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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-31
(45)【発行日】2023-02-08
(54)【発明の名称】フォトバイオリアクターユニット
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20230201BHJP
   C12M 1/02 20060101ALI20230201BHJP
   C12M 1/04 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
C12M1/00 E
C12M1/02 A
C12M1/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022105381
(22)【出願日】2022-06-30
【審査請求日】2022-07-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000176752
【氏名又は名称】三菱化工機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】522263024
【氏名又は名称】三菱化工機アドバンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183357
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義美
(72)【発明者】
【氏名】三枝 哲
(72)【発明者】
【氏名】大森 一樹
(72)【発明者】
【氏名】秋山 裕亮
(72)【発明者】
【氏名】増田 吉兼
【審査官】市島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-065992(JP,A)
【文献】特表2016-507245(JP,A)
【文献】Egbo M.K. et al.,Photobioreactors for microalgae cultivation - An Overview,Int. J. Sci. Eng. Res.,2018年,Vol. 9, Issue 11,pp.65-74
【文献】Masojidek J. et al.,Mass Cultivation of Freshwater Microalgae,Reference Module in Earth Systems and Environmental Sciences,2014年,http://dx.doi.org/10.1016/B978-0-12-409548-9.09373-8
【文献】Sukacova K. et al.,Perspective Design of Algae Photobioreactor for Greenhouses - A Comparative Study,Energies,2021年,14(5), 1338
【文献】Borowiak D. et al.,Propagation of Inoculum for Haematococcus pluvialis Microalgae Scale-Up Photobioreactor Cultivation System,Applied Sciences,2020年,10(18), 6283
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00-3/10
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの平台車に搭載され移動可能な管型の閉鎖系フォトバイオリアクターに係るフォトバイオリアクターユニットであって、
前記平台車の一方には、
合成により培養液内の藻類を育成するガラス管からなるリアクターと、
前記リアクターと対向して光照射を行う発光装置と、
が搭載され、
前記平台車の他方には、
藻類を含む培養液を蓄え前記リアクターに循環させる循環タンクと、
前記循環タンクの培養液を前記リアクターに圧送するポンプと、
前記ポンプからの培養液を光合成に適した液温に調節する熱交換器と、
前記リアクターから排出された培養液に含まれた過飽和酸素を脱気し、前記脱気された培養液を前記循環タンクに戻す脱気タンクと、
が搭載され、
前記循環タンクは、藻類培養に必要な二酸化炭素が二酸化炭素ボンベから二酸化炭素流量計を経由して供給され、
前記脱気タンクは、前記循環タンクに隣接して設けられ、脱気を行うためにタンク内の培養液を空気で撹拌するエアレーションを備えると共に、脱気された気体と培養液とに分けて前記循環タンクに戻す連通路が形成されており、
前記連通路の上方側は不要な酸素等の排出ガスの抜け道を備え、前記連通路の下方側は空気注入により攪拌され脱気された培養液の流入道を備え、
前記リアクターは、複数の円筒状の培養受光面を有する透明なガラス管を多段式に接続して形成され
前記発光装置は、前記リアクターの大きさに対向して、複数のLEDが縦横に並ぶ矩形状に配列されたLEDパネルであり、
前記LEDパネルは、前記リアクターに対向して前後にスライド移動可能なスライダー部に備えられることを特徴とするフォトバイオリアクターユニット。
【請求項2】
前記スライダー部は、所定の可動範囲で前後に前記LEDパネルを移動させるモータを備えていることを特徴とする請求項1に記載のフォトバイオリアクターユニット。
【請求項3】
前記ポンプから前記リアクターの流路入口迄の配管である第1配管と、
前記リアクターの流路出口から前記脱気タンクの流入管迄の配管である第2配管と、
前記第1配管と前記第2配管に配される三方弁との間を接続される第4配管とを設け、
前記第4配管は、前記リアクターのガラス管内を洗浄するピグのピグ移動通路であり、
前記ピグは、
前記リアクターのガラス管内径よりも大きな外径を有し、先端側には丸みの曲面形状を有すると共に、後端側にはピグ下流側に液体が漏れないように止水する所定の厚みを持つ止水部材を有し、かつ前記止水部材寄りの外周面には、複数本の回転切れ込み溝がそれぞれ傾斜して形成され、複数個の磁石が等間隔で円周方向に複数個埋め込まれた砲弾型のピグと、
前記リアクターのガラス管内径よりも大きな外径を有すると共に、両端側に所定の厚みを持つ止水部材を有し、複数個の磁石が等間隔で円周方向に埋め込まれている円柱形状のピグとを含み、
前記リアクターの配管外側に前記ピグに備えた磁石の磁力を感知する磁気センサーを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトバイオリアクターユニット。
【請求項4】
前記磁気センサーは、前記砲弾型のピグと前記円柱状のピグのいずれか一方又は双方が接近すると前記磁石の磁力を感知し、前記リアクターの管内における前記各ピグの管内移動速度が制御されることを特徴とする請求項3に記載のフォトバイオリアクターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉鎖系フォトバイオリアクター(PBR)で微細藻類等の光合成物を培養するに必要な一連の機器を搭載したフォトバイオリアクターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の推進により、温室効果ガスの削減や二酸化炭素(CO)の排出削減が叫ばれている。二酸化炭素の排出削減方法の一つとして、発生した二酸化炭素を藻類等が培養された培養液に吸収させ、光合成を行なわせる藻類培養方法があり様々な方法手法により行われている。
その内の一つである閉鎖系培養(ガラス管等の器具の中で閉鎖的に培養)を行う方法において、微細藻類等の光合成生物を培養するに当り、二酸化炭素を供給する機器などから構成された管状の閉鎖系フォトバイオリアクターがある。
【0003】
このような閉鎖系フォトバイオリアクターにおいて、特許文献1には、藻類培養育成に必要な光合成を助ける機器として、藻類培養装置内に位置して光合成反応に光を提供する蛍光管や、培養液から酸素を除去する水素による触媒変換器や、pH計による反応ガス(二酸化炭素)の供給制御などが開示されている。
また、非特許文献1には、フレーム全長が50m、高さが3.5m、ガラスチューブ(リアクター管)外径が65mm、チューブ総延長が約5kmという大規模なフォトバイオリアクターが実施されていることが開示されている。
このような大規模な閉鎖系フォトバイオリアクターを設置する場合、培養育成に必要な機器類も大型化して据付けることが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特公表平5-502158号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】オーピーバイオファクトリー株式会社ホームページ、オンライン[令和4年5月27日検索]インターネット<https://pavlova.jp/photobioreactor/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような大規模な閉鎖系フォトバイオリアクターの場合、リアクターや培養育成に必要とされる大型機器を据え付け後、必要に応じて自由に再据え付けすることも容易ではない。さらに、大規模の装置に併存して、中小規模においての藻類培養装置のニーズがある。
【0007】
そこで、管型の閉鎖系フォトバイオリアクターで微細藻類等の光合成生物を培養するにあたり必要とされる機器がコンパクト化されて移動可能とするフォトバイオリアクターユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題の目的を達成する第1の発明は、二つの平台車に搭載され移動可能な管型の閉鎖系フォトバイオリアクターに係るフォトバイオリアクターユニットであって、
