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特許7219795梱包箱組立てシステムおよびそれを用いた物品梱包システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】梱包箱組立てシステムおよびそれを用いた物品梱包システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/28 20060101AFI20230201BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20230201BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
B65B43/28 B
B25J9/06 Z
B25J15/06 B
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021130631
(22)【出願日】2021-08-10
【審査請求日】2021-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】514074382
【氏名又は名称】カワダロボティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】力石 直也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】川端 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 学
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-210038(JP,A)
【文献】特開2014-205512(JP,A)
【文献】特開2019-194102(JP,A)
【文献】特開2016-168638(JP,A)
【文献】特開2021-010971(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017204213(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/28
B25J 9/06
B25J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦に畳まれた状態で所定位置に供給された梱包箱の本体部分を角筒状に曲げ起こすとともに、その本体部分の一端部に底蓋を形成して、有底の梱包箱を組み立てるシステムにおいて、
前記梱包箱の本体部分の一面を吸着パッドで吸着保持する梱包箱組立て用ハンドと、
前記梱包箱組立て用ハンドを腕の先端部に装着され、所定の制御プログラムに従ってその梱包箱組立て用ハンドを移動および作動させる第1の多関節ロボットと、
前記第1の多関節ロボットの作業範囲内に固定配置され、前記第1の多関節ロボットによる前記梱包箱組立て用ハンドの移動および作動との協働で前記梱包箱の本体部分の一側縁を押圧してその本体部分を角筒状に曲げ起こす第1の治具と、
前記第1の多関節ロボットの作業範囲内に固定配置され、前記第1の多関節ロボットによる前記梱包箱組立て用ハンドの移動および作動との協働で、前記梱包箱の本体部分の一端部でその本体部分の前記一面の両脇の二面からそれらの面と平行にそれぞれ延出する二枚の内フラップと、前記一面またはその一面に対向する他の一面からその面と平行に延出する一枚の外フラップと、その外フラップからそれと平行にさらに延出するタックとを、直近の折曲げ対象以外の折曲げ前の内フラップ、外フラップおよびタックは逃がしながら、順次に折り曲げて底蓋を形成する第2の治具と、
を備え
前記第2の治具は、互いの間に第1の隙間を開けて同一面上に延在する二枚の折曲げ板と、前記二枚の折曲げ板の側縁に沿ってそれらの側方に前記第1の隙間に繋がる第2の隙間を開けて延在する折曲げ突条と、前記折曲げ突条の基部から前記二枚の折曲げ板と反対の方向に突出して延在する突当て部と、を有するものであることを特徴とする梱包箱組立てシステム。
【請求項2】
前記第1の治具は、平坦な板面と、その板面の側端縁に連なる側面とを有し、その側面を、前記本体部分の一側縁を押圧する押圧面とするものであることを特徴とする、請求項1に記載の梱包箱組立てシステム。
【請求項3】
前記第1の多関節ロボットの作業範囲内に前記梱包箱を一枚ずつ取出し可能に供給する梱包箱供給装置を備え、
前記第1の治具は、その梱包箱供給装置が供給する梱包箱の本体部分に沿って延在するように配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の梱包箱組立てシステム。
【請求項4】
前記第2の治具は、前記二枚の折曲げ板の両側方にそれらの折曲げ板に関して対称に、それぞれ前記第2の隙間を開けて前記折曲げ突条と前記突当て部とを有していることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項に記載の梱包箱組立てシステム。
【請求項5】
前記梱包箱組立て用ハンドは、前記吸着パッドが吸着保持した前記本体部分の前記一面の両脇の曲げ起こされた二面を挟んで前記本体部分を角筒状に保持する二つの保持部材と、前記二つの保持部材を前記吸着パッドの吸着面よりも進出する前進位置と後退する後退位置との間で出し入れする保持部材出し入れ機構と、前記二つの保持部材を前記前進位置で互いに接近および離間させる保持部材接近離間機構と、を有していることを特徴とする、請求項1からまでの何れか1項に記載の梱包箱組立てシステム。
【請求項6】
前記第2の治具は、前記第1の治具の延在方向の一端部に向けて配置されていることを特徴とする、請求項1からまでの何れか1項に記載の梱包箱組立てシステム。
【請求項7】
前記第2の治具は、斜め上向きに配置されていることを特徴とする、請求項1からまでの何れか1項に記載の梱包箱組立てシステム。
【請求項8】
請求項1からまでの何れか1項に記載の梱包箱組立てシステムを備え、その梱包箱組立てシステムが組み立てた有底の梱包箱での物品の梱包を行う物品梱包システムにおいて、
前記物品を吸着保持する吸着パッドを有する物品挿入用ハンドと、
前記物品挿入用ハンドを腕の先端部に装着され、所定の制御プログラムに従ってその物品挿入用ハンドを移動および作動させて、前記物品挿入用ハンドで吸着保持している前記物品を、前記第1の多関節ロボットが前記梱包箱組立て用ハンドで吸着保持している有底の梱包箱内にその梱包箱の本体部分の他端部の開口から挿入する第2の多関節ロボットと、
前記第1の多関節ロボットの作業範囲内に配置され、前記第1の多関節ロボットによる前記梱包箱組立て用ハンドの移動および作動との協働で、前記有底の梱包箱の本体部分の他端部で前記一面の両脇の二面からそれらと平行にそれぞれ延出する二枚の内フラップと、前記一面またはその一面に対向する他の一面からそれと平行に延出する一枚の外フラップと、その外フラップからそれと平行にさらに延出するタックとを、直近の折曲げ対象以外の折曲げ前の内フラップ、外フラップおよびタックは逃がしながら、順次に折り曲げて、前記物品を挿入された前記有底の梱包箱に上蓋を形成する第3の治具と、
をさらに備えることを特徴とする物品梱包システム。
【請求項9】
前記第3の治具は、前記第2の治具と同一の構成を有していることを特徴とする、請求項に記載の物品梱包システム。
【請求項10】
前記物品挿入用ハンドは、前記吸着パッドが吸着保持する前記物品に整列し、前記有底の梱包箱の本体部分の前記他端部の前記二枚の内フラップの内側に入ってそれらの内フラップを前記物品が通過可能な間隔に広げた状態で保持する内フラップ保持部材を有していることを特徴とする、請求項またはに記載の物品梱包システム。
【請求項11】
前記第2の多関節ロボットの作業範囲内に前記物品を供給する物品供給装置を備えていることを特徴とする、請求項から10までの何れか1項に記載の物品梱包システム。
【請求項12】
前記第3の治具は、前記第1の治具の上方に、前記第2の治具に対し平面視で直角な向きで固定配置されていることを特徴とする、請求項から11までの何れか1項に記載の物品梱包システム。
【請求項13】
前記第3の治具は、斜め下向きに固定配置されていることを特徴とする、請求項から12までの何れか1項に記載の物品梱包システム。
【請求項14】
前記第3の治具は、前記第2の多関節ロボットの腕の先端部に、前記物品挿入用ハンドと同じ向きで一緒に装着されていることを特徴とする、請求項から11までの何れか1項に記載の物品梱包システム。
【請求項15】
前記第2の多関節ロボットは、前記梱包箱組立てシステムの前記第1の多関節ロボットと共に双腕ロボットの双腕を構成するものであることを特徴とする、請求項から14までの何れか1項に記載の物品梱包システム。
【請求項16】
