(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230202BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20230202BHJP
【FI】
G06Q30/06 340
G06Q30/06 300
G06T19/00 A
(21)【出願番号】P 2021096067
(22)【出願日】2021-06-08
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】522470080
【氏名又は名称】株式会社NTTコノキュー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊允
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-500883(JP,A)
【文献】特開2020-086808(JP,A)
【文献】特開2003-016247(JP,A)
【文献】特開2016-095741(JP,A)
【文献】特開2016-012763(JP,A)
【文献】特開2010-166284(JP,A)
【文献】特開2014-054370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を有する仮想ショッピングモールを仮想空間に構築し、前記ユーザが使用するユーザ端末に提供する構築部と、
前記ユーザの閲覧履歴、購入履歴、位置情報及び操作情報の少なくとも一つを基に、前記ユーザ
が興味を有するブランドを推定する推定部と、
前記ユーザの興味対象に合わせて前記仮想空間のコンテンツを変更する変更部と、
を有
し、
前記変更部は、前記仮想ショッピングモールに配置される全ての街頭広告を、前記ユーザが興味を有するブランドの広告に変更し、前記仮想ショッピングモールに構築された人の全ての装着物を、前記ユーザが興味を有するブランドの商品に変更することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記ユーザの閲覧履歴、購入履歴、位置情報及び操作情報の少なくとも一つを基に、前記ユーザの興味対象として、ユーザが
興味を有するブランドを推定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記変更部
は、前記仮想ショッピングモールに構築された物品を、前記ユーザ
が興味を有するブランドの商品に変更することを特徴とする請求項1
または2に記載の処理装置。
【請求項4】
処理装置が実行する処理方法であって、
ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を有する仮想ショッピングモールを仮想空間に構築し、前記ユーザが使用するユーザ端末に提供する工程と、
前記ユーザの閲覧履歴、購入履歴、位置情報及び操作情報の少なくとも一つを基に、前記ユーザ
が興味を有するブランドを推定する工程と、
前記ユーザの興味対象に合わせて前記仮想空間のコンテンツを変更する工程と、
を含
み、
前記変更する工程は、前記仮想ショッピングモールに配置される全ての街頭広告を、前記ユーザが興味を有するブランドの広告に変更し、前記仮想ショッピングモールに構築された人の全ての装着物を、前記ユーザが興味を有するブランドの商品に変更することを特徴とする処理方法。
【請求項5】
ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を有する仮想ショッピングモールを仮想空間に構築し、前記ユーザが使用するユーザ端末に提供するステップと、
前記ユーザの閲覧履歴、購入履歴、位置情報及び操作情報の少なくとも一つを基に、前記ユーザ
が興味を有するブランドを推定するステップと、
前記ユーザの興味対象に合わせて前記仮想空間のコンテンツを変更するステップと、
をコンピュータに実行させ
、
前記変更するステップは、前記仮想ショッピングモールに配置される全ての街頭広告を、前記ユーザが興味を有するブランドの広告に変更し、前記仮想ショッピングモールに構築された人の全ての装着物を、前記ユーザが興味を有するブランドの商品に変更する処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上で商品を販売するWebサイト(ECサイト(Electronic Commerce site))を利用した商品の購入が一般化している。さらに、近年では、仮想空間上に店舗を再現し、ECサイトと連動することで、実店舗における商品の購買と同程度の購買体験をユーザに提供する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、実店舗の場合と同様に、仮想店舗を提供する場合も、ユーザの購買意欲を高め、商品の購入に繋げたいという要望がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、仮想空間に構築された購買環境において、ユーザの購買意欲の向上を図ることができる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の処理装置は、ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を有する仮想ショッピングモールを仮想空間に