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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】有機性廃棄物の処理方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20230202BHJP
   B09B 3/00 20220101ALI20230202BHJP
【FI】
C12N1/20 F ZAB
B09B3/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018111909
(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公開番号】P2019213474
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-05-11
【微生物の受託番号】IPOD  FERM BP-8233
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-18598
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15536
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15537
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15538
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15539
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15540
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15541
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15542
【微生物の受託番号】NPMD  NITE P-01763
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-01764
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-01948
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-01949
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-01950
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-01925
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-19412
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-19413
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-19414
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-19415
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15085
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15086
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15087
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15536
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15537
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15538
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15539
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15540
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15541
【微生物の受託番号】IPOD  FERM P-15542
(73)【特許権者】
【識別番号】598052089
【氏名又は名称】株式会社 山有
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】弁理士法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山村 正一
【審査官】田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-229874(JP,A)
【文献】特開2015-116158(JP,A)
【文献】特許第5689560(JP,B1)
【文献】特開2005-013063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0293426(US,A1)
【文献】特表平07-500032(JP,A)
【文献】特開平06-321305(JP,A)
【文献】特開2014-094764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
B09B
C02F
C05F
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分別することが困難な夾雑物を含む有機廃棄物や、処理方法が異なるためそれぞれ別途に回収する必要があった有機廃棄物を、分別することなく、独立行政法人・産業技術総合研究所の特許微生物寄託センターに寄託している受託番号FERM P-15536、FERM P-15537、FERM P-15538、FERM P-15539、FERM P-15540、FERM P-15541、FERM P-15542、FERM P-18598、NITE P-01763、NITE BP-01764、NITE BP-01948、NITE BP-01949、NITE BP-01950、NITE BP-01925、FERM BP-8233、FERM P-19412、FERM P-19414、及びFERM P-19415より成る群から選択される少なくとも1種の好気性高温菌又はその混合菌体もしくはこれらの培養物を有効成分とする有機物分解剤と混合し、20日以上保持して有機廃棄物を分解処理後、有機廃棄物の分解物から夾雑物を分離する工程をさらに含む有機廃棄物の分解方法。
【請求項2】
有機廃棄物を分解処理後、夾雑物を含む有機廃棄物を粗破砕する工程を含む請求項1記載の有機廃棄物の分解方法。
【請求項3】
廃棄物の発生源に設置される、分別することが困難な夾雑物を含む有機廃棄物や、処理方法が異なるためそれぞれ別途に回収する必要があった有機廃棄物を、分別することなく投棄する開閉扉を供えたコンテナーと、
前記コンテナーを有機廃棄物の処理施設まで運搬する運搬手段と、
前記処理施設において、コンテナーで運搬された分別することが困難な夾雑物を含む有機廃棄物や、処理方法が異なるためそれぞれ別途に回収する必要があった有機廃棄物を、分別することなく、独立行政法人・産業技術総合研究所の特許微生物寄託センターに寄託している受託番号FERM P-15536、FERM P-15537、FERM P-15538、FERM P-15539、FERM P-15540、FERM P-15541、FERM P-15542、FERM P-18598、NITE P-01763、NITE BP-01764、NITE BP-01948、NITE BP-01949、NITE BP-01950、NITE BP-01925、FERM BP-8233、FERM P-19412、FERM P-19414、及びFERM P-19415より成る群から選択される少なくとも1種の好気性高温菌又はその混合菌体もしくはこれらの培養物を有効成分とする有機物分解剤と混合する混合手段
を備えた有機廃棄物の分解システム。
【請求項4】
分解処理後、夾雑物を含む有機廃棄物を粗破砕する手段をさらに備えた請求項4記載の有機廃棄物の分解システム。
【請求項5】
有機物分解剤で分解された有機性廃棄物と、有機物分解剤で分解されなかった夾雑物とを分離する分離手段とさらに備えた請求項4又は5記載の有機廃棄物の分解システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭廃棄物から産業廃棄物まで、ありとあらゆる発生源から発生する有機性廃棄物を、有機性廃棄物以外の夾雑物を分別することなく一元的に処理する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大量に発生する廃棄物の処理の軽減化の一環として分別収集が行われ、古紙、ペットボトル、金属などはリサイクル原料として再利用されている。
【0003】
一方、家庭、交通機関、公園などの公共施設で「一般ゴミ」あるいは「燃えるゴミ」として回収された有機廃棄物については、回収後にさらに分別することは困難で、ほとんどそのまま焼却処分されているのが現状である。しかし、焼却により大量の二酸化炭素が発生するので、地球環境の観点からは、できるだけ二酸化炭素の発生を抑えた方法で処理することが望ましい。
【0004】
また、動物園などでは、来場者が残していった一般ゴミのほか、飼育動物の飼料の残渣や排泄物、あるいは、動物自体の死骸などが発生し、これらの処理方法が異なるので、それぞれ別途に回収して処理する必要があり、手間とコストがかかっていた。
【0005】
本発明者は、長年、好気性高温菌(独立行政法人・産業技術総合研究所の特許微生物寄託センターに寄託している受託番号FERM P-15536、FERM P-15537、FERM P-15538、FERM P-15539、FERM P-15540、FERM P-15541、FERM P-15542、FERM P-18598、NITE P-01763、NITE BP-01764、NITE BP-01948、NITE BP-01949、NITE BP-01950、NITE BP-01925、NITE BP-8233、FERM P-19412、FERM P-19414、及びFERM P-19415から選択される単独菌体又はそれらの混合菌体を使用した有機廃棄物の分解技術の研究開発に携わっており(特許文献1~3)、公共施設の下水処理場で発生する汚泥などの廃棄物を焼却することなく処理する技術を実用化してきた(特許文献4、5)。
【0006】
上記好気性高温菌を使用すれば、有機性廃棄物のほとんどを短期間で完全に発酵分解することができ、また発酵温度が100℃付近まで上昇することから、分解生成物は、含水率が低く、付着性のないさらさらとした顆粒状となる。係る強力な有機物の分解能により、プラスチック製の容器やトレーに付着した食物残渣なども、本発明の好気性高温菌を少しでも付着させることができれば、10日間以上、保持することにより完全に有機物を分解することができ、しかも分解物は付着姓のないさらさらとした顆粒状となるので、分解物はプラスチック製の容器やトレーと簡単に分離することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平09-059081号公報