前記双腕ロボットは、ステレオビジョンカメラを有し、その双腕ロボットの制御プログラムは、前記ステレオビジョンカメラの画像と向きとから少なくとも前記第1の治具と前記第2の治具と前記第3の治具とのうちの一つまたは複数の治具に設けたマーカの3次元位置を割り出し、そのマーカの3次元位置を用いて少なくとも前記一つまたは複数の治具の位置データを修正するものであることを特徴とする、請求項15に記載の物品梱包システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汎用の多関節ロボットと簡易な治具とを組み合わせて構成され、梱包箱の組立てを自動的に行う梱包箱組立てシステムおよび、その梱包箱組立てシステムを用いて梱包箱での物品の梱包を自動的に行う物品梱包システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
厚紙や樹脂製の箱は、商品や能書等の物品の梱包に幅広く利用されるものであり、梱包箱の組立てから物品の梱包までの一連の作業は、自動化が望まれる工程である。
【0003】
梱包箱の形状や材質が同一で、梱包品が大量生産される場合には、例えば特許文献1に開示されているように、大型の専用設備を導入することで梱包箱の組立てと物品の梱包が自動化されている。
【0004】
一方で、多品種中小量生産の場合には、梱包箱の形状や材質は物品毎に変更されるので、大量生産用の大型の専用設備を使用すると梱包箱の形状や材質毎に準備、調整するための変更に手間と時間が必要となる。
【0005】
ところで、梱包箱の組立てと物品の梱包を自動的に行うものとしては、例えば特許文献2に開示されているように、汎用の多関節ロボットと簡易な治具とを組み合わせて構成され、平坦に畳まれた梱包箱から有底の梱包箱を組み立て、その梱包箱に物品を収納し、その梱包箱の上蓋を閉じて梱包品を完成させるシステムも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-096807号公報
【文献】特開2019-214399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献2で開示された従来のシステムでは、多関節ロボットが、腕の先端部に設けられたハンドの二本の吸着パッドで、平坦に畳まれた梱包箱の本体部分の隣り合う二面をそれぞれ吸着保持した状態で、そのハンドを移動させ、固定位置に配置された治具にその本体部分の側端を押し付けるとともに、片方の吸着パッドの向きを変えることで、その本体部分を角筒状に曲げ起こしており、このように互いに異なる二方向から吸着保持する保持方法では、梱包箱の形状や材質が異なると保持力が十分得られない可能性がある。
【0008】
また、特許文献2で開示された従来のシステムでは、治具で内フラップを折り込む際の梱包箱の位置と、治具で外フラップを折り曲げる際の梱包箱の位置とが離れてしまうことから、同じ治具で内フラップを抑えながら外フラップを折り曲げることができなかったため、内フラップが外フラップの内側に入らず、底蓋や上蓋の蓋閉じ作業に失敗する可能性がある。
【0009】
それゆえ本発明は、設備の大幅な小型化を可能とし、プログラムの変更のみで異なる形状・材質の梱包箱に対応でき、梱包箱の組立てを自動的かつ確実に行うことができる梱包箱組立てシステムを提供することおよび、設備の大幅な小型化を可能とし、プログラムの変更のみで異なる形状・材質の梱包箱に対応でき、上記梱包箱組立てシステムが組み立てた梱包箱への物品の梱包を自動的かつ確実に行うことができる物品梱包システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を有利に解決するこの発明の梱包箱組立てシステムは、
平坦に畳まれた状態で所定位置に供給された梱包箱の本体部分を角筒状に曲げ起こすとともに、その本体部分の一端部に底蓋を形成して、有底の梱包箱を組み立てるシステムであって、
前記梱包箱の本体部分の一面を吸着パッドで吸着保持する梱包箱組立て用ハンドと、
前記梱包箱組立て用ハンドを腕の先端部に装着され、所定の制御プログラムに従ってその梱包箱組立て用ハンドを移動および作動させる第1の多関節ロボットと、
前記第1の多関節ロボットの作業範囲内に固定配置され、前記第1の多関節ロボットによる前記梱包箱組立て用ハンドの移動および作動との協働で前記梱包箱の本体部分の一側縁を押圧してその本体部分を角筒状に曲げ起こす第1の治具と、
前記第1の多関節ロボットの作業範囲内に固定配置され、前記第1の多関節ロボットによる前記梱包箱組立て用ハンドの移動および作動との協働で、前記梱包箱の本体部分の一端部でその本体部分の前記一面の両脇の二面からそれらの面と平行にそれぞれ延出する二枚の内フラップと、前記一面またはその一面に対向する他の一面からその面と平行に延出する一枚の外フラップと、その外フラップからそれと平行にさらに延出するタックとを、直近の折曲げ対象以外の折曲げ前の内フラップ、外フラップおよびタックは逃がしながら、順次に折り曲げて底蓋を形成する第2の治具と、
を備え、
前記第2の治具は、互いの間に第1の隙間を開けて同一面上に延在する二枚の折曲げ板と、前記二枚の折曲げ板の側縁に沿ってそれらの側方に前記第1の隙間に繋がる第2の隙間を開けて延在する折曲げ突条と、前記折曲げ突条の基部から前記二枚の折曲げ板と反対の方向に突出して延在する突当て部と、を有するものであることを特徴としている。
【0011】
また、前記課題を有利に解決する、前記梱包箱組立てシステムを用いたこの発明の物品梱包システムは、
前記梱包箱組立てシステムを備え、その梱包箱組立てシステムが組み立てた有底の梱包箱での物品の梱包を行うシステムであって、
前記物品を吸着保持する吸着パッドを有する物品挿入用ハンドと、
前記物品挿入用ハンドを腕の先端部に装着され、所定の制御プログラムに従ってその物品挿入用ハンドを移動および作動させて、前記物品挿入用ハンドで吸着保持している前記物品を、前記第1の多関節ロボットが前記梱包箱組立て用ハンドで吸着保持している有底の梱包箱内にその梱包箱の本体部分の他端部の開口から挿入する第2の多関節ロボットと、
前記第1の多関節ロボットの作業範囲内に配置され、前記第1の多関節ロボットによる前記梱包箱組立て用ハンドの移動および作動との協働で、前記有底の梱包箱の本体部分の他端部で前記一面の両脇の二面からそれらと平行にそれぞれ延出する二枚の内フラップと、前記一面またはその一面に対向する他の一面からそれと平行に延出する一枚の外フラップと、その外フラップからそれと平行にさらに延出するタックとを、直近の折曲げ対象以外の折曲げ前の内フラップ、外フラップおよびタックは逃がしながら、順次に折り曲げて、前記物品を挿入された前記有底の梱包箱に上蓋を形成する第3の治具と、
をさらに備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明の梱包箱組立てシステムにあっては、第1の多関節ロボットが制御プログラムに基づき、腕の先端部に装着された梱包箱組立て用ハンドを移動および作動させて、先ず梱包箱組立て用ハンドの吸着パッドで梱包箱の本体部分の一面を吸着保持し、次いで第1の治具との協働で前記本体部分の一側縁を押圧してその本体部分を角筒状に曲げ起こし、その後に第2の治具との協働で、その本体部分の一端部でその本体部分の前記一面の両脇の二面からそれらの面と平行にそれぞれ延出する二枚の内フラップと、前記一面またはその一面に対向する他の一面からその面と平行に延出する一枚の外フラップと、その外フラップからそれと平行にさらに延出するタックとを、直近の折曲げ対象以外の折曲げ前の内フラップ、外フラップおよびタックは逃がしながら、順次に折り曲げて底蓋を形成することで、有底の梱包箱を組み立てる。
【0013】
従って、この発明の梱包箱組立てシステムによれば、腕の先端部に梱包箱組立て用ハンドを装着された汎用の一台の第1の多関節ロボットと、その第1の多関節ロボットの作業範囲内に固定配置された簡易な構成の第1および第2の治具とによって、設備の大幅な小型化を可能とし、しかもプログラムの変更のみで、異なる形状すなわちプレーンやリバースのキャラメル箱型の梱包箱や、異なる材質すなわち厚紙や樹脂板等からなる折り目のついた板材製の梱包箱や、治具の大きさの範囲内で異なるサイズやプロフィール(縦横高さ比)の梱包箱に対応して、梱包箱の組立てを自動的かつ確実に行うことができる。
【0014】
ここで、梱包箱がワンタッチ箱型の場合は、平坦に畳まれた状態で供給された梱包箱の本体部分を第1の多関節ロボットと第1の治具とで角筒状に曲げ起こす際に底蓋も一緒に曲げ起こされて形成されるので、第2の治具を使用しなくても梱包箱の組立てを自動的かつ確実に行うことができる。
【0015】
なお、この発明の梱包箱組立てシステムにおいては、前記第1の治具は、例えば厚板材やL字状に折り曲げた板材等からなり、平坦な板面と、その板面の側端縁に連なる側面とを有し、その側面を、前記本体部分の一側縁を押圧する押圧面とするものであってもよい。このようにすれば、第1の治具を簡易に構成することができるとともに、押圧面で平坦な状態から曲げ起こした本体部分を、その押圧面に連なる板面に押し付けて反対方向へも曲げて角筒状に癖付けすることができる。
【0016】
また、この発明の梱包箱組立てシステムにおいては、前記第1の多関節ロボットの作業範囲内に前記梱包箱を一枚ずつ取出し可能に供給する梱包箱供給装置を備え、前記第1の治具は、その梱包箱供給装置が供給する梱包箱の本体部分に沿って延在するように配置されていてもよい。このようにすれば、梱包箱の供給も含めて自動化できるとともに、梱包箱の供給と本体部分の曲げ起こしとを一連の動作で行い得て、組立て時間を短縮することができる。
【0017】