前記平台車の一方には、
合成により培養液内の藻類を育成するガラス管からなるリアクターと、
前記リアクターと対向して光照射を行う発光装置と、
が搭載され、
前記平台車の他方には、
藻類を含む培養液を蓄え前記リアクターに循環させる循環タンクと、
前記循環タンクの培養液を前記リアクターに圧送するポンプと、
前記ポンプからの培養液を光合成に適した液温に調節する熱交換器と、
前記リアクターから排出された培養液に含まれた過飽和酸素を脱気し、前記脱気された培養液を前記循環タンクに戻す脱気タンクと、
が搭載され、
前記循環タンクは、藻類培養に必要な二酸化炭素が二酸化炭素ボンベから二酸化炭素流量計を経由して供給され、
前記脱気タンクは、前記循環タンクに隣接して設けられ、脱気を行うためにタンク内の培養液を空気で撹拌するエアレーションを備えると共に、脱気された気体と培養液とに分けて前記循環タンクに戻す連通路が形成されており、
前記連通路の上方側は不要な酸素等の排出ガスの抜け道を備え、前記連通路の下方側は空気注入により攪拌され脱気された培養液の流入道を備え、
前記リアクターは、複数の円筒状の培養受光面を有する透明なガラス管を多段式に接続して形成され
前記発光装置は、前記リアクターの大きさに対向して、複数のLEDが縦横に並ぶ矩形状に配列されたLEDパネルであり、
前記LEDパネルは、前記リアクターに対向して前後にスライド移動可能なスライダー部に備えられることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記スライダー部は、所定の可動範囲で前後に前記LEDパネルを移動させるモータを備えていることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記ポンプから前記リアクターの流路入口迄の配管である第1配管と、
前記リアクターの流路出口から前記脱気タンクの流入管迄の配管である第2配管と、
前記第1配管と前記第2配管に配される三方弁との間を接続される第4配管とを設け、
前記第4配管は、前記リアクターのガラス管内を洗浄するピグのピグ移動通路であり、
前記ピグは、
前記リアクターのガラス管内径よりも大きな外径を有し、先端側には丸みの曲面形状を有すると共に、後端側にはピグ下流側に液体が漏れないように止水する所定の厚みを持つ止水部材を有し、かつ前記止水部材寄りの外周面には、複数本の回転切れ込み溝がそれぞれ傾斜して形成され、複数個の磁石が等間隔で円周方向に複数個埋め込まれた砲弾型のピグと、
前記リアクターのガラス管内径よりも大きな外径を有すると共に、両端側に所定の厚みを持つ止水部材を有し、複数個の磁石が等間隔で円周方向に埋め込まれている円柱形状のピグを含み、
前記リアクターの配管外側に前記ピグに備えた磁石の磁力を感知する磁気センサーを備えていることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記磁気センサーは、前記リアクターの流路出口側と前記第1バルブとの間に設けられ、前記砲弾型のピグと前記円柱状のピグのいずれか一方又は双方が接近すると前記磁石の磁力を感知し、前記リアクターの管内における前記各ピグの管内移動速度が制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、管型の閉鎖系フォトバイオリアクターで微細藻類等の光合成生物を培養するにあたり必要とされる機器がコンパクト化されて移動可能とするフォトバイオリアクターユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本実施形態に係るフォトバイオリアクターユニットを模式的に示す全体図である。
図1B】本実施形態に係る二酸化炭素供給を模式的に示す図である。
図2】本実施形態に係る循環タンクと脱気タンクを模式的に示す図である。
図3】本実施形態に係る制御システムの機能ブロック図である。
図4】本実施形態に係る光照射装置の概略図である。
図5】(a)は本実施形態に係るpH計による流量制御のフロー図で、(b)は本実施形態に係る溶存酸素計による流量制御のフロー図で、(c)は本実施形態に係る日射量による流量制御のフロー図である。
図6】本実施形態に係るピグの一形態の形状を示す図で、(a)は側方の図で、(b)は後方の図である。
図7】本実施形態に係るピグの他の一形態の形状を示す図で、(a)は側方の図で、(b)は後方の図である。
図8A】本実施形態に係るピグ送入機構の概略図である。
図8B図8Aの本実施形態において、(a)は、ピグ送入が実施されていない通常時を、(b)はピグ送入機構のピグ送入の状態を、(c)はピグ送入機構のピグ送りによる洗浄開始の状態をそれぞれ示す図である。
図9A】他の実施形態に係るピグ送入機構の概略図である。
図9B図9Aの他の実施形態において、(a)は、ピグ送入が実施されていない通常時を、(b)はピグ送入機構のピグ送入の状態を、(c)はピグ送入機構のピグ送りによる洗浄開始の状態をそれぞれ示す図である。
図10】本実施形態に係るピグ洗浄における他のピグ送入を示す図である。
図11】本実施形態に係るピグ洗浄における他のピグ挿入を示す図である。
図12】本実施形態に係るピグ洗浄のリアクターでのピグ移動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[フォトバイオリアクターユニット]
本実施形態に係るフォトバイオリアクターユニット(以下、単にユニットという。以下同じ。)は、車輪のある二つの平台車に搭載され移動可能な管型の閉鎖系フォトバイオリアクターに係るユニットであって、平台車の一方には、藻類を含む培養液を光合成により当該藻類を育成するガラス管からなるバイオリアクター(以下、単にリアクターという。以下同じ。)と、リアクターと対向して光照射を行うLED発光装置と、が搭載され、平台車の他方には、リアクターに藻類を含む培養液を蓄え循環させる循環タンクと、循環タンクの培養液をリアクターに圧送するポンプと、ポンプからの培養液を光合成に適した液温に調節する熱交換器と、リアクターから排出された培養液に含んだ過飽和の溶存酸素が脱気され、脱気された培養液を循環タンクに戻す脱気タンクと、が搭載されている。これら主な機器類及び付帯的な計器類等について配置され模式化された図に基づき、以下、詳細に説明する。
【0012】
図1Aは、本実施形態に係るフォトバイオリアクターユニットを模式的に示す全体図である。先ず、図1Aに示すように、本発明のユニット1は、藻類を含む培養液Mを光合成により当該藻類を育成するリアクター2と、リアクターと対向して光照射を行うLED発光装置40と、は、図面の左側に配置される第1の平台車Aに載置されている。そのリアクター2に藻類を含む培養液を蓄え循環させる循環タンク3は、リアクター2と反対側の図面の右側に配置され、第2の平台車Bに搭置されている。第2の平台車Bには、循環タンク3の培養液をリアクター2に圧送するポンプ4が循環タンク3の流路出口である下方に配置され、ポンプ4からの培養液をリアクター2の光合成に適した液温に調節する熱交換器(ヒータチラー)5がリアクターの流路入口側の下方でポンプ4とリアクター2との中間的に配置され、リアクター2の上方の出口から排出された培養液に含んだ溶存酸素を脱気する脱気タンク6が図面の右端側に配置されている。そして、これらの一連の機器は、培養液Mの連絡流路となる配管(第1配管7、第2配管8、第3配管9、第4配管10)が物理的に接続されている。なお、本実施形態では平台車は2台としているが、これに限定されるものではない。
【0013】
第1配管7は、ポンプ4からリアクター2の流路入口2a迄の配管である。第2配管8は、リアクター2の流路出口2bから脱気タンク蓋62に流入管63迄の配管である。第3配管9は、第2配管8から第1配管7への流路を形成するように分岐される配管である。第4配管10は、第1配管7のバルブ73と熱交換器5との間の位置と、第2配管8の三方弁81の切替の一つ(支流方向)とが接続されている配管である。
【0014】
先ず、リアクター2を搭載している第1の平台車Aは、ストッパー付きの車輪aを有し矩形状で約3mx約1mからなる。リアクター2は、リアクターフレーム22により平台車A上に固定支持される。
また、リアクター2以外の一連の機器を搭載している第2の平台車Bは、ストッパー付きの車輪bを有し、一連の機器を直列に配置される矩形状で、長さが約3mで、幅の長さが約1mからなる。一連の機器は、第2の平台車B上にそれぞれボルトナット等の固定手段で固定される。
【0015】
これにより、一連の機器を搭載している第2の平台車Bはそのままの配置位置とし、第1の平台車Aのみを移動させて日射量の多い方向にリアクター2の向きを配置調節できる。なお、このように平台車Aと第2の平台車Bは、別体のため単独で自由に移動できるが、第1の平台車Aと第2の平台車Bを連結して一体化することも可能である。また、第1の平台車Aと第2の平台車Bをそれぞれ用いて移動可能、可搬可能で、取り回しが容易である。
【0016】
リアクター2は、培養液Mに含まれる藻類に光合成を行うための光を透過可能な材料であるガラス管を用い円筒の管状に形成され、長さが2.5mで直径65mmのガラス管12本の端部をU字管で結合している。これにより、約100Lの容量を培養育成処理ができる。
また、円筒の管端部をU字管で繋ぎ、上下方向に多段的に管路(流路)が形成される。このようなリアクター2の管路間の繋目は、例えば、管路の洗浄用ピグ(後述する図7参照。)が管内を止まらずに円滑に進むように隙間や段差が発生しないように結合されている。