【文献】特開平10-229874号公報
【文献】特許第5689560号
【文献】特開平11-292669号公報
【文献】特開平11-292674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本件発明は、上記の知見を基になされたもので、本発明の好気性高温菌を使用することにより、従来のように分別回収することなく、食物残渣などの有機物を含む有機廃棄物であれば一緒に回収して処理することができる有機廃棄物の処理方法及び処理システムを提供する。また、動物の死骸など、従来別途処理する必要があったものも、一般廃棄物と一緒に処理することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様は、以下のとおりである。
〔1〕夾雑物を含む有機廃棄物を、独立行政法人・産業技術総合研究所の特許微生物寄託センターに寄託している受託番号FERM P-15536、FERM P-15537、FERM P-15538、FERM P-15539、FERM P-15540、FERM P-15541、FERM P-15542、FERM P-18598、NITE P-01763、NITE BP-01764、NITE BP-01948、NITE BP-01949、NITE BP-01950、NITE BP-01925、NITE BP-8233、FERM P-19412、FERM P-19414、及びFERM P-19415より成る群から選択される少なくとも1種の好気性高温菌又はその混合菌体もしくはこれらの培養物を有効成分とする有機物分解剤と混合し、10日以上保持する有機廃棄物の分解方法。
〔2〕分解処理後、夾雑物を含む有機廃棄物を粗破砕する工程を含む〔1〕の有機廃棄物の分解方法。
〔3〕有機廃棄物の分解物から夾雑物を分離する工程をさらに含む〔1〕または〔2〕の有機廃棄物の分解方法。
〔4〕廃棄物の発生源に設置される、夾雑物を含む有機廃棄物を投棄する開閉扉を供えたコンテナーと、
前記コンテナーを有機廃棄物の処理施設まで運搬する運搬手段と、
前記処理施設において、コンテナーで運搬された夾雑物を含む有機廃棄物を、独立行政法人・産業技術総合研究所の特許微生物寄託センターに寄託している受託番号FERM P-15536、FERM P-15537、FERM P-15538、FERM P-15539、FERM P-15540、FERM P-15541、FERM P-15542、FERM P-18598、NITE P-01763、NITE BP-01764、NITE BP-01948、NITE BP-01949、NITE BP-01950、NITE BP-01925、NITE BP-8233、FERM P-19412、FERM P-19414、及びFERM P-19415より成る群から選択される少なくとも1種の好気性高温菌又はその混合菌体もしくはこれらの培養物を有効成分とする有機物分解剤と混合する混合手段
を備えた有機廃棄物の分解システム。
〔5〕分解処理後、夾雑物を含む有機廃棄物を粗破砕する手段をさらに備えた〔4〕の有機廃棄物の分解システム。
〔6〕有機物分解剤で分解された有機性廃棄物と、有機物分解剤で分解されなかった夾雑物とを分離する分離手段とさらに備えた〔4〕又は〔5〕の有機廃棄物の分解システム。
【0010】
本発明において「夾雑物」とは、本件発明の好気性高温菌で分解できない物質のことで、有機物でもプラスチックのような難分解物や大きな木片のように分解可能であるが完全に分解するのに時間がかかるもの、及び無機物である金属、ガラス片、陶器片、砂利などが挙げられる。なお、プラスチックでも、生分解性のものは本発明の好気性高温菌で分解できる。このような夾雑物は、有機性汚物が付着していなければ、可能であれば本発明の処理前に除去しておくことが望ましい。
【0011】
本発明で廃棄物の回収に使用されるコンテナーは、搬送時の振動などに耐え得るだけの強度が必要で、鋼鉄や強化プラスチックなどで製造される。また、大きさは廃棄物の発生量に応じて設定すればよい。
【0012】
また、前記コンテナーには、上部に廃棄物投入口、側面にそれより大きめの廃棄物排出扉を設けておくことが作業効率上好ましい。また、これらの開口部は、搬送時に悪臭が周囲に漏れないよう気密にしておくことが望ましく、さらにコンテナー内に本発明の有機物分解剤を散布することも脱臭効果が得られ有効である。
【0013】
搬送された廃棄物は、処理場にてコンテナーから排出し、適宜、パワーシャベルなどの重機などを利用して、本発明の好気性高温菌を含む有機物処理剤を混合させる。このとき、廃棄物中の夾雑物である容器等は破壊されるので、破壊部から容器内に本発明の有機物処理剤が入り込み、容器内の残渣物も分解される。
【0014】
本発明の有機物分解剤は、周囲温度や有機物との接触状態などの条件がよければ、ほとんどの有機物を24時間以内に分解することが可能であるが、本発明のように夾雑物が混在する条件でも、有機物分解剤との混合状態を10日以上、好ましくは20日以上、より好ましくは30日以上保持すれば、有機物分解剤中の好気性高温菌が有機廃棄物中で増殖し、有機廃棄物を完全に分解することができる。
【0015】
また、冬季などの低温環境下では、本発明の有機物処理剤内の好気性高温菌の活性が低下し、混合物の温度上昇が遅くなるので、上記混合物内に高温ガスを吹き込み、混合物を加温することにより本発明の好気性高温菌の活性を高め、有機廃棄物の分解速度を高めることが望ましい。
【0016】
