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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】振動検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01H 9/00 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
G01H9/00 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021544016
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(86)【国際出願番号】 JP2020033353
(87)【国際公開番号】W WO2021045135
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2019160471
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519294332
【氏名又は名称】株式会社新川
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カークビー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】中野 晶太
(72)【発明者】
【氏名】宗像 広志
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-221159(JP,A)
【文献】特開2017-003397(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105258783(CN,A)
【文献】特表2012-516432(JP,A)
【文献】特開2008-286797(JP,A)
【文献】特開平08-068673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が非鏡面の観測対象物の振動を検出する振動検出システムであって、
前記観測対象物にレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記レーザ光が照射された前記観測対象物を撮像して画像を取得する撮像素子を有するカメラと、
前記カメラが撮像した画像を処理して振動発生個所を表示する画像処理装置と、を含み、
前記カメラは、撮像の際の露光時間が前記観測対象物の振動周期よりも長く、前記観測対象物の前記表面で反射した前記レーザ光の干渉により発生する干渉パターンを含む画像として取得し、
前記画像処理装置は、前記カメラが取得した前記観測対象物の非振動時の干渉パターンを含む画像と振動時の干渉パターンを含む画像との偏差から、振動発生画素を特定し前記観測対象物の画像に特定した振動発生画素に対応する表示を含ませた観測画像を出力すること、
を特徴とする振動検出システム。
【請求項3】
請求項1に記載の振動検出システムであって、
前記画像処理装置は、特定した振動発生画素の周囲の所定範囲に所定個数の他の振動発生画素が存在する場合には、その画素の振動発生画素の特定を維持し、所定範囲に所定個数の振動発生画素が存在しない場合には、その画素の振動発生画素の特定を取り消すこと、
を特徴とする振動検出システム。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の振動検出システムであって、
前記レーザ光源は、前記観測対象物に単一波長の平行レーザ光を照射すること、
を特徴とする振動検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観測対象物の振動を検出する振動検出システム、特に、表面が非鏡面の観測対象物の振動を検出する振動検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤボンディング装置において、キャピラリ等のツールの超音波振動を観測する場合には、レーザドップラー振動計を用いる方法が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-125875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、観測対象物の二次元面での振動をリアルタイムに検出することが求められている。しかし、特許文献1に記載された方法では、振動の測定箇所は、レーザ光を照射した点又は線上に限られ、二次元面での振動をリアルタイムに観測することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、観測対象物の二次元面での振動をリアルタイムに検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の振動検出システムは、表面が非鏡面の観測対象物の振動を検出する振動検出システムであって、観測対象物にレーザ光を照射するレーザ光源と、レーザ光が照射された観測対象物を撮像して画像を取得する撮像素子を有するカメラと、カメラが撮像した画像を処理して振動発生個所を表示する画像処理装置とを含むことを特徴とする。
【0007】
このように、カメラで撮像した二次元の画像に基づいて振動発生個所を特定するので、観測対象物の二次元面での振動をリアルタイムに検出することができる。
