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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】宅配ボックス
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/00 20060101AFI20230202BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230202BHJP
   A47G 29/122 20060101ALI20230202BHJP
   A47G 29/124 20060101ALI20230202BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
E05B65/00 D
E05B49/00 J
A47G29/122 C
A47G29/124
H04M9/00 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019054656
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020153177
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】堀井 規男
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 直樹
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-195910(JP,A)
【文献】実開昭62-144393(JP,U)
【文献】特開2010-196295(JP,A)
【文献】特開平09-008925(JP,A)
【文献】特開平09-238763(JP,A)
【文献】実開平06-027689(JP,U)
【文献】特開2018-201643(JP,A)
【文献】特開平07-222669(JP,A)
【文献】特開平06-100080(JP,A)
【文献】特開2017-217453(JP,A)
【文献】特開2000-017911(JP,A)
【文献】実開平04-036881(JP,U)
【文献】実開平04-102296(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 - 85/28
A47G 29/00 - 29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の玄関扉の外側近傍に独立して設置される宅配ボックスであって、
前記玄関扉よりも全高が高い開閉扉と、
その内側に設けられ前記開閉扉よりも全幅が大きい収容部と、
前記開閉扉に近接して設けられ前記収容部と連通し前記開閉扉よりも全高が大きい縦長空間と、
前記開閉扉を施錠指令により施錠し解錠指令により解錠する電気錠と、
前記開閉扉の開閉を感知して開信号又は閉信号を出力する通電金具と、
前記電気錠を制御する制御装置と、を備え、
前記収容部は、前記開閉扉よりも全幅及び全高が大きく仕切りのない第1直方体空間であり、
前記縦長空間は、前記収容部に隣接し前記収容部より奥行きが小さい第2直方体空間であり、前記縦長空間の前面は前記収容部の前面より前方に位置し、
前記制御装置は、前記住宅に設置されたインターホン及び当該インターホンを介して携帯端末機から指令信号を受信する受信部を有し、
(A)前記指令信号を受信して、前記電気錠に解錠指令を出力し、
(B)前記開信号を受信し次いで前記閉信号を受信したときに、前記電気錠に施錠指令を出力する、宅配ボックス。
【請求項2】
前記第1直方体空間の前面に位置する前記開閉扉及び扉枠と、前記第1直方体空間の前面から背面までの一方の側面に位置する側面全面パネルと、他方の側面の前記第2直方体空間より奥側に位置する側面奥側パネルと、前記第1直方体空間及び前記第2直方体空間の底面に位置する底板と、を備える、請求項に記載の宅配ボックス。
【請求項3】
前記第2直方体空間の前面に位置する前面パネルと、前記第2直方体空間の背面に位置する背面パネルと、前記第2直方体空間の前面から背面までの一方の側面に位置する側面前側パネルと、前記開閉扉より前方に張り出した側面張出パネルと、を備え、
