33もしくは34位のいずれか1つ)または26~34位(例えば、26、27、28、29、30、31、32、33もしくは34位のいずれか1つ)で始まり、配列番号9の101~126位(例えば、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125もしくは126位のいずれか1つ)、102~126位(例えば、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125もしくは126位のいずれか1つ)、101~125位(例えば、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124もしくは125位のいずれか1つ)、101~124位(例えば、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123もしくは124位のいずれか1つ)、101~121位(例えば、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120もしくは121位のいずれか1つ)、111~126位(例えば、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125もしくは126位のいずれか1つ)、111~125位(例えば、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124もしくは125位のいずれか1つ)、111~124位(例えば、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123もしくは124位のいずれか1つ)、121~126位(例えば、121、122、123、124、125もしくは126位のいずれか1つ)、121~125位(例えば、121、122、123、124もしくは125位のいずれか1つ)、121~124位(例えば、121、122、123もしくは124位のいずれか1つ)または124~126位(例えば、124、125もしくは126位のいずれか1つ)で終わる、構築物を含む。これらの範囲内のバリアント、特に、配列番号9の対応する部分に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するものも、企図される。
【0127】
本明細書に記載される変形形態を、様々な方法で組み合わせることができる。一部の実施形態では、ALK4バリアントは、リガンド結合ポケットに1、2、5、6、7、8、9、10または15以下の保存的アミノ酸変化を含む。可変性が特によく許容され得る結合ポケット外の部位は、細胞外ドメイン(上述の通り)のアミノおよびカルボキシ末端を含む。
一部の実施形態では、本開示は、ALK4ポリペプチドおよび/またはActRIIBポリペプチドの構造を修飾することにより機能的バリアントを作製することを企図している。バリアントを、アミノ酸置換、欠失、付加、またはこれらの組合せにより産生することができる。例えば、ロイシンのイソロイシンまたはバリンでの、アスパラギン酸塩のグルタミン酸塩での、トレオニンのセリンでの孤立した置き換え、またはアミノ酸の構造的に関連性があるアミノ酸での同様の置き換え(例えば、保存的突然変異)が、結果として得られる分子の生物活性に大きな影響を与えないと予想することは理にかなっている。保存的置き換えは、側鎖に関連性があるアミノ酸ファミリー内で起こるものである。本開示のポリペプチドのアミノ酸配列の変化が、機能的ホモログを生じさせる結果になるかどうかは、細胞において野生型ポリペプチドと同様の方法で応答を生じさせるバリアントポリペプチドの能力、または例えば、BMP2、BMP2/7、BMP3、BMP4、BMP4/7、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP9、BMP10、GDF3、GDF5、GDF6/BMP13、GDF7、GDF8、GDF9b/BMP15、GDF11/BMP11、GDF15/MIC1、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンBC、アクチビンAE、アクチビンBE、ノダル、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アルテミン、パーセフィン、MIS、およびレフティーを含む、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドと結合する、バリアントポリペプチドの能力を評定することによって、容易に判定することができる。
【0128】
一部の実施形態では、本開示は、治療有効性または安定性を増強すること(例えば、有効期間延長、および/または耐タンパク質分解性増大)などの目的で、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドの構造を修飾することにより機能的バリアントを作製することを企図している。
【0129】
一部の実施形態では、本開示は、ポリペプチドのグリコシル化を変化させるための、ALK4ポリペプチドおよび/またはActRIIBポリペプチドの特異的突然変異を企図している。そのような突然変異は、O連結またはN連結グリコシル化部位などの、1つまたは複数のグリコシル化部位を導入するために、または消失させるために、選択され得る。アスパラギン連結グリコシル化認識部位は、適切な細胞グリコシル化酵素により特異的に認識されるトリペプチド配列である、アスパラギン-X-トレオニンまたはアスパラギン-X-セリン(ここでの「X」は任意のアミノ酸である)を、一般に含む。ポリペプチドの配列への(O連結グリコシル化部位に対する)1つもしくは複数のセリンもしくはトレオニン残基の付加により、またはそのような残基による置換により、変更を加えることもできる。グリコシル化認識部位の第1もしくは第3のアミノ酸位置の一方もしくは両方における様々なアミノ酸の置換もしくは欠失(および/または第2位におけるアミノ酸欠失)は、修飾トリペプチド配列における非グリコシル化をもたらす。ポリペプチド上の糖鎖部分の数を増加させる別の手段は、グリコシドとポリペプチドとの化学的または酵素的カップリングによるものである。使用されるカップリング方法に依存して、糖を、(a)アルギニンおよびヒスチジン;(b)遊離カルボキシル基;(c)システインのものなどの遊離スルフヒドリル基;(d)セリン、トレオニンもしくはヒドロキシプロリンのものなどの遊離ヒドロキシル基;(e)フェニルアラニン、チロシンもしくはトリプトファンのものなどの芳香族残基;または(f)グルタミンのアミド基に結合させることができる。ポリペプチド上に存在する1つまたは複数の糖鎖部分の除去は、化学的におよび/または酵素的に遂行することができる。化学的脱グリコシル化は、例えば、化合物トリフルオロメタンスルホン酸または同等の化合物へのポリペプチドの曝露を含み得る。この処置は、アミノ酸配列を原形のまま残しつつ、連結している糖(N-アセチルグルコサミンまたはN-アセチルガラクトサミン)を除いてほとんどのまたはすべての糖を切断する結果となる。ポリペプチド上の糖鎖部分の酵素的切断は、Thotakuraら[Meth. Enzymol.(1987年)138巻:350頁]によって記載されたような様々なエンドおよびエキソグリコシダーゼの使用により果すことができる。哺乳動物、酵母、昆虫および植物細胞は、すべて、ペプチドのアミノ酸配列による影響を受け得る異なるグリコシル化パターンを導入することができるので、使用する発現系のタイプに依存して、必要に応じてポリペプチドの配列を調整することができる。一般に、ヒトにおける使用のための本開示のヘテロマー複合体は、適切なグリコシル化をもたらす哺乳動物細胞系、例えば、HEK293またはCHO細胞系において発現させることができるが、他の哺乳動物発現細胞系も有用であると予想される。
【0130】
本開示は、突然変異体、特に、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドのコンビナトリアル突然変異体のセット、ならびに短縮突然変異体を作製する方法を、さらに企図している。コンビナトリアル突然変異体のプールは、機能的に活性な(例えば、TGF-ベータスーパーファミリーリガンド結合)ALK4および/またはActRIIB配列の同定に、特に有用である。そのようなコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングする目的は、例えば、薬物動態の変化またはリガンド結合の変化などの特性の変化を有するポリペプチドバリアントを生成することであり得る。様々なスクリーニングアッセイが下記で提供され、そのようなアッセイを使用してバリアントを評価することができる。例えば、ALK4:ActRIIB複合体バリアントを、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドと結合する能力、TGF-ベータスーパーファミリーリガンドのTGF-ベータスーパーファミリー受容体との結合を防止する能力、および/またはTGF-ベータスーパーファミリーリガンドによって引き起こされるシグナル伝達に干渉する能力について、スクリーニングすることができる。
【0131】
ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の活性を、例えば、細胞に基づくアッセイまたはin vivoアッセイで、試験することもできる。例えば、遺伝子の発現、または筋肉細胞での筋肉産生に関与するタンパク質の活性に対する、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の効果を、評定することができる。これを、必要に応じて、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドの存在下で行うことができ、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体および任意選択でTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを産生するように細胞にトランスフェクトすることができる。同様に、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体をマウスまたは他の動物に投与することができ、当技術分野で認知されている方法を使用して、筋肉形成および強度などの1つまたは複数の測定値を評定することができる。同様に、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体またはそのバリアントの活性を、例えば、骨芽細胞、脂肪細胞および/または神経細胞において、これらの細胞の増殖に対する何らかの効果について、例えば、本明細書に記載のアッセイおよび当技術分野において常識のアッセイにより、試験することができる。SMAD反応性レポーター遺伝子をそのような細胞系において使用して、下流のシグナル伝達に対する効果をモニターすることができる。
【0132】
参照ALK4:ActRIIBヘテロ多量体と比較して選択性の増加または一般に効力の増大を有する、コンビナトリアル由来バリアントを、生成することができる。そのようなバリアントは、組換えDNA構築物から発現された場合、遺伝子療法プロトコールで使用することができる。同様に、突然変異誘発は、対応する未修飾TGF-ベータスーパーファミリーヘテロ多量体とは劇的に異なる細胞内半減期を有するバリアントを生じさせることができる。例えば、変化したタンパク質を、タンパク質分解に対して、または未修飾ポリペプチドの崩壊もしくは別様の不活性化を生じさせる他の細胞過程に対して、より安定にまたはより不安定にさせることができる。そのようなバリアント、およびそれらをコードする遺伝子を利用して、ポリペプチドの半減期をモジュレートすることによりポリペプチド複合体レベルを変更することができる。例えば、短い半減期は、より短期的な生物学的効果を生じさせることができ、誘導性発現系の部分の場合、細胞内の組換えポリペプチド複合体レベルのより厳格な調節を可能にすることができる。Fc融合タンパク質では、リンカー(存在する場合)および/またはFc部分において突然変異を生じさせて、例えば免疫原性、半減期および可溶性を含む、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の1つまたは複数の活性を変化させることができる。
【0133】
コンビナトリアルライブラリーは、可能性のあるALK4および/またはActRIIB配列の少なくとも一部分を各々が含むポリペプチドのライブラリーをコードする遺伝子の縮重ライブラリーによって生成することができる。例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を酵素的に遺伝子配列にライゲーションすることができ、したがって、可能性のある、ALK4および/またはActRIIBをコードするヌクレオチド配列の、縮重セットが、個々のポリペプチドとして発現可能であり、または代替的に、より大きい融合タンパク質のセットとして(例えば、ファージディスプレイのために)発現可能である。
【0134】
可能性のあるホモログのライブラリーを縮重オリゴヌクレオチド配列から生成することができる多くの方法がある。縮重遺伝子配列の化学合成を自動DNA合成装置で行うことができ、次いで、合成遺伝子を、発現のための適切なベクターにライゲーションすることができる。縮重オリゴヌクレオチドの合成は、当技術分野において周知である[Narang, SA(1983年)Tetrahedron 39巻:3号;Itakuraら(1981年)Recombinant DNA、Proc. 3rd Cleveland Sympos. Macromolecules、編集AG Walton、Amsterdam: Elsevier 273~289頁;Itakuraら(1984年)Annu. Rev. Biochem. 53巻:323頁;Itakuraら(1984年)Science 198巻:1056頁;およびIkeら(1983年)Nucleic Acid Res. 11巻:477頁]。そのような技術は、他のタンパク質の定方向進化に利用されてきた[Scottら(1990年)Science 249巻:386~390頁;Robertsら(1992年)PNAS USA 89巻:2429~2433頁;Devlinら(1990年)Science 249巻:404~406頁;Cwirlaら(1990年)PNAS USA 87巻:6378~6382頁;ならびに米国特許第5,223,409号、同第5,198,346号、および同第5,096,815号]。
【0135】
あるいは、他の形態の突然変異誘発を利用して、コンビナトリアルライブラリーを生成することができる。例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を生成し、ライブラリーから、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発[Rufら(1994年)Biochemistry 33巻:1565~1572頁;Wangら(1994年)J. Biol. Chem. 269巻:3095~3099頁;Balintら(1993年)Gene 137巻:109~118頁;Grodbergら(1993年)Eur. J. Biochem. 218巻:597~601頁;Nagashimaら(1993年)J. Biol. Chem. 268巻:2888~2892頁;Lowmanら(1991年)Biochemistry 30巻:10832~10838頁;およびCunninghamら(1989年)Science 244巻:1081~1085頁]を使用する、スクリーニングにより;リンカースキャニング突然変異誘発[Gustinら(1993年)Virology 193巻:653~660頁;およびBrownら(1992年)Mol. Cell Biol. 12巻:2644~2652頁;McKnightら(1982年)Science 232巻:316頁]により;飽和突然変異誘発[Meyersら(1986年)Science 232巻:613頁]により;PCR突然変異誘発[Leungら(1989年)Method Cell Mol Biol 1巻:11~19頁]により;または化学的突然変異誘発を含む、ランダム突然変異誘発「Millerら(1992年)A Short Course in Bacterial Genetics、CSHL Press、Cold Spring Harbor、NY;およびGreenerら(1994年)Strategies in Mol Biol 7巻:32~34頁]により、単離することができる。特にコンビナトリアル設定での、リンカースキャニング突然変異誘発は、短縮された(生物活性)形態のALK4および/またはActRIIBポリペプチドについての魅力的な同定方法である。
【0136】
点突然変異および短縮により作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするための、ついでに言えば、ある特定の特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーをスクリーニングするための、広範な技術が、当技術分野において公知である。そのような技術は、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体のコンビナトリアル突然変異誘発により生成される遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに、一般に、適応可能であろう。大きい遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための最も広く使用されている技術は、複製可能な発現ベクターに遺伝子ライブラリーをクローニングすること、結果として得られたベクターライブラリーで適切な細胞を形質転換させること、および所望の活性の検出が、その産物が検出された遺伝子をコードするベクターの比較的容易な単離を助長する、条件下で、コンビナトリアル遺伝子を発現させることを、概して含む。好ましいアッセイは、TGF-ベータスーパーファミリーリガンド(例えば、BMP2、BMP2/7、BMP3、BMP4、BMP4/7、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP9、BMP10、GDF3、GDF5、GDF6/BMP13、GDF7、GDF8、GDF9b/BMP15、GDF11/BMP11、GDF15/MIC1、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンBC、アクチビンAE、アクチビンBE、ノダル、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アルテミン、パーセフィン、MIS、およびレフティー)結合アッセイおよび/またはTGF-ベータリガンド媒介細胞シグナル伝達アッセイを含む。
【0137】
ある特定の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、ALK4および/またはActRIIBポリペプチド中に天然に存在する何らかのものに加えて、翻訳後修飾をさらに含み得る。そのような修飾は、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質付加およびアシル化を含むが、これらに限定されない。結果として、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、ポリエチレングリコール、脂質、多糖類または単糖類、およびリン酸塩などの、非アミノ酸エレメントを含み得る。ヘテロ多量体複合体の機能性に対するそのような非アミノ酸エレメントの効果は、他のヘテロ多量体バリアントについて本明細書で記載されるように試験することができる。本開示のポリペプチドが、新生形態のポリペプチドを切断することにより細胞において産生される場合、翻訳後プロセシングもタンパク質の適切なフォールディングおよび/または機能に重要であり得る。異なる細胞(例えば、CHO、HeLa、MDCK、293、WI38、NIH-3T3またはHEK293)は、そのような翻訳後活性のための特異的細胞内機構および特徴的メカニズムを有し、それらの細胞を、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドならびにそれらを含むヘテロ多量体の適切な修飾およびプロセシングを確実にするように選択することができる。
【0138】
ある特定の好ましい実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ多量体は、少なくとも1つのActRIIBポリペプチドと共有結合でまたは非共有結合で会合している少なくとも1つのALK4ポリペプチドを含む。好ましくは、本明細書で開示されるポリペプチドは、ヘテロ二量体複合体を形成するが、より高次のヘテロ多量体複合体、例えば、これらに限定されないが、ヘテロ三量体、ヘテロ四量体およびさらにオリゴマー構造(例えば、
図6を参照されたい)も含まれる。一部の実施形態では、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドは、少なくとも1つの多量体化ドメインを含む。本明細書で開示される場合、「多量体化ドメイン」という用語は、少なくとも第1のポリペプチドと少なくとも第2のポリペプチドとの間の共有結合性または非共有結合性相互作用を促進する、アミノ酸またはアミノ酸配列を指す。本明細書で開示されるポリペプチドは、多量体化ドメインに共有結合でまたは非表有結合で連結されることもある。好ましくは、多量体化ドメインは、第1のポリペプチド(例えば、ALK4ポリペプチド)と第2のポリペプチド(例えば、ActRIIBポリペプチド)の間の相互作用を促進してヘテロ多量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)を促進し、および任意選択で、ホモ多量体形成(例えば、ホモ二量体形成)を妨げるか、または別様に不利な状態にし、それによって所望のヘテロ多量体(例えば、
図6を参照されたい)の収量を増加させる。
【0139】
ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を生成するために、当技術分野において公知の多くの方法を使用することができる。例えば、第1のポリペプチド(例えば、ALK4ポリペプチド)上の天然に存在するアミノ酸をシステインなどの遊離チオール含有残基で置き換え、その結果、遊離チオールが、第2のポリペプチド(例えば、ActRIIBポリペプチド)上の別の遊離チオール含有残基と、第1のポリペプチドと第2のポリペプチド間にジスルフィド結合が形成されるように相互作用することにより、天然に存在しないジスルフィド結合を構築することができる。ヘテロ多量体形成を促進するための相互作用のさらなる例は、Kjaergaardら、WO2007147901に記載されているものなどのイオン性相互作用;Kannanら、U.S.8,592,562に記載されているものなどの静電ステアリング効果;Christensenら、U.S.20120302737に記載されているものなどのコイルドコイル相互作用;PackおよびPlueckthun、(1992年)Biochemistry 31巻:1579~1584頁に記載されているものなどのロイシンジッパー;およびPackら(1993年)Bio/Technology 11巻:1271~1277頁に記載されているものなどのヘリックス・ターン・ヘリックスモチーフを含むが、これらに限定されない。様々なセグメントの連結は、例えば、化学的架橋、ペプチドリンカー、ジスルフィドブリッジなどによるような共有結合によって、またはアビジン-ビオチンもしくはロイシンジッパー技術によるような親和性相互作用によって、達成することができる。
【0140】
ある特定の態様では、多量体化ドメインは、相互作用対の一方の成分を含み得る。一部の実施形態では、本明細書で開示されるポリペプチドは、第2のポリペプチドと共有結合でまたは非共有結合で会合している第1のポリペプチドを含むタンパク質複合体であって、第1のポリペプチドが、ALK4ポリペプチドのアミノ酸配列と、相互作用対の第1のメンバーのアミノ酸配列とを含み、第2のポリペプチドが、ActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列と、相互作用対の第2のメンバーのアミノ酸配列とを含む、タンパク質複合体を形成し得る。相互作用対は、複合体、特にヘテロ二量体複合体を形成するように相互作用するいずれの2つのポリペプチド配列であってよいが、効力のある実施形態は、ホモ二量体複合体を形成することができる相互作用対を利用することもある。相互作用対の一方のメンバーは、例えば、配列番号2、3、5、6、10および20のいずれか1つの配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列から本質的になるか、またはそのようなアミノ酸配列からなる、ポリペプチド配列を含む、本明細書に記載のALK4またはActRIIBポリペプチドと、融合させることができる。相互作用対を、血清半減期の延長などの特性/活性の向上を付与するように選択してもよく、または特性/活性の向上をもたらすために別の部分を結合させるアダプターとして作用するように選択してもよい。例えば、ポリエチレングリコール部分を、血清半減期の延長などの特性/活性の向上をもたらすために相互作用対の一方または両方の成分に結合させてもよい。
【0141】
相互作用対の第1および第2のメンバーは、非対称対であってもよく、これは、対のメンバーが、自己会合するのではなく優先的に互いに会合することを意味する。したがって、非対称の相互作用対の第1および第2のメンバーは、ヘテロ二量体複合体(例えば、
図6を参照されたい)を形成するように会合し得る。あるいは、相互作用対は、無誘導であってもよく、これは、対のメンバーが、実質的な優先性なく、互いに会合することもあり、または自己会合することもあり、したがって、同じアミノ酸配列を有することもあり、または異なるアミノ酸配列を有することもあることを意味する。したがって、無誘導相互作用対の第1および第2のメンバーは、ホモ二量体複合体を形成するように会合することもあり、またはヘテロ二量体複合体を形成するように会合することもある。任意選択で、相互作用対(例えば、非対称対または無誘導相互作用対)の第1のメンバーは、相互作用対の第2のメンバーと共有結合で会合する。任意選択で、相互作用対(例えば、非対称対または無誘導相互作用対)の第1のメンバーは、相互作用対の第2のメンバーと非共有結合で会合する。
【0142】
具体的な例として、本開示は、免疫グロブリンのCH1、CH2もしくはCH3ドメインなどの免疫グロブリンの定常ドメインまたはFcドメインを含むポリペプチドに融合しているALK4またはActRIIBを含む融合タンパク質を提供する。ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に由来するFcドメインは、本明細書で提供される。CDC活性またはADCC活性のどちらかを低下させる他の突然変異は公知であり、まとめると、これらのバリアントのいずれもが本開示に含まれ、本開示のヘテロ多量体複合体の有利な成分として使用され得る。任意選択で、配列番号31のIgG1 Fcドメインは、Asp-265、Lys-322およびAsn-434(対応する完全長IgG1に従って番号付けされた)などの残基における1つまたは複数の突然変異を有する。ある特定の場合、これらの突然変異の1つまたは複数(例えば、Asp-265突然変異)を有する突然変異型Fcドメインは、野生型Fcドメインと比較してFcγ受容体と結合する能力が低下している。他の場合、これらの突然変異の1つまたは複数(例えば、Asn-434突然変異)を有する突然変異型Fcドメインは、野生型Fcドメインと比較してMHCクラスI関連Fc受容体(FcRN)と結合する能力が増大している。
【0143】
ヒトIgG1のFc部分(G1Fc)に使用され得る天然アミノ酸配列の例は、下記で示される(配列番号31)。点線下線は、ヒンジ領域を示し、実線下線は、天然に存在するバリアントを有する位置を示す。一つには、本開示は、配列番号31に対して70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列から本質的になるか、またはそのようなアミノ酸配列からなるポリペプチドを提供する。G1Fcにおける天然に存在するバリアントは、配列番号31で使用された番号付けシステム(Uniprot P01857を参照されたい)に従ってE134DおよびM136Lを含むであろう。
【化18】
【0144】
ヒトIgG2のFc部分(G2Fc)に使用され得る天然アミノ酸配列の例は、下記で示される(配列番号32)。点線下線は、ヒンジ領域を示し、二重下線は、配列にデータベースコンフリクトがある位置を示す(UniProt P01859に従う)。一つには、本開示は、配列番号32に対して70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列から本質的になるか、またはそのようなアミノ酸配列からなるポリペプチドを提供する。
【化19】
【化20】
【0145】
ヒトIgG3のFc部分(G3Fc)に使用され得るアミノ酸配列の2つの例は、下記で示される。G3Fcにおけるヒンジ領域は、他のFc鎖における場合の4倍以下の長さであることができ、3つの同一の15残基セグメントを含有し、その前に同様の17残基セグメントがある。下記で示される第1のG3Fc配列(配列番号33)は、単一の15残基セグメントからなる短いヒンジ領域を含有するが、第2のG3Fc配列(配列番号34)は、完全長ヒンジ領域を含有する。各々の場合、UniProt P01859に従って、点線下線は、ヒンジ領域を示し、実線下線は、天然に存在するバリアントを有する位置を示す。一つには、本開示は、配列番号33および34に対して70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列から本質的になるか、またはそのようなアミノ酸配列からなるポリペプチドを提供する。
【化21】
【0146】
G3Fcにおける天然に存在するバリアント(例えば、Uniprot P01860を参照されたい)は、配列番号33に使用された番号付けシステムに変換した場合、E68Q、P76L、E79Q、Y81F、D97N、N100D、T124A、S169N、S169del、F221Yを含み、本開示は、これらのバリエーションの1つまたは複数を含有するG3Fcドメインを含む融合タンパク質を提供する。加えて、ヒト免疫グロブリンIgG3遺伝子(IGHG3)は、異なるヒンジ長を特徴とする構造的多型を示す[Uniprot P01859を参照されたい]。具体的には、バリアントWISは、V領域の大部分およびCH1領域のすべてを欠いている。バリアントWISは、ヒンジ領域に通常は存在する11個に加えて7位に追加の鎖間ジスルフィド結合を有する。バリアントZUCは、V領域の大部分、CH1領域のすべて、およびヒンジの一部を欠く。バリアントOMMは、対立遺伝子形を表すこともあり、または別のガンマ鎖サブクラスを表すこともある。本開示は、これらのバリアントの1つまたは複数を含有するG3Fcドメインを含むさらなる融合タンパク質を提供する。
【0147】
ヒトIgG4のFc部分(G4Fc)に使用され得る天然アミノ酸配列の例は、下記で示される(配列番号35)。点線下線は、ヒンジ領域を示す。一つには、本開示は、配列番号35に対して70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列から本質的になるか、またはそのようなアミノ酸配列からなるポリペプチドを提供する。
【化22】
【0148】
Fcドメインにおける様々な改変突然変異が、G1Fc配列(配列番号31)に関して本明細書で提示され、G2Fc、G3FcおよびG4Fcにおける類似の突然変異を
図3におけるG1Fcとのそれらのアラインメントから導出することができる。同一でないヒンジ長のため、アイソタイプアラインメント(
図3)に基づく類似のFc位置は、配列番号31、32、33、34および35において異なるアミノ酸番号を有する。ヒンジ、C
H2およびC
H3領域からなる免疫グロブリン配列(例えば、配列番号31、32、33、34および35)における所与のアミノ酸位置は、番号付けが、Uniprotデータベースの場合のように(C
H1、ヒンジ、C
H2およびC
H3領域からなる)IgG1重鎖定常ドメイン全体を包含するときの同じ位置とは異なる番号によって特定されることになることも、理解され得る。例えば、ヒトG1Fc配列(配列番号31)、ヒトIgG1重鎖定常ドメイン(UniProt P01857)およびヒトIgG1重鎖における選択されたC
H3位置間の対応は、次の通りである。
【表1-1】
【表1-2】
【0149】
単一の細胞系からの非対称の免疫グロブリンに基づくタンパク質の大規模産生の際に生じる問題は、「鎖会合課題」として公知である。二重特異性抗体の産生の際に主として直面するような、鎖会合課題は、異なる重鎖および/または軽鎖が単一の細胞系において産生される場合に本質的に生じる結果となる複数の組合せの中から所望の多鎖タンパク質を効率的に産生させるという難題に関する[Kleinら(2012年)mAbs 4巻:653~663頁]。この問題は、2つの異なる重鎖および2つの異なる軽鎖が同じ細胞において産生される場合、最も深刻であり、この場合、1つだけが概して所望されるのに、可能性のある鎖の組合せが(これらの一部は同一であるが)合計16存在する。それにもかかわらず、同じ原理により、異なる(非対称)重鎖を2つだけ含む所望の多鎖融合タンパク質の収量減少が説明される。
【0150】
好ましい非対称の融合タンパク質を許容可能な収量で産生するために単一の細胞系においてFc含有融合ポリペプチド鎖の所望の対合を増加させる様々な方法が、当技術分野において公知である[Kleinら(2012年)mAbs 4巻:653~663頁;およびSpiessら(2015年)Molecular Immunology 67巻(2A号):95~106頁]。Fc含有鎖の所望の対合を達成するための方法は、電荷に基づく対合(静電ステアリング)、「ノブ-イントゥ-ホール」立体的対合、SEEDbody対合、およびロイシンジッパーに基づく対合を含むが、これらに限定されない。[Ridgwayら(1996年)Protein Eng 9巻:617~621頁;Merchantら(1998年)Nat Biotech 16巻:677~681頁;Davisら(2010年)Protein Eng Des Sel 23巻:195~202頁;Gunasekaranら(2010年);285巻:19637~19646頁;Wranikら(2012年)J Biol Chem 287巻:43331~43339頁;米国特許第5932448号;WO1993/011162;WO2009/089004、およびWO2011/034605]。本明細書に記載される通り、これらの方法を使用して、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体複合体を生成することができる。
図6を参照されたい。
【0151】
例えば、特定のポリペプチド間の相互作用を促進することができる1つの手段は、Arathoonら、U.S.7,183,076およびCarterら、U.S.5,731,168に記載されているものなどの、突出-イントゥ-空洞(protuberance-into-cavity)(ノブ-イントゥ-ホール)相補領域を工学的に作製することによるものである。「突出」は、第1のポリペプチド(例えば、第1の相互作用対)の境界面からの小さいアミノ酸側鎖を、より大きい側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置き換えることによって構築される。突出と同一のまたは同様のサイズの相補的「空洞」が、大きいアミノ酸側鎖をより小さいアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはトレオニン)で置き換えることによって、第2のポリペプチド(例えば、第2の相互作用対)の境界面に任意選択で作出される。適切な位置にあり、適切な寸法を有する突出または空洞が、第1または第2のポリペプチドのどちらかの境界面に存在する場合、対応する空洞または突出を、それぞれ、隣接する境界面に工学的に作製するだけでよい。
【0152】
中性pH(7.0)では、アスパラギン酸およびグルタミン酸は、負に荷電しており、リシン、アルギニンおよびヒスチジンは、正に荷電している。これらの荷電残基を使用して、ヘテロ二量体形成を促進すること、および同時にホモ二量体形成を妨げることができる。引力相互作用が、反対の電荷間で起こり、反発相互作用が、同じ電荷間で起こる。一部には、本明細書で開示されるタンパク質複合体は、荷電境界面残基の部位特異的突然変異誘発を行うことにより、ヘテロ多量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)を促進するために引力相互作用を、および任意選択で、ホモ二量体形成(例えば、ホモ二量体形成)を妨げるために反発相互作用を使用する。
【0153】
例えば、IgG1 CH3ドメイン境界面は、ドメイン-ドメイン相互作用に関与する4種の特有の荷電残基(charge residue)対:Asp356-Lys439’、Glu357-Lys370’、Lys392-Asp399’、およびAsp399-Lys409’[第2の鎖における残基番号付けが(’)により示されている]を含む。IgG1 CH3ドメインにおける残基を指定するためにここで使用される番号付けスキームが、KabatのEU番号付けスキームに準拠することに留意されたい。CH3-CH3ドメイン相互作用に存在する2回対称性のため、各々の特有の相互作用は、構造に2回示されることになる(例えば、Asp-399-Lys409’およびLys409-Asp399’)。野生型配列では、K409-D399’は、ヘテロ二量体形成とホモ二量体形成の両方に有利である。第1の鎖における電荷極性を切り替える単一の突然変異(例えば、K409E;正電荷から負電荷へ)は、第1の鎖のホモ二量体の形成に不利な相互作用をもたらす。不利な相互作用は、同じ電荷(負-負;K409E-D399’およびD399-K409E’)間で起こる反発相互作用に起因して生じる。第2の鎖における電荷極性を切り替える同様の突然変異(D399K’;負から正へ)は、第2の鎖のホモ二量体形成に不利な相互作用(K409’-D399K’およびD399K-K409’)をもたらす。しかし、同時に、これら2つの突然変異(K409EおよびD399K’)は、ヘテロ二量体形成に有利な相互作用(K409E-D399K’およびD399-K409’)をもたらす。
【0154】
ヘテロ二量体形成およびホモ二量体防止に対する静電ステアリング効果を、例えばArg355およびLys360を含む第2の鎖における反対の電荷を有する残基と対合することもあり、またはしないこともある、さらなる荷電残基の突然変異によって、さらに増強することができる。下記の表は、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体形成を増進するために単独でまたは組み合わせて使用することができる、可能性のある電荷変化突然変異を収載するものである。
【表2】
【0155】
一部の実施形態では、本願の融合タンパク質におけるCH3-CH3境界面を構成する1つまたは複数の残基は、相互作用が静電的に不利になるような荷電アミノ酸で置き換えられる。例えば、境界面における正荷電アミノ酸(例えば、リシン、アルギニンまたはヒスチジン)は、負荷電アミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)で置き換えられる。あるいは、または前述の置換と組み合わせて、境界面における負荷電アミノ酸は、正荷電アミノ酸で置き換えられる。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、所望の電荷特性を有する天然に存在しないアミノ酸で置き換えられる。負荷電残基(AspまたはGlu)のHisへの突然変異が、立体的課題の原因になり得る、側鎖体積の増加につながることになることに留意されたい。さらに、Hisプロトン供与体および受容体形態は、局在環境に依存する。これらの課題を設計戦略とともに考慮するべきである。境界面残基は、ヒトおよびマウスIgGサブクラスにおいて高度に保存されるため、本明細書で開示される静電ステアリング効果をヒトおよびマウスIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に適用することができる。この戦略をCH3ドメイン境界面における非荷電残基の荷電残基への修飾に拡大することもできる。
【0156】
一つには、本開示は、電荷対合(静電ステアリング)に基づいて相補性になるように改変されたFc配列を使用する、非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。静電相補性を有する1対のFc配列の一方を、任意選択のリンカーを用いてまたは用いずに、構築物のALK4またはActRIIBポリペプチドに任意に融合させて、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を生成することができる。この単鎖を、選ばれた細胞において、所望の多鎖構築物(例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体)の生成に有利であるように、第1のFcに相補的なFc配列とともに共発現させることができる。静電ステアリングに基づくこの例では、改変アミノ酸置換が二重下線付きである、配列番号23[ヒトG1Fc(E134K/D177K)]および配列番号24[ヒトG1Fc(K170D/K187D)]が、相補的Fc配列の例であり、構築物のTGF-ベータスーパーファミリーI型またはII型受容体ポリペプチドを、配列番号23または配列番号24の、両方ではないが、どちらかに融合させることができる。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(
図3を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、下記の相補的hG1Fc対(配列番号23および24)の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは、理解され得る。
【化23】
【0157】
一つには、本開示は、立体的相補性のために改変されたFc配列を使用する、非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。一つには、本開示は、ノブ-イントゥ-ホール対合を立体的相補性の例として提供する。立体相補性を有する1対のFc配列の一方を、任意選択のリンカーを用いてまたは用いずに、構築物のALK4またはActRIIBポリペプチドに任意に融合させて、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を生成することができる。この単鎖を、選ばれた細胞において、所望の多鎖構築物の生成に有利であるように、第1のFcに相補的なFc配列とともに共発現させることができる。ノブ-イントゥ-ホール対合に基づくこの例では、改変アミノ酸置換が二重下線付きである、配列番号25[ヒトG1Fc(T144Y)]および配列番号26[ヒトG1Fc(Y185T)]が、相補的Fc配列の例であり、構築物のALK4またはActRIIBポリペプチドを、配列番号25または配列番号26の、両方ではないが、どちらかに融合させることができる。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(
図3を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、下記の相補的hG1Fc対(配列番号25および26)の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは、理解され得る。
【化24】
【0158】
改変ジスルフィド結合と組み合わせられたノブ-イントゥ-ホール対合に基づくFc相補性の例は、配列番号27[hG1Fc(S132C/T144W)]および配列番号28[hG1Fc(Y127C/T144S/L146A/Y185V)]で開示される。これらの配列中の改変アミノ酸置換は二重下線付きであり、構築物のTGF-ベータスーパーファミリーI型またはII型ポリペプチドを、配列番号27または配列番号28の、両方ではないが、どちらかに融合させることができる。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(
図3を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、下記の相補的hG1Fc対(配列番号27および28)の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは、理解され得る。
【化25】
【0159】
一つには、本開示は、ヒトIgGおよびIgA C
H3ドメインの指状嵌入β鎖セグメントを生成するように改変されたFc配列を使用する、非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。このような方法は、SEEDbody融合タンパク質の形成を可能にする鎖交換改変ドメイン(SEED)C
H3ヘテロ二量体の使用を含む[Davisら(2010年)Protein Eng Design Sel 23巻:195~202頁]。SEEDbody相補性を有する1対のFc配列の一方を、任意選択のリンカーを用いてまたは用いずに、構築物のALK4またはActRIIBに任意に融合させて、ALK4またはActRIIB融合ポリペプチドを生成することができる。この単鎖を、選ばれた細胞において、所望の多鎖構築物の生成に有利であるように、第1のFcに相補的なFc配列とともに共発現させることができる。SEEDbody(Sb)対合に基づくこの例では、IgA Fcからの改変アミノ酸置換が二重下線付きである、配列番号29[hG1Fc(Sb
AG)]および配列番号30[hG1Fc(Sb
GA)]が、相補的IgG Fc配列の例であり、構築物のALK4またはActRIIBポリペプチドを、配列番号29または配列番号30の、両方ではないが、どちらかに融合させることができる。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一度を考えると、hG1Fc、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fcにおける対応する位置でのアミノ酸置換(
図3を参照されたい)が、下記の相補的IgG-IgA対(配列番号29および30)に使用することができるFc単量体を生成することになることは、理解され得る。
【化26】
【化27】
【0160】
一つには、本開示は、Fc C
H3ドメインのC末端に結合された切断可能ロイシンジッパードメインを用いる非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。ロイシンジッパーの結合は、ヘテロ二量体抗体重鎖の優先的構築を生じさせるのに十分なものである[Wranikら(2012年)J Biol Chem 287巻:43331~43339頁]。本明細書で開示される通り、ロイシンジッパー形成鎖に結合された1対のFc配列の一方を、任意選択のリンカーを用いてまたは用いずに、構築物のALK4またはActRIIBポリペプチドに任意に融合させて、ALK4またはActRIIB融合ポリペプチドを生成することができる。この単鎖を、選ばれた細胞において、所望の多鎖構築物の生成に有利であるように、相補的ロイシンジッパー形成鎖に結合されたFc配列とともに共発現させることができる。精製後の細菌エンドプロテイナーゼLys-Cでの構築物のタンパク質消化は、ロイシンジッパードメインを放出して、構造が天然Fcの構造と同一であるFc構築物をもたらすことができる。ロイシンジッパー対合に基づくこの例では、改変された相補的ロイシンジッパー配列が二重下線付きである、配列番号36[hG1Fc-Ap1(酸性)]および配列番号37[hG1Fc-Bp1(塩基性)]が、相補的IgG Fc配列の例であり、構築物のALK4またはActRIIBポリペプチドを、配列番号36または配列番号37の、両方ではないが、どちらかに融合させることができる。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一度を考えると、任意選択のリンカーを用いてまたは用いずにhG1Fc、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(
