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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】倉庫
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20230202BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20230202BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
F24F7/06 N
B65G1/00 521B
F24F7/007 101
F24F7/007 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017174740
(22)【出願日】2017-09-12
(65)【公開番号】P2019049400
(43)【公開日】2019-03-28
【審査請求日】2020-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 隆一
(72)【発明者】
【氏名】本間 瑞基
(72)【発明者】
【氏名】北村 禎章
(72)【発明者】
【氏名】下町 浩二
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-210049(JP,A)
【文献】特開2000-028245(JP,A)
【文献】特開昭59-041731(JP,A)
【文献】特開平09-026172(JP,A)
【文献】特開2004-077065(JP,A)
【文献】特開2002-181363(JP,A)
【文献】特開2015-036599(JP,A)
【文献】特開昭55-081516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
B65G 1/00
F24F 7/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温保管用の倉庫であって、
互いに対面する第1の外壁部対と、前記第1の外壁部対間に設けられた第2の外壁部対と、土間床と、天井とで囲まれた内部空間と、
前記内部空間に収容される複数の保管物と、
前記第1の外壁部対の一側に設けられ、屋外の空気を前記内部空間へ向けて給気する換気扇と、
前記第1の外壁部対の他側に設けられ、前記内部空間の空気を屋外へ排出する排気口と、
前記内部空間の上方位置に配置され、前記保管物間の隙間に空気流を送り込むエアサーキュレータと、
土間床とを備え、
前記内部空間には、前記換気扇と前記排気口とを結ぶ直線領域が形成され、
前記エアサーキュレータは、前記直線領域外で、かつ前記直線領域と前記第2の外壁部対の各々の外壁部との間に設けられ、前記土間床に向かって送風する、倉庫。
【請求項2】
前記内部空間の湿度を検知するための第1の湿度センサと、
前記内部空間の相対湿度が所定値以上である場合に、前記エアサーキュレータを駆動する制御装置とをさらに備える、請求項1に記載の倉庫。
【請求項3】
屋外空間の湿度を検知するための第2の湿度センサをさらに備え、
前記制御装置は、前記屋外空間の絶対湿度が前記内部空間の絶対湿度以下の場合に、前記換気扇を駆動する、請求項2に記載の倉庫。
【請求項4】
前記内部空間は、平面視において複数の領域に区画されており、
前記エアサーキュレータは、前記領域ごとに設けられる、請求項1~3のいずれかに記載の倉庫。
【請求項5】
前記内部空間は、平面視において複数の領域に区画されており、
前記エアサーキュレータおよび前記第1の湿度センサは、前記領域ごとに設けられる、請求項2または3に記載の倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫に関し、特に、常温で複数の物品を保管する倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
物流倉庫などの倉庫には一般的に冷暖房設備がなく、複数の物品が常温で保管される。このような常温倉庫の多くは、内部空間(屋内空間)の空気を換気するための換気扇を備えているものの、除湿器等は備えていない。
【0003】
除湿という観点においては、特開2011-149604号公報(特許文献1)に記載のように、低温低湿度の空気が供給される冷蔵倉庫の荷捌き場において、荷物搬出入口の開口高さよりも上部に、庫内出入扉に向かって斜め下方に荷捌き場内の空気を送る送風機を設置することで、冷蔵倉庫の荷捌き場内の結露を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-149604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
常温倉庫では一般的に、物品が段ボールに梱包されて保管される。つまり、倉庫の内部空間には、物品とそれを梱包する段ボールとによって構成される保管物が収容される。段ボールは湿気に弱いため、倉庫の内部空間の湿度が高くなり過ぎると、湿気により段ボールが劣化するおそれがある。
【0006】