前記側面前側パネルは前記背面パネルより後方に張り出しており、前記第2直方体空間の奥側外部に前記玄関扉よりも全高が高い外部長物収容空間を有する、請求項に記載の宅配ボックス。
【請求項4】
前記インターホンは、親機とカメラ付き子機とからなり、
前記前面パネルは、前記開閉扉よりも前方に位置しており、
前記カメラ付き子機は、前記開閉扉の前面が、前記カメラ付き子機のカメラの撮影範囲に位置するように、前記前面パネルに設けられている、請求項に記載の宅配ボックス。
【請求項5】
前記親機は携帯端末機と通信可能であり、前記携帯端末機により自宅への来訪者を前記親機から受信し、かつ前記制御装置に前記指令信号を出力する、請求項に記載の宅配ボックス。
【請求項6】
前記住宅は集合住宅であり、
前記親機は、携帯端末機と通信可能であり、
前記携帯端末機は、自宅への来訪者を前記親機を介して受信し、かつ前記親機を介してメインエントランスのオートロックを解錠する、請求項に記載の宅配ボックス。
【請求項7】
前記収容部は、その中間高さに取り外し及び高さ変更可能な棚板を有し、
前記棚板の下面に衣類を吊り下げ可能なハンガーレールを有する、請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項8】
宅配物の受け取りを証するための受け取り認証手段を有する、請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項9】
前記底板に設けられ前記底板を水平に保持するアジャスターを有する、請求項に記載の宅配ボックス。
【請求項10】
前記側面全面パネルと前記側面奥側パネルを前記住宅の外壁に固定する固定金具を有する、請求項に記載の宅配ボックス。
【請求項11】
全高が、実質的に梁下高さ又は天井までの高さである、請求項1に記載の宅配ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅や戸建て住宅用の宅配ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを通じて物やサービスを購入するネット通販の普及に伴い、宅配物の再配達の増加が問題となっている。
この問題を解決するために、マンションなどの集合住宅では、宅配ボックスをメインエントランス(共同玄関)に設置する場合がある。しかし、この場合、居住者(ユーザ)は、メインエントランスで宅配物を受け取り、それを自宅まで持ち帰る不便があった。特に高層住宅では、この不便は居住者に受入難かった。
また、戸建て住宅では、宅配ボックスの設置はまだ不十分な状況にある。
【0003】
そこで、自宅に設置可能な宅配ボックスが提案されている(例えば、特許文献1~3)。
また、特許文献4は、本発明に関連する先行文献である。
【0004】
特許文献1の「宅配ボックス」は、玄関外壁の内側に収納部を形成し、この収納部に連通する開口部を玄関外壁に形成すると共に、この開口部にロック装置を備えた外扉を設けるものである。
【0005】
特許文献2の「宅配ボックス」は、屋外に面する第1壁と屋内に配置された第2壁とを備える。第1壁には、入庫口と屋外扉が設けられ、第2壁には、出庫口と屋内扉が設けられる。
【0006】
特許文献3の「配達物受取扉」は、板状の扉本体と、扉本体に取り付けられた宅配ボックスとを備える。宅配ボックスは、配達物を扉本体の表側から受け入れ可能であり、かつ表側からの配達物の出し入れを禁止するべく施錠可能になっている。
【0007】
特許文献4の「集合用インターホン装置及びオートロック扉用の無線認証装置」は、登録予約情報発行部、機器登録部、及び無線認証部を備える。登録予約情報発行部は、住戸機から機器登録許可信号を受信し、スマートフォンの登録予約情報を発行して共同玄関機に表示させる。機器登録部は、登録予約情報に基づいた登録要求信号を受信してその送信元のスマートフォンの識別情報を登録する。無線認証部は、スマートフォンの識別情報を受信して登録されている識別情報と対照し、両者が一致していればオートロック扉の解錠信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平11-137407号公報
【文献】特開2010-196295号公報