【0008】
本発明の振動検出システムにおいて、カメラは、撮像の際の露光時間が観測対象物の振動周期よりも長く、観測対象物の表面で反射したレーザ光の干渉により発生する干渉パターンを含む画像として取得し、画像処理装置は、カメラが取得した観測対象物の非振動時の干渉パターンを含む画像と振動時の干渉パターンを含む画像との偏差から、振動発生画素を特定し、観測対象物の画像に特定した振動発生画素に対応する表示を含ませた観測画像を出力してもよい。
【0009】
表面が非鏡面の観測対象物にレーザ光を照射すると、非鏡面反射によるレーザ光の干渉による干渉パターンがカメラの撮像素子の表面に出現する。カメラの撮像素子は、この干渉パターンの画像として取得する。撮像の際のカメラの露光時間は観測対象物の振動周期よりも長いので、観測対象物が振動すると、カメラは、ぶれた干渉パターンの画像を取得する。干渉パターンの画像がぶれると、非振動の場合に比べて画素の明るさの強度が変化する。このため、振動時の明るさの強度が非振動時の明るさの強度から変化している画素を振動発生画素と特定し、観測対象物の画像に特定した振動発生画素に対応する表示を含ませた観測画像を出力することにより、観測対象物の振動部分を可視化して表示することができる。
【0010】
本発明の振動検出システムにおいて、画像処理装置は、特定した振動発生画素の周囲の所定範囲に所定個数の他の振動発生画素が存在する場合には、その画素の振動発生画素の特定を維持し、所定範囲に所定個数の振動発生画素が存在しない場合には、その画素の振動発生画素の特定を取り消してもよい。
【0011】
これにより、ノイズによって実際に振動していない画素を振動発生画素と特定することを抑制して精度よく振動の検出を行うことができる。
【0012】
本発明の振動検出システムにおいて、レーザ光源は、観測対象物に単一波長の平行レーザ光を照射してもよい。
【0013】
単一波長の平行レーザ光を照射することにより、非鏡面反射によるレーザ光の干渉パターンがより明確に出現し、カメラで撮像する斑点模様がより明確になる。これにより、より精度よく振動の検出を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、観測対象物の二次元面での振動をリアルタイムに検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の振動検出システムの構成を示す系統図である。
図2】キャピラリの表面で反射した平行レーザ光がカメラの撮像素子に入射する状態を示す模式図である。
図3】カメラが撮像する画像を示す模式図である。
図4】カメラの撮像素子の画素を示す模式図である。
図5】画像処理装置での画像処理を示すフローチャートである。
図6】モニタに出力された観測画像を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら実施形態の振動検出システム100について説明する。なお、以下の説明では、振動検出システム100は、ワイヤボンディング装置10の超音波ホーン12やキャピラリ13を観測対象物としてこれらの振動を検出することとして説明する。
【0017】
最初に図1を参照しながら観測対象物である超音波ホーン12やキャピラリ13を含むワイヤボンディング装置10について簡単に説明する。ワイヤボンディング装置10は、ボンディングアーム11と、超音波ホーン12と、キャピラリ13と、超音波振動子14と、ボンディングステージ16とを含んでいる。
【0018】
超音波ホーン12は、先端にキャピラリ13が取付けられ、後端に超音波振動子14が取付けられる。超音波ホーン12は、超音波振動子14が発生する超音波振動によって超音波振動し、キャピラリ13を超音波振動させるものである。超音波ホーン12は、ボンディングアーム11に接続されており、図示しない駆動機構によってキャピラリ13がボンディングステージ16に対して接離する方向に駆動される。ボンディングステージ16は、表面に半導体素子17が取付けられた基板18を吸着固定する。ワイヤボンディング装置10は、図示しない駆動機構によってキャピラリ13の先端を半導体素子17の電極の上に押し付けてワイヤ15を半導体素子17の電極にボンディングし、その後、キャピラリ13を基板18の電極の上に移動させ、キャピラリ13の先端を基板18の電極の上に押し付けてワイヤ15を基板18の電極にボンディングする。これにより、ワイヤボンディング装置10は、半導体素子17の電極と基板18の電極との間をループワイヤ19で接続する。従って、ボンディング動作中には、超音波ホーン12とキャピラリ13は、超音波振動している。実施形態の振動検出システム100は、超音波ホーン12やキャピラリ13の二次元面での振動の検出、表示を行うものである。超音波ホーン12やキャピラリ13の表面は非鏡面で表面には細かな凹凸がある。
【0019】
図1に示すように、振動検出システム100は、レーザ光源20と、カメラ30と、画像処理装置40とで構成される。
【0020】
レーザ光源20は、ビームエクスパンダによってレーザ発振器から出力された単一波長のレーザ光を平行レーザ光21に変換し、単一波長の平行レーザ光21を超音波ホーン12やキャピラリ13に照射するものである。カメラ30は撮像素子31を含み、平行レーザ光21が照射された超音波ホーン12やキャピラリ13の二次元の画像を撮像する。画像処理装置40は、カメラ30が撮像した二次元の画像を処理して振動発生個所を特定し、振動部分の表示を他の部分の表示と異ならせた二次元の観測画像12e,13e(図6参照)をモニタ50に出力、表示させるものである。画像処理装置40は、内部に情報処理を行うプロセッサ41とメモリ42とを含むコンピュータである。