図3を参照されたい)に結合されたロイシンジッパー形成配列が、下記の相補的ロイシンジッパー形成対(配列番号36および37)において使用することができるFc単量体を生成することになることは、理解され得る。
【化28】
【化29】
【0161】
ある特定の態様では、本開示は、ALK4ポリペプチドの等電点(pI)を変化させる1つもしくは複数のアミノ酸修飾を含むALK4ポリペプチド(例えば、ALK4-Fc融合タンパク質)、および/またはActRIIBポリペプチドの等電点を変化させる1つもしくは複数のアミノ酸修飾を含むActRIIBポリペプチド(例えば、ActRIIB-Fc融合タンパク質)に関する。一部の実施形態では、約5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5または9.0より高いpI値を有する1つまたは複数の候補ドメインが、完全多ドメインタンパク質の構築に選択される。他の実施形態では、約9.0、8.5、8.0、7.5、7.0、6.5、6.0、5.5または5.0未満のpI値を有する1つまたは複数の候補ドメインが、完全多ドメインタンパク質の構築に選択される。単一のタンパク質が複数の電荷形態を有することになることは、当業者には理解されるであろう。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、タンパク質の電荷は、アミノ酸置換、カチオン化、脱アミノ化、カルボキシル末端アミノ酸不均質、リン酸化およびグリコシル化を含むがこれらに限定されない、いくつかの異なるメカニズムにより修飾することができる。
【0162】
タンパク質のpIは、等電点電気泳動および様々なコンピュータアルゴリズムを含むがこれらに限定されない、様々な方法により決定することができる(例えば、Bjellqvistら、1993年、Electrophoresis 14巻:1023頁を参照されたい)。一実施形態では、pIは、多重温度冷蔵バス再循環ユニットおよびEPS 3501 XL電源を備えた、Pharmacia Biotech Multiphor 2電気泳動システムを使用して決定される。プレキャストアンフォラインゲル(例えば、Amersham Biosciences、pI範囲2.5~10)に、タンパク質試料が負荷される。広範囲pIマーカー標準物質(例えば、Amersham、pI範囲3~10、8μL)が、タンパク質の相対pIを決定するために使用される。電気泳動は、例えば、1500V、50mAで105分間、行われる。ゲルは、例えば、精製水で1×に希釈されたSigma固定液(5×)を使用して固定される。染色は、例えば、Simply Blue染色剤(Invitrogen)を使用して一晩、室温で行われる。脱染は、例えば、25%エタノール、8%酢酸および67%精製水からなる溶液で行われる。等電点は、例えば、Bio-Rad密度計を使用して標準物質の検量線と比較して決定される。1または複数の計量は、異なるpH値、異なる温度、異なる剪断応力および異なる凍結/融解サイクルからなる群から選択される1つまたは複数の異なる条件下でドメインの安定性を特徴付ける計量をさらに含み得る。
【0163】
一つには、本開示は、所望のヘテロマー種の精製を助長するFcドメインにおけるさらなる突然変異と組み合わせての上記の方法により、非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。例は、一方のFc含有ポリペプチド鎖中の2つの負荷電アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸)および相補的Fc含有ポリペプチド鎖中の2つの正荷電アミノ酸(例えば、アルギニン)(配列番号66~67)のさらなる置換を加えた、配列番号27~28で開示されるような、改変ジスルフィド結合と組み合わせられたノブ-イントゥ-ホール対合に基づくFcドメインの相補性である。これら4つのアミノ酸置換は、等電点または正味の分子電荷の差異に基づいて異種ポリペプチド混合物からの所望のヘテロマー融合タンパク質の選択的精製を助長する。これらの配列中の改変アミノ酸置換は、下に二重下線が付いており、構築物のALK4またはActRIIBポリペプチドを、配列番号66または配列番号67の、両方ではないが、どちらかに融合させることができる。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(
図3を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、下記の相補的hG1Fc対(配列番号66~67)の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは、理解され得る。
【化30】
【0164】
別の例は、一方のFc含有ポリペプチド鎖(配列番号68)の213位におけるヒスチジンのアルギニンへの置換を加えた、配列番号27~28で開示されるような、改変ジスルフィド結合と組み合わせられたノブ-イントゥ-ホール対合に基づくFcドメインの相補性を含む。この置換(Kabatらの番号付けシステムではH435Rと示される)は、プロテインAに対する親和性の差異に基づいて望ましくないホモ二量体からの所望のヘテロマーの分離を助長する。改変アミノ酸置換は、二重下線により示され、構築物のALK4またはActRIIBポリペプチドを、配列番号68または配列番号28の、両方ではないが、どちらかに融合させることができる。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(
図3を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、配列番号68(下記)および配列番号28の相補的hG1Fc対の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは、理解され得る。
【化31】
【0165】
Fcドメインにおける様々な改変突然変異が、G1Fc配列(配列番号31)に関して上に提示されている。G2Fc、G3FcおよびG4Fcにおける類似の突然変異を、
図3中のG1Fcとのそれらのアラインメントから導出することができる。同一でないヒンジ長のため、アイソタイプアラインメント(
図3)に基づく類似のFc位置は、次の表で要約される通り、配列番号31、32、33、34および35において異なるアミノ酸番号を有する。
【表3-1】
【表3-2】
【0166】
融合タンパク質(例えば、免疫グロブリンFc融合タンパク質)の異なるエレメントを、所望の機能性と一致する様式で配列することができることは理解される。例えば、ALK4および/もしくはActRIIBポリペプチドドメインを、異種ドメインのC末端側に配置してもよく、または代替的に、異種ドメインをALK4および/もしくはActRIIBポリペプチドドメインのC末端側に配置してもよい。ALK4および/またはActRIIBポリペプチドドメインならびに異種ドメインは、融合タンパク質中で隣接している必要はなく、さらなるドメインまたはアミノ酸配列を、どちらかのドメインのCもしくはN末端側に含んでいてもよく、またはドメイン間に含んでいてもよい。
【0167】
例えば、ALK4および/またはActRIIB受容体融合タンパク質は、式A-B-Cで示されるようなアミノ酸配列を含むことがある。B部分は、ALK4またはActRIIBポリペプチドドメインに対応する。AおよびC部分は、独立して、0、1つ、または1つより多数のアミノ酸であってもよく、A部分とC部分の両方は、存在する場合、Bに対して異種である。Aおよび/またはC部分は、リンカー配列を介してB部分に結合されていてもよい。リンカーは、グリシン残基を多く含むことがあり(例えば、グリシン残基2~10、2~5、2~4、2~3個)、またはグリシンおよびプロリン残基を多く含むこともあり、例えば、トレオニン/セリンおよびグリシンの単一の配列、またはトレオニン/セリンおよび/もしくはグリシンの反復配列、例えば、GGG(配列番号13)、GGGG(配列番号14)、TGGGG(配列番号15)、SGGGG(配列番号16)、TGGG(配列番号17)、SGGG(配列番号18)またはGGGGS(配列番号58)シングレットまたはリピートを含有することもある。ある特定の実施形態では、ALK4および/またはActRIIB融合タンパク質は、式A-B-C(式中、Aは、リーダー(シグナル)配列であり、Bは、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドドメインからなり、Cは、in vivo安定性、in vivo半減期、取込み/投与、組織局在化もしくは分布、タンパク質複合体の形成、および/または精製のうちの1つまたは複数を向上させるポリペプチド部分である)で示されるようなアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、ALK4および/またはActRIIB融合タンパク質は、式A-B-C(式中、Aは、TPAリーダー配列であり、Bは、ALK4またはActRIIB受容体ポリペプチドドメインからなり、Cは、免疫グロブリンFcドメインである)で示されるようなアミノ酸配列を含む。好ましい融合タンパク質は、配列番号39、41、42、44、45、46、47、48、70、72、74、76、78および80のいずれか1つで示されるアミノ酸配列を含む。
【0168】
一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、所望の特性を付与するための1つまたは複数の異種部分(ドメイン)をさらに含む。例えば、一部の融合ドメインは、親和性クロマトグラフィーによる融合タンパク質の単離に特に有用である。そのような融合ドメインの周知の例は、ポリヒスチジン、Glu-Glu、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、免疫グロブリン重鎖定常領域(Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)、またはヒト血清アルブミンを含むが、これらに限定されない。親和性精製を目的として、グルタチオンコンジュゲート樹脂、アミラーゼコンジュゲート樹脂、およびニッケルまたはコバルトコンジュゲート樹脂などの、親和性クロマトグラフィー用の適切なマトリックスが使用される。そのようなマトリックスの多くは、(HIS6)融合パートナーとともに有用なPharmacia GST精製システムおよびQIAexpress(商標)システム(Qiagen)などの「キット」の形態で入手可能である。別の例として、融合ドメインは、リガンド捕捉ポリペプチドの検出を助長するように選択され得る。そのような検出ドメインの例は、様々な蛍光タンパク質(例えば、GFP)はもちろん「エピトープタグ」も含み、エピトープタグは、通常は、特異的抗体が利用できる短いペプチド配列である。特異的モノクローナル抗体が容易に利用できる周知のエピトープタグは、FLAG、インフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)、およびc-mycタグを含む。一部の場合、融合ドメインは、適切なプロテアーゼによる融合タンパク質の部分的消化を可能にし、それによって融合タンパク質からの組換えタンパク質の遊離を可能にする、プロテアーゼ切断部位、例えば、第Xa因子またはトロンビンのプロテアーゼ切断部位を有する。その場合、遊離されたタンパク質をその後のクロマトグラフ分離により融合ドメインから単離することができる。
【0169】
ある特定の実施形態では、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドは、ポリペプチドを安定化することができる1つまたは複数の修飾を含有し得る。例えば、そのような修飾は、ポリペプチドのin vitro半減期を向上させ、ポリペプチドの循環半減期を向上させ、および/またはポリペプチドのタンパク質分解を低減させる。そのような安定化修飾は、融合タンパク質(例えば、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドドメインとスタビライザードメインとを含む融合タンパク質を含む)、グリコシル化部位の修飾(例えば、本開示のポリペプチドへのグリコシル化部位の付加を含む)、および糖鎖部分の修飾(例えば、本開示のポリペプチドからの糖鎖部分の除去を含む)を含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「スタビライザードメイン」という用語は、融合タンパク質の場合のような融合ドメイン(例えば、免疫グロブリンFcドメイン)を指すばかりでなく、非タンパク質様修飾、例えば、糖鎖部分、またはポリエチレングリコールなどの非タンパク質性部分も含む。
【0170】
好ましい実施形態では、本明細書に記載される方法に従って使用されるALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、単離された複合体である。本明細書で使用される場合、単離されたタンパク質(もしくはタンパク質複合体)またはポリペプチド(もしくはポリペプチド複合体)は、その天然環境の成分から分離されているものである。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、例えば、電気泳動法(例えば、SDS-PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー法(例えば、イオン交換もしくは逆相HPLC)により判定して、95%、96%、97%、98%または99%より高い純度に精製される。抗体純度を評定するための方法は、当技術分野において周知である[Flatmanら(2007年)J. Chromatogr. B 848巻:79~87頁]。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体調製物は、ALK4および/またはActRIIBホモ多量体を実質的に欠く。例えば、一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体調製物は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または1%未満のALK4ホモ多量体を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体調製物は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または1%未満のActRIIBホモ多量体を含む。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体調製物は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または1%未満のALK4ホモ多量体、および約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または1%未満のActRIIBホモ多量体を含む。
【0171】
ある特定の実施形態では、本開示の、ALK4および/またはActRIIBポリペプチド、ならびにこれらを含むヘテロ多量体は、当技術分野公知の様々な技術により産生することができる。例えば、ポリペプチドは、Bodansky, M.、Principles of Peptide Synthesis、Springer Verlag、Berlin(1993年)およびGrant G. A.(編集)、Synthetic Peptides: A User’s Guide、W. H. Freeman and Company、New York(1992年)に記載されているものなどの標準的なタンパク質化学技術を使用して、合成することができる。加えて、自動ペプチド合成装置が市販されている(Advanced ChemTech Model 396;Milligen/Biosearch 9600)。あるいは、ポリペプチドは、それらの断片またはバリアントを含めて、当技術分野において周知であるような様々な発現系[例えば、E.coli、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、COS細胞、バキュロウイルス]を使用して組換えにより産生することができる。さらなる実施形態では、修飾または未修飾ポリペプチドは、組換えにより産生された完全長ALK4および/またはActRIIBポリペプチドを、例えば、プロテアーゼ、例えば、トリプシン、サーモリシン、キモトリプシン、ペプシン、または対合している塩基性アミノ酸変換酵素(PACE)を使用することによって消化することにより、産生され得る。コンピュータ解析(市販のソフトウェア、例えば、MacVector、Omega、PCGene、Molecular Simulation,Inc.を使用する)を使用して、タンパク質切断部位を同定することができる。
3.ALK4および/またはActRIIBポリペプチドをコードする核酸
【0172】
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書で開示されるALK4および/またはActRIIBポリペプチド(それらの断片、機能的バリアントおよび融合タンパク質を含む)をコードする単離されたおよび/または組換え核酸を提供する。例えば、配列番号11は、天然に存在するヒトALK4前駆体ポリペプチドをコードし、その一方で、配列番号12は、ALK4のプロセシングされた細胞外ドメインをコードする。対象核酸は、一本鎖状であってもよく、また二本鎖状であってもよい。そのような核酸は、DNA分子であってもよく、またはRNA分子であってもよい。これらの核酸は、例えば、本明細書に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を作製するための方法において使用することができる。
【0173】
本明細書で使用される場合、単離された核酸は、その天然の環境の成分から分離されている核酸分子を指す。単離された核酸は、核酸分子を元々含有する細胞内に含有されている核酸分子を含むが、核酸分子は染色体外に存在するか、またはその天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
【0174】
ある特定の実施形態では、本開示のALK4および/またはActRIIBポリペプチドをコードする核酸は、配列番号7、8、11、12、21、22、40、43、71、73、75、77、79、81、82または83のいずれか1つ、およびそのバリアントを含むと理解される。バリアントヌクレオチド配列は、対立遺伝子バリアントを含む、1つまたは複数のヌクレオチド置換、付加または欠失の点で異なる配列を含み、したがって、配列番号7、8、11、12、21、22、40、43、71、73、75、77、79、81、82または83のいずれか1つで指定されるヌクレオチド配列とは異なるコード配列を含むことになる。
【0175】
ある特定の実施形態では、本開示のALK4および/またはActRIIBポリペプチドは、配列番号7、8、11、12、21、22、40、43、71、73、75、77、79、81、82もしくは83と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる、単離された核酸配列または組換え核酸配列によりコードされる。配列番号7、8、11、12、21、22、40、43、71、73、75、77、79、81、82もしくは83と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である配列に相補的な配列を含むか、そのような相補的な配列から本質的になるか、またはそのような相補的な配列からなる、核酸配列も、本開示の範囲内であることは、当業者には理解されるであろう。さらなる実施形態では、本開示の核酸配列は、単離されていてもよく、組換えであってもよく、および/または異種ヌクレオチド配列ともしくはDNAライブラリー内で融合されていてもよい。
【0176】
他の実施形態では、本開示の核酸は、配列番号7、8、11、12、21、22、40、43、71、73、75、77、79、81、82もしくは83で指定されるヌクレオチド配列、配列番号7、8、11、12、21、22、40、43、71、73、75、77、79、81、82もしくは83の相補配列、またはその断片と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列も含む。当業者は、DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件を変えることができることを容易に理解するであろう。例えば、約45℃で6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)でのハイブリダイゼーション、続いて50℃での2.0×SSCの洗浄を行うことができるだろう。例えば、洗浄ステップにおける塩濃度を、50℃で約2.0×SSCの低ストリンジェンシーから50℃で約0.2×SSCの高ストリンジェンシーより選択することができる。加えて、洗浄ステップにおける温度を、室温、約22℃での低ストリンジェンシー条件から、約65℃での高ストリンジェンシー条件へと増大させることができる。温度と塩の両方を変えてもよく、または温度もしくは塩濃度を、他方の変数は変化させて、一定に保持してもよい。一実施形態では、本開示は、室温で6×SSC、続いて室温で2×SSCでの洗浄という、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸を提供する。
【0177】
遺伝子コードの縮重に対して配列番号7、8、11、12、21、22、40、43、71、73、75、77、79、81、82または83で示されるような核酸とは異なる、単離された核酸も、本開示の範囲内である。例えば、いくつかのアミノ酸が、1つより多くのトリップレットにより指定される。同じアミノ酸を規定するコドン、または同義コドン(例えば、CAUおよびCACは、ヒスチジンの同義コドンである)は、タンパク質のアミノ酸配列に影響を与えない「サイレント」突然変異をもたらし得る。しかし、対象タンパク質のアミノ酸配列の変化につながるDNA配列多型が、哺乳動物細胞間に存在すると予想される。特定のタンパク質をコードする核酸の1つまたは複数のヌクレオチド(ヌクレオチドの約3~5%以下)におけるこれらのバリエーションが、自然の対立遺伝子のバリエーションのために所与の種の個体間に存在し得ることを、当業者は理解するであろう。任意のおよびすべてのそのようなヌクレオチドのバリエーションならびに結果として生じるアミノ酸多型は、本開示の範囲内である。
【0178】
ある特定の実施形態では、本開示の組換え核酸を、発現構築物中の1つまたは複数の制御ヌクレオチド配列に作動可能に連結させることができる。制御ヌクレオチド配列は、一般に、発現に使用される宿主細胞に適しているであろう。非常に多くのタイプの適切な発現ベクターおよび好適な制御配列が、様々な宿主細胞について当技術分野では公知である。典型的には、前記1つまたは複数の制御ヌクレオチド配列は、プロモーター配列、リーダーまたはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始および終結配列、翻訳開始および終結配列、ならびにエンハンサーまたはアクチベーター配列を含み得るが、これらに限定されない。当技術分野において公知であるような構成的または誘導性プロモーターが、本開示により企図される。プロモーターは、天然に存在するプロモーターであってもよく、または1つより多くのプロモーターのエレメントを併せ持つハイブリッドプロモーターであってもよい。発現構築物は、細胞内のプラスミドなどのエピソーム上に存在することもあり、または発現構築物は染色体内に挿入されることもある。一部の実施形態では、発現ベクターは、形質転換された宿主細胞の選択を可能にするために選択マーカー遺伝子を含有する。選択マーカー遺伝子は、当技術分野において周知であり、使用される宿主細胞によって変わることになる。
【0179】
ある特定の態様では、対象核酸は、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、少なくとも1つの制御配列に作動可能に連結したヌクレオチド配列を含む、発現ベクター内に備えられている。制御配列は、当技術分野で認知されており、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドの発現を指示するために選択される。したがって、制御配列という用語は、プロモーター、エンハンサー、および他の発現調節エレメントを含む。例示的な制御配列は、Goeddel;Gene Expression Technology: Methods in Enzymology、Academic Press、San Diego、CA(1990年)に記載されている。例えば、DNA配列に作動的に連結したときそのDNA配列の発現を調節する多種多様な発現調節配列のいずれかをこれらのベクターにおいて使用して、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドをコードするDNA配列を発現させることができる。そのような有用な発現調節配列は、例えば、SV40の初期および後期プロモーター、tetプロモーター、アデノウイルスまたはサイトメガロウイルス最初期プロモーター、RSVプロモーター、lac系、trp系、TACまたはTRC系、発現がT7 RNAポリメラーゼにより指示されるT7プロモーター、ファージラムダの主要オペレーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパク質の調節領域、3-ホスホグリセリン酸キナーゼまたは他の糖分解酵素のプロモーター、酸ホスファターゼのプロモーター、例えばPho5、酵母α-接合因子のプロモーター、バキュロウイルス系の多角体プロモーター、ならびに原核もしくは真核細胞またはそれらのウイルスの遺伝子の発現を調節することが公知の他の配列、ならびにそれらの様々な組合せを含む。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択および/または発現されることが所望されるタンパク質のタイプなどの因子に依存し得ることは理解されるはずである。さらに、ベクターのコピー数、そのコピー数を調節する能力、およびベクターによりコードされている任意の他のタンパク質、例えば抗生物質マーカーの発現も考慮するべきである。
【0180】
本開示の組換え核酸は、クローニングされた遺伝子またはその一部分を、原核細胞、真核細胞(酵母、トリ、昆虫または哺乳動物細胞)のどちらかまたは両方における発現に好適なベクターにライゲーションすることにより、産生させることができる。組換えALK4および/またはActRIIBポリペプチドの産生のための発現ビヒクルは、プラスミドおよび他のベクターを含む例えば、好適なベクターは、次のタイプのプラスミドを含む:E.coliなどの原核細胞における発現のための、pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由来プラスミドおよびpUC由来プラスミド。
【0181】
一部の哺乳動物発現ベクターは、細菌におけるベクターの伝播を助長するための原核生物配列と、真核細胞において発現される1つまたは複数の真核生物転写ユニットの両方を含有する。pcDNAI/amp、pcDNAI/neo、pRc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2-dhfr、pTk2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、pko-neoおよびpHyg由来ベクターは、真核細胞のトランスフェクションに好適な哺乳動物発現ベクターの例である。これらのベクターの一部は、原核細胞と真核細胞の両方における複製および薬物耐性選択を助長するために、pBR322などの細菌プラスミドからの配列で修飾される。あるいは、ウシパピローマウイルス(BPV-1)またはエプスタイン・バーウイルス(pHEBo、pREP由来およびp205)などのウイルスの誘導体を、真核細胞におけるタンパク質の一過性発現に使用することができる。他のウイルス(レトロウイルスを含む)発現系の例は、下記の遺伝子療法送達系の説明の中で見つけることができる。プラスミドの調製の際および宿主生物の形質転換の際に利用される様々な方法が、当技術分野において周知である。原核細胞および真核細胞の両方についての他の好適な発現系、ならびに一般的な組換え手順について[Molecular Cloning A Laboratory Manual、第3版、Sambrook、FritschおよびManiatis編集、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001年]。一部の事例では、バキュロウイルス発現系の使用により組換えポリペプチドを発現させることが望ましいことがある。そのようなバキュロウイルス発現系の例は、pVL由来ベクター(例えば、pVL1392、pVL1393およびpVL941)、pAcUW由来ベクター(例えば、pAcUW1)、およびpBlueBac由来ベクター(例えば、β-gal含有pBlueBac III)を含む。
【0182】
好ましい実施形態では、ベクター、例えば、Pcmv-Scriptベクター(Stratagene、La Jolla、Calif.)、pcDNA4ベクター(Invitrogen、Carlsbad、Calif.)およびpCI-neoベクター(Promega、Madison、Wisc.)は、CHO細胞における対象ALK4および/またはActRIIBポリペプチドの産生用に設計されることになる。明らかであろうが、対象遺伝子構築物を使用して、精製のために、培養で繁殖された細胞において対象ALK4および/またはActRIIBポリペプチドの発現を生じさせて、例えば、融合タンパク質またはバリアントタンパク質を含む、タンパク質を産生させることができる。
【0183】
本開示は、対象ALK4および/またはActRIIBポリペプチドの1つまたは複数についてのコード配列を含む組換え遺伝子がトランスフェクトされた宿主細胞にも関する。宿主細胞は、いずれの原核または真核細胞であってもよい。例えば、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドを、E.coliなどの細菌細胞、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を使用して)、酵母、または哺乳動物細胞[例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系]において発現させることができる。他の好適な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0184】
したがって、本開示は、対象ALK4および/またはActRIIBポリペプチドを産生させる方法に、さらに関する。例えば、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドをコードする発現ベクターがトランスフェクトされた宿主細胞を、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドの発現を起こさせるのに適切な条件下で、培養することができる。ポリペプチドを分泌させ、細胞とポリペプチドを含有する培地との混合物から単離することができる。あるいは、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドは、回収して溶解した細胞から得られる細胞質画分または膜画分から単離することができる。細胞培養物は、宿主細胞、培地および他の副産物を含む。細胞培養に好適な培地は、当技術分野において周知である。対象ポリペプチドは、当技術分野において公知のタンパク質精製技術を使用して、細胞培地、宿主細胞、または両方から単離することができ、そのようなタンパク質精製技術は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドの特定のエピトープに特異的な抗体を用いる免疫親和性精製、ならびにALK4および/またはActRIIBポリペプチドに融合したドメインと結合する薬剤を用いる親和性精製(例えば、プロテインAカラムが、ALK4-Fcおよび/またはActRIIB-Fc融合タンパク質を精製するために使用され得る)を含む。一部の実施形態では、ALK4および/またはActRIIBポリペプチドは、その精製を助長するドメインを含有する融合タンパク質である。
【0185】
一部の実施形態では、精製は、例えば、プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーおよびカチオン交換クロマトグラフィーのうちの3つまたはそれより多くを任意の順序で含む一連のカラムクロマトグラフィーステップにより達成される。ウイルス濾過および緩衝液交換を用いて精製を完了することができよう。ALK4および/またはActRIIBポリペプチド、ならびにそれらの融合タンパク質を、サイズ排除クロマトグラフィーにより判定して>90%、>95%、>96%、>98%または>99%の純度に、およびSDS PAGEにより判定して>90%、>95%、>96%、>98%または>99%の純度に精製することができる。純度の標的レベルは、哺乳動物系、特に、非ヒト霊長類、齧歯類(マウス)、およびヒトにおいて所望の結果を達成するのに十分であるレベルであるべきである。
【0186】
別の実施形態では、組換えALK4および/またはActRIIBポリペプチドの所望の部分のN末端におけるポリ-(His)/エンテロキナーゼ切断部位配列などの精製リーダー配列をコードする融合遺伝子は、Ni2+金属樹脂を使用する親和性クロマトグラフィーによる、発現された融合タンパク質の精製を可能にし得る。その場合、精製リーダー配列を、その後、エンテロキナーゼでの処置により除去して、精製されたALK4および/またはActRIIBポリペプチド、ならびにそれらのヘテロ多量体を得ることができる[Hochuliら(1987年)J. Chromatography 411巻:177頁;およびJanknechtら(1991年)PNAS USA 88巻:8972頁]。
【0187】
融合遺伝子を作製する技術は、周知である。本質的には、異なるポリペプチド配列をコードする様々なDNA断片の連結は、従来の技術に従って、ライゲーションのために平滑末端または付着末端を利用して、適切な末端をもたらすために制限酵素消化を利用して、付着末端の埋め込みを適宜利用して、望ましくない連結を回避するためにアルカリホスファターゼ処置を利用して、および酵素的ライゲーションを利用して行われる。別の実施形態では、自動DNA合成装置を含む従来の技術により、融合遺伝子を合成することができる。あるいは、2つの連続した遺伝子断片間に相補的オーバーハングを生じさせるアンカープライマーを使用して、遺伝子断片のPCR増幅を行うことができ、その後、2つの連続した遺伝子断片をアニールして、キメラ遺伝子配列を生成することができる。例えば、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubelら編、John Wiley & Sons:1992年を参照されたい。
4.例示的な治療使用
【0188】
ある特定の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体(例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体)は、ALK4:ActRIIB結合リガンドの異常な活性に関連する疾患または状態を処置または予防するために使用することができる。これらの疾患、障害または状態は、一般に、本明細書では「ALK4:ActRIIB関連状態」または「ALK4:ActRIIB関連障害」と称される。ある特定の実施形態では、本開示は、個体におけるALK4:ActRIIB関連状態を処置または予防する方法であって、それを必要とする個体に治療有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することによる方法を提供する。「対象」、「個体」または「患者」という用語は、本明細書を通して置き換え可能である。本開示のいずれのALK4:ActRIIBヘテロ多量体も、本明細書で開示される治療使用のために個々にまたは組み合わせて利用することができる可能性がある。これらの方法は、例えば齧歯類、霊長類およびヒトを含む哺乳動物の治療的および予防的処置を特に目的とする。
【0189】
本明細書で使用される場合、障害または状態を「予防する」治療薬は、統計学的試料において、未処置対照試料と比較して処置試料において障害または状態の発生率を低下させる、あるいは未処置対照試料と比較して障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の発症を遅延させるか、または症状の重症度を低下させる化合物を指す。「処置すること」という用語は、本明細書で使用される場合、一旦確立された状態の改善または除去を含む。いずれにせよ、予防または処置は、医師または他の医療提供者により提供される診断、および治療剤の投与についての意図した結果で識別され得る。
【0190】
一般に、本開示に記載の疾病または状態の処置または予防は、本開示の、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を「有効量」で投与することにより達成される。薬剤の有効量は、必要な投薬量で必要な期間にわたって所望の治療または予防結果を達成するのに有効な量を指す。本開示の薬剤の「治療有効量」は、個体の病状、年齢、性別および体重、ならびに個体において所望の応答を惹起するその薬剤の能力によって変わり得る。「予防有効量」は、必要な投薬量で必要な期間にわたって所望の予防結果を達成するのに有効な量を指す。
【0191】
天然に存在するALK4およびActRIIB受容体-リガンド複合体は、組織成長はもちろん、初期発生過程、例えば様々な構造の適切な形成にも、または性発達、下垂体ホルモン産生ならびに骨および軟骨の生成を含む、1つもしくは複数の発生後の能力にも、不可欠な役割を果す。したがって、ALK4:ActRIIB関連状態は、異常な組織成長および発達異常を含むが、これらに限定されない。加えて、ALK4:ActRIIB関連状態は、炎症、アレルギー、自己免疫疾患および腫瘍などの、細胞増殖および分化の障害を含むが、これらに限定されない。
【0192】
例えば、ALK4:ActRIIB関連状態は、神経筋障害(例えば、筋ジストロフィーおよび筋萎縮症)、うっ血性閉塞性肺疾患(およびCOPDに関連する筋消耗)、筋消耗症候群、サルコペニア、悪液質、脂肪組織障害(例えば、肥満)、2型糖尿病(NIDDM、成人発症型糖尿病)、および骨変性疾患(例えば、骨粗鬆症)を含む。他の例示的なALK4:ActRIIB関連状態は、筋変性および神経筋障害、組織修復(例えば、創傷治癒)、神経変性疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症)、ならびに免疫障害(例えば、リンパ球の異常な増殖または機能に関連する障害)を含む。
【0193】
一部の実施形態では、ALK4:ActRIIB関連状態は、間質性肺疾患(例えば、特発性肺線維症)である。一部の実施形態では、間質性肺疾患は、肺線維症である。一部の実施形態では、間質性肺疾患は、次のうちのいずれか1つにより引き起こされる:珪肺症、石綿肺、ベリリウム肺症、過敏性肺炎、薬物使用(例えば、抗生物質、化学療法薬、抗不整脈剤、スタチン)、全身性強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、感染症(例えば、非定型肺炎、ニューモシスチス肺炎、結核、Chlamydia trachomatis、および/もしくは呼吸器合胞体ウイルス)、癌性リンパ管症、喫煙、または発達障害。一部の実施形態では、間質性肺疾患は、特発性(例えば、サルコイドーシス、特発性肺線維症、ハーマン・リッチ症候群、および/または抗シンセターゼ症候群)である。特定の実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。一部の実施形態では、特発性肺線維症の処置は、さらなる治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、さらなる治療剤は、ピルフェニドン、N-アセチルシステイン、プレドニゾン、アザチオプリン、ニンテダニブ、これらの誘導体およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0194】
ある特定の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、筋ジストロフィーの処置の一部として使用することができる。「筋ジストロフィー」という用語は、骨格筋ならびに時には心筋および呼吸筋の漸進的衰弱および低下を特徴とする変性筋疾患群を指す。筋ジストロフィーは、筋肉の微視的変化で始まる進行性筋消耗および筋力低下を特徴とする遺伝性障害である。筋肉が徐々に変性するにつれて、その人の筋力が低下する。対象TGF-ベータスーパーファミリーヘテロ多量体複合体を含むレジメンで処置することができる例示的な筋ジストロフィーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、エミリー・ドレイフス型筋ジストロフィー(EDMD)、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHまたはFSHD)(ランドゥジー・デジュリン型としても公知)、筋強直性ジストロフィー(MMD;スタイナート病としても公知)、眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)、遠位型筋ジストロフィー(DD)、先天性筋ジストロフィー(CMD)を含む。
【0195】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、1860年代にフランス人神経学者Guillaume Benjamin Amand Duchenneによって最初に記載された。ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)は、1950年代にDMDのこのバリアントを最初に記載したドイツ人医師Peter Emil Beckerにちなんで名付けられたものである。DMDは、男性における最も頻度の高い遺伝性疾患の1つであり、男児3,500名に1名が発症する。DMDは、X染色体の短腕上に位置するジストロフィン遺伝子が欠損している場合に起こる。男性は、X染色体のコピーを1つしか保有しないので、ジストロフィンのコピーを1つしか有さない。ジストロフィンタンパク質がないと、筋肉は、収縮および弛緩のサイクル中に容易に損傷される。この疾患の早期の間は、筋肉は再生により代償するが、後になると、筋肉前駆細胞は進行中の損傷についていくことができず、健常な筋肉は非機能性線維脂肪組織に置き換えられる。
【0196】
BMDは、ジストロフィン遺伝子における種々の突然変異の結果として生じる。BMD患者は、多少のジストロフィンを有するが、それは、不十分な量であるか、または質が悪い。多少のジストロフィンの存在は、BMDを有する患者の筋肉を、DMDを有する患者の筋肉ほど重度にまたは急速に変性しないように保護する。
【0197】
動物での研究は、GDF8シグナル伝達経路の阻害が、DMDおよびBMD患者における疾患の様々な態様を有効に処置し得ることを示す(Bogdanovichら、2002年、Nature 420巻:418~421頁;Pistilliら、2011年、Am J Pathol 178巻:1287~1297頁)。したがって、本開示のALK4:ActRIIBアンタゴニストは、GDF8阻害剤(アンタゴニスト)として作用することができ、DMDおよびBMD患者においてin vivoでGDF8および/または関連TGFβスーパーファミリーリガンドによるシグナル伝達を遮断する代替手段となり得る。
【0198】
同様に、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、筋肉成長を必要とする他の疾患状態において筋肉量を増加させるための有効な手段となり得る。例えば、ルー・ゲーリック病または運動ニューロン疾患とも呼ばれる筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、骨格筋収縮の開始に必要な中枢神経系の成分である運動ニューロンを攻撃する、慢性、進行性かつ不治のCNS障害である。ALSでは、運動ニューロンが劣化して最終的には死滅し、人の脳は通常は十分に機能および警告し続けるが、筋収縮の開始は脊髄レベルで遮断される。ALSを発症する個体は、典型的には40~70歳の間であり、変性する最初の運動ニューロンは、腕または脚の神経を支配するものである。ALSを有する患者は、歩行が困難であることがあり、物を落とすことがあり、転倒することがあり、発語が不明瞭になることがあり、こらえきれずに笑うまたは泣くことがある。疾患が進行するにつれて、肢の筋肉が、廃用により萎縮し始める。筋力低下は、衰弱させることになり、患者は、最終的には、車椅子を必要とするか、または寝たきりになる。大部分のALS患者は、呼吸不全がもとで、または肺炎のような人工呼吸器による補助の合併症がもとで、疾患発症から3~5年で死亡する。
【0199】
一部の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、皮膚筋炎、封入体筋炎または多発性筋炎などの、炎症性筋疾患/障害を処置するために使用することができる。一部の実施形態では、炎症性筋疾患/障害は、皮膚筋炎である。一部の実施形態では、炎症性筋疾患/障害は、多発性筋炎である。一部の実施形態では、炎症性筋疾患/障害は、封入体筋炎である。一部の実施形態では、封入体筋炎は、遺伝性封入体筋炎である。一部の実施形態では、封入体筋炎は、孤発性封入体筋炎である。
【0200】
孤発性封入体筋炎は、自己免疫および変性過程に関連している。この障害は、概して、第一に50歳より高齢である患者に現れ、主として男性に現れる。臨床的には、孤発性封入体筋炎は、大腿四頭筋および深屈筋の筋力低下および筋萎縮を特徴とする。多くの患者は、車椅子に依存することになり、症状発現の10~15年後には重度障害者になる。患者はまた、食道および咽頭筋罹患に起因して嚥下障害を示すことが多い。孤発性封入体筋炎の診断は、通常、血中クレアチンキナーゼレベル上昇、異常な心電図検査結果などの、因子の何らかの組合せに基づくか、または筋肉の炎症細胞浸潤、空胞変性および/もしくは異常なタンパク質のプラークを含むことを示す筋生検に基づく。
【0201】
ALK4:ActRIIBヘテロ多量体による筋肉量増加の促進は、筋消耗疾患に罹患している者にも恩恵をもたらす可能性がある。Gonzalez-Cadavidら(上掲)は、GDF8発現が、ヒトの除脂肪体重と逆相関すること、およびGDF8遺伝子の発現増加が、AIDS消耗症候群を有する男性の体重減少に関連することを報告した。AIDS患者におけるGDF8の機能を阻害することにより、AIDSの少なくともある特定の症状を、完全には除去しないにしても、緩和することができ、したがって、AIDS患者の生活の質を有意に向上させることができる。
【0202】
GDF8機能の喪失は、栄養摂取量の減少のない脂肪減少にも関連する(Zimmersら、上掲;McPherronおよびLee、上掲)ので、対象ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、さらに、肥満および2型糖尿病の発生を緩徐化および予防するための治療剤として使用することができる。
【0203】