【文献】特開2017-217453号公報
【文献】特開2015-74938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
集合住宅において宅配物を自宅で受け取るには、メインエントランスのオートロックを解錠して宅配者を集合住宅内に誘導する必要がある。それを解決する手段として、特許文献4が開示されている。
特許文献4の技術により、在宅の有無に関わらず、スマートフォンなどの携帯端末機を利用して、自宅への訪問者に対してメインエントランスのオートロックを解錠し、訪問者を集合住宅内に誘導することができる。
【0010】
一方、特許文献3には、自宅の玄関先に宅配者が訪れた場合、スマートフォンなどの携帯端末機を利用して、玄関扉に設けられた宅配ボックスの錠を解錠し、宅配物を受け取る技術が開示されている。
従って、特許文献3,4の技術を組み合わせることで、集合住宅や戸建て住宅において、在宅の有無に関わらず自宅において宅配物を受け取ることができる。
【0011】
しかし、特許文献1~3の宅配ボックスの場合、宅配ボックスを建物に組み込むため、既存の建物の場合に追加工事が大がかりとなる。
また、特許文献1では宅配ボックスを例えば玄関扉の横に設け、特許文献2では玄関に隣接して設け、特許文献3では玄関扉に設けるため、宅配ボックスの幅及び高さが玄関扉と比較して小さい。
例えば特許文献3では、宅配ボックスが玄関扉に設けられるため、宅配ボックス自体が大きすぎると、玄関扉の開閉や玄関からの出入りに支障をきたすと共に、玄関扉に過大な荷重が掛かった場合、扉のヒンジが損傷する。
そのため、特許文献1~3の宅配ボックスの場合、ゴルフバックなどの長物や、クリーニングした衣類など折り畳みに適さない宅配物を受け取ることができなかった。
【0012】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、既存の建物の玄関近傍に容易に設置でき、不在時でも宅配物を受け取ることができ、盗難を防止でき、かつゴルフバックなどの長物や、折り畳みに適さない衣類などを受け取ることができる宅配ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、住宅の玄関扉の外側近傍に独立して設置される宅配ボックスであって、
前記玄関扉よりも全高が高い開閉扉と、
その内側に設けられ前記開閉扉よりも全幅が大きい収容部と、
前記開閉扉に近接して設けられ前記収容部と連通し前記開閉扉よりも全高が大きい縦長空間と、
前記開閉扉を施錠指令により施錠し解錠指令により解錠する電気錠と、
前記開閉扉の開閉を感知して開信号又は閉信号を出力する通電金具と、
前記電気錠を制御する制御装置と、を備え、
前記収容部は、前記開閉扉よりも全幅及び全高が大きく仕切りのない第1直方体空間であり、
前記縦長空間は、前記収容部に隣接し前記収容部より奥行きが小さい第2直方体空間であり、前記縦長空間の前面は前記収容部の前面より前方に位置し、
前記制御装置は、前記住宅に設置されたインターホン及び当該インターホンを介して携帯端末機から指令信号を受信する受信部を有し、
(A)前記指令信号を受信して、前記電気錠に解錠指令を出力し、
(B)前記開信号を受信し次いで前記閉信号を受信したときに、前記電気錠に施錠指令を出力する、宅配ボックスが提供される。

【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、宅配ボックスが住宅の玄関扉の外側近傍に独立して設置されるので、インターホンと連動させる配線工事をすることで、既存の建物の玄関近傍に容易に設置することができる。
【0015】
また、制御装置が、インターホン及びインターホンを介して携帯端末機から指令信号を受信する受信部を有するので、在宅の有無に関わらず指令信号を受信して解錠指令を出力し、電気錠を解錠して宅配物を宅配ボックスにより受け取ることができる。
また、制御装置が、開信号を受信し次いで閉信号を受信したときに、電気錠に施錠指令を出力するので、宅配物の盗難を防止できる。
【0016】
さらに、開閉扉が玄関扉よりも全高が高く、収容部は開閉扉よりも全幅が大きいので、ゴルフバックなどの長物や、クリーニングした衣類など折り畳みに適さない宅配物を宅配ボックスにより受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】マンション等の集合住宅に本発明の宅配ボックスを設置した例を示す平面図である。