【0017】
また、図1Aにおいて、横向き(鉛直軸方向と直交する水平方向)にリアクター2のガラス管21が多段式に並べられているが、本実施形態では、図4に示すように、リアクター2は、複数の円筒状の培養受光面を有する透明なガラス管21を傾斜構造とさせて多段式に形成されコンパクトな形状のユニットとしている。つまり、単に、横並び縦並び、或いは円螺旋状(スパイラル)にして複数のリアクター管を形成して配置しただけではない。
【0018】
このように円筒状のガラス管21をU字管で繋いで多段式に傾斜配置とすることによりリアクター2の設置面積を抑えつつ、リアクター2の表面積を増やすことができる。この結果、藻類に対して光合成可能な波長の光をより多く照射することができる。
【0019】
なお、ガラス管21を傾斜させ多段式の形態に限定されず、藻類の種類、リアクターの容量並びに設置場所によっては、横並び縦並び、或いは円螺旋状(スパイラル)に複数のリアクター管を形成する形態としても良い。
【0020】
ここでのリアクター2のガラス管21は、軟化温度が高く熱膨張係数が小さく化学的に安定であるケイ酸(SiO)ガラス管が用いられているが、これに限定されることはなくソフトプラスチック(LDPE)等の光透過性を有する樹脂製のものを用いても良い。
また、最下段の管路には、第1配管7と接続されて培養液が供給されリアクター2への流路入口2aと、第2配管8と接続されて培養液がリアクター2から非出される流路出口2bが設けられている。
【0021】
循環タンク3は、リアクターに藻類を含む培養液Mを蓄え循環させるためのタンクで、タンク本体31はユニット化のため高さを例えば約1mとし、循環タンク蓋32と、排気管33を有する。タンク本体31は、槽状の空間で、循環タンクフレーム36により支持されている。この循環タンクフレーム36は第2の平台車Bにボルトナット等の固定手段で固定される。
また、循環タンク蓋32は、例えば板状で、ごみ等の異物が入らないようにタンク本体31の上部を閉塞している。
【0022】
また、循環タンク3には、図2の記号「▽」の液位まで藻類を含んだ培養液Mが満たされている。このため、液位レベル計(図示せず。)が循環タンク3内の培養液Mの液位を検出して、この液位レベル計の検出結果に基づいて、培養液Mの液位(記号「▽」)が絶えず所定値範囲となるように制御可能とされる。また、液温計(図示せず。)が循環タンク3内の培養液Mの液温を検出して、この液温計の検出結果に基づいて、培養液温度が絶えず所定値範囲となるように制御可能とされる。
【0023】
循環タンク3には、循環タンク蓋32から突出したU字管を備えた排気管33が設けられている。これにより、脱気タンク6から循環タンク3内に流れ込んだ培養液に悪影響を及ぼす不純物、例えば、窒素や酸素、残留二酸化炭素が大気中に放出される。外部からの異物混入が無いように排気管33の外側先端にフィルタ33aが設けられている。また、循環タンク3の出口には、循環タンク3からの培養液の流れを止めるための仕切弁37が設けられている。
【0024】
また、循環タンク3の排気管33の出口近傍の二酸化炭素濃度を計測するCO計38が外部に設けられており、その測定結果は制御システム11に入力され、所定の濃度でない状態の場合はアラートが出るようにしている。このCO2計38により、培養液Mから発散されるガス中の二酸化炭素濃度を知ることができる。
【0025】
循環タンク3には、図1Aに示すように、循環タンク蓋32を介して循環タンク本体31内に挿入される二酸化炭素供給部35が設けられており、藻類培養に必要な二酸化炭素が循環タンク本体31内に供給管34から供給されている。
そして、図1Bに示すように、この二酸化炭素供給部35は、本実施例では第2の平台車B近傍に設置されている液体二酸化炭素ボンベCに接続されている(図1Aの符号※1と図1Bの符号※1とが繋がる)。また、循環タンク3の二酸化炭素供給部35に例えばエアストーン(図示せず。)等の散気手段を接続しても構わない。なお、液体二酸化炭素ボンベCは、第1の平車台A、第2の平台車Bには載置されていない。
【0026】
また、図1Bに示すように、二酸化炭素ボンベCには電磁弁C1付きのレギュレータC2が接続されている。このレギュレータCc2は、二酸化炭素ボンベCに充填された液化ガスの圧縮ガスを安全に減圧して取り出す役目がある。そして、制御システム(制御盤)11からの信号入力に基づいてCO調節弁C3で圧力調整され、二酸化炭素が二酸化炭素ボンベCから供給され、CO流量計C4を経由して二酸化炭素供給部35から吐出される。これにより、培養液M中に二酸化炭素を供給することができる。二酸化炭素ボンベCからの圧力は、例えば10Mから0.1MPaとしている。
なお、本実施形態では電磁弁C1とレギュレータC2が別体のものであるが、一体型のものを使用しても構わない。
【0027】
また、図1Bに示すように、CO調節弁C3の川下に、CO流量計C4が取り付けられており、培養液中に供給される二酸化炭素ガスの流量を測定することでデータロガー(図示せず)に格納し、制御システム11を介して作業管理者が確認できる。このように二酸化炭素を供給することにより、循環タンク3内の滞留した培養液Mを撹拌することが可能になるため、微細藻類の発育を促進させることができる。
【0028】
脱気タンク6は、光合成を終え、リアクター2の出口から排出された培養液に含んだ溶存酸素などの炭酸イオンを脱気するためのタンクである。タンク本体61はユニット化のため高さ約1mとし、脱気タンク蓋62と、脱気タンク蓋62に流入管63を配置する。タンク本体61は、槽状の空間で、その底面には、タンク本体61内部の清掃時のドレン抜き用のドレン弁65が設けられている。タンク本体61は、脱気タンクフレーム66により支持されている。この脱気タンクフレーム66は、第2の平台車Bにボルトナット等の固定手段で固定される。
また、脱気タンク蓋62は、例えば板状で、ごみ等の異物が入らないようにタンク本体61の上部を閉塞している。
【0029】
また、脱気タンク6には、第2配管から流入した溶存酸素を含んだ培養液Mで満たされている。このため、液位レベル計(図示せず。)が脱気タンク6内の培養液の液位を検出して、この液位レベル計の検出結果に基づいて、培養液Mの液位(図2の記号「▽」)が絶えず所定値範囲となるように制御可能とされる。
【0030】
脱気タンク6には、図1Aに示すように、脱気を行うために脱気タンク6内の培養液Mを空気にて攪拌するエアレーション64を備え、脱気された気体と培養液とに分けて循環タンク3に戻す連絡路67を備えている。具体的には、空気圧縮機12からのエアが脱気タンク蓋62を貫通した流入管63を介して脱気タンク6内に供給されるエアレーション64が設置されている。これにより、脱気タンク6内の滞留した培養液Mを撹拌や脱気することが可能になり、この結果、内部の過飽和の酸素が除去されるので、微細藻類の発育を促進させることができる。この空気圧縮機12からは、所定圧力の圧力空気は、0.5から0.7MPaを吐出するように構成されている。
【0031】
具体的には、図1Aに示すように、空気圧縮機12の※2から脱気用弁12aの※2に接続され、フィルタレギュレータ12bと除菌フィルタ12cを介して異物の無い空気が空気流量計12dを経由してエアレーション64から吐出される。これにより、培養液中に空気を供給することができる。
【0032】
また、図1Aに示すように、空気圧縮機12の※2から弁作動用弁12eの※2に接続され、フィルタレギュレータ12fとマニアルドライヤ12gを介して電磁弁ボックス12hから各バルブ(弁)が切替制御される。
【0033】
また、図2に示すように、脱気タンク6と循環タンク3とは連通路67が形成されて繋がっており、連通路67の上方側が、不要な酸素等の排出ガスの抜け道(矢印符号p)に、連通路67の下方側が、空気注入により攪拌され脱気された培養液Mの流入道(矢印符号q)となっている。そして、脱気タンク6の酸素等の不要となった排出すべきガスについては、その排出ガスの抜け道(矢印符号p)を通り、循環タンク3の排気管33により外部(大気中)に放出される。
【0034】
これにより、特許文献1における水素による酸素除去の触媒装置のような複雑な構成を取ることなく、本発明のとおり、脱気タンクにエアレーションを設けるだけで酸素を除去することが可能である。
【0035】
次に、一連の機器の間を連通して培養液Mの流路となる第1配管7から第4配管10までと、これらの配管上に配置された機器等について説明する。
【0036】
第1配管7は、循環タンク3からリアクター2までの流路である。配管素材は、ステンレス鋼サニタリー管(JIS G3447)の2.5Sである。
ポンプ4側からリアクター2側に向かって、藻類培養な環境を整える主な機器類として、第1液温計71、圧力計(PG計)72、バルブ73、熱交換器5、第2液温計75の順に配置されている。
【0037】
第1液温計71は、循環タンク3の出口側に備えられ培養液Mの液中の温度を測定する。この液温計71は、例えば、バイメタルの膨張を利用したバイメタル式の工業用液温計である。この測定結果は、制御システム11に送られ、ポンプ4の流量制御のインバータ(図示せず)への制御信号として用いられる。
【0038】
ポンプ4は、循環タンク3からの培養液Mをリアクター2に圧送し循環させるものである。培養液Mの循環は、藻類にダメージの少ないマイルドな回転の容積式ポンプを用いてインバータにより循環液量が任意に変更できることが好ましい。つまり、回転式ポンプの強い流れによって培養液Mが供給されると、その強い流れによって培養される微細藻類の種類によっては藻類がちぎれて固形化されない培養阻害のおそれがある。これを回避するため、一定容積にある分量だけ流れる容積式ポンプを用いることで、微細藻類の育成に沿った緩やかな流れとしている。よって、回転数の高い回転式ポンプではなく、回転数の低い容積式ポンプが用いられる。