がん食欲不振-悪液質症候群は、がんの最も衰弱性および致死性の高い態様の1つである。この症候群は、多くのタイプのがんの-死亡時にがん患者のおおよそ80%に存在する-共通の特徴であり、生活の質不良および化学療法に対する応答不良の原因になるばかりでなく、同等の腫瘍を有するが体重減少のない患者で見出される生存期間より短い生存期間の原因にもなる。がんを有する患者において、発病前の体重の5パーセントより大きい不随意の体重減少が、6カ月以内に起こった場合、悪液質が概して疑われる。食欲不振、脂肪および筋肉組織の消耗ならびに精神的苦痛を伴い、悪液質は、がんと宿主間の複雑な相互作用から生じる。がん悪液質は、サイトカイン産生、脂質動員およびタンパク質分解誘導因子の放出、ならびに中間代謝の変化に影響を与える。食欲不振は一般的であるとはいえ、食物摂取量減少単独ではがん患者に見られる体組成の変化を説明することができず、栄養摂取量を増加させることで消耗症候群を好転させることはできない。成体マウスにおけるGDF8の全身性過剰発現は、ヒト悪液質症候群に見られるものに類似した顕著な筋肉および脂肪減少を誘導することが判明した(Zimmersら、上掲)ので、対象ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、筋肉成長が所望される悪液質症候群の症状の予防、処置または緩和に有益に使用することができる。上記の筋肉喪失の予防、処置または緩和に有用なヘテロマー複合体の例は、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体である。
【0204】
ある特定の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、骨および/もしくは軟骨形成を誘発する方法、骨量減少を予防する方法、骨石灰化を増加させる方法、骨の脱灰を予防する方法、ならびに/または骨密度を増加させる方法において、使用することができる。ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、潜在性低骨密度と診断された患者において、骨粗鬆症の発症に対する防御対策として有用であり得る。
【0205】
一部の実施形態では、本開示の、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、ヒトおよび他の動物における骨折および軟骨欠損の治癒に医療利用され得る。対象方法および組成物はまた、開放性骨折ばかりでなく非開放性骨折の整復の際にも、およびまた人工関節の固定の改善にも、予防的に使用され得る。骨形成剤により誘発される新規骨形成は、先天性である、外傷により誘発される、または腫瘍学的切除により引き起こされる、頭蓋顔面欠損の修復に有用であり、美容整形外科にも有用である。さらに、本発明の方法および組成物は、歯周病の処置において、および他の歯修復過程において使用することができる。ある特定の場合、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、造骨細胞を引きつけるための、造骨細胞の増殖を刺激するための、または造骨細胞の前駆細胞の分化を誘導するための環境に提供することができる。本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、骨粗鬆症の処置にも有用であり得る。さらに、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、軟骨欠損の修復、および変形性関節症の予防/好転に使用することができる。本明細書に記載の骨形成の誘発、骨量減少の予防、骨石灰化の増加、骨の脱灰の予防および/または骨密度の増加に有用なヘテロマー複合体の例は、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体である。
【0206】
Rosenら(編集)Primer on the Metabolic Bone Diseases and Disorders of Mineral Metabolism、第7版、American Society for Bone and Mineral Research、Washington D.C.(参照により本明細書に組み込まれる)は、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体での処置の対象になり得る骨障害についての広範な論考を提供している。一部の事項は、本明細書で提供される。本発明の方法および組成物は、骨量減少を特徴とするまたは引き起こす状態、例えば、骨粗鬆症(二次性骨粗鬆症を含む)、副甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常症、性ホルモン枯渇もしくは除去(例えば、アンドロゲンおよび/もしくはエストロゲン)、グルココルチコイド処置、関節リウマチ、重症熱傷、副甲状腺機能亢進症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、低リン血症、骨軟化症(腫瘍性骨軟化症を含む)、高リン血症、ビタミンD欠乏症、副甲状腺機能亢進症(家族性副甲状腺機能亢進症を含む)および偽性副甲状腺機能低下症、骨への腫瘍転移、腫瘍もしくは化学療法の結果としての骨量減少、骨および骨髄の腫瘍(例えば、多発性骨髄腫)、虚血性骨障害、歯周病および口腔骨量減少、クッシング病、パジェット病、甲状腺中毒症、慢性下痢状態もしくは吸収不全、腎尿細管性アシドーシス、または神経性食欲不振症に適用することができる。本発明の方法および組成物は、偽関節骨折、別様に治りが遅い骨折、胎児および新生児骨異形成症(例えば、低カルシウム血症、高カルシウム血症、カルシウム受容体欠損およびビタミンD欠乏症)、骨壊死(顎の骨壊死を含む)ならびに骨形成不全症を含む、骨形成または治癒不全を特徴とする状態にも適用することができる。加えて、同化作用に起因して、そのようなアンタゴニストは、骨損傷または侵食に関連する骨痛を軽減することになる。骨吸収抑制作用の結果として、そのようなアンタゴニストは、異常骨形成の障害、例えば、骨芽球性腫瘍転移(例えば、原発性前立腺または乳がんに関連するもの)、骨原性骨肉腫、大理石骨病、進行性骨幹異形成症、骨内膜性骨増殖症、骨斑紋症、および流蝋骨症を処置するのに有用であり得る。処置することができる他の障害は、線維性異形成症および軟骨異形成症を含む。
【0207】
別の特定の実施形態では、本開示は、骨折あるいは軟骨および/もしくは骨欠損または歯周病に関連する他の状態を修復するための治療方法および組成物を提供する。本発明は、さらに、創傷治癒および組織修復のための治療方法および組成物を提供する。創傷のタイプは、熱傷、切創および潰瘍を含むが、これらに限定されない。例えば、PCT公開番号WO84/01106を参照されたい。そのような組成物は、治療有効量の、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体の少なくとも1つを、薬学的に許容されるビヒクル、担体またはマトリックスとの混合物で含む。
【0208】
一部の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、骨量減少を引き起こす状態、例えば、骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進症、クッシング病、甲状腺中毒症、慢性下痢状態もしくは吸収不全、腎尿細管性アシドーシス、または神経性食欲不振症に適用することができる。女性であること、低体重を有すること、およびセデンタリーライフスタイルにつながることが、骨粗鬆症(骨折リスクにつながる、骨塩密度の減少)のリスク因子であることは、一般に理解される。しかし、骨粗鬆症は、ある特定の医薬の長期使用の結果として生じることもある。薬物または別の医学的状態の結果として生じる骨粗鬆症は、二次性骨粗鬆症として公知である。クッシング病では、身体により産生される過剰量のコルチゾールが、骨粗鬆症および骨折をもたらす。二次性骨粗鬆症に関連する最も一般的な医薬は、副腎皮質ステロイド薬であり、これは、副腎により天然に産生されるホルモンであるコルチゾールのように作用する薬物群である。十分なレベルの甲状腺ホルモンが骨格の発達に必要とされるが、過剰な甲状腺ホルモンは、徐々に骨量を減少させ得る。アルミニウムを含有する制酸薬は、腎臓の問題を有する人々、特に、透析を受けている人々が高用量で摂取すると、骨量減少につながり得る。二次性骨粗鬆症を引き起こすことがある他の医薬は、てんかん発作を予防するために使用される、フェニトイン(Dilantin)およびバルビツレート;一部の型の関節炎、がんおよび免疫障害のための薬物であるメトトレキサート(Rheumatrex、Immunex、Folex PFS);一部の自己免疫疾患を処置するために、および臓器移植患者において免疫系を抑制するために使用される薬物であるシクロスポリン(Sandimmune、Neoral);前立腺がんおよび子宮内膜症を処置するために使用される黄体ホルモン放出ホルモンアゴニスト(Lupron、Zoladex);抗凝固薬であるヘパリン(Calciparine、Liquaemin);ならびに高コレステロールを処置するために使用される、コレスチラミン(Questran)およびコレスチポール(Colestid)を含む。がん治療の結果として生じる骨量減少は、広く認知されており、がん治療関連骨量減少(CTIBL)と称される。骨転移は、骨に空洞を生じさせることがあり、それらの空洞をALK4:ActRIIBヘテロ多量体での処置により治すことができる。骨量減少は、歯肉の陥凹部にある細菌が毒素および有害酵素を産生する慢性感染症である歯肉疾患によっても引き起こされることがある。
【0209】
さらなる実施形態では、本開示は、異常なまたは望ましくない骨成長に関連する疾患または障害を処置するための方法および治療剤を提供する。例えば、先天性障害である進行性骨化性線維異形成症(FOP)を有する患者は、生活の質に対して大きな影響を及ぼす、軟部組織において自然発症的にまたは組織外傷に応答して進行する異所性骨成長により苦しめられる。加えて、異常な骨成長は、人工股関節置換術後に起こることがあり、したがって、手術結果を損なわせ得る。これは、病的骨成長、ならびに対象方法および組成物が治療的に有用であり得る状況の、より一般的な例である。同方法および組成物は、他の形態の異常な骨成長(例えば、外傷、熱傷または脊髄傷害後の骨の病的成長)を処置するのに、および転移性前立腺がんまたは骨肉腫に関連して見られる異常な骨成長に関連する望ましくない状態を処置または予防するのにも有用であり得る。
【0210】
ある特定の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、がんを有する患者において骨形成を促進するために使用することができる。ある特定の腫瘍(例えば、前立腺、乳房、多発性骨髄腫、または副甲状腺機能亢進症の原因となる任意の腫瘍)を有する患者は、腫瘍誘発性骨量減少、骨転移および治療剤に起因する、骨量減少のリスクが高い。そのような患者を、骨量減少または骨転移の証拠の非存在下であっても、TGF-ベータスーパーファミリーヘテロ多量体複合体、または複合体の組合せで、処置することができる。患者を、骨量減少または骨転移の証拠についてモニターすることもでき、指標がリスク増大を示唆する場合であってもALK4:ActRIIBヘテロ多量体で処置することができる。一般に、DEXAスキャンが骨密度の変化を評定するために利用されるが、骨リモデリングの指標を使用して、骨転移の尤度を評定してもよい。血清マーカーをモニターしてもよい。骨型アルカリホスファターゼ(BSAP)は、骨芽細胞中に存在する酵素である。BSAPの血中レベルは、骨転移および骨リモデリング増加をもたらす他の状態を有する患者において増加する。オステオカルシンおよびプロコラーゲンペプチドも、骨形成および骨転移に関連付けられる。前立腺がんにより引き起こされる骨転移を有する患者において、およびそれ程ではないが、乳がんからの骨転移において、BSAPの増加が検出されている。BMP7レベルは、骨に転移した前立腺がんでは高いが、膀胱、皮膚、肝臓または肺がんに起因する骨転移では高くない。I型カルボキシ末端テロペプチド(ICTP)は、骨吸収中に形成されるコラーゲンにおいて見出される架橋である。骨は、絶えず破壊され、再形成されるので、ICTPは、全身で見出されるであろう。しかし、骨転移部位でのレベルは、正常な骨の領域より有意に高くなる。ICTPは、前立腺、肺および乳がんに起因する骨転移において高レベルで見出された。別のコラーゲン架橋である、I型N末端テロペプチド(NTx)は、骨代謝回転中にICTPとともに産生される。NTxの量は、肺、前立腺および乳がんを含む多くの異なるタイプのがんにより引き起こされる骨転移において増加される。また、NTxのレベルは、骨転移の進行とともに増加する。したがって、このマーカーは、転移の検出にも、疾患の程度の測定にも、使用することができる。吸収についての他のマーカーは、ピリジノリンおよびデオキシピリジノリンを含む。吸収マーカーまたは骨転移マーカーの何らかの増加は、患者においてALK4:ActRIIBヘテロ多量体での治療が必要であることを示す。
【0211】
別の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常症(CKD-MBD)を有する患者において使用することができ、CKD-MBDは、腎臓病から生じる、相互に関連する骨格障害と心血管障害とミネラル代謝障害についての広範な症候群である。CKD-MBDは、腎性骨ジストロフィー(ROD)と呼ばれることが多い様々な骨格病態を包含し、これは、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体での処置の好ましい実施形態である。異なる病原因子の相対的寄与に依存して、RODは、骨リモデリングの多様な病的パターンとして顕在化する(Rosenら(編集)Primer on the Metabolic Bone Diseases and Disorders of Mineral Metabolism、第7版、American Society for Bone and Mineral Research、Washington D.C.、343~349頁におけるHruskaら、2008年、Chronic kidney disease mineral bone disorder (CKD-MBD))。その範囲の一端には、尿毒症性骨ジストロフィーおよび低い骨代謝回転を伴うRODがあり、これは、少ない活性リモデリング部位数、骨形成の顕著な抑制、および低い骨吸収を特徴とする。もう一方の端には、副甲状腺機能亢進症、高い骨代謝回転、および線維性骨炎を伴うRODがある。ALK4:ActRIIBヘテロ多量体が、同化効果と骨吸収抑制効果の両方を発揮し得ることを考えると、これらの薬剤は、患者においてROD病態範囲にわたって有用であり得る。
【0212】
本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、他の骨活性医薬剤と併せて投与することができる。併せての投与は、単一の共製剤の投与により遂行してもよく、同時投与により遂行してもよく、または別々の時点での投与により遂行してもよい。ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、他の骨活性薬剤とともに投与されると、特に有利であり得る。患者は、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体の摂取と、カルシウムサプリメント服用、ビタミンD服用、適切な運動の実施、および/または、一部の場合、他の医薬の利用とを併せて行うことから恩恵を受けることができる。他の医薬の例は、ビスホスホネート(アレンドロネート、イバンドロネートおよびリセドロネート)、カルシトニン、エストロゲン、副甲状腺ホルモンおよびラロキシフェンを含む。ビスホスホネート(アレンドロネート、イバンドロネートおよびリセドロネート)、カルシトニン、エストロゲンおよびラロキシフェンは、骨リモデリングサイクルに影響を与え、骨吸収抑制薬として分類される。骨リモデリングは、骨吸収および骨形成という2つの異なるステージからなる。骨吸収抑制薬は、骨リモデリングサイクルの骨吸収部分を緩徐化するか、または停止させるが、このサイクルの骨形成部分を緩徐化しない。結果として、新たな形成が骨吸収より速い速度で継続し、骨密度が徐々に増加し得る。副甲状腺ホルモンの1形態であるテリパラチドは、骨リモデリングサイクルにおける骨形成の速度を増大させる。アレンドロネートは、閉経後骨粗鬆症の予防(1日に5mgまたは週1回35mg)と処置(1日に10mgまたは週1回70mg)の両方に認可されている。アレンドロネートは、骨量減少を低減させ、骨密度を増加させ、脊椎、手首および股関節骨折のリスクを低下させる。アレンドロネートは、これらの医薬(すなわち、プレドニゾンおよびコルチゾン)の長期使用の結果としての男性および女性におけるグルココルチコイド誘導性骨粗鬆症の処置ならびに男性における骨粗鬆症の処置にも認可されている。アレンドロネート+ビタミンDは、閉経後の女性における骨粗鬆症の処置(週1回70mg+ビタミンD)に、および骨粗鬆症を有する男性における骨量を改善する処置に認可されている。イバンドロネートは、閉経後骨粗鬆症の予防および処置に認可されている。月1回のピル(150mg)として摂取する場合、イバンドロネートを毎月同じ日に摂取するべきである。イバンドロネートは、骨量減少を低減させ、骨密度を増加させ、脊椎骨折のリスクを低下させる。リセドロネートは、閉経後骨粗鬆症の予防および処置に認可されている。毎日(5mg用量)または週1回(35mg用量、または35mg用量とカルシウム)を摂取すると、リセドロネートは、骨量減少を緩徐化し、骨密度を増加させ、脊椎および非脊椎骨折のリスクを低下させる。リセドロネートは、これらの医薬(すなわち、プレドニゾンまたはコルチゾン)の長期使用の結果として生じるグルココルチコイド誘導性骨粗鬆症を予防および/または処置するための男性および女性による使用にも認可されている。カルシトニンは、カルシウム制御および骨代謝に関与する、天然に存在するホルモンである。閉経してから5年を超えている女性では、カルシトニンは、骨量減少を緩徐化し、脊椎骨密度を増加させ、骨折に関連する疼痛を軽減し得る。カルシトニンは、脊柱骨折のリスクを低下させる。カルシトニンは、注射(1日に50~100IU)または鼻腔用スプレー(1日に200IU)として利用可能である。
【0213】
患者はまた、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体とさらなる骨活性薬とを併せて摂取することから恩恵を受けることができる。エストロゲン療法(ET)/ホルモン療法(HT)は、骨粗鬆症の予防に認可されている。ETは、骨量減少を低減させ、脊椎と股関節の両方における骨密度を増加させ、閉経後の女性における股関節および脊椎骨折のリスクを低下させることが証明されている。ETは、最も一般的には、1日におおよそ0.3mgの低用量または1日におおよそ0.625mgの標準用量を送達するピルまたは皮膚パッチの形態で投与され、70歳を過ぎてから開始した場合でさえ有効である。エストロゲンは、単独で利用された場合、女性の子宮内膜のがん(子宮内膜がん)を発症するリスクを増加させることがある。このリスクをなくすために、医療提供者は、無傷の子宮を有する女性に、ホルモンプロゲスチンをエストロゲンと組み合わせて処方する(ホルモン補充療法またはHT)。ET/HTは、更年期症状を軽減し、骨の健康に対して有益な効果があることが証明されている。副作用は、膣出血、乳房圧痛、気分障害および胆嚢疾患を含み得る。ラロキシフェン、1日に60mgは、閉経後骨粗鬆症の予防および処置に認可されている。ラロキシフェンは、エストロゲンの有益な効果を、それらの潜在的欠点を伴うことなく、提供するために開発されてきた、選択的エステロゲン受容体モジュレーター(SERM)と呼ばれる薬物群からのものである。ラロキシフェンは、骨量を増加させ、脊椎骨折のリスクを低下させる。ラロキシフェンが、股関節および他の非脊椎骨折のリスクを低下させることができることを実証するためのデータは、まだ入手できない。副甲状腺ホルモンの1形態であるテリパラチドは、閉経後の女性および骨折リスクの高い男性における骨粗鬆症の処置に認可されている。この医薬は、新たな骨形成を刺激し、骨塩密度を有意に増加させる。閉経後女性では、脊椎、股関節、足、肋骨および手首において骨折低減が認められた。男性では、脊椎で骨折低減が認められたが、他の部位での骨折低減を評価するのに十分なデータはなかった。テリパラチドは、24カ月以下の間、連日注射として自己投与される。
【0214】
他の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、動物における体脂肪含量を制御するために、および体脂肪含量に関連する状態、特に、体脂肪含量に関連する健康を損なう状態を処置または予防するために使用することができる。本発明によれば、体重を制御する(調節する)ことは、体重を低下もしくは増加させること、体重増加率を低下もしくは上昇させること、または体重減少率を上昇もしくは低下させることを指すことができ、体重を積極的に維持することまたは有意に変化させないこと(例えば、そうしなければ体重を増加または減少させる可能性がある外的または内的影響に対して)も含む。本開示の一実施形態は、それを必要とする動物(例えば、ヒト)に、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することにより、体重を制御することに関する。
【0215】
一部の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、動物における体重を低下させるおよび/または体重増加を減少させるために、より詳細には、肥満のリスクがあるまたは肥満に罹患している患者において肥満を処置または改善するために使用することができる。別の特定の実施形態では、本発明は、体重を増加させることまたは保持することができない動物(例えば、消耗症候群を有する動物)を処置するための方法および化合物に関する。そのような方法は、体重および/またはボディマスを増加させるのに、あるいは体重および/またはボディマス減少を低減させるのに、あるいは望ましくない低い(例えば、不健康な)体重および/もしくはボディマスに関連する状態または望ましくない低い(例えば、不健康な)体重および/もしくはボディマスにより引き起こされる状態を改善するのに、有効である。加えて、高コレステロールの障害(例えば、高コレステロール血症または脂質異常症(dislipidemia))を、本開示の、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体で処置することができる。
【0216】
他の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、動物における体脂肪含量を制御するために、および体脂肪含量に関連する状態、特に、体脂肪含量に関連する健康を損なう状態を処置または予防するために使用することができる。本発明によれば、体重を制御する(調節する)ことは、体重を低下もしくは増加させること、体重増加率を低下もしくは上昇させること、または体重減少率を上昇もしくは低下させることを指すことができ、体重を積極的に維持することまたは有意に変化させないこと(例えば、そうしなければ体重を増加または減少させる可能性がある外的または内的影響に対して)も含む。本開示の一実施形態は、それを必要とする動物(例えば、ヒト)に、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することにより、体重を制御することに関する。例えば、一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、肥満(例えば、腹部肥満);過体重;インスリン抵抗性;メタボリックシンドロームおよび他の代謝性疾患または状態;脂質障害、例えば、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症または脂質異常症;リポタンパク質異常;トリグリセリド減少;炎症(例えば、肝臓炎症および/もしくは脂肪組織の炎症)、脂肪肝疾患;非アルコール性脂肪肝疾患;高血糖症;耐糖能障害(IGT);高インスリン血症;高コレステロール(例えば、高LDLレベルおよび高コレステロール血症);心血管疾患、例えば、冠動脈心疾患、うっ血性心不全を含む心疾患、脳卒中、末梢血管疾患、アテローム動脈硬化症;動脈硬化症、および高血圧症;シンドロームX;血管再狭窄;ニューロパチー;網膜症;神経変性疾患;内皮機能不全;呼吸機能障害;膵炎;多嚢胞性卵巣症候群;尿酸レベル上昇;ヘモクロマトーシス(鉄過剰);黒色表皮腫(皮膚の黒っぽい斑点);もしくはがん(例えば、卵巣、乳、子宮内膜および結腸がん);または上記疾患もしくは状態の1つもしくは複数に関連する別の障害/状態から選択される、障害または状態を処置または予防するために使用することができる。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を使用して処置される疾患または状態は、過体重(例えば、≧25kg/m2のBMI)に関連するか、または過剰な体脂肪に関連する。
【0217】
一実施形態では、本開示は、体重を低下させる方法であって、体重を低下させることを望んでいる対象、またはそれを必要とする対象に、有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象は、過体重(例えば、前肥満)である。一部の実施形態では、対象は、25kg/m2またはそれよりも多いボディマスインデックス(BMI)を有する。さらなる実施形態では、対象は、25kg/m2~29.9kg/m2、30kg/m2~39.9kg/m2、25kg/m2~39.9kg/m2、または25kg/m2~50kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、肥満している。一部の実施形態では、対象は、30kg/m2またはそれよりも多い(例えば、30~39.9kg/m2、または30kg/m2~50kg/m2)BMIを有する。一部の実施形態では、対象は、病的に肥満している。一部の実施形態では、対象は、40kg/m2またはそれよりも多いBMIを有する。さらなる実施形態では、対象は、40kg/m2~45kg/m2、または40kg/m2~50kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、中心性肥満(例えば、おなかの脂肪および/または内臓脂肪を含む、腹部における過剰な体脂肪蓄積)を有する。一部の実施形態では、対象は、0.85またはそれよりも多い胴囲/臀囲比(WHR)を有する。一部の実施形態では、対象は、末梢性肥満(例えば、臀部の過剰な体脂肪蓄積)を有する。一部の実施形態では、対象は、2型糖尿病を有する。ALK4:ActRIIBヘテロ多量体を単独で投与してもよく、または他のタイプの支持療法との併用療法として投与してもよい。例えば、一部の実施形態では、支持療法は、食事および/または運動である。
【0218】
一実施形態では、本開示は、体重増加を減少させる方法であって、体重増加を減少させることを望んでいる対象、またはそれを必要とする対象に、有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象は、過体重(例えば、前肥満)である。一部の実施形態では、対象は、25kg/m2またはそれよりも多いBMIを有する。さらなる実施形態では、対象は、25kg/m2~29.9kg/m2、30kg/m2~39.9kg/m2、25kg/m2~39.9kg/m2、または25kg/m2~50kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、肥満している。一部の実施形態では、対象は、30kg/m2またはそれよりも多い(例えば、30~39.9kg/m2、または30kg/m2~50kg/m2)BMIを有する。一部の実施形態では、対象は、病的に肥満している。一部の実施形態では、対象は、40kg/m2またはそれよりも多いBMIを有する。さらなる実施形態では、対象は、40kg/m2~45kg/m2、または40kg/m2~50kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、2型糖尿病を有する。
【0219】
過体重に関連する疾患または状態を処置または予防する方法であって、処置または予防を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法も、提供される。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、肥満である。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、インスリン抵抗性である。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、脂質異常症、高脂血症(総コレステロールレベル>240mg/dL)、高コレステロール血症(例えば、>200mg/dL、>220mg/dL、>240mg/dL、>250mg/dL、または>275mg/dLの総コレステロールレベル)、低い血清HDLレベル(例えば、<40mg/dL、<45mg/dL、または<50mg/dL)、高い血清LDLレベル(例えば、≧100mg/dL、≧130mg/dL、≧160mg/dL、または≧190mg/dL)、および高トリグリセリド血症(例えば、≧150mg/dL、≧175mg/dL、≧200mg/dL、≧300mg/dL、≧400mg/dL、または≧499mg/dLの空腹時TGレベル)からなる群から選択されるメンバーである。ある特定の事例では、ALK4:ActRIIBアンタゴニスト処置は、食事および/または運動の補助である。
【0220】
別の実施形態では、本開示は、過体重である対象の体重を低下させる方法を提供する。方法は、過体重対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む。一部の実施形態では、対象は、25kg/m2またはそれよりも多いボディマスインデックス(BMI)を有する。さらなる実施形態では、対象は、25kg/m2~29.9kg/m2、30kg/m2~39.9kg/m2、25kg/m2~39.9kg/m2、または25kg/m2~50kg/m2、または27~40kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、肥満している。一部の実施形態では、対象は、30kg/m2またはそれよりも多い(例えば、30~39.9kg/m2、または30kg/m2~50kg/m2)BMIを有する。ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、単独で投与されるか、または併用療法として投与される。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は、食事および/または運動の補助である。
【0221】
一実施形態では、本開示は、肥満している対象の体重を低下させる方法を提供する。方法は、対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む。一部の実施形態では、対象は、30kg/m2またはそれよりも多い(例えば、30~39.9kg/m2、または30kg/m2~50kg/m2)BMIを有する。一部の実施形態では、対象は、40kg/m2またはそれよりも多いBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、中心性肥満(例えば、おなかの脂肪および/または内臓脂肪を含む、腹部における過剰な体脂肪蓄積)を有する。一部の実施形態では、対象は、0.85またはそれよりも多い胴囲/臀囲比(WHR)を有する。一部の実施形態では、対象は、末梢性肥満(例えば、臀部の過剰な体脂肪蓄積)を有する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は、食事および/または運動の補助である。
【0222】
別の実施形態では、本開示は、肥満、または肥満に関連する疾患もしくは状態を、処置および/または改善する方法であって、肥満している対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象は、30kg/m2またはそれよりも多いBMIを有する。さらなる実施形態では、対象は、30~39.9kg/m2、または30kg/m2~50kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、病的に肥満している。一部の実施形態では、対象は、40kg/m2またはそれよりも多い身体BMIを有する。さらなる実施形態では、対象は、40kg/m2~45kg/m2、または40kg/m2~50kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、2型糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象は、30kg/m2またはそれよりも多い(例えば、30~39.9kg/m2)BMIを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも40kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、中心性肥満(例えば、おなかの脂肪および/または内臓脂肪を含む、腹部における過剰な体脂肪蓄積)を有する。一部の実施形態では、対象は、0.85またはそれよりも多い胴囲/臀囲比(WHR)を有する。一部の実施形態では、対象は、末梢性肥満(例えば、臀部の過剰な体脂肪蓄積)を有する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は、食事および/または運動の補助である。
【0223】
肥満に関連する疾患または状態を処置または予防する方法であって、処置または予防を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法も、提供される。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、脂質異常症、高脂血症(総コレステロールレベル>240mg/dL)、高コレステロール血症(例えば、>200mg/dL、>220mg/dL、>240mg/dL、>250mg/dL、または>275mg/dLの総コレステロールレベル)、低い血清HDLレベル(例えば、<40mg/dL、<45mg/dL、または<50mg/dL)、高い血清LDLレベル(例えば、≧100mg/dL、≧130mg/dL、≧160mg/dL、または≧190mg/dL)、および高トリグリセリド血症(例えば、≧150mg/dL、≧175mg/dL、≧200mg/dL、≧300mg/dL、≧400mg/dL、または≧499mg/dLの空腹時TGレベル)からなる群から選択されるメンバーである。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、心血管疾患である。さらなる実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、高血圧症(高血圧)、心筋梗塞、末梢動脈疾患、血圧調節機能障害、動脈硬化症、うっ血性心不全、アテローム動脈硬化症、冠動脈心疾患、または微小血管疾患である。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、肝疾患である。一実施形態では、処置または予防される肝疾患または状態は、NAFLDである。一実施形態では、肝疾患は、脂肪肝である。一実施形態では、肝疾患は、NASHである。別の実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、脂肪性肝炎、脂肪過多症、線維症および/または肝硬変の群から選択されるメンバーである。ある特定の事例では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は、食事および/または運動の補助である。
【0224】
別の実施形態では、本開示は、2型糖尿病、または糖尿病に関連する疾患もしくは状態を、処置、改善および/または予防する方法であって、2型糖尿病を有する対象、または2型糖尿病を発症するリスクがある対象に、有効量のヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象は、30kg/m2またはそれよりも多い(例えば、30~39.9kg/m2)ボディマスインデックスBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも40kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、中心性肥満(例えば、おなかの脂肪および/または内臓脂肪を含む、腹部における過剰な体脂肪蓄積)を有する。一部の実施形態では、対象は、0.85またはそれよりも多いWHRを有する。一部の実施形態では、対象は、末梢性肥満(例えば、臀部の過剰な体脂肪蓄積)を有する。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は、食事および/または運動の補助である。
【0225】
糖尿病に関連する疾患または状態を処置、改善または予防する方法であって、糖尿病を有する対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法も、提供される。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、脂質異常症、高脂血症(総コレステロールレベル>240mg/dL)、高コレステロール血症(例えば、>200mg/dL、>220mg/dL、>240mg/dL、>250mg/dL、または>275mg/dLの総コレステロールレベル)、低い血清HDLレベル(例えば、<40mg/dL、<45mg/dL、または<50mg/dL)、高い血清LDLレベル(例えば、≧100mg/dL、≧130mg/dL、≧160mg/dL、または≧190mg/dL)、および高トリグリセリド血症(例えば、≧150mg/dL、≧175mg/dL、≧200mg/dL、≧300mg/dL、≧400mg/dL、または≧499mg/dLの空腹時TGレベル)からなる群から選択されるメンバーである。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、心血管疾患である。さらなる実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、高血圧症(高血圧)、心筋梗塞、末梢動脈疾患、血圧調節機能障害、または動脈硬化症である。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、肝疾患である。別の実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、脂肪肝疾患、脂肪性肝炎、脂肪過多症、および/または肝硬変の群から選択されるメンバーである。一実施形態では、処置または予防される疾患または状態は、白内障、閉塞性睡眠時無呼吸、静脈炎、痛風、変形性関節症、胆嚢疾患、および高コレステロールからなる群から選択されるメンバーである。ある特定の事例では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は、食事および/または運動の補助である。
【0226】
本開示は、対象における血中脂質プロファイルを向上させるための方法であって、そのような処置を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法も提供する。一部の実施形態では、本開示は、LDLコレステロールレベルを低下させるまたはHDLコレステロールレベルを上昇させるための方法を提供する。一実施形態では、対象は、脂質異常症を有する。別の実施形態では、対象は、上昇した血清脂質(例えば、コレステロール(高コレステロール血症)および/またはトリグリセリド(例えば、高トリグリセリド血症))を有する。一実施形態では、対象は、LDL-C≧100mg/dL、≧130mg/dL、または≧160mg/dLを有する。一実施形態では、対象は、TG≧150mg/dL、≧160mg/dL、≧170mg/dLを有する。一実施形態では、血漿インスリンレベル上昇(高インスリン血症;例えば、>20ug/mlの空腹時インスリンレベルが100を超え得る)を有する。一部の実施形態では、対象は、II型糖尿病を有する。
【0227】
一実施形態によれば、本開示は、代謝性疾患もしくは障害、または代謝性疾患もしくは障害に関連する状態を、処置または予防する方法であって、それを必要とする対象にALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、処置される代謝性疾患、障害または状態は、高血糖症(例えば、空腹状態で、または経口グルコース負荷試験中のグルコース投与後に、>130mg/dL)である。一実施形態では、処置される代謝性疾患、障害または状態は、脂質代謝疾患、障害または状態である。一実施形態では、処置される代謝性疾患、障害または状態は、脂質異常症である。さらなる実施形態では、脂質代謝疾患、障害または状態は、低HDLレベル、高LDLレベル、高トリグリセリドレベル、高脂血症、およびリポタンパク質異常から選択されるメンバーである。一実施形態では、対象は、>200mg/dL、>220mg/dL、>240mg/dL、>250mg/dL、または>275mg/dLの総コレステロールレベルを有する。一実施形態では、対象は、<40mg/dL、<45mg/dL、または<50mg/dLの血清HDLレベルを有する。一実施形態では、対象は、血清LDLレベル≧100mg/dL、≧130mg/dL、≧160mg/dL、または≧190mg/dLを有する。一実施形態では、対象は、≧150mg/dL、≧175mg/dL、≧200mg/dL、≧300mg/dL、≧400mg/dL、または≧499mg/dLの空腹時TGレベルを有する。一実施形態では、処置される代謝性疾患、障害または状態は、グルコース代謝疾患、障害または状態である。さらなる実施形態では、グルコース代謝疾患、障害または状態は、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖異常(IFG)から選択されるメンバーである。一実施形態では、処置される代謝性疾患、障害または状態は、高尿酸レベル、NAFLD、脂肪肝、NASHおよび多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択されるメンバーである。一実施形態では、処置される対象は、高インスリン血症を有する。一実施形態では、処置される対象は、肥満している(例えば、対象は、腹部肥満を有する)。別の実施形態では、処置される対象は、II型糖尿病を有する。
【0228】
メタボリックシンドロームは、心疾患のリスクを増強する一連の障害を含む状態である。メタボリックシンドロームの主要構成要素は、過体重、心血管パラメーター(高血圧、脂質異常症、血中の高いトリグリセリドレベルおよび/もしくは低いHDLレベル)、アテローム動脈硬化症、糖尿病、および/またはインスリン抵抗性である。これらの構成要素のいくつか、すなわちメタボリックシンドローム、を有する対象は、各々の構成要素がリスク因子ではあるが、心疾患に非常に罹患しやすい。本開示は、メタボリックシンドロームの上記構成要素のうちの1つ、2つ、3つまたはそれより多くを処置または予防するための方法であって、処置を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法も提供する。
【0229】
加えて、心血管疾患または状態を処置、予防または改善する方法であって、それを必要とする対象にALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法が、提供される。一実施形態では、処置、予防または改善される心血管疾患または状態は、アテローム動脈硬化症である。一実施形態では、処置、予防または改善される心血管疾患または状態は、高血圧症(例えば、安静状態で、血圧>130/80mmHg、または>140/90mmHg)である。一実施形態では、心血管疾患は、アテローム動脈硬化症(冠動脈心疾患)である。
【0230】
一実施形態では、本開示は、炎症性肝疾患または状態を処置および/または改善するための方法であって、それを必要とする対象にALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、疾患または状態は、NAFLDである。さらなる実施形態では、疾患または状態は、脂肪肝である。さらなる実施形態では、疾患または状態は、脂肪過多症(例えば、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH))である。さらなる実施形態では、疾患または状態は、アルコール性脂肪肝疾患である。
【0231】
本開示は、血糖管理を向上させる方法であって、処置を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法も提供する。一実施形態では、投与される対象は、>130、>135、>140、>145または>150mg/dLの空腹時血糖レベルを有する。一実施形態では、投与される対象は、摂食2時間後に>180、>185、>190、>195または>200mg/dLの食後血糖レベルを有する。ある特定の事例では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は、食事および/または運動の補助である。投与により、体重を低下させること、または肥満を処置することもできる。ある特定の事例では、対象は、2型糖尿病を有する。ある特定の事例では、対象は、27~40kg/m2のBMIを有する。ある特定の事例では、対象は、30~39.9kg/m2のBMIを有する。ある特定の事例では、対象は、少なくとも40のBMIを有する。ある特定の事例では、対象は、過体重である。ある特定の事例では、対象は、肥満している。血糖管理の向上は、混合食試験などの、当技術分野において公知の技術を使用して評定することができる。
【0232】
本開示は、対象における高血糖症または高血糖症に関連する状態を処置、予防または改善するための方法であって、そのような処置を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法も提供する。一実施形態では、投与される対象は、>130、>135、>140、>145または>150mg/dLの空腹時血糖レベルを有する。一実施形態では、投与される対象は、摂食2時間後に>180、>185、>190、>195または>200mg/dLの食後血糖レベルを有する。一実施形態では、処置、予防または改善の結果は、処置前の対象における血清中レベルと比較して、グルコースの血清中レベルの低下、トリグリセリドの血清中レベルの低下、インスリンの血清中レベルの低下、および/または非エステル型脂肪酸の血清中レベルの低下からなる群から選択されるメンバーである。一実施形態では、処置、予防または改善の結果は、処置前の対象の体温と比較して約0.4℃~1℃の体温の上昇である。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIB処置は、対象の体重も低下させる。
【0233】
別の実施形態では、本開示は、対象における血漿インスリンレベルを低下させる方法であって、そのような処置を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、対象は、>130、>135、>140、>145または>150mg/dLの空腹時血糖レベルを有する。一実施形態では、対象は、摂食2時間後に>180、>185、>190、>195または>200mg/dLの食後血糖レベルを有する。一実施形態では、対象は、過体重である。一実施形態では、対象は、肥満している。別の実施形態では、対象は、2型糖尿病を有する。
【0234】