図2】宅配ボックスの水平断面図である。
図3】宅配ボックスの正面図である。
図4】収容部と縦長空間の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0019】
図1は、マンション等の集合住宅に本発明の宅配ボックス10を設置した例を示す平面図である。
この図において、集合住宅の玄関扉1は、開放廊下2に面しており、宅配ボックス10は、玄関扉1の外側近傍に独立して設置される。
玄関扉1の大きさは、例えば幅900~1000mm、高さ1800~1900mmである。また、開放廊下2の幅は、玄関扉1の前面において例えば2500~2600mm、最狭部において例えば1600~1800mmである。
【0020】
住宅にはインターホン3と制御装置20が設置されている。インターホン3は、親機3aとカメラ付き子機3bとからなる
【0021】
インターホン3の親機3aは住宅の内部に設置される。親機3aは、携帯端末機(スマートフォンなど)と通信可能であり、携帯端末機により自宅への来訪者を親機3aから受信し、かつ指令信号S0を出力する。
またこの例で、携帯端末機により自宅への来訪者を親機3aを介して受信し、かつ親機3aを介してメインエントランスのオートロックを解錠できるようになっている。
【0022】
カメラ付き子機3bは、この例では宅配ボックス10(後述する前面パネル32)に取付けられ、カメラ付き子機3bのカメラの撮影範囲に開閉扉12の前面の開放廊下2が位置する。
この構成により、宅配ボックス10の開閉扉12を操作する人(宅配人)をカメラで撮影し確認することができる。
【0023】
図2は、宅配ボックス10の水平断面図であり、図3は宅配ボックス10の正面図である。
図2図3において、宅配ボックス10は、開閉扉12、収容部14、及び、縦長空間15を有する。
宅配ボックス10の全高は、玄関扉1よりも大きく、玄関扉1の近傍に設置できるかぎりで、実質的に梁下高さ又は天井までの高さであることが好ましい。
【0024】
開閉扉12は、玄関扉1と同様に開放廊下2に面して位置し、玄関扉1よりも全高が高く設定されている。
この例で開閉扉12の全高は2000~2100mmである。なお、開閉扉12の全高はこの例に限定されず、宅配ボックス10の全高に実質的に相当する高さであることが好ましい。
この構成により、宅配物の全長が玄関扉1の高さより長い場合であっても、宅配物を宅配ボックス10の内部に収容することができる。
【0025】
また、この例で開閉扉12の全幅は550~600mmであり、玄関扉1の幅より狭くなっている。しかし開閉扉12の全幅は、玄関扉1と同等以上であってもよい。
【0026】
図4は、収容部14と縦長空間15の説明図である。この図において(A)は平面図、(B)は正面図である。
【0027】
収容部14は、宅配ボックス10の内側に設けられ開閉扉12よりも全幅が大きく設定されている。収容部14は、開閉扉12よりも全幅及び全高が大きく仕切りのない第1直方体空間14aである。
収容部14の全幅又は奥行は、日本人の平均的な肩幅より大きく設定されている。
この構成により、収容部14にクリーニングした衣類(例えば上着やコート)などを折り畳まずにハンガーレール28(後述する)に吊るすことができる。
また、収容部14にゴルフバックやスノボ板などを収容することができる。なお、必要な場合には、棚板27(後述する)を取り外すこともできる。
【0028】
縦長空間15は、開閉扉12に近接して設けられ収容部14と連通し開閉扉12よりも全高が大きく設定されている。
縦長空間15は、収容部14に隣接し収容部14より奥行きが小さい第2直方体空間15aである。縦長空間15の前面は収容部14の前面より前方(開放廊下側)に位置する。
【0029】
図4において、縦長空間15は、インターホン等の配線空間である。
以下、「長物」とは、スキー板、釣竿など、全長が約1~2mの物品を意味する。
【0030】
この例で、収容部14は、縦長空間15と連通する部分を除く全面を開閉扉12及び扉枠21、側面全面パネル23、側面奥側パネル24、及び、底板25で囲まれている。
