(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】キャンペーン管理システム、キャンペーンの管理方法、キャンペーン管理システム用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20230202BHJP
G06Q 30/0208 20230101ALI20230202BHJP
【FI】
G06Q30/02 328
G06Q30/02 322
(21)【出願番号】P 2018149366
(22)【出願日】2018-08-08
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】398067904
【氏名又は名称】株式会社ビーマップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉野 文則
(72)【発明者】
【氏名】馬谷 聡
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-039951(JP,A)
【文献】特開2006-039776(JP,A)
【文献】特開2002-083203(JP,A)
【文献】特開2014-203237(JP,A)
【文献】特開2003-114997(JP,A)
【文献】特開2005-266842(JP,A)
【文献】特開2003-077063(JP,A)
【文献】特開2016-116832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刊行物に掲載された参加申込に関する申込情報に従ってキャンペーンへの参加申込が行われるキャンペーンの管理を行うキャンペーン管理システムであって、
前記参加申込を受け付ける受付部と、
前記参加申込が受け付けられた申込者を、特典を得るために利用可能なキャンペーンコードが発行される当選者として選定するか否か決定する抽選処理を行う抽選部と、
前記抽選部が、前記申込者を前記当選者として選定する確率である当選確率を決定する当選確率決定部
と、
前記刊行物が頒布される予定時間の範囲である頒布時間帯に関する複数の頒布時間帯情報を記憶する記憶部を備え、
前記頒布時間帯情報は、前記頒布時間帯と、前記頒布時間帯における前記当選確率がそれぞれの紐づけられたものであり、
前記当選確率決定部は、前記申込者の参加申込に関する参加申込情報に
含まれる前記参加申込の時間に関する申込時間情報に基づいて前記頒布時間帯情報を参照して前記当選確率を決定し、
前記抽選部は、前記当選確率決定部が決定した
前記当選確率に基づいて、前記抽選処理を行うことを特徴とするキャンペーン管理システム。
【請求項2】
前記当選確率を変更する確率変更部を更に備え、
前記確率変更部は、前記参加申込情報に前記申込者を識別可能な所定の識別情報が含まれる場合には、前記当選確率を前記申込者が前記当選者として選定される確率が増加する様に変更することを特徴とする請求項
1に記載のキャンペーン管理システム。
【請求項3】
刊行物に掲載された参加申込に関する申込情報に従ってキャンペーンへの参加申込が行われる
キャンペーンを、サーバ装置を用いて管理するキャンペーンの管理方法であって、
前記サーバ装置が、前記参加申込を受け付ける受付ステップと、
前記サーバ装置が、前記参加申込が受け付けられた申込者の前記参加申込に関する参加申込情報
に含まれる前記参加申込の時間に関する申込時間情報に基づいて、前記サーバ装置が備える記憶部に記憶されている、前記刊行物が頒布される予定時間の範囲である頒布時間帯と、それぞれの前記頒布時間帯において前記申込者を特典を得るために利用可能なキャンペーンコードが発行される当選者として選定する確率である当選確率と、がそれぞれの紐づけられた頒布時間帯情報を参照して、前記当選確率を決定する当選確率決定ステップと、
前記サーバ装置が、前記当選確率に基づいて、前記申込者を前記当選者として選定するか否かの決定を行う抽選ステップと、
からなることを特徴とするキャンペーンの管理方法。
【請求項4】
刊行物に掲載された参加申込に関する申込情報に従ってキャンペーンへの参加申込が行われるキャンペーンの管理を行うキャンペーン管理システム用プログラムであって、
電子計算機器に、
前記参加申込を受け付ける受付機能と、
前記参加申込が受け付けられた申込者の前記参加申込に関する参加申込情報に
含まれる前記参加申込の時間に関する申込時間情報に基づいて、
前記刊行物が頒布される予定時間の範囲である頒布時間帯と、それぞれの前記頒布時間帯において前記申込者を特典を得るために利用可能なキャンペーンコードが発行される当選者として選定する確率である当選確率と、がそれぞれの紐づけられた頒布時間帯情報を参照して前記当選確率を決定する当選確率決定機能と、
前記当選確率に基づいて、前記申込者を前記当選者として選定するか否かの決定を行う抽選機能と、
を実現するためのキャンペーン管理システム用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刊行物を用いたキャンペーンの管理に用いて好適なキャンペーン管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品やサービスの広告や販売促進、あるいは商品サンプリングや店舗の集客力向上などを目的として、特定の商品と引換可能なキャンペーンコードを頒布して行うキャンペーンが行われている。またこのキャンペーンの告知を、テレビの番組やCM、あるいは雑誌や新聞などの刊行物など様々なメディアを介して行い、番組の視聴者や刊行物の読者等にキャンペーンへの参加を呼びかけることも行われている。
【0003】
具体的には、キャンペーンの内容に関する情報などと共に、キャンペーンの参加申込サイトのURLなどの情報が、携帯端末が読み取り可能なQRコード(登録商標)として表示あるいは掲載される。そしてキャンペーンへの参加を申し込む申込者は、表示あるいは掲載されているQRコードを自身の携帯端末などで撮影して参加申込サイトにアクセスし、参加申込を行う。
【0004】
また、この様にテレビ放送や刊行物などのメディアとインターネットを活用したキャンペーンを行い、メディアの視聴や刊行物の読者に、店舗を訪問するためのインセンティブを付与し、店舗の集客力を向上させる試み(On Air To On ine to Off line)も行われ始めている。
【0005】