そこで、倉庫の内部に除湿器を設けることも考えられるが、熱容量の大きい倉庫内の湿度を除湿器によって低下させるためには膨大な電気エネルギーが必要となるため、望ましくない。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、省エネルギー化を図りつつ、内部空間の湿気を減少させることのできる倉庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従う倉庫は、複数の保管物が収容される内部空間を有する倉庫であって、内部空間の空気を換気するための換気扇と、内部空間の上方位置に配置され、保管物間の隙間に空気流を送り込むエアサーキュレータとを備える。
【0009】
好ましくは、倉庫は、内部空間の湿度を検知するための第1の湿度センサと、内部空間の相対湿度が所定値以上である場合に、エアサーキュレータを駆動する制御装置とをさらに備える。
【0010】
より好ましくは、倉庫は、屋外空間の湿度を検知するための第2の湿度センサをさらに備え、制御装置は、屋外空間の絶対湿度が内部空間の絶対湿度以下の場合に、換気扇を駆動する。
【0011】
内部空間が、平面視において複数の領域に区画されている場合、エアサーキュレータは、領域ごとに設けられることが望ましい。
【0012】
内部空間が、平面視において複数の領域に区画されている場合、エアサーキュレータおよび第1の湿度センサの双方が、領域ごとに設けられていることも望ましい。
【0013】
倉庫は、土間床をさらに備えていてもよい。この場合、エアサーキュレータは、土間床に向かって送風することが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、省エネルギー化を図りつつ、内部空間の湿気を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る倉庫の概略構成を示す縦断面図である。
図2】本発明の実施の形態における制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図3】複数個のエアサーキュレータの配置例を模式的に示す平面図である。
図4】冬期および春期における倉庫内の温度遷移パターンと屋外の温度遷移パターンとを比較して示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
(構成について)
はじめに、図1を参照して、本実施の形態に係る倉庫1の構成例について説明する。図1は、本実施の形態に係る倉庫1の概略構成を示す縦断面図である。
【0018】
倉庫1は、土間床21、外壁22、および天井23によって囲まれた内部空間3を有している。この内部空間3には、多数の保管物91が常温で収容されている。本実施の形態では、保管物91が土間床21上に積み上げられており、多数の保管物91が複数の群(組)に分けて管理されている。以下、内部空間3に配置されている保管物91の群を「保管物群9」という。
【0019】
平面視において隣り合う保管物群9間には、人が通れるように隙間90が設けられている。隙間90は、水平方向において隣り合う保管物91間の隙間を表わす。また、保管物91は土間床21に直接載置されるのではなく、通気性を有するパレット(図示せず)を介して載置されるため、土間床21と保管物91との間にも隙間92が設けられている。
【0020】
なお、各保管物群9においても、保管物91間に、パレット(図示せず)が適宜介在されている。そのため、高さ方向において隣り合う保管物91間にも、適宜隙間(図示せず)が設けられる。パレットは、1段ごとに挿入されてもよいし、複数段ごとに挿入されてもよい。
【0021】
倉庫1の外壁22は、互いに対面する外壁部22a,22bを含む。外壁部22aには、内部空間3の空気を換気するための換気扇41が設けられている。換気扇41は、たとえば給気ファンである。外壁部22bには、たとえばガラリなどの排気口42が設けられる。そのため、換気扇41の駆動によって内部空間3に外気が供給され、内部空間3の空気が排気口42から屋外に排気される。換気扇41と排気口42とは、略同じ高さに設けられている。
【0022】
なお、内部空間3の換気のための換気扇は、給気ファンに限定されず、排気ファンにより構成されてもよい。あるいは、給気ファンおよび排気ファンの双方を含んでもよい。
【0023】
ここで、熱容量の大きい倉庫1の内部空間3は、(特に、外壁22から遠い中央部分において)外気温の影響を受け難いため、図4に示すように、屋内すなわち内部空間3の温度は屋外の温度変化よりも遅れて変化する。そのため、春先の梅雨の時期は、内部空間3の温度が外気温よりも低くなる。この状態で、冷えた内部空間3の湿度が上昇すると、結露やカビが発生するおそれがある。
【0024】
そこで、本実施の形態に係る倉庫1は、換気扇41に加え、エアサーキュレータ5と、内部空間3の湿度を検知するための湿度センサ(第1の湿度センサ)61と、屋外空間の湿度を検知するための湿度センサ(第2の湿度センサ)62とを備えている。
【0025】
エアサーキュレータ5は、直進性の高い風を発生する装置である。エアサーキュレータ5の駆動によって内部空間3の空気を循環させることができるため、内部空間3の湿気を減少させることができる。
【0026】
エアサーキュレータ5は、典型的には天井23に設けられる。そのため、保管物群9間の隙間90に、上方から空気流を送り込むことができる。これにより、保管物群9間の隙間90における空気の流動性を向上させることができるため、湿気が溜まりがちな隙間90の湿度を効率良く低下させることができる。
【0027】