【0039】
圧力計(PG)72は、第1配管7を流れる培養液Mの流量の圧力測定と、制御システム11において所定の演算プログラムによって、圧力測定結果に比例するポンプの出力流量について算出するデータとなる。これにより、ポンプ4からの培養液Mの圧送程度や出力流量が指示された制御に合致しているかが把握できる。また、圧力計(PG)72の位置に流量計を配置して、ポンプ4からの流量を適切であるか直接的な把握をすることもできる。
【0040】
バルブ73は、ポンプ4のメンテナンス用である。
【0041】
次に、本発明のフォトバイオリアクターユニット1には、ポンプ4からリアクター2の流路入口2a迄の配管である第1配管7と、リアクター2の流路出口2bから脱気タンクの流入管迄63の配管である第2配管8と、第1配管7と第2配管8に配される三方弁との間を接続される第4配管10とを設け、第4配管10は、リアクター2のガラス管21内を洗浄するピグのピグ移動通路であることを特徴としている。以下、説明する。
第4配管10は、このバルブ73と熱交換器5との間の第1配管7の位置と、第2配管8の三方弁(三方切替弁ともいう。)81の切替の一つ(支流方向)に接続されている。配管素材は、例えばステンレス鋼サニタリー管(JIS G3447)の2.5Sである。この第4配管10は、リアクター2のガラス管21内の微細藻類の刮ぎ取り用ピグ101及び薬液洗浄用ピグ102を通過させる目的で配置されピグ用移動通路であって、リアクター2のガラス管21と連通した一巡できるループを形成している。この場合、ピグは第2配管の三方弁81から第4配管10を介して第1配管7へと移動する(図1では上方から下方に向かう矢印とピグ100を示す。)。
【0042】
さらに、図1Aに示すように、第4配管10は、第1配管7と接続される手前から傾斜(符号10c参照。)しながら第1配管7へと接続されている。これにより、ピグが第4配管10から第1配管7に衝突することなくスムーズに乗り換え移動することができる。
【0043】
第4配管10には、ピグ101,102がリアクター2に向かって、水道水圧送により押出されるように、水供給水供給部13が備えられている。清水は、第4配管10に接続される配管にバルブ13aを設けて、水の流量を電磁弁制御されることで調整しつつ供給される。したがって、ピグの挿入及び回収の位置は第4配管10上の水供給される接続場所より第1配管7寄り側とされる。
また、培養液Mの濃度が高まった場合においても清水が供給されることができ、清水の液温は、川下にある熱交換器(ヒータチラーともいう、以下同じ)5で調整される。なお、本実施形態では、水供給部13を第4配管10に接続配置していが、これに限定されることなく、熱交換器5によって温度調整できる位置で、第1配管7上でも構わない。
【0044】
また、第4配管10と第3配管9との連通路が設けられ、その連通路に電磁弁10aが配置されている。この電磁弁10aの開閉によって、第4配管10からの培養液Mが第3配管9側に流れる。そして、第4配管10内の培養液Mの状況が電磁弁10bを開き回収サンプリングを行うことで分かる。
【0045】
熱交換器5は、ポンプ4からの培養液をリアクター2の光合成に適した液温に調節するために、リアクター2の下方の流路入口2a前に配置されている。これにより、熱交換器5の内部を流れる培養液Mの液温を任意の温度に制御できる。
【0046】
熱交換器5を備えている理由は、屋外用の大規模なフォトリアクターである場合、散水装置を別個に設けて、リアクター2を散水することによりガラス管21を冷却することが可能であるが、そのような散水装置を設けずに本発明のユニット1はコンパクト化して、第1の平台車Aに搭載して移動可能な形態とするためである。このように、熱交換器5を備えることで、散水して冷却する手段を備えていないことも本発明の特徴の一つである。
【0047】
熱交換器5の内部にはヒーター(図示せず。)が設置されており、制御システム11からの信号入力に基づいてヒーター電源をONとし、培養液Mが加熱されることで培養液Mの温度を上げることができる。
また、熱交換器5には、冷却用のチラー5aが接続されている。そして、制御システム11から信号入力に基づいてチラー電源をONとし、冷却することで培養液Mの温度を下げることができる。
このように熱交換器5を使用した温度調節機能により、藻類培養の環境要因について好ましい所定の温度(例えば20℃から23℃)に制御されるように構成されている。
【0048】
また、熱交換器5は、一般的に体積、重量が大きいため、ユニット化において、配置スペースを取らないように小型化している。このため、なお、図1Aに示すように、冷却用のチラー)5aと別体として冷水を供給する構成であっても構わないが、実施形態では、冷却用のチラー(冷)5aと圧送ポンプ(図示せず。)を内蔵している。
【0049】
さらに、熱交換器5の入口となる第1配管7に設置された第1液温計71と熱交換器5の出口(川下)側に備えられている第2液温計75で測定した培養液Mの温度の測定データと比較して、ヒーター又はクーラーの電源のON/OFFを制御するための基準となる温度の指定と、電源のON/OFF制御を行う間隔の時間を制御システム11のスケジュール管理部11dに設定登録することにより自動制御することができる。または、単に第2液温計75による測定温度だけで熱交換器5の温度制御することでも構わない。
【0050】
これにより、夏場、冬場の温度差が激しい場合であっても、培養液Mを冷却するための散水装置を設けることなく、季節を問わずに微細藻類の培養育成ができる。
【0051】
また、第2液温計75は、例えば、バイメタルの膨張を利用したバイメタル式の工業用液温計である。この測定結果は、後述する制御システム11に送られ、第1液温計71の測定結果と対比され、ポンプ4の流量制御のインバータ(図示せず。)の制御信号として用いられる。
【0052】
第2配管8は、リアクター2から脱気タンク6までの流路となる。配管素材は、例えばステンレス鋼サニタリー管(JIS G3447)の2.5Sである。
第2配管8には、リアクター2から脱気タンク6に向かって、電磁制御が可能な三方弁81が設けられ、三方弁81の切り替えにより、脱気タンク6への流路の本線と分岐し支線となる第4配管10へと流路が形成される。第4配管10は、上述のとおり、リアクター2の洗浄手段のためのピグ通路である。
【0053】
第3配管9は、第2配管8から第1配管7への流路を形成するように分岐される配管である。素材は、例えばステンレス鋼サニタリー管(JIS G3447)の1.5Sである。第3配管9には、内的環境要因である溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計91、pHを測定するpH計92、浮遊物等測定する混濁度計(「濁度計」ともいう)93の測定機器(センサー)類が配置されている。これらの測定機器類は、ユニット化のため小型軽量化すべく、測定槽を用いない第3配管9への埋め込み型が用いられる。
【0054】
これら測定機器類のモニター監視を常時することによって、微細藻類の光合成効率(生産効率)を最適化することができるともに、ポンプ4の制御信号として用いられ藻類培養に適した循環流量の変更ができる。
なお、溶存酸素濃度計91、pH計92、混濁度計93を測定する測定機器類を第3配管9に設けないで、第2配管8に配置されても構わない。その場合には第3配管9は要しない。
【0055】
溶存酸素濃度計91は、微細藻類に光があたると、二酸化炭素を吸収して酸素を回収することから、その溶存酸素量を測定する。水中に溶解している酸素(Dissolved Oxygen)を計測でき、その濃度は単位容積当たりの酸素量(mg/L)で表す。光合成による培養プロセスにおいて溶存酸素を計測することは、培養経過を監視する基本的かつ重要な仕様とされる。なお、通常の測定関連で用いられる溶存酸素濃度計であるため、ここでの説明は省略する。
【0056】
pH計92は、光合成によって二酸化炭素を吸収して酸素を回収するとpH値があがり、そのpH値を測定する。なお、通常の測定関連で用いられるpH計であるため、ここでの説明は省略する。
【0057】
混濁計(浮遊物濃度計)93は、培養液Mの中の濁りの元となる浮遊懸濁物質の量を測定する。なお、通常の測定関連で用いられる混濁計(浮遊物濃度計)であるため、ここでの説明は省略する。
【0058】
そして、これら計器類の測定結果はデータロガーに格納され、図3に示す制御システム11の通信部を介して作業管理者PCに通知され、時間スケール毎にグラフ化されて常時モニター監視されるとともに制御システム11によって、微細藻類の光合成効率(生産効率)を最適化することができる。
【0059】
また、第3配管9には、これらの計器類が配置されている前後の場所に、流路を止めるバルブ9a、9bの2つが配置されている。そのバルブ9bの先には循環タンク3の流路出口で液温計71の流路前に接続されて、計器類からの培養液Mが第1配管7に戻すように合流している。
【0060】
本実施形態は、ユニット1に備えられた上述の機器類を用いて、コンパクトに微細藻類培養を可能とするに適した環境を整えるように種々制御できる制御システム(制御盤)11を備えている。具体的には、コンピュータが入った箱型で表面には扉を有している。制御システム(制御盤)11は、図1Aの第2の平台車Bの左側に配置され、図3に示される種々の制御処理を行う。また、制御システム11の入力情報と出力情報(制御信号)は、図3に示すように、各制御プログラムに対応している。制御プログラムの事例として、次のとおりである。
【0061】