そしてこの様なメディアとインターネットを用いたキャンペーンの管理を行うキャンペーン管理システムも知られている(例えば、特許文献1参照。)。このキャンペーン管理システムでは、告知が行われるメディア毎に異なる種類のキャンペーンコードが発行されるため、キャンペーンの申込を行った申込者が視聴等したメディアの種類や、実際に店舗を訪問した申込者が視聴等したメディアの種類の分析を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の様なキャンペーンを行う場合、キャンペーンへの参加申込を行った申込者の中から、キャンペーンコードが発行される当選者が抽選で選定されることが行われる。即ち、抽選で当選者として選定された申込者に対し、キャンペーンコードが頒布されることが行われる。その様にすることでキャンペーンの射興性が増して視聴者等の関心が高まり、より多くの参加申込が行われることが期待できると共に、キャンペーンコードの発行数を所定の数に制限することができる様になる。
【0008】
一方、上記の様なキャンペーン管理システムを用いたとしても、キャンペーン期間中にキャンペーンコードの発行数が所定の数に達してしまい、残りの期間においてキャンペーンコードの発行ができなくなる状態を防ぐことができないという問題があった。
【0009】
例えば、キャンペーン告知が新聞などの刊行物にて行われる場合に、刊行物が早い時間帯に頒布される地域の読者からの参加申込が集中し、他の地域に刊行物が頒布される前にキャンペーンコードの発行数を所定の数に達してしまう畏れがある。この様な場合には、他の地域の刊行物の読者は、キャンペーン期間中にもかかわらず、参加申込を行っても当選者に選ばれることがないため、申込者の間に不公平感や不満が生じてしまう畏れがある。即ち、上記の様なキャンペーン管理システムを用いたとしても、申込者にこの様な不満や不公平感が生じてしまうことを防ぐことはできないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、申込者の状況に応じた当選者の選定が可能なキャンペーンの管理を行うキャンペーン管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明のキャンペーン管理システムは、刊行物に掲載された参加申込に関する申込情報に従ってキャンペーンへの参加申込が行われるキャンペーンの管理を行うキャンペーン管理システムであって、前記参加申込を受け付ける受付部と、前記参加申込が受け付けられた申込者を、特典を得るために利用可能なキャンペーンコードが発行される当選者として選定するか否か決定する抽選処理を行う抽選部と、前記抽選部が、前記申込者を前記当選者として選定する確率である当選確率を決定する当選確率決定部を備え、前記当選確率決定部は、前記申込者の参加申込に関する参加申込情報に基づいて前記当選確率を決定し、前記抽選部は、前記当選確率決定部が決定した当選確率に基づいて、前記抽選処理を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明のキャンペーン管理システムによれば、前記参加申込情報は、前記参加申込の時間に関する申込時間情報を少なくとも含むものであり、前記当選確率決定部は、前記申込時間情報に基づいて前記当選確率を決定する事を特徴とすることが好ましい。
【0013】
上記発明においては、前記刊行物が頒布される予定時間の範囲である複数の頒布時間帯に関する頒布時間帯情報を記憶する記憶部を更に備え、前記頒布時間帯情報は、前記頒布時間帯と、前記頒布時間帯における前記当選確率がそれぞれの紐づけられたものであり、前記当選確率決定部は、前記申込時間情報に基づいて前記頒布時間帯情報を参照して前記当選確率を決定することを特徴とすることが好ましい。
【0014】
上記発明においては、前記参加申込情報は、前記刊行物を識別する刊行物識別情報を少なくとも含むものであり、前記当選確率決定部は、前記刊行物識別情報に基づいて前記当選確率を決定する事を特徴とすることが好ましい。
【0015】
上記発明においては、前記当選確率を変更する確率変更部を更に備え、前記確率変更部は、前記参加申込情報に前記申込者を識別可能な所定の識別情報が含まれる場合には、前記当選確率を前記申込者が前記当選者として選定される確率が増加する様に変更することを特徴とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のキャンペーン管理システムによれば、参加申込情報に基づいて、申込者の当選確率が決定され、決定された当選確率に基づいて抽選処理が行われる。このため、申込者の状況に応じた柔軟な管理が可能なキャンペーン管理システムを提供することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるキャンペーン管理システムの一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】本発明によるキャンペーン管理システムの一実施形態における情報の流れを示す図である。
【
図3】
図3(a)は、本発明によるキャンペーン管理システムの一実施形態における頒布時間テーブルの一例を示す図である。
図3(b)は、本発明によるキャンペーン管理システムの一実施形態における顧客データテーブルの一例を示す図である。
【
図4】本発明によるキャンペーン管理システムの一実施形態における処理の流れを示す図である。
【
図5】本発明によるキャンペーン管理システムの他の実施形態を示すブロック図である。
【
図6】本発明によるキャンペーン管理システムの他の実施形態における定期購読頒布時間テーブルの一例を示す図である。
【
図7】本発明によるキャンペーン管理システムの他の実施形態における市販頒布時間テーブルの一例を示す図である。
【
図8】本発明によるキャンペーン管理システムの他の実施形態における処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係るキャンペーン管理システム1について
図1から
図4を参照しながら説明する。なお本実施形態では、本発明に係るキャンペーン管理システム1を、商品メーカーが自社の新商品の認知度を上げるために行うキャンペーンの管理に用いる例に適用して以降の説明を行う。このキャンペーンでは、申込者の中から抽選で選定された当選者に、商品との引換に用いられるキャンペーンコードが発行されるものとする。
【0019】
なお、本実施形態に係るキャンペーンでは、そのキャンペーンの告知が、新商品の広告と共に新聞の広告欄に掲載され、その告知の中に、キャンペーンへの申し込み受付を受け付けるインターネットの参加申込サイトの情報(URL)が印刷されている例に適用して以降の説明を行う。即ち、インターネットの参加申込サイトの情報(URL)がスマートフォンや携帯電話などの携帯端末が読み取り可能な二次元コードであるQRコード(登録商標)として新聞の広告欄に印刷されているものとする。なお本実施形態における新聞に掲載されたQRコードやインターネットの参加申込サイトの情報が特許請求の範囲における申込情報とされている。
【0020】
<構成の説明>
はじめに主に