これらは例えば塩ビシート張り鋼板又は塗装板であるのがよい。
【0031】
開閉扉12及び扉枠21は、第1直方体空間14aの前面に位置する。第1直方体空間14aの背面は、住戸の外壁に近接して位置する。
側面全面パネル23は第1直方体空間14aの前面から背面までの一方の側面(この図で右側面)に位置する。なお、住戸の外壁がクランクして近接する場合、側面全面パネル23が無い場合もある。
側面奥側パネル24は、他方の側面(この図で左側面)の第2直方体空間15aより奥側に位置する。
底板25は、第1直方体空間14a及び第2直方体空間15aの底面に位置する。
第1直方体空間14a及び第2直方体空間15aの上面は、梁下もしくはキャンティスラブ下に位置する。
【0032】
この例で、縦長空間15は、収容部14と連通する部分を除く全面を前面パネル32、背面パネル33、側面前側パネル34、側面張出パネル35、及び底板25で囲まれている。なおこの例で底板25は、収容部14と共通である。
【0033】
これらはいずれも例えば塩ビシート張り鋼板であるのがよい。また、前面パネル32、側面前側パネル34、及び側面張出パネル35に、木目などの模様を付すことが好ましい。
【0034】
前面パネル32は、第2直方体空間15aの前面に位置する。この例で、前面パネル32は、開閉扉12及び扉枠21よりも前方に位置している。またカメラ付き子機3bは、開閉扉12の前面が、カメラ付き子機3bのカメラの撮影範囲に位置するように、前面パネル32に設けられている。
背面パネル33は、第2直方体空間15aの背面に位置する。
側面前側パネル34は、第2直方体空間15aの側面前側に位置する。
側面張出パネル35は、開閉扉12より前方に張り出している。
この構成により、インターホン等の配線が容易にできる。
【0035】
この例で、側面前側パネル34は背面パネル33より後方に張り出しており、第2直方体空間15aの奥側外部に玄関扉1よりも全高が高い空間7を有する。
空間7は、LEDライトで間接光として照らし、演出する空間である。
【0036】
図3において、開閉扉12と扉枠21との間には、蝶番38と取手部40が設けられ、扉枠21に対し開閉扉12を前方に開閉できるようになっている。取手部40は、例えばハンドル錠であり、人が取手部40を手前に引くことで、開閉扉12を開くことができる。
【0037】
宅配ボックス10の収容部14は、その中間高さに取り外し及び高さ変更可能な棚板27を有する。高さ変更のために棚板27を支持するダボ(図示せず)が複数の高さに設置されている。
この棚板27の大きさは例えば幅600mm以上、奥行き540mm以上であり、その上に規定(例えば幅×高さ×奥行が500mm×500mm×500mm)の大きさの段ボール箱を収容できるようになっている。
【0038】
また、側面全面パネル23と側面奥側パネル24を住宅の外壁に固定する固定金具8を有する。固定金具8は、例えばL型アングルであり、パネル23,24の上下に設けることが好ましい。
この構成により、宅配ボックス10を既存の建物にも設置可能であり、宅配ボックス10の転倒を防止できる。なお既存の建物では、インターホンと連動させる配線工事が必要となる。
【0039】
また、図3において、棚板27の下面に衣類を吊り下げ可能な起倒式ハンガーレール28を有する。この例でハンガーレール28は、開閉扉12に平行かつ水平に設置しているが、開閉扉12に直交させてもよい。
ハンガーレール28と底板25との間隔(例えば1300~1500mm)は、日本人の上着やコートの平均的な着丈より大きく設定されている。この構成により、ハンガーレール28にクリーニングした衣類(例えば上着やコート)などを折り畳まずに吊るすことができる。
【0040】
さらに、開閉扉12の裏面には、好ましくは宅配物の受け取りを証するための受け取り認証手段29が取り付けられている。受け取り認証手段29は、例えば、印鑑と印鑑ポケットである。
この構成により、宅配業者が宅配物を宅配ボックス内に収納する際に、受け取り認証手段29から印鑑を取り出し、受け取り印をおすことができる。
【0041】
また、底板25に設けられたアジャスター(図示せず)を有し、底板25を水平に保持できるようになっている。
この構成により、既存の建物に宅配ボックス10を容易に設置することができる