(1)光量判定制御:光量計50からの入力によりリアクター2への光照射されるLED(パネル)制御を可能とする。
(2)流量判定制御:溶存酸素濃度計91とpH計92と混濁計93の測定結果が好ましくない数値であればポンプ4の流量増するためにインバータ制御可能とする。また、外気温計52と液温計71との対比により所定温度以上であればポンプ4の流量増するためにインバータ(INV)制御を可能とする。
(3)CO判定制御:pH計92により光合成に必要な二酸化炭素が不足しているならば流量増とするCO調節弁制御可能とする。
(4)空気圧縮制御:溶存酸素濃度計91により脱気に必要な空気が不足しているならば空気流量増の脱気弁制御可能とする。
(5)チラー判定制御:外気温計52と液温計71との対比により所定温度でなければ熱交換器5の温冷制御可能とする。
(6)ピグ洗浄制御:混濁計93によりピグ100による洗浄時に、ピグ移動の近接センサー(図示せず)によりピグ操作のピグ電磁弁を制御可能とする。
(7)上記の制御プロプラムに応じてユニットに備えられた機器類の操作に伴う自動弁を空気制御可能とする。
【0062】
制御システム11は、図3に示すように、上記で説明した測定機器類の測定結果を入力インターフェースである入力部11aと、これを記憶しデータロガー化する他、制御プログラム等を記憶する記憶部11bと、制御プログラム演算結果に基づき制御するため各機器類への制御指令を出力する出力部11c、制御プログラムの起動終了をタイマー設定するスケジュール管理部11dと、これらの入力、出力及び制御状況を表示する表示部11e、作業管理者が直接操作可能な操作卓11f、作業管理者PCと制御信号を送受する通信部11g、これら部署に電源供給する電源部11hを備えている。また、電源部11hは、外部電源の他、非常用のバッテリも備えている。
【0063】
このように、制御システム11は、培養液Mの培養環境を制御するための各種機器に制御信号を出力するためのPWM出力や無線通信機能を備えたコンピュータである。また、データロガーが接続されており、培養環境に関する各種の測定データを収集して保存することができる。そして、制御システム11では、作業管理者はパソコンや携帯通信端末のソフトウエアを使用することにより、微細藻類の培養条件を任意に設定して培養処理を行うことができる。
【0064】
さらに、作業管理者のパソコン(PC)や携帯通信端末のソフトウエアの他に人口知能(AI)プログラムにより制御システムに適した制御信号による制御を選択可能としている。培養環境に関する各種の測定データの入力とその制御出力とを教師信号とし、種々に異なる藻類に適応して信頼度を上げることができる。
【0065】
また作業者は、パソコンや携帯通信端末ではなく、直接、制御盤の表示部11eを確認しながら操作卓11fにより制御可能である。例えば、表示部11eの画面で培養条件に関する各種パラメータの確認や設定を行うことができ、設定画面の「溶存酸素」「pH」「混濁」のボタンを押すと、現時点の数値やこれまでの経過を時間単位でのグラフを表示することがきる。
【0066】
次に、本発明の主な制御機能の実施形態を詳細に説明する。
[光量計によるLED光量調整]
図4は、光量計50,51に基づき自動制御される光照射装置(以下、LED発光装置という。)40の構成図で、複数のLED41がリアクター2のガラス管に対して光照射している状況(光の矢印符号)が分かる。LED発光装置40は、複数のLED41を搭載しており太陽光との併用受光運転ができる。
【0067】
光量計50は、リアクター2の上方近傍に配置され、光量計51はリアクター2の下方近傍に配置されている。これらの光量計50、51は、どちらか片方だけでも構わないが、リアクター2及びLEDパネル44からは、詳細なデータを得るために複数設けることが好ましい。
【0068】
LED発光装置40は、複数のLED41が配列されたLEDパネル44がリアクター2に対向して前後にスライド移動可能なスライダー部45に備えられている。すなわち、図4に示すように、このLED発光装置40は、第1の平台車Aにリアクター2とセットで搭載されており、リアクター2の日射を受ける側を前側(図面では右側)とすると、後ろ側(図面では左側)に対向して配置されている。第1の平台車Aの上では、リアクター2のリアクターフレーム22と、LED発光装置40を構成するLED41が配列されたLEDパネル44が前後(符号の矢印X1、X2)に可動範囲内でスライド移動できるように天井部43側にスライダー部45が備えられている。
【0069】
LED発光装置40は、光量計50、51と連動し、曇天時や夜間の藻類に対するLED光量調整が可能である。そのため、藻類が光合成可能な波長の光を照射され光を効率的に供給することができるように、LEDパネル44をこのスライダー部45に沿って可動範囲で前後に移動させるため圧力空気や電動式のモータ(図示せず。)を有している。また、LEDパネル44は、モータからの駆動力が伝達機構を介して伝達されることにより前後(矢印符号X)に移動するようになっている。このモータの制御は、制御システム11からの信号により行われる。なお、本実施形態では、制御システム11による自動制御としているが、手動切替装置(図示せず。)により手動又はリモコン操作によりLEDパネル44を前後に移動しても構わない。
【0070】
LEDパネル44は、複数のLED41が縦横に並ぶ矩形状で、LED41の取付側にアルミが反射板として用いられている。
また、LED41は、光合成に有効な波長を含む白色光ダイオードで、一例として、光合成光量子束密度PPFDは600μmol/m2・sで、22Wx28本としている。調光方式はPWM方式である。
【0071】
LED制御の一例として、例えば、LEDの数優先と照射距離のモードが用意されている。図4において、LEDの数優先モードは、LEDの数が最大時でも光量が不足している場合は、LEDパネル44を自動で、符号X1から符号X2の位置にスライドさせてLED41を近づけリアクター2のガラス管21に当たる光量を増加させる。
なお、光合成がリアクター2で均一的に行われるには、全体的で満面的にLED41によって照射されるのが好ましい。
【0072】
照射距離優先モードは、スライダー部45を自動で可動範囲内での距離を符号X1と符号X2の位置をスライドさせて、リアクター2のガラス管21に当たる光量を調節することができる。さらに、光量が不足している場合にはLED41の数を増やすことができる。
【0073】
また、異なるLED制御の事例として、例えば、光量計50、51からの測定データを強度から弱度の5段階に分けて、5段階の光量度合に適応するLEDパネル44の前後距離を同様に5段階に設定する。そして、光量計50,51から測定データを逐次更新させて制御システム11に入力されることにより、その出力がモータを正転又は逆転駆動することによって自動的にLEDパネル44が前後するようになっている。
【0074】
これにより、リアクター2にとって光合成に必要な光量が均一に得られる。このようなLED制御は、制御システム11にてプログラム化されている。
【0075】
これにより、特許文献1においては蛍光管がフォトバイオリアクター内部或いは外部に固定されるため光の提供度合の調整制御することができなかったが、本発明のLED発光装置は光合成に適応した光調節制御が可能である。
【0076】
また、図に示していないが、リアクター2に近傍に複数のカメラが配置されていて、リアクター2のガラス管21内部の状況、例えば、藻類の固形化の状況や汚れの程度が、作業管理者PCにおいてリモート上で高倍率に拡大し、顕微鏡画像とし目視できるようにしている。さらに、撮影された画像をデータロガーに格納して保存している。
【0077】
[培養液の循環流量の制御]
ユニット1において、微細藻類等の光合成生物を培養するにあたり、光合成を促進させ生長増殖させるためには、太陽光にできる限り当てる必要がある。しかし、一方で培養液も温められ、夏季は外気温の+10℃程度は高くなる。このため、猛暑では培養生物が死滅するほど液温が高まってしまうと、培養育成そのものを停止しなければならず問題となる。
【0078】
特に、管型の閉鎖系フォトバイオリアクターでは、レースウェイと異なり、外気に接していない分、溶解した炭酸イオンがガスとして逃げることがない一方、構造上、二酸化炭素を吹き込む位置を必要に応じ自由に設置することが難しい。このため培養する藻類種の沈降性・浮上性・凝集性を考慮し、リアクター2のガラス管21内部の流速を微細藻類が沈殿や滞留しないようにガラス管21内で維持すべき最低限の流量を確保することが求められる。
【0079】
すなわち、数ミクロン程度の微細藻類は流量によっては流されるしまう一方、流量が無いと大きめ藻類は固形化し沈殿するもあり、さらに動く藻類であると勝手に動いてしまうおそれがある。また、日射量の少ない時間帯や雨模様であれば、光合成が抑えられるので流量を多くする必要もない。
【0080】
そこで、最低の流速を維持しつつ、天候や培養濃度に応じ、光合成で消費する二酸化炭素が不足しないように短い滞留時間で循環する必要がある。しかし、常に早い流速をポンプ4で与えると、電力消費がかかり、また微細藻類に生物的なダメージも与えてしまうので、必要に応じたポンプ4の流量制御が望ましい。
【0081】
そこで、最低限の流量は確保しつつ、リアクター2のガラス管21内の二酸化炭素不足が局部的に発生しないよう、リアクター2全体の滞留時間を考え、モータ4のインバータ(図示せず。)で自動的にポンプ流量を可変させ、さらにポンプ4の回転制御を行うインバータへのフィードバック制御することで、より正確で適切な流量にする循環流量の自動制御ポンプシステムとしている。なお、本実施形態では、インバータの最低回転数を設定し循環培養液の最低流量としている。