図1を参照してキャンペーン管理システム1の構成について説明を行う。本実施形態にかかるキャンペーン管理システム1は、キャンペーン管理サーバ2から主に構成されている。キャンペーン管理サーバ2は、キャンペーンへの参加申込の受付や、商品の引き替える際に用いられるキャンペーンコードの発行、及びその管理を主に行うサーバ装置である。キャンペーン管理サーバ2は、インターネット回線4に接続され、申込者の携帯端末3A~3C(以降において携帯端末3A~3Cを総称して「携帯端末3」とも記載する。)と通信できるようになっている。なお、本実施形態では説明のため
図1において携帯端末3A~3Cを記載しているが、キャンペーン管理サーバ2に通信可能に接続される携帯端末3の数はこれに限定される訳ではない。すなわち、キャンペーン管理サーバ2は、より多くの数の携帯端末3と通信できるようになっている。
【0021】
本実施形態では、キャンペーン管理サーバ2が、専用のプログラムがインストールされたサーバ装置である例に適用して以降の説明を行う。即ち、サーバ装置のハードウェアと、それらにインストールされたプログラムが協働することにより、詳細は後述するキャンペーン管理サーバ2の各部の機能が実現されている例に適用して以降の説明を行う。なお、キャンペーン管理システム1の構成は、これに限定される訳ではなく、例えばその各部の機能が、それぞれ専用の機能を有したハードウェアによって実現されていてもよい。あるいは、キャンペーン管理システム1が、複数のサーバ装置から構成され、各部の機能がそれぞれのサーバ装置によって実現されていたり、あるいは各部の機能が、複数のサーバ装置が協働して実現されていたりしてもよい。
【0022】
キャンペーン管理サーバ2は、受付部21、当選確率決定部22、確率変更部23、抽選部24、キャンペーンコード管理部25、送信部26、頒布時間情報記憶部27、顧客情報記憶部28及びキャンペーンコード情報記憶部29から主に構成されている。
【0023】
受付部21は、キャンペーンの参加申込を行う新聞の読者(以降において「申込者」とも記載する。)の携帯端末3の表示部に、キャンペーンの申込画面を表示させる信号を送信するとともに、申込者による参加申込を受け付ける部分である。即ち受付部21は、携帯端末3の表示部に表示された申込画面に従って、申込者が入力したキャンペーンへの参加申込に関する情報を受信して参加申込を受け付ける部分である。
【0024】
本実施形態では、受付部21は、申込者の携帯端末3の表示画面に、少なくとも申込者のe-mailアドレスと、申込者の顧客IDの入力を求める画面を表示する例に適用して以降の説明を行う。なお、この顧客IDとは、キャンペーンのQRコードが掲載された新聞の発行主である新聞社が、自社の新聞等の定期購読者などの顧客に対して発行する、顧客管理用の識別情報である。本実施形態では、顧客IDが、新聞社が自社の新聞の定期購読者に対してそれぞれ発行する顧客管理用の識別番号である例に適用して以降の説明を行う。なお、本実施形態における顧客IDが、特許請求の範囲における識別情報とされている。
【0025】
本実施形態では、受付部21は、少なくとも申込者のe-mailアドレスが入力されれば、申込者からの参加申込を受け付ける例に適用して以降の説明を行う。即ち、申込者が当該新聞の定期購読者等ではなく、申込み画面において顧客IDの入力がされなくても、受付部21が参加申込を受け付ける例に適用して以降の説明を行う。
【0026】
受付部21は、申込者による参加申込を受け付けると、参加申込情報を出力する。この参加申込情報とは、携帯端末3から受信した情報と、受付部21が受け付けた参加申込の時間に関する参加時間情報が紐づけられたものである。なおこの参加申込情報には、上記以外のその他の参加申込に関する情報が含まれていてもよい。本実施形態では、申込時間情報が、受付部21が参加申込を受け付けた時間に関する情報である例に適用して以降の説明を行う。なお申込時間情報は、申込者が参加申込を行った時間や、受付部21が参加申込情報を出力する時間、あるいはそれらの時間が属する時間帯など、その他の参加申込に関する時間に関する情報であっても構わない。
【0027】
当選確率決定部22は、受付部21が出力した参加申込情報に基づいて、詳細は後述する抽選部24が行う抽選処理の当選確率を決定する部分である。即ち当選確率決定部22は、受付部21が出力した参加申込情報に基づいて、その参加申込情報に係る申込者を、抽選部24が当選者として選定する割合(確率)を決定する部分である。
【0028】
確率変更部23は、当選確率決定部22が決定した当選確率を、参加申込情報に基づいて変更し、最終の当選確率を確定する処理を行う部分である。より具体的に説明すると、確率変更部23は、参加申込情報に所定の情報が含まれる場合に、当選確率決定部22が決定した当選確率を予め定められたルールに従って変更する処理を行う部分である。
【0029】
本実施形態では、確率変更部23は、参加申込情報に所定の顧客IDが含まれている場合に、当選確率決定部22が決定した当選確率を大きな値に修正する処理を行う例に適用して以降の説明を行う。即ち確率変更部23は、顧客IDを有する申込者(新聞の定期購読者)が、顧客IDを有していない申込者(新聞の定期購読者ではない申込者)よりも当選者として選ばれやすくなるように当選確率を変更する処理を行う例に適用して以降の説明を行う。なお確率変更部23は、参加申込情報に顧客IDが含まれていない場合には、当選確率決定部22が決定した当選確率を抽選処理に用いられる当選確率としてそのまま確定する処理を行う。
【0030】
抽選部24は、当選確率決定部22が確定した当選確率に基づいて、申込者に対してキャンペーンコードを発行するか否かを決定する抽選処理を行う部分である。換言すれば、受付部21が出力した参加申込情報にかかる申込者を、当選者として選定するか否かの抽選を行う部分である。抽選部24が行う抽選処理は、乱数を用いる抽選方法など、公知の抽選処理方法によって行われる。
【0031】
抽選部24は、申込者にキャンペーンコードを発行すると決定した場合には、即ち申込者を当選者として選定する処理を行った場合には、詳細は後述するキャンペーンコード管理部25にキャンペーンコードの発行を指示する信号(以降において「当選情報」とも記載する。)を出力する。また抽選部24は、申込者に対してキャンペーンコードを発行しないと決定した場合には、即ち、当該申込者をキャンペーンコードが発行されない落選者として選定する処理を行った場合には、当該申込者にキャンペーンコードが発行されない旨(抽選に落選した旨)を通知する信号(以降において「落選情報」とも記載する。)を出力する。
【0032】
キャンペーンコード管理部25は、当選者に発行するキャンペーンコードの管理を行う部分である。キャンペーンコード管理部25は、抽選部24からの当選情報に基づいて、固有のキャンペーンコードを出力する。
【0033】