構築し、ユーザが使用するユーザ端末に提供する構築部と、ユーザの閲覧履歴、購入履歴、位置情報及び操作情報の少なくとも一つを基に、ユーザの興味対象を推定する推定部と、ユーザの興味対象に合わせて仮想空間のコンテンツを変更する変更部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仮想空間に構築された購買環境において、ユーザの購買意欲の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図3は、ユーザ端末の画面に表示されるVRショッピングモールの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、ユーザ端末の画面に表示されるコンテンツの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ユーザ端末の画面に表示されるコンテンツの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
以下の実施の形態では、実施の形態に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0011】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、仮想空間でのショッピング環境をユーザに提供するための通信システムについて説明する。
【0012】
実施の形態における通信システムでは、ショッピング環境をユーザに提供するVRショッピングモール提供事業者側のサーバ装置において、仮想空間上に仮想の街を構築し、その街の中に、複数の仮想店舗(VRストア)を含んだ仮想ショッピングモール(VRショッピングモール)を構築する。この際、サーバ装置は、VRショッピングモールのコンテンツを、VRショッピングモールに入場するユーザの興味対象で埋め尽くすことによって、ユーザの購買意欲の向上を図る。
【0013】
[通信システムの構成]
実施の形態に係る通信システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、実施の形態に係る通信システムは、各ユーザが使用するユーザ端末20と、VRショッピングモール提供事業者のサーバ装置10(処理装置)とを有する。また、サーバ装置10は、商品を販売する店舗Pの店舗サーバ装置30と接続する。なお、
図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。
【0015】
VRショッピングモール提供事業者のサーバ装置10(処理装置)は、商品を販売する店舗Pの店舗サーバ装置30から、VRストアや広告に展示可能な商品の情報を受け、これらの商品を陳列したVRストアと、VRストアや街頭広告を含むVRショッピングモールをユーザに提供する。VRストアでは、ユーザが、商品を選択することによって、商品の種別、色、サイズ等の特徴情報を参照することができ、所定の処理を行うことによって、商品の購入処理まで進めることができる。
【0016】
サーバ装置30は、ユーザへのVRショッピングモール提供の際、例えば、VRショッピングモールの全ての街頭広告やVRショッピングモールに構築された人の所定の種別の装着物といった仮想空間のコンテンツを、ユーザの興味対象に合わせて変更することで、VRショッピングモールを、ユーザの興味対象で埋め尽くす。サーバ装置30は、VRショッピングモールに構築された人の全てのシューズを、例えば、あるシューズメーカーのシューズに変更する。サーバ装置30は、VRショッピングモールに構築された人が持つバッグを、あるバッグメーカーのバッグに変更する。また、サーバ装置30は、VRショッピングモールに構築された人の全ての衣服、靴、バッグを、例えば、ある衣料品全般を扱うメーカーの衣服、靴、バッグに変更する。言い換えると、サーバ装置30は、VRショッピングモールに構築された人の全ての装着物を、例えば、ある衣料品全般を扱うメーカーの商品に変更する。
【0017】
店舗サーバ装置30は、それぞれ保持する商品の在庫上DBを有する。店舗サーバ装置30は、それぞれ保持する商品のうち、VRストアや広告に展示可能な商品の情報を、ネットワーク等を介して、サーバ装置10に送信する。店舗サーバ装置30は、商品の情報として、商品の識別情報、名称、サイズ、色、価格、在庫情報を送信する。なお、実際には、店舗及び店舗サーバ装置30は、複数ある。
【0018】
ユーザ端末20は、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC等の情報処理装置電子や、タブレット、スマートフォン等のスマートデバイスである。ユーザ端末20は、ネットワークNを介して、サーバ装置10に接続し、VRショッピングモールの提供を受ける。ユーザ端末20は、提供されたVRショッピングモール内で、ショッピングモール内での店舗や広告の閲覧、VRストア内での商品及び広告の閲覧や商品の購入を行う。
【0019】
このように、本実施の形態では、VRショッピングモールの全ての街頭広告やVRショッピングモールに構築された人の所定の種別の装着物をユーザの興味対象に合わせて変更し、VRショッピングモールをユーザの興味対象で埋め尽くすことで、ユーザの購買意欲の向上を図る。続いて、
図1に示すサーバ装置10について説明する。
【0020】
[サーバ装置]
図2は、