本開示は、対象における高血糖症または高血糖症に関連する状態を処置、予防または改善するための方法であって、そのような処置を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法も提供する。一実施形態では、対象は、>130、>135、>140、>145または>150mg/dLの空腹時血糖レベルを有する。一実施形態では、対象は、摂食2時間後に>180、>185、>190、>195または>200mg/dLの食後血糖レベルを有する。一実施形態では、処置、予防または改善の結果は、処置前の対象における血清中レベルと比較して、グルコースの血清中レベルの低下、トリグリセリドの血清中レベルの低下、インスリンの血清中レベルの低下、および/または非エステル型脂肪酸の血清中レベルの低下からなる群から選択されるメンバーである。一実施形態では、処置、予防または改善の結果は、処置前の対象の体温と比較して約0.4℃~1℃の体温の上昇である。一部の実施形態では、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は、対象の体重も低下させる。
【0235】
別の実施形態では、本開示は、対象における血漿インスリンレベルを低下させる方法であって、そのような処置を必要とする対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、対象は、>130、>135、>140、>145または>150mg/dLの空腹時血糖レベルを有する。一実施形態では、対象は、摂食2時間後に>180、>185、>190、>195または>200mg/dLの食後血糖レベルを有する。一実施形態では、対象は、過体重である。一実施形態では、対象は、肥満している。別の実施形態では、対象は、2型糖尿病を有する。
【0236】
別の実施形態では、本開示は、対象における肝疾患を処置、予防または改善する方法であって、肝疾患を有する対象に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、対象は、肝臓の炎症を有する。一実施形態では、対象は、NAFLDを有する。一実施形態では、対象は、脂肪肝を有する。別の実施形態では、対象は、NASHを有する。一実施形態では、対象は、脂肪肝を有する。別の実施形態では、対象は、アルコール性脂肪肝疾患を有する。一実施形態では、処置、予防または改善される肝疾患は、線維症、瘢痕、硬変、または肝不全である。別の実施形態では、処置、予防または改善される肝疾患は、肝がんである。一実施形態では、対象は、過体重である。別の実施形態では、対象は、肥満している。別の実施形態では、対象は、2型糖尿病を有する。
【0237】
線維症は、臓器または組織内の細胞数の相対的低下と組み合わさった、コラーゲン繊維と細胞外基質の両方の過剰な沈着を一般に指す。この過程は、障害後の自然創傷治癒の重要な特徴であるが、線維症は、例えば肺、腎臓、肝臓、骨、筋肉および皮膚を含む、様々な組織および臓器における病的損傷につながり得る。線維症におけるTGF-ベータの役割は、広範に研究されている。しかし、例えば、アクチビン(例えば、アクチビンAおよびアクチビンB)およびGDF8を含む、他のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドも、線維症に関係付けられている[Hedgerら(2013年)Cytokine and Growth Factor Reviews 24巻:285~295頁;Hardyら(2015年)93巻:567~574頁;およびCantiniら(2008年)J Sex Med 5巻:1607~1622頁]。したがって、一部の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、線維症、特に、線維症関連障害および状態を処置するために使用することができる。例えば、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、肺線維症、過敏性肺炎、特発性線維症、結核、肺炎、嚢胞性線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、腎(腎臓)線維症、腎(腎臓)不全、慢性腎(腎臓)不全、骨線維症、骨髄線維症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、サルコイドーシス、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、ペイロニー病、肝線維症、ウイルソン病、グリコーゲン蓄積症(特に、III、IV、IXおよびX型)、鉄過剰症、ゴーシェ病、ツェルベーガー症候群、非アルコール性およびアルコール性の脂肪性肝炎、胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、バッド・キアリ症候群、手術関連線維症、クローン病、デュピュイトラン拘縮、縦隔線維症、腎性線維症、後腹膜線維症、心房線維症、心内膜心筋線維症、膵線維症および特発性肺線維症のうちの1つまたは複数を処置または予防するために使用することができる。
【0238】
腎臓は、毒素および老廃物濾過の責任を負うばかりでなく、体積、pHバランス、電解質濃度および血圧を含む、血液の多くの特徴を維持する。これらの機能は、腎臓ネフロンの複雑な構造に、腎臓の様々な毛細血管を通る一定の血流に、および内分泌ホルモンを含む、体の他の部位からのシグナルによる腎臓の制御に、依存する。腎臓機能に関する問題は、直接的メカニズム(例えば、遺伝子欠陥、感染、または毒素への曝露)により、ならびに肥大および過剰濾過(それら自体、多くの場合、腎臓機能へのより直接的な侵襲の結果)のような、長期ストレス要因から漸進的に進行する間接的メカニズムにより、顕在化する。血液維持および老廃物排泄における腎臓の中心的役割のため、腎臓関連疾患の徴候は、多数あり、多様であり、それらは、Harrison’s Principles of Internal Medicine、第18版、McGraw Hill、N.Y.、13部、277~289章において概説されている。
【0239】
本明細書に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、腎臓疾患モデルにおいて様々な有益な効果を有した。特に、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体での処置は、片側性尿管閉塞を有する対象において腎臓組織損傷、炎症および線維症を軽減した。これらのデータは、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体が、腎臓疾患の処置または予防、特に、例えば腎臓組織損傷、炎症および/または線維症を含む、腎臓疾患の様々な合併症(徴候)の処置または予防に使用することができることを示す。
【0240】
したがって、本発明の方法は、様々な腎臓関連疾患または状態に適用することができる。本明細書で使用される場合、「腎関連疾患または状態」は、腎臓または腎系を冒す任意の疾患、障害または状態を指すことができる。腎臓関連疾患または状態の例は、慢性腎臓疾患(または腎臓不全)、急性腎臓疾患(または腎臓不全)、原発性腎臓疾患、非糖尿病性腎臓疾患、糸球体腎炎、間質性腎炎、糖尿病性腎臓疾患、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、急速進行性糸球体腎炎、腎線維症、アルポート症候群、IDDM腎炎、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、半月体形成性糸球体腎炎、腎間質性線維症、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症、微小変化群、微量免疫型急速進行性糸球体腎炎、IgA腎症、多発性嚢胞腎臓疾患、デント病、腎シスチン蓄積症、ヘイマン腎炎、常染色体優性(成人)多発性嚢胞腎臓疾患、常染色体劣性(小児)多発性嚢胞腎臓疾患、急性腎臓障害、ネフローゼ症候群、腎虚血、有足細胞疾患または障害、タンパク尿、糸球体疾患、膜性糸球体腎炎、巣状分節性糸球体腎炎、子癇前症、子癇、腎臓病変、膠原病性脈管疾患、良性起立性(体位性)タンパク尿、IgM腎症、膜性腎症、サルコイドーシス、糖尿病、薬物による腎臓損傷、ファブリー病、アミノ酸尿症、ファンコニー症候群、高血圧性腎硬化症、間質性腎炎、鎌状赤血球症、ヘモグロビン尿症、ミオグロビン尿症、ウェゲナー肉芽腫症、1型グリコーゲン蓄積症、慢性腎臓疾患、慢性腎不全、低糸球体濾過量(GFR)、腎血管硬化症、ループス腎炎、ANCA陽性の微量免疫型半月体形成性糸球体腎炎、慢性同種移植腎症、腎毒性(nephrotoxicity)、腎毒性(renal toxicity)、腎臓壊死、腎臓損傷、糸球体および尿細管障害、腎臓機能障害、腎炎症候群、急性腎不全、慢性腎不全、近位尿細管機能不全、急性腎臓移植拒絶反応、慢性腎臓移植拒絶反応、非IgAメサンギウム増殖性糸球体腎炎、感染後の糸球体腎炎、任意の種類の腎臓病変を伴う血管炎、任意の遺伝性腎疾患、任意の間質性腎炎、腎移植不全、腎臓がん、他の状態(例えば、高血圧、糖尿病、および自己免疫疾患)に関連する腎臓疾患、デント病、腎シスチン蓄積症、ヘイマン腎炎、原発性腎臓疾患、虚脱性糸球体症、デンスデポジット病、クリオグロブリン血症に関連する糸球体腎炎、ヘノッホ・シェーンライン病、感染後の糸球体腎炎、細菌性心内膜炎、顕微鏡的多発血管炎、チャーグ・ストラウス症候群、抗GBM抗体媒介性糸球体腎炎、アミロイドーシス、単クローン性免疫グロブリン沈着症、繊維性糸球体腎炎、イムノタクトイド糸球体症、虚血性尿細管障害、薬物誘導性尿細管間質性腎炎、中毒性尿細管間質性腎炎、感染性尿細管間質性腎炎、細菌性腎盂腎炎、ポリオーマウイルス感染症またはHIV感染症に起因するウイルス性感染性尿細管間質性腎炎、代謝誘導性尿細管間質性疾患、混合性結合疾患、円柱腎症、尿酸塩、シュウ酸塩、または薬物誘導性の結晶沈着に起因し得る結晶性腎症、急性細胞性尿細管間質性同種移植片拒絶反応、リンパ腫または移植後リンパ増殖性疾患に起因する腫瘍浸潤性疾患、腎臓の閉塞性疾患、血管疾患、血栓性微小血管症、腎血管硬化症、アテローム塞栓疾患、混合性結合組織疾患、結節性多発動脈炎、カルシニューリン阻害剤誘導性血管疾患、急性細胞性血管同種移植片拒絶反応、急性体液性同種移植片拒絶反応、早期腎機能低下(ERFD)、末期腎疾患(ESRD)、腎静脈血栓症、急性尿細管壊死、急性間質性腎炎、既往慢性腎臓疾患、腎動脈狭窄、虚血性腎症、尿毒症、薬物および毒素誘導性慢性尿細管間質性腎炎、逆流性腎症、腎臓結石、グッドパスチャー症候群、正球性正色素性貧血、腎性貧血、糖尿病性慢性腎臓疾患、IgG4関連疾患、フォンヒッペル・リンドウ症候群、結節性硬化症、ネフロン癆、髄質嚢胞性腎臓疾患、腎細胞癌、腺癌、腎芽細胞腫、リンパ腫、白血病、低シアル化障害、慢性シクロスポリン腎症、腎再灌流障害、腎異形成、高窒素血症、両側動脈閉塞、急性尿酸腎症、血液量減少症、急性両側閉塞性尿路疾患、高カルシウム血症性腎症、溶血性尿毒症症候群、急性尿閉、悪性腎硬化症、産後糸球体硬化症、強皮症、非グッドパスチャー病の抗GBM疾患、顕微鏡的結節性多発動脈炎、アレルギー性肉芽腫症、急性放射線腎炎、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、ワルデンストレームマクログロブリン血症、鎮痛薬腎症、動静脈瘻、動静脈グラフト、透析、異所性腎臓、海綿腎臓、腎性骨ジストロフィー、単腎症、水腎症、微量アルブミン尿、尿毒症、血尿、高脂血症、低アルブミン血症、脂質尿、アシドーシス、ならびに高カリウム血症、ならびに浮腫を含むが、これらに限定されない。
【0241】
一部の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、慢性腎臓疾患を処置するための1つまたは複数の支持療法と任意選択で組み合わせて、慢性腎臓疾患を処置または予防するために使用することができる。一部の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、慢性腎臓疾患を処置するための1つまたは複数の支持療法と任意選択で組み合わせて、慢性腎臓疾患の1つまたは複数の合併症(症状または徴候)を処置または予防するために使用することができる。一部の実施形態では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体は、末期腎臓疾患を処置するための1つまたは複数の支持療法と任意選択で組み合わせて、末期腎臓不全を処置または予防するために使用することができる。慢性腎疾患としても公知の、慢性腎臓疾患(CKD)は、何カ月もまたは何年もの期間をかけての漸進的腎機能喪失である。悪化する腎臓機能の症状は、全身の体調が優れないと感じること、および食欲低下を経験することを含み得る。多くの場合、慢性腎臓疾患は、高血圧または糖尿病を有する者およびCKDを有する血縁者がいる者などの、腎臓の問題のリスクがあることが分かっている人々のスクリーニングの結果として診断される。この疾患は、その認知されている合併症の1つ、例えば、心血管疾患、貧血または心膜炎に至った場合に同定されることもある。最近の専門ガイドラインは、CKDの重症度を5ステージで分類し、ステージ1は、軽度で、通常はほとんど症状を生じさせず、ステージ5は、未処置の場合、平均余命の短い重病である。ステージ5のCKDは、末期腎臓疾患、末期腎疾患、または末期腎臓不全と呼ばれることが多く、今や時代遅れの用語である慢性腎不全または慢性腎臓不全とおおむね同義であり、患者が、理想的には腎臓移植に相当するが透析の形態を含むこともある腎代替療法を必要とすることを、通常は意味する。CKDは、初期には特異的症状がなく、一般に、血清クレアチニンまたは尿中のタンパク質の増加としてしか検出されない。腎臓機能が低下するにつれて、様々な症状が、下記のように顕在化し得る。体液過剰、および腎臓によりレニン-アンジオテンシン系経由で生成される血管作用性ホルモンの産生に起因して、血圧が上昇されて、高血圧症を発症するリスクおよび/またはうっ血性心不全に罹患するリスクが上昇し得る。尿素が蓄積して、高窒素血症および最終的には尿毒症(嗜眠から心膜炎および脳症までの様々な症状)に至り得る。その高度な体循環に起因して、尿は、エクリン汗に高濃度で排泄され、汗が蒸発するにつれて皮膚上に晶出する(尿素霜)。カリウムが血中に蓄積し得る(倦怠感を含み、致死的な不整脈を含む可能性もある、様々な症状を伴う高カリウム血症)。高カリウム血症は、糸球体濾過量が、20~25ml/分/1.73m2未満に降下する、腎臓がカリウムを排出する能力を低下させてしまうその時点まで、通常は発症しない。CKDにおける高カリウム血症は、酸性血(カリウムの細胞外移行につながる)により、およびインスリンの欠乏から、憎悪され得る。エリスロポエチン合成が減少されて、貧血を引き起こし得る。軽度水腫から致死性の肺水腫までの様々な体液体積過剰症状が起こり得る。リン酸塩排泄低下に起因する高リン血症が、一般に、糸球体濾過の減少後に起こり得る。血管石灰化への直接的刺激となる、高リン血症は、心血管リスク増加を伴う。低カルシウム血症が顕在化することもあり、これは、一般に、線維芽細胞増殖因子23の刺激により引き起こされる。骨細胞は、酵素1-アルファ-ヒドロキシラーゼ(25-ヒドロキシコレカルシフェロールの1,25ジヒドロキシビタミンD3への変換に関与する)の強力な阻害剤である、FGF23の産生増加に関与する。その後、これは、続発性副甲状腺機能亢進症、腎性骨ジストロフィー、および血管石灰化へと進行し、血管石灰化は、さらに、心機能を損なわせる。代謝性アシドーシス(硫酸塩、リン酸塩、尿酸などの蓄積に起因する)が起こり、酵素に対する過剰な酸の作用により酵素活性の変化を引き起こすことがあり、過剰な酸(酸性血)に起因する高カリウム血症の促進により心膜およびニューロン膜の興奮性の増大を引き起こすこともある。アシドーシスはまた、近位尿細管の細胞から十分なアンモニアを生成する能力の低下に起因する。腎臓機能が低下するにつれて有病率が増加する、鉄欠乏性貧血は、血液透析を必要とする者に特に高頻度に見られる。鉄欠乏性貧血は、原因の点で多因子であるが、炎症増大、エリスロポエチンの低減、および高尿酸血症を含み、これらは骨髄抑制につながる。CKDを有する人々は、急速進行型アテローム動脈硬化症に罹患し、一般の人々よりも心血管疾患を発症する可能性が高い。CKDおよび心血管疾患に罹患している患者は、心血管疾患のみに罹患している者よりも予後が有意に悪い傾向がある。
【0242】
本明細書で使用される場合、「~と組み合わせて」、「~の組合せ」、または「併せての投与」は、さらなる治療(例えば、第2の治療、第3の治療、第4の治療など)が、体内でまだ有効である(例えば、複数の化合物が患者において同時に有効であり、これは、それらの化合物の相乗効果を含み得る)ような、任意の投与形態を指す。有効性は、血液、血清または血漿中の薬剤の測定可能な濃度と相関しないこともある。例えば、異なる治療用化合物を、同じ製剤でまたは別々の製剤で、同時にまたは逐次的に、および異なるスケジュールで投与することができる。したがって、そのような処置を受ける個体は、異なる治療の組み合わせられた効果からの恩恵を受けることができる。本開示の1つまたは複数のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を、1つもしくは複数の他のさらなる薬剤もしくは支持療法と同時に、その前に、またはその後に投与することができる。一般に、各治療剤は、その個々の薬剤について決定された用量および/またはタイムスケジュールで投与されることになる。レジメンに用いられる特定の組合せは、本開示のアンタゴニストと治療の適合性、および/または所望されることを考慮に入れることになる。
【0243】
一部の実施形態では、患者が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーまたはベッカー型筋ジストロフィーを有する場合、本明細書で開示されるALK4:ActRIIBヘテロ多量体のいずれかを、エテプリルセン、副腎皮質ステロイド薬(例えば、デフラザコート)、ステロイド(例えば、プレドニゾン)、血圧および/または心臓の薬(例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、ベータブロッカー、および利尿薬)、抗喘息薬(例えば、アルブテロール)、ビタミン/栄養素/抗酸化剤(例えば、アミノ酸、カルニチン、コエンザイムQ10、クレアチン、魚油、緑茶抽出物、ビタミンE)、外科手術、理学療法、幹細胞療法、遺伝子療法、補助換気、食事および/または運動のうちの1つまたは複数と組み合わせて、投与することができる。
【0244】
一部の実施形態では、患者が、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを有する場合、本明細書で開示されるALK4:ActRIIBヘテロ多量体のいずれかを、アルブテロール、言語療法、手術、歩行補助具、脊柱装具、T細胞阻害剤(例えば、短縮型ヒスチジル-tRNAシンテターゼ)、幹細胞療法、遺伝子療法、および/または足部支持デバイスのうちの1つまたは複数と組み合わせて、投与することができる。
【0245】
一部の実施形態では、患者が、筋萎縮性側索硬化症を有する場合、本明細書で開示されるALK4:ActRIIBヘテロ多量体のいずれかを、リルゾール、エダラボン、マシチニブ、抗酸化剤、理学療法、言語療法、栄養補給、呼吸補助(例えば、非侵襲的人工呼吸器)、幹細胞療法、および/または遺伝子療法のうちの1つまたは複数と組み合わせて、投与することができる。
【0246】
一部の実施形態では、患者が、孤発性封入体筋炎を有する場合、本明細書で開示されるALK4:ActRIIBヘテロ多量体のいずれかを、副腎皮質ステロイド薬、プレドニゾン、オキサンドロロン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、静脈内免疫グロブリン、ベータインターフェロン-1a、エタネルセプト、アレムツズマブ、フォリスタチン、リチウム、ビマグルマブ、アリモクロモル、ラパマイシン、抗酸化剤、カルニチン、コエンザイムQ10、理学療法、作業療法、幹細胞療法、および/または遺伝子療法のうちの1つまたは複数と組み合わせて、投与することができる。
【0247】
一部の実施形態では、患者が、アルポート症候群を有する場合、本明細書で開示されるALK4:ActRIIBヘテロ多量体のいずれかを、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、ベナゼプリル、シラザプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、ペリンドプリル(perinopril)、ラミプリル(ramapril)およびキナプリル)、アンジオテンシン受容体遮断薬(例えば、カンデサルタン、エプロサルタン(epresartan)、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン)、スタチン(例えば、フルバスタチン)、非ジヒドロピリジンカルシウムチャネル遮断薬(例えば、ジルチアゼム)、シクロスポリン、および/またはアルドステロン阻害剤のうちの1つまたは複数と組み合わせて、投与することができる。
【0248】
一部の実施形態では、患者が、サルコペニアを有する場合、本明細書で開示されるALK4:ActRIIBヘテロ多量体のいずれかを、ウロコルチンII、ホルモン補充療法(例えば、テストステロンまたはヒト成長ホルモン)、クレアチン、ビタミンD、運動、食事、および/または筋力トレーニングのうちの1つまたは複数と組み合わせて、投与することができる。
【0249】
肺高血圧症(PH)は、以前は原発性(特発性)または続発性として分類されていた。最近、世界保健機関(WHO)は、肺高血圧症を5群に分類した:第1群:肺動脈性肺高血圧症(PAH);第2群:左心疾患による肺高血圧症;第3群:肺疾患および/または低酸素血症による肺高血圧症;第4群:慢性血栓性および/または塞栓性疾患に起因する肺高血圧症;および第5群:種々の状態(例えば、サルコイドーシス、ヒスチオサイトーシスX、リンパ管腫症および肺血管圧迫)。例えば、Rubin(2004年)Chest 126巻:7~10頁を参照されたい。
【0250】
ある特定の態様では、本開示は、肺高血圧症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させる(例えば、肺高血圧症の1つもしくは複数の合併症を処置する、予防する、またはそれらの進行速度および/もしくは重症度を低下させる)方法であって、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法に関する。一部の実施形態では、方法は、肺動脈性肺高血圧症を有する、肺高血圧症患者に関する。一部の実施形態では、方法は、左心疾患による肺高血圧症を有する、肺高血圧症患者に関する。一部の実施形態では、方法は、肺疾患および/または低酸素血症を有する、肺高血圧症患者に関する。一部の実施形態では、方法は、慢性血栓性および/または塞栓性疾患を有する、肺高血圧症患者に関する。一部の実施形態では、方法は、サルコイドーシス、ヒスチオサイトーシスX、またはリンパ管腫症および肺血管圧迫を有する、肺高血圧症患者に関する。
【0251】
肺動脈性肺高血圧症は、肺動脈の顕著な血管狭窄および肺動脈壁の平滑筋細胞の異常増殖を特徴とする、肺血管系の重篤な、進行性かつ致死性の疾患である。肺における血管の重度狭窄は、非常に高い肺動脈圧をもたらす。これらの高い圧力は、心臓が血液を酸素化するために肺に送り出すことを困難にする。PAHを有する患者は、心臓がこれらの高い圧力に対抗して必死に送り出そうとするので、極度の息切れに苦しむ。PAHを有する患者は、概して、肺血管抵抗(PVR)の有意な上昇および肺動脈圧(PAP)の持続的上昇を起こし、最終的には、右室不全および死に至る。PAHと診断された患者は、予後が不良であり、同時に生活の質も損なわれ、未処置の場合、平均余命は、診断時期から2~5年である。
【0252】
血管リモデリング(すなわち、増生)の一因となり得る肺細胞の増殖を含む、様々な因子が、肺高血圧症の病態の一因となる。例えば、肺血管リモデリングは、肺高血圧症を有する患者の動脈内皮細胞および平滑筋細胞の増殖によって、主として起こる。様々なサイトカインの過剰発現が肺高血圧症を促進すると考えられている。さらに、肺高血圧症は肺動脈平滑筋細胞(smooth cells)および肺内皮細胞の過剰増殖から生じ得ることが判明した。なおさらに、進行PAHは、遠位肺細動脈の筋性化、求心性内膜肥厚、および増殖性内皮細胞による血管腔の閉塞を特徴とし得る。Pietraら、J. Am. Coll. Cardiol.、43巻:255~325頁(2004年)。
【0253】
ある特定の態様では、本開示は、肺高血圧症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させる(例えば、肺高血圧症の1つもしくは複数の合併症を処置する、予防する、またはそれらの進行速度および/もしくは重症度を低下させる)方法であって、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含み、該患者が、少なくとも25mm(例えば、25、30、35、40、45または50mmHg)の安静時肺動脈圧(PAP)を有する、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも25mmHgの安静時PAPを有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも30mmHgの安静時PAPを有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも35mmHgの安静時PAPを有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも40mmHgの安静時PAPを有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも45mmHgの安静時PAPを有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも50mmHgの安静時PAPを有する患者に関する。
【0254】
一部の実施形態では、本開示は、PH患者における1つまたは複数の血行動態パラメーターを、より正常なレベル(例えば、同様の年齢および性別の健常な人々と比較して正常)を目指して調整する方法であって、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法に関する。一部の実施形態では、方法は、PAPを低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のPAPを少なくとも3mmHg低下させることに関する。ある特定の実施形態では、方法は、患者のPAPを少なくとも5mmHg低下させることに関する。ある特定の実施形態では、方法は、患者のPAPを少なくとも7mmHg低下させることに関する。ある特定の実施形態では、方法は、患者のPAPを少なくとも10mmHg低下させることに関する。ある特定の実施形態では、方法は、患者のPAPを少なくとも12mmHg低下させることに関する。ある特定の実施形態では、方法は、患者のPAPを少なくとも15mmHg低下させることに関する。ある特定の実施形態では、方法は、患者のPAPを少なくとも20mmHg低下させることに関する。ある特定の実施形態では、方法は、患者のPAPを少なくとも25mmHg低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺血管抵抗(PVR)を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺毛細血管楔入圧(PCWP)を上昇させることに関する。一部の実施形態では、方法は、左室拡張末期圧(LVEDP)を上昇させることに関する。
【0255】
ある特定の態様では、本開示は、肺高血圧症の1つもしくは複数の合併症を処置する、予防する、またはそれらの進行速度および/もしくは重症度を低下させる方法であって、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法に関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者の肺動脈における細胞増殖を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者の肺動脈における平滑筋および/もしくは内皮細胞増殖を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者の肺動脈における血管新生を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者の身体活動を増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者における呼吸困難を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者における胸痛を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者における疲労を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者における肺線維症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者における線維症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者における肺血管リモデリングを処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症患者における右室肥大を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させることに関する。
【0256】
ある特定の態様では、本開示は、肺高血圧症を有する患者における運動能力を増加させる方法であって、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含む方法に関する。運動能力についての任意の好適な評価基準を使用することができる。例えば、対象が6分間にどれ程の距離を歩くことができるのか、すなわち、6分間歩行距離(6MWD)を測定する、6分間歩行試験(6MWT)での運動能力は、肺高血圧症の重症度および疾患進行を評定するために使用されることが多い。Borg呼吸困難指数(BDI)は、知覚される呼吸困難(呼吸に伴う不快感)を評定するための数値尺度である。BDIは、息切れ度、例えば、6MWT完了後の息切れ度を測定するものであり、0のBDIは、息切れがないことを示し、10は、最大の息切れを示す。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも10メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも20メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも30メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも40メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも50メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも60メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも70メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも80メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも90メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者における6MWDを少なくとも100メートル増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも0.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも1インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも1.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも2インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも2.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも3インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも3.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも4インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも4.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも5.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも6インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも6.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも7インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも7.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも8インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも8.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも9インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも9.5インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを少なくとも3インデックスポイント低下させることに関する。一部の実施形態では、方法は、肺高血圧症を有する患者におけるBDIを10インデックスポイント低下させることに関する。
【0257】
ベースラインでの肺高血圧症は、例えば、肺高血圧症を有する患者の疾患重症度の測定基準である世界保健機構(WHO)機能クラスにより測定して、軽度、中等度または重度であり得る。WHO機能分類は、New York Heart Association(NYHA)システムの改作であり、例えば疾患進行および処置への応答のモニタリング時に、活動耐性を定性的に評定するために日常的に使用される(Rubin(2004年)Chest 126巻:7~10頁)。4つの機能クラスがWHOシステムにおいて認定されている:クラスI:身体活動を制限することにならない肺高血圧症;通常の身体活動によって過度の呼吸困難もしくは疲労、胸痛、または失神寸前状態にならない;クラスII:身体活動をわずかに制限することになる肺高血圧症;患者は安静時には快適である;通常の身体活動によって過度の呼吸困難もしくは疲労、胸痛、または失神寸前状態になる;クラスIII:身体活動を著しく制限することになる肺高血圧症;患者は安静時には快適である;通常よりも少ない活動によって過度の呼吸困難もしくは疲労、胸痛、または失神寸前状態になる;クラスIV:前兆なく、あらゆる身体活動を実施することができなくなる肺高血圧症;患者は右心不全の兆候を明示する;安静時でも呼吸困難および/または疲労が存在し得る;あらゆる身体活動によって不快感が増大する。
【0258】
ある特定の態様では、本開示は、肺高血圧症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させる(例えば、肺高血圧症の1つもしくは複数の合併症を処置する、予防する、またはそれらの進行速度および/もしくは重症度を低下させる)方法であって、それを必要とする患者に有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与することを含み、該患者が、WHOによる認定に従ってクラスI、クラスII、クラスIII、またはクラスIV肺高血圧症を有する、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従ってクラスI肺高血圧症を有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従ってクラスII肺高血圧症を有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスI肺高血圧症からクラスII肺高血圧症への患者の進行を予防することまたは遅らせることに関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスII肺高血圧症からクラスI肺高血圧症への患者の退行を促進または増進することに関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従ってクラスIII肺高血圧症を有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスII肺高血圧症からクラスIII肺高血圧症への患者の進行を予防することまたは遅らせることに関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスIII肺高血圧症からクラスII肺高血圧症への患者の退行を促進または増進することに関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスIII肺高血圧症からクラスI肺高血圧症への患者の退行を促進または増進することに関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従ってクラスIV肺高血圧症を有する患者に関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスIII肺高血圧症からクラスIV肺高血圧症への患者の進行を予防することまたは遅らせることに関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスIV肺高血圧症からクラスIII肺高血圧症への患者の退行を促進または増進することに関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスIV肺高血圧症からクラスII肺高血圧症への患者の退行を促進または増進することに関する。一部の実施形態では、方法は、WHOによる認定に従って、クラスIV肺高血圧症からクラスI肺高血圧症への患者の退行を促進または増進することに関する。
【0259】
肺高血圧症には公知の治療法がなく、現行の処置方法は、患者の寿命を延ばすこと、および患者の生活の質を向上させることに重点を置いている。肺高血圧症の現行の処置方法は、血管拡張薬、例えば、プロスタサイクリン、エポプロステノールおよびシルデナフィル;エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えば、ボセンタン;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、アムロジピン、ジルチアゼムおよびニフェジピン;抗凝固薬、例えば、ワルファリン、ならびに利尿薬の投与を含む。肺高血圧症の処置はまた、酸素療法、心房中隔裂開術、肺血栓内膜摘除術、ならびに肺および/または心臓移植を使用して行われている。しかし、これらの方法の各々には、有効性の欠如、重篤な副作用、低い患者コンプライアンスおよび高額な費用を含み得る、1つまたは複数の欠点がある。ある特定の態様では、方法は、肺高血圧症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低下させる(例えば、肺高血圧症の1つもしくは複数の合併症を処置する、予防する、またはそれらの進行速度および/もしくは重症度を低下させる)方法であって、それを必要とする患者に、有効量のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を、肺高血圧症を処置するための1つまたは複数のさらなる活性薬剤および/または支持療法(例えば、血管拡張薬、例えば、プロスタサイクリン、エポプロステノールおよびシルデナフィル;エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えば、ボセンタン;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、アムロジピン、ジルチアゼムおよびニフェジピン;抗凝固薬、例えば、ワルファリン;利尿薬;酸素療法;心房中隔裂開術;肺血栓内膜摘除術;ならびに肺および/または心臓移植);BMP9ポリペプチド;BMP10ポリペプチド;バルドキソロンメチルまたはその誘導体;オレアノール酸またはその誘導体と組み合わせて投与すること(例えば、同時にまたは異なる時点で投与されるが、一般に、薬理学的/生理学的効果の重複を達成するような様式で投与される)を含む方法に関する。
5.医薬組成物
【0260】
ある特定の態様では、本開示のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を単独で投与することができ、または医薬製剤の成分(治療用組成物もしくは医薬組成物とも称される)として投与することができる。医薬製剤は、含有する活性成分(例えば、本開示の薬剤)の生物活性が有効であることを可能にするような形態である調製物であって、その製剤が投与されることになる対象に許容され難いほど毒性であるさらなる成分を含有しない調製物を指す。対象化合物は、ヒト医学または獣医学において使用するための任意の適便な方法での投与のために製剤化することができる。例えば、本開示の1つまたは複数の薬剤を、薬学的に許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学的に許容される担体は、活性成分以外の医薬製剤中の成分であって、対象にとって一般的に非毒性である成分を指す。薬学的に許容される担体は、緩衝剤、賦形剤、安定剤および/または保存料を含むが、これらに限定されない。一般に、本開示での使用のための医薬製剤は、対象に投与されるとき、発熱物質不含の生理的に許容される形態である。上記の製剤に任意選択で含めることができる、本明細書に記載されるもの以外の治療的に有用な薬剤を、本開示の方法で対象薬剤と組み合わせて投与することができる。
【0261】
ある特定の実施形態では、組成物は、非経口的に[例えば、静脈内(I.V.)注射、動脈内注射、骨内注射、筋肉内注射、髄腔内注射、皮下注射または皮内注射により]投与されることになる。非経口投与に好適な医薬組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される滅菌等張水溶液もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、あるいは使用直前に再構成して滅菌注射用溶液または分散液にすることができる滅菌粉末と組み合わせて、本開示の1つまたは複数の薬剤を含み得る。注射用溶液または分散液は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、懸濁化剤、増粘剤、または製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る。本開示の医薬製剤に利用することができる好適な水性または非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、植物油(例えば、オリーブ油)、注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)、およびそれらの好適な混合物を含む。適切な流動性は、例えば、コーティング材(例えば、レシチン)の使用により、分散液の場合は必要粒径の維持により、および界面活性剤の使用により、維持することができる。
【0262】
一部の実施形態では、本開示の治療方法は、埋込物またはデバイスからの医薬組成物の全身または局所投与を含む。さらに、医薬組成物は、標的組織部位(例えば、骨髄または筋肉)への送達のための形態に封入または注入することができる。ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、本開示の薬剤の1つまたは複数を標的組織部位(例えば、骨髄または筋肉)に送達することができ、発達中の組織に構造を持たせることができ、最適には体内に再吸収され得る、マトリックスを含み得る。例えば、マトリックスは、本開示の1つまたは複数の薬剤の徐放をもたらすことができる。そのようなマトリックスを、他の埋込み型医療用途に現在使用されている材料で形成することができる。
【0263】
マトリックス材料の選択は、生体適合性、生分解性、機械的特性、審美的外観、および界面特性のうちの1つまたは複数に基づき得る。対象組成物の特定の用途により、適切な製剤が規定されることになる。可能性のある組成物用マトリックスは、生分解性で化学的に定義されている硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ポリ乳酸、およびポリ無水物であり得る。他の可能性のある材料は、例えば、骨および真皮コラーゲンを含む、生分解性で生物学的に明確に定義されているものである。さらなるマトリックスは、純粋なタンパク質または細胞外基質成分で構成されている。他の可能性のあるマトリックスは、例えば、焼結ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミン酸塩、または他のセラミックスを含む、非生分解性で化学的に定義されているものである。マトリックスは、例えば、ポリ乳酸とヒドロキシアパタイト、またはコラーゲンとリン酸三カルシウムを含む、上述のタイプの材料のいずれの組合せで構成されていてもよい。バイオセラミックスは、組成を変化させることができ(例えば、アルミン酸カルシウム-リン酸カルシウム)、ならびに細孔経、粒径、粒子の形状、および生分解性の1つまたは複数を変化させるように加工することができる。
【0264】
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物を局所投与することができる。「局所適用」または「局所的に」は、医薬組成物と、例えば、皮膚、創傷部位、および粘膜を含む体表との接触を意味する。局所医薬組成物は、様々な適用形態を有することができ、組成物の局所投与時に組織付近に配置されるようにまたは組織と直接接触している状態になるように適合された薬物含有層を概して含む。局所投与に好適な医薬組成物は、液体、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、フォーム、ペースト、パテ、半固体または固体として製剤化された組合せでの本開示の1つまたは複数のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を含み得る。液体、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、フォーム、ペーストまたはパテ形態の組成物は、標的組織上に組成物を塗り広げる、噴霧する、塗り付ける、軽く塗る、またはローラーで延ばすことにより、適用することができる。組成物を滅菌包帯材、経皮パッチ、ギプスおよび絆創膏に含浸させることもできる。パテ、半固体または固体形態の組成物は、変形可能であり得る。それらは、弾性または非弾性(例えば、可撓性もしくは剛性)であり得る。ある特定の態様では、組成物は、複合剤の一部を構成し、繊維、微粒子、または同じもしくは異なる組成を有する複数の層を含み得る。
【0265】