送信部26は、インターネット回線4を介して申込者の携帯端末3に情報を送信する部分である。具体的に説明すると、送信部26は、キャンペーンコード管理部25が発行したキャンペーンコードや抽選部24が出力した落選情報を、対応する携帯端末3に送信する。なお送信部26は、キャンペーンコードや落選情報を送信する際に、あるいはその他のタイミングで、その他の情報を携帯端末3に送信する機能を有しても構わない。
【0034】
頒布時間情報記憶部27、顧客情報記憶部28、及びキャンペーンコード情報記憶部29は、電子情報を記憶するハードディスクやメモリなどの公知の情報記憶デバイスである。
【0035】
頒布時間情報記憶部27は、新聞が配達される地域である頒布地域における新聞の予定されている頒布時間(配達時間)の時間範囲(以降において「頒布時間帯」とも記載する。)と、それぞれの頒布時間帯における当選確率が紐づけられて記録される頒布時間テーブル(
図3(a)参照。)が主に記憶される部分である。具体的に説明すると、頒布時間テーブルには、新聞が頒布(配達)される時間帯と、それぞれの時間帯に新聞が頒布される地域、及び各地域に頒布される頒布数がそれぞれ紐づけられて記録されている。更に頒布時間テーブルには、各時間帯にそれぞれ当選確率が紐付けられて記録されている。即ち時間帯ごとに当選確率が設定されている。本実施形態における頒布時間テーブルが、特許請求の範囲における頒布時間帯情報とされている。
【0036】
なお本実施形態では、10時までに新聞の頒布が完了し、また、キャンペーンの申込可能時間帯は4:00~20:00に設定されている例に適用して以降の説明を行うと、
図3(a)において10時以降に新聞が配達される地域はないため、10時以降の地域等の情報が空欄となっている。また、20時以降にキャンペーンの申込や抽選が行われることはないため、
図3(a)における20時以降の時間帯の当選確率の欄は空欄となっている。
【0037】
顧客情報記憶部28は、新聞の定期購読者に関する情報が顧客IDに紐づけられて記録される顧客データテーブル(
図3(b)参照。)が主に記憶される部分である。本実施形態では、顧客IDに紐づけられて定期購読者の氏名、定期購読者の住所(地域及び詳細地域)、更にはe-mailアドレスが顧客データテーブルに記録されている例に適用して以降の説明を行う。なお、顧客IDに紐づけられて記録される情報は、上記に限定される訳ではなく、上記以外の定期購読者に関する情報が紐づけられて記録されていてもよい。あるいは顧客データテーブルに顧客IDのみが記録されていてもよい。
【0038】
キャンペーンコード情報記憶部29は、キャンペーンコード管理部25が発行したキャンペーンコードと、当該キャンペーンコードが発行された申込者に関する情報が紐づけられて記憶される部分である。
【0039】
携帯端末3は、スマートフォンや携帯電話、あるいはタブレットなどの公知の携帯情報端末である。携帯端末3は、WiFi規格(「WiFi」は登録商標)に従って無線通信装置と無線通信を行う機能や、携帯電話回線やWiFi通信を介してインターネットに接続する機能を有している。また、写真や動画を撮影するカメラ部や、使用者が入力操作を行う入力部、及び所定の表示を行う表示部も備えている。またカメラ部を用いて、所定のインターネットサイトのアドレスなどの情報が含まれるQRコードを撮影し、当該サイトにアクセスする機能も有している。なお、携帯端末3のカメラ部、入力部、表示部、あるいはその他の機能を有する部分は
図1において図示されていない。
【0040】
<作用の説明>
次に、上記の構成からなるキャンペーン管理システム1について、その作用の説明を行う。なお以降において、インターネットの参加申込サイトの情報(URL)が示されたQRコード(以降において単に「QRコード」とも記載する。)が印刷された新聞は、あらかじめ定められたそれぞれの時間帯に、所定の地区に頒布されるものとする。具体的に説明すると、4:00から5:00の時間帯ではA地区に、5:00から6:00の時間帯ではB地区に、6:00から7:00の時間帯ではC地区に、7:00から8:00の時間帯ではD地区に、8:00から10:00の時間帯ではE地区に、新聞が頒布される例に適用して以降の説明を行う(
図3(a)参照。)。
【0041】
1.地域Aからの申込
はじめに、地域Aに住居する申込者aが、新聞を受領して直ちに参加申込を行う例に適用して以降の説明を行う。なお申込者aは新聞の定期購読者であるものとする。
【0042】
申込者aは、新聞の広告欄に印刷されたQRコードを自身の携帯端末3Aにて撮影して、キャンペーンの参加申込サイトにアクセスする。具体的に説明すると、申込者aは、携帯端末3Aを操作し、その表示部に表示された申込み画面に従って必要な情報を入力して参加申込みを行う(S10)。本実施形態では、申込者aは、新聞社から発行された顧客ID「1111」と、e-mailアドレスとして「xxx@aaa.com」を有している例に適用して以降の説明を行うと、申込者aは携帯端末3Aを操作して自身のe-mailアドレス「xxx@aaa.com」と、顧客ID「1111」を申込み画面に入力して参加申込みを行う。
【0043】
所定の情報が入力されると、受付部21は申込者aの参加申込みを受け付け、その旨を通知する信号を携帯端末3Aに送信する(S11)。また受付部21は、受け付けた申込者aの参加申込情報を、当選確率決定部22および確率変更部23にそれぞれ送信する(S12、S30)。具体的に説明擦ると受付部21は、携帯端末3Aから送信された申込者aのe-mailアドレス「xxx@aaa.com」、および顧客ID「1111」を、受付部21が申込者aの参加申込を受け付けた申込時間情報と関連づけて、参加申込情報として当選確率決定部22および確率変更部23に送信する。
【0044】
本実施形態では受付部21が、申込者aの参加申込を4:05に受け付ける例に適用して説明を行うと、受付部21は、入力されたe-mailアドレス「xxx@aaa.com」及び顧客ID「1111」を、申込時間情報「4:05」に紐づけ、参加申込情報として当選確率決定部22および確率変更部23に送信する。
【0045】
当選確率決定部22は、参加申込情報を受信すると、受信した参加申込情報に基づいて頒布時間テーブル(
図3(a)参照。)を参照し(S20)、申込者aの受付時間情報が属する時間帯に紐づけられている当選確率を取得する(S21)。本実施形態では、申込者aの参加申込が受け付けられた時間は「4:05」であるため、当選確率決定部22は、頒布時間テーブルを参照して受付時間情報「4:05」が属する時間帯「4:00-5:00」に紐づけられている当選確率「1.0%」を申込者aの当選確率として取得する。当選確率決定部22は、取得した当選確率を確率変更部23に送信する(S22)。
【0046】
