(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】接触デバイス、車両、および充電ステーション
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230201BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20230201BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 301E
B60L53/16
(21)【出願番号】P 2021552172
(86)(22)【出願日】2019-03-20
(86)【国際出願番号】 EP2019056976
(87)【国際公開番号】W WO2020187414
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】521205102
【氏名又は名称】シュンク トランジット ジステムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ドメス マティアス
(72)【発明者】
【氏名】シュタウバッハ ティモ
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/173045(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0166084(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 53/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に電気バスなどの電動車両、または、電動車両用充電ステーション上に配置される接触デバイス(39)であって、
1つの接触バー支持体(11)と、該接触バー支持体上に配置されかつ前記充電ステーションの充電接触デバイスの充電接触子支持体の充電接触子、または、前記車両の接触バーに電気的に接続可能な少なくとも1つの接触バー(12)とを備える、少なくとも2つの接触バー構成体(10、32、40)を有し、
前記接触バー(12)は、前記車両または前記充電ステーションへ案内可能な導電体(14、41)に前記接触バーを接続するための接続デバイス(13、35)を有し、
前記接続デバイスは、前記接触バー内において長軸方向に延びる溝(15、37)と、前記溝に取り付けられかつ前記導電体に接続される接続素子(16、38)とを備える
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の接触デバイスにおいて、
前記溝(15、37)は、Tスロットとして実現される
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の接触デバイスにおいて、
前記接続素子(16、38)は、前記溝(15、37)に沿って可動である
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記接続デバイス(13、35)は、前記接続素子(16、38)に接続される導電体レセプタクル(18)を有する
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の接触デバイスにおいて、
前記導電体レセプタクル(18)は、前記接続素子(16、38)に着脱可能に接続される
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記溝(15、37)に2つ以上の接続素子(16、38)が取り付けられる
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記接触バー(12)の下側部分は、前記溝(15、37)を有する
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記接触バー(12)の上側(20)の表面(19)は、周囲に対して封止される
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記接触バー(12)は、加熱デバイス(27)を有する
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の接触デバイスにおいて、
前記加熱デバイス(27)は、前記溝(15、37)内において一体化された少なくとも1本の加熱ワイヤ(28)である
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の接触デバイスにおいて、
前記加熱ワイヤ(28)は、前記溝(15、37)に導入された材料(29)に、少なくとも部分的に、好ましくは、完全に埋め込まれる