【0021】
次に図2図6を参照しながら、実施形態の振動検出システム100の動作について説明する。
【0022】
図2に示すように、キャピラリ13の表面13aは非鏡面で表面13aには細かな凹凸があるので、平行レーザ光21をキャピラリ13の表面13aに照射すると、平行レーザ光21はキャピラリ13の表面13aでランダムな方向に反射する。この非鏡面反射による反射レーザ光22は、互いに干渉し、カメラ30の撮像素子31の表面に反射レーザ光22の干渉パターンが出現する。
【0023】
干渉パターンは、光が強めあう明るい部分と光を弱めあう暗い部分とを有するため、カメラ30の撮像素子31は、図3に示すように、干渉パターンをキャピラリ13の画像13bの表面に出現した多数の明部33と暗部34とで構成された斑点模様の画像13cとして取得する。
【0024】
従って、カメラ30により超音波ホーン12とキャピラリ13とを撮像すると、カメラ30は、図13の視野32の中に示すように、斑点模様のある超音波ホーン12の画像12bと、斑点模様のあるキャピラリ13の画像13bとを取得する。画像12b,13bは、干渉パターンを含む画像である。
【0025】
撮像の際のカメラ30の露光時間は超音波ホーン12とキャピラリ13の超音波振動の振動周期よりも長い。このため、超音波ホーン12とキャピラリ13とが超音波振動していると、振動の山となっている領域では露光中に撮像素子31の上の斑点模様のある超音波ホーン12の画像12bと、斑点模様のあるキャピラリ13の画像13bとが矢印91,92に示すようにぶれる。一方、振動の節の領域では、超音波ホーン12とキャピラリ13とが超音波振動しても露光中に撮像素子31の上の画像12bと画像13bとはぶれない。
【0026】
露光中に画像12b,13bがぶれる領域では、撮像素子31の画素36の明るさの強度が超音波ホーン12、キャピラリ13が超音波振動していない静止状態、或いは非振動状態の明るさの強度に比べて変化する。一例を示すと、振動の山がある領域では画素36の明るさの強さが非振動時に比べて大きくなる。
【0027】
一方、振動の節となって露光中に画像12b,13bがぶれない場合には、画像12b,13bは超音波ホーン12とキャピラリ13とが静止状態、或いは、非振動状態の画像12a,13bと略同様となる。このため、露光中に画像12b,13bがぶれない振動の節の領域では、撮像素子31の画素36の明るさの強度は超音波ホーン12、キャピラリ13が超音波振動していない静止状態、或いは非振動状態の明るさの強度と略同様となる。
【0028】
そこで、画像処理装置40のプロセッサ41は、図4に示すように、超音波振動している際の明るさの強度が超音波振動していない静止時或いは非振動時の明るさの強度から変化している画素36を振動発生画素37と特定する。ここで、明るさの強度とは、画素36の検出する明るさの度合で、例えば、0~255の256階調で表されるものでもよい。
【0029】
画像処理装置40は、一度に画像処理を行う視野32の二次元画像の一領域である画像フレーム35の各画素36について以下に説明するような処理を行って振動発生画素37を特定する。以下の説明では、符号に後に記載する座標(x,y)は、二次元の画像フレーム35の座標(x,y)を示し、例えば、画素36(x,y)は座標(x,y)の画素36を示す。
【0030】
図5のステップS101に示すように、画像処理装置40のプロセッサ41は、メモリ42に格納したカメラ30から取得した超音波振動時の二次元画像と静止時或いは非振動時の二次元画像から、超音波振動時の画像フレーム35vと静止時の画像フレーム35sとを読み出す。
【0031】
図5のステップS102に示すように、プロセッサ41は、各画素36(x,y)における超音波振動時の明るさの強度Iv(x,y)と静止時の明るさの強度Is(x,y)との平均値Ia(x,y)を計算する。
平均値Ia(x,y)=[Iv(x,y)+Is(x,y)]/2
【0032】
図5のステップS103に示すように、プロセッサ41は、各画素36(x,y)における超音波振動時の明るさの強度Iv(x,y)と平均値Ia(x,y)との偏差の絶対値の画像フレーム35における平均値を絶対偏差平均値として算出する。
絶対偏差平均値=|Iv(x,y)-Ia(x,y)|の画像フレーム35での平均値
【0033】
図5のステップS104に示すように、プロセッサ41は、下記の(式1)により、正規化したピクセル強度の4乗値NIave(x,y)を算出する。
NIave(x,y)=
[|Iv(x,y)-Ia(x,y)|/絶対偏差平均値] ---- (式1)
【0034】
図5のステップS105に示すように、プロセッサ41は、NIave(x,y)が1以上となる場合には、その画素36(x,y)の明るさの強さの変化は有意であると判断し、図5のステップS106に進んでその画素36(x,y)を振動発生画素37(x,y)として特定してステップS107に進む。プロセッサ41は、ステップS107で画像フレーム35の全ての画素36(x,y)を処理していないと判断した場合には、ステップS104に戻って次の画素36(x,y)の処理を行う。一方、プロセッサ41は、図5のステップS105でNOと判断した場合には、ステップS104に戻って次の画素36(x,y)の処理を行う。プロセッサ41は、画像フレーム35の全ての画素36(x,y)においてNIave(x,y)を算出し、画像フレーム35の中の振動発生画素37(x,y)を特定したら、図5のステップS107でYESと判断して図5のステップS108に進む。