確率変更部23は、受付部21から受信した参加申込情報に、所定の顧客IDが含まれている場合には、当選確率決定部22から受信した当選確率を変更する処理を行う。本実施形態では、確率変更部23は顧客データテーブル(
図3(b)参照。)を参照し(S31,S32)、受信した顧客IDが顧客データテーブルに登録されている場合に、受信した当選確率をその2倍の値に変更する処理を行う例に適用して以降の説明を行うと、S30にて確率変更部23が受信した受信した参加申込情報に含まれる顧客ID「1111」は、顧客データテーブルに登録されている顧客IDであるため(
図3(b)参照。)、確率変更部23は当選確率決定部22から受信した当選確率「1.0%」を「2.0%」に変更する処理を行う。確率変更部23は修正した当選確率(確定された当選確率)を抽選部24に送信する(S33)。
【0047】
なお、確率変更部23あるいは受付部21は、確率変更部23が顧客データテーブル(
図3(b)参照。)を参照した際に、申込者のe-mailアドレスを追加するなど、参加申込情報に基づいて、顧客データテーブルを更新する処理を行ってもよい。
【0048】
抽選部24はS33にて確率変更部23から確定された当選確率を受信すると、受信した当選確率を用いた公知の抽選方法に基づいて抽選処理を行う。抽選部24は、申込者に対してキャンペーンコードを発行する決定を行った場合には、当選情報をキャンペーンコード管理部25に送信する(S34)。また、抽選部24は、申込者に対してキャンペーンコードを発行しない決定を行った場合には、落選情報を送信部26に送信する(S37)。
【0049】
本実施形態では、抽選部24が、申込者aに対してキャンペーンコードを発行する決定を行う例に適用して以降の説明を行うと、抽選部24は当選情報をキャンペーンコード管理部25に送信する。
【0050】
キャンペーンコード管理部25は、抽選部24から当選情報を受信すると商品と引換可能なキャンペーンコードを発行する処理を行う。なおキャンペーンコード管理部25は、キャンペーンコードの代わりに、商品の引換が行われる店舗に設置されている専用端末等を用いてキャンペーンコードを取得することができるキャンペーンコード引換情報を発行してもよい。あるいは、キャンペーンコード管理部25は、このキャンペーンコード引換情報として、申込者が店舗を訪問して自身の携帯端末3を店舗のWiFiに接続した際にキャンペーンコードが取得できる情報を発行してもよい。以降において、キャンペーンコード管理部25が発行したキャンペーンコードあるいはキャンペーンコード引換情報を「キャンペーンコード等」とも記載する。
【0051】
キャンペーンコード管理部25は、発行したキャンペーンコード等をキャンペーンコード情報記憶部29に記憶させる処理を行う(S35)。この際キャンペーンコード管理部25は、発行したキャンペーンコード等を、参加申込情報に含まれるe-mailアドレスやその他の申込者を識別可能な情報と関連づけて記憶させる処理を行ってもよい。
【0052】
キャンペーンコード管理部25は、発行したキャンペーンコード等を、送信部26に送信する(S36)。S36にてキャンペーンコードを受信した送信部26は、携帯端末3Aの表示部にキャンペーンコード等を表示させる信号を送信する(S38)。送信部26はこの際、携帯端末3Aに、キャンペーンに当選したことを通知する信号を併せて送信してもよい。なお送信部26は、S37にて抽選部24から落選情報を受信した場合には、携帯端末3Aに、キャンペーンに落選したことを通知する信号を出力する。
【0053】
2.地域Eからの申込
続いて、同じく
図2を参照して、地域Eの申込者bが参加申込を行う例に適用して以降の説明を行う。なお申込者bは新聞の定期購読者ではなく、顧客IDを有していない者であるとして以降の説明を行う。
【0054】
申込者bは、コンビニエンスストアや駅の売店(以降において「店舗」とも記載する。)などで新聞を購入し、新聞の広告欄に印刷されたQRコードを自身の携帯端末3Bにて撮影して、キャンペーンの参加申込サイトにアクセスする。申込者bは、携帯端末3Bを操作し、その表示部に表示された申込み画面に従って必要な情報を入力して参加申込みを行う(S10)。本実施形態では、申込者bは自身のe-mailアドレス「zzz@abc.com」を入力して参加申込みを行う例に適用して以降の説明を行う。
【0055】
申込者bが所定の情報を入力すると、受付部21は申込者bの参加申込みを受け付け、その旨を携帯端末3Bに通知する信号を送信する(S11)。受付部21は、申込者bの参加申込情報を当選確率決定部22および確率変更部23に送信する(S12、S30)。本実施形態では、受付部21が、申込者bの参加申込を9:00に受け付ける例に適用して説明を行うと、受付部21は、入力されたe-mailアドレス「zzz@abc.com」と申込時間情報「9:00」が紐づけられた参加申込情報を、当選確率決定部22および確率変更部23に送信する。
【0056】
当選確率決定部22は、S12にて参加申込情報を受信すると、受信した参加申込情報に基づいて頒布時間テーブル(
図3(a)参照。)を参照し(S20)、申込者bの受付時間情報が属する時間帯に紐づけられている当選確率を取得する(S21)。本実施形態では、当選確率決定部22は、頒布時間テーブルを参照して受付時間情報「9:00」が属する時間帯「8:00-10:00」に紐づけられている当選確率「3.5%」を申込者bの当選確率として取得する(
図3(a)参照。)。当選確率決定部22は、取得した当選確率を確率変更部23に送信する(S22)。
【0057】
確率変更部23は、受信した申込者bの参加申込情報に、顧客IDが含まれていないため、当選確率を変更する処理を行わず、当選確率決定部22から送信された当選確率(「3.5%」)をそのまま抽選部24に送信する(S33)。
【0058】
抽選部24は、S33にて確率変更部23から確定された当選確率を受信すると、受信した当選確率に基づいて抽選処理を行う。
抽選部24は、申込者bにキャンペーンコードを発行する決定を行った場合には、当選情報をキャンペーンコード管理部25に送信し(S34)、キャンペーンコード管理部25及び送信部26がキャンペーンコード等を発行、及び送信する処理を行う(S35~S38)。また、抽選部24は、申込者bに対してキャンペーンコードを発行しない決定を行った場合には、落選情報を送信部26に送信し(S37)、申込者bにキャンペーンに落選したことを通知する(S38)。
【0059】
3.キャンペーン管理サーバ2の動作の説明
次に主に
図4を参照してキャンペーン管理サーバ2の動作について説明を行う。