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記接触デバイス(39)は、2つの接触バー構成体(10、32、40)をそれぞれ有する2つの接触部(42)を備える
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記接触バー支持体(11)は、互いに着脱可能に接続可能である
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記接触バー支持体(11)は、前記接触バー(12)の第1端(21)上に配置された第1の支持構造体(22、33)と、前記接触バーの第2端(23)上に配置された第2の支持構造体(24)とを有する
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の接触デバイスにおいて、
前記接続デバイス(13、35)は、Tスロットナットを有する
ことを特徴とする接触デバイス。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の接触デバイス(39)を有する、特に電気バスなどの電動車両。
【請求項17】
請求項16に記載の車両において、
前記接触バー構成体(10、32、40)は、前記車両上で互いに平行に配置される
ことを特徴とする車両。
【請求項18】
請求項1~15のいずれか1項に記載の接触デバイス(39)を有する、特に電気バスなどの電動車両用の充電ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電気バスなどの電動車両もしくは電動車両用充電ステーション上に配置される接触デバイス、電動車両、および電動車両用充電ステーションに関する。接触デバイスは、少なくとも2つの接触バー構成体を有する。2つの接触バー構成体のそれぞれは、1つの接触バー支持体と、接触バー支持体上に配置された少なくとも1つの接触バーとを備える。接触バーは、充電ステーションの充電接触デバイスの充電接触子支持体の充電接触子、または、車両の接触バーに電気的に接続可能である。接触バーは、車両または充電ステーションへ案内可能な導電体に接触バーを接続するための接続デバイスを有する。
【背景技術】
【0002】
そのような接触デバイス、電動車両、および充電ステーションは、従来から知られている。上記接触デバイスは、典型的には、バス停または中継点において電動車両を充電するために使用される。特に、電気バスなどのローカルな輸送のために使用される電動車両には、電気エネルギーが高架線を介して連続的に供給され得る。高架線ネットワークを用いずに電気駆動を利用するために、バッテリまたは他の種類のエネルギー貯蔵デバイスを公共輸送車両に備えつけることが知られている。しかし、そのような車両は、車両がバス停に停車した際にバッテリが充電される場合に、連続的に動かすことができるにすぎない。バス停の領域内にある充電ステーションと車両、すなわち、電気バスとを導電的に接続するための異なる接触デバイスが従来から知られている。電気バスの場合、接触バーを有するいわゆる集電体を電気バスの屋根上に配置でき、電気バスの移動方向に長軸に沿って伸びるレール、すなわち、充電接触子が、バス停の領域内において道路の上方から懸架される。電気バスがバス停に停車した際、集電体が、バス車両からレール、すなわち、充電接触子へ、上方に移動され、電気バスのバス停における予定の停車時間のあいだ電気接続が形成され、この期間中に充電することができる。また、接触バーを電気バスの屋根に直接配置し、充電接触子を配置された位置合わせデバイスまたはロッカー(rocker)を、バス停の領域内における道路の上方から懸架させることは従来から知られている。この場合、位置合わせデバイスまたはロッカーによって、充電接触子が接触バーへ下方に移動され、対応する充電が可能なる。
【0003】
さらに、接触バーは、制御線、接地、またはデータ転送などに必要とされ得る。この場合、複数の接触バーが接触デバイス上に配置され、対応する数の充電接触子に電気的に接続可能となっている。そのような充電接触子は、電気バスの移動方向に配置されていて、例えば、並列レールとして実現され得る。したがって、多数の接触対が同時にまたは特定の順序で形成され得る。特に、例えば、充電プロセスを制御または監視するために、固定の充電ステーションと車両との間に追加で実現された電気接続線が使用され得る。
【0004】