さらに、この発明の梱包箱組立てシステムにおいては、上述のように前記第2の治具は、互いの間に第1の隙間を開けて同一面上に延在する二枚の折曲げ板と、前記二枚の折曲げ板の側縁に沿ってそれらの側方に前記第1の隙間に繋がる第2の隙間を開けて延在する折曲げ突条と、前記折曲げ突条の基部から前記二枚の折曲げ板と反対の方向に突出して延在する突当て部と、を有している。このようにすることで、第2の治具を簡易に構成できるとともに、第1の隙間に直近の折曲げ対象以外の折曲げ前の内フラップを差し込んで逃がすと同時に第2の隙間に直近の折曲げ対象以外の折曲げ前の外フラップを差し込んで逃がすことができるので、直近の内フラップの折曲げを容易かつ確実に行うことができる。
【0018】
さらに、この発明の梱包箱組立てシステムにおいては、前記第2の治具は、前記二枚の折曲げ板の両側方にそれらの折曲げ板に関して対称に、それぞれ前記第2の隙間を開けて前記折曲げ突条と前記突当て部とを有していてもよい。このようにすれば、梱包箱の上下の向きを変えずにそのまま、プレーンおよびリバースのキャラメル箱型梱包箱を組み立てることができる。
【0019】
さらに、この発明の梱包箱組立てシステムにおいては、前記梱包箱組立て用ハンドは、前記吸着パッドが吸着保持した前記本体部分の前記一面の両脇の曲げ起こされた二面を挟んで前記本体部分を角筒状に保持する二つの保持部材と、前記二つの保持部材を前記吸着パッドの吸着面よりも進出する前進位置と後退する後退位置との間で出し入れする保持部材出し入れ機構と、前記二つの保持部材を前記前進位置で互いに接近および離間させる保持部材接近離間機構と、を有していてもよい。このようにすれば、平坦に畳まれた状態の梱包箱の本体部分を吸着パッドで吸着保持する際には二つの保持部材を保持部材出し入れ機構で吸着パッドの吸着面よりも後退する後退位置に位置させておいて梱包箱との干渉を回避し、本体部分を曲げ起こしたら二つの保持部材を保持部材出し入れ機構で吸着パッドの吸着面よりも進出する前進位置に位置させるとともに保持部材接近離間機構で互いに接近させることで前記両脇の曲げ起こされた二面を挟んで本体部分を角筒状に保持するので、物品の梱包作業中、梱包箱の曲げ起こした本体部分を確実に角筒状に保持することができる。
【0020】
さらに、この発明の梱包箱組立てシステムにおいては、前記第2の治具は、前記第1の治具の延在方向の一端部に向けて配置されていてもよい。このようにすれば、第1の治具で角筒状に曲げ起こした本体部分が第2の治具に近接して位置し、その位置から本体部分を移動させて一端部の内フラップと外フラップとタックを第2の治具に当接させることで底蓋を形成できるので、本体部分の曲げ起こし終了から底蓋の形成開始までの梱包箱の移動の距離および時間を短縮することができる。
【0021】
さらに、この発明の梱包箱組立てシステムにおいては、前記第2の治具は、斜め上向きに配置されていてもよい。このようにすれば本体部分を傾斜姿勢にして底蓋を形成した後、その傾斜姿勢のまま本体部分内に物品を落とし込むことができるので、本体部分の姿勢変更に要する時間を省くことができる。
【0022】
また、この発明の物品梱包システムにあっては、第1の多関節ロボットが制御プログラムに基づき、腕の先端部に装着された梱包箱組立て用ハンドを移動および作動させて、その梱包箱組立て用ハンドの吸着パッドが吸着保持している有底の梱包箱を、その梱包箱の本体部分の他端部の開口が真横よりも上向きになるようにかつ、好ましくは底葢が第2の治具等の固定部位に当接して支持されるように傾斜させて配置するとともに、第2の多関節ロボットが制御プログラムに基づき、腕の先端部に装着された物品挿入用ハンドを移動および作動させて、先ず、その物品挿入用ハンドの吸着パッドで一または複数の物品を吸着保持し、次いで、その物品を、梱包箱組立て用ハンドが傾斜させて保持している梱包箱の本体部分の他端部の、真横よりも上向きの開口に対向する位置で解放してその本体部分内に落とし込む。
【0023】
次いで、第1の多関節ロボットが制御プログラムに基づき、腕の先端部に装着された梱包箱組立て用ハンドを移動および作動させて、第3の治具との協働で、その梱包箱組立て用ハンドの吸着パッドで吸着保持されて移動される梱包箱の本体部分の他端部でその本体部分の一面の両脇の二面からそれらの面と平行にそれぞれ延出する二枚の内フラップと、前記一面またはその一面に対向する他の一面からその面と平行に延出する一枚の外フラップと、その外フラップからそれと平行にさらに延出するタックとを、直近の折曲げ対象以外の折曲げ前の内フラップや外フラップやタックは逃がしながら、順次に折り曲げて、物品を挿入された有底の梱包箱に上蓋を形成することで、梱包品を完成させる。
【0024】
従って、この発明の物品梱包システムによれば、腕の先端部に梱包箱組立て用ハンドを装着された汎用の一台の第1の多関節ロボットと、腕の先端部に物品挿入用ハンドを装着された汎用の一台の第2の多関節ロボットと、第1の多関節ロボットの作業範囲内に固定配置された簡易な構成の第1の治具および第2の治具と、第1の多関節ロボットの作業範囲内に配置された簡易な構成の第3の治具とによって、設備の大幅な小型化を可能とし、しかもプログラムの変更のみで、異なる形状すなわちプレーンやリバースのキャラメル箱型の梱包箱や、異なる材質すなわち厚紙や樹脂板等からなる折り目のついた板材製の梱包箱や、治具の大きさの範囲内で異なるサイズやプロフィール(縦横高さ比)の梱包箱に対応して、物品の梱包を自動的かつ確実に行うことができる。
【0025】
なお、この発明の物品梱包システムにおいては、前記第3の治具は、前記第2の治具と同一の構成を有していてもよい。このようにすれば、梱包箱の同一の動きで底蓋の形成と上蓋の形成をそれぞれ行うことができ、しかも、第2の治具と第3の治具とを共通の材料や設備で安価に製造でき、何れかの治具の補修が必要な場合にも共通のものを用いて迅速に対応することができる。
【0026】
また、この発明の物品梱包システムにおいては、前記物品挿入用ハンドは、前記吸着パッドが吸着保持する前記物品に整列し、前記有底の梱包箱の本体部分の前記他端部の前記二枚の内フラップの内側に入ってそれらの内フラップを前記物品が通過可能な間隔に広げた状態で保持する内フラップ保持部材を有していてもよい。このようにすれば、物品挿入用ハンドがその吸着パッドから物品を、内フラップに妨げられずに梱包箱の本体部分内に確実に落とし込むことができる。
【0027】
さらに、この発明の物品梱包システムにおいては、前記第2の多関節ロボットの作業範囲内に前記物品を供給する物品供給装置を備えていてもよい。このようにすれば、物品の供給も含めて有底の梱包箱での物品の梱包を自動化し得て、梱包作業の時間を短縮することができる。
【0028】
さらに、この発明の物品梱包システムにおいては、前記第3の治具として前記第2の治具を共用してもよいが、前記第3の治具は、より好ましくは前記第1の治具の上方に、前記第2の治具に対し平面視で直角な向きで固定配置されていてもよい。このようにすれば、本体部分の一端部に底蓋を形成した第2の治具の近くで本体部分の他端部の開口から本体部分内に物品を落とし込んだ後、その本体部分の他端部に第3の治具で上蓋を形成する際に、梱包箱の向きを90度変えるだけでその本体部分の他端部が第3の治具に近接して位置し、その位置から他端部の内フラップと外フラップとタックを移動させて第3の治具で折り曲げることで上蓋を形成できるので、本体部分内への物品の落とし込みから上蓋の形成開始までの梱包箱の移動の距離および時間を短縮することができる。
【0029】
さらに、この発明の物品梱包システムにおいては、前記第3の治具は、斜め下向きに固定配置されていてもよい。このようにすれば、本体部分を傾斜姿勢にして本体部分内に物品を落とし込んだ後、その傾斜姿勢のまま本体部分の他端部に上蓋を形成することができるので、本体部分の姿勢変更に要する時間を省くことができる。
【0030】
さらに、この発明の物品梱包システムにおいては、前記第3の治具は、前記第1の治具の上方に配置される代わりに、前記第2の多関節ロボットの腕の先端部に、前記物品挿入用ハンドと同じ向きで一緒に装着されていてもよい。このようにすれば、物品挿入用ハンドで物品を挿入した姿勢から本体部分の向きを変えずに第3の治具で本体部分の他端部に上蓋を形成することができるので、本体部分の向き変更に要する時間を省くことができる。
【0031】
さらに、この発明の物品梱包システムにおいては、前記第2の多関節ロボットは、前記梱包箱組立てシステムの前記第1の多関節ロボットと共に双腕ロボットの双腕を構成するものであってもよい。このようにすれば、その双腕ロボットの制御プログラムで容易に、前記第2の多関節ロボットを前記第1の多関節ロボットの作動と関連させて作動させることができる。
【0032】
さらに、この発明の物品梱包システムにおいては、前記双腕ロボットは、ステレオビジョンカメラを有し、その双腕ロボットの制御プログラムは、前記ステレオビジョンカメラの画像と向きとから少なくとも前記第1の治具と前記第2の治具と前記第3の治具とのうちの一つまたは複数の治具に設けたマーカの3次元位置を割り出し、そのマーカの3次元位置を用いて少なくとも前記一つまたは複数の治具の位置データを修正するものであってもよい。このようにすれば、例え物品梱包システムの移設時にそれらの治具と双腕ロボットとの位置関係にズレが生じても、制御プログラムがステレオビジョンカメラの画像と向きとからそれらの位置関係のズレを修正できるので、ズレが双腕ロボットの作業範囲内であれば調整なしで梱包作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】この発明の一実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用したこの発明の一実施形態の物品梱包システムを模式的に示す平面図である。