キャンペーンの開始に伴うキャンペーンの管理者からの指示に従ってキャンペーン管理サーバ2はその処理を開始する。申込者からの参加申込があると、受付部21は、申込者の携帯端末3の表示画面に、申込者のe-mailアドレスや顧客IDなどの所定の情報の入力を求める受付画面を表示させる信号を送信する。受付部21は、申込者から所定の情報の入力がされると参加申込を受け付ける(S100)(受付ステップ)。受付部21は、申込者から送信された情報と申込時間情報が紐づけられた参加申込情報を、当選確率決定部22及び確率変更部23に送信する。なおこの参加申込情報には、申込者のe-mailアドレスや顧客IDの他、申込者の住所に関する情報や申込者が新聞を入手した地域に関する情報などその他の情報が含まれていてもよい。
【0060】
当選確率決定部22は、受信した参加申込情報に基づいて頒布時間テーブル(
図3(a)参照。)を参照し(S110)、申込者の当選確率を決定する(S120)(当選確率決定ステップ)。本実施形態では、当選確率決定部22は、参加申込情報に含まれる申込時間情報に基づいて頒布時間テーブル(
図3(a)参照。)を参照して、申込者の当選確率を決定する。
【0061】
確率変更部23は、参加申込情報に所定の顧客IDが含まれているか否かの確認を行い、所定の顧客IDが含まれている場合には(S130にてYes)、S120にて当選確率決定部22が決定した当選確率を、予め定められたルールに従って変更して確定する処理を行う(S140、S150)。具体的には、顧客IDを有する新聞の定期購読者の当選確率を、当選確率決定部22が決定した当選確率よりも大きくなる様に修正する。確率変更部23は、参加申込情報に所定の顧客IDが含まれていない場合(S130にてNo)には、当選確率決定部22が決定した当選確率を確定する処理を行う(S150)。
【0062】
なお本実施形態では、確率変更部23は、S130にて参加申込情報に所定の顧客IDが含まれているか否かの確認を行う際に、顧客データテーブル(
図3(b)参照。)を参照し、参加申込情報に含まれる顧客IDが、顧客データテーブルに登録されているかの確認を行う例に適用して以降の説明を行う。なお確率変更部23は、参加申込情報に、所定のルールに従って発番された顧客IDが含まれているかなど、他の公知の方法によって参加申込情報に所定の顧客IDが含まれているか否かの確認を行ってもよい。
【0063】
抽選部24は、当選確率決定部22が確定した当選確率に基づいて抽選処理を行う(S160)(抽選ステップ)。抽選部24は、この抽選処理によって申込者に対してキャンペーンコードを発行する(当選)と決定した場合には(S170にてYes)、当選情報をキャンペーンコード管理部25に送信する。キャンペーンコード管理部25は、受信した当選情報に基づいてキャンペーンコード等を発行するともに(S180)、発行したキャンペーンコード等を送信部26に送信する。
【0064】
送信部26は、発行されたキャンペーンコード等と当選の通知を、申込者の携帯端末3の表示部に表示させる信号を出力する(S190)。
抽選部24は、S170の抽選処理によって申込者に対してキャンペーンコードを発行しない(落選)と決定した場合には(S170にてNo)、落選情報を送信部26に送信する。送信部26は、落選したことを通知する画面を申込者の携帯端末3の表示部に表示させる信号を出力する(S190)。
【0065】
上記の構成からなるキャンペーン管理システム1によれば、参加申込情報に基づいて決定された当選確率に基づいて抽選処理が行われる。即ち、申込者の参加申込に関する情報に基づいて当選確率が設定される。このため、例えば参加申込が行われる時間帯毎、あるいは刊行物が配布された頒布地域など申込者の参加申込に関する情報に基づいて、異なる当選確率を設定することもでき、申込者の状況に応じた柔軟な管理が可能なキャンペーン管理システムを提供することが可能となる。
【0066】
また当選確率が、参加申込が受け付けられた時間に関する申込時間情報によって決定されため、例えば一部の地域にしか新聞が配達されていない時間帯では、当選確率を低く設定し、時間が経過して新聞の配達地域が増えるにつれてその当選確率が大きくなるように設置することも可能となる。即ち、予め定められた当選者の数や刊行物の頒布数等を考慮して、頒布時間に応じた当選確率を設定すれば、例えばキャンペーンの初期の段階で、申込が集中することによって当選者が予定数に達してしまい、その後の期間では申込を行った申込者が当選しないといった不公平感の生じる畏れのないキャンペーンの管理を行うことが可能となる。あるいは、キャンペーン期間中の特定の期間の当選確率を高く設定してキャンペーンの関心を高めるなど、魅力のあるキャンペーンを行うことも可能となる。
【0067】
更に当選確率が、参加申込が受け付けられた申込時間情報と、予め定められた新聞が頒布される時間帯によって決定される。即ち、参加申込が、どの頒布時間帯に受け付けられたかによって、当選確率が決定されるため、申込時間情報が対応する時間帯を特定するだけの簡単な処理で、申込時間に応じた当選確率を決定することが可能なキャンペーン管理システムを提供できる。
【0068】
また、参加申込情報に所定の顧客IDが含まれている場合に、当選確率決定部22が決定した当選確率が変更される。即ち、新聞の定期購読者が参加申込を行った場合には、その当選確率が他の申込者と比べて高くなるように当選確率が変更されるため、新聞社の顧客である新聞などの刊行物の定期購読者の満足度を向上させると共に、定期購読者ではない新聞の読者に、定期購読を行うことのインセンティブを与えることが可能なキャンペーン管理システムを提供することが可能となる。
【0069】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について
図5から
図8を参照しながら説明する。
本実施形態のキャンペーン管理システム100の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、確率変更部を有していない点、及び頒布時間情報記憶部が記憶するテーブルの内容が相違する。よって、本実施形態においては、第1の実施形態とは異なる部分について主に説明を行い、共通する部分については第1の実施形態と同一の番号を付してその説明を省略する。
【0070】
本実施形態では、キャンペーンへの申し込み受付を受け付けるインターネットの参加申込サイトの情報(URL)が掲載される新聞に、少なくともその新聞が頒布された地域を特定することができる情報(以降において「新聞識別情報」とも記載する。)がそれぞれ付与されている例に適用して以降の説明を行う。即ち、それぞれの新聞に、その新聞がどの地域で頒布されたかを少なくとも識別することが可能な固有の識別情報(新聞識別情報)が付与されている例に適用して以降の説明を行う。また、定期購読者に頒布された新聞と、コンビニや駅の売店などの店舗にて販売される新聞とでは種類の異なる新聞識別情報が付与されている例に適用して以降の説明を行う。即ち新聞に、その新聞が定期購読者に配達(頒布)されたものであるか、店舗にて販売されものであるか識別ができ新聞識別情報が付与されている例に適用して以降の説明を行う。なお、本実施形態における新聞識別情報が、特許請求の範囲における刊行物識別情報とされている。