【0035】
図5のステップS108において、プロセッサ41は、一つの振動発生画素37(x,y)の周囲の所定範囲に他の振動発生画素37(x1,y1)が所定個数だけ存在するか確認する。例えば、所定範囲として振動発生画素37(x,y)を中心とした5×5の画素36の正方形のアレイを設定し、この中に、7~8個の他の振動発生画素37(x1,y1)が存在するかどうかを確認してもよい。そして、図5のステップS108でYESと判断した場合には、画素36(x,y)の明るさの強度の変化は、超音波振動に起因するものと判断して図5のステップS109に進んで画素36(x,y)の振動発生画素37(x,y)としての特定を維持する。
【0036】
一方、アレイの中に、7~8個の他の振動発生画素37(x1,y1)が存在しない場合には、画素36(x,y)の明るさの強度の変化は、振動に起因するものではないと判断して図5のステップS110に進んで画素36(x,y)の振動発生画素37(x,y)の特定を取り消す。
【0037】
そして、プロセッサ41は、振動発生画素37(x,y)の特定を確定させる。プロセッサ41は、各画像フレーム35において上記の処理を行い、撮像素子31の全ての画素36(x,y)について振動発生画素37(x,y)の特定を確定させる。
【0038】
図6に示すように、プロセッサ41は、超音波ホーン12、キャピラリ13の画像に、特定した振動発生画素37(x,y)に対応する表示を含ませた観測画像12e,13eを出力することにより、超音波ホーン12、キャピラリ13の二次元面での振動を可視化して表示する。
【0039】
観測画像12e,13eは様々な形式とすることができるが、図5では、一例として、電灯等の非干渉光線を超音波ホーン12とキャピラリ13とに照射して取得した一般的な画像の振動発生画素37に対応する部分に赤い点52を重ねて表示している。この表示方法によれば、振動の山となっている領域には、多くの赤い点52が表示され、振動の節になっている部分には赤い点はほとんど表示されない。図5に示す例では、赤い点52が多く表示されている超音波ホーン12と、キャピラリ13の直径が変化する中間部分と、キャピラリ13の先端部分に振動の山があり、そのほかの部分が振動の節であることがわかる。
【0040】
以上説明したように、実施形態の振動検出システム100は、超音波ホーン12やキャピラリ13の二次元の画像を処理して二次元の観測画像12e,13eとして表示するので、超音波ホーン12やキャピラリ13の二次元面での振動をリアルタイムに検出することができる。
【0041】
以上の説明では、振動検出システム100は、ワイヤボンディング装置10の超音波ホーン12とキャピラリ13の振動を検出することとして説明したが、ワイヤボンディング装置10の他の部分の振動の検出にも適用することができる。
【0042】
例えば、図1に示すワイヤボンディング装置10のボンディングの際に半導体素子17に平行レーザ光21を照射して、半導体素子17の振動を検出することができる。そして、半導体素子17の振動が大きい場合には、キャピラリ13からの振動エネルギがボンディング以外の振動に費やされており、ボンディングが良好に行われていないと判断することができる。同様に基板18の振動が大きいかどうかを検出し、基板18の振動が大きい場合には、キャピラリ13からの振動エネルギがボンディング以外の振動に費やされており、ボンディングが良好に行われていないと判断できる。
【0043】
また、振動検出システム100は、ワイヤボンディング装置10以外の装置、例えば、ダイボンディング装置等の他の半導体製造装置の各部の振動の検出に適用することができる。
【0044】
以上の説明では、レーザ光源20は、単一波長の平行レーザ光21を観測対象物に照射することとして説明したが、これに限らず、波長に少し幅があってもよいし、平行光ではないレーザ光を照射するようにしてもよい。また、レーザ光は、強度に多少のむらがあってもよい。また、以上の説明では、干渉パターンの画像は、多数の明部33と暗部34とを含む斑点模様として説明したが、これに限らず、縞模様等他の模様であってもよい。
【0045】
また、観測対象物の振動方向が一方向ではない場合には、レーザ光源20とカメラ30とを複数個用意し、多方向から観測対象物にレーザ光を照射すると共に複数のカメラ30で多方向から画像を撮像することにより、多方向の振動を検出することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 ワイヤボンディング装置、11 ボンディングアーム、12 超音波ホーン、12a,13b,13c 画像、12e,13e 観測画像、13 キャピラリ、13a 表面、14 超音波振動子、15 ワイヤ、16 ボンディングステージ、17 半導体素子、18 基板、19 ループワイヤ、20 レーザ光源、21 平行レーザ光、22 反射レーザ光、30 カメラ、31 撮像素子、32 視野、33 明部、34 暗部、35,35v,35s 画像フレーム、36 画素、37 振動発生画素、40 画像処理装置、41 プロセッサ、42 メモリ、50 モニタ、52 赤い点、100 振動検出システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6