液体形態の局所組成物は、薬学的に許容される溶液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、および懸濁液を含み得る。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水もしくは他の溶媒、可溶化剤および/または乳化剤[例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、または1,3-ブチレングリコール、油(例えば、綿実、ラッカセイ、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物]を含む、当技術分野において一般に使用されている不活性希釈剤を含有し得る。
【0266】
局所ゲル、クリーム、ローション、軟膏、半固体または固体組成物は、1つまたは複数の増粘剤、例えば、多糖類、合成ポリマーまたはタンパク質に基づくポリマーを含み得る。本発明の一実施形態では、本明細書でのゲル化剤は、好適には非毒性であり、所望の粘度をもたらすものである。増粘剤は、ビニルピロリドン、メタクリルアミド、アクリルアミド、N-ビニルイミダゾール、カルボキシビニル、ビニルエステル、ビニルエーテル、シリコーン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリレート、マレイン酸、NN-ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、プルロニック、コラーゲン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニレン、ポリビニルシリケート、糖(例えば、スクロース、グルコース、グルコサミン、ガラクトース、トレハロース、マンノースまたはラクトース)で置換されているポリアクリレート、アクリルアミドプロパンスルホン酸、テトラメトキシオルトシリケート、メチルトリメトキシオルトシリケート、テトラアルコキシオルトシリケート、トリアルコキシオルトシリケート、グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、多糖類、アルギネート、デキストラン、シクロデキストリン、セルロース、変性セルロース、酸化セルロース、キトサン、キチン、グアー、カラゲナン、ヒアルロン酸、イヌリン、デンプン、加工デンプン、アガロース、メチルセルロース、植物ゴム、ヒアルロナン(hylaronans)、ヒドロゲル、ゼラチン、グルコサミノグリカン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン、低メトキシペクチン、架橋デキストラン、デンプン・アクリロニトリルグラフトコポリマー、デンプンポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシルエチルアクリレート、ポリビニレン、ポリエチルビニルエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアルカノエート、ポリ乳酸、ポリラクテート、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、スルホン化ヒドロゲル、AMPS(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、SEM(メタクリル酸スルホエチル)、SPM(メタクリル酸スルホプロピル)、SPA(アクリル酸スルホプロピル)、N,N-ジメチル-N-メタクリルオキシエチル-N-(3-スルホプロピル)アンモニウムベタイン、メタクリル酸(methacryllic acid)アミドプロピル-ジメチルアンモニウムスルホベタイン、SPI(イタコン酸-ビス(1-プロピルスルホン酸(sulfonizacid)-3)エステル二カリウム塩)、イタコン酸、AMBC(3-アクリルアミド-3-メチルブタン酸)、ベータ-カルボキシエチルアクリレート(アクリル酸二量体)、および無水マレイン酸-メチルビニルエーテルポリマー、これらの誘導体、これらの塩、これらの酸、ならびにこれらの組合せのポリマー、コポリマー、および単量体を含み得る。ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、例えば、所定量の本開示の化合物および任意選択で1つまたは複数の他の活性成分を各々が含有する、カプセル、カシェー、ピル、錠剤、薬用キャンディー(スクロースおよびアラビアゴムまたはトラガントなどの着香基剤を使用する)、粉末、顆粒、水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、水中油型もしくは油中水型液体エマルジョン、またはエリキシルもしくはシロップ、またはトローチ(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴムなどの不活性基剤を使用する)、および/またはマウスウォッシュの形態で、経口投与することができる。本開示の化合物および任意選択で1つまたは複数の他の活性成分を、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与することもできる。
【0267】
経口投与のための固体剤形(例えば、カプセル、錠剤、ピル、糖衣錠、粉末および顆粒)では、本開示の1つまたは複数の化合物は、例えば、クエン酸ナトリウム、リン酸二カルシウム、充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴム)、保湿剤(例えば、グリセロール)、崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカデンプン、アルギン酸、ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム)、溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物)、湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)、滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、およびこれらの混合物を含む、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と混合され得る。カプセル、錠剤およびピルの場合、医薬製剤(組成物)は、緩衝剤も含み得る。同様のタイプの固体組成物を、例えば、ラクトースまたは乳糖はもちろん高分子量ポリエチレングリコールも含む、1つまたは複数の賦形剤を使用して、軟および硬ゼラチンカプセル中の充填剤として利用することもできる。
【0268】
医薬組成物の経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを含み得る。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水もしくは他の溶媒、可溶化剤および/または乳化剤[例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、または1,3-ブチレングリコール、油(例えば、綿実、ラッカセイ、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物]を含む、当技術分野において一般に使用されている不活性希釈剤を含有し得る。不活性希釈剤に加えて、経口製剤は、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、着香剤、着色剤、芳香剤、保存剤、およびこれらの組合せを含む、アジュバントも含むことができる。
【0269】
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント、およびこれらの組合せを含む、懸濁化剤を含有し得る。
【0270】
微生物の作用および/または増殖の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、およびフェノールソルビン酸を含む、様々な抗菌剤および抗真菌剤を含めることにより確保することができる。
【0271】
ある特定の実施形態では、組成物に、例えば糖または塩化ナトリウムを含む等張剤を含めることが望ましいことがある。加えて、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含む、吸収を遅らせる薬剤を含めることによって、注射用医薬品形態の持続的吸収をもたらすことができる。
【0272】
投薬量レジメンが、本開示の薬剤の1つまたは複数の作用を修飾する様々な因子を考慮して担当医により決定されることになることは理解される。赤血球形成を促進するALK4:ActRIIBヘテロ多量体の場合、様々な因子は、患者の赤血球数、ヘモグロビンレベル、所望の標的赤血球数、患者の年齢、患者の性別、患者の食事、赤血球レベル低下の一因となり得る任意の疾患の重症度、投与の回数、および他の臨床学的因子を含み得るが、これらに限定されない。最終組成物への他の公知の活性薬剤の添加も、投薬量に影響を与え得る。赤血球レベル、ヘモグロビンレベル、網状赤血球レベル、および造血過程の他の指標のうちの1つまたは複数の定期的評定により、進展をモニターすることができる。
【0273】
ある特定の実施形態では、本開示は、本開示の薬剤の1つまたは複数のin vivo産生のための遺伝子療法も提供する。そのような療法は、上記に列挙されたような障害の1つまたは複数を有する細胞または組織への薬剤配列の導入により、その治療効果を達成することになる。薬剤配列の送達は、例えば、キメラウイルスまたはコロイド分散系などの、組換え発現ベクターを使用することにより、達成することができる。本開示の薬剤配列の1つまたは複数の好ましい治療的送達は、標的化リポソームの使用である。
【0274】
本明細書で教示されるような遺伝子療法に利用することができる様々なウイルスベクターは、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニア、またはRNAウイルス(例えば、レトロウイルス)を含む。レトロウイルスベクターは、マウスまたはトリレトロウイルスの派生物であってもよい。単一の外来遺伝子を挿入することができるレトロウイルスベクターの例は、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)を含むが、これらに限定されない。いくつかのさらなるレトロウイルスベクターが、複数の遺伝子を組み込むことができる。これらのベクターのすべてが、選択マーカー用の遺伝子を移入するまたは組み込むことができ、その結果、形質導入された細胞を同定および生成することができる。例えば、糖、糖脂質またはタンパク質を結合させることにより、レトロウイルスベクターを標的特異的にすることができる。好ましい標的化は、抗体を使用することにより遂行される。特異的ポリヌクレオチド配列をレトロウイルスゲノムに挿入して、またはウイルス包膜に結合させて、本開示の薬剤の1つまたは複数を含有するレトロウイルスベクターの標的特異的送達を可能にすることができることを、当業者は認識するであろう。
【0275】
あるいは、従来のリン酸カルシウムトランスフェクションにより、レトロウイルス構造遺伝子(gag、polおよびenv)をコードするプラスミドを組織培養細胞に直接トランスフェクトすることができる。次いで、これらの細胞に、目的の遺伝子を含有するベクタープラスミドがトランスフェクトされる。得られた細胞は、レトロウイルスベクターを培養培地に放出する。
【0276】
本開示の薬剤の1つまたは複数のための別の標的化送達系は、コロイド分散系である。コロイド分散系は、例えば、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む脂質に基づく系を含む。ある特定の実施形態では、本開示の好ましいコロイド系は、リポソームである。リポソームは、in vitroおよびin vivoで送達ビヒクルとして有用である人工膜小胞である。RNA、DNA、および無傷のウイルス粒子を水性内部に封入し、生物活性形態で細胞に送達することができる[Fraleyら(1981年)Trends Biochem. Sci.、6巻:77頁]。リポソームビヒクルを使用する効率的な遺伝子移入方法は、当技術分野において公知である[Manninoら(1988年)Biotechniques、6巻:682頁、1988年]。
【0277】
リポソームの組成は、通常、ステロイド(例えば、コレステロール)含み得るリン脂質の組合せである。リポソームの物理的特性は、pH、イオン強度、および二価カチオンの存在に依存する。例えば、ホスファチジル化合物(例えば、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシド)、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、およびジステアロイルホスファチジルコリンを含む、他のリン脂質または他の脂質も使用することができる。例えば、臓器特異性、細胞特異性、および細胞小器官特異性に基づく、リポソームの標的化も可能であり、当技術分野において公知である。
参照による組み入れ
【0278】
本明細書において言及されるすべての公表文献および特許は、個々の公表文献または特許の各々が参照により組み入れられていると具体的にかつ個々に示されているかのごとく、それら全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0279】
主題についての特定の実施形態を論じてきたが、上記明細書は、説明に役立つものであり、限定的なものではない。本明細書および下記の請求項を再考することにより、多くの変形形態が当業者に明らかになる。本発明の全範囲は、請求項をそれらの等価物の全範囲とともに、および本明細書をそのような変形形態とともに参照することにより、決定されるべきものである。
【実施例】
【0280】
ここで、本発明を一般的に記載し、単に、ある特定の実施形態および本発明の実施形態の例示のために含まれ、本発明を限定することを意図するものではない、以下の実施例を参照することによって、本発明はより容易に理解されるであろう。
(実施例1)
ALK4:ActRIIBヘテロ二量体の生成
【0281】
細胞外ドメインとFcドメインとの間に配置されたリンカーを用いてそれぞれ別々にFcドメインに融合された、ヒトActRIIBおよびヒトALK4の細胞外ドメインを含む可溶性ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロマー複合体を構築した。個々の構築物は、それぞれ、ActRIIB-Fc融合ポリペプチドおよびALK4-Fc融合ポリペプチドと呼ばれ、それぞれの配列は以下に提供される。
【0282】
ActRIIB-FcまたはALK4-Fcホモ二量体複合体とは反対に、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロマー複合体の形成を促進するための方法論は、非対称ヘテロマー複合体の形成を誘導するためにFcドメインのアミノ酸配列中に変更を導入することである。Fcドメインを使用して非対称相互作用対を作製するための多くの異なる手法が本開示に記載される。
【0283】
それぞれ、配列番号39~41および42~44のActRIIB-FcおよびALK4-Fcポリペプチド配列に例示される、1つの手法では、一方のFcドメインを相互作用面にカチオン性アミノ酸を導入するために変更するが、他方のFcドメインを相互作用面にアニオン性アミノ酸を導入するために変更する。ActRIIB-Fc融合ポリペプチドおよびALK4-Fc融合ポリペプチドはそれぞれ、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)リーダー:MDAMKRGLCCVLLLCGAVFVSP(配列番号38)を用いる。
ActRIIB-Fcポリペプチド配列(配列番号39)を、以下に示す:
【化32】
【0284】
リーダー(シグナル)配列およびリンカーは、下線付きである。考えられるホモ二量体複合体のいずれかではなくALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、2つのアミノ酸置換(酸性アミノ酸をリシンで置き換える)を、上に二重下線により示されたActRIIB融合タンパク質のFcドメイン中に導入することができる。配列番号39のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシン(K)を除去して提供することができる。
このActRIIB-Fc融合タンパク質は、以下の核酸配列(配列番号40)によってコードされる:
【化33】
【0285】
成熟ActRIIB-Fc融合ポリペプチド(配列番号41)は以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシン(K)を除去して提供することができる。
【化34】
【化35】
ALK4-Fc融合ポリペプチドの相補形態(配列番号42)は、以下の通りである:
【化36】
【0286】
リーダー配列およびリンカーは、下線付きである。上記の配列番号39および41のActRIIB-Fc融合ポリペプチドとのヘテロ二量体形成を誘導するために、2つのアミノ酸置換(リシンをアスパラギン酸で置き換える)を、上に二重下線により示されたALK4-Fc融合ポリペプチドのFcドメイン中に導入することができる。配列番号42のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端にリシン(K)を付加して提供することができる。
このALK4-Fc融合タンパク質は、以下の核酸(配列番号43)によってコードされる:
【化37】
【化38】
【0287】
成熟ALK4-Fc融合タンパク質配列(配列番号44)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端にリシン(K)を付加して提供することができる。
【化39】
【0288】
それぞれ、配列番号41および配列番号44のActRIIB-FcおよびALK4-Fcタンパク質を同時発現させ、CHO細胞系から精製して、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを含むヘテロマー複合体を生じさせることができる。
【0289】
非対称Fc融合タンパク質を使用するヘテロ多量体複合体の形成を促進するための別の手法では、Fcドメインを、それぞれ、配列番号45~46および47~48のActRIIB-FcおよびALK4-Fcポリペプチド配列中に例示されるように、相補的疎水性相互作用およびさらなる分子間ジスルフィド結合を導入するために変更する。ActRIIB-Fc融合ポリペプチドおよびALK4-Fc融合ポリペプチドはそれぞれ、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)リーダー:MDAMKRGLCCVLLLCGAVFVSP(配列番号38)を用いる。
ActRIIB-Fcポリペプチド配列(配列番号45)を、以下に示す:
【化40】
【化41】
リーダー(シグナル)配列およびリンカー配列は、下線付きである。考えられるホモ二量体複合体のいずれかではなくALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、2つのアミノ酸置換(セリンをシステインで、トレオニンをトリプトファンで置き換える)を、上に二重下線により示された融合タンパク質のFcドメイン中に導入することができる。配列番号45のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシン(K)を除去して提供することができる。
成熟ActRIIB-Fc融合ポリペプチドは、以下の通りである:
【化42】
【0290】
ALK4-Fc融合ポリペプチドの相補形態(配列番号47)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシン(K)を除去して提供することができる。
【化43】
【0291】
リーダー配列およびリンカーは下線付きである。上記の配列番号45および46のActRIIB-Fc融合ポリペプチドとのヘテロ二量体形成を誘導するために、4つのアミノ酸置換を、上に二重下線により示されたALK4融合ポリペプチドのFcドメイン中に導入することができる。配列番号47のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシン(K)を除去して提供することができる。
【0292】
成熟ALK4-Fc融合タンパク質配列は以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシン(K)を除去して提供することができる。
【化44】
【0293】
それぞれ、配列番号46および配列番号48のActRIIB-FcおよびALK4-Fcタンパク質を同時発現させ、CHO細胞系から精製して、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを含むヘテロマー複合体を生じさせることができる。
【0294】
様々なALK4-Fc:ActRIIB-Fc複合体の精製を、例えば、任意の順序の、以下:プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、およびエピトープに基づく親和性クロマトグラフィー(例えば、ALK4またはActRIIB上のエピトープに対する抗体または機能的に等価なリガンドを用いる)のうちの3つまたはそれより多くを含む、一連のカラムクロマトグラフィーステップによって達成することができる。精製を、ウイルス濾過および緩衝液交換を用いて完了させることができる。
【0295】
非対称Fc融合タンパク質を使用するヘテロ多量体複合体の形成を促進するための別の手法では、Fcドメインを、それぞれ、配列番号70~73および74~77のActRIIB-FcおよびALK4-Fcポリペプチド配列に例示されるように、正味の分子電荷に基づいて精製を容易にするために2つのFcドメイン間に相補的疎水性相互作用、さらなる分子間ジスルフィド結合、および静電気的差異を導入するために変更する。ActRIIB-Fc融合ポリペプチドおよびALK4-Fc融合ポリペプチドはそれぞれ、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)リーダー:MDAMKRGLCCVLLLCGAVFVSP(配列番号38)を用いる。
ActRIIB-Fcポリペプチド配列(配列番号70)を、以下に示す:
【化45】
【0296】
リーダー配列およびリンカーは下線付きである。考えられるホモ二量体複合体のいずれかではなくALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、2つのアミノ酸置換(セリンをシステインで、トレオニンをトリプトファンで置き換える)を、上に二重下線により示された融合タンパク質のFcドメイン中に導入することができる。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の精製を容易にするために、2つのアミノ酸置換(リシンを酸性アミノ酸で置き換える)を、上に二重下線により示された融合タンパク質のFcドメイン中に導入することもできる。配列番号70のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このActRIIB-Fc融合タンパク質は、以下の核酸(配列番号71)によってコードされる:
【化46】
【化47】
【0297】
成熟ActRIIB-Fc融合ポリペプチドは、以下の通り(配列番号72)であり、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
【化48】
このActRIIB-Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸(配列番号73)によってコードされる:
【化49】
【化50】
【0298】
ALK4-Fc融合ポリペプチドの相補形態(配列番号74)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
【化51】
【0299】
リーダー配列およびリンカーは下線付きである。上記の配列番号70および72のActRIIB-Fc融合ポリペプチドとのヘテロ二量体形成を誘導するために、4つのアミノ酸置換(チロシンをシステインで、トレオニンをセリンで、ロイシンをアラニンで、チロシンをバリンで置き換える)を、上に二重下線により示されたALK4融合ポリペプチドのFcドメイン中に導入することができる。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の精製を容易にするために、2つのアミノ酸置換(アスパラギンをアルギニンで、アスパラギン酸をアルギニンで置き換える)を、上に二重下線により示されたALK4-Fc融合ポリペプチドのFcドメイン中に導入することもできる。配列番号74のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このALK4-Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸(配列番号75)によってコードされる:
【化52】
【0300】
成熟ALK4-Fc融合ポリペプチド配列は、以下の通り(配列番号76)であり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
【化53】
このALK4-Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸(配列番号77)によってコードされる:
【化54】
【0301】
それぞれ、配列番号72および配列番号76のActRIIB-FcおよびALK4-Fcタンパク質を同時発現させ、CHO細胞系から精製して、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを含むヘテロマー複合体を生じさせることができる。
【0302】
様々なALK4-Fc:ActRIIB-Fc複合体の精製を、例えば、任意の順序の、以下:プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、エピトープに基づく親和性クロマトグラフィー(例えば、ALK4またはActRIIB上のエピトープに対する抗体または機能的に等価なリガンドを用いる)、およびマルチモーダルクロマトグラフィー(例えば、静電気的および疎水性リガンドの両方を含有する樹脂を用いる)のうちの3つまたはそれより多くを含む、一連のカラムクロマトグラフィーステップによって達成することができる。精製を、ウイルス濾過および緩衝液交換を用いて完了させることができる。
【0303】
非対称Fc融合タンパク質を使用するヘテロ多量体複合体の形成を促進するための別の手法では、Fcドメインを、配列番号78~81のActRIIB-Fcポリペプチド配列ならびに配列番号47、48、82、および83のALK4-Fcポリペプチド配列中に例示されるように、プロテインAの親和性に基づく精製を容易にするために、具体的にActRIIB-Fcポリペプチド鎖中に、相補的疎水性相互作用、さらなる分子間ジスルフィド結合、およびヒスチジンからアルギニンへの置換を導入するために変更する。ActRIIB-Fc融合ポリペプチドおよびALK4-Fc融合ポリペプチドはそれぞれ、TPAリーダー:MDAMKRGLCCVLLLCGAVFVSP(配列番号38)を用いる。
ActRIIB-Fcポリペプチド配列(配列番号78)を、以下に示す:
【化55】
【0304】
リーダー配列およびリンカーは下線付きである。考えられるホモ二量体複合体のいずれかではなくALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、2つのアミノ酸置換(セリンをシステインで、トレオニンをトリプトファンで置き換える)を、上に二重下線により示された融合タンパク質のFcドメイン中に導入することができる。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の精製を容易にするために、別のアミノ酸置換(リシンを酸性アミノ酸で置き換える)を、上に二重下線により示された融合タンパク質のFcドメイン中に導入することもできる。配列番号78のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このActRIIB-Fc融合タンパク質は、以下の核酸(配列番号79)によってコードされる:
【化56】
【化57】
【0305】
成熟ActRIIB-Fc融合ポリペプチド配列は、以下の通り(配列番号80)であり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
【化58】
このActRIIB-Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸(配列番号81)によってコードされる:
【化59】
【化60】
【0306】
ALK4-Fc融合ポリペプチドの相補形態は、配列番号47(上に示されている)であり、配列番号78および80のActRIIB-Fc融合ポリペプチドとのヘテロ二量体形成を誘導するために4つのアミノ酸置換を含有し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このALK4-Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸(配列番号82)によってコードされる:
【化61】
【化62】
【0307】
成熟ALK4-Fc融合ポリペプチド配列は、配列番号48(上に示されている)であり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このALK4-Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸(配列番号83)によってコードされる:
【化63】
【化64】
【0308】
それぞれ、配列番号80および配列番号48のActRIIB-FcおよびALK4-Fcタンパク質を同時発現させ、CHO細胞系から精製して、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを含むヘテロマー複合体を生じさせることができる。
【0309】
様々なALK4-Fc:ActRIIB-Fc複合体の精製を、例えば、任意の順序の、以下:プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、およびエピトープに基づく親和性クロマトグラフィー(例えば、ALK4またはActRIIB上のエピトープに対する抗体または機能的に等価なリガンドを用いる)、ならびにマルチモーダルクロマトグラフィー(静電気的および疎水性リガンドの両方を含有する樹脂を用いる)のうちの3つまたはそれより多くを含む、一連のカラムクロマトグラフィーステップによって達成することができる。精製を、ウイルス濾過および緩衝液交換を用いて完了させることができる。
(実施例2)
ActRIIB-Fcホモ二量体およびALK4-Fcホモ二量体と比較したALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体のリガンド結合プロファイル
【0310】
Biacore(商標)に基づく結合アッセイを使用して、上記のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体複合体のリガンド結合選択性を、ActRIIB-FcおよびALK4-Fcホモ二量体複合体のリガンド結合選択性と比較した。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体、ActRIIB-Fcホモ二量体、およびALK4-Fcホモ二量体を、抗Fc抗体を使用するシステム上に独立に捕捉した。リガンドを注入し、捕捉された受容体タンパク質上に流動させた。結果を以下の表にまとめるが、有効なリガンドトラップを最も示すリガンド解離速度(k
d)は、灰色の影付きで示す。
【表4-1】
【表4-2】
【0311】
これらの比較結合データは、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体が、ActRIIB-FcまたはALK4-Fcホモ二量体のいずれかと比べて変更された結合プロファイル/選択性を有することを示している。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体は、いずれかのホモ二量体と比較してアクチビンBに対する増強された結合を示し、ActRIIB-Fcホモ二量体について観察されるように、アクチビンA、GDF8、およびGDF11に対する強力な結合を保持し、BMP9、BMP10、およびGDF3に対する実質的に減少した結合を示す。特に、BMP9は、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体に対する低いか、または観察不可能な親和性を示すが、このリガンドは、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体に強く結合する。ActRIIB-Fcホモ二量体と同様、ヘテロ二量体は、BMP6に対する中間レベルの結合を保持する。
図4を参照されたい。
【0312】
さらに、A-204 Reporter Gene Assayを使用して、アクチビンA、アクチビンB、GDF11、GDF8、BMP10、およびBMP9によるシグナル伝達に対するALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体およびActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体の効果を評価した。細胞系:ヒト横紋筋肉腫(筋肉由来)。リポーターベクター:pGL3(CAGA)12(Dennlerら、1998年、EMBO 17巻:3091~3100頁に記載されている)。CAGA12モチーフは、TGF-ベータ応答遺伝子(PAI-1遺伝子)中に存在し、したがって、このベクターは、Smad2および3を介してシグナル伝達する因子に対して一般的に使用されているものである。例示的なA-204 Reporter Gene Assayは、以下に概略される。
【0313】
1日目:A-204細胞を48ウェルプレート中に分割する。
2日目:A-204細胞に、10μgのpGL3(CAGA)12またはpGL3(CAGA)12(10μg)+pRLCMV(1μg)およびFugeneをトランスフェクトする。
【0314】
3日目:因子(培地+0.1%BSA中に希釈したもの)を添加する。阻害剤を、細胞に添加する前に約1時間、因子と共に予備インキュベートする必要がある。約6時間後、細胞をPBSですすぎ、次いで溶解させる。
【0315】
上記ステップの後、出願人は、ルシフェラーゼアッセイを行った。
【0316】
ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体とActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体は両方とも、このアッセイにおいてアクチビンA、アクチビンB、GDF11、およびGDF8の強力な阻害剤であると決定された。特に、
図7に例示される比較ホモ二量体/ヘテロ二量体IC
50データに見られるように、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体は、ActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体と同様、アクチビンA、アクチビンB、GDF8、およびGDF11シグナル伝達経路を阻害する。しかしながら、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体によるBMP9およびBMP10シグナル伝達経路の阻害は、ActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体と比較して大幅に低下する。このデータは、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体とActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体の両方がアクチビンA、アクチビンB、GDF8、およびGDF11に対する強い結合を示すが、BMP10およびBMP9は、ActRIIB-Fc:ActRIIB-Fcホモ二量体と比較してALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体に対する大幅に低下した親和性を有することが観察された上で考察された結合データと一致している。
【0317】
まとめると、これらのデータはしたがって、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体が、ActRIIB-Fcホモ二量体と比較して、アクチビンB、アクチビンA、GDF8、およびGDF11のより選択的なアンタゴニストであることを示している。したがって、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体は、そのような選択的拮抗作用が有利である、ある特定の適用ではActRIIB-Fcホモ二量体よりも有用である。例としては、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンAB、GDF8、およびGDF11のうちの1つまたは複数の拮抗作用を保持するが、BMP9、BMP10、GDF3、およびBMP6のうちの1つまたは複数の拮抗作用を最小化することが望ましい治療適用が挙げられる。
(実施例3)
ActRIIB-Fcホモ二量体と比較した、マウスにおけるALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の活性プロファイル
【0318】
ホモ二量体およびヘテロ二量体複合体をマウスにおいて試験して、in vivoでのそれらの活性プロファイルの差異を調査した。野生型C57BL/6マウスに、約10週齢で開始して4週間、週2回、ActRIIB-Fcホモ二量体(10mg/kg)、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体(3または10mg/kg)、またはビヒクル(リン酸緩衝食塩水、PBS)を皮下投薬した(n=群あたり9匹のマウス)。ALK4-Fcホモ二量体は、表面プラズモン共鳴によって決定された場合、無細胞条件下で高い親和性でリガンドに結合することができないため、in vivoで試験しなかった。研究評価項目は、体重;ベースラインおよび研究完了(4週)時に核磁気共鳴(NMR)によって決定された全身除脂肪量および全身脂肪量;ベースラインおよび4週時に二重エネルギーx線吸収測定法(DEXA)によって決定された全身骨塩密度;ならびに4週時に決定された腓腹筋、大腿直筋、および胸筋の重量を含んでいた。
【表5】
【0319】
研究結果は、上記の表にまとめられている。予想通り、ActRIIB-Fcホモ二量体は、体組成の顕著な変化を引き起こし、多くはGDF8およびアクチビン阻害の公知の効果と一致していた。ActRIIB-Fcホモ二量体による野生型マウスの処置は、ビヒクル処置された対照と比較して、研究の経過にわたって2倍を超える体重増加をもたらした。これに伴って、ビヒクルと比較して、正味の体重増加は、全身除脂肪量および全身骨塩密度の大幅な増加、ならびに全身脂肪量での大幅な減少があった。除脂肪量(典型的には、マウスにおいては体重の約70%)は脂肪量(典型的には、体重の約10%)よりもはるかに大きいため、除脂肪および脂肪組織の正規化された(パーセンテージに基づく)変化は、絶対的変化とのその一致において異なることが認識されるべきである。腓腹筋、大腿直筋、および胸筋を含む、検査した個々の骨格筋は全て、ActRIIB-Fcホモ二量体を用いる処置の経過にわたって、ビヒクル対照と比較して重量が大幅に増加した。
【0320】
ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体は、2つの複合体の示差的なリガンド選択性にもかかわらず、ActRIIB-Fcホモ二量体のものと著しく類似するある特定の効果をもたらした。上記の表に示されたように、10mg/kgの用量レベルのALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体を用いたマウスの処置は、列挙された全ての評価項目について同じ用量レベルのActRIIB-Fcホモ二量体の効果と一致していた、ほぼ一致していた、またはそれを超えていた。3mg/kgのALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の効果は、10mg/kgと比較して、いくつかの評価項目について軽度に減弱し、したがって、用量効果関係に関する証拠を提供した。
【0321】
したがって、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体は、ActRIIB-Fcホモ二量体のものと非常に類似する、骨格筋および骨に対する有益な同化効果、ならびに脂肪組織に対する異化効果を発揮する。しかしながら、ActRIIBホモ二量体と違って、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体は、BMP9およびBMP10に対する低親和性のみ、または一過的な結合を示し、したがって、血管新生などの、これらのリガンドによって媒介されるプロセスに対して同時的阻害をほとんどか全く有さないべきである。この新規の選択性は、例えば、筋肉および骨に対する刺激効果、ならびに脂肪に対する阻害効果を必要とするが、血管新生の変更を必要としない患者の処置において有用である。
【0322】
(実施例4)
ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は腎臓線維化および炎症を抑制し、腎臓障害を軽減する
【0323】
腎臓疾患に対する、実施例2に記載されたALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の効果を、マウス片側尿管結紮モデルにおいて評価した。例えば、KlahrおよびMorrissey(2002年)Am J Physiol Renal Physiol 283巻:F861~F875頁を参照されたい。
【0324】
24匹のC57BL/6オスマウス、12週齢が、腎臓の下極のレベルで2回、左片側尿管ライゲーションを受けた。3日後、8匹のマウスを安楽死させ、個々の動物から腎臓を採集して、腎臓障害を評価した。残りのマウスを、2つの群に無作為化した:i)8匹のマウスに、術後3日目、7日目、10日目、および14日目に10mg/kgの用量のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体を皮下注射し、(ii)8匹のマウスに、術後3日目、7日目、10日目、および14日目にビヒクル対照、リン酸緩衝食塩水(PBS)を皮下注射した。両群を、関連するAnimal Care Guidelineに従って17日目に屠殺した。個々の動物からの腎臓の半分を、UUO腎臓と反対側の腎臓との両方から、組織学分析(H&E、およびMassonのトリクロム染色)のために収集し、1/4の腎臓を、RNA抽出(RNeasy Midi Kit、Qiagen、IL)のために使用した。
【0325】
UUO腎臓試料に関する遺伝子発現分析を行って、様々な遺伝子のレベルを評価した。CFX Connect(商標)Real-time PCR検出システム(Bio-Rad、CA)上でQRT-PCRを行って、様々な線維性遺伝子(Col1a1、フィブロネクチン、PAI-1、CTGF、およびa-SMA)、炎症性遺伝子(TNFa、およびMCP1)、サイトカイン(TGFβ1、TGFβ2、TGFβ3、およびアクチビンA)、および腎臓障害遺伝子(NGAL)の発現を評価した。
図8を参照されたい。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体によるマウスの処置は、線維性および炎症性遺伝子の発現を大幅に抑制し、TGFβ1/2/3の上方制御を阻害し、腎臓障害を軽減した。組織学データにより、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体処置がUUOモデルにおいて腎臓線維化を大幅に阻害し、腎臓障害を軽減することが確認された。
【0326】
まとめると、これらのデータは、ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置が、腎臓線維化および炎症を抑制し、腎臓障害を軽減することを示している。さらに、これらのデータは、例えば、ALK4および/またはActRIIB結合リガンドのアンタゴニスト、ALK4および/またはActRIIB受容体のアンタゴニスト、ALK4および/またはActRIIBの下流のシグナル伝達メディエーター(例えば、Smad)のアンタゴニスト、ならびにALK4および/またはActRIIBと会合するTGFβスーパーファミリー共受容体のアンタゴニストを含む、他のALK4:ActRIIBアンタゴニストが、腎臓疾患の処置または防止において有用であり得ることを示している。
【0327】
(実施例5)
ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置はAlportマウスモデルにおいて腎臓線維化を抑制し、タンパク尿を減少させる
【0328】
腎臓疾患に対する、実施例2に記載のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の効果を、Col4a3-/-およびCol4a5 Alportマウスモデルにおいて評価した。例えば、Cosgrove Dら(1996年)Genes Dev. 10巻(23号):2981~92頁;Rheault MNら(2004年)J Am Soc Nephrol. 15巻(6号):1466~74頁を参照されたい。
【0329】
16匹のCol4a3-/-オスマウス、2週齢を、2つの群に無作為化した:i)8匹のマウスに、5週間、10mg/kgの用量のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体を週2回皮下注射し、ii)8匹のマウスに、5週間、ビヒクル対照、リン酸緩衝食塩水(PBS)を皮下注射した。個々の動物からの尿試料を、それぞれ、4週齢、5週齢、6週齢、および7週齢で代謝ケージによって収集した。両群を7週齢で屠殺し、個々の動物から腎臓を採集して、腎臓障害を評価した。個々の動物からの腎臓の半分を、組織学分析(H&E、およびMassonのトリクロム染色)のために収集し、個々の動物からの尿試料を使用して、Alport症候群における糸球体損傷の顕著な特徴であるアルブミン尿を評価した(Mouse Albumin Antigen Assay、Molecular Innovation、MI;QuantiChrom Creatinine Assay Kit、BioAssay System、CA)。
【0330】
アルブミン尿分析を行って、尿中クレアチニンに対して正規化した後の尿中のアルブミンレベルを評価した(ACR:アルブミン対クレアチニン比)。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体によるマウスの処置は、アルブミン尿を大幅に減少させ(
図9A)、コラーゲン-Iの免疫蛍光染色によって測定される細胞外基質沈着を抑制した(
図10A)。アルブミン尿の結果と一致して、組織学データにより、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体処置が、Col4a3-/-マウスにおいて腎臓線維化を大幅に阻害し(
図10B)、硬化糸球体を減少させる(
図10C)ことが確認された。
【0331】