なお、図3において、4は新聞受け、5は表札である。
【0042】
図2図3において、宅配ボックス10は、さらに、電気錠16、及び通電金具18を有する。
電気錠16は、開閉扉12と扉枠21に設けられ、開閉扉12を施錠指令S1により施錠し解錠指令S2により解錠する。
通電金具18は、開閉扉12と扉枠21の間に設けられ、開閉扉12の開閉を感知して開信号S3又は閉信号S4を出力する。
【0043】
住宅に設置された制御装置20は、記憶装置、演算装置を有する制御器(例えばマイクロコンピュータ)であり、電気錠16を制御する。
制御装置20は、さらに住宅に設置されたインターホン3及びインターホン3を介して携帯端末機(スマートフォンなど)から指令信号S0を受信する受信部20aを有する。
制御装置20は、受信部20aにより指令信号S0を受信して、電気錠16に解錠指令S2を出力する。
また、制御装置20は、開信号S3を受信し次いで閉信号S4を受信したときに、電気錠16に施錠指令S1を出力する。
【0044】
上述した本発明の実施形態によれば、宅配ボックス10が住宅の玄関扉1の外側近傍に独立して設置されるので、インターホンと連動させる配線工事をすることで、既存の建物の玄関近傍に容易に設置することができる。
【0045】
また、制御装置20が受信部20aを有し、インターホン3及びこれを介して携帯端末機(例えばスマートフォン)から指令信号S0を受信する。従って、居住者(ユーザ)は、在宅の有無に関わらず、インターホン3又はこれを介して宅配業者から連絡を受けたスマートフォンで、宅配ボックス10に対し宅配物の受領を許可することができる。
この受領許可により、制御装置20は指令信号S0を受信して解錠指令S2を出力し、電気錠16を解錠すると共に、親機3aを介してメインエントランスのオートロックを解錠する。
【0046】
宅配業者は、解錠されたメインエントランスを通り、宅配ボックス10の前まで宅配物を運び、次いで電気錠16が解錠された開閉扉12を開いて、宅配物を宅配ボックス内に収納する。
従った利用者(ユーザ)が不在時でも宅配物を受け取ることができる。
【0047】
この際、開閉扉12が玄関扉1よりも全高が高く、収容部14は開閉扉12よりも全幅が大きいので、ゴルフバックなどの長物や、折り畳みに適さない衣類などを宅配ボックス内に収納することができる。
【0048】
宅配業者が開閉扉12を開くことで、通電金具18が開信号S3を出力する。
次いで、宅配物を宅配ボックス内に収納し、宅配業者が開閉扉12を閉じると、通電金具18が閉信号S4を出力し、制御装置20が電気錠16に施錠指令S1を出力する。
従って、宅配業者が開閉扉12を閉じた後は、開閉扉12が施錠されて自由に開閉できなくなり、第三者のいたずらや盗難を防止することができる。
なお、居住者(ユーザ)が宅配物を取り出す際は、インターホン3の親機3a、又はスマートフォンを用いていつでも電気錠16を解錠することができる。なお、電気錠16は物理キーでも解錠可能である。
【0049】
また、宅配業者が宅配物を宅配ボックス内に収納する際に、受け取り認証手段29から印鑑を取り出し、受け取り印をおすことができる。印鑑は、受け取り認証手段29にワイヤ等で連結されており、誤って持ち帰らないようになっている。
また、上述した実施形態は、マンション等の集合住宅に限定されず、戸建て住宅にも同様に適用することができる。
【0050】
なお、本発明の範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0051】
S0 指令信号、S1 施錠指令、S2 解錠指令、S3 開信号、S4 閉信号、
1 玄関扉、2 開放廊下、3 インターホン、3a 親機、3b カメラ付き子機、
4 新聞受け、5 表札、7 空間、8 固定金具、
10 宅配ボックス、12 開閉扉、14 収容部、
14a 第1直方体空間、15 縦長空間、15a 第2直方体空間、
16 電気錠、18 通電金具、20 制御装置、20a 受信部、21 扉枠、
23 側面全面パネル、24 側面奥側パネル、
25 底板、27 棚板、28 ハンガーレール、
29 受け取り認証手段、32 前面パネル、33 背面パネル、
34 側面前側パネル、35 側面張出パネル、38 蝶番、40 取手部
図1
図2
図3
図4