有機廃棄物の分解生成物は、付着性がなく、さらさらとした顆粒状となるので、夾雑物と簡単に分離することができる。分離された有機廃棄物の分解物は、堆肥や土壌改良剤として利用される。一方、分解生成物から分離した夾雑物も、有機廃棄物が付着していない状態で回収できるので、磁力や、比重差などを利用した公知の分離手段を利用して選別すれば、有用なリサイクル原料となる。
【0017】
また、夾雑物の形状によっては、前記分離操作に先立ち、あるいは分離操作後に、夾雑物を数cm径程度まで粗粉砕することにより、例えば容器内や夾雑物にはさまれた残渣物などの分解物も容易に分解、分離することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の方法によれば、有機性廃棄物の発生源では、廃棄物を分別することなく廃棄でき、本発明の方法によって処理された有機性廃棄物は、無臭で堆肥や土壌改良剤として利用可能である。
また、本発明で使用する好気性高温菌で分解できない夾雑物は、有機性廃棄物で付着していない状態で回収されるので、リサイクル原料として利用できる。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0019】
<有機物分解剤の調製>
本発明の好気性高温菌(独立行政法人・産業技術総合研究所の特許微生物寄託センターに寄託している受託番号FERM P-15536、FERM P-15537、FERM P-15538、FERM P-15539、FERM P-15540、FERM P-15541、FERM P-15542、FERM P-18598、NITE P-01763、NITE BP-01764、NITE BP-01948、NITE BP-01949、NITE BP-01950、NITE BP-01925、NITE BP-8233、FERM P-19412、FERM P-19414、及びFERM P-19415を含む土壌に蔗糖溶液などを加えて高温下で通気しながら発酵させて菌体を培養し、好気性高温菌の培養物を作る。得られた好気性高温菌の培養物は、粉末化して「好気性高温菌を種菌とする粉末状の発酵生成物」としてそのまま使用できるが、本発明では、この好気性高温菌の培養物を有機物原料、例えば、生汚泥や動植物性廃棄物などと混合してさらに通気して発酵させ、本発明で用いる有機物分解剤を得る。
【0020】
<有機性廃棄物の処理>
有機性廃棄物の発生源である動物園でコンテナー内に投棄され、廃棄物処理場に運搬され、回収された廃棄物には、動物餌の余剰物、動物の排泄物や動物の死骸、来場者が廃棄した残飯や飲み残しのペットボトル飲料などが含まれていた。これをそのまま前述した有機物分解剤と6:4~1:1の割合で混合する。
最初は常温であった混合物が1日ないし数日後には80~90℃に昇温し、やがて100℃以上に昇温する。この温度に数日間放置すると温度が低下し始めるので、その時点で最初の切返し(攪拌)を行なう。以後は、この放置と切返しを数回繰り返して行ない発酵を続けると温度が上がらなくなるので、この時点で有機物の分解が完了したものと判断した。分解の完了までの期間は、気温、夾雑物の量や種類によって影響されるが、およそ10~50日間、好ましくは30日間以上発酵を続けると、温度が上がらなくなり、さらさらした粉末状の発酵生成物が得られる。分解物はさらさらとして流動性に優れているので、非分解物であるプラスチック製トレーなどと簡単に分離することができた。
【0021】
<有機性廃棄物の処理システム>
本発明で使用する有機性廃棄物を回収するためのコンテナーは、トラックのリフトを利用してそのまま車載可能な構造物を使用した。
コンテナーの上部には、機密性蓋を備えた廃棄物の投入口が設けられ、端部には機密性排出扉を備えた排出口が設けられている。
【0022】
廃棄物の発生源では、上記コンテナーを設置し、発生する廃棄物を分別することなくそのまま上部の投入口からコンテナー内に投入する。このとき、本発明の有機物分解剤を散布すれば、コンテナー内の悪臭の発生を抑制することができる。コンテナー内に廃棄物が蓄積されたら、コンテナーはトラックで処理施設に搬送する。
処理施設に搬送されたコンテナーは、排出扉を開いた状態で、排出扉の反対側の端部をリフトで持ち上げることによりコンテナー内の廃棄物を排出させ、空になったコンテナーは廃棄物の発生源に戻される。このときも、コンテナー内壁に付着した有機瀬廃棄物残渣に対しても本発明の有機分解剤を散布すれば、悪臭の発生が抑制される。
【0023】
廃棄物の処理場では、床面に本発明の有機物処理剤を敷き詰め、溝を形成しておき、この溝内に上述した廃棄物をコンテナーから排出しながら、廃棄物の上面を、溝の両側の有機物処理剤で覆い、この状態で廃棄物と有機物処理剤を混合することにより、廃棄物からの悪臭の発生を最小限に留める。
【0024】
上記混合時に、廃棄物中に容器が存在する場合これを破壊するように行えば、容器内の廃棄物も本発明の有機物処理剤と十分接触することとなり効果的に分解する。
【0025】
本実施例では、上述した放置と切返しを6回繰り返し、45日目で温度が上がらなくなった。分解物はさらさらとした顆粒状で、分解されなかったプラスチック製のトレーやペットボトルの破砕物と簡単に篩い分けすることができた。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の方法及びシステムによれば、動物園など、多種類の有機物を含む廃棄物が発生する施設において、分別することなく不要な廃棄物を廃棄することができ、また、本発明の方法による分解物は、無臭で付着性がないさらさらとした顆粒状なので、非分解物との分離が容易で、リサイクル原料としての可能性が高い。
さらに、本発明の方法及びシステムによれば、従来分別不可能で焼却するしかなかった廃棄物を、焼却によらず処理できるので、炭酸ガスの排出量の削減に寄与できる。