Alportマウスモデルにおけるアルブミン尿の抑制を確認するために、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体を、Col4a5 X連鎖Alportマウスモデルにおいて評価した。30匹のCol4a5半接合型オスマウス、17週齢を、2つの群に無作為化した:i)15匹のマウスに、12週間、10mg/kgの用量のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体を週2回、皮下注射し、ii)15匹のマウスに、12週間、ビヒクル対照、リン酸緩衝食塩水(PBS)を皮下注射した。個々の動物からの尿試料を、アルブミン尿分析のために、それぞれ、17週齢、20週齢、23週齢、26週齢、および29週齢で代謝ケージによって収集した。Col4a3-/-マウスにおける結果と一致して、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体によるCol4a5半接合型マウスの処置は、アルブミン尿を大幅に減少させた(
図9B)。
【0332】
まとめると、これらのデータは、ALK4:ActRIIBヘテロ二量体処置が、Alportマウスモデルにおけるアルブミン尿の改善と関連して、腎臓線維化を抑制し、硬化糸球体を減少させることを示している。さらに、これらのデータは、他のALK4:ActRIIBアンタゴニストが、Alport症候群における腎臓機能障害の処置または防止において有用であり得ることを示している。
【0333】
(実施例6)
ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のマウスモデルにおいて筋肉の量および強度を改善する
【0334】
疾患状態における筋肉の量および強度に対する、実施例2に記載のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の効果を、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のSOD1マウスモデルにおいて評価した。例えば、Gurneyら(1994年)Science 264巻(5166号):1772~1775頁を参照されたい。SOD1モデルでは、マウスは、約12週齢で、軽度の疾患症状、筋力低下および/または筋硬直を生じ、それらは、約16週齢で、より重度の症状、筋麻痺および/または呼吸不全を生じる。この研究では、SOD1マウスを8週齢(「発症前」段階)、12週齢(「疾患開始」段階)、および16週齢(「疾患進行」段階)で検査した。
【0335】
5週齢のSOD1[B6SJL-Tg(SOD1*G93A)1Gur/J]マウスを、別々の群:i)週2回、ビヒクル対照、リン酸緩衝食塩水を皮下注射したマウス;およびii)週2回、10mg/kgの用量のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体を皮下注射したマウスに分けた。これらの2つの処置群を、週2回、ビヒクル対照、リン酸緩衝食塩水の皮下注射を受ける5週齢の野生型マウスとも比較した。マウスを、11週の過程にわたって、筋肉量、筋線維面積の変化、および筋強直力の変化について観察した。野生型マウスと比較して、ビヒクルを受けるSOD1マウスは、12週齢(約55mg対40mgの筋肉量)および16週齢(約60mg対35mgの筋肉量)で前脛骨(TA)の筋肉量の大幅な減少を示した。対照的に、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを受けるSOD1マウスは驚くべきことに、8週齢(約55mg対80mgの筋肉量)および12週齢(約60mg対85mgの筋肉量)で野生型マウスよりも大幅に多いTA筋肉量を示した。疾患進行段階のマウスでは、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを受けるSOD1マウスは、野生型動物と比較してTA筋肉量のわずかな減少を示したが、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcで処置された動物は、ビヒクルを受けるSOD1マウスと比較して大幅に多い(80%を超える)TA筋肉量を有していた。TA筋線維面積(μm2)を検査する際にも同様の傾向が観察された。特に、野生型マウスと比較して、ビヒクルを受けるSOD1マウスは、12週齢でTA筋線維のわずかな減少を示し(約1900μm2対1700μm2の筋線維)、TA筋線維の劇的な減少が、疾患進行段階のマウスにおいて観察された(約2200μm2対1450μm2の筋線維)。対照的に、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを受けるSOD1マウスは、12週齢の野生型マウスよりも大幅に多いTA筋肉量を示した(約2300μm2対1900μm2の筋肉量)。疾患進行段階のマウスでは、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを受けるSOD1マウスは、野生型動物と比較してTA筋線維濃度のわずかな減少を示したが、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcで処置された動物は、ビヒクルを受けるSOD1マウスと比較して大幅に多い(29%を超える)TA筋線維濃度を有していた。TA筋肉量および線維含量の増加は、強度の増加と相関していた。例えば、野生型マウスと比較して、ビヒクルを受けるSOD1マウスは、12週齢で、筋肉のピーク強直力(mN)により測定された、TA筋肉強度の中程度の低下を示し(約1300mN対900mNのピーク強直力)、TA筋肉強度の劇的な低下が、疾患進行段階のマウスにおいて観察された(約1250mN対600mNのピーク強直力)。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcを受けるSOD1マウスは、12週齢(25%を超える筋肉強度の増大)および16週齢(43%を超える筋肉強度の増大)でビヒクルを受けるSOD1マウスよりも大幅に増大したTA筋肉強度を示した。
【0336】
総合すると、データは、ALK4-mFc:ActRIIB-mFc療法がALSのマウスモデルにおいて筋肉の量および強度を増加させることができることを示している。したがって、データは、ALK4-mFc:ActRIIB-mFc、および潜在的には他のALK4:ActRIIBアンタゴニストを使用して、他の筋肉障害、特に、運動ニューロンおよび神経筋の疾患を処置することができることを示している。
【0337】
(実施例7)
ALK4:ActRIIBヘテロ多量体処置は筋ジストロフィーのマウスモデルにおいて横隔膜強度を改善する
【0338】
疾患状態における筋肉の量および強度に対する、実施例2に記載のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の効果を、筋ジストロフィー(dystropy)のmdxマウスモデルにおいてさらに評価した。このmdxモデルでは、ジストロフィン欠損の表現型を、任意の早期齢(すなわち、約7週齢)で観察することができる。
【0339】
5週齢のmdx(D2.B10-Dmdmdx/J)マウスを、別々の群:i)週2回、ビヒクル対照、リン酸緩衝食塩水を皮下注射したマウス、およびii)週2回、10mg/kgの用量のALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体を皮下注射したマウスに分けた。これらの2つの処置群を、週2回、ビヒクル対照、リン酸緩衝食塩水の皮下注射を受ける5週齢の野生型マウスとも比較した。マウスを、処置の8週後に筋肉強度の変化について観察した。野生型マウスと比較して、ビヒクルを受けるmdxマウスは、8週後に、筋肉の特定の力(kPa)によって測定された、横隔膜筋肉強度の大幅な低下を示した[すなわち、約89kPa(野生型)対32kPa(mdx)]。対照的に、ALK4-Fc:ActRIIB-Fc処置は、ビヒクル対照を受けるmdxマウスと比較して横隔膜強度を大幅に増大させる(63%を超える)ことが観察された。
【0340】
データは、ALK4-mFc:ActRIIB-mFc療法がmdxのマウスモデルにおいて強度を増大させることができることを示している。したがって、データは、ALK4-mFc:ActRIIB-mFc、および潜在的には他のALK4:ActRIIBアンタゴニストを使用して、他の筋肉障害、特に、例えば、DMDおよびBMDを含む筋ジストロフィーを処置することができることを示している。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、前記ALK4-Fc融合タンパク質が、前記ALK4-Fc融合タンパク質の等電点(pI)を変化させる1つもしくは複数のアミノ酸修飾を含み、かつ/または前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つもしくは複数のアミノ酸修飾を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目2)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ALK4-Fc融合タンパク質と前記ActRIIB-Fc融合タンパク質との間のpIの差異の増大が付与されるか、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質と前記ALK4-Fc融合タンパク質との間のpIの差異の増大が付与されるか、または
c)前記ALK4-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ALK4-Fc融合タンパク質と前記ActRIIB-Fc融合タンパク質との間のpIの差異の増大が付与され、かつ前記ActRIIB-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質と前記ALK4-Fc融合タンパク質との間のpIの差異の増大が付与される、
項目1に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目3)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを増大させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを低下させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、
項目2に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目4)
ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG1 Fcドメインであり、前記IgG1 Fcドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目1から3のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目5)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目4に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目6)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号31のN162に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号31のD179に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目5に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目7)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N162R、N162K、またはN162H);
b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D179R、D179K、またはD179H);ならびに
c)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N162R、N162KまたはN162H)および配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D179R、D179KまたはD179H)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目6に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目8)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニンによる置換(N162R);
b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニンによる置換(D179R);ならびに
c)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニンによる置換(N162R)および配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニンによる置換(D179R)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目7に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目9)
ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG2 Fcドメインであり、前記IgG2 Fcドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目1から3のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目10)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目9のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目11)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、
a)配列番号32のN160に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号32のD177に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号32のN160に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号32のD177に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目10に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目12)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、
a)配列番号32のN160に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N160R、N160K、またはN160H);
b)配列番号32のD177に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D177R、D177K、またはD177H);ならびに
c)配列番号32のN160に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N160R、N160KまたはN160H)および配列番号32のD177に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D177R、D177KまたはD177H)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目11に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目13)
ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG3 Fcドメインであり、前記IgG3 Fcドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目1から3のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目14)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目13に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目15)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、
a)配列番号33のS169に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号33のD186に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号33のS169に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号33のD186に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目14に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目16)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、
a)配列番号33のS169に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(S169R、S169K、またはS169H);
b)配列番号33のD186に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D186R、D186K、またはD186H);ならびに
c)配列番号33のS169に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(S169R、S169K、またはS169H)および配列番号33のD186に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D186R、D186K、またはD186H)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目15に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目17)
ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG4 Fcドメインであり、前記IgG4 Fcドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目1から3のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目18)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目17に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目19)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、
a)配列番号35のN166に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号35のD183に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号35のN166に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号35のD183に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目18に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目20)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、
a)配列番号35のN166に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N166R、N166K、またはN166H);
b)配列番号35のD183に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D183R、D183K、またはD183H);ならびに
c)配列番号35のN166に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N166R、N166K、またはN166H)および配列番号32のD183に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D183R、D183K、またはD183H)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目19に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目21)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、1つまたは複数の正荷電アミノ酸[例えば、アルギニン(R)、リシン(K)、またはヒスチジン(H)]による、1つまたは複数の中性または負荷電アミノ酸の置換を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、1つまたは複数の負荷電アミノ酸[例えば、アスパラギン酸(E)またはグルタミン酸(D)]による、1つまたは複数の中性または正荷電アミノ酸の置換を含む、
項目3に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目22)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG1 Fcドメインであり、前記IgG1 Fcドメインが、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目1から21のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目23)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目22に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目24)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のK138に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号31のK138に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号31のK217に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目23に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目25)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のK138に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138EまたはK138D);
b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217EまたはK217D);ならびに
c)配列番号31のK138に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138EまたはK138D)および配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217EまたはK217D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目24に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目26)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のK138に対応する位置におけるグルタミン酸による置換(K138E);
b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸による置換(K217D);ならびに
c)配列番号31のK138に対応する位置におけるグルタミン酸による置換(K138E)および配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸による置換(K217D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目25に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目27)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG2 Fcドメインであり、前記IgG2 Fcドメインが、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目1から21のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目28)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目27に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目29)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2融合Fcドメインが、
a)配列番号32のK136に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号32のK215に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号32のK136に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号32のK215に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目28に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目30)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、
a)配列番号32のK136に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K136EまたはK136D);
b)配列番号32のK215に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K215EまたはK215D);ならびに
c)配列番号32のK136に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K136EまたはK136D)および配列番号32のK215に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K215EまたはK215D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目29に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目31)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG3 Fcドメインであり、前記IgG3 Fcドメインが、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目1から21のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目32)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目31に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目33)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3融合Fcドメインが、
a)配列番号33のK145に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号33のK224に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号33のK145に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号33のK224に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目32に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目34)
前記修飾されたActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、
a)配列番号33のK145に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K145EまたはK145D);
b)配列番号33のK224に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K224EまたはK224D);ならびに
c)配列番号33のK145に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K145EまたはK145D)および配列番号33のK224に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K224EまたはK224D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目33に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目35)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG4 Fcドメインであり、前記IgG4 Fcドメインが、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目1から21のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目36)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目35に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目37)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4融合Fcドメインが、
a)配列番号35のK142に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号35のK221に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号35のK142に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号35のK221に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目36に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目38)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、
a)配列番号35のK142に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K142EまたはK142D);
b)配列番号35のK221に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K221EまたはK221D);ならびに
c)配列番号35のK142に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K142EまたはK142D)および配列番号35のK221に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K221EまたはK221D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目37に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目39)
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを増大させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを低下させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、
項目2に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目40)
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、1つまたは複数の正荷電アミノ酸[例えば、アルギニン(R)、リシン(K)、またはヒスチジン(H)]による、1つまたは複数の中性または負荷電アミノ酸の置換を含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、1つまたは複数の負荷電アミノ酸[例えば、アスパラギン酸(E)またはグルタミン酸(D)]による、1つまたは複数の中性または正荷電アミノ酸の置換を含む、
項目39に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目41)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG1 Fcドメインであり、前記IgG1 Fcドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目39または40に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目42)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目41に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目43)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号31のN162に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号31のD179に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目42に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目44)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N162R、N162K、またはN162H);
b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D179R、D179K、またはD179H);ならびに
c)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N162R、N162KまたはN162H)および配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D179R、D179KまたはD179H)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目43に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目45)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニンによる置換(N162R);
b)配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニンによる置換(D179R);ならびに
c)配列番号31のN162に対応する位置におけるアルギニンによる置換(N162R)および配列番号31のD179に対応する位置におけるアルギニンによる置換(D179R)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目44に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目46)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG2 Fcドメインであり、前記IgG2 Fcドメインが、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目39または40に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目47)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目46に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目48)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、
a)配列番号32のN160に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号32のD177に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号32のN160に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号32のD177に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目47に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目49)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、
a)配列番号32のN160に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N160R、N160K、またはN160H);
b)配列番号32のD177に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D177R、D177K、またはD177H);ならびに
c)配列番号32のN160に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N160R、N160KまたはN160H)および配列番号32のD177に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D177R、D177KまたはD177H)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目48に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目50)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG3 Fcドメインであり、前記IgG3 Fcドメインが、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目39または40に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目51)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目50に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目52)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、
a)配列番号33のS169に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号33のD186に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号33のS169に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号33のD186に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目51に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目53)
前記修飾されたActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、
a)配列番号33のS169に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(S169R、S169K、またはS169H);
b)配列番号33のD186に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D186R、D186K、またはD186H);ならびに
c)配列番号33のS169に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(S169R、S169K、またはS169H)および配列番号33のD186に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D186R、D186K、またはD186H)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目52に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目54)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG4 Fcドメインであり、前記IgG4 Fcドメインが、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目39または40に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目55)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目54に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目56)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、
a)配列番号35のN166に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号35のD183に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号35のN166に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号35のD183位におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目55に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目57)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、
a)配列番号35のN166に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N166R、N166K、またはN166H);
b)配列番号35のD183に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D183R、D183K、またはD183H);ならびに
c)配列番号35のN166に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(N166R、N166K、またはN166H)および配列番号35のD183に対応する位置におけるアルギニン、リシン、またはヒスチジンによる置換(D183R、D183K、またはD183H)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目56に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目58)
前記ALK4-Fc融合タンパク質の前記1つまたは複数のアミノ酸修飾が、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを低下させる、項目2に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目59)
前記ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG1 Fcドメインであり、前記IgG1 Fcドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目2または39から40に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目60)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目59に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目61)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1融合Fcドメインが、
a)配列番号31のK138に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号31のK138に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号31のK217に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目59または60に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目62)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のK138に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138EまたはK138D);
b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217EまたはK217D);ならびに