【0082】
次に、環境要因を測定するための計器類の内、溶存酸素濃度計91、pH計92、光量計50,51の入力結果に基づきポンプ流量を可変する制御について、図5(a)、(b)、(c)のフローを用いて説明する。この図5(a)はpH、(b)は溶存酸素(DO)、(c)は光量(日射量)と、いずれの主要測定項目が相違するもののフロー流れは、基本的に共通している。
【0083】
これらの計器類の主要測定項目は、単独または複合的に制御に用いられる。図に示していないが、制御に用いられる主要測定項目が循環流量を自動制御するポンプ4に反映するか否かの設定を行い、主要測定項目を反映する場合の優先順位の設定を行う。例えば、図5(a)の目標pH、(b)の目標溶存酸素(DO)のうち、1位が目標溶存酸素(DOが範囲内で、2位が目標pH範囲外の場合、2位の目標pHを優先的に範囲内になるように優先制御される。
【0084】
先ず、本実施形態は、図5(a)において、目標pH値が任意の数値以下で不足状況になる場合段階的に流速を高め、逆に任意の数値に戻るに従い流速を段階的に戻すものである。自動制御されるポンプ4は、一定容積にある分量だけ流れる容積式ポンプであり、所定の時間単位毎の流量増をXm/h及び、流量減をYm/hで示している。なお、所定の時間単位毎の流量増をXm/h及び流量減をYm3/hについては、育成する藻類によって異なるなっている。
【0085】
フロー図では、ステップS1において目標pH値が任意の数値以下ならば、ステップS2において循環流量増(Xm/h)とし、ステップS3においてタイマー設定による所定の時間に任意の数値になるようにインバータ制御によるポンプの流速を段階的に操作し、ステップ1に戻り再度判定するものである。一方、フロー図では、ステップS1において目標pH値が任意の数値以上ならば、ステップS4において循環流量減(Ym/h)とし、ステップS5においてタイマー設定による所定の時間に任意の数値に戻すようにインバータ制御によるポンプ流速を段階的に操作し、ステップS1に戻り再度判定することを繰り返すものである。
【0086】
また、pH計92によりpH値が目標値より上昇したことを検知すると、制御システム11の制御によりCO調節弁C3の開閉バルブが開き二酸化炭酸ガスが供給され培養液に供給される(図1B参照。)。
【0087】
次に、図5(b)において、溶存酸素(DO)が任意の数値以上にならないよう酸素発生量が増えた場合段階的に流速を高め、逆に溶存酸素が低下する傾向を示した場合に流速を段階的に戻すものである。自動制御されるポンプ4は、一定容積にある分量だけ流れる容積式ポンプであり、所定の時間単位毎の流量増をXm/h、流量減をYm/hで示している。
【0088】
フロー図では、ステップS11において目標溶存酸素(DO)値(mg/l)が任意の数値以上ならば、ステップS12において循環流量増(Xm/h)とし、ステップS13においてタイマー設定による所定の時間に任意の数値になるようにインバータ制御によるポンプ流速を段階的に操作し、ステップS11に戻り再度判定するものである。一方、フロー図では、ステップS11において目標溶存酸素(DO)値(mg/l)が任意の数値以下でならば、ステップS14において循環流量減(Ym/h)とし、ステップS15においてタイマー設定による所定の時間に任意の数値に戻すようにインバータ制御によるポンプ流速を段階的に操作し、ステップS11に戻り再度判定するものを繰り返すものである。
【0089】
溶存酸素濃度計91により溶存酸素濃度が目標値より上昇したことを検知すると、制御システム11の制御によりCO調節弁C3の開閉バルブが開き二酸化炭酸ガスが供給され培養液Mに供給される(図1B参照。)。
【0090】
次に、図5(c)において、日射量が午前中に増加傾向を示した時に段階的に流速を高め午後に低下傾向になった場合に流速を段階的に戻し、夜間は最低流量とする。自動制御されるポンプ4は、一定容積にある分量だけ流れる容積式ポンプであり、所定の時間単位毎の流量増をXm/h、流量減をYm/hで示している。
【0091】
フロー図では、ステップS21において目標光量(フォトン)が任意の数値以上ならば、ステップS22において循環流量増(Xm/h)とし、ステップS23においてタイマー設定による所定の時間に任意の数値になるようにインバータ制御によるポンプ流速を段階的に操作し、ステップ21に戻り再度判定するものである。一方、フロー図では、ステップS21において目標光量(フォトン)が任意の数値以下でならば、ステップS24において循環流量減(Ym/h)とし、ステップS25においてタイマー設定による所定の時間に任意の数値に戻すようにインバータ制御によるポンプ流速を段階的に操作し、ステップ1に戻り再度判定するものを繰り返すものである。
【0092】
これらのフロー制御については、指令された経緯や状況が正常であったか否かはその都度、制御システム11にフィードバックされ、記録として作業管理者のPCの記憶装置に記憶される。
【0093】
このように、透明のリアクター2のガラス管21内を培養液Mが循環する間に二酸化炭素が無くならないようにしつつ、微細藻類等の光合成生物を培養するに当り、押し出し流れのため供給した二酸化炭素が消耗する前に二酸化炭素供給口まで培養液Mが戻れるように、必要に応じたポンプ4の流量制御を行うことが可能となる。
【0094】
[流量制御の他の実施形態]
ユニット1における流量制御の他の実施形態について説明する。
本実施形態の構成は、図1Aに示すように、藻類を含む培養液Mを光合成により当該藻類を育成するリアクター2を有し、培養液Mをリアクター2に圧送するポンプ4と、ポンプ4の流量制御が可能とされるインバータを培養液Mの液温計71の液温と、リアクター2の外部に備えられた外気温計52の外気温との差が所定の温度以上ならば、自動的にポンプ流量を増量に制御する制御システム11と、を備えている。
【0095】
例えば、培養液Mが藻類種による任意の液温(例えば35℃)以上となり、外気温との差が所定の温度として、5℃以上ある場合ポンプ4のインバータを介して制御システム11から自動制御するものである。
【0096】
具体的には、作業管理者は、先ず、液温と外気温との差を抑制する必要があるため、任意の液温以上となる所定の温度を設定する。外気温計52により測定される気温は、リアクター2が日射を受けると、ガラス管21の温度が上昇し、ガラス管21の培養液Mの液温も上昇するからである。
【0097】
所定の液温(例えば、25℃)以上で、液温と外気温(30℃)の差が任意の温度(例えば、5℃)以上か否かを制御システム11では判定し、そうならばインバータにポンプ4の回転数をあげて流量を増加するように指令を送る。
【0098】
これらの制御については、指令された経緯や状況が正常であったか否かはその都度、制御システム11にフィードバックされ、記録として作業管理者のPCの記憶装置に記憶される。
【0099】
これにより、培養液Mの液温が高くなりすぎ、微細藻類等の光合成生物の培養育成を阻害することを避けるように、必要に応じたポンプ4による流量制御を行うことが可能となる。
【0100】
[チラー制御]
ユニット1における熱交換器5の温度制御について説明する。
本実施形態の構成は、図1Aに示すように、熱交換器5の前後に液温計71と液温計75を配置し、その測定結果による液温の差が所定の温度以上ならば、自動的に熱交換器5の温冷制御する制御システム11と、を備えている。
【0101】
例えば、液温計71の液温(例えば30℃)以上となり、液温計72の液温との差が所定の温度として、5℃以上ある場合ポンプ4のインバータを介して制御システム11から自動制御するものである。
【0102】
具体的には、作業管理者は、先ず、藻類培養に好ましい任意の所定の温度、例えば、23℃を設定する。リアクター2が日射を受けると、特に猛暑時にガラス管21の温度が上昇し、ガラス管21の培養液Mの液温も上昇し、その結果が液温計71に反映される。
【0103】
所定の液温(例えば、23℃)以上で、培養液Mの液温と外気温(30℃)との差が任意の温度(例えば、5℃)以上か否かを制御システム11では判定し、そうならば熱交換器5にて冷却するように指令を送る。
【0104】
これらの制御については、指令された経緯や状況が正常であったか否かはその都度、制御システム11にフィードバックされ、記録として作業管理者のPCの記憶装置に記憶される。
【0105】
これにより、培養液Mの液温が高くなりすぎ、微細藻類等の光合成生物の培養育成を阻害することを避けるように、必要に応じた熱交換器5による温冷制御を行うことが可能となる。
【0106】
このような温度差を測定に基づく培養液Mの温冷制御は、上述で説明したポンプ4の流量制御と複合的に実施することで、熱交換器5の負荷が軽減され好ましい制御が得られる。
【0107】
[二酸化炭素供給の自動制御]
ユニット1におけるCO供給の自動制御の実施形態について、図1Aにて説明する。本実施形態の構成は、リアクター2のガラス管21の出口にて溶存酸素濃度計91及びpH計92の出力結果により、培養液Mに二酸化炭素ガスを供給して液中に溶解させるための二酸化炭素供給部35からの二酸化炭素ガス供給量が制御され、さらに、ポンプ4から培養液Mが圧送される流量を圧力から測定する圧力計72の出力結果に基づいて制御システム11にフィードバックされポンプ4の流量制御が可能とされる。
【0108】