図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、このサーバ装置10は、各種情報に関する通信を制御する通信部11、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する記憶部12、及び、種々の処理を実行する制御部13を有する。以下にサーバ装置10が有する各部の処理を説明する。
【0021】
通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置と制御部13(後述)との間の通信を行う。例えば、通信部11は、ネットワークを介して、店舗サーバ装置30から、展示可能な商品の情報を受信する。また、通信部11は、ネットワークNを介して、ユーザ端末20から、VRショッピングモールの入場要求、VRストアへの入店要求、商品の閲覧要求や購入要求を受信する。通信部11は、商品の購入手続き、商品購入後の在庫更新に関する情報を店舗サーバ装置30に送信する。
【0022】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、サーバ装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。記憶部12は、構築用情報121、ユーザ情報122、店舗及び商品情報123、ユーザ位置情報124及びユーザ操作情報125を記憶する。
【0023】
構築用情報121は、VRストア及びVRショッピングモールを仮想空間上で構築するために要する情報である。構築用情報121は、VRストア及びVRショッピングモールを仮想空間上で構築するための、画像処理条件や画像処理プログラムを含む。また、構築用情報121は、店舗内観、商品、街並み、店舗外観を、定点或いは360°で撮影した写真、或いは、これらの写真を画像処理して構築したVRストア及びVRショッピングモールの画像を含む。構築用情報121は、例えば、VRストア及びVRショッピングモールが、CG(Computer Graphics)で構築されている場合には、店舗内観、商品、街並み及び店舗外観を再現した画像である。
【0024】
ユーザ情報122は、VRストア及びVRショッピングモールの入場者として登録されている各ユーザに関する情報である。ユーザ情報122は、例えば、ユーザのIDと、各ユーザIDに対応付けられた購入履歴、閲覧履歴を含む。例えば、購入履歴は、購入時間、商品を購入した店舗の名称、商品ID、商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。例えば、閲覧履歴は、閲覧時間、商品を閲覧した店舗の名称、商品ID、商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。
【0025】
店舗及び商品情報123は、VRショッピングモールに配置される店舗及びVRストア内に展示される商品に関する情報である。店舗及び商品情報123は、店舗ID、店舗種別、各店舗が保持する商品のうちVRストアや広告に展示可能である商品の商品ID,商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。例えば、店舗Pが衣料店である場合には、VRストアに展示可能である衣服や小物の画像または写真が、これらの商品のサイズ、色等の特徴、価格、在庫の個数等の情報とともに店舗及び商品情報123に格納される。
【0026】
ユーザ位置情報124は、ユーザ端末20から送信された、各ユーザの仮想空間上における位置情報を時間情報に対応付けた情報である。このユーザ位置情報124は、例えば、定期的に更新される。
【0027】
ユーザ操作情報125は、ユーザ端末20から送信された、各ユーザの操作情報を時間情報に対応付けた情報である。このユーザ操作情報125は、定期的に更新される。ユーザ操作情報125は、閲覧または商品の購入に関するユーザの操作情報に加え、VRゴーグルを介したユーザの視線の角度情報、入力デバイスを介した画像の拡大操作情報、入力デバイスを介したポインターの位置情報のいずれか一つまたは複数を含む。
【0028】
制御部13は、サーバ装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。制御部13は、受付部131、構築部132、興味対象推定部133(推定部)及び変更部134を有する。
【0029】
受付部131は、ユーザによる、VRショッピングモールへの入場、VRショッピングモール内のVRストアへの入店、商品の閲覧、商品の購入を受け付ける。
【0030】
構築部132は、画像或いはCGを用いて、VRショッピングモール、VRストアを仮想空間上に構築する。構築部132は、ユーザのVRショッピングモールへの入場を受け付けると、構築用情報121を取得して、VRショッピングモールを仮想空間上に構築する。そして、構築部132は、VRショッピングモールを、ユーザが使用するユーザ端末20に提供する。なお、構築部132は、シーズンごとに、VRショッピングモールの街並みの風景や、VRストアに展示する商品を変更してもよい。
【0031】
VRショッピングモールでは、実際の街並みに基づいて、各店舗の配置、各店舗の外観、道路、該当広告が構築される。VRショッピングモールでは、ユーザは、実際の街並みを歩くように、ユーザのアバターを移動させることができる。そして、VRショッピングモールでは、例えば、ユーザは、店舗外観に表示される店舗名や店舗の入り口をクリックまたはタップすることで、選択したVRストアに入店することができる。