ある既知の接触デバイスにおいて、それぞれが2つの接触バー構成体を有する2つの接触部が互いに平行に電動車両の屋根上に配置される。両方の接触バー構成体は、接触部内に縦一列に互いに隣り合って配置される。また、接触部の接触バー構成体は、互いに接続され得る。この場合、各接触バー構成体は、接触バー支持体と、接触バー支持体上に配置された1つの接触バーとを備える。接触バーは、バス停の領域内において道路の上から懸架された充電ステーションの充電接触子デバイスの充電接触子支持体の充電接触子に電気的に接続可能である。さらに、各接触バーは、接触バーをケーブルなどの導電体に接続するための接続デバイスを有する。導電体は、車両または車両のバッテリへ案内可能である。典型的には、接触バーの上側の表面、すなわち、接触バーの接触面の通し部(passage)に挿入されるねじが接続デバイスとして使用される。一方では、接触面から突出するねじ頭は、接触バーと充電接触子との間に生成される充電電流の流れの品質、すなわち、電力伝達の品質を低減し、他方では、ねじ頭は、充電接触子に接続された際に充電接触子上に溶接スポット状のパターンを残し、充電接触子の材料を徐々に弱体させるという短所がある。また、これにより、電力伝達の品質がさらに低減される。さらに、充電プロセス中にねじが加熱されることによって、場合によっては、ねじが伸長し、典型的には、導電体が接触バーから外れることがある。さらに、典型的には、接続デバイスは、一般に、予め規定された断面形状を有する1つだけの導電体が接触バーに接続され得るように実現される。これにより、特に、最大充電速度が制限され、接触デバイスの柔軟な使用ができなくなる。したがって、ある断面形状を有して接触バーに接続される導電体を、その断面形状から逸脱する断面形状を有する導電体に単純に置き換えることはできない。この接触デバイスの別の短所は、実際には、接触バーが1つの通し部を有するだけであり、導電体を自由に選択可能な位置において接触バーに固定することができないことに関係する。
【0005】
さらに、加熱デバイスを有する接触バーを設けることが知られている。実際には、加熱ワイヤが接触バーの接触面の下の接触バーの空洞部に導入される。加熱ワイヤが空洞部に挿入されるだけであり、典型的には、加熱ワイヤと接触バーの材料との間に空隙が形成されるという問題がある。その結果、加熱ワイヤは、加熱能力を完全には発揮することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、より良好な電力伝達を可能にする、電動車両上に配置される接触デバイス、電動車両、および電動車両用充電ステーションを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する接触デバイス、請求項16の特徴を有する電動車両、および請求項18の特徴を有する充電ステーションによって達成される。
【0008】
特に、電気バスなどの電動車両、または、電動車両用充電ステーション上に配置される、本発明に係る接触デバイスは、少なくとも2つの接触バー構成体を有する。2つの接触バー構成体は、1つの接触バー支持体と、接触バー支持体上に配置されかつ充電ステーションの充電接触デバイスの充電接触子支持体の充電接触子もしくは車両の接触バーに電気的に接続可能な少なくとも1つの接触バーとをそれぞれ備える。接触バーは、車両または充電ステーションへ案内可能な導電体に接触バーを接続するための接続デバイスを有する。接続デバイスは、接触バーにおいて長軸方向に伸びる溝と、溝に取り付けられかつ導電体に接続される接続素子とを備える。
【0009】
したがって、この場合、接続デバイスは、接触バーの上側の表面、すなわち、接触バーの接触面などの通し部に挿入されるねじによって実現されるのではなく、その代わりに、接続デバイスは、接触バーにおいて長軸方向に伸びる溝と、溝に取り付けられた、導電体を接触バーに接続させる接続素子とを備える。したがって、導電体を、自由に選択可能な位置において接触バーに固定でき、それにより、接触デバイスをより柔軟なやり方で使用できる。この場合、接続素子は、溝の形状に応じて形成され、そして形状嵌め(form-fitting)式に溝に接続され得るので、接続素子は、さらに固定する必要がない。しかし、また、接続素子は、さらに溝に力嵌め(force-fitting)式に接続されることが考えられる。有利には、溝は、接触バーの全長にわたって伸びる。接続素子は、少なくとも部分的に溝内に収容され得る。有利には、また、接続素子は、導電材料から形成され得る。全体として、接続デバイスの本実施形態は、一方で、接触バーと充電接触子との間の電力伝達の品質向上を可能にし、他方で、充電接触子の材料を弱体させる溶接スポット状パターンの形成を回避する。
【0010】
本発明の構造的に有利な実施形態によると、溝は、Tスロットとして実現され得る。この場合、接続素子は、溝に固定され得る。また、V字型の溝が考えられ得る。
【0011】
本発明の具体的な開発において、接続素子は、溝に沿って可動であるように実現され得る。この場合、接続素子は、溝内を手動で動かされ得る。したがって、接続素子の溝内での位置は、常に自由に選択可能である。したがって、有利には、接続素子の位置を車両からの導電体のガイドに調節することが可能である。溝と接続素子との間の摩擦を低減するために、滑り剤または潤滑剤が溝に設けられ得る。