c)配列番号31のK138に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K138EまたはK138D)および配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K217EまたはK217D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目61に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目63)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号31のK138に対応する位置におけるグルタミン酸による置換(K138E);
b)配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸による置換(K217D);ならびに
c)配列番号31のK138に対応する位置におけるグルタミン酸による置換(K138E)および配列番号31のK217に対応する位置におけるアスパラギン酸による置換(K217D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目62に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目64)
前記ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG2 Fcドメインであり、前記IgG2 Fcドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目2または39から40に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目65)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目64に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目66)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2融合Fcドメインが、
a)配列番号32のK136に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号32のK215に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号32のK136に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号32のK215に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目64または65に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目67)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、
a)配列番号32のK136に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K136EまたはK136D);
b)配列番号32のK215に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K215EまたはK215D);ならびに
c)配列番号32のK136に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K136EまたはK136D)および配列番号32のK215に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K215EまたはK215D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目66に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目68)
前記ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG3 Fcドメインであり、前記IgG3 Fcドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目2または39から40に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目69)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG31 Fcドメインが、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目68に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目70)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3融合Fcドメインが、
a)配列番号33のK145に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号33のK224に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号33のK145に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号33のK224に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目68または69に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目71)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、
a)配列番号33のK145に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K145EまたはK145D);
b)配列番号33のK224に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K224EまたはK224D);ならびに
c)配列番号33のK145に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K145EまたはK145D)および配列番号33のK224に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K224EまたはK224D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目70に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目72)
前記ALK4-Fc融合タンパク質Fcドメインが、IgG4 Fcドメインであり、前記IgG4ドメインが、前記ALK4-Fc融合タンパク質のpIを変化させる1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目2または39から40に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目73)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含む、項目72に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目74)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4融合Fcドメインが、
a)配列番号35のK142に対応する位置におけるアミノ酸置換;
b)配列番号35のK221に対応する位置におけるアミノ酸置換;ならびに
c)配列番号35のK142に対応する位置におけるアミノ酸置換および配列番号35のK221に対応する位置におけるアミノ酸置換
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目72または73に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目75)
前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、
a)配列番号35のK142に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K142EまたはK142D);
b)配列番号35のK221に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K221EまたはK221D);ならびに
c)配列番号35のK142に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K142EまたはK142D)および配列番号35のK221に対応する位置におけるアスパラギン酸またはグルタミン酸による置換(K221EまたはK221D)
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目74に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目76)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のS132位におけるシステインによる置換(S132C)および配列番号31のT144位におけるトリプトファンによる置換(T144W)を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のY127位におけるシステインによる置換(Y127C)、配列番号31のT144位におけるセリンによる置換(T144S)、配列番号31のL146位におけるアラニンによる置換(L146A)、および配列番号31のY185位におけるバリンによる置換(Y185V)を含む、
項目4から8および22から26のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目77)
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のS132位におけるシステインによる置換(S132C)および配列番号31のT144位におけるトリプトファンによる置換(T144W)を含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のY127位におけるシステインによる置換(Y127C)、配列番号31のT144位におけるセリンによる置換(T144S)、配列番号31のL146位におけるアラニンによる置換(L146A)、および配列番号31のY185位におけるバリンによる置換(Y185V)を含む、
項目4から8および22から26のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目78)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のS132位におけるシステインによる置換(S132C)および配列番号31のT144位におけるトリプトファンによる置換(T144W)を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のY127位におけるシステインによる置換(Y127C)、配列番号31のT144位におけるセリンによる置換(T144S)、配列番号31のL146位におけるアラニンによる置換(L146A)、および配列番号31のY185位におけるバリンによる置換(Y185V)を含む、
項目41から45および59から63のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目79)
a)前記修飾されたActRIIB-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のS132位におけるシステインによる置換(S132C)および配列番号31のT144位におけるトリプトファンによる置換(T144W)を含み、
b)前記修飾されたALK4-Fc融合タンパク質IgG1 Fcドメインが、配列番号31のY127位におけるシステインによる置換(Y127C)、配列番号31のT144位におけるセリンによる置換(T144S)、配列番号31のL146位におけるアラニンによる置換(L146A)、および配列番号31のY185位におけるバリンによる置換(Y185V)を含む、
項目41から45および59から63のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目80)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のS130位におけるシステインによる置換(S130C)および配列番号32のT142位におけるトリプトファンによる置換(T142W)を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のY125位におけるシステインによる置換(Y125C)、配列番号32のT142位におけるセリンによる置換(T142S)、配列番号32のL144位におけるアラニンによる置換(L144A)、および配列番号32のY183位におけるバリンによる置換(Y183V)を含む、
項目9から12および27から30のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目81)
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のS130位におけるシステインによる置換(S130C)および配列番号32のT142位におけるトリプトファンによる置換(T142W)を含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のY125位におけるシステインによる置換(Y125C)、配列番号32のT142位におけるセリンによる置換(T142S)、配列番号32のL144位におけるアラニンによる置換(L144A)、および配列番号32のY183位におけるバリンによる置換(Y183V)を含む、
項目9から12および27から30のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目82)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のS130位におけるシステインによる置換(S130C)および配列番号32のT142位におけるトリプトファンによる置換(T142W)を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のY125位におけるシステインによる置換(Y125C)、配列番号32のT142位におけるセリンによる置換(T142S)、配列番号32のL144位におけるアラニンによる置換(L144A)、および配列番号32のY183位におけるバリンによる置換(Y183V)を含む、
項目46から49および64から67のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目83)
a)修飾された前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のS130位におけるシステインによる置換(S130C)および配列番号32のT142位におけるトリプトファンによる置換(T142W)を含み、
b)修飾された前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG2 Fcドメインが、配列番号32のY125位におけるシステインによる置換(Y125C)、配列番号32のT142位におけるセリンによる置換(T142S)、配列番号32のL144位におけるアラニンによる置換(L144A)、および配列番号32のY183位におけるバリンによる置換(Y183V)を含む、
項目46から49および64から67のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目84)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のS139位におけるシステインによる置換(S139C)および配列番号33のT151位におけるトリプトファンによる置換(T151W)を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のY134位におけるシステインによる置換(Y134C)、配列番号33のT151位におけるセリンによる置換(T151S)、配列番号33のL153位におけるアラニンによる置換(L153A)、および配列番号33のY192位におけるバリンによる置換(Y192V)を含む、
項目13から16および31から34のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目85)
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のS139位におけるシステインによる置換(S139C)および配列番号33のT151位におけるトリプトファンによる置換(T151W)を含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のY134位におけるシステインによる置換(Y134C)、配列番号33のT151位におけるセリンによる置換(T151S)、配列番号33のL153位におけるアラニンによる置換(L153A)、および配列番号33のY192位におけるバリンによる置換(Y192V)を含む、
項目13から16および31から34のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目86)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のS139位におけるシステインによる置換(S139C)および配列番号33のT151位におけるトリプトファンによる置換(T151W)を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のY134位におけるシステインによる置換(Y134C)、配列番号33のT151位におけるセリンによる置換(T151S)、配列番号33のL153位におけるアラニンによる置換(L153A)、および配列番号33のY192位におけるバリンによる置換(Y192V)を含む、
項目50から53および68から71のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目87)
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のS139位におけるシステインによる置換(S139C)および配列番号33のT151位におけるトリプトファンによる置換(T151W)を含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG3 Fcドメインが、配列番号33のY134位におけるシステインによる置換(Y134C)、配列番号33のT151位におけるセリンによる置換(T151S)、配列番号33のL153位におけるアラニンによる置換(L153A)、および配列番号33のY192位におけるバリンによる置換(Y192V)を含む、
項目50から53および68から71のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目88)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のS136位におけるシステインによる置換(S136C)および配列番号35のT148位におけるトリプトファンによる置換(T148W)を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のY131位におけるシステインによる置換(Y131C)、配列番号35のT148位におけるセリンによる置換(T148S)、配列番号35のL150位におけるアラニンによる置換(L150A)、および配列番号35のY189位におけるバリンによる置換(Y189V)を含む、
項目17から20および35から38のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目89)
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のS136位におけるシステインによる置換(S136C)および配列番号35のT148位におけるトリプトファンによる置換(T148W)を含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のY131位におけるシステインによる置換(Y131C)、配列番号35のT148位におけるセリンによる置換(T148S)、配列番号35のL150位におけるアラニンによる置換(L150A)、および配列番号35のY189位におけるバリンによる置換(Y189V)を含む、
項目17から20および35から38のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目90)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のS136位におけるシステインによる置換(S136C)および配列番号35のT148位におけるトリプトファンによる置換(T148W)を含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のY131位におけるシステインによる置換(Y131C)、配列番号35のT148位におけるセリンによる置換(T148S)、配列番号35のL150位におけるアラニンによる置換(L150A)、および配列番号35のY189位におけるバリンによる置換(Y189V)を含む、
項目54から58および72から75のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目91)
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のS136位におけるシステインによる置換(S136C)および配列番号35のT148位におけるトリプトファンによる置換(T148W)を含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質IgG4 Fcドメインが、配列番号35のY131位におけるシステインによる置換(Y131C)、配列番号35のT148位におけるセリンによる置換(T148S)、配列番号35のL150位におけるアラニンによる置換(L150A)、および配列番号35のY189位におけるバリンによる置換(Y189V)を含む、
項目54から58および72から75のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目92)
前記IgG1 Fcドメインが、配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である、項目22または59に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目93)
前記IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号66の138に対応する位置のグルタミン酸;
b)配列番号66の217に対応する位置のアスパラギン酸;ならびに
c)配列番号66の138に対応する位置のグルタミン酸および配列番号66の217に対応する位置のアスパラギン酸
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目92に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目94)
前記修飾されたIgG1 Fcドメインが、配列番号66の132に対応する位置のシステインおよび配列番号66の144に対応する位置のトリプトファンを含む、項目92または93に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目95)
前記IgG1 Fcドメインが、配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である、項目4または41に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目96)
前記IgG1 Fcドメインが、
a)配列番号67の162に対応する位置のアルギニン;
b)配列番号67の179に対応する位置のアルギニン;ならびに
c)配列番号67の162に対応する位置のアルギニンおよび配列番号67の179に対応する位置のアルギニン
から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目95に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目97)
前記修飾されたIgG1 Fcドメインが、配列番号67の127に対応する位置のシステイン、配列番号67の144に対応する位置のセリン、配列番号67の146に対応する位置のアラニン、および配列番号67の185に対応する位置のバリンを含む、項目95または96に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目98)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号31のS132に対応する位置にシステインを含み(S132C)、配列番号31のT144に対応する位置にトリプトファンを含み(T144W)、配列番号31のH213に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG1 Fcドメインを含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31のY127に対応する位置にシステインを含み(Y127C)、配列番号31のT144に対応する位置にセリンを含み(T144S)、配列番号31のL146に対応する位置にアラニンを含み(L146A)、配列番号31のY185に対応する位置にバリンを含む(Y185V)IgG1 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目99)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31のS132に対応する位置にシステインを含み(S132C)、配列番号31のT144に対応する位置にトリプトファンを含み(T144W)、配列番号31のH213に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG1 Fcドメインを含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号31のY127に対応する位置にシステインを含み(Y127C)、配列番号31のT144に対応する位置にセリンを含み(T144S)、配列番号31のL146に対応する位置にアラニンを含み(L146A)、配列番号31のY185に対応する位置にバリンを含む(Y185V)IgG1 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目100)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号31のS132に対応する位置にシステインを含み(S132C)、配列番号31のT144に対応する位置にトリプトファンを含む(T144W)IgG1 Fcドメインを含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31のY127に対応する位置にシステインを含み(Y127C)、配列番号31のT144に対応する位置にセリンを含み(T144S)、配列番号31のL146に対応する位置にアラニンを含み(L146A)、配列番号31のY185に対応する位置にバリンを含み(Y185V)、配列番号31のH213に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG1 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目101)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号31のS132に対応する位置にシステインを含み(S132C)、配列番号31のT144に対応する位置にトリプトファンを含む(T144W)IgG1 Fcドメインを含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号31のY127に対応する位置にシステインを含み(Y127C)、配列番号31のT144に対応する位置にセリンを含み(T144S)、配列番号31のL146に対応する位置にアラニンを含み(L146A)、配列番号31のY185に対応する位置にバリンを含み(Y185V)、配列番号31のH213に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG1 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目102)
配列番号31のH213に対応する位置の前記酸性アミノ酸が、アスパラギン酸である、項目98から101のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目103)
配列番号31のH213に対応する位置の前記酸性アミノ酸が、グルタミン酸である、項目98から101のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目104)
前記IgG1 Fcドメインが、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である、項目98から103のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目105)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号32のS130に対応する位置にシステインを含み(S130C)、配列番号32のT142に対応する位置にトリプトファンを含み(T142W)、配列番号32のH211に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG2 Fcドメインを含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号32のY125に対応する位置にシステインを含み(Y125C)、配列番号32のT142に対応する位置にセリンを含み(T142S)、配列番号32のL144に対応する位置にアラニンを含み(L144A)、配列番号32のY183に対応する位置にバリンを含む(Y183V)IgG2 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目106)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号32のS130に対応する位置にシステインを含み(S130C)、配列番号32のT142に対応する位置にトリプトファンを含み(T142W)、配列番号32のH211に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG2 Fcドメインを含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号32のY125に対応する位置にシステインを含み(Y125C)、配列番号32のT142に対応する位置にセリンを含み(T142S)、配列番号32のL144に対応する位置にアラニンを含み(L144A)、配列番号32のY183に対応する位置にバリンを含む(Y183V)IgG2 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目107)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号32のS130に対応する位置にシステインを含み(S130C)、配列番号32のT142に対応する位置にトリプトファンを含む(T142W)IgG2 Fcドメインを含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号32のY125に対応する位置にシステインを含み(Y125C)、配列番号32のT142に対応する位置にセリンを含み(T142S)、配列番号32のL144に対応する位置にアラニンを含み(L144A)、配列番号32のY183に対応する位置にバリンを含み(Y183V)、配列番号32のH211に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG2 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目108)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号32のS130に対応する位置にシステインを含み(S130C)、配列番号32のT142に対応する位置にトリプトファンを含む(T142W)IgG2 Fcドメインを含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号32のY125に対応する位置にシステインを含み(Y125C)、配列番号32のT142に対応する位置にセリンを含み(T142S)、配列番号32のL144に対応する位置にアラニンを含み(L144A)、配列番号32のY183に対応する位置にバリンを含み(Y183V)、配列番号32のH211に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG2 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目109)
配列番号32のH211に対応する位置の前記酸性アミノ酸が、アスパラギン酸である、項目105から108のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目110)
配列番号32のH211に対応する位置の前記酸性アミノ酸が、グルタミン酸である、項目105から108のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目111)
前記修飾されたIgG2 Fcドメインが、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である、項目105から110のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目112)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号35のS136に対応する位置にシステインを含み(S136C)、配列番号35のT148に対応する位置にトリプトファンを含み(T148W)、配列番号35のH217に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG4 Fcドメインを含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号35のY131に対応する位置にシステインを含み(Y131C)、配列番号35のT148に対応する位置にセリンを含み(T148S)、配列番号35のL150に対応する位置にアラニンを含み(L150A)、配列番号35のY189に対応する位置にバリンを含む(Y189V)IgG4 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目113)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号35のS136に対応する位置にシステインを含み(S136C)、配列番号35のT148に対応する位置にトリプトファンを含み(T148W)、配列番号35のH217に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG4 Fcドメインを含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号35のY131に対応する位置にシステインを含み(Y131C)、配列番号35のT148に対応する位置にセリンを含み(T148S)、配列番号35のL150に対応する位置にアラニンを含み(L150A)、配列番号35のY189に対応する位置にバリンを含む(Y189V)IgG4 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目114)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号35のS136に対応する位置にシステインを含み(S136C)、配列番号35のT148に対応する位置にトリプトファンを含む(T148W)IgG4 Fcドメインを含み、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号35のY131に対応する位置にシステインを含み(Y131C)、配列番号35のT148に対応する位置にセリンを含み(T148S)、配列番号35のL150に対応する位置にアラニンを含み(L150A)、配列番号35のY189に対応する位置にバリンを含み(Y189V)、配列番号35のH217に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG4 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目115)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、
a)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号35のS136に対応する位置にシステインを含み(S136C)、配列番号35のT148に対応する位置にトリプトファンを含む(T148W)IgG4 Fcドメインを含み、
b)前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号35のY131に対応する位置にシステインを含み(Y131C)、配列番号35のT148に対応する位置にセリンを含み(T148S)、配列番号35のL150に対応する位置にアラニンを含み(L150A)、配列番号35のY189に対応する位置にバリンを含み(Y189V)、配列番号35のH217に対応する位置に酸性アミノ酸を含むIgG4 Fcドメインを含む、
組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目116)
配列番号35のH217に対応する位置の前記酸性アミノ酸が、アスパラギン酸である、項目112から115のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目117)
配列番号35のH217に対応する位置の前記酸性アミノ酸が、グルタミン酸である、項目112から115のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目118)
前記修飾されたIgG4 Fcドメインが、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超えて同一である、項目112から117のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目119)
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、
a)
i)配列番号9のアミノ酸24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34のいずれか1つで始まり、
ii)配列番号9のアミノ酸101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、または126のいずれか1つで終わる
ポリペプチドと少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
b)配列番号9のアミノ酸34~101と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
c)配列番号10と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
d)
i)配列番号19のアミノ酸24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34のいずれか1つで始まり、
ii)配列番号19のアミノ酸101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、または126のいずれか1つで終わる
ポリペプチドと少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
e)配列番号19のアミノ酸34~101と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;および
f)配列番号20と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
から選択されるアミノ酸配列を含むALK4ポリペプチドドメインを含む、項目1から118のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目120)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、
a)
i)配列番号1のアミノ酸20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29のいずれか1つで始まり、
ii)配列番号1のアミノ酸109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、または134のいずれか1つで終わる
ポリペプチドと少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
b)配列番号1のアミノ酸29~109と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
c)配列番号1のアミノ酸25~131と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
d)配列番号2と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
e)配列番号3と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;
f)配列番号5と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列;および
g)配列番号6と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列
から選択されるアミノ酸配列を含むActRIIBポリペプチドドメインを含む、項目のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目121)
前記ActRIIBポリペプチドドメインが、配列番号1のL79に対応する位置における酸性アミノ酸を含まない、項目120に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目122)
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、前記ALK4ドメインと前記Fcドメインとの間に位置するリンカードメインをさらに含み、かつ/または前記ActRIIB融合タンパク質が、前記ActRIIBドメインと前記Fcドメインとの間に位置するリンカードメインをさらに含む、項目1から121のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目123)
前記リンカードメインが、TGGG(配列番号17)、TGGGG(配列番号15)、SGGGG(配列番号16)、GGGGS(配列番号58)、GGG(配列番号13)、GGGG(配列番号14)、SGGG(配列番号18)、およびGGGGS(配列番号58)から選択される、項目122に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目124)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含み、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目125)
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、
a)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、および配列番号76の292に対応する位置のバリン;
b)配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸;
c)配列番号76のD286に対応する位置の正荷電アミノ酸;
d)配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;
e)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、配列番号76の292に対応する位置のバリン(Y292V)、および配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸;
f)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、配列番号76の292位のバリン、および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;ならびにg)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、および配列番号76の292に対応する位置のバリン、配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸、および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸
から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む、項目124に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目126)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、
a)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、および配列番号72の262位のトリプトファン;
b)配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸;
c)配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;
d)配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;
e)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、および配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸;