【0071】
また本実施形態では、参加申込サイトの情報(URL)のQRコードに、そのQRコードが印刷された新聞の新聞識別情報が含まれている例に適用して以降の説明を行う。即ち申込者が、自身の携帯端末を用いてQRコードを撮影すると、申込者の携帯端末は、撮影した新聞の新聞識別情報も併せて取得する例に適用して以降の説明を行う。
【0072】
はじめに主に
図5を参照してキャンペーン管理システム100の構成について説明を行う。本実施形態にかかるキャンペーン管理システム100は、キャンペーン管理サーバ200から主に構成されている。
【0073】
キャンペーン管理サーバ200は、受付部21、当選確率決定部22、抽選部24、キャンペーンコード管理部25、送信部26、頒布時間情報記憶部270、顧客情報記憶部28及びキャンペーンコード情報記憶部29から主に構成されている。
【0074】
頒布時間情報記憶部270は、主に定期購読者の頒布時間に関する情報が記録された定期購読頒布時間テーブル(
図6参照。)と、店舗で販売される新聞の頒布時間に関する情報が記録された市販頒布時間テーブル(
図7参照。)が記憶される部分である。
【0075】
定期購読頒布時間テーブル(
図6参照。)には、定期購読者に頒布される新聞の頒布地域に関する情報が、頒布時間帯毎に記録されている。具体的には、時間帯毎に新聞が頒布される地域に関する情報、各地域の詳細な地域(以降において「詳細地域」とも記載する。)に関する情報、及びそれらの地域の配達の順番がそれぞれ紐づけられて記録されている。更に、詳細地域毎に割り当てられた新聞識別情報、及び各詳細地域に対応する当選確率も紐づけられて記録されている(
図6参照。)。本実施形態では、定期購読者の各詳細地域に対してa000~e1000の新聞識別情報がそれぞれ割り当てられている例に適用して以降の説明を行う(
図6参照。)。
【0076】
市販頒布時間テーブルにも同様に、頒布地域に関する情報が、頒布時間帯毎に記録されており、それぞれの頒布地域に割り当てられた新聞識別情報がそれぞれ紐づけられて記録されている。また、時間帯に対応する当選確率も紐づけられて記録されている(
図7参照。)。本実施形態では、新聞が販売される店舗の地域毎に、ZA0001~ZE1000の新聞識別情報がそれぞれ割り当てられている例に適用して以降の説明を行う(
図7参照。)。
【0077】
なお、定期購読頒布時間テーブルに記録されている当選確率は、市販頒布時間テーブルの対応する時間帯に紐づけられている当選確率よりも大きな値となっている。即ち、任意の時間帯における定期購読頒布時間テーブルの当選確率の値は、市販頒布時間テーブルの対応する時間帯の当選確率の値以上となっている。
【0078】
<作用の説明>
次に、主に
図8を参照してキャンペーン管理システム100に係るキャンペーン管理サーバ200の作用について説明を行う。
【0079】
1.定期購読者からの申込
はじめに地域Aの申込者aaが参加申込を行う例に適用して説明を行う。なお、以降において申込者aaは、地域「A」の詳細地域「a2」に住所を有しており、申込者aaには、新聞識別情報「a301」が付与された新聞が配達されている例に適用して説明を行う。
【0080】
申込者aaは自身の携帯端末3AAを操作して新聞に掲載されたQRコードを撮影して、申込サイトにアクセスして参加申込を行う。なお携帯端末3AAはQRコードを撮影すると、撮影した新聞の新聞識別情報「a301」も併せて取得する。
【0081】
受付部21は携帯端末3AAからアクセスがあると、携帯端末3AAの表示部に必要な情報の入力を求める画面を表示させる信号を送信する。本実施形態では、受付部21は、携帯端末の表示部に申込者のメールアドレスの入力を求める画面を表示させる信号を送信する。
【0082】
申込者aaが携帯端末3AAを操作して所定の情報を入力すると、受付部21は申込者aaの参加申込を受け付ける(S300)。受付部21はこの際、携帯端末3AAがQRコードを撮影する際に取得した新聞識別情報「a301」も併せて受信する。受付部21は、申込者aaが携帯端末3AAを操作して入力した情報と、新聞識別情報「a301」及び受付部21が参加申込を受け付けた申込時間情報をそれぞれ紐づけ、参加申込情報として当選確率決定部22に送信する。
【0083】
当選確率決定部22は、参加申込情報に含まれる新聞識別情報に基づいて、申込者aaが新聞の定期購読者であるか否かの判定を行う(S305)。本実施形態では、参加申込情報に含まれる新聞識別情報「a301」は、定期購読者に頒布される新聞に付与されるものであるため(S305にてYes)、当選確率決定部22は、新聞識別情報「a301」に基づいて定期購読頒布時間テーブル(
図6参照。)を参照し(S310)、当選確率を取得する。
【0084】
本実施形態では、申込者aaの参加申込が4:00~5:00の時間帯に受け付けられた例に適用して説明を行うと、当選確率決定部22は、定期購読頒布時間テーブルの新聞識別情報「a301」が属する詳細地域に対応する当選確率を、申込者aaの当選確率として取得する。即ち当選確率決定部22は、新聞識別情報「a301」が属する詳細地域「a2」に対応する当選確率「2%」を申込者aaの当選確率として取得し当選確率を決定する(S320)。
【0085】
なお、申込者aaの参加申込が5:00以降に受け付けられた場合、即ち、申込者aaの参加申込が上記とは異なる他の時間帯に受け付けられた場合には、当選確率決定部22は、申込時間情報に基づいて申込者aaの当選確率を決定する。
【0086】
例えば申込者aaの参加申込が7:00~8:00の時間帯に受け付けられた例に適用して説明すると、当選確率決定部22は、参加申込が受け付けられた時間帯「7:00~8:00」に紐づけられている当選確率の中から、いずれかの当選確率を申込者aaの当選確率として選定する。本実施形態では、当選確率決定部22が、時間帯「7:00~8:00」に紐づけられている当選確率の値のうち最も大きな値を当選確率として選定する例に適用して説明すると、当選確率決定部22は、時間帯「7:00~8:00」に紐づけられている当選確率の値である「6%」、「6%」、及び「7%」の中から「7%」を申込者aaの当選確率として取得して当選確率を確定する(S320)。なお当選確率決定部22は、他のルールに従って時間帯「7:00~8:00」に紐づけられている当選確率の値である「6%」、「6%」、及び「7%」の中から申込者aaの当選確立を選定して確定してもよい。
【0087】