二酸化炭素ガス供給部である循環タンク3の二酸化炭素供給部35は、培養液Mに二酸化炭素を供給して液中に溶解させるために備えられている。そして、溶存酸素が多く二酸化炭素が少なくなったリアクター2内の培養液に対して、培養液に二酸化炭素を溶解させて二酸化炭素濃度が上昇となった培養液Mをポンプによって送り込む。ただ、微細な藻類によっては、急速に培養液Mをリアクター2に送り込むと培養育成に逆効果になるおそれがある。そこで、藻類の種類に応じて流量を加減することが望ましい。そこで、本実施形態では、ポンプ4から培養液Mが圧送される圧力から流量を測定する圧力計72を設け、さらに、圧力計72の出力結果が制御システム11にフィードバックされポンプ4の流量制御を可能としている。
【0109】
これらの制御については、指令された経緯や状況が正常であったか否かはその都度、制御システム11にフィードバックされ、記録として作業管理者のPCの記憶装置に記憶される。
【0110】
これにより、培養液Mの二酸化炭素が少なくなり溶存酸素が多いことが制御システム11で判定されれば、制御システム11から二酸化炭素ガス供給部35から、二酸化炭素が培養液に供給されて溶解され、藻類の培養育成の流量制御を行うことが可能となる。
【0111】
[ピグ洗浄制御]
ユニット1のリアクター2のガラス管21の内面の汚れを取り除くためのピグによる洗浄が行われる。従来のピグを用いた洗浄方法は、ピグ洗浄時は配管を外して、装置を使用していない状況で行われ、培養装置の閉鎖系フォトバイオリアクター(PBR)を考慮したピグ洗浄となっていない。すなわち、培養を行いながらもピグ洗浄できるようするために培養液を維持しつつ、ピグの送入・回収ができる構造が好ましい。
【0112】
そこで、本発明のピグ洗浄は、リアクターの汚れを取り除いて、透明の管内部に常に光が透過するように簡便に洗浄・維持するとともに培養を可能とするもので、以下、詳細に説明する。
【0113】
第4配管10のピグ通路には、図1Aには示されていないピグ送入及び回収部が備えられている。このピグ送入及び回収部は、ピグ100が入るアタッチメント(付属部材ともいう、以下同じ。)103cの両端側の流路に止水可能なバルブ103a、103bの2つを備えている。また、ピグ100は、藻類の刮ぎ取り用の砲弾形状のピグ101と、薬液洗浄用の円柱形状のピグ102と、2つのタイプを使い分けている。
【0114】
本実施形態でのピグ100は、リアクター2のガラス管21の内部を通過する砲弾型形状若しくは円柱型形状とする担体で、ピグ玉とも呼ばれる。砲弾型形状のピグ101は、光合成により培養された微細藻類の刮ぎ取り用に用いられ、また、円柱型形状のピグ102は、薬液洗浄用に用いられる。
【0115】
ピグ100の素材は、スポンジ状で、材質が例えばポリエチレン、ポリウレタン、メラニン、ゴムなどの樹脂の発泡体や成型体である。ピグ100のサイズは、円柱径(d)がリアクター3のガラス管21の場合、第1接続管7及び第2接続管8の内径の約1.1倍から1.5倍に、また、ピグ100の長さ(L)は円柱径(D)の約1.5倍から3倍にしている。
円柱径をリアクター3のガラス管21、第1配管6及び第2配管87の内径よりも大きくしていることで、菅内の内周面との当接が適度に増し、微細藻類の刮ぎ取りや洗浄に漏れが無いようにしている。
【0116】
ピグ100の内、藻類の刮ぎ取り用のピグ101は、図6(a)に示すように、先端側が丸みの曲面形状で、後端側に回転切れ込み溝101bが傾斜線に入った砲弾型である。このように、先端側が丸みの形状とすることで、リアクター2のU字部分が曲がりやくなる。さらに、後端側に斜めの回転切れ込み溝101bが入っていることで、ピグ101の回転により刮ぎ取りの効果を増した機構となる。
【0117】
また、ピグ101の後端部に止水(止液)加工の所定の罪を持った止水部材101cを有していることで、ピグ101がリアクター2の管内を移動してスポンジ内にあった液体が後ろ側に漏れないようにしている。この止水加工は、引っ張りに強く裂けにくい素材が好ましく、例えば、スポンジと接着剤で接着される柔軟な塩化ビニル樹脂やポリエチレン等が素材として用いられる。これにより、ピグ101の後方より、水圧をかけ、リアクター2の管内部でピグ101を押し出し移動させるためにも、このような止水加工が効果を奏している。
【0118】
洗浄用のピグ102は、図7(a)に示すように、円柱状で、両端に所定の厚みを持った止水(止液)加工の止水部材102bを有している。特に、ピグ101のように先端側が丸みの形状としなくて、管の内周面の固形物を剥離する洗浄できるからである。
【0119】
また、図6(a)(b)及び図7(a)(b)に示すように、ピグ101、ピグ102の中間部よりも先端側で、円周内面状に粒上の磁石101a,102bが等間隔で12個が埋め込まれている。なお、磁石個数が12個に限定されることはなく、ピグ101,102の大きさや磁力強度によって、その個数を変えても良い。磁石素材は、優れた耐食・耐熱性があるサマリウムコバルト磁石である。
【0120】
ピグ100(101、102)にこのような磁石101a,102aを埋め込むことにより、リアクター2の配管外側の磁気センサー104eによる磁力を使って検出対象に接触することなくスイッチ操作ができる機構としている。この機構によればリアクター2の配管内のピグ100(101,102)の管内移動速度を任意に制御できる。例えば、また、汚れの強い曲がり場所があれば、ピグ100(101,102)を回収する位置手前で速度を落とすように、ポンプ4に制御信号を送り、ピグ100後方より水圧をかけて管内の押し出し、移動の速度を弱めて念入りに洗浄できるようにポンプ4に制御信号を送り圧送を弱めることができる。
なお、磁気センサーは、リードスイッチ、ホール素子、磁気抵抗素子を使った方式があり、いずれの方式でも構わない。
【0121】
次に、ピグ送入部及び回収部は、第4配管10上に設置され、ピグ100が入る長さの管(またはアタッチメント)の左右で止水できるようにバルブ(弁)103a、103bが設置されている。ピグ送入部は、ヘルール接続やユニオンナット継手で簡便にバルブ間の配管を取り外せる機構である。ヘルールとは配管同士、または配管とバルブを接続するときの接続方式の一つで、クランプ金輪で接続部同士を挟み込んで留めるもので接続が簡単とされる。ユニオンナット継手は、分割式でパッキン内蔵の配管のメンテナンス作業が容易であるとされる。
なお、ピグ送入部及び回収部は、第4配管10上に設置される以外に、ピグ送入部は第1配管7に、回収部は第2配管8に設置されるようにしてもよい。
【0122】
次に、図8Aを用いてピグ送入部の概略について説明する。
図8Aに示すように、ピグ送入部は、ピグ後方より水圧をかけピグ100を移動させる水供給部13又はポンプ4と前記リアクター3との間に設けられ、ピグ100が入る着脱自在のアタッチメント(付属部材ともいう、以下同じ。)103cの両端側の流路に止水可能なバルブ103a、103bを備えている。
そして、ピグ送入部は、ピグ100が設置された際、ピグ後方より水圧をかけピグを移動させる水供給部13又はポンプ4とリアクター3との間の第4配管又は第1接続管6に設けられており、ピグ100が入るアタッチメント(103cの両端側の流路に止水可能なバルブ103a、103bの2つを備えている。
【0123】
次に、図9Aを用いてピグ回収部の概略について説明する。
図9Aに示すように、ピグ回収部は、リアクター3の流路出口3b側の第1接続管7に設けられ、ピグ100が入る着脱自在のアタッチメント103cの両端側の流路に止水可能なバルブ103a、103bを備えている。
【0124】
[ピグ送入及び回収の手順]
先ず、図8を用いて、ピグ送入して洗浄を開始するまでの手順を説明する。図8B(a)は、ピグ送入が実施されていないピグ送入部の状態(ここでは通常時という。)を、図8B(b)はピグ送入部のピグ送入の状態を、図8B(c)はピグ送入部のピグ送りによる洗浄開始の状態を、それぞれ示している。バルブ103aは水供給部13又はポンプ4側に、バルブ103bはリアクター2側に備えられ、流路を開閉し流体をコントロールするゲートバルブ(ゲート弁)である。そして、バルブ103aとバルブ103bとの間にアッタチメント103cが取り付けられる。なお、ここでのピグ100は、薬液洗浄用の円柱状のピグ102を図示しているが、砲弾形状のピグ101でも本実施範囲である。
【0125】
先ず、図8B(a)において、ピグ100送入がされていない通常時は、ピグ送入部のバルブ103aとバルブ103bとの間には、空洞のアタッチメント103cが取り付けれ、バルブ103aとバルブ103bと共に開栓されてポンプ4から培養液が圧送されてくる。
【0126】
次に、図8B(b)において、ピグ送入部から、ピグ100を送入する前に、水供給部13又はポンプ4を停止して培養液の全ての循環を停止させる。次いで、バルブ103a及びバルブ103bと閉栓し培養液が漏れないようにした後にアタッチメント103cの空洞にピグ100を挿入する。アタッチメント103cに砲弾形状ピグ101を挿入する場合は、先端側がリアクター2側に向けて取り付けられ、洗浄用の円柱形状ピグ102の挿入する場合は、ピグ12内の磁石102aが先端に近い側をリアクター2側に向けて取り付けられる。
【0127】
その後、図8B(c)において、バルブ103a、バルブ103bを開栓状態としてポンプ4を作動させ、水供給部13又はポンプ4の圧送により、ピグ100がアタッチメント103cからバルブ103bを通過し、リアクター2へと順次移動させる。そして、ピグ100がリアクター2内を移動することにより、リアクター2のガラス管21内壁を摺動し、ガラス管21の内壁に付着した微視藻類の剥離固形物や異物が除去される。
【0128】
図9B(a)は、ピグ回収が実施されていない状態(ここでは通常時という。)を、図9B(b)はピグ回収の状態を、図9B(c)はピグ回収による洗浄完了の状態を、それぞれ示している。バルブ103aは図8のバルブ103aと同じく単に流路を開閉し培養液流れをコントロールするゲートバルブ(ゲート弁)である。
【0129】