また、土間床21と保管物群9との間にも隙間92が介在するため、上方から隙間90に送り込まれた空気は、土間床21上の隙間92を通過して、他の隙間90または通路30にまで送り込まれる。また、高さ方向に隣り合う保管物91間の隙間にも、空気が流れ込む。したがって、内部空間3の上方位置に配置されたエアサーキュレータ5の駆動によって、内部空間3において空気を適切に循環させることができる。なお、通路30は、隙間90よりも幅の大きい空間であり、フォークリフト等の機材が通過できる空間である。
【0028】
外壁22に設けられた換気扇41による送風路と、エアサーキュレータ5による送風路とは、立体的に交差しないことが望ましい。具体的には、平面視におけるエアサーキュレータ5の位置が、外壁部22aに配置された給気部としての換気扇41と、外壁部22bに配置された排気部としての排気口42とを結ぶ直線から離れていることが望ましい。これにより、内部空間3の換気と空気の循環とを適切に行うことができる。
【0029】
湿度センサ61は、内部空間3の相対湿度および絶対湿度を検知する。具体的には、湿度センサ61は、たとえば、内部空間3の相対湿度、温度、および気圧を検知する検知部と、検知された相対湿度、温度、および気圧に基づいて、内部空間3の絶対湿度を算出する算出部とを含む。
【0030】
湿度センサ62は、屋外空間の絶対湿度を検知する。具体的には、湿度センサ62は、たとえば、屋外空間の相対湿度、温度、および気圧を検知する検知部と、検知された相対湿度、温度、および気圧に基づいて、屋外空間の絶対湿度を算出する算出部とを含む。
【0031】
換気扇41、エアサーキュレータ5、および湿度センサ61,62は、制御装置7と電気的に接続されている。制御装置7は、湿度センサ61,62から得られる検知信号に基づいて、換気扇41およびエアサーキュレータ5の駆動(ON/OFF)を制御する。制御装置7は、メモリおよびプロセッサを含む一般的なコンピュータにより構成される。なお、湿度センサ61,62に含まれる算出部の機能、すなわち絶対湿度の算出機能は、このコンピュータによって実現されてもよい。
【0032】
(除湿処理について)
次に、図2を参照して、倉庫1の内部空間3の除湿方法について説明する。図2は、本実施の形態における制御装置7が実行する処理を示すフローチャートである。
【0033】
制御装置7は、湿度センサ61からの信号に基づいて、屋内(内部空間3)の相対湿度RHおよび絶対湿度Xiを検出するとともに、湿度センサ62からの信号に基づいて、屋外の絶対湿度Xoを検出する(ステップS1)。
【0034】
制御装置7は、屋内の相対湿度RHが所定値(たとえば70%)以上であり、かつ、屋外の絶対湿度Xoが屋内の絶対湿度Xi以下であると判断した場合(ステップS2およびS3にてYES)、エアサーキュレータ5および換気扇41の双方を駆動する(ステップS5)。これにより、内部空間3の空気の循環および換気が行われる。
【0035】
制御装置7は、屋内の相対湿度RHが所定値以上であり、かつ、屋外の絶対湿度Xoが屋内の絶対湿度Xiよりも高いと判断した場合(ステップS2にてYES、ステップS3にてNO)、エアサーキュレータ5のみを駆動する(ステップS6)。これにより、内部空間3の換気は行われず、内部空間3の空気の循環のみが行われる。
【0036】
制御装置7は、屋内の相対湿度RHが所定値未満であり、かつ、屋外の絶対湿度Xoが屋内の絶対湿度Xi以下であると判断した場合(ステップS2にてNO、ステップS4にてYES)、換気扇41のみを駆動する(ステップS7)。これにより、内部空間3の空気の循環は行われず、換気だけが行われる。
【0037】
制御装置7は、屋内の相対湿度RHが所定値未満であり、かつ、屋外の絶対湿度Xoが屋内の絶対湿度Xiよりも高いと判断した場合(ステップS2およびステップS4にてNO)、エアサーキュレータ5および換気扇41の運転を停止する(ステップS8)。これにより、内部空間3の空気の循環および換気は行われない。
【0038】
図2に示す処理は、たとえば所定時間(たとえば5分)ごとに繰り返し行われる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態によれば、エアサーキュレータ5を用いて内部空間3の空気を循環させることにより、内部空間3の湿度上昇を抑えることができる。したがって、春先などに、倉庫1の内部空間3において結露やカビが発生することを防止することができる。
【0040】
また、エアサーキュレータ5は、屋内の相対湿度RHが所定値以上となった場合にのみ駆動されるため、消費電力を無駄に増大させることなく内部空間3内の湿度上昇を抑えることができる。
【0041】
また、屋外の絶対湿度Xoが屋内の絶対湿度Xiよりも高い場合には、換気をOFFにすることにより、屋外から内部空間3への湿気流入量を抑えることができる。したがって、内部空間3の湿度上昇を効果的に抑えることができる。
【0042】
さらに、エアサーキュレータ5は上述のように、保管物群9間の隙間90に空気流を送り込むため、隙間90の湿度を効率良く低下させることができる。これにより、保管物91の外装部としての段ボールの吸湿を抑制することができる。
【0043】