【0032】
構築部132は、ユーザのVRストアへの入店を受け付けると、VRストアを仮想空間上に構築する。そして、構築部132は、構築したVRストアを、ユーザが使用するユーザ端末20に提供する。
【0033】
VRストアでは、実店舗に基づいて内観が構築され、実店舗が保持する商品のうち展示可能である商品が実際の店舗内での展示方法(陳列棚に一列に配置する等)で展示されるように表示される。そして、展示された商品については、商品情報(種別、色、形、サイズ、価格、在庫状況)が閲覧可能なように提供される。展示された商品については、購入も可能である。また、VRストアでは、店舗内の任意の領域に、該店舗において展示される商品等の広告の表示も可能である。
【0034】
なお、構築部132は、ユーザのVRショッピングモールへの入場を受け付けた際に、VRショッピングモールとともに、VRショッピングモールに配置される各VRストアも構築してもよい。
【0035】
興味対象推定部133は、ユーザの閲覧履歴、購入履歴、位置情報及び操作情報の少なくとも一つを基にユーザの興味対象を推定する。興味対象推定部133は、ユーザの閲覧履歴、購入履歴、位置情報及び操作情報の少なくとも一つを基に、ユーザの興味対象として、ユーザが興味を有する商品、広告または分野を推定する。興味対象推定部133は、ユーザが潜在的に興味を持っている対象を推定する。興味対象推定部133は、ユーザ情報122、ユーザ位置情報124及びユーザ操作情報125を取得する。
【0036】
興味対象推定部133は、ユーザ情報122の購入及び閲覧履歴から、ユーザが購入または閲覧した商品を判別する。興味対象推定部133は、ユーザ位置情報124から、ユーザが立ち寄ったVRストア、ユーザがある一定時間以上留まっていたVRショッピングモール内の位置等を判別する。興味対象推定部133は、ユーザ操作情報125のうち、VRゴーグルを介したユーザの視線の角度情報、入力デバイスを介した画像の拡大操作情報、または、入力デバイスを介したポインターの位置情報を用いて、何にどのくらいの期間、視線が向いていたかを推定する。
【0037】
興味対象推定部133は、ユーザが購入または閲覧した商品、ユーザが立ち寄ったVRストア、ユーザがある一定時間以上留まっていたVRショッピングモール内の位置、一定時間以上視線が向いていた対象を基に、ユーザが興味を有する商品または広告を推定する。興味対象推定部133は、ユーザが興味を有する商品または広告から、ユーザが興味を有する分野またはブランドを推定する。
【0038】
例えば、ユーザが、ウォーキングシューズの商品を所定回数以上閲覧していた場合、興味対象推定部133は、ウォーキングシューズが興味対象であると推定する。また、ユーザが、ウォーキングシューズ及びウォーキングウェアの広告に一定時間以上注視していた場合、興味対象推定部133は、これらのウォーキングシューズ及びウォーキングウェアが興味対象であると推定する。この際、興味対象推定部133は、興味対象が複数ある場合、各興味対象に対する閲覧時間の長短に応じて興味対象の順位を決める。興味対象推定部133は、興味対象が複数ある場合、各興味対象に対する閲覧時間に差があまりない場合には、ユーザが迷っているという判定をして、興味対象なしとしてもよい。さらに、興味対象推定部133は、ユーザが、これらの商品のブランド(ウォーキング用商品提供店)及びウォーキングに興味を有していると推定する。広告主等があれば、興味対象推定部133は、この広告主の商品の優先度を上げて、興味対象としてピックアップしてもよい。
【0039】
変更部134は、興味対象推定部133が推定したユーザの興味対象に合わせて仮想空間のコンテンツを変更する。
図3は、ユーザ端末20の画面に表示されるVRショッピングモールの一例を示す図である。
図4及び
図5は、ユーザ端末20の画面に表示されるコンテンツの一例を示す図である。
【0040】
変更部134は、VRショッピングモールに配置される全ての街頭広告を、ユーザの興味対象の広告に変更する。例えば、ユーザの興味対象が、あるウォーキングシューズである場合、
図3の画面V1に示すように、VRショッピングモールの全ての広告D1~D5を、このウォーキングシューズ(SHOSE A)の広告に変更する。
【0041】
変更部134は、VRショッピングモールに構築された人の所定の種別の装着物を、ユーザの興味対象に合わせて変更する。例えば、ユーザの興味対象が、あるウォーキングシューズである場合、
図4に示すように、変更部134は、VRショッピングモールに構築された人が履く靴を、このウォーキングシューズP1に変更する。例えば、ユーザの興味対象が、あるブランドAである場合、
図5に示すように、変更部134は、VRショッピングモールに構築された人が装着する靴、帽子、上着、ボトムを、このブランドの靴P2、帽子P3、上着P4、ボトムP5に変更する。なお、変更部134は、靴、帽子、上着、ボトムに限らず、眼鏡、時計、ベルト等を変更してもよい。
【0042】
変更部134は、ユーザの興味対象が物品である場合、VRショッピングモールに構築された物品を、ユーザの興味対象である物品に変更する。例えば、ユーザの興味対象が、メーカーBの自動車Cである場合、変更部134は、VRショッピングモール内を走行する自動車を、全て、メーカーBの自動車Cに変更する。