図9B(b)において、バルブ103aは、開栓されたままで、ピグ100がバルブに近づくと、磁気センサー104eがピグ100の磁石101a(102a)を感知してバルブ103bの循環タンク3への流路を閉栓するように指令制御される
【0130】
そして、図9B(c)において、ピグ100がバルブ103aとバルブ103bとの間の空洞のアタッチメント103c内にピグ100が止まったときにポンプ4を停止して培養液の循環を停止させる。次いで、バルブ103bをも閉栓し培養液が漏れないようにした後にアタッチメント103cを取り外しピグ100が回収される。
【0131】
ピグ100を回収した後、バルブ103aとバルブ103bとの間に空洞になったアタッチメント103cを装着し、バルブ103a、バルブ103bを再び開栓状態とし、ポンプ4を作動させることでリアクター2に培養液を充填させる。このように、リアクター2のガラス管21内部にピグ100を流通させることで、リアクター2を分解することなくリアクター2の内部を容易に清掃することができる。
【0132】
[複数のピグの洗浄の他の実施形態1]
ピグ洗浄のアタッチメント103cには、1個のピグ100が挿入されているが、ここでは複数個のピグ100が一つのアタッチメント104に挿入される複数のピグを用いたピグ洗浄1の実施形態を図10及び図11を用いて説明する。これにより、刮ぎ取りと洗浄が一度で可能となり、一度の洗浄であっても複数のピグ列によりプレ洗浄から仕上げ洗浄までが一体され簡便に行うことができ、合理的である。
図10のピグ送入部は第4配管10に三方弁104aを設け、三方弁の一つを本線である培養液の入力流れ(矢印符号104a1)に、三方弁の他の一つに複数個のピグ100の入力流れ(矢印符号104a2)に、これらの流れが合流した出力流れ(矢印符号104a3)となる。
【0133】
三方弁の他の一つの入力流れ(矢印符号104a2)には、図10に示すように、一つのアタッチメント104のアタッチメント本体104bには5個のピグが連続して挿入されており、最先頭の一番目は刮ぎ取り用の砲弾形状のピグ101、2番目以降5番目までは薬液洗浄用の円柱形状のピグ102である。一番目砲弾形状のピグ101としているのは、進行する方向からの圧力が少ない流線形とすること、円柱形状よりもガラス管21の90度ある曲がり角の箇所もスムーズに流れるからである。
【0134】
また、アタッチメント104のアタッチメント本体104bの三方弁方向にゲート弁が設けられ、アタッチメント本体104bの三方弁と反対方向には、ピグ100がポンプ圧送又は水道水圧送により順次押出される。
【0135】
これらのピグ100の間には洗浄用の薬液が投入されるため、その方法について説明する。薬液は、付着物は生物由来なので洗浄の場合、次亜塩素酸塩やアルカリ、洗剤等を溶かした液体が使われる。
図10に示すように、アタッチメント本体104bにおける砲丸形状のピグ111と円柱形状のピグ121との間にプレ洗浄液を入れるには、ピグ111が近接センサー104eに近づくと、これに反応し仕切り電磁弁104cを開いて、アタッチメント本体104b内からエア抜きを行う。エア抜きが終了されると仕切り電磁弁104cを閉じた後、仕切り電磁弁104dが開き所定量の洗浄液が順次入れられる。洗浄液が入れられたのが終わると仕切り電磁弁104dを閉じる。
同様な方法で、ピグ121とピグ122との間、ピグ122とピグ123との間、ピグ123とピグ124との間に、全ての洗浄液の注入が終了したらゲート弁106が開き、アタッチメント本体104bの三方弁と反対方向にあるポンプ圧送又は水道水圧送により順次押出される。そして、三方弁104aと流れ104a2、第1配管7を通過してリアクター2のガラス管21へと導かれる。
【0136】
ピグ111からピグ124までの全てが、第1配管7に移動したら、アタッチメント本体104bに本線からの培養液が流入しないようにゲート弁106が閉じられ、アタッチメント本体104b内のドレンを抜くために仕切り電磁弁104dが開き、終えたら閉じられる。
【0137】
[複数のピグの洗浄の他の実施形態2]
次の他の実施形態について説明する。図11に示すように、第4配管10に2つの三方弁104aと104fを設け、先ず、三方弁104fの一つを本線である培養液の入力流れ(矢印符号104f2)が、分岐して、培養液の入力流れ(矢印符号104f2)がそのまま本線のままの流れ(矢印符号104f1)となる。また、第4配管10に三方弁104aを設け、三方弁の一つを本線である培養液の入力流れ(矢印符号104a1)に、三方弁の他の一つに複数個のピグ111、121から124の入力流れ(矢印符号104a2)に、これらの流れが合流した出力流れ(矢印符号104a3)となる。
【0138】
アタッチメント本体104bにおける砲丸形状のピグ111と円柱形状のピグ121との間にプレ洗浄液を入れるには、ピグ111が近接センサー104eに近づくと、これに反応し仕切り電磁弁104cを開いて、アタッチメント本体104b内からエア抜きを行う。エア抜きが終了されると仕切り電磁弁104cを閉じた後、仕切り電磁弁104dが開き所定量の洗浄液が順次入れられる。洗浄液が入れられたのが終わると仕切り電磁弁104dを閉じる。同様な方法で、ピグ121とピグ122との間、ピグ122とピグ123との間、ピグ123とピグ124との間に、全ての洗浄液の注入が終了したらゲート弁105とゲート弁106が開き、アタッチメント本体104bの三方弁104fの流れ104f3のとおり、水圧により順次押出される。そして、三方弁104aと流れ104a2、第4配管10を通過してリアクター2のガラス管21へと導かれる。
【0139】
ピグ111からピグ124までの全てが、第1配管7に移動したら、アタッチメント本体104bに本線からの培養液が流入しないようにゲート弁105とゲート弁106が閉じられ、アタッチメント本体104b内のドレンを抜くために仕切り電磁弁104dが開き、終えたら閉じられる。
【0140】
図12は、リアクター2にピグ101,102と薬液が入っている状態の説明である。図12に示すように、刮ぎ取り用の1番目のピグ111と2番目のピグ121との間にはプレ洗浄水が、2番目のピグ121と3番目のピグ122との間には洗浄液・洗浄剤等が、3番目のピグ122と4番目のピグ123との間には洗浄液・次亜塩素酸等が、4番目のピグ123と5番目のピグ124との間には水等のリンスが投入されている。これにより、刮ぎ取りと洗浄が一度で可能となり、一度の洗浄であっても複数のピグ列によりプレ洗浄から仕上げ洗浄までが一体され簡便に行うことができ、合理的である。
【0141】
[ピグ洗浄の他の実施形態]
本実施形態では、ピグ送入部81からピグ回収部82へ連通させることにより、ピグ100がリアクター2の管内を含めループ状にしてピグ洗浄する実施形態を説明する。
ピグ送入部81のバルブ103aをゲート弁でなく三方弁に置き換え、バルブ103aの三方弁の一つをピグ回収部のバルブ103bの三方弁の一つと連通させる配管を設ける。これにより、ピグ回収部からのピグ100が配管を移動して、ピグ送入部のアタッチメントに103cに戻すことができる。
【0142】
リアクター2の管内のスケールの除去状況を見ながら、さらに洗浄が必要との判断があれば、ピグ100がこのような環状経路を連続して移動することができる。このように、リアクター2の内部を複数回移動することで、リアクター2のガラス管21内壁に固く付着したスケールや固形物をさらに回収することができる。
【符号の説明】
【0143】
1 フォトバイオリアクター(ユニット)
2 リアクター
2a 流路入口
2b 流路出口
3 循環タンク
21 ガラス管
22 リアクターフレーム
31 循環タンク本体
32 循環タンク蓋
33 排気管
34 供給管
36 循環タンクフレーム
37 仕切弁
4 ポンプ
5 熱交換器
6 脱気タンク
61 脱気タンク本体
62 脱気タンク蓋
63 流入管
64 エアレーション
65 ドレン
66 脱気タンクフレーム
67 連通路
7 第1配管
8 第2配管
9 第3配管
10 第4配管
11 制御システム(制御盤)
12 空気圧縮機
13 水供給部
35 二酸化炭素供給部
38 CO2計
40 LED発光装置
41 LED
43 天井部
44 LEDパネル
45 スライダー部
50、51 光量計
52 外気温計
91 溶存酸素濃度計
92 pH計
93 混濁計
100 ピグ(ピグ玉)
101 砲弾形状ピグ
101a 磁石
101b 回転切れ込み溝
101c 止水部材
102 円柱形状ピグ
102a 磁石
102b 止水部材
103a、103b バルブ
103c アタッチメント(ピグ単体)
104 アタッチメント(プグ複数)
104e 磁気センサー
121,122,123,124 ピグ
A 第1の平台車
B 第2の平台車
【要約】
【課題】管型の閉鎖系フォトバイオリアクターで微細藻類等の光合成生物を培養するにあたり必要とされる機器がコンパクト化されて移動可能とするフォトバイオリアクターユニットを提供する。
【解決手段】二つの平台車に搭載され移動可能なフォトバイオリアクターユニット1であって、第1の平台車Aには、藻類を含む培養液を光合成により当該藻類を育成するガラス管21からなるリアクター2と、対向して光照射を行うLED発光装置40とが搭載され、第2の平台車Bには、リアクターに藻類を含む培養液を蓄え循環させる循環タンク3と、培養液を光合成に適した液温に調節する熱交換器5と、リアクターから排出された培養液から過飽和酸素を脱気する脱気タンクと、脱気された培養液を循環タンクに戻す脱気タンクと、が搭載されている。
【選択図】図1A
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12