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  • 特許-滑り止めを備える傘、及び滑り止め 図1
  • 特許-滑り止めを備える傘、及び滑り止め 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】滑り止めを備える傘、及び滑り止め
(51)【国際特許分類】
   A45B 1/04 20060101AFI20230202BHJP
   A45B 9/02 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A45B1/04 Z
A45B9/02 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021198097
(22)【出願日】2021-12-06
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】311000236
【氏名又は名称】株式会社セキザワ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関澤 孝明
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108158155(CN,A)
【文献】実開平7-39528(JP,U)
【文献】登録実用新案第3072786(JP,U)
【文献】登録実用新案第3196915(JP,U)
【文献】登録実用新案第3209964(JP,U)
【文献】実開平5-74313(JP,U)
【文献】米国特許第4971088(US,A)
【文献】登録実用新案第3059622(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 1/04
A45B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略J字形状の柄の先端に滑り止めを備える傘であって、
前記柄の先端は略円形状の端部面の周辺部を残し中央部が先端側に略半球体の形状となるように形成された窪み部を備え、前記窪み部の外周部分は残した周辺部の下側に潜り込む溝状に形成され、
前記滑り止めは略円形の外周を備えた薄板形状をしており、略円形の外周が前記溝状の窪み部外周部分に係合されて取り付けられることを特徴とする滑り止めを備える傘。
【請求項2】
請求項1に記載の傘に取り付ける滑り止めであって、
前記滑り止めは、シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ゴムを含むゴムを主とした柔軟性を有する素材により形成されることを特徴とする滑り止め。
【請求項3】
前記滑り止めの中央部にマーク、文字、サイン、又はキャラクターのいずれか1つが付されることを特徴とする請求項2に記載の滑り止め。
【請求項4】
中央部で略半球体の形状に厚くなっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の滑り止め。
【請求項5】
前記滑り止めは取り外し可能な滑り止めであって、取り外しを容易にするために滑り止めの表面につまみ部を備える傘の滑り止めであることを特徴とする請求項2乃至のいずれか一項に記載の滑り止め。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滑り止めを備える傘、及び滑り止めに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、傘の柄は、滑らかな木製やプラスチック製からなっており、テーブルや下駄箱面などに引掛けようとすると、滑りやすいために、安定的に止めおくことはできず、滑り落ちてしまうことがあった。そこで傘の柄にゴム、シリコーンゴム等の滑り止めを付ける提案がなされている。
【0003】
しかしながら、この様な改良では滑り落ちることは防止できるが、同種類の傘等が、傘立てや棚に掛けられていると他人の傘と区別できず、なおかつ滑り止めとして別の部材を取り付け加工するためコストがかかるという次のような問題があった。
例えば、滑り止めとして使用者が手で握り持つための柄に固定して接合する滑り止めクッションを備えるものがあるが、嵌合部の加工や別部材の接着を要するため、工数と別コストがかかったり、接着部が抜け落ちてしまう問題がある(特許文献1)。
また、傘の柄の先端部に滑り止めのシリコーンゴムを取り付けて傘が下駄箱や窓枠に引っ掛けて置くときに滑り落ちないようにすることや、さらに、柄の先端部に凹み部を設け滑り止めゴムを付け、滑りやすい場所に傘を掛けた場合に滑り落ちを防止することが提示されているが、同種類の傘等が、傘立てや棚に掛けられた傘を取り出しても他人の傘と区別できないという問題があった(特許文献2,3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3159256号公報
【文献】特開2002-325607