ここで、段ボールは一般的に相対湿度が80%以上の場合に劣化が生じるといわれている。本実施の形態では、エアサーキュレータ5のON/OFFの判断基準となる所定値が、劣化が生じ得る下限値よりも低い値(70%)としている。したがって、本実施の形態によれば、段ボールの劣化を確実性高く防止することができる。また、保管物91の外装部としての段ボールの劣化が防止できるため、複数の保管物91が土間床21の上等に積み上げられて保管されている場合であっても、保管物91の荷崩れを防止することもできる。
【0044】
なお、エアサーキュレータ5のON/OFFの判断基準となる所定値は、70%以下であることが望ましいが、80%以下であればよい。省エネルギー性を考慮すれば、所定値は、50%以上であることも望ましい。
【0045】
また、本実施の形態では、エアサーキュレータ5が天井23に設けられているため、土間床21に向かって空気が送風される。そのため、冬や春先など、内部空間3の温度が比較的低い時期には、土間床21の表面が乾燥されることにより、その表面温度を0.5℃程度上昇させることができる。したがって、エアサーキュレータ5の駆動によって、土間床21に結露が発生することを防止することも可能となる。
【0046】
(エアサーキュレータの配置例)
エアサーキュレータ5によって、容積の大きい内部空間3の除湿を効果的に行うためには、エアサーキュレータ5は複数個設けられることが望ましい。
【0047】
図3は、複数個のエアサーキュレータ5の配置例を模式的に示す平面図である。
【0048】
倉庫1の内部空間3は、平面視において複数の領域3a~3fに区画されている。各領域3a~3fは、複数の保管物91を収容可能な領域である。一例として、上記したような複数の保管物群9が、領域ごとに配置されている。
【0049】
この場合、エアサーキュレータ5は、区画された領域3a~3fごとに設けられていることが望ましい。これにより、各領域において、保管物群9間の隙間90に空気流を送り込むことができるため、保管物91(段ボール)をより効果的に乾燥させることができる。
【0050】
内部空間3を構成するこれらの領域3a~3fは、たとえば、1つ以上の柱25により区画された略矩形形状の領域である。本実施の形態では、内部空間3は、柱25が各矩形領域の角に配置されるように区画されている。なお、内部空間3は、隣り合う領域を物理的に仕切る仕切り壁(図示せず)、あるいは、ロープやコーンバー等の仕切り部材によって区画されていてもよいし、土間床21上に視認可能に付された囲み線等によって区画されていてもよい。
【0051】
ここで、通常は、領域3a~3fの湿度は均一ではなく、外壁22からの距離、方位、または、外壁22に設けられた搬出入口24からの距離などによって異なる。したがって、各領域3a~3fの除湿をより適切に行うためには、領域ごとに湿度センサ61が設けられていてもよい。この場合、領域ごとに相対湿度が判断できるため、相対湿度が高い領域に配置されたエアサーキュレータ5だけを駆動することができる。これにより、領域3a~3f間における湿度のバラツキを抑制することもできる。
【0052】
あるいは、湿度センサ61は、領域ごとでなく、複数の領域の境界位置に配置された柱25ごとに設けてもよい。この場合、制御装置7は、各柱25に隣接する領域に配置された複数のエアサーキュレータ5のON/OFF制御を同時に行うことができる。これにより、湿度センサ61の個数を抑えつつ、領域3a~3f間における湿度のバラツキを抑制することができる。
【0053】
(変形例)
エアサーキュレータ5は、水平方向または高さ方向において隣り合う複数の保管物91間の隙間に空気流を送り込むことができるように配置されていればよい。すなわち、エアサーキュレータ5の配置位置および向き(送風方向)は、保管物91間の隙間に、直接的または間接的に、空気流を送り込むことができれば、特に限定されない。そのため、換気扇41とエアサーキュレータ5とを含む除湿構造を、たとえば、内部空間3に設置された棚に整然と保管物91が収容されるような、他種の収容形態を採用する倉庫にも適用することができる。
【0054】
具体的には、上記実施の形態では、エアサーキュレータ5が天井23に設置されることとしたが、内部空間3の上方位置であれば天井23以外の場所、たとえば外壁22または柱25に設置されてもよい。なお、「上方位置」とは、高さ方向の中央位置よりも上方の位置を表わす。
【0055】
また、エアサーキュレータ5は、下向きに設置され、下方に向かって空気流を発生することとしたが、保管物91間の隙間に空気流を送り込むことができれば、下向きでなくてもよい。たとえば、エアサーキュレータ5が横向きに設置され、水平方向に沿う空気流を発生してもよい。あるいは、エアサーキュレータ5は、いわゆる首振りタイプのものであってもよく、送風方向が周期的に変更されてもよい。
【0056】
また、本実施の形態では、屋内外の絶対湿度の比較によって換気扇41のON/OFFを行うこととしたが、一般的な倉庫のように換気扇41は常時駆動されてもよい。この場合、屋外の湿度センサ62は不要である。
【0057】
同様に、エアサーキュレータ5も、常時駆動されてもよい。この場合、屋内の湿度センサ61も不要である。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0059】
1 倉庫、3 内部空間、3a~3f 領域、5 エアサーキュレータ、7 制御装置、9 保管物群、21 土間床、22 外壁、23 天井、24 搬出入口、25 柱、30 通路、41 換気扇、42 排気口、61,62 湿度センサ、90,92 隙間、91 保管物。
図1
図2
図3
図4