f)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;ならびに
g)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸、および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸
から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む、項目124または125に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目127)
配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4-Fc融合タンパク質。
(項目128)
a)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、および配列番号76の292に対応する位置のバリン;
b)配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸;
c)配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;
d)配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;
e)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、配列番号76の292位のバリン、および配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸;
f)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、配列番号76の292に対応する位置のバリン、および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸;ならびに
g)配列番号76の234に対応する位置のシステイン、配列番号76の251に対応する位置のセリン、配列番号76の253に対応する位置のアラニン、および配列番号76の292に対応する位置のバリン、配列番号76の269に対応する位置の正荷電アミノ酸、および配列番号76の286に対応する位置の正荷電アミノ酸
から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む、項目127に記載のALK4-Fc融合タンパク質。
(項目129)
配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目130)
a)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、および配列番号72の262に対応する位置のトリプトファン;
b)配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸;
c)配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;
d)配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;
e)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、および配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸;
f)配列番号72の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸;ならびに
g)配列番号7の250に対応する位置のシステイン、配列番号72の262位のトリプトファン、配列番号72の256に対応する位置の負荷電アミノ酸、および配列番号72の335に対応する位置の負荷電アミノ酸
から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む、項目129に記載のActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目131)
配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4-Fc融合タンパク質。
(項目132)
a)配列番号74の258に対応する位置のシステイン、配列番号74の275に対応する位置のセリン、配列番号74の277に対応する位置のアラニン、および配列番号74の316位のバリン;
b)配列番号74の293に対応する位置の正荷電アミノ酸;
c)配列番号74の310に対応する位置の正荷電アミノ酸;
d)配列番号74の293に対応する位置の正荷電アミノ酸および配列番号74の310に対応する位置の正荷電アミノ酸;
e)配列番号74の258に対応する位置のシステイン、配列番号74の275に対応する位置のセリン、配列番号74の277に対応する位置のアラニン、配列番号74の316位のバリン、および配列番号74の293に対応する位置の正荷電アミノ酸;
f)配列番号74の258に対応する位置のシステイン、配列番号74の275に対応する位置のセリン、配列番号74の277に対応する位置のアラニン、配列番号74の316に対応する位置のバリン、および配列番号74の310に対応する位置の正荷電アミノ酸
g)配列番号74の258に対応する位置のシステイン、配列番号74の275に対応する位置のセリン、配列番号74の277に対応する位置のアラニン、配列番号74の316に対応する位置のバリン、配列番号74の293に対応する位置の正荷電アミノ酸、および配列番号74の310に対応する位置の正荷電アミノ酸
から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む、項目131に記載のALK4-Fc融合タンパク質。
(項目133)
配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目134)
a)配列番号70の275に対応する位置のシステイン、および配列番号70の287に対応する位置のトリプトファン;
b)配列番号70の281に対応する位置の負荷電アミノ酸;
c)配列番号70の360に対応する位置の負荷電アミノ酸;
d)配列番号70の281に対応する位置の負荷電アミノ酸および配列番号70の360に対応する位置の負荷電アミノ酸;
e)配列番号70の275に対応する位置のシステイン、配列番号70の287に対応する位置のトリプトファン、および配列番号70の281に対応する位置の負荷電アミノ酸;
f)配列番号70の275に対応する位置のシステイン、配列番号70の287に対応する位置のトリプトファン、および配列番号70の360に対応する位置の負荷電アミノ酸;ならびに
g)配列番号70の275に対応する位置のシステイン、配列番号70の287に対応する位置のトリプトファン、配列番号70の281に対応する位置の負荷電アミノ酸、および配列番号70の360に対応する位置の負荷電アミノ酸
から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む、項目133に記載のActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目135)
前記正荷電アミノ酸残基が、修飾されているか、または天然に存在する(例えば、R、K、もしくはH)アミノ酸である、項目125、128、および132のいずれか一項に記載のヘテロ多量体または融合タンパク質。
(項目136)
前記正荷電アミノ酸残基がRである、項目135に記載のヘテロ多量体または融合タンパク質。
(項目137)
前記負荷電アミノ酸残基が、修飾されているか、または天然に存在する(例えば、DもしくはE)アミノ酸である、項目126、130、および134のいずれか一項に記載のヘテロ多量体または融合タンパク質。
(項目138)
前記負荷電アミノ酸残基がDである、項目137に記載のヘテロ多量体または融合タンパク質。
(項目139)
前記負荷電アミノ酸残基がEである、項目137に記載のヘテロ多量体または融合タンパク質。
(項目140)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含み、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号80のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目141)
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号48の234に対応する位置のシステイン、配列番号48の251に対応する位置のセリン、配列番号48の253に対応する位置のアラニン、および配列番号48の292位のバリンを含む、項目140に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目142)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号80の250に対応する位置のシステイン、配列番号80の262に対応する位置のトリプトファン、および配列番号80の331に対応する位置のアルギニンを含む、項目140または141に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目143)
配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4-Fc融合タンパク質。
(項目144)
配列番号48の234に対応する位置のシステイン、配列番号48の251に対応する位置のセリン、配列番号48の253に対応する位置のアラニン、および配列番号48の292位のバリンを含む、項目143に記載のALK4-Fc融合タンパク質。
(項目145)
配列番号80のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目146)
配列番号80の250に対応する位置のシステイン、配列番号80の262に対応する位置のトリプトファン、および配列番号80の331に対応する位置のアルギニンを含む、項目145に記載のActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目147)
配列番号47のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4-Fc融合タンパク質。
(項目148)
配列番号47の258に対応する位置のシステイン、配列番号47の275に対応する位置のセリン、配列番号47の277に対応する位置のアラニン、および配列番号47の316位のバリンを含む、項目147に記載のALK4-Fc融合タンパク質。
(項目149)
配列番号78のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であるアミノ酸配列を含む、組換えActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目150)
配列番号78の275に対応する位置のシステイン、配列番号78の287に対応する位置のトリプトファン、および配列番号78の356に対応する位置のアルギニンを含む、項目145に記載のActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目151)
グリコシル化アミノ酸、PEG化アミノ酸、ファルネシル化アミノ酸、アセチル化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸、および脂質部分とコンジュゲートしたアミノ酸からなる群から選択される1つまたは複数の修飾アミノ酸残基を含む、項目1から150のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体、ALK4-Fc融合タンパク質、またはActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目152)
グリコシル化されており、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系から入手可能なグリコシル化パターンを有する、項目151に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体、ALK4-Fc融合タンパク質、またはActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目153)
アクチビン(例えば、アクチビンAおよび/またはアクチビンB)、GDF8、GDF11、BMP6、BMP10、およびGDF3からなる群から選択される1つまたは複数のリガンドに結合する、項目1から152のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体、ALK4-Fc融合タンパク質、またはActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目154)
BMP9に実質的に結合しない、項目1から153のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体、ALK4-Fc融合タンパク質、またはActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目155)
対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でBMP10に結合する、項目1から126、135から142、および151から154のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目156)
対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でBMP9に結合する、項目1から126、135から142、および151から155のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目157)
対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱い親和性でGDF3に結合する、項目1から126、135から142、および151から156のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目158)
対応するActRIIBホモ多量体と比較して強い親和性でアクチビンBに結合する、項目1から126、135から142、および151から157のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目159)
アクチビン(例えば、アクチビンAおよび/またはアクチビンB)、GDF8、GDF11、BMP6、BMP10、およびGDF3からなる群から選択される1つまたは複数のリガンドによるシグナル伝達を阻害する、項目1から158のいずれか一項に記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体、ALK4-Fc融合タンパク質、またはActRIIB-Fc融合タンパク質。
(項目160)
BMP9のシグナル伝達を持続的に阻害しない、項目1から126、135から142、および151から154のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目161)
対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱いBMP10のシグナル伝達の阻害剤である、項目1から126、135から142、および151から160のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目162)
対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱いBMP9のシグナル伝達の阻害剤である、項目1から126、135から142、および151から161のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目163)
対応するActRIIBホモ多量体と比較して弱いGDF3のシグナル伝達の阻害剤である、項目1から126、135から142、および151から162のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目164)
対応するActRIIBホモ多量体と比較して強いアクチビンBの阻害剤である、項目1から126、135から142、および151から163のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目165)
前記リガンドシグナル伝達が、細胞に基づくアッセイにおいて測定される、項目159から164のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目166)
ヘテロ二量体である、項目1から126、135から142、および160から165のいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目167)
前記1つまたは複数のアミノ酸修飾が、pIを少なくとも0.1(例えば、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.3、1.5、1.7、2.0、2.3、2.5、2.7、3.0、3.3、3.5、3.7、または少なくとも4.0)変化させる、項目1から166のいずれか一項に記載のヘテロ多量体またはFc融合タンパク質。
(項目168)
a)前記ALK4-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ALK4-Fc融合タンパク質と前記ActRIIB-Fc融合タンパク質との間の等電点の差異の増大が付与されるか、
b)前記ActRIIB-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質と前記ALK4-Fc融合タンパク質との間の等電点の差異の増大が付与されるか、または
c)前記ALK4-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ALK4-Fc融合タンパク質と前記ActRIIB-Fc融合タンパク質との間の等電点の差異の増大が付与され、かつ前記ActRIIB-Fc融合タンパク質における前記1つもしくは複数のアミノ酸修飾により、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質と前記ALK4-Fc融合タンパク質との間の等電点の差異の増大が付与される、前記項目のいずれかに記載のヘテロ多量体。
(項目169)
前記ALK4-Fc融合タンパク質と前記ActRIIB-Fc融合タンパク質のpIの差異が、少なくとも0.7である(例えば、pIの差異が少なくとも0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または少なくとも4.0である)、項目167に記載のヘテロ多量体。
(項目170)
項目1から126、135から142、および160から169のいずれか一項に記載のヘテロ多量体と、薬学的に許容される担体とを含む医薬調製物。
(項目171)
実質的にパイロジェンフリーである、項目170に記載の医薬調製物。
(項目172)
約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のALK4ホモ多量体を含む、項目170または171のいずれか一項に記載の医薬調製物。
(項目173)
約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満、または約1%未満のActRIIBホモ多量体を含む、項目170から172のいずれか一項に記載の医薬調製物。
(項目174)
項目1から169のいずれか一項に記載のALK4-Fc融合タンパク質のコード配列を含む、組換え核酸。
(項目175)
配列番号75と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、項目174に記載の組換え核酸。
(項目176)
配列番号77と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、項目174に記載の組換え核酸。
(項目177)
配列番号82と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、項目174に記載の組換え核酸。
(項目178)
配列番号83と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、項目174に記載の組換え核酸。
(項目179)
項目1から169のいずれか一項に記載のActRIIB-Fc融合タンパク質のコード配列を含む、組換え核酸。
(項目180)
配列番号71と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、項目179に記載の組換え核酸。
(項目181)
配列番号73と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、項目179に記載の組換え核酸。
(項目182)
配列番号79と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、項目179に記載の組換え核酸。
(項目183)
配列番号81と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である核酸配列を含む、項目179に記載の組換え核酸。
(項目184)
項目174から178のいずれか一項に記載のALK4ポリペプチドのコード配列に作動可能に連結したプロモーター配列を含む、組換えポリヌクレオチド。
(項目185)
項目179から183のいずれか一項に記載のActRIIBポリペプチドのコード配列に作動可能に連結したプロモーター配列を含む、組換えポリヌクレオチド。
(項目186)
項目174から178のいずれか一項に記載のALK4ポリペプチドのコード配列および項目179から183のいずれか一項に記載のActRIIBポリペプチドのコード配列に作動可能に連結したプロモーター配列を含む、組換えポリヌクレオチド。
(項目187)
項目174から186のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むベクター。
(項目188)
項目174から186のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドまたは項目187に記載のベクターによって形質転換された細胞。
(項目189)
CHO細胞である、項目186に記載の細胞。
(項目190)
ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体を作製する方法であって、ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で細胞を培養するステップを含み、前記細胞が、項目174から176のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドおよび項目179から183のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、方法。
(項目191)
ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体を作製する方法であって、ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で細胞を培養するステップを含み、前記細胞が、項目186に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、方法。
(項目192)
ALK4ポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体を作製する方法であって、
a)第1の細胞をALK4ポリペプチドの発現に適した条件下で培養するステップであって、前記第1の細胞が、項目174から178のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、ステップと;
b)そのように発現したALK4ポリペプチドを回収するステップと;
c)第2の細胞をActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で培養するステップであって、前記第2の細胞が、項目179から183のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、ステップと;
d)そのように発現したActRIIBポリペプチドを回収するステップと;
e)前記回収したALK4ポリペプチドと前記回収したActRIIBポリペプチドとをALK4:ActRIIBヘテロ多量体形成に適した条件下で組み合わせるステップと
を含む、方法。
(項目193)
前記ヘテロ多量体を回収するステップをさらに含む、項目190から192のいずれか一項に記載の方法。
(項目194)
前記ALK4ポリペプチドを、TPAリーダー配列を使用して発現させる、項目190から193のいずれか一項に記載の方法。
(項目195)
前記ActRIIBポリペプチドを、TPAリーダー配列を使用して発現させる、項目190から193のいずれか一項に記載の方法。
(項目196)
前記TPAリーダーが、配列番号38のコード配列を含む、項目194または195に記載の方法。
(項目197)
前記細胞がCHO細胞である、項目190から196のいずれか一項に記載の方法。
(項目198)
前記ヘテロ多量体がヘテロ二量体である、項目190から197のいずれか一項に記載の方法。
(項目199)
少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質と少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質とを含む組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体であって、前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目200)
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号76のアミノ酸配列を含み、前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号72のアミノ酸配列を含む、項目199に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目201)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号38のリーダー配列を含む、項目199に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目202)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目199から201のいずれか一項に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目203)
前記ActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号70のアミノ酸配列を含む、項目199から202のいずれか一項に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目204)
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号38のリーダー配列を含む、項目199から203のいずれか一項に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目205)
前記ALK4-Fc融合タンパク質が、配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、項目199から201のいずれか一項に記載の組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目206)
ALK4-Fc融合タンパク質が配列番号74のアミノ酸配列を含む、組換えALK4:ActRIIBヘテロ多量体。
(項目207)
筋肉喪失または不十分な筋肉の成長に関連する障害を有する患者を処置する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から206のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目208)
前記患者が筋萎縮を有する、項目207に記載の方法。
(項目209)
前記患者が筋ジストロフィーを有する、項目207に記載の方法。
(項目210)
前記筋ジストロフィーがデュシェンヌ型筋ジストロフィーである、項目208に記載の方法。
(項目211)
前記患者が若齢であり、処置がデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断された日から1~5年以内に開始される、項目210に記載の方法。
(項目212)
前記筋ジストロフィーがベッカー型筋ジストロフィーである、項目208に記載の方法。
(項目213)
前記ヘテロ多量体が、エテプリルセン、副腎皮質ステロイド薬(例えば、デフラザコート)、ステロイド(例えば、プレドニゾン)、血圧および/または心臓の薬(例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、ベータブロッカー、および利尿薬)、抗喘息薬(例えば、アルブテロール)、ビタミン/栄養素(例えば、アミノ酸、カルニチン、コエンザイムQ10、クレアチン、魚油、緑茶抽出物、ビタミンE)、幹細胞療法、遺伝子療法、補助換気、手術、理学療法、食事および/または運動のうちの1つまたは複数と組み合わせて投与される、項目210から212のいずれか一項に記載の方法。
(項目214)
前記筋ジストロフィーが顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーである、項目209に記載の方法。
(項目215)
前記ヘテロ多量体が、アルブテロール、言語療法、手術、歩行補助具、脊柱装具、T細胞阻害剤(例えば、短縮型ヒスチジル-tRNAシンテターゼ)、幹細胞療法、遺伝子療法、および/または足部支持デバイスのうちの1つまたは複数と組み合わせて投与される、項目214に記載の方法。
(項目216)
前記患者が筋萎縮性側索硬化症を有する、項目207に記載の方法。
(項目217)
前記患者が、筋萎縮性側索硬化症と診断された後に処置を受ける、項目216に記載の方法。
(項目218)
前記ヘテロ多量体が、リルゾール、エダラボン、マシチニブ、抗酸化剤、理学療法、言語療法、栄養補給、呼吸補助(例えば、非侵襲的人工呼吸器)、幹細胞療法、および/または遺伝子療法のうちの1つまたは複数と組み合わせて投与される、項目216または217に記載の方法。
(項目219)
前記障害が、がんまたはがん治療と関連する悪液質である、項目207に記載の方法。
(項目220)
前記障害がサルコペニアである、項目207に記載の方法。
(項目221)
前記ヘテロ多量体が、ウロコルチンII、ホルモン補充療法(例えば、テストステロンまたはヒト成長ホルモン)、クレアチン、ビタミンD、運動、食事、および/または筋力トレーニングと組み合わせて投与される、項目220に記載の方法。
(項目222)
前記障害が孤発性封入体筋炎である、項目207に記載の方法。
(項目223)
前記ヘテロ多量体が、副腎皮質ステロイド薬、プレドニゾン、オキサンドロロン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、静脈内免疫グロブリン、ベータインターフェロン-1a、エタネルセプト、アレムツズマブ、フォリスタチン、リチウム、ビマグマブ、アリモクロモル、ラパマイシン、抗酸化剤、カルニチン、コエンザイムQ10、理学療法、作業療法、幹細胞療法、および/または遺伝子療法のうちの1つまたは複数と組み合わせて投与される、項目222に記載の方法。
(項目224)
神経変性に関連する障害を有する患者を処置する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目225)
前記障害が筋萎縮性側索硬化症である、項目224に記載の方法。
(項目226)
前記ヘテロ多量体が、リルゾール、エダラボン、マシチニブ、抗酸化剤、理学療法、言語療法、栄養補給、呼吸補助(例えば、非侵襲的人工呼吸器)、幹細胞療法、および/または遺伝子療法のうちの1つまたは複数と組み合わせて投与される、項目225に記載の方法。
(項目227)
線維症または線維症に関連する障害もしくは状態を処置する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目228)
前記線維症に関連する障害または状態が、肺線維症、過敏性肺炎、特発性線維症、結核、肺炎、嚢胞性線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、腎(腎臓)線維症、腎(腎臓)不全、慢性腎(腎臓)疾患、骨線維症、骨髄線維症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、サルコイドーシス、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、ペイロニー病、肝線維症、ウィルソン病、グリコーゲン蓄積症(特に、III型、IV型、IX型、およびX型)、鉄過剰症、ゴーシェ病、ツェルウェーガー症候群、非アルコール性およびアルコール性の脂肪性肝炎、胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、バッド・キアリ症候群、手術関連線維症、クローン病、デュピュイトラン拘縮(Duputren’s contracture)、縦隔線維症、腎性線維症、後腹膜線維症、心房線維症、心内膜心筋線維症、膵線維症から選択される、項目227に記載の方法。
(項目229)
前記線維症に関連する障害または状態が、特発性肺線維症である、項目227に記載の方法。
(項目230)
対象において体重を減少させる方法であって、それを必要とする対象に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目231)
対象における体重増加を減少させる方法であって、それを必要とする対象に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目232)
糖尿病を処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目233)
前記対象がII型糖尿病を有する、項目232に記載の方法。
(項目234)
肥満症を処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目235)
脂肪肝疾患を処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目236)
前記対象が非アルコール性脂肪肝疾患を有する、項目235に記載の方法。
(項目237)
対象においてコレステロールおよび/またはトリグリセリドを減少させる方法であって、それを必要とする対象に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目238)
前記対象が、25kg/m
2
またはそれよりも多いボディマスインデックス(BMI)を有する、項目230から237のいずれか一項に記載の方法。
(項目239)
前記対象が肥満である、項目230から237のいずれか一項に記載の方法。
(項目240)
前記対象が、30kg/m
2
またはそれよりも多いボディマスインデックス(BMI)を有する、項目239に記載の方法。
(項目241)
前記対象がインスリン抵抗性を有する、項目230から240のいずれか一項に記載の方法。
(項目242)
前記対象がII型糖尿病を有する、項目230から241のいずれか一項に記載の方法。
(項目243)
前記対象が、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、低HDL血清レベル、高LDL血清レベル、および高トリグリセリド血症からなる群から選択される疾患または状態を有する、項目230から242のいずれか一項に記載の方法。
(項目244)
前記対象が、高血圧症(高血圧)、心筋梗塞、末梢動脈疾患、血圧調節機能障害、動脈硬化、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、または微小血管疾患からなる群から選択される疾患または状態を有する、項目230から243のいずれか一項に記載の方法。
(項目245)
前記対象が脂肪肝疾患を有する、項目230から244のいずれか一項に記載の方法。
(項目246)
前記対象が非アルコール性脂肪肝疾患を有する、項目245に記載の方法。
(項目247)
望ましくない体重増加および/または代謝障害に関連する障害または状態を処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目248)
前記障害または状態が、高血糖症、脂質代謝疾患、障害、脂質異常症、低HDLレベル、高LDLレベル、高トリグリセリドレベル、高脂血症、リポタンパク質異常、グルコース代謝疾患、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖異常(IFG)、高尿酸レベル、NAFLD、脂肪肝、NASH、多嚢胞性卵巣症候群、高インスリン血症、肥満症、II型糖尿病、心疾患、高血圧、アテローム性動脈硬化症、X症候群、メタボリックシンドローム、および高血圧からなる群から選択される、項目247に記載の方法。
(項目249)
対象において線維症または線維症に関連する障害もしくは状態を処置する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目250)
線維症に関連する前記障害または状態が、肺線維症、過敏性肺炎、特発性線維症、結核、肺炎、嚢胞性線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、腎(腎臓)線維症、腎(腎臓)不全、慢性腎(腎臓)疾患、骨線維症、骨髄線維症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、サルコイドーシス、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、ペイロニー病、肝線維症、ウィルソン病、グリコーゲン蓄積症(特に、III型、IV型、IX型、およびX型)、鉄過剰症、ゴーシェ病、ツェルウェーガー症候群、非アルコール性およびアルコール性の脂肪性肝炎、胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、バッド・キアリ症候群、手術関連線維症、クローン病、デュピュイトラン拘縮、縦隔線維症、腎性線維症、後腹膜線維症、心房線維症、心内膜心筋線維症、膵線維症から選択される、項目248に記載の方法。
(項目251)
前記線維症に関連する障害または状態が、特発性肺線維症である、項目249に記載の方法。
(項目252)
腎臓疾患または腎臓疾患の合併症を処置する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の項目1から126、135から142、151から169、および199から207のいずれか一項に記載のヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目253)
前記患者が慢性腎臓疾患または腎臓不全を有する、項目252に記載の方法。
(項目254)
前記患者が急性腎臓疾患または腎臓不全を有する、項目252に記載の方法。
(項目255)
前記患者がステージ1、ステージ2、ステージ3、ステージ4、またはステージ5の腎臓疾患を有する、項目252に記載の方法。
(項目256)
ステージ1からステージ2の腎臓疾患への、ステージ2からステージ3の腎臓疾患への、ステージ3からステージ4の腎臓疾患への、またはステージ4からステージ5の腎臓疾患への進行を遅延させるかまたは防止する、項目255に記載の方法。
(項目257)
腎炎を予防するかまたは低減する、項目252から256のいずれか一項に記載の方法。
(項目258)
腎臓組織損傷を予防するかまたは低減する、項目252から257のいずれか一項に記載の方法。
(項目259)
腎臓線維症を予防するかまたは低減する、項目252から258のいずれか一項に記載の方法。
(項目260)
前記患者が、非糖尿病性腎臓疾患、糸球体腎炎、間質性腎炎、糖尿病性腎臓疾患、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、急速進行性糸球体腎炎、腎線維症、アルポート症候群、IDDM腎炎、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、半月体形成性糸球体腎炎、腎間質性線維症、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症、微小変化群、微量免疫型急速進行性糸球体腎炎、IgA腎症、多発性嚢胞腎臓疾患、デント病、腎シスチン蓄積症、ヘイマン腎炎、常染色体優性(成人)多発性嚢胞腎臓疾患、常染色体劣性(小児)多発性嚢胞腎臓疾患、急性腎臓障害、ネフローゼ症候群、腎虚血、有足細胞疾患または障害、タンパク尿、糸球体疾患、膜性糸球体腎炎、巣状分節性糸球体腎炎、子癇前症、子癇、腎臓病変、膠原病性脈管疾患、良性起立性(体位性)タンパク尿、IgM腎症、膜性腎症、サルコイドーシス、糖尿病、薬物による腎臓損傷、ファブリー病、アミノ酸尿症、ファンコニー症候群、高血圧性腎硬化症、間質性腎炎、鎌状赤血球症、ヘモグロビン尿症、ミオグロビン尿症、ウェゲナー肉芽腫症、1型グリコーゲン蓄積症、慢性腎臓疾患、慢性腎不全、低糸球体濾過量(GFR)、腎血管硬化症、ループス腎炎、ANCA陽性の微量免疫型半月体形成性糸球体腎炎、慢性同種移植腎症、腎毒性(nephrotoxicity)、腎毒性(renal toxicity)、腎臓壊死、腎臓損傷、糸球体および尿細管障害、腎臓機能障害、腎炎症候群、急性腎不全(急性腎臓障害)、慢性腎不全、近位尿細管機能不全、急性腎臓移植拒絶反応、慢性腎臓移植拒絶反応、非IgAメサンギウム増殖性糸球体腎炎、感染後の糸球体腎炎、任意の種類の腎臓病変を伴う血管炎、任意の遺伝性腎疾患、任意の間質性腎炎、腎移植不全、腎臓がん、他の状態(例えば、高血圧、糖尿病、および自己免疫疾患)に関連する腎臓疾患、デント病、腎シスチン蓄積症、ヘイマン腎炎、原発性腎臓疾患、虚脱性糸球体症、デンスデポジット病、クリオグロブリン血症に関連する糸球体腎炎、ヘノッホ・シェーンライン病、感染後の糸球体腎炎、細菌性心内膜炎、顕微鏡的多発血管炎、チャーグ・ストラウス症候群、抗GBM抗体媒介性糸球体腎炎、アミロイドーシス、単クローン性免疫グロブリン沈着症、繊維性糸球体腎炎、イムノタクトイド糸球体症、虚血性尿細管障害、薬物誘導性尿細管間質性腎炎、中毒性尿細管間質性腎炎、感染性尿細管間質性腎炎、細菌性腎盂腎炎、ポリオーマウイルス感染症またはHIV感染症に起因するウイルス性感染性尿細管間質性腎炎、代謝誘導性尿細管間質性疾患、混合性結合疾患、円柱腎症、尿酸塩、シュウ酸塩、または薬物誘導性の結晶沈着に起因し得る結晶性腎症、急性細胞性尿細管間質性同種移植片拒絶反応、リンパ腫または移植後リンパ増殖性疾患に起因する腫瘍浸潤性疾患、腎臓の閉塞性疾患、血管疾患、血栓性微小血管症、腎血管硬化症、アテローム塞栓疾患、混合性結合組織疾患、結節性多発動脈炎、カルシニューリン阻害剤誘導性血管疾患、急性細胞性血管同種移植片拒絶反応、急性体液性同種移植片拒絶反応、早期腎機能低下(ERFD)、末期腎疾患(ESRD)、腎静脈血栓症、急性尿細管壊死、腎閉塞、急性間質性腎炎、既往慢性腎臓疾患、腎動脈狭窄、虚血性腎症、尿毒症、薬物および毒素誘導性慢性尿細管間質性腎炎、逆流性腎症、腎臓結石、グッドパスチャー症候群、正球性正色素性貧血、腎性貧血、糖尿病性慢性腎臓疾患、IgG4関連疾患、フォンヒッペル・リンドウ症候群、結節性硬化症、ネフロン癆、髄質嚢胞性腎臓疾患、腎細胞癌、腺癌、腎芽細胞腫、リンパ腫、白血病、低シアル化障害、慢性シクロスポリン腎症、腎再灌流障害、腎異形成、高窒素血症、両側動脈閉塞、急性尿酸腎症、血液量減少症、急性両側閉塞性尿路疾患、高カルシウム血症性腎症、溶血性尿毒症症候群、急性尿閉、悪性腎硬化症、産後糸球体硬化症、強皮症、非グッドパスチャー病の抗GBM疾患、顕微鏡的結節性多発動脈炎、アレルギー性肉芽腫症、急性放射線腎炎、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、ワルデンストレームマクログロブリン血症、鎮痛薬腎症、動静脈瘻、動静脈グラフト、透析、異所性腎臓、海綿腎臓、腎性骨ジストロフィー、単腎症、水腎症、微量アルブミン尿、尿毒症、血尿、高脂血症、低アルブミン血症、脂質尿、アシドーシス、ならびに高カリウム血症のうちの1つまたは複数を有する、項目252から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目261)
前記患者がアルポート症候群を有する、項目260に記載の方法。
(項目262)
前記ヘテロ多量体が、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、ベナゼプリル、シラザプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、ペリンドプリル、ラミプリルおよびキナプリル)、アンジオテンシン受容体遮断薬(例えば、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、およびバルサルタン)、スタチン(例えば、フルバスタチン)、非ジヒドロピリジンカルシウムチャネル遮断薬(例えば、ジルチアゼム)、シクロスポリンおよび/またはアルドステロン阻害剤のうちの1つまたは複数と組み合わせて投与される、項目261に記載の方法。
(項目263)
肺動脈性肺高血圧症を処置する方法であって、それを必要とする患者に有効量の前記項目のいずれかに記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目264)
肺高血圧症を処置する方法であって、それを必要とする患者に有効量の前記項目のいずれかに記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目265)
肺高血圧症の1つまたは複数の合併症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、それを必要とする患者に有効量の前記項目のいずれかに記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目266)
前記肺高血圧症の1つまたは複数の合併症が、肺動脈における平滑筋および/または内皮細胞の増殖、肺動脈における血管新生、呼吸困難、胸痛、肺血管リモデリング、右室肥大、ならびに肺線維症からなる群から選択される、項目265に記載の方法。
(項目267)
前記肺高血圧症が肺動脈性肺高血圧症である、項目264から266のいずれか一項に記載の方法。
(項目268)
間質性肺疾患の1つまたは複数の合併症を処置する、予防する、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、それを必要とする患者に有効量の前記項目のいずれかに記載のALK4:ActRIIBヘテロ多量体を投与するステップを含む、方法。
(項目269)
前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、項目269に記載の方法。
【配列表】