【0043】
[通信処理の処理手順]
図6は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0044】
図6に示すように、サーバ装置10は、店舗サーバ装置30から商品情報及び在庫情報を受けると(ステップS1)、店舗及び商品情報123を更新する(ステップS2)。
【0045】
サーバ装置10では、受付部131が、ユーザ端末20からVRショッピングモールへの入場申し込みを受け付けると(ステップS3,S4)、構築部132が、構築用情報121と店舗及び商品情報123とを取得して(ステップS5)、VRショッピングモールを仮想空間上に構築する(ステップS6)。そして、構築部132は、ユーザ端末20にVRショッピングモールを提供する(ステップS7)。
【0046】
サーバ装置10は、VRショッピングモールのコンテンツの変更タイミングであるか否かを判定する(ステップS8)。このタイミングは、ユーザのVRショッピング入場時、ユーザによるVRショッピングモール入場時から所定時間経過時、ユーザによって商品や広告が所定時間以上注視された場合など、適宜設定される。VRショッピングモールのコンテンツの変更タイミングでない場合(ステップS8:No)、サーバ装置10は、ステップS8の判定処理を繰り返す。
【0047】
VRショッピングモールのコンテンツの変更タイミングである場合(ステップS8:Yes)、サーバ装置10は、ユーザ情報122、ユーザ位置情報124及びユーザ操作情報125を取得する(ステップS9)。興味対象推定部133は、ユーザの閲覧履歴、購入履歴、位置情報及び操作情報の少なくとも一つを基にユーザの興味対象を推定する(ステップS10)。サーバ装置10は、ユーザの興味対象に合わせて仮想空間のコンテンツを変更する(ステップS11,S12)。
【0048】
[実施の形態の効果]
上記に記載したように、実施の形態では、ユーザへのVRショッピング提供の際、ユーザが潜在的に興味を持っている対象を推定し、VRショッピングモールの全ての街頭広告やVRショッピングモールに構築された人の所定の種別の装着物といった仮想空間のコンテンツを、ユーザの興味対象に合わせて変更する。このように、実施の形態では、VRショッピングモールのコンテンツをユーザの興味対象で埋め尽くすことで、興味対象に対するユーザの購買意欲の向上を図ることができる。
【0049】
実施の形態では、VRショッピングモールに配置される全ての街頭広告を、ユーザの興味対象の広告に変更し、潜在的に有していた興味対象がユーザの視野に入るようにすることで、興味を有していた商品やブランド等をユーザに気づかせることができる。また、実施の形態では、VRショッピングモールに構築された人の所定の種別の装着物を、ユーザの興味対象に合わせて変更することで、ユーザは、商品の試着イメージの認識が可能である。また、実施の形態では、VRショッピングモールに構築された物品、例えば、自動車を、ユーザの興味対象の自動車に変更してVRショッピングモール内を走行させることで、ユーザは、その自動車の全体を認識可能とすることができる。
【0050】
このように、このように、ユーザが潜在的に有していた興味対象の商品等を、実際の試着イメージや動作イメージでユーザに見せることで、興味対象に対するユーザの購買意欲の向上を図ることができる。
【0051】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0052】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明したサーバ装置10及びが実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態におけるサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0054】
図7は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図7に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0055】
メモリ1010は、
図7に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図7に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0056】
ここで、
図7に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0057】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0058】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0059】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
10 サーバ装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 ユーザ端末
30 店舗サーバ装置
121 構築用情報
122 ユーザ情報
123 店舗及び商品情報
124 ユーザ位置情報
125 ユーザ操作情報
131 受付部
132 構築部
133 興味対象推定部
134 変更部