図2】上記実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用した上記実施形態の物品梱包システムを模式的に示す側面図である。
図3】(a),(b)および(c)は、上記実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用した上記実施形態の物品梱包システムの梱包箱組立て用ハンドを示す平面図、正面図および側面図である。
図4】(a),(b)および(c)は、上記実施形態の物品梱包システムの物品挿入用ハンドを示す平面図、正面図および側面図である。
図5】(a)および(b)は、上記実施形態の梱包箱組立てシステムの第1の治具を示す平面図および正面図である。
図6】(a),(b)および(c)は、上記実施形態の梱包箱組立てシステムの第2の治具を示す平面図、正面図および側方から見た断面図である。
図7】上記実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用した上記実施形態の物品梱包システムが用いるキャラメル箱型梱包箱の展開図である。
図8】(a)および(b)は、上記キャラメル箱型梱包箱のプレーン型およびリバース型の平坦に畳まれた梱包箱をそれぞれ示す平面図である。
図9A】(a)および(b)は、梱包箱の本体部分を角筒状に曲げ起こす手順を示す説明図である。
図9B】(c)および(d)は、図9Aに続けて梱包箱の本体部分を角筒状に曲げ起こす手順を示す説明図である。
図9C】(e)および(f)は、図9Bに続けて梱包箱の本体部分を角筒状に曲げ起こす手順を示す説明図である。
図10】(a)~(h)は、梱包箱の底蓋を形成する手順を示す説明図であり、各図の上側は平面図、下側は側面図である。
図11】この発明の他の一実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用したこの発明の他の一実施形態の物品梱包システムを模式的に示す平面図である。
図12】上記他の実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用した上記他の実施形態の物品梱包システムを模式的に示す側面図である。
図13】(a),(b)および(c)は、上記他の実施形態の物品梱包システムの物品挿入用ハンドおよび第3の治具を示す平面図、正面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、この発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の一実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用したこの発明の一実施形態の物品梱包システムを模式的に示す平面図である。また、図2は、上記実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用した上記実施形態の物品梱包システムを模式的に示す側面図である。
【0035】
この実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用したこの実施形態の物品梱包システムは、人の上半身型のロボット本体1aをペダル操作式昇降キャスタ付きの支持台1bで支持するとともにその支持台1b内にロボットコントローラ1cを収納した双腕ロボット1を備えている。
【0036】
さらに、この実施形態の梱包箱組立てシステムは、任意の位置に固定されるとともに双腕ロボット1を近接配置された作業台2と、双腕ロボット1からみて作業台2上の正面奥側に手前斜め上向きに固定配置された梱包箱供給装置3と、その梱包箱供給装置3の前端部に固定された、第1の治具としての曲げ起こし治具4と、双腕ロボット1からみて作業台2上の正面左方に右斜め上向きに固定配置された、第2の治具としての底葢形成治具5と、双腕ロボット1からみて作業台2上の左方奥に配置された梱包品搬出トレイ6と、を備えている。
【0037】
そして、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用したこの実施形態の物品梱包システムは、双腕ロボット1からみて作業台2上の右方手前に配置された内容品供給トレイ7と、双腕ロボット1からみて作業台2上の右方奥側に固定配置された、物品供給装置としての能書き供給装置8と、梱包箱供給装置3の上に手前斜め上向きに固定配置された、第3の治具としての上葢形成治具9と、を備えている。
【0038】
ここで、ロボット本体1aは、第1の多関節ロボットとしての多関節アームからなる左腕部11および、第2の多関節ロボットとしての多関節アームからなる右腕部12と、頭部13と、頭部13の向きを変更可能な首部14と、左右腕部11,12を支持するとともに首部14を介して頭部13を支持する胴部15と、胴部15を垂直軸線周りに回動可能に支持する柱状の腰部16と、を有し、その腰部16を介して支持台1b上に位置決め搭載されている。そしてロボットコントローラ1cは、通常のコンピュータと、そのコンピュータで制御されるモータ駆動回路および加圧エア供給回路と、を少なくとも有し、そのコンピュータにあらかじめ与えられたプログラムに基づいてロボット本体1の左右腕部11,12を含む上記各部の作動制御を行う。
【0039】
ロボット本体1の左腕部11は、ロボットコントローラ1cがそのコンピュータにあらかじめ与えられたプログラムに基づいて、モータ駆動回路を制御し、その左腕部11の各関節のモータを駆動して手首部を回転および姿勢変更を含めて移動させるとともに、加圧エア制御回路を制御し、その左腕部11の手首部に装着された梱包箱組立て用ハンド17を、加圧エアおよび、図示しない真空発生器がその加圧エアで発生させた負圧で作動させる。
【0040】
ロボット本体1の右腕部12は、ロボットコントローラ1cがそのコンピュータにあらかじめ与えられたプログラムに基づいて、モータ駆動回路を制御し、その右腕部12の各関節のモータを駆動して手首部を回転および姿勢変更を含めて移動させるとともに、加圧エア制御回路を制御し、その右腕部12の手首部に装着された物品挿入用ハンド18を、図示しない真空発生器が加圧エアで発生させた負圧で作動させる。
【0041】
ロボット本体1の頭部13は、その前部にステレオビジョンカメラ19を持ち、ステレオビジョンカメラ19は首部14の動作により、少なくとも所定ピッチ軸周りの上下方向および所定ヨー軸周りの左右方向の二方向に撮像方向を変更することができ、それらの撮像方向のデータは首部14内のエンコーダで検出されて、ステレオビジョンカメラ19の二台のビジョンカメラが撮像した画像のデータとともにロボットコントローラ1cに入力される。
【0042】
図3(a),図3(b)および図3(c)は、上記実施形態の梱包箱組立てシステムの梱包箱組立て用ハンド17を示す平面図、正面図および側面図である。この梱包箱組立て用ハンド17は、ベース板17aを有するとともに、図ではそのベース板17aの下方に固定支持された吸着パッド取付け板17bを有し、その吸着パッド取付け板17bの下面には、長手方向両端部に二本の吸着パッド17cが図では下向きに取り付けられるとともに、それらの吸着パッド17cの位置よりも中央部寄りに吸着パッド17cよりも下端が僅かに引っ込んだ二枚の押付け板17dが吸着パッド17cに沿って図では下向きに固定されている。
【0043】
ベース板17aの図では下面には、加圧エアで二個のスライドを互いに接近および離間移動させる、保持部材接近離間機構としての例えばエアチャック17eが取り付けられ、そのエアチャックの17eの二個のスライドにはそれぞれ、保持部材出し入れ機構としての例えばエアモータ17fが互いに対向する向きで取り付けられており、それらのエアモータ17fの出力軸にはそれぞれ、保持部材としての保持板17gの上端部が取り付けられ、それらの保持板17gは互いに平行に延在して、エアモータ17fの出力軸の回転により、吸着パッド17cよりも進出した図示の前進位置と、そこから90度上方へ回転して吸着パッド17cよりも後退した図示しない後退位置との間で回動することができる。
【0044】
さらに、この梱包箱組立て用ハンド17は、図ではベース板17aの上方に固定支持された手首部装着ユニット17hを有し、その手首部装着ユニット17hを介してロボット本体1の左腕部11の先端部に位置する手首部に取外し可能に装着されている。
【0045】