【0012】
本発明の一実施形態において、接続デバイスは、接続素子に接続される導電体レセプタクルを有し得る。ケーブルラグ、クランプ、またはスリーブが導電体レセプタクルとして設けられ得る。特に、導電体は、ねじを用いずに接触バーに固定され得る。
【0013】
本発明の有利な構造的実施形態によると、導電体レセプタクルは、接続素子に着脱可能に接続され得る。この場合、導電体レセプタクルは、導電体の断面形状に適合され得る。このように、接触デバイスは、さらに柔軟なやり方で使用され得る。
【0014】
また、2つ以上の接続素子が溝に取り付けられ得る。この場合、各接続素子に導電体が接続され得るので、有利には、最大充電速度が接続素子または導電体の数が増大するにつれて増大し得る。その結果、充電時間が短縮され得る。
【0015】
好ましくは、接触バーの下側が溝を有する。この場合、溝は、外部からの影響、特に、天候に関係する影響から良好に保護される。また、溝は、接触面を有さない接触バーの側面において長軸方向に延び得る。
【0016】
本発明の一実施形態において、接触バーの上側の表面は、周囲に対して封止されるように実現され得る。接触バーの上側は、接触面を有する接触バーの一側として理解される。接触面は、充電接触子に電気的に接続されるように設けられる。有利には、接触面は、接触バーの上側の全表面をとり、したがって、良好な電力伝達を確保し得る。表面が封止されるように実現される、すなわち、特に、ねじ頭が表面から突出することがないので、電力伝達の品質がさらに向上され得る。
【0017】
本発明の一実施形態において、接触バーは、加熱デバイスを有し得る。加熱デバイスによって生成された熱は、氷、霜などの層を有効に除去し得るので、比較的寒冷または冬季天候条件下でも理想的な電力伝達が確保され得る。
【0018】
本発明の有利な実施形態において、加熱デバイスは、溝内に一体化された少なくとも1本の加熱ワイヤによって実現され得る。溝は、加熱ワイヤが少なくとも部分的に溝に力嵌め式に接続されるようなやり方で、加熱ワイヤが挿入され得る凹部を有する。
【0019】
本発明の具体的な開発において、加熱ワイヤは、溝に導入された材料に、少なくとも部分的に、好ましくは、完全に埋め込まれ得る。したがって、加熱ワイヤと接触バーの材料との間に空隙を生じさせずに加熱ワイヤが溝の接触面に当接し、加熱ワイヤが完全な加熱能力を発揮できることが達成され得る。溝内に導入される材料は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂などの耐熱性誘電材料であり得る。
【0020】
特に好ましくは、接触デバイスは、それぞれが2つの接触バー構成体を備える2つの接触部を備え得る。有利には、各接触バー構成体は、1つの接触バー支持体と、接触バー支持体上に配置された、1つの接触バーとを備える。2つの接触バー構成体は、接触部内に縦一列に相隣接して配置され得る。接触部は、互いに平行に並べられ得る。有利には、充電プロセスの制御および監視、または接地もしくはデータ転送のための追加の接触バーまたは接触バー支持体が使用され得る。
【0021】
接触バー支持体は、互いに接続可能であり得る。そうするために、例えば、ねじが設けられ得る。
【0022】
本発明の一実施形態において、接触バー支持体は、接触バーの第1端上に配置された第1の支持構造体と、接触バーの第2端上に配置された第2の支持構造体とを有し得る。第1および第2の支持構造体は、ねじによって支持構造を車両に接続するための通し部を有し得る。さらに、支持構造のうちの少なくとも一方は、加熱ワイヤなどの接触バーの加熱デバイスのための接続子であって、加熱デバイスに電力を供給するための接続子を有し得る。
【0023】
本発明の有利な実施形態において、接続デバイスは、Tスロットナットを有し得る。この場合、接続素子は、溝に沿って所望の姿勢で容易に取り付けられ得る。Tスロットナットは、ねじ山を有し得るので、接続素子がねじによってTスロットナットにねじ込まれ得る。
【0024】
接触デバイスの上記記載は、主に、接触デバイスが電動車両上に配置される実施形態を記載するものである。当然ながら、当業者は、上記記載に含まれるすべての特徴を、接触デバイスが電動車両用充電ステーション上に配置される実施形態に準用し得る。
【0025】
本発明に係る、特に電気バスなどの電動車両は、本発明に係る接触デバイスを有する。本発明に係る接触デバイスの利点の記載は、本発明に係る車両の有利な効果に対して、参照される。
【0026】
一実施形態において、接触バー構成体は、車両上で互いに平行に配置され得る。この構成体において、接触バー構成体の接触バーは、異なる接触バー構成体の接触バーに平行に並べられる。