【文献】実開平6-036409公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、傘に滑り止めの機能を付加しテーブルや下駄箱面などに引掛けても滑り落ちないようにするとともに、傘が他者の傘と容易に区別がつき、また簡易な構造により安価な滑り止めを備える傘を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による滑り止めを備える傘、及び滑り止めは、略J字形状の柄の先端に滑り止めを備える傘であって、前記柄の先端は略円形状の端部面の周辺部を残し中央部が先端側に略半球体の形状となるように形成された窪み部を備え、前記窪み部の外周部分は残した周辺部の下側に潜り込む溝状に形成され、前記滑り止めは略円形の外周を備えた薄板形状をしており、略円形の外周が前記溝状の窪み部外周部分に係合されて取り付けられることを特徴とする滑り止めを備える傘。
【0007】
傘に取り付ける滑り止めであって、前記滑り止めは、シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ゴムを含むゴムを主とした柔軟性を有する素材により形成されることが好ましい。
【0008】
前記滑り止めの中央部にマーク、文字、サイン、又はキャラクターのいずれか1つが付されることが好ましい。
【0009】
傘に取り付ける滑り止めであって、中央部で略半球体の形状に厚くなっていることが好ましい。
【0011】
傘に取り付ける滑り止めであって、取り外し可能な滑り止めであり、取り外しを容易にするために滑り止めの表面につまみ部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る滑り止めを備える傘、及び滑り止めによれば、傘の柄に滑り止めがあるため、テーブルや下駄箱面などに引掛けて置く場合に、滑り落ちることを防ぐことができると共に、傘の柄に識別が容易にできる滑り止めが付いているため、傘立てに入れた時などに自分の傘が容易に判別できる。また、柄の先端中央部の略半球体の外周溝部に滑り止めを埋め込むため取れにくく、且構造が簡単なため安価にでき、交換も容易であり、所有者独自の滑り止めを創作して使用することもできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態による滑り止めを備える傘、及び滑り止めを正面から見た図である。
図2】本発明の実施形態による滑り止めを備える傘の柄の先端部断面図である。
図3】本発明の実施形態による滑り止めを備える傘に、滑り止めを係止した状態の断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態による滑り止めを備える傘の柄の先端部断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態による滑り止めを備える傘に、滑り止めを係止した状態の断面図である。
図6】本発明の実施形態による滑り止めを備える傘の柄に、中央部で略半球体の形状に厚くなっている滑り止めを係止した状態を示している断面図である。
図7】本発明の実施形態による滑り止めを備える傘の柄が、略円形形状の傘の柄を背面から見た外観を表している図である。
図8】本発明の実施形態による滑り止めを備える傘の柄が、略角形形状の傘の柄を背面から見た外観を表している図である。
図9】本発明の滑り止めの実施形態の例(a)~(d)を示したものである。
図10】本発明の実施形態による滑り止めの取り外しが容易にできるように、滑り止めの表面につまみ部を備えた例を示したものである。
図11】本発明の実施形態による滑り止めの取り外しが容易にできるように、滑り止めの表面につまみ部を備えた滑り止めの断面を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る滑り止めを備える傘の柄、及び滑り止めを実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による滑り止めを備える傘1の柄2に滑り止め10が係止されている状態を側面から見た図であり、滑り止めを備える傘1は、傘の柄2の先端部が略半球体の形状に突出した形状をしている。
【0015】
図2は、本発明の実施形態による滑り止めを備える傘の先端部断面を表した図であり、図1に示した滑り止めを備える傘の柄2と、滑り止め10の断面図を表しており傘の柄2の先端は略円形状の端部面の周辺部を残し中央部が先端側に略半球体の形状部4となるように形成された窪み部3を備えており、窪み部3の外周部分は残した周辺部の下側に潜り込むように溝状に形成され、滑り止め10は、略円形の外周を備えた薄板形状又は略半球体の形状をしており、略円形の外周が略半球体の形状部4の溝状の窪み部外周部分に係合されて取り付けるものである。
滑り止め10は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ゴムを含むゴムを主とした柔軟性を有する素材により形成されるものであって、滑り止め10は、柄の略半球体の形状部4の溝状の窪み部3にはめ込こまれ、窪み部3は外周部に向けて溝部が斜めに形成されているため強固に固定される。また、より強固に固着するため略半球体の形状部4に接着剤を用いて係止してもよい。