図4(a),図4(b)および図4(c)は、上記実施形態の物品梱包システムの物品挿入用ハンド18を示す平面図、正面図および側面図である。この物品挿入用ハンド18は、ベース板18aを有するとともに、図ではそのベース板18aの下面に取り付けられたコンプライアンスユニット18bを有しており、そのコンプライアンスユニット18bは、図では水平に延在する支持フレーム18cをその姿勢のままで、スプリングによって下向きに常時弾性的に付勢しつつ上下移動可能に支持し、支持フレーム18cの長手方向両端部および中央部には、三本の吸着パッド18dがそれぞれL字状のブラケットを介して図では下向きに取り付けられている。
【0046】
そしてそれらの吸着パッド18dのうち右端の吸着パッド18dには、内フラップ保持部材としての二本のハンド部材18eの基部が取り付けられ、それらのハンド部材18eは、右端の吸着パッド18dの位置から、それら三本の吸着パッド18dの整列方向である右方へ突出して水平に延在するとともに、中間部が上記突出方向と直交する水平方向へ互いに反対向きに膨出するように湾曲している。
【0047】
さらに、この物品挿入用ハンド18は、図ではベース板18aの上方に固定支持された手首部装着ユニット18fを有し、その手首部装着ユニット18fを介してロボット本体1aの右腕部12の先端部に位置する手首部に取外し可能に装着されている。
【0048】
図5(a)および図5(b)は、図2に示すように作業台2上の正面奥側に手前斜め上向きに配置された梱包箱供給装置3の前端部に固定された、第1の治具としての曲げ起こし治具4を示す平面図および正面図であり、ここにおける梱包箱供給装置3は、作業台2上の正面奥側に前端部が位置するように斜め上向きに配置された枠状のフレーム内に、平坦に畳まれた状態の梱包箱21を複数枚重ねて収容し、それらの梱包箱21をバネ機構でフレーム前端部に向けて押し出すとともに、一番前の梱包箱21を、揺動アームの先端部のローラーをスプリングで押し付けるストッパローラー機構3aで円滑に取出し可能に、ロボット本体1aの左腕部11の作業範囲内に固定配置したフレーム前端部に係止し、これにより梱包箱21を一定の位置および姿勢で、この実施形態の梱包箱組立てシステムに供給する。
【0049】
そして曲げ起こし治具4は、細長い厚板状をなしていて、梱包箱供給装置3のフレーム前端部に、側面としての押圧面4aが一番手前の梱包箱21の下側側縁に沿って延在するように固定され、表面としての前面4cには少なくとも三つ、図では三つのクロスマーク4bが設けられており、これらのクロスマーク4bのセットは、曲げ起こし治具4の前面4cの三次元位置を特定するマーカを構成し、ロボット本体1aのコントローラ1cは、頭部13のステレオビジョンカメラ19が撮像したそれらのクロスマーク4bの各画面上の位置と頭部13ひいては各ビジョンカメラの左右方向の向きと上下方向の傾きからそれらのクロスマーク4bの各々の三次元位置を三角測量法で求め、それらのクロスマーク4bの三次元位置から曲げ起こし治具4の前面4cひいては押圧面4aの三次元位置を演算で求め、あらかじめ記憶している位置データをその求めた位置で修正することができる。なお、このマーカは曲げ起こし治具4だけでなく、図示しないが梱包箱供給装置3、底葢形成治具5、能書き供給装置8および上葢形成治具9にも設けられていて、それらの三次元位置を求め、あらかじめ記憶している位置データをその求めた位置で修正することができるようにされている。
【0050】
図6(a),図6(b)および図6(c)は、図2に示すように作業台2上の正面左方に、曲げ起こし治具4の延在方向の左端部に向けて、ロボット本体1aの左腕部11の作業範囲内に位置するように右斜め上向きに固定配置された、第2の治具としての底葢形成治具5を示す平面図、正面図および側方から見た断面図であり、この底葢形成治具5は、互いの先端縁の間に第1の隙間5aを開けて同一面上に延在する二枚の折曲げ板5bと、それらの折曲げ板5bの両側縁に沿ってそれらの両側方に、それぞれ第1の隙間5aに繋がる第2の隙間5cを開けて延在するとともに先端部が丸められた二本の折曲げ突条5dと、それらの折曲げ突条5dの基部からそれぞれ上記二枚の折曲げ板5bと反対の方向に突出して延在する二つの突当て部5eとを、両側の支持板間に固定配置されて有している。
【0051】
また、ここにおける能書き供給装置8は、双腕ロボット1からみて作業台2上の右方奥側に前端部が位置するように斜め上向きに配置された枠状のフレーム内に、畳まれた状態の能書き23を複数枚重ねて収容し、それらの能書き23をバネ機構でフレーム前端部に向けて押し出すとともに、一番前の能書き23を、左右のストッパ板で容易に取出し可能に、ロボット本体1aの右腕部12の作業範囲内に固定配置したフレーム前端部に係止し、これにより能書き23を一定の位置および姿勢で、この実施形態の物品梱包システムに供給する。
【0052】
そして、第3の治具としての上葢形成治具9は、能書き供給装置8のフレーム前端部の上に手前斜め下向きに固定配置されており、この上葢形成治具9は、第2の治具としての底葢形成治具5と同一の構成を有している。
【0053】
図7は、上記実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用した上記実施形態の物品梱包システムが用いるキャラメル箱型梱包箱の梱包箱21の、糊代を含む展開図であり、この梱包箱21は、平坦に畳まれた状態から角筒状に曲げ起こされる本体部分21aと、その本体部分21aの長手方向の一端部および他端部でその本体部分21aの一面の両脇の二面からそれらの面と平行にそれぞれ延出する二枚の内フラップ21bと、上記一面またはその一面に対向する他の一面からその面と平行に延出する一枚の外フラップ21cと、その外フラップ21cからそれと平行にさらに延出する一枚のタック21dと、を有している。
【0054】
図8(a)および図8(b)は、上記キャラメル箱型梱包箱のプレーン型およびリバース型の平坦に畳まれた梱包箱21をそれぞれ示す平面図であり、図8(a)に示すプレーン型の梱包箱21Pは、本体部分の同一面の両端部に外フラップおよびタックを有し、図8(b)に示すリバース型の梱包箱21Rは、本体部分の一面およびその一面に対向する他の一面の端部に外フラップおよびタックを有している。なお、図7に示す梱包箱21は、プレーン型の梱包箱21Pである。
【0055】
図9A(a),(b)、図9B(c),(d)および図9C(e),(f)は、梱包箱の本体部分を角筒状に曲げ起こす手順を示す説明図、また図10(a)~図10(h)は、梱包箱の底蓋を形成する手順を示す説明図であり、図10の各図の上側は平面図、下側は側面図である。この実施形態の物品梱包システムは、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用して例えばプレーン型の梱包箱21Pから有底の梱包箱24を組み立てる際、以下の手順でその梱包箱組立て作業を行う。
【0056】
(環境認識)
先ず、双腕ロボット1のコントローラ1cは、頭部13のステレオビジョンカメラ19で曲げ起こし治具4の三つのクロスマーク4bを撮像して、それらのクロスマーク4bのセットからなるマーカが設けられた曲げ起こし治具4の前面4cの、ロボット座標系における姿勢を含む三次元位置を求め、同様にして、梱包箱供給装置3、底葢形成治具5、内容品供給トレイ7、能書き供給装置8および上葢形成治具9の、ロボット座標系における姿勢を含む三次元位置を求めて、周辺環境の位置を認識する。これにより、当該システムを移設した際に双腕ロボット1と周辺環境との位置関係がずれた場合でも、双腕ロボット1はその位置関係のズレによる作業の教示点のズレを補正する。
【0057】
(梱包箱の取上げ)
双腕ロボット1のコントローラ1cは、図9A(a)に示すように、左腕部11の梱包箱組立て用ハンド17の二枚の保持板17gを、エアチャック17eの作動で互いに離間した位置に移動させるとともにエアモータ17fの作動で後退位置まで90度回動させて、梱包箱供給装置3との干渉を回避させ、次いで梱包箱組立て用ハンド17を移動させて二本の吸着パッド17cを梱包箱供給装置3の一番前の梱包箱21に向き合わせ、それらの吸着パッド17cを梱包箱21の本体部分21aの四つの面のうち、内フラップ21bも外フラップ21cも延設されていない一面の中央部に接触させてその一面を吸着保持する。
【0058】
次いで、図9A(b)に示すように、上記吸着パッド17cで吸着保持した本体部分21aの上記一面をその本体部分21aに対する垂直方向に持ち上げて本体部分21aを図示しないストッパローラー機構から外した後、梱包箱組立て用ハンド17を横方向へ移動させて本体部分21aの下側側縁を曲げ起こし治具4の押圧面4aに押し付け、その状態から梱包箱組立て用ハンド17を曲げ起こし治具4に近寄るように斜め上方へ移動させて、図9B(c)に示すように、本体部分21aを平坦に畳まれた状態から一旦角筒状に曲げ起こす。
【0059】
その後、梱包箱組立て用ハンド17を曲げ起こし治具4の上方で斜め下方へ移動させて、図9B(d)に示すように、本体部分21aの上記一面に対向する図では下向きの他の一面を曲げ起こし治具4の上面4cに押し付けることで、本体部分21aをさらに反対側に曲げて本体部分21aに曲げ癖を付ける。なお、梱包箱21の本体部分21aの、梱包箱の各角部に対応する部分には溝が設けられているので、このように曲げ癖を付けることで、本体部分21aは曲げ起こし治具4から離れても角筒状に留まる。
【0060】