【0027】
車両のさらなる有利な実施形態は、デバイス請求項1に従属する従属請求項の特徴の記載から明らかである。
【0028】
本発明に係る、特に電気バスなどの電動車両用の充電ステーションは、本発明に係る接触デバイスを有する。本発明に係る充電ステーションの利点の記載は、本発明に係る接触デバイスの有利な効果に対して、参照される。
【0029】
充電ステーションのさらなる有利な実施形態は、デバイス請求項1に従属する従属請求項の特徴の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、一実施形態における接触バー構成体の斜視図である。
【
図2】
図2は、A-A線に沿った、接触バー構成体の断面図である。
【
図3】
図3は、別の実施形態における接触バー構成体の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0032】
図1および
図2を組み合わせて、接触バー構成体10を示す。接触バー構成体10は、接触バー支持体11と、接触バー支持体11上に配置された接触バー12とを備える。接触バー12は、充電接触子(不図示)に電気的に接続され得る。さらに、接触バー12は、電動車両(不図示)へ案内可能な導電体14に接触バー12を接続するための接続デバイス13を有する。特に、導電体14は、電動車両のバッテリ(不図示)に接続され得る。接続デバイス13は、接触バー12内において長軸方向に延びる溝15と、溝15に取り付けられた接続素子16とを備える。この場合、溝15は、Tスロットとして実現される。接続素子16は、導電体14に接続される。接続素子16は、溝15に沿って可動となるように実現されるが、溝15に沿って勝手な位置に移動または変位しないように、接続デバイス13のねじ17および接続デバイス13のTスロットナット(不図示)によって固定され得る。さらに、接続デバイス13は、接続素子16にねじ込まれる導電体レセプタクル18を有する。この場合、導電体レセプタクル18は、ケーブルラグによって実現される。
【0033】
接触バー12の上側20の表面19は、周囲に対して封止されるように実現される。接触バー支持体11は、接触バー12の第1端21上に配置された第1の支持構造体22と、接触バー12の第2端23上に配置された第2の支持構造体24とを有する。支持構造22、24は、それぞれねじ25、26によって車両に接続され得る。さらに、接触バー12は、加熱デバイス27を有する。加熱デバイス27は、加熱ワイヤ28によって実現され、溝15において一体化される。加熱ワイヤ28は、溝15に導入された材料29に完全に埋め込まれる。第1の支持構造体22は、加熱ワイヤ28用の接続子30と、加熱デバイス27に電力を供給するためケーブル(不図示)を接続するための接続子31とを備える。接続子31は、ソケットによって実現される。
【0034】
図2は、方向R、すなわち、第1の支持構造体22の方向から見た、接触バー構成体10の線A-Aに沿った断面図である。
【0035】
図3および
図4を組み合わせて、接触バー構成体32を示す。接触バー構成体32は、接触バー構成体10に本質的に一致する。特に、加熱デバイス(不図示)に電力を供給するためのケーブル(不図示)用の接続子34を有する第1の支持構造体33と、接続デバイス35とが見て取れる。接続素子38は、ねじ36によって、溝37に沿って任意の位置に固定され得る。
【0036】
図5は、4つの接触バー構成体40を備える接触デバイス39を示す。導電体41は、接続デバイス(不図示)によって接触デバイス39に接続される。2つの接触バー構成体40はそれぞれ、1つの接触部42に結合される。接触部42は、互いに平行に配置される。接触部42内において、接触バー構成体40は、第1の支持構造体43が相隣接するように、または、互いに接続するように、縦一列に配置される。
【0037】
図6は、従来の接触バー構成体44を示す。接触バー構成体44は、接触バー支持体45と、通し部47を有する接触バー46とを備える。導電体(不図示)は、ねじ頭(不図示)が接触バー46の接触面49から突出するように、ねじ(不図示)によって接触バー46に接続される。さらに、接触バー支持体45は、加熱デバイス48を有する。熱ワイヤ(
図6において不図示)は、接触面49の下方に位置する接触バー46の空洞部(不図示)内に挿入される。
【0038】
本明細書、図面および特許請求の範囲は、多くの特徴の組み合わせを含む。また、当業者は、これらの特徴を適宜単独で、および他の有用な組み合わせで考慮し得る。例えば、特徴Aの全体を包含するある独立請求項に従属する従属請求項が特徴Bおよび特徴Cを包含する場合、当業者は、適宜、特徴Cを排除した、特徴Aと特徴Bとの組み合わせを考慮し得る。特に、当業者は、図面に例示された異なる実施形態の特徴を組み合わせ得る。