【0016】
図3は、本発明の実施形態による滑り止めを備える傘に、滑り止めを係止した状態を示している図である。傘の柄2の中央の略半球体の形状部4を覆うように滑り止め10を被せ、窪み部3に滑り止め10の周辺部をはめ込み係止された状態を示している。滑り止め10の取付け部は、略半球体の形状をしているため接触面積が広く、滑り止め効果が大きくなっている。また、滑り止め10は下側に潜り込むように形成されている窪み部3にはめ込まれているため、はめ込まれた滑り止め10は取れにくくなっている。
【0017】
図4は、本発明の第2の実施形態による滑り止めを備える傘の柄の先端部断面図を表した図である。ここで、略半球体の形状部4と傘の柄2の先端平面部とは面一となっている。テーブルや下駄箱の平面に直角に置きたい場合に適しており、傘の柄2の先端は略円形状の端部面の周辺部を残し中央部が先端側に略半球体の形状となるように形成された窪み部3を備えており、窪み部3の外周部分は残した周辺部の下側に潜り込むように溝状に形成され、滑り止め10は略円形の外周を備えており、略円形の外周が溝状の窪み部外周部分に係合されて取り付けるものである。
滑り止め10は、柄の略半球体の形状部4の溝状の窪み部3にはめ込こまれ、窪み部3は外周部に向けて溝部が斜めに形成されているため強固に固定される。また、より強固に固着するため略半球体の形状部4に接着剤を用いて係止してもよい。
【0018】
図5は、本発明の第2の実施形態による滑り止めを備える傘に、滑り止めを係止した状態を示している図である。傘の柄2の略半球体の形状部4に滑り止め10を窪み部3にはめ込み係止された状態を示している。滑り止め10の取付け部は、略半球体の形状をしているため接触面積が広く、滑り止め効果が大きくなっている。また、滑り止め10は下側に潜り込むように形成されている窪み部3にはめ込まれているため、はめ込まれた滑り止め10は取れにくくなっている。
【0019】
図6は、本発明の実施形態による滑り止めを備える傘に、中央部が略半球体の形状に厚くなっている滑り止めを係止した状態を示している図である。滑り止め10の中央部が略半球体の形状にに厚くなっているため、表面積がさらに大きくなりテーブルや下駄箱の平面に傘1を掛けて置く場合、より滑り落ちにくくなっている。
【0020】
図7は、本発明の実施形態による滑り止めを備える傘の柄が、略円形形状の傘の柄を底面から見た外観を表している図である。傘の柄2の握り部は略円柱形の形状をしており、その中央部に滑り止め10が窪み部3にはめ込まれて係止されている。
【0021】
図8は、本発明の実施形態による滑り止めを備える傘の柄が、略角形形状の傘の柄を底面から見た外観を表している図である。傘の柄2の握り部は略角形の形状をしており、その中央部に滑り止め10が窪み部3にはめ込まれて係止されている。
【0022】
図9は、本発明の実施形態による滑り止めの実施例を示している。(a)は、滑り止め10の中央部にマークを付したものである。(b)は、滑り止めの中央部に文字を付したものである。(c)は、滑り止めの中央部に自分でサインをしたものである。(d)は、滑り止めの中央部にキャラクターを付したものである。これらのように、滑り止め10は、様々な印やサイン等を付すことにより、他の人の傘との区別が容易となり、持ち主の傘の識別性が高くなる。
【0023】
図10は、本発明の実施形態による滑り止めを備える傘に、滑り止めを係止した状態を示している図である。係止した滑り止め10は取り外しが容易にできるように、滑り止め10の表面につまみ部11を付けたものである。このつまみ部11の場所を引っ張ることにより、滑り止め10の取り外しが容易になっている。このため、使用者独自の滑り止めに容易に取り換えることが出来、満足度も高くなる。
【0024】
図11は、本発明の実施形態による滑り止め10の表面につまみ部11を付けたものの断面を示している図である。
【0025】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 傘
2 傘の柄
3 窪み部
4 略半球体の形状部
10 滑り止め
11 滑り止めのつまみ部
【要約】
【課題】傘に滑り止めの機能を付加するとともに、容易に他者との区別がつくような安価な滑り止めを備える傘を提供する。
【解決手段】本発明による滑り止めを備える傘、及び滑り止めは、略J字形状の柄の先端に滑り止めを備える傘であって、柄の先端は略円形状の端部面の周辺部を残し中央部が先端側に略半球体の形状となるように形成された窪み部を備え、窪み部の外周部分は残した周辺部の下側に潜り込む溝状に形成されており、滑り止めは、略円形の外周を備え、略円形の外周が溝状の窪み部外周部分に係合されて取り付けられ、シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ゴムを含むゴムを主とした柔軟性を有する素材により形成されている。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11