次いで、図9C(e)に示すように、左腕部11の梱包箱組立て用ハンド17を上昇させてから、二枚の保持板17gをエアモータ17fの作動で前進位置まで下方に90度回動させるとともにエアチャック17eの作動で互いに接近した位置に移動させて、図9C(f)に示すように、それらの保持板17gで梱包箱21の本体部分21aを挟持して角筒状に拘束し、底蓋の形成にそなえる。
【0061】
(有底の梱包箱の組立て)
次いで、図10(a)に示すように、左腕部11の梱包箱組立て用ハンド17を移動させて梱包箱21の本体部分21aの底側にする一端部から延出する、最初の折曲げ対象でない折曲げ前の外フラップ21cおよびタック21dを、底葢形成治具5の下側の第2の隙間5cに差し込んで逃がすとともに、その本体部分21aを底葢形成治具5の正面に対し側方に傾斜させ、その本体部分21aの底側にする一端部から延出する二枚の内フラップ21bのうちの直近即ち最初の折曲げ対象とする一方の内フラップ21bを、底葢形成治具5の正面の二枚の折曲げ板5bのうちの一方に押し当てて、最初の折曲げ対象でない折曲げ前の他方の内フラップ21bは底葢形成治具5の第1の隙間5aに差し込んで逃がしながら、上記一方の内フラップ21bを第2の隙間5cに沿ってその折曲げ板5bの基部に向けて移動させて内向きに折り曲げる。
【0062】
次いで、図10(b)に示すように、他方の内フラップ21bを底葢形成治具5の第1の隙間5aに差し込んだ状態で、図10(c)に示すように、その本体部分21aを底葢形成治具5の正面に対して垂直に戻し、そして図10(d)に示すように、直近即ち次の折曲げ対象とする上記他方の内フラップ21bを、底葢形成治具5の正面の二枚の折曲げ板5bのうちの他方に押し当てながら第2の隙間5cに沿ってその他方の折曲げ板5bの基部に向けて移動させて、上記一方の内フラップ21bを他方の内フラップ21bの内側に折り込みながらその他方の内フラップ21bを内向きに折り曲げる。
【0063】
次いで、同じく図10(d)に示すように、本体部分21aを下側の折曲げ突条5dの方へ移動させながら、第2の隙間5c内の次の折曲げ対象とする外フラップ21cをその折曲げ突条5dで押して内向きに折り曲げ、そして図10(e)に示すように、梱包箱組立て用ハンド17で吸着保持している本体部分21aの面が折曲げ突条5dの下向き面の下まで来たら、その折曲げ突条5dの基部から下向きに突出している突当て部5eへ向けて本体部分21aを移動させて、外フラップ21cを全体的に本体部分21aの上記一端部に当接するまで折り曲げるとともに、折曲げ突条5dの下向き面で、次の折曲げ対象とするタック21dを本体部分21aのその一端部の外側面に当接するように折り曲げる。
【0064】
次いで、図10(f)に示すように、本体部分21aを底葢形成治具5の正面に対し下向きに傾斜させるとともに突当て部5eから後退させて、外フラップ21cの先端部を本体部分21aの上記一端部から離間させながらタック21dを折曲げ突条5dの下向き面で本体部分21aの上記一端部の開口へ向けてさらに折り曲げる。
【0065】
次いで、図10(g)に示すように、本体部分21aを底葢形成治具5の正面に正対するように戻しながら突当て部5eへ向けて進出させて、外フラップ21cの先端部を本体部分21aの上記一端部に接近させるとともに、タック21dの先端部を本体部分21aの上記一端部の二枚の内フラップ21cの側方の位置でその一端部の開口内に挿入させ、そして図10(h)に示すように、最終的に外フラップ21cを全体的に本体部分21aの上記一端部に当接するまで再度折り曲げるとともに、タック21dを全体的に本体部分21aのその一端部の開口内に押し込んで底蓋を形成し、これにより有底の梱包箱24を組み立てる。なお、以後の有底の梱包箱24の各部の名称および符号には、梱包箱21の対応する各部の名称および符号をそのまま用いる。
【0066】
この実施形態の物品梱包システムは次いで、この実施形態の梱包箱組立てシステムをさらに使用し、上述の如くして組み立てた有底の梱包箱24で、以下の手順により物品としての内容品22および能書き23を梱包して梱包品25を完成させる。
【0067】
(能書きの取上げ)
双腕ロボット1のコントローラ1cは、右腕部12の物品挿入用ハンド18を移動させて、コンプライアンスユニット18bを介して三本の吸着パッド18dのうちのハンド部材18eが取り付けられた側の端の一本の吸着パッド18dを能書き供給装置8の一番前の能書き23に向き合わせ、その吸着パッド18dを能書き23の中央部にコンプライアンスユニット18bの作用により弾性的に当接させてその能書き23を吸着保持する。
【0068】
次いで、物品挿入用ハンド18を手前方向に移動させて、上記吸着パッド18dで吸着保持した能書き23をその能書き23に対する垂直方向に持ち上げて左右のストッパ板から外し、取り上げた後に、物品挿入用ハンド18を下方向へ移動させながら三本の吸着パッド18dを下向きにする。
【0069】
(内容品の取上げ)
次いで、双腕ロボット1のコントローラ1cは、右腕部12の物品挿入用ハンド18をさらに移動させて、三本の吸着パッド18dの内の残りの二本を内容品供給トレイ7内の一本の内容品22に向き合わせ、それらの吸着パッド18dを内容品22の長手方向に並ぶ二か所にコンプライアンスユニット18bの作用により弾性的に当接させて、その内容品22を潰さないように吸着保持する。次いで、物品挿入用ハンド18を上方に移動させて内容品22を取り上げ、能書き23と重ねて一緒に保持する。
【0070】
(内容品および能書きの挿入)
次いで、双腕ロボット1のコントローラ1cは、左腕部11の梱包箱組立て用ハンド17を移動させて、組み立てた有底の梱包箱24を、一端部の底蓋が底葢形成治具5の下側の突当て部5eに当接するとともに他端部の開口が斜め上に向く状態で傾斜させて保持し、その有底の梱包箱24の保持状態で、右腕部12の物品挿入用ハンド18を移動させて、本体部分21aの上記他端部から延出する二枚の内フラップ21bの間に二本のハンド部材18eを差し込んでそれらの内フラップ21bを互いの間隔が狭まらないように内側から押さえながら、三本の吸着パッド18dの負圧を切って本体部分21aの上記他端部の斜め上に向く開口に対向する位置で内容品22と能書き23とを解放し、それら内容品22と能書き23とを互いに重ねた状態で上記他端部の開口から本体部分21a内に落とし込んで挿入する。
【0071】
(上蓋の形成)
次いで、双腕ロボット1のコントローラ1cは、左腕部11の梱包箱組立て用ハンド17を移動させて、底蓋の形成時と同様の手順で、上葢形成治具9を使用して本体部分21aの上記他端部から延出する二枚の内フラップ21bと一枚の外フラップ21cとその外フラップ21cから延出する一枚のタック21dとを、次の折曲げ対象以外の折曲げ前のものは第1の隙間5aまたは第2の隙間5cに差し込んで逃がしながら、順次に折り曲げ、さらにタック21dを上記他端部の開口から差し込んで、内部に内容品22と能書き23とを挿入した有底の梱包箱24の上蓋を形成し、これによって完成させた梱包品25を梱包品搬出トレイ6内に、他の梱包品25がない場合は端に寄せて、また他の梱包品25が既にある場合はそれに並べて収納する。
【0072】
なお、上述の例は、図8(a)に示すキャラメル箱のプレーン型の梱包箱21Pを使用して有底の梱包箱24の形成と内容品22および能書き23の梱包とを行う場合を説明したが、図8(b)に示すキャラメル箱のリバース型の梱包箱21Rを使用して有底の梱包箱24の形成と内容品22および能書き23の梱包とを行う場合には、例えば底葢形成治具5および上葢形成治具9の各々の上側の第2の隙間5cと折曲げ突条5dと突当て部5eとを用いることで、プレーン型の梱包箱21Pと同様にして有底の梱包箱24の形成と内容品22および能書き23の梱包とを行うことができる。また、図示しないがワンタッチ箱型の梱包箱を使用する場合には、本体部分を曲げ起こすことで底蓋も一緒に形成されるので、底葢形成治具5を使用しなくても有底の梱包箱24を形成することができる。
【0073】
従って、この実施形態の梱包箱組立てシステムによれば、双腕ロボット1の、腕の先端部に梱包箱組立て用ハンド17を装着された左腕部11と、その左腕部11の作業範囲内に固定配置された簡易な構成の曲げ起こし治具4および底葢形成治具5とによって、設備の大幅な小型化を可能とし、プログラムの変更のみで異なる形状すなわちプレーンやリバースやワンタッチ箱型のキャラメル箱型の梱包箱や、異なる材質すなわち厚紙や樹脂板等からなる折り目のついた板材製の梱包箱に対応して有底の梱包箱24の組立てを自動的かつ確実に行うことができる。
【0074】
また、この実施形態の梱包箱組立てシステムによれば、梱包箱21を一枚ずつ取出し可能に供給する梱包箱供給装置3を備え、曲げ起こし治具4は、その梱包箱供給装置3が供給する梱包箱21の本体部分21aに沿って延在するように固定配置されているので、梱包箱21の供給から梱包箱24の組立てまでを自動化できるとともに、梱包箱21の供給と本体部分21aの曲げ起こしとを一連の動作で行い得て組立て時間を短縮することができる。
【0075】
さらに、この実施形態の梱包箱組立てシステムによれば、底葢形成治具5は曲げ起こし治具4の延在方向の一端部に向けて固定配置されていることから、曲げ起こし治具4で角筒状に曲げ起こした本体部分21aが底葢形成治具5に近接して位置し、その位置から本体部分21aを移動させて一端部の内フラップ21bと外フラップ21cとタック21dを底葢形成治具5に当接させることで底蓋を形成できるので、本体部分21aの曲げ起こし終了から底蓋の形成開始までの梱包箱21の移動の距離および時間を短縮することができる。