以降は、第1の実施形態と同様の処理が行われる。具体的には、S320に確定された当選確率に基づいて抽選部24が抽選処理を行う(S330)。抽選部24は、抽選処理にて申込者aaを当選とした場合(S340にてYes)には、キャンペーンコード管理部25に当選情報を送信する。当選情報を受信するとキャンペーンコード管理部25は、受信した当選情報に基づいてキャンペーンコード等を発行する(S350)。そして送信部26が、抽選の結果及びキャンペーンコード等を携帯端末3AAに表示させる信号を送信する(S360)。また抽選部24は、抽選処理にて申込者aaを落選とした場合には(S340にてNo)、落選情報を送信部26に出力する。落選情報を受信した送信部26は、落選したことの通知を携帯端末3AAの表示部に表示させる信号を送信する(S360)。
【0088】
2.一般の購読者からの申込
次に同様に
図8を参照して、定期購読者ではない申込者bbが、コンビニなどの店舗で新聞を購入して参加申込を行う例に適用して以降の説明を行う。なお、以降において申込者は、地域Bの店舗にて新聞識別情報「ZB0005」が付与された新聞を購入して参加申込を行う例に適用して説明を行う。
【0089】
申込者bbは、新聞に掲載されているQRコードを、自身の携帯端末3BBを用いて撮影して参加申込サイトにアクセスし、表示された申込画面に従って所定の情報を入力する。受付部21は、申込者bbが所定の情報を入力すると、その参加申込を受け付ける(S300)。受付部21はこの際、携帯端末3BBがQRコードを撮影した際に取得した新聞識別情報「ZB0005」を併せて受信する。
【0090】
受付部21は、申込者bbが携帯端末3BBを操作して入力した所定の情報と、新聞識別情報「ZB0005」及び受付部21が参加申込を受け付けた時間に関する申込時間情報をそれぞれ紐づけ、参加申込情報として当選確率決定部22に送信する。
【0091】
当選確率決定部22は、参加申込情報に含まれる新聞識別情報に基づいて、申込者bbが新聞の定期購読者であるか否かの判定を行う(S305)。本実施形態では、参加申込情報に含まれる新聞識別情報「ZB0005」は、店舗にて販売される新聞に付与される識別情報であることから、当選確率決定部22は申込者bbが新聞の定期購読者ではないと判定する(S305にてNo)。そして当選確率決定部22は、新聞識別情報「ZB0005」に基づいて市販頒布時間テーブル(
図7参照。)を参照し(S315)、当選確率を取得する。本実施形態では、申込者bbの参加申込が「5:00~6:00」の時間帯に受け付けられた例に適用して説明を行うと、当選確率決定部22は、定期購読頒布時間テーブルの新聞識別情報「ZB0005」が属する詳細地域に対応する当選確率を、申込者bbの当選確率として取得する。即ち当選確率決定部22は、新聞識別情報「ZB0005」が属する地域「B」に対応する当選確率「1.5%」を申込者bbの当選確率として取得し当選確率を決定する(S320)。以降は前述のS330~S360と同様の処理が行われる。
【0092】
上記の構成からなるキャンペーン管理システム100においては、申込者の当選確率が、申込者が撮影したQRコードが掲載されていた新聞の新聞識別情報と、申込時間情報に基づいて決定される。このため、申込者が顧客IDや新聞の頒布地域などの情報を入力しなくても、頒布地域や定期購読者であるか否かによって当選確率が変更されるキャンペーンの管理を行うことが可能となる。また、第1の実施形態のような確率変更部を備える必要がないため、簡易な構成のキャンペーン管理システムとすることができる。
【0093】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、上記の実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
【0094】
また、例えば上記の第1の実施形態では、申込者が顧客IDを有している場合に、確率変更部23が当選確率を変更する例について説明を行ったが、その様な変更を行わない構成としてもよい。即ち申込者が新聞の定期購読者であるか否かに関わらず、当選確率を確定する構成としてもよい。この様にすればより簡易な構成のキャンペーン管理システムを提供することが可能となる。
【0095】
また、上記の第2の実施形態では、QRコードに新聞識別情報が含まれている例について説明を行ったが、新聞識別情報がQRコードとは別に印刷されており、申込者が、参加申込の際に携帯端末を操作して新聞識別情報を入力しても構わない。あるいは、携帯端末のカメラ部にて新聞識別情報が印刷された部分を撮影し、携帯端末が備える公知の画像識別機能によって新聞識別情報を入力したり、あるいは他の公知の手段によって新聞識別情報を入力したりしても構わない。この様にすれば、より柔軟なキャンペーンの受付が可能なキャンペーン管理システムを提供することが可能となる。
【0096】
また上記の第2の実施形態において、確率変更部を備えた構成としても構わない。この用に構成すれば、例えば定期購読者に頒布された新聞と、店舗で販売される新聞とで同一の種類の新聞識別情報が付されている場合であっても、定期購読者である申込者の当選確率を、店舗にて新聞を購入した申込者の当選確率と異なる確率(高い当選確率)とすることができる。
【0097】
また、上記実施形態では、参加申込が受け付けられた時間に関する申込時間情報に基づいて当選確率が決定される例に適用して説明を行ったが、例えば参加申込サイトにて申込者の住所の入力を求め、申込者が入力した住所に関する情報や、参加申込に用いられた携帯端末のGPS機能から得られる位置情報に基づいて当選確率を決定する構成としてもよい。具体的は、本発明に係るキャンペーン管理システムが、刊行物の頒布地域に関する情報と当選確率がそれぞれ紐付けられて記憶されたテーブルを備えており、当選確率決定部が、申込者が入力された住所に関する情報や、GPS機能から得られた位置情報に基づいて当該テーブルを参照して申込者の当選確率を決定する構成としてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、参加申込サイトに関する情報が新聞に掲載されるキャンペーンの管理に、本発明に係るキャンペーン管理システムが用いられる例に適用して説明を行ったが、これに限定されるわけではなく、週刊誌やその他の刊行物に参加申込サイトに関する情報が掲載されるキャンペーンの管理に用いられてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1,100・・・キャンペーン管理システム
2,200・・・キャンペーン管理サーバ
21・・・受付部 22・・・当選確率決定部 23・・・確率変更部
24・・・抽選部 25・・・キャンペーンコード管理部 26・・・送信部
27,270・・・頒布時間情報記憶部 28・・・顧客情報記憶部
29・・・キャンペーンコード情報記憶部
3A~3C、3AA~3CC・・・携帯端末 4・・・インターネット回線