【0076】
その際、底葢形成治具5は斜め上向きに固定配置されていることから、本体部分21aを傾斜姿勢にして底蓋を形成した後、その傾斜姿勢のまま本体部分21a内に内容品22と能書き23とを落とし込むことができるので、本体部分21aの姿勢変更に要する時間を省くことができる。
【0077】
さらに、この実施形態の梱包箱組立てシステムによれば、底葢形成治具5は、二枚の折曲げ板5bの両側方にそれらの折曲げ板5bに関して対称に、それぞれ第2の隙間5cを開けて折曲げ突条5dと突当て部5eとを有しているので、梱包箱21の上下の向きを変えずにそのまま、プレーンおよびリバースのキャラメル箱型梱包箱を組み立てることができる。
【0078】
さらに、この実施形態の梱包箱組立てシステムによれば、梱包箱組立て用ハンド17の保持部材出し入れ機構17fと保持部材接近離間機構17gとは、加圧エアで駆動されるものであるので、梱包箱組立て用ハンド17を軽量で制御が容易なものとすることができる。
【0079】
そして、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用したこの実施形態の物品梱包システムによれば、双腕ロボット1の、腕の先端部に梱包箱組立て用ハンド17を装着された左腕部11と、腕の先端部に物品挿入用ハンド18を装着された右腕部12と、その左腕部11の作業範囲内に固定配置された簡易な構成の曲げ起こし治具4、底葢形成治具5および上蓋形成治具9とによって、設備の大幅な小型化を可能とし、しかもプログラムの変更のみで、異なる形状すなわちプレーンやリバースのキャラメル箱型の梱包箱や、異なる材質すなわち厚紙や樹脂板等からなる折り目のついた板材製の梱包箱や、治具の大きさの範囲内で異なるサイズやプロフィール(縦横高さ比)の梱包箱に対応して、物品の梱包を自動的かつ確実に行うことができる。
【0080】
また、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用したこの実施形態の物品梱包システムによれば、右腕部12の作業範囲内に能書き23を供給する能書き供給装置8を備えているので、能書き23の供給から有底の梱包箱24での梱包までを自動化し得て梱包作業の時間を短縮することができる。
【0081】
さらに、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用したこの実施形態の物品梱包システムによれば、上葢形成治具9は、曲げ起こし治具4の上方に、底葢形成治具5に対し平面視で直角な向きで固定配置されていることから、本体部分21aの一端部に底蓋を形成した底葢形成治具5の近くで本体部分21aの他端部の開口から本体部分21a内に内容品22および能書き23を落とし込んだ後、その本体部分21aの他端部に上葢形成治具9で上蓋を形成する際に、梱包箱24の向きを90度変えるだけでその本体部分21aの他端部が上葢形成治具9に近接して位置し、その位置から他端部の内フラップ21bと外フラップ21cとタック21dを上葢形成治具9に当接させることで上蓋を形成できるので、本体部分21a内への内容品22および能書き23の落とし込みから上蓋の形成開始までの梱包箱24の移動の距離および時間を短縮することができる。
【0082】
その際、上葢形成治具9は、斜め下向きに固定配置されていることから、本体部分21aを傾斜姿勢にして本体部分21a内に内容品22および能書き23を落とし込んだ後、その傾斜姿勢のまま本体部分21aの他端部に上蓋を形成することができるので、本体部分21aの姿勢変更に要する時間を省くことができる。
【0083】
さらに、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用したこの実施形態の物品梱包システムによれば、物品挿入用ハンド18は、有底の梱包箱24の本体部分21aの他端部の二枚の内フラップ21bの内側に入ってそれらの内フラップ21bを内容品22および能書き23が通過可能な間隔に広げた状態で保持する内フラップ保持部材18eを有しているので、物品挿入用ハンド18が吸着パッド18dから内容品22および能書き23を、内フラップ21bに妨げられずに梱包箱24の本体部分21a内に確実に落とし込むことができる。
【0084】
さらに、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用したこの実施形態の物品梱包システムによれば、前記第2の多関節ロボットとしての右腕部12は、前記第1の多関節ロボットとしての左腕部11と共に双腕ロボット1の双腕を構成するものであるので、その双腕ロボット1のコントローラ1cはその制御プログラムで容易に、右腕部12を左腕部11の作動と関連させて作動させることができる。
【0085】
さらに、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用したこの実施形態の物品梱包システムによれば、双腕ロボット1は、頭部13にステレオビジョンカメラ19を有し、その双腕ロボット1のコントローラ1cの制御プログラムは、ステレオビジョンカメラ19の画像と向きとから、梱包箱供給装置3、曲げ起こし治具4、底葢形成治具5、能書き供給装置8および上葢形成治具9に設けたマーカの3次元位置を割り出し、そのマーカの3次元位置を用いてそれらの治具や周辺装置の位置を修正することから、例え物品梱包システムの移設時にそれらの治具や周辺装置と双腕ロボット1との位置関係にズレが生じても、制御プログラムがステレオビジョンカメラの画像と向きとからそれらの位置関係のズレを修正できるので、ズレが双腕ロボット1の作業範囲内であれば調整なしで梱包作業を行うことができる。
【0086】
図11は、この発明の他の一実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用したこの発明の他の一実施形態の物品梱包システムを模式的に示す平面図である。また、図12は、上記他の実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用した上記他の実施形態の物品梱包システムを模式的に示す側面図である。なお、この実施形態の梱包箱組立てシステムおよび物品梱包システムにおいて、先の実施形態と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
【0087】
すなわち、この実施形態の梱包箱組立てシステムおよびそれを使用したこの実施形態の物品梱包システムも、先の実施形態と同様、人の上半身型のロボット本体1aをペダル操作式昇降キャスタ付きの支持台1bで支持するとともにその支持台1b内にロボットコントローラ1cを収納した双腕ロボット1を備えている。
【0088】
この一方で、この実施形態の梱包箱組立てシステムは、任意の位置に固定されるとともに双腕ロボット1を近接配置された作業台2と、双腕ロボット1からみて当該双腕ロボット1の右脇に上向きに固定配置された梱包箱供給装置3と、その梱包箱供給装置3の前端部に固定された、第1の治具としての曲げ起こし治具4と、その梱包箱供給装置3の双腕ロボット1からみて後方寄りの側部の上方に曲げ起こし治具4の延在方向の後方寄りの一端部に向けて縦向きに固定配置された、第2の治具としての底葢形成治具5と、双腕ロボット1からみて作業台2上の左側に配置されて物品としての内容品を供給する内容品供給コンベヤ26と、双腕ロボット1からみて作業台2上の右側に配置されて梱包品25を搬出する梱包品搬出コンベヤ27と、を備えている。
【0089】
ここで、ロボット本体1aは、第1の多関節ロボットとしての多関節アームからなる右腕部12および、第2の多関節ロボットとしての多関節アームからなる左腕部11と、頭部13と、頭部13の向きを変更可能な首部14と、左右腕部11,12を支持するとともに首部14を介して頭部13を支持する胴部15と、胴部15を垂直軸線周りに回動可能に支持する柱状の腰部16と、を有し、その腰部16を介して支持台1b上に位置決め搭載されている。そしてロボットコントローラ1cは、通常のコンピュータと、そのコンピュータで制御されるモータ駆動回路および加圧エア供給回路と、を少なくとも有し、そのコンピュータにあらかじめ与えられたプログラムに基づいてロボット本体1の左右腕部11,12を含む上記各部の作動制御を行う。
【0090】
ロボット本体1の右腕部12は、ロボットコントローラ1cがそのコンピュータにあらかじめ与えられたプログラムに基づいて、モータ駆動回路を制御し、その右腕部12の各関節のモータを駆動して手首部を回転および姿勢変更を含めて移動させるとともに、加圧エア制御回路を制御し、その右腕部12の手首部に装着された梱包箱組立て用ハンド17を、加圧エアおよび、図示しない真空発生器がその加圧エアで発生させた負圧で作動させる。
【0091】
ロボット本体1の左腕部11は、ロボットコントローラ1cがそのコンピュータにあらかじめ与えられたプログラムに基づいて、モータ駆動回路を制御し、その左腕部11の各関節のモータを駆動して手首部を回転および姿勢変更を含めて移動させるとともに、加圧エア制御回路を制御し、その左腕部11の手首部に装着された物品挿入用ハンド18を、図示しない真空発生器が加圧エアで発生させた負圧で作動させる。
【0092】
図13(a),図13(b)および図13(c)は、この実施形態の物品梱包システムの物品挿入用ハンド18を示す斜視図、正面図および側面図である。この物品挿入用ハンド18は、ベース板18aを有するとともに、図ではそのベース板18aの下面に取り付けられたコンプライアンスユニット18bを有しており、そのコンプライアンスユニット18bは、図では水平に延在する支持フレーム18cをその姿勢のままで、スプリングによって下向きに常時弾性的に付勢しつつ上下移動可能に支持し、支持フレーム18cの長手方向一端部および中央部には、二本の吸着パッド18dがそれぞれL字状のブラケットを介して図では下向きに取り付けられている。
【0093】
さらに、この物品挿入用ハンド18は、図ではベース板18aの上方に固定支持された手首部装着ユニット18fを有し、その手首部装着ユニット18fを介してロボット本体1aの左腕部11の先端部に位置する手首部に取外し可能に装着されている。
【0094】
さらに、支持フレーム18cの上記長手方向一端部にはその長手方向と直交する水平方向へ延在するように、L字状のブラケットを介してもう一本の支持フレーム18gが取り付けられており、その支持フレーム18gの長手方向両端部には、それぞれブラケット18hを介して、互いの先端縁の間に第1の隙間9aを開けて同一面上に延在する各々L字状の二枚の折曲げ板9bが固定され、またその支持フレーム18gの、先の支持フレーム18c側と反対側の側面には、先端部が丸められた一本の折曲げ突条9dが、厚板状の突当て部9eの上部を間に挟み、二枚の折曲げ板9bの下端縁との間に第2の隙間9cを開けて水平方向へ延在するように固定され、これら二枚の折曲げ板9bと一本の折曲げ突条9dと厚板状の突当て部9eとが、物品挿入用ハンド18の二本の吸着パッド18dの整列方向と同じ方向に向いた上葢形成治具9を構成している。
【0095】
この実施形態の梱包箱組立てシステムも、双腕ロボット1の、腕の先端部に梱包箱組立て用ハンド17を装着された右腕部12と、その右腕部12の作業範囲内に固定配置された簡易な構成の曲げ起こし治具4および底葢形成治具5とによって、先の実施形態と同様にして有底の梱包箱24の組立てを行うことができるので、設備の大幅な小型化を可能とし、プログラムの変更のみで異なる形状すなわちプレーンやリバースやワンタッチ箱型のキャラメル箱型の梱包箱や、異なる材質すなわち厚紙や樹脂板等からなる折り目のついた板材製の梱包箱に対応して有底の梱包箱24の組立てを自動的かつ確実に行うことができる。
【0096】
そして、この実施形態の梱包箱組立てシステムを使用したこの実施形態の物品梱包システムも、双腕ロボット1の、腕の先端部に梱包箱組立て用ハンド17を装着された右腕部12と、腕の先端部に物品挿入用ハンド18を装着された左腕部11と、その右腕部12の作業範囲内に固定配置された簡易な構成の曲げ起こし治具4および底葢形成治具5と、左腕部11の先端部に物品挿入用ハンド18とともに装着された上蓋形成治具9とによって、先の実施形態と同様にして内容品22を梱包箱24で梱包し、梱包品25を完成させることができるので、設備の大幅な小型化を可能とし、しかもプログラムの変更のみで、異なる形状すなわちプレーンやリバースのキャラメル箱型の梱包箱や、異なる材質すなわち厚紙や樹脂板等からなる折り目のついた板材製の梱包箱や、治具の大きさの範囲内で異なるサイズやプロフィール(縦横高さ比)の梱包箱に対応して、物品の梱包を自動的かつ確実に行うことができる。
【0097】
また、この実施形態の梱包箱組立てシステムによれば、上蓋形成治具9が左腕部11の先端部に物品挿入用ハンド18の二本の吸着パッド18dの整列方向と同じ向きで装着されていることから、有底の梱包箱24の本体部分21aを傾斜姿勢にして本体部分21a内に内容品22を落とし込んだ後、その向きのまま本体部分21aの他端部に上蓋を形成することができるので、本体部分21aの姿勢変更に要する時間を省くことができる。
【0098】
以上、図示の実施形態に基づき説明したが、この発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で所要に応じて適宜変更することができ、例えば、この発明の梱包箱組立てシステムにおける梱包箱組立て用ハンドでは、吸着パッドの数は二本に限られずさらに多くてもよく、また保持部材出し入れ機構と保持部材接近離間機構との少なくとも一方は電動モータ等で電気的に作動するものであってもよい。
【0099】
さらに、この発明の物品梱包システムにおける物品挿入用ハンドでは、吸着パッドの数は二本または三本に限られずさらに多くても少なくてもよく、場合によってはコンプライアンスユニット18bを省略することもできる。
【0100】
そして、この発明の梱包箱組立てシステムおよびこの発明の物品梱包システムでは、一つの梱包箱に梱包する物品の数は三つ以上でもよく、多関節ロボットは双腕型でなく単腕型のものでもよく、ステレオビジョンカメラは双腕ロボットの頭部でなく作業台等に設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
かくしてこの発明の梱包箱組立てシステムによれば、腕の先端部に梱包箱組立て用ハンドを装着された汎用の一台の第1の多関節ロボットと、その第1の多関節ロボットの作業範囲内に固定配置された簡易な構成の第1および第2の治具とによって、設備の大幅な小型化を可能とし、プログラムの変更のみで異なる形状すなわちプレーンやリバースのキャラメル箱型の梱包箱や、異なる材質すなわち厚紙や樹脂板等からなる折り目のついた板材製の梱包箱に対応して、梱包箱の組立てを自動的かつ確実に行うことができる。ちなみに、梱包箱がワンタッチ箱型の場合は、平坦に畳まれた状態で供給された梱包箱の本体部分を第1の多関節ロボットと第1の治具とで角筒状に曲げ起こす際に底蓋も一緒に曲げ起こされて形成されるので、第2の治具を使用しなくても梱包箱の組立てを自動的かつ確実に行うことができる。
【0102】
また、この発明の物品梱包システムによれば、この発明の梱包箱組立てシステムの第1の多関節ロボットと第1および第2の治具とに加えて、腕の先端部に物品挿入用ハンドを装着された汎用の一台の第2の多関節ロボットと、上記第1の多関節ロボットの作業範囲内に固定配置された簡易な構成の第3の治具とによって、設備の大幅な小型化を可能とし、プログラムの変更のみで異なる形状すなわちプレーンやリバースのキャラメル箱型やワンタッチ箱型の梱包箱や、異なる材質すなわち厚紙や樹脂板等からなる折り目のついた板材製の梱包箱に対応して、物品の梱包を自動的かつ確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0103】
1 双腕ロボット
1a ロボット本体
1b 支持台
1c ロボットコントローラ
2 作業台
3 梱包箱供給装置
3a ストッパローラー機構
4 曲げ起こし治具
4a 押圧面
4b クロスマーク
4c 前面
5 底葢形成治具
5a 第1の隙間
5b 折曲げ板
5c 第2の隙間
5d 折曲げ突条
5e 突当て部
6 梱包品搬出トレイ
7 内容品供給トレイ
8 能書き供給装置
9 上蓋形成治具
9a 第1の隙間
9b 折曲げ板
9c 第2の隙間
9d 折曲げ突条
9e 突当て部
11 左腕部
12 右腕部
13 頭部
14 首部
15 胴部
16 腰部
17 梱包箱組立て用ハンド
17a ベース板
17b 吸着パッド取付け板
17c 吸着パッド
17d 押付け板
17e エアチャック
17f エアモータ
17g 保持板
17h 手首部装着ユニット
18 物品挿入用ハンド
18a ベース板
18b コンプライアンスユニット
18c 支持フレーム
18d 吸着パッド
18e ハンド部材
18f 手首部装着ユニット
18g 支持フレーム
18h ブラケット
19 ステレオビジョンカメラ
21 梱包箱
21a 本体部分
21b 内フラップ
21c 外フラップ
21d タック
21P プレーン型の梱包箱
21R リバース型の梱包箱
22 内容品
23 能書き
24 梱包箱
25 梱包品
26 内容品供給コンベヤ
27 梱包品搬出コンベヤ
【要約】
【課題】設備の小型化および異なる形状や材質やサイズの梱包箱への対応が可能なシステムを提供する。
【解決手段】畳まれた梱包箱の本体部分を角筒状に曲げ起こし、有底の梱包箱を形成し、その梱包箱で物品を梱包するシステムであって、梱包箱組立て用ハンドで梱包箱を保持して移動させる第1の多関節ロボットと、第1の多関節ロボットの作業範囲内に配置され、第1の多関節ロボットで移動される本体部分をその側縁を押圧して曲げ起こす第1の治具と、第1の多関節ロボットの作業範囲内に配置され、本体部分の両端部からそれぞれ延出する二枚の内フラップと外フラップおよびタックとを隙間に逃がしながら順次に折り曲げて底蓋および上蓋を形成する第2および第3の治具と、物品挿入用ハンドで物品を保持して移動させ、第1の多関節ロボットが保持する有底の梱包箱内に本体部分の開口端部から挿入する第2の多関